以下に、本発明の具体的内容について上記した図1から図24の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1から図4において、加熱調理器の本体1は、上下左右と奥に壁を備える加熱室28の中に加熱する被調理物を入れ、マイクロ波やヒータ,水蒸気の熱を使用して被調理物を加熱調理する。
ドア2は、加熱室28の内部に被調理物を出し入れするために開閉するもので、ドア2を閉めることで加熱室28を密閉状態にし、被調理物を加熱する時に使用するマイクロ波の漏洩を防止し、熱を封じ込め、効率良く加熱することを可能とする。ドア2について詳細は後述する。
取っ手9は、ドア2に取り付けられ、ドア2の開閉を容易にするもので、手で握りやすい形状になっている。
ガラス窓3は、調理中の食品の状態が確認できるようにドア2の加熱室28側のガラス窓内3bと外側のガラス窓外3aが取り付けられており、ヒータ等の発熱による高温に耐える透明のガラスを使用している。ガラス窓外3aは外観の意匠性を向上するハーフミラー機能を備えずに見通しが良いものである。このようにガラス窓3は、透明のガラスを用いることで、加熱室28の中を見やすくしている。
入力手段71は、ドア2の前面下側の操作パネル4に設けられ、マイクロ波で被調理物を加熱するレンジ加熱手段77(図19)、加熱室28の加熱室上面28eの外側に設けたヒータで被調理物を加熱するグリル加熱手段12、水蒸気により被調理物を加熱する水蒸気発生手段43、加熱室奥壁面28bに上方と下方に熱風ヒータ14a,14bなどを設けた熱風ユニット11によって発生する熱風で加熱室28を加熱するオーブン加熱手段などの加熱手段を選択し、加熱する時間等の調理条件や自動メニューを入力するための操作部6と、操作部6から入力された内容や調理の進行状態を表示する表示部5とで構成される。表示部5は液晶5b(図21)にタッチ操作を受け付けるタッチパネル付き表示部5a(図21)である。液晶5bは、表示する自由度が高いドット液晶で色は白黒でもカラーでも良いもので、店頭で表示するデモモードについては後述する。
水タンク42は、水蒸気を作るのに必要な水を溜めておく容器であり、本体1の前面下側に設けられ、本体1の前面から着脱可能な構造とすることで給水および排水が容易にできるようになっている。
外枠7は、加熱調理器の本体1の上面と左右側面を覆うキャビネットである。
後板10は、前記したキャビネットの後面を形成するものであり、上部に外部排気ダクト18が取り付けられ、前記外部排気ダクト18の取り付けられる内側に、被調理物から排出した蒸気や本体1の内部の部品を冷却した後の冷却風(廃熱)39を排出する排気孔36が設けられている。
また、外部排気ダクト18は、排気孔36を通過した冷却風39を本体1の外に排出するもので、排気は外部排気ダクト18の外部排気口8から排出し、排気の排出方向は本体1の上部方向で且つ前面側に排気する。排気の排出方向を上部方向で且つ前面側に向けることで、背面を壁面に寄せた時でも排気によって壁面を汚すことがないようにしている。
機械室20は、加熱室底面28aと本体1の底板21との間の空間部に設けられ、底板21上には食品を加熱するためのマグネトロン33,マグネトロン33に接続された導波管47,制御基板23,その他、後述する各種部品、これらの各種部品を冷却する冷却手段50(図19)等が取り付けられている。
加熱室28の加熱室左側面28cと加熱室右側面28d(図5)には棚上段27a、棚中段27b、棚下段27cからなる棚27を設け、調理によって使用する各種の加熱皿を載せる。
加熱室底面28aは、略中央部が凹状に窪んでおり、その中に回転アンテナ26が設置され、マグネトロン33より放射されるマイクロ波は、導波管47,回転アンテナ駆動手段46の出力軸46aが貫通する結合穴47aを通して回転アンテナ26の下面に流入し、回転アンテナ26で拡散されて加熱室28内に放射される。回転アンテナ26は、回転アンテナ駆動手段46の出力軸46aに連結されている。
冷却手段50は、底板21に取り付けられた冷却モータにファンが連結されたファン装置15で、この冷却手段50によって送風される冷却風39は、機械室20内の自己発熱するマグネトロン33やインバータ基板22,重量検出手段25等を冷却し、加熱室28の外側と外枠7の間および熱風ケース11aと後板10の間を流れ、外枠7と後板10を冷却しながら排気孔36を通り、外部排気ダクト18の外部排気口8より排出される。
加熱室28の後部にはヒータから成る加熱源である熱風ユニット11が取り付けられ、熱風ユニット11は加熱室奥壁面28bの外側の後部側に熱風ケース11aを設け、加熱室奥壁面28bと熱風ケース11aとの間に熱風ファン32とその外周側に位置するように熱風ヒータ14a、および14bを設け、熱風ケース11aの後側に熱風モータ13を取り付け、そのモータ軸を熱風ケース11aに設けた穴を通して熱風ファン32と連結している。
そして、熱風ユニット11は加熱室奥壁面28bに設けた空気の通り道となる熱風吸気孔31と熱風吹出し孔30を通して連結し、熱風ケース11a内の熱風ファン32を熱風モータ13により回転することで、加熱室28と熱風ユニット11との空気を循環し、熱風ヒータ14a、および14bで循環する空気を加熱する。
また、熱風ユニット11の代わりに、加熱室28の上面と下面にヒータを設けて加熱室28を加熱しても良い。
加熱室上面28eの外側には、ヒータから成る加熱源であるグリル加熱手段12が取り付けられている。グリル加熱手段12は、マイカ板にヒータ線を巻き付けて平面状に形成し、加熱室上面28eの外側に押し付けて固定し、加熱室上面28eを加熱して加熱室28内の被調理物を輻射熱によって焼くものである。
また、加熱室底面28aには、複数個の重量検出手段25、例えば前側左右に右側重量センサ25a,左側重量センサ25b,後側中央に奥側重量センサ25cが設けられ、その上にテーブルプレート24が載置されている。
テーブルプレート24は、食品を載置するためのもので、ヒータ加熱とマイクロ波加熱の両方に使用できるように耐熱性を有し、かつ、マイクロ波の透過性が良く、衛生面でも問題がない磁器等の材料で成形されている。テーブルプレート24は、加熱室28に備えて被加熱物を載置する白系色の載置面である。
加熱室28の後部上方には、加熱室28内の温度を検出する温度検出手段a85が設けられている。温度検出手段a85は、グリル加熱手段12及び熱風ユニット11の熱風吹出し孔30から加熱室28内に吹出される熱風の影響を直接受けない位置に設けられている。
スチームユニット43a(図19)は水蒸気発生手段43とポンプ手段87により成る。
水蒸気発生手段43は、加熱室左側面28cの外側面に取り付けられ、水蒸気を噴出するスチーム噴出口44は加熱室28内に臨ませている。
また、水蒸気発生手段43は、アルミの鋳造で作られ、鋳造時にボイラー加熱手段89(図19)であるシーズヒータを一体となるように埋め込んでいる。そのヒータの消費電力は600W前後と大きく、水蒸気発生手段43は短時間で水を沸騰できる温度に加熱することができる。
水蒸気発生手段43への水の供給は、ポンプ手段87を駆動することによって水タンク42からパイプ45を通してポンプ手段87へ供給され、パイプ40と通って水蒸気発生手段43に供給され、水蒸気発生手段43で加熱されて沸騰し、水蒸気となってスチーム噴出口44から加熱室28へ噴出する。
温度検出手段b88は、水蒸気発生手段43の温度を検出するもので、その検出結果を後述する制御手段151(図19)に伝え、ボイラー加熱手段89やポンプ手段87を制御する。
ポンプ手段87は、水タンク42の水を水蒸気発生手段43まで汲み上げるもので、ポンプとポンプを駆動するモータで構成される。水蒸気発生手段43への給水量の調節はモータに供給する電力のON/OFFの比率で決定する。
図5から図7を用いて本実施例における加熱室28について説明する。加熱室28の加熱室右側面28dまたは加熱室左側面28cに加熱室28内を照らす照射部28tを備える。図5から図7は加熱室左側面28cに照射部28tを備えた図である。以下加熱室左側面28cに照射部28tを備えた例で説明する。
照射部28tは、照射部上28gと照射部下28hを備える。照射部28tは加熱室左側面28cに開口を設けている。照射部上28gは、棚上段27aより上方に設け、照射部下28hは、棚中段27bと棚下段27cの間に設ける。棚下段27cに皿を置いたときに棚下段27cを照射するためである。
照射部28tの外側に照明ユニット500(図8)を備える。
28jはマグネトロン33を冷却した後の温まった空気を加熱室28に入れる入気孔であり、加熱室28の下側に設けている。
