JP6895034B2 - ボトルキャップ - Google Patents
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Description
このボトルキャップは、メインキャップとインナーキャップとボトムシールキャップとからなる。メインキャップは、ボトル口部を封止するスクリューキャップであるキャップ本体に、ボトル口部に挿入される円筒形の原料収容部を一体に形成している。インナーキャップは、原料収容部を受け入れる円筒形とし、ボトル口部に対してメインキャップの開栓回転に伴う上昇には追従しない強さをもってボトル口部内に嵌め込まれる。原料収容部の底蓋となるボトムシールキャップは、インナーキャップとの境界の切り離し部で切り離せるように、インナーキャップと一体成型され、原料収容部の下端部分と嵌合してその下端開口を封止するとともに、バネ性を有するリンク部によりインナーキャップに連結される。
(1)メインキャップの開栓操作時に、インナーキャップがメインキャップと共にボトル口部に対して回転したり抜け出したりしないように、インナーキャップをボトル口部内に圧入して嵌め込む構造であるが、ボトル口部の内径が外部温度の影響や成型時の条件などにより大きくなった場合、嵌め込み力が弱くなり、メインキャップの開栓操作に伴いボトルキャップの全体がボトル口部から抜け出してしまい、所期の機能を全く果たせなくなる恐れがある。
(2)ボトムシールキャップは、インナーキャップとの境界の切り離し部で分離できるようにインナーキャップと一体成型し、原料収容部の下端開口をインナーキャップでもシールする構造であるが、その切り離し部は肉厚をそれ以外の部分よりも薄く、しかも全周にわたり一様にしなければならない。しかし、そのような成型は難度が高く、歩留まりの悪い成型になるとともに、切り離し部のためにインナーキャップの肉厚が薄くなると、部分的にクラックなどが生じ、そこに水蒸気や液体が溜まって細菌繁殖の温床となるなど、衛生上の問題も生ずる。
(3)原料収容部の肉厚は樹脂成型上、なるべく薄くすることが好ましく、そうすると外光が原料収容部の内部まで透過し、原料収容部内に収納された原料を変質させる問題がある。
(4)ボトムシールキャップを切り離し部においてインナーキャップから強制的に切り離す構造であるため、その切り離しによる断片が生じ、これがボトル内に混入する恐れがある。
(5)全体としては2ピース成型品となるが、メインキャップの原料収容部に対して、インナーキャップ及びこれと一体成型するボトムシールキャップの寸法関係が正確でないと、ボトムシールキャップによる原料収容部の下端開口の封止が不充分となり、また原料収納部とインナーキャップとの関係も、水蒸気や液体が溜まるような隙間が生じない寸法関係にしなければならないので、厳密な成型精度を要する。
(1)メインキャップの開栓操作の際に、ボトルキャップ全体がボトル口部から抜け出すようなことがなく、ボトムシールキャップによる原料収容部の下端開口の開封を確実に行えるようにすること、
(2)成型の難度が従来よりも格段に低くなる一方、寸法精度の許容度は大きくなり、しかも組み立て作業も容易で、製造コストの低減が図れるようにすること、
(3)原料収容部の下端開口を封止しているボトムシールキャップが原料収容部から分離されて開封するとき、切り離しによる断片などが生ずることがなく、しかも細菌繁殖の温床となるような箇所を極力無くすことができるようにすること、
(4)原料収容部内に収納された原料の外光などによる変質を防止するとともに、原料収容部への防菌も図ること、
にある。
中子は、その胴部及び天部の金属被膜層を原料収容部の内面に密接させて原料収容部内に挿着される。
ボトムシールキャップの環状凹部と原料収容部の下端部分とを嵌合させて、ボトムシールキャップの一部分を中子の下周縁より下側で原料収容部内に嵌入させるとともに、ボトムシールキャップとリングホルダーとの噛み合い部分を噛み合わせることで、原料収容部の下端開口がボトムシールキャップにて封止される。
リングホルダーは、その内周面の凹部となっているところで原料収納部との間に隙間を形成して原料収納部を挿通させた状態でボトル口部に固定される。
そして、メインキャップの開栓回転に伴う上昇において、ボトムシールキャップの回転と上昇とがリングホルダーにて規制されることにより、原料収容部の下端部分とボトムシールキャップとの嵌合及びボトムシールキャップとリングホルダーとの噛み合いが外れ、ボトムシールキャップが原料収容部から分離して原料収容部の下端開口が開封されるようになっている。
第3の発明は、中子及びボトムシールキャップの金属被膜層をアルミニウム蒸着層とする。
第4の発明は リングホルダーの上周縁に、原料収容部の外周面に形成されたリブと係合する爪部が形成されている。
ボトル口部に対してメインキャップを開栓操作する際、その原料収容部はリングホルダーに関与せずにこれから上へと抜け出して行くが、リングホルダーはボトル口部に固定されているため、これから外れることなくボトムシールキャップの上昇と回転とを確実に規制し、ボトムシールキャップは、上昇して行く原料収容部から分離するとともに、リングホルダーとの噛み合いも外れて開封する。
原料収容部内には中子が挿着され、この中子の胴部及び天部の外表面に形成された金属被膜層が原料収容部の内周面に密着しているため、中子と原料収容部との間には内容物である液体は浸入しないとともに、中子の胴部は原料収容部よりも短いので、ボトムシールキャップの環状凹部と原料収容部の下端部分とを嵌合させるシール性に影響しない。
このような組み立て構造と作用であるため、メインキャップの開栓操作に伴うボトムシールキャップの開封を確実に行える。メインキャップと中子とリングホルダーとボトムシールキャップの四者は、互いの寸法関係に高い精度を必要としないので、成型及び組み立て作業が格段に容易となり、製造コストの低減が図れる。また、リングホルダー の作用によりボトムシールキャップの分離開封が容易で、それに伴い断片が生ずるようなことはない。
さらに、中子の胴部及び天部の外表面の金属被膜層が原料収容部の内面に密接して、原料収容部内への外光透過を内側から遮光するので、原料収容部内に収容された原料の変質を、ボトル口部及び原料収容部、さらにリングホルダーが透明または半透明であっても防止できるとともに、防菌効果もある。
リングホルダーはボトル口部内に残ったままとなるので、開封後のボトムシールキャップがボトル口部から抜け出るのを防止する。
第3の発明は、金属被膜層を一般的なアルミニウム蒸着法により経済的に形成できる。
第4の発明は、リングホルダー側に、原料収容部の外周面のリブと係合する爪部を形成したので、メインキャップをボトル口部に螺着する閉栓操作を行う際、ボトムシールキャップが原料収容部から外れてしまうことを防止できる。すなわち、その閉栓操作の際、原料収容部は、その下端部分に環状凹部を嵌合させているボトムシールキャップと共に回りながら、リングホルダーを伴ってボトル口部へ挿入されて行くが、リングホルダーも原料収容部と共に回らないと、ボトムシールキャップの環状凹部と原料収容部の下端部分との嵌合が外れ、ボトムシールキャップが原料収容部から脱落する恐れがある。そこで、リングホルダーの爪部を原料収容部のリブと係合させておけば、リングホルダーも原料収容部と一体に回るので、閉栓操作の際のボトムシールキャップの不用意な脱落を防止できる。
また、天部4aの下面には、原料収納部5の付け根部分の回りにおいて、側部シール用突部10が全周に一体に形成されているとともに、それより外周において、尖った小さい三角断面の上部シール用突部11が全周に一体に形成されている。
原料収納部5の外周面には、その上端から中間箇所まで真っ直ぐ延びる複数の縦長リブ12が周方向に間隔をおいて一体に形成されている。この縦長リブ12は原料収納部5を補強するとともに、後述するようにリングホルダー2の上縁部との係合部にもなる。
また、リングホルダー2の上周縁には、三角形状の爪部2dが周方向の複数箇所に形成されている。この爪部2dは、メインキャップ1の原料収納部5の縦長リブ12との係合部となるもので、縦長リブ12と側面同士を係合させるため、爪部2dの側面は垂直である。
さらに、リングホルダー2の各欠如部2aにおいて、残留防止用スリット2eが形成されている。
リングホルダー2の外径は、装着対象のボトル口部101aの内径サイズに応じた寸法とする。
なお、ボトムシールキャップ3の下面に接続用突起16を設けておき、この突起16を利用してボトムシールキャップ3を可撓性連結部材(図示せず)にてリングホルダー2と連結すれば、原料収納部5から分離した開封後のボトムシールキャップ3をリングホルダー2に吊持できる。
中子20は、図3に示すようにメインキャップ1の原料収納部5内の奥端に達するまで原料収納部5中に挿着される。これにより、中子20の天部20cの金属被覆層20aは原料収納部5内の天面に、また中子20の胴部20dの金属被覆層20aは、原料収納部5の内周面にその下端部分を残して密接し、中子20は原料収納部5内にしっかりと固定される。中子20の天部20cに窪み20bが形成されているため、中子20を原料収納部5に挿入して行くとき、それらの間に存在する空気は窪み20b内に押し込められるので、奥端までの中子20の挿入を容易に行える。
原料収納部5にはこの嵌合の後に原料102が充填される(図3参照)。
一方、ボトムシールキャップ3とリングホルダー2との関係については、リングホルダー2が上記のように原料収納部5の外周にセットされていても、ボトムシールキャップ3による上記のような封止が寸法上余裕をもって行えるように、リングホルダー2の欠如部2aの上下の寸法は、ボトムシールキャップ3の周壁13a(噛み合い凹部13bが無いところ)が欠如部2aに余裕をもって受け入れられる高さとする。
この操作中、ボトムシールキャップ3は原料収容部5と共に回るとともに、リングホルダー2も、その爪部2dが縦長リブ12と係合し、原料収容部5及びボトムシールキャップ3と共に回るので、ボトムシールキャップ3が原料収容部5から外れることはない。
そしてロック状態に達したとき、メインキャップ2の天部4aに設けられた尖鋭な上部シール用突部11が、ボトル口部101aの上端面に食い込むような状態となるとともに、メインキャップ1の側部シール用突部10もボトル口部101aの内周面に圧接するので、ボトル口部101aの上端周縁でのキャップ本体4aによるシール性が極めて高い。
また、原料収納部5内は、外表面に金属被覆層20aを形成した中子20により保護されており、収納した原料102の外光などによる変質を防止できるとともに、防菌効果もある。
ボトムシールキャップ3もその全表面に金属被覆層3aが形成されているので、ボトムシールキャップ3も原料への変質防止及び防菌効果がある。
同図(A)に示すように、倒立姿勢としたメインキャップ1の原料収納部5内に中子20を挿着しておいてから、原料収納部5へ向かってリングホルダー2を真っ直ぐ近づけ、同図(B)に示すように、リングホルダー2に原料収納部5が挿通し、その縦長リブ7にリングホルダー2が当たるところまで、リングホルダー2を原料収納部5の外周にセットする。その際、リングホルダー2の爪部2dと縦長リブ7とを係合させる。この後、同図(C)に示すように、原料102を上から原料収納部5内に投入する。次に、熱溶着剤を用いる場合には、同図(D)に示すように、ボトムシールキャップ3の環状凹部13内に熱溶着剤を塗布しておいてから、ボトムシールキャップ3をひっくり返し、同図(E)に示すように、環状凹部13を原料収納部5と嵌合させる。その嵌合部分のシール性を高くする場合には、嵌合部分を外側から加熱して熱溶着剤による溶着を行う。
このようにしてボトムシールキャップ3による封止を終えたボトルキャップ100Aは、同図(F)に示すように、ボトル口部101aに前述のごとく螺着し、最後に同図(G)に示すように、ボトル口部101aの外側からの超音波によって、リングホルダー2とボトル口部101aとの樹脂同士の超音波溶着を、例えばP1とP2の上下2位置、又はいずれか一方について周方向に複数点ずつ行う。
101 ボトル
101a ボトル口部
101b ねじ部
101c ロック用環状突部
102 原料
1 メインキャップ
2 リングホルダー
2a 欠如部
2b 歯部
2c 接続凹部
2d 爪部
2e 残留防止用スリット
3 ボトムシールキャップ
3a 金属被覆層
4 キャップ本体
4a 天部
4b 胴部
5 原料収納部
5a 下端開口
6 ねじ部
7 リブ
8 切り込み
9 ロック用リング部
10 側部シール用突部
11 上部シール用突部
12 縦長リブ
13 環状凹部
13a 周壁
13b 噛み合い凹部
14・15 凹部
16 接続用突起
20 中子
20a 金属被覆層
20b 窪み
20c 天部
20d 胴部
Claims (4)
- ボトル口部を封止するスクリューキャップであるキャップ本体に、ボトル口部に挿入される円筒形の原料収容部を一体に設けた樹脂製メインキャップと、
その原料収容部の下端部分を嵌合させる環状凹部を形成した樹脂製ボトムシールキャップと、
前記原料収納部より短い胴部と天部とからなり、これらの外表面に金属被膜層が形成された原料保護用の樹脂製中子と、
前記原料収容部よりも短くこれを挿通させる透明または半透明の樹脂製で、前記ボトムシールキャップとの噛み合いを行う噛み合い部を下周縁に形成するとともに、内周面には凹凸を波状に形成したリングホルダーとからなり、
前記中子は、その胴部及び天部の金属被膜層を前記原料収容部の内面に密接させて原料収容部内に挿着され、
前記ボトムシールキャップの環状凹部と前記原料収容部の下端部分とを嵌合させて、ボトムシールキャップの一部分を前記中子の下周縁より下側で原料収容部内に嵌入させるとともに、ボトムシールキャップと前記リングホルダーとの噛み合い部分を噛み合わせることで、原料収容部の下端開口がボトムシールキャップにて封止され、
前記リングホルダーは、その内周面の凹部となっているところで前記原料収納部との間に隙間を形成して原料収納部を挿通させた状態で前記ボトル口部に固定され、
前記メインキャップの開栓回転に伴う上昇において、前記ボトムシールキャップの回転と上昇とが前記リングホルダーにて規制されることにより、前記原料収容部の下端部分と前記ボトムシールキャップとの嵌合及びボトムシールキャップとリングホルダーとの噛み合いが外れ、ボトムシールキャップが原料収容部から分離して原料収容部の下端開口が開封されることを特徴とするボトルキャップ。 - 前記ボトムシールキャップの表面に金属被膜層が形成されている請求項1記載のボトルキャップ。
- 前記中子及びボトムシールキャップの金属被膜層がアルミニウム蒸着層である請求項2記載のボトルキャップ。
- 前記リングホルダーの上周縁に、前記原料収容部の外周面に形成されたリブと係合する爪部が形成されている請求項1、2または3記載のボトルキャップ。
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