JP2018146846A - 調光装置、調光フィルムセット - Google Patents

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渉 降旗
Wataru Furihata
渉 降旗
立沢 雅博
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雅博 立沢
勇樹 熊谷
Yuki Kumagai
勇樹 熊谷
内田 智也
Tomoya Uchida
内田  智也
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Abstract

【課題】調光装置の各調光素子における偏光板や位相差板の断裁および/または貼合のずれによって形成される明暗パターンのずれを解消することを可能にする技術を提供する。【解決手段】本開示による調光装置は、第1軸に沿って相対的に移動可能に構成された第1の調光板と、第2の調光板と、を備える。第1の調光板は、第2の調光板に少なくとも部分的に対面し、第1軸の第1側に位置する第1端部と、第1軸または第1軸と交差する第2軸に沿って交互に配置され、互いに光学特性が異なる第1領域および第2領域と、を有する。第2の調光板は、第1軸の第1側に位置する第2端部と、第1軸又は第2軸に沿って交互に配置され、互いに光学特性が異なる第3領域および第4領域と、を有する。第1端部と、第1端部に最も近接する第1領域と第2領域の境界と、の距離をL1、第2端部と、第2端部に最も近接する第3領域と第4領域との境界と、の距離をL2、としたとき、L1≦L2を満たしている。【選択図】図10

Description

本開示は、調光装置、調光フィルムセットに関する。
特許文献1には、偏光板とパターン位相差板が各調光素子に貼合され、調光素子をスライドさせて各位相差板の光学軸の成す角を変化させることにより、明暗を切り替え、或いは連続的に透過率を変化させるように構成された調光装置が開示されている。
特表2014−507676号公報
特許文献1に開示されるような調光装置では、各調光素子におけるフィルム状の偏光板やフィルム状のパターン位相差板の断裁精度や貼合精度の差異がある場合、調光素子をスライドさせて生じさせる明暗パターンにずれが生じてしまう。その一方、複数の調光素子間で断裁精度及び貼合精度を合わせることは非常に難しく、可能であったとしても製造コストが高くなってしまう可能性がある。このため、複数の調光素子間で偏光板や位相差板の断裁精度や貼合精度の差異があることを前提として、如何に上記明暗パターンのずれを生じさせない、あるいは解消させるかが課題である。
本開示は、調光装置の各調光素子における偏光板や位相差板の断裁および/または貼合のずれによって形成される明暗パターンのずれを解消することを可能にする技術を提供する。
(1)上記課題を解決するために、本開示による調光装置は、第1軸に沿って相対的に移動可能に構成された第1の調光板及び第2の調光板を備え、
第1の調光板は、第2の調光板に少なくとも部分的に対面し、第1軸の第1側に位置する第1端部と、第1軸または第1軸と交差する第2軸に沿って交互に配置され、互いに光学特性が異なる第1領域および第2領域と、を有し、
第2の調光板は、第1軸の第1側に位置する第2端部と、第1軸又は第2軸に沿って交互に配置され、互いに光学特性が異なる第3領域および第4領域と、を有し、
第1端部と、第1端部に最も近接する第1領域と第2領域の境界と、の距離をL1、第2端部と、第2端部に最も近接する第3領域と第4領域との境界と、の距離をL2、としたとき、L1≦L2を満たしている。
(2)本開示による別形態の調光装置は、第1軸に沿って相対的に移動可能に構成された第1の調光板及び第2の調光板と、第1の調光板と、第2の調光板と、を収容する筐体と、を備え、
第1の調光板は、第2の調光板に少なくとも部分的に対面し、筐体の内部端面は、第1軸の第1側において、第1の調光板および第2の調光板と接触するように構成され、
第1の調光板は、第1軸または第1軸と交差する第2軸に沿って交互に配置され、互いに光学特性が異なる第1領域および第2領域、を有し、
第2の調光板は、第1軸または第2軸に沿って交互に配置され、互いに光学特性が異なる第3領域および第4領域を有し、
第1の調光板および第2の調光板を筐体に接触させた状態において、筐体の内部端面と、筐体の内部端面に最も近接する第1領域と第2領域の境界と、の距離とをN1、筐体の内部端面と、筐体の内部端面に最も近接する第3領域と第4領域の境界と、の距離とをN2、としたとき、N1≦N2を満たしている。
(3)本開示による別形態の調光装置は、面内遅相軸が周期的に変化する領域を備える第1の調光板及び第2の調光板を少なくとも部分的に対面させながら互いの重なる領域を変化させることにより、光透過率が階調変化する調光装置であって、
第1の調光板及び第2の調光板は、第1軸に沿って相対的に移動可能に構成され、
第1の調光板は、第1軸の第1側に位置する第1端部を有し、
第2の調光板は、第1軸の第1側に位置する第2端部を有し、
第1の調光板の第1端部と、第2調光板の第2端部とを基準位置に合わせ、第1の調光板又は第2の調光板を第1軸に沿って移動させたときに調光装置の光透過率が増加して最大となるように変化する、又は、調光装置の光透過率が減少して最小となるように変化する。
(4)本開示による調光フィルムセットは、第1の調光フィルムと、第2の調光フィルムと、を備え、
第1の調光フィルムは、第1軸の第1側に位置する第1端部と、第1軸または第1軸と交差する第2軸に沿って交互に配置され、互いに光学特性が異なる第1領域および第2領域と、を有し、
第2の調光フィルムは、第1の調光フィルムよりも第1軸の方向の幅が大きく、第1軸の第1側に位置する第2端部と、第1軸または第2軸に沿って交互に配置され、互いに光学特性が異なる第3領域および第4領域と、を有し、
第1端部と、第1端部に最も近接する第1領域と第2領域の境界と、の距離をL1、第2端部と、第2端部に最も近接する第3領域と第4領域との境界と、の距離をL2、としたとき、L1≦L2を満たしている。
(5)本開示による別形態の調光フィルムセットは、面内遅相軸が周期的に変化する領域を備える第1の調光フィルムと、面内遅相軸が周期的に変化する領域を備える第2の調光フィルムと、を備え、
第1の調光フィルムは、第1軸の第1側に位置する第1端部を有し、第2の調光フィルムは、第1軸の第1側に位置する第2端部を有し、
第1の調光フィルムの第1端部と、第2調光フィルムの第2端部とを基準位置に合わせ、第1の調光フィルム又は第2の調光フィルムを第1軸に沿って移動させたときに第1調光フィルム及び第2調光フィルムを透過する光透過率が増加して最大となるように変化する、又は、調光装置の光透過率が減少して最小となるように変化する。
(6)本開示に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになる。また、本開示の態様は、要素及び多様な要素の組み合わせ及び以降の詳細な記述と添付される特許請求の範囲の様態により達成され実現される。
本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味においても限定するものではないことを理解する必要がある。
本開示によれば、調光装置の各調光素子における明暗パターンのずれを解消することが可能となる。
本開示の実施形態による調光装置1の全体構成を示す図である。図1Aは、光を透過した状態を示している。図1Bは、光を遮断した状態を示している。図1Cは、調光装置1を構成する調光基板11を模式的に示している。図1Dは、筐体10内における調光基板11の配置状態を示している。 本開示の実施形態による調光装置1に収容されている第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の概略断面を示す図である。 図2の詳細断面を示す図である。 第1位相差層33の構成例を示す平面図である。 第1の調光基板11−1の第1位相差層33と第2の調光基板11−2の第2位相差層43との重なり状態に応じて光の透過率が変化する機能を説明するための断面図である。 階調タイプの調光基板11の構成例を示す概略断面図である。 階調タイプの調光装置1における光透過率の変化を説明するための図である。 パターニングされた偏光層で調光機能を実現する第1及び第2の調光基板の構成例を示す概略断面図である。 保護層を備えた調光基板の構成例を示す概略断面図である。 基準位置から第2の調光基板11−2の最左の位相差パターンの右端部までの幅L2が基準位置から第1の調光基板11−1の最左の位相差パターンの右端部までの幅L1以上の場合の位相差パターンの関係を示す図である。 基準位置から第1の調光基板11−1の最左の位相差パターンの右端部までの幅L1が基準位置から第2の調光基板11−2の最左の位相差パターンの右端部までの幅L2未満の場合の位相差パターンの関係を示す図である。 第1の調光基板11−1(可動)の収容位置を調整するために調整具301および302を設けた例を示す図である。 第1の調光基板11−1(可動)にθ調整用調整具303を設ける場合に好適な形態を示す図である。 第2の調光基板11−2(固定)の収容位置を調整するために調整具301および302を設けた例を示す図である。 調光装置1の筐体10における、調整具301から303を締結するための貫通穴(ネジ穴)の配置例を示す図(筐体10の横断面図)である。 取っ手部12を設けた調光基板11の構成例を示す図である。 筺体10の案内レールに第1の調光基板11−1(可動)及び第2の調光基板11−2(固定)を収容する様子を示す図である。 調光装置1の図17におけるA−A断面であって、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との間にギャップ構成手段を設けた例を示す図である。 凹部(ざくり)170を設けた第1の調光基板11−1(可動)の構成を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態について説明する。添付図面では、機能的に同じ要素は同じ番号で表示される場合もある。なお、添付図面は本開示の原理に則った具体的な実施形態と実装例を示しているが、これらは本開示の理解のためのものであり、決して本開示を限定的に解釈するために用いられるものではない。
また、本明細書等において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「垂直」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈されるべきである。
本明細書等において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値のそれぞれを下限値及び上限値として含む範囲であることを意味する。
本実施形態では、当業者が本開示を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装・形態も可能で、本開示の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成・構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。
本開示の実施形態は、調光部材が複数の調光基板によって構成され、複数の調光基板によって複数の調光部が提供される調光装置に関する。より具体的には、本実施形態は、複数の調光基板が筐体に収容され、各調光基板における偏光板や位相差板の断裁および/または貼合のずれによって形成される明暗パターンのずれを解消することを可能にする調光装置に関する。
<調光装置の全体構成>
図1は、本開示の実施形態による調光装置1の全体構成を示す図である。図1Aは、光を透過した状態を示している。図1Bは、光を遮断した状態を示している。図1Cは、調光装置1を構成する調光基板11を模式的に示した図である。図1Dは、筐体10内における調光基板11の配置状態を示している。
調光装置1は、例えば、筺体(「フレーム」とも言うことができる)10と、筺体10に収容された複数の調光基板11と、取っ手部12と、を備えている。取っ手部12は必要に応じて設けられる構成であり、必須ではない。本実施形態では、例えば、2枚の調光基板11のうち、少なくとも1枚の調光基板11がスライド移動できるように筐体10内に収められている。以下では、第1の側に配置された一方の調光基板を第1の調光基板11−1、第1の側に対向する第2の側に配置されたもう一方の調光基板を第2の調光基板11−2とする。本実施形態では、例えば、第1の調光基板11−1をスライド移動可能(可動)とし、第2の調光基板11−2を固定としている。なお、「可動」あるいは「スライド移動可能」か否かは、相対的な概念であり、第2の調光基板11−2が全く動かないようにするという意味ではなく、水平方向(X方向)および垂直方向(Y方向)のそれぞれに適度な遊びを持たせてもよい。つまり、「可動」あるいは「スライド移動可能」とは、調光基板が調光機能を発揮する程度の可動範囲を有していることを意味する。
取っ手部12を設けた場合、図1A及びBで示されるように、取っ手部12は、調光装置1の開口部10a(窓部ともいう)に位置する2枚の調光基板11のうち、スライド移動可能な第1の調光基板11−1の第1の側に配置される。取っ手部12は、例えば、第1の調光基板11−1の表面に取り付けられている。例えば、開口部が明状態(光透過状態)のときは、取っ手部12は、筐体10の内枠右端部101に接している(図1A参照)。一方、開口部10aが暗状態(遮光状態)のときは、取っ手部12は、筐体10の内枠右端部101から離れた位置となっている(図1B参照)。なお、取っ手部12の位置と開口部10aの明暗との関係は、図1A及びBで示される場合と逆であっても良いし、これらに限らない。なお、明状態(光透過状態)とは光の透過率が最大の状態を指し、一方、暗状態(遮光状態)とは光の透過率が最小の状態を指す。
図1Cを参照すると、本実施形態では、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2は、互いに少なくとも部分的に対面しており、例えば、互いに平行に配置されている。調光装置1では、少なくとも1枚の調光基板11が所定の移動方向(例えば、図におけるX方向)に移動することにより、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の両方を透過する光の透過率が、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の相対位置に応じて変化する。これにより、調光装置1は、透過光の光量を調整し、遮光と透過の切り替えができるように構成されている。なお、遮光と透過が切り替えられる領域は第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の全領域でなくても良く、一部の領域であっても良い。つまり、少なくとも1枚の調光基板11が所定の移動方向(例えば、図におけるX方向)に移動することにより、調光基板11の全面の調光状態が変化する必要は必ずしもなく、一部の領域の調光状態が変化するように構成することも可能である。
図1Cや図1Dを参照すると、第1の調光基板11−1の大きさと第2の調光基板11−2の大きさとは異なっている。例えば、第2の調光基板11−2を「固定」とする場合、スライド移動可能な第1の調光基板11−1は、第2の調光基板11−2よりもスライド移動方向(X方向)の長さが短く構成されている。つまり、スライド移動可能な第1の調光基板11−1は、短い長さの分だけ筐体10内をスライド移動できるようになっている。これにより、調光装置の大型化を抑えつつ、開口部の面積を大きくとることができる。本実施形態では、2枚の調光基板11−1及び11−2を筐体10内に収容しているが、3枚以上の調光基板を筐体10内に収容するようにしても良い。
また、図1Dに示されるように、各調光基板11−1及び11−2の上端部及び/又は下端部の少なくとも一部には、各調光基板11−1及び11−2のすべりを向上させたり、或いは低下させたりするためのテープ20が貼り付けられている。当該テープ20は、例えば、アルミ箔やフッ素系樹脂等、摩擦が少ないもので構成されている。このため、テープ20を各調光基板11−1及び11−2に貼り付けた場合、第1の調光基板11−1のスライド移動が非常にスムーズとなる。各調光基板11−1及び11−2のすべりを低下させるテープとしては、ウレタンゴム等で構成された摩擦が大きいテープが用いられる。このため、テープ20を各調光基板11−1及び11−2に貼り付けた場合、第1の調光基板11−1が軽量であってもスライド移動の応答性を制御できる。また、テープ20を各調光基板11−1及び11−2に貼り付けると、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との間にわずかなギャップを形成することが可能となる。従って、第1の調光基板11−1をスライド移動させたときに各調光基板11−1及び11−2が擦れることによってキズが各調光基板11−1及び11−2の開口部に形成されるのを防止することができる。
