JP6528963B2 - ボトルキャップ - Google Patents
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Description
このボトルキャップは、メインキャップとインナーキャップとボトムシールキャップとからなる。メインキャップは、ボトル口部を封止するスクリューキャップであるキャップ本体に、ボトル口部に挿入される円筒形の原料収容部を一体に形成している。インナーキャップは、原料収容部を受け入れる円筒形とし、ボトル口部に対してメインキャップの開栓回転に伴う上昇には追従しない強さをもってボトル口部内に嵌め込まれる。原料収容部の底蓋となるボトムシールキャップは、インナーキャップとの境界の切り離し部で切り離せるように、インナーキャップと一体成型され、原料収容部の下端部分と嵌合してその下端開口を封止するとともに、バネ性を有するリンク部によりインナーキャップに連結される。
(1)メインキャップの開栓操作時に、インナーキャップがメインキャップと共にボトル口部に対して回転したり抜け出したりしないように、インナーキャップをボトル口部内に圧入して嵌め込む構造であるが、ボトル口部の内径が外部温度の影響や成型時の条件などにより大きくなった場合、嵌め込み力が弱くなり、メインキャップの開栓操作に伴いボトルキャップの全体がボトル口部から抜け出してしまい、所期の機能を全く果たせなくなる恐れがある。
(2)ボトムシールキャップは、インナーキャップとの境界の切り離し部で切り離せるようにインナーキャップと一体成型し、原料収容部の下端開口をインナーキャップでもシールする構造であるが、その切り離し部は肉厚をそれ以外の部分よりも薄く、しかも全周にわたり一様にしなければならない。しかし、そのような成型は難度が高く、歩留まりの悪い成型になるとともに、切り離し部のためにインナーキャップの肉厚が薄くなると、部分的にクラックなどが生じ、そこに水蒸気や液体が溜まって細菌繁殖の温床となるなど、衛生上の問題も生ずる。
(3)ボトムシールキャップを切り離し部においてインナーキャップから強制的に切り離す構造であるため、その切り離しによる断片が生じ、これがボトル内に混入する恐れがある。
(4)全体としては2ピース成型品となるが、メインキャップの原料収容部に対して、インナーキャップ及びこれと一体成型するボトムシールキャップの寸法関係が正確でないと、ボトムシールキャップによる原料収容部の下端開口の封止が不充分となり、また原料収納部とインナーキャップとの関係も、水蒸気や液体が溜まるような隙間が生じない寸法関係にしなければならないので、厳密な成型精度を要する。
(5)ボトムシールキャップをインナーキャップに連結するリンク部も、インナーキャップと一体成型されているため、インナーキャップと同じ材質になるという材質上の制約があり、リンク部に充分なバネ力を持たせることができない。
(6)メインキャップの開栓操作において、ボトムシールキャップは、インナーキャップ及び原料収容部から分離するまでは原料収納部と一体に回転するため、その間にリンク部にひねり力が加わらないように、リンク部は、ボトムシールキャップに対してその底面中央において軸継手のような構造にして連結しなければならず、その連結が外れる恐れがあるとともに、リンク部の長さが必要以上に長くなる。
(1)メインキャップの開栓操作の際に、ボトルキャップ全体がボトル口部から抜け出すようなことがなく、ボトムシールキャップによる原料収容部の下端開口の開封を確実に行えるようにすること、
(2)成型の難度が従来よりも格段に低くなる一方、寸法精度の許容度は大きくなり、しかも組み立て作業も容易で、製造コストの大幅な低減が図れるようにすること、
(3)原料収容部の下端開口を封止しているボトムシールキャップが原料収容部から分離されて開封するとき、切り離しによる断片などが生ずることがなく、しかもボトル口部内での衛生上の問題として、細菌繁殖の温床となるような箇所を極力無くすことができるようにすること、
(4)原料収容部の下端開口に対するシール性を従来よりも格段に向上させること、にある。
(1)ボトル口部を封止するスクリューキャップであるキャップ本体に、ボトル口部に挿入される円筒形の原料収容部を一体に設けたメインキャップと、その原料収容部の下端部分を嵌合させる環状凹部を形成したボトムシールキャップと、前記原料収容部より短くてこれを挿通させるリングホルダーとからなり、
(2)前記原料収容部の外周面には、中間箇所まで延びる縦長リブが周方向に間隔をおいて形成され、
(3)前記リングホルダーの内周面には凹凸が周方向に交互に繰り返し形成され、
(4)このリングホルダーと前記原料収容部とは、前記縦長リブの下端にリングホルダーが当たる状態で嵌合させて、原料収容部の外周面とリングホルダーの内周面の凹部との間に隙間が形成され、
(5)前記リングホルダーは、その外周面を前記ボトル口部の内周面に接触させて該ボトル口部に固定され、
(6)前記ボトムシールキャップと前記原料収容部と前記リングホルダーとは、ボトムシールキャップの前記環状凹部と原料収容部の下端部分とを嵌合させるとともに、ボトムシールキャップとリングホルダーとの互いの噛み合い部分を噛み合わせることで、原料収容部の下端開口がボトムシールキャップにて封止され、
(7)前記メインキャップの開栓回転に伴う上昇において、前記ボトムシールキャップの回転と上昇とが前記リングホルダーにて規制されることにより、前記原料収容部の下端部分と前記ボトムシールキャップとの嵌合及びボトムシールキャップとリングホルダーとの噛み合いが外れ、ボトムシールキャップが原料収容部から分離して原料収容部の下端開口が開封されることを特徴とする。
ボトル口部に対してメインキャップを開栓操作する際、その原料収容部はリングホルダーに関与せずにこれから上へと抜け出して行くが、リングホルダーはボトル口部に固定されているため、これから外れることなくボトムシールキャップの上昇と回転とを確実に規制し、ボトムシールキャップは、上昇して行く原料収容部から分離するとともに、リングホルダーとの噛み合いも外れて開封する。
このような構造と作用であるため、メインキャップの開栓操作に伴うボトムシールキャップの開封を確実に行える。メインキャップとリングホルダーとボトムシールキャップの三者は、互いの寸法関係に高い精度を必要としないので、成型及び組み立て作業が格段に容易となり、製造コストの低減が図れる。ボトムシールキャップの分離開封に伴い断片が生ずるようなことはない。原料収納部とリングホルダーとの間には、ボトル内の内容物である液体をむしろ積極的に上下に流通させる隙間が、リングホルダーの内周面の凹部により周方向に離れて形成されるので、溜まり場を無くして、衛生面での向上も図れる。
一方で、原料収容部とボトルキャップとは、前者の下端部分を後者の環状凹部と嵌合させて前者の下端開口を後者で封止するので、原料収容部の下端開口に対するシール性を従来よりも格段に向上させることができる。
リングホルダーは、閉栓時には原料収容部に対してその縦長リブにより位置決めされてボトル口部内に押し込まれ、また開栓後はボトル口部内に残ったままとなるので、開封後のボトムシールキャップがボトル口部から抜け出るのを防止する。
また、天部4aの下面には、原料収納部5の付け根部分の回りにおいて、側部シール用突部10が全周に一体に形成されているとともに、それより外周において、尖った小さい三角断面の上部シール用突部11が全周に一体に形成されている。
原料収納部5の外周面には、その上端から中間箇所まで真っ直ぐ延びる複数の縦長リブ12が周方向に間隔をおいて一体に形成されている。
リングホルダー2の外径は、装着対象のボトル口部101aのサイズに応じて、その内径に合わせた寸法とする。
リングホルダー2は、メインキャップ1に対し、その原料収納部5を挿通させて縦長リブ12の下端に当たるところまで、原料収納部5の外周面とリングホルダー2の内周面の凸部とが緩く嵌合した状態とする。このような嵌合により、原料収納部5に対するリングホルダー2の上下の位置関係が定まる。リングホルダー2の内周面は凹凸が交互に波状に繰り返しているので、リングホルダー2の内周面と原料収納部5の外周面(図8に鎖線で示す)との間には、リングホルダー2の内周面の凹部となっているところで充分な隙間2dが形成され、それぞれの隙間2dは上下に貫通する。
原料収納部5にはこの嵌合の後に原料102が充填される(図3参照)。
ボトムシールキャップ3は、このようにしたリングホルダー2に対しては、その歯部2bとボトムシールキャップ3の噛み合い凹部13bとを噛み合わせ、原料102が充填された原料収納部5に対しては、その下端部分をボトムシールキャップ3の環状凹部13に嵌合させたうえ、その嵌合部分を溶着して、原料収納部5の下端開口5aをボトムシールキャップ3にて封止する。その溶着には、超音波または高周波による溶着、熱溶着剤(ホットメルト)を用いそれを加熱溶融して間接的に溶着する形態が考えられる。
ボトル101内の内容物が製品としてどの程度の温度で流通されるかの流通条件を考慮し、熱溶着剤が流通過程で熱変化するようであれば、温度耐性の高いものを使用するとか、熱溶着剤を用いての溶着はしないで、超音波溶着または高周波溶着を選択することが好ましい。
この状態に達したとき、メインキャップ2の天部4aに設けられた尖鋭な上部シール用突部11が、ボトル口部101aの上端面に食い込むような状態となるとともに、メインキャップ1の側部シール用突部10もボトル口部101aの内周面に圧接するので、ボトル口部101aの上端周縁でのキャップ本体4aによるシール性が極めて高い。
なお、原料収納部5内の原料102が医薬剤や化粧剤のように、変質を極力防止したいものである場合には、原料収納部5の少なくとも内面にアルミニウム蒸着層などの原料変質防止用被膜層を形成する。アルミニウム蒸着層は真空蒸着技術(スパッタリング)により容易に施すことができる。アルミニウム蒸着層は遮光性もあるので、外光による変質も防止でき、また原料収納部5の外面、さらにはキャップ本体4にもアルミニウム蒸着層を形成すると、メインキャップ1があたかもアルミニウム製キャップのような様相となり、ボトルキャップとしての高級感が増す。蒸着層とする金属としては、アルミニウムのほかチタンやステンレスなどがあり、また原料変質防止効果があればフッ素コーティングなどの樹脂コーティングでも構わない。
一方、ボトムシールキャップ3に対しては、図12、図13及び図14に示すように、ストラップバンド17を長さ方向に曲げて、その接続孔18をボトムシールキャップ3の接続用突起16と嵌合させることにより、ストラップバンド17の先端部をボトムシールキャップ3と接続する。その接続を確実にしたい場合には、接続用突起16との嵌合部分を接着または溶着する。
同図(A)に示すように、倒立姿勢としたメインキャップ1の原料収納部5に向かってリングホルダー2を真っ直ぐ近づけ、同図(B)に示すように、リングホルダー2に原料収納部5が挿通してその縦長リブ7にリングホルダー2が当たるところまで、リングホルダー2を原料収納部5の外周にセットする(嵌合させて位置決めする)。このように縦長リブ7は、原料収納部5に対するリングホルダー2の位置決めの役目をする。この後、同図(C)に示すように、原料102を上から原料収納部内に投入する。次に、熱溶着剤を用いる場合には、同図(D)に示すように、ボトムシールキャップ3の環状凹部13内に熱溶着剤を塗布しておいてから、ボトムシールキャップ3をひっくり返し、同図(E)に示すように、環状凹部13を原料収納部5と嵌合させ、その嵌合部分を外側から加熱して熱溶着剤による溶着を行う。熱溶着剤を用いない場合には、環状凹部13を原料収納部5と嵌合させ、その嵌合部分に超音波を発射して樹脂同士の超音波溶着を行う。
このようにしてボトムシールキャップ3による封止を終えたボトルキャップ100Aは、同図(F)に示すように、ボトル口部101aに前述のごとく螺着し、最後に同図(G)に示すように、ボトル口部101aの外側からの超音波によって、リングホルダー2とボトル口部101aとの樹脂同士の超音波溶着を、例えばP1とP2の上下2位置について周方向に複数点ずつ行う。
同図(A)に示すように、逆さ姿勢にしたリングホルダー2の接続凹部2dにストラップバンド17の端部を圧入しておいてから、同図(B)に示すように、倒立姿勢としたメインキャップ1の原料収納部5に向かってリングホルダー2を真っ直ぐ近づけ、同図(C)に示すように、実施例3の場合と同様にリングホルダー2を原料収納部5の外周にセットする。次に、同図(D)に示すように、原料102を上から原料収納部5内に投入してした後、同図(E)に示すように、実施例3の場合と同様にボトムシールキャップ3の環状凹部13と原料収納部5とを嵌合し、その嵌合部分を溶着する。その後に、同図(F)に示すように、ストラップバンド17を曲げて、その端部を前述したごとくボトムシールキャップ3に接続する。この後は、同図(G)及び同図(H)に示すように、実施例3の場合と同様にしてメインキャップ1をボトル口部101aに螺着し、最後にリングホルダー2をボトル口部101aに溶着する。
101 ボトル
101a ボトル口部
101b ねじ部
101c ロック用環状突部
102 原料
1 メインキャップ
2 リングホルダー
2a 欠如部
2b 歯部
2c 接続凹部
2d 隙間
3 ボトムシールキャップ
4 キャップ本体
4a 天部
4b 胴部
5 原料収納部
5a 下端開口
6 ねじ部
7 リブ
8 切り込み
9 ロック用リング部
10 側部シール用突部
11 上部シール用突部
12 縦長リブ
13 環状凹部
13a 周壁
13b 噛み合い凹部
14・15 凹部
16 接続用突起
17 ストラップバンド
17a 突出部
17b 肉厚部
18 接続孔
Claims (2)
- ボトル口部を封止するスクリューキャップであるキャップ本体に、ボトル口部に挿入される円筒形の原料収容部を一体に設けたメインキャップと、
その原料収容部の下端部分を嵌合させる環状凹部を形成したボトムシールキャップと、
前記原料収容部より短くてこれを挿通させるリングホルダーとからなり、
前記原料収容部の外周面には、中間箇所まで延びる縦長リブが周方向に間隔をおいて形成され、
前記リングホルダーの内周面には凹凸が周方向に交互に繰り返し形成され、
このリングホルダーと前記原料収容部とは、前記縦長リブの下端にリングホルダーが当たる状態で嵌合させて、原料収容部の外周面とリングホルダーの内周面の凹部との間に隙間が形成され、
前記リングホルダーは、その外周面を前記ボトル口部の内周面に接触させて該ボトル口部に固定され、
前記ボトムシールキャップと前記原料収容部と前記リングホルダーとは、ボトムシールキャップの前記環状凹部と原料収容部の下端部分とを嵌合させるとともに、ボトムシールキャップとリングホルダーとの互いの噛み合い部分を噛み合わせることで、原料収容部の下端開口がボトムシールキャップにて封止され、
前記メインキャップの開栓回転に伴う上昇において、前記ボトムシールキャップの回転と上昇とが前記リングホルダーにて規制されることにより、前記原料収容部の下端部分と前記ボトムシールキャップとの嵌合及びボトムシールキャップとリングホルダーとの噛み合いが外れ、ボトムシールキャップが原料収容部から分離して原料収容部の下端開口が開封されることを特徴とするボトルキャップ。 - バネ性を有するストラップバンドを備え、このストラップバンドの先端部には接続孔、前記ボトムシールキャップには接続用突起がそれぞれ形成され、これらストラップバンドとボトムシールキャップとは、前記接続孔と前記接続用突起とを嵌合させることにより接続され、またストラップバンドと前記リングホルダーとは、ストラップバンドの基端部をリングホルダーに形成されている接続凹部に圧入して接続されることを特徴とする請求項1記載のボトルキャップ。
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