JP6512325B2 - 調光装置 - Google Patents

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本開示は、調光装置、および調光フィルムセットに関する。
特許文献1には、それぞれ偏光板とパターン位相差板で構成される第1光制御板と第2光制御板とを対面させ、第2光制御板を第1光制御板に対してスライドさせ、各位相差板の光学軸の成す角を変化させて光の変更状態を変えることにより、明暗(光の透過状態と遮光状態)を段階的に変化させるように構成された調光装置が開示されている。
特表2014−507676号公報
上記調光装置では、例えば、透過率が最小となる位置から透過率が最大となる位置まで光制御板をスライドすることにより、ヒトの目には透過率が連続的に変化していくように感じられるようになっている。本発明者らは、上記光制御板(第1および第2光制御板)として、透過率の最小の値を小さくしてプライバシー性を高めることを目指し、例えば、偏光度の高い偏光板(一例として偏光度99%以上)と位相差フィルムを含む構成の採用を検討した。そのうち、偏光度の高い吸収型の偏光板の採用を検討した。吸収型の偏光板として、例えば2色性色素で染色し一軸延伸した偏光板を2枚用いた場合、透過率の最大値が低くなってしまう(例えば、20%〜35%)。偏光板において、偏光度と透過率はトレードオフの関係にあり、偏光度を高めると透過率が低下してしまう。本発明者らは、透過率の最大値が低い場合、少しの透過率の減少によって透過状態の見た目が大きく変化してしまうことを確認した。
また、位相差フィルムの貼り合せの精度、装置機構の製造誤差等といった要因により、光制御板同士が位置ずれを起こす場合がある。すると、設計通りに明暗が実現されず、視認者に良好な透過状態を提供できない虞がある。これに対して、透過率の最大値をとる位置近傍に透過率を変化させる点を多数存在させる、つまり、透過率の変化の段階数(以下、これを「階調数」という)を大きくすることで対応できる。
上記考察から階調数が大きいことが望ましいが、単純に階調数を大きくすればよいという訳にはいかない。階調数は、透過率が変化するために必要なスライド量を決定する要素である。階調数を大きくすると、透過率が最大、最小を実現するための総スライド量が大きくなり過ぎてしまう。すると、調光装置が大型化するとともに、装置全体に対する採光面積が小さくなってしまう虞がある。一方、階調数を大きくしつつ、透過率が変化するために必要なスライド量を小さくすると、高精細の露光用マスクが必要になる。
このように偏光板を用いて構成される調光装置において、所望の調光性能を得るには複雑な課題を解決しなければならない。
本開示は、調光装置の大型化または採光面積の縮小を避けつつ、階調タイプの調光装置において所望の調光性能を得る技術を提供する。
(1)上記課題を解決するために、本実施形態によれば、透過率が段階的に変化する調光装置であって、吸収型の第1偏光フィルムと、吸収型の第2偏光フィルムと、第1偏光フィルムと第2偏光フィルムの間に配置され、互いに少なくとも部分的に対面するように構成された第1位相差フィルムおよび第2位相差フィルムと、を有し、第1位相差フィルムは、第1軸に沿って面内遅相軸が段階的に変化する複数の第1調光領域を有し、第2位相差フィルムは、第1調光領域に対応し、かつ、第1軸に沿って面内遅相軸が段階的に変化する複数の第2調光領域を有し、第1位相差フィルムおよび第2位相差フィルムの少なくとも一方は、対面する領域が変化するように可動であり、透過率が最大値(T1(%))となるときの第1位相差フィルムと第2位相差フィルムとの相対的な位置を第1の位置とし、第1の位置から透過率が漸減し最初に最小値(T2(%))となるときの第1位相差フィルムと第2位相差フィルムとの相対的な位置を第2の位置とすると、第1の位置と第2の位置の距離が40mm以下であり、第1の位置における透過率が20%以上かつ35%以下であり、第1の位置と、第1の位置と第2の位置の間に存在し、透過率がT1より絶対値で2%小さくなる第3の位置との距離が1mm以上であり、第1の位置と第3の位置とによって規定される範囲内において透過率が変化する点が3点以上存在する、調光装置が提供される。
(2)また、本実施形態によれば、透過率が段階的に変化する調光装置であって、吸収型の第1偏光フィルムと、吸収型の第2偏光フィルムと、第1偏光フィルムと第2偏光フィルムの間に配置され、互いに少なくとも部分的に対面するように構成された第1位相差フィルムおよび第2位相差フィルムと、を有し、第1位相差フィルムは、第1軸に沿って面内遅相軸が段階的に変化する複数の第1調光領域を有し、第2位相差フィルムは、第1調光領域に対応し、かつ、第1軸に沿って面内遅相軸が段階的に変化する複数の第2調光領域を有し、第1位相差フィルムおよび第2位相差フィルムの少なくとも一方は、対面する領域が変化するように可動であり、透過率が最大値(T1(%))となるときの第1位相差フィルムと第2位相差フィルムとの相対的な位置を第1の位置とし、第1の位置から透過率が漸減し最初に最小値(T2(%))となるときの第1位相差フィルムと第2位相差フィルムとの相対的な位置を第2の位置とすると、第1の位置と第2の位置との距離が1mm以上40mm以下であり、第1の位置と第2の位置の間には、1点以上512点以下の透過率の変化点が存在し、第1位相差フィルムおよび第2位相差フィルムにおいて、面内遅相軸が0°から180°まで変化する際の光軸の分割数である階調数が4の倍数の値に設定されている、調光装置が提供される。
(3)さらに、本実施形態によれば、吸収型の第1偏光フィルムと、第1位相差フィルムとを含む、第1の調光フィルムと、吸収型の第2偏光フィルムと、第2位相差フィルムとを含む、第2の調光フィルムと、を備え、第1位相差フィルムは、第1軸に沿って面内遅相軸が段階的に変化する複数の第1調光領域を有し、第2位相差フィルムは、第1調光領域に対応し、かつ、第1軸に沿って面内遅相軸が段階的に変化する複数の第2調光領域を有し、第1の調光フィルムと第2の調光フィルムとを対向させたときに、透過率が最大値(T1(%))となるときの第1位相差フィルムと第2位相差フィルムとの相対的な位置を第1の位置とし、第1の位置から透過率が漸減し最初に最小値(T2(%))となるときの第1位相差フィルムと第2位相差フィルムとの相対的な位置を第2の位置とすると、第1の位置と第2の位置との距離が1mm以上40mm以下であり、第1の位置と第2の位置の間には、1点以上512点以下の透過率の変化点が存在し、第1位相差フィルムおよび第2位相差フィルムにおいて、面内遅相軸が0°から180°まで変化する際の光軸の分割数である階調数が4の倍数の値に設定されている、調光フィルムセットが提供される。
(4)また、本実施形態によれば、吸収型の第1偏光フィルムと、第1位相差フィルムとを含む、第1の調光フィルムと、吸収型の第2偏光フィルムと、第2位相差フィルムとを含む、第2の調光フィルムと、を備え、第1位相差フィルムは、第1軸に沿って面内遅相軸が段階的に変化する複数の第1調光領域を有し、第2位相差フィルムは、第1調光領域に対応し、かつ、第1軸に沿って面内遅相軸が段階的に変化する複数の第2調光領域を有し、第1の調光フィルムと第2の調光フィルムとを対向させたときに、透過率が最大値(T1(%))となるときの第1位相差フィルムと第2位相差フィルムとの相対的な位置を第1の位置とし、第1の位置から透過率が漸減し最初に最小値(T2(%))となるときの第1位相差フィルムと第2位相差フィルムとの相対的な位置を第2の位置とすると、第1の位置と第2の位置の距離が40mm以下であり、第1の位置における透過率が20%以上かつ35%以下であり、第1の位置と、第1の位置と第2の位置の間に存在し、透過率がT1より絶対値で2%小さくなる第3の位置との距離が1mm以上であり、第1の位置と第3の位置とによって規定される範囲内において透過率が変化する点が3点以上存在する、調光フィルムセットが提供される。
(5)本開示に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになる。また、本開示の態様は、要素及び多様な要素の組み合わせ及び以降の詳細な記述と添付される特許請求の範囲の様態により達成され実現される。
本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味においても限定するものではないことを理解する必要がある。
本開示によれば、調光装置の大型化および採光面積の縮小を避けつつ、階調タイプの調光装置において所望の調光性能を得ることができるようになる。
本開示の実施形態による調光装置1の全体構成を示す図である。図1Aは、光を透過した状態を示している。図1Bは、光を遮断した状態を示している。図1Cは、調光装置1を構成する調光基板11を模式的に示している。図1Dは、筐体10内における調光基板11の配置状態を示している。 本開示の実施形態による調光装置1に収容されている第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の概略断面を示す図である。 図2の詳細断面を示す図である。 階調タイプの調光基板11の構成例を示す概略断面図である。 階調タイプの調光装置1における光透過率(調光状態)の変化を説明するための図である。 取っ手部12を設けた調光基板11の構成例を示す図である。 筺体10の案内レールに第1の調光基板11−1(可動)及び第2の調光基板11−2(固定)を収容する様子を示す図である。 図7に示す調光装置1のA−A断面であって、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との間にギャップ構成手段を設けた例を示す図である。 凹部(ざくり)170を設けた第1の調光基板11−1(可動)の構成を説明するための図である。 ストライプ幅と階調数から求められるスライド量を示す図である。 可視光透過率の官能評価結果を示す図である。 図11で示される官能評価の結果を一般化して明状態および暗状態と判断できる範囲を示す図である。 本実施形態による、ストライプ幅と階調数との各組み合わせにおいて、透過率が最大値から絶対値で2%減となる位置(第3の位置)同士の距離(P2とP3の距離:透過率の最大値から2%以内に収まるスライド量)を示す図である。 本実施形態による、ストライプ幅と階調数との各組み合わせにおいて、官能評価によってストライプ間の境界が目立たないと判断できる組み合わせを示す図である。 本実施形態における、図14の結果に対して追加のファクタを適用して得られた、調光装置に採用する場合に良好なストライプ幅と階調数との組み合わせを示す図である。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態について説明する。添付図面では、機能的に同じ要素は同じ番号で表示される場合もある。なお、添付図面は本開示の原理に則った具体的な実施形態と実装例を示しているが、これらは本開示の理解のためのものであり、決して本開示を限定的に解釈するために用いられるものではない。
また、本明細書等において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「垂直」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈されるべきである。
本明細書等において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値のそれぞれを下限値及び上限値として含む範囲であることを意味する。また、本明細書等において用いられる「フィルム」という文言は、「層」を包含する概念であり、例えば、「位相差フィルム」は「位相差層」をも含む意味であると解釈される。従って、本実施形態による調光装置としては、基板に各層(例えば、偏光層および位相差層)を積層した構成だけでなく、基板と各フィルム(例えば、偏光フィルムおよび位相差フィルム)とが離間して配置した構成を採ることもできる。
本実施形態では、当業者が本開示を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装・形態も可能で、本開示の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成・構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。
本発明者らは、階調タイプの調光装置において、所望の調光性能を得るために必要な条件について様々な観点から検証を重ねた。その結果、相対的に移動する調光基板において、そのスライド量、階調数(パターン位相差層の液晶の光軸が0°から180°まで変化する際の面内遅相軸(光軸)の分割数)、ストライプ幅(面内遅相軸が同じ領域の幅)を所定の範囲内に設定することが重要であることが判明した。以下、実施形態を通じて、階調タイプの調光装置において、所望の調光性能を得るために必要な条件について詳細に説明する。
<調光装置の全体構成>
図1は、本開示の実施形態による調光装置1の全体構成を示す図である。図1Aは、光を透過した状態(明状態:光の透過率が最大)を示している。図1Bは、光を遮断した状態(暗状態:光の透過率が最小)を示している。図1Cは、調光装置1を構成する調光基板11を模式的に示した図である。図1Dは、筐体10内における調光基板11の配置状態を示している。
調光装置1は、例えば、筺体(「フレーム」とも言うことができる)10と、筺体10に収容された複数の調光基板11と、取っ手部12と、を備えている。取っ手部12は必要に応じて設けられる構成であり、必須ではない。本実施形態では、例えば、2枚の調光基板11のうち、少なくとも1枚の調光基板11がスライド移動できるように筐体10内に収められている。以下では、第1の側に配置された一方の調光基板を第1の調光基板11−1、第1の側に対向する第2の側に配置されたもう一方の調光基板を第2の調光基板11−2とする。本実施形態では、例えば、第1の調光基板11−1をスライド移動可能(可動)とし、第2の調光基板11−2を固定としている。なお、「可動」あるいは「スライド移動可能」か否かは、相対的な概念であり、第2の調光基板11−2が全く動かないようにするという意味ではなく、水平方向(X方向)および垂直方向(Y方向)のそれぞれに適度な遊びを持たせてもよい。つまり、「可動」あるいは「スライド移動可能」とは、調光基板が調光機能を発揮する程度の可動範囲を有していることを意味する。
取っ手部12を設けた場合、図1A及びBで示されるように、取っ手部12は、調光装置1の開口部10a(窓部ともいう)に位置する2枚の調光基板11のうち、スライド移動可能な第1の調光基板11−1の第1の側に配置される。取っ手部12は、例えば、第1の調光基板11−1の表面に取り付けられている。例えば、開口部が明状態(光透過状態)のときは、取っ手部12は、筐体10の内枠右端部101に接している(図1A参照)。一方、開口部10aが暗状態(遮光状態)のときは、取っ手部12は、筐体10の内枠右端部101から離れた位置となっている(図1B参照)。本実施形態による調光装置では、第1の調光基板をスライド移動させると、開口部の明るさ(光の透過率)が段階的に明状態から暗状態まで変化するように構成されている。従って、本実施形態のような調光装置を、階調タイプの調光装置と称することも可能である。なお、取っ手部12の位置と開口部10aの明暗との関係は、図1A及びBで示される場合と逆であっても良いし、これらに限らない。なお、明状態(光透過状態)とは光の透過率が最大の状態を指し、一方、暗状態(遮光状態)とは光の透過率が最小の状態を指す。
図1Cを参照すると、本実施形態では、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2は、互いに少なくとも部分的に対面しており、例えば、互いに平行に配置されている。調光装置1では、少なくとも1枚の調光基板11が所定の移動方向(例えば、図におけるX方向)に移動することにより、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の両方を透過する光の透過率が、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の相対位置に応じて変化する。これにより、調光装置1は、透過光の光量を調整し、遮光と透過の切り替えができるように構成されている。なお、遮光と透過が切り替えられる領域は第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の全領域でなくても良く、一部の領域であっても良い。つまり、少なくとも1枚の調光基板11が所定の移動方向(例えば、図におけるX方向)に移動することにより、調光基板11の全面の調光状態が変化する必要は必ずしもなく、一部の領域の調光状態が変化するように構成することも可能である。
図1Cや図1Dを参照すると、第1の調光基板11−1の大きさと第2の調光基板11−2の大きさとは異なっている。例えば、第2の調光基板11−2を「固定」とする場合、スライド移動可能な第1の調光基板11−1は、第2の調光基板11−2よりもスライド移動方向(X方向)の長さが短く構成されている。つまり、スライド移動可能な第1の調光基板11−1は、短い長さの分だけ筐体10内をスライド移動できるようになっている。これにより、調光装置の大型化を抑えつつ、開口部の面積を大きくとることができる。本実施形態では、2枚の調光基板11−1及び11−2を筐体10内に収容しているが、3枚以上の調光基板を筐体10内に収容するようにしても良い。
また、図1Dに示されるように、各調光基板11−1及び11−2の上端部及び/又は下端部の少なくとも一部には、各調光基板11−1及び11−2のすべりを向上させたり、或いは低下させたりするためのテープ20が貼り付けられている。当該テープ20は、例えば、アルミ箔やフッ素系樹脂等、摩擦が少ないもので構成されている。このため、テープ20を各調光基板11−1及び11−2に貼り付けた場合、第1の調光基板11−1のスライド移動が非常にスムーズとなる。各調光基板11−1及び11−2のすべりを低下させるテープとしては、ウレタンゴム等で構成された摩擦が大きいテープが用いられる。このため、テープ20を各調光基板11−1及び11−2に貼り付けた場合、第1の調光基板11−1が軽量であってもスライド移動の応答性を制御できる。また、テープ20を各調光基板11−1及び11−2に貼り付けると、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との間にわずかなギャップを形成することが可能となる。従って、第1の調光基板11−1をスライド移動させたときに各調光基板11−1及び11−2が擦れることによってキズが各調光基板11−1及び11−2の開口部に形成されるのを防止することができる。
<調光基板の断面構成>
図2は、本開示の実施形態による調光装置1に収容されている第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の概略断面を示す図である。
第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2とは、互いに密着していてもよいが、間隔Dを開けて筐体10内に配置されていてもよい。当該間隔Dは、上述のように、テープ20によって形成されるものであっても良いし、スペーサなどによって形成されるものであっても良い。間隔Dの値は、例えば、0.2mm以上2.0mm以下としてもよい。間隔Dが上記下限未満であると調光基板同士が擦れて傷が発生するおそれがあり、間隔Dが上記上限より大きいと調光装置1を斜視したときに光の透過率の違い(明るさの違い)を感じやすくなる虞がある。また、第1の調光基板11−1は、第1軸方向Xに沿って光学特性がそれぞれ段階的に変化する複数の第1調光領域111を含んでいる。また、第2の調光基板11−2は、第1軸方向Xに沿って光学特性がそれぞれ段階的に変化する複数の第2調光領域112を含んでいる。第1調光領域111及び第2調光領域112は共に、一例として、同じ幅を有している。ここで、光学特性が段階的に変化するとは、例えば、光学軸(光軸とも呼ばれる)、位相差、複屈折率の中の少なくとも1つが段階的(漸次的)に変化することを意味する。図面では、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の相対移動する方向と、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の光学特性が変化する方向とが一致して図示されているが、これに限定されず、互いに交差していてもよい。例えば、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の相対移動する方向と、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の光学特性が変化する方向とのなす角が、5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°等の値を取ってもよい。つまり、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の光学特性が第1軸方向と異なる第2軸方向に沿って変化してもよい。なお、第1調光領域111及び第2調光領域112は、1つの領域分の幅で調光基板11の1ピッチを構成しているものとする。つまり、第1調光領域111及び第2調光領域112のそれぞれの幅がピッチWに相当する(図3参照)。