<調光基板の断面構成>
図2は、本開示の実施形態による調光装置1に収容されている第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の概略断面を示す図である。
第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2とは、互いに密着していてもよいが、間隔Dを開けて筐体10内に配置されていてもよい。当該間隔Dは、上述のように、テープ20によって形成されるものであっても良いし、スペーサなどによって形成されるものであっても良い。間隔Dの値は、例えば、0.2mm以上2.0mm以下としてもよい。間隔Dが上記下限未満であると調光基板同士が擦れて傷が発生する虞があり、間隔Dが上記上限より大きいと調光装置1を斜視したときに光漏れを感じやすくなる虞がある。また、第1の調光基板11−1は、第1軸方向Xに沿って光学特性が変化する複数の第1調光領域111を含んでいる。また、第2の調光基板11−2は、第1軸方向Xに沿って光学特性が変化する複数の第2調光領域112を含んでいる。第1調光領域111及び第2調光領域112は共に、一例として、同じ幅を有している。ここで、光学特性が変化するとは、例えば、光学軸(光軸とも呼ばれる)、位相差、複屈折率の中の少なくとも1つが変化することを意味する。図面では、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の相対移動する方向と、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の光学特性が変化する方向とが一致して図示されているが、これに限定されず、互いに交差していてもよい。例えば、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の相対移動する方向と、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の光学特性が変化する方向とのなす角が、5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°等の値を取ってもよい。つまり、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の光学特性が第1軸方向と異なる第2軸方向に沿って変化してもよい。なお、第1調光領域111及び第2調光領域112は、1つの領域分の幅で調光基板11の1ピッチを構成しているものとする。つまり、第1調光領域111及び第2調光領域112における、後述の第1領域34、第2領域35、第3領域44、及び第4領域45のそれぞれがハーフピッチWに相当する(図3参照)。
図3は、図2の詳細断面を示す図である。第1の調光基板11−1は、第1調光フィルム30と、第1基板31と、を有する。第1調光フィルム30は、第1偏光層32と、第1位相差層33と、を備える。具体的には、第1基板31上に、第1偏光層32及び第1位相差層33が当該順で積層されている。第2の調光基板11−2は、第2基板41と、第2偏光層42と、第2位相差層43と、を備える。具体的には、第2基板41上に、第2偏光層42及び第2位相差層43が当該順で積層されている。第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2は、第1位相差層33と第2位相差層43とが対面するように、調光装置1に収容される。
第1基板31は、第1偏光層32及び第1位相差層33を含む第1調光フィルム30を支持するための支持体である。第1基板31の構成材料としては、第1偏光層32及び第1位相差層33を支持することができ、高い光透過性を有するものであれば特に限定されない。例えば、第1基板31の構成材料としては、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等の樹脂材料等が挙げられる。なお、第2基板41は、第1基板31と同一の構成を採用することが可能である。
第1偏光層32と第2偏光層42は、一方の直線偏光成分の光を高い透過率で透過させるとともに、一方の直線偏光成分と直交する方向に振動する他方の直線偏光成分の光を吸収する機能を有している。本実施形態において、第1偏光層32と第2偏光層42とは、その透過軸の向きが互いに非平行となっている。第1偏光層32及び第2偏光層42は、それぞれの透過軸が互いに直交するようにして、すなわちクロスニコル状態(直交ニコルとも呼ぶ)で配置されている。第1偏光層32及び第2偏光層42として、ポリビニルアルコールにヨウ素や二色性色素を吸着させてなる偏光層やワイヤーグリッド偏光子と称される偏光層を用いることができる。
第1位相差層33及び第2位相差層43は、例えばλ/4板で構成され、透過光の偏光状態を制御可能となっている。第1位相差層33の第1調光領域111は、透過光の偏光状態に互いに異なる作用を及ぼす第1領域34及び第2領域35を含んでいる。第1位相差層33は、第1領域34と第2領域35との間で、異なる位相変調を透過光に生じさせる。別の言い方をすれば、第1領域34の面内遅相軸方向と第2領域35の面内遅相軸方向とが異なる。具体的には、第1領域34及び第2領域35はそれぞれ、例えば、リタデーションがλ/4の位相差層から構成されている。第1位相差層33は、第1領域34を透過する光に対して「λ/4」の位相変調を引き起こし、第2領域35を透過する光に対して「−λ/4」の位相変調を引き起こす。
第2位相差層43は、例えば、第1位相差層33と同様に構成される。すなわち、第2位相差層43の第2調光領域112は、透過光の偏光状態に互いに異なる作用を及ぼす第3領域44及び第4領域45を含んでいる。第2位相差層43は、第3領域44と第4領域45との間で、異なる位相変調を透過光に生じさせる。別の言い方をすれば、第3領域44の面内遅相軸方向と第4領域45の面内遅相軸方向とが異なる。具体的には、第3領域44及び第4領域45はそれぞれ、リタデーションがλ/4の位相差層から構成されている。第2位相差層43は、第3領域44を透過する光に対して「λ/4」の位相変調を引き起こし、第4領域45を透過する光に対して「−λ/4」の位相変調を引き起こす。
なお、第1位相差層33及び第2位相差層43は、例えば、光配向法やラビング法により形成された配向層上に液晶層を配向させることにより、作製することができる。例えば国際公開第2013/054673号パンフレット、特開2012−137725号公報、または特開2012−198522号公報等に開示された製法を用いて作製され得るため、ここではこれ以上詳細な説明を省略する。
<位相差層の構成>
図4は、第1位相差層33の構成例を示す平面図である。第1位相差層33の第1調光領域111は、第1軸方向Xに沿って交互に配置された複数の第1領域34及び複数の第2領域35によって構成される。本実施形態では、第1領域34及び第2領域35は、第1軸方向Xに沿って交互に隙間なく配置され、第1軸方向Xに沿って同一な幅Wを有している。したがって、第1領域34及び第2領域35は、各領域の幅の2倍「W×2」となる一定ピッチでそれぞれ第1軸方向Xに配列されている。また、各第1領域34及び各第2領域35は、第1軸方向Xに直交する第2軸方向Yに直線状に延びている。なお、図4から理解されるように、第1軸方向X及び第2軸方向Yは、第1の調光基板11−1の板面に平行な面内において、互いに直交する二方向を規定する。
図示してはいないが、第2位相差層43も、第1位相差層33と同様に構成することができる。第2位相差層43の第2調光領域112は、第1軸方向Xに沿って交互に配置された複数の第3領域44及び複数の第4領域45によって構成される。本実施形態では、第3領域44及び第4領域45は、第1軸方向Xに沿って交互に配置され、第1軸方向Xに沿って同一な幅Wを有している。したがって、第3領域44及び第4領域45は、各領域の幅の2倍「W×2」となる一定ピッチでそれぞれ第1軸方向Xに配列されている。また、各第3領域44及び各第4領域45は、第1軸方向Xに直交する第2軸方向Yに直線状に延びている。
なお、第1調光領域111及び第2調光領域112の形状としては、特に限定されないが、例えば、短冊形状、三角形、正方形、菱形、六角形等の多角形が挙げられる。また各調光領域の配列のパターンとしては、ストライプ状、千鳥状等が挙げられる。本実施形態においては、第1調光領域111及び第2調光領域112が短冊形状であり、ストライプ状のパターンで配列されていることが好ましい。
