JPS6360069A - 溶湯流出口を備えた溶湯容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、貯留された溶湯を底部の溶湯流出口に取付
けられたスライディングノズルを介して他の部材に供給
する溶湯流出口を備えた溶湯容器に関する。

［従来の技術］ 例えば、鋼の連続鋳造においては、従来、取鍋に貯留さ
れた溶鋼を、取鍋ノズルを介して一旦タンディッシュ内
に流出させ、この溶鋼を浸漬ノズルを介して鋳型内に注
入させる。つまり、第６図に示すように、タンディツシ
ュ１内の溶鋼２は、タンディツシュ１の溶鋼流出口３か
らスライディングノズル５により流量を調節させ、浸漬
ノズル８を介して鋳型１０内に注入させる。この浸漬ノ
ズル８の吐出口９ａ、９ｂは鋳型１０内の溶鋼２中に浸
漬され、溶鋼注入流と空気との接触が回避される。即ち
、溶鋼２は、流出口３、通流孔１５及び浸漬ノズル８内
の溶湯通流路１６を順次通流し、吐出口９ａ、９ｂから
鋳型１０内に吐出され、鋳型１０により冷却されて凝固
殻１・３を形成する。

【発明が解決しようとする問題点］ ところで、近時、鋼材の使用環境の苛酷化及び多様化に
伴い需要家から種々の鋼材特性の改善及び品質向−にを
強く要望されている。例えば、鋼材特性の改善の要求と
して、寒冷地用鋼材及び耐サワーラインパイプについて
の耐水素誘起割れ性及び応力除去焼鈍割れ性の改善並び
に自動車用鋼板及び缶用鋼板についての超深絞り性の改
善等があげられる。このような要求に応えるべく、近年
、溶鋼中の介在物を極力除去し、介在物量が極めて少な
い清浄鋼を製造することが必要とされている。

しかしながら、スライディングノズル５においては、ス
ライド盤７を矢印１２方向に移動させて溶鋼注入量を調
節するため、溶湯通流路１６（スライド盤７の開口と略
同心）の中心と通流孔１５（固定盤６の開口）の中心と
が相互にずれている。

このため、浸漬ノズル８の上部においては、図中左方の
領域で溶鋼流量が多くなり、その下部においては、図中
右方の領域で溶鋼流量が多くなる。

このように、溶湯通流路１６内で溶鋼流に偏りが生じて
１対の吐出口９ａ、９ｂから等量の溶鋼が流出せず、図
中右方の吐出口９ｂから鋳型１０内に注入される溶鋼流
の流量が左方の吐出口９ａからの溶鋼流の流量よりも大
きくなるという所謂偏流が発生する。このため、鋳型１
０内の吐出口９ｂ側では溶鋼湯面が撹拌され、湯面を覆
うパウダ１７等が巻込まれて鋼中の介在物となり、また
、吐出口９ｂから流出した溶鋼が鋳壁の凝固殻１３を再
溶解させてブレイクアウトが発生する原因となり、鋳片
の品質を低下させるという問題がある。

この発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、
スライディングノズルとは別個に溶湯流出量を調節する
ことにより、スライディングノズルの流量調節操作量を
軽減して偏流の発生を抑制することができると共に、介
在物の流出量を減少させることができ、製品の特性改善
及び品質向上を達成することができる溶湯流出口を備え
た溶湯容器を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ この発明に係る溶湯流出口を備えた溶湯容器は、底部に
溶湯流出口を備え、この溶湯流出口に取付けられたスラ
イディングノズルを介して貯留された溶湯を他の部材に
供給する溶湯流出口を備えた溶湯容器において、前記溶
湯流出口の上方に実質的に水平に配設されその下面が溶
湯流出口周辺の容器底面との間に間隙を形成する円盤状
の部材と、この部材をその軸を中心に回転させる回転手
段と、を有し、前記部材の下面及び溶湯流出口周辺の容
器底面により形成された間隙を通流した後に溶湯流出口
から溶湯が流出することを特徴とする。この場合に前記
部材は、その下面の中央に開口する吸引路と、この吸引
路を介して溶湯中の介在物を吸引除去する吸引手段と、
を倚することが好ましい。

〔作用〕

この発明に係る溶湯流出口を備えた溶湯容器においては
、円盤状の部材を溶湯流出口の上方に実質的に水平に配
設しており、この部材を回転手段により回転させると、
部材の下面と溶湯流出口周辺の容器底面とにより形成さ
れた間隙に存在する溶湯に遠心力が働いて溶湯流の流出
口に向かう流速が低下し、溶湯流出口からの溶湯の流出
量が制限される。また、回転する部材の下面の中央には
溶湯より比重が小さい介在物が寄り集まるので、溶湯と
共に介在物が流出することが回避され、介在物の流出量
を減少させることができる。