図3は、図2の詳細断面を示す図である。第1の調光基板11−1は、第1調光フィルム30と、第1基板31と、を有する。第1調光フィルム30は、第1偏光層(以下、「第1偏光フィルム」と言い換えることもできる)32と、第1位相差層(以下、「第1位相差フィルム」と言い換えることもできる)33と、を備える。具体的には、第1基板31上に、第1偏光層32及び第1位相差層33が当該順で積層されている。第2の調光基板11−2は、第2基板41と、第2偏光層(以下、「第2偏光フィルム」と言い換えることもできる)42と、第2位相差層(以下、「第2位相差フィルム」と言い換えることもできる)43と、を備える。具体的には、第2基板41上に、第2偏光層42及び第2位相差層43が当該順で積層されている。第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2は、第1位相差層33と第2位相差層43とが対面するように、調光装置1に収容される。
第1基板31は、第1偏光層32及び第1位相差層33を含む第1調光フィルム30を支持するための支持体である。第1基板31の構成材料としては、第1偏光層32及び第1位相差層33を支持することができ、高い光透過性を有するものであれば特に限定されない。例えば、第1基板31の構成材料としては、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等の樹脂材料等が挙げられる。なお、第2基板41は、第1基板31と同一の構成を採用することが可能である。
第1偏光層32及び第2偏光層42として、吸収型や反射型の偏光層を用いることができる。例えば、ポリビニルアルコールにヨウ素や二色性色素を吸着させてなる偏光層やワイヤーグリッド偏光子と称される偏光層を用いることができる。暗状態におけるプライバシー性を確保するために、第1偏光層32、第2偏光層42の偏光度は90%以下としてもよく、95%以下としてもよく、99%以下としてもよく、さらに99.9%以下としてもよい。
なお、第1位相差層33及び第2位相差層43は、例えば、光配向法やラビング法により形成された配向層上に液晶層を配向させることにより、作製することができる。例えば国際公開第2013/054673号パンフレット、特開2012−137725号公報、または特開2012−198522号公報等に開示された製法を用いて作製され得るため、ここではこれ以上詳細な説明を省略する。
<階調タイプの調光基板の構成及び機能>
図4は、階調タイプの調光基板11の構成例を示す概略断面図である。なお、図4では、第1の調光基板11−1に対応する構成が示されている。なお、本明細書等では、階調タイプの調光装置とは、光の透過率が異なる状態を多階調で作り出すことが可能な調光装置をさす。
図4に示されるように、階調タイプの調光基板11は、第1基板31上に、第1偏光層32及び第1位相差層61が当該順で積層されて構成されている。階調タイプの調光基板11では、第1位相差層61による位相差はλ/2であり、第1位相差層61としてλ/2板を用いる。そして、各第1調光領域111の第1位相差層61では、面内遅相軸方向が第1軸方向Xに沿って段階的に0°〜180°まで変化しており、透過光に生じさせる位相変調量を変化量させている。また、第2調光領域112も同様な構成を備えている。
上述のように、調光装置1では、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との相対位置に応じて、第1調光領域111と第2調光領域112との重なる位置が変化する。これにより、調光装置1に入射してきた光の透過率を徐々に変化させることが可能となる。つまり、当該調光タイプの調光装置1では、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2の相対位置に応じて、徐々に遮光状態になる(光の透過率が徐々に小さくなる)、又は、徐々に透過状態になる(光の透過率が徐々に大きくなる)。
図5は、階調タイプの調光装置1における光透過率(調光状態)の変化を説明するための図である。階調タイプの調光装置1では、第2の調光基板11−2を固定して第1の調光基板11−1をX方向にスライド移動させると、光の透過率が変化する。図5Aは、光の透過率が最小で、最も暗い状態のときの第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の位置関係を示している。図5Cは、光の透過率が最大で、最も明るい状態のときの第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の位置関係を示している。図5Bは、光の透過率が中間のときの第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の位置関係を示している。なお、図5では、単純化のため偏光層と位相差層のみ示されている。また、各位相差層における遅相軸は、0°〜180°のうち一部のみ示されている。ここでは単位遅相軸を22.5°としているが、これに限られず、任意に設定することが可能である。
(i)光の透過率が最小の状態
例えば、図5Aに示すように、第2位相差層71の遅相軸0°、22.5°、45°、・・・の領域がそれぞれ、第1位相差層61の遅相軸90°、112.5°、135°、・・・の領域と対向している状態では、光の透過率が最小であり遮蔽状態、すなわち暗状態となる。
第2の調光基板11−2の第2偏光層42を透過した偏光成分の光の振動方向は、第2位相差層71の各領域を透過することによって、それぞれ0°、45°、90°・・・と回転する。そして、振動方向が0°の光が第1位相差層61の遅相軸90°の領域を通過すると、入射光の偏光軸と遅相軸のなす角度の2倍分、偏光角が回転し、その偏光角は入射光と遅相軸のなす角度の2倍分、つまり180°回転し、振動方向は180°となる。また、振動方向が45°の光が第1位相差層61の遅相軸112.5°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より135°回転し、その振動方向は180°となる。さらに、振動方向が90°の光が第1位相差層61の遅相軸135°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より90°回転し、その振動方向も180°と変化する。このように、第1位相差層61を透過した光の偏光方向は全て0°或いは180°となるため、第1偏光層32の偏光方向と直交し、第1位相差層61を透過した光は、第1偏光層32によって遮断される。調光装置1は、偏向度の高い偏光板が用いられ、例えば、暗状態における透過率は0.3%以下であり、好ましくは0.01%以上0.3%以下である。
このように、図5Aに示された第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との位置関係においては、第2の調光基板11−2に入射する光は、第1の調光基板11−1を透過せず、遮蔽状態となる。
(ii)光の透過率が中間値の状態
図5Bに示すように、例えば、第2位相差層71の遅相軸0°、22.5°、45°、・・・の領域がそれぞれ、第1位相差層61の遅相軸67.5°、90°、112.5°、・・・の領域と対向している状態では、光の透過率が中間値を取る。
第2の調光基板11−2の第2偏光層42を透過した偏光成分の光の振動方向は、第2位相差層71の各領域を透過することによって、それぞれ0°、45°、90°・・・と回転する。そして、振動方向が0°の光が第1位相差層61の遅相軸67.5°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より135°回転し、その振動方向は135°となる。また、振動方向が45°の光が第1位相差層61の遅相軸90°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より90°回転し、その振動方向は135°となる。さらに、振動方向が90°の光が第1位相差層61の遅相軸112.5°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より45°回転し、その振動方向も135°となる。このように、第1位相差層61を透過した光の偏光方向は全て135°となるため、第1位相差層61を透過した光のうち第1偏光層32の偏光方向と同じ成分の光のみが第1偏光層32を透過することとなる。
このように、図5Bに示された第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との位置関係においては、第2の調光基板11−2に入射し、第2偏光層42を透過した光の一部のみが第1の調光基板11−1を透過し、透過状態すなわち明状態と、遮蔽状態すなわち暗状態との中間の中間状態となる。
(iii)光の透過率が最大の状態
図5Cに示されるように、例えば、第2位相差層71の遅相軸0°、22.5°、45°、67.5°、90°・・・の領域がそれぞれ、第1位相差層61の遅相軸45°、67.5°、90°、112.5°、135°、・・・の領域と対向している状態では、光の透過率が最大で透過状態、すなわち明状態となる。
第2の調光基板11−2の第2偏光層42を透過した偏光成分の光の振動方向は、第2位相差層71の各領域を透過することによって、それぞれ0°、45°、90°、135°、180°、・・・と回転する。そして、振動方向が0°の光が第1位相差層61の遅相軸45°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より90°回転し、その振動方向は90°となる。振動方向が45°の光が第1位相差層61の遅相軸67.5°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より45°回転し、その振動方向も90°となる。振動方向が90°の光が第1位相差層61の遅相軸90°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より0°回転し、その振動方向も90°となる。さらに、振動方向が135°の光が第1位相差層61の遅相軸112.5°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より−45°回転し、その振動方向も90°となる。振動方向が180°の光が第1位相差層61の遅相軸135°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より−90°回転し、その振動方向は90°となる。
このように、第1位相差層61を透過した光の偏光方向は全て90°或いは270°となるため、第1偏光層32の偏光方向と同一となり、第1位相差層61を透過した光は、第1偏光層32をそのまま透過することになる。
このように、図5Cに示された第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との位置関係においては、第2の調光基板11−2に入射し、第2偏光層42を透過した光は、全て第1の調光基板11−1を透過し、透過状態となる。調光装置1は、偏向度の高い偏光板を用いるため、明状態における透過率は、20%以上かつ35%以下となる。
<取っ手部を設けた調光基板>
図6は、取っ手部を設けた調光基板11の構成例を示す図である。取っ手部12を調光基板11に設ける第1の形態として、図6Aに示されるように、取っ手部12を調光基板11の窓面(調光面ともいう)に設けることができる。また、第2の形態として、図6Bに示されるように、サッシ枠が取り付けられた調光基板11において、取っ手部12を調光面外であるサッシ枠に設けることができる。取っ手部12の側面は、所定の移動方向に非平行な傾斜面部12a、12bを有している。図6A又は図6Bに示される取っ手部12の側面は、所定の移動方向に直交している。図6A又は図6Bに示される調光基板11を第1の調光基板11−1(可動)とし、図6A又は図6Bに示される調光基板11と同様の構成を有するが取っ手部12が設けられていない調光基板を第2の調光基板11−2(固定)として、これら2つの調光基板を筐体10に収容することにより、図1に示す調光装置1が完成する。なお、取っ手部12は、調光精度を出すために、調光基板を筐体10に収容した後に取り付けても良い。また、取っ手部12は、第1の調光基板11−1(可動)と第2の調光基板11−2(固定)の調光領域(位相差パターン)の境界を一致させた状態から少なくともW/4分の距離だけ第1の調光基板11−1(可動)をスライド移動できるように、取り付けることが好ましい。
取っ手部12は金属、ガラス、或いは樹脂を所望の形状に加工することにより作製される。そして、作製された取っ手部12を調光基板11の窓面(調光面)或いはサッシ枠の表面に貼り付けることにより、図6に示される調光基板11が完成する。
図6Aに示されるように、取っ手部12を調光基板11の調光面に取り付ける場合、テープや接着剤等の接着層12cによって取っ手部12を調光基板11の調光面に貼合して固定する。透明なガラスや樹脂で取っ手部12を作製する場合、例えば、透明な接着層12cを介して取っ手部12を調光基板11の調光面に貼合するのが好ましい。取っ手部12及び接着層12cが透明であるため、筐体の開口部に位置する調光基板11の調光機能を妨げる程度が低いからである。なお、取っ手部12は、テープや接着剤により後付けするようにしても良いが、調光基板11の一部として一体成形で構成しても良い。
図6Bに示されるように、取っ手部12を調光基板11のサッシ枠に取り付ける場合、必ずしも透明材料で取っ手部12を構成する必要はなく、木、プラスチック、金属等の透明ではない材料を用いたとしても調光基板11の調光面における調光機能を妨げることはない。ただし、取っ手部12をサッシ枠に取り付ける場合には調光基板11の調光面の面積は、調光基板11の大きさが同一であるという条件下では、調光基板11の調光面に直接取っ手部12を設けたときの調光面の面積よりも小さい。取っ手部12をサッシ枠に取り付ける場合、接着剤やテープを用いても良いし、ネジ止めしても良い。なお、取っ手部12は、テープや接着剤によりサッシ枠に後付けするようにしても良いが、調光基板11のサッシ枠の一部として一体成形で構成しても良い。また、取っ手部12のサイズは、指等の引っ掛け易さ、取っ手部12の取り付け強度、及び安全性を考慮すると、例えば、調光装置1の窓面の縦の長さの10%〜50%程度の長さであることが好ましい。
取っ手部12を形成する材料としては、例えば、ガラス、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、金属、木、プラスチック、ゴムなどを採用することができる。ただし、光の透過率を高くすることを重視する場合には、ガラス、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。この場合、調光装置1の調光機能を高めるため、例えば、取っ手部12はそのものの透過率を80%以上とすることが好ましい。また、取っ手部12を含む調光基板の透過率を、20%以上とすることが好ましい。このような構成にすることにより、明状態における外観美が維持される。耐熱性が要求される場所に調光装置1を設置する場合に、樹脂製の取っ手部12を用いる場合には、材料としてアクリル系樹脂やポリカーボネート樹脂を採用することができる。
さらに、取っ手部12に蓄光機能を持たせたい場合には、蓄光材料を取っ手部12に塗布したり、取っ手部12を形成する際に取っ手部12の材料に蓄光材料を混ぜたりすればよい。蓄光材料としては、例えば、硫化亜鉛、アルミン酸ストロンチウム等を用いることができる。取っ手部12が蓄光機能を持つことにより、暗い環境においても取っ手部12の位置をユーザが容易に認識することができる。
以上のように、少なくとも第1の調光基板11−1(可動)の窓面に取っ手部12を設けることにより、ユーザは窓面に直接手を触れる必要性がなくなり、窓面が汚れることを防止することが可能となる。また、取っ手部12が設けられていない場合には、窓面を指で押圧しながら第1の調光基板11−1(可動)をスライドさせることになるが、この場合、第1の調光基板11−1(可動)と第2の調光基板11−2(固定)とが接触して擦れることにより調光基板面にキズが形成される可能性がある。しかし、取っ手部12を設けることにより、このような危険性を回避することができる。
さらに、窓面を指で直接触れて第1の調光基板11−1をスライドさせる場合、第1の調光基板11−1(可動)と第2の調光基板11−2(固定)のそれぞれに形成された調光領域のピッチを精度よく合わせることは非常に困難である。しかし、第1の調光基板11−1(可動)が調光領域のW/4分だけスライド移動できるように取っ手部12を第1の調光基板11−1(可動)の窓面に設けているので、調光領域の位置を精度よく合わせることができ、良好な調光機能を提供することできるようになる。
<調光基板の筐体への収容について>
図7は、筺体10の案内レールに第1の調光基板11−1(可動)及び第2の調光基板11−2(固定)を収容する様子を示す図である。
調光装置1の筐体10は、第1の調光基板11−1(可動)及び第2の調光基板11−2(固定)を保持し、これらをX方向に沿った移動を可能にする案内レール150を備えている。図7は、筺体10の下枠における案内レールのみを示しているが、筺体10の上枠、左枠、右枠等にも略同様の案内レールが設けられていることに留意すべきである。
案内レール150は、断面U字状である。第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の移動手段としては、公知の移動手段を採用することができる。例えば、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2が案内レール150に直接接触しながらスライドする構成でもよい。また、図6Bに示されるように、第1の調光基板11−1(可動)及び第2の調光基板11−2(固定)がサッシ構造を有する場合、そのサッシ枠にスライド動作によって適宜回転するローラを設け、当該ローラが案内レール150上を滑走するような構成でもよい。
本実施形態では、少なくとも第1の調光基板11−1(可動)がスライド移動可能となっているため、第1の調光基板11−1(可動)及び第2の調光基板11−2(固定)の表面がスライド移動によって擦れてキズが付かないように、それぞれの間に所定の間隔があることが望ましい。そこで、本開示では、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との間にギャップ構成手段を設けている。図8は、図7に示す調光装置1のA−A断面であって、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との間にギャップ構成手段の例を示す図である。
図8Aは、当該ギャップ構成手段を、図1Dにも示したように、テープ20で構成した場合の例を示している。図8Aの例では、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の上下端部に、両基板のすべりを良くするためのテープ20が貼られている。テープ20は、所定の厚さを有するため、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との間のスペーサとしても機能する。
図8Bは、当該ギャップ構成手段を、スペーサ160で構成した場合の例を示している。図8Bの例では、当該スペーサ160は、第1の調光基板11−1に取り付けられているが、第2の調光基板11−2に取り付けても良い。スペーサ160は、例えば、板状の部材を用いることができる。また、スペーサ160は、その板状の部材の長手方向がX方向に沿うように配置されてもよい。さらに、スペーサ160は、複数の部材で構成されてもよく、例えば、複数のスペーサが、所定の間隔でX方向に沿って配置されてもよい。また、スペーサ160の表面は摩擦性が小さい材料で構成されるのが好ましい。このため、スペーサ160の表面にテープ20を貼付しても良い。
<凹部(ざくり)を設けた調光基板の構成>
取っ手部12の代わりに、第1の調光基板11−1(可動)に凹部(ざくり)を設けてスライド移動可能にしてもよい。
図9は、凹部(ざくり)を設けた第1の調光基板11−1(可動)の構成を説明するための図である。図9Aは凹部(ざくり)を備える第1の調光基板11−1(可動)の外観構成を示し、図9Bは図9AのB−B断面を示す図である。図9Cは、サッシ枠を有する第1の調光基板11−1(可動)のB−B断面を示す図である。以上のように、凹部170は調光基板11の調光に貢献する領域、及びそれ以外の領域の何れに設けられていてもよい。なお、第1の調光基板11−1(可動)と第2の調光基板11−2(固定)の内部構造や、第1の調光基板11−1(可動)と第2の調光基板11−2(固定)の位置関係によって調光状態が変化するのは上述と同様であり、ここではそれらの説明については省略する。
凹部170の側面は、所定の移動方向に平行な線分と非平行な傾斜面部170a、170bを有する。図9Bでは凹部170が第1の調光基板11−1(可動)にある形態が開示されている。凹部170は、例えば、第1の調光基板11−1(可動)をざくり加工して形成したり、凹部170を有する第1の調光基板11−1(可動)を一体成形したりすることにより形成することができる。図9Bでは凹部170が第1の調光基板11−1(可動)外にある形態が開示されている。凹部170は、例えば、サッシ枠をざくり加工して形成することができる。また、凹部170は、調光装置1の窓面であればどこでも形成することが可能であるが、ユーザの使い勝手を考慮すると、調光装置1の窓面の上下左右端部の何れかの箇所であって、第1の調光基板11−1(可動)を調光装置1の筐体10に収容したときに内枠近傍に位置するように形成することが望ましい。
凹部170の深さは、特に制限はなく、凹部170が第1の調光基板11−1(可動)を厚み方向に貫通するように設けられていてもよい。スライド方向に沿う凹部170の幅は、特に制限はないが、例えば、5mm以上50mm以下とするとよい。凹部170の幅を5mm以上にすると、ユーザの指等が凹部170の側面に接触しやすくなりスライドをさせやすくなる。凹部170の幅を50mm以下とすると凹部170により、凹部170が調光面にある場合に調光装置1の美観が低下してしまうのを抑制でき、また、凹部170が調光面外にある場合にサッシ枠の領域の大型化を回避できるからである。なお、凹部170の平面視形状は、矩形に限定されることはなく、例えば、多角形、円形等の任意の形状を採用することができる。
以上のように、調光装置1の窓面に凹部170を設けることにより、ユーザはその凹部170に指を引っ掛けて第1の調光基板11−1(可動)をスライド移動させることができる。よって、ユーザは窓面の凹部170以外の他の部分に直接手を触れる必要性がなくなり、窓面が汚れることを防止することが可能となる。また、凹部170が設けられていない場合には、窓面を指で押圧しながら第1の調光基板11−1をスライドさせることになるが、この場合、第1の調光基板11−1(可動)と第2の調光基板11−2(固定)とが擦れることにより調光基板面にキズが形成される可能性がある。しかし、凹部170を窓面の端部付近に設けることにより、このような危険性を回避することができる。
<調光装置における階調数、ストライプ幅、およびスライド量の関係について>
(i)階調タイプの調光装置1は、例えば、スライド量が0のとき明状態(例:可視光透過率が最大)または暗状態(例:可視光透過率が最小)で、所定量をスライドさせると最初の暗状態(可視光透過率が最小)または明状態(可視光透過率が最大)の切替えが現れるときにスライド規制がかかるように構成することができる。このような構成によれば、スライド量を小さくして装置の大型化や採光面の縮小化を避けることができる。しかし、各調光フィルムと各基板との貼り合わせの精度を合わせることは非常に困難であり、スライド誤差が生じる場合もある。このため、単にスライド量を規定するだけでスライド量が0で明状態あるいは暗状態、スライド量が所定量で暗状態あるいは明状態とすることが困難な場合もある。また、明状態から暗状態への遷移、あるいは暗状態から明状態への遷移が段階的に、しかも目視で自然になるようにすることが望ましい。さらに、調光装置1のフレーム幅をなるべく小さくし、調光装置1の大型化を避けつつ、開口部の面積(採光面積)も相対的に大きくしたいというニーズに応える必要性もあるため、単純にスライド量を大きくすればよいというものでもない。このような事情を考えると、階調タイプの調光装置1において、調光基板11−1、11−2の適切な階調数、ストライプ幅、およびスライド量を決定するのは容易ではない。
そこで、本実施形態による階調タイプの調光装置1を実現するに当たり、本発明者らは、調光装置1において、階調数と、第1および第2位相差層の面内遅相軸(以後、単に遅相軸と呼ぶことがある)の設定される各領域の幅(以後、ストライプ幅という)と、スライド量との関係の検証を慎重に積み重ね、それらの適切な値を導出した。なお、ここで階調数とは、各位相差層(パターン位相差フィルム)の液晶の光軸(遅相軸)が0°から180°まで変化する際の光軸の分割数をいい、ストライプ幅とは、光軸(遅相軸)が分割された各領域の幅をいうものとする。
(ii)当該検証をするに当り、本発明者らは、透明基板としてガラス基板(例えば、厚さ:3mmに、耐侯剤を含む多層構造の粘着層を介して吸収型の偏光板(サンリッツ社製HLC2-2318RE)を貼り合せ、さらに偏光板上に粘着層を介して位相差フィルムを貼り合せることにより、調光板を作製した。検証に用いた位相差フィルムは、TACフィルム上に配向層を形成し、各種階調数をもつ偏光露光用マスクを用いて露光し、その後、液晶層を形成することにより得た。用いた偏光板の偏光度は、99.9%であった。偏光板が互いにクロスニコルの関係である点を除いて略等価な調光板を2つ用意し、各々を第1の調光基板11−1、第2の調光基板11−2とした。
(iii)複数の調光板を観察したところ、ガラス基板の外形加工、ガラス基板への位相差フィルムの貼り合せ加工の精度により、位相差フィルムの位置が設計値に対して最大1mm程度のずれが生じることが分かった。従って、スライド量の下限は1mmより大きい値にすべきであることが分かった。
そして、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との間にスペーサとして約0.8mm厚のテープを配置した。そして、第2の調光基板11−2を固定し、第1の調光基板11−1をスライド可能にして調光装置1を作製した。
第2の調光基板11−2に対して第1の調光基板11−1をスライドさせながら可視光透過率を位相差フィルム・光学材料検査装置(大塚電子株式会社製 RETS−100)を用いて測定したところ、可視光透過率の最大値が26.9%、可視光透過率の最小値が0.3%であった。透過率の最小値が1%未満であるので、暗状態において高いプライバシー性を確保できている。なお、本明細書では、可視光透過率が最大となる位置を第1の位置、可視光透過率が最小となる位置を第2の位置と言う場合がある。
(iv)図10は、ストライプ幅と階調数から求められるスライド量を示す図である。横軸にはストライプ幅が示され、縦軸には階調数が示されている。横軸と縦軸との交点に示されている数値が、該当するストライプ幅と階調数との組み合わせによって決定されるスライド量となっている。
ここで、スライド量は、λ/2の位相差を生じさせる位相差層を2枚対応させる場合、階調数×ストライプ幅×((90°−45°)/180°)(以下、式1)によって定義することができる。階調数は、上述のように、1枚の調光基板における遅相軸0°から180°までの領域での階調の変化数を示す値であり、階調数の値は4の倍数であることが好ましい。4の倍数とすることにより当該階調数において一番明るい状態を作ることができるからである。ストライプ幅は、上述のように、同一遅相軸の値を有する領域の幅(mm)を示す値である。最終項は、2枚の調光基板を相対的にずらす際に明状態から暗状態にするための遅相軸の変化量(角度差)が遅相軸の取り得る範囲(0°から180°)における割合を示している。例えば、偏光板同士がクロスニコルの関係にあるとき、明状態の場合、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との遅相軸の差は45°となり、暗状態の場合、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との遅相軸の差は90°となる。従って、明状態から暗状態まで変化するための遅相軸の変化量は90°−45°=45°となる。
上述のように、調光装置1の筺体(フレーム)の幅の観点から、スライド量を大きくすればよいというものではなく、例えば、上限として50mm程度、より好ましくは40mmである。また、貼合ずれやスライド精度を考慮すると、スライド量は少なくとも1mm以上は必要である。
以上のように、1mm以上約50mm以下という条件を満たすスライド量の範囲は、図10の背景が濃いグレーの背景を有する部分および薄いグレーの背景を有するハッチング部分ということになる。つまり、スライド量は1mm以上50.8mm以下、ストライプ幅は0.01mm以上25.4mm以下、階調数は4以上2048以下となる。
(v)しかし、図10で示した範囲は、スライド量のみから判断した値であり、ユーザが感覚的に良好であると感じない場合も含まれている可能性がある。
そこで、さらに、階調数やストライプ幅の観点からも検証した。その際に官能評価を実施した。図11は、可視光透過率の官能評価結果を示す図である。当該官能評価では、実施例1として階調数32およびストライプ幅1mmとし、実施例2として階調数512およびストライプ幅0.1mmとした。図10を参照すると、実施例1の場合のスライド量は8mmとなり、実施例2の場合のスライド量は12.8mmとなる。なお、官能評価で使用した各調光基板は、上記(iii)にて可視光透過率を測定した際に用いた調光基板とは異なるため、図11に示される可視光透過率の最大値が異なっていることに留意すべきである。透過率の最大値の差異は、例えば、偏光板と位相差フィルムの貼合時の角度ずれなど、貼合精度に起因する場合がある。
官能評価の結果、ユーザにとって透過率が最大の状態(最も明るい状態)と同等の視認性を得たのは、実施例1の場合はスライド量で3mmの幅の位置(スライド量7mm以上10mm未満)であり、実施例2の場合にはスライド量で5mmの幅の位置(スライド量11mm以上16mm未満)であった。つまり、官能評価の結果、透過率が最大(最大に明るい)と評価できるのは、実施例1ではストライプ数で3個分であり、実施例2ではストライプ数で50個分であった。実施例1の結果からは、透過率が最大値(21.4%)から−0.6%(つまり、透過率が20.8%の位置)以内となる位置であれば透過率最大(最大に明るい)と評価するのに充分な透過率が得られ、−2.2%(つまり、透過率が19.2%の位置)であれば透過率最大よりも暗くなったと感じることが分かった。また、実施例2の結果からは、透過率が最大値(21.1%)から−1.2%(つまり、透過率が19.9の位置)以内となる位置であれば透過率最大(最大に明るい)と評価するのに充分な透過率が得られ、−2.4%(つまり、透過率が18.7%の位置)であれば透過率最大よりも暗くなったと感じることが分かった。最大の透過率が20%以上35%以下であるとき、最大の透過率から絶対値で透過率が2%少ない位置までであれば、ユーザにとって透過率が最大の状態と同等の視認性を得られることが分かった。また、上記と同様の官能評価の結果、ユーザにとって透過率が最小の状態(最も暗い状態)と同等の視認性を得たのは、最小の透過率から絶対値で透過率が2%大きい位置までであることが分かった。
さらに、透過率が最大の状態と同等の視認性が認められる範囲は、ある程度のスライド誤差(例えば、1.0mm未満)があってもユーザが最大の透過率の状態であると感じられるように、所定値以上あることが好ましい。例えば、実施例1からは、上述のように、スライド量が7.0mm以上10.00mm未満の幅にあるときにユーザが透過率最大であると認識しうる範囲内であることから、実際に透過率が最大の状態となる位置(第1の位置)と透過率が最大の状態と同等の視認性が認められる位置(第3の位置)との距離は、3mmの半分の1.5mmである。また、例えば、一方、実施例2からは、上述のように、スライド量が11.0mm以上16mm未満の幅にあるときにユーザが透過率最大であると認識しうる範囲内であることから、実際に透過率が最大の状態となる位置(第1の位置)と透過率が最大の状態と同等の視認性が認められる位置(第3の位置)との距離は、5mmの半分の2.5mmである。従って、実施例1および2の場合、第3の位置同士の距離は、それぞれ3mmおよび5mmとなっていて、上記スライド誤差1mm以上になっており、実用上問題ないことが分かる。以上、スライド誤差の理論値および実施例1および2による実験(官能評価による検証)によれば、第1の位置と第3の位置との距離は、0.5mm以上、好ましくは1.5mm以上、必要である(つまり、スライド量で言うと3mm以上あることが好ましい)と判断できる。
官能評価として実施例1についても良好な結果が得られたと判断してもよいが、実施例1の階調数は32であるため、明るさの遷移が滑らかではないと判断するユーザが存在する可能性がある。実際、実施例1に対する、暗状態から明状態への遷移させた場合の明るさ変化の自然さに関する評価は、実施例2よりも高くはなかった。なお、実施例1および2においては、可視光透過率の最大値が20数%程度となっているが、この値は調光基板の製造精度や層構成に依存して変動することがある。第1の調光基板と第2の調光基板における対応する領域同士の位相差を適正化したり、位相差が生じにくい部材を選択して層構成したりすることにより、当該最大値を35%程度にすることは可能である。
(vi)図12は、図11で示される官能評価の結果を一般化して明状態および暗状態と判断できる範囲を示す図である。図11で示す官能評価によって得られたように、ユーザにとって透過率が最大の状態(例えば、透過率が20%から35%)と同等と感じられる(最も明るい状態であると感じられる)のは、透過率が最大から絶対値で2%減以内の範囲に収まるときである。また、ユーザにとって透過率が最小の状態(例えば、透過率の最小値は0%以上0.3%以下になるように設定される)と同等と感じられる(最も暗い状態であると感じられる)のは、透過率が最小から2%増以内の範囲に収まるときである。
図12において、透過率が最大の位置(第1の位置)をP1、透過率が最大値から絶対値で2%減となる位置(第3の位置)をP2およびP3とすると、P3−P2の値が貼合誤差によって影響を受けるスライド精度よりも大きければユーザの視認性に影響を与えることがないことが分かった。同様に、透過率が最小の位置(第2の位置)をP4、透過率が最小値から絶対値で2%増となる位置(第4の位置)をP5およびP6とすると、P6−P5の値が貼合誤差によって影響を受けるスライド精度よりも大きければユーザの視認性に影響を与えることがないことが分かった。
さらに、図11と図12とを併せて考察すると、透過率が最大の位置(第1の位置)P1と透過率が最大値から絶対値で2%減となる位置(第3の位置)P2あるいはP3で規定される範囲の中には、透過率が変化する点が、実施例1からは3点存在し、実施例2からは50点存在することが分かる。また、透過率が最小の位置(第2の位置)P4と透過率が最大値から絶対値で2%増となる位置P4およびP5で規定される範囲の中における透過率の変化点の数についても同様である。実施例1の場合が官能評価として得られる良好な結果の下限とすれば、このP1とP2およびP3、あるいはP4とP4およびP5によって規定される範囲における透過率の変化点の数は、3点以上必要となることが分かる。
(vii)図13は、本実施形態による、ストライプ幅と階調数との各組み合わせにおいて、透過率が最大値から絶対値で2%減となる位置(第3の位置)同士の距離(P2とP3の距離:透過率の最大値から2%以内に収まるスライド量)を示す図である。
上述したように、第3の位置間の距離(P2とP3との距離)は、1mm以上あることが必要である。この条件を図13上に反映させると、濃いグレーの背景を有する箇所のストライプ幅および階調数の組み合わせが該当する。この組み合わせの範囲は、図10で示される範囲(図10において濃いグレーの背景を有する部分および薄いグレーの背景を有するハッチング部分の範囲)よりも小さくなっていることが分かる。
(viii)図14は、本実施形態による、ストライプ幅と階調数との各組み合わせにおいて、官能評価によってストライプ間の境界が目立たないと判断できる組み合わせを示す図である。図14において、◎は評価として非常に良好であった組み合わせを示し、○は評価として良好であった組み合わせを示し、×は評価として実用に耐えられない(ストライプ間の境界が目立ってしまっている)組み合わせを示している。
階調数が大きくなればなるほど、隣り合うストライプ間の遅相軸の角度差が少なくなるため、ストライプ間の境界は目立ちにくくなる。なお、当該官能評価は、図13で示されるストライプ幅と階調数との組み合わせ(図13において濃いグレーの背景を有する範囲)に対して行われたものであり、図13で得られた範囲をさらに限定する結果となっている。
図14の官能評価の結果からは次のことが分かる。ストライプ幅が2mmの場合、階調数が64以上あれば、調光性能は非常に良好である。ストライプ幅が1mmの場合、階調数が12以上128以下であれば、調光性能は非常に良好である。ストライプ幅が0.75mmの場合、階調数が16以上128以下であれば、調光性能は非常に良好である。ストライプ幅が0.5mmの場合、階調数が20以上256以下であれば、調光性能は非常に良好である。ストライプ幅が0.2mm以上0.25mm以下の場合、階調数が64以上512以下であれば、調光性能は非常に良好である。ストライプ幅が0.1mmの場合、階調数が128以上1024以下であれば、調光性能は非常に良好である。ストライプ幅が0.01mmの場合、階調数が1024以上2048以下であれば、調光性能は非常に良好である。
(ix)図15は、本実施形態における、図14の結果に対して追加のファクタを適用して得られた、調光装置に採用する場合に良好なストライプ幅と階調数との組み合わせを示す図である。
ここで、適用した追加のファクタには、例えば、明状態⇔暗状態間の状態遷移が人にとって自然であること(例えば、ストライプ幅を1mm以上にする場合には階調数を64以上とすること)、階調数をどこまで微細にする必要があるか否か(例えば、2048は微細過ぎるとして不採用)、スライド量を40mm以下であることを前提としてさらに好ましい3mm以上26mm以下とすること、等が含まれる。このような追加のファクタを考慮して得られた結果が図15において濃いグレーの背景を有する部分のストライプ幅と階調数の組み合わせである。
(x)図10から図15までの結果をまとめると、次のことが言える。
(x-1)調光装置1において、明状態⇔暗状態間のスライド量は、筺体のフレーム幅およびスライド精度の観点から1mm以上40mm以下、好ましくは3mm以上26mm以下である。
(x-2)階調数は4の倍数となるように設定することが好ましい。
(x-3)透過率の官能評価の結果、最大の透過率(最も明るい状態)と同様の視認性を得るには、最大の透過率の値から-2%以内の範囲に最も明るい状態となる位置を設定する必要があり、最小の透過率(最も暗い状態)と同様の視認性を得るには、最小の透過率の値から+2%以内の範囲に最も暗い状態となる位置を設定する必要がある。つまり、明状態となる位置、および暗状態となる位置はピンポイントではなく、一定の幅(範囲)を以て設定することができる。
(x-4)ストライプ間の境界が目立たなくするためには、ストライプ幅が0.01mm以上2mm以下、階調数が64以上あることが望ましい。ただし、ストライプ幅が0.75mm以上2mm未満の場合には16階調以上あればよく、ストライプ幅が0.5mm以上0.75mm未満の場合には20階調以上あればよい。
