JP6526462B2 - 外用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、外用組成物に関する。より具体的には、本発明は、カルボキシビニルポリマーなどの水溶性増粘剤を含有しているにもかかわらず、皮膚上の塩により粘度低下してもしっかりとした塗布感が得られる外用組成物に関する。
従来、皮膚化粧料等の外用組成物の保湿感や塗布感を向上させる目的のために、カルボキシビニルポリマーなどの水溶性増粘剤を含有させることが知られている。しかし、このような水溶性増粘剤は皮膚に塗布した際、皮膚上の塩により粘度が低下し、塗布感(絡み付くような塗布感/ゲルを潰すような塗布感)が得られにくいという問題があった。また、塗布時にべたつきが生じやすく、さっぱりとした使用感を実現できないという問題もあった。
塗布時のべたつき感を軽減するために、粉体を配合する方法が知られているが、大量に配合しようとすると、粉体のよれが生じたり、安定性が損なわれるという問題があった。そこで、べたつきを抑えるものとして、アルキル変性カルボキシビニルポリマーと環状シリコーンと粉体を含有した皮膚外用剤が知られている(特許文献1)。
しかし、この皮膚外用剤では、しっかりとした塗布感が得られず、また、べたつき感を抑える一方で、粉っぽさが残ってしまい、保湿感を覚えにくいという問題があった。
また、アルキル変性カルボキシビニルポリマーと、架橋型メチルポリシロキサンと、シリコーンオイルと、粉体を含有した皮膚外用剤が知られている(特許文献2)。これにより、粉っぽさを改善することは可能となったものの、やはり、しっかりとした塗布感が得られず、また、保湿感、べたつき感のなさやさっぱり感の点でも満足のいくものではなかった。
近年、外用組成物の使用感や機能性の向上に対する要求は益々高まっており、カルボキシビニルポリマーなどの水溶性増粘剤を含有しているにもかかわらず、粘度が低下しても、しっかりとした塗布感が得られる外用組成物、特に、塗布時に、しっかりとした塗布感がありながら、べたつきが抑制され、かつさっぱりとした感触があり、塗布後には、粉っぽさが抑えられ、かつ保湿感に優れた外用組成物が要望されている。
特開平11−92329号公報 特開2004−182626号公報
本発明は、カルボキシビニルポリマーなどの水溶性増粘剤を含有しているにもかかわらず、皮膚上の塩により粘度が低下してもしっかりとした塗布感が得られる外用組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、塗布時に、しっかりとした塗布感がありながら、べたつきが抑制され、かつさっぱりとした感触があり、塗布後には、粉っぽさが抑えられ、かつ保湿感に優れた外用組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、水溶性増粘剤と共に、多孔質粉体及びトリメチルグリシンを含有させた外用組成物が、塩によって粘度低下したとしても、しっかりとした塗布感を与えることを見出した。特に、これらの成分を所定量含有することで、塗布時に、しっかりとした塗布感がありながら、べたつきが抑制され、かつさっぱりとした感触があり、塗布後には、粉っぽさが抑えられ、かつ優れた保湿感を得ることができることを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。即ち、本発明は、下記に掲げる外用組成物を提供する。
項1. (A)水溶性増粘剤、(B)多孔質粉体及び(C)トリメチルグリシンを含有し、(B)多孔質粉体が0.05〜5重量%であり、かつ(C)トリメチルグリシンの配合割合が(A)水溶性増粘剤1重量部に対して0.1〜6重量部である、外用組成物。
項2. 前記水溶性増粘剤が、カルボキシビニルポリマーおよび/またはアルキル変性カルボキシビニルポリマーである項1記載の外用組成物。
項3. 前記多孔質粉体が、シリカ、マイカ、タルク、およびナイロンよりなる群から選択される少なくとも1種である項1又は2に記載の外用組成物。
項4. 化粧料である、項1〜3のいずれかに記載の外用組成物。
本発明の外用組成物は、カルボキシビニルポリマーなどの水溶性増粘剤を含有しているにもかかわらず、皮膚上の塩により粘度が低下しても、しっかりとした塗布感を与えることができる。また、本発明は、塗布時に、しっかりとした塗布感がありながら、べたつきが抑制され、かつさっぱりとした感触があり、塗布後には、粉っぽさが抑えられ、かつ優れた保湿感を得ることもできる。
本発明の外用組成物は、(A)水溶性増粘剤、(B)多孔質粉体及び(C)トリメチルグリシンが所定量含有されていることを特徴とする。以下、本発明の外用組成物について詳述する。
(A)水溶性増粘剤
本発明の外用組成物は、水溶性増粘剤を含有する。本発明で使用される水溶性増粘剤は、特に制限されないが、例えば、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、セルロースガム、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、スクレロチウムガム、ポリスチレンスルホネート、カラヤガム、ペクチンなどを挙げることができる。これらの水溶性増粘剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの水溶性増粘剤の中でも、しっかりとした塗布感や保湿感を向上させるため、また、後述する(B)多孔質粉体及び(C)トリメチルグリシンと併用した際の効果の点から、カルボキシビニルポリマーおよびアルキル変性カルボキシビニルポリマーが好ましい。