［実施例コ 以下、添付の図面を参照して、この発明の実施例につい
て具体的に説明する。

第１図はこの発明の第１の実施例に係る溶湯流出口を備
えた溶湯容器をタンディツシュに適用した連続鋳造装置
を示す一部断面図である。タンディツシュ２０は耐火物
２２で内張すされ、外側が鉄皮２３で覆われており、こ
のタンディツシュ２０内には図示しない取鍋から溶鋼２
１が注入されるようになっている。また、タンディツシ
ュ２０の下方には銅製の鋳型４４がその長手方向をタン
ディツシュ２０の長手方向に一致させて配設されており
、この鋳型４４にタンディツシュ２０内の溶＃Ａ２１が
注入されて連続鋳造されるようになっている。タンディ
ツシュ２０の底部には、円筒状のポーラスレンガ２４が
嵌込まれており、このレンガ２４により溶鋼流出口２５
が形成されている。流出口２５の下部にはスライディン
グノズル２６が取付けられている。このスライディング
ノズル２６は固定盤２７とスライド盤２８とを備えてお
り、固定盤２７は鉄皮２３に固定されている。また、ス
ライド盤２８は固定盤２７に摺接され、矢印２９の前後
方向に移動できるようになっており、スライド盤２８を
矢印２９方向に摺動させることにより溶鋼通流孔の開口
面積を調節して溶鋼の流出量を制御するようになってい
る。スライド盤２８の下端には浸漬ノズル４２が取付け
られている。この浸漬ノズル４２は耐火物製の筒状体で
あり、その内部に溶鋼２１が通流する溶鋼通流路４１が
形成されている。通流路４１の下部は側方に分岐してお
り、ノズル側壁に開口する１対の吐出口４３ａ、４３ｂ
に連通している。この吐出口４３ａ、４３ｂは鋳型４４
の長手方向に沿って夫々反対方向に開口している。そし
て、浸漬ノズル４２の下部が鋳型４４内の溶鋼中に浸漬
されて吐出口４３ａ、４３ｂから鋳型４４内に溶鋼を吐
出するようになっている。また、鋳型４４内の湯面はパ
ウダ４８で覆われており、鋳型４４内の溶鋼の酸化を防
止すると共に、鋳壁と凝固殻４６との間の潤滑性を向上
させるようになっている。

一方、流出口２５の上方には回転部材３０が配設され、
この回転部材３０の軸心と流出口２５の軸心とが略一致
するようになっている。回転部材３０は耐火物でつくら
れた円盤３１及び軸３２を有しており、略垂直方向に延
びる軸３２の下端に円盤３１の中心部が取付けられ、円
盤３１が略水平になるように配設されている。そして、
円盤３１は流出口２５周辺の容器底面３８と相互に離隔
しており、円盤３１の下面と容器底面３８との間に適宜
の間隙が形成されている。また、軸３２は円盤３１から
上方に延びており、その一端部がモータ３５の駆動部に
連結されている。このモータ３５は、タンディツシュ２
０の外部にて適宜の支持手段（図示せず）により上下動
可能に支持されており、そのスイッチ（図示せず）が電
源（図示せず）に接続され、その回転数を変動すること
ができるようになっている。また、モータ３５の１−、
部には排出管３６が接続され、排出管３６は真空ポンプ
（図示せず）に接続されている。この排出管３６及び前
記軸３２内には通路３３が夫々形成されており、通路３
３の一端は円盤３１の下面中央に形成された吸込口３４
にて開口し、この吸込口３４を介して溶湯中の介在物を
吸引除去するようになっている。

第２図は、円盤３１の下面を示す図である。円盤３１の
下面にはその中央の吸込口３４を中心として放射状に直
線的に延びる８本の溝３７が形成され、円盤３１の回転
による遠心力が効果的に溶湯に伝達されるようになって
いる。

次に、この実施例の動作について説明する。先ず、図示
しない取鍋からタンディツシュ２０に溶鋼２１を注入し
、この溶ｔｆ４２１を溶鋼流出口２５からスライディン
グノズル２６、浸漬ノズル４２及び吐出口４３ａ、４３
ｂを介して鋳型４４内に注入する。取鍋からタンディツ
シュ２０内への溶Ｎ２１の注入が進行し、取鍋内溶鋼の
残存量が少なくなると、取鍋底部のノズルを閉じ、取鍋
からタンディツシュ２０内への溶ｗ４２１の注入を停止
する。そうすると、タンディツシュ２０内の溶鋼２１は
鋳型４４内へ流出し続けているので、タンディツシュ２
０内の湯面が次第に低下する。タンディツシュ２０内の
場面が低下し始めると、回転部材３０を溶ｆＦ４２１中
へ浸漬させ、これを流出口２５の直上域に下降し、円盤
３１の下面が流出口２５周辺の底面３８と適宜の間隔を
おいて対面するように配設する。そして、モータ３５の
スイッチを入れて円盤３１を回転させ、例えば、その回
転数を毎分約２００回転とする。円盤３１が回転すると
、円盤３１の下面と底面３８との間隙に存在する溶鋼に
遠心力が働き、流出口２５から流出する溶鋼流の流速が
低下する。この溶鋼に働く遠心力は円盤３１の回転速度
が速くなるに従って増加し、流出口２５から流出する溶
鋼流量が減少する。また、円盤３１が回転すると、溶鋼
より比重の小さな介在物がその下面中央に寄り集まるよ
うになるので、吸込口３４を介して真空ポンプによりこ
の介在物を吸引除去する。そして、取鍋の交換が完了し
てタンディツシュ２０内への取鍋溶鋼の注入が再開され
、タンディツシュ２０内の湯面がト昇し始めると、回転
部材３０を溶鋼２１中から引上げる。また、湯面低下時
に限らず溶鋼流出黴を調節する必要がある場合は、回転
部材３０を溶鋼２１中に浸漬して上記動作を繰返すこと
により流出量を調節する。