(x-5)図10において、濃いグレーの背景を有する部分および薄いグレーの背景を有するハッチング部分が好ましいストライプ幅と階調数との組み合わせを示している。ただし、例えば、ストライプ幅0.01mm&階調数64の組み合わせとストライプ幅0.1mm&階調数64の組み合わせとの間にスライド量1.0mmの境界が存在する。上記式1を用いてこの境界の組み合わせを求めると、ストライプ幅0.0625mm&階調数64となる。同様に式1に基づいて、スライド量が1mmとなる境界を演算し、より正確なストライプ幅と階調数の範囲を求めると、ストライプ幅が0.0078mm以上25.4mm以下、および階調数が12以上2048以下となるストライプ幅と階調数との各組み合わせの中から所望の組み合わせを採用することが望ましいと分かる。例えば、ストライプ幅が0.1mm以上3mm以下、および階調数が12以上2048以下となるストライプ幅と階調数との各組み合わせの中から所望の組み合わせを採用することが望ましいと分かる。
図10の濃いグレーの背景を有する部分および薄いグレーの背景を有するハッチング部分の境界領域のデータ(例えば、ストライプ幅0.2mm、階調数32の組み合わせのデータ)において、スライド量が1mmよりも大きい場合に、スライド量が1mmとなるストライプ幅を含めて考えると、
階調数4の場合:ストライプ幅は、1.0mm以上25.4mm以下;
階調数8の場合:ストライプ幅は、0.5mm以上25.4mm以下;
階調数12の場合:ストライプ幅は、0.33mm以上12.7mm以下;
階調数16の場合:ストライプ幅は、0.25mm以上12.7mm以下;
階調数20の場合:ストライプ幅は、0.2mm以上3.0mm以下;
階調数32の場合:ストライプ幅は、0.125mm以上3.0mm以下;
階調数64の場合:ストライプ幅は、0.0625mm以上3.0mm以下;
階調数68の場合:ストライプ幅は、0.0588mm以上2.0mm以下;
階調数72の場合:ストライプ幅は、0.0556mm以上2.0mm以下;
階調数76の場合:ストライプ幅は、0.0526mm以上2.0mm以下;
階調数128の場合:ストライプ幅は、0.0313mm以上1.0mm以下;
階調数256の場合:ストライプ幅は、0.0156mm以上0.75mm以下;
階調数512の場合:ストライプ幅は、0.00781mm以上0.25mm以下; 階調数1024の場合:ストライプ幅は、0.00390mm以上0.1mm以下; 階調数2048の場合:ストライプ幅は、0.00195mm以上0.01mm以下(下限はスライド量1mmを基準に算出)
となる。
なお、さらに検証を重ねた結果、スライド量としては、3mm以上26mm以下であることがより好ましいことが分かった。これを考慮すると、
階調数4の場合:ストライプ幅は、3.0mm以上25.4mm以下;
階調数8の場合:ストライプ幅は、1.5mm以上13.0mm以下;
階調数12の場合:ストライプ幅は、1.0mm以上8.67mm以下;
階調数16の場合:ストライプ幅は、0.75mm以上16.5mm以下;
階調数20の場合:ストライプ幅は、0.6mm以上3.0mm以下;
階調数32の場合:ストライプ幅は、0.38mm以上3.0mm以下;
階調数64の場合:ストライプ幅は、0.188mm以上1.625mm以下;
階調数68の場合:ストライプ幅は、0.176mm以上1.53mm以下;
階調数72の場合:ストライプ幅は、0.167mm以上1.44mm以下;
階調数76の場合:ストライプ幅は、0.158mm以上1.37mm以下;
階調数128の場合:ストライプ幅は、0.094mm以上0.8125mm以下; 階調数256の場合:ストライプ幅は、0.047mm以上0.406mm以下;
階調数512の場合:ストライプ幅は、0.023mm以上0.203mm以下;
階調数1024の場合:ストライプ幅は、0.012mm以上0.1mm以下;
階調数2048の場合:ストライプ幅は、該当する範囲なし
となる。
さらに、図15を考慮すると、ストライプ幅は0.01以上1.0mm以下、階調数は16以上1024以下となる。より正確に表現すると、
階調数4の場合:該当するストライプ幅なし;
階調数8の場合:該当するストライプ幅なし;
階調数12の場合:該当するストライプ幅なし;
階調数16の場合:ストライプ幅は、0.5mm;
階調数20の場合:ストライプ幅は、0.5mm以上0.75mm以下;
階調数32の場合:ストライプ幅は、0.5mm以上0.75mm以下;
階調数64の場合:ストライプ幅は、0.2mm以上1.0mm以下;
階調数68の場合:ストライプ幅は、0.2mm以上1.0mm以下;
階調数72の場合:ストライプ幅は、0.2mm以上1.0mm以下;
階調数76の場合:ストライプ幅は、0.2mm以上1.0mm以下;
階調数128の場合:ストライプ幅は、0.1mm以上1.0mm以下;
階調数256の場合:ストライプ幅は、0.1mm以上0.5mm以下;
階調数512の場合:ストライプ幅は、0.1mm以上0.25mm以下;
階調数1024の場合:ストライプ幅は、0.01mm以上0.1mm以下;
階調数2048の場合:該当するストライプ幅なし
となる。
(x-6)第1の位置P1と第3の位置P2およびP3との間にある変化点の数(言い換えれば、P1とP2とP3とで規定される範囲内に含まれる変化点の数)を見積もったところ、階調数が256以上であれば当該範囲に変化点の数は20点以上存在することが分かった。例えば、図11の官能評価の結果を見ると、実施例1の場合、階調数が32で変化点の数が3点であり、実施例2の場合、階調数が512で変化点の数が50点である。
このような、第1の位置および第2の位置と第3の位置および第4の位置で規定される変化点の存在を考えると、第1の位置P1や第2の位置P4に手動で位置合わせを行う際に生じる位置ずれによって、調光装置1における開口部の見え方(ユーザの感じ方)に変化がある可能性がある。この点、図11の結果からは、階調数が32で第1の位置と第3の位置の間に変化点が3点以上ある場合、スライドによって多少の位置ずれが生じても、見た目に差が感じられないことが分かった。ただし、好ましくは、階調数が256以上で変化点の数が20点以上、さらに好ましくは階調数が512以上で変化点の数が50点以上である。
一方、階調数が32で第1の位置P1と第3の位置P2およびP3の間に変化点が3点未満の場合、スライドによって多少の位置ずれが生じると、暗さを感じることがあった。同様に第2の位置P4と第4の位置P5およびP6との間における変化点の数(言い換えれば、P4とP5とP6とで規定される範囲内に含まれる変化点の数)においても、3点以上ある場合には遮光性が高くプライバシー性が良好であると感じ、3点以上ない場合にはスライド操作によってはプライバシー性が良好ではないと感じることがあった。ただし、この場合も、好ましくは、階調数が256以上で変化点の数は20点以上、さらに好ましくは階調数が512以上で変化点の数が50点以上である。
<まとめ>
(i)本実施形態では、吸収型の偏光層を用いているが、反射型の偏光層を用いても良い。また、本実施形態では、第1位相差層および第2位相差層において、隣接する透過率の変化点同士の距離は、上記ストライプ幅に相当する。従って、第1位相差層および第2位相差層における、透過率の変化点の数は、ストライプ数−1で表すことができる。ここで、ストライプとは、面内遅相軸(光軸)が同一の領域を言い、ストライプ幅とは、面内遅相軸(光軸)が同一の領域の幅を言う。
(ii)本開示の実施形態による調光装置1は、例えば、住宅用窓、パーティション、間仕切り、住宅用天窓、自動車のサンルーフ、自動車のサンバイザー等に用いることができる。調光装置1が住宅用窓、パーティション、間仕切り等に適用される場合、第1の調光基板11−1(可動)及び第2の調光基板11−2(固定)は、地面に対し垂直ないし斜めに配置されるように構成されてもよい。また、調光装置1が住宅用天窓や自動車のサンルーフ等に適用される場合、第1の調光基板11−1(可動)及び第2の調光基板11−2(固定)は、地面に対し斜めないし平行に配置されるように構成されてもよい。したがって、上述の説明の「上」と「下」の関係は、「天」と「地」の関係に限らない。さらに、調光装置1は、第1の調光基板11−1(可動)及び第2の調光基板11−2(固定)という2つの調光基板を有する形態に限らない。なお、第1の調光基板11−1(可動)を地面に対し垂直方向ないし斜め方向にスライド移動させる形態の場合、透過状態あるいは遮光状態を構成するポジションを維持するために、第1の調光基板11−1(可動)を保持する機構を設けるようにしてもよい。
(iii)本実施形態による調光装置1は、吸収型の第1偏光層と吸収型の第2偏光層の間に配置され、互いに少なくとも部分的に対面するように構成された第1位相差層および第2位相差層と、を有し、第1位相差層は、第1軸に沿って面内遅相軸が段階的に変化する複数の第1調光領域を有し、第2位相差層は、前記第1調光領域に対応し、かつ、前記第1軸に沿って面内遅相軸が段階的に変化する複数の第2調光領域を有している。ここで、第1位相差層および第2位相差層の少なくとも一方は、対面する領域が変化するように可動で構成される。そして、透過率が最大値(T1(%))となるときの第1位相差層と第2位相差層との相対的な位置を第1の位置(P1)とし、第1の位置(P1)から透過率が漸減し最初に最小値(T2(%))となるときの第1位相差層と第2位相差層との相対的な位置を第2の位置(P4)とすると、第1の位置と第2位置の距離が40mm以下であり、第1の位置における透過率が20%以上かつ35%以下となっている。また、第1の位置(P1)と、第1の位置と第2の位置(P4)の間に存在し、透過率がT1より絶対値で2%小さくなる第3の位置(P2およびP3)との距離が1mm以上となっている。さらに、第1の位置と第3の位置とによって規定される範囲内において透過率が変化する点が3点以上(上記実施例1による)存在している。このような条件設定をすることにより、階調タイプの調光装置1において、調光装置の大型化および採光面積の縮小を避けつつ、所望の調光性能を確実に得ることが可能となる。また、人にとって明状態(最も明るい状態)と感じられる、第1位相差層と第2位相差層の相対的位置関係を一定の幅をもって設定することができるため、各位相差層の貼合精度を厳しくしなくても明状態を創りだすことができる。
(iv)また、調光装置1において、上記透過率の最小値(T2)は、0.01%以上0.3以下になるように設定される。このとき、第2の位置(P4)と、第1の位置(P1)と第2の位置の間に存在し透過率がT2よりも絶対値で2%大きくなる第4の位置(P5およびP6)との距離が1mm以上となるように設定される。このようにすることにより、人にとって暗状態(最も暗い状態)と感じられる、第1位相差層と第2位相差層の相対的位置関係を一定の幅をもって設定することができるため、各位相差層の貼合精度を厳しくしなくても暗状態を創りだすことができる。
