JP6521212B2 - 自律走行装置、ターゲット判定方法およびプログラム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に記載の自律走行装置は、駆動輪と、モータと、装置周辺の環境地図を計測する距離センサと、距離センサからの計測信号に基づき、モータ制御信号を出力する制御器と、を備える。そして、制御器には所定の走行経路に対応した装置周辺の環境地図が予め記録されており、制御器は、距離センサからの距離信号に基づき装置周辺の環境地図を形成し、形成される環境地図と予め記憶された環境地図を貪欲法により比較解析し、この比較解析により自己位置状態を推定し、自己位置状態に基づき所定の走行経路上を走行すべくモータ制御信号を出力する。
特許文献1に記載の自律走行装置では、好適な方向により双方の環境地図を比較解析し、相互のずれ量を好適に把握することができる。
なお、明細書本文において、ベクトルを示す矢印の表記や、行列ないしベクトルを示す太字表記を省略する。
モータ111および121と、固定部131および141と、回転軸112、122、132および142と、車輪113、123、133および143との組み合わせにて走行機構10を構成し、走行制御部194の制御に従って車両1を走行させる。
具体的には、モータ111および121は、それぞれ車両本体100に固定して設けられており、回転軸112および122を介して車輪113および123を回転させる。車輪113および123が回転することで、車両1を走行させる。また、車輪113と車輪123とが異なる回転速度で回転することで、車両1の進行方向を変化させる。
また、固定部131および141は、それぞれ車両本体100に固定して設けられており、回転軸132および142を介して車輪133および143を回転自在に支持している。車両1の走行に応じて車輪133および143が回転する。
色補正用パッチ161および162は、いずれも単色の色標本である。特に、色補正用パッチ161の色と色補正用パッチ162の色とは同じである。色補正用パッチ161および162は、例えば紫色の板(プレート)として構成される。以下では、色補正用パッチ161と162とを総称して色補正用パッチ160と表記する。
ここでいうターゲットとは、位置推定部193が車両1の位置を推定する際に、位置の基準となる物である。
制御部190は、車両1の各部を制御する。特に、制御部190は、撮像装置150の撮像画像を用いて車両1の位置を推定し、推定結果に基づいて走行機構10を制御して車両1を走行させる。
より具体的には、判定部191において補正部192は、撮像装置150の撮像画像に含まれる色補正用パッチ161または162の像における色情報に基づいて、周囲の画像(撮像装置150の撮像画像)における色情報を補正する。特に、補正部192は、撮像装置150の撮像画像に含まれる色補正用パッチ161の像の領域または色補正用パッチ162の像の領域のうち、領域内の色のばらつきの少ない方を選択する。そして、補正部192は、選択した領域における色情報に基づいて、周囲の画像における色情報を補正する。
補正部192は、撮像装置150の撮像画像に含まれる色補正用パッチ161の像の領域または色補正用パッチ162の像の領域のうち、領域内の色のばらつきの少ない方を選択することで、周囲の画像における色情報をより正確に補正することができる。これにより、判定部191は、周囲の画像にターゲットの像が含まれるか否かをより正確に判定することができる。
これに対して、補正部192が、色補正用パッチ161の像の領域または色補正用パッチ162の像の領域のうち、領域内の色のばらつきの少ない方を選択することで、色のばらつきの影響を低減させ、周囲の画像における色情報をより正確に補正することができる。これにより、判定部191は、周囲の画像にターゲットの像が含まれるか否かをより正確に判定することができる。
撮像装置150と、色補正用パッチ161および162と、判定部191との組み合わせにて、ターゲット判定装置20を構成する。
撮像装置150と、色補正用パッチ161および162と、記憶部180と、判定部191と、走行制御部194との組み合わせにて、自車位置推定装置30を構成する。
走行制御部194は、位置推定部193が推定した車両1の位置に基づいて走行機構10を制御して車両1を走行させる。
このように、車両1では、周囲の画像と色補正用パッチ160の像とを同じカメラ(撮像装置150)で撮像する。仮に、周囲の画像と色補正用パッチ160の像とが異なるカメラで撮像される場合、カメラ毎に特性が異なると、色補正用パッチ160の像に基づいて周囲の画像に対する補正量を決定した場合に、カメラの特性の違いが反映されず、補正の精度が低下してしまう可能性がある。これに対し、車両1では、周囲の画像と色補正用パッチ160の像とを同じカメラ(撮像装置150)で撮像するので、カメラの特性の違いは生じず、より高精度に補正を行い得る。
一方、周囲の画像と色補正用パッチ160の像とを同じカメラで撮像する場合、カメラの特性の違いが生じないのでカメラの特性の違いを補正する必要がない。この点において、色補正用パッチ160の像に基づく周囲の画像に対する補正を、より容易に行うことができる。
色パッチの各々は、色のサンプルを示しており、カラーチャートは、補正部192が色の補正を行うための固有ベクトルや係数の算出に用いられる。
なお、カラーチャートにおける色パッチの数は、図3の例における18に限らず任意である。補正部192が行う補正の精度を高める観点から、色パッチの数が、ある程度多いことが好ましい。
図4の処理において、作業者は、まず、様々な照明条件でカラーチャートを撮像する(ステップS101)。例えば、作業者は、撮像装置150、または、撮像装置150と同じ特性のカメラを用いて、様々な時刻および様々な天候による照明条件のもとで、カラーチャートを撮像する。
以下では、ステップS101において3000回の撮像を行った場合を例に説明するが、ステップS101における撮像回数は任意である。補正部192が行う補正の精度を高める観点から、撮像回数が、ある程度多いことが好ましい。
次に作業者は、ステップS101で得られた撮像画像の各々について、式(1)に基づいて、RGBの色データを(r,g)の形式による色データに変換する(ステップS102)。
次に、作業者は、撮像画像毎かつ色パッチ毎に、色の平均値(r、g各々の平均値)を算出する(ステップS103)。ステップS103で得られるrの平均値をrijと表記し、gの平均値をgijと表記する。ここで、iは、1≦i≦18の正整数であり、色パッチを識別する番号を示す。また、jは、1≦j≦3000の正整数であり、撮像画像を識別する番号を示す。
次に、作業者は、ステップS105で得られた差を、式(3)のように行列にする(ステップS106)。
次に、作業者は、ステップS106で得られた行列の分散共分散行列を算出し(ステップS107)、得られた分散共分散行列の固有値および固有ベクトルを算出する(ステップS108)。
18色それぞれの色変動は、式(4)に示すように、固有ベクトルの線形結合で表される。
また、dirは、番号iで識別されるパッチの、rについての色変動を示す。digは、番号iで識別されるパッチの、gについての色変動を示す。dir、digを纏めて、列ベクトルdで示している。なお、明細書本文の記載において、ベクトルを示す矢印の表記や、ベクトルまたは行列を示す太字表記を省略する。
また、ek(kは1≦k≦mの正整数)は、ステップS108で得られた固有ベクトルである。ak(kは1≦k≦mの正整数)は、係数である。この係数akの値は、後述するように色パッチの色変動を測定することによって求められる。
その後、図4の処理を終了する。
図5の処理において、作業者は、まず、色パッチ毎、または、色パッチの組み合わせ毎に、当該色パッチから決定されるベクトルd+の分散共分散行列を求める(ステップS201)。このステップS201について、より詳細に説明する。
式(4)には、18個の色パッチに基づく36個の等式が含まれている。これらの18個の色パッチのうち一部のみを撮像して色変動を求める場合、式(4)は、式(5)に示される近似式に再構築することができる。
また、式(5)のEは、式(7)に示される行列である。
また、式(5)のaは、式(8)に示されるベクトルである。
式(5)を変形すると式(9)を得られる。
1つの色パッチについてr、gそれぞれにdk(式(2)に示されるdirおよびdig)を得られるので、p/2個の色パッチを撮像してdkを求めれば、式(9)から全ての色パッチについて色変動を求めることができる。撮像する色パッチとしてどの色パッチを選んでもよいが、選択する色パッチによってベクトルa(係数ベクトル)の推定精度が異なる。そこで、ベクトルaの推定精度が良くなるように、選択する色パッチの候補(1つの色パッチでもよいし、複数の色パッチの組み合わせでもよい)の各々についてステップS201〜S202処理を行い、ステップS203にて候補のいずれかを選択する。
色パッチから決定されるベクトルd+に含まれる誤差の分散共分散行列をVd +とすると、式(9)からベクトルaの分散共分散行列Vaは、式(10)のように示される。
ベクトルaの誤差が最大になる方向の分散は、Vaの最大の固有値で与えられる。そこで、作業者は、ステップS202で求めた分散共分散行列Vaが最も小さくなる色パッチを選択する(ステップS203)。
さらに、作業者は、ステップS203で選択した色パッチの平均値(図4のステップS104で求めたr(バー)iおよびg(バー)i)を選択し(ステップS204)、またステップS203で選択した色パッチの固有ベクトルを選択する(ステップS205)。
その後、図5の処理を終了する。
同図の処理において、補正部192は、色パッチの像を含む画像を取得する(ステップS301)。ステップS301で補正部192が取得する画像の例として、車両1がターゲットを探す際の、車両1の周囲の画像や、判定部191が用いる閾値を決定する際の、ターゲットの像を含む画像が挙げられる。
そして、補正部192は、ステップS302で抽出した領域の各々についてr、gそれぞれの平均値およびばらつき度合い(例えば分散)を求める(ステップS303)。
次に、補正部192は、ステップS304で得られた平均値と、複数の撮像画像(本実施形態の例では3000枚の撮像画像)について図4のステップS104で求めた色パッチの平均値r(バー)i、g(バー)iとの差を求める(ステップS305)。
そして、補正部192は、ステップS306で得られた係数(係数ベクトルaの要素)を式(11)のa1 +・・・ap +に代入し、図5のステップS205で選択した固有ベクトルを式(11)のe1 ’・・・ep ’に代入して、近似的にベクトルd(色変動ベクトル)の値を求める(ステップS307)。
以下、色の補正を行う処理対象の画素を「色補正対象」と称する。色補正対象の色変動をベクトルd(ハット)と表記する。d(ハット)のr成分をd(ハット)rと表記し、g成分をd(ハット)gと表記する。
色補正対象の色が色パッチのいずれかの色と同一である場合、補正部192は、ステップS307で得られたベクトルdの要素から、d(ハット)rおよびd(ハット)gを抽出することができる。具体的には、補正部192は、補正後の色パッチの色に、式(16)に示される色変動を加算して得られる色(r、gの値)を、補正前の色パッチの色として記憶しておく。そして、色補正対象の補正前の色が、いずれかの色パッチの補正前の色と同じであると判定した場合、補正部192は、当該色パッチの補正後の色を、色補正対象の補正後の色とする。
なお、補正後の色パッチの色として、例えば、3000枚の撮像画像全体における、色パッチ毎の色の平均値(式(2)のr(バー)iおよびg(バー)i)を用いることが出来る。
色補正対象の補正前の色(r(ハット),g(ハット))と、18色の色パッチの補正前の色(ri,gi)(iは、1≦i≦18の正整数)との(r,g)平面でのユークリッド距離Liから色変動を推定する。色パッチの補正前の色(ri,gi)は、上記のように、補正後の色パッチの色に色変動を加算して得られる。また、18色の各色パッチの色変動を示すベクトルdi=(dir,dig)は、ベクトルdの要素から得られる。色補正対象の色の変動を示すベクトルd(ハット)=(d(ハット)r,d(ハット)g)は、ベクトルdiを用いて式(12)のように表される。
そして、補正部192は、式(13)に基づいて、色変動(d(ハット)r,d(ハット)g)を補正対象の色(r(ハット),g(ハット))から減算することで、補正後の色(rc,gc)を算出する。
なお、補正部192が、色補正対象の補正前の色がいずれかの色パッチの補正前の色と同じであるか否かの判定を行うようにしてもよいし、当該判定を行わずに直接、式(12)および式(13)の演算を行うようにしてもよい。
補正部192が、当該判定を行う場合、色補正対象の補正前の色が色パッチの補正前の色と同じときは、式(12)や式(13)の演算を行う必要無しに、色補正対象の補正後の色を得ることができる。撮像画像の画素のうち、色パッチの補正前の色と同じ色の画素が比較的多い場合、式(12)および式(13)の演算を直接行うよりも、補正部192の負荷を低減させることができ、また、補正の処理時間を短縮することができる。
ステップS308の後、図6の処理を終了する。
また、式(9)は、式(15)のようになる。
また、式(11)は、式(16)のようになる。
同図の処理において、作業者は、様々な照明条件でターゲットを撮像する(ステップS401)。例えば、作業者は、撮像装置150、または、撮像装置150と同じ特性のカメラを用いて、様々な時刻および様々な天候による照明条件のもとで、ターゲットを撮像する。
次に、作業者は、ステップS402で得られた、画像毎の補正後のターゲットの色の、全画像についての平均値と分散とを算出する(ステップS403)。
そして、作業者は、ステップS403で得られた分散に基づいて閾値を設定する(ステップS404)。
その後、図7の処理を終了する。
同図の処理において、撮像装置150は、色パッチの像を含む周囲の画像を撮像する(ステップS501)。
次に、補正部192は、ステップS501で得られた画像について、図6の処理によりターゲットの色の補正を行う(ステップS502)。
次に、補正部192は、ステップS502で得られた補正後の色と、図7のステップS403で得られた平均値との距離を算出する(ステップS503)。
距離が閾値以下であると判定した場合(ステップS504:YES)、補正部192は、撮像画像にターゲットの像が含まれていると判定する(ステップS511)。
その後、図8の処理を終了する。
一方、ステップS504で得られた距離が閾値より大きいと判定した場合(ステップS505:NO)、補正部192は、撮像画像にターゲットの像が含まれていないと判定する(ステップS521)。
その後、図8の処理を終了する。
補正を行わない場合(図9)と補正を行った場合(図10)とを比較すると、補正を行ったほうが照明条件の変化に伴うrやgの値の変化が小さくなっている。これにより、判定対象の色がターゲットの色か否かの判定をより正確に行うことができる。
これにより、判定部191は、例えば屋外など照明条件の影響を受ける環境下でも、より高精度に色の判定を行うことができる。カメラの特性を補正するために色標本を用いる技術は知られていたが、自律走行装置がターゲットの像を検出するために色標本を用いて撮像画像を補正することは、一般には行われていなかった。車両1では、ターゲットの像を検出するために色標本を用いて撮像画像を補正することで、ターゲットの像をより正確に検出することができる。
これにより、判定部191は、色標本の一方の領域に影がかかっているなど、一方の領域内の色のばらつきが大きい場合でも、領域内の色のばらつきが小さいほうの領域を選択してより高精度に色の判定を行うことができ、もって、周囲の画像にターゲットの像が含まれるか否かをより正確に判定することができる。
このように、色標本の像と周囲の画像とを同じ撮像装置150が撮像することで、補正部192が周囲の画像における色の補正を行う際、色標本を撮像した撮像装置の特性と、周囲の画像を撮像した撮像装置の特性との違いの影響を受けない。この点において、補正部192は、周囲の画像における色情報をより正確に補正することができる。これにより、判定部191は、周囲の画像にターゲットの像が含まれるか否かをより正確に判定することができる。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
Claims (5)
- 記憶部と、自位置推定装置と、走行機構と、走行制御部とを具備する自律走行装置であって、
前記記憶部は、所定のターゲットの位置情報を記憶し、
前記自位置推定装置は、
前記自律走行装置の周囲の画像を撮像する撮像装置と、
色標本と、
前記色標本の撮像画像に設定されている複数の領域のいずれかを選択し、選択した領域における色情報を用いて、前記周囲の画像に前記ターゲットの像が含まれるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、前記周囲の画像に前記ターゲットの像が含まれると判定した場合、前記ターゲットの位置情報に基づいて前記自律走行装置の位置を推定する位置推定部と、
を具備し、
前記走行制御部は、前記位置推定部が推定した前記自律走行装置の位置に基づいて前記走行機構を制御して前記自律走行装置を走行させる、
自律走行装置。 - 前記撮像装置は、前記複数の領域を含む前記色標本の像を前記周囲の画像に含んで撮像可能な位置に設置された全方位カメラを具備する、
請求項1に記載の自律走行装置。 - 周囲の画像を撮像する撮像装置と、
色標本と、
前記色標本の撮像画像に設定されている複数の領域のいずれかを選択し、選択した領域における色情報を用いて、前記周囲の画像にターゲットの像が含まれるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、前記周囲の画像に前記ターゲットの像が含まれると判定した場合、ターゲットの位置情報に基づいて自律走行装置の位置を推定する位置推定部と、
を具備する自律走行装置。 - 周囲の画像を撮像する撮像装置と、色標本とを具備する自律走行装置のターゲット判定方法であって、
前記色標本の撮像画像に設定されている複数の領域のいずれかを選択し、選択した領域における色情報を用いて、前記周囲の画像にターゲットの像が含まれるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで、前記周囲の画像に前記ターゲットの像が含まれると判定した場合、ターゲットの位置情報に基づいて前記自律走行装置の位置を推定するステップと、
を有するターゲット判定方法。 - 周囲の画像を撮像する撮像装置と、色標本とを具備する自律走行装置の具備するコンピュータに、
前記色標本の撮像画像に設定されている複数の領域のいずれかを選択し、選択した領域における色情報を用いて、前記周囲の画像にターゲットの像が含まれるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで、前記周囲の画像に前記ターゲットの像が含まれると判定した場合、ターゲットの位置情報に基づいて前記自律走行装置の位置を推定するステップと、
を実行させるためのプログラム。
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