JP6515218B1 - 換気装置及びトンネル換気システム - Google Patents

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Abstract

【課題】換気効率に優れる換気装置及びトンネル換気システムを提供する。【解決手段】換気装置Xは、ダクト1及び集塵装置2を有する。ダクト1には、水噴霧手段3と、その下流の粉体散布手段4と、その上流に位置する拡散板45と、粉体散布手段4の下流に位置する拡散ファン5とが備わる。粉体Pの散布は、拡散板45の近傍において拡散板45に向けて行われる。また、換気システムは、上記換気装置Xと、汚染空気Aの濃度を測定する入口濃度センサ8xと、清浄空気Cの濃度を測定する排気濃度センサ8yと、入口濃度センサ8xの測定値に応じて拡散ファン5を制御する手段と、排気濃度センサ8yの測定値に応じて水噴霧手段3及び粉体散布手段4を制御する手段とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、換気装置及びトンネル換気システムに関するものである。
トンネルや地下空間等での工事においては、粉塵やNOx,CO等の有害ガスを対象とする換気装置が作業員の安全にも関わる重要な設備として設置されている。換気装置の設計、計画、設置等は、「ずい道等建設工事における換気技術指針」に基づいて行われている。この指針によると、粉塵や有害ガスの発生量や有害リスクに応じて換気装置が設計等される。また、換気方法は、集塵装置による濾過浄化、外気の取入れによる希釈(濃度低減)浄化に主に区分される。さらに、粉塵や有害ガス等の許容値(作業環境許容値)は、日本産業衛生学会が「許容濃度」として示している。この基準の中で有害ガスについては、CO2、CO、及びNOxについて以下のように設定されている。
(トンネル断面75m2の場合における発破使用時の算定)
発破:膠質エマルション薬量150kg/1.5m長
有害ガス:CO2 1200L、CO 750L、NOx 375L
許容値:CO2 5000PPm、CO 50PPm、NOx 25PPm
希釈量:CO2 240m3、CO 15000m3、NOx 15000m3
換気量(20分):12m3/min、750m3/min、750m3/min
(オフロードダンプ(230HP)使用時の算定)
排ガス量:22m3/min、NOx 950PPm
換気量:22×950/25=836m3/min
NOxはNO、NO2等の窒素酸化物の総量であり、有害性が高いのはNO2である。NO2は水分と化合して有害物質(下記式参照)となり、呼吸器の障害、気管支炎、肺水腫の原因になる(なお、NOは無害であるとされている。)。
2NO2+H2O→HNO3(硝酸)+HNO2(亜硝酸)
この点、ACGIH(米国産業衛生学会)は、2011年にNO2の有害性を確認することができたことから、当該NO2許容値を0.2PPmに規定し、発ガン物質A4に指定している。一方、日本国内においては現在検討中であるが、国際的に追従することになると予想される。なお、NO2の大気環境基準は、0.06〜0.04PPmである。
以上のような背景のもとNO2を0.2PPm以下にする場合の希釈風量を算定すると、次のとおりになる。
(発破使用時)
NOx:375L
NO2:37.5L(NO2はNOxの7〜10%であるとされており、10%で算定した場合)
希釈量:37.5×10-3÷0.2PPm=187500m3
換気量(20分):9375m3/min
(オフロードダンプ使用時)
NO2:22m3/min×950PPm×10%
希釈量:22×95PPm÷0.2PPm=10450m3/min
以上を基準に換気設備を設計すると、少なくとも10000m3/min以上の送風設備が必要になり、概数による設備(必要量)を現状と対比すると、次のとおりになる。
ファン(必要量):φ3000、1000kw
ファン(現状):φ1300、220kw
ダクト(必要量):φ3500
ダクト(現状):φ1500
坑内風速(必要量):2.4m/s
坑内風速(現状):0.3m/s
以上から明らかなとおり、今後予想される基準を満たそうとすると、現状と比較して巨大な設備が必要になり、実現可能性が低い。したがって、単に希釈のみによるのではない換気設備が必要になる。この点、希釈浄化のみに依存しない換気方法としては、例えば、特許文献1が開示する方法の採用が考えられる。
同方法は、窒素酸化物を含む排ガスを吸着剤充填層に流通させ、窒素酸化物のうちNO2を選択的に除去するとするものである。しかしながら、本発明者らが試算するところによると、排ガスを吸着剤充填層に流通させるのではNO2と吸着剤との接触効率が悪く、換気効率が十分なものにはならない。
特開平11−333250号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、換気効率に優れる換気装置及びトンネル換気システムを提供することにある。
吸着剤の使用形態としては、前記特許文献1のように、充填層に充填し、この充填層に汚染空気を流通させる使用形態のほかに、汚染空気中に散布し、もって当該汚染空気と吸着剤とを接触させる使用形態もある。しかるに、吸着剤を汚染空気中にただ散布するのでは、かえって吸着剤と汚染空気との接触効率が悪くなる可能性がある。そこで、吸着剤と汚染空気とをいかに効率良く接触させるかを種々考え、想到するに至ったのが次に示す前記課題を解決するための手段である。なお、本発明は、一方進んで吸着剤以外の粉体の使用も可能にしている。
(請求項1に記載の手段)
汚染空気を吸い込むダクトと、このダクトに繋がる集塵装置とを有し、
前記ダクトには、当該ダクト内に水を噴霧する水噴霧手段と、前記水の噴霧位置よりも下流において前記ダクト内に粉体を散布する粉体散布手段と、前記粉体の散布位置の上流に位置し、かつ前記ダクトの径方向に延在する板状の拡散板と、前記粉体の散布位置の下流に位置し、かつ回転軸が前記ダクトの軸方向に沿い、前記集塵装置への押込みファンとしての機能も有する拡散ファンとが備わり、
前記粉体の散布は、前記拡散板の近傍において当該拡散板の裏側に向けて行われる、
ことを特徴とする換気装置。
(請求項2に記載の手段)
前記水の噴霧は、前記拡散板の近傍において当該拡散板に向けて行われる、
請求項1に記載の換気装置。
(請求項3に記載の手段)
前記集塵装置は、複数のフィルタ手段と、このフィルタ手段の収納容器とを有し、
前記フィルタ手段は、軸が上下方向を向く円筒状で、かつ周面が濾過面を構成し、上方に上方空間が形成され、かつ下方に下方空間が形成されるように前記収納容器内に配置され、
前記収納容器の側壁には、前記上方空間を臨む排気口及び前記下方空間を臨む排出口が形成されており、
前記ダクトからの粉体を含む空気は、前記フィルタ手段の濾過面を通り抜け、前記フィルタ手段内を上方へ抜けて前記上方空間に至り、前記排気口から排気され、
前記フィルタ手段の濾過面で集塵された粉体は、下方へ落ちて前記下方空間に至り、前記排出口から排出される、
請求項1又は請求項2に記載の換気装置。
(請求項4に記載の手段)
前記粉体は、消石灰又はセメントである、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の換気装置。
(請求項5に記載の手段)
汚染空気を吸い込むダクトと、このダクトに繋がる集塵装置とを有し、
前記ダクトには、当該ダクト内に水を噴霧する水噴霧手段と、前記水の噴霧位置よりも下流において前記ダクト内に粉体を散布する粉体散布手段と、前記粉体の散布位置の上流に位置し、かつ前記ダクトの径方向に延在する拡散板と、前記粉体の散布位置の下流に位置し、かつ回転軸が前記ダクトの軸方向に沿う拡散ファンとが備わり、
前記粉体の散布は、前記拡散板の近傍において当該拡散板に向けて行われる換気装置と、
前記ダクトに吸い込まれる汚染空気の濃度を測定する入口濃度センサと、
前記集塵装置から排気される清浄空気の濃度を測定する排気濃度センサと、
前記入口濃度センサの測定値に応じて前記拡散ファンを制御する手段と、
前記排気濃度センサの測定値に応じて前記水噴霧手段及び前記粉体散布手段を制御する手段と、
を有することを特徴とするトンネル換気システム。
(請求項6に記載の手段)
トンネル内に外気を吹き込む送風手段と、
前記排気濃度センサの測定値が所定値を超えた場合に、当該測定値に応じて前記送風手段の風量を上昇させる手段と、
この風量の上昇に応じて前記拡散ファンの風量を上昇させる手段と、
を有する請求項5に記載のトンネル換気システム。
本発明によると、換気効率に優れる換気装置及びトンネル換気システムとなる。
本形態の換気装置及びトンネル換気システムの全体図である。 拡散板付近の空気の流れを示す模式説明図である。 フィルタ手段付近の空気の流れを示す模式説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を説明する。なお、本形態は、本発明の一例である。本発明の範囲は、本形態の範囲に限定されない。
図1に、本形態の換気装置Xを示した。本形態において、換気装置Xはトンネル内に設置されている。ただし、換気装置Xは、例えば、各種工事が行われる地下空間等の閉鎖空間にも設置することができる。
換気装置Xは、トンネル内の汚染空気Aを吸い込むダクト1と、このダクト1に繋がる集塵装置2とを主に有する。
本形態のダクト1は、円筒状である。ダクト1は、入口部(先端部)及び後述する拡散板45の配置部が硬質管1Bで構成されており、他方、当該配置部と入口部及び後述する拡散ファン5との間がそれぞれ軟質管1Aで構成されている。この軟質管1Aは、蛇腹状であり、伸縮する。
ダクト1には、ダクト1内にミスト状(霧状)の水Wを噴霧する(霧状に散布する)水噴霧手段3が備わる。水噴霧手段3は、水タンク31に蓄えられている水Wを、管34を通して当該管34の先端部に備わるノズル35からタクト1内に噴霧する手段である。この水Wの噴霧は、ポンプ32によって行われる。なお、符号33は、水Wの流量計である。また、ノズル35は、水Wの拡散性という観点から、ダクト1の中心(軸心)に位置するのが好ましい。
ダクト1には、水Wの噴霧位置よりも下流(集塵装置2側)においてダクト1内に粉体Pを散布する粉体散布手段4が備わる。粉体散布手段4は、粉体タンク42内に蓄えられている粉体Pを管43内に切り出し、この管43を通して(空気輸送して)当該管43の先端部に備わるノズル44からダクト1内に散布する手段である。この粉体Pの散布は、ブロワ41によって行われる。
ダクト1には、粉体Pの散布位置、つまり本形態ではノズル44の配置位置の上流に拡散板45が備わる。この拡散板45は、図2の(1)及び(2)に示すように、円形板状であり、ダクト1の径方向に延在している。拡散板45の中心点は、ダクト1の軸上に位置している。拡散板45は、図2の(2)に示すように、適宜の支持材45Aによって指示されている。この支持材45Aは、ダクト1に固定される。したがって、図1に示すように、拡散板45の配置位置におけるダクト1は、軟質管1Aではなく硬質管1Bで構成されているのが好ましい。
本形態において、ノズル44からの粉体Pの散布は、図2の(1)に示すように、拡散板45の近傍において当該拡散板45に向けて行われる。拡散板45の裏側(下流側)が負圧になることから、ダクト1に吸い込まれた汚染空気Aは、拡散板45の配置位置において当該拡散板45(ダクト1)の径方向に逸れた後、拡散板45の裏面に向けて引き込まれ、乱流となる。一方、粉体Pの散布を、拡散板45の近傍において当該拡散板45に向けて行うと、粉体Pは、拡散板45の径方向に流れることになる。この径方向に流れた粉体Pは、汚染空気Aの乱流に取り込まれ、結果、汚染空気Aと粉体Pとが効果的に攪拌される(粉体Pの拡散)。この点、拡散板45を配置せず、単に粉体Pを散布するのみであると、粉体Pは概ね汚染空気Aの流れに乗ってダクト1の軸方向に移動するだけであり、径方向の拡散がなされない。また、ダクト1の内壁面近傍においては当該拡散板45の配置による拡散効果は得難いが、ダクト1の内壁面近傍においては当該内壁面との接触による汚染空気Aの乱流が生じる。特に、本形態においては、軟質管1Aが蛇腹状とされているため、当該内壁面近傍における拡散効果は、大きなものとなる。したがって、本形態においては、ダクト1内全体に渡って粉体Pの径方向への拡散が効果的になされる。
上記粉体Pの散布を拡散板45の近傍において行うとする点に関して、拡散板45からノズル44までの離間距離は、粉体Pの拡散性という観点から適宜設定することができる。ただし、当該離間距離は、好適には0.1〜0.3mである。
拡散板45は、あまり大きすぎると、汚染空気Aの流れを阻害することになる。したがって、拡散板45の径L2は、ダクト1の径L1の15〜30%となるようにするのが好ましい(図2の(2)参照)。
本形態において、ノズル35からの水Wの噴霧は、図2の(1)に示すように、拡散板45の近傍において当該拡散板45に向けて行うと好適である。前述したように、汚染空気Aは、拡散板45の配置位置において当該拡散板45(ダクト1)の径方向に逸れ、拡散板45の裏面に向けて引き込まれ、乱流となる。したがって、水Wの噴霧を拡散板45に向けて行うと、汚染空気Aと水Wとが効果的に攪拌される。しかも、水Wの噴霧を拡散板45に向けて行う形態によると、汚染空気Aに含まれる粉塵等によってノズル35の目詰まりが生じるのを避けることができる。
上記水Wの噴霧を拡散板45の近傍において行うとする点に関して、拡散板45からノズル35までの離間距離は、水Wの拡散性という観点から適宜設定することができる。ただし、当該離間距離は、好適には7.5〜10mである。
ダクト1には、粉体Pの散布位置の下流に位置し、かつ回転軸がダクト1の軸方向に沿う拡散ファン5が備わる。この拡散ファン5は、インペラ(羽根)51を有する。このインペラ51の回転軸は、ダクト1の軸と一致している。インペラ51の回転によって、ダクト1の周方向に粉体Pの拡散が進む。また、汚染空気Aの流速は、通常20m/s程度であるが、インペラ51の外延部における周速は100m/s程度にもなる。したがって、このインペラ51を利用した粉体Pの拡散効果は、極めて大きなものとなる。しかも、この拡散ファン51は、粉体Pを含む汚染空気Aを集塵装置2へ押し込む押込みファンとしての機能も兼ねている。したがって、ダクト1内に汚染空気Aを流通させるためのファンが、別途必要にはならない。
集塵装置2は、拡散ファン5の下流に備わる。集塵装置2は、複数のフィルタ手段21と、この複数のフィルタ手段21の収納容器22とを有する。
複数のフィルタ手段21は、それぞれ軸が上下方向を向く円筒状である。各フィルタ手段21の周面は、空気が通り抜ける濾過面21Aを構成している。この濾過面21Aは、フィルタ、特にプリーツフィルタで構成されていると好適である。プリーツフィルタは、平面状のフィルタが山折り及び谷折りされてプリーツ状(ジグザグ状)にされたフィルタであり、濾過面積を広く確保することができる。この点、一般的な汚染空気の処理においては、フィルタ1m2あたり毎分1.0m3程度の汚染空気を流通させる。しかるに、本形態のように汚染空気に粉体を投入する場合は、フィルタ1m2あたり毎分0.7m3程度の汚染空気を流通させることしかできない。したがって、汚染空気1.0m3を処理するのに毎分1000m2程度のフィルタが必要になる。しかるに、本形態のように、円筒状のフィルタを複数本並べて使用するものとし、好ましくは各フィルタをプリーツフィルタとすれば、容易に実現可能となる。
各フィルタ手段21は、複数本が、本形態では5本が横方向に並べられて収納容器22内に配置されている。ただし、この配置は、収納容器22内において複数のフィルタ手段21の上方に上方空間23が形成され、かつ下方に下方空間24が形成されるように行われている。つまり、各フィルタ手段21は、収納容器22の天面22Bから離間しており、かつ床面22Cからも離間している。
また、収納容器22の側壁22Aには、上方空間23を臨む排気口23A及び下方空間24を臨む排出口24Aが形成されている。この点、排気口23Aは、例えば、収納容器22の天面22Bに形成されていてもよい。ただし、集塵装置2をトンネル1内に設置する場合等は、トンネル1の天面から雫が落ちてくる可能性があるので、排気口23Aが収納容器22の側壁22Aに形成されている方が好ましい。
ダクト1からの粉体Pを含む空気は、図3に示すように、フィルタ手段21の濾過面21Aを通り抜け、フィルタ手段21内を上方へ抜けて上方空間23に至り、排気口23Aから排気される。他方、フィルタ手段21の濾過面21Aで集塵された粉体Pは、下方へ落ちて下方空間24に至る。下方空間24に落ちた粉体Pは、下方空間24の下流部に備わるスクリュー状のスクレーパ25によって下流側に送られ、排出口24Aから排出される。排出口24Aから排出された粉体Pは、粉体回収容器26に蓄えられる。なお、以上の集塵装置2による粉体Pの集塵(回収)に際しては、当然、汚染空気Aに含まれる粉塵等も集塵される。
次に、本形態の換気装置Xによって汚染空気AからNO2が取り除かれる原理について説明する。
まず、本形態の換気装置Xにおいては、水Wの噴霧により、汚染空気Aに含まれるNO2が水Wと反応し、硝酸や亜硝酸になる(前述した反応式参照)。この反応を確実なものとするためには、ミスト状の水Wは、粒子径が小さい方が好ましく、粒子径が40μm以下であるのが好ましい。粒子径が40μm以下であると、水Wが分散・蒸発し易くなり、NO2との反応(接触)効率が高くなる。
次に、硝酸や亜硝酸は、粉体Pの散布により、当該粉体Pに固定される。この固定は、硝酸や亜硝酸と水Wとの化学反応により、又は物理吸着により行われる。硝酸や亜硝酸を粉体Pと化学反応させる場合は、当該粉体PとしてCaイオンを含む粉体を使用するのが好ましい。この場合の化学反応は、酸・アルカリ中和反応である。Caイオンを含む粉体としては、特に消石灰(Ca(OH)2)や、セメント(酸化カルシウム(CaO)を主成分とする)を使用するのが好ましい。これにより、硝酸や亜硝酸が無害化される。なお、例えば、消石灰を使用した場合、硝酸は下記のとおり硝酸カルシウム(Ca(NO32)と水(H2O)になる。
2HNO3+Ca(OH)2→Ca(NO32+2H2
なお、この反応は、汚染空気Aがダクト1内を流れている間だけではなく、フィルタ手段21の濾過面24Aでも行われる。
一方、硝酸や亜硝酸を粉体Pに物理吸着させる場合は、当該粉体Pとして、チャコールやゼオライト、シリカゲル等を使用するのが好ましい。この点、物理吸着は、硝酸や亜硝酸に変化させなくとも(NO2のまま)行うこともできるが、硝酸や亜硝酸として吸着する方が、吸着効率に優れる。
化学反応又は物理吸着後の粉体Pは、集塵装置2において集塵される。これにより、汚染空気Aに含まれるNO2が取り除かれ、清浄空気(浄化された空気)Cとなる。
次に、以上の換気装置Xを使用したトンネルの換気システムについて、説明する。
図1に示すように、本形態のトンネル換気システムにおいては、換気装置Xにダクト1に吸い込まれる汚染空気AのNO2濃度を測定する入口濃度センサ8xと、集塵装置2から排気される清浄空気CのNO2濃度を測定する排気濃度センサ8yとが備え付けられている。加えて、入口濃度センサ8xの測定値に応じて拡散ファン5を制御する手段(ファン制御手段)と、排気濃度センサ8yの測定値に応じて水噴霧手段3及び粉体散布手段4を制御する手段(水・粉体制御手段)とが備えられている。
ファン制御手段は、入口濃度センサ8xで測定された測定値(信号)を、中央制御盤6を介してファン制御盤5xに送信し、この送信信号に応じてインペラ51の回転数を制御する手段である。なお、測定値が大きい(汚染濃度が高い)場合はインペラ51の回転数を上げ、測定値が小さい(汚染濃度が低い)場合はインペラ51の回転数を下げる。
水・粉体制御手段は、入口濃度センサ8xで測定された測定値(信号)を、中央制御盤6を介して水噴霧制御盤3x及び粉体散布制御盤4xに送信し、この送信信号に応じて水Wの噴霧量や粉体Pの散布量を制御する手段である。なお、測定値が大きい(汚染濃度が高い)場合は水Wの噴霧量や粉体Pの散布量を増やし、測定値が小さい(汚染濃度が低い)場合は水Wの噴霧量や粉体Pの散布量を減らす。
本形態のトンネル換気システムには、トンネル1内に外気を吹き込む送風手段7と、排気濃度センサ8yの測定値(排気濃度)が所定値を超えた場合に、当該測定値に応じて送風手段7の風量を上昇させる手段(送風制御手段)と、この風量の上昇に応じて拡散ファン5の風量を上昇させる手段(ファン制御手段)とが備わる。
送風手段7は、坑口に配置される送風機72と、この送風機72から坑内(トンネル1内)に延びる送風ダクト71とから主になる。
送風制御手段は、排気濃度センサ8yの測定値(信号)を、中央制御盤6を介して送風機制御盤7xに送信し、この送信信号に応じて送風機72の風量を制御する手段である。
ファン制御手段は、送風手段7の送風量(信号)を、中央制御盤6を介してファン制御盤5xに送信し、この送信信号に応じて拡散ファン5の風量、つまりインペラ51の回転数を制御する手段である。
本形態の換気システムにおいては、排気濃度センサ8yの測定値(排気濃度)が許容値(例えば、0.2PPm。)を超える場合は、一次的には水Wの噴霧量や粉体Pの噴霧量を増やすことで排気濃度が下がるように調整する。しかるに、二次的に、送風手段7の送風量を増やすことで排気濃度を下げることもできる(希釈浄化)。ただし、単に送風手段7の送風量を増やすのみであると、トンネル1内が負圧状態でなくなってしまい、ダクト1に吸引されない汚染空気Aの流れができてしまうおそれがある。そこで、ダクト1に吸い込まれる汚染空気Aの風量Qdと送風手段7の風量Qfとが、常にQd>Qfとなるように上記ファン制御手段が備わる。なお、一次的に水Wの噴霧や粉体Pの散布を行う本システムにおいては、送風手段7による希釈量(送風量)を1/5〜1/10に低減することができる、装置を大型化する必要がない。また、水Wの噴霧や粉体Pの散布と、送風手段7による希釈とを併用すると、発破処理後の汚染空気の換気時間を短くすることができ、生産性が上がる。
なお、上記排気濃度センサ8yの測定値(排気濃度)が所定値を超えた場合としている点について、当該所定値は、例えば、水Wの噴霧や粉体Pの散布のみによるのではなく、希釈浄化も併用した方が好ましいと推定される濃度を適宜設定することができる。具体的には、所定値(NO2濃度)を、例えば、0.4ppm〜0.6ppmとすることができる。
(その他)
以上の形態においては、水Wの噴霧や粉体Pの散布をそれぞれ1段(1カ所)で行うものとている。ただし、当該噴霧や散布は、汚染空気Aの流れ方向に位置が異なるものとした2段(2カ所)以上の複数段で行うこともできる。
本発明者らが風量2000m3/minの集塵装置を使用して試験したところによると、ミスト状の水Wを1g/m3(2L/min)噴霧するものとし、かつ粉体状の消石灰がフィルタに対して30g/m2の付着量(全付着量60kg)となるように設計した場合、汚染空気のNO2濃度(入口濃度)が3〜4PPmである場合において出口濃度は検出不能であった。
今後、ディーゼルエンジンの低NOx化によりCOガスのリスクが重視されることも予想される。しかしながら、COは水に溶解(0.026g/L)し易く、チャコール、ゼオライト等の細孔にファンデルワールスカによって吸着する。したがって、本形態の換気装置によって無害化が可能である。本発明者らの実機試験では、60%の低減効果を確認することができた。
本発明は、換気装置及びトンネル換気システムとして利用することができる。
1 ダクト
1A 軟質管
1B 硬質管
2 集塵装置
3 水噴霧手段
3x 水噴霧制御盤
4 粉体散布手段
4x 粉体散布制御盤
5 拡散ファン
5x ファン制御盤
6 中央制御盤
7 送風手段
7x 送風機制御盤
8x 入口濃度センサ
8y 出口濃度センサ
21 フィルタ手段
21A 濾過面
22 収納容器
22A 側壁
22B 天面
22C 底面
23 上方空間
23A 排気口
24 下方空間
24A 排出口
31 水タンク
32 ポンプ
33 流量計
34 管
35 ノズル
41 ブロワ
42 粉体タンク
43 管
44 ノズル
45 拡散板
51 インペラ
71 送風ダクト
72 送風機
A 汚染空気
P 粉体
W 水
X 換気装置

Claims (6)

  1. 汚染空気を吸い込むダクトと、このダクトに繋がる集塵装置とを有し、
    前記ダクトには、当該ダクト内に水を噴霧する水噴霧手段と、前記水の噴霧位置よりも下流において前記ダクト内に粉体を散布する粉体散布手段と、前記粉体の散布位置の上流に位置し、かつ前記ダクトの径方向に延在する板状の拡散板と、前記粉体の散布位置の下流に位置し、かつ回転軸が前記ダクトの軸方向に沿い、前記集塵装置への押込みファンとしての機能も有する拡散ファンとが備わり、
    前記粉体の散布は、前記拡散板の近傍において当該拡散板の裏側に向けて行われる、
    ことを特徴とする換気装置。
  2. 前記水の噴霧は、前記拡散板の近傍において当該拡散板に向けて行われる、
    請求項1に記載の換気装置。
  3. 前記集塵装置は、複数のフィルタ手段と、このフィルタ手段の収納容器とを有し、
    前記フィルタ手段は、軸が上下方向を向く円筒状で、かつ周面が濾過面を構成し、上方に上方空間が形成され、かつ下方に下方空間が形成されるように前記収納容器内に配置され、
    前記収納容器の側壁には、前記上方空間を臨む排気口及び前記下方空間を臨む排出口が形成されており、
    前記ダクトからの粉体を含む空気は、前記フィルタ手段の濾過面を通り抜け、前記フィルタ手段内を上方へ抜けて前記上方空間に至り、前記排気口から排気され、
    前記フィルタ手段の濾過面で集塵された粉体は、下方へ落ちて前記下方空間に至り、前記排出口から排出される、
    請求項1又は請求項2に記載の換気装置。
  4. 前記粉体は、消石灰又はセメントである、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の換気装置。
  5. 汚染空気を吸い込むダクトと、このダクトに繋がる集塵装置とを有し、
    前記ダクトには、当該ダクト内に水を噴霧する水噴霧手段と、前記水の噴霧位置よりも下流において前記ダクト内に粉体を散布する粉体散布手段と、前記粉体の散布位置の上流に位置し、かつ前記ダクトの径方向に延在する拡散板と、前記粉体の散布位置の下流に位置し、かつ回転軸が前記ダクトの軸方向に沿う拡散ファンとが備わり、
    前記粉体の散布は、前記拡散板の近傍において当該拡散板に向けて行われる換気装置と、
    前記ダクトに吸い込まれる汚染空気の濃度を測定する入口濃度センサと、
    前記集塵装置から排気される清浄空気の濃度を測定する排気濃度センサと、
    前記入口濃度センサの測定値に応じて前記拡散ファンを制御する手段と、
    前記排気濃度センサの測定値に応じて前記水噴霧手段及び前記粉体散布手段を制御する手段と、
    を有することを特徴とするトンネル換気システム。
  6. トンネル内に外気を吹き込む送風手段と、
    前記排気濃度センサの測定値が所定値を超えた場合に、当該測定値に応じて前記送風手段の風量を上昇させる手段と、
    この風量の上昇に応じて前記拡散ファンの風量を上昇させる手段と、
    を有する請求項5に記載のトンネル換気システム。
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