JP6526486B2 - 養生ボード - Google Patents
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Description
養生ボードは、保護する面を覆うように配置して使用される、クッション材を積層したラミネート紙のボードであり、衝撃を吸収して保護する面が傷つくのを防ぐものである。
このような養生ボードは、住宅や店舗などの建築物の改装、新築、引越の際に床面へ配されて家具や設備の搬入や搬出により床面が傷つくのを防止することができる(特許文献1及び2)。
そこで先ず、本願発明者は、物差し同様上記養生ボードに目盛を印刷しておけば、床に敷いた養生ボードを利用して、上記のような小物の採寸が行えるのではないかと考えた。
特に、一般的な物差しの目盛と同様、淡色の背景色(物差しの地の色)に対して上記目盛となる複数の短い線を黒などの濃色で表示するものとし、当該目盛となる個々の線を太くすることで、読み易く目立ち易いものとすることが考えられるが、当該線間に目盛りとして必要な間隔を確保するため、個々の当該線の太さは制限される。
また、実用第一であり、そもそもデザイン性の乏しい養生ボードについて、単純に採寸用の上記目盛をプリントすると、却って外観を損なう危惧もある。
このため上記大物の配置やスペース確保の見当をつける場合も、従来通り巻尺や指矩などの物差しを別途用意して寸法を採るというのが一般的であった。
この点について、上記配置やスペース確保の可否の見当をつけるのに、養生ボードの表面に方眼を印刷することによって上記の配置やスペースの目安とし、別途メジャーや物差しを用意する手間を省くことも考えられる。このような方眼の印刷は、床の寸法や形状に合わせて現場にて養生ボードをカットして利用する場合も切断の目安とすることができる。
その一方で、精密に採寸を行おうとすれば、目盛となる升目をより小さな計測単位とすべく細かくする必要がある。しかし、升目を細くすれば、升目の数を読む作業はより一層煩わしくなるというジレンマを抱える。
一般のメジャーや物差しでは、例えば10cm間隔の目盛と、当該目盛間を当分する1cm間隔の目盛とを備えるものとし、10cm間隔の目盛を1cm間隔の目盛よりも長い或いは太い線で印して、1cm間隔の目盛よりも10cm間隔の目盛を目立つものとし、計測時目盛を読み易いものとする工夫がなされている。
しかし、このような手法を養生ボードにそのまま適用しても、現場で足元に敷かれた養生ボードの目盛を見下ろす状況では若干目盛が読み易くなるだけで、しゃがんで升目を近目に見て数える上記煩わしさを払拭する十分な効果を得るものではない。
勿論、10cm間隔の目盛について行われている上記工夫を例えば30cm間隔の目盛についても行うものとすれば、多少の目盛の読み込みを迅速に行うことは可能となるかも知れない。しかし、方眼に近づいて升目の数を読む煩わしさを排除する決定的な効果を得るものではない。
また本願発明は上記第2の問題を解決するため、上記煩わしさを抑え升目の数を把握し易い方眼付きの養生ボードの提供を図る。
更に本願発明は上記第3の問題を解決するため、養生ボードとしてのみならず上記多目的な利用に供することができる養生ボードの提供を図る。
また、本願発明では、前記ゲージ部は、輪郭の一部として、前記小目盛がふられた直線部分と、前記直線部分と交差してコーナーを呈する副直線部分とを備え、前記直線部分の前記小目盛の夫々は、前記直線部分を等分するものであり、前記直線部分の前記小目盛の夫々は、互いの間隔を開けてゲージ部の内側に向けて伸び、ゲージ部内で曲がることにて更に前記副直線部分へ向けて伸び、前記副直線部分へ達することにて前記副直線部分を等分割する小目盛を構成する養生ボードを提供できた。