上述の構成によれば、第1の調光基板11−1を第2の調光基板11−2に対して少なくともハーフピッチ分の幅Wだけ移動させることにより、光の透過状態と遮光状態とを切り替えることができる。透過状態と遮光状態との明瞭な切換えを実現するためには、第1位相差層33の第1領域34及び第2領域35と第2位相差層43の第3領域44及び第4領域45とが、ずれることなく重なることが望ましい。しかし、実際には、第1位相差層33の第1領域34及び第2領域35と第2位相差層43の第3領域44及び第4領域45とがわずかにずれる場合もあり得る。ずれが生じた場合、透過状態では黒の細い線がストライプ状に発現し、遮光状態では白の細い線がストライプ状に発現する。このような事情を考慮すると、幅Wが小さすぎると、ずれが生じた場合に遮光領域に対する透過領域の割合が大きくなってしまうため、外観性が良くない。一方で、幅Wが大きすぎると、第2の調光基板11−2の移動量が大きくなり、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2を支持する支持構造が大きくなるだけでなく、移動中に第2の調光基板11−2が撓むことにより第1の調光基板11−1との接触による傷の発生の可能性も高くなる。したがって、幅Wは、好ましくは3mm以上30mm以下、より好ましくは5mm以上20mm以下である。なお、最も好ましい例として、幅Wは、10mm以上15mm以下である。
<光の透過及び遮断(調光状態)の制御>
図5は、第1の調光基板11−1の第1位相差層33と第2の調光基板11−2の第2位相差層43との重なり状態に応じて光の透過率が変化する機能を説明するための断面図である。
図5Aに示されるように、第1位相差層33の第1領域34と第2位相差層43の第3領域44とが重なり、第1位相差層33の第2領域35と第2位相差層43の第4領域45とが重なっている。この場合、第2偏光層42を透過した偏光成分の光は、第2位相差層43の第3領域44を透過するとλ/4の位相変調が起き、第2位相差層43の第4領域45を透過すると―λ/4の位相変調が起きる。そして、第2位相差層43の第3領域44を透過した光は、第1位相差層33の第1領域34を透過するとλ/4の位相変調が起きる。また、第2位相差層43の第4領域45を透過した光は、第1位相差層33の第2領域35を透過すると―λ/4の位相変調が起きる。つまり、第2偏光層42を透過した光は、第1位相差層33を透過後には±λ/2の位相変調が起き、その振動方向が±90°だけ回転した光となって第1偏光層32に入射することになる。図5Aに示されるように、第2位相差層43及び第1位相差層33の両方を透過した光は、一方の偏光成分とは振動方向が直交する他方の偏光成分の光となっているため、第1偏光層32を透過することができる。
一方、図5Bでは、第1位相差層33の第1領域34と第2位相差層43の第4領域45とが重なり、第1位相差層33の第2領域35と第2位相差層43の第3領域44とが重なっている。この場合、第2偏光層42を透過した偏光成分の光は、第2位相差層43の第4領域45を透過すると―λ/4の位相変調が起き、第2位相差層43の第3領域44を透過するとλ/4の位相変調が起きる。そして、第2位相差層43の第4領域45を透過した光は、第1位相差層33の第1領域34を透過するとλ/4の位相変調が起き、また、第2位相差層43の第3領域44を透過した光は、第1位相差層33の第2領域35を透過すると―λ/4の位相変調が起きる。つまり、第2位相差層43及び第1位相差層33の両方を透過した後の光は、第2位相差層43を透過する前の振動方向を維持する。したがって、図5Bに示されるように、第2位相差層43及び第1位相差層33の両方を透過した光は、一方の偏光成分の光のままであり、第1偏光層32で吸収され、第1偏光層32を透過することはできない。図5Bの場合、2枚の位相領域透過後の位相変調は0となり、振動方向は変わらない。
以上のように、調光装置1では、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との相対位置に応じて、第1領域34と第3領域44及び第4領域45との重なる範囲が変化すると共に、第2領域35と第3領域44及び第4領域45との重なる範囲が変化する。これにより、調光装置1においては、第1の調光基板11−1を調光領域のハーフピッチWの範囲内でスライド移動させて第2の調光基板11−2との相対位置を変化させることにより、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の両方を透過する光に対する、遮光する範囲と透過する範囲とを連続的に変化させることが可能となる。つまり、調光装置1の調光状態を連続的に変化させることが可能となる。
なお、上述した第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の構成は、一例に過ぎず種々の変更が可能である。以上の例に限られることなく、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との相対位置に応じて、調光装置1に入射する光の透過及び遮光を制御することができるものであればよい。また、本開示の実施形態では、第1偏光層32及び第2偏光層42がクロスニコル状態で配置される場合について説明したが、パラレルニコル状態で配置される場合には、第1位相差層33の各領域と第2位相差層43の各領域の対応関係は上記と逆の関係となる。
<階調タイプの調光基板の構成及び機能>
図6は、階調タイプの調光基板11の構成例を示す概略断面図である。なお、図6では、第1の調光基板11−1に対応する構成が示されている。なお、本明細書等では、階調タイプの調光装置とは、光の透過率が異なる状態を多階調で作り出すことが可能な調光装置をさす。
図6に示されるように、階調タイプの調光基板11は、第1基板31上に、第1偏光層32及び第1位相差層61が当該順で積層されて構成されている。図5に示す2値タイプの調光基板11では、第1位相差層33としてλ/4板を用いているが、階調タイプの調光基板11では、第1位相差層61としてλ/2板を用いる。そして、各第1調光領域111の第1位相差層61では、透過光に生じさせる位相変調の変化量(遅相軸ともいう)が段階的に0°〜180°まで変化している。つまり、複数の第1調光領域111の各々において、面内遅相軸方向が第1軸方向Xに沿って段階的に変化している。また、第2調光領域112も同様な構成を備えている。
上述のように、調光装置1では、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との相対位置に応じて、第1調光領域111と第2調光領域112との重なる位置が変化する。これにより、調光装置1に入射してきた光の透過率を徐々に変化させることが可能となる。つまり、当該調光タイプの調光装置1では、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2の相対位置に応じて、徐々に遮光状態になる(光の透過率が徐々に小さくなる)、又は、徐々に透過状態になる(光の透過率が徐々に大きくなる)。
図7は、階調タイプの調光装置1における光透過率(調光状態)の変化を説明するための図である。階調タイプの調光装置1では、第2の調光基板11−2を固定して第1の調光基板11−1をX方向にスライド移動させると、光の透過率が変化する。図7Aは、光の透過率が最小で、最も暗い状態のときの第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の位置関係を示している。図7Cは、光の透過率が最大で、最も明るい状態のときの第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の位置関係を示している。図7Bは、光の透過率が中間のときの第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の位置関係を示している。なお、図7では、単純化のため偏光層と位相差層のみ示されている。また、各位相差層における遅相軸は、0°〜180°のうち一部のみ示されている。ここでは単位遅相軸を22.5°としているが、これに限られず、任意に設定することが可能である。
(i)光の透過率が最小の状態
例えば、図7Aに示すように、第2位相差層71の遅相軸0°、22.5°、45°、・・・の領域がそれぞれ、第1位相差層61の遅相軸90°、112.5°、135°、・・・の領域と対向している状態では、光の透過率が最小であり遮蔽状態、すなわち暗状態となる。
第2の調光基板11−2の第2偏光層42を透過した偏光成分の光の振動方向は、第2位相差層71の各領域を透過することによって、それぞれ0°、45°、90°・・・と回転する。そして、振動方向が0°の光が第1位相差層61の遅相軸90°の領域を通過すると、入射光の偏光軸と遅相軸のなす角度の2倍分、偏光角が回転し、その偏光角は入射光と遅相軸のなす角度の2倍分、つまり180°回転し、振動方向は180°となる。また、振動方向が45°の光が第1位相差層61の遅相軸112.5°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より135°回転し、その振動方向は180°となる。さらに、振動方向が90°の光が第1位相差層61の遅相軸135°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より90°回転し、その振動方向も180°と変化する。このように、第1位相差層61を透過した光の偏光方向は全て0°或いは180°となるため、第1偏光層32の偏光方向と直交し、第1位相差層61を透過した光は、第1偏光層32によって遮断される。
このように、図7Aに示された第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との位置関係においては、第2の調光基板11−2に入射する光は、第1の調光基板11−1を透過せず、遮蔽状態となる。
(ii)光の透過率が中間値の状態
図7Bに示すように、例えば、第2位相差層71の遅相軸0°、22.5°、45°、・・・の領域がそれぞれ、第1位相差層61の遅相軸67.5°、90°、112.5°、・・・の領域と対向している状態では、光の透過率が中間値を取る。
第2の調光基板11−2の第2偏光層42を透過した偏光成分の光の振動方向は、第2位相差層71の各領域を透過することによって、それぞれ0°、45°、90°・・・と回転する。そして、振動方向が0°の光が第1位相差層61の遅相軸67.5°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より135°回転し、その振動方向は135°となる。また、振動方向が45°の光が第1位相差層61の遅相軸90°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より90°回転し、その振動方向は135°となる。さらに、振動方向が90°の光が第1位相差層61の遅相軸112.5°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より45°回転し、その振動方向も135°となる。このように、第1位相差層61を透過した光の偏光方向は全て135°となるため、第1位相差層61を透過した光のうち第1偏光層32の偏光方向と同じ成分の光のみが第1偏光層32を透過することとなる。
このように、図7Bに示された第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との位置関係においては、第2の調光基板11−2に入射し、第2偏光層42を透過した光の一部のみが第1の調光基板11−1を透過し、透過状態すなわち明状態と、遮蔽状態すなわち暗状態との中間の中間状態となる。
(iii)光の透過率が最大の状態
図7Cに示されるように、例えば、第2位相差層71の遅相軸0°、22.5°、45°、67.5°、90°・・・の領域がそれぞれ、第1位相差層61の遅相軸45°、67.5°、90°、112.5°、135°、・・・の領域と対向している状態では、光の透過率が最大で透過状態、すなわち明状態となる。
第2の調光基板11−2の第2偏光層42を透過した偏光成分の光の振動方向は、第2位相差層71の各領域を透過することによって、それぞれ0°、45°、90°、135°、180°、・・・と回転する。そして、振動方向が0°の光が第1位相差層61の遅相軸45°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より90°回転し、その振動方向は90°となる。振動方向が45°の光が第1位相差層61の遅相軸67.5°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より45°回転し、その振動方向も90°となる。振動方向が90°の光が第1位相差層61の遅相軸90°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より0°回転し、その振動方向も90°となる。さらに、振動方向が135°の光が第1位相差層61の遅相軸112.5°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より−45°回転し、その振動方向も90°となる。振動方向が180°の光が第1位相差層61の遅相軸135°の領域を通過すると、入射偏光角と遅相軸の関係より−90°回転し、その振動方向は90°となる。
このように、第1位相差層61を透過した光の偏光方向は全て90°或いは270°となるため、第1偏光層32の偏光方向と同一となり、第1位相差層61を透過した光は、第1偏光層32をそのまま透過することになる。
このように、図7Cに示された第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との位置関係においては、第2の調光基板11−2に入射し、第2偏光層42を透過した光は、全て第1の調光基板11−1を透過し、透過状態となる。
<パターニングされた偏光層で調光機能を実現する調光基板の構成>
図8は、パターニングされた偏光層で調光機能を実現する第1及び第2の調光基板の構成例を示す概略断面図である。第1の調光基板11−1は、第1基板31と、第1基板31上に積層された第1偏光層81とを備えている。第2の調光基板11−2は、第2基板41と、第2基板41上に積層された第2偏光層82と、を備えている。図3で示される構成とは異なり、図8における第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2では、パターニングされた偏光層で調光機能を実現しようとしている。
第1の調光基板11−1において、第1偏光層81が、第1軸方向Xに沿って偏光軸(透過軸)が異なる複数の第1調光領域111を備える。偏光層81の第1調光領域111は、透過光の偏光状態に互いに異なる作用を及ぼす第1領域34及び第2領域35を含んでいる。これら第1領域34及び第2領域35は、偏光軸が互いに直交するように構成されている。
第2の調光基板11−2においても、第2偏光層82が、第1軸方向Xに沿って偏光軸が異なる複数の第2調光領域112を備える。第2偏光層82の第2調光領域112は、透過光の偏光状態に互いに異なる作用を及ぼす第3領域44及び第4領域45を含んでいる。第3領域44及び第4領域45は、偏光軸が互いに直交するように構成されている。
図8に示される第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2を用いる場合、調光装置1では、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との相対位置に応じて、第1偏光層81の第1領域34と第2偏光層82の第3領域44及び第4領域45との重なる範囲が変化すると共に、第1偏光層81の第2領域35と第2偏光層82の第3領域44及び第4領域45との重なる範囲が変化する。これにより、調光装置1は、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との相対位置に応じて、光の透過範囲及び遮光範囲を連続的に変化させることが可能となる。
<保護層を備えた調光基板の構成>
図9は、保護層を備えた調光基板の構成例を示す概略断面図である。第1の調光基板11−1は、第1基板31と、第1基板31上に積層された、第1偏光層32と、第1位相差層33と、第1表面保護層91と、を備えている。第1表面保護層91は、第1位相差層33の表面を保護する。第2の調光基板11−2も、第1の調光基板11−1と同様に、第2基板41と、第2基板41上に積層された、第2偏光層42と、第2位相差層43と、第2表面保護層92と、を備えている。第2表面保護層92は、第2位相差層43の表面を保護する。第1表面保護層91及び第2表面保護層92として、例えば、ハードコートフィルム等を用いることができる。
なお、第1表面保護層91及び第2表面保護層92は、図8に示される調光基板にも適用可能である。すなわち、第1偏光層81の表面に第1表面保護層91が積層され、第2偏光層82の表面に第2表面保護層92が積層されてもよい。
<パターン位相差層、パターン偏光層、あるいはパターン階調層の裁断のばらつき、およびそれらの基板への貼合ずれに関する考察>
第1位相差層33および第2位相差層43は、例えばフィルムによって構成される。このため、第1の調光基板11−1および第2の調光基板11−2を作製する際には、第1偏光層32は第1基板31に、第2偏光層42は第2基板41にそれぞれ接着剤などによって貼合されることになる。
しかしながら、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2に対して貼合するフィルム状の位相差層のそれぞれの裁断精度を合わせることは難しい。また、各位相差層を精度良く裁断できたとしても各基板に貼り合わせる際にずれてしまうこともある。この場合、各調光基板を筐体10に収容し、第1の調光基板11−1(可動)を筺体10の内部の端部に合わせたとき、第1の調光基板11−1の位相差層の位相差パターンと第2の調光基板11−2(固定)の位相差層の位相差パターンがずれてしまい、明暗パターンを適正な状態(調光装置が作り出す最大の透過状態および最大の遮光状態)で作り出すことができなくなってしまう。
そこで、まず、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2とにおいて位相差層のパターンがずれていた場合、適正な明暗パターンを作り出すための条件について考察する。具体的には、各調光基板の左端部(あるいは筐体10の内部の左端部)を基準位置とし、基準位置から第1の調光基板11−1の最左の位相差パターンの右端部(最左の位相差パターンと左から2番目の位相差パターンとの境界)までの幅L1と、基準位置から第2の調光基板11−2の最左の位相差パターンの右端部(最左の位相差パターンと左から2番目の位相差パターンとの境界)までの幅L2との大小によって、適正な明暗パターンを作り出す条件について考える。なお、本実施形態では各調光基板の左端部を基準位置としているが、これは、可動側の第1の調光基板11−1を左から右に移動させることにより明暗パターンを出現させる調光装置の場合だからである。従って、可動側の第1の調光基板11−1を右から左に、上から下に、あるいは下から上に移動させることにより明暗パターンを出現させる調光装置の場合には、基準位置はそれぞれ、各調光基板の右端部、上端部、あるいは下端部となる。なお、本実施形態において、L1およびL2に関し、ハーフピッチWとの大小関係は問わない。
(i)L1≦L2の場合
図10は、基準位置から第2の調光基板11−2の最左の位相差パターンの右端部までの幅L2が基準位置から第1の調光基板11−1の最左の位相差パターンの右端部までの幅L1以上の場合の位相差パターンの関係を示す図である。
各調光基板が基準位置にある場合、第1の調光基板11−1の各位相差パターンの境界と第2の調光基板11−2の各位相差パターンの境界との間に位置ずれが生じているため、調光装置1の調光面には、透過状態の部分と遮光状態の部分が現れてしまう。パターニングされた偏光層(パターン偏光層)の場合(図8参照)には、2値タイプとして、位相差パターンと同様に、調光面には、透過状態の部分と遮光状態の部分が現れる。また、階調パターン(パターン階調層)の場合(図6および図7参照)には、調光面が中間状態(最大透過状態と最大遮光状態の中間の状態)となる。このため、調光装置1の調光面において適正な明暗パターンを出現させるためには、まず、各調光基板における位相差パターンの境界を合わせる必要がある。
L1≦L2の場合、第1の調光基板11−1をL2−L1だけ移動させると、調光装置1の調光面が透過状態(作り出すことができる最大の透過状態)あるいは遮光状態(作り出すことができる最大の遮光状態)となる。そして、調光面の状態を切り替える(透過状態→遮光状態、あるいは遮光状態→透過状態)際には、調光装置1の調光面が透過状態/遮光状態から遮光状態/透過状態になるように、第1の調光基板11−1をハーフピッチW分スライド移動させる。従って、基準位置から調光面の状態の切り替えまでに要する、第1の調光基板11−1の移動距離は、(L2−L1+W)となる。なお、L2−L1は2.0mm以下であることが望ましい。2.0mm程度であれば、遮光時には光漏れが気にならない程度とすることができ、また、透過時には黒線が気にならない程度とすることができるからである。
(ii)L1>L2の場合
図11は、基準位置から第1の調光基板11−1の最左の位相差パターンの右端部までの幅L1が基準位置から第2の調光基板11−2の最左の位相差パターンの右端部までの幅L2より大きい場合の位相差パターンの関係を示す図である。この場合もL1≦L2のときと同様、まずは調光装置1の調光面において適正な明暗パターンを出現させるためには、各調光基板における位相差パターンの境界を合わせる必要がある。
L1>L2の場合、第1の調光基板11−1をW−(L1−L2)だけ移動させると、調光装置1の調光面が透過状態(作り出すことができる最大の透過状態)あるいは遮光状態(作り出すことができる最大の遮光状態)となる。そして、調光面の状態を切り替える(透過状態→遮光状態、あるいは遮光状態→透過状態)際には、調光装置1の調光面が透過状態/遮光状態から遮光状態/透過状態になるように、第1の調光基板11−1をハーフピッチW分スライド移動させる。従って、基準位置から調光面の状態の切り替えまでに要する、第1の調光基板11−1の移動距離は、W−(L1−L2)+Wとなる。
(iii)第1の調光基板11−1の移動距離は、L1>L2の場合の方がL1≦L2の場合よりも長くなる。従って、L1>L2の場合、第1の調光基板の可動域が大きくなるため、筺体(フレーム)10のサイズが大きくなり、L1≦L2の場合に比べて開口率が小さくなる。
また、L1>L2の場合において、L1≦L2の場合に用いられる筐体(フレーム)と同じ構成の筐体(フレーム)に第1の調光基板11−1および第2の調光基板11−2を収容すると、筺体構成(例えば、枠の幅)が異なるため、透過状態および遮光状態の何れか一方を出現させることができなくなる。また、L1>L2の場合、上述のように、L1≦L2の場合と比べて、筺体(フレーム)10のサイズが大きくなり、調光装置1の外形に対する調光領域の割合が小さくなる。
以上のことを考慮すると、L1≦L2を満たすように、フィルム状の第1位相差層33および第2位相差層43を裁断して作製することが望ましい。ただし、以上の考察は、L1>L2の場合を排除する意図ではない。
上述の考察では、パターン位相差層を用いた調光装置を例として説明したが、パターン偏光層(図8の場合)を用いた調光装置であっても同様である。さらにパターン階調層(図6および図7の場合)を用いた調光装置であっても、各位相差パターンの境界位置に代えて、透過状態の位置及び遮光状態の位置を用いて同様に理解できる。つまり、上記のL1≦L2を満たす条件は、第1の調光基板の第1端部と、第2調光基板の第2端部とを基準位置に合わせ、第1の調光基板又は第2の調光基板を第1軸に沿って移動させたときに調光装置の光透過率が増加して最大となるように変化する、又は、調光装置の光透過率が減少して最小となるに変化することにより、満たされる。
<調整具による調光基板の位置調整について>
図12乃至14は、筐体10における調光基板の収容位置を調整する調整具301から303を備える調光装置1を説明するための図である。図12は、第1の調光基板11−1(可動)の収容位置を調整するために調整具301および302を設けた例を示している。図13は、第1の調光基板11−1(可動)にθ調整用調整具303を設ける場合に好適な形態を示す図である。図14は、第2の調光基板11−2(固定)の収容位置を調整するために調整具301および302を設けた例を示している。調整具303は、調光基板の傾き(θ)を調整する手段として設けられており、図12および図14では、調整具303は、第2の調光基板11−2(固定)のθを調整する調整具としてのみ示されているが、第1の調光基板11−1(可動)のθを調整する調整具としてもよい(図13参照)。なお、図12および図13は、共に、L1≦L2の場合について示しているが、L1>L2の場合であっても同様であるが、以下の説明では注意すべき点のみ明記する。また、図12および図14では、第1の調光基板11−1および第2の調光基板11−2が別の筐体に収容されているように描かれているが、これは説明の便宜上、および見やすくするためにそのように図示しているだけあって、本来は第1の調光基板11−1および第2の調光基板11−2は共に同一の筐体10の中に収容されていることに注意されたい。
