JP6521965B2 - 非エンベロープウイルス粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非エンベロープウイルス粒子を煩雑な操作なく高純度に製造する方法に関する。
現在、遺伝子組換え分野や医療分野においては、ヒトを含む哺乳動物細胞に遺伝子を導入する方法として、電気穿孔や金属微粒子を用いる物理的方法、核酸、ポリカチオン、もしくはリポソームを用いる化学的方法等に加えて、生物学的方法としてウイルスを用いた遺伝子導入用のベクター(以下、ウイルスベクター)を用いる方法が用いられる。ウイルスベクターとは、天然由来のウイルスを改変し、所望の遺伝子等を標的に移入することができるようにしたベクターのことで、近年技術開発が進んでいる。一般に、遺伝子組換え技術を用いて作製したウイルスベクターは、遺伝子組換えウイルスベクターと呼ばれるが、そういった遺伝子組換えウイルスベクターの由来となるウイルスとしては、レトロウイルスやレンチウイルス、センダイウイルス、ならびにヘルペスウイルス等のエンベロープを持つウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(以下、AAV)等のエンベロープを持たないウイルス(非エンベロープウイルス)がよく知られている。
特にAAVはヒトを含む広範な種の細胞に感染可能で、血球、筋、神経細胞等の分化を終えた非分裂細胞にも感染すること、ヒトに対する病原性がないため副作用の心配が低いこと、ウイルス粒子が物理化学的に安定であること等から、先天性遺伝子疾患の治療の他、癌や感染症の治療を目的とした遺伝子治療法に用いる遺伝子導入用のベクターとしての利用価値が、近年注目されている。
遺伝子組換えウイルスの製造方法としては、通常、ウイルス粒子形成に必須な要素を核酸構築物の形で細胞に導入し、ウイルスを産生する能力を有する細胞(以下、ウイルス産生細胞)を作製し、当該細胞を培養してウイルス粒子形成に必須な要素を発現させることで行われる。一般的には、前記ウイルス粒子形成に必須な要素のうち、シス供給を要するものとトランス供給可能なものを分離してウイルス産生用の細胞に導入することで、野生型ウイルスの産生、及び遺伝子組換えウイルスの感染先での自立複製を防ぐ方法が取られる(特許文献1)。
以下、AAVを由来とした遺伝子組換えAAV(以下、rAAV)ベクターを例に挙げて具体的に説明する。最初に開発された方法は、1)野生型AAVゲノムの両端のITRを残し、rep、cap遺伝子を除いた核酸をプラスミドに搭載したrAAVプラスミド、及び2)Rep、Capタンパク質をトランスに供給するためのrep、cap遺伝子発現プラスミド、の宿主細胞への導入に加えて、感染性ウイルス粒子形成のための補助要素を供給するヘルパーウイルスとして3)アデノウイルスを宿主細胞に感染させる方法である(特許文献2)。アデノウイルスに換えて、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス等をヘルパーウイルスとして使用する方法も知られている。上記方法を用いると、理論上、製造されたベクター液中にアデノウイルス(もしくはその他のヘルパーウイルス)が混入するが、それを回避するため、上記3)に代わって3’)アデノウイルス由来要素のうち、AAVのウイルス粒子形成に必須な要素のみを発現するヘルパープラスミドの導入、を用いる製造方法(ヘルパーフリー系)が開発された(特許文献3)。
ウイルス産生が達成されたウイルス産生細胞は、その後、回収、破砕され、得られたrAAV粒子を含む細胞破砕液を適宜フィルターろ過、超遠心、クロマトグラフィー、又は限外ろ過等の工程に供することによってrAAV粒子が精製され、最終製造物となる。
現在、rAAVの利用が遺伝子治療の基礎研究、又は臨床応用の分野に広がるにつれ、より高力価、高純度のウイルス粒子を取得する方法が必要とされ、各種の改良方法が開示されている。例えば、培養培地のpHを上昇させたストレス条件下でウイルス産生細胞を培養することで、ウイルス粒子の産生と当該粒子の培養上清への放出割合を促す方法(特許文献1)が知られているが、それ以外は産生されたウイルスの精製以降の工程についての工夫である。また、ウイルス粒子の精製方法においても、迅速かつ簡便な方法が提案されている(非特許文献1)。当該方法は、ポリエチレングリコール(PEG)相と水相の二相分割方法、PEG沈殿、クロロホルム処理、及び透析の四種類の処理工程を含む複雑な精製方法であることに加え、純度の上でもSDS−PAGEにおいて不純物と思われるバンドが多数認められており、純度及び簡便さという観点からみると十分ではない。以上のように、ウイルス粒子を精製に供する前に実施されるウイルス産生細胞の処理方法については、依然改善の余地が残されている。
国際公開第00/14205号パンフレット 国際公開第97/06272号パンフレット 国際公開第97/17458号パンフレット
ジャーナル オブ バイロロジカル メソッズ(J. Virol. Methods)、第183巻、第2号、139〜146頁(2012年)
本発明の目的は、煩雑な操作なく高純度の非エンベロープウイルス粒子を得るための製造方法を提供することにある。
本発明者らは煩雑な操作なく高純度の非エンベロープウイルス粒子を得るための製造方法を提供することを目的に鋭意研究を重ねた結果、非エンベロープウイルス粒子を含有する試料を少なくとも二種類の濃度のPEGで処理することで、高純度の非エンベロープウイルス粒子が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明を概説すれば、本発明は非エンベロープウイルス粒子の製造方法であって、
(a)非エンベロープウイルス粒子を含有する試料を第一の濃度のポリエチレングリコール(PEG)で処理する工程、
(b)前記(a)工程で生成した沈殿物を除去し、得られた上清を第二の濃度のPEGで処理する工程、及び
(c)前記(b)工程で生成した沈殿物から非エンベロープウイルス粒子を取得する工程、
を含む、方法に関する。
