JP6518350B2 - 電動ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、電動ポンプに関する。
インペラをモータにより回転させる電動ポンプが知られている。このような電動ポンプでは、モータを収納するモータ収納部に対して、モータの回転軸心の方向の一方側にインペラを収納するインペラ収納部が位置し、インペラ収納部よりも更に一方側にインペラに流体を導入する導入管部が位置し、モータ収納部の他方側にモータのコイルに電気的に接続されたプリント基板が配置される(例えば特許文献1及び2を参照)。
特開2016−3580号公報 特開2016−23635号公報
しかしながら上記の位置にプリント基板を配置すると、モータの回転軸心方向での電動ポンプの大きさが大型化する可能性がある。また、プリント基板にはモータのコイルが電気的に接続されており、またプリント基板はコイルの近くに配置されているため、プリント基板やプリント基板に実装されている電子部品が高温化する可能性がある。
そこで本発明は、モータの回転軸心の方向での大型化を抑制しつつ、プリント基板及びプリント基板に実装されている電子部品の高温化を抑制する電動ポンプを提供することを目的とする。
上記目的は、モータと、インペラと、モータ収納部と、インペラ収納部と、導入管部と、排出管部と、プリント基板と、電子部品と、を備え、前記電子部品は、前記プリント基板の前記モータ収納部側の面に実装された第1及び第2電子部品を含み、前記第2電子部品は、前記第1電子部品よりも背が高く、前記インペラ収納部は、前記インペラより一方側に位置した上壁部、前記上壁部よりも回転軸心の径方向の外側に位置した周壁部、を含み、前記第1電子部品は、前記上壁部に対向し、前記第2電子部品は、前記周壁部よりも前記回転軸心の径方向の外側に位置している、電動ポンプによって達成できる。
上記目的は、モータと、前記モータにより回転するインペラと、前記モータを収納したモータ収納部と、前記インペラを収納し、前記モータ収納部よりも前記モータの回転軸心の一方側に位置したインペラ収納部と、前記インペラ収納部内に流体を導入し、前記モータ収納部よりも前記一方側に位置した導入管部と、前記インペラ収納部から前記流体を排出する排出管部と、前記モータのコイルに電気的に接続され、前記モータ収納部よりも前記一方側に位置したプリント基板と、前記プリント基板に実装された電子部品と、を備え、前記電子部品は、前記プリント基板の前記モータ収納部側の面に実装され、前記回転軸心の方向から見て、前記インペラ収納部と前記導入管部との間、及び前記インペラ収納部と排出管部の間、の少なくとも一方に位置する、電動ポンプによっても達成できる。
上記目的は、モータと、前記モータにより回転するインペラと、前記モータを収納したモータ収納部と、前記インペラを収納し、前記モータ収納部よりも前記モータの回転軸心の一方側に位置したインペラ収納部と、前記インペラ収納部内に流体を導入し、前記モータ収納部よりも前記一方側に位置した導入管部と、前記インペラ収納部から前記流体を排出する排出管部と、前記モータのコイルに電気的に接続され、前記モータ収納部よりも前記一方側に位置したプリント基板と、前記プリント基板に実装された電子部品と、を備え、前記インペラ収納部は、前記インペラより前記一方側に位置した上壁部、前記インペラよりも前記回転軸心の径方向の外側に位置した周壁部、を含み、前記回転軸心の方向から見て、前記排出管部と前記周壁部とが接続した巻始位置から何れかの周方向に従って前記回転軸心からの径が徐々に増大するように渦巻状に形成されており、前記電子部品は、前記周壁部に対向し、前記回転軸心の方向から見て、前記巻始位置から前記周方向に60度の角度範囲内に位置している、電動ポンプによっても達成できる。
本発明によれば、モータの回転軸心の方向での大型化を抑制しつつプリント基板及びプリント基板に実装されている電子部品の高温化を抑制する電動ポンプを提供できる。
図1Aは、電動ポンプの上面図、図1Bは、電動ポンプの側面図である。 図2は、図1AのA−A断面図である。 図3Aは、ケースの上面図であり、図3Bは、図3AのB−B断面図である。 図4Aは、プリント基板の底面図であり、図4Bは、プリント基板の側面図である。 図5Aは、変形例であるケースの上面図、図5Bは、図5AのC−C断面図である。 図6は、プリント基板を取り外した状態での変形例であるケースの上面図である。 図7は、他の変形例である電動ポンプの上面図である。 図8は、図7のB−B断面図である。
図1Aは、電動ポンプ1の上面図、図1Bは、電動ポンプ1の側面図、図2は、図1AのA−A断面図である。電動ポンプ1は、互いに固定されたケース10及び20を備える。ケース20には、モータMを収納するモータ収納部RHが形成されている。モータMは、ロータR、鉄心30、鉄心30に巻回された複数のコイル34を含む。モータ収納部RHは、ロータRを回転可能に収納するロータ室RCを画定する。ロータRは、詳しくは後述するがインペラ部48を含み、インペラ部48はケース10のインペラ収納部IHが画定するインペラ室IC内に収納されている。また、コイル34に導通ピン39を介してプリント基板60が電気的に接続されており、プリント基板60は、ケース10側に配置されている。プリント基板60には、コイル34の通電状態を制御してモータMの駆動を制御する駆動回路が実装されている。また、ケース10には、流体をインペラ収納部IH内に導入する導入管部11、流体をインペラ収納部IHから排出する排出管部12が形成されている。ここで、流体は具体的には液体であるが、気体であってもよい。ケース10は、アルミや黄銅等の金属製であってもよいし、熱伝導性の良い合成樹脂製であってもよい。
ケース20は、断面視で略凹状であり、ロータRの外周を包囲するように略筒状の周壁部25と、ロータRを回転可能に支持し略板状の底壁部27とを含み、例えば合成樹脂製である。周壁部25及び底壁部27は、モータ収納部RHを画定する。ケース20は、鉄心30、ロータRを回転可能に支持する軸部材40、軸部材40の端部42に固定された鍔部材50と共にインサート成型されている。周壁部25には、鉄心30、コイル34、導通ピン39の一部が埋設されている。底壁部27に、軸部材40の端部42、鍔部材50が埋設されている。
ロータRは、上述した軸部材40周りに嵌合した軸受Bを介して回転可能に支持された保持部材47、保持部材47の基端側で保持されケース20の周壁部25と対向する複数の永久磁石46、を含む。保持部材47の先端側には、導入管部11から流体を吸入し排出管部12から排出するインペラ部48が形成されている。インペラ部48は、軸部材40の端部41側に位置する。コイル34に電流が流れることにより、鉄心30が所定の極性に励磁され、鉄心30と永久磁石46との間に作用する磁力によってロータRが回転し、インペラ部48が回転する。尚、本明細書では、モータMの回転軸心の方向を軸心方向D1と称し、軸心方向D1に直交するモータMの径方向を径方向D2と称する。
尚、ケース20には周壁部25から径方向D2の外側に略C字状の固定部29が突出している。固定部29は、電動ポンプ1を他の部材に固定するための機能を有している。
図2に示すように、ケース10は、ケース20よりも軸心方向D1の一方側、詳細には、インペラ部48が位置している側でケース20に固定されている。ケース10は、導入管部11、上壁部13、周壁部15、固定壁部17、及び包囲壁部18が一体に形成されている。導入管部11は、軸心方向D1でケース20側に延在している。尚、排出管部12も、導入管部11と隣接しており、ケース20に対して同じ一方側に位置している。上壁部13は、導入管部11から湾曲しながら径方向D2の外側に延在している。周壁部15は、上壁部13から軸心方向D1のケース20側に延在している。上壁部13及び周壁部15は、インペラ収納部IHを画定する。固定壁部17は、周壁部15から径方向D2の外側に延在しケース20の上面23に固定されている。包囲壁部18は、周壁部15よりも径方向D2の外側に位置して固定壁部17から立ち上がっている。包囲壁部18は、図1Aに示すように略円形状であるが、部分的に径方向D2の外側に突出した突壁部181が形成されている。
上壁部13は、インペラ部48の形状に対応するように、径方向D2の外側に従って、拡径するように湾曲しており、インペラ部48と軸心方向D1で対向している。周壁部15は、インペラ部48の径方向D2の外側に位置している。インペラ室ICは、詳細には、ケース10のインペラ収納部IHとケース20の上面23とにより画定されている。
プリント基板60の中央部には、導入管部11を逃がした切欠部63が形成されている。また、プリント基板60は、上壁部13、周壁部15、固定壁部17、及び包囲壁部18により画定される基板室PC内に、インペラ収納部IHと対向するように配置されている。プリント基板60は、モータ収納部RH側の面61と、面61とは反対側の面62とを有し、電子部品E1等のプリント基板60に実装されている電子部品であって、背が高い又は放熱が必要な電子部品の多くが面61側に実装されている。
また、導通ピン39の一部分は、包囲壁部18に包囲される基板室PC内にまで延びてプリント基板60に接続されている。また、基板室PC内には、プリント基板60、後述する電子部品E1〜E3及び導通ピン39等と共に、ポッティング樹脂PRが充填されて硬化しており、これによりこれら部品は封止されている。このため、これらの部品の防水性や防塵性、外部からの耐衝撃性が確保されている。また、基板室PC内でのプリント基板60のがたつきや、インペラ部48が液体を攪拌する際の騒音の増大も抑制される。
図2に示すようにプリント基板60は、ケース20の上面23から導入管部11の上端までの軸心方向D1での高さHの範囲内に配置され、詳細にはインペラ収納部IH及び導入管部11に対向してインペラ収納部IH近傍に配置されている。このため、軸心方向D1での電動ポンプ1の大型化が抑制されている。
また、インペラ室ICや導入管部11には流体が流れるため、プリント基板60や電子部品E1〜E3の熱をポッティング樹脂PRや上壁部13等を介して流体に逃がすことができ、プリント基板60及びプリント基板60に実装されており詳しくは後述する電子部品E1〜E3の高温化が抑制されている。また、プリント基板60には導入管部11を逃がす切欠部63が形成されているため、プリント基板60をできる限りインペラ収納部IH近傍に配置できる。これにより、プリント基板60及び電子部品E1〜E3の熱を、インペラ室ICを流れる流体に効率的に逃がすことができ、プリント基板60及び電子部品E1〜E3の高温化が更に抑制されている。
次にプリント基板60に関する構造について詳細に説明する。図3Aは、ケース10の上面図であり、図3Bは、図3AのB−B断面図である。図3A及び図3Bでは、プリント基板60を組み付ける前のケース10のみを示している。図3Aに示すように、インペラ収納部IHはモータMの回転軸心方向から見て、排出管部12と周壁部15とが接続した巻始位置151から時計方向に従ってモータMの回転軸心からの径が徐々に増大するように渦巻状に形成されているが、円形状であってもよい。排出管部12は、インペラ収納部IHから外側に延びており、包囲壁部18内から外部へと延びている。図4Aはプリント基板60の底面図であり、図4Bはプリント基板60の側面図である。プリント基板60の面61には、高さの異なる複数の電子部品E1〜E3が実装されている。電子部品E1〜E3は、モータMの駆動を実現するために設けられた電子部品であり、例えばトランジスタやコンデンサ、コイル等である。図4Bに示すように、電子部品E1〜E3のうち、電子部品E1が最も背が低く、電子部品E3が最も背が高い。電子部品E1及びE2は、インペラ収納部IHの上壁部13に軸心方向D1で対向し、電子部品E3は、インペラ収納部IHの周壁部15に径方向D2に対向する。また、プリント基板60は、略円形状の部分から径方向D2の外側に突出したコネクタ部69を有する。コネクタ部69には、導通ピン39の先端が接続される。
また、プリント基板60の外縁近傍には、3つの孔661〜663が形成されている。図3Aに示すように、包囲壁部18で包囲された部分には、軸心方向D1に延び、軸心周りに略等角度間隔に配置された3つの支持ピン161〜163が設けられている。孔661〜663にそれぞれ支持ピン161〜163が嵌合することにより、プリント基板60は支持ピン161〜163に支持される。支持ピン161は、排出管部12上に形成されている。支持ピン162は、インペラ収納部IH、具体的には、包囲壁部18と周壁部15との間に形成されている。支持ピン163は、包囲壁部18と周壁部15の間であるが、周壁部15から離れて包囲壁部18側に形成されている。支持ピン161及び162は、基板支持部の一例である。
また、上壁部13及び排出管部12の一部には、軸心方向D1の一方側に突出した、電子部品E1及びE2を支持するための複数の支持リブ13Eが設けられている。支持リブ13Eは、部品支持部の一例である。複数の支持リブ13Eは、略平行に並んだ形状であるがこのような形状に限定されない。例えば、支持リブ13Eは、円柱状や角柱状であってもよい。ここで、モータMの駆動を実現するために用いられる電子部品E1〜E3の温度は、一般的にインペラ室IC内を流れる流体の温度よりも高い。従って、支持リブ13Eは、インペラ室IC内を流れる流体によって電子部品E1及びE2の温度よりも低い温度に維持される。このため、電子部品E1及びE2を冷却でき、電子部品E1及びE2の高温化を抑制できる。尚、電子部品E1及びE2と支持リブ13Eとの間に、熱伝導性が良いシリコンや放熱シートを介在させてもよい。
また、プリント基板60をケース10に組み付ける際にも、支持ピン161〜163と共に支持リブ13Eによってもプリント基板60を安定して支持できるため、プリント基板60のケース10への組付作業や、その後の基板室PC内へのポッティング樹脂PRを充填する作業が容易となる。
図3Aには、電子部品E3が配置される位置を点線で示している。プリント基板60に実装された電子部品のうち最も背の高い電子部品E3は、周壁部15よりも径方向D2の外側に配置される。これにより、電子部品E3とインペラ収納部IHとの干渉を防止しつつ、デッドスペースを有効活用して、軸心方向D1での電動ポンプ1の大型化が抑制される。また、電子部品E3は、図3Aに示すように、巻始位置151から時計方向にα度、具体的には約60度の範囲内に位置している。換言すれば、電子部品E3は、軸心方向D1から見て、周壁部15と排出管部12との間に位置している。ここで、インペラ収納部IHの周壁部15は巻始位置151から時計方向に徐々に径が増大するが、上記の範囲内であれば比較的周壁部15の径は小さい。このように周壁部15の径が小さい領域の径方向D2の外側に背の高い電子部品E3が配置されるため、電動ポンプ1の径方向D2の大型化も抑制されている。また、電子部品E1及びE2のみならず電子部品E3も、プリント基板60の面61に実装されて、インペラ収納部IH近傍、具体的には、何れも冷媒が流れるインペラ収納部IHと排出管部12との間に配置されるため、電子部品E3は周辺から冷却されて高温化が抑制される。
また、導通ピン39は、図2に示すように、コイル34から径方向D2の外側に延びて途中で折れ曲がり、軸心方向D1にプリント基板60に向かって延びた略L字状である。また、導通ピン39の先端は、図3Aに示した突壁部181と固定壁部17との隙間Gを通過して、図4Aに示したコネクタ部69に接続されている。コネクタ部69は、隙間Gに重なって突壁部181に対応するように配置される。コネクタ部69は、インペラ収納部IHよりも径方向D2の外側に位置しており、導通ピン39も同様にインペラ収納部IHよりも径方向D2の外側に位置して延びている。このため、導通ピン39がインペラ収納部IHに干渉することなく、モータ収納部RHに対して同じ一方側に配置されたインペラ収納部IH及びプリント基板60の導通性を確保できる。また、コネクタ部69は、排出管部12及び電子部品E1〜E3から退避した位置に設けられているため、導通ピン39が排出管部12や電子部品E1〜E3と干渉せずに導通性が確保されている。
また、図3Aに示すように、隙間G、即ちコネクタ部69は、モータMの回転軸心周りに巻始位置151から時計方向にα度からβ度、具体的には約60度〜360度の範囲内に位置し、電子部品E3は、上述したように巻始位置151から時計方向に約60度の範囲内に位置している。これにより、導通ピン39と電子部品E3と干渉することなく、プリント基板60とコイル34との導通性を確保できる。尚、導通ピン39は、図2に示すように断面視で略L字状であるが、これに限定されない。また、導通ピン39の代わりに、導電性のコイルやその他の部材であってもよい。導通ピン39は、導通部材の一例である。
また、電動ポンプ1は、ケース10に対して、ロータR、ケース20、及びプリント基板60を、全て同じ側から組み付けることができる。このため、電動ポンプ1の組立作業性が向上している。
また、プリント基板60の外周縁は、基板室PCを画定する包囲壁部18により包囲されている。このため、基板室PC内にポッティング樹脂PRが充填される前においても、プリント基板60を直接触れることなく作業者はケース10や電動ポンプ1を取り扱うことができる。これによっても作業性が向上している。
包囲壁部18は、図2に示すように、プリント基板60と共に導入管部11の少なくとも一部、具体的には導入管部11の根元部であって、導入管部11とインペラ収納部IHとの境界付近を包囲している。更に包囲壁部18は、図3Aに示すように、排出管部12の根元部であって、排出管部12とインペラ収納部IHとの境界付近をも包囲している。これにより、電動ポンプ1に外部から衝撃が加えられた場合に、プリント基板60への衝撃を抑制できると共に、導入管部11や排出管部12の根元部にも衝撃が加わることが抑制され、プリント基板60や導入管部11、排出管部12が損傷することが抑制される。
上記実施例では、プリント基板60を包囲する包囲壁部18は、ケース10に一体に形成されている。このため、ケース10とは別体に包囲壁部を形成した場合と比較して、部品点数が抑制されている。
上記実施例では、基板室PC内にポッティング樹脂PRが充填されて硬化しているが、これに限定されず、例えば、導入管部11を逃がす切欠部が形成された蓋体を、ケース10に取り付けてもよい。この場合、基板室PCを画定する包囲壁部は、上記実施例のようにケース10に一体に形成されていてもよいが、蓋体に一体に形成されていてもよい。これによっても、インペラ収納部IHが外周から包囲されるため、インペラ部48からの騒音を抑制できる。
上記実施例では、プリント基板60は高温化抑制の観点からはインペラ収納部IHに近い方が望ましいが、図2に示した高さH内に配置されていればよい。軸心方向D1での大型化が抑制されるからである。
プリント基板を支持する基板支持部は、排出管部12にのみ設けられていてもよいし、上壁部13にのみ設けられていてもよいし、導入管部11にのみ設けられていてもよい。同様に、電子部品を支持する部品支持部は、排出管部12にのみ設けられていてもよいし、上壁部13にのみ設けられていてもよいし、導入管部11にのみ設けられていてもよい。基板支持部及び部品支持部の少なくとも一方が、排出管部12及び上壁部13の両方に亘って形成されていてもよいし、導入管部11及び上壁部13の両方に亘って形成されていてもよい。基板支持部や部品支持部は、剛性の高いものに限定されず、例えば放熱性に優れたシリコン製などであってもよい。また、プリント基板と基板支持部との間や、電子部品と部品支持部との間に、放熱性に優れたグリスなどを介在させてもよい。また、電子部品E3を支持するための基板支持部を設けてもよい。この場合も、基板支持部は、インペラ収納部IH、導入管部11、及び排出管部12のうちの少なくとも1つに設けてもよい。例えば、電子部品E3は周壁部15と排出管部12との間に位置しているため、導入管部11等から軸心方向D1に垂直な方向に突出した部分を、部品支持部として電子部品E3を支持してもよい。
上記実施例では、図2及び図3Bに示すように、インペラ収納部IHの上壁部13の軸心方向D1での高さは、径方向D2の外側から内側に近づくほど、即ち、導入管部11に近づくほど高くなる。このため、例えば、プリント基板60の面61側に背の高さの異なる複数の電子部品が上壁部13に実装し、背の低い電子部品を導入管部11の近くに配置し、背の高い電子部品を背の低い電子部品よりも導入管部11から離して配置してもよい。これにより、軸心方向D1での大型化が抑制される。また、この場合、背の高い電子部品を、インペラ収納部IHよりも径方向D2の外側に位置してもよい。
周壁部15と包囲壁部18とが共通の壁部により実現されていてもよい。即ち、単一の周壁部によって、インペラ収納部IHを画定すると共に基板室PCを画定する構成であってもよい。
次に、変形例であるケース10aについて説明する。尚、ケース10aに関して、上述したケース10と同一、類似の構成については、同一、類似の符号を付することにより重複する説明を省略する。図5Aは、変形例であるケース10aの上面図、図5Bは、図5AのC−C断面図である。尚、図5A及び図5Bは、ケース20への組み付け前であって基板室PCaにポッティング樹脂PRを充填する前の状態のケース10aを示している。
導入管部11aは、インペラ室ICaよりも径方向D2の外側に延びており、排出管部12aと略平行に延びている。即ち、導入管部11aと排出管部12aとは、軸心方向D1に交差して、互いに沿うように延びている。プリント基板60aは、導入管部11aを逃がすように、直線状に切欠部63aが形成されている。また、インペラ室ICaは、上述したインペラ室ICと比較して扁平状である。インペラ収納部IHaの上壁部13aもほぼ径方向D2に平行に形成されている。プリント基板60aは、インペラ収納部IHa、包囲壁部18a、及び突壁部181に包囲される基板室PCa内に配置されている。周壁部15aも、上述した周壁部15と比較して、軸心方向D1での高さが小さく形成されている。固定壁部17aは、上述した固定壁部17と同様にケース20に固定される。
このような構成においても、プリント基板60aは、軸心方向D1でのケース20の上面23から導入管部11aの上端までの高さHaの範囲内に配置されてインペラ収納部IHa及び導入管部11aに対向して配置され、切欠部63aによりインペラ収納部IHaの近傍に配置されているため、軸心方向D1での大型化及びプリント基板60a及びプリント基板60aに実装されている電子部品の高温化が抑制される。また、図5Bでは図示を省略してあるが、プリント基板60aの面61aには、面62aよりも多くの電子部品が実装されているため、電子部品の高温化も抑制できる。また、上壁部13aには支持ピン161aが形成されているため、プリント基板60aを安定して支持することができ、作業性が向上している。
図6は、プリント基板60aを取り外した状態での変形例であるケース10aの上面図である。ケース10aにも、プリント基板60aを支持する支持ピン161a〜164aが設けられている。また、図6には、プリント基板60aに実装される電子部品E3の位置を示している。電子部品E3も、上述した実施例と同様に、巻始位置151aから時計方向にα度、具体的には約60度の範囲内に位置している。換言すれば、電子部品E3は、軸心方向D1から見て、インペラ収納部IHaの周壁部15aと排出管部12aとの間に位置し、導入管部11aと排出管部12aとの間にも位置している。これによっても、径方向D2の大型化が抑制されている。尚、電子部品E3は、軸心方向D1から見て、インペラ収納部IHaの周壁部15aと導入管部11aとの間にも位置している。これらインペラ収納部IHa、導入管部11a、排出管部12aは、何れにも冷媒が流れるため、電子部品E3の高温化を抑制できる。尚、本変形例においても、上記と同様に電子部品E3やその他の不図示の電子部品を支持する部品支持部を、インペラ収納部IHa、導入管部11a、及び排出管部12aのうちの少なくとも1つに設けてもよい。同様に、基板支持部を、インペラ収納部IHa、導入管部11a、及び排出管部12aのうちの少なくとも何れか1つに設けてもよい。
プリント基板60及び60aは、共に略円形状であるがこれに限定されず、切欠部63及び63aの形状も図示した例に限定されない。プリント基板60の面61に実装されている電子部品の数が、面62に実装されている電子部品の数より多ければ、面62に電子部品が実装されていてもよい。プリント基板60aについても同様である。尚、上記実施例及び変形例では、プリント基板60及び60a自体を上述のように配置することによって高温化が抑制されているため、例えば面62に実装されている電子部品があっても、この電子部品についても高温化が抑制される。また、上記変形例では、導入管部11aの上部にプリント基板60aを配置してもよい。
上記実施例では、軸心方向D1から見て、排出管部12と周壁部15とが接続した巻始位置151から時計方向に従ってモータMの回転軸心からの径が徐々に増大するように渦巻状に形成されているが、反時計方向に従って径が徐々に増大するように渦巻状に形成されていてもよい。即ち、インペラ収納部IHは、何れかの周方向に従って径が徐々に増大するように渦巻状に形成されていればよい。変形例についても同様である。
上記実施例では、導入管部11が軸心方向D1に延び、排出管部12は軸心方向D1に交差する方向に延びているが、これに限定されず、排出管部が軸心方向D1に延び、導入管部が軸心方向D1に交差する方向に延びていてもよい。即ち、上記実施例の導入管部11を、冷媒を排出する排出管部として利用し、上記実施例の排出管部12を、冷媒を導入する導入管部として利用してもよい。同様に上記変形例において、導入管部11aを排出管部として利用し、排出管部12aを導入管部として利用してもよい。
次に他の変形例について説明する。図7は、他の変形例である電動ポンプ1bの上面図、図8は、図7のB−B断面図である。尚、変形例では、上述した実施例と類似の構成については類似の符号を付することにより、重複する説明を省略する。電動ポンプ1bに導入される流体は気体であるが、これに限定されず液体であってもよい。導入管部11bは、上述した導入管部11よりも短く形成されている。インペラ収納部IHbの上壁部13bよりも軸心方向D1の一方側に、基板収納部16bが設けられている。基板収納部16bは、導入管部11bよりも軸心方向D1の一方側に突出している。基板収納部16bは、導入管部11bと排出管部12bの根元部との間の部分を軸心方向D1の一方側から包囲するように設けられており、基板収納部16bの一部は周壁部15bよりも僅かに径方向外側に突出している。従ってプリント基板60bを収納した基板室PCbは、主に基板収納部16bと上壁部13bとにより画定される。基板収納部16bは、図7に示すように軸心方向D1から見て矩形状に形成されている。
図8に示すように、プリント基板60bは、支持ピン161b及び162bにより、上壁部13bから軸心方向D1に所定の間隔を空けて支持されている。プリント基板60bの面61bに実装された電子部品E1b〜E3bのうち、電子部品E1bは、上壁部13bの径方向の外側の位置に設けられた支持リブ13Ebに熱的に接触して支持されている。これにより、電子部品E1bの熱を、インペラ室ICbを流れる流体に効率的に逃がすことができ、プリント基板60b及び電子部品E1bの高温化が抑制される。ここで、ケース10bは金属製であり、支持リブ13Ebも金属製である。このため、支持リブ13Ebの熱伝導率が高く、効率的にプリント基板60b及び電子部品E1bの高温化を抑制できる。尚、ケース10bは金属製に限定されず、例えば、ケース10bが合成樹脂製であって、支持リブ13Ebのみが熱伝導率の高い金属製であってもよいし、少なくとも支持リブ13Ebが例えば炭素フィラーなどを含有した熱伝導率の高い樹脂材料で形成されていてもよい。また、支持リブ13Ebと電子部品E1bとは直接接触していることに限定されず、例えば熱伝導率の高い部材を介して接触するようにしてもよい。また、基板収納部16b内に熱伝導率の高い接着剤等で充填されていてもよい。以上の構成により、電動ポンプ1bに導入される流体が、液体よりも奪うことができる熱量が小さい気体の場合であっても、プリント基板60b及び電子部品E1bの高温化を効率的に抑制できる。尚、プリント基板60bの面62bには、電子部品E1b〜E3bの何れよりも背の低い電子部品は実装されていてもよい。
また、電子部品E1bよりも背が高い電子部品E2b及びE3bは、導入管部11bと排出管部12bとの間に配置されており、導入管部11bと排出管部12bとの間の部分での上壁部13bの高さは、図8に示すように低くなっている。このため、軸心方向D1での電動ポンプ1bの大型化が抑制されている。尚、本変形例においても、上記と同様に電子部品E1b〜E3bを支持する部品支持部を、インペラ収納部IHb、導入管部11b、及び排出管部12bのうちの少なくとも1つに設けてもよい。同様に、基板支持部を、インペラ収納部IHb、導入管部11b、及び排出管部12bのうちの少なくとも何れか1つに設けてもよい。
次に、本変形例のその他の構成について説明する。インペラ室ICbやインペラ部48b、ケース10bの周壁部15b等の径方向D2の大きさは、モータMbやモータ収納部RHbの径方向D2の大きさよりも大きく形成されている。軸部材40bの端部41b及び42bはそれぞれ軸受Bbにより回転可能に支持されている。モータ収納部RHbは、周壁部25b及び底壁部27bにより画定され、底壁部27bは軸部材40bの端部42bを回転可能に支持した軸受Bbを保持している。ケース20bの上面23bの反対側では、軸部材40bの端部41b側を回転可能に支持した軸受Bbを保持している。コイル34bは、鉄心30bに巻回されている。鉄心30bは周壁部25bの内側面に固定されている。ロータRbは、バックヨーク46b1と、バックヨーク46b1に固定された永久磁石46bとを含む。排出管部12bの端部には、排出管部12bを他の部材に固定するためのフランジ部12b1が設けられている。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、変形・変更が可能である。
1 電動ポンプ
10、20 ケース
11 導入管部
12 排出管部
13 上壁部
15 周壁部
13E 支持リブ
30 鉄心
34 コイル
48 インペラ部
60 プリント基板
63 切欠部
M モータ
IH インペラ収納部
RH モータ収納部
E1〜E3 電子部品

Claims (6)

  1. モータと、
    前記モータにより回転するインペラと、
    前記モータを収納したモータ収納部と、
    前記インペラを収納し、前記モータ収納部よりも前記モータの回転軸心の一方側に位置したインペラ収納部と、
    前記インペラ収納部よりも径方向外側に位置して前記インペラ収納部を包囲した包囲壁部と、
    前記インペラ収納部内に流体を導入し、前記モータ収納部よりも前記一方側に位置した導入管部と、
    前記インペラ収納部から前記流体を排出する排出管部と、
    前記モータのコイルに電気的に接続され、前記モータ収納部よりも前記一方側に位置したプリント基板と、
    前記プリント基板に実装された電子部品と、を備え、
    前記電子部品は、前記プリント基板の前記モータ収納部側の面に実装された第1及び第2電子部品を含み、
    前記第2電子部品は、前記第1電子部品よりも背が高く、
    前記インペラ収納部は、前記インペラより前記一方側に位置した上壁部、前記上壁部よりも前記回転軸心の径方向の外側に位置した周壁部、を含み、
    前記第1電子部品は、前記上壁部に対向し、
    前記第2電子部品は、前記周壁部よりも前記回転軸心の径方向の外側に位置しており、
    前記周壁部は、前記上壁部から前記上壁部よりも前記一方側とは反対側に延在しており、
    前記周壁部と前記包囲壁部とは、径方向で間隔が設けられており、
    前記間隔に、前記第2電子部品は位置している、電動ポンプ。
  2. モータと、
    前記モータにより回転するインペラと、
    前記モータを収納したモータ収納部と、
    前記インペラを収納し、前記モータ収納部よりも前記モータの回転軸心の一方側に位置したインペラ収納部と、
    前記インペラ収納部よりも径方向外側に位置して前記インペラ収納部を包囲した包囲壁部と、
    前記インペラ収納部内に流体を導入し、前記モータ収納部よりも前記一方側に位置した導入管部と、
    前記インペラ収納部から前記流体を排出する排出管部と、
    前記モータのコイルに電気的に接続され、前記モータ収納部よりも前記一方側に位置したプリント基板と、
    前記プリント基板に実装された電子部品と、を備え、
    前記電子部品は、前記プリント基板の前記モータ収納部側の面に実装され、前記回転軸心の方向から見て、前記インペラ収納部と前記導入管部との間、及び前記インペラ収納部と排出管部の間、の少なくとも一方に位置し、
    前記インペラ収納部は、前記インペラより前記一方側に位置した上壁部、前記上壁部よりも前記回転軸心の径方向の外側に位置した周壁部、を含み、
    前記周壁部は、前記上壁部から前記上壁部よりも前記一方側とは反対側に延在しており、
    前記周壁部と前記包囲壁部とは、径方向で間隔が設けられており、
    前記間隔に、前記電子部品は位置している、電動ポンプ。
  3. モータと、
    前記モータにより回転するインペラと、
    前記モータを収納したモータ収納部と、
    前記インペラを収納し、前記モータ収納部よりも前記モータの回転軸心の一方側に位置したインペラ収納部と、
    前記インペラ収納部よりも径方向外側に位置して前記インペラ収納部を包囲した包囲壁部と、
    前記インペラ収納部内に流体を導入し、前記モータ収納部よりも前記一方側に位置した導入管部と、
    前記インペラ収納部から前記流体を排出する排出管部と、
    前記モータのコイルに電気的に接続され、前記モータ収納部よりも前記一方側に位置したプリント基板と、
    前記プリント基板に実装された電子部品と、を備え、
    前記インペラ収納部は、前記インペラより前記一方側に位置した上壁部、前記インペラよりも前記回転軸心の径方向の外側に位置した周壁部、を含み、前記回転軸心の方向から見て、前記排出管部と前記周壁部とが接続した巻始位置から何れかの周方向に従って前記回転軸心からの径が徐々に増大するように渦巻状に形成されており、
    前記電子部品は、前記周壁部に対向し、前記回転軸心の方向から見て、前記巻始位置から前記周方向に60度の角度範囲内に位置し、
    前記周壁部は、前記上壁部から前記上壁部よりも前記一方側とは反対側に延在しており、
    前記周壁部と前記包囲壁部とは、径方向で間隔が設けられており、
    前記間隔に、前記電子部品は位置している、電動ポンプ。
  4. 前記インペラ収納部、前記導入管部、及び前記排出管部のうち少なくとも何れか1つには、前記第1及び第2電子部品の少なくとも一方を支持する部品支持部が設けられている、請求項1の電動ポンプ。
  5. 前記インペラ収納部、前記導入管部、及び前記排出管部のうち少なくとも何れか1つには、前記電子部品を支持する部品支持部が設けられている、請求項2又は3の電動ポンプ。
  6. 前記導入管部と前記排出管部とは、前記回転軸心の方向に交差して、互いに沿うように延び、
    前記電子部品は、前記回転軸心の方向から見て、前記導入管部と前記排出管部との間に位置している、請求項2又は3の電動ポンプ。
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