(i)第1の調光基板11−1(可動)に調整具を設けた場合(図12)
調整具301および302によって、第1の調光基板11−1(可動)の筐体10の中におけるX方向の移動範囲を調整(規制)することができる。筐体10の側面部(調光基板のスライド方向に垂直な面)には、少なくとも1つ(好ましくは複数)の貫通穴(ネジ穴)が設けられ、例えばイモネジ(クランピングスクリューとも言う)やボールプランジャーなどで構成される調整具301および302が当該貫通穴に締結される。なお、調整具301および302と筺体10との詳細な関係については後述する(図15参照)。
調光装置1を組み立てる際、筺体10に第1の調光基板11−1および第2の調光基板11−2を配置し、例えば専用のドライバーなどを用いて上記調整具301が左基準面102から突出する量を調整することができる。これにより、第1の調光基板11−1の移動基準位置、つまり第1の調光基板11−1の左端が調整具301に当たる位置(調整具301の突出端部)を移動/変更させることができ、また、第1の調光基板11−1における位相差パターンの各境界と第2の調光基板11−2における位相差パターンの各境界とを合わせることができるようになる。調整具301が左基準面102から突出していない場合には、左基準面102が第1の調光基板11−1の移動基準位置となるが、調整具301が左基準面102から突出する場合には、調整具301の突出端部が第1の調光基板11−1の移動基準位置となる。
また、例えば専用のドライバーなどを用いて、調整具302が右基準面103から突出する量を調整することができる。これにより、第1の調光基板11−1の移動停止位置、つまり第1の調光基板11−1が調整具103の突出端部に当たる位置を移動させることができる。ただし、移動停止位置を決める場合、第1の調光基板11−1が移動停止位置に当って止まっている状態で、第1の調光基板11−1の位相差パターンの各境界の位置と第2の調光基板11−2の位相差パターンの各境界の位置とが一致するように調整具302の突出量を調整する必要がある。調整具302が右基準面103から突出していない場合には、右基準面103が第1の調光基板11−1の移動停止位置となるが、調整具302が右基準面103から突出する場合には、調整具302の突出端部が第1の調光基板11−1の移動停止位置となる。
さらに、調光装置1は、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との相対的な傾きθを調整するθ調整用調整具303を備えている。第1の調光基板11−1の移動範囲を調整具301および302によって変更しても、2つの調光基板が相対的に傾いているため位相差パターンを揃えることができないとき、θ調整用調整具303が筐体10の下端部104から突出する量を調整することにより、傾きによる位相差パターンの不一致を修正することができるようになる。このθ調整用調整具303は、第2の調光基板11−2(固定)および第1の調光基板11−1(可動)のどちらか少なくとも一方の傾きを調整(θ調整)するために設けられる。ただし、好ましくは、第2の調光基板11−2(固定)の傾きを調整するようにした方が、調光基板を傷つける心配がない。第1の調光基板11−1(可動)にθ調整用調整具303を設けると、当該基板のスライド移動によって、当該基板とθ調整用調整具303とが擦れてしまうからである。このため、図13に示されるように、第1の調光基板11−1(可動)にθ調整用調整具303を設ける場合には、θ調整用調整具303と第1の調光基板11−1との間にスライド板107を設けてもよい。当該スライド板107により、第1の調光基板11−1とθ調整用調整具303とが直接接触することがなくなるので、スライド移動によって第1の調光基板11−1が傷つくことを防止することができるようになる。なお、図12に示されるように、第2の調光基板11−2(固定)に設ける場合には、筺体10と第2の調光基板11−2との間に多少の遊びが必要である。つまり、筐体10における第2の調光基板11−2を収容する部分のサイズを第2の調光基板11−2のサイズよりも多少大きく構成する必要がある。また、θ調整用調整具303は、調整具301および302と同様、イモネジ(クランピングスクリューとも言う)やボールプランジャーなどで構成することができる。
第2の調光基板11−2(固定)にθ調整用調整具303を設ける場合、θ調整後に第2の調光基板11−2を第2の調光基板11−2(固定)の側面(θ調整用調整具303の移動方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向))から固定具(図示せず)によって固定することが好ましい。また、この場合、第1の調光基板11−1(可動)に対して調整具301および302を設け、位相差パターンを合わせることができる(第1の調光基板11−1(可動)のスライド移動量をWに固定する)ようにすることが好ましい。
第1の調光基板11−1(可動)にθ調整用調整具303を設ける場合、L1≦L2のときには、第2の調光基板11−2(固定)に対しては調整具301および302を必ずしも設けなくてもよい。一方、L1>L2のときには、第2の調光基板11−2(固定)の位置を調整することによりL1とL2の差を相殺できるため、第2の調光基板11−2(固定)に対して調整具301および302を設ける必要がある。
以上説明した調整具301、302および303は、例えば、金属製のネジで構成することができるが、樹脂製のネジで構成してもよい。調整具301および302を樹脂製のネジで構成すれば、第1の調光基板11−1が移動基準位置の調整具301や移動停止位置の調整具302と接触あるいは衝突する際に生じる音を低減することができる。さらに、例えば第1の調光基板11−1をガラスで構成した場合には、第1の調光基板11−1と調整具301および302とが接触することによって第1の調光基板11−1を破損させてしまう可能性を少なくすることができる。また、θ調整用調整具303を樹脂製のネジで構成すれば、θを調整する際に第2の調光基板11−2の下端部分を破損する可能性を低下させることができる。
L1≦L2の場合、第1の調光基板11−1の切り替え移動距離Dが、0<D≦W/2となる。一方、L1>L2の場合、切り替え移動距離Dが、W/2≦D<Wとなる。なお、調整具の可動域Pに関しては任意に設定可能である。
(ii)第2の調光基板11−2(固定)に調整具を設けた場合(図14)
調整具301および302によって、第2の調光基板11−2(固定)の筐体10の中における収容位置を調整(変更)することができる。筐体10の側面部(調光基板のスライド方向に垂直な面)には、少なくとも1つ(好ましくは複数)の貫通穴(ネジ穴)が設けられ、例えばイモネジ(クランピングスクリューとも言う)やボールプランジャーなどで構成される調整具301および302が当該貫通穴に締結される。第2の調光基板11−2は、筺体10においてスライド移動しないように収容されるが、調整具301および302によって収容位置を調整(変更)するには、筺体10と第2の調光基板11−2との間にハーフピッチ(W/2)分の余裕が必要である。つまり、筐体10における第2の調光基板11−2を収容する部分のサイズを第2の調光基板11−2のサイズよりもハーフピッチ分大きく構成する必要がある。
調光装置1を組み立てる際、筺体10に第1の調光基板11−1および第2の調光基板11−2を配置し、例えば専用のドライバーなどを用いて上記調整具301が左基準面102から突出する量を調整することができる。これにより、第2の調光基板11−2の筐体10における収容位置を変更することができ、また、第1の調光基板11−1における位相差パターンの各境界と第2の調光基板11−2における位相差パターンの各境界とを合わせることができるようになる。調整具301が左基準面102から突出していない場合には、左基準面102が第2の調光基板11−2の左端収容位置となるが、調整具301が左基準面102から突出する場合には、調整具301の突出端部が第2の調光基板11−2の左端収容位置となる。
