以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。
(第一実施形態)
図1に示す本発明の第一実施形態による操作入力装置100Aは、車両に搭載され、車室内の表示器、例えばナビゲーション装置20又はヘッドアップディスプレイ装置120(図2参照)等と共に表示システム10を構成している。操作入力装置100Aは、図2に示すように、車両のセンターコンソールにてパームレスト19と隣接する位置に設置され、操作者の手の届き易い範囲に操作ノブ73を露出させている。この操作ノブ73は、操作者の手H等によって操作力が入力されると、入力された操作力の方向に変位する。
操作入力装置100Aは、図3に示すように、後述する第一ボイスコイルモータ39x、及び第二ボイスコイルモータ39yのうち、一方が他方に対して下側となるように、傾斜角度θで傾斜配置されている。ここでは、一方は第一ボイスコイルモータ39xであり、他方は第二ボイスコイルモータ39yである。傾斜角度θは、操作入力装置100Aが搭載される車両に応じて設定される。あるいは、傾斜角度θは、操作者の好みによって異なる設定が可能となっている。
ナビゲーション装置20は、車両のインストルメントパネル内に設置され、運転席に向けて表示画面22を露出させている。表示画面22には、所定の機能が関連付けられた複数のアイコン、及び任意のアイコンを選択するためのポインタ80等が表示されている。操作ノブ73に水平方向の操作力が入力されると、ポインタ80は、操作力の入力方向に対応した方向に、表示画面22上を移動する。ナビゲーション装置20は、図1及び図2に示すように、通信バス90と接続され、操作入力装置100A等とネットワーク通信可能である。ナビゲーション装置20は、表示画面22に表示される画像を描画する表示制御部23、及び表示制御部23によって描画された画像を表示画面22に連続的に表示する液晶ディスプレイ21を有している。
以上の操作入力装置100Aの各構成を詳しく説明する。操作入力装置100Aは、図1に示すように、通信バス90及び外部のバッテリ95等と接続されている。操作入力装置100Aは、通信バス90を通じて、離れて位置するナビゲーション装置20と通信可能とされている。また操作入力装置100Aは、各構成の作動に必要な電力を、バッテリ95から供給される。
操作入力装置100Aは、通信制御部35、操作検出部31、反力発生部39、反力制御部37、及び操作制御部33等によって電気的に構成されている。
通信制御部35は、操作制御部33によって処理された情報を通信バス90に出力する。加えて通信制御部35は、他の車載装置から通信バス90に出力された情報を取得し、操作制御部33に出力する。
操作検出部31は、操作力の入力によって移動した操作ノブ73(図2参照)の位置を検出する。操作検出部31は、検出した操作ノブ73の位置を示す操作情報を、操作制御部33に出力する。
反力発生部39は、操作ノブ73に操作反力を生じさせる構成であって、ボイスコイルモータ等のアクチュエータを含んでいる。反力発生部39は、例えば表示画面22上においてポインタ80(図2参照)がアイコンと重なる際に、操作反力を操作ノブ73(図2参照)に印加することで、所謂、反力フィードバックにより、擬似的なアイコンの触感を操作者に惹起させる。
反力制御部37は、例えば種々の演算を行うためのマイクロコンピュータ等によって構成されている。反力制御部37は、操作制御部33から取得する反力情報に基づいて、反力発生部39から操作ノブ73に印加される操作反力の方向及び強さを制御する。
操作制御部33は、例えば種々の演算を行うためのマイクロコンピュータ等によって構成されている。操作制御部33は、操作検出部31によって検出された操作情報を取得し、通信制御部35を通じて通信バス90に出力する。加えて操作制御部33は、操作ノブ73(図2参照)に印加する操作反力の方向及び強さを演算し、演算結果を反力情報として反力制御部37に出力する。
操作入力装置100Aは、図3に示すように、可動部70及び固定部50等によって機械的に構成されている。
可動部70は、後述する一対の可動ヨーク71、72、上記の操作ノブ73、及びノブベース74、スライダ75を有している。可動部70は、固定部50に対し、仮想の操作平面OPに沿うx軸方向及びy軸方向に相対移動可能に設けられている。可動部70は、x軸方向及びy軸方向のそれぞれに移動可能な範囲を、固定部50によって予め規定されている。可動部70は、印加されていた操作力から解放されると、基準となる基準位置に帰着する。
ノブベース74は、操作ノブ73に軸部材のように形成されて、後述する固定部50のハウジング50a内に延びている。ノブベース74は、操作ノブ73に一体的に接続されており、操作ノブ73と共に移動可能となっている。そして、このノブベース74には、可動ヨーク71、72、及びスライダ75が接続されている。
