JP6513484B2 - ケーブル配線方法及びロボット - Google Patents

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Description

本発明は、ケーブル配線方法及びロボットに関するものである。
従来、オフィスビル等の建築物においては、天井スラブの下方に天井パネルが配設され、該天井パネルと天井スラブとの間、すなわち、天井空間に、室内に配設された空調機器、照明装置、通信機器等に電力を供給するための電力ケーブル、各種のデータ、信号等を送受信するための通信ケーブル等が敷設されるようになっている。
前記電力ケーブル、通信ケーブル等のケーブルを天井空間に敷設する場合、作業員が、作業台に乗り、天井パネルの所定の箇所に形成された開口部を介してケーブルを天井パネル上に供給し、配線するようになっている。
図2は従来のケーブル配線方法を説明するための図、図3は天井空間の状態の例を示す第1の図、図4は天井空間の状態の例を示す第2の図である。
図において、11は天井スラブ、12は天井パネル、14は天井スラブ11と天井パネル12との間に形成される天井空間、Hi(i=1、2、…、)は天井パネル12の所定の箇所に形成された開口部、16は天井ボード、17、18は照明装置、21は作業台、22は電力ケーブル、通信ケーブル等の天井空間14に敷設されるケーブル、すなわち、敷設ケーブルである。この場合、前記開口部Hiのうちの開口部H1は、天井パネル12の所定の箇所に形成された点検口を開くことによって、開口部H2は、天井ボード16及び照明装置17を天井パネル12から取り外すことによって、開口部H3は、照明装置18を天井パネル12から取り外すことによって形成される。
敷設ケーブル22を天井空間14に敷設する場合、作業員は、作業台21に乗り、例えば、ケーブルキャッチャー25を使用して矢印方向に移動させることによって、敷設ケーブル22を、天井空間14に挿入したり、天井空間14内において引き寄せたりして、空調機器、照明装置17、18、通信機器等に接続し、配線する。
ところが、前記ケーブル配線方法においては、敷設ケーブル22を配線する距離が長い場合、天井パネル12により多くの開口部Hiを形成しなければならないだけでなく、各開口部Hiを介してケーブルキャッチャー25を使用して敷設ケーブル22を配線する必要があり、そのための作業が煩わしい。
そこで、天井パネル12上に図示されないレールを架設し、該レールに沿ってリモコンカーを移動させて、リモコンカーに結び付けた道糸を這わせ、道糸を介して敷設ケーブルを配線するようにしたケーブル配線方法が提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−166041号公報
しかしながら、前記従来のケーブル配線方法においては、天井パネル12上にレールをあらかじめ架設する必要があるので、やはり、そのための作業が煩わしい。しかも、リモコンカーをレールが存在しない箇所で使用することができないので、敷設ケーブルを任意の箇所に配線することができない。
そこで、リモコンカーを天井パネル12上に直接載置し、天井パネル12上で移動させることが考えられるが、天井パネル12上には、図3及び4に示されるように、上方に向けて突出させて形成された各種の突起物、例えば、天井パネル12を保持するための天井金具Ka、室内に配設された空調機器、照明装置17、18等の天井部位、すなわち、機器天井部位Kb等が存在する。
例えば、天井金具Kaは、厚さDaが20〔mm〕、高さHaが60〔mm〕程度の薄い板材から成り、天井パネル12上において所定の長さにわたって延在させて配設され、機器天井部位Kbは、高さHbが、空調機器、照明装置17、18等の寸法に応じて決まる、100〔mm〕、150〔mm〕程度(図4においては、100〔mm〕)のブロックから成り、天井パネル12上の所定の箇所に配設される。
したがって、リモコンカーを、図3及び4の矢印で示されるように、天井金具Ka、機器天井部位Kb等を乗り越えて移動させる必要があるので、敷設ケーブル22を任意の箇所に配線することができない。
本発明は、前記従来のケーブル配線方法の問題点を解決して、敷設ケーブルを配線するための作業を簡素化することができ、敷設ケーブルを任意の箇所に配線することができるケーブル配線方法及びロボットを提供することを目的とする。
本発明のケーブル配線方法においては、天井パネルに形成された開口部を介して、一対の前輪及び一対の後輪を備えたロボットを天井空間に挿入し、前記前輪及び後輪を回転させ、回転に伴って、前記前輪に配設された推進力発生部において発生させられた推進力、及び前記後輪に配設された推進力発生部において発生させられた推進力によってロボットを移動させ、該ロボットを所定の箇所まで移動させることによって敷設ケーブルを配線する。
そして、前記前輪に配設された推進力発生部は、前輪の円周方向における所定の領域において、天井パネル上に形成された突起物を吸着することによって推進力を発生させる。
本発明によれば、ケーブル配線方法においては、天井パネルに形成された開口部を介して、一対の前輪及び一対の後輪を備えたロボットを天井空間に挿入し、前記前輪及び後輪を回転させ、回転に伴って、前記前輪に配設された推進力発生部において発生させられた推進力、及び前記後輪に配設された推進力発生部において発生させられた推進力によってロボットを移動させ、該ロボットを所定の箇所まで移動させることによって敷設ケーブルを配線する。
そして、前記前輪に配設された推進力発生部は、前輪の円周方向における所定の領域において、天井パネル上に形成された突起物を吸着することによって推進力を発生させる。
この場合、前輪に配設された推進力発生部は、前輪の円周方向における所定の領域において、天井パネル上に形成された突起物を吸着することによって推進力を発生させるので、突起物を乗り越えてロボットを移動させることができる。したがって、敷設ケーブルを配線するための作業を簡素化することができる。
また、天井パネル上で前輪及び後輪を回転させることによってロボットを移動させることができるので、敷設ケーブルを任意の箇所に配線することができる。
本発明の第1の実施の形態におけるロボットの分解斜視図である。 従来のケーブル配線方法を説明するための図である。 天井空間の状態の例を示す第1の図である。 天井空間の状態の例を示す第2の図である。 本発明の第1の実施の形態におけるロボットの斜視図である。 本発明の第1の実施の形態におけるロボットの正面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるロボットの背面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるロボットの右側面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるロボットの要部を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態におけるロボットの要部を示す左側面図である。 本発明の第1の実施の形態における前輪のホイール部の支持構造を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態における前輪のホイール部の支持構造を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態における前輪のホイール部の概念図である。 本発明の第1の実施の形態における吸着力発生部の要部断面図である。 本発明の第1の実施の形態における吸着力発生部の要部平面図である。 本発明の第1の実施の形態における後輪のホイール部の支持構造を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態における後輪のホイール部の概念図である。 本発明の第1の実施の形態における後輪のホイール部の変形例を示す概念図である。 本発明の第1の実施の形態におけるロボットの要部を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態における駆動力伝達系を示す第1の斜視図である。 本発明の第1の実施の形態における駆動力伝達系を示す第2の斜視図である。 本発明の第1の実施の形態における駆動力伝達系を示す第3の斜視図である。 本発明の第1の実施の形態におけるロボットの制御ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態におけるロボットの機能ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態におけるロボットの動作を説明するための第1の図である。 本発明の第1の実施の形態におけるロボットの動作を説明するための第2の図である。 本発明の第1の実施の形態におけるロボットの動作を説明するための第3の図である。 本発明の第1の実施の形態におけるロボットの動作を説明するための第4の図である。 本発明の第1の実施の形態におけるロボットの動作を説明するための第5の図である。 本発明の第1の実施の形態におけるロボットの動作を説明するための第6の図である。 本発明の第1の実施の形態におけるロボットの動作を説明するための第7の図である。 本発明の第1の実施の形態におけるロボットが機器天井部位を乗り越えるための条件を説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態におけるロボットが機器天井部位を乗り越えたときの状態を表す図である。 本発明の第2の実施の形態における車輪の概念図である。 本発明の第2の実施の形態における伸縮機構を伸長させた状態を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における伸縮機構を収縮させた状態を示す図である。 本発明の第3の実施の形態におけるロボットの概念図である。 本発明の第4の実施の形態におけるロボットの後輪を示す概念図である。 本発明の第5の実施の形態におけるロボットの概念図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、天井パネル上で移動させられ、天井空間に敷設しようとするケーブル(以下、「敷設ケーブル」という。)を配線するためのロボット、及び該ロボットを使用して敷設ケーブルを配線する配線方法について説明する。
なお、一般に、敷設ケーブルを配線する配線方法として、ロボットにリード線を接続し、リード線の端部に敷設ケーブルを更に接続し、ロボットを移動させることによってリード線を引き、敷設ケーブルを配線する直引きによる配線方法、ロボットに敷設ケーブルを直接接続し、ロボットを移動させることによって敷設ケーブルを配線する直引きによる配線方法、ロボットを移動させながら、所定の車輪によって形成されるドラム内から敷設ケーブル、リード線等を繰り出して配線する置引きによる配線方法等が提供されている。
図5は本発明の第1の実施の形態におけるロボットの斜視図、図6は本発明の第1の実施の形態におけるロボットの正面図、図7は本発明の第1の実施の形態におけるロボットの背面図である。
図において、31はロボット、Bdは該ロボット31の本体、すなわち、ボディ、Cvは該ボディBdの筐体を構成するカバー、WFLはロボット31の左前方の車輪、WFRはロボット31の右前方の車輪、WRLはロボット31の左後方の車輪、WRRはロボット31の右後方の車輪、Scは前記各車輪WFL、WFR、WRL、WRRを回転自在に支持するシャシである。車輪WFL、WFRによって第1の車輪対としての一対の前輪WFが、車輪WRL、WRRによって第2の車輪対としての一対の後輪WRが構成される。
前記カバーCvは、シャシScの前面を覆う前カバーfc、後述される駆動機構部Pmz(図1)の上面を覆うトップカバーtc1、後述される駆動制御部Pdr(図1)の上面を覆うトップカバーtc2、シャシScの背面を覆う後カバーrc、前記駆動機構部Pmzの下面を覆う底カバーbc1、及び前記駆動制御部Pdrの下面を覆う底カバーbc2を備える。
前記前カバーfcには窓部35が形成され、該窓部35に臨ませてフロントパネルpaが前記シャシScの前端に取り付けられる。前記フロントパネルpaの中央部に、撮像装置としてのカメラ36が取り付けられ、窓部35の両側に照明装置としてのLED37が取り付けられる。
また、前記後カバーrcは、ヒンジ部hgを揺動中心にして底カバーbc2に対して揺動自在に支持され、開き位置及び閉じ位置に置かれる。そして、シャシScと後カバーrcとの間にはロック部39が配設され、後カバーrcを閉じ位置に置いた状態でロック部39をロックすることによって、底カバーbc2を閉じ位置に保持することができるようになっている。前記ロック部39は、シャシScに取り付けられた係止部材39a、及び後カバーrcに取り付けられた被係止部材39bから成り、係止部材39aを被係止部材39bに係止させ、締め付けることによってロック部39をロックすることができる。
ところで、前述されたように、天井パネル12(図2)には、各種の開口部Hiが形成される。そこで、本実施の形態においては、開口部Hiを介してロボット31を天井空間14に挿入し、天井パネル12上を移動させることができるようになっている。そのために、ロボット31は、長さが285〔mm〕、幅が141〔mm〕、高さが120〔mm〕、重量が5.0〔kgf〕にされる。
また、前記ロボット31は、図6及び7に示されるように、前方及び後方から見た場合に、ほぼ球形状を有する。そして、前記天井パネル12に形成される開口部Hiのうちのダウンライトの照明装置を取り外した後に形成される開口部は、内径が150〔mm〕程度の円形の形状を有するので、前記開口部を介してロボット31を天井空間14に挿入することができる。
なお、前述されたように、前記ロボット31は、前方及び後方から見た場合に、ほぼ球形状を有するので、ロボット31が、移動中に、既設の敷設ケーブルを巻き込んだり、天井パネル12上の既設の各種の物体と干渉したりするのを抑制することができるだけでなく、バランスを失って横転するのを抑制することができる。特に、天井パネル12上において、ロボット31の左縁側と右縁側とで高さが異なり、段差がある面を移動する場合に、ロボット31が低い側に横転するのを抑制することができる。
ところで、本実施の形態においては、ロボット31に電力を供給するための給電用のケーブル又はロボット31の制御を行うための制御用のケーブルがリード線として使用され、ロボット31に給電用のケーブル及び制御用のケーブルが接続され、給電用のケーブル又は制御用のケーブルの端部に敷設ケーブル22(図2)が更に接続され、ロボット31を移動させることによって給電用のケーブル及び制御用のケーブルを引き、敷設ケーブル22を配線するようになっている。
そのために、トップカバーtc2と後カバーrcとの間には、給電用のケーブル及び制御用のケーブルを挟んで貫通させるための挟持部43が形成される。該挟持部43は、トップカバーtc2の下縁及び後カバーrcの上縁によって形成され、後カバーrcを開き位置に置いたときに給電用のケーブル及び制御用のケーブルが解放され、前記後カバーrcを閉じ位置に置いたときに給電用のケーブル及び制御用のケーブルがトップカバーtc2の下縁と後カバーrcの上縁とによって挟まれ、挟持される。したがって、後カバーrcを開き位置に置き、給電用のケーブル及び制御用のケーブルを、カバーCv内に挿入し、シャシScの所定の箇所に配設された図示されない端子に接続した後、後カバーrcを閉じ位置に置き、ロック部39をロックすると、給電用のケーブル及び制御用のケーブルがトップカバーtc2の下縁及び後カバーrcの上縁によって締め付けられるので、給電用のケーブル及び制御用のケーブルが端子から抜けるのを防止することができる。なお、前記後カバーrcの上縁には、弾性部材としてのゴム材が延在させられ、給電用のケーブル及び制御用のケーブルは前記ゴム材を介して挟まれる。
次に、ロボット31の詳細について説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態におけるロボットの分解斜視図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるロボットの右側面図、図9は本発明の第1の実施の形態におけるロボットの要部を示す斜視図、図10は本発明の第1の実施の形態におけるロボットの要部を示す左側面図、図11は本発明の第1の実施の形態における前輪のホイール部の支持構造を示す側面図、図12は本発明の第1の実施の形態における前輪のホイール部の支持構造を示す分解斜視図、図13は本発明の第1の実施の形態における前輪のホイール部の概念図、図14は本発明の第1の実施の形態における吸着力発生部の要部断面図、図15は本発明の第1の実施の形態における吸着力発生部の要部平面図、図16は本発明の第1の実施の形態における後輪のホイール部の支持構造を示す側面図、図17は本発明の第1の実施の形態における後輪のホイール部の概念図、図18は本発明の第1の実施の形態における後輪のホイール部の変形例を示す概念図である。
図において、Pmzは、シャシScにおける前輪WF(図5)側の上方部に搭載され、ロボット31を移動させるための駆動機構部、Pctは、シャシScにおける前輪WF側の下方部に搭載され、ロボット31の全体の制御を行うための装置制御部、Pdrは、前記シャシScにおける後輪WR側の上方部に搭載され、前記駆動機構部Pmzの制御を行う駆動制御部、paはフロントパネル、36はカメラである。
前記車輪WFL、WFRは、それぞれ、ホイール部32、及び半球状の形状を有し、ホイール部32の側面を覆うホイールカバー33を備え、車輪WRL、WRRは、それぞれ、ホイール部34、及び半球状の形状を有し、ホイール部34の側面を覆うホイールカバー33を備える。なお、前記各ホイールカバー33は、ボルト等の固定部材によって後述されるホイール部32のホイール32wh及び後述されるホイール部34のホイール34whに取り付けられる。
そして、ロボット31の両縁には、左縁側において車輪WFL、WRL間を連結し、車輪WFL側から車輪WRL側に回転を伝達し、右縁側において車輪WFR、WRR間を連結し、車輪WFR側から車輪WRR側に回転を伝達するために、伝動部材としてのチェーン56が配設される。該各チェーン56は、車輪WFL、WFRに配設された、後述される第1の回転体としての前スプロケットspf(図22)と、車輪WRL、WRRに配設された、後述される第2の回転体としての後スプロケットspr(図22)との間に張設され、矢印方向に走行させられる。
前記チェーン56は、回転を伝達する機能のほかに、ロボット31を移動させる(推進する)機能を備える。そのために、車輪WFL、WFRの後端部と車輪WRL、WRRの前端部との距離を、例えば、図8に示されるように、Lwとしたとき、該距離Lwは突起物としての天井金具Ka(図3)の厚さDaより大きくされ、接地面からチェーン56の下方走行部56aまでの高さをHcとしたとき、該高さHcは天井金具Kaの高さHaより低くされる。したがって、車輪WFL、WFRが天井金具Kaを乗り越えたときに、車輪WFL、WRL間及び車輪WFR、WRR間に天井金具Kaが位置させられ、チェーン56の下方走行部56aと天井金具Kaの上面とが当接させられるので、チェーン56の走行に伴って推進力が発生させられ、該推進力によってロボット31を移動させることができる。
また、車輪WFL、WFRと車輪WRL、WRRと間に突起物としての機器天井部位Kbの角部(エッジ)が位置させられ、チェーン56と角部とが当接させられたときにも、チェーン56の走行に伴って推進力が発生させられるので、該推進力によってロボット31を移動させることができる。
なお、本実施の形態においては、車輪WFL、WRL間、及び車輪WFR、WRR間を連結し、回転を伝達するためにチェーン56が使用されるようになっているが、伝動部材として、例えば、ゴム材料から成るベルトを使用することができる。また、ベルトの表面に適宜凹凸を形成することによって、ベルトを走行させたときに発生させられる推進力を大きくすることができる。
ところで、前述されたように、天井パネル12(図2)上の天井金具Ka、機器天井部位Kb等が鋼材等の強磁性体で形成されていることから、本実施の形態においては、ロボット31を天井パネル12上で移動させたときに、磁力を利用して天井金具Ka及び機器天井部位Kbを乗り越えることができるように、前輪WFのホイール部32及び後輪WRのホイール部34に所定の乗越え機能を持たせるようにしている。
そのために、前輪WFのホイール部32は、リング状のホイール32wh、該ホイール32whの外周面を包囲して配設され、円周方向における所定の領域において、吸着力を、ロボット31を移動させるための補助的な推進力として発生させる第1の推進力発生部としての補助推進力発生部32ad、及び該補助推進力発生部32adの外周面を包囲して配設され、円周方向における全領域において、摩擦力を、ロボット31を移動させるための主要な推進力として発生させる第2の推進力発生部としての主推進力発生部32shを備える。
前記補助推進力発生部32adは、円周方向における所定の複数の領域、本実施の形態においては、二つの領域に形成され、磁力を発生させ、天井パネル12に形成された天井金具Ka、機器天井部位Kb等を吸着する吸着領域Ar1、及び円周方向における他の所定の領域、すなわち、前記各吸着領域Ar1間に形成され、天井金具Ka、機器天井部位Kb等を吸着しない非吸着領域Ar2を備える。本実施の形態において、前記吸着領域Ar1は、円周方向において所定の角度(例えば、図13に示される例においては、90〔°〕の角度)にわたって、互いに対向させて、かつ、ホイール部32の中心軸に対して点対象で形成される。
前記吸着領域Ar1は、ホイール32whの外周面に所定のピッチで接着剤によって貼着された複数の磁石59、及び該各磁石59間の隙間を埋めるシリコーン60から成る。前記各磁石59としては、矩形の形状を有するネオジム磁石が使用される。なお、前記吸着領域Ar1は、必要に応じて、大きさ及び位置を変更し、吸着力を発生させる位置及び吸着力の大きさを変更することができる。前記吸着領域Ar1の大きさは、前記磁石59の数を変更することによって変更される。
また、前記非吸着領域Ar2は、ゴム材料によって形成され、孤状の形状を有するスペーサ51から成る。
そして、主推進力発生部32shは、リング状の形状を有し、摩擦係数の高い弾性材料、本実施の形態においては、ゴム材料から成る。
また、後輪WRのホイール部34は、リング状のホイール34wh、該ホイール34whを包囲して配設されたリング状の弾性体部34ad、及び該弾性体部34adを包囲して配設され、円周方向における全領域において、摩擦力を、ロボット31を移動させるための推進力として発生させる推進力発生部34shを備える。該推進力発生部34shは、リング状の形状を有し、摩擦係数の高い弾性材料、本実施の形態においては、ゴム材料から成る。
なお、図18に示されるように、推進力発生部34shの外周面に、径方向外方に向けて等ピッチで突出させて複数の突起54を形成することができる。この場合、例えば、天井金具Ka、機器天井部位Kbの角部等と突起54とを係止させることができるので、推進力発生部34shによって発生させることができる推進力を大きくすることができる。
ところで、ホイール部32の主推進力発生部32sh及びホイール部34の推進力発生部34shと天井パネル12との動摩擦係数μを0.6としたとき、ロボット31の重量が5〔kgf〕であるので、ロボット31を移動させたときの引張力Fは、
F=5×0.6
=3〔kgf〕
になる。したがって、天井空間14に敷設ケーブル22を30〔m〕にわたって敷設する場合、後述されるように、後端に給電用のケーブル及び制御用のケーブルを接続した状態でロボット31を30〔m〕移動させる必要があり、そのときに給電用のケーブル及び制御用のケーブルに加わる摩擦力Feが3〔kgf〕より小さい場合は、後端に給電用のケーブル及び制御用のケーブルを接続した状態でロボット31を移動させることができる。
前記前輪WFにおいて、ホイール32whは、ホイール部32の径方向内方に回転自在に配設された複数の、本実施の形態においては、4個のローラから成るベアリングbr1によって回転自在に支持され、前記後輪WRにおいて、ホイール34whは、ホイール部34の径方向内方に回転自在に配設された複数の、本実施の形態においては、4個のローラから成るベアリングbr2によって回転自在に支持される。
そのために、シャシScにおける車輪WFL、WFR、WRL、WRRと対応する箇所に、円形の形状を有するプレート53FL、53FR、53RL、53RRが固定され、前記シャシSc及び各プレート53FL、53FR、53RL、53RRによって、各ベアリングbr1、br2が回転自在に支持される。
そして、前輪WFのホイール部32のホイール32whの内周面には、ホイール32whの幅方向における両側縁に、環状の被支持面45が形成され、ホイール32whの幅方向における中央に、リングギヤ46が形成される。該リングギヤ46は、ホイール部32より径方向内方に配設され、駆動機構部Pmzにおいて発生させられた回転を前輪WFに伝達するための駆動ギヤとしてのピニオンギヤ55、及び前輪WFの回転をチェーン56を介して後輪WRに伝達するための第1の回転伝達ギヤとしてのピニオンギヤ91と噛合させられる。また、各ベアリングbr1の外周面には、一対の環状の支持面saが前記各被支持面45と当接自在に形成され、各支持面sa間に、ベアリングbr1と前記リングギヤ46との干渉を防止するための環状の逃げsbが形成される。
したがって、前記ピニオンギヤ55が、駆動機構部Pmzにおいて発生させられた回転を受けて回転させられると、リングギヤ46が回転させられ、前輪WFが回転させられる。そして、リングギヤ46の回転に伴ってピニオンギヤ91が回転させられると、前記チェーン56を介して前輪WFの回転が後輪WRに伝達される。
また、後輪WRのホイール部34のホイール34whの内周面には、ホイール34whの幅方向における両側縁に、環状の被支持面49が形成され、ホイール34whの幅方向における中央に、リングギヤ50が形成される。該リングギヤ50は、ホイール部34より径方向内方に配設され、チェーン56を介して伝達された前輪WFの回転を後輪WRに伝達するための第2の回転伝達ギヤとしてのピニオンギヤ92と噛合させられる。また、各ベアリングbr2の外周面には、一対の環状の支持面saが前記各被支持面49と当接自在に形成され、各支持面sa間に、ベアリングbr2と前記リングギヤ50との干渉を防止するための環状の逃げsbが形成される。
したがって、ピニオンギヤ92が、チェーン56を介して伝達された前輪WFの回転を受けて回転させられると、リングギヤ50が回転させられ、後輪WRが回転させられる。
このように、前記前輪WFは、ホイール32whの内周面に配設されたベアリングbr1によって支持され、ホイール32whの内周面に配設されたピニオンギヤ55の回転を受けて回転させられたり、ホイール32whの内周面に配設されたピニオンギヤ91を介して後輪WRに回転を伝達したりし、前記後輪WRは、ホイール34whの内周面に配設されたベアリングbr2によって支持され、ホイール34whの内周面に配設されたピニオンギヤ92を介して前輪WFの回転を受けて回転させられる。したがって、前輪WF及び後輪WRの中心部に車軸、軸受け等を配設する必要がないので、ホイール部32、34の径方向内方の空間を有効に利用することができる。その結果、ロボット31の設計の自由度を高くすることができるので、ロボット31を小型化することができる。
また、前述されたように、前記各ホイールカバー33が、ボルト等の固定部材によってホイール部32のホイール32wh及びホイール部34のホイール34whに取り付けられるので、前輪WF及び後輪WRの機械的な強度を高くすることができる。
なお、図1において、44は後カバーrcの上縁に配設され、給電用のケーブル及び制御用のケーブルを挟むためのゴム材、48はロボット31のカバーCvの下部の所定の箇所、本実施の形態においては、前記底カバーbc1の内周面に形成された錘収容部であり、該錘収容部48内に図示されない錘が配設(収容)される。また、前記後カバーrcの内周面にも、同様に、錘収容部49が形成され、該錘収容部49内に図示されない錘が配設(収容)される。
そして、前記錘を配設することによってロボット31の重量を大きくすることにより、ホイール部32の主推進力発生部32sh及びホイール部34の推進力発生部34shにおいて発生させられる摩擦力を大きくし、推進力を大きくすることができる。また、前記錘によってロボット31の重心の位置を低くすることができるので、ロボット31の安定性を高くすることができる。
次に、ロボット31を移動させるための駆動力伝達系について説明する。
図19は本発明の第1の実施の形態におけるロボットの要部を示す平面図、図20は本発明の第1の実施の形態における駆動力伝達系を示す第1の斜視図、図21は本発明の第1の実施の形態における駆動力伝達系を示す第2の斜視図、図22は本発明の第1の実施の形態における駆動力伝達系を示す第3の斜視図である。
図において、Scはシャシであり、該シャシScは、ロボット31のボディBdの上方側において前輪WF側から後輪WR側にかけて延在させて配設された天板61、ボディBdの下方側において前輪WF側に配設された底板62、天板61と底板62との間に配設された中板63、ボディBdの下方側において後輪WR側に配設された底板64、及び天板61と底板64との間に配設された中板65を備え、前記天板61における前輪WF側に駆動機構部Pmzが搭載され、天板61における後輪WR側に駆動制御部Pdrが搭載され、前記中板63に装置制御部Pctが底板62に向けて搭載される。
前記天板61は、本体部66、及び該本体部66から各車輪WFL、WFR、WRL、WRR側に向けて突出させて形成された凸部67を備える。そして、底板62は、本体部68、及び該本体部68から各車輪WFL、WFR側に向けて突出させて形成された凸部69を備える。また、底板64は、本体部71、及び該本体部71から各車輪WRL、WRR側に向けて突出させて形成された凸部72を備える。
そして、前輪WF側において、プレート53FL、53FRは凸部67、69を介して天板61及び底板62に取り付けられ、後輪WR側において、プレート53RL、53RRは凸部67、72を介して天板61及び底板64に取り付けられ、各プレート53FL、53FR、53RL、53RRに前記ホイールカバー33(図1)が取り付けられる。なお、フロントパネルpaは中板63に、ロック部39(図5)の係止部材39aは天板61に取り付けられる。
ところで、本実施の形態においては、前記各車輪WFL、WFR、WRL、WRRがロボット31の左右で独立に回転させられるようになっている。すなわち、車輪WFL、WRLを左輪WLとし、車輪WFR、WRRを右輪WRとしたとき、左輪WL及び右輪WRをいずれも回転させたり、停止させたりすることができるだけでなく、左輪WL及び右輪WRの一方を回転させて、他方を停止させたり、左輪WL及び右輪WRを互いに異なる速度で回転させたりすることができる。
そのために、前記駆動機構部Pmzは左輪系機構部Pmz1及び右輪系機構部Pmz2から成り、前記駆動制御部Pdrは左輪系駆動制御部Pdr1及び右輪系駆動制御部Pdr2から成り、左輪系駆動制御部Pdr1によって左輪系機構部Pmz1の制御が、右輪系駆動制御部Pdr2によって右輪系機構部Pmz2の制御が行われる。
前記各車輪WFL、WFR、WRL、WRRがロボット31の左右で独立に回転させることによって、ロボット31の移動方向を自由に変更したり、ロボット31をその場で旋回させたりすることができる。
前記左輪系機構部Pmz1及び右輪系機構部Pmz2は、いずれも、駆動部としてのモータ81、該モータ81の出力軸に連結された減速機構としての遊星歯車82、該遊星歯車82の出力軸に連結されたカップリング84、該カップリング84の出力軸に接続され、互いに噛合させられ、回転伝達方向を90〔°〕変換するため傘歯車87、88、該傘歯車88に連結された前記ピニオンギヤ55等を備え、該ピニオンギヤ55と前記リングギヤ46(図10)とが噛合させられる。
前記各モータ81を駆動すると、モータ81の回転は、遊星歯車82によって減速され、傘歯車87、88によって回転伝達方向が変換されてピニオンギヤ55に伝達され、リングギヤ46によって更に減速され、ホイール部32に伝達される。したがって、左輪WL及び右輪WRをそれぞれ独立に回転させることができる。
なお、前記遊星歯車82とカップリング84との間に支持板73が天板61から立ち上げて形成され、前記支持板73によって、モータ81、遊星歯車82、カップリング84及び傘歯車87が支持され、各傘歯車88間に支持板74が天板61から立ち上げて形成され、支持板74及びプレート53FL、53FRによって、傘歯車88及びリングギヤ46が支持される。
そして、前述されたように、前輪WFの回転は、チェーン56を介して後輪WRに伝達される。
そのために、中板63、65間に二つの支持板76、77が互いに平行に架設され、支持板76、77の長手方向におけるプレート53FL、53FRの後端の近傍の位置に、支持板76、77とプレート53FL、53FRとを連結する前軸78FL、78FRが回転自在に配設され、支持板76、77の長手方向におけるプレート53RL、53RRの前端の近傍の位置に、支持板76、77とプレート53RL、53RRとを連結する後軸78RL、78RRが回転自在に配設される。
そして、前記前軸78FL、78FRにおける支持板76、77の近傍に、前スプロケットspfが取り付けられ、前記後軸78RL、78RRにおける支持板76、77の近傍に、後スプロケットsprが取り付けられ、各前スプロケットspfと後スプロケットsprとの間に前記チェーン56が張設される。
また、前記前軸78FL、78FRにおけるプレート53FL、53FRの近傍に、ピニオンギヤ91が配設され、該ピニオンギヤ91と前輪WFのホイール32whのリングギヤ46とが噛合させられ、前記後軸78RL、78RRにおけるプレート53RL、53RRの近傍に、ピニオンギヤ92が配設され、該ピニオンギヤ92と後輪WRのホイール34whのリングギヤ50(図10)とが噛合させられる。
したがって、前輪WFが回転させられ、リングギヤ46が回転させられるのに伴ってピニオンギヤ91が回転させられると、ピニオンギヤ91の回転が前スプロケットspf、チェーン56及び後スプロケットsprを介してピニオンギヤ92に伝達され、リングギヤ50が回転させられ、後輪WRが回転させられる。このようにして、前輪WFの回転が後輪WRに伝達される。
次に、ロボット31の制御装置について説明する。
図23は本発明の第1の実施の形態におけるロボットの制御ブロック図、図24は本発明の第1の実施の形態におけるロボットの機能ブロック図である。
図において、31はロボット、101は該ロボット31の遠隔操作を行うための遠隔操作部である。
該遠隔操作部101は、100〔V〕の交流電圧を受け、48〔V〕の直流電圧に変換し、該48〔V〕の直流電圧をロボット31に供給する電源ユニット102、ロボット31の遠隔制御を行うための主制御部としてのパソコン103、該パソコン103に接続され、ロボット31の移動、停止等の操作を行うための操作部104等を備える。前記パソコン103には、表示部としての図示されない液晶画面、ディスプレイ等が配設される。なお、図23に示されるように、パソコン103に表示部としてモニタ126を接続することができる。
前記操作部104は、作業員によって操作され、ロボット31を移動させたり、停止させたり、車輪WFL、WFR、WRL、WRRを同時に回転させたり、車輪WRL、WRRを停止させた状態で車輪WFL、WFRを回転させたり、車輪WFL、WFRを停止させた状態で車輪WRL、WRRを回転させたりするためのものであり、操作部104として、リモートコントロール装置、ジョイスティック等を使用することができる。また、パソコン103の液晶画面がタッチパネルによって形成されている場合は、液晶画面を操作部として使用することができる。
なお、106は直流電圧を電源ユニット102からロボット31に供給するための給電用のケーブル、107は、パソコン103からロボット31にコマンド、データ等を送ったり、ロボット31から送られた画像データ等のデータを受けたりするための制御用のケーブルである。
また、ロボット31は、前記装置制御部Pct(図1)に配設され、ロボット31の全体の制御を行うための副制御部としてのマイコン111、前記駆動制御部Pdrに配設され、各モータ81の制御を行うモータコントローラ113、電源ユニット102から送られた48〔V〕の直流電圧を12〔V〕の直流電圧に変換し、該12〔V〕の直流電圧を各モータコントローラ113及び各LED37に供給するDC/DCコンバータ115、電源ユニット102から送られた48〔V〕の直流電圧を5〔V〕の直流電圧に変換し、該5〔V〕の直流電圧をマイコン111に供給するDC/DCコンバータ116等を備える。
DC/DCコンバータ115からモータコントローラ113に直流電圧が供給されることによって、各モータ81が回転させられ、モータ81の回転が、モータ81の出力軸に連結された遊星歯車82によって減速され、ピニオンギヤ55に伝達されて車輪WFL、WFRが回転させられる。また、車輪WFL、WFRの回転がピニオンギヤ91に伝達され、ピニオンギヤ91の回転がチェーン56を介してピニオンギヤ92に伝達されて車輪WRL、WRRが回転させられる。
次に、敷設ケーブル22を天井空間14に敷設する際のロボット31の動作について説明する。
まず、作業員は、点検口、天井ボード16(図2)、照明装置17、18等を天井パネル12から取り外すことによって所定の開口部を形成し、該開口部を介してロボット31を天井空間14に挿入する。このとき、ロボット31の後端には給電用のケーブル106及び制御用のケーブル107が接続される。これにより、LED37によってロボット31の前方を照射することができ、カメラ36によってロボット31の前方を撮影することができる。そして、給電用のケーブル106又は制御用のケーブル107におけるロボット31と接続された側と反対側の端部に敷設ケーブル22が接続される。
次に、作業員は、パソコン103の液晶画面、ディスプレイ等に表示されたロボット31の前方の映像を見ながら操作部104を操作し、天井パネル12上でロボット31を移動させる。これにより、給電用のケーブル106及び制御用のケーブル107が、ロボット31に引かれて前記開口部から天井空間14に送り込まれる。
そして、作業員は、ロボット31を所定の箇所まで移動させると、ロボット31を停止させ、他の開口部を介してロボット31を天井空間14から取り出す。このとき、ロボット31に接続された給電用のケーブル106及び制御用のケーブル107を引くと、給電用のケーブル106又は制御用のケーブル107の端部に接続された敷設ケーブル22が天井空間14に送り込まれる。
そして、敷設ケーブル22が他の開口部の近傍に到達すると、作業員は、給電用のケーブル106又は制御用のケーブル107の端部から敷設ケーブル22を分離させ、空調機器、照明装置17、18、通信機器等に接続し、配線する。
なお、本実施の形態においては、前述されたように、給電用のケーブル106又は制御用のケーブル107がリード線として使用され、給電用のケーブル106又は制御用のケーブル107の端部に敷設ケーブル22が接続されるようになっているが、ロボット31の後端に、給電用のケーブル106及び制御用のケーブル107とは別のリード線を接続し、リード線の端部に敷設ケーブル22を接続することができる。さらに、ロボット31の後端に、給電用のケーブル106及び制御用のケーブル107とは別に敷設ケーブル22を接続することができる。
次に、前記ロボット31が天井金具Ka、機器天井部位Kb等を乗り越える際のロボット31の動作について説明する。この場合、ロボット31が機器天井部位Kbを乗り越える際のロボット31の動作について説明する。
図25は本発明の第1の実施の形態におけるロボットの動作を説明するための第1の図、図26は本発明の第1の実施の形態におけるロボットの動作を説明するための第2の図、図27は本発明の第1の実施の形態におけるロボットの動作を説明するための第3の図、図28は本発明の第1の実施の形態におけるロボットの動作を説明するための第4の図、図29は本発明の第1の実施の形態におけるロボットの動作を説明するための第5の図、図30は本発明の第1の実施の形態におけるロボットの動作を説明するための第6の図、図31は本発明の第1の実施の形態におけるロボットの動作を説明するための第7の図である。
図において、12は天井パネル、31はロボット、Kbは機器天井部位、WFは前輪、WRは後輪である。
まず、ロボット31は、天井パネル12上を移動させられ、前輪WFが機器天井部位Kbの垂直壁131に到達すると、図26に示されるように、前輪WFの主推進力発生部32sh(図9)によって発生させられた摩擦力、及び後輪WRの推進力発生部34shによって発生させられた摩擦力によって前輪WFが垂直壁131を上方に移動させられる。なお、前輪WFにおける吸着領域Ar1(図9)が機器天井部位Kbと当接している間、補助推進力発生部32adによって発生させられた吸着力によって、前輪WFが機器天井部位Kb上を移動させられる。
そして、図27に示されるように、前輪WFは、機器天井部位Kbの頂壁132に到達すると、頂壁132を前方に移動させられ、図28に示されるように、後輪WRは、機器天井部位Kbの垂直壁131に到達すると、図29に示されるように、垂直壁131を上方に移動させられる。さらに、図30に示されるように、後輪WRは、機器天井部位Kbの頂壁132に到達すると、図31に示されるように、頂壁132を前方に移動させられる。
なお、図28及び29に示される状態においては、前輪WFと後輪WRとの間に機器天井部位Kbの角部が位置させられ、チェーン56(図8)が機器天井部位Kbの角部と当接させられるので、チェーン56の走行に伴って発生させられた推進力によってロボット31を移動させることができる。
次に、ロボット31が天井金具Ka、機器天井部位Kb等を乗り越えるための条件について説明する。この場合、ロボット31が機器天井部位Kbを乗り越えるための条件について説明する。
図32は本発明の第1の実施の形態におけるロボットが機器天井部位を乗り越えるための条件を説明するための図である。
図において、31はロボット、12は天井パネル、121は給電用のケーブル106(図24)及び制御用のケーブル107から成るケーブル類、Kbは機器天井部位、WFは前輪、WRは後輪、sh1は前輪WFの回転軸、sh2は後輪WRの回転軸、122は回転軸sh1、sh2を結ぶ連結部である。
ここで、前輪WFの補助推進力発生部32ad(図9)によって発生させられる吸着力をNαとし、前輪WFの主推進力発生部32sh及び後輪WRの推進力発生部34shと機器天井部位Kbとの間の動摩擦係数をμとし、ロボット31を移動させる際にケーブル類121によって発生させられる摩擦力をFeとし、前輪WFの重量をMg1とし、後輪WRの重量をMg2とし、連結部122と水平方向とが成す角度をθとし、前輪WFの接地する方向と水平方向とが成す角度をφ1とし、後輪WRの接地する方向と水平方向とが成す角度をφ2とし、各モータ81(図19)を駆動したときの前輪WFの駆動力をFM1とし、後輪WRの駆動力をFM2とする。
そして、前輪WFの重量Mg1の進行方向成分をFG1とし、後輪WRの重量Mg2の進行方向成分をFG2とすると、
FG1=−Mg1・cosφ1
FG2=−Mg2・cosφ2
になり、前輪WFの重量Mg1の接地方向成分をNG1とし、後輪WRの重量Mg2の接地方向成分をNG2とすると、
NG1=Mg1・sinφ1
NG2=Mg2・sinφ2
になる。
また、前輪WFの駆動力FM1の連結部122方向の成分をPM1とし、後輪WRの駆動力FM2の連結部122方向の成分をPM2とすると、
PM1=FM1/cosθ
PM2=FM2/cosθ
になり、前輪WFの駆動力FM1の接地方向成分をNM1とし、後輪WRの駆動力FM2の接地方向成分をNM2とすると、
NM1=FM1・tanθ
NM2=FM2・tanθ
になる。
そして、後輪WRから前輪WFに加わる連結部122方向の力の前輪WFにおける進行方向成分をFP1とし、後輪WRから前輪WFに加わる連結部122方向の力の前輪WFにおける接地方向成分をNP1とすると、
FP1=PM2・sin(θ+φ1)
=FM2(sinφ1+tanθ・cosφ1)
NP1=PM2・cos(θ+φ1)
=FM2(cosφ1−tanθ・sinφ1)
になる。
この場合、前輪WFにおいては、補助推進力発生部32adによって吸着力Nαが発生させられるので、前輪WFにおける進行方向の力をF1とし、後輪WRにおける進行方向の力をF2とし、前輪WFにおける接地方向の力をN1とし、後輪WRにおける接地方向の力をN2とすると、
F1=FM1+FG1+FP1
=FM1−Mg1・cosφ1+FM2(sinφ1+tanθ・cosφ1) F2=FM2+FG2
=FM2−Mg2・cosφ2
=FM2 (∵φ2=π/2)
N1=NM1+NG1+NP1+Nα
=Mg1・sinφ1+FM2(cosφ1−tanθ・sinφ1)+Nα
N2=NM2+NG2
=FM2・tanθ+Mg2・sinφ2
になる。
このとき、前輪WFの最大引張力をFmax1とし、後輪WRの最大引張力をFmax2とすると、
Fmax1=μ・N1
=μ・(Mg1・sinφ1+FM2(cosφ1−
tanθ・sinφ1))+Nα
=μ・(Mg1・sinφ1+Fmax2
(cosφ1−tanθ・sinφ1))+Nα ……(1)
Fmax2=μ・N2
=μ・(FM2・tanθ+Mg2・sinφ2)
=μ・(Fmax2・tanθ+Mg2・sinφ2) ……(2)
になるので、この式(2)から
Fmax2=μ・Mg2・sinφ2/(1−μ・tanθ)
になる。したがって、前記式(1)に最大引張力Fmax2を代入すると、
Fmax1=μ・(Mg1・sinφ1+Fmax2
(cosφ1−tanθ・sinφ1)+Nα)
=μ・(Mg1・sinφ1+μ・Mg2・sinφ2・
(cosφ1−tanθ・sinφ1)/
(1−μ・tanθ)+Nα) ……(3)
になる。
ところで、各モータ81の出力をいくら大きくしても、最大引張力Fmax1、Fmax2を超える駆動力を発生させることはできないので、最大引張力Fmax1、Fmax2はモータ81の最大駆動力と捉えることができる。
Fmax1=FM1
Fmax2=FM2
そして、後輪WRの駆動力は連結部122を介して前輪WFに伝達されるようになっているので、系全体の引張力をF’とすると、前輪WFの引張力の進行方向成分F1だけを見ればよく、引張力F’は式(4)に示されるようになる。
F’=F1−Fe
=FM1−Mg1・cosφ1+FM2(sinφ1+tanθ
・cosφ1)−Fe ……(4)
前輪WFが機器天井部位Kbの垂直壁に突き当たって静止した状態から、力学的に前輪WFが持ち上がる条件は、系全体の引張力F’が
F’>0
であるので、補助推進力発生部32adによって発生させられる吸着力Nαが
Nα>(1/μ)・(Fe−μ・(Mg1・sinφ1+Fmax2
(cosφ1−tanθ・sinφ1))+Mg1・cosφ1 −Fmax2(sinφ1+tanθ・cosφ1)) ……(5)
になる条件が満たされると、前輪WFが機器天井部位Kbの垂直壁に突き当たって静止した状態から、力学的に持ち上がる。
ここで、
μ=0.6
Mg1=2.5〔kg〕
Mg2=2.5〔kg〕
φ1=0〔°〕
φ2=90〔°〕
θ=0〔°〕
Fe=3〔kgf〕
とし、前輪WFにおいて吸着力Nαが、
Nα>7.67〔kgf〕
になるように吸着領域Ar1に磁石59を配設すると、前輪WFが機器天井部位Kbの垂直壁に突き当たって静止した状態から、力学的に前輪WFが持ち上がる。
また、補助推進力発生部32adによる吸着力Nαがなくても、後輪WRが連結部122を介して前輪WFを押す力だけで、力学的に前輪WFが持ち上がる条件は、式(5)でNαを0にして、
0>(1/μ)・(Fe−μ・(Mg1・sinφ1+Fmax2
(cosφ1−tanθ・sinφ1))+Mg1・cosφ1 −Fmax2(sinφ1+tanθ・cosφ1))
になるので、
tanθ>1+(1/Fmax2)(Mg1−(Fe/μ)
(1/(sinφ1+cosφ1))) ……(6)
になり、角度θは、
θ>tan-1θ(1+(1/Fmax2)(Mg1−(Fe/μ)
(1/(sinφ1+cosφ1))) ……(7)
になる。したがって、角度θを、
θ>29〔°〕
にすると、補助推進力発生部32adによる吸着力Nαがなくても、後輪WRが連結部122を介して前輪WFを押す力だけで、力学的に前輪WFが持ち上がる。
ロボット31は、前輪WFの主推進力発生部32sh及び後輪WRの推進力発生部34shにおいて発生させられた摩擦力だけで機器天井部位Kbを登ることができる。そして、角度θが、
θ<29〔°〕
である場合、ロボット31は、前輪WFの主推進力発生部32sh及び後輪WRの推進力発生部34shにおいて発生させられた摩擦力、並びに前輪WFの補助推進力発生部32adにおいて発生させられた吸着力Nαによって機器天井部位Kbを登ることができる。
ところで、ロボット31が機器天井部位Kbを乗り越えた後において、前輪WFが機器天井部位Kbに吸着されたままになると、その後、ロボット31を移動させることができない。
次に、ロボット31が機器天井部位Kbを乗り越えた後に、前輪WFが機器天井部位Kbから離れるようにするための条件について説明する。
図33は本発明の第1の実施の形態におけるロボットが機器天井部位を乗り越えたときの状態を表す図である。
図において、31はロボット、WFは前輪、WRは後輪、12は天井パネル、121はケーブル類、122は連結部、Kbは機器天井部位、131、133は垂直壁、132は頂壁である。
この場合も、最大引張力Fmax1、Fmax2はモータ81の最大駆動力と捉えることができる。
ロボット31が機器天井部位Kbを乗り越えた後、前輪WFは、補助推進力発生部32ad(図9)において発生させられた吸着力Nαによって垂直壁133に吸着されたまま、天井パネル12に到達する。このとき、後輪WRが頂壁132上に置かれているとすると、前輪WFには、重量Mg1及び吸着力Nαに対する摩擦力が発生し、後輪WRには、重量Mg2に対する摩擦力が発生するので、後輪WRにおける進行方向の力F2、すなわち、ロボット31の進行方向においてロボット31を垂直壁133から離れさせようとする力F2は、
F2=μ(Mg1+Nα+Mg2)
になる。そして、後輪WRにおける接地方向の力N2、すなわち、ロボット31を垂直壁133から離れさせないようにする力N2は、
N2=Nα+Fe
であるので、力F2、N2が、
F2>N2
になると、ロボット31を垂直壁133から離れさせることができる。
ところが、力F2、N2を、
F2>N2
になるようにするためには、吸着力Nαを小さくする必要があり、その場合、ロボット31が垂直壁131を登るのが困難になってしまう。
そこで、本実施の形態においては、補助推進力発生部32adに吸着領域Ar1及び非吸着領域Ar2を交互に形成するようにしている。
したがって、前輪WFが、吸着力Nαによって垂直壁133に吸着されたまま、天井パネル12に到達したときに、作業員が操作部104(図23)を操作して前輪WFを回転させると、ロボット31が停止したまま前輪WFが回転させられ、吸着領域Ar1の各磁石59が垂直壁133から離れ、非吸着領域Ar2が垂直壁133に近づく。その結果、補助推進力発生部32adにおいて発生させられる吸着力Nαが小さくなるので、力F2、N2を容易に
F2>N2
にすることができ、ロボット31を垂直壁133から離れさせることができる。
ところで、図に示されるように、連結部122が下向きになっている場合、ケーブル類121が接続される部分、すなわち、引込み口は、後輪WRの上の方に位置する。この状態からロボット31を移動させると、後輪WRは下方に向けて移動させられるので、しばらくの間、ケーブル類121を引っ張ることはないと考えられる。したがって、図の状態から移動する際にはケーブル類121によって発生させられる摩擦力Feは存在しないと仮定する。したがって、前輪WFが垂直壁133から離れる条件は、
μ(Mg1+Nα+Mg2)>Nα
Mg1+Mg2>((1−μ)/μ)Nα
((1−μ)/μ)(Mg1+Mg2)>Nα
になる。
このように、本実施の形態においては、前輪WFに配設された補助推進力発生部32adの吸着領域Ar1が、天井パネル12上に形成された天井金具Ka、機器天井部位Kb等を吸着することによって推進力が発生させられるので、推進力によって天井金具Ka、機器天井部位Kb等を乗り越えてロボット31を移動させることができる。したがって、敷設ケーブル22を配線するための作業を簡素化することができる。
また、天井パネル12上で前輪WF及び後輪WRを回転させることによって、ロボット31を移動させることができるので、敷設ケーブル22を任意の箇所に配線することができる。
ところで、本実施の形態においては、車輪WFL、WRLのホイール部32、34における幅方向の中心と、車輪WFR、WRRのホイール部32、34における幅方向の中心との距離をトレッド幅としたとき、ロボット31の幅が141〔mm〕であるのに対して、トレッド幅は52.4〔mm〕であるので、ロボット31の安定性が低くなり、ロボット31を移動させている間にロボット31が転倒してしまうことがある。そこで、トレッド幅を大きくすることが考えられるが、トレッド幅を大きくすると、ロボット31自体の幅がその分大きくなり、開口部Hiを介してロボット31を天井空間14に挿入したり、天井空間14から取り出したりすることができなくなってしまう。
そこで、ロボット31の幅を大きくすることができ、開口部Hiを介して天井空間14に挿入する際にロボット31の幅を小さくすることができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図34は本発明の第2の実施の形態における車輪の概念図、図35は本発明の第2の実施の形態における伸縮機構を伸長させた状態を示す図、図36は本発明の第2の実施の形態における伸縮機構を収縮させた状態を示す図である。
図において、31はロボット、WL−1、WL−1’はロボット31の左輪、WR−1、WR−1’はロボット31の右輪、151は左輪WL−1、WL−1’と右輪WR−1、WR−1’との距離を変更するための伸縮機構である。左輪WL−1、WL−1’及び右輪WR−1、WR−1’は、いずれも、ホイール部232及びホイールカバー233を備える。
前記伸縮機構151は、シリンダ部152、該シリンダ部152内において、シリンダ部152に対して移動自在に配設されたピストン部153、一端がシリンダ部152に、他端が左輪WL−1、WL−1’のホイールカバー233に取り付けられた腕部am1、及び一端がピストン部153に、他端が右輪WR−1、WR−1’のホイールカバー233に取り付けられた腕部am2、シリンダ部152内に配設され、腕部am1、am2を突き出す方向に付勢する付勢部材としてのスプリング154等を備える。
通常は、図35に示されるように、スプリング154の付勢力によってシリンダ部152からピストン部153が押し出され、伸縮機構151が伸長させられる。このとき、腕部am1、am2は左右に広げられる。これにより、左輪WL−1の中心と右輪WR−1の中心との距離で表されるトレッド幅wd1が大きくされ、ロボット31の幅が十分に大きくされる。そして、開口部Hiを介してロボット31を天井空間14に挿入したり、天井空間14から取り出したりする場合、作業員は、図36に示されるように、スプリング154の付勢力に抗して左輪WL−1及び右輪WR−1を押し込み、腕部am1、am2を中央に寄せ、伸縮機構151を収縮させる。これにより、左輪WL−1’の中心と右輪WR−1’の中心との距離で表されるトレッド幅wd2が小さくされ、ロボット31の幅が小さくされる。
このように、本実施の形態においては、伸縮機構151によってロボット31のトレッド幅を変更することができるので、ロボット31のトレッド幅を大きくすることによって、ロボット31を移動させる際のロボット31の安定性を高くすることができるだけでなく、ロボット31のトレッド幅を小さくすることによって、ロボット31を、開口部Hiを介して天井空間14に容易に挿入したり、天井空間14から容易に取り出したりすることができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図37は本発明の第3の実施の形態におけるロボットの概念図である。
図において、31はロボット、WFは第1の車輪対としての一対の前輪、WRは第2の車輪対としての、かつ、ケーブルドラム車としての一対の後輪、161は敷設ケーブルである。本実施の形態においては、後輪WRによってドラム158が形成され、ドラム158内に敷設ケーブル161が所定のシャフトに巻回させて収容される。
したがって、前輪WFが矢印A方向に回転させられて、ロボット31が天井パネル12上を移動させられる間に、ドラム158内の敷設ケーブル161が矢印B方向に繰り出され、矢印C方向に配線される。なお、給電用のケーブル106(図24)及び制御用のケーブル107は、敷設ケーブル161とは別にロボット31の後端に接続される。
この場合、ロボット31が移動するのに伴って敷設ケーブル161が配線されるので、敷設ケーブル161を敷設するための作業を簡素化することができる。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1、第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図38は本発明の第4の実施の形態におけるロボットの後輪を示す概念図である。
図において、WRは車輪WRL、WRRから成り、ドラム158を形成するケーブルドラム車としての後輪、122は前輪WF(図37)と後輪WRとを連結する連結部、322は連結部122の後端に形成され、前記車輪WRL、WRR及びシャフト323を回転自在に支持する支持部材である。該支持部材322は、連結部122の後端から左右に分岐させて形成されたホイール支持部326、327を備え、ホイール支持部326、327の外側に前記車輪WRL、WRRが、前記ホイール支持部326、327間にシャフト323が回転自在に配設される。
この場合、ドラム158内に敷設ケーブル161がシャフト323に巻回させて収容され、ロボット31(図1)が天井パネル12上を移動させられる間に、ドラム158内の敷設ケーブル161が繰り出され、配線される。
ところで、本実施の形態においては、敷設ケーブル161がロボット31の給電用のケーブルとして使用される。そこで、シャフト323に巻回させられた敷設ケーブル161と、ホイール支持部326、327の一方、本実施の形態においては、ホイール支持部327及び連結部122に沿って配設され、前記駆動制御部Pdr(図1)のDC/DCコンバータ115(図24)に接続される給電用のケーブル329とが、摺動連結部材としてのスリップリング331を介して電気的に接続される。
なお、この場合、敷設ケーブル161とは別に制御用のケーブルがロボット31に接続される。
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図39は本発明の第5の実施の形態におけるロボットの概念図である。
図において、12は天井パネル、31はロボット、WFは第1の車輪対としての一対の前輪、WRは第2の車輪対としての一対の後輪、WAは該一対の後輪WRの更に後方に連結された第3の車輪対としての一対の増設車輪、122は前輪WFと後輪WRとを連結する連結部、222は後輪WRと増設車輪WAとを連結する連結部である。
この場合、増設車輪WAに、後輪WRと同様に、摩擦力をロボット31を移動させるための推進力として発生させる推進力発生部34shを配設することができる。
また、増設車輪WAを、敷設ケーブルを収容するドラムによって形成することができる。その場合、増設車輪WAによってケーブルドラム車が構成され、ドラム内に敷設ケーブル22が所定のシャフトに巻回させて収容され、ロボット31が天井パネル12上を移動させられる間に、増設車輪WAのドラム内の敷設ケーブル22が繰り出される。
前記第3、第4の実施の形態においては、後輪WRによって形成されるドラム158内に敷設ケーブル161が巻回させて収容されるようになっているが、ドラム158内にリード線を巻回させて配設し、リード線の端部に敷設ケーブルを接続することができる。その場合、ロボット31が天井パネル12上を移動させられる間に、ドラム158内のリード線が繰り出され、配線され、続いて、作業者がリード線を引くことによって、敷設ケーブルを配線することができる。
さらに、ドラム158内に、給電用のケーブル及び制御用のケーブルをリード線として巻回させて収容し、給電用のケーブル又は制御用のケーブルの端部に敷設ケーブルを接続することができる。その場合、ロボット31が天井パネル12上を移動させられる間に、ドラム158内の給電用のケーブル及び制御用のケーブルが繰り出され、配線され、続いて、給電用のケーブル及び制御用のケーブルを引くことによって、敷設ケーブルを配線することができる。
また、前記第5の実施の形態においては、増設車輪WAによって形成されるドラム内に敷設ケーブル22を巻回させて収容することができるようになっているが、ドラム内に、リード線を巻回させて収容したり、給電用のケーブル又は制御用のケーブルをリード線として巻回させて収容したりすることができる。
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
12 天井パネル
14 天井空間
22、161 敷設ケーブル
31 ロボット
32ad 補助推進力発生部
32sh 主推進力発生部
34sh 推進力発生部
Ar1 吸着領域
Hi 開口部
Ka 天井金具
Kb 機器天井部位
WF 前輪
WR 後輪

Claims (35)

  1. (a)天井パネルに形成された開口部を介して、一対の前輪及び一対の後輪を備えたロボットを天井空間に挿入し、
    (b)前記前輪及び後輪を回転させ、
    (c)回転に伴って、前記前輪に配設された推進力発生部において発生させられた推進力、及び前記後輪に配設された推進力発生部において発生させられた推進力によってロボットを移動させ、
    (d)該ロボットを所定の箇所まで移動させることによって敷設ケーブルを配線するとともに、
    (e)前記前輪に配設された推進力発生部は、前輪の円周方向における所定の領域において、天井パネル上に形成された突起物を吸着することによって推進力を発生させることを特徴とするケーブル配線方法。
  2. 前記前輪に配設された推進力発生部は、前輪の円周方向における他の所定の領域において、摩擦力を推進力として発生させる請求項1に記載のケーブル配線方法。
  3. 前記後輪に配設された推進力発生部は摩擦力を推進力として発生させる請求項1又は2に記載のケーブル配線方法。
  4. 前記後輪に配設された推進力発生部の外周面に、径方向外方に向けて複数の突起が形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載のケーブル配線方法。
  5. 前記後輪は、前記前輪との間に配設された伝動部材を走行させることによって伝達された前輪の回転を受けて回転させられる請求項1〜3のいずれか1項に記載のケーブル配線方法。
  6. 前記伝動部材を、天井パネル上の所定の突起物と当接させた状態で走行させることによって、推進力を発生させる請求項5に記載のケーブル配線方法。
  7. (a)前記前輪における左側の車輪と前記後輪における左側の車輪との間、及び前記前輪における右側の車輪と前記後輪における右側の車輪との間に、それぞれ前記伝動部材が配設され、
    (b)前記前輪における左側の車輪及び前記後輪における左側の車輪と、前記前輪における右側の車輪及び前記後輪における右側の車輪とは独立して回転させられる請求項5又は6に記載のケーブル配線方法。
  8. 前記ロボットは、前方及び後方から見た場合に球形状を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のケーブル配線方法。
  9. 前記ロボットの下部の所定の箇所に錘が配設される請求項1〜8のいずれか1項に記載のケーブル配線方法。
  10. 前記前輪及び後輪における左側の車輪と右側の車輪との距離は伸縮機構によって変更される請求項1〜9のいずれか1項に記載のケーブル配線方法。
  11. 前記後輪の後方に、摩擦力を推進力として発生させる増設車輪が連結される請求項1〜10のいずれか1項に記載のケーブル配線方法。
  12. (a)ロボットに接続されたリード線の端部に敷設ケーブルを接続し、
    (b)ロボットを移動させ、ロボットが所定の箇所に到達した後に、ロボットに接続されたリード線を引くことによって、天井パネル上に前記敷設ケーブルを配線する請求項1〜11のいずれか1項に記載のケーブル配線方法。
  13. ロボットに電力を供給するための給電用のケーブル又はロボットの制御を行うための制御用のケーブルをリード線として使用する請求項12に記載のケーブル配線方法。
  14. (a)ロボットに敷設ケーブルを接続し、
    (b)ロボットを所定の箇所まで移動させることによって、天井パネル上に前記敷設ケーブルを配線する請求項1〜11のいずれか1項に記載のケーブル配線方法。
  15. (a)所定の車輪内に敷設ケーブルを巻回させて収容し、
    (b)ロボットを移動させる間に、前記所定の車輪内の敷設ケーブルを繰り出す請求項1〜10のいずれか1項に記載のケーブル配線方法。
  16. (a)所定の車輪内にリード線を巻回させて収容し、
    (b)ロボットを移動させる間に、前記所定の車輪内のリード線を繰り出す請求項1〜10のいずれか1項に記載のケーブル配線方法。
  17. 前記所定の車輪は後輪である請求項15又は16に記載のケーブル配線方法。
  18. 前記所定の車輪は、前記後輪の後方に連結され、摩擦力を推進力として発生させる増設車輪である請求項15又は16に記載のケーブル配線方法。
  19. 天井空間において、天井パネル上を所定の箇所まで移動することによって敷設ケーブルを配線するロボットにおいて、
    (a)シャシと、
    (b)該シャシによって回転自在に支持された一対の前輪及び一対の後輪とを有するとともに、
    (c)前記前輪及び後輪は、回転に伴って、ロボットを移動させるための推進力を発生させる推進力発生部を備え、
    (d)前記前輪に配設された推進力発生部は、前輪の円周方向における所定の領域に形成され、天井パネル上に形成された突起物を吸着することによって推進力を発生させる吸着領域を備えることを特徴とするロボット。
  20. 前記前輪に配設された推進力発生部は、前輪の円周方向における他の所定の領域に形成され、摩擦力を推進力として発生させる非吸着領域を備える請求項19に記載のロボット。
  21. 前記後輪に配設された推進力発生部は摩擦力を推進力として発生させる請求項19又は20に記載のロボット。
  22. 前記後輪に配設された推進力発生部の外周面に、径方向外方に向けて複数の突起が形成される請求項19〜21のいずれか1項に記載のロボット。
  23. (a)前記前輪と後輪との間に走行自在に配設された伝動部材を有するとともに、
    (b)前記後輪は、伝動部材を走行させることによって伝達された前輪の回転を受けて回転させられる請求項19〜22のいずれか1項に記載のロボット。
  24. 前記伝動部材は、天井パネル上の所定の突起物と当接した状態で走行させられることによって、推進力を発生させる請求項23に記載のロボット。
  25. (a)前記前輪における左側の車輪と前記後輪における左側の車輪との間、及び前記前輪における右側の車輪と前記後輪における右側の車輪との間に、それぞれ前記伝動部材が配設され、
    (b)前記前輪における左側の車輪及び前記後輪における左側の車輪と、前記前輪における右側の車輪及び前記後輪における右側の車輪とは独立して回転させられる請求項23又は24に記載のロボット。
  26. 前方及び後方から見た場合に球形状を有する請求項19〜25のいずれか1項に記載のロボット。
  27. ロボットの筐体の下部の所定の箇所に錘が配設される請求項19〜26のいずれか1項に記載のロボット。
  28. 前記前輪及び後輪における左側の車輪と右側の車輪との距離は伸縮機構によって変更される請求項19〜27のいずれか1項に記載のロボット。
  29. 前記後輪の後方に連結され、摩擦力を推進力として発生させる増設車輪を有する請求項19〜28のいずれか1項に記載のロボット。
  30. (a)所定の車輪内に敷設ケーブルが巻回させて収容され、
    (b)ロボットを移動させる間に、前記所定の車輪内の敷設ケーブルが繰り出される請求項19〜29のいずれか1項に記載のロボット。
  31. (a)所定の車輪内にリード線が巻回させて収容され、
    (b)ロボットを移動させる間に、前記所定の車輪内のリード線が繰り出される請求項19〜29のいずれか1項に記載のロボット。
  32. 前記所定の車輪は後輪である請求項30又は31に記載のロボット。
  33. 前記所定の車輪は、前記後輪の後方に連結され、摩擦力を推進力として発生させる増設車輪である請求項30又は31に記載のロボット。
  34. (a)前記推進力発生部は、前記シャシによって回転自在に支持されたリング状のホイールの径方向外方に配設され、
    (b)該ホイールの内周面にリングギヤが配設され、
    (c)前記前輪及び後輪は、前記ホイールの径方向内方に配設され、駆動部から回転が伝達される駆動ギヤと前記リングギヤとを噛合させてホイールを回転させることによって回転させられる請求項19〜33のいずれか1項に記載のロボット。
  35. 前記ホイールは、径方向内方に配設された複数のローラによって回転自在に支持される請求項34に記載のロボット。
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