カルボキシビニルポリマーは、カルボキシル基を有する水溶性のビニルポリマーであり、具体的には、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を主鎖として、アリルショ糖やペンタエリスリトールのアリルエーテル等による架橋構造を有するポリマーである。
また、アルキル変性カルボキシビニルポリマーは、前記カルボキシビニルポリマーのカルボキシル基の少なくとも一部がアルキル基によりエステル化されたポリマーである。アルキル変性カルボキシビニルポリマーにおいて、エステル結合によって結合しているアルキル基は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。また、当該アルキル基の炭素数については、特に制限されないが、例えば8〜35、好ましくは8〜30が挙げられる。
カルボキシビニルポリマーおよび/またはアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、pH=6.5に調整した0.5重量%水溶液(20℃)において粘度5000mPa・s以上、好ましくは、5000〜100000mPa・sであるものが使用される。ここで、当該粘度は、B型粘度計「TOKI SANGYO VISCOMETER TVB−10」(東機産業株式会社製)において、ローター:M3(回転速度:20rpm、時間:1min、単位:mPa・s)を使用して測定した値をいう。
カルボキシビニルポリマーおよびアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、市販品を使用することができる。カルボキシビニルポリマーの市販品としては、具体的には、住友精化株式会社製の「AQPEC HV−501E」、「AQUPEC HV−505E」;Lubrizol Advanced Materials社製の「カーボポール940」、「カーボポール941」、「カーボポール980」;和光純薬工業株式会社製の「ハイビスワコー103」「ハイビスワコー104」「ハイビスワコー105」、3Vシグマ社製の「シンタレンK」、「シンタレンL」等が挙げられる。また、アルキル変性カルボキシビニルポリマーの市販品としては、具体的には、住友精化株式会社製の「AQUPEC HV−501ER」;Lubrizol Advanced Materials社製の「カーボポールultrez20」「カーボポールultrez21」「カーボポール1342」、「カーボポールETD2020」、「ペムレンTR−1」、「ペムレンTR−2」等が挙げられる。
本発明の外用組成物において、水溶性増粘剤の配合量については、特に制限されないが、例えば、水溶性増粘剤の合計で0.1〜3重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.3〜2重量%、さらに好ましくは0.3〜1.5重量%である。このような範囲にすることによって、しっかりとした塗布感を与えることができ、また塗布後の保湿感を向上させるという本発明の効果をより高く発揮することが可能となる。また、このような水溶性増粘剤の含有量は、後述する(B)多孔質粉体及び(C)トリメチルグリシンと併用した際の効果の点からも好ましい。
(B)多孔質粉体
本発明の外用組成物は、多孔質粉体を含有する。本発明で使用される多孔質粉体は、特に制限されないが、例えば、シリカ、タルク、酸化チタン、マイカ、酸化亜鉛、カオリン、硫酸バリウム、オキシ塩化ビスマス、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、含水ケイ酸、モンモリロナイト等の無機粉体;ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、メタクリル酸メチル樹脂、セルロース、ナイロン、スチレンとアクリル酸の共重合、ポリプロピレン、塩化ビニル等の高分子粉体等が挙げられる。これらの多孔質粉体は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの多孔質粉体の中でも、後述する(C)トリメチルグリシンと併用することで、塗布中の、べたつき感のなさと、さっぱり感をより一層効果的に向上させる点から、シリカ、マイカ、タルク、ナイロンが好ましく、シリカがさらに好ましい。
多孔質粉体の平均粒径については、特に制限されないが、例えば1〜25μm、好ましくは3〜20μm、より好ましくは3〜15μmが挙げられる。また、多孔質粉体の吸油量については、特に制限されないが、例えば50〜500ml/100g、好ましくは50〜300ml/100g、より好ましくは50〜200ml/100gが挙げられる。また、多孔質粉体の比表面積については、特に制限されないが、例えば30〜1000m/g、好ましくは100〜950m/g、より好ましくは200〜800m/g、さらに好ましくは200〜600m/gが挙げられる。ここで、多孔質粉体の平均粒径とは、JIS Z 8901:2006「試験用粉体及び試験用粒子」で定義されている「粒子の直径の算術平均値」である。また、多孔質粉体の吸油量は、JIS K5101−13−1に準拠して測定される値である。また、多孔質粉体の比表面積は、JIS K6430付属書Eに準拠して測定されるBET比表面積である。
本発明の外用組成物において、多孔質粉体の配合量は0.05〜5重量%であり、好ましくは0.5〜3重量%、さらに好ましくは1〜3重量%が挙げられる。
(C)トリメチルグリシン
本発明の外用組成物は、トリメチルグリシンを含有する。トリメチルグリシンは、アカザ科の植物や、海草、魚類、甲殻類において見出されており、アミノ酸系保湿剤として汎用されている。トリメチルグリシンの市販品としては、具体的には、味の素株式会社製の「アクアデュウ AN−100」、旭化成ケミカルズ株式会社製の「アミノコート」等が挙げられる。
本発明の外用組成物において、トリメチルグリシンの配合量は、前記(A)水溶性増粘剤1重量部に対して0.1〜6重量部であり、好ましくは1〜4重量部、より好ましくは1.5〜4重量部が挙げられる。
本発明の外用組成物における(C)トリメチルグリシンの具体的な含有量としては、(A)水溶性増粘剤が、例えば、0.1〜3重量%配合される場合、0.01〜18重量%であり、好ましくは、0.1〜12重量%、更に好ましくは0.15〜12重量%が挙げられる。この配合割合であれば、前記(A)水溶性増粘剤及び(B)多孔質粉体と併用することで、しっかりとした塗布感を与えることができ、またべたつき感のなさ及びさっぱり感、ならびに塗布後の粉っぽさのなさ及び保湿感をより一層効果的に向上させることができる。
(D)多孔質粉体とシリコーンオイルと架橋型メチルポリシロキサンの混合物
本発明の外用組成物は、前記(B)多孔質粉体を、シリコーンオイルと架橋型メチルポリシロキサンの混合物として添加させることができる。このように、これらの3成分を予め混合した状態にして前記(A)水溶性増粘剤と共に添加することによって、塗布時の肌馴染みを改善し、塗布後にはさらさらとした使用感を与えることができ、べたつき感のなさや保湿感をより一層効果的に向上させることができる。
当該混合物は、前記(B)多孔質粉体に、シリコーンオイルおよび架橋型メチルポリシロキサンを混合、撹拌し、均一に分散させることで調製される。このような混合物にすることによって、(B)多孔質粉体にはシリコーンオイルが潤浸し、架橋型メチルポリシロキサンはシリコーンオイルによって膨潤する。
本発明に使用されるシリコーンオイルの種類については、特に制限されないが、例えば、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のジオルガノポリシロキサン;シクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラメチルテトラフェニルテトラシクロシロキサン等の環状シロキサン;高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸の環状シロキサン溶液等;メチルトリメチコン;ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン;炭素原子数6〜50のアルキル基を有するジオルガノポリシロキサン;アミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等の変性シリコーンオイルが挙げられる。これらのシリコーンオイルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのシリコーンオイルの中でも、肌馴染みや保湿感をより一層効果的に向上させる点から、ジメチルポリシロキサン、シクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコンが好ましい。
シリコーンオイルとして、ジメチルポリシロキサンを使用する場合、特に25℃における動粘度が5〜500cs、好ましくは50〜400cs、より好ましくは100〜350cs、特に好ましくは150〜350cs程度のものを使用すると、多孔質粉体への潤浸、架橋型メチルポリシロキサンの膨潤を首尾よく行うことができ、肌馴染み、さらさら感および保湿感の点で好ましい。当該動粘度は、オストワルド粘度計を用いて測定された値である。当該動粘度を満たすジメチルポリシロキサンについては、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社製の「SH200 C Fluid 100cs」、「SH200 C Fluid 200cs」、「SH200 C Fluid 350cs」;信越化学工業株式会社製の「KF−96A−100cs」、「KF−96A−200cs」、「KF−96A−300cs」、「KF−96A−350cs」;旭化成ワッカーシリコーン株式会社製の「BELSIL DM100」「BELSIL DM350」等として市販されており、これらの市販品を使用することができる。
混合物におけるシリコーンオイルの配合量は、特に制限されないが、例えば、混合物の全量に対して10〜95重量%、好ましくは10〜85重量%が挙げられる。
また、本発明の外用組成物におけるシリコーンオイルの配合量については、特に制限されないが、例えば、外用組成物の全量に対して、0.05〜10重量%、好ましくは0.05〜7重量%、より好ましくは0.05〜5重量%が挙げられる。
本発明に使用される架橋型メチルポリシロキサンの種類については、3次架橋構造を有することを限度として特に制限されないが、例えば、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/ビニルジメチコン/メチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマーなどが挙げられる。これらの架橋型メチルポリシロキサンは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの架橋型メチルポリシロキサンの中でも、べたつきをより効果的に抑制し、肌馴染み、さらさら感および保湿感をより一層向上させる点から、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/ビニルジメチコン/メチコン)クロスポリマーが好ましい。
架橋型メチルポリシロキサンの平均粒径については、特に制限されないが、例えば1〜40μm、好ましくは3〜30μm、より好ましくは3〜25μmが挙げられる。ここで、架橋型メチルポリシロキサンの平均粒径とは、JIS Z 8901:2006「試験用粉体及び試験用粒子」で定義されている「粒子の直径の算術平均値」である。当該平均粒径を満たす架橋型メチルポリシロキサンは、例えば、信越化学工業株式会社製の(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー「KMP−598」「KMP−400」等として市販されており、これらの市販品を使用することができる。
混合物における架橋型メチルポリシロキサンの配合量については、特に制限されないが、例えば、混合物の全量に対して0.5〜80重量%、好ましくは1〜70重量%、より好ましくは1〜60重量%が挙げられる。
前記シリコーンオイルおよび架橋型メチルポリシロキサンは、混合物の状態で市販されているものもあり、本発明では、このような市販品の混合物を使用することができる。シリコーンオイルおよび架橋型メチルポリシロキサンの混合物の市販品としては、具体的には、信越化学工業株式会社製の「KSG−15」((ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー/シクロペンタシロキサン)、「KSG−1510」((ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー/メチルトリメチコン)、「KSG−16」((ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー/ジメチコン)、「KSG−1610」((ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー/メチルトリメチコン)、「KSG−18A」((ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー/ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン)、「KSG−19」((ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー/ジメチコン)、「KSG−016F」((ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー/ジメチコン)、「KSG−045Z」((ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー/シクロペンタシロキサン)、「KSG−048Z」((ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー/ジメチコン)等が挙げられる。
(B)多孔質粉体、シリコーンオイルおよび架橋型メチルポリシロキサンの比率については、前述する混合物中または外用組成物中の配合量を充足する範囲で適宜設定すればよいが、べたつきをより効果的に抑制し、肌馴染み、さらさら感および保湿感をより一層向上させる点から、(B)多孔質粉体:シリコーンオイル:架橋型メチルポリシロキサン=0.1〜5:0.1〜5:0.05〜5(重量比)であることが好ましく、0.05〜3:1〜5:0.05〜2(重量比)であることがより好ましく、0.1〜2:1〜4:0.1〜2(重量比)であることがさらに好ましい。

本発明の外用組成物は、水溶性増粘剤を溶解させる基剤として水が含まれる。本発明の外用組成物において、水の濃度については、外用組成物の剤型等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、好ましくは25〜95重量%、より好ましくは35〜95重量%、さらに好ましくは45〜95重量%が挙げられる。
その他の成分
本発明の外用組成物は、前述する成分の他に、必要に応じて、生理学的に有用な機能性を示す機能性成分が含まれていてもよい。このような機能性成分としては、化粧料や外用医薬品などに配合可能でものであることを限度として特に制限されないが、例えば、水溶性のビタミン類、油溶性のビタミン類、酵素、ペプチド、アミノ酸、ホルモン、各種サイトカイン、各種動植物抽出物、ステロイド剤、保湿剤、美白剤、生薬、抗ヒスタミン剤、収斂剤、細胞賦活剤、角質軟化剤、局所麻酔剤、抗炎症剤、酸化防止剤、抗菌剤、抗菌剤、鎮痒剤、皮膚保護剤、血行促進剤、ステロール類などが挙げられる。
また、本発明の外用組成物は、前述する成分の他に、所望の剤型に調製するために、他の基剤や添加剤が含まれていてもよい。このような基剤や添加剤としては、化粧料や外用医薬品などに配合可能でものであることを限度として特に制限されないが、例えば、油性成分、低級アルコール、界面活性剤、防腐剤、香料、顔料、緩衝剤、pH調整剤などが挙げられる。
油性成分としては、動物油、植物油、合成油などの起源や、固形油、半固形油、液体油、揮発性油などの性状を問わず、例えば、炭化水素類、油脂類、高級アルコール類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、油溶性紫外線吸収剤類などが挙げられる。油性成分として、具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャトロプスワックスなどの炭化水素類;オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油などの油脂類;ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ、モクロウなどのロウ類;モンタンワックス、2−エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、マカデミアンナッツ脂肪酸フィトステリルなどのエステル類;ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコール類;パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタンなどのフッ素系油剤類;ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコールなどのラノリン誘導体;デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウムなどの油性ゲル化剤類;パラアミノ安息香酸エチル、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オクチルトリアゾン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、オキシベンゾンなどの油溶性紫外線吸収剤類などが挙げられる。これらの油性成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、イソプロパノールなどの低級1価アルコール;プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどの多価アルコール、1,2−ペンタンジオールなど挙げられる。これらの低級アルコールは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、具体的には、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンなど);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸など);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコールなど);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレート、POE−ソルビタンテトラオレエートなど);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレートなど);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレートなどのPOE−モノオレエートなど);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコールなど);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテルなど);プルロニック型類(例えば、プルロニックなど);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテルなど);テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニックなど);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸など);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミドなど);ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、具体的には、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウムなど);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウムなど);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウムなど);N−アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウムなど);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンタウリンナトリウム、ラウリルメチルタウリンナトリウム、ラウリルメチルタウリンメチルタウリンナトリウムなど);スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウムなど);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸など);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウムなど);N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウムなど);POE−アルキルエーテルカルボン酸;POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミンなどが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、具体的には、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウムなど);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウムなど);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウムなどが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩など);ベタイン系界面活性剤(例えば、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アミドアミン型両性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタインなど)などが挙げられる。
これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、ベンジルアルコール、クロロブタノール、ソルビン酸及びその塩、グルコン酸クロルヘキシジンなどが挙げられる。これらの防腐剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
製造方法
本発明の外用組成物は、公知の製造方法に従って製造することができる。具体的には、前記(A)水溶性増粘剤、(B)多孔質粉体、(C)トリメチルグリシン、及び必要に応じて添加される他の機能性成分、基剤、添加剤等を添加して混合し、所望の製剤形態に調製することによって製造することができる。
本発明の外用組成物の製造方法の好適な一態様として、以下の工程(1)〜(5)を含む方法が挙げられる。
工程(1):精製水に水溶性増粘剤を撹拌溶解する(調製物A)。
工程(2):必要に応じて、界面活性剤を溶媒(1,3−ブチレングリコールなど)に撹拌混合する(調製物B)。
工程(3):調製物Bを調製した場合には、調製物Bに(B)多孔質粉体(必要に応じて、(B)多孔質粉体、シリコーンオイルおよび架橋型メチルポリシロキサンを混合、撹拌し、均一に分散させた調製物(調製物C))及び(C)トリメチルグリシンを加え、撹拌し、均一化する。調製物Bを調製しなかった場合には、溶媒(1,3−ブチレングリコールなど)に(B)多孔質粉体(又は調製物C)及び(C)トリメチルグリシンを加え、撹拌し、均一化する(調製物D)。
工程(4):調製物Aを撹拌しながら、調製物Dを加え、撹拌し、均一化する。
工程(5):その後、必要に応じて、pH調整剤にて所望のpHに調整し、外用組成物とする。
剤型及び製剤形態
本発明の外用組成物は、液状、固形状、クリーム状、ジェル状等のいずれの剤型であってもよい。これらの剤型の中でも、液状又はジェル状が本発明の外用組成物の剤型として好適であり、ジェル状の外用組成物が特に好適である。
本発明の外用組成物は、化粧料、外用医薬品(外用医薬部外品を含む)等の皮膚外用剤の製剤形態で使用される。
本発明の外用組成物の製剤形態については、特に制限されないが、例えば、クリーム、化粧水、美容液、乳液、ジェル、口紅、ファンデーション等の化粧料;液剤(ローション剤、スプレー剤、エアゾール剤、及び乳液剤を含む)、フォーム剤、軟膏剤、クリーム剤、ジェル剤、貼付剤等の外用医薬品が挙げられる。これらの製剤形態の中でも、好ましくは化粧料、より好ましくは化粧水、美容液、乳液及びジェルが挙げられ、さらに好ましくは美容液及びジェルが挙げられる。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造例(実施例1〜11および比較例1〜5)
表2〜4に示す組成の皮膚化粧料を製造した。具体的には、以下のとおりである。
工程(1):精製水にカルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーを撹拌溶解した後、グリセリンを加え、撹拌溶解した(調製物A)。
工程(2):1,3−ブチレングリコールに、トリメチルグリシン及びシリカを撹拌混合し、均一化した(調製物B)。
工程(3):調製物Aを撹拌しながら、調製物Bを加え、ホモミキサーで撹拌し、均一化した。
工程(4):その後、水酸化カリウムを加え、pHを6.5に調整し、各皮膚化粧料を製造した。
なお、比較例1〜3については、トリメチルグリシン、シリカの一方又は両方を含有しない以外は、上記方法と同様に皮膚化粧料を製造した。
実施例1〜11および比較例1〜5で使用した原料は以下のとおりである。
<カルボキシビニルポリマー>
カーボポール980(Lubrizol Advanced Materials社)
<アルキル変性カルボキシビニルポリマー>
ペムレン TR−1(Lubrizol Advanced Materials社)
<シリカ>
ゴッドボールD−25C(鈴木油脂工業株式会社、平均粒径:7〜10μm、比表面積:300〜500m/g、吸油量:70〜110ml/100g)
試験例1
製造した比較例1〜3及び実施例3〜5の各皮膚化粧料について、粘度測定試験及び流動性試験を行った。
(粘度測定試験)
比較例1〜3及び実施例3〜5の各皮膚化粧料の粘度を、B型粘度計「TOKI SANGYO VISCOMETER RB−85型L」(東機産業株式会社製)において、ローター:M4(回転速度:6rpm、温度:20℃、時間:1min)を使用して測定した(塩化ナトリウム添加前)。
また、各皮膚化粧料27gに、塩化ナトリウム5重量%水溶液700μlを添加し、撹拌、混合した後、塩化ナトリウム添加前と同一の条件で粘度を測定した。結果を表1に示す。
(流動性試験)
アルミバットに家庭用ラップを貼り付け、その上に、塩化ナトリウム添加後の各皮膚化粧料1mlを置いた後、アルミバットを85度に傾け、皮膚化粧料が下方に20cm移動するのに要した時間を測定した。結果を表1に示す。
表1に示すように、比較例と実施例で粘度は大きく違わないが、塩化ナトリウム添加後の流動性について移動時間は2倍以上であった。特に、比較例の皮膚化粧料は塩化ナトリウムにより粘度が低下し、バットにほとんど絡み付かず、ゆっくりではあるものの滑るように移動した。移動した形跡もほとんど残らなかった。一方、実施例の皮膚化粧料も塩化ナトリウムにより粘度は低下したものの、移動の際、バットに伸びるように絡み付き、移動の形跡もしっかりと残った。比較例の皮膚化粧料は、皮膚上の塩により粘度が低下し、塗布中にさらさらとして、しっかりとした塗布感が得られにくいが、水溶性増粘剤、シリカ及びトリメチルグリシンを所定量含有する実施例の皮膚化粧料では、同様に粘度は低下するものの、塗布中、伸びがよく絡み付くようなしっかりとした塗布感が得られた。
試験例2
製造した各皮膚化粧料について、以下の方法で、塗布時のしっかりとした塗布感、べたつき感のなさ及びさっぱり感、塗布後の粉っぽさのなさ及び保湿感について評価した。
(評価方法)
評価モニター10名が各皮膚化粧料約0.5gを腕に塗布して、塗布時のしっかりとした塗布感、べたつき感のなさ及びさっぱり感、塗布後の粉っぽさのなさ及び保湿感を評価した。具体的には、評価は、以下を「1」および「10」としたVisual Analogue Scale(以下、VASと記載する)によるアンケートを実施することにより行った。アンケート結果を平均し、小数点第一位を四捨五入することにより、評価結果をまとめた。
<塗布時>
(塗布感)
絡み付くような塗布感/ゲルを潰すような塗布感がない「1」
絡み付くような塗布感/ゲルを潰すような塗布感がある「10」
(さっぱり感)
さっぱりとした感じがない「1」
さっぱりとした感じがある「10」
(べたつき感のなさ)
べたつきを感じる「1」
べたつきを感じない「10」
<塗布から30秒後>
(粉っぽさのなさ)
粉っぽさを感じる「1」
粉っぽさを感じない「10」
(保湿感)
保湿感(しっとりとした感じ)がない「1」
保湿感(しっとりとした感じ)がある「10」
得られた結果を表2〜4に示す。表2から明らかなように、シリカ、トリメチルグリシンの一方又は両方を含まない場合(比較例1〜3)、水溶性増粘剤1重量部に対して、トリメチルグリシンを8重量部含有する場合(比較例4)、及びシリカを6重量%含有する場合(比較例5)には、しっかりとした塗布感、べたつき感のなさ、さっぱり感、粉っぽさのなさ及び保湿感の少なくとも1つの評価について満足のいく結果とならなかった。特に、比較例4においては、絡み付くような塗布感は得られるものの、ゲルをつぶすような塗布感が抑えられ、全体として塗布感が低下した。
これに対して、表3および4から明らかなように、水溶性増粘剤、シリカ及びトリメチルグリシンを所定量含有することで、絡み付くような塗布感とゲルをつぶすような塗布感をともに満足することで、しっかりとした塗布感が得られ、また、べたつき感のなさ、さっぱり感、粉っぽさのなさ及び保湿感のいずれにも優れた皮膚化粧料とすることができた(実施例1〜11)。特に、水溶性増粘剤1重量部に対して、トリメチルグリシンを1〜6重量部含有する場合(実施例2〜6)、シリカを0.5〜3重量%含有する場合(実施例3、8〜10)、いずれの評価もより優れたものとすることができた。
試験例3
以下のとおり、皮膚化粧料を製造し、前記と同条件で使用感を評価した(実施例12)。
工程(1):精製水にカルボキシビニルポリマー0.25重量%、アルキル変性カルボキシビニルポリマー0.25重量%を撹拌溶解した後、グリセリン2重量%を加え、撹拌溶解した(調製物A)。
工程(2):シリカ1重量%、ジメチルポリシロキサン(SH200 C Fluid 350cs(東レ・ダウコーニング株式会社)2重量%および(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー(KMP−598(信越化学工業株式会社)0.3重量%を混合、撹拌し、均一に分散させた(調製物B)。この時、シリカがジメチルポリシロキサンを吸収し、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーがジメチルポリシロキサンによって膨潤することを確認した。
工程(3):50℃に加熱しながら、ポリソルベート60(NIKKOL TS−10V(日光ケミカルズ株式会社))0.5重量%と1,3−ブチレングリコール5重量%を撹拌混合した(調製物C)。
工程(4):調製物Cに調製物Bを加え、撹拌し、均一化した(調製物D)。
工程(5):調製物Aを撹拌しながら、調製物Dを加え、ホモミキサーで撹拌し、均一化した。
工程(6):その後、水酸化カリウムを加え、pHを6.5に調整し、皮膚化粧料(100重量%)を製造した。
シリカをジメチルポリシロキサン及び(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーと混合した調製物とすることで、例えば、実施例1に比べて、塗布時の肌馴染みを改善し、塗布後にはさらさらとした使用感をさらに与えることができ、べたつき感のなさや保湿感をより一層効果的に向上させることができた。
また、以下のとおり、実施例13〜17として、皮膚化粧料をそれぞれ製造し、前記と同条件で使用感を評価したところ、いずれも、比較例1に比べて、しっかりとした塗布感、ならびに、べたつき感のなさ、さっぱり感、粉っぽさのなさ及び保湿感に優れていた。
(実施例13)
カルボキシビニルポリマーとして「カーボポール980」に代えて「ハイビスワコー103」(和光純薬工業株式会社製)を、アルキル変性カルボキシビニルポリマーとして「ペムレン TR−1」に代えて「AQUPEC HV−501ER」(住友精化株式会社)を用いた以外は実施例4と同様である皮膚化粧料。
(実施例14)
カルボキシビニルポリマーを「キサンタンガム」に変更し、その含有量を0.3重量%、またアルキル変性カルボキシビニルポリマーの含有量を0.2重量%とした以外は実施例8と同様である皮膚化粧料。
(実施例15)
シリカとして、「ゴッドボールD−25C」を「サンスフェア H−121」(AGCエスアイテック株式会社製、平均粒径:12μm、比表面積:800m2/g、吸油量:150ml/100g)、または「シリカマイクロビード L−1500」(日揮触媒化成株式会社製、平均粒径:5μm、吸油量:130ml/100g)に代えた以外は実施例8と同様である皮膚化粧料。
(実施例16)
ジメチルポリシロキサンとして「SH200 C Fluid 350cs」を、「KF−96A−350cs」(信越化学工業株式会社製)または「BELSIL DM 350」(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)に代えた以外は実施例12と同様である皮膚化粧料。
(実施例17)
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとして「KMP−598」を「Dow Corning EP−9215 Cosmetic Powder」(東レ・ダウコーニング株式会社製、粒径2〜7μm)に代えた以外は実施例12と同様である皮膚化粧料。
処方例1〜24
表5〜8に記載の処方に従い、実施例と同様に皮膚化粧料を調製した。得られた皮膚化粧料は、塗布時には、絡み付くような塗布感とゲルをつぶすような塗布感をともに満足するしっかりとした塗布感が得られた。また、塗布中、べたつきが抑制され、かつさっぱりとした感触があり、塗布後には、粉っぽさが抑えられ、かつ保湿感に優れていた。

Claims (4)

  1. (A)水溶性増粘剤、(B)多孔質粉体及び(C)トリメチルグリシンを含有し、(A)水溶性増粘剤が0.1〜0.8重量%であり、(B)多孔質粉体が重量%であり、(C)トリメチルグリシンが0.5〜1重量%であり、かつ(C)トリメチルグリシンの配合割合が(A)水溶性増粘剤1重量部に対して0.1〜6重量部である、外用組成物。
  2. 前記水溶性増粘剤が、カルボキシビニルポリマーおよび/またはアルキル変性カルボキシビニルポリマーである請求項1記載の外用組成物。
  3. 前記多孔質粉体が、シリカ、マイカ、タルク、およびナイロンよりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の外用組成物。
  4. 化粧料である、請求項1〜3のいずれかに記載の外用組成物。
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