グリル加熱手段12と熱風ユニット11で高温となる加熱源を設けた加熱室上面28eと加熱室奥壁面28bは黒またはグレーで塗装されている。一方、加熱室右側面28dまたは加熱室左側面28cの照射部28tの外側に備えるLED照明部400からの光が照射される加熱室右側面28dと加熱室左側面28cと加熱室底面28aは、白またはアイボリーで塗装されている。前記加熱源を設けていない加熱室右側面28dと加熱室左側面28cと加熱室底面28aは、加熱室上面28eと加熱室奥壁面28bの色に対して明るい色である。
アイボリーは淡く黄色味がかったやや灰色の白色であり、加熱室28内がLED照明部400の白色LEDによる光を反射し、拡散して明るく見える。加熱室右側面28dと加熱室左側面28cと加熱室底面28aの色と、加熱室上面28eと加熱室奥壁面28bの色と合わせて二つの色で、加熱室28内を配色する。
図6、図8から図18を用いて、照明ユニット500について説明する。
図6において、加熱室左側面28cの照射部下28hの下方には、側面から外側に立ち上げてツメ状に設けた保持部材支え部507sを備える。
図11から図14において、501は基板保持部材である。基板保持部材501は透明樹脂で成形されている。501aはベース部で、切欠き状の接続口501hを備える。ベース部501aの上には、ウデ部上501dと支え穴部上501fを備える。またベース部501aの下には、ウデ部下501eと支え穴部下501gを備える。
ベース部501aの正面側に略円錐台形状の導光部504を上下に備える。導光部504は、ベース部501aとの交点は、上下に長い長円の基部504bである。先端部506は円形で、基部504bと先端部506を側面部504aでつないでいる。側面部504aは光沢面である。先端部506はシボ加工が施されている。
また、ベース部501aの背面側には平面部501cから外周部501bが立ち上がった導光部504の入光部501mを設けている。入光部501mは、上下に長い長円で光沢面である。またベース部501aの背面側には台501pと4個のツメ部501kを備えている。
図15から図18において、507はガラス保持部材である。
507aは長方形の平面部で、上下2か所に正面側に立ち上げる立上穴部507bを備える。平面部507aの左右に階段状に広がった側面抑え部507cを設ける。側面抑え部507cの左右上下に正面側に立ち上げる支えツメ部507dを備える。側面抑え部507cの左右に正面側に平面をなす取付け面507eを備える。
また、平面部507aの上方に正面側に曲げた固定部507fを設ける。固定部507fには、固定穴507gを備える。
図6と図8から図10で、加熱室28に照明ユニット500を取り付ける構造について説明する。
ガラス505をガラス保持部材507の側面抑え部507c(図15)で正面と左右側面を支え、支えツメ部507d(図15)で上下面を支える。そのガラス505を保持した状態のガラス保持部材507の下部を加熱室28の加熱室左側面28cの外側の保持部材支え部507sに下部を支え、ガラス保持部材507の固定部507fの固定穴507gと加熱室28の加熱室上面28eをネジ止めする。このように取付けると、加熱室28の照射部28tの穴のバーリングの立ち上がり部側にガラス505を設け、照射部28tはガラス505で塞がれて、加熱室28の熱気(蒸気)や飛散物による導光部504の先端部506を汚すことが無く、ガラス505は汚れた時はふき取りが容易である。
次に、加熱室左側面28cの外側にガラス505をガラス保持部材507で固定したその外側から遮熱板503を取り付ける。遮熱板503には、照射部28tに対応する部分に導光部504を通す穴503cとダクト503bを備えている。
プリント基板502は細長い長方形で、上下に白色LEDによるLED照明部上401とLED照明部下402であるLED照明部400を実装している。プリント基板502は制御手段151と接続する端子502aを備えている。プリント基板502は、LED照明部上401とLED照明部下402の自己発熱を放熱するために放熱性の良い材料、例えばアルミニウムなどで構成されるアルミ基板である。アルミ基板はLED電球で使われている。また、LED照明部上401とLED照明部下402を一枚のプリント基板で保持する事で、放熱面積を大きく確保し放熱性を高めることもできる。
一般的に、LEDはジャンクション温度が120℃程度を超えると破壊に至るため、破壊温度を超えない範囲で使用する必要がある。
LED照明部400の温度上昇には、グリル加熱手段12と熱風ユニット11によって加熱される加熱室28からの輻射熱と、LED電流とLEDオン電圧の積で求められるLEDの自己発熱によるものとがある。
プリント基板502は、LED照明部400を実装している面を基板保持部材501の背面側に接するように基板保持部材501の背面側に挿入され、台501p(図14)に載置してツメ部501kで固定されている。プリント基板502は台501pによってベース部501a(図14)との間に隙間を設け後述する冷却風39dを流す風路を設けている。また端子502aは基板保持部材501の接続口501h(図14)から加熱室28側に突出している。プリント基板502を基板保持部材501に固定したことにより、プリント基板502に実装したLED照明部上401とLED照明部下402は、基板保持部材501の入光部501m(図14)に接近して隙間を設けて固定される。発光面が平らなLED照明部上401とLED照明部下402の光は損失なく平らな入光部501mから光が導光部504に入っていく。
プリント基板502を保持した基板保持部材501を加熱室28に固定するには、遮熱板503に設けた穴503cに導光部504通して、ガラス保持部材507の上下の立上穴部507bに導光部504を挿入する。そして導光部504の先端部506がガラス505の平面に近接し、遮熱板503に基板保持部材501のウデ部上501d(図11)、ウデ部下501e(図11)が突き当たり、支え穴部上501f(図11)、支え穴部下501gに遮熱板503の立上部503aを差し込んで固定する。
このように、プリント基板502を保持した基板保持部材501を加熱室28に固定することにより、導光部504の先端部506が照射部28tに対応する位置に定まる。
そして、LED照明部400で発光して、導光部504を通って照射部28tから加熱室28の内部に光を照射して加熱室28内を明るく照らす。
入光部501mと基部504bが長円である理由は、LED照明部400の発光部の大きさが大きくなる、または2個ずつ発光素子を配置する場合にも対応できる。
入光部501mと側面部504aは光沢面で、先端部506はシボ加工を施すことにより、入光部501mから入る光が側面部504aから漏れず先端部506のシボ加工で拡散して光を放つようにするためである。加熱室28内の広い範囲に拡散される。
ガラス保持部材507は加熱室左側面28cの保持部材支え部507sと、固定部507fにより加熱室上面28eに固定することによって、加熱室左側面28cの照射部28tと導光部504を案内するガラス保持部材507の立上穴部507bの位置を合わせることができる。
加熱室28からの輻射熱を低減するために、LED照明部400の取り付けられたプリント基板502は、加熱室左側面28cから離れた位置に固定され、加熱室左側面28cとプリント基板502との間には、遮熱板503が介在する。
そして、基板保持部材501と一体の導光部504により、LED照明部上401およびLED照明部下402から照射される光は、照射部28tに導かれる。基板保持部材501は、例えば、ポリカーボネートなどの耐熱性を有する透明樹脂によって構成される。
図2、図3、図20によりドア2の構造について説明する。
高周波加熱調理器のドア2には、マイクロ波加熱時にドア2と本体1との合わせ目からの電波漏洩を防止するために、加熱室開口部28fに沿って四辺に設けたチョーク構造80aと、加熱室フランジ部28kと接触する平面部80bと、ガラス窓内3bを固定する固定部80cと、電波漏洩を防止しながら加熱室28に入れた被加熱物を確認できる小穴群からなるパンチング部80dとを一体に構成したフレーム80が設けられている。なお、パンチング部80dと固定したガラス窓内3bとは接しないように固定部80cに対してパンチング部80dは段差80eを設けている。
フレーム80は厚み0.6の金属鋼板を用い、パンチング部80dには、φ1.35の小径の穴をピッチ1.6の千鳥配置した穴群80gと、穴を設けない強度保持部80fを四辺に設けている。強度保持部80fはドア2の長手方向に幅を広く設けてドア2のねじれを防止するものである。そして、ガラス窓内3bの面積に対して、従来、穴の開口率は35〜50%に対して、上下左右側に穴数を増やして開口率を60%以上にUPして加熱室28の視認性を向上している。φ1.35の小径の穴をピッチ1.6の千鳥配置した穴群80gは電波漏洩を防止するため穴の径を大きく変更して開口率を大きくすることはできない。