更に、本願発明では、前記物差し部は、目的とする形状や寸法に切り取り或いは折り込む目安とする、少なくとも1本の線分を備え、前記大目盛は、前記線分を等分するものであり、前記物差し部は、前記ゲージ部が設けられていない一つ又は複数の前記大区画を挟む少なくとも一対の前記ゲージ部を備え、前記ゲージ部の夫々は、前記線分の一部をなす辺を有するものであり、前記小目盛は前記辺を等分する養生ボードを提供できた。
また更に本願発明では、少なくとも表面に網目模様が印刷された養生ボードであって、当該網目模様を構成する複数の網目のうち、少なくとも1つの網目を指標網目とし、前記指標網目の少なくとも1辺には、目盛が設けられ、前記目盛の夫々は、互いに等間隔を開け指標網目の内側へ向けて伸び、前記指標網目内は、上記内側へ向けて伸びる目盛にて複数の小区画に画され、隣り合う小区画同士が異なる色に色分けされた養生ボードを提供できた。
更にまた本願発明では、建築物の床面、階段、或いは壁面へ配されて家具や設備品の搬入や搬出により床面や階段或いは壁面が傷つくのを防止する、略畳一畳分の縦横の幅を備えたものであり、前記網目模様とは、前記網目の夫々を正方形の升目とする方眼であり、前記指標網目を指標升目とするものであり、前記方眼が呈する格子の縦横は、養生ボードの前記縦横に沿ったものであり、前記方眼は、前記指標升目を少なくとも4つ備え、前記各指標升目は、前記方眼の一部をなし且つ複数の前記升目にて構成された矩形の四隅に配置されたものであり、前記指標升目がなす前記矩形の四隅の夫々について、前記矩形の各頂点を挟む個々の指標升目の縦横2辺のうち横辺を等分する目盛りを前記目盛として備え、前記目盛の夫々は、当該指標升目内へ向け縦に伸び更に互いの間隔を開けたまま直角に曲がって横に伸び、前記矩形の頂点を挟む指標升目の縦横2辺のうちの縦辺に達して、前記縦辺を等分する目盛りを構成し、隣り合う前記小区画の一方は淡色領域とされ、隣り合う前記小区画の他の一方は、前記淡色領域より濃色の濃色領域とされて、濃淡の色分けがなされたものであり、前記指標升目及び指標升目以外の升目を目安として床面に合わせて切り取り或いは折り込んで使用でき、床面に敷設後、前記指標升目及び指標升目以外の升目を、家具や設備品の設置の可否やレイアウトの可否を知るための採寸の目安とすることができる養生ボードを提供できた。
尚、上記各発明において、色分け、濃色、淡色の「色」とは、有彩色のみならず白、黒や灰色といった無彩色も含む。また「色分け」に用いる一部の色は、印刷により着色する他、ボードの地の色をそのまま利用したものも含む。
また、物差し部の線分や、前記直線部分、副直線部分、辺といったゲージ部の輪郭は、実際の線が印刷されたものを含む他、実際の線が印刷されていなくてもよい。例えば、色分けにより境界が線として認識できるものや、或いは輪郭の他の部分を延長して把握できるものも含むのである。ゲージ部内を区画する目盛即ち小区画の境界線についても、線(実線)として印刷されたものでなくとも色分けの境界として認識できるものであればよい。指標網目(指標升目)の輪郭や目盛即ち境界線についても、上記ゲージ部と同様である。
特に上記ゲージ部の採用により、ねじその他の小物の寸法を測る場合に、養生ボードへ印刷した目盛を極めて読み取り易いものとした。
具体的には、本願発明では、上記ゲージ部において、隣り合う小区画を色分けすることによって、目盛を単なる小区画間の境界線とし、目盛自体を太くせずとも色分けされた小区画を読むことで寸法を測ることができ、見易いものとした。このように色分けされた小区画を見ることで、ゲージ部は、汚れなどにて読み取り難くならず、またデザイン性が高められて人目を引き、作業者に見落とされ難い。
また上記養生ボードは、部屋の形状や寸法によって、カットして利用することができ、上記ゲージ部は養生ボードの一部としそのまま利用する他上記カットによって生じる端切れと同様、ゲージ部を養生ボードから切り離して独立したゲージとして利用でき、寸法を測る対象を一々養生ボードの傍に持って来る必要が無い。このため、ネジに限らず、持ち運びできないネジ穴の採寸などにもゲージ部を切り取ることで可能となる。