スライダ75は、板状の部材であり、操作ノブ73に隣接するようにノブベース74に接続されている。スライダ75の板面は、仮想の操作平面OPに沿うように配置されている。そして、スライダ75の操作ノブ73とは反対側には、固定部50の1つを構成する板状の受け部50bが設けられている。受け部50bは、スライダ75と平行となるように配置されている。スライダ75の板面方向の端部で、受け部50bと対向する面は、受け部50bに当接しており、スライダ75は、受け部50bに対して摩擦を伴って移動(摺動)するようになっている。
尚、スライダ75に発生する摩擦力は、スライダ75に発生する重力、及びスライダ75と受け部50bとの間の摩擦係数等によって定まる。
固定部50は、ハウジング50a、受け部50b、及び回路基板等を有しており、後述する固定ヨーク51を保持している。ハウジング50aは、可動部70を相対移動可能に支持しつつ、受け部50b、回路基板、及び反力発生部39等の各構成を収容する。受け部50bは、上記スライダ75が移動される際の受板となっており、ハウジング50a内に固定されている。回路基板は、その板面方向を、操作平面OPに沿わせた姿勢にて、ハウジング50a内に固定されている。回路基板は、例えばハウジング50aの底面(下側の面)と対向するように配置されている。回路基板には、操作制御部33及び反力制御部37等を構成するマイクロコンピュータ等が実装されている。
以上の可動部70及び固定部50間において、図3〜図5に示す反力発生部39が反力フィードバックを実施する。反力発生部39は、2組のアクチュエータとして機能する第一ボイスコイルモータ(VCM)39x及び第二VCM39y、並びに固定ヨーク51及び二つの可動ヨーク71、72等によって構成されている。
第一VCM39xは、第一コイル41、二つの磁石61、62、固定ヨーク51(第一コイル側ヨーク部52)、及び可動ヨーク71、72を有している。第二VCM39yは、第二コイル42、二つの磁石63、64、固定ヨーク51(第二コイル側ヨーク部53)、及び可動ヨーク71、72を有している。以下、各コイル41、42、各磁石61〜64、固定ヨーク51、及び各可動ヨーク71、72の詳細を、順に説明する。
各コイル41、42は、銅等の非磁性材料よりなる線材を巻線49として、扁平の筒状に巻回しすることにより形成されている。各コイル41、42において、巻線49の巻回軸方向と直交する横断面は、長方形状に形成されている。各巻線49は、各コイル41、42における筒壁の厚さが例えば3mm程度となるまで巻回しされている。各コイル41、42において、巻回しされた巻線49の内周側には、巻回軸方向に延伸する収容室41a、42aが形成されている。各コイル41、42は、回路基板に設けられた配線パターンを介して反力制御部37と電気的に接続され、当該反力制御部37によって各巻線49に個別に電流が印加される。
各コイル41、42は、互いに僅かな隙間を開けつつ、y軸に沿って並べられている。各コイル41、42は、巻線49の巻回軸方向を操作平面OPに沿わせた姿勢にて、回路基板等の固定部50に対し固定されている。一方のコイル(以下、「第一コイル」)41の巻回軸方向は、x軸に沿っている。他方のコイル(以下、「第二コイル」)42の巻回軸方向は、y軸に沿っている。各コイル41、42は、操作平面OPに沿った一対のコイル側面41u、41d、42u、42dをそれぞれ形成している。各コイル41、42において、操作ノブ73側を向く各一方を上側コイル側面41u、42uとし、回路基板側(ハウジング50aの底面側)を向く各他方を下側コイル側面41d、42dとする。各コイル側面41u、41d、42u、42dは、各辺がx軸又はy軸に沿った略四辺形状に形成されている。
各磁石61〜64は、ネオジウム磁石等であって、長手方向を有する略四辺形の板状に形成されている。二つの磁石61、62は、操作平面OPと実質直交するz軸方向において互いに離れて位置し、且つ、当該z軸方向に並んでいる。同様に、他の二つの磁石63、64は、z軸方向において互いに離れて位置し、且つ、当該z軸方向に並んでいる。各磁石61〜64のそれぞれには、平滑な平面状に形成された着磁面68及び取付面69が設けられている。各磁石61〜64において、着磁面68及び取付面69の磁極は、互いに異なっている(図8及び図9も参照)。
磁石61、63の各取付面69は、長辺をx軸に沿わせた姿勢にて、可動ヨーク71に取り付けられている。可動ヨーク71は、一枚の平板状を成す部材となっており、磁石61、及び磁石63とそれぞれ対応する領域の間が接続されるように形成されている。
可動ヨーク71に保持された磁石61の着磁面68は、z軸方向において所定の間隔を開けつつ、第一コイル41の上側コイル側面41uと対向している。可動ヨーク71に保持された磁石63の着磁面68は、z軸方向において所定の間隔を開けつつ、第二コイル42の上側コイル側面42uと対向している。
磁石62、64の各取付面69は、長辺をx軸に沿わせた姿勢にて、可動ヨーク72に取り付けられている。可動ヨーク72は、可動ヨーク71と同様に、一枚の平板状を成す部材となっており、磁石62、及び磁石64とそれぞれ対応する領域の間が接続されるように形成されている。
可動ヨーク72に保持された磁石62の着磁面68は、z軸方向において所定の間隔を開けつつ、第一コイル41の下側コイル側面41dと対向している。可動ヨーク72に保持された磁石64の着磁面68は、z軸方向において所定の間隔を開けつつ、第二コイル42の下側コイル側面42dと対向している。
各磁石61〜64における各着磁面68は、可動部70が基準位置に帰着している場合において、対向する各コイル側面41u、41d、42u、42dの中央に位置する。
以上の構成では、図8に示すように、各磁石61、62の発生磁束は、第一コイル41の巻線49をz軸方向に通過(貫通)する。故に、第一コイル41への電流の印加により、磁場中に置かれた巻線49内を電荷が移動すると、各電荷にはローレンツ力が生じる。こうして第一VCM39xは、第一コイル41及び各磁石61、62間にて、x軸方向(第一方向)の電磁力EMF_xを生じさせる。第一コイル41に印加する電流の向きを反転させることにより、発生する電磁力EMF_xも反転し、x軸に沿った逆向きの方向となる。
また図9に示すように、各磁石63、64の発生磁束は、第二コイル42の巻線49をz軸方向に通過(貫通)する。故に、第二コイル42への電流の印加により、磁場中に置かれた巻線49内を電荷が移動すると、各電荷にはローレンツ力が生じる。こうして第二VCM39yは、第二コイル42及び各磁石63、64間にて、y軸方向(第二方向)の電磁力EMF_yを生じさせる。第二コイル42に印加する電流の向きを反転させることにより、発生する電磁力EMF_yも反転し、y軸に沿った逆向きの方向となる。
固定ヨーク51は、例えば軟鉄及び電磁鋼板等の磁性材料によって形成されている。固定ヨーク51は、本発明のコイル側ヨークに対応する。固定ヨーク51には、図3〜5に示すように、二つのコイル側ヨーク部52、53、及び連結部54が設けられている。コイル側ヨーク部52、53、及び連結部54は、平板状に形成されている。
一方のコイル側ヨーク部(以下、「第一コイル側ヨーク部」)52は、第一コイル41の収容室41aに挿入され、当該収容室41aを貫通している。収容室41aに収容された第一コイル側ヨーク部52の両面には、第一対向面52aが形成されている。二つの第一対向面52aは、第一コイル41の内周側に位置し、第一コイル41の外周側に配置された各磁石61、62と共に当該コイル41を内外の両側から挟むよう、これら磁石61、62の各着磁面68と個々に対向配置されている。以上の第一コイル側ヨーク部52に誘導された各磁石61、62の発生磁束は、第一コイル41の巻線49をz軸方向に通過(貫通)する。
他方のコイル側ヨーク部(以下、「第二コイル側ヨーク部」)53は、第二コイル42の収容室42aに挿入され、当該収容室42aを貫通している。収容室42aに収容された第二コイル側ヨーク部53の両面には、第二対向面53aが形成されている。二つの第二対向面53aは、第二コイル42の内周側に位置し、第二コイル42の外周側に配置された各磁石63、64と共に当該コイル42を内外の両側から挟むよう、これら磁石63、64の各着磁面68と個々に対向配置されている。以上の第二コイル側ヨーク部53に誘導された各磁石63、64の発生磁束は、第二コイル42の巻線49をz軸方向に通過(貫通)する。
よって、固定ヨーク51における第一コイル側ヨーク部52は、各磁石61、62と対応しており、また、第二コイル側ヨーク部53は、各磁石63、64と対応している。第一コイル側ヨーク部52と第二コイル側ヨーク部53は、各磁石61、62、及び各磁石63、64と対応する領域の間が離間されるように形成されている。
連結部54は、各コイル41、42に沿ってL字状に屈曲している。連結部54は、第一コイル41に収容された第一コイル側ヨーク部52から、第二コイル42に収容された第二コイル側ヨーク部53まで延伸することにより、二つのコイル側ヨーク部52、53を連結させている。以上により、第一コイル41の収容室41aから、第二コイル42の収容室42aまで延伸する固定ヨーク51が形成されている。尚、固定ヨーク51に対して、各コイル41、42は、一体的に形成されている。
各可動ヨーク71、72は、固定ヨーク51と同様に、軟鉄及び電磁鋼板等の磁性材料によって形成されている。各可動ヨーク71、72は、共に長方形状の平板材によって形成されており、互いに実質同一の形状とされている。各可動ヨーク71、72は、固定ヨーク51(第一コイル側ヨーク部52、第二コイル側ヨーク部53)の両面側に対向するように平行配置されている。各可動ヨーク71、72は、二つのコイル41、42をz軸方向において挟みつつ対向する配置にて、ノブベース74に保持(接続)されている。
各可動ヨーク71、72のそれぞれには、第一保持面71a、72a及び第二保持面71b、72bが形成されている。一方の可動ヨーク71は、第一保持面71aによって磁石61の取付面69を保持し、第二保持面71bによって磁石63の取付面69を保持している。他方の可動ヨーク72は、第一保持面72aによって磁石62の取付面69を保持しつつ、第二保持面72bによって磁石64の取付面69を保持している。
よって、固定ヨーク51と可動ヨーク71は、各磁石61、63を挟むように配置されている。また、固定ヨーク51と可動ヨーク72は、各磁石62、64を挟むように配置されている。
そして、図3〜図5に示すように、本実施形態では、可動ヨーク71、72には、磁気回路中の抵抗となる磁気抵抗が設けられている。磁気抵抗は、後述する作用力(安定化力)の作用方向が、傾斜配置に伴う可動ヨーク71、72の自重落下方向とは逆向きとなるように配置されている。具体的には、磁気抵抗は、可動ヨーク71、72において、各磁石61、62に対応する領域と、各磁石63、64に対応する領域とが接続される領域内で、傾斜配置において下側となる第一VCM39xの磁石61、62に対応する領域に隣接するように、配置されている。つまり、磁気抵抗は、磁石61、62よりも傾斜の上側となる領域に設けられている。
磁気抵抗は、可動ヨーク71、72に設けられた除肉部であり、ここでは孔部71c、72cとして形成されている。孔部71c、72cは、x軸方向に長辺を有する長方形を成すように形成されている。
更に、可動ヨーク71、72には、図6、図7に示すように、磁気抵抗の大きさを調節可能とする調節部77が、それぞれ設けられている。調節部77は、スライド動作して、磁気抵抗(除肉部)としての孔部71c、72cを覆う面積を調節することで、磁気抵抗の大きさを調節するようになっている。調節部77は、可動ヨーク71、72のうち、いずれか一方に設けられるものとしてもよい。調節部77は、操作者の手動操作によって、スライド動作するスライド機構を備える構成となっており、例えば、スライド板77a、スライダブロック77b、シャフト77c、スタンド77d、及びハンドル77e等を有している。以下、可動ヨーク71に設けられる調節部77を代表例として、詳細に説明する(図6、図7)。
スライド板77aは、孔部71cに対して、二つ設けられて、可動ヨーク71の板面に沿ってスライドする板部材となっている。スライド板77aの材質は、可動ヨーク71と同一材料が使用されている。二つのスライド板77aは、孔部71cのx軸方向(長辺方向)に並ぶように配置されている。二つのスライド板77aが互いに当接して並んだときに、孔部71cの全体を覆うことができるようになっている。
スライダブロック77bは、各スライド板77aにそれぞれ対応するように二つ設けられて、各スライド板77aをスライド移動可能に支持する部材となっている。スライダブロック77bの一方の端部は、各スライド板77aに接続され、他方の端部には、シャフト77cの雄ねじに螺合する雌ねじが形成されている。二つのスライダブロック77bのうち、一方のスライダブロック77bの雌ねじは、正回転方向の雌ねじとなっており、他方のスライダブロック77bの雌ねじは、逆回転方向の雌ねじとなっている。
シャフト77cは、x軸方向に延びるように形成されており、孔部71cに対してy軸方向に並ぶように隣接配置されている。シャフト77cの長手方向の中心位置から一方の端部側に向けて正回転方向の雄ねじが形成され、長手方向中心位置から他方の端部側に向けて逆回転方向の雄ねじが形成されている。
スタンド77dは、シャフト77cの両端側をそれぞれ回転可能に支持する支持部材となっている。また、ハンドル77eは、シャフト77cの一端側に設けられており、操作者が回転操作すると、シャフト77cが回転されるようになっている。
調節部77においては、操作者によってハンドル77eが、例えば、一方向に回転されると、正回転方向の雄ねじと雌ねじの組合せによって、また、逆回転方向の雄ねじと雌ねじの組合せによって、二つのスライド板77aが互いに離れるようにスライド移動して、孔部71cの開口面積が順次大きく設定されるようになっている。逆に、操作者によってハンドル77eが逆方向に回転されると、二つのスライド板77aが互いに近づくようにスライド移動して、孔部71cの開口面積が順次小さく設定されるようになっている。
以上説明した固定ヨーク51及び二つの可動ヨーク71、72等は、磁路形成体66として、図8〜図10に示す反力発生部39の磁気回路65を形成している。磁気回路65は、固定ヨーク51及び各可動ヨーク71、72を巡る形状により、第一VCM39xの各磁石61、62の発生磁束を第二VCM39yに導くと共に、第二VCM39yの各磁石63、64の発生磁束を第一VCM39xに導く。
詳記すると、図8〜図10に示す第一VCM39xの各磁石61、62において、第一コイル41を向く各着磁面68の磁極は、同一とされている。故に、各磁石61、62が発生させる磁束の方向は、z軸に沿って互いに反対の方向となる。そのため、各第一対向面52aから、各第一保持面71a、72aに向かう磁束が生じる。これらの磁束は、各第一保持面71a、72aから各可動ヨーク71、72に入り、各可動ヨーク71、72のそれぞれにおいて、第一保持面71a、72aから第二保持面71b、72bに向う。
更に、図9及び図10に示す第二VCM39yの各磁石63、64において、第二コイル42を向く各着磁面68の磁極は、互いに同一とされ、且つ、第一コイル41と対向する二つの着磁面68(図8も参照)の磁極とは異なっている。故に、各磁石63、64が発生させる磁束の方向は、z軸に沿って互いに対向する方向となる。そのため、各第二保持面71b、72bから、各第二対向面53aに向かう磁束が生じる。以上により、各可動ヨーク71、72によって誘導された磁束は、各第二対向面53aから第二コイル側ヨーク部53に入り、連結部54を通過して、第一コイル側ヨーク部52へと向かう。そして、固定ヨーク51内を誘導された磁束は、再び各第一対向面52aから各第一保持面71a、72a(図8参照)へと向かう。
以上により、図8〜図10に示す反力発生部39では、第一VCM39xにおける各磁石61、62の発生磁束は、当該VCM39xの第一コイル41を通過するだけでなく、磁気回路65によって導かれることで、第二VCM39yの第二コイル42を通過する。同様に、第二VCM39yにおける各磁石63、64の発生磁束は、第二コイル42を通過するだけでなく、磁気回路65によって導かれることにより、第一VCM39xの第一コイル41を通過する。
よって、各第一対向面52a及び各第一保持面71a、72a間の磁束密度、並びに、各第二対向面53a及び各第二保持面71b、72b間の磁束密度は共に、二つのVCM39x、39yの磁気回路を個別に形成した形態と比較して、高くなる。こうして、第一コイル41の巻線49をz軸方向に貫通する磁束密度が向上することにより、第一VCM39xにて発生可能な電磁力EMF_xが増加する。同様に、第二コイル42の巻線49をz軸方向に貫通する磁束密度の向上により、第二VCM39yにて発生可能な電磁力EMF_xが増加する。したがって、各磁石61〜64の形成材料の使用量を抑えつつ、可動部70の操作ノブ73、ひいては操作者に作用可能な各操作反力RF_x、RF_yを高めることができるようになっている。
加えて、第一実施形態の第一VCM39xでは、二つの磁石61、62及び各第一対向面52aは、第一コイル41の巻線49を内外の両側から挟みつつ、z軸方向において互いに対向している。故に、一方の磁石61が対向する第一対向面52aを引き寄せる磁気吸引力は、他方の磁石62が対向する第一対向面52aを引き寄せる磁気吸引力を打ち消し得る。同様に、第二VCM39yにおいて、一方の磁石63が対向する第二対向面53aを引き寄せる磁気吸引力は、他方の磁石64が対向する第二対向面53aを引き寄せる磁気吸引力を打ち消し得る。こうして可動部70に作用する磁気吸引力が低減されることによれば、可動部70は、操作者による操作力の入力によって、円滑に移動可能となる。
次に、操作入力装置100Aが傾斜配置(図3)されることで、自重によって発生する下向きの力の影響を抑制する作動について、図11〜図15を用いて説明する。
本実施形態の操作入力装置100Aの傾斜姿勢は、図15に示すように、例えば、第一VCM39xが下側で、第二VCM39yが上側であり、傾斜角度はθである。このような配置であると、操作入力装置100Aには、可動部70の自重をmgとしたときに、mg・sinθの力が、固定ヨーク51の面に沿う下向きの力として発生する。
ここで、まず、図11〜図13に示すように、可動ヨーク71、72に孔部71c、72c、及び調節部77が形成されていない場合を想定する。
図12に示すように、第一コイル側ヨーク部52、及び可動ヨーク71は、磁石61による発生磁束(磁束漏れ)に対する磁気回路を形成し、第一コイル側ヨーク部52、及び可動ヨーク72は、磁石62による発生磁束(磁束漏れ)に対する磁気回路を形成する。同様に、第二コイル側ヨーク部53、及び可動ヨーク71は、磁石63による発生磁束(磁束漏れ)に対する磁気回路を形成し、第二コイル側ヨーク部53、及び可動ヨーク72は、磁石64による発生磁束(磁束漏れ)に対する磁気回路を形成する。
一般に、これらの磁気回路においては、固定ヨーク51(第一コイル側ヨーク部52、第二コイル側ヨーク部53)と、可動ヨーク71とを介した磁石61、63周りの磁路の抵抗、及び、固定ヨーク51(第一コイル側ヨーク部52、第二コイル側ヨーク部53)と、可動ヨーク72とを介した磁石62、64周りの磁路の抵抗が、小さくなる方向に力が作用する。磁路の抵抗は、磁路の面積が大きくなるほど、小さくなる。よって、磁路の面積が大きくなるように、つまり、磁束漏れが大きくなる方向に作用力が発生する。図12(b)では、第二コイル42側において発生する作用力を示している。
そして、固定ヨーク51、及び可動ヨーク71、72のうちの一方、ここでは、固定ヨーク51は、磁石61、62、及び磁石63、64と対応する領域の間が離間されている。つまり、第一コイル側ヨーク部52と、第二コイル側ヨーク部53とに分かれている。また、固定ヨーク51、及び可動ヨーク71、72のうちの他方、ここでは可動ヨーク71、72は、磁石61、62、及び磁石63、64と対応する領域の間が接続されている。このような場合では、図13に示すように、作用力は、第一コイル41側では第二コイル42とは反対側を向き、第二コイル42側では第一コイル41とは反対側を向く力となり、両作用力は、釣り合って、見かけ上は力が発生しない。
そして、図14、図15に示すように、本実施形態では、固定ヨーク51、及び可動ヨーク71、72のうちの他方、ここでは、可動ヨーク71、72には、傾斜配置において下側となる第一VCM39xの磁石61、62に対応する領域(傾斜の上側)に隣接するように、磁気回路中の抵抗となる磁気抵抗(除肉部)、つまり孔部71c、72cが設けられている。
この孔部71c、72cにより、下側となる第一VCM39xの磁石61、62においては、磁路を形成するための面積が制約されるので、磁束漏れが大きくなるような力が作用しないことになる。一方、上側となる第二VCM39yの第二コイル42側においては、第一コイル41とは反対側を向く作用力が発生することになり、全体でみた場合の作用力は、傾斜配置における上向きの力となる。全体で見た場合の作用力(上向きの力)は、本発明の安定化力に対応する。上向きの力は、傾斜配置時の自重によって発生する下向き(自重落下方向)の力に対して逆向きである。よって、図15に示すように、この上向きの力が、下向きの力に対抗することができるので、傾斜配置される場合であっても自重による下向きの力による影響を抑制することができる。
尚、上向きの力は、自重による下向きの力の大きさに応じて、孔部71c、72cの縦、横の寸法(x、y方向の寸法)を適宜調整することで、下向きの力に対してバランスの取れる力とすることができる。
また、下向きの力による影響を抑制するにあたっては、図16(a)に示すように、実際には、可動部70には自重による下向きの力Fに対して、逆向きの摩擦力F1(上向き)が作用するので、上向きの力F2に摩擦力F1(上向き)を加えた力が、自重による下向きの力Fとバランスするようにすればよい。つまり、F1+F2>Fであり、F2>F−F1とすればよい。
更に、上向きの力F2によって可動部70が自然に動いてしまうことを抑制するにあたっては、図16(b)に示すように、上向きの力F2が、上向きの力F2に対する摩擦力F3(下向き)と下向きの力Fとの和よりも小さくなるようにすればよい。つまりF2<F+F3である。
ここで、操作入力装置100Aにおいては、搭載時の傾斜角度θは、異なる車両に対して異なる設定となる。また、同一の車両であっても、傾斜角度θの設定を操作者の好みに応じて、変更したい場合が生ずる。傾斜角度θの設定を変更すると、上記のように所定の傾斜角度θの場合に対して、下向きの力が変化してしまうので、上向きの力とのバランスがとれなくなる。
本実施形態では、孔部71c(72c)に、調節部77を設けており、操作者によって孔部71cの開口面積を調節可能となっている。孔部71cの開口面積をより大きくすることで、上向きの力をより大きくすることができ、逆に、孔部71cの開口面積をより小さくすることで、上向きの力をより小さくすることができる。
よって、操作入力装置100Aが傾斜配置される際の、傾斜角度θが、種々設定される場合であっても、各傾斜角度θに応じて、調節部77によって、磁気抵抗の大きさ(孔部71cの開口面積)を調節可能としているので、下向きの力と、上向きの力とのバランスを取ることが可能となり、自重による下向きの力による影響を抑制することができる。
尚、第一実施形態において、操作入力装置100Aが特許請求の範囲に記載の「入力装置」に相当し、第一VCM39xが特許請求の範囲に記載の「第一アクチュエータ、一方のアクチュエータ」に相当し、第二VCM39yが特許請求の範囲に記載の「第二アクチュエータ、他方のアクチュエータ」に相当する。また、固定部50が特許請求の範囲に記載の「支持部」に相当し、可動部70が特許請求の範囲に記載の「入力部」に相当する。また、固定ヨーク51が特許請求の範囲に記載の「固定ヨーク、及び可動ヨークのうちの一方」に相当し、可動ヨーク71、72が特許請求の範囲に記載の「固定ヨーク、及び可動ヨークのうちの他方」に相当する。また、磁石61、62が特許請求の範囲に記載の「第一磁極形成部」に相当し、磁石63、64が特許請求の範囲に記載の「第二磁極形成部」に相当する。更に、孔部71c、72cが特許請求の範囲に記載の「磁気抵抗、除肉部」に相当し、スライド板77a、スライダブロック77b、シャフト77c、スタンド77d、及びハンドル77eが特許請求の範囲に記載の「スライド機構」に相当する。
(第一実施形態の変形例)
第一実施形態の変形例一を図17に、変形例二を図18に示す。変形例一、変形例二は、それぞれ、上記第一実施形態の調節部77に対して、スライド板77aを変更した調節部771a、771bとしたものである。
変形例一の調節部771aでは、図17に示すように、1つのスライド板77aを用いて、このスライド板77aが孔部71cの中央部において、y軸方向にスライドするようにしている。
変形例二の調節部771bでは、図18に示すように、1つのスライド板77aを用いて、このスライド板77aが孔部71cの全体に対して、y軸方向にスライドするようにしている。
調節部771a、771bのように、スライド板77aの設定数、大きさ(面積)、スライド方向等、種々変更が可能であり、上記第一実施形態と同様に、孔部71c(72c)の開口面積を調節可能であり、同様の効果を得ることができる。
(第二実施形態)
第二実施形態の操作入力装置100Bの調節部772を図19に示す。第二実施形態の調節部772は、スライド板77aにバネ77fを設けたものである。バネ77fは、本発明の弾性部材に対応する。
スライド板77aは、例えば、上記変形例二のように、孔部71c(72c)の全体を覆うことが可能な板となっており、可動ヨーク71(可動ヨーク72)の上側の面上をy軸方向にスライド可能となっている。スライド板77aには、自重による下向きの力(自重落下方向の力)が作用する。
一方、バネ77fは、スライド板77aの傾斜方向の下側に配置されて、一端側がスライド板77aに接続され、他端側が例えば受け部50b等に固定されている。バネ77fは、上側に向かう付勢力をスライド板77aに与える(付勢する)ようになっている。
第二実施形態では、操作入力装置100Bが搭載される際の傾斜角度θに応じて、自重によってスライド板77aに作用する下向きの力と、バネ77fによる上向きの付勢力とがバランスして、傾斜角度θの変化に合わせて、孔部71c(72c)の開口面積が自動的に調節される。つまり、傾斜角度θが大きいほど、孔部71cの開口面積が大きくなり、上記第一実施形態で説明した上向きの力(図15)が大きくなる。逆に、傾斜角度θが小さいほど、孔部71cの開口面積が小さくなり、上向きの力(図15)が小さくなる。
よって、傾斜角度θが種々異なる場合であっても、上記第一実施形態のように、その都度、操作者が操作しなくとも、そのときの傾斜角度θに応じた上向きの力を自動的に発生させることができ、自重による下向きの力による影響を抑制することができる。
(第三実施形態)
第三実施形態の操作入力装置100Cを図20〜図22に示す。第三実施形態は、上記第一実施形態に対して、磁気抵抗(除肉部)の設定位置を変更したものである。第三実施形態では、磁気抵抗は、切欠き部51aとなっている。
切欠き部51aは、固定ヨーク51、及び可動ヨーク71のうちの一方、ここでは、固定ヨーク51(第一コイル側ヨーク部52)に設けられている(1箇所)。切欠き部51aは、可動ヨーク71、72における磁石61、62と対向するように、且つ、固定ヨーク51、及び可動ヨーク71、72が重なる方向(並ぶ方向)、つまり図20中のz軸方向から見た場合に、切欠き部51aの一部が磁石61、62と重なるように配置されている。切欠き部51aは、磁石61、62に対して、傾斜配置の下側にずれており、第一コイル側ヨーク部52の下側端部において開口されている。
切欠き部51aのx軸方向の寸法(幅寸法)は、図21に示すように、磁石61(62)のx軸方向における可動位置によらず、磁石61(62)を超えない範囲に設定されている。よって、磁石61(62)がx軸方向に如何様に可動しても、切欠き部51aと磁石61(62)との重なる面積は、常に一定となっている。
そして、第一コイル側ヨーク部52の上側面に、調節部773が設けられている。調節部773におけるスライド板77aは、上記第一実施形態と同様に、二つ設けられており、操作者の操作によってx軸方向にスライドされて、切欠き部51aの開口面積を調節できるようになっている。
本実施形態では、図22に示すように、切欠き部51aによって、磁路の抵抗が増大するので、磁路の抵抗が小さくなる方向、つまり、図22中の白矢印で示すように、磁路の面積が大きくなる方向に作用力(安定化力)が発生する。この作用力は、傾斜配置における上向きの力となる。よって、上記第一実施形態と同様に、上向きの力が、傾斜配置時の自重によって発生する下向きの力に対抗することができるので、傾斜配置される場合であっても自重による下向きの力による影響を抑制することができる。
そして、切欠き部51aに、調節部773を設けており、操作者によって切欠き部51aの開口面積を調節可能となっている。切欠き部51aの開口面積をより大きくすることで、上向きの力をより大きくすることができ、逆に、切欠き部51aの開口面積をより小さくすることで、上向きの力をより小さくすることができる。
よって、操作入力装置100Cが傾斜配置される際の、傾斜角度θが、種々設定される場合であっても、各傾斜角度θに応じて、調節部773によって、磁気抵抗の大きさ(切欠き部51aの開口面積)を調節可能としているので、下向きの力と、上向きの力とのバランスを取ることが可能となり、自重による下向きの力による影響を抑制することができる。
尚、本実施形態においては、切欠き部51aは、固定ヨーク51(第二コイル側ヨーク部53)に設けられるものとしてもよい。即ち、切欠き部51aは、可動ヨーク71、72における磁石63、64に対して、傾斜配置の下側にずれて、第二コイル側ヨーク部53の下側端部において開口されるものとしてもよい。
また、切欠き部51aは、第一コイル側ヨーク部52(第二コイル側ヨーク部53)の下側端部において開口されない孔部としてもよい。
また、切欠き部51a(あるいは孔部)のx軸方向の寸法(幅寸法)は、磁石61、62(63、64)のx軸方向における寸法よりも大きく設定するようにしてもよい。
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、調節部77、771a、771b、772、773は、シャフト77cを回転操作することで、スライド板77aがスライドするスライド機構を用いたがこれに限定されるものではない。
例えば、図23に示すように、ラック77g、及びピニオン77hを用いてスライド板77aをスライドさせる調節部774としてもよい。あるいは、図24に示すように、クランク77i、ロッド77j、及びスライダ77kを用いてスライド板77aをスライドさせる調節部775としてもよい。あるいは、図25に示すように、カム77l、カムフロア77m、及びスライダ77nを用いてスライド板77aをスライドさせる調節部776としてもよい。
また、上記第一、第二実施形態では、磁気抵抗を、可動ヨーク71、72に形成される孔部71c、72cとし、また、第三実施形態では、磁気抵抗を、固定ヨーク51に形成される切欠き部51a、あるいは孔部とした。しかしながら、これに限らず、例えば熱処理等によって可動ヨーク71、72、あるいは固定ヨーク51の材質中に添加される不純物によって形成された非磁性部としてもよい。不純物としては、例えば、炭素とすることができる。
また、上記各実施形態では、固定ヨーク51に対して、z軸方向に挟むように可動ヨーク71(各磁石61、63)と、可動ヨーク72(各磁石62、64)とを設けるようにしたが、一方の可動ヨーク、及びその可動ヨークに固定される各磁石を廃止したものとしてもよい。この場合は、対向する各磁石61、62間の磁気吸引力、及び対向する各磁石63、64間の磁気吸引力の打消し効果は得られないものの、上記各実施形態と同様に、傾斜配置における自重による下向きの力による影響を抑制することができる。
また、上記各実施形態に対して、固定ヨーク51を可動ヨークに置き換え、新たな可動ヨークに各磁石61〜64を設け、更に、対向する可動ヨーク71、72を固定ヨークに置き換えたものとしてもよい。この場合、新たな可動ヨークに磁気抵抗を設けることで、上記第一、第二実施形態と同様の効果を得ることができる。また、新たな固定ヨークに磁気抵抗を設けることで、上記第三実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記第一実施形態に対して、固定ヨーク51を可動ヨークに置き換え、更に、対向する可動ヨーク71、72を固定ヨークに置き換えたものとしてもよい。この場合、新たな固定ヨークに磁気抵抗を設けることで、上記第一、第二実施形態と同様の効果を得ることができる。また、新たな可動ヨークに磁気抵抗を設けることで、上記第三実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施形態に対して、各磁石61〜64を、各コイル41、42の収容室41a、42a内に収容して、固定ヨーク51の各対向面52a、53aにそれぞれ固定したものとしてもよい。この場合、固定ヨークに磁気抵抗を設けることで、上記第一、第二実施形態と同様の効果を得ることができる。また、可動ヨークに磁気抵抗を設けることで、上記第三実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施形態の表示システム10は、ナビゲーション装置20に替えて、又はナビゲーション装置20と共に、図2に示すヘッドアップディスプレイ装置120(参照)を備えたものとしてもよい。ヘッドアップディスプレイ装置120は、運転席の前方において車両のインストルメントパネル内に収容されており、ウィンドウシールド内に規定された投影領域122に向けて画像を投影することにより、当該画像の虚像表示を行う。運転席に着座した操作者は、投影領域122を通して、所定の機能が関連付けられた複数のアイコン、及び任意のアイコンを選択するためのポインタ80等が視認可能となる。ポインタ80は、表示画面22に表示された場合と同様に、操作ノブ73への水平方向の操作入力により、操作力の入力方向に対応した方向に投影領域122内を移動可能である。
また、上記各実施形態では、ナビゲーション装置等を操作するための遠隔操作デバイスとして、センターコンソールに設置された操作入力装置に、本発明を適用した例を説明した。しかし本発明は、センターコンソールに設置されたシフトレバー等のセレクタ、及びステアリングに設けられたステアリングスイッチ等に、適用可能である。更に、インストルメントパネル、ドア等に設けられたアームレスト、及び後部座席の近傍等に設けられた種々の車両の機能操作デバイスにも、本発明は適用可能である。そして更に、車両用に限らず、各種輸送用機器及び各種情報端末等に用いられる操作系全般に、本発明を適用された操作入力装置は、採用可能である。