このようにこの実施例では、円盤３１を流出口２５の直
上域で回転させることにより溶鋼の流出量を最大流量の
約Ｏ乃至５０％の流量範囲（すなわち、最大流量の約半
分の範囲）で調節することができる。このため、スライ
ディングノズル２６の流量調節操作量を軽減することが
でき、スライディングノズル２６による偏流の発生を有
効に抑制して１対の吐出口４３ａ、４３ｂから略等量の
溶鋼を流出させることができる。また、吸込口３４を介
して溶鋼中の介在物を吸引除去すること　−ができるの
で、流出口２５から流出する介在物量を低減することが
できる。このため、凝固殻４６の再溶解、パウダ４８の
巻込み及び介在物の巻込みを有効に防止することができ
、鋳片の品質を向上させることができると共に、鋼材特
性の改善を図ることができる。

第３図は、円盤の下面の溝形状を変更した第２の実施例
を示す図である。円盤６１の下面にはその中央の吸込口
６２を中心として渦巻き状に円周方向へ延びる６本の溝
６３が形成されている。この第２の実施例においても第
１の実施例と同様の効果を得ることができる。

第４図及び第５図は、円盤の形状を変更した第３実施例
及び第４実施例を夫々示す側面図である。

第４図に示すように、円盤５２の下面においては吸込口
５４が開口する中央部が盛上っている。このような形状
の円盤５２では、その下面が流出口２５周辺の底面３８
の凹形状に沿っているので、円盤５２の下面と底面３８
とにより形成される間隙が略均−になり、−層円滑な流
量調節の効果を得ることができる。一方、第５図に示す
ように、円盤５６の下面においては中央部が周縁部より
凹んでいる。このような形状の円盤５６では、中央部に
開口する吸込口５８に介在物が集りやすくなり、溶鋼中
の介在物の除去効果を一層高めることができる。

なお、この実施例では、この発明をタンディツシュに適
用した例を示したが、これに限らず、例えば取鍋等の他
の溶湯容器に適用することもできる。

［発明の効果］ この発明によれば、溶湯流出口の上方において円盤状の
部材を回転させることにより溶湯流出口から流出する溶
湯量を調節することができる。このため、スライディン
グノズルとは別個に溶湯流出量を調節することが可能と
なり、スライディングノズルの流ｒ：Ｌ調節操作二を軽
減することができるので、偏流の発生を有効に抑制する
ことができ、凝固殻の再溶解及び不純物の巻込み等の鋳
造トラブルを回避することができる。また、溶湯中の介
在物が回転する部材の下面中央に寄せ集められ、溶湯と
共に介在物が流出することが回避されるので、製品の品
質の向上を達成することができると共に、耐水素誘起割
れ性、応力除去焼鈍割れ性並びに超深絞り性等の種々の
特性が改善された製品を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の第１の実施例に係る溶湯流出口を備
えた溶湯容器がタンディツシュに適用された連続鋳造装
置を示す一部断面図、第２図は円盤の下面を示す図、第
３図は第２の実施例の円盤の下面を示す図、第４図は第
３の実施例の円盤の側面図、第５図は第４の実施例の円
盤の側面図、第６図は従来のタンディツシュが適用され
た連続鋳造装置を示す断面図である。 ２０；タンディツシュ、２５；溶鋼流出口、２６；スラ
イディングノズル、３０；回転部材、３１；円盤、３２
；軸、３３；吸引路、３４；吸込口、３５；モータ、３
６；排出管。 出願人代理人　弁理士　鈴江武彦 第１１！１ａ ｊ１２図　　　第３図 第４図　　第５図 第６図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）底部に溶湯流出口を備え、この溶湯流出口に取付
   けられたスライディングノズルを介して貯留された溶湯
   を他の部材に供給する溶湯流出口を備えた溶湯容器にお
   いて、前記溶湯流出口の上方に実質的に水平に配設され
   その下面が溶湯流出口周辺の容器底面との間に間隙を形
   成する円盤状の部材と、この部材をその軸を中心に回転
   させる回転手段と、を有し、前記部材の下面及び溶湯流
   出口周辺の容器底面により形成された間隙を通流した後
   に溶湯流出口から溶湯が流出することを特徴とする溶湯
   流出口を備えた溶湯容器。
2. （２）前記部材は、その下面の中央に開口する吸引路と
   、この吸引路を介して溶湯中の介在物を吸引除去する吸
   引手段と、を有することを特徴とする特許請求の範囲第
   １項に記載の溶湯流出口を備えた溶湯容器。