ゲージ部は、上記の通りその特徴あるデザインにより計測の目印即ち指標として利用できると共にゲージ部自体そのデザインによって上記の通り小目盛を極めて読み取り易いものとしているのである。
床を保護する場合など、通常養生ボードを複数枚並べて隣接する養生ボード同士をテープで留めて利用する。このとき、個々の養生ボードは畳一畳分のサイズであるので、部屋の畳数に応じて敷設するのに必要な枚数も容易に把握でき、または柱などの突出部分や台所の流しなどの設置品に養生ボードの形状を適合させるために、方眼及びその指標升目を目安にすることにて、別途物差しを要せず養生ボードを適切な寸法や形状にカッタなどで切り取る作業が簡単に行える。
建築物の内装の養生に利用する場合、部屋や廊下の平らな床に限らず階段などの段差のある場所についても、方眼や指標升目を目安に折り込むことにより利用することができる。
更に、この養生ボードは、床や階段に限らず壁や扉の保護にも利用することができる。養生ボードを壁などに沿わせて上下縦に配置することにより、台所の流しの高さなども採寸することができる。
例えば、養生ボードを上記のように折り畳むのではなく、折り目線にて山なりに曲げることにて、養生ボードを壁などに沿わせることなく自立させて利用することができる。
方眼を利用し、家具やその他の設備品の配置やレイアウトを搬入や設備品の購入に先立って簡単に見当をつけることができる。また、養生に使用する場合のみならず、家具や設備品のある場所、例えば家具屋などに養生ボード自体を持参し、家具の大きさに養生ボードを切り取り或いは折り込んで、家具を置こうとする部屋に養生ボードを持ち帰って設置の可否やレイアウトを家具購入前に確認することができる。
また、畳一畳分のサイズの養生ボードは四つ折りにすることによって、持ち運びや取り扱いに適したサイズにすることができる。特に養生ボードを四つ折りにすることによって工作を行う際卓上に敷くことができる適切なサイズとでき、カッティングマットとして養生ボードを利用し机やテーブルが傷付くのを防ぐことができる。
上記家具の配置確認やスペース確保のための採寸や、室内や車内へ敷く適切な寸法・形状に養生ボードをカットする場合、指標升目には、矩形の頂点を中心として矩形内において当該頂点を取り囲むように各小区画が配置され、隣接する小区画同士が濃淡色分けされているので、弓道やダーツ、アーチェーリの標的のように視線を濃淡模様が取り囲む中心へ誘導することができ頂点となる角が分かり易く、遠目にも正確な採寸を可能とするのである。例えば、上記四隅の間の升目が見難く矩形の4辺が判別し難いものであったとしても、上記デザイン処理により、矩形の4つの角が上記の通り際立ち、4つの頂点が明瞭になり矩形がイメージし易いものとなり、当該矩形を一つの指標として家具などの配置の確認が円滑に行えるのである。
他方において、個々の升目全てを濃淡による上記デザイン処理にて目立たせるとすると却って繁雑な模様を呈して方眼が見難いものとなる危惧があるが、この点、指標升目を離散した状態に配置し、指標升目の升目は無地の升目とすることにて、指標升目を他の升目との対比において際立ったものとし、指標としての機能を確保できた。また指標升目の上記離散配置にて、デザイン的にも優れた養生ボードを提供できた。
図1〜図3へ示す通り、この養生ボードは、表面s側を化粧面とし、裏面t側へクッション材が積層された養生ボード1である。
図3へ示す通り、表面側から裏面側へ順に、エンボスシート2、紙材3、クッション材4が積層されている。
紙材3は、板紙であり、紙材3には、再生紙を採用することができる。この例では、紙材3に、紙管原紙を採用する。紙材3に、再生紙を利用するのは環境面で好ましい。但し、養生ボード1の心材として利用できるものであれば、紙材3として、再生紙以外の紙を採用して実施することもできる。
クッション材4には、衝撃を緩和できる発泡材を採用することができる。クッション材4には、発砲ポリエチレンを採用することができる。クッション材4は、緩衝材として利用できるものであれば、発砲ポリエチレン以外の発泡材を採用することができる。
上記各部の寸法は例示であり、必要に応じて変更して実施すればよい。
室内の床面を保護する場合、養生ボード1は、通常複数敷き詰め、隣り合う養生ボ―ド1の端同士をテープで留めて利用する。
説明の便宜上、以下上記短辺aを養生ボード1の縦辺とし上記長辺bを養生ボード1の横辺とする。
図1(C)へ示す通り、エンボスシート2は、亀甲型のエンボス5がかけられている。エンボス5は亀甲の内側の平らな領域が突出するようにかけられている。このように亀甲の輪郭の内側の平らな部分が突出するようにエンボスをかけておくことによって、滑り止めとしての抵抗面を比較的広く確保できる。
更にこの例では、図2(A)へ一点鎖線で示す通り、養生ボード1には、四つ折りにし易いように、上記長辺b間へ短辺aと平行に3本の折り目線7が入れられている。折り目線7同士は互いに等間隔を開けて設けられており、プレス加工により形成されている。上記四つ折り以外に、二つ折りや三つ折り、五つ折り以上など、折り数を変えて実施する場合、当該折り数に応じて、上記折り目線7の数や配置を変えて対応すればよい。また、上記の通り養生ボード1が四つ折りにできるものであっても、二つ折りや三つ折りにして使用することを制限するものではなく、状況に応じて適宜折り方を変えて利用することができる。
また、養生ボード1を折って使用することを予定しない場合、折り目線7を設けずに実施することができる。
即ち、養生ボード1の表面sには、網目模様として印刷された方眼が現れる。図3(A)へ示す通り、この例では、上記方眼は、エンボスシート2の表面に印刷加工することにより設けられている。
上記方眼は、養生ボード1の上記縦辺と平行な複数の縦罫線kaと、養生ボード1の上記横辺と平行な複数の横罫線kbとが交差して格子を呈する。
上記方眼は、上記格子に画された複数の正方形の升目mを備える。この例では、各升目mは縦横5cm(1升50mm角)、即ち、各升目mは図2(C)へ示す通り縦辺w1が50mm、横辺w2が50mmの正方形である。
この例では、個々の升目mの上記縦横の辺、即ち一升は、この養生ボード1をメジャーボードとして採寸に利用する場合の、一番大きな単位(5cm)の1目盛となる。
この例では、上記方眼は、養生ボード1の表面sの全体に渡って設けられている。
従って図1(A)へ示す通り、養生ボード1の方眼は、縦18升、横36升の複数の升目mにて構成されている。
図1(A)(B)へ示す通り、無指標升目mbは、商標や後述する目盛の数字や折り目線、商品についての所定の記載事項の表示を除いて、基本的に単色で無地のものである。この例では、無指標升目mbは、夫々同一の淡色である。
指標升目maの夫々は、メジャーボードとしての養生ボード1のアクセントとなる詳細メジャーであり、指標升目maの夫々は、図2(B)(C)へ示す通り、後述する淡色領域と淡色領域よりも濃色の濃色領域とに区画された升目である。
図1(A)(B)へ示す通り、この例では、縦7升・横14升の(7×14=)98個の升目mにて構成された縦35cm・横70cmの矩形において、指標升目maは当該矩形内の四隅の夫々に配置された升目mである。
1つの矩形において、養生ボード1の長辺b方向について無指標升目mbを5升挟んで横に一対の指標升目maが配置され、養生ボード1の短辺a方向について無指標升目mbを12升挟んで縦に一対の指標升目maが配置されている。
図1(A)へ示す通り、上記矩形は、養生ボード1の長辺b方向について複数配列されている。この例では、図1(A)に示す通り、養生ボード1の長辺b方向について、各矩形は互いに2升間隔を隔てて配置される。この例では、養生ボード1の長辺b方向について中央に3個の上記矩形が完全な形で示され、当該3個の矩形を挟んで左右の矩形は左右の一部が欠けた不完全な形で示されている。
但し、上記矩形のサイズは、上記に限定するものではなく、上記矩形を構成する升目mの数は、必要に応じて変更可能である。
また、指標升目maは、上記の矩形の四隅となる位置以外の位置に配置するものとしても実施できる。但し、上記の矩形自体は、その輪郭は方眼をなす格子の一部であり、指標升目m無しでは独立した矩形として認識できない。従って、上記矩形の四隅とする升目mは指標升目maとするのが好ましい。
矩形の大きさを変更する場合、上記指標升目ma間に挟む無指標升目mbの数を変更すればよい。
指標升目maについて詳しく説明する。上記方眼の縦横一升目を縦横の大目盛の一目盛として、図2(C)へ示す通り、正方形である指標升目maの縦辺w1には、上記大目盛より小さな単位、この例では10mm(1cm)を一目盛とする小目盛fが等間隔にふられ、指標升目maの横辺w1にも10mm(1cm)を一目盛とする小目盛gが等間隔にふられている。
より具体的には、図2(C)へ示す通り、指標升目maにおいて上記矩形の頂点pを挟む縦辺w1と横辺w2の夫々に、上記小目盛f,gがふられている。
指標升目maの横辺w2に設けられた小目盛g(以下横小目盛g)の夫々は、横辺w2から指標升目ma内部に向け互いに等間隔を保ちつつ養生ボード1の短辺b方向即ち縦方向に真っすぐ伸び、頂点pに近い目盛gから直角に曲がって横方向即ち図2(C)では左方向へ伸び、縦辺w1に到達して上記小目盛f(以下縦小目盛f)となる。言い換えると、縦小目盛fの夫々は、縦辺w1から指標升目ma内部に向け互いに等間隔を保って養生ボード1の横方向に真っすぐ伸び、頂点pに近い目盛gから直角に曲がって縦方向即ち図2(C)では上方向へ伸び、横辺w2に到達して上記横小目盛gとなる。
指標升目ma内は、縦横に伸びる上記の小目盛によって、夫々頂点pを取り囲む平面視L字の小区画に区画されている。そして隣り合う前記小区画同士は互いに異なる色に色分けされている。この例では、頂点pに近い小区画は濃色具体的には黒などの暗色で塗りつぶされた濃色領域をなし、当該濃色領域のすぐ外側の小区画は濃色領域よりも淡色で塗りつぶされた淡色領域をなす。そして、指標升目ma内において頂点pを取り囲んで頂点pから外側に向けて濃淡交互に各小区画の領域が配置されている。
尚この例では、小目盛は色分けされて濃色領域と一体となり実線としては視認できないが、濃色領域と淡色領域の境界線として認識することができる。
尚、上記例では特許請求の範囲の、物差し部は上記矩形の辺に、大目盛は矩形の辺を構成する方眼の格子に、大区画は上記方眼の升目に対応する。
尚、この例では、隣り合う小目盛f,g間を1mm間隔で等分割する最小目盛がふられている。但し、上記最小目盛は不要であれば設けずに実施できる。
指標升目maが呈する上記濃淡領域による図柄は、ゲージ部として上記小目盛の目盛間の間隔を隣接する小区画の境界として際立たせるものであり、計測する小スケールとして指標升目maを用いるとき、細かな小目盛を極めて読み易いものとする。その一方で指標升目maは、方眼中の指標として、箪笥などの大物を図る上記小スケールより上位の単位のスケールの方眼の指標とすることができる。このように指標升目maは、相反する2つの機能を併せ持つのである。
養生ボード1の使用において、図4(A)へ示す通り、家具などの設備品rのレイアウトや設置の可否の確認が設備品rを設置する前に確認できる。
