JP6517805B2 - 糖の電解的脱カルボキシル化と還元とを同時に行う方法 - Google Patents

糖の電解的脱カルボキシル化と還元とを同時に行う方法 Download PDF

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Description

本開示は、糖酸(sugar acid)を電解的に脱カルボキシル化し、アルカリ金属又は水酸化アンモニウム溶液を電解的に生成させ、糖を糖アルコールへと電解的に還元する方法に関する。
糖の脱カルボキシル化工程中に糖酸の中和を維持するコスト効率の高い方法は、米国特許出願第61/777,890号に記載されている。そこでは、陽イオン交換膜で隔てることが可能な、二室電解セルのアノードで、糖酸を脱カルボキシルして、糖質アルデヒド(carbohydrate aldehyde)を生成することができる。水酸化物塩はカソード液で生成される。糖酸溶液の中和は、カソード液からアノード液に水酸化物を逆移動させることによって、またカソード液からアノード液に水酸化物を添加することによって維持される。
米国特許第2,303,210号、第2,507,973号及び第2,537,304号にあるように、糖アルデヒド(sugar aldehyde)の電解的還元は、ソルビトール、キシリトール及びマンニトールの生産に使用されてきている。
電解セルは、多くの異なる構造で構築することができる。しかし、糖質酸(carbohydrate acid)の電解的脱カルボキシル化及び糖質アルデヒドの還元のこれまでに開示されているすべての例は、一室又は二室セルにおいて実施される。
糖質アルデヒドのアルデヒド官能基は、多くの場合、アルコールに還元され、より価値の高い生成物が生成される。そこで、こうした処理ステップを削減又は取り除くためのコスト効率の高い方法が依然として必要とされている。
米国特許出願第61/777,890号 米国特許第2,303,210号 米国特許第2,507,973号 米国特許第2,537,304号
一態様において、電気化学セルにおいて糖質酸の脱カルボキシル化と糖質アルデヒドの還元とを同時に行う方法を開示する。本方法は、(A)アノード室、中央室及びカソード室を含む三室を有する電気化学セルであって、アノード室と中央室の間に配置され接触している陽イオン膜、中央室とカソード室の間に配置され接触している両極性膜をさらに含み、陽イオン膜は一価陽イオンが移動できるように構成されており、カソード室は糖質アルデヒド、カソード液及びカソードを含有しており、アノード室は糖質酸、アノード液及びアノードを含有している、前記電気化学セルを準備すること;及び(B)セルに電流を供給し、アノード液中で糖質アルデヒドを、中央室溶液中で一価陽イオン水酸化物を、カソード液中で糖アルコールを生成させることを含む。
いくつかの実施形態において、カソードはルテニウム触媒を含む。いくつかの実施形態において、カソード液中の糖質アルデヒドは、糖質酸の電解的脱カルボキシル化によって生成される。いくつかの実施形態において、一価陽イオンと糖質酸の比率は、脱カルボキシル化で利用可能な糖質酸の中和を維持する。
いくつかの実施形態において、陽イオン膜は、一価陽イオンと糖質酸の比率を少なくとも部分的に維持するように、水酸化物イオンに対して透過性を有する。いくつかの実施形態において、陽イオン膜を介した一価陽イオン移動に関する電流効率は、90%未満、好ましくは80%未満、より好ましくは75%未満である。
いくつかの実施形態において、一価陽イオンと糖質酸の比率は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及び水酸化アンモニウムからなる群から選択される陽イオン水酸化物を添加することにより少なくとも部分的に維持される。いくつかの実施形態において、アノード液に添加される一価陽イオン水酸化物は、糖質酸の脱カルボキシル化中に分割型セルの中央室において生成される。
いくつかの実施形態において、一組のセルが陽イオン性膜と両極性膜を備えた分割型セルであり、もう一組のセルが非分割型セルである、二組の電解セルを通して糖質酸溶液を同時循環させることによって、一価陽イオンと糖質酸の比率は少なくとも部分的に維持される。
いくつかの実施形態において、糖質酸は、アラビノン酸、d-グルコン酸、メチル-d-グルクロノシド(glucuronoside)、d-グルクロン酸、d-ガラクツロン酸、l-グロン酸からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、糖質酸はアラビノン酸である。いくつかの実施形態において、糖質アルデヒドはエリトロースである。
いくつかの実施形態において、糖質酸は、中央室において生成される水酸化物イオンを使用して生成される。
定義
本明細書では、用語「糖質酸(carbohydrate acid)」とは、任意のアルドン酸、ウロン酸又はアルダン酸を意味する。
「アルドン酸」は、一般式のHOCH2[CH(OH)]nC(=O)OH(式中、nは、1〜20、好ましくは1〜12、より好ましくは4〜7を含む、任意の整数である)を含む任意のポリヒドロキシ酸化合物、並びにその誘導体、類似体及び塩を意味する。アルドン酸は、例えば、アルデヒド官能基の酸化によってアルドースから得ることができる(例えば、D-グルコン酸)。
「ウロン酸」とは、一般式のO=CH[CH(OH)]nC(=O)OH(式中、nは、1〜20、好ましくは1〜12、より好ましくは4〜7を含む、任意の整数である)を含む任意のポリヒドロキシ酸化合物、並びにそれらの誘導体、類似体及び塩を意味する。ウロン酸は、例えば、第一級アルコール官能基の酸化によってアルドースから得ることができる(例えば、D-グルクロン酸)。
「アルダン酸」とは、一般式のHO(O=)C[CH(OH)]nC(=O)OH(式中、nは、1〜20、好ましくは1〜12、より好ましくは4〜7を含む、任意の整数である)を含む任意のポリヒドロキシ酸化合物、並びにそれらの誘導体、類似体及び塩を意味する。アルダン酸は、例えば、アルデヒド官能基と第一級アルコール官能基の両方を酸化することによってアルドースから得ることができる(例えば、D-グルカル酸)。
本明細書で使用される場合の「アラビノン酸」とは、化学式C5H10O6を有するアルドン酸の糖質を意味し、それらの任意の立体異性体、誘導体、類似体及び塩も包含する。特に明記しない限り、本明細書における「アラビノン酸」の記述は、限定するものではないが、D-(-)-アラビノン酸、L(+)-アラビノン酸、D(-)-アラビノン酸、D-アラビノン酸、L-アラビノン酸、及びD(-)-アラビノン酸及びメソ−アラビノン酸などの分子を包含するものとする。またアラビノン酸は、アラボン酸及びアラビノン酸とも呼ばれる。
「グルコン酸」は、化学式C6H12O7を有するアルドン酸の糖質を意味し、それらの誘導体、類似体及び塩も包含する。特に明記しない限り、本明細書の「グルコン酸」の記述は、D-グルコン酸、D-(-)-グルコン酸、D(-)-グルコン酸を意味するものとする。
「D-グルクロン酸」は、化学式C6H10O7を有するウロン酸の糖質を意味し、それらの誘導体、類似体及び塩も包含する。特に明記しない限り、本明細書の「d-グルクロン酸」の記述は、限定するものではないが、d-(-)-グルクロン酸、d-グルクロン酸、(アルファ)-d-グルクロン酸、(ベータ)-d-グルクロン酸、及び(アルファ,ベータ)-d-グルクロン酸などの分子を包含するものとする。
「メチル-d-グルクロノシド」は、化学式C7H12O7を有するウロン酸の糖質を意味し、それらの誘導体、類似体及び塩も包含する。特に明記しない限り、本明細書の「メチル-d-グルクロノシド」の記述は、限定するものではないが、1-O-メチル-(アルファ)-d-グルコピラノシドウロン酸(glucopyranosiduronic acid)、1-O-メチル-(ベータ)-d-グルコピラノシドウロン酸、及び1-O-メチル-(アルファ,ベータ)-d-グルコピラノシドウロン酸などの分子を包含するものとする。
「D‐ガラクツロン酸」は、化学式C6H10O7を有するウロン酸の糖質を意味し、それらの誘導体、類似体及び塩も包含する。特に明記しない限り、本明細書の「d-ガラクツロン酸」の記述は、限定するものではないが、d-(-)-d-ガラクツロン酸、d-ガラクツロン酸、(アルファ)-d-ガラクツロン酸、(ベータ)-d-ガラクツロン酸、及び(アルファ,ベータ)-d-ガラクツロン酸などの分子を包含するものとする。
「糖質アルデヒド」とは、一般式のHOCH2[CH(OH)]nC(=O)H又は(O=)CH[CH(OH)]nC(=O)H(式中、nは、1〜20、好ましくは1〜12、より好ましくは3〜6を含む、任意の整数である)を含むポリヒドロキシアルデヒド化合物、並びにそれらの誘導体及び類似体を意味する。1個のアルデヒド基を有する糖質アルデヒドはアルドースと呼ばれることが多く、2個のアルデヒド基を有する糖質アルデヒドはジアルドースと呼ばれる。糖質アルデヒドは自然界で見ることができ、或いは、例えば、糖質酸の電解的脱カルボキシル化から得ることができる。
「エリトロース」は、化学式C4H8O4を有するアルドース(テトロース)糖質アルデヒドを意味し、それにはその任意の立体異性体、誘導体及び類似体が含まれる。特に明記しない限り、本明細書の「エリトロース」の記述は、限定するものではないが、D-(-)-エリトロース、L(+)-エリトロース、D(-)-エリトロース、D-エリトロース、L-エリトロース及びD(-)-エリトロース及びメソ-エリトロースなどの分子を含むものとする。D-エリトロース構造(1)のフィッシャー投影式を下記に示す。
Figure 0006517805
「糖アルコール」は、一般式のHOCH2[CH(OH)]nCH2OH(式中、nは、1〜20、好ましくは1〜12、より好ましくは4〜7を含む、任意の整数である)を含む任意の多価アルコール化合物、並びにそれらの誘導体及び類似体を意味する。糖アルコールは、例えば、アルドースからアルデヒド官能基の還元によって得ることができる。
「エリスリトール」とは、式C4H10O4の糖アルコールの糖質を意味し、それにはその誘導体及び類似体が含まれる。エリスリトールは、エリトロースのアルデヒドがアルコールに還元される際に形成される糖アルコールである。
本明細書で使用される場合の「脱カルボキシル化」とは、化学反応又は物理的プロセスによるカルボキシル基(-COOH)の除去を意味する。脱カルボキシル化反応の典型的な生成物としては、二酸化炭素(CO2)又はギ酸を挙げることができる。
本明細書で使用される場合の「還元」とは、アルデヒド基(-CH=O)をアルコール基(-CH2OH)に変換する化学的又は物理的プロセスを意味する。
用語「電気化学的」とは、電気伝導体(電極)とイオン伝導体(電解質)の境界面で行われ得る化学反応を意味する。電気化学的反応は、2種の伝導物質(又は単一の伝導物質の2つの部分)の間に電位を発生させることができるか、或いは、外部電圧の印加によって発生させることができる。一般に、電気化学は、酸化反応及び還元反応が空間的に分けられている状況を扱う。
本明細書で使用される場合の用語「電解的」とは、1つ以上の化学結合の切断をもたらす電気化学的酸化反応又は還元反応を意味する。本明細書で使用される場合の電解反応とは、カソード又はアノードとの相互作用の結果として生じる反応を述べている。
本明細書で使用される場合、「誘導体」とは、親化合物に構造上類似しており、その親化合物から(実際に又は理論的に)誘導され得る、化学的又は生物学的に修飾されている化学化合物の一種を意味する。誘導体は、親化合物とは異なる化学的特性又は物理的特性を有していてもよいし、有していなくてもよい。例えば、誘導体は、親化合物と比較した場合、親水性が高くてもよいし、反応性が変化していてもよい。誘導体化(すなわち、修飾)は、所望する目的に関して分子の機能を実質的に変化させることのない、分子内の1つ以上の部分の置換(例えば、官能基における変化)を含み得る。また、用語「誘導体」は、親化合物のすべての溶媒和物、例えば、水和物又は付加物(例えば、アルコールとの付加物)、活性代謝物、及び塩を記載するためにも使用される。調製可能な塩のタイプは、化合物内部の部分の性質によって決まる。例えば、酸性基、例えば、カルボン酸基は、例えば、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩、さらに四級アンモニウムイオン塩並びにアンモニア及び生理学的に許容可能な有機アミン、例えば、トリエチルアミン、エタノールアミン又はトリス-(2-ヒドロキシエチル)アミンとの酸付加塩)を形成することができる。塩基性基は、例えば、無機酸、例えば、塩酸、硫酸又はリン酸と、或いは有機カルボン酸又はスルホン酸、例えば、酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、メタンスルホン酸又はp-トルエンスルホン酸と酸付加塩を形成することができる。塩基性基及び酸性基を同時に含有する化合物、例えば、塩基性窒素原子の他にカルボキシル基を同時に含有する化合物は、両性イオンとして存在し得る。塩は当業者に公知の慣用の方法によって得ることが可能であり、例えば、化合物を溶媒又は希釈液中の無機又は有機の酸又は塩基と混合させることによって、或いは他の塩から陽イオン交換又は陰イオン交換によって得ることができる。
本明細書で使用される場合、「類似体」とは、構造的には別のものに類似しているが、組成がわずかに異なり(1つの原子の異なる元素の原子による置き換え、又は特定の官能基の存在下など)、親化合物から誘導可能であってもよいし、誘導可能でなくてもよい、化学化合物を意味する。「誘導体」は、親化合物が「誘導体」を生成する出発物質であり得るが、親化合物が「類似体」を生成する出発物質として必ずしも使用されなくともよいという点で「類似体」とは異なる。
本明細書に挙げられているすべての濃度範囲、パーセント範囲又は比率範囲は、特段の指示のない限り、その範囲内及び区分内の任意の整数、例えば、整数の10分の1及び100分の1の濃度、パーセント又は比率を包含するものと理解されたい。またさらに、任意の物理的特徴、例えば、ポリマーサブユニット、サイズ又は厚さなどに関して本明細書に挙げられているすべての数値範囲は、特段の指示のない限り、挙げられている範囲内のすべての整数を包含するものと理解されたい。上記で使用されており、また本明細書の他の部分で使用されている用語「1つの(a及びan)」は、列挙されている成分の「1つ以上」を意味するものと理解されたい。例えば、「1つの」ポリマーは、1つのポリマー、又は2つ以上のポリマーを含む混合物を意味する。本明細書で使用される場合、用語「約」とは、関連する目的又は機能に対して実質的でない相違を意味する。
本明細書で使用される場合、数量に関する用語「実質的に」又は「約」は、列挙されている数量に相当する、列挙されている数量における変動を包含し、例えば、意図した目的又は機能に関して列挙されている数量に相当する数量を包含する。
電気化学的脱カルボキシル化
電気化学セルにおける糖質酸の電気的脱カルボキシル化のプロセスを下記に述べる。反応物基質の電気化学的な酸化的脱カルボキシル化は、反応物基質上で行うことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、糖質アルデヒドを生成するための糖質酸反応物の電解的脱カルボキシル化を含むステップを含む。
反応物は、電極に接して配置される溶液で提供することができる。この溶液は反応物と溶媒を含む。反応物は、任意の適切な方法によって、例えば、撹拌、加熱、又はそれらの組み合わせによって溶媒中に溶解させることができる。溶媒は、反応物が所望の程度まで溶解され得る任意の溶媒であってよい。好ましくは、溶媒は水である。
一実施形態において、電解的脱カルボキシル化ステップの生成物として糖質を生成し得る適切な任意の糖質酸を反応物として使用することができる。一実施形態において、反応物は、アラビノン酸、並びに、適切な反応物の誘導体、類似体及び塩である。適切な反応物としては誘導体が挙げられ、糖質酸反応物の類似体としては、電解的脱カルボキシル化工程を受けてエリトロース又はエリトロースに変化され得る中間体のいずれかを生成する分子の反応性を実質的に変化させることのない、化学構造の変化を有する反応物を挙げることができる。
脱カルボキシル化反応は、電気化学的に実施される。一態様において、溶液中の反応物の電解的脱カルボキシル化は、所望の生成物、又は所望の生成物にその後変換され得る中間体を提供することができる。いくつかの実施形態において、反応物はアラビノン酸、例えば、D-アラビノン酸又はL-アラビノン酸であり、生成物はエリトロース、例えば、D-エリトロース又はL-エリトロースである。
いくつかの実施形態において、酸の少なくとも約5%は中和され得る。酸が中和される場合、それは酸そのものではなく対応する塩として存在する。例えば、酸反応物溶液は、約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90又は100%の1つ以上の中和された反応物酸相当物を提供することができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのリボン酸又はアラビノン酸反応物の10%〜100%が中和される。
一態様において、pH又は中和パーセントは、例えば、陽イオン交換膜を備えている分割型電解セルを使用し、アノード液にアルカリ金属水酸化物を添加することによって、反応全体を通じて所望する範囲内で提供又は維持することができる。別の態様において、pH又は中和パーセントは、例えば、第1の電解セルと第2の電解セルにアノード液を同時に通過させることによって、反応全体を通じて所望する範囲内で提供及び/又は維持することができ、第1の電解セルは陽イオン交換膜を備えた分割型電解セルであり、第2の電解セルは一室型セルである。反応物糖質酸溶液は、所望の濃度の単離反応物が得られるように任意の適切なpHを有することができる。アラビノン酸反応物を含む反応物溶液については、pHは、脱カルボキシル化反応開始前に3.0から6.0の間であってよい。
場合によっては、残留反応物は、例えば、陽イオン交換クロマトグラフィー樹脂を使用することによって、生成物から出発物質を分離することにより再利用することができる。糖質酸の部分的脱カルボキシル化溶液は、出発糖質酸(例えば、アラビノン酸)及び生成物(例えば、エリトロース)の両方を含有し得る。部分的に反応した溶液は、反応物と生成物をクロマトグラフィーで分離させるために、イオン交換樹脂ビーズのベッド又はカラム上を通過させることができる。
電気化学的還元
一実施形態において、電気化学セルにおける糖質アルデヒドの電解的還元のプロセスを下記に述べる。反応基質の電気化学的還元のステップは、反応基質上で行うことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、糖質アルデヒドのアルデヒドをアルコールに電解的に還元するステップを含む。
反応物は、電極に接して配置される溶液として提供することができる。この溶液は、反応物と溶媒を含む。反応物は、任意の適切な方法によって、例えば、撹拌、加熱、又はそれらの組み合わせによって溶媒中に溶解させることができる。溶媒は、反応物が所望の程度まで溶解され得る任意の溶媒であってよい。好ましくは、溶媒は水である。一態様において、糖質アルデヒドは、糖質酸の電解的脱カルボキシル化によって生成される。
一実施形態において、電解的還元ステップの生成物として糖アルコールを生成し得る、適切な任意の糖質アルデヒドを反応物として使用することができる。一実施形態において、反応物は、エリトロース、並びに、適切なそれらの誘導体及び類似体である。適切な反応物としては誘導体が挙げられ、糖質アルデヒド反応物の類似体としては、電解的還元方法を受けてエリスリトール、又はエリスリトールに変換され得る中間体のいずれかを生成する、分子の反応性を実質的に変化させることのない、化学構造変化を有する反応物を挙げることができる。
還元反応は、電気化学的に実施される。一態様において、溶液中の反応物の電解的還元は、所望の生成物、又は所望の生成物にその後変換され得る中間体を提供する。いくつかの実施形態において、反応物はエリトロースであり、生成物はエリスリトールである。
電解装置
糖質酸反応物の電気化学的脱カルボキシル化は、陽イオン交換膜及び両極性膜で隔てられている三室電解セルを使用して実施することができる。電気化学的脱カルボキシル化は、糖質酸含有溶液をアノードと接触させることにより実施され、ここで、反応物は脱カルボキシル化され得る。反応物物質とアノードの間の接触によって脱カルボキシル化が誘導され得る。その結果、二酸化炭素と生成物の糖質が得られる。
セルはアノードを含む。アノードは、任意の適切な材料、例えば、限定するものではないが、黒鉛、熱分解炭素、含浸又は充填黒鉛(impregnated or filled graphite)、ガラス状炭素、炭素繊維布又は白金から形成することができる。いくつかの実施形態において、アノードは、好ましくは、反応物酸の酸化が生じ得る、炭素反応面を含む。一実施形態において、アノード面は、非常に結晶性の高い黒鉛材料、例えば、黒鉛箔を含む。また、他の物質、例えば、白金又は金を用いてアノードの反応面を形成することもできる。一実施形態において、反応物の糖質酸はアラビノン酸であり、アノードの反応面で、又はその近傍で酸化されてエリトロースを形成する。
またセルは、アノード液を中央室と溶液から隔てる陽イオン選択膜も含む。この膜は、例えば、不均質膜又は均質膜を含み得る。後者は、スルホン酸又はカルボン酸イオン交換基を含むポリマー膜であってよい。このポリマーは、炭化水素系又はフッ化炭素系であってよい。例えば、Nafion(登録商標) 115 (DuPont(商標) Fuel Cell)膜は、陽イオンを選択的に移動させるパーフルオロスルホン酸膜である。
またセルは、カソード液を中央室と溶液から隔てる両極性膜も含む。この膜は、物理的又は化学的に一緒に結合されている陰イオン交換層及び陽イオン交換層と、水が外部水溶液から拡散される薄い境界面とから形成される。水分解反応から得られるヒドロニウムイオン及び水酸化物イオンは、正しく配向される場合、両極性膜の外に移動させることができる。陰イオン交換側はアノードに面し、陽イオン交換側はカソードに面しており、ヒドロキシル陰イオンは、陰イオン交換層を介して移動され、水素陽イオンは陽イオン交換層を介して移動され得る。
セルは、還元半反応が電気化学セル内で生じる可能性があるカソードを含み得る。このカソードは、所望するレベルの電気伝導率を有する任意の適切な物質から形成することができ、例えば、限定するものではないが、スポンジニッケル、ニッケル、ルテニウム、鉛アマルガム、亜鉛アマルガム、亜鉛及びステンレス鋼の少なくとも1つが挙げられる。一実施形態において、アノードの脱カルボキシル化反応は、
アラビノン酸-2e- -------> エリトロース+CO2+2H+
であり得る。対電極反応は、
エリトロース+2e-+2H+ -----> エリスリトール
であり得る。
通常、いくらかの電流が失われ、アノードでO2ガスが、カソードでH2ガスが生成され得る。
一態様において、糖質アルデヒドは、カソード面で、又はその近傍で糖アルコールに還元される。一実施形態において、反応物の糖質アルデヒドはエリトロースであり、カソードの反応物表面で、又はその近傍で還元されエリスリトールが形成される。反応が進むにつれて、一価陽イオンは陽イオン交換膜を介してアノード液から中央室溶液へと通過し、水は両極性膜で単離されており、水酸化物は中央室溶液に移動し、対イオンとして一価陽イオンに作用し、一価陽イオン水酸化物溶液が生成される。一実施形態において、一価陽イオンはナトリウム又はカリウムであってよい。両極性膜によってカソード液に移動されるヒドロニウムイオンは、還元の一部として消費されるヒドロニウムイオンを再生成することができる。
電気化学セルは、単極構造又は双極構造のいずれかで電気的に構成され得る。単極構造において、電気的接触はそれぞれの電極になされる。双極構造において、それぞれの電極はカソード側及びアノード側を有し、電気的接続は、複数の電極を含むセルスタックの両端に配置されている電極にだけなされる。
糖質のアルカリ酸化
別の態様において、糖質酸は、適切な糖質出発物質からアルカリ酸化によって得ることができる。一実施形態において、糖質酸はアラビノン酸であり、これはアルカリ水溶液において酸素ガスによってグルコース又はフルクトースを含む出発物質を酸化させることにより調製される(例えば、米国特許第4,125,559号及び米国特許第5,831,078号に記載のとおりであり、これらは参照により本明細書に組み入れる)。出発物質としてはグルコース、フルクトース又はそれらの混合物を挙げることができ、出発物質は、まず、約30℃〜約100℃の温度で水溶液中のアルカリ金属水酸化物を加熱することにより、水溶液中のアルカリ金属水酸化物及び酸素ガスと反応させることができる。出発物質は、D-ヘキソース、例えば、D-グルコース、D-フルクトース又はD-マンノースなどあってよく、それらは様々な環状形態(ピラノース及びフラノース)で存在し、また様々なジアステレオマー、例えば、(アルファ)-D‐グルコピラノース及び(ベータ)-D‐グルコピラノースとして存在し得る。出発物質は、化学量論的な量のアルカリ金属水酸化物と反応させることができ、或いは、過剰に、例えば、D-ヘキソース1モル当たり2〜5当量のアルカリ金属の量を使用して反応させることもできる。例えば、アルカリ金属水酸化物は水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであってもよい。酸素は、好ましくは、化学量的な量で使用されるか、或いは過剰に使用されるが、好ましくは、D-ヘキソース出発物質1モル当たり約1〜約20モルのO2量で使用される。この反応は、約30℃よりも高い温度で、また約1bar〜約50barの圧力下で行うことができる。この反応は、適切な溶媒中で連続的に行ってもよいし、バッチ式で行ってもよい。
或いは、J. Dubourg and P. Naffa, "Oxydation des hexoses reducteur par l'oxygene en milieu alcalin," Memoires Presentes a la Societe Chimique, p. 1353(これは参照により本明細書に組み入れる)に記載されているように、フルクトース(例えば、D-フルクトース)は、アルカリ水溶液中で酸素ガスと反応させることによってD-アラビノン酸に変換することができる。また糖質酸は、アルドースとアルドシドの貴金属触媒型アルカリ酸化からも得ることができる。特定の実施形態において、糖質酸はアラビノン酸であり、これは、出発物質(例えば、D-又はL-アラビノース)をアルカリ水溶液において酸素ガス及び貴金属触媒によって酸化させることにより調製することができる。Bright T. Kusema, Betiana C. Campo, Paeivi Maeki-Arvela, Tapio Salmi, Dmitry Yu. Murzin, "Selective catalytic oxidation of arabinose-A comparison of gold and palladium catalysts," Applied Catalysis A: General 386 (2010): 101-108(これは参照により本明細書に組み入れる)を参照されたい。
グルコン酸は、例えば、Ivana Dencic1, Jan Meuldijk1, Mart Croon1, Volker Hessel "From a Review of Noble Metal versus Enzyme Catalysts for Glucose Oxidation Under Conventional Conditions Towards a Process Design Analysis for Continuous-flow Operation," Journal of Flow Chemistry 1 (August 2011): 13-23(これは参照により本明細書に組み入れる)に記載されているようにして、アルカリ水溶液において酸素ガス及び貴金属触媒によりグルコースを酸化させることによって調製することができる。メチル-d-グルクロノピラノシドは、例えば、A.P. Markusse, B.F.M. Kuster, J.C. Schouten, "Platinum catalysed aqueous methyl-d-glucopyranoside oxidation in a multiphase redox-cycle reactor," Catalysis Today 66 (2001) 191-197(これは参照により本明細書に組み入れる)に記載されているようにして、アルカリ水溶液において酸素ガス及び貴金属触媒によりグルコースを酸化させることによって調製することができる。
糖質酸反応物の調製で使用されるアルカリ金属水酸化物は、本明細書に記載の電解セルのカソード室において、糖質酸の脱カルボキシル化の前、又はそれと同時に生成することができる。
[実施例1]
実験は、炭素アノード(SGL Carbon)、陽イオン交換膜(Astom CMB)、両極性膜(Astom BP-1E)及びカソード(Ni基質上に電着されているRu)を含む、三室Microflowセル(ElectroCell社、Denmark)において実施した。供給溶液は、ナトリウム塩形態に100%中和された、1.5Mのアラビノン酸、及び0.67Mのエリトロースで開始した。これは、単一貯蔵槽からアノード液とカソード液の両室を通して汲み上げた。中央室には、まず、1Mの水酸化ナトリウム溶液を供給した。必要な電荷が通過するまで(ESCモデル640デジタル電量計を使用して測定)、150mA/cm2の電流密度を定電流制御下でセルに通した。合わせたアノード液流とカソード液流中のアラビノン酸の中和は、10M NaOHを添加することによる自動pH制御で5.3〜5.4の間に維持した。この実験の終了時に、アラボネート(arabonate)とエリトロースの濃度は、それぞれ、0.89Mと0.45Mまで低下した。エリスリトール濃度は、ゼロから0.75Mに上昇した。すべての分析は、パルスアンペロメトリック検出(pulsed ampermetric detection, PAD)を備えたDionex Ultimate 3000で実施し、公知の基準に対して定量化した。エリトロースへのアラビノン酸酸化に対する電流効率は87%であった。エリスリトールへのエリトロース還元の電流効率は73%であった。水酸化ナトリウムは、中央室において3.4Mの最終濃度に達し、68%の電流効率で形成された。
陳述
1. 電気化学セルにおいて糖質酸の脱カルボキシル化と糖質アルデヒドの還元とを同時に行う方法であって、
アノード室、中央室及びカソード室を含む三室を有する電気化学セルであって、アノード室と中央室の間に配置され接触している陽イオン膜、中央室とカソード室の間に配置され接触している両極性膜をさらに含み、陽イオン膜は一価陽イオンが移動できるように構成されており、カソード室は糖質アルデヒド、カソード液及びカソードを含有しており、アノード室は糖質酸、アノード液及びアノードを含有している、前記電気化学セルを準備すること;及び
セルに電流を供給し、アノード液中で糖質アルデヒドを、中央室溶液中で一価陽イオン水酸化物を、カソード液中で糖アルコールを生成させること
を含む、方法。
2. カソードがルテニウム触媒を含む、1に記載の方法。
3. カソード液中の糖質アルデヒドが糖質酸の電解的脱カルボキシル化によって生成される、1及び2のいずれかに記載の方法。
4. 一価陽イオンと糖質酸の比率が、脱カルボキシル化に利用可能な糖質酸の中和を維持する、1〜3のいずれかに記載の方法。
5. 陽イオン膜が、一価陽イオンと糖質酸の比率を少なくとも部分的に維持するように、水酸化物イオンに対して透過性を有する、1〜4のいずれかに記載の方法。
6. 陽イオン膜を介した一価陽イオン移動に関する電流効率が、90%未満、好ましくは80%未満、より好ましくは75%未満である、5に記載の方法。
7. 一価陽イオンと糖質酸の比率が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及び水酸化アンモニウムからなる群から選択される陽イオン水酸化物を添加することにより少なくとも部分的に維持される、1〜6のいずれかに記載の方法。
8. アノード液に添加される一価陽イオン水酸化物が、糖質酸の脱カルボキシル化中に分割型セルの中央室において生成される、7に記載の方法。
9. 一組のセルが陽イオン性膜及び両極性膜を備えた分割型セルであり、もう一組のセルが非分割型セルである、二組の電解セルを通して糖質酸溶液を同時循環させることによって、一価陽イオンと糖質酸の比率が少なくとも部分的に維持される、1〜8のいずれかに記載の方法。
10. 糖質酸が、アラビノン酸、d-グルコン酸、メチル-d-グルクロノシド、d-グルクロン酸、d-ガラクツロン酸、l-グロン酸からなる群から選択される、1〜9のいずれかに記載の方法。
11. 糖質酸がアラビノン酸である、10に記載の方法。
12. 糖質アルデヒドがエリトロースである、11に記載の方法。
13. 糖質酸が、中央室において生成される水酸化物イオンを使用して生成される、1〜12のいずれかに記載の方法。
本発明の実施形態として例えば以下を挙げることができる。
[実施形態1]
電気化学セルにおいて糖質酸の脱カルボキシル化と糖質アルデヒドの還元とを同時に行う方法であって、
アノード室、中央室及びカソード室を含む三室を有する電気化学セルであって、アノード室と中央室の間に配置され接触している陽イオン膜、中央室とカソード室の間に配置され接触している両極性膜をさらに含み、陽イオン膜は一価陽イオンが移動できるように構成されており、カソード室は糖質アルデヒド、カソード液及びカソードを含有しており、アノード室は糖質酸、アノード液及びアノードを含有している、前記電気化学セルを準備すること;及び
セルに電流を供給し、アノード液中で糖質アルデヒドを、中央室溶液中で一価陽イオン水酸化物を、カソード液中で糖アルコールを生成させること
を含む、方法。
[実施形態2]
カソードがルテニウム触媒を含む、実施形態1に記載の方法。
[実施形態3]
カソード液中の糖質アルデヒドが糖質酸の電解的脱カルボキシル化によって生成される、実施形態1に記載の方法。
[実施形態4]
一価陽イオンと糖質酸の比率が、脱カルボキシル化に利用可能な糖質酸の中和を維持する、実施形態1に記載の方法。
[実施形態5]
陽イオン膜が、一価陽イオンと糖質酸の比率を少なくとも部分的に維持するように、水酸化物イオンに対して透過性を有する、実施形態1に記載の方法。
[実施形態6]
陽イオン膜を介した一価陽イオン移動に関する電流効率が、90%未満、好ましくは80%未満、より好ましくは75%未満である、実施形態5に記載の方法。
[実施形態7]
一価陽イオンと糖質酸の比率が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及び水酸化アンモニウムからなる群から選択される陽イオン水酸化物を添加することにより少なくとも部分的に維持される、実施形態1に記載の方法。
[実施形態8]
アノード液に添加される一価陽イオン水酸化物が、糖質酸の脱カルボキシル化中に分割型セルの中央室において生成される、実施形態7に記載の方法。
[実施形態9]
一組のセルが陽イオン性膜及び両極性膜を備えた分割型セルであり、もう一組のセルが非分割型セルである、二組の電解セルを通して糖質酸溶液を同時循環させることによって、一価陽イオンと糖質酸の比率が少なくとも部分的に維持される、実施形態1に記載の方法。
[実施形態10]
糖質酸が、アラビノン酸、d-グルコン酸、メチル-d-グルクロノシド、d-グルクロン酸、d-ガラクツロン酸及びl-グロン酸からなる群から選択される、実施形態1に記載の方法。
[実施形態11]
糖質酸がアラビノン酸である、実施形態10に記載の方法。
[実施形態12]
糖質アルデヒドがエリトロースである、実施形態11に記載の方法。
[実施形態13]
糖質酸が、中央室において生成される水酸化物イオンを使用して生成される、実施形態1に記載の方法。

Claims (15)

  1. 電気化学セルにおいて糖質酸の脱カルボキシル化と糖質アルデヒドの還元とを同時に行う方法であって、
    アノード室、中央室及びカソード室を含む三室を有する電気化学セルであって、アノード室と中央室の間に配置され接触している陽イオン膜、中央室とカソード室の間に配置され接触している両極性膜をさらに含み、陽イオン膜は一価陽イオンが移動できるように構成されており、カソード室は糖質アルデヒド、カソード液及びカソードを含有しており、アノード室は糖質酸、アノード液及びアノードを含有している、前記電気化学セルを準備すること;及び
    セルに電流を供給し、アノード液中で糖質アルデヒドを、中央室溶液中で一価陽イオン水酸化物を、カソード液中で糖アルコールを生成させること
    を含む、方法。
  2. カソードがルテニウム触媒を含む、請求項1に記載の方法。
  3. カソード液中の糖質アルデヒドが糖質酸の電解的脱カルボキシル化によって生成される、請求項1に記載の方法。
  4. 一価陽イオンと糖質酸の比率が、脱カルボキシル化に利用可能な糖質酸の中和を維持する、請求項1に記載の方法。
  5. 陽イオン膜が、一価陽イオンと糖質酸の比率を少なくとも部分的に維持するように、水酸化物イオンに対して透過性を有する、請求項1に記載の方法。
  6. 陽イオン膜を介した一価陽イオン移動に関する電流効率が、90%未満ある、請求項5に記載の方法。
  7. 一価陽イオンと糖質酸の比率が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及び水酸化アンモニウムからなる群から選択される陽イオン水酸化物を添加することにより少なくとも部分的に維持される、請求項1に記載の方法。
  8. アノード液に添加される一価陽イオン水酸化物が、糖質酸の脱カルボキシル化中に分割型セルの中央室において生成される、請求項7に記載の方法。
  9. 一組のセルが陽イオン性膜及び両極性膜を備えた分割型セルであり、もう一組のセルが非分割型セルである、二組の電解セルを通して糖質酸溶液を同時循環させることによって、一価陽イオンと糖質酸の比率が少なくとも部分的に維持される、請求項1に記載の方法。
  10. 糖質酸が、アラビノン酸、d-グルコン酸、メチル-d-グルクロノシド、d-グルクロン酸、d-ガラクツロン酸及びl-グロン酸からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  11. 糖質酸がアラビノン酸である、請求項10に記載の方法。
  12. 糖質アルデヒドがエリトロースである、請求項11に記載の方法。
  13. 糖質酸が、中央室において生成される水酸化物イオンを使用して生成される、請求項1に記載の方法。
  14. 陽イオン膜を介した一価陽イオン移動に関する電流効率が、80%未満である、請求項5に記載の方法。
  15. 陽イオン膜を介した一価陽イオン移動に関する電流効率が、75%未満である、請求項5に記載の方法。
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