JP6531582B2 - トランスファー装置、及び生タイヤの形成方法 - Google Patents

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本発明は、第1ドラム上でプライ形成用部材を巻回することによって形成される円筒状カーカスプライを、前記第1ドラムから受け取って第2ドラムまで搬送するトランスファー装置、及びそれを用いた生タイヤの形成方法に関する。
一般に、生タイヤ(未加硫タイヤ)の形成に際しては、ドラム上でインナーライナ形成用部材を一周巻きして円筒状インナーライナを形成するとともに、この円筒状インナーライナ上でカーカスプライ形成用部材を一周巻きすることにより、円筒状インナーライナと円筒状カーカスプライとを積層している。
これに対して、下記の特許文献1には、2つのドラムを用い、第1ドラム上でカーカスプライを、第2ドラム上でインナーライナを別々に形成する生タイヤの形成方法が開示されている。この形成方法(便宜上「2−ドラム形成方法」という場合がある。)では、第1ドラムから取り出した円筒状カーカスプライを、第2ドラム上の円筒状インナーライナの外側に同心状に外挿して保持し、しかる後、第2ドラムを拡径することにより、円筒状インナーライナの外周面を円筒状カーカスプライの内周面に押し付けて両者を一体に接合している。
これにより、カーカスプライ形成用部材の周方向両端を互いに突き合わせて連結するジッパージョイントが可能となる。また周方向両端部を互いに重ね合わせて連結するオーバラップジョイントにおいても、その重なり幅を例えば3mm以下に抑えることが可能になる。そのため、所謂ジョイントデント(タイヤ内圧充填時に、ジョイント部の位置でサイドウォール表面が帯状に凹む現象。)を減じることができ、タイヤの外観性能を向上しうる。
他方、前記特許文献1では、複数のバキュームパッドを有するトランスファー装置を用い、円筒状カーカスプライの外周面を吸着しながら、該円筒状カーカスプライを第1ドラムから取り出して第2ドラムまで搬送する。
しかし、円筒状カーカスプライは、厚さが薄く剛性に劣るため、バキュームパッド間に位置する非吸着部分では、自重によって垂れ易く変形しやすい。特に、特許文献2の図8、10等に開示されるように、軸心方向に近離可能な一対の吸着機を有するトランスファー装置の場合、非吸着部分の垂れが大きくなって、コード配列に乱れが生じ、ユニフォーミティを低下させる傾向を招く。その理由としては、吸着機間の間隔を調整することにより、種々な軸心方向幅の円筒状カーカスプライを吸着することが可能になるが、しかしこの場合、吸着機間の離間に伴い軸心方向中央側に、非吸着部分が周方向に連続して形成されてしまい、その結果、非吸着部分の垂れが大きくなる。
特開2014−233954号公報 特開2011−42156号公報
そこで発明は、軸心方向幅の異なる複数種類の円筒状カーカスプライを吸着しうるとともに、軸心方向中央側における非吸着部分の垂れを減じてコード配列の乱れを抑制しうるトランスファー装置、及び生タイヤの形成方法を提供することを課題としている。
本願第1発明は、第1ドラム上でプライ形成用部材を巻回することによって形成される円筒状カーカスプライを、前記第1ドラムから受け取って第2ドラムまで搬送するトランスファー装置であって、
前記第1ドラムと第2ドラムとの間を移動可能な移動台と、
前記移動台に、前記円筒状カーカスプライの軸心方向に近離移動可能に支持される一対の吸着機とを具え、
各前記吸着機は、前記円筒状カーカスプライと同心な環状フレームと、
前記環状フレームに、周方向に間隔を有して支持される複数のセグメントと、
各前記セグメントに支持され、かつ軸心方向の内方にのびる支持板と、
各前記支持板に、軸心方向に間隔を隔てて取り付き、かつ前記円筒状カーカスプライの外周面を吸着しうる複数のバキュームパッドとを具えるとともに、
前記支持板は、軸心方向の長さが小な第1の支持板と、この第1の支持板とは周方向に交互に配されかつ軸心方向の長さが大な第2の支持板とからなり、
しかも一方の吸着機に配される第1の支持板と、他方の吸着機に配される第2の支持板とは、軸心方向に一直線状に配されることを特徴としている。
本発明に係る前記トランスファー装置では、前記第1の支持板に取り付くバキュームパッドと、前記第2の支持板に取り付くバキュームパッドとは、軸心方向に位置ずれしたことが好ましい。
本発明に係る前記トランスファー装置では、前記第1の支持板及び第2の支持板は、それぞれ前記セグメントに、軸心方向に位置調整可能に支持されることが好ましい。
本発明に係る前記トランスファー装置では、各前記セグメントは、前記環状フレームに、拡縮径手段を介して半径方向内外に移動可能に支持されることが好ましい。
本願第2発明は、第1発明のトランスファー装置を用いた生タイヤの形成方法であって、
第1ドラム上でプライ形成用部材を巻回することによって円筒状カーカスプライを形成するステップS1と、
第2ドラム上で、インナーライナ形成用部材を巻回して円筒状インナーライナを形成するステップS2と、
前記トランスファー装置を用い、前記第1ドラムから円筒状カーカスプライを受け取りかつ第2ドラム上の円筒状インナーライナの外側に同心状に外挿させて保持するステップS3と、
前記第2ドラムを拡径し、円筒状インナーライナの外周面を円筒状カーカスプライの内周面に押し付けて一体に接合するステップS4とを含むことを特徴としている。
本発明は叙上の如く、円筒状カーカスプライの軸心方向に近離移動可能に支持される一対の吸着機とを具える。そのため、軸心方向の近離移動により、軸心方向幅の異なる複数種類の円筒状カーカスプライを、吸着することができる。
また、バキュームパッドが軸心方向に間隔を隔てて取り付く支持板を、軸心方向の長さが異なりかつ周方向に交互に配される第1、第2の支持板によって形成している。しかも一方の吸着機に配される第1の支持板と、他方の吸着機に配される第2の支持板とを、軸心方向に一直線状に配している。
従って、吸着機が軸心方向に離間したとき、一方の吸着機の支持板と、他方の吸着機の支持板との間の隙間、即ち非吸着部分は、周方向に対しては、軸心方向一方側、他方側に交互に位置ずれする。そのため、軸心方向中央側において、非吸着部分の垂れを減じることができ、コード配列の乱れを抑制してタイヤのユニフォーミティを向上させうる。
第1発明のトランスファー装置を用いた生タイヤの形成方法を実施するための生タイヤ製造ラインを概念的に示す平面図である。 トランスファー装置を軸心方向から見た部分断面図である。 トランスファー装置を軸心と直角な方向から見た正面図である。 (A)、(B)は第1、第2の支持板を拡縮径手段とともに示す断面図である。 円筒状カーカスプライの吸着状態を示す断面図である。 バキュームパッドの一周に亘る配置を、平面に展開して示す展開図である。 (A)、(B)は、吸着機の近接状態、及び離間状態におけるバキュームパッドの配置を、平面に展開して示す展開図である。 円筒状カーカスプライが二層構造の場合の問題点を示す説明図である。 第1、第2の支持板の位置調整による作用効果を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、第2発明の生タイヤの形成方法を実施するための生タイヤ製造ラインLを概念的に示す平面図であり、前記生タイヤ製造ラインLには第1発明のトランスファー装置3が使用される。
図1において、生タイヤ製造ラインLは、円筒状カーカスプライWAを形成する第1ドラム1と、円筒状インナーライナWBを形成する第2ドラム2と、円筒状カーカスプライWAを第1ドラム1から受け取って第2ドラム2まで搬送するトランスファー装置3とを含む。第1ドラム1と第2ドラム2とは、それぞれの軸心j1、j2回りで回転可能に支持されるとともに、本例では、各軸心j1、j2は互いに平行に配される。またトランスファー装置3は、第1ドラム1と第2ドラム2との間を、前記軸心j1、j2とは直角なX方向に往復移動しうる。
前記第1ドラム1は、拡縮径可能な円筒状をなし、拡径状態の第1ドラム1上で、シート状のプライ形成用部材を巻回することにより、円筒状カーカスプライWAが形成される。このように、第1ドラム1上に、直接にプライ形成用部材を巻回するため、周長のバラツキがなくなり、ジッパージョイントを採用することが可能となる。またオーバラップジョイントを採用する場合にも、ジョイント部の重なり幅を例えば3mm以下に低く抑えることができ、ジョイントデントを減じることが可能になる。
本例の第1ドラム1は、具体的には、周方向に分割される複数のドラムセグメント(図示しない)を有し、各ドラムセグメントが、例えばシリンダ等の拡縮径手段(図示しない)によって半径方向内外に移動可能に支持されることにより、拡縮径しうる。なお拡径手段としては、シリンダ以外にも、例えばリンク機構、ボールネジ機構など種々のものが採用できる。
前記第2ドラム2は、第1ドラム1と同様、拡縮径可能な円筒状をなす。そして縮径状態の第2ドラム2上で、シート状のインナーライナ形成用部材を巻回することにより、円筒状インナーライナWBが形成される。
第1ドラム1上で形成される円筒状カーカスプライWAの内径は、第2ドラム2上で形成される円筒状インナーライナWBの外径よりも大である。これにより、円筒状カーカスプライWAを、第2ドラム2上の円筒状インナーライナWBの外側に同心状に外挿させることが可能になる。この外挿状態にて、第2ドラム2を拡径することで、円筒状インナーライナWBの外周面を円筒状カーカスプライWAの内周面に押し付けて一体に接合することが可能になる。なお接合体には、従来と同様、ビードコア、サイドウォールゴム等の他のタイヤ構成部材が順次形成される。要求により、接合前かつ第1ドラム1上に、インナーライナ以外にサイドウォールゴムやビードゴム等を形成することもできる。符号4は、シェーピングフォーマである。
前記トランスファー装置3は、第1ドラム1上で形成される円筒状カーカスプライWAを、第1ドラム1から受け取って第2ドラム2まで搬送するとともに、搬送した円筒状カーカスプライWAを、第2ドラム2上の円筒状インナーライナWBの外側に同心状に外挿させて保持する。
図2、3に示すように、トランスファー装置3は、第1ドラム1と第2ドラム2との間を往復移動可能な移動台5と、この移動台5に支持される一対の吸着機6とを具える。図中の符号7は支持台であり、本例では、前記支持台7上に敷設されかつX方向にのびるガイドレール7aに沿って、移動台5が案内される。移動台5には、円筒状カーカスプライWAの軸心方向Yにのびるガイドレール5aが配される。
前記一対の吸着機6は、軸心方向Yに対して互いに近離移動可能に、前記移動台5に支持される。便宜上、一方の吸着機を6L、他方の吸着機を6Rとして区別する場合がある。各吸着機6は、図2に示すように、環状フレーム10と、この環状フレーム10に支持される複数のセグメント11と、各セグメント11に支持される支持板12と、各支持板12に取り付く複数のバキュームパッド13とを具える。
本例の吸着機6は、移動台5上の前記ガイドレール5aに沿って軸心方向Yに移動可能な基台部14を含み、この基台部14に、前記環状フレーム10が一体移動可能に取り付く。
前記環状フレーム10は、円筒状カーカスプライWAと同心なリング状をなす。そしてこの環状フレーム10に、複数(本例では6つ)のセグメント11が周方向に間隔(好ましくは等間隔)を有して支持される。
本例では、各セグメント11は、環状フレーム10に、拡縮径手段15を介して半径方向内外に移動可能に支持される。
具体的には、図2、4に示すように、本例の環状フレーム10には、この環状フレーム10を貫通して半径方向内外にのびるガイド孔15aと、このガイド孔15aに案内されて半径方向内外に移動可能なスライド軸15bとが配される。そして前記スライド軸15bの半径方向内端に、例えば板状の前記セグメント11が取り付く。
前記環状フレーム10には、その内周面に、軸受け(図示しない)を介して同心に枢支される回動リング15cが配される。回動リング15cは、その外周面から半径方向外側に突出するレバー部15c1を具えるとともに、このレバー部15c1の先端は、環状フレーム10に取り付くシリンダ15dのロッドに連結される。従って、回動リング15cは、前記シリンダ15dの伸縮により、環状フレーム10とは同心に回動しうる。
また回動リング15cは、その内周面から半径方向内側に突出する複数の突起部15c2を具える。そして、各突起部15c2に設ける枢支点Q1と、各スライド軸15bに設ける枢支点Q2との間が、リンク15eで接続される。従って、各セグメント11は、前記回動リング15cの回動に伴い、前記リンク15eを介して一斉に半径方向内外に移動、即ち拡縮径できる。従って本例では、前記ガイド孔15aと、スライド軸15bと、回動リング15cと、シリンダ15dと、リンク15eとにより拡縮径手段15が構成される。