図19は本加熱調理器の制御手段を表わしたブロック図である。次に、図19を用いて加熱調理器のシステムの動作について説明する。電源76は、加熱調理器の本体1を動作させるためのものである。
熱風ユニット11は、熱風吸気孔31熱風吹出し孔30を備える加熱室奥壁面28b外側に設けた熱風ケース11aの後側に熱風モータ13を備え、熱風ケース11aの穴を通してそのモータ軸に熱風ファン32を設け、熱風ファン32の外周側に熱風ヒータ14a、および14bを設け、加熱室28に熱風を循環して供給する。
レンジ加熱手段77は、マグネトロン33とマグネトロン33を駆動するための電源を作るインバータ回路を搭載したインバータ基板22である。インバータ回路は入力手段71より入力された加熱パワーに応じた電源を作りマグネトロン33に供給する。
グリル加熱手段12は、加熱室28の天面の裏側に設けられたヒータよりなり、加熱室28の加熱室上面28eを加熱して加熱室28内の被調理物(図示無し)を輻射熱によって焼くものである。
冷却手段50は、底板21に取り付けられた冷却モータにファンが連結されたファン装置15で、この冷却手段50によって送風される冷却風39は、機械室20内の自己発熱するマグネトロン33やインバータ基板22,重量検出手段25等を冷却する。特にレンジ加熱時は、発熱するマグネトロン33を冷やした後の温度の上昇した冷却風39dを加熱室左側面28cの下方から上方に向けて送風し、前記冷却風39dの一部は、遮熱板503に設けたダクト503b内(図10参照)に流れ、入気孔28j(図6参照)より加熱室28に内に送風し被調理物を温めた時に発生する蒸気によってガラス窓3の加熱室28側の曇りと、ガラス505の曇りを防止している。また、ダクト503b内に流れた前記冷却風39dはガラス保持部材507の立上穴部507bを設けた平面部507a(図16参照)とガラス505の間を流れ、導光部504の特に先端部506を冷却する。
また、遮熱板503と外枠7との間に流れた前記冷却風39d(図10参照)は、遮熱板503の外側に出ている基板保持部材501とプリント基板502とプリント基板502に実装しているLED照明部400を冷却する。特にプリント基板502は前述したベース部501aとの間に設けた隙間のおかげで、プリント基板502は両面を効率よく冷却が可能である。またLED照明部400の発行面と入光部501mとの隙間にも冷却風39dが流れLED照明部400も効率よく冷却できる。
さらに、導光部504を長くすることで、加熱室28の壁面の温度からの熱伝導を防止し、さらに、遮熱板503を介在して輻射熱を遮る役目をもっている。
ヒータによる加熱時、マグネトロン33が非動作の時は前記冷却風39dの温度は低くなるので、ヒータを使用した加熱時も基板保持部材501、プリント基板502、LED照明部400を効率よく冷却する。
回転アンテナ駆動手段46は、回転アンテナ26を駆動するためのモータで、同期モータと回転数を減速するためのギヤが一体になっているものである。
重量検出手段25は、テーブルプレート24に載置された被調理物の重量を測定するものである。
温度検出手段a85は、加熱室28に取り付けられ、加熱室28内の温度を検出し、制御手段151によってグリル加熱手段12のヒータの電力を調整するものである。
スチームユニット43aは水蒸気発生手段43とポンプ手段87により成る。
水蒸気発生手段43は、水を加熱するヒータからなるボイラー加熱手段89と、水蒸気発生手段43の温度を検出する温度検出手段b88から構成し、制御手段151は温度検出手段b88の検出結果からボイラー加熱手段89やポンプ手段87を制御する。
71は入力手段で、ここでは、操作部6と表示部5を示す。表示部5はタッチパネル付き表示部5a(操作部6に含まれる)、液晶5bを備える。
151は制御手段で、制御基板23に搭載され、入力手段71から入力のあった内容に従い、食品を加熱調理するように動作させるもので、各検知手段から食品の状態や加熱室の状態を検知し、その後各加熱手段や駆動手段を必要に応じて動作させるものである。そして、デモモードが設定された場合には、液晶5bにはデモモードの内容を表示する制御をし、LED照明部400を消灯、点灯、点滅に制御する。
デモモードへの移行は、操作部6の特殊な操作によって移行するもので、デモモードに移行した場合、複数有る加熱手段は動作しないようにしている。
LED照明部400は、制御手段151によって制御されて、調理中に発光して加熱室28内を明るく照らす。
次に、図21によって、加熱室28が明るく見えることについて説明する。
図21は、ドア2前方から穴群80gを通して見た加熱室28の説明図である。図21のドア2には、ドア2内にフレーム80を備え、フレーム80に設けた透視用の小径の穴群80gの総面積は、加熱室28側に設けたガラス窓内3bの面積に対して60%以上となるように前記穴を多数設けたものである。この場合は、ドア2を閉めて穴群80gを通して加熱室28を見る見切りは載置面であるテーブルプレート24の四隅まで全体が見えるものである。四隅とは、図21に示すP2、P3、P4、P5の位置である。
被加熱物の載置面であるテーブルプレート24は白系色で、ドア2を閉めて穴群80gを通して加熱室28を見る見切りは載置面であるテーブルプレート24の四隅まで全体が見える。導光部504の先端部506のシボ加工により加熱室28内で光が拡散していることにより、ガラス窓3越しに明暗の差が無く加熱室28全体が明るく見える。
図22から図24によってデモモードについて説明する。
図22は、デモモードの流れを示す説明図、図23、24は、液晶に表示されるデモモードでの表示例の説明図である。
図22の説明図は、上からデモモードのステップSが1から10ステップまで有ることを示し、次に液晶5bの表示内容、次にLED照明部400の消灯状態を示し、最下段は、LED照明部400の各動作の時間を秒単位で示すものである。
図23は、デモモードのステップSでの液晶5bの表示の例を示す。図23(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、図22のステップ1、ステップ2、ステップ3、ステップ4、ステップ5の例である。図23(a)は、ステップ1で、表示がなしである。図23(b)は、ステップ2で、製品のニックネームを表示する。このステップ2からデモモードの表示が開始される。図23(c)は、ステップ3で、製品の特長である訴求宣伝Cmを表示する。ここでは、「Wスキャン」についての表示で、文字と動画のイラストで表示する。図23(d)は、ステップ4で、同様に訴求宣伝Cmを表示する。ここでは、「焼き色が明るく見やすい庫内」についての表示で、文字と動画のイラストで表示する。図23(e)は、ステップ5で、訴求宣伝Cmを表示する。ここでは、「ヘルシー調理」についての表示で、文字と動画のイラストで表示する。
図24は、デモモードのステップSでの液晶5bの表示の例を示す。図24(f)(g)、(h)、(k)、(m)は、図22のステップ6、ステップ7、ステップ8、ステップ9、ステップ10の例である。図24(f)は、ステップ6で、訴求宣伝Cmを表示する。ここでは、「簡単操作」についての表示で、文字と動画のイラストで表示する。図23(g)は、ステップ7で、訴求宣伝Cmを表示する。ここでは、「お手入れ簡単」についての表示で、文字と動画のイラストで表示する。図23(h)は、ステップ8で、訴求宣伝Cmを表示する。ここでは、「ベーカリー機能」についての表示で、文字と動画のイラストで表示する。図23(k)は、ステップ9で、訴求宣伝Cmを表示する。ここでは、「コンパクト設置」についての表示で、文字と動画のイラストで表示する。図23(m)は、ステップ10で、表示がなしである。
図22において、ステップ1は0.5秒間でLED照明部400は消灯状態である。ステップ2でLED照明部400は徐々に明るくなって点灯する時間は4.5秒である。そして1秒間点滅し、いったん0.5秒間消灯する。ステップ3の14秒間はLED照明部400は点灯した状態である。このステップ3はステップ2で消灯した直後のため、他のステップ5やステップ6のようにステップSが切り替わった直後にLED照明部400の所定時間Ta(1秒)点滅を行わない。
ステップ4の切り替わり初期HaはLED照明部400を2秒間点滅し、その後6秒間点灯をした後、中間部Hbで再び2秒間点滅し、その後6秒間点灯する。
ステップ5は切り替わり初期HaはLED照明部400を所定時間Ta(1秒)点滅し、その後18秒間点灯する。ステップ6は切り替わり初期HaはLED照明部400を所定時間Ta(1秒)点滅し、その後30秒間点灯する。ステップ7は切り替わり初期HaはLED照明部400を所定時間Ta(1秒)点滅し、その後18秒間点灯する。ステップ8は切り替わり初期HaはLED照明部400を所定時間Ta(1秒)点滅し、その後18秒間点灯する。ステップ9は切り替わり初期HaはLED照明部400を所定時間Ta(1秒)点滅し、その後8秒間点灯する。ステップ10は2.5秒間でLED照明部400は徐々に暗く消灯する。
そして、ステップ4は、前記のように図23(d)で示すように加熱室28の視認性の訴求宣伝Cmをするもので、特定ステップSpである。この特定ステップSpでは、他のステップ5またはステップ6の所定時間Ta(1秒)と異なるように、切り替わり初期Haと中間部Hbで所定時間Ta(1秒)より長い2秒間で、切り替わり初期Haと中間部Hbの2回に、LED照明部400を点滅して動作させる。それにより、加熱室28と、加熱室28が見やすいという加熱室28の視認性の訴求宣伝Cmとの関連性を強めるものである。
それは、前記した、被加熱物の載置面であるテーブルプレート24は白系色であること。ドア2を閉めて穴群80gを通して加熱室28を見る見切りは載置面であるテーブルプレート24の四隅まで全体が見えること。導光部504の先端部506のシボ加工により加熱室28内で光が拡散していて、ガラス窓3越しに明暗の差が無く加熱室28全体が明るく見えることにより相乗的に訴求宣伝をするものである。
そして液晶5bより数倍大きい面積である加熱室28全体を明るく光らせ、さらに点滅することによって、注目を集めることができる。
そして、図22に示すように、液晶5bに訴求宣伝Cmを示すステップSではLED照明部400を点灯している。そのため、デモモードをステップ1から10まで全て見る途中に、液晶5bを見たり、LED照明部400が点灯して明るい加熱室28を見たりできる。それにより、特別ステップSpで、液晶5bによる訴求宣伝Cmで加熱室28が明るいと知った人が、特別ステップSpの後でも、LED照明部400が点灯して明るい加熱室28を見ることができる。そして、加熱室28は通常の使用中の明るさで動作することにより、使用中の明るさとして見て判断できる。
また、LED照明部400を点滅させる時は、表示部5に表示している動画を消して、大きなガラス窓3越しに見える明暗の差が無い明るい加熱室28に注意を向けるようにしている。
本実施例は、以上の構成からなり、次に動作について説明する。
マイクロ波によって被加熱物を加熱する場合について説明する。
マイクロ波加熱の場合、被加熱物は加熱室28のテーブルプレート24に載置し調理を開始する。
その場合、加熱源を設けた加熱室奥面28bと加熱室天面28cを除き、加熱室底面28a(実施例では調理時に使用する白いテーブルプレート24が該当)と加熱室右側面28dと加熱室左側面28eの3面を明るい色を占めることになる。加熱室28を構成する5面のうち3面を明るい色を用いることで加熱室28に入れた被加熱物の視認性は大変良くなる。
また、照明ユニット500を設けた壁面と、照明ユニット500からの光の広がりによって照らされる壁面(照明ユニット500を設けた壁面と対向する壁面)の色を光の反射の良い色とすることで、対向する壁面間で光の反射が起こり、効率よく加熱室28を明るくすることができる。同様に前記壁面間を連なるように加熱室底面28aもしくは加熱室奥壁面28bの少なくとも一つの壁面の色を同様に明るい色を用いることで前記光の反射の効率を良くすることができる。
また、ドア2から入射した光の進行側の加熱室底面28aの色を光の反射の良い色とすることで、入射した光を効率よく反射を起こし、効率よく加熱室28を明るくすることができる。
さらに、ドア2に設けたフレーム80の穴数を上下に増やして開口率を32%とUPすることで、加熱室28に入れた被加熱物の視認性は更に向上する。
そうすることで、大きなガラス窓3越しに見た加熱室28内は明暗の差が無く加熱室全体が明るく見え、例えば、明るい店舗でデモモードで動作した時でも、大変良く目立たせることが可能となる。
上記したように、本実施例によれば、デモモードの動作時に表示部の液晶に表示する内容と、加熱室のLED照明部の点灯(点滅)のタイミングを関連して表示して見せる事で注目を集めることができる。