JP6530730B2

JP6530730B2 - 吊り天井用ハンガー装置

Info

Publication number: JP6530730B2
Application number: JP2016143656A
Authority: JP
Inventors: 高久徳永
Original assignee: 高久徳永
Priority date: 2016-07-21
Filing date: 2016-07-21
Publication date: 2019-06-12
Anticipated expiration: 2036-07-21
Also published as: JP2018012997A

Description

本発明は、吊り天井において野縁受けを支持して固定する吊り天井用ハンガー装置に関するものである。

吊り天井用ハンガー装置は天井躯体から垂下する吊りボルトの下端に取り付けられ、野縁受けを支持固定するものである。この種の吊り天井用ハンガー装置には、例えば特許文献１に記載されたハンガー機構がある。このものはハンガーの上板に形成された挿通穴に吊りボルトの下端を挿通し、上板を上下から挟むように配置されて吊りボルトに螺合する一対のナットを備える。そして、ナットを締めることで上板を一対のナットによって挟持してハンガーを吊りボルトに固定する。

特開２０１４−３４８５２号公報

しかしながら、上記従来のハンガー機構は地震等による振動が加わるとナットが緩んでしまいボルトから脱落することで、ハンガーが吊りボルトから外れて、天井そのものが落下してしまうおそれがある。
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、地震等による振動が加わってもハンガーを吊りボルトに固定しているナットが緩むのを防止することができる吊り天井用ハンガー装置の提供を、その目的とする。

本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項１の発明は、天井躯体から垂下する吊りボルトを挿通する挿通穴が形成された上板と、前記上板の一辺から延在して凹字状に形成され、野縁受けを支持する折り曲げ部とを有するハンガーと、前記上板を上下から挟むように備えられ、且つ前記吊りボルトに螺合されて前記ハンガーを前記吊りボルトに固定する一対のナットを具備する吊り天井用ハンガー装置において、前記一対のナットのそれぞれの前記上板に当接する側に前記ナットの中心を底とし外周縁近傍にまで到達する半球状の凹部を形成し、前記一対のナットを締めると、前記凹部の形状を残しつつ、前記凹部の縁が当接面として弾性変形しながら前記上板の上下面に、上下方向で対向した状態で食い込むことを特徴とする吊り天井用ハンガー装置である。

本発明の吊り天井用ハンガー装置によれば、地震等による振動が加わってもハンガーを吊りボルトに固定しているナットが緩むのを防止することができる。

本発明の実施の形態１に係る吊り天井用ハンガー装置を吊りボルトに取り付けた状態の斜視図である。図１の吊り天井用ハンガー装置を構成するハンガーの上板近傍の拡大斜視図である。（Ａ）は図２のＡ−Ａ断面図、（Ｂ）は図２のＢ−Ｂ断面図である。（Ａ）は吊り天井用ハンガー装置を吊りボルトに取り付けた状態の図３（Ａ）に対応する図、（Ｂ）は吊り天井用ハンガー装置を吊りボルトに取り付けた状態の図３（Ｂ）に対応する図である。本発明の実施の形態２に係る吊り天井用ハンガー装置を構成するナットの斜視図である。図５のナットを用いて吊り天井用ハンガー装置を吊りボルトに取り付けた状態の上板近傍の縦断面図である。

本発明の実施の形態１に係る吊り天井用ハンガー装置１を図１から図４にしたがって説明する。
符号３は鉄系材料から成るハンガーを示し、このハンガー３は水平方向へ延びる上板５と、この上板５の一辺から延在して凹字状に形成された折り曲げ部７を有している。
上板５には挿通穴９が形成されており、挿通穴９は丸穴で吊りボルト１１が挿通される。

挿通穴９の周囲には４つの圧接片１３、１５、１７、１９が備えられており、圧接片１３、１７は斜め上方を向く姿勢となっており、圧接片１５、１９は斜め下方を向く姿勢となっている。
挿通穴９の周辺には４つの切り込み２１、２３、２５、２７が形成されている。切り込み２１、２３、２５、２７は挿通穴９の中心を通る延長線上に形成され、且つ等間隔に配置されている。
圧接片１３、１７は切り込み２１、２３に挟まれた部分と、切り込み２５、２７に挟まれた部分を上方に引き起こして塑性変形させることで形成されている。
また、圧接片１５、１９は切り込み２３、２５に挟まれた部分と、切り込み２１、２７に挟まれた部分を下方に引き起こして塑性変形させることで形成されている。
すなわち、圧接片１３、１５、１７、１９は斜め上方を向くものと、斜め下方を向くものが交互に配置されている。

次に、この吊り天井用ハンガー装置１の使用方法、作用について説明する。
吊りボルト１１は天井躯体にナット２９、３１によって取り付けられ、複数並んで配置される。この吊りボルト１１の下端部にナット３３を螺合し、次いでハンガー３の上板５の挿通穴９に入れる。
そして、吊りボルト１１にナット３５を螺合して締め、ナット３５は圧接片１５、１９に当接させ、更にナット３５を締め付けることで圧接片１３、１７がナット３３に当接する。ナット３５を締め付けることで生じる押圧力によって、圧接片１３、１５、１７、１９が弾性変形し、圧接片１３、１７がナット３３の下面に圧接し、圧接片１５、１９がナット３５の上面に圧接する。このように、圧接片１３、１７は弾性変形してナット３３の下面に圧接した状態で固定され、圧接片１５、１９は弾性変形してナット３５の上面に圧接した状態で固定されるので、地震等によってハンガー３に震動が加わっても、ナット３３、３５が緩むのを防止することができる。

吊り天井用ハンガー装置１は並んで配置され、折り曲げ部７には図示しない野縁受けが支持され、この野縁受けに野縁が固定される。そして、野縁に天井用化粧板が取り付けられて、天井が構成される。

本発明の実施の形態２に係る吊り天井用ハンガー装置を図５、図６にしたがって説明する。実施の形態１と同じ部材については実施の形態１と同じ符号を引用する。また、実施の形態２に係る吊り天井用ハンガー装置は実施の形態１に係る吊り天井用ハンガー装置１と同様の構成要素を有するので、その相違点についてのみ説明する。
図５に示すナット４１はハンガー３の上板５に当接する当接面４３に凹部４５が形成されている。この凹部４５は当接面４３の外周縁近傍にまで到達している。

図６に示すように、吊りボルト１１にナット４１を螺合し、且つ上板５を挟んで上下に配置する。そして、下側のナット４１を締め付けることで、上下のナット４１の当接面４３を上板５の上下面に圧接させる。これにより、当接面４３は凹部４５が形成されることで、その面積がごく小さくなっており、いわば凹部４５の縁が当接面４３として上板５の上下面に圧接する。従って、当接面４３が僅かに弾性変形しながら上板５に食い込むことになる。このため、地震等によってハンガー３に震動が加わっても、ナット４１が緩むのを防止することができる。

以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、圧接片を４つ設ける構成を示したが、本発明はこれに限定されず、圧接片は上方向と下方向へ突出するものを一つ以上設ける構成であればよい。更に、上方向と下方向へ突出する圧接片の数を同じにすることで、上板を挟んで上下に配置されるナットに対し均一な圧接力を付与することができるので、上方向と下方向へ突出する圧接片の数を同じにすることが望ましい。

本発明の吊り天井用ハンガー装置は、建築材料製造業に利用可能性を有し、地震等による振動が加わってもハンガーを吊りボルトに固定しているナットが緩むのを防止することを可能とするものである。

１…吊り天井用ハンガー装置３…ハンガー５…上板
７…折り曲げ部９…挿通穴１１…吊りボルト
１３、１５、１７、１９…圧接片２１、２３、２５、２７…切り込み
２９、３１…ナット３３、３５…ナット４１…ナット
４３…当接面４５…凹部

Claims

天井躯体から垂下する吊りボルトを挿通する挿通穴が形成された上板と、前記上板の一辺から延在して凹字状に形成され、野縁受けを支持する折り曲げ部とを有するハンガーと、前記上板を上下から挟むように備えられ、且つ前記吊りボルトに螺合されて前記ハンガーを前記吊りボルトに固定する一対のナットを具備する吊り天井用ハンガー装置において、
前記一対のナットのそれぞれの前記上板に当接する側に前記ナットの中心を底とし外周縁近傍にまで到達する半球状の凹部を形成し、
前記一対のナットを締めると、前記凹部の形状を残しつつ、前記凹部の縁が当接面として弾性変形しながら前記上板の上下面に、上下方向で対向した状態で食い込むことを特徴とする吊り天井用ハンガー装置。