本発明の方法において、第一のPEG濃度としては0.5〜4%が、また第二のPEG濃度としては3〜10%が、それぞれ例示される。なお、第二のPEG濃度は第一のPEG濃度を超える濃度である。また、本発明の方法において、非エンベロープウイルス粒子を含有する試料は、非エンベロープウイルス産生細胞を酸性の溶液に接触させて得られる粗抽出液であってもよいし、非エンベロープウイルス産生細胞の培養中に培地中に非エンベロープウイルス粒子が漏出するような場合には培養液の上清であってもよい。また、ウイルス核酸とウイルス蛋白質をin vitroで混合することにより非エンベロープウイルス粒子がin vitroで形成される場合には、混合溶液をそのまま試料として用いてもよい。また、非エンベロープウイルス粒子を含有する試料は、ヌクレアーゼ処理を施された試料であってもよく、非エンベロープウイルス粒子を含有する試料は、クロロホルム処理を施された試料であってもよい。また、非エンベロープウイルス粒子を含有する試料は、非エンベロープウイルス産生細胞を酸性の溶液に接触させて得られる粗抽出液をさらに酸で処理した試料であってもよい。さらに、本発明の方法において、前記(c)工程の後にクロロホルム処理を行う工程を含んでもよい。
本発明の方法において、非エンベロープウイルスは、アデノ随伴ウイルスであってもよい。また、本発明の方法において、酸性の溶液がカチオン、及びクエン酸を含む溶液であってもよい。
本発明により、煩雑な操作なく高純度の非エンベロープウイルス粒子を得るための製造方法が提供される。更に、当該製造方法を用いて製造した非エンベロープウイルス粒子が提供される。本発明の方法で製造されたウイルス粒子は、従来の非エンベロープウイルス粒子の精製方法にも適用可能である。
各PEG濃度で処理したサンプルのSDS−PAGE写真である。 二段階のPEG濃度で処理したサンプルのSDS−PAGE写真である。 二段階のPEG濃度で処理、及びクロロホルム処理したサンプルのSDS−PAGE写真である。 高濃度の酸処理、及び二段階のPEG濃度で処理したサンプルのSDS−PAGE写真である。 二段階のPEG濃度で処理した昆虫細胞培養上清のSDS−PAGE写真である。
本明細書において非エンベロープウイルスとは、エンベロープウイルス以外のウイルスを指す。ここでエンベロープウイルスとは、ウイルス表面に脂質層もしくは脂質2重層を持つウイルスを指す。非エンベロープウイルスの代表的なものとしては、DNAをゲノムとするウイルスについては、アデノウイルス、パルボウイルス、パポバウイルス、ヒトパピローマウイルス等、RNAをゲノムとするウイルスについては、ロタウイルス、コクサッキーウイルス、エンテロウイルス、サポウイルス、ノロウイルス、ポリオウイルス、エコーウイルス、A型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、ライノウイルス、アストロウイルス等が例示される。
本発明の製造方法が適用される非エンベロープウイルスに特に限定はなく、既に産生方法が知られた非エンベロープウイルスでも、天然から新たに取得された非エンベロープウイルス、又はそれらを由来とする遺伝子組換えウイルスベクターでもよい。本発明の製造方法で製造される非エンベロープウイルスには、好適にはアデノウイルス、又はパルボウイルス科のAAVが例示される。
本明細書において、「ウイルス粒子」とはカプシド(capsid)と呼ばれるタンパク質の殻から構成された粒子を意味する。また「ウイルスベクター」とは、前記のウイルス粒子に包含されているウイルスゲノム(核酸形状)を意味する。例えば、AAVの場合、rAAV粒子は、カプシド(capsid)と呼ばれるタンパク質の殻から構成された粒子であって、rAAVベクターを含む。また、rAAVベクターはrAAV粒子内に存在するウイルスゲノムDNAを含むものである。さらに本明細書では、「ウイルス粒子」には、ウイルスゲノムを含んでいないウイルス様粒子(例えばAAV中空粒子:国際公開第2012/144446号パンフレット)の場合も含む。特に限定はされないが、rAAVベクター由来のウイルス様粒子、又はAAV中空粒子は、rAAV粒子の範疇である。
本明細書においてウイルス産生細胞とは、ウイルス産生に必要な要素を発現し、ウイルス粒子を産生する細胞のことを指す。本発明の製造方法で用いられるウイルス産生細胞に特に限定はなく、環境中や、感染症の患者の臨床検体等から得られたウイルス産生細胞でもよく、人為的に作製したウイルス産生細胞でもよい。
種々の非エンベロープウイルスを産生する細胞が知られており、また、その作製方法もよく知られている。さらに遺伝子組換えアデノウイルスベクターやrAAVベクターの産生細胞を製造するためのキットも市販されている。rAAVベクターを例に挙げて説明すると、rAAV粒子形成に必須な要素として、例えば、(A)AAV由来Repタンパク質をコードする核酸及びCapタンパク質をコードする核酸、(B)アデノウイルス由来要素、例えばE1aタンパク質、E1bタンパク質、E2タンパク質、E4タンパク質、VARNAを供給する核酸、(C)rAAV粒子に封入される核酸を任意の細胞に導入することにより、rAAV粒子を産生する細胞を作製することができる。なお、前記の(B)に記載された核酸に換えてアデノウイルス等をヘルパーウイルスとして使用する方法も知られている。
前記任意の細胞としては、特に限定はなく、ヒト、サル、げっ歯類等の哺乳動物細胞、好適にはトランスフェクション効率が高い293細胞(ATCC CRL−1573)、293T/17細胞(ATCC CRL−11268)、293F細胞、293FT細胞(いずれもライフテクノロジーズ社製)、G3T−hi細胞(国際公開第06/035829号パンフレット)、市販のウイルス産生用細胞株であるAAV293細胞(Stratagene社製)、Sf9細胞(ATCC CRL−1711)などの昆虫細胞が例示される。また、例えば、前記293細胞等はアデノウイルスE1タンパク質を恒常的に発現するが、このような、rAAV産生に必要なタンパク質の1つ、又はいくつかを一過的もしくは恒常的に発現するように改変した細胞であってもよい。
前記のAAV由来Repタンパク質をコードする核酸及びCapタンパク質をコードする核酸、ならびに前記のアデノウイルス由来要素を供給する核酸の形態には限定はなく、それぞれの要素を供給可能な1又は複数の核酸構築物として、プラスミドやウイルスベクターに搭載して、細胞に導入することができる。これらの核酸の細胞への導入は、例えば、市販又は公知のプラスミド又はウイルスベクターを用いて公知の方法により行うことができる。
前記のrAAV粒子に封入される核酸は、AAV由来のITR配列とrAAVベクターに搭載することが望まれる核酸で構成される。rAAVベクターに搭載することが望まれる核酸としては、任意の外来遺伝子、例えばポリペプチド(酵素、成長因子、サイトカイン、レセプター、構造タンパク質等)、アンチセンスRNA、リボザイム、デコイ、RNA干渉を起こすRNA等を供給する核酸が例示される。加えて外来遺伝子の発現の制御のため、適当なプロモーター、エンハンサー、ターミネーターやその他の転写調節要素が前記の核酸に挿入されていてもよい。例えば、rAAV粒子に封入される核酸は、2つのITR配列の間にrAAVベクターに搭載することが望まれる任意の外来遺伝子を含んでいてもよく、または、2つのITR配列の間に、rAAVベクターに搭載することが望まれる任意の外来遺伝子、及び該外来遺伝子の発現の制御のための1以上の要素を含んでいてもよい。ウイルス粒子に封入される核酸は核酸構築物として、プラスミドの形態で細胞に導入することができる。前記のプラスミドは、例えば市販のrAAVベクタープラスミドであるpAAV−CMV Vector等(タカラバイオ社製)を使用して構築することができる。または、ウイルス粒子に封入される核酸は、該核酸配列を含むゲノムを保持するウイルスベクターの感染で細胞に導入することもできる。前記のウイルスベクターは、特に限定はされないが、例えばバキュロウイルスベクターを使用することができる。
非エンベロープウイルス産生細胞の培養は、公知の培養条件で行うことができる。例えば、非エンベロープウイルス産生細胞が哺乳動物細胞由来の場合は温度30〜37℃、湿度95%、CO濃度5〜10%での培養が例示され、非エンベロープウイルス産生細胞が昆虫細胞由来の場合は26〜30℃での振盪培養が例示されるが、本発明はこのような条件に限定されるものではない。所望の非エンベロープウイルス産生細胞の増殖、又は所望の非エンベロープウイルスの産生が達成できるのであれば前記の範囲以外の温度、湿度、CO濃度で実施してもよい。また、培養期間についても特に限定はなく、所望の非エンベロープウイルス産生細胞の増殖、又は所望の非エンベロープウイルスの産生が達成できる培養期間であればいずれであってもよい。例えば、非エンベロープウイルス粒子形成に必要な要素を細胞に導入後、非エンベロープウイルス産生細胞が哺乳動物細胞由来の場合は12〜150時間、好適には48〜120時間であり、非エンベロープウイルス産生細胞が昆虫細胞由来の場合は3〜11日間、好適には5〜9日間である。
本発明の方法に使用される非エンベロープウイルス粒子を含有する試料は、特に本発明を限定するものではないが、上記のように培養された非エンベロープウイルス産生細胞を破砕もしくは溶解して調製することができる。非エンベロープウイルス産生細胞の培養中に培地中に非エンベロープウイルス粒子が漏出するような場合には、培養液の上清を試料として本発明を実施することもできる。また、ウイルス核酸とウイルス蛋白質をin vitroで混合することにより非エンベロープウイルス粒子がin vitroで形成される場合には、混合溶液を試料として本発明を実施することもできる。非エンベロープウイルス産生細胞の破砕や溶解は、超音波処理、凍結融解処理、酵素処理、浸透圧処理等の公知の方法で実施することができる。さらに、本明細書実施例に記載されているように、非エンベロープウイルス産生細胞を酸性の溶液と接触させることにより非エンベロープウイルスを含有する試料を得ることもできる。当該工程は、培養後に遠心分離やろ過によって培養液を除去して回収された非エンベロープウイルス産生細胞のペレットを酸性の溶液に懸濁する操作、もしくは非エンベロープウイルス産生細胞の培養液に培養液を酸性とし得る成分を添加する操作、により実施される。酸性の溶液と接触している際の温度と時間は特に限定はなく、温度としては例えば0〜40℃、好適には4〜37℃、時間としては例えば1分〜48時間、好適には5分〜24時間が例示される。この接触操作により非エンベロープウイルス粒子は産生細胞外に放出される。該非エンベロープウイルス粒子は、酸性の溶液と接触させた状態あるいは中和した後の状態で、本発明の方法において非エンベロープウイルス粒子を含有する試料として使用される。また、該非エンベロープウイルス粒子は、酸性の溶液と接触させた状態あるいは中和した後の状態で、−80℃等の超低温フリーザーにおいて長期に保存することも可能である。
前記酸性の溶液とは酸性を示す溶液のことを指す。当該溶液は、非エンベロープウイルス産生細胞の培養時のpHより低いpHを示し、かつウイルス産生が達成された非エンベロープウイルス産生細胞を処理して非エンベロープウイルス粒子を含有する試料を取得できる溶液であれば限定はない。本発明に使用される酸性の溶液としては、例えば、pH3.0〜6.9、好ましくはpH3.0〜6.0、更に好ましくはpH3.0〜5.0の溶液が例示される。本発明に使用される酸性の溶液としては、例えば、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸、乳酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、安息香酸、スルホサリチル酸、ギ酸、及びそれらの塩等、更に、MES、Bis−Tris等の緩衝域がpH7未満のグッドバッファーから選択される化合物を含有する溶液が例示される。本発明には、好適にはクエン酸、酢酸、リン酸、及びそれらの塩を含有する酸性の溶液が使用される。当該酸性の溶液における前記化合物の濃度としては、好ましくは濃度5mM〜1M、より好ましくは10〜500mMが例示される。
前記酸性の溶液で用いる溶媒には特に限定はなく、水、緩衝液、細胞培養用培地等、適宜選択可能である。また、溶媒は引き続いての操作に応じて各種イオンを含んでいてもよい。このようなイオンとしては、限定するものではないが、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオンなどのカチオンが挙げられる。本発明の酸性の溶液の溶媒としては、好適には水、塩化ナトリウム溶液、塩化カリウム溶液、塩化マグネシウム溶液、生理的食塩水等のナトリウムイオン、カリウムイオン、及び/又はマグネシウムイオンなどのカチオンを含む水溶液、もしくはブドウ糖溶液、ショ糖溶液等の糖類を含む水溶液等が例示される。当該溶液中のナトリウムイオン、及び/又はカリウムイオン濃度としては、特に限定はないが、例えば、5mM〜2.7M、好ましくは、5mM〜1M、より好ましくは20〜800mMが例示される。特に限定はされないが例えば、30〜40mMのクエン酸緩衝液の場合、すでに約200mMのナトリウムイオンが含まれているが、該クエン酸緩衝液にさらに50〜100mMのナトリウムイオンを加えたものを酸性の溶液として用いてもよい。
非エンベロープウイルス産生細胞の培養液に添加して培養液を酸性とし得る成分は、該培養液のpHを非エンベロープウイルス産生細胞の培養時のpHより低いpHにする成分であり、かつ、ウイルス産生が達成された非エンベロープウイルス産生細胞から非エンベロープウイルス粒子を含む粗抽出液を取得できる成分であれば限定はない。本発明に使用される培養液を酸性とし得る成分としては、例えば、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸、乳酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、安息香酸、スルホサリチル酸、ギ酸、及びそれらの塩等、ならびに上記の酸性の溶液と同様の溶液が挙げられる。培養液を酸性とし得る成分の添加量としては、ウイルス産生が達成された非エンベロープウイルス産生細胞から非エンベロープウイルス粒子を含む粗抽出液を取得できる量であれば特に限定されず、当業者により適宜決定される。さらに、該培養液を酸性とし得る成分と共に、各種イオン成分を添加してもよく、例えば、上記の酸性の溶液について記載されたのと同様のイオン溶液を使用できる。
本発明の方法においては、例えば上記のような工程を経て得られた非エンベロープウイルス粒子を含有する試料(以下、「ウイルス粒子の粗抽出液」ともいう)は、非エンベロープウイルス粒子が沈澱しにくい濃度、すなわち第一の濃度のポリエチレングリコール(PEG)で処理される。当該第一の濃度のPEGの存在下では、一部の夾雑物が選択的に沈殿する。第一のPEG濃度は、例えば0.5〜4%(以下、%はW/Vを意味する)の範囲、好ましくは1〜3%の範囲が挙げられるが、当然ながら、適宜、例えば本明細書実施例1に記載の方法で、適切なPEG濃度を決定すればよい。
本発明においては、前記第一の濃度のPEG処理で生成した沈殿物を除去した後、得られた上清をさらに第二の濃度のPEGで処理する。第二の濃度は前記第一の濃度よりも高い濃度である。当該第二の濃度のPEGの存在下で非エンベロープウイルス粒子は沈殿するため、この濃度のPEG存在下で可溶性の夾雑物と分離される。第二の濃度のPEG溶液は、例えば3〜10%の範囲、好ましくは4〜8%の範囲が挙げられるが、当然ながら、適宜、例えば本明細書実施例1記載の方法で、適切なPEG濃度を決定すればよい。第二の濃度のPEGでの処理により沈殿した非エンベロープウイルス粒子は、ろ過又は遠心分離等の公知の方法によって回収される。本発明の方法は、精製と濃縮を同時に行うことができることから、濃度の低い非エンベロープウイルス粒子を含有する試料において好適に使用することができる。特に限定はされないが、培養上清に漏出した非エンベロープウイルス粒子を回収する場合等が例示される。
本発明の方法に使用できるPEGには特に限定はなく、種々の平均分子量のものを使用することができる。例えば平均分子量200〜10,000のPEG、好ましくは平均分子量4,000〜10,000のPEGが本発明では使用される。さらに好ましくは、平均分子量6,000〜8,000のPEGが使用できる。非エンベロープウイルス粒子を含有する試料の第一の濃度のPEG処理、及び第一の濃度のPEG処理で得られた上清への第二の濃度のPEG処理は、固体のPEGを前記の試料及び上清に添加して実施することもできるが、好ましくはあらかじめ調製しておいたPEGの溶液を、前記の試料及び上清中でのPEGの終濃度が各々、第一の濃度及び第二の濃度となるように添加することで実施される。第一の濃度のPEG処理、及び第二の濃度のPEG処理は、所定の濃度になるようにPEGを添加した前記の試料及び上清を低温、例えば0〜10℃で、例えば1分〜48時間、好適には5分〜24時間、さらに好適には30分〜2時間静置することにより実施される。これらPEG処理における上清と沈澱の分離はろ過のような公知の固液分離方法で実施すればよい。好適には遠心分離により実施される。
本発明の非エンベロープウイルスの製造方法には、公知のウイルス精製方法を組み合わせることができる。例えば、前記第一の濃度のPEGで処理する工程の前に、非エンベロープウイルス粒子を含有する試料(ウイルス粒子の粗抽出液)をヌクレアーゼで処理してもよい。当該工程で使うヌクレアーゼは、粗抽出液中のDNAに作用するものが好ましく、例えばベンゾナーゼ(Benzonase(登録商標)、メルクミリポア社製)、Cryonase Cold-active nuclease(タカラバイオ社製)等が例示される。該ヌクレアーゼ処理工程の温度及び時間条件は、使用する酵素の種類に応じて適宜決定すればよく、特に限定はされない。または、第一の濃度のPEGで処理する工程の前に、非エンベロープウイルス粒子を含有する試料(ウイルス粒子の粗抽出液)を酸で処理することにより、夾雑物を沈殿させてもよい。前記の酸は、非エンベロープウイルス粒子を含有する試料のpHを下げるものであればよく、特に限定されない。前記の酸の例としては、非エンベロープウイルス粒子を含有する試料の調製のために使用される酸性の溶液または酸性とし得る成分として例示されたのと同様の溶液または成分が挙げられる。非エンベロープウイルス粒子を含有する試料が非エンベロープウイルス産生細胞を酸性の溶液と接触させることにより得られた粗抽出液である場合は、前記非エンベロープウイルス粒子を含有する試料の調製時に使用した酸性の溶液又は酸性とし得る成分と、第一の濃度のPEGで処理する工程の前の非エンベロープウイルス粒子を含有する試料の酸処理工程で使用される酸性の溶液又は酸性とし得る成分は、同じ種類の酸であってもよいし、又は異なる種類の酸であってもよい。該酸処理工程のための処理温度及び処理時間については特に限定はなく、適宜決定すればよい。例えば、温度としては0〜10℃、時間としては1分〜48時間、好適には5分〜24時間、さらに好適には30分〜2時間が挙げられる。特に限定はされないが例えば、30〜40mMのクエン酸緩衝液で細胞を処理して得られた粗抽出液に、クエン酸の終濃度が50〜200mM上昇するようにクエン酸、又はクエン酸緩衝液を添加することにより、粗抽出液中の夾雑物を沈殿させることができる。該酸処理後の「非エンベロープウイルス粒子を含有する試料(ウイルス粒子の粗抽出液)」は、酸性のままで、あるいは中和した後に、次工程に用いられる。
また本発明の方法にクロロホルム処理を組み合わせることができる。例えば、非エンベロープウイルス粒子を含有する試料をあらかじめクロロホルム処理した後に、第一の濃度のPEGでの処理ならびに第二の濃度のPEGでの処理を実施してもよく、二段階のPEG処理が終了した後に続けてクロロホルム処理してもよい。前記クロロホルム処理は、組み合わせてもよい。当該クロロホルム処理工程は、常法にしたがって行えばよい。当該クロロホルム処理の一例では、非エンベロープウイルス粒子を含有する溶液にこれと同容量の99%純度のクロロホルムを添加し、十分に撹拌後遠心分離する。得られた上清(水層)に非エンベロープウイルス粒子が存在し、クロロホルム層或いは界面に夾雑物が存在することになる。
前記の第一の濃度のPEGで処理する工程の前の非エンベロープウイルス粒子を含有する試料のヌクレアーゼ処理、酸処理、およびクロロホルム処理、ならびに第二の濃度のPEGでの処理後のクロロホルム処理は、いずれか1つを本発明の方法に組み合わせてもよく、またはいずれか2以上の処理を本発明の方法に組み合わせてもよい。前記の第一の濃度のPEGで処理する工程の前の非エンベロープウイルス粒子を含有する試料のヌクレアーゼ処理、酸処理、およびクロロホルム処理のうち2以上を組み合わせる場合は、これらの処理はいずれの順序で行ってもよい。
上記の、二段階のPEG処理の工程を経て得られた、非エンベロープウイルス粒子の粗精製物は、引き続き超遠心、クロマトグラフィー、限外ろ過、その他公知の方法による精製に供し、濃縮もしくは精製した非エンベロープウイルス粒子を最終製造物として取得することができる。前記クロマトグラフィーによる非エンベロープウイルス粒子の精製は、イオン交換カラム(例えば、ムスタングQ(pall社製))やアフィニティカラム(例えば、AVB Sepharose(GE社製)やヘパリンカラム等)、ハイドロキシルアパタイトカラム等によって実施することができる。また、前記の高濃度の酸による処理を行って夾雑物を沈殿させることができる。
本明細書では、非エンベロープウイルス粒子の取得の程度は評価方法として非エンベロープウイルスの力価等を用いて示される。前記非エンベロープウイルスの力価は、特に限定はないが、一定量の試料中のa)非エンベロープウイルスのゲノムの個数(ゲノム力価)、b)実験的に測定される非エンベロープウイルスの細胞への感染能力(感染力価)、又はc)非エンベロープウイルスを構成するタンパク質の純度を測定する方法のいずれかであり、必要に応じて明示される。
ゲノム力価の測定方法としては、例えば試料中のウイルスゲノムのコピー数をPCR法で測定する方法が例示される。
また、感染力価の測定方法としては、例えば試料の系列希釈液を適当な標的細胞に感染させ、細胞の形状変化(細胞変性)を検出する方法、導入遺伝子の発現を検出する方法、細胞に導入されたウイルスゲノムのコピー数を測定する方法等が例示される。
非エンベロープウイルスを構成するタンパク質の純度を測定する方法としては、例えば当該タンパク質をSDS−PAGEで解析する方法あるいは免疫的手法で定量する方法等が例示される。
さらに、本発明の一の態様として、非エンベロープウイルス粒子を製造するためのキットが提供される。本キットには、非エンベロープウイルス粒子を含有する試料を本発明の非エンベロープウイルス粒子の製造方法における第一のPEG濃度及び第二のPEG濃度で処理する操作に適したPEG、例えば試料に添加して前記の二つの濃度と為し得るPEG溶液を含有する。さらに、非エンベロープウイルス産生細胞からの粗抽出物の調製に使用される試薬、例えば、酸性の溶液や、非エンベロープウイルスの粒子形成に必須な要素を供給する核酸を含むベクター、非エンベロープウイルスの粒子に封入される核酸を含むベクター等を含むキットとしてもよい。
本発明により、非エンベロープウイルス粒子の製造方法の他、当該製造方法に使用されるキット、及び当該製造方法で製造した非エンベロープウイルス粒子も提供される。また、本発明の製造方法を用いて取得した非エンベロープウイルス粒子を有効成分とする医薬組成物も提供される。当該医薬組成物は、遺伝子治療用のウイルス製剤の製造技術に従って適宜調製することができる。例えば、本発明の製造方法により得られた非エンベロープウイルス粒子を公知の方法で更に濃縮、精製、加工して得られた非エンベロープウイルス粒子を医薬組成物とすることができる。当該医薬組成物は、患者由来の細胞に体外で使用するか、もしくは患者へ直接投与することもできる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 PEG沈殿濃度の検討
(1)rAAV粒子製造用細胞の播種
CellBIND(登録商標)T225フラスコ(コーニング社製)に、10%FBS(Hyclone社製)を含むDMEM(シグマ社製)に懸濁した293T/17細胞を播種した。その後、37℃のCOインキュベーターで3日間培養し、細胞がおよそ70%コンフルエントになっていることを確認した。
(2)rAAV粒子製造用プラスミドのトランスフェクション
実施例1−(1)で得られた細胞に、リン酸カルシウム法を用いて、2型AAV(以下、AAV2)のRepタンパク質、及びCapタンパク質をコードする配列を含むpRCプラスミド(Cell Bio Labs社製)、アデノウイルスのE2A、VA、V4をコードする配列を含むpHLPプラスミド(Cell Bio Labs社製)、AAV2ゲノムの2つのITRの間に蛍光タンパク質AsRed2の発現カセットとして「CMVプロモーター配列、AsRed2をコードする配列、PolyA配列」を含むpAAV−AsRed2プラスミド(例えば、国際公開第2014/007120号パンフレット記載のプラスミド)をそれぞれ25μgずつトランスフェクションした。トランスフェクション6時間後、培地を完全に除去し、2%ウシ胎仔血清(FBS)を含むDMEMをフラスコ1枚当たり40mL添加し、37℃のCOインキュベーターで2日間培養した。
(3)クエン酸バッファー処理による粗抽出液の取得
実施例1−(2)で得られた各フラスコに、0.5M EDTA(和光純薬社製)0.5mLを添加し、室温で数分間インキュベートすることで細胞を剥離させた。その後、溶液ごと細胞を回収し、1,750×g、4℃、10分間遠心後、上清を除去した。細胞ペレットを2mLの38.1mM クエン酸バッファー(38.1mM クエン酸、74.8mM クエン酸ナトリウム、75mM 塩化ナトリウム)で再懸濁し、15秒間ボルテックスミキサーで混和を行い、37℃ウォーターバスで5分間静置、再び15秒間ボルテックスミキサーで混和を行った。その後、14,000×g、4℃、10分間遠心を行い、上清を回収した。得られた上清に1/10量の2M Tris−HCl(pH9.5)を添加した溶液を粗抽出液とした。
(4)PEG沈殿
実施例1−(3)で得られた粗抽出液に、1/100量の1M MgClを添加後、37℃で1時間ベンゾナーゼ(メルクミリポア社製)処理(終濃度250U/mL)を行った。ベンゾナーゼ処理後の粗抽出液に60%ポリエチレングリコール(PEG)−8000(Promega社製)溶液をそれぞれPEGの終濃度が8%、6%、4%、2%、1%になるように添加し、混合後、氷上にて30分間静置した。その後、1,500×g、4℃、30分間遠心を行い、上清を除去し、ペレットを回収した。ペレットを25mM EDTA、150mM NaCl、50mM HEPES(pH7.4)を含む溶液に懸濁し、4℃で終夜静置した溶液をPEG沈殿液とした。
(5)ゲノム力価測定
実施例1−(3)で得られた粗抽出液、及び実施例1−(4)で得られたPEG沈殿液2μLを、説明書に記載の方法で調製したDNaseI(タカラバイオ社製)反応液18μLに添加して混合後、酵素反応を行い遊離のゲノムDNAやプラスミドDNAを除去した。その後、DNaseIを不活化するために99℃、10分間の熱処理を行って、DNaseI処理済みのrAAV粒子含有溶液を得た。DNaseI処理済みのrAAV粒子含有溶液20μLに、注射用水(大塚製薬社製)15μL、10xProteinaseKバッファー(0.1M Tris−HCl (pH7.8)、0.1M EDTA、5% SDS)4μL、ProteinaseK(タカラバイオ社製)1μLを添加し、55℃で1時間処理した。その後、ProteinaseKを不活化するために95℃、10分間の熱処理を行った後、4℃あるいは−20℃にて保存した。この溶液を注射用水で50倍希釈して得られた希釈液の2μLをrAAV粒子のゲノム力価測定に使用した。ゲノム力価測定にはSYBR Premix ExTaqII(タカラバイオ社製)を使用し、反応液の調製等の操作はキット添付の説明書に従った。標準品としては、pAAV−AsRed2プラスミドを制限酵素BglII(タカラバイオ社製)で消化し、線状化したDNAを用いた。なお、リアルタイムPCRに用いたプライマー配列は、AsRed2発現カセットに搭載されたCMVプロモーター配列にアニーリングする配列とした。その結果を表1に示す。
Figure 0006521965
表1より、粗抽出液、8%PEG沈殿、6%PEG沈殿、4%PEG沈殿のゲノム力価はほぼ同じだった。一方、2%PEG沈殿、及び1%PEG沈殿のゲノム力価は、それらに比べて著しく低かった。このことは、2%PEG、及び1%PEGではrAAVベクターはあまり沈殿しないことを示す。
(6)タンパク質純度測定
実施例1−(3)で得られた粗抽出液、及び実施例1−(4)で得られたPEG沈殿液10μLに2×サンプルバッファー(タカラバイオ社製)を10μL加えて混合し、95℃、10分間処理を行った。各処理液10μLを4−20%ポリアクリルアミドゲル(アトー社製)にアプライし電気泳動を行った。泳動終了後、ゲルを適当量のOriole蛍光ゲルステイン溶液(バイオラッド社製)に浸し、遮光して90分間振とうした。振とう後のゲルをLuminoshot400(タカラバイオ社製)にて撮影した。その結果を図1に示す。図1中、レーン1:粗抽出液、レーン2:8%PEG沈殿、レーン3:6%PEG沈殿、レーン4:4%PEG沈殿、レーン5:2%PEG沈殿、レーン6:1%PEG沈殿、である。
図1より、6%PEG沈殿、4%PEG沈殿、2%PEG沈殿はほぼ同じ電気泳動パターンだった。このことは、6%PEG沈殿条件、4%PEG沈殿条件、2%PEG沈殿条件で、ほぼ同じ夾雑物が沈殿することを示す。表1の通り、2%PEGではrAAV粒子はあまり沈殿しないことと合わせると、2%PEGの濃度付近で、rAAV粒子をあまり沈殿させることなく、夾雑物のみを沈殿、除去できることを示す。
実施例2 PEG沈殿操作による夾雑物の除去
(1)クエン酸バッファー処理による粗抽出液の取得
実施例1−(1)〜(3)と同様の方法で粗抽出液を取得した。この粗抽出液に1/100量の1M MgClを添加後、37℃で1時間ベンゾナーゼ処理を行った。
(2)PEG沈殿、洗浄、及び100K UFによる濃縮
実施例2−(1)で得たベンゾナーゼ処理粗抽出液に下記A〜Fいずれかの処理を実施し、サンプルを調製した。
A:ベンゾナーゼ処理粗抽出液にPEGの終濃度が8%となるように60%PEG−8000溶液を加えて混合し、氷上にて30分間静置し、その後に1,500×g、4℃、30分間遠心を行ってペレットを回収した。回収したペレットをPBS(ギブコ社製)に懸濁し、4℃で終夜静置してペレットを溶解し、サンプルAとした。
B:上記Aと同じ操作で得たペレットを8%PEG−8000溶液でリンスした後にPBS(ギブコ社製)に懸濁した。懸濁液を4℃で終夜静置してペレットを溶解し、サンプルBとした。
C:上記Bと同じ操作でサンプルBと同じものを調製した後、さらに100K限外ろ過遠心ユニット(100K UF)(ミリポア社製)により濃縮し、サンプルCとした。
D:ベンゾナーゼ処理粗抽出液にPEGの終濃度が2%となるように60%PEG−8000溶液を加えて混合し、氷上にて30分間静置し、その後に1,500×g、4℃、30分間遠心を行って上清を回収した。次いで、回収した上清に終濃度が8%となるように60%PEG−8000溶液を加えて混合し、氷上にて30分間静置し、その後に1,500×g、4℃、30分間遠心を行ってペレットを回収した。回収したペレットをPBS(ギブコ社製)に懸濁し、4℃で終夜静置してペレットを溶解し、サンプルDとした。
E:上記Dと同じ操作で得たペレットを8%PEG−8000溶液でリンスした後にPBS(ギブコ社製)に懸濁した。懸濁液を4℃で終夜静置してペレットを溶解し、サンプルEとした。
F:上記Eと同じ操作でサンプルEと同じものを調製した後、さらに100K限外ろ過遠心ユニット(100K UF)により濃縮し、サンプルFとした。
(3)ゲノム力価測定
実施例2−(2)で得られたサンプルA〜Fの総ゲノム力価を、実施例1−(5)と同様の方法で測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0006521965
表2より、2%PEG沈殿除去を行ったサンプル(D、E)の総ゲノム力価は、2%PEG沈殿除去を行わなかったサンプル(A、B)の総ゲノム力価の約半分であった。このことは、2%PEG沈殿除去操作の回収率は約50%であることを示す。
(4)タンパク質純度測定
実施例2−(2)で得られたサンプルのタンパク質純度を、実施例1−(6)と同様の方法で測定した。その結果を図2に示す。図2中、レーン1〜7は、ベンゾナーゼ処理粗抽出液、A〜Fの順である。
図2より、2%PEG沈殿除去を行ったサンプル(D、E)は、2%PEG沈殿除去を行わなかったサンプル(A、B)よりも、バンドが少なかった。このことは、2%PEG沈殿操作後の上清を用いることで、通常の8%PEG沈殿よりも高純度のrAAV粒子を精製できることを示す。
実施例3 PEG沈殿操作、及びクロロホルム処理の組合せによる夾雑物の除去
(1)クエン酸バッファー処理による粗抽出液の取得
実施例1−(1)〜(3)と同様の方法で粗抽出液を取得した。この粗抽出液に1/100量の1M MgClを添加後、37℃で1時間ベンゾナーゼ処理を行った。
(2)PEG沈殿、及びクロロホルム処理
実施例3−(1)で得たベンゾナーゼ処理粗抽出液に下記G〜Jいずれかの処理を実施し、サンプルを調製した。
G:ベンゾナーゼ処理粗抽出液に等量の99%純度のクロロホルムを添加し、10秒間ボルテックスミキサーで混和した後に14,000×g、4℃、10分間遠心を行い、上清を回収した(これらの操作を「クロロホルム処理」とする)。この上清にPEGの終濃度が1%となるように60%PEG−8000溶液を加えて混合し、氷上にて30分間静置し、その後に1,500×g、4℃、30分間遠心を行って上清を回収した。次いで、回収した上清に終濃度が5%となるように60%PEG−8000溶液を加えて混合し、氷上にて30分間静置し、その後に1,500×g、4℃、30分間遠心を行ってペレットを回収した。回収したペレットをPBS(ギブコ社製)に懸濁し、4℃で終夜静置してペレットを溶解し、サンプルGとした。
H:上記Gと同じ操作でサンプルGと同じものを調製した後、さらにこれにクロロホルム処理を施して得た上清をサンプルHとした。
I:ベンゾナーゼ処理粗抽出液にPEGの終濃度が1%となるように60%PEG−8000溶液を加えて混合し、氷上にて30分間静置し、その後に1,500×g、4℃、30分間遠心を行って上清を回収した。次いで、回収した上清に終濃度が5%となるように60%PEG−8000溶液を加えて混合し、氷上にて30分間静置し、その後に1,500×g、4℃、30分間遠心を行ってペレットを回収した。回収したペレットをPBS(ギブコ社製)に懸濁し、4℃で終夜静置してペレットを溶解し、サンプルIとした。
J:上記Iと同じ操作でサンプルIと同じものを調製し、これにクロロホルム処理を施して得た上清をサンプルJとした。
(3)ゲノム力価測定
実施例3−(2)で得られたサンプルのゲノム力価を、実施例1−(5)と同様の方法で測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0006521965
表3より、クロロホルム処理ありのサンプルとクロロホルム処理なしのサンプルのゲノム力価はほぼ同じだった。このことは、PEG沈殿とクロロホルム処理を組み合わせたとき、クロロホルム処理でrAAV粒子の力価があまり損なわれないことを示す。
(4)タンパク質純度測定
実施例3−(2)で得られたサンプルのタンパク質純度を、実施例1−(6)と同様の方法で測定した。その結果を図3に示す。図3中、レーン1:G、レーン2:H、レーン3:I、レーン4:J、である。
図3より、クロロホルム処理ありのサンプルは、クロロホルム処理なしのサンプルよりもバンドが少なかった。このことは、PEG沈殿とクロロホルム処理を組み合わせたとき、クロロホルム処理で夾雑物を除去できることを示す。表3の結果と合わせると、PEG沈殿とクロロホルム処理を組み合わせることで、高力価で高純度のrAAV粒子を精製できることを示す。
実施例4 クエン酸添加、及びPEG沈殿操作による夾雑物の除去
(1)クエン酸バッファー処理による粗抽出液の取得
実施例1−(1)〜(3)と同様の方法で粗抽出液を取得した。
(2)クエン酸沈殿
実施例4−(1)で得られた粗抽出液に、1/20量の2Mクエン酸溶液を加えてよく混合し、4℃で90分間静置した。静置後、2,380×g、4℃、20分間遠心を行い、上清をクエン酸処理上清として回収した。
(3)PEG沈殿
実施例4−(2)で得られたクエン酸処理上清に、1/4量の2M Tris−HCl溶液(pH9.0)、及び1/100量の1M MgClを添加後、添付の説明書の指示に従い37℃で1時間ベンゾナーゼ処理を行った。その後、40%PEG−6,000(ナカライテスク社製)溶液をPEGの終濃度が1%になるように添加し、混合後、氷上にて30分間静置した。その後、2,380×g、4℃、30分間遠心を行い、上清を回収した。上清に、40%PEG−6,000溶液をPEGの終濃度が8%となるように添加し、混合後、氷上にて60分間静置した。その後、2,380×g、4℃、30分間遠心を行い、ペレットを回収した。ペレットを10mM MgCl、75mM NaCl、50mM HEPES(pH8.0)を含む溶液に懸濁し、4℃で終夜静置した。その後、2,380×g、4℃、10分間遠心を行い、上清1を回収した。残ったペレットをHNEバッファー(50mM HEPES、150mM NaCl、25mM EDTA)で再懸濁し、すぐに2,380×g、4℃、10分間遠心を行い、上清2を回収した。
(4)ゲノム力価測定
実施例4−(2)、及び実施例4−(3)で得られたサンプルのゲノム力価を、実施例1−(5)と同様の方法で測定した。その結果を表4に示す。
Figure 0006521965
表4より、PEG沈殿操作前のゲノム力価とPEG沈殿操作後のゲノム力価はあまり変化していなかった。
(5)タンパク質純度測定
実施例4−(2)、実施例4−(3)で得られたサンプルのタンパク質純度を、実施例1−(6)と同様の方法で測定した。なお、比較対照として、超遠心精製されたrAAV粒子を用いた。その結果を図4に示す。図4中、レーン1:粗抽出液、レーン2:クエン酸処理上清、レーン3:1%PEG沈殿後上清、レーン4:8%PEG沈殿(上清1)、レーン5:8%PEG沈殿(上清2)、レーンP:超遠心精製rAAV粒子(比較対照)、である。
図4より、上清1は、粗抽出液やクエン酸沈殿液よりもバンドが少なかった。表4の結果と合わせると、クエン酸沈殿とPEG沈殿を組み合わせることで、高力価で高純度のrAAV粒子を精製できることを示す。
実施例5 二段階のPEG沈殿操作による昆虫細胞培養上清の夾雑物除去
(1)rAAV粒子製造用昆虫細胞の培養
CELLBAG(登録商標)(GE Healthcare社製)にPSFM−J1培地(Wako社製)に懸濁した2LのSf9細胞を播種した。その後WAVE25(GE Healthcare社製)を用いて、細胞の密度がおよそ2×10^6cells/mLになるまで28℃で振盪培養した。
(2)rAAV粒子製造用バキュロウイルスベクターの感染
実施例5−(1)で得られた細胞に、「AAV2の2つのITR領域間に目的遺伝子の発現カセットを含むベクターゲノム配列を含むゲノムを保持するバキュロウイルスベクター」と「AAV2のRepタンパク質及びAAV8のCapタンパク質をコードする配列を含むゲノムを保持するバキュロウイルスベクター」をMOI=0.3で共感染させ、7日間培養した。
(3)昆虫細胞培養上清の取得
実施例5−(2)で得られた培養液から一部を分取し、1,750×g、4℃、10分間遠心後、上清を回収した。ここで得た上清を昆虫細胞培養上清とした。
(4)PEG沈殿
実施例5−(3)で得られた昆虫細胞培養上清を7mLずつ2本のチューブに分けた。片方のチューブには、PEGの終濃度が8%となるように40%PEG−6,000溶液を加えて混合し、氷上にて30分間静置し、その後に1,500×g、4℃、30分間遠心を行ってペレットを回収した。回収したペレットを140μLのDPBSに懸濁し、4℃で終夜静置してペレットを溶解し、サンプル(8%PEG沈殿)とした。もう片方のチューブには、PEGの終濃度が2%となるように40%PEG−6000溶液(DPBSに溶解)を加えて混合し、氷上にて30分間静置し、その後に1,500×g、4℃、30分間遠心を行って上清を回収した。次いで、回収した上清に、PEGの終濃度が8%となるように40%PEG−6000溶液を加えて混合し、氷上にて30分間静置し、その後に1,500×g、4℃、30分間遠心を行ってペレットを回収した。回収したペレットを140μLのDPBSに懸濁し、4℃で終夜静置してペレットを完全に溶解し、サンプル(2〜8%PEG沈殿)とした。
(5)ゲノム力価測定
実施例5−(4)で得られたサンプルのゲノム力価を、実施例1−(5)と同様の方法で測定した。その結果、8%PEG沈殿と2〜8%PEG沈殿のゲノム力価はほぼ同じだった。
(6)タンパク質純度測定
実施例5−(4)で得られたサンプルのタンパク質純度を、実施例1−(6)と同様の方法で測定した。その結果を図5に示す。図5中、レーン1:8%PEG沈殿、レーン2:2〜8%PEG沈殿、M:分子量マーカーである。
図5より、2〜8%PEG沈殿(レーン2)は8%PEG沈殿(レーン1)よりもバンドが少なかった。このことは、PEG沈殿で昆虫細胞培養上清の夾雑物を除去できることを示す。また、実施例5−(5)の結果と合わせると、PEG沈殿で、rAAV粒子を精製できることを示す。
本発明の非エンベロープウイルスの製造方法により、煩雑な操作なく高純度の非エンベロープウイルス粒子を得ることができる。本発明の製造方法で調製された非エンベロープウイルス粒子や当該粒子を有効成分とする組成物は、遺伝子治療の基礎研究、又は臨床応用の分野における遺伝子導入方法として非常に有用である。

Claims (10)

  1. 非エンベロープウイルス粒子の製造方法であって、
    (a)非エンベロープウイルス粒子を含有する試料を第一の濃度のポリエチレングリコール(PEG)で処理する工程、
    (b)前記(a)工程で生成した沈殿物を除去し、得られた上清を第二の濃度のPEGで処理する工程、及び
    (c)前記(b)工程で生成した沈殿物から非エンベロープウイルス粒子を取得する工程、
    を含む、方法。
  2. 第一のPEG濃度が、0.5〜4%である請求項1に記載の方法。
  3. 第二のPEG濃度が、3〜10%である請求項1または2に記載の方法。
  4. 非エンベロープウイルス粒子を含有する試料が、非エンベロープウイルス産生細胞を酸性の溶液に接触させて得られる粗抽出液である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 非エンベロープウイルス粒子を含有する試料が、ヌクレアーゼ処理を施された試料である請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 非エンベロープウイルス粒子を含有する試料が、クロロホルム処理を施された試料である請求項1〜5いずれか1項に記載の方法。
  7. 非エンベロープウイルス粒子を含有する試料が、非エンベロープウイルス産生細胞を酸性の溶液に接触させて得られる粗抽出液をさらに酸で処理した試料である請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. (c)工程の後にクロロホルム処理を行う工程を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 非エンベロープウイルスがアデノ随伴ウイルスである請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 酸性の溶液がカチオン、及びクエン酸を含むことを特徴とする請求項4〜9のいずれか1項に記載の方法。
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