JP6514881B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents

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本発明は、内燃機関、変速機、および、減速機などに用いられる潤滑油組成物に関する。
相互に摺動する複数の部材を有する装置、例えば、変速機、緩衝器、パワーステアリング、および、内燃機関などの原動機には、これら装置の作動を円滑にするために潤滑油組成物が用いられている。潤滑油組成物の中でも、内燃機関用の潤滑油組成物は、内燃機関を構成するピストンリング、シリンダーライナ、クランクシャフト、コネクティングロッドの軸受、および、動弁機構などの各部分を潤滑させる作用のほかに、以下の作用を有している。すなわち、内燃機関用の潤滑油組成物は、内燃機関を冷却する作用、内燃機関での燃焼による生成物を取り除いて内燃機関を清浄にする作用、燃焼による生成物を内部に分散させる作用、および、内燃機関の錆や腐食を抑える作用などを有している。また、変速機用の潤滑油組成物は、歯車および各種軸受などを潤滑させる作用、すなわち、歯車や各種軸受などにおける摩耗や焼付を抑える作用のほかに、非鉄金属部分における錆や腐食を抑える作用、および、変速機を冷却する作用などを有している(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−222639号公報
ところで、上述した各種の装置を搭載している自動車、建設機械、農業機械、および、船舶などに用いられる潤滑油組成物には、限りある資源を有効に活用するという観点から、ロングドレイン化することが求められている。すなわち、潤滑油組成物には、時間の経過による粘度の変化率が小さいこと、および、酸化に対する耐性が高いことが求められている。
本発明は、時間の経過による粘度の変化率を小さくすること、および、酸化に対する耐性を高くすることの可能な潤滑油組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための潤滑油組成物は、(A)成分である第1基油と、(B)成分である第2基油と、(C)成分である極圧剤であって、前記潤滑油組成物の全量を基準として、前記極圧剤に含まれるリンの質量が0.03質量%以上0.2質量%以下、硫黄の質量が0.06質量%以上2質量%以下である前記極圧剤とを含む。さらに、上記潤滑油組成物は、(D)成分である清浄剤であって、前記潤滑油組成物の全量を基準として、前記清浄剤に含まれるアルカリ土類金属の質量が0.1質量%以上5質量%以下である前記清浄剤と、(E)成分である分散剤であって、無灰系のコハク酸イミド分散剤、および、ホウ素変性した無炭系のコハク酸イミド分散剤の少なくとも一方から構成され、前記潤滑油組成物の全量を基準として、前記分散剤に含まれる窒素の質量が0.005質量%以上2.000質量%以下である前記分散剤とを含む。
ここで、前記(A)成分が、米国石油協会の定めるグループ1からグループ3からなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基油の組み合わせであり、100℃における動粘度が6.0mm/s以上13mm/s以下、粘度指数が98以上、引火点が200℃以上、硫黄の含有量が0.8質量%以下、%CAが5以下である。
また、前記(B)成分が、米国石油協会の定めるグループ2に属し、100℃における動粘度が20mm/s以上35mm/s以下、粘度指数が95以上、硫黄の含有量が0.03質量%以下、%CAが1以下である。
そして、前記(A)成分と前記(B)成分とから構成される潤滑油基油の全量を基準として、前記(A)成分が15質量%以上85質量%以下、前記(B)成分が15質量%以上85質量%以下である。
上記潤滑油組成物は、前記(A)成分に含まれる基油において、%CPが65以上、かつ、粘度指数が100以上であることが好ましい。
上記潤滑油組成物は、前記(B)成分に含まれる基油において、%CNが10以上、引火点が250℃以上、かつ、流動点が−15℃以下であることが好ましい。
上記潤滑油組成物は、100℃における動粘度が13.0mm/s以上32.5mm/s以下、かつ、粘度指数が100以上であることが好ましい。
上記潤滑油組成物は、前記潤滑油基油に由来の硫黄の含有量が0.5質量%以下、100℃における動粘度が13.0mm/s以上32.5mm/s以下、かつ、粘度指数が100以上であることが好ましい。
潤滑油組成物を具体化した1つの実施形態を説明する。
以下では、潤滑油組成物に含まれる潤滑油基油、極圧剤、清浄剤、分散剤、その他の添加剤、および、潤滑油組成物を順番に説明する。
[潤滑油基油]
本実施形態の潤滑油組成物は、潤滑油基油を含み、潤滑油基油は、第1基油と第2基油とから構成されている。第2基油は、第1基油よりも動粘度の高い潤滑油基油である。
相対的に動粘度の低い基油である第1基油は、米国石油協会(API)の定めるグループ1から3のいずれかに属する基油を少なくとも1種類含んでいる。第1基油に含まれる基油において、100℃における動粘度が6.0mm/s以上13mm/s以下であり、粘度指数が98以上であり、引火点が200℃以上であり、硫黄の含有量が0.8質量%以下であり、かつ、%CAが5以下である。
第1基油に含まれる基油において、さらに、%CPが65以上であり、かつ、粘度指数が100以上であることが好ましい。
相対的に動粘度の高い基油である第2基油は、APIの定めるグループ2に属する基油である。第2基油において、100℃における動粘度が20mm/s以上35mm/s以下であり、粘度指数が95以上であり、かつ、%CAが1以下である。第2基油において、硫黄の含有量は0.03質量%以下であり、好ましくは0.01質量%以下である。
第2基油において、さらに、%CNが10以上であり、引火点が250℃以上であり、かつ、流動点が−15℃以下であることが好ましい。
第1基油と第2基油とから構成される潤滑油基油の全量が100質量%であるとき、すなわち、潤滑油基油の全量を基準として、第1基油が、15質量%以上85質量%以下であり、かつ、第2基油が、15質量%以上85質量%以下である。第1基油がグループ1に属する基油であるとき、第1基油は、15質量%以上75質量%以下であることが好ましく、第1基油がグループ2に属する基油、および、グループ3に属する基油のいずれかであるとき、15質量%以上85質量%であることが好ましい。
なお、グループ1から3のいずれかに属する基油である鉱油系基油は、例えば、以下の工程を経て精製された基油である。すなわち、鉱油系基油が精製されるときには、まず、原油を常圧にて蒸留することによって得られる常圧残渣を減圧にて蒸留することによって、潤滑油留分が得られる。そして、潤滑油留分は、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、水素異性化、溶剤脱ろう、接触脱ろう、および、水素化精製などの処理工程のうちの1つ以上を経ることによって精製される。
あるいは、鉱油系基油は、これら工程のうち、溶剤脱ろう工程において得られたスラックワックス、および、スラックワックスがさらに脱油されることで精製されたノルマルパラフィンを主成分とするワックスなどのワックス含有成分から精製することも可能である。鉱油系基油は、ワックス含有成分が水素化分解、または、水素化異性化する方法で製造される基油、すなわち、ワックスの分解によって得られる異性化油であってもよい。また、鉱油系基油は、フィッシャートロップシュワックスなどの合成ワックスが水素化分解、または、水素化異性化する方法で製造される基油、すなわち、合成ワックスの分解によって得られる異性化基油であってもよい。
また、グループ2に属する基油において、基油における硫黄の含有量が300ppm(0.03質量%)未満であることが好ましく、100ppm(0.01質量%)未満であることがより好ましく、10ppm(0.001質量%)未満であることがさらに好ましい。
グループ2に属する基油のうち、ガルフ社法などの水素化精製法によって精製された基油は、硫黄の含有量が10ppm、すなわち0.001質量%未満であり、かつ、芳香族分が5%以下である。そのため、こうした基油は、本実施形態の潤滑油組成物に含まれる基油として好ましい。なお、基油における硫黄の含有量は、放射線式励起法(ASTM D4294準拠、JIS K2541−4)を用いて測定された値である。
なお、グループ2に属する基油は、水素化分解工程を経て精製される基油であって、飽和炭化水素の含有量が90質量%以上であること、粘度指数が80以上120未満であること、および、硫黄の含有量が0.03質量%以下であることの全てを満たす基油である。
また、第1基油としてのグループ3に属する基油は、例えば、以下の方法によって精製された基油であればよい。すなわち、基油は、原油を減圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して、高度水素化精製を行う方法を適用することによって得られたパラフィン系鉱油であってもよい。
また、基油は、GLT(ガストゥリキッド)ワックス、または、GLTワックスがさらに脱ろう工程を経ることで生成されるワックスが、溶剤脱ろう工程の後に、さらに、イソパラフィンに変換して脱ろうする工程であるイソデワックス(ISODEWAX)工程によって精製された基油であってもよい。なお、GLTワックスは、天然ガスの液体燃料化技術であるフィッシャートロプッシュ法によって、天然ガスから合成されたワックスである。そして、基油は、モービルワックス(WAX)異性化工程により精製された基油であってもよい。
なお、グループ3に属する基油の粘度指数は120以上であり、120以上150以下の範囲に含まれる値であることが好ましい。また、グループ3に属する基油における硫黄の含有量は、300ppm(0.03質量%)以下であり、100ppm(0.01質量%)未満であることが好ましく、10ppm(0.001質量%)未満であることがより好ましい。
なお、APIの定めるカテゴリーには、上述したグループ1から3に加えて、グループ4およびグループ5が存在する。グループ4に属する基油は、α−オレフィンを原料として合成されたポリ−α−オレフィン(PAO)基油である。また、グループ5には、グループ1から4に属さないその他の基油が含まれる。
合成炭化水素系基油のうち、グループ4に属する基油は、炭素数が6以上18以下、好ましくは8以上12以下であるα−オレフィンオリゴマーなどのポリ−α−オレフィン、または、ポリ−α−オレフィンの水素化物などである。合成炭化水素系基油は、例えば、ポリブデン、ポリブデンの水素化物、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、および、1−ドデセンオリゴマーなどである。これらの合成炭化水素系基油は、極性を有する添加剤に対して溶解性が低い点で好ましくない。
脂肪酸エステル類、ナフテン類および、アルキルベンゼン類は、APIの定めるカテゴリーのうち、グループ5に属する。脂肪酸エステル類は、脂肪酸エステル類とともに用いられる基油の極性によっては、潤滑油組成物における耐摩耗性や極圧性を低下させることが知られている(「合成潤滑油の自動車用エンジン油への適用」、久保浩一&J.R.F.リリーホワイト、トライボロジスト、Vol39,NO.2(1994)p153−159参照)。また、ナフテン類は粘度指数が低く、動粘度の温度依存性が強いため、高温において油膜を保持しにくい点で好ましくない。
そして、アルキルベンゼン類は、脂肪酸エステル類と同様、グループ4に属する基油の溶解性を高めたり、オイルシールの硬化を抑えたりする効果を有するものの、粘度指数が低い。そのため、グループ4に属する基油とともにアルキルベンゼン類を用いると、潤滑油組成物において、温度に対する粘度の特性が悪くなり、結果として、低温における粘性抵抗が高くなってしまう場合がある。
なお、アルキルベンゼンのうち、ブチルベンゼンなどの一部のアルキルベンゼンは、労働安全衛生法名称公表化学物質である。そのため、こうしたアルキルベンゼンが潤滑油組成物を構成する基油として用いられるときには、アルキルベンゼンによる環境に対する影響や、アルキルベンゼンの安全性が考慮される必要がある。そして、アルキルベンゼン類のうち、環境に対する影響や安全性が懸念される物質を用いることは控えられる必要がある。
こうした観点においても、APIが定めるカテゴリーのうち、グループ1から3からなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基油の組み合わせである第1基油が潤滑油組成物を構成することは好ましい。
[極圧剤]
本実施形態の潤滑油組成物は、リンおよび硫黄を含む極圧剤を含んでいる。潤滑油組成物の全量が100質量%であるとき、すなわち、潤滑油組成物の全量を基準として、極圧剤の質量は、極圧剤に含まれるリンの質量で0.03質量%以上0.2質量%以下であり、かつ、硫黄の質量で0.06質量%以上2質量%以下である。
本実施形態における極圧剤は、硫黄系極圧剤とリン化合物とを組み合わせた硫黄−リン系の極圧剤でもよいし、リンおよび硫黄を分子内に含むリン−硫黄系の極圧剤であってもよい。
極圧剤が硫黄系極圧剤とリン化合物との組み合わせであるとき、硫黄系極圧剤は、例えば、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)、チオフォスフェイト類、硫化オレフィン類、硫化油脂類、チオカーバメイト、金属チオカーバメイト類、ジヒドロカルビルポリスルフィド類、ジチオカーバメート類、チアジアゾール類、および、ベンゾチアゾール類などであればよい。
このうち、硫化油脂は、例えば、硫化ラード、硫化なたね油、硫化ひまし油、硫化大豆油、硫化米ぬか油などの油、硫化オレイン酸などの二硫化脂肪酸、および、硫化オレイン酸メチルなどの硫化エステルなどである。
硫化オレフィンは、例えば、下記一般式(1)で表される化合物である。
R1−S−R2 … (1)
上記一般式(1)において、R1は炭素数が2以上15以下のアルケニル基であり、R2は炭素数が2以上15以下のアルキル基またはアルケニル基であり、xは1以上8以下の整数である。
硫化オレフィンは、炭素数が2以上15以下のオレフィン、または、オレフィンの2量体から4量体を硫黄あるいは塩化硫黄などの硫化剤と反応させることによって得ることができる。オレフィンは、例えば、プロピレン、イソブテン、および、ジイソブテンなどであることが好ましい。
上述したジヒドロカルビルポリスルフィドは、例えば、下記一般式(2)で示される化合物である。
R3−S−R4 … (2)
上記一般式(2)において、R3およびR4の各々は、炭素数が1以上20以下のアルキル基、炭素数が6以上20以下であるアリール基、および、炭素数が7以上20以下のアリールアルキル基のいずれかである。アルキル基には、シクロアルキル基も含まれる。yは、2以上8以下の整数である。なお、R3とR4とは、相互に同じ炭化水素基であってもよいし、相互に異なる炭化水素基であってもよい。
R3およびR4の各々は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ドデシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、および、フェネチル基などである。
極圧剤が硫黄系極圧剤とリン化合物との組み合わせであるとき、リン化合物は、アルキルリン酸エステル、アルキルフェニルリン酸エステル、亜リン酸エステル、および、リン酸エステルのアミン塩などである。
極圧剤が、リンおよび硫黄を分子内に含むリン−硫黄系極圧剤であるとき、極圧剤は、リンおよび硫黄を分子内に含んでいれば特に制限されない。リン−硫黄系極圧剤は、例えば、モノチオ亜リン酸エステル、ジチオ亜リン酸エステル、トリチオ亜リン酸エステル、モノチオリン酸エステル、ジチオリン酸エステル、トリチオリン酸エステル、および、これらの誘導体などである。これら極圧剤の中では、ジチオリン酸エステル、および、ジチオリン酸エステルの誘導体が好ましく、ジチオリン酸エステルが特に好ましい。ジチオステアリン酸エステル、および、ジチオステアリン酸エステルの誘導体は、通常、炭素数が2以上30以下である炭化水素基を有する。
ジチオリン酸エステルは、例えば、ジチオリン酸、ジチオリン酸モノエステル類、ジチオリン酸ジエステル類、および、ジチオリン酸トリエステル類から構成される群から選択される少なくとも1種である。上述したように、ジチオステアリン酸エステルは、通常、炭素数が2以上30以下である炭化水素基を有する。
ジチオリン酸エステルの誘導体は、例えば、ジチオリン酸エステルの金属塩、ジチオリン酸エステルのアミン塩、ジチオリン酸エステルとジシクロペンタジエンなどのジエン類との反応生成物、β−ジチオホスホリル化カルボン酸、および、これら4種類の化合物の各々の誘導体などである。上述のように、ジチオリン酸エステルの誘導体は、通常、炭素数が2以上30以下である炭化水素基を有する。
なお、炭素数が2以上30以下である炭化水素基には、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルキル基を有したシクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、および、アリールアルキル基を挙げることができる。
アルキル基は、例えば、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、および、オクタデシル基などである。これらのアルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。
シクロアルキル基は、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、および、シクロヘプチル基などであって、炭素数が5以上7以下のシクロアルキル基である。
アルキル基を有したシクロアルキル基は、例えば、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、メチルエチルシクロヘプチル基、および、ジエチルシクロヘプチル基などである。アルキル基を有したシクロアルキル基は、炭素数が6以上11以下であり、シクロアルキル基におけるアルキル基の置換位置は、任意に設定することができる。
アルケニル基は、例えば、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、および、オクタデセニル基などである。なお、アルケニル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。また、アルケニル基における二重結合の位置は、任意に設定することができる。
アリール基は、例えば、フェニル基、および、ナフチル基などである。
アルキルアリール基は、例えば、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、および、ドデシルフェニル基などである。アルキルアリール基は、炭素数が7以上18以下である。なお、アルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。
アリールアルキル基は、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、および、フェニルヘキシル基などである。アリールアルキル基は、炭素数が7以上12以下であり、アルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。
潤滑油組成物の全量が100質量%であるとき、極圧剤の質量は、極圧剤に含まれるリンの質量で0.03質量%以上0.2質量%以下であり、かつ、硫黄の質量で0.06質量%以上2質量%以下である。
極圧剤において、極圧剤に由来するリンの質量が0.03質量%以上、かつ、同じく極圧剤に由来する硫黄の質量が0.06質量%以上であるとき、極圧剤によって、十分な極圧性および耐摩耗性を得ることができる。また、極圧剤に由来するリンの質量が0.2質量%以下、かつ、同じく極圧剤に由来する硫黄の質量が2質量%以下であるとき、熱によって潤滑剤組成物が熱劣化することや、酸素によって酸化劣化することが抑えられる。結果として、潤滑油組成物において、スラッジが生じること、および、酸価が上昇することが抑えられる。
[清浄剤]
本実施形態の潤滑油組成物は、アルカリ土類金属系の清浄剤を含んでいる。潤滑油組成物の全量が100質量%であるとき、すなわち、潤滑油組成物の全量を基準として、清浄剤の質量は、清浄剤に含まれるアルカリ土類金属の質量で0.1質量%以上5質量%以下である。
本実施形態のアルカリ土類金属系清浄剤において、全塩基価が20mgKOH/g以上450mgKOH/g以下であることが好ましく、50mgKOH/g以上400mgKOH/g以下であることがより好ましい。なお、全塩基価は、JIS K2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験法」における7に準拠して測定される過塩素酸法による全塩基価を意味している。アルカリ土類金属系清浄剤の全塩基価が20mgKOH/g以上であるとき、潤滑油組成物における熱劣化および酸化劣化を中和する効果を確実に得ることができる。また、全塩基価が450mgKOH/g以下であるとき、アルカリ土類金属系清浄剤の構造が安定であるため、潤滑油組成物の貯蔵安定性も高まる。
全塩基価が20mgKOH/g以上450mgKOH/g以下であるアルカリ土類金属系清浄剤は、例えば、アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート、および、アルカリ土類金属サリシレートである。清浄剤は、これらの中から選ばれる1種類または2種類以上のアルカリ土類金属系清浄剤を含んでいればよい。
上述したアルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート、および、アルカリ土類金属サリシレートにおいて、全塩基価が20mgKOH/g以上450mgKOH/g以下の範囲に含まれていればよい。そのため、アルカリ土類金属系清浄剤には、以下の物質が含まれる。すなわち、アルカリ土類金属系清浄剤には、中性塩、言い換えれば正塩だけでなく、塩基性塩、および、過塩基性塩、言い換えれば超塩基性塩も含まれる。
このうち、中性塩は、アルキル芳香族スルホン酸、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、アルキルフェノールのマンニッヒ反応生成物、および、アルキルサリチル酸などを直接アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物などのアルカリ土類金属塩基と反応させることによって得られる。また、中性塩は、アルキル芳香族スルホン酸、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、アルキルフェノールのマンニッヒ反応生成物、および、アルキルサリチル酸などを一旦ナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩としてからアルカリ土類金属塩と置換させることによって得られる。
塩基性塩は、上述した中性塩と、過剰のアルカリ土類金属塩や、アルカリ土類金属塩基としてのアルカリ土類金属の水酸化物および酸化物などとを水の存在下で加熱することによって得られる。過塩基性塩は、炭酸ガスの存在下にて中性塩をアルカリ土類金属の塩基と反応させることによって得られる。
なお、中性塩、塩基性塩、および、過塩基性塩を得るための反応は、通常、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶剤、キシレンなどの芳香族炭化水素溶剤、および、軽質潤滑油基油などの溶媒の中で行われる。
アルカリ土類金属系の清浄剤は、通常、軽質潤滑油基油などで希釈された状態で市販されている。清浄剤において、金属含有量が、1.0質量%以上20質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以上16質量%以下であることがより好ましい。また、清浄剤に含まれるアルカリ土類金属は、カルシウム、および、マグネシウムの少なくとも一方であることが好ましい。
清浄剤において、アルカリ土類金属の含有量が小さいほど、石鹸の含有量が大きく、アルカリ土類金属の含有量が大きいほど、石鹸の含有量が小さい。清浄剤の含むアルカリ土類金属がカルシウムであるとき、清浄剤における石鹸の含有量が小さいほど、清浄剤に含まれるコロイド状のCaCOの含有量が大きい。
CaCOの含有量が大きいほど、清浄剤における酸中和性が高まる一方で、石鹸の含有量が小さいため、清浄性が低い。また、コロイド状のCaCOの量が大きくなるため、清浄剤の安定性が低い、すなわち、清浄剤からCaCOが脱離しやすく、結果として、潤滑油組成物の中でCaCOが沈殿しやすい。これに対して、カルシウムの含有量が小さいと、石鹸の含有量が大きいために、清浄性が高まる一方で、CaCOの含有量が小さいために、酸中和性が低くなる。
上述したように、清浄剤における金属含有量が、1.0質量%以上20質量%以下に含まれるいずれかの値であれば、十分な酸中和性を得られる程度にアルカリ土類金属が含まれ、かつ、十分な清浄性が得られる程度に石鹸が含まれる。
清浄剤の質量は、潤滑油組成物の全量が100質量%であるとき、清浄剤に含まれるアルカリ土類金属の質量で0.1質量%以上5質量%以下である。アルカリ土類金属の質量が0.1質量%以上であるとき、清浄剤による酸中和性および清浄性を確実に得ることができる。これに対して、アルカリ土類金属の質量が5質量%以下であるとき、潤滑油組成物に含まれる他の添加剤が、潤滑の対象である金属の表面に吸着することを清浄剤が妨げることが抑えられるため、他の添加剤による効果を確実に得ることができる。
[分散剤]
本実施形態の潤滑油組成物は、無灰系のコハク酸イミド分散剤、および、ホウ素変性したコハク酸イミド分散剤の少なくとも一方から構成される分散剤を含んでいる。潤滑油組成物の全量が100質量%であるとき、すなわち、潤滑油組成物の全量を基準として、分散剤の質量は、分散剤に含まれる窒素の質量で0.005質量%以上2.000質量%以下である。
無灰系のコハク酸イミド分散剤、あるいは、ホウ素変性した無灰系のコハク酸イミド分散剤は、例えば、以下に記載される物質である。コハク酸イミド分散剤は、例えば、ポリオレフィンから誘導されたアルケニル基もしくはアルキル基を有するコハク酸イミド、ベンジルアミン、ポリアミン、および、マンニッヒ塩基などの窒素含有化合物である。あるいは、コハク酸イミド分散剤は、これらの窒素含有化合物に対して、チオリン酸およびチオリン酸塩などのリン化合物、有機酸、および、ヒドロキシポリオキシアルキレンカーボネートなどを作用させた誘導体であってもよい。ホウ素変性した無灰系のコハク酸イミド分散剤は、上述した窒素含有化合物に対して、ホウ酸およびホウ酸塩などのホウ素化合物を作用させた誘導体である。
本実施形態における分散剤は、上述した分散剤の中から任意に選ばれる1種類、あるいは2種類以上から構成されればよい。なお、無灰系の分散剤は、ビスタイプのポリブテニルコハク酸イミド、ビスタイプのポリブテニルコハク酸イミドの誘導体、または、これらの混合物であることが特に好ましい。
ここで、上述したアルケニル基もしくはアルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。アルケニル基、および、アルキル基は、具体的には、プロピレン、1−プテン、イソブチレンなどのオレフィンのオリゴマー、あるいは、エチレンとプロピレンとのコオリゴマーから誘導される分岐鎖状アルキル基や分岐鎖状アルケニル基などである。分岐鎖状アルキル基、および、分岐鎖状アルケニル基は、好ましくは数平均分子量が500以上5000以下であり、より好ましくは700以上4000以下であり、さらに好ましくは900以上3000以下のポリブテンであるポリイソブテンから誘導されることが好ましい。
無灰分散剤の重量平均分子量は1000以上20000以下であることが好ましく、1500以上10000以下であることがより好ましく、2000以上6000以下であることがさらに好ましい。無灰分散剤の重量平均分子量が1000よりも小さいときには、非極性基であるポリブテニル基の分子量が小さいために、大きなスラッジを取り囲んで非極性溶媒である炭化水素基油中に分散させることができない。また、無灰分散剤の重量平均分子量が20000を超えるときには、低温における粘度が高くなるために、潤滑油組成物の温度粘度特性が悪化する。
本実施形態において、潤滑油組成物中の分散剤の含有量は、潤滑油組成物の全量が100質量%であるとき、窒素元素換算で、0.005質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.05質量%以上であることがさらに好ましい。また、無灰分散剤の質量は分散剤に含まれる窒素の質量で2.0質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以下であることがさらに好ましい。無灰分散剤の含有量が窒素元素換算で0.005質量%よりも小さいときには、分散剤が少ないために十分な清浄効果を得ることができない。また、分散剤の含有量が窒素元素換算で2.0質量%を超えるときには、分散剤の量が多すぎて、低温における粘度が増加するため、潤滑油組成物の温度粘度特性が悪化する。
[その他の添加剤]
なお、本実施形態の潤滑油組成物は、上述した極圧剤、清浄剤、および、分散剤に加えて、以下に列挙する他の添加剤を含んでもよい。すなわち、潤滑油組成物は、潤滑油組成物の性能をさらに高める目的で、また、潤滑油組成物にさらなる機能を加える目的で、防錆剤、金属不活性化剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、消泡剤、ゴム膨潤剤、摩擦調整剤、および、酸化防止剤から構成される群から選択される少なくとも1種の添加剤を含むことが好ましい。
[防錆剤]
防錆剤は、例えば、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、スルホネートの金属塩、スルホネートのアミン塩、ナフテン酸亜鉛、アルケニルコハク酸エステル、および、多価アルコールエステルなどである。
[金属不活性化剤]
金属不活性化剤は、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、アルキルチアジアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、トリルトリアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾールの誘導体、1,3,4−チアジアゾールポリスルフィド、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、および、β−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリルなどである。
[粘度指数向上剤]
粘度指数向上剤は、例えば、非分散型粘度指数向上剤などである。非分散型粘度指数向上剤は、例えば、ポリメタクリレート、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ジエン共重合体、ポリイソブチレン、および、ポリスチレンなどのオレフィンポリマー類である。
粘度指数向上剤は、潤滑油組成物の全量が100質量%であるとき、0.05質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
[流動点降下剤]
流動点降下剤には、潤滑油基油の性状に応じて、公知の流動点降下剤が任意に選択されればよいが、流動点降下剤は、ポリメタクリレートであることが好ましい。流動点降下剤として用いられるポリメタクリレートの重量平均分子量は、1万以上30万以下であることが好ましく、5万以上20万以下であることがより好ましい。流動点降下剤は、潤滑油組成物における低温での流動性を高めることができるため、添加剤として好ましい。流動点降下剤は、潤滑油組成物の全量が100質量%であるとき、0.05質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
[消泡剤]
消泡剤は、潤滑油組成物用の消泡剤として通常用いられる任意の化合物であればよい。消泡剤は、例えば、ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン系消泡剤、フッ素変性シリコーンであるフルオロシリコーンなどのフッ素系消泡剤、メタアクリル系などのエステル系泡消剤、および、アルコール系泡消剤などである。また、消泡剤は、これらの中から任意に選ばれた2種類以上の化合物が任意の量で配合された混合物であってもよい。潤滑油組成物の全量が100質量%であるとき、消泡剤は、0.0001質量%以上0.03質量%以下であることが好ましい。
[ゴム膨潤剤]
ゴム膨潤剤は、各種芳香族系および脂肪酸エステル類などである。潤滑油組成物の全量が100質量%であるとき、ゴム膨張剤は、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
[摩擦調整剤]
摩擦調節剤は、無灰系摩擦調整剤(Friction Modifier:FM)であることが好ましく、無灰系摩擦調整剤は、例えば、脂肪酸エステル、脂肪酸アミン、脂肪酸アミド、中性リン酸エステル、リン酸エステルのアミン塩、チオリン酸エステル、硫化油脂などである。無灰系摩擦調整剤は、主に、潤滑油組成物が用いられる装置にて生じる摩擦を下げるために、潤滑油組成物の全量が100質量%であるとき、0.1質量%以上1質量%以下であることが好ましい。
また、摩擦調節剤は、有機金属系摩擦調整剤であってもよく、有機金属摩擦調節剤は、例えば、有機モリブデン化合物であり、有機モリブデン化合物には、硫黄を構成元素として含む有機モリブデン化合物、および、硫黄を構成元素として含まない有機モリブデン化合物の双方が含まれる。硫黄を構成元素として含む有機モリブデン化合物は、例えば、モリブデンジチオホスフェート、および、モリブデンジチオカーバメートなどの有機モリブデン錯体である。このうち、モリブデンジチオホスフェートは、例えば、下記一般式(3)で表される化合物である。
Figure 0006514881
上記一般式(3)において、R5、R6、R7、および、R8は、相互に同じ炭化水素基であってもよいし、相互に異なる炭化水素基であってもよい。R5からR8の各々は、アルキル基、アリール基、または、アルキルアリール基などである。R5からR8の各々がアルキル基であるとき、R5からR8の各々における炭素数は、2以上30以下、好ましくは5以上18以下、より好ましくは5以上12以下である。
R5からR8の各々がアリール基、または、アルキルアリール基であるとき、R5からR8の各々における炭素数は、6以上18以下、好ましくは10以上15以下である。X1、X2、X3、および、X4の各々は、硫黄原子または酸素原子である。
アルキル基は、例えば、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、および、オクタデシル基などであることが好ましい。これらのアルキル基は1級アルキル基、2級アルキル基、および、3級アルキル基のいずれであってもよいし、また、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。
アリール基は、例えば、フェニル基であり、アルキルアリール基は、例えば、トリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、および、ドデシルフェニル基などであることが好ましい。アルキルアリール基の有するアルキル基は、1級アルキル基、2級アルキル基、および、3級アルキル基のいずれであってもよいし、また、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。さらに、アルキルアリール基には、アリール基へのアルキル基の置換位置が相互に異なる全ての置換異性体が含まれる。
モリブデンジチオホスフェートは、具体的には、硫化モリブデンジエチルジチオホスフェート、硫化モリブデンジプロピルジチオホスフェート、硫化モリブデンジブチルジチオホスフェート、硫化モリブデンジペンチルジチオホスフェート、硫化モリブデンジヘキシルジチオホスフェート、硫化モリブデンジオクチルジチオホスフェート、硫化モリブデンジデシルジチオホスフェート、硫化モリブデンジドデシルジチオホスフェート、硫化モリブデンジ(ブチルフェニル)ジチオホスフェート、硫化モリブデンジ(ノニルフェニル)ジチオホスフェート、硫化オキシモリブデンジエチルジチオホスフェート、硫化オキシモリブデンジプロピルジチオホスフェート、硫化オキシモリブデンジブチルジチオホスフェート、硫化オキシモリブデンジペンチルジチオホスフェート、硫化オキシモリブデンジヘキシルジチオホスフェート、硫化オキシモリブデンジオクチルジチオホスフェート、硫化オキシモリブデンジデシルジチオホスフェート、硫化オキシモリブデンジドデシルジチオホスフェート、硫化オキシモリブデンジ(ブチルフェニル)ジチオホスフェート、および、硫化オキシモリブデンジ(ノニルフェニル)ジチオホスフェートから選択される少なくとも1つなどであるが好ましい。なお、上述したように、モリブデンジチオホスフェートにおいて、アルキル基は直鎖状であっても分岐鎖状でであってもよく、また、アルキルフェニル基にて、フェニル基におけるアルキル基の結合位置は任意である。モリブデンジチオホスフェートは、1分子中に相互に異なる炭素数の炭化水素基、および、相互に異なる構造を有した炭化水素基の少なくとも一方を有する化合物であってもよい。
モリブデンジチオカーバメートは、例えば、下記一般式(4)で表される化合物である。
Figure 0006514881
上記一般式(4)において、R9、R10、R11、および、R12は、相互に同じ炭化水素基であってもよいし、相互に異なる炭化水素基であってもよい。R9からR12の各々は、アルキル基、アリール基、または、アルキルアリール基である。R9からR12の各々がアルキル基であるとき、R9からR12の各々における炭素数は、2以上24以下、好ましくは4以上13以下である。R9からR12の各々がアリール基、または、アルキルアリール基であるとき、R9からR12の各々の炭素数は、6以上24以下、好ましくは10以上15以下である。またX5、X6、X7、および、X8の各々は、硫黄原子または酸素原子である。
アルキル基は、例えば、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、および、オクタデシル基などであることが好ましい。これらのアルキル基は、1級アルキル基、2級アルキル基、および、3級アルキル基のいずれであってもよく、また、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。
アリール基は、例えば、フェニル基であり、アルキルアリール基は、例えば、トリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、および、ドデシルフェニル基などであることが好ましい。アルキルアリール基の有するアルキル基は、1級アルキル基、2級アルキル基、および、3級アルキル基のいずれであってもよいし、また、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。さらに、アルキルアリール基には、アリール基へのアルキル基の置換位置が相互に異なる全ての置換異性体が含まれる。また、上述した構造とは異なる構造を有したモリブデンジチオカーバメートには、例えば、WO98/26030、あるいは、WO99/31113に開示されるようなチオ、または、ポリチオ−三核モリブデンにジチオカーバメート基が配位した構造を有するものなどが挙げられる。
モリブデンジチオカーバメートは、具体的には、硫化モリブデンジエチルジチオカーバメート、硫化モリブデンジプロピルジチオカーバメート、硫化モリブデンジブチルジチオカーバメート、硫化モリブデンジペンチルジチオカーバメート、硫化モリブデンジヘキシルジチオカーバメート、硫化モリブデンジオクチルジチオカーバメート、硫化モリブデンジデシルジチオカーバメート、硫化モリブデンジドデシルジチオカーバメート、硫化モリブデンジ(ブチルフェニル)ジチオカーバメート、硫化モリブデンジ(ノニルフェニル)ジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジエチルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジプロピルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジブチルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジペンチルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジヘキシルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジオクチルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジデシルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジドデシルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジ(ブチルフェニル)ジチオカーバメート、および、硫化オキシモリブデンジ(ノニルフェニル)ジチオカーバメートから選択される少なくとも1つなどであることが好ましい。なお、上述したように、モリブデンジチオカーバメートにおいて、アルキル基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、また、アルキルフェニル基にて、アルキル基の結合位置は任意である。モリブデンジチオカーバメートは、1分子中に相互に異なる炭素数の炭化水素基、および、相互に異なる構造を有した炭化水素基の少なくとも一方を有する化合物であってもよい。
また、硫黄を構成元素として含む有機モリブデン錯体のうち、上述した有機モリブデン錯体とは異なる錯体は、例えば、モリブデン化合物と、硫黄含有有機化合物、あるいは、その他の有機化合物との錯体であればよい。そして、モリブデン化合物は、例えば、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン等の酸化モリブデン、オルトモリブデン酸、パラモリブデン酸、および、(ポリ)硫化モリブデン酸などのモリブデン酸、これらモリブデン酸の各々の金属塩、アンモニウム塩などのモリブデン酸塩、二硫化モリブデン、三硫化モリブデン、五硫化モリブデン、ポリ硫化モリブデンなどの硫化モリブデン、硫化モリブデン酸、硫化モリブデン酸の金属塩またはアミン塩、塩化モリブデンなどのハロゲン化モリブデンなどである。また、硫黄含有有機化合物は、例えば、アルキル(チオ)キサンテート、チアジアゾール、メルカプトチアジアゾール、チオカーボネート、テトラハイドロカルビルチウラムジスルフィド、ビス(ジ(チオ)ハイドロカルビルジチオホスホネート)ジスルフィド、有機(ポリ)サルファイド、および、硫化エステルなどである。あるいは、上述した有機モリブデン錯体とは異なる錯体は、上述した硫化モリブデン、および、硫化モリブデン酸などの硫黄含有モリブデン化合物とアルケニルコハク酸イミドとの錯体などである。
[酸化防止剤]
酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤などの無灰系酸化防止剤、および、有機金属系酸化防止剤など、潤滑油に対する添加剤として一般的に用いられているものであればよい。潤滑油組成物は、酸化防止剤が添加されることによって、潤滑油組成物における酸化防止性がより高められる。これにより、潤滑油組成物における酸化安定性、高温清浄性、および、塩基価維持性がより高められる。
フェノール系酸化防止剤は、例えば、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンジル)スルフィド、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、2,2’−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、および、3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル置換脂肪酸エステル類などであることが好ましい。また、酸化防止剤は、以上に列記されたフェノール系酸化防止剤を2種以上含んでもよい。
アミン系酸化防止剤は、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン、および、ジアルキルジフェニルアミンなどである。また、酸化防止剤は、これらアミン系酸化防止剤を2種以上含んでもよい。
有機金属系酸化防止剤は、金属を含み、かつ、酸化防止効果の認められる公知の有機金属系酸化防止剤であればよい。有機金属系酸化防止剤は、例えば、上述した有機モリブデン化合物のうちのモリブデンジチオカーバメートであることが好ましい。
なお、上述したフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、および、有機金属酸化防止剤は組み合わせて用いられてもよい。
潤滑油組成物において、酸化防止剤の含有量は、潤滑油組成物の全量が100質量%であるとき、0.01質量%以上5質量%であればよく、好ましくは0.1質量%以上2質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上2質量%以下である。酸化防止剤の含有量が5質量%以下であるとき、酸化防止剤の含有量を増やす分だけ、潤滑油組成物において上述した性能が高められる。一方で、酸化防止剤の含有量が0.01質量%以上であるとき、酸化防止剤が塩基価維持性を高める効果を確実に得ることができる。
[潤滑油組成物]
潤滑油組成物において、100℃における動粘度は、13.0mm/s以上であることが好ましく、13.5mm/s以上であることがより好ましく、14.0mm/s以上であることがさらに好ましく、14.5mm/s以上であることが特に好ましい。一方で、100℃における動粘度は、32.5mm/s以下であることが好ましく、31.0mm/s以下であることがより好ましく、30.5mm/s以下であることがさらに好ましく、30.0mm/s以下であることが特に好ましい。
100℃における動粘度が13.0mm/s以上であるとき、潤滑される対象が低速、かつ、荷重が大きい状態で運転されても、潤滑油組成物は、十分な耐摩耗性および極圧性を発現することができる。また、100℃における動粘度が13.0mm/s以上であるとき、高温下において蒸発することが抑えられるため、結果として、潤滑油組成物のロングドレイン化が可能である。
これに対して、100℃における動粘度が32.5mm/s以下であるとき、例えば、潤滑油組成物の用いられる対象が内燃機関であれば、低温での始動性が悪化することや、粘性抵抗が高くなることによって燃費が悪化することが抑えられる。また、100℃における動粘度が32.5mm/s以下であるとき、炭化水素系の高分子剤や高粘度ポリブデンなどの粘度調整剤を用いる量を小さくすることができる。結果として、潤滑油組成物によって得ることのできる効果を確実に得ながら、潤滑油組成物の製造にかかるコストが高くなることが抑えられる。
本実施形態の潤滑油組成物は、例えば、変速機、終減速機、および、内燃機関の少なくとも1つに用いられる。変速機、終減速機、および、内燃機関の各々の装置は、自動車に搭載される装置であってもよいし、船舶に搭載される装置であってもよいし、建設機械に搭載される装置であってもよい。
潤滑油組成物が、変速機、終減速機、および、内燃機関の少なくとも1つに用いられる上では、潤滑油組成物において、100℃における動粘度が13.5mm/s以上であり、粘度指数が100以上であることが好ましく、さらに、基油に由来する硫黄の含有量が0.5質量%であることが好ましい。
舶用内燃機関用の潤滑油組成物には、SAE(Society of Automotive Engineers)40以上の粘度を有することが求められ、大型車両の終減速機用潤滑油組成物、および、大型特殊車両の終減速機用潤滑油組成物には、SAE85W90以上の粘度を有することが求められる。こうした高い粘度の求められる潤滑油組成物では、本実施形態における潤滑油組成物のように、飽和炭化水素の含有量が高く、かつ、硫黄の含有量が低いことで、耐熱性および耐酸化性が高まる、すなわち、潤滑油組成物のロングドレイン化が可能になる。
[実施例]
表1から表7を参照して、実施例および比較例を説明する。
まず、表1を参照して、実施例および比較例における潤滑油組成物に含まれる基油、および、添加剤を説明する。
Figure 0006514881
なお、以下に記載する基油における動粘度、粘度指数、硫黄の含有量、%CA、%CN、%CP、基油の蒸発減量、引火点、および、流動点は、それぞれ以下の方法を用いて測定した。基油における動粘度、および、粘度指数は、JIS K 2283に規定される方法を用いて測定した。基油における硫黄の含有量は、放射線励起法(ASTM D4294準拠、JIS K 2541−4)を用いて測定し、%CA、%CN、および、%CPは、n−d−M環分析(ASTM D3238)を用いて測定した。基油の蒸発減量は、NOACK法(ASTM D5800)を用いて測定し、蒸発減量は、20mmHO減圧下、250℃、かつ、1時間の条件で測定した。引火点は、COC法(クリーブランド開放法)(JIS K 2265−4)を用いて測定し、流動点は、JIS K 2269に規定される方法を用いて測定した。
[基油1]
基油1は、APIカテゴリーにおいてグループ1に分類される基油であり、溶剤脱ろう精製によって得られる基油である。基油1において、100℃おける動粘度が31.7mm/sであり、40℃における動粘度が484mm/sであり、粘度指数が96であり、硫黄の含有量が1.1質量%である。
基油1において、蒸発減量は、0.3質量%未満であり、%CAは7であり、%CNは24であり、%CPは69である。また、基油1において、引火点は322℃であり、流動点は−12.5℃である。
[基油2]
基油2は、APIカテゴリーにおいてグループ2に分類される基油であり、接触脱ろうによる水素化処理を行った後、水素化仕上げ精製よって得られる基油である。基油2において、100℃における動粘度が24.1mm/sであり、40℃における動粘度が290mm/sであり、粘度指数が104であり、硫黄の含有量が0.01質量%未満である。
基油2において、蒸発減量は、0.3質量%未満であり、%CAは0であり、%CNは30であり、%CPは70である。また、基油2において、引火点は280℃であり、流動点は−30℃である。
[基油3]
基油3は、APIカテゴリーにおいてグループ2に分類される基油であり、接触脱ろうによる水素化処理を行った後、水素化仕上げ精製によって得られる基油である。基油3において、100℃における動粘度は12.0mm/sであり、40℃における動粘度は101mm/sであり、粘度指数は110であり、硫黄の含有量は0.01質量%未満である。
基油3において、蒸発減量は、1.3質量%であり、%CAは0であり、%CNは27であり、%CPは73である。また、基油3において、引火点は282℃であり、流動点は−20℃である。
[基油4]
基油4は、APIカテゴリーにおいてグループ1に分類される基油であり、溶剤脱ろう精製より得られる基油である。基油4において、100℃における動粘度は11.4mm/sであり、40℃における動粘度は98.9mm/sであり、粘度指数は102であり、硫黄の含有量は0.7質量%である。
基油4において、蒸発減量は1.4質量%であり、%CAは3であり、%CNは27であり、%CPは70である。また、基油4において、引火点は274℃であり、流動点は−10℃である。
[基油5]
基油5は、APIカテゴリーにおいてグループ3に分類される基油であり、フィッシャートロプシュ合成よって得られる基油である。基油5において、100℃における動粘度が7.6mm/sであり、40℃における動粘度が43.7mm/sであり、粘度指数が143であり、硫黄の含有量が0.01質量%未満である。
基油5において、蒸発減量は、4.6質量%であり、%CAは0であり、%CNは12であり、%CPは88である。また、基油5において、引火点は248℃であり、流動点は−15℃である。
[基油6]
基油6は、APIカテゴリーにおいてグループ4に分類される基油であり、ポリ−α−オレフィンから合成される基油である。基油6において、100℃における動粘度が40.1mm/Sであり、40℃における動粘度が400mm/sであり、粘度指数が150であり、硫黄の含有量が0.01質量%未満である。
基油6において、蒸発減量は、0.3質量%未満であり、引火点は274℃であり、流動点は−37.5℃である。
[基油7]
基油7は、APIカテゴリーにおいてグループ4に分類される基油であり、ポリ−α−オレフィンから合成される基油である。基油7において、100℃における動粘度が9.7mm/sであり、40℃における動粘度が63.7mm/sであり、粘度指数が135であり、硫黄の含有量が0.01質量%未満である。
基油7において、蒸発減量は、1.8質量%であり、引火点は262℃であり、流動点は−45.0℃よりも低い。
[清浄剤]
清浄剤は、一般的に内燃機関用の潤滑油基油に添加される過塩基性のカルシウムサリシレートであり、清浄剤において、塩基価が230mgKOH/gであり、清浄剤におけるCaの含有量は、8.0質量%である。
[無灰分散剤]
分散剤は、一般的に内燃機関用の潤滑油基油に添加される分散剤であり、分子量が1000以上3000以下の範囲に含まれ、かつ、ポリブテニル基を含む無灰系コハク酸イミドである。無灰系コハク酸イミドとして、窒素の含有量が1.58質量%であるインフィニアム社製の無灰系コハク酸イミドを用いた。
[極圧剤および耐摩耗剤]
極圧剤および耐摩耗剤の主成分は、アルキル基が2−エチルヘキシル基である1級のジアルキルジチオリン酸亜鉛である。極圧剤および耐摩耗剤において、リンの含有量が7.3質量%であり、亜鉛の含有量が8.1質量%であり、硫黄の含有量が14.8質量%である。アルキルジチオリン酸亜鉛として、シェブロンオロナイト社製のOLOA 269Rを用いた。
[流動点降下剤]
流動点降下剤として、一般的に使用される流動点降下剤であって、重量平均分子量が18万であるポリメタクリレート系の流動点降下剤を用いた。
[消泡剤溶液]
消泡剤溶液として、重量平均分子量が約3万であるポリメチルシロキサン、すなわち、シリコーンオイルをJIS K 2203に規定される1号灯油に対して3質量%の割合で溶解した溶液を用いた。
表2が示すように、上述した基油と添加剤とを用いて実施例1から4の各々、および、比較例1から3の各々の潤滑油組成物を調整した。なお、潤滑油組成物における添加剤の含有量は、潤滑油組成物の全量を100質量%とするときの値である。また、実施例1から4、および、比較例1から3の潤滑油組成物は、SAE粘度が40に相当する潤滑油組成物である。
Figure 0006514881
[実施例1]
実施例1は、基油2を15.0質量%、基油3を77.26%、清浄剤を5.14質量%、分散剤を1.80質量%、極圧剤および耐摩耗剤を0.50質量%、流動点降下剤を0.20質量%、消泡剤溶液を0.10質量%含む。なお、潤滑油基油の全量が100質量%であるとき、基油2は16.3質量%であり、基油3は83.7質量%である。
[実施例2]
実施例2は、基油2を49.26質量%、基油5を43.00質量%含む。実施例2は、清浄剤、分散剤、極圧剤および耐摩耗剤、流動点降下剤、および、消泡剤溶液の各々を実施例1と同じ割合で含む。なお、潤滑油基油の全量が100質量%であるとき、基油2は53.4質量%であり、基油4は46.6質量%である。
[実施例3]
実施例3は、基油2を22.26質量%、基油4を70.00質量%含む。実施例3は、清浄剤、分散剤、極圧剤および耐摩耗剤、流動点降下剤、および、消泡剤溶液の各々を実施例1と同じ割合で含む。なお、潤滑油基油の全量が100質量%であるとき、基油2は24.1質量%であり、基油4は75.9質量%である。
[実施例4]
実施例4は、基油2を35.76質量%、基油4を35.00質量%、基油5を21.50質量%含む。実施例4は、清浄剤、分散剤、極圧剤および耐摩耗剤、流動点降下剤、および、消泡剤溶液の各々を実施例1と同じ割合で含む。なお、潤滑油基油の全量が100質量%であるとき、基油2は38.8質量%であり、基油4は37.9質量%であり、基油5は23.3質量%である。
[比較例1]
比較例1は、基油1を15.00質量%、基油4を77.26質量%含む。比較例1は、清浄剤、分散剤、極圧剤および耐摩耗剤、流動点降下剤、および、消泡剤溶液の各々を実施例1と同じ割合で含む。なお、潤滑油基油の全量が100質量%であるとき、基油1は16.3質量%であり、基油5は83.7質量%である。
[比較例2]
比較例2は、基油1を42.78質量%、基油5を49.48質量%含む。比較例2は、清浄剤、分散剤、極圧剤および耐摩耗剤、流動点降下剤、および、消泡剤溶液の各々を実施例1と同じ割合で含む。なお、潤滑油基油の全量が100質量%であるとき、基油1は46.4質量%であり、基油5は53.6質量%である。
[比較例3]
比較例3は、基油2を34.26質量%、基油7を58.00質量%含む。比較例3は、清浄剤、分散剤、極圧剤および耐摩耗剤、流動点降下剤、および、消泡剤溶液の各々を実施例1と同じ割合で含む。なお、潤滑油基油の全量が100質量%であるとき、基油2は37.1質量%であり、基油7は62.9質量%である。
表3が示すように、上述した基油と添加剤とを用いて実施例5から8の各々、および、比較例4から6の各々の潤滑油組成物を調整した。なお、潤滑油組成物における添加剤の含有量は、潤滑油組成物の全量を100質量%とするときの値である。また、実施例5から8、および、比較例4から6の潤滑油組成物は、SAE粘度が50に相当する潤滑油組成物である。
Figure 0006514881
[実施例5]
実施例5は、基油2を53.50質量%、基油3を38.76質量%含む。実施例5は、清浄剤、分散剤、極圧剤および耐摩耗剤、流動点降下剤、および、消泡剤溶液の各々を実施例1と同じ割合で含む。なお、潤滑油基油の全量が100質量%であるとき、基油2は58.0質量%であり、基油3は42.0質量%である。
[実施例6]
実施例6は、基油2を73.26質量%、基油5を19.00質量%含む。実施例6は、清浄剤、分散剤、極圧剤および耐摩耗剤、流動点降下剤、および、消泡剤溶液の各々を実施例1と同じ割合で含む。なお、潤滑油基油の全量が100質量%であるとき、基油2は79.4質量%であり、基油5は20.6質量%である。
[実施例7]
実施例7は、基油2を54.26質量%、基油4を38.00質量%含む。実施例7は、清浄剤、分散剤、極圧剤および耐摩耗剤、流動点降下剤、および、消泡剤溶液の各々を実施例1と同じ割合で含む。なお、潤滑油基油の全量が100質量%であるとき、基油2は58.8質量%であり、基油4は42.2質量%である。
[実施例8]
実施例8は、基油2を53.88質量%、基油3を19.38質量%、基油4を19.00質量%含む。実施例8は、清浄剤、分散剤、極圧剤および耐摩耗剤、流動点降下剤、および、消泡剤溶液の各々を実施例1と同じ割合で含む。なお、潤滑油基油の全量が100質量%であるとき、基油2は58.4質量%であり、基油3は21.0質量%であり、基油4は20.6質量%である。
[比較例4]
比較例4は、基油1を45.00質量%、基油4を47.26質量%含む。比較例4は、清浄剤、分散剤、極圧剤および耐摩耗剤、流動点降下剤、および、消泡剤溶液の各々を実施例1と同じ割合で含む。なお、潤滑油基油の全量が100質量%であるとき、基油1は48.8質量%であり、基油4は51.2質量%である。
[比較例5]
比較例5は、基油1を43.00質量%、基油3を49.26質量%含む。比較例5は、清浄剤、分散剤、極圧剤および耐摩耗剤、流動点降下剤、および、消泡剤溶液の各々を実施例1と同じ割合で含む。なお、潤滑油基油の全量が100質量%であるとき、基油1は46.6質量%であり、基油3は53.4質量%である。
[比較例6]
比較例6は、基油1を10.00質量%、基油2を41.10質量%、基油3を41.16質量%含む。比較例6は、清浄剤、分散剤、極圧剤および耐摩耗剤、流動点降下剤、および、消泡剤溶液の各々を実施例1と同じ割合で含む。なお、潤滑油基油の全量が100質量%であるとき、基油1は10.8質量%であり、基油2は44.6質量%であり、基油3は44.6質量%である。
[比較例7]
比較例7は、基油5を52.16質量%、基油6を40.10質量%含む。比較例7は、清浄剤、分散剤、極圧剤および耐摩耗剤、流動点降下剤、および、消泡剤溶液の各々を実施例1と同じ割合で含む。なお、潤滑油基油の全量が100質量%であるとき、基油5は56.5質量%であり、基油6は43.5質量%である。
表4および表5が示すように、実施例1から8、および、比較例1から7の各々において、100℃における動粘度、40℃における動粘度、粘度指数、酸価、塩基価、および、流動点を測定した。なお、酸価および塩基価は、JIS K 2501に規定される方法を用いて測定し、流動点は、JIS K 2269に規定される方法を用いて測定した。
また、表4および表5が示すように、実施例1から8、および、比較例1から7の各々において、潤滑油組成物の全体における硫黄含有量、窒素含有量、リン含有量、および、カルシウム含有量の各々を測定した。なお、基油に由来する硫黄の含有量は、潤滑油組成物に含まれる各基油における硫黄の含有量に基づき算出し、極圧剤に由来する硫黄の含有量は、潤滑油組成物の全体における硫黄の含有量から、基油に由来する硫黄の含有量を減算することによって算出した。なお、窒素は分散剤に由来し、リンは極圧剤に由来し、かつ、カルシウムは清浄剤に由来する。
また、実施例1から8、および、比較例1から7の潤滑油組成物を構成する基油と添加剤とを60℃にて30分にわたって混合し、20℃まで自然に冷却した。そして、室温にて2週間にわたって静置したときの外観を目視によって観察した。
Figure 0006514881
Figure 0006514881
表4および表5が示すように、実施例1から8の各々では、潤滑油組成物の全量が100質量%であるとき、極圧剤の質量が、極圧剤に含まれるリンの質量で0.036質量%であり、かつ、硫黄の質量で0.07質量%以上0.09質量%以下であることが認められた。また、実施例1から8の各々では、清浄剤の質量が、清浄剤に含まれるカルシウムの質量で、0.41質量%であり、分散剤の質量が、分散剤に含まれる窒素の質量で、0.028質量%以上0.030質量%以下であることが認められた。
表4が示すように、実施例1から4の各々における流動点は、いずれも−30.0℃以下である一方で、比較例1における流動点は−20.0℃であり、比較例2における流動点は−22.5℃であることが認められた。すなわち、実施例1から4の各々では、相対的に動粘度の高い第2基油としてグループ2に属する基油を用いているために、比較例1、2に比べて、低温での流動性が高く、かつ、実施例1から4の各々の潤滑油組成物を用いた内燃機関では、低温での始動性が良くなる。これに対して、比較例1、2では、第2基油としてグループ1に属する基油を用いているために、実施例1から4と比べて、低温での流動性が低く、かつ、比較例1、2の各々の潤滑油組成物を用いた内燃機関では、低温での始動性が悪くなる。
表4および表5が示すように、実施例1から8、および、比較例1、2、4から6の各々では、室温にて2週間にわたって静置されても、外観上の変化が認められなかった。すなわち、実施例1から8、および、比較例1、2、4から6の各々では、潤滑油組成物の外観が良好であることが認められた。
一方で、比較例3では、室温にて1日静置した後に、実施例1から8と比べて、潤滑油組成物の全体にやや白色を有したくすみが生じていることが認められた。すなわち、比較例3によれば、第2基油としてグループ2に属する基油を用いた潤滑油組成物であっても、第1基油がグループ4に属する基油を用いているために、潤滑油組成物が貯蔵されたとき、潤滑油組成物の組成が安定に保たれないことが認められた。
また、比較例7では、室温にて1日静置した後に、潤滑油組成物に白色を有した曇りが認められ、また、室温にて1週間静置した後に、白色を有した微量の沈殿が、容器の底部に生じていることが認められた。
なお、比較例7における沈殿を回収し、ICP分析法を用いて沈殿の元素分析を行ったところ、沈殿には、SiおよびCaが含まれていることが認められた。比較例7では、第2基油として用いたグループ4に属する基油の精製度が高く、また、基油としての極性が低い。そのため、潤滑油組成物におけるSi系化合物や清浄剤に含まれるカルシウム系化合物の分散安定性や溶解性が低くなることで、潤滑油組成物が貯蔵されたとき、潤滑油組成物の組成が安定に保たれないと考えられる。こうした理由から、比較例7では、消泡剤に含まれるシリコーンや、アルカリ土類金属系の清浄剤に含まれる炭酸カルシウムが析出したと考えられる。
なお、実施例1から8の各々における潤滑油組成物に用いられている基油では、基油を構成する炭化水素分子としてナフテン環を有する分子が、基油に対する各添加剤の溶解性を高くする程度に含まれていると考えられる。一方で、比較例3および比較例7の各々における潤滑油組成物に用いられている基油では、実施例1から8の各々における潤滑油組成物と比べて、ナフテン環を有する分子の含有量が小さいために、基油に対する各添加剤の溶解性が低くなると考えられる。
このように、実施例1から8は、潤滑油組成物の組成が安定に保たれるため、潤滑油組成物の性能を保つ上でも、また、潤滑油組成物の外観上からも比較例3および7と比べて好ましい。
表6および表7が示すように、実施例1から8の各々、および、比較例1、2、4から6の各々について、JIS K 2514−1に規定される内燃機関潤滑酸化安定度試験(ISOT)を行い、24時間後、48時間後、および、72時間後の各々において、以下の値を測定あるいは算出した。すなわち、40℃における動粘度および酸価を測定し、粘度増加率および酸価の増加を算出した。また、スラッジの有無を目視によって観察した。
なお、比較例3、7の各々は、上述したように、潤滑油組成物の調整から24時間程度の時間が経過すると、潤滑油組成物の組成が、調整されたときの組成から大きく異なるため、上述した試験の対象としていない。
Figure 0006514881
Figure 0006514881
表6および表7が示すように、実施例1から8、および、比較例1、2、4から6の各々において、24時間後における粘度増加率、および、48時間後における粘度増加率は、−3.1%から6.4%の間に含まれる。また、実施例1から8、および、比較例1、2、4から6の各々において、24時間後における酸価の増加、および、48時間後における酸価の増加は、−0.31mgKOH/gから0.51mgKOH/gの間に含まれる。
一方で、72時間後における粘度増加率では、比較例1、2の各々における値が、実施例1から4の各々における値と比べて大きく、5倍から10倍程度である。また、72時間後における粘度増加率では、比較例4から6の各々における値が、実施例5から8の各々における値と比べて大きく、10倍から50倍程度である。
また、72時間後における酸価の増加では、比較例1、2の各々における値が、実施例1から4の各々における値と比べて、10倍程度大きい。そして、72時間後における粘度増加率では、比較例4から6の各々における値が、10倍から80倍程度大きい。
このように、実施例1から8における潤滑油組成物、すなわち、第2基油としてグループ2に属する基油を含む潤滑油組成物は、第2基油としてグループ2に属する基油以外の基油を含む潤滑油組成物と比べて、動粘度の変化と、酸価の増加との両方が抑えられていることが認められた。
また、実施例5から8、および、比較例4から6において、SAE粘度が50であるため、SAE粘度が40である実施例および比較例と比べて、潤滑油組成物のなかに含まれる第2基油の割合が大きい。そのため、SAE粘度が50である実施例と比較例との間では、動粘度の変化における差と、酸価の増加における差とが、より顕著であることが認められた。
さらに、実施例の中でも、相対的に動粘度の低い基油である第1基油として、グループ2に属する基油、およびグループ3に属する基油の少なくとも一方を含む実施例、すなわち、実施例1、2、4から6、8において、他の実施例よりも動粘度の変化と、酸価の増加とが抑えられることが認められた。すなわち、潤滑油組成物の含む第1基油は、グループ2に属する基油、および、グループ3に属する基油の少なくとも一方であることが好ましいといえる。
また、上述した実施例1、2、4から6、8のうち、グループ3に属する基油を含む実施例、すなわち、実施例2、4、6において、他の実施例よりも粘度指数が高いことが認められた。このように、第1基油としてグループ3に属する基油を含む潤滑油組成物は、温度に依存した粘度の変化の度合いが小さい点で好ましいといえる。
なお、比較例4、5では、72時間後において潤滑油組成物の中にスラッジが生じていることが認められた。
本実施形態の潤滑油組成物によれば、熱に対する安定性、および、酸化に対する安定性が高まる。そのため、潤滑油組成物が、変速機、終減速機、および、内燃機関などの装置に用いられるとき、一般的な効果、すなわち、腐食を抑える効果、および、錆を抑える効果を発揮するだけでなく、潤滑油組成物自体の粘度の変化、および、酸化による劣化のために酸価が高まること、つまり、塩基価が低まることが抑えられる。結果として、潤滑油組成物のロングドレイン化が可能である。
以上説明したように、本実施形態における潤滑油組成物によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)潤滑油組成物において、時間の経過による粘度の変化率を小さくすること、および、酸化に対する耐性を高くすることができる。
(2)潤滑油組成物は、変速機、終減速機、および、内燃機関の少なくとも1つに適用される上で、好ましい組成である。

Claims (5)

  1. 潤滑油組成物であって、
    (A)成分である第1基油と、
    (B)成分である第2基油と、
    (C)成分である極圧剤であって、前記潤滑油組成物の全量を基準として、前記極圧剤に含まれるリンの質量が0.03質量%以上0.2質量%以下、硫黄の質量が0.06質量%以上2質量%以下である前記極圧剤と、
    (D)成分である清浄剤であって、前記潤滑油組成物の全量を基準として、前記清浄剤に含まれるアルカリ土類金属の質量が0.1質量%以上5質量%以下である前記清浄剤と、
    (E)成分である分散剤であって、無灰系のコハク酸イミド分散剤、および、ホウ素変性した無炭系のコハク酸イミド分散剤の少なくとも一方から構成され、前記潤滑油組成物の全量を基準として、前記分散剤に含まれる窒素の質量が0.005質量%以上2.000質量%以下である前記分散剤と、
    を含み、
    前記(A)成分が、米国石油協会の定めるグループ1からグループ3からなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基油の組み合わせであり、100℃における動粘度が6.0mm/s以上13mm/s以下、粘度指数が98以上、引火点が200℃以上、硫黄の含有量が0.8質量%以下、ASTM D3238による%CAが5以下であり、
    前記(B)成分が、米国石油協会の定めるグループ2に属し、100℃における動粘度が20mm/s以上35mm/s以下、粘度指数が95以上、硫黄の含有量が0.03質量%以下、ASTM D3238による%CAが1以下であり、
    潤滑油基油は、前記(A)成分と前記(B)成分のみから構成され、前記潤滑油基油の全量を基準として、前記(A)成分が15質量%以上85質量%以下、前記(B)成分が15質量%以上85質量%以下である
    潤滑油組成物。
  2. 前記(A)成分に含まれる基油において、
    ASTM D3238による%CPが65以上、かつ、粘度指数が100以上である
    請求項1に記載の潤滑油組成物。
  3. 前記(B)成分に含まれる基油において、
    ASTM D3238による%CNが10以上、引火点が250℃以上、かつ、流動点が−15℃以下である
    請求項1または2に記載の潤滑油組成物。
  4. 100℃における動粘度が13.0mm/s以上32.5mm/s以下、かつ、粘度指数が100以上である
    請求項1から3のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
  5. 前記潤滑油基油に由来の硫黄の含有量が0.5質量%以下、100℃における動粘度が13.0mm/s以上32.5mm/s以下、かつ、粘度指数が100以上である
    請求項1から4のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
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