各セグメント11には、軸心方向Yの内方にのびる支持板12が指示される。軸心方向Yの内方とは、吸着機6L、6R間の軸心方向中心Co(図3に示す)に向く方向を意味する。
図4、6に示すように、前記支持板12は、軸心方向の長さが小な第1の支持板12Aと、軸心方向の長さが大な第2の支持板12Bとからなり、第1、第2の支持板12A、12Bは、周方向に交互に配される。本例では、第1、第2の支持板12A、12Bは、それぞれ軸心方向Yに位置調整可能にセグメント11に支持される。具体的には、各セグメント11の半径方向内面に、軸心方向Yにのびるガイドレール11aが配され、これにより第1、第2の支持板12A、12Bは、それぞれ前記ガイドレール11aに案内されて軸心方向Yに移動しうる。軸心方向Yの移動には、例えばボールネジ機構、及びラック・アンド・ピニオン機構を用いた駆動手段(図示しない)が好適に採用しうる。なお特に規定されないが、移動台5及び基台部14の移動にも、例えばボールネジ機構、及びラック・アンド・ピニオン機構を用いた駆動手段(図示しない)が好適に採用しうる。
第1、第2の支持板12A、12Bには、それぞれ、複数のバキュームパッド13が軸心方向に間隔を隔てて(好ましくは等間隔を隔てて)取り付けられる。各バキュームパッド13は、減圧ポンプなどの減圧器に接続され、円筒状カーカスプライWAの外周面を吸着しうる。
ここで、第2の支持板12Bに取り付くバキュームパッド13の数は、第1の支持板12Aに取り付くバキュームパッド13の数よりも多い。また第1の支持板12Aのバキュームパッド13と、第2の支持板12Bのバキュームパッド13とは、軸心方向Yに位置ずれして配される。本例の如く、第1、第2の支持板12A、12Bが軸心方向Yに位置調整可能な場合には、第1、第2の支持板12A、12Bの軸心方向外端位置が互いに整一する基準状態Xにおいて、第1の支持板12Aのバキュームパッド13と、第2の支持板12Bのバキュームパッド13とが軸心方向Yに位置ずれしている。この位置ずれ量Δyは、特に規定されないが、バキュームパッド13のピッチ間隔Pcの40〜60%が好ましい。また前記位置調整のための軸心方向Yの移動距離は、特に規定されないが、前記ピッチ間隔Pc以下が好ましい。
また図5、6に示すように、一方の吸着機6Lに配される第1の支持板12Aと、他方の吸着機6Rに配される第2の支持板12Bとは、軸心方向に一直線状に配される。
ここで、トランスファー装置3では、吸着機6L、6Rが軸心方向Yに近離移動可能であるため、図7(A)、(B)に示すように、軸心方向幅が異なる複数種類の円筒状カーカスプライWAを、吸着することができる。
また軸心方向幅が広い円筒状カーカスプライWAを吸着する場合(例えば図7(B))、吸着機6L、6R間の離間が大きくなり、一方の吸着機6Lの支持板12と、他方の吸着機6Rの支持板12との間の隙間である非吸着部分Gが大きくなる。しかし本発明では、一方の吸着機6Lに配される第1の支持板12Aと、他方の吸着機6Rに配される第2の支持板12Bとが軸心方向に一直線状に配される。そのため、非吸着部分G大きくなった場合にも、この非吸着部分Gが、周方向には、軸心方向一方側、他方側に交互に位置ずれする。即ち非吸着部分Gが周方向に連続しなくなる。そのため、非吸着部分Gの垂れが減じられ、コード配列の乱れが抑制される。
また空気入りタイヤでは、カーカスを2枚のカーカスプライによって形成する場合があり、このときプライ端での損傷を抑制するため、2枚のカーカスプライのプライ幅を異ならせることが一般に行われる。しかし、図8に誇張して示すように、プライ幅が異なる場合、半径方向内外の円筒状カーカスプライWAi、WAo間に段差部Kが発生する。そして、この段差部Kがバキュームパッド13の吸着面と重なったとき、空気漏れが生じて吸着不良が発生する。同図では、バキュームパッド13、13、13に吸着不良が発生している。なお段差部Kの位置は、プライ幅の差、即ち空気入りタイヤの種類やサイズに応じて種々変化する。
しかし本例では、第1の支持板12A及び第2の支持板12Bが、それぞれセグメント11に軸心方向に位置調整可能に支持されている。従ってこの位置調整により、図9に示すように、段差部Kに重ならないようにバキュームパッド13の位置をずらすことができ、吸着不良を抑制しうる。
本例では、例えば第1、第2の支持板12A、12Bの外端が、内の円筒状カーカスプライWAiの外端と一致する位置を基準位置Pとし、この基準位置Pを基準として、第1、第2の支持板12A、12Bを位置調整している。
なお生タイヤの形成方法は、
(ア) 第1ドラム1上でプライ形成用部材を巻回することによって円筒状カーカスプライWA形成するステップS1と、
(イ) 第2ドラム2上で、インナーライナ形成用部材を巻回して円筒状インナーライナWBを形成するステップS2と、
(ウ) 前記トランスファー装置3を用い、前記第1ドラム1から円筒状カーカスプライWAを受け取りかつ第2ドラム2上の円筒状インナーライナWBの外側に同心状に外挿させて保持するステップS3と、
を含んで形成される。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
1 第1ドラム
2 第2ドラム
3 トランスファー装置
5 移動台
6、6L、6R 吸着機
10 環状フレーム
11 セグメント
12 支持板
12A 第1の支持板
12B 第2の支持板
13 バキュームパッド
15 拡縮径手段
WA 円筒状カーカスプライ
WB 円筒状インナーライナ

Claims (5)

  1. 第1ドラム上でプライ形成用部材を巻回することによって形成される円筒状カーカスプライを、前記第1ドラムから受け取って第2ドラムまで搬送するトランスファー装置であって、
    前記第1ドラムと第2ドラムとの間を移動可能な移動台と、
    前記移動台に、前記円筒状カーカスプライの軸心方向に近離移動可能に支持される一対の吸着機とを具え、
    各前記吸着機は、前記円筒状カーカスプライと同心な環状フレームと、
    前記環状フレームに、周方向に間隔を有して支持される複数のセグメントと、
    各前記セグメントに支持され、かつ軸心方向の内方にのびる支持板と、
    各前記支持板に、軸心方向に間隔を隔てて取り付き、かつ前記円筒状カーカスプライの外周面を吸着しうる複数のバキュームパッドとを具えるとともに、
    前記支持板は、軸心方向の長さが小な第1の支持板と、この第1の支持板とは周方向に交互に配されかつ軸心方向の長さが大な第2の支持板とからなり、
    しかも一方の吸着機に配される第1の支持板と、他方の吸着機に配される第2の支持板とは、軸心方向に一直線状に配されることを特徴とするトランスファー装置。
  2. 前記第1の支持板に取り付くバキュームパッドと、前記第2の支持板に取り付くバキュームパッドとは、軸心方向に位置ずれしたことを特徴とする請求項1記載のトランスファー装置。
  3. 前記第1の支持板及び第2の支持板は、それぞれ前記セグメントに、軸心方向に位置調整可能に支持されることを特徴とする請求項1又は2記載のトランスファー装置。
  4. 各前記セグメントは、前記環状フレームに、拡縮径手段を介して半径方向内外に移動可能に支持されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のトランスファー装置。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のトランスファー装置を用いた生タイヤの形成方法であって、
    第1ドラム上でプライ形成用部材を巻回することによって円筒状カーカスプライを形成するステップS1と、
    第2ドラム上で、インナーライナ形成用部材を巻回して円筒状インナーライナを形成するステップS2と、
    前記トランスファー装置を用い、前記第1ドラムから円筒状カーカスプライを受け取りかつ第2ドラム上の円筒状インナーライナの外側に同心状に外挿させて保持するステップS3と、
    前記第2ドラムを拡径し、円筒状インナーライナの外周面を円筒状カーカスプライの内周面に押し付けて一体に接合するステップS4とを含むことを特徴とする生タイヤの形成方法。
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