また、例えば専用のドライバーなどを用いて、調整具302が右基準面103から突出する量を調整することができる。これにより、第2の調光基板11−2の右端収容位置、つまり第2の調光基板11−2の右側端部が調整具103の突出端部に当たる位置を移動させることができる。調整具302が右基準面103から突出していない場合には、右基準面103が第2の調光基板11−2の右端収容位置となるが、調整具302が右基準面103から突出する場合には、調整具302の突出端部が第2の調光基板11−2の右端収容位置となる。
なお、調整具301及び302、およびθ調整用調整具303を金属製ネジあるいは樹脂製ネジで構成すること、樹脂製ネジで構成する場合のメリット、およびθ調整用調整具303の機能については図12の場合と同様であるため、説明は省略する。
<調整具締結用貫通穴(ネジ穴)の筐体における位置>
図15は、調光装置1の筐体10における、調整具301から303を締結するための貫通穴(ネジ穴)の配置例を示す図(筐体10の横断面図)である。図15Aは、筺体10の側面に設けられた、調整具301または302を締結するための貫通穴の位置(例)を示す図(筐体10の下断面図)である。図15Bは、筺体10の底面に設けられた、θ調整用調整具303を手活けするための貫通穴の位置(例)を示す図である。
(i)調光基板の移動範囲あるいは収容位置を規定する調整具用貫通穴(ネジ穴)の配置例について
図15Aに示されるように、調光装置1の筺体10の両側面部には、第1の調光基板11−1の移動範囲あるいは第2の調光基板11−2の収容位置を規制する調整具301および302を締結するための貫通穴(ネジ穴)401が設けられている。図15Aには、1つの側面に1つの貫通穴(ネジ穴)401が設けられた例が示されているが、複数個の貫通穴(ネジ穴)401を設けても良い(図14参照)。
貫通穴(ネジ穴)401は、X方向において、その中心が筺体10の中央線402よりも第1の調光基板11−1側あるいは第2の調光基板11−2側にシフトしており、かつ、その端部が中央線402と干渉しない位置に設けられる。貫通穴(ネジ穴)401が中央線402と干渉すると、調整具301および302が第1の調光基板11−1(可動)および第2の調光基板11−2(固定)の両方に接触する可能性があるからである。
また、貫通穴(ネジ穴)401を1つ設ける場合、Y方向における貫通穴(ネジ穴)401の位置は、筺体10の側面の中央付近となるように設定することが好ましい。貫通穴(ネジ穴)401が複数の場合には、筺体10の側面にバランスよくそれらを設けることが望ましい。例えば、2つの貫通穴(ネジ穴)401の場合、それぞれを筐体10の天面106および底面107から等距離となるように筐体10の側面に設けることができる。また、例えば、3つ以上の場合には、貫通穴(ネジ穴)401を等間隔に筐体10の側面に設けることができる。
例えば、筐体10の全体の厚み、即ち調光装置1の厚みをa1mm、中央線402から筐体端面までの厚みをa2mm、筐体10が備える、調光装置1の開口部を規定する周縁部105の厚みをa3mmとすると、a2=a1/2であり、各調光基板の幅はa2−a3となる。従って、調整具301および302と貫通穴(ネジ穴)401の径は、a2−a3の範囲内になるように設定される。ただし、この範囲ぎりぎりに調整具301および302のサイズを設定すると、筺体10の調光基板の収容スペースに多少の遊びがある場合、即ちa1−2×a3が第1の調光基板11−1の厚さ+第2の調光基板11−2の厚さよりも大きい場合、調整具301あるいは302に、調整対象となっていない調光基板11−1あるいは11−2が接触する可能性がある。このため、調整具301および302の径と貫通穴(ネジ穴)401の径は、a2−a3の値からさらに収容スペースの遊び分を差し引いた値よりも小さくすることが好ましい。
(ii)調光基板の傾き(θ)を調整するθ調整用調整具の貫通穴(ネジ穴)の配置例について
一方、図15Bに示されるように、筐体10の底面には、θ調整用調整具303を調光装置1の締結するための貫通穴(ネジ穴)403が設けられている。図15Bには、筺体10の底面に2つの貫通穴(ネジ穴)403が設けられた例が示されているが、1つのみ貫通穴(ネジ穴)403を設けても良い。ただし、この場合、1方向(時計回り、あるいは反時計回り)のみに対する傾き(θ)の調整に対応することになる。θ調整用の貫通穴(ネジ穴)403は、θ調整を行う調光基板を収容する側の底面に設けられる。上述したように、θ調整する調光基板は、第1の調光基板11−1(可動)であっても第2の調光基板11−2(固定)であってもよい。ただし、ここでは第2の調光基板11−2(固定)を収容する側の底面に設ける場合を例としている。
貫通穴(ネジ穴)403は、Y方向において、その中心が筺体10の中央線404よりも第2の調光基板11−2(固定)側にシフトしており、かつ、その端部が中央線404と干渉しない位置に設けられる。貫通穴(ネジ穴)403が中央線404と干渉すると、調整具403が第1の調光基板11−1(可動)および第2の調光基板11−2(固定)の両方に接触する可能性があるからである。また、貫通穴(ネジ穴)403を2つ設ける場合、X方向における貫通穴(ネジ穴)403の位置は、筺体10の底面端部108および109から等距離であることが好ましい。また、貫通穴(ネジ穴)403を筐体10の底面の長手方向の中心110付近に設けると、第2の調光基板11−2(固定)の傾き(θ)調整が困難となる可能性があるため、なるべく中心110から離れた位置に貫通穴(ネジ穴)403を設けるのが好ましい。貫通穴(ネジ穴)403が1つ、つまりθ調整用調整具303を1つだけ用いる場合、底面端部108あるいは109に近い位置に貫通穴(ネジ穴)403を設けるのが好ましい。
<調整具の特徴について>
上述のように、調整具は301から303は、金属製あるいは樹脂製のイモネジ(クランピングスクリューとも言う)やボールプランジャーなどで構成される。しかし、このようなイモネジやボールプランジャーには、少しネジを回すだけで大きく進む(基準位置から突出する)ものもあれば少ししか進まないものがある。本実施形態における調光装置1において、どの程度ネジを回せば筐体10内部の端部(左端部、右端部、底面部)から調整具301から303がどの程度突出させるかは、第1の調光基板11−1(可動)のスライド範囲である可動域をどの位に設定するかに依存することである。ごく僅かな値での移動スパン設定を可能にするには、少しネジを回すだけで大きく突出するようなイモネジ等を選択しない方がよい。つまり、フィルム状の位相差層の裁断精度や基板への貼合精度を高くして上記L1とL2とのずれ(大きさの差)を小さくできたとしても、調整具の応答性能が悪いとL1とL2のずれを調整して各位相差層の境界の位置を合わせることはできない。従って、本実施形態の調光装置1に調整具301から303として用いるイモネジは市販されているイモネジ等であれば何でも良いというものではなく、実際に調光装置1に用いる調整具(イモネジ等)としては、突出度合の微調整が可能な、ピッチが細かいイモネジ等を使用することが好ましい。
<取っ手部を設けた調光基板>
図16は、取っ手部を設けた調光基板11の構成例を示す図である。取っ手部12を調光基板11に設ける第1の形態として、図16Aに示されるように、取っ手部12を調光基板11の窓面(調光面ともいう)に設けることができる。また、第2の形態として、図16Bに示されるように、サッシ枠が取り付けられた調光基板11において、取っ手部12を調光面外であるサッシ枠に設けることができる。取っ手部12の側面は、所定の移動方向に非平行な傾斜面部12a、12bを有している。図16A又は図16Bに示される取っ手部12の側面は、所定の移動方向に直交している。図16A又は図16Bに示される調光基板11を第1の調光基板11−1(可動)とし、図16A又は図16Bに示される調光基板11と同様の構成を有するが取っ手部12が設けられていない調光基板を第2の調光基板11−2(固定)として、これら2つの調光基板を筐体10に収容することにより、図1に示す調光装置1が完成する。なお、取っ手部12は、調光精度を出すために、調光基板を筐体10に収容した後に取り付けても良い。また、取っ手部12は、第1の調光基板11−1(可動)と第2の調光基板11−2(固定)の調光領域(位相差パターン)の境界を一致させた状態から少なくともハーフピッチW分の距離だけ第1の調光基板11−1(可動)をスライド移動できるように、取り付けることが好ましい。
取っ手部12は金属、ガラス、或いは樹脂を所望の形状に加工することにより作製される。そして、作製された取っ手部12を調光基板11の窓面(調光面)或いはサッシ枠の表面に貼り付けることