JP6520592B2 - 金属の連続鋳造装置、及び、金属の連続鋳造方法 - Google Patents
金属の連続鋳造装置、及び、金属の連続鋳造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6520592B2 JP6520592B2 JP2015179721A JP2015179721A JP6520592B2 JP 6520592 B2 JP6520592 B2 JP 6520592B2 JP 2015179721 A JP2015179721 A JP 2015179721A JP 2015179721 A JP2015179721 A JP 2015179721A JP 6520592 B2 JP6520592 B2 JP 6520592B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cylindrical space
- metal
- molten metal
- immersion nozzle
- flow
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
ここで、2孔浸漬ノズル内における溶融金属の流動は、下降流が底部に当たって水平方向の流速ベクトルが付与されることから、吐出孔下部から噴流となって流出する傾向にあり、吐出孔上部においては、逆に吸い込みが発生することがある。加えて、下降流の不安定さによって、左右吐出孔への流量分配や吐出流の角度が変動することから、鋳型内流動が不安定になりやすい。
さらに、円柱状空間の上方に蓋部を設け、その蓋部の周囲を通って溶融金属が前記円柱状空間へ流入する形態とすることにより、溶融金属に効率よく角運動エネルギーを付与することが可能となる。すなわち、前記円柱状空間内では旋回流の影響で中心部の圧力が低く外周部の圧力が高くなっているので、前記円柱状空間の上方に蓋部を配設することで、タンディッシュ内の溶融金属が円柱状空間の中心部から優先的に流入することを抑制でき、十分な角運動エネルギーを付与した状態で浸漬ノズルへと流出することが可能となる。
また、前記円柱状空間と前記浸漬ノズルとの間に、前記溶融金属の流量を調整する絞り機構が設けられているので、通常のタンディッシュと同じ外形状の浸漬ノズルを取り付けることができ、耐火物コストの上昇を抑制できる。
この場合、絞り機構によって円柱状空間で形成された旋回流に歪みを生じさせることが抑制され、浸漬ノズル内の溶融金属を確実に旋回させることが可能となる。
この場合、前記円柱状空間の直径が0.2m以上とされているので、内径が通常70〜100mmである浸漬ノズルに対して十分な大きさの直径を確保でき、円柱状空間から浸漬ノズル内へ旋回流が流出する際に、角運動量保存則によって周方向流速を効率よく加速することができる。一方、前記円柱状空間の直径が1.0m以下とされているので、タンディッシュの大型化を抑制でき、操業性の悪化やコスト上昇を抑制することができる。
また、前記円柱状空間の高さが0.1m以上とされているので、電磁撹拌コイルの厚みが確保され、十分な推力を得ることが可能となる。なお、前記円柱状空間の高さの上限値は特に規定しないが、通常0.6mを超えるような高さは不要であるばかりか連続鋳造機の高さ方向寸法を無用に消費して設備費の高騰を招くので好ましくない。
ここで、本実施形態においては、溶融金属として溶鋼を用いており、炭素鋼からなる鋳片を製造するものとされている。
ここで、本実施形態では、この円柱状空間21の直径が0.2m以上1.0m以下の範囲内、円柱状空間21の高さが0.1m以上の範囲内とされている。
ここで、この蓋部25の直径は、円柱状空間21の上部開口部の直径の70%以上とされることが好ましい。また、円柱状空間21の上部開口端と蓋部25との高さ方向の隙間は、70mm以上が好ましく、80mm以上であることがさらに好ましい。
また、円柱状空間21と浸漬ノズル30との間には、溶鋼2の流量を調整する絞り機構として、ストッパー27が配設されている。このストッパー27は、溶鋼供給孔及び上ノズル31の上方開口部に近接離間可能に配設されている。すなわち、ストッパー27は、溶鋼供給孔の中心部分に配置され、上下方向に移動するように構成されている。
また、電磁撹拌装置28を用いて、円柱状空間21内の溶鋼2に対して、円柱状空間21の直径と周方向流速最大値との積が0.05m2/s以上0.5m2/s以下の範囲内となるように角運動量を与えている。
さらに、円柱状空間21の高さが0.1m以上とされているので、電磁撹拌装置28(コイル)の厚みが確保され、十分な推力を得ることが可能となる。
さらに、本実施形態においては、円柱状空間21の直径と周方向流速最大値との積が0.05m2/s以上とされているので、円柱状空間21内の溶鋼2に確実に旋回流を与え、十分な角運動エネルギーを付与した状態で浸漬ノズル30へと流出することができる。一方、円柱状空間21の直径と周方向流速最大値との積が0.5m2/s以下とされているので、過大な角運動量によって旋回流に乱れが生じることを抑制できる。
例えば、図3に示す金属の連続鋳造装置のように、蓋部125の中央部を上方に突出した形状としてもよい。円柱状空間121に旋回流を付与した場合、旋回流の中心にArガス等の気柱ができ、非金属介在物等が旋回流の中心部分で浮上分離することがある。このため、蓋部125の中央部を上方に突出した形状とすることで、浮上分離した非金属介在物等を保持することが可能となる。
図2に示すタンディッシュ20において、円柱状空間21の直径を600mm、高さを250mmとした。この円柱状空間21の外周に電磁撹拌装置28を配設した。
蓋部25は、円柱状空間21の上部開口端から100mmの間隔をおいて配置されており、直径600mmの大きさとした。なお、この蓋部25は、4本の脚でタンディッシュ20の底部に固定されている。
また、絞り機構としてストッパー27を用いている。
図3に示すタンディッシュ120において、円柱状空間121の直径を400mm、高さを320mmとした。この円柱状空間121の外周に電磁撹拌装置128を配設した。
蓋部125は、円柱状空間121の上部開口端から120mmの間隔をおいて配置されており、直径410mmの大きさとした。なお、この蓋部125は、4本の脚でタンディッシュの底部に固定されている。
また、絞り機構としてスライディングゲート127を用いている。
図4に示すタンディッシュ220において、円柱状空間221の直径を140mm、高さを516mmとした。この円柱状空間221の外周に電磁撹拌装置228を配設した。
蓋部225は、円柱状空間221の上部開口端から160mmの間隔をおいて配置されており、直径220mmの大きさとした。なお、この蓋部225は、タンディッシュ220の上部から耐火物製ロッドによって吊り下げられている。
また、絞り機構としてスライディングゲート227を用いている。
図5に示すタンディッシュ320において、円柱状空間321の直径を600mm、高さを80mmとした。この円柱状空間321の外周に電磁撹拌装置328を配設した。
蓋部325は、円柱状空間321の上部開口端から190mmの間隔をおいて配置されており、直径600mmの大きさとした。なお、この蓋部325は、4本の脚でタンディッシュ320の底部に固定されている。
また、絞り機構としてストッパー327を用いている。
図6に示すタンディッシュ420において、円柱状空間421の直径を1100mm、高さを200mmとした。この円柱状空間421の外周に電磁撹拌装置428を配設した。
蓋部425は、耐火物で構成されており、円柱状空間421の上部開口端から100mmの間隔をおいて配置されており、直径980mmの大きさとした。なお、この蓋部425は、4本の脚でタンディッシュ420の底部に固定されている。
また、絞り機構としてストッパー427を用いている。
図7に示すタンディッシュ520においては、円柱状空間、蓋部及び電磁撹拌装置を設けず、タンディッシュ520の底部に浸漬ノズル30を直接取り付けた構造とした。
また、絞り機構としてストッパー527を用いている。
本発明例1〜5において、4ton/minのスループットの溶鋼をロングノズル又は注入管から供給した。
本発明例1、2において、8ton/minのスループットの溶鋼をロングノズル又は注入管から供給した。
本発明例2において、2ton/minのスループットの溶鋼をロングノズル又は注入管から供給した。
本発明例1及び従来例のタンディッシュを模したフルスケール水モデル実験の結果について述べる。溶鋼と水とは動粘度が近いので、フルスケールの水モデル実験は、溶鋼系に近い流動が得られることが知られており、評価実験によく用いられる。実施例の水モデル実験においては、本発明例1の電磁撹拌を模擬するために、図9に示すようにストッパー先端に4枚の撹拌羽根を設置し、ストッパーを6rpm回転数で回転させて電磁撹拌時と同等の旋回流を発生させた。
鋳型は、厚み250mm、幅1700mm、浴深が3000mmの模型とした。
20 タンディッシュ
21 円柱状空間
22 溶鋼供給孔(溶融金属供給孔)
25 蓋部
27 ストッパー(絞り機構)
28 電磁撹拌装置
30 浸漬ノズル
Claims (5)
- 溶融金属を貯留するタンディッシュと、このタンディッシュに取り付けられ、前記タンディッシュ内の前記溶融金属を鋳型内に注入する浸漬ノズルと、を備えた金属の連続鋳造装置であって、
前記タンディッシュには、前記浸漬ノズルの直上に形成された円柱状空間と、前記円柱状空間の上部開口端から上方に離間した位置に配設された蓋部と、前記円柱状空間の上部開口端と前記蓋部との間の隙間から流入させた前記円柱状空間内の前記溶融金属を旋回させる電磁撹拌装置と、が設けられており、
前記円柱状空間の底面中心部には、前記浸漬ノズルへの溶融金属供給孔が形成されており、
前記円柱状空間と前記浸漬ノズルとの間には、前記溶融金属の流量を調整する絞り機構が設けられていることを特徴とする金属の連続鋳造装置。 - 前記絞り機構は、前記浸漬ノズルの上方開口部に近接離間するストッパーであることを特徴とする請求項1に記載の金属の連続鋳造装置。
- 前記円柱状空間の直径が0.2m以上1.0m以下の範囲内、前記円柱状空間の高さが0.1m以上の範囲内とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金属の連続鋳造装置。
- 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の金属の連続鋳造装置を用いた金属の連続鋳造方法であって、
前記円柱状空間の上部開口端と前記蓋部との間の隙間から前記円柱状空間内に前記溶融金属を流入させ、
前記円柱状空間内の前記溶融金属に旋回流を付与し、前記浸漬ノズル内へ前記溶融金属を供給することを特徴とする金属の連続鋳造方法。 - 前記円柱状空間内に前記溶融金属が滞留する平均時間を2秒以上10秒以下とし、
前記円柱状空間内の前記溶融金属に対して、前記円柱状空間の直径と周方向流速最大値との積が0.05m2/s以上0.5m2/s以下の範囲内となるように角運動量を与えることを特徴とする請求項4に記載の金属の連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015179721A JP6520592B2 (ja) | 2015-09-11 | 2015-09-11 | 金属の連続鋳造装置、及び、金属の連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015179721A JP6520592B2 (ja) | 2015-09-11 | 2015-09-11 | 金属の連続鋳造装置、及び、金属の連続鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017051998A JP2017051998A (ja) | 2017-03-16 |
JP6520592B2 true JP6520592B2 (ja) | 2019-05-29 |
Family
ID=58320318
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015179721A Active JP6520592B2 (ja) | 2015-09-11 | 2015-09-11 | 金属の連続鋳造装置、及び、金属の連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6520592B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102184274B1 (ko) * | 2019-03-04 | 2020-11-30 | 경북대학교 산학협력단 | 연속 주조 공정 중 래들 및 턴디쉬의 자유 표면의 부유물 혼입 방지 장치 |
CN110918962A (zh) * | 2019-11-18 | 2020-03-27 | 张家港宏昌钢板有限公司 | 一种挡墙式连铸中间包 |
CN114131007A (zh) * | 2021-12-15 | 2022-03-04 | 东北大学 | 一种永磁体旋流连铸方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6360069A (ja) * | 1986-08-29 | 1988-03-16 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 溶湯流出口を備えた溶湯容器 |
JPH08229670A (ja) * | 1995-02-24 | 1996-09-10 | Nippon Steel Corp | 気泡と介在物を除去する溶湯の清浄化法及び装置 |
-
2015
- 2015-09-11 JP JP2015179721A patent/JP6520592B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017051998A (ja) | 2017-03-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6520592B2 (ja) | 金属の連続鋳造装置、及び、金属の連続鋳造方法 | |
KR101384019B1 (ko) | 용융 금속의 연속 주조 방법 | |
JP2015511537A (ja) | 連続鋳造設備 | |
JP6354341B2 (ja) | 溶融金属への旋回流付与方法 | |
JP2002522227A (ja) | 連続鋳造法、及びそのための装置 | |
KR101170673B1 (ko) | 주조용 침지노즐 및 이를 포함하는 연속 주조 장치 | |
KR101934495B1 (ko) | 전자기 스월 노즐 연속주조 방법 및 장치 | |
JP2007090424A (ja) | 連続鋳造用タンディッシュ | |
EP1854571B1 (en) | Refractory nozzle for the continous casting of steel | |
JP6759856B2 (ja) | 金属の連続鋳造装置、及び、金属の連続鋳造方法 | |
JP2014208376A (ja) | 連続鋳造による高清浄度鋼鋳片の製造方法 | |
CN203030884U (zh) | 一种连铸用多孔式浸入式水口 | |
JP6331810B2 (ja) | 金属の連続鋳造方法 | |
JP5510047B2 (ja) | 連続鋳造方法および連続鋳造装置 | |
KR102218885B1 (ko) | 연속 주조 롤링 방지 슬래그 스토퍼 | |
JP4644168B2 (ja) | 下注ぎ方式の注湯管及び注湯方法 | |
JP6862547B2 (ja) | 連続鋳造用ノズルのためのデフレクタ | |
JP2018051598A (ja) | 下注ぎ造塊設備 | |
KR100530101B1 (ko) | 턴디쉬 내부 용강의 와류발생 억제 댐 | |
JP4444034B2 (ja) | 連続鋳造用浸漬ノズルおよびこの連続鋳造用浸漬ノズルを用いる連続鋳造用モールドへの注湯方法 | |
RU2490092C2 (ru) | Погружной разливочный стакан | |
JP4750013B2 (ja) | 鼓型堰付浸漬ノズル | |
JP2009125750A (ja) | 連続鋳造用浸漬ノズル | |
JP2018058097A (ja) | 浸漬ノズル、連続鋳造機及び連続鋳造方法 | |
JP3861861B2 (ja) | 連続鋳造用浸漬ノズル及び連続鋳造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180509 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20181019 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190130 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190212 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190320 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190402 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190415 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6520592 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |