JP6519071B1 - ロッドパッキン - Google Patents

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Abstract

【課題】 摩耗した場合や温度変化によって伸縮した場合であっても、軸封部における軸との接触状態を極力確保して流体の漏洩を極力防止できるロッドパッキンを提供する。【解決手段】 円環部材の一面に径方向に沿って内周縁と外周縁とのそれぞれから適宜位置まで切り込まれた切込溝を交互に周方向に複数個形成し、他面に内周縁から外周縁へ連通させた切込溝を形成する。これら内側切込溝と外側切込溝の幅員の拡大・縮小によりパッキンが周方向に伸縮して、温度変化による膨張と収縮や摩耗による形状・寸法の変化に対応して、軸との接触を維持できて、流体の漏洩を極力抑制できる。【選択図】 図1

Description

この発明は、軸とケーシング等との間の軸封用のロッドパッキンに関し、特にピストンポンプ等に利用されるピストン・シリンダ機構におけるピストンロッドとシリンダとの間の密封状態を確保するためのロッドパッキンに関する。
ピストン・シリンダ機構はシリンダ内をピストンが往復直線運動する機構であり、ピストンの後退移動でシリンダ内に液体や空気等の流体を吸い込み、前進移動でシリンダ内の流体を吐き出す。吐き出された流体は圧縮された状態にあるから、高圧となって吐き出される。このピストン・シリンダ機構を用いて高圧の流体を吐出する装置としてピストンポンプがあり、種々の用途に利用されている。ピストンポンプの用途の一つに内燃機関の燃料の圧送がある。特に、液化天然ガス(LNG)を燃料とするディーゼル機関へLNG燃料を供給する場合に利用されている。
たとえば、舶用の推進システムの動力機関には、低速での出力が可能でプロペラに直結して駆動することができることから、2サイクル低速ディーゼル機関が利用されている。特に、液化天然ガス運搬船(LNG船)等では舶用大型2サイクル低速ディーゼル機関が用いられている。この種の2サイクル低速ディーゼル機関の動作の燃料には重油等の液体燃料が用いられているが、環境面を考慮してNOxやSOxの排出量の低減化を図る要求から、代替燃料の使用に関する開発が進み、液化ガス、特に液化天然ガスの利用が促進されている。
低速ディーゼル機関では、良好な熱効率を確保するためにシリンダ内に直接燃焼ガスが噴射され、そのためには機関入口で高いガス圧力が必要とされる。ところで、LNGは常温常圧下では気体燃料であるから、運搬や保管の際にはマイナス160℃程度の極低温で液体の状態にして真空断熱された容器に貯蔵されて行われる。貯蔵されているLNG液から燃料に適した高圧のLNGガスを製造する必要があり、その製造方法として、高圧LNG液ポンプ方式と高圧ガス圧縮機方式とが知られている。このうち、高圧LNG液ポンプ方式において、LNG貯蔵タンクから高圧気化器へ圧送するための装置としてピストンポンプである高圧LNG液ポンプが用いられる。貯蔵タンクから供給されて高圧LNG液ポンプで加圧されたLNG液を加熱器で低温高圧のLNGをガス化して、機関入口で要求されるガス温度まで加熱する(特許文献1参照)。
ピストンポンプでは、ピストンに連続しているピストンロッドがシリンダのロッドカバーを貫通して、ピストンロッドが軸方向に突出した構造となっている。なお、ピストンロッドのこの突出した部分に外部から動力を与えてピストンを往復直線運動させている。ロッドカバーのピストンロッドが貫通した部分にはロッドパッキンが配されており、ピストンロッドとロッドカバーとの間隙からシリンダ内部の流体が漏洩することを阻止すると共に、ピストンロッドの摺動を許容してピストンが円滑に往復直線運動を行えるようにしている。
前述した高圧LNG液ポンプも同様に、シリンダとピストンロッドとの摺動部にはロッドパッキンが配されている。図21と図22にこの高圧LNG液ポンプ100の概略の構造を示してあり、図21は低圧のLNG液を吸い込む状態を、図22は高圧のLNG液を吐き出す状態を示している。
高圧LNG液ポンプ100は、例えば、特許文献1に開示されている往復式ポンプと同様な構造を備えており、シリンダ101とピストン102と、シリンダライナ103、シリンダカバー104、弁箱110を主体に構成されている。
ピストン102はシリンダ101の基端部を貫通したピストンロッド102aの先端部に設けられており、このピストンロッド102aの基端部がシリンダ101の外部に突出している。ピストンロッド102aのこの突出した部分が油圧シリンダユニットや電動シリンダユニット等からなる図示しないリニアアクチュエータに連係しており、このリニアアクチュエータの動作によってピストンロッド102aが軸方向に往復直線運動をする。なお、リニアアクチュエータはピストンロッド102aを往復直線運動させる機構であればよく、油圧シリンダユニットや電動シリンダユニットやその他、往復直線運動を出力してこの運動をピストンロッド102aに伝達できる機構であればよい。また、リニアアクチュエータの往復直線運動する出力軸とピストンロッド102aとを一体にすることもできる。
シリンダ101にはシリンダライナ103が収容されており、このシリンダライナ103の内面は円筒形に形成されて、ピストン102はこの円筒内を往復直線運動する。シリンダ101の先端部は開放端とされて、この開放端を閉塞するシリンダカバー104が設けられている。シリンダカバー104の内部側には弁箱110が配されており、シリンダカバー104の内部側の端部がこの弁箱110と密着している。
弁箱110は円錐台形に形成されており、中心には軸方向に沿った液通路111が形成されている。この液通路111がシリンダライナ103の内部に連通するともに、シリンダカバー104の中心に形成された吐出通路104aと接続され、この吐出通路104aがこの高圧LNG液ポンプ100の吐出口100bに接続されている。なお、吐出口100bの吐出方向はピストン102の軸と平行な方向とされている。また、液通路111の途中の一部は拡径された拡径部111aとされ、この拡径部111aに吐出側弁体110aが配されている。液通路111の拡径部111aの上端側の縮径した部分の周縁が吐出側弁座110bとされており、吐出側弁体110aがこの吐出側弁座110bに着座することにより液通路111が閉塞される。
弁箱110の円錐台形の側面に臨んで吸込口100aが配されており、この吸込口100aが弁箱110の側面に沿って形成された環状の吸込通路112に連通し、吸込通路112は弁箱110の上方でシリンダライナ103の内部に連通している。なお、吸込口100aはピストン102の軸と交差する方向とされている。このシリンダライナ103の下端部にはピストン102の軸と平行な方向に摺動可能に吸込側弁体112aが設けられており、弁箱110の上面によって吸込側弁座112bが形成されている。そして、吸込側弁体112aの摺動によって吸込側弁座112bに着座することにより吸込通路112が閉塞される。
ピストン102の外周面には周方向にシール溝102bが形成されており、このシール溝にピストン102とシリンダライナ103との間を密封するシールリング(図示せず)が装着させてある。また、シリンダ101のピストンロッド102aが貫通する部分であって、シリンダ101の端部にはロッドパッキン105が装着されており、シリンダ101の端部からパッキン押さえ101aが挿入されてロッドパッキン105を押圧している。
図21はこの高圧LNG液ポンプ100の吸込工程時を示しており、ピストン102が弁箱110から離隔する方向に後退した場合を示している。ピストン102の後退によって吸込側弁体112aも弁箱110から離隔するよう上方に移動する。これにより吸込通路112が開放されて吸込口100aとシリンダライナ103の内部が連通するから、LNG液が吸込口100aからシリンダライナ103内に吸い込まれる。また、ピストン102の後退によって液通路111に配された吐出側弁体110aも吸込側弁体112aと同様に上方に移動して、吐出側弁座110bに着座する。これにより液通路111が閉鎖されて、シリンダライナ103の内部と吐出口102bとが遮断される。
ピストン102が最上部まで後退したならば、ピストン102を前進させる。ピストン102が前進すると吸込側弁体112aが下方に押動されて吸込側弁座112bに着座する。これにより吸込通路112が閉塞されて吸込口100aとシリンダライナ103の内部とが遮断される。一方、吐出側弁体110aも下方に押動されて吐出側弁体110aから離隔する。これにより液通路111が開放されて吐出口100bとシリンダライナ103の内部とが連通するから、シリンダライナ103のLNG液が吐出口100bから吐出される。このLNG液はピストン102の前進動作によって圧縮されて高圧なものとなる。この高圧のLNG液を図示しない高圧気化器へ圧送して燃料ガスを生成し、ディーゼル機関に供給されることになる。
上述の高圧LNG液ポンプ100の運転中において、ピストン102はシリンダライナ103内をシールリングによって密封された状態で擦過し、ピストンロッド102aはシリンダ101の貫通部においてロッドパッキン105を擦過する。シリンダライナ103の内部はLNG液の吐出時には高圧となるから、シリンダライナ103の外周面とシリンダ101の内周面との間から高圧となったLNG液が滲出するおそれがある。また、ピストン102とシリンダライナ103との間からもLNG液が滲出するおそれがある。滲出したLNG液はピストンロッド102aのシリンダ101における貫通部で、ピストンロッド102aとシリンダ101との間を通ってロッドパッキン105に至る。ロッドパッキン105はピストンロッド102aに密着してLNG液が外部に漏洩することを防止している。
図23は従来のロッドパッキン105の装着状態の一例を示す概略図である。ロッドパッキン105はパッキンケース115に収容されて配されており、必要な場合には外周に引張コイルバネ116が巻回されてロッドパッキン105の内周面がピストンロッド102aに接触している。この種のロッドパッキン105には、高圧側Hから矢標Pで示す圧力が付加され、低圧側Lから矢標Qで示す圧力が付加される。高圧側Hの圧力Pの方が圧力Qよりも大きいため、ロッドパッキン105はパッキンケース115の低圧側Lの内壁面に押圧されて、この内壁面からの漏洩が防止されている。また、ロッドパッキン105の内周面は高圧側Hと低圧側Lとの圧力差による圧力の分力を受けてピストンロッド102aの外周面に接触することによりロッドパッキン105とピストンロッド102aとの間からの漏洩が防止される。この場合、引張コイルバネ116の縮径方向への付勢力を受けてロッドパッキン105がピストンロッド102aの外周面に押圧されて接触状態が維持され、これらロッドパッキン105がピストンロッド102aの間からの漏洩が防止されている。
しかしながら、ロッドパッキン105はピストンロッド102aの円滑な摺動を妨げてはならないから、大きな力で押圧することは不都合である。このため、ロッドパッキン105とピストンロッド102aとの間からの漏洩を完全に防止することができない。さらに、ロッドパッキン105の内周面をピストンロッド102aが擦過するから、ロッドパッキン105は摩耗する。このため、ロッドパッキン105とピストンロッド102aとの嵌め合い状態が変化して新たな漏洩を生じるおそれがある。特に、高圧LNG液ポンプ100では漏洩するLNG液は常温常圧では気体となるから、瞬く間に雰囲気中に拡散してしまい周辺環境を汚染してしまうことになる。
摩耗した場合であってもピストンロッド102a等の軸との接触状態を維持できるように、図24に示すように、径方向に切断されて周方向に分割されると共にその切断面が離隔した切断口118aが形成されたロッドパッキン118がある。しかし、この切断口118aはパッキンケース115の内側面に対しても開いているため、ロッドパッキン118の外周側の高圧流体は、切断口118aを通って軸に到達するのみならず、パッキンケース115の内側面に沿っても軸に到達するから、パッキンケース115とピストンロッド102a等の軸との間隙に到達して、外部へ漏洩してしまうおそれがある。
このため、摩耗した場合であってもピストンロッド102a等の軸との間の密着性を確保できるように、図25に示すような形状に加工されたロッドパッキン119がある。このロッドパッキン119は、接線方向と平行に外周面から径方向の適宜な位置まで形成した外側切断部119aと、この外側切断部119aに連続して内周面に至るまで径方向に切断されると共に、その切断面が離隔した内側切断口119bとが複数箇所に形成されている。
図25(A)は摩耗前の状態を示し、図25(B)は摩耗後の状態を示している。摩耗した状態では、図25(B)内側切断口119bの離隔していた切断面が接近すると共に、外側切断部119aが接線方向の位置がずれることにより摩耗量が吸収される。したがって、外側切断部119aにおける切断面の密着状態と、軸とロッドパッキン119との密着状態とが維持されて、流体の漏洩が阻止される。
特許第5953395号公報
ところで、ピストンロッド等の軸には金属製の素材が用いられ、ロッドパッキンには合成樹脂製の素材が用いられている。これらの温度膨張係数を比較すると、金属に比べて合成樹脂の方が10倍以上ある。このため、温度変化があると、これらの膨張係数の相違から摩耗による場合とは異なる状態でロッドパッキンが変形するおそれがある。
図26(A)にロッドパッキン119が軸であるピストンロッド102aに対して膨張した場合を、図26(B)に収縮した場合を示している。膨張した場合には、図26(A)に示すように、ロッドパッキン119が外側に拡径し、ロッドパッキン119と軸102aとの間に間隙gが形成されて、この間隙gから流体の漏洩が生じるおそれがある。また、収縮した場合には図26(B)に示すように、外側切断部119aと内側切断部119bとのいずれの切断部も拡開することになって、これらの切断部119a、119bが大きく拡開してしまい、この拡開部から漏洩してしまうおそれがある。前述した舶用の低速ディーゼル機関に用いられる高圧LNG液ポンプでは、当該船舶が熱帯域や寒帯域を航行することから、周辺温度の差が大きくなり、ロッドパッキンの膨張量と収縮量との差が大きくなって高圧流体の漏洩を十分に防止できないおそれがある。
そこで、この発明は、摩耗によって変形した場合や、温度の変化によって膨張した場合と収縮した場合のいずれの場合であってもシリンダの外部に流体が漏洩することを極力防止したロッドパッキンを提供することを目的としている。
上述の目的を達成するための技術的手段として、この発明に係るロッドパッキンは、金属製の軸の軸封部にパッキンケースに収容されて配される樹脂製円環状のロッドパッキンにおいて、円環状を形成する円環部材の軸方向の一面側に、内周面側から適宜位置まで径方向に沿った適宜な深さの内側切込溝と、外周面側から適宜位置まで径方向に沿った適宜な深さの外側切込溝を、それぞれ周方向に複数個ずつ設け、円環部材の軸方向の他面側に内周側から外周側にかけて径方向に沿った適宜な深さの内外切込溝を複数個設けたことを特徴としている。
また、内側切込溝の一対と外側切込溝の一対とを交互に配し、内外切込溝を、一対の内側切込溝と一対の外側切込溝との間に配することが好ましい。
また、内外切込溝高圧側臨ませて配することが好ましい。
また、外周面に周方向に沿って付勢手段保持溝を形成し、付勢手段保持溝に、内周面を軸に押圧する方向に付勢する付勢手段を配しても構わない。
また、この発明に係るロッドパッキンは、金属製の軸の軸封部にパッキンケースに収容されて配される樹脂製円環状のロッドパッキンにおいて、円環状を形成する円環部材を内側円環と該内側円環に嵌合させた外側円環とにより形成してあり、内側円環に内周面から外周面に掛けて径方向に沿って適宜深さまで切り込まれた内側円環切込溝を周方向に複数個形成し、外側円環に内周面から外周面に掛けて径方向に沿って適宜深さまで切り込まれた外側円環切込溝を周方向に複数個形成し、内側円環と外側円環との相対位置のずれを防止する回り止め手段を備えていることを特徴としている。
また、内側円環切込溝を該内側円環の軸方向の両面に形成し、外側円環切込溝を該外側円環の軸方向の両面に形成してあることが好ましい。
また、内側円環切込溝の軸方向の一面側と他面側とを内側の一対とし、外側円環切込溝の軸方向の一面側と他面側とを外側の一対とし、内側の一対と外側の一対とのそれぞれが周方向に等しい間隔で配されていると共に、内側の一対と外側の一対との組み合わせも周方向に等しい間隔で配されていることが好ましい。
また、隣接している内側の一対の内側円環切込溝を、径方向を対称軸として線対称の関係で形成し、隣接している外側の一対の外側円環切込溝を、径方向を対称軸として線対称の関係で形成してあることが好ましい。
また、外側円環の外周面に周方向に沿って付勢手段保持溝を形成し、付勢手段保持溝に外側円環を内側円環に押圧する方向に付勢する付勢手段を配しても構わない。
また、この発明に係るロッドパッキンは、金属製の軸の軸封部にパッキンケースに収容されて配される樹脂製円環状のロッドパッキンにおいて、円環状を形成する円環部材を、軸方向で分割された高圧側円環と低圧側円環とで構成された内側円環と、該内側円環に嵌合する外側円環とにより形成し、高圧側円環と低圧側円環とを軸方向で密着させた内側円環に、外側円環を嵌合させ、内側円環と外側円環との相対位置のずれを防止する回り止め手段を備えていることを特徴としている。
また、内側円環の高圧側円環と低圧側円環の外側縁部に内環縮径部を形成し、外側円環の内周面の縁部に内環縮径部に合致する外環縮径部を形成し、内環縮径部に外環縮径部を嵌合させるようにしてもよい。
また、外側円環の外周面に周方向に沿って付勢手段保持溝を形成し、付勢手段保持溝に外側円環を内側円環に押圧する方向に付勢する付勢手段を配することができる。
また、この発明に係るロッドパッキンは、金属製の軸の軸封部にパッキンケースに収容されて配される樹脂製円環状のロッドパッキンにおいて、等しい形状の高圧側円環と低圧側円環とを軸方向で密着させて円環状の円環部材を形成し、高圧側円環と低圧側円環との相対位置のずれを防止する回り止め手段を備えていることを特徴としている。
また、円環には、該円環の主体部の外周面よりも拡径した位置に外周面がある中実扇形部と切欠扇形部を対向した位置に形成し、中実扇形部の内周面は主体部の内周面と一致し、切欠扇形部の内周面には、主体部の外周面を延長して切り込まれて形成された切断部で内側摺動部と外側摺動部に分離し、内側摺動部の先端面が臨む位置に内側切欠部を形成してあることが好ましい。
また、高圧側円環と低圧側円環とは等しい形状に形成することができる。
また、高圧側円環と低圧側円環のそれぞれの外周面に、周方向に沿って付勢手段保持溝を形成し、付勢手段保持溝に高圧側円環と低圧側円環のそれぞれを軸に押圧する方向に付勢する付勢手段を配しても構わない。
また、この発明に係るロッドパッキンは、金属製の軸の軸封部にパッキンケースに収容されて配される樹脂製円環状のロッドパッキンにおいて、円環状を形成する円環部材を周方向に等しい形状の分割片により等分に分割し、分割片は、主体部と、主体部の一端側に形成した、内周側に周方向に突出した内周側突片と、主体部の他端側に形成した、外周側に周方向に突出した外周側突片とが一体成形され、内周側突片の外周面に周方向に伸長させた係合溝部を形成し、外周側突片の内周面に係合溝部に係合する係合突起部を形成し、係合溝部に係合突起部を係合させて、分割片を周方向組み合わせてあることを特徴としている。
また、内周側突片の先端部と本体部との間と、外周側突片の先端部と主体部との間に、緩衝用間隙が形成されていることが好ましい。
また、分割片の外周面に、周方向に沿って付勢手段保持溝を形成し、付勢手段保持溝に分割片のそれぞれを軸に押圧する方向に付勢する付勢手段を配しても構わない。
また、付勢手段は引張コイルバネとすることができる。
また、この発明に係るロッドパッキンは、ピストン・シリンダ機構における摺動自在なピストンロッドの軸封部に用いられるロッドパッキンであることを特徴としている。
そして、この発明に係るロッドパッキンは、高圧LNG液ポンプのピストン・シリンダ機構におけるピストンロッドの軸封部に用いられるロッドパッキンであることを特徴としている。
この発明に係るロッドパッキンによれば、内側切込溝と外側切込溝の幅員が拡大したり縮小したりすることでパッキンが周方向に伸縮でき、温度変化によって膨張と収縮が生じた場合や摩耗によって寸法が変化した場合であっても軸との接触を維持することができて、流体の漏洩を極力抑制できる。しかも、内側切込溝と外側切込溝とは軸方向では閉塞されているから、このロッドパッキンを介して流体の高圧側と低圧側とを連通させる通路は存しないので、流体の漏洩の防止をより確実に行える。
また、この発明に係るロッドパッキンをピストン・シリンダ機構のピストンロッドの軸封部に用いる場合には、このピストン・シリンダ機構の動作によって圧縮されて高圧となった流体がこの軸封部から漏洩することを極力防止できる。しかも、ピストンロッドが擦過して摩耗した場合でも、ピストンロッドとの接触状態が維持されるので、流体の漏洩をより確実に防止できる。
さらに、この発明に係るロッドパッキンを高圧LNG液ポンプのピストンロッドの軸封部に用いる場合には、温度変化による膨張と収縮によっても流体の漏洩が極力防止されることから、この高圧LNG液ポンプを舶用大型2サイクル低速ディーゼル機関に設備させることができる。これは、この船舶の航海中に熱帯域や寒帯域を航行して周囲の温度に変化があっても、ロッドパッキンとピストンロッドとの接触が維持されるから、高圧となったLNG液の漏洩が極力防止され、したがって、この船舶の航海を円滑に行うことができる。しかも、2サイクル低速ディーゼル機関の燃料に重油等が用いられる場合に比べてNOxやSOxの排出量が低減するから、環境面で有利な内燃機関とすることができる。
この発明の第1実施形態に係るロッドパッキンの平面図であり、低圧側となる面を表している。 図1に示すロッドパッキンの断面図であり、(A)は図1におけるA−A線に沿って、(B)は図1におけるB−B線に沿って、(C)は図1におけるC−C線に沿ってそれぞれ切断して、パッキンケースに収容させて軸に装着させた状態を示すと共に、それぞれの断面箇所における外周面を併記してある。 この発明の第2実施形態に係るロッドパッキンの平面図であり、高圧側となる面を表している。 図3に示すロッドパッキンの外側円環を示す図で、(A)は正面図、(B)は平面図である。 図3に示すロッドパッキンの内側円環を示す図で、(A)は正面図、(B)は平面図である。 図3に示すロッドパッキンの断面図であり、(A)は図3におけるA−A線に沿って、(B)は図3におけるB−B線に沿って、(C)は図3におけるC−C線に沿って、(D)は図3におけるD−D線に沿ってそれぞれ切断して、パッキンケースに収容させて軸に装着させた状態を示している。 図3に示すロッドパッキンの外側円環と内側円環との間の回り止め手段の一例を示す断面図であり、図3におけるE−E線断面図である。 この発明の第3実施形態に係るロッドパッキンの平面図である。 図8に示すロッドパッキンの断面図であり、図8におけるA−A線に沿って切断している。 図8に示すロッドパッキンを回り止め手段がない部分で軸を含む面で切断した拡大断面図である。 図9に示す断面図の一部を拡大して示す図である。 図8に示すロッドパッキンを同図上B−B線に沿って切断した断面図であり、パッキンケースに収容させて軸に装着させた状態を示している。 この発明に係る第4実施形態に係るロッドパッキンの平面図であり、円環部材を形成する等しい形状の二枚の円環を180°をずらして組み合わせることを示している。 図13に示すロッドパッキンについて端面を接触させて組み合わせた状態を示す断面図で、図13のA−A線に沿って切断している。 図13に示すロッドパッキンの回り止め手段の一例を示す一部を拡大して示す断面図である。 図14に示すように組み合わせたロッドパッキンを、パッキンケースに収容させて軸に装着した状態を示す断面図である。 この発明の第5実施形態に係るロッドパッキンの平面図である。 図17に示すロッドパッキンの断面図であり、(A)は図17におけるA−A線に沿って、(B)は図17におけるB−B線に沿って、(C)は図17におけるC−C線に沿って、それぞれ切断して示している。 図17に示すロッドパッキンを構成する分割片の組み合わせ構造を説明する斜視図である。 図17におけるロッドパッキンの中心で折曲させたC−A線に沿って切断して示すロッドパッキンを、パッキンケースに収容させて軸に装着させた状態を示している。 この発明に係るロッドパッキンを使用するのに好ましいピストン・シリンダ機構によるピストンポンプの概略の構造を説明する図であり、吸込行程にある状態を示している。 図21に示すピストンポンプの吐出行程にある状態を示している 従来のロッドパッキンの設置状態の一例を示す概略図である。 従来のロッドパッキンの一例の形状を説明する平面図である。 従来のロッドパッキンの別の例の形状を説明する平面図で、(A)は常温にあって摩耗前の状態を示し、(B)は摩耗後の状態を示している。 図24に示すロッドパッキンの問題点を説明する図であり、(A)は膨張時の状態を、(B)は収縮時の状態を示している。
以下、図示した好ましい実施の形態に基づいて、この発明に係るロッドパッキンを具体的に説明する。なお、図1と図2に第1実施形態を、図3から図7に第2実施形態を、図8から図12に第3実施形態を、図13から図16に第4実施形態を、図17から図20に第5実施形態をそれぞれ示している。また、この実施形態はピストン・シリンダ機構のピストンロッドの軸封部に設けられるのに適したロッドパッキンを示してあり、金属製のピストンロッドを円滑に摺動させることができ、ピストンロッドが擦過することにより摩耗量が小さい合成樹脂製とすることが好ましい。
(第1実施形態)
第1実施形態に係るロッドパッキン10を、図1と図2を参照して説明する。図1は、このロッドパッキン10が装着される図2に示す軸としてのピストンロッド12の軸方向で示す平面図である。このロッドパッキン10は円環状に形成された円環部材11で構成され、この円環部材11には一方の面に内側切込溝10aと外側切込溝10bとが形成され、他方の面には内外切込溝10cが形成されている。内側切込溝10aは、円環部材11の内周面から径方向に沿ってこの円環部材11の径方向の中央部よりも外周側の位置まで適宜な幅員と深さで切り込まれて形成されている。また、外側切込溝10bは、円環部材11の外周面から径方向に沿ってこの円環部材11の径方向の中央部よりも内周側の位置まで適宜な幅員と深さで切り込まれて形成されている。また、内外切込溝10cは、これら内側切込溝10aと外側切込溝10bとが形成された面と反対側の面に、内周側縁から外周側縁に至る適宜な幅員と深さで切り込まれて形成されている。
内側切込溝10aと外側切込溝10b、内外切込溝10cとのいずれも、円環部材11の周方向に複数個で設けられている。この実施形態では、隣接する一対の内側切込溝10aと隣接する一対の外側切込溝10bとが交互に配されており、内外切込溝10cが、一対の内側切込部10aで挟まれた位置と、一対の外側切込溝10bで挟まれた位置とに交互に配されている。
図2には、ロッドパッキン10をピストンロッド12の軸封部に装着した状態を示している。ロッドパッキン10は断面ほぼコ字形で円環状をし、該コ字形の開放部をピストンロッド12の外周面に臨ませて配されたパッキンケース13に収容されてピストンロッド12に装着される。図2に示すように、このロッドパッキン10を挟んで一方が高圧側Hであり、他方が低圧側Lとなる。流体は高圧側Hの圧力を受けて低圧側Lに流れようとして漏洩しようとする。そして、内外切込溝10cの開口側を高圧側Hに指向させて配する。これにより、内側切込溝10aと外側切込溝10bとの開口が低圧側Lを指向することになる。
このロッドパッキン10では、高圧側Hと低圧側Lの圧力差により低圧側Lの面がパッキンケース13のコ字形の低圧側Lの内側面に押圧されて、ロッドパッキン10がパッキンケース13に密着する。また、温度が変化した場合には、内側切込溝10aや内側切込溝10b、内外切込溝10cの幅員が変化することにより周方向の伸縮に対応する。これにより、温度変化があってもピストンロッド12との接触状態が維持される。また、ピストンロッド12の往復直線運動によって擦過することによりロッドパッキン10が摩耗した場合であっても、内側切込溝10aや外側切込溝10b、内外切込溝10cの幅員の変化により摩耗に応じて周方向の長さが変化して、ピストンロッド12との接触状態が維持される。
また、円環部材11の外周面に、該円環部材11の内周面がピストンロッド12の外周面に接触するよう付勢する付勢手段を設けても構わない(図示せず)。付勢手段を設けることによって摩耗した場合のロッドパッキン10であっても、より確実にピストンロッド12に接触している状態が維持される。また、この付勢手段としては引張コイルバネを用いることができる。また、この付勢手段を保持する付勢手段保持溝を、円環部材11の外周面に周方向に沿って設けることが好ましい。
(第2実施形態)
図3から図7までに第2実施形態に係るロッドパッキン20を示してある。この第2実施形態に係るロッドパッキン20の円環部材21は、外側円環22と内側円環23とを備えており、外側円環22が内側円環23に嵌合されて形成されている。また、図3におけるE−E線に沿って切断した断面である図7に示すように、外側円環22と内側円環23とにわたって回り止め手段としてのロックピン24が設けられて、これら外側円環22と内側円環23との相対位置がずれないようにしてある。
図4には外側円環22を示してあり、同図(A)は正面図、(B)は平面図である。外側円環22の軸方向の両面には内周側と外周側とを連通させる径方向に沿って、適宜な幅員と深さで切り込まれた外側円環切込溝としての切込溝22a、22bが形成されている。なお、これら切込溝22a、22bを、便宜上、表側切込溝22aと裏側切込溝22bと称する。図4(B)に示すように、表側切込溝22aと該表側切込溝22aの最も近くにある裏側切込溝22bとの間の中心角を、隣接する表側切込溝22a同士の中心角、または隣接する裏側切込溝22b同士の中心角のいずれの中心角よりも小さくしてある。また、図4(A)に示すように、表側切込溝22aと該表側切込溝22aに最も近い位置の裏側切込溝22bとの組が、これら表側切込溝22aと裏側切込溝22bの順序を反転させながら周方向にほぼ等間隔に設けられている。
図5に示すように、内側円環23の軸方向の両面にも、外側円環22と同様に、内周側と外周側とを連通させる径方向に沿って、適宜な幅員と深さで切り込まれた内側円環切込溝としての切込溝23a、23bが形成されている。なお、これら切込溝23a、23bを、便宜上、表側切込溝23aと裏側切込溝23bと称する。また、図5(B)に示すように、表側切込溝23aと該表側切込溝23aの最も近くにある裏側切込溝23bとの間の中心角を、隣接する表側切込溝23a同士の中心角、または隣接する裏側切込溝23b同士の中心角のいずれの中心角よりも小さくしてある。また、図5(B)に示すように、表側切込溝23aと該表側切込溝23aに最も近い位置の裏側切込溝23bとの組が、これら表側切込溝23aと裏側切込溝23bの順序を反転させながら周方向にほぼ等間隔に設けられている。
図6にこのロッドパッキン20を軸方向に摺動自在なピストンロッド25に装着した状態を示しており、同図(A)は図3におけるA−A線断面図、同図(B)は同じくB−B線断面図、同図(C)は同じくC−C線断面図、同図(D)は同じくD−D線断面図である。図3と図6に示すように、外側円環22に形成された切込溝22a、22bと内側円環23に形成された切込溝23a、23bとが連通した状態とならないようにこれら外側円環22と内側円環23との位置をずらして組み合わせ、ロックピン24はこれら外側円環22と内側円環23との位置ずれを防止する。
図6(A)、(B)に示すように、内側円環23の周方向で隣接する切込溝23a、23bのそれぞれは、高圧側Hと低圧側Lとを開放側が指向して配されている。なお、これら切込溝23a、23bに臨む位置には外側円環22の切込溝22a、22bが存しない部分が位置しており、これら切込溝23a、23bの外周側が外側円環22で閉塞されている。また、図6(C)、(D)に示すように、外側円環22の周方向で隣接する切込溝22a、22bのそれぞれは、高圧側Hと低圧側Lとを開放側が指向して配されている。なお、これら切込溝22a、22bが臨む位置には内側円環23の切込溝23a、23bが存しない部分が位置しており、これら切込溝22a、22bの内周側が内側円環22で閉塞されている。
内側円環23に外側円環22を嵌合させて組み合わせたロッドパッキン20は、図6に示すように、断面ほぼコ字形で円環状をし、該コ字形の開放部をピストンロッド25の外周面に臨ませて配されたパッキンケース26に収容されてピストンロッド25に装着される。
このロッドパッキン20は、高圧側Hと低圧側Lとの圧力差によりパッキンケース26の低圧側Lの内側面に押圧されて、ロッドパッキン20がパッキンケース26に密着する。また、温度が変化した場合には、切込溝22a、22b、23a、23bの幅員が変化することにより周方向の伸縮に対応する。これにより、温度変化があってもピストンロッド25との接触状態が維持される。また、ピストンロッド25の往復直線運動によって擦過することによりロッドパッキン20が摩耗した場合であっても、切込溝22a、22b、23a、23bに幅員の変化により摩耗に応じて周長が変化して、ピストンロッド25との接触状態が維持される。
また、外側円環22と内側円環23とに径方向で分割された構造としてあるため、第1実施形態に示す円環部材11のように径方向で分割されていないロッドパッキン10と比較すると、軸を含む面で切断した断面の断面二次モーメントが小さくなって、外側円環22と内側円環23とが径方向へ変形することが容易となり、小さな力でピストンロッド25との接触状態を維持できる。
また、外側円環22の外周面に、該外側円環22を内側円環23に押圧させるように付勢する図示しない付勢手段を設けても構わない。付勢手段を設けることによって押圧された内側円環23がピストンロッド25の外周面に押圧され、ロッドパッキ20の内側円環23が摩耗した場合であっても、より確実にピストンロッド25に接触している状態が維持される。また、この付勢手段としては引張コイルバネを用いることができる。なお、付勢手段を収容する付勢手段保持溝を外側円環22の外周面に周方向に沿って形成することも好ましい。
(第3実施形態)
この発明に係るロッドパッキンの第3実施形態を、図8から図12を参照して説明する。
このロッドパッキン30の円環部材31は、図9に示すように、内側円環32と外側円環33とが組み合わされて構成されている。また、内側円環32は2本の第1内円環32aと第2内円環32bとが軸方向に密着して構成されている。なお、これら第1内円環32aと第2内円環32bのいずれか一方が高圧側円環であり、他方が低圧側円環である。また、この実施形態では、図12に示すように、第1円環32aを高圧側円環としてある。第1内円環32aと第2内円環32bの外周面のそれぞれの軸方向の外側縁部には、内環縮径部32a1、32b1が軸方向に沿って適宜位置まで形成されている。外側円環33の内周面の軸方向の両縁部には内環縮径部32a1、32b1に嵌合する外環縮径部33a、33bが、縮径部32a1、32b1とほぼ等しい軸方向の長さで形成されている。
内側円環32の第1内円環32aと第2内円環32bのそれぞれには、適宜な中心角の大きさで第1切断部32a2と第2切断部32b2が形成されて、第1内円環32aと第2内円環32bのそれぞれはこれらの切断部32a2、32b2で周方向に分割されている。
外側円環33の一部には、図8に示すように適宜な中心角の大きさで切断部33cが形成されており、外側円環33が周方向に分割されている。外側円環33の外周面には、底部が半円形に形成された付勢手段保持溝33dが周方向に沿って形成されており、この付勢手段保持溝33dに付勢手段としての引張コイルバネ34が配されている。
内側円環32と外側円環33とは、図8と図9に示すように、それぞれに形成された第1切断部32a2と第2切断部32b2、切断部33cとが連通することのない位置関係で組み合わされている。この位置関係を維持させるため、図9と図11に示すように、外側円環33と第1内円環32aとを連係させる回り止め手段としてのロックピン35aが配され、外側円環と第2内円環32bとを連係させる回り止め手段としてのロックピン35bが配されている。
このロッドパッキン30は、第1内円環32aと第2内円環32bと外側円環33とを組み合わせて、図12に示すように、軸方向に摺動自在なピストンロッド36に装着される。このロッドパッキン30は第2内円環32bに形成された第2切断部32b2が低圧側Lを指向しており、第1切断部32a2が高圧側Hを指向している。また、このロッドパッキン30は、断面ほぼコ字形で円環状をし、該コ字形の開放部をピストンロッド36の外周面に臨ませて配されたパッキンケース37に収容されてピストンロッド36に装着される。
このロッドパッキン30では高圧側Hと低圧側Lとの圧力差により、パッキンケース37の低圧側Lの内側面に押圧されて、ロッドパッキン30がパッキンケース37に密着する。また、高圧側Hを指向して開口している第1切断部32a2は外周側が外側円環33により閉塞され、低圧側Lが第2内円環32bの軸方向の面によって閉塞されているから、高圧側Hと低圧側Lとは遮断されてシールされている。
また、温度が変化した場合には、第1切断部32a2と第2切断部32b2、切断部33cにより、第1内円環32aと第2内円環32b、外側円環33のそれぞれの周方向への伸縮によって対応する。このため、温度変化が生じた場合でも内側円環32の内周面とピストンロッド36との接触状態が維持される。また、ピストンロッド36の往復直線運動によって擦過することにより内側円環32の内周面が摩耗した場合であっても、第1切断部32a2と第2切断部32b2とがこれらの切断面同士を接近させながら第1内円環32aと第2内円環32bとが収縮するから、ピストンロッド36との接触状態が維持される。また、これら第1内円環32aと第2内円環32bの収縮に追随して外側円環33が切断部33cを臨む切断面同士を接近させながら収縮して、内側円環32との連係状態を維持する。
また、引張コイルバネ34の復元力を受けて切断部33cの切断面同士が接近するよう外側円環33が収縮して縮径しようとし、このため、内側円環32は、第1切断部32a2と第2切断部32b2とのそれぞれが切断面同士を接近させようと付勢される。このため、周方向に収縮しようとして、縮径しようとするから、ピストンロッド36の外周面に接触している状態が維持される。
しかも、このロッドパッキン30の円環部材31は、内側円環32と外側円環33とに径方向で分割された構造としてあるため、径方向で分割されていない構造と比べると、軸を含む面で切断した断面の断面二次モーメントが小さくなって、内側円環32と外側円環33とが径方向へ変形することが容易となり、小さな力でピストンロッド36との接触状態を維持できる。
(第4実施形態)
この発明に係るロッドパッキンの第4実施形態を、図13から図16を参照して説明する。
この第4実施形態に係るロッドパッキン40は、図14に示すように、高圧側円環40aと低圧側円環40bとを軸方向で密着させて構成されている。これらの高圧側円環40aと低圧側円環40bは、図13に示すように、等しい形状に形成されており、いずれの側の円環としても用いることができる。
図13には高圧側円環40aと低圧側円環40bを並べて示してあるが、これらは等しい形状であり、使用する際には、ほぼ180°をずらせて密着させることになり、すなわち、2個の円環40a、40bを図13に示してある位置関係で重ねて密着させることになる。また、高圧側円環40aと低圧側円環40bの区別は便宜上のものであり、以下のこれらの円環40a、40bの形状・構造の説明は、いずれも同一の符号を用いて行う。
円環40a、40bは環状の主体部41の外周の一部であって対向した位置に中実扇形部42と切欠扇形部43とが形成されている。これら扇形部42、43は主体部41の外周面41aよりも拡径された位置に外周面42a、43aが配されている。中実扇形部42は主体部41の内周面41bと一致する位置に内周面42bがあり、適宜な中心角をなす径方向の一対の側面42c、42dで周方向の長さが制限されている。
切欠扇形部43は中実扇形部42とほぼ等しい外周面43aと側面43b、43cとを備えている。一方の側面43cから周方向へ適宜な長さで、主体部41の外周面41aを延長する状態に切り込まれて切断部43dが形成されている。この切断部43dで主体部41に連続した内側摺動部41cと切欠扇形部43の一部で形成された外側摺動部43eとに分離されている。内側摺動部41cの端面41dと主体部41の内周面41bに連なる端面41eとの間には内側切欠部44が形成される。この内側切欠部44は、内側摺動部41cの先端部を端面41dまで切除して形成してあり、このため、例えば、端面41dと端面41eとを重ねると、主体部41が扁平した状態となってしまう。
円環40a、40bの外周面には底部が半円形に形成された付勢手段保持溝45を周方向に沿って形成することもできる。この付勢手段保持溝45に、図16に示すように、付勢手段としての引張コイルバネ46が配される。また、これら円環40a、40bの相対位置にずれが生じないように、図15に示すように、回り止め手段としてロックピン40cが適宜位置に配されている。
高圧側円環40aと低圧側円環40bとは、図13に示す位置の関係で、すなわち、ほぼ180°反転させて重畳させる。この状態で、図16に示すように、ピストンロッド47に装着される。このロッドパッキン40は、断面ほぼコ字形で円環状をし、該コ字形の開放部をピストンロッド47の外周面に臨ませて配されたパッキンケース48に収容されてピストンロッド47に装着される。
このロッドパッキン40では高圧側Hと低圧側Lの圧力差により、パッキンケース48の低圧側Lの内側面に押圧されて、ロッドパッキン40がパッキンケース48に密着する。また、高圧側円環40aと低圧側円環40bとを重畳させた状態で、中実扇形部42と切欠扇形部43とが重畳することにより、内側切欠部44は中実扇形部42により閉塞されて、このロッドパッキン40を介して流体の高圧側Hと低圧側Lとを連通させる通路は存せず、遮断されてシールされる。
また、温度が変化した場合やピストンロッド47の往復直線運動によって擦過して摩耗した場合には、内側摺動部41cと外側摺動部43eとが相対的に周方向に移動することにより、温度変化や摩耗による周方向長さの変化が吸収されてロットパッキン40とピストンロッド47との接触状態が維持される。
特に、引張コイルバネ46を設けた構造の場合には、摩耗によりロッドパッキン40の内周面とピストンロッド47の外周面とに間隙が形成されようとした際に、この引張コイルバネ46の復元力を受けて扇形部42、43が押圧され、摩耗量に相当する分を内側摺動部41cが外側摺動部43eに対して移動して、ロッドパッキン40とピストンロッド47との接触状態が維持される。このとき、主体部41に対して扇形部42、43を拡径した形状としてあるから、主体部41の径方向の長さが扇形部42、43の径方向の長さに比べて小さく、主体部41を、軸を含む面で切断した断面の断面二次モーメントが小さくなって、円環40a、40bの径方向への変形が容易となり、小さな力でピストンロッド47との接触状態を維持できる。
この実施形態に係るロッドパッキン40では、高圧側円環40aと低圧側円環40bとの2個の円環40a、40bを軸方向に密着させた構造であるから、径方向に分割されているロッドパッキンに比べて組み立て作業が簡便となり、取り扱いが容易となる。また、高圧側円環40aと低圧側円環40bとは等しい形状と構造であるから成形加工を容易に行える。
(第5実施形態)
この発明に係るロッドパッキンの第5実施形態を、図17から図20を参照して説明する。
この第5実施形態に係るロッドパッキン50は、図17に示すように、周方向に複数個に分割された等しい形状・構造の分割片51を連結させた構造とされている。なお、この実施形態では周方向に六等分に分割した場合を示してあるが、分割数は六等分に拘わらない。
分割片51は主体部51aと内周側突片51b、外周側突片51cとが一体となって構成されている。図19に分割片51を連結させる連結部の構造を示してある。主体部51aの径方向の端面は、それぞれこのロッドパッキン50の内周面と外周面とを形成する。この主体部51aの周方向の一端部の内周側には、内周側突片51bが周方向に突出して設けられている。また、他端部の外周側には、外周側突片51cが周方向に突出して設けられている。この外周側突片51cの内周側の面であって軸方向の中央部には、凸状の係合突起部52aが形成されている。一方、内周側突片51bの外周側の面であって軸方向の中央部には、係合突起部52aと係合する凹状の係合溝部52bが形成されている。また、主体部51aと外周側突片51cのそれぞれの外周面には、底部が半円形に形成された付勢手段保持溝53が周方向に沿って形成されている。この付勢手段保持溝53に付勢手段としての引張コイルバネ54が配されている。
そして、図17に示すように、内周側突片51bの係合溝部52bに外周側突片51cの係合突起部52aを係合させて分割片51同士を接続させる。これにより、これら分割片51によって環状となったロッドパッキン50が組み立てられる。環状に組み立てられた状態で、内周側突片51bの先端面とこの先端面が臨んでいる隣接した分割片51の主体部51aとの間と、外周側突片51cの先端面とこの先端面が臨んでいる隣接した分割片51の主体部51aとの間には、図17に示すように、適宜な緩衝用間隙Gが形成されるようにすることが好ましい。このロッドパッキン50の付勢手段保持溝53に引張コイルバネ54を収容させてロッドパッキン50の外周面に巻回させる。
分割片51が接続されて組み立てられたロッドパッキン50は、図20に示すように、ピストンロッド55に装着される。このロッドパッキン50は、断面ほぼコ字形で円環状をし、該コ字形の開放部をピストンロッド55に臨ませて配されたパッキンケース56に収容されてピストンロッド55に装着される。
このロッドパッキン50では高圧側Hと低圧側Lの圧力差により、パッキンケース56の低圧側Lの内側面に押圧されて、ロッドパッキン50がパッキンケース56に密着する。これにより、降圧側Hと低圧側Lが遮断されてシールされる。
また、温度が変化した場合には、係合突起部52aと係合溝部52bとが互いに摺動してその係合位置が変化し、緩衝用間隙Gの距離が変化して、ロッドパッキン50の周方向の長さの変化が吸収される。このロッドパッキン50の伸縮に応じたロッドパッキン50の外径の変化には、引張コイルバネ54が伸縮することで対応すると共に、その復元力がロッドパッキン50をピストンロッド55に押圧する方向に作用する。このため、ロッドパッキン50とピストンロッド55との接触状態が維持される。
また、ピストンロッド55の往復直線運動によって擦過して摩耗した場合には、引張コイルバネ54の復元力がロッドパッキン50を縮径させる方向に付勢されていることにより、係合突起部52aと係合溝部52bとの係合域が大きくなる方向にこれらが互いに摺動するから、ロッドパッキン50の縮径がなされてピストロッド55との接触状態が維持される。
この第5実施形態に係るロッドパッキン50を構成する分割片51は、全て等しい形状で形成することができるので、ロッドパッキン50の製作加工が簡便となる。また、この実施形態ではロッドパッキン50を六分割した構造について説明したが、分割数は六つに限らない。分割数を多くすることにより、それぞれの分割片がピストンロッド55に接触する面積を小さくできるので、流体の漏洩を抑制しやすくなる。
以上に説明したいずれの実施形態においても、パッキンケースに単一のロッドパッキンを収容させた構造を示して説明したが、パッキンケースに複数個のロッドパッキンを収容しても構わない。また、複数個のロッドパッキンをパッキンケースに収容させる場合には、パッキンケースを軸方向に伸張させる。さらに、収容される複数個のロッドパッキンは、以上に説明した第1実施形態から第5実施形態に係るロッドパッキンを適宜に組み合わせることもできる。
また、以上の実施形態では、摺動軸であるピストンロッドの軸封部に利用するものとして説明したが、摺動軸に限らず回転軸に利用することもできる。
この発明に係るロッドパッキンによれば、摩耗した場合であっても、温度変化によって伸縮した場合であっても、軸との接触状態が極力維持されるため、温度変化の大きい状況で使用される高圧LNG液ポンプでの使用を促進でき、この高圧LNG液ポンプが使用される舶用大型2サイクル低速ディーゼル機関の燃料にLNGを使用することにより環境保全の一翼を担うことが出来る。
10 ロッドパッキン
10a 内側切込溝
10b 外側切込部
10c 内外切込部
11 円環部材
12 ピストンロッド(軸)
13 パッキンケース
20 ロッドパッキン
21 円環部材
22 外側円環
22a 表側切込溝
22b 裏側切込溝
23 内側円環
23a 表側切込溝
23b 裏側切込溝
24 ロックピン(回り止め手段)
25 ピストンロッド(軸)
26 パッキンケース
30 ロッドパッキン
31 円環部材
32 内側円環
32a 第1内円環
32a1 縮径部
32a2 第1切断部
32b 第2内円環
32b1 縮径部
32b2 第2切断部
33 外側円環
33a 切断部
33b 付勢手段保持溝
34 引張コイルバネ(付勢手段)
35a ロックピン(回り止め手段)
35b ロックピン(回り止め手段)
36 ピストンロッド
37 パッキンケース
40 ロッドパッキン
40a 高圧側円環
40b 低圧側円環
41 主体部
41a 外周面
41b 内周面
41c 内側摺動部
41d 端面
41e 端面
42 中実扇形部
42a 外周面
42b 内周面
42c 側面
42d 側面
43 切欠扇形部
43a 外周面
43b 側面
43c 側面
43d 切断部
43e 外側摺動部
44 内側切欠部
45 付勢手段保持溝
46 引張コイルバネ(付勢手段)
47 ピストンロッド(軸)
48 パッキンケース
50 ロッドパッキン
51 分割片
51a 主体部
51b 内周側突片
51c 外周側突片
52a 係合突起部
52b 係合溝部
53 付勢手段保持溝
54 引張コイルバネ(付勢手段)
55 ピストンロッド
56 パッキンケース
G 間隙
H 高圧側
L 低圧側

Claims (22)

  1. 金属製の軸の軸封部にパッキンケースに収容されて配される樹脂製円環状のロッドパッキンにおいて、
    前記円環状を形成する円環部材の軸方向の一面側に、内周面側から適宜位置まで径方向に沿った適宜な深さの内側切込溝と、外周面側から適宜位置まで径方向に沿った適宜な深さの外側切込溝を、それぞれ周方向に複数個ずつ設け、
    前記円環部材の軸方向の他面側に内周側から外周側にかけて径方向に沿った適宜な深さの内外切込溝を複数個設けたことを特徴とするロッドパッキン。
  2. 前記内側切込溝の一対と前記外側切込溝の一対とを交互に配し、前記内外切込溝を、一対の内側切込溝と一対の外側切込溝との間に配したことを特徴とする請求項1に記載のロッドパッキン。
  3. 前記内外切込溝高圧側臨ませて配することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロッドパッキン。
  4. 外周面に周方向に沿って付勢手段保持溝を形成し、
    前記付勢手段保持溝に、内周面を軸に押圧する方向に付勢する付勢手段を配してあることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載のロッドパッキン。
  5. 金属製の軸の軸封部にパッキンケースに収容されて配される樹脂製円環状のロッドパッキンにおいて、
    前記円環状を形成する円環部材を内側円環と該内側円環に嵌合させた外側円環とにより形成してあり、
    前記内側円環に内周面から外周面に掛けて径方向に沿って適宜深さまで切り込まれた内側円環切込溝を周方向に複数個形成し、
    前記外側円環に内周面から外周面に掛けて径方向に沿って適宜深さまで切り込まれた外側円環切込溝を周方向に複数個形成し、
    前記内側円環と外側円環との相対位置のずれを防止する回り止め手段を備えていることを特徴とするロッドパッキン。
  6. 前記内側円環切込溝を該内側円環の軸方向の両面に形成し、
    前記外側円環切込溝を該外側円環の軸方向の両面に形成してあることを特徴とする請求項5に記載のロッドパッキン。
  7. 前記内側円環切込溝の軸方向の一面側と他面側とを内側の一対とし、
    前記外側円環切込溝の軸方向の一面側と他面側とを外側の一対とし、
    前記内側の一対と外側の一対とのそれぞれが周方向に等しい間隔で配されていると共に、内側の一対と外側の一対との組み合わせも周方向に等しい間隔で配されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のロッドパッキン。
  8. 隣接している前記内側の一対の内側円環切込溝を、径方向を対称軸として線対称の関係で形成し、
    隣接している前記外側の一対の外側円環切込溝を、径方向を対称軸として線対称の関係で形成してあることを特徴とする請求項5から請求項7までのいずれかに記載のロッドパッキン。
  9. 前記外側円環の外周面に周方向に沿って付勢手段保持溝を形成し、
    前記付勢手段保持溝に外側円環を内側円環に押圧する方向に付勢する付勢手段を配してあることを特徴とする請求項5から請求項8までのいずれかに記載のロッドパッキン。
  10. 金属製の軸の軸封部にパッキンケースに収容されて配される樹脂製円環状のロッドパッキンにおいて、
    前記円環状を形成する円環部材を、軸方向で分割された高圧側円環と低圧側円環とで構成された内側円環と、該内側円環に嵌合する外側円環とにより形成し、
    前記高圧側円環と低圧側円環とを軸方向で密着させた内側円環に、前記外側円環を嵌合させ、
    前記内側円環と外側円環との相対位置のずれを防止する回り止め手段を備えていることを特徴とするロッドパッキン。
  11. 前記内側円環の高圧側円環と低圧側円環の外側縁部に内環縮径部を形成し、
    前記外側円環の内周面の縁部に前記内環縮径部に合致する外環縮径部を形成し、
    前記内環縮径部に外環縮径部を嵌合させてあることを特徴とする請求項10に記載のロッドパッキン。
  12. 前記外側円環の外周面に周方向に沿って付勢手段保持溝を形成し、
    前記付勢手段保持溝に外側円環を内側円環に押圧する方向に付勢する付勢手段を配してあることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のロッドパッキン。
  13. 金属製の軸の軸封部にパッキンケースに収容されて配される樹脂製円環状のロッドパッキンにおいて、
    等しい形状の高圧側円環と低圧側円環との円環を軸方向で密着させて前記円環状に形成し、
    前記高圧側円環と低圧側円環との相対位置のずれを防止する回り止め手段を備えていることを特徴とするロッドパッキン。
  14. 円環には、該円環の主体部の外周面よりも拡径した位置に外周面がある中実扇形部と切欠扇形部を対向した位置に形成し、
    中実扇形部の内周面は主体部の内周面と一致し、
    切欠扇形部の内周面には、主体部の外周面を延長して切り込まれて形成された切断部で内側摺動部と外側摺動部に分離し、
    内側摺動部の先端面が臨む位置に内側切欠部を形成してあることを特徴とする請求項13に記載のロッドパッキン。
  15. 前記高圧側円環と低圧側円環とは等しい形状に形成してあることを特徴とする請求項13または請求項14に記載のロッドパッキン。
  16. 前記高圧側円環と低圧側円環のそれぞれの外周面に、周方向に沿って付勢手段保持溝を形成し、
    前記付勢手段保持溝に高圧側円環と低圧側円環のそれぞれを軸に押圧する方向に付勢する付勢手段を配してあることを特徴とする請求項13から請求項15までのいずれかに記載のロッドパッキン。
  17. 金属製の軸の軸封部にパッキンケースに収容されて配される樹脂製円環状のロッドパッキンにおいて、
    前記円環状を形成する円環部材を周方向に等しい形状の分割片により等分に分割し、
    前記分割片は、
    主体部と、前記主体部の一端側に形成した、内周側に周方向に突出した内周側突片と、前記主体部の他端側に形成した、外周側に周方向に突出した外周側突片とが一体成形され、
    前記内周側突片の外周面に周方向に伸長させた係合溝部を形成し、
    前記外周側突片の内周面に前記係合溝部に係合する係合突起部を形成し、
    前記係合溝部に前記係合突起部を係合させて、前記分割片を周方向組み合わせてあることを特徴とするロッドパッキン。
  18. 前記内周側突片の先端部と前記主体部との間と、前記外周側突片の先端部と前記本体部との間に、緩衝用間隙が形成されていることを特徴とする請求項17に記載のロッドパッキン。
  19. 前記分割片の外周面に、周方向に沿って付勢手段保持溝を形成し、
    前記付勢手段保持溝に分割片のそれぞれを軸に押圧する方向に付勢する付勢手段を配してあることを特徴とする請求項17または請求項18に記載のロッドパッキン。
  20. 前記付勢手段が引張コイルバネであることを特徴とする請求項4と請求項9と請求項12と請求項16と請求項19とのいずれかに記載のロッドパッキン。
  21. 請求項1から請求項20のいずれかに記載のロッドパッキンは、ピストン・シリンダ機構における摺動自在なピストンロッドの軸封部に用いられることを特徴とするロッドパッキン。
  22. 請求項21に記載のロッドパッキンは、高圧LNG液ポンプのピストン・シリンダ機構におけるピストンロッドの軸封部に用いられることを特徴とするロッドパッキン。
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