(v)さらに、可動の位相差層のスライド量(第1の位置と第2の位置との距離に基づいて規定される)を3mm以上26mm以下とすることがより好ましい。また、第1の位置(P1)と第3の位置(P2およびP3)とによって規定される範囲に透過率が変化する点が20点以上、さらに好ましくは、50点以上存在するようにするとよい。このようにすることにより、所望の調光性能をさらに確実に得ることが可能となる。
1 調光装置
10 筐体
11 調光基板
11−1 第1の調光基板
11−2 第2の調光基板
12 取っ手部
20 テープ
30 第1調光フィルム
31 第1基板
32 第1偏光層
33 第1位相差層
34 第1領域
35 第2領域
40 第2調光フィルム
41 第2基板
42 第2偏光層
43 第2位相差層
44 第3領域
45 第4領域
111 第1調光領域
112 第2調光領域

Claims (26)

  1. 透過率が段階的に変化する調光装置であって、
    吸収型の第1偏光フィルムと、
    吸収型の第2偏光フィルムと、
    前記第1偏光フィルムと前記第2偏光フィルムの間に配置され、互いに少なくとも部分的に対面するように構成された第1位相差フィルムおよび第2位相差フィルムと、を有し、
    前記第1位相差フィルムは、第1軸に沿って面内遅相軸が段階的に変化する複数の第1調光領域を有し、
    前記第2位相差フィルムは、前記第1調光領域に対応し、かつ、前記第1軸に沿って面内遅相軸が段階的に変化する複数の第2調光領域を有し、
    前記第1位相差フィルムおよび前記第2位相差フィルムの少なくとも一方は、対面する領域が変化するように可動であり、
    透過率が最大値(T1(%))となるときの前記第1位相差フィルムと前記第2位相差フィルムとの相対的な位置を第1の位置とし、前記第1の位置から透過率が漸減し最初に最小値(T2(%))となるときの前記第1位相差フィルムと前記第2位相差フィルムとの相対的な位置を第2の位置とすると、
    前記第1の位置と前記第2の位置の距離が40mm以下であり、
    前記第1の位置における透過率の最大値(T1)が20%以上かつ35%以下であり、 前記第1位相差フィルムあるいは前記第2位相差フィルムの可動方向における前記第1の位置の両サイドに2つの第3の位置が存在し、当該2つの第3の位置における透過率がT1より絶対値で2%小さくなる位置であり、前記第1の位置と前記2つの第3の位置のそれぞれとの距離が1mm以上であり、
    前記第2の位置における透過率の最小値(T2)が0.01%以上0.3%以下であり、
    前記第1位相差フィルムあるいは前記第2位相差フィルムの可動方向における前記第2の位置の両サイドに2つの第4の位置が存在し、当該2つの第4の位置における透過率がTより絶対値で2%大きくなる位置であり、前記第の位置と前記2つの第4の位置のそれぞれとの距離が1mm以上であり、
    前記第1の位置と前記第3の位置とによって規定される範囲内において透過率が変化する点が3点以上存在し、
    前記第1位相差フィルムおよび前記第2位相差フィルムの少なくとも一方の可動範囲は、前記2つの第3の位置の間の任意の位置から前記2つの第4の位置の間の任意の位置までの範囲に規制されている、調光装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1位相差フィルムおよび前記第2位相差フィルムの一方のみが可動に構成され、 可動の位相差フィルムは、固定の位相差フィルムよりも、可動方向の長さが短く構成されている、調光装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記第1の位置と前記第2の位置との距離は、3mm以上26mm以下である、調光装置。
  4. 請求項1から3の何れか1項において、
    前記第1の位置と前記第3の位置とによって規定される範囲に透過率が変化する点が20点以上存在する、調光装置。
  5. 請求項1から4の何れか1項において、
    前記第1の位置と前記第3の位置とによって規定される範囲に透過率が変化する点が50点以上存在する、調光装置。
  6. 請求項1から5の何れか1項において、
    さらに、前記第1位相差フィルムを支持する第1基板と、前記第2位相差フィルムを支持する第2基板と、を有し、
    前記第1軸の上で前記第1基板の端部と前記第2基板の端部とを合わせたとき、透過率が(最大値−2%)以内の値又は(最小値+2%以内の値)をとるように構成されている、調光装置。
  7. 透過率が段階的に変化する調光装置であって、
    吸収型の第1偏光フィルムと、
    吸収型の第2偏光フィルムと、
    前記第1偏光フィルムと前記第2偏光フィルムの間に配置され、互いに少なくとも部分的に対面するように構成された第1位相差フィルムおよび第2位相差フィルムと、を有し、
    前記第1位相差フィルムは、第1軸に沿って面内遅相軸が段階的に変化する複数の第1調光領域を有し、
    前記第2位相差フィルムは、前記第1調光領域に対応し、かつ、前記第1軸に沿って面内遅相軸が段階的に変化する複数の第2調光領域を有し、
    前記第1位相差フィルムおよび前記第2位相差フィルムの少なくとも一方は、対面する領域が変化するように可動であり、
    透過率が最大値(T1(%))となるときの前記第1位相差フィルムと前記第2位相差フィルムとの相対的な位置を第1の位置とし、前記第1の位置から透過率が漸減し最初に最小値(T2(%))となるときの前記第1位相差フィルムと前記第2位相差フィルムとの相対的な位置を第2の位置とすると、
    前記第1の位置と前記第2の位置との距離が1mm以上40mm以下であり、
    前記第1の位置と前記第2の位置の間には、1点以上512点以下の透過率の変化点が存在し、
    前記第1位相差フィルムあるいは前記第2位相差フィルムの可動方向における前記第1の位置の両サイドに2つの第3の位置が存在し、当該2つの第3の位置における透過率がT1より絶対値で2%小さくなる位置であり、前記第1の位置と前記2つの第3の位置のそれぞれとの距離が1mm以上であり、
    前記第1位相差フィルムあるいは前記第2位相差フィルムの可動方向における前記第2の位置の両サイドに2つの第4の位置が存在し、当該2つの第4の位置における透過率がTより絶対値で2%大きくなる位置であり、前記第の位置と前記2つの第4の位置のそれぞれとの距離が1mm以上であり、
    前記第1位相差フィルムおよび前記第2位相差フィルムの少なくとも一方の可動範囲は、前記2つの第3の位置の間の任意の位置から前記2つの第4の位置の間の任意の位置までの範囲に規制されており、
    前記第1位相差フィルムおよび前記第2位相差フィルムにおいて、前記面内遅相軸が0°から180°まで変化する際の光軸の分割数である階調数が4の倍数の値に設定されている、調光装置。
  8. 請求項7において、
    隣接する透過率の変化点同士の距離をストライプ幅とすると、
    前記第1の位置と前記第2の位置との距離は、前記階調数×前記ストライプ幅÷4によって規定される、調光装置。
  9. 請求項8において、
    前記第1の位置と前記第2の位置との距離は、3.0mm以上26.0mm以下である、調光装置。
  10. 請求項9において、
    前記階調数が4の場合、前記ストライプ幅は、3.0mm以上25.4mm以下である、調光装置。
  11. 請求項9において、
    前記階調数が8の場合、前記ストライプ幅は、1.5mm以上13.0mm以下である、調光装置。
  12. 請求項9において、
    前記階調数が12の場合、前記ストライプ幅は、1.0mm以上8.67mm以下である、調光装置。
  13. 請求項9において、
    前記階調数が16の場合、前記ストライプ幅は、0.75mm以上16.5mm以下である、調光装置。
  14. 請求項9において、
    前記階調数が20の場合、前記ストライプ幅は、0.6mm以上3.0mm以下である、調光装置。
  15. 請求項9において、
    前記階調数が32の場合、前記ストライプ幅は、0.38mm以上3.0mm以下である、調光装置。
  16. 請求項9において、
    前記階調数が64の場合、前記ストライプ幅は、0.188mm以上1.625mm以下である、調光装置。
  17. 請求項9において、
    前記階調数が68の場合、前記ストライプ幅は、0.176mm以上1.53mm以下である、調光装置。
  18. 請求項9において、
    前記階調数が72の場合、前記ストライプ幅は、0.167mm以上1.44mm以下である、調光装置。
  19. 請求項9において、
    前記階調数が76の場合、前記ストライプ幅は、0.158mm以上1.37mm以下である、調光装置。
  20. 請求項9において、
    前記階調数が128の場合、前記ストライプ幅は、0.094mm以上0.8125mm以下である、調光装置。
  21. 請求項9において、
    前記階調数が256の場合、前記ストライプ幅は、0.047mm以上0.406mm以下である、調光装置。
  22. 請求項9において、
    前記階調数が512の場合、前記ストライプ幅は、0.023mm以上0.203mm以下である、調光装置。
  23. 請求項9において、
    前記階調数が1024の場合、前記ストライプ幅は、0.012mm以上0.1mm以下である、調光装置。
  24. 請求項7から23の何れか1項において、
    前記第1の位置における透過率が20%以上かつ35%以下である、調光装置。
  25. 請求項24において、
    前記第1の位置と前記第3の位置とによって規定される範囲内において透過率が変化する点が3点以上存在する、調光装置。
  26. 請求項24または25において、
    前記第1の位置と前記第3の位置とによって規定される範囲に透過率が変化する点が50点以上存在する、調光装置。
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