また、図4(B)へ示す通り、ワゴン車uの荷台に敷いて、積み荷で車内が傷つくのを防ぐことができる。また図3(C)や図5(A)へ示す通り、養生ボード1を折り畳んで卓上xにてカッティングマットとして利用できる。更にレジャーマット代わりに利用できる他、図5(B)へ示す通り、寄せ集めた段ボール箱yの上に養生ボードを敷くことによって簡易ベッドとして利用することができる。
上記表面sは、亀甲型にラミネートされ平らな接触面を大きくし、下敷きにし易い。
養生ボード1の両長辺b側の両サイドに弱め線6が施されており、図3(B)のように、折ることにて廊下幅にも対応可能である。尚図3(B)のように使用する場合、折る位置が分り易いように、養生ボード1の表面a側へ破線cなどの目印を設けておけば便利である。
特に、養生ボード1表面への上記デザイン印刷により用途を拡大した。例えば、目盛について、方眼紙のように50mm間隔のラインを縦・横に入れることで定規なしで必要なサイズに簡単にカットできる。
上記の実施の形態において、ゲージ部即ち指標升目は、図2(C)へ示すように頂点の一つを取り囲むように、当該頂点を含む部分を濃色とし、当該頂点を含む部分を取り囲む各小区画を、頂点から離れる順に、淡色、濃色、淡色、濃色…と濃淡交互に色分けするものとしてもよいが、図2(C)へ示すものとは逆に、図6(A)へ示す通り、頂点を含む部分を淡色とし、当該頂点を含む部分を取り囲む各小区画を、頂点から離れる順に、濃色、淡色、濃色、淡色…と濃淡交互に色分けするものとしてもよい。
上記の濃色としては黒色や濃紺、濃緑、濃茶などの暗色を採用することができる。また、上記淡色としては、白色や灰色や肌色、水色などの明色や中間色を採用することができる。但し、濃色は淡色よりも濃いものであればよく、上記以外の色を濃色及び淡色に採用して実施することができる。また、濃色領域同士同じ色とし、同様に淡色領域同士同じ色に限定するものではなく、濃色領域同士も異なる濃色とし、淡色領域同市も異なる淡色として実施することができる。
更に、上記色分けは、隣接する小区画同士を容易に識別できるものとすればよく、色の濃淡で行う他、彩度や明るさの相違によっても行うことができる。例えば緑と赤となどのように補色関係にある色にて色分けを行ってもよい。
養生ボードについて、全体が淡色で方眼の格子が濃色のものを図示したが、全体が濃色で方眼の格子が淡色のものとしても実施できる。
また、各小区画は、縦横の長さを同じにするほか、図7(A)へ示す通り各小区画の縦横の寸法の何れか一方を縦横の寸法何れか他方よりも長くするものとしても実施できる。また、小目盛の比率を縦横で異なるものとしても実施できる。尚、図7(A)へ示すように、或いは、上記のように縦横の比率を変えることにて、小目盛の角がなす前述の斜め線の角度も45度以外のものとすることができる。従って、頻繁に利用する斜め線の角度に応じ、上記縦横の比率などの変更を行うことができる。
また、ゲージ部(指標升目ma)について、図2(C)や図7(A)へ示すように、上記各小区画がL字状に屈曲して一方の辺から隣接する他方の辺へ伸びるものとする他、屈曲せずに真っすぐ上記一方の辺と対向する辺へ到達するものとすることができる(図示は省略)。また屈曲しない場合も、図7(B)へ示す通り濃色の区画は上下に伸びるも当該対向する辺に届かないものとしても実施できる。図7(B)の例において濃色の区画は横方向に伸びるものとしてもよい。図7(B)の例についてより具体的には濃色の区画同士は分断されているが、淡色の区画は一つの区画として繋がっている。この図7(B)の場合も、図示したものと濃淡は逆であっても実施できる。また、一辺の目盛となる濃淡の境界は、ゲージ部の輪郭をなす他の辺まで到達したり、図7(B)のように伸びる方向の終端も明確に色分けされたものに限定するものではなく図7(C)へ示す通り、伸びる先で濃色と淡色とがグラデーションにて明瞭な境界を持たないものとしても実施できる。図7(C)へ示す場合も、グラデーションの上方においては色分けの境界が明瞭であり、当該明瞭な範囲は小目盛をなす線にて区画された領域である。
更に図6(B)へ示す通り、上記目盛を備え交差する一対の辺に挟まれた対角線を境界として更に一方の辺側と他方の辺側で濃淡色分けするものとしても実施できる。この図6(B)の例は、図2(C)へ示すゲージ部と図6(A)へ示すゲージ部とを複合したものと言える。
上記において網目模様として升目が正方形の方眼を例示した。この他、網目が格子状のものであれば、升目は正方形に限らず長方形であっても実施できる。また、室内の養生という用途に限らず、他の保護ボードとして利用する場合、網目模様を格子以外の模様としても実施できる。例えば養生ボードは、三角形や六角形の升目にて構成されるものとしても実施できる。
また、養生ボードは、網目模様を備えたものに限定するものではなく。例えば無地の表面に上記矩形とその四隅にゲージ部として、上記指標升目maと同様の図柄を備えたものをプリントして実施することができる。この場合、矩形の各辺において、ゲージ部の輪郭以外の部分には、物差しなどと同様の目盛をふっておけば、方眼を備えなくとも大物を採寸するメジャーとしての利用が可能である。
但し、養生ボード1として利用する場合、上記方眼を印刷して、方眼中に指標升目maを設けておくのが、養生ボード1の表面(化粧面)の各部を、家具などのレイアウトの目安としてきめ細やかに対応することができ好ましい。
網目模様をプリントしない場合において、ゲージ部と共に上記の矩形のプリントする以外に、矩形以外の他の多角形をプリントとしてその隅にゲージ部を表示するものとしても実施できる。例えば上記多角形としてゲージ部も三角形とするのを除外するものではない。勿論矩形以外の多角形の隅にゲージ部を設ける場合も、当該多角形を構成に備える網目模様を有するものとしても実施できる。
総括すると本願発明に係る養生ボードは、住宅や店舗などの建築物の改装、新築、引越の際に床面や階段、或いは壁面へ配されて家具や設備の搬入や搬出により床面や階段、壁面が傷つくのを防止する、養生ボードに代表されるものであり、背面側にクッション材を備えたボードであり、衝撃を吸収して上記建築物の内装を保護することができる。
特にポリエチレンなどの防水性のボードをラミネートすることにより、クッション材による耐衝撃と共に水に濡れても強いボードとすることができた。
更に、本願発明に係る養生ボードは、上記建築物に対する利用以外に、ワゴンなどの自動車の荷台へ敷設して、積載物にて車内が傷つくのを防止することができる。また、学校での工作や日曜大工の作業時にカッタなどで工作物を切断する際、本願発明に係る物品をカッティングマットがわりに卓上へ敷くことにより、机やテーブルが傷つくのを防止することができる。
また、この養生ボードは、クッション性を有するものであるため、レジャーシートとして屋外で使用することができ、レジャー以外に被災地での簡易布団や避難所の床材としての利用や避難所室内の防寒対策に利用することができる。
この養生ボードは、配置する場所の寸法や形状に応じ、正面に印刷された方眼及び当該方眼の一部の濃淡模様を目印とし切断して適切なサイズや形状にすることができる。
特に、養生ボードとして床に敷いて利用する際、正面に現れる方眼や方眼に付した模様を指標として、家具や厨房設備の配置などの採寸を行うことができ、購入前に当該家具や厨房設備の設置の可否を知ることができる。
また、この養生ボードは、正面に現れる方眼及び一部の当該方眼が備える濃淡模様を目印とし、適切な位置で折り曲げたり折り畳むことにて使用したり持ち運んだりすることができる。
上記切断や折り畳みに際して、包含の升目や目盛を利用して切断位置や折り目を正確に決めることができる他、この養生ボードを物差しとして他の工作物の寸法を測ることができる。
2 エンボスシート
3 紙材
4 クッション材
5 エンボス
6 弱め線
7 折り目線
f 小目盛
g 小目盛
m (方眼の)升目
ma 指標升目(ゲージ部)
mb 無指標升目
s (養生ボード1の)表面
t (養生ボード1の)裏面
Claims (5)
- 少なくとも表面側を化粧面とし、前記化粧面には長さを測る物差し部とゲージ部とが印刷され、
前記物差し部には大目盛がふられ、前記ゲージ部には前記大目盛より小さな小目盛がふられ、
前記大目盛にて画された複数の区画を大区画として、一部の大区画に前記ゲージ部が設けられ、他の大区画には前記ゲージ部が設けられないものであり、
前記ゲージ部は、前記小目盛にて前記大区画よりも小さな複数の小区画に画され、
隣り合う前記小区画同士は、異なる色に色分けされたものであることを特徴とする養生ボード。 - 前記ゲージ部は、輪郭の一部として、前記小目盛がふられた直線部分と、前記直線部分と交差してコーナーを呈する副直線部分とを備え、
前記直線部分の前記小目盛の夫々は、前記直線部分を等分するものであり、前記直線部分の前記小目盛の夫々は、互いの間隔を開けてゲージ部の内側に向けて伸び、ゲージ部内で曲がることにて更に前記副直線部分へ向けて伸び、前記副直線部分へ達することにて前記副直線部分を等分割する小目盛を構成するものであることを特徴とする請求項1記載の養生ボード。 - 前記物差し部は、目的とする形状や寸法に切り取り或いは折り込む目安とする、少なくとも1本の線分を備え、前記大目盛は、前記線分を等分するものであり、
前記物差し部は、前記ゲージ部が設けられていない一つ又は複数の前記大区画を挟む少なくとも一対の前記ゲージ部を備え、
前記ゲージ部の夫々は、前記線分の一部をなす辺を有するものであり、前記小目盛は前記辺を等分するものであることを特徴とする請求項1記載の養生ボード。 - 少なくとも表面に網目模様が印刷された養生ボードであって、
当該網目模様を構成する複数の網目のうち、少なくとも1つの網目を指標網目とし、
前記指標網目の少なくとも1辺には、目盛が設けられ、
前記目盛の夫々は、互いに等間隔を開け指標網目の内側へ向けて伸び、
前記指標網目内は、上記内側へ向けて伸びる目盛にて複数の小区画に画され、隣り合う小区画同士が異なる色に色分けされたことを特徴とする養生ボード。 - 建築物の床面、階段、或いは壁面へ配されて家具や設備品の搬入や搬出により床面や階段或いは壁面が傷つくのを防止する、略畳一畳分の縦横の幅を備えたものであり、
前記網目模様とは、前記網目の夫々を正方形の升目とする方眼であり、前記指標網目を指標升目とするものであり、前記方眼が呈する格子の縦横は、養生ボードの前記縦横に沿ったものであり、
前記方眼は、前記指標升目を少なくとも4つ備え、前記各指標升目は、前記方眼の一部をなし且つ複数の前記升目にて構成された矩形の四隅に配置されたものであり、
前記指標升目がなす前記矩形の四隅の夫々について、前記矩形の各頂点を挟む個々の指標升目の縦横2辺のうち横辺を等分する目盛りを前記目盛として備え、
前記目盛の夫々は、当該指標升目内へ向け縦に伸び更に互いの間隔を開けたまま直角に曲がって横に伸び、前記矩形の頂点を挟む指標升目の縦横2辺のうちの縦辺に達して、前記縦辺を等分する目盛りを構成し、
隣り合う前記小区画の一方は淡色領域とされ、隣り合う前記小区画の他の一方は、前記淡色領域より濃色の濃色領域とされて、濃淡の色分けがなされたものであり、
前記指標升目及び指標升目以外の升目を目安として床面に合わせて切り取り或いは折り込んで使用でき、床面に敷設後、前記指標升目及び指標升目以外の升目を、家具や設備品の設置の可否やレイアウトの可否を知るための採寸の目安とすることができる請求項4記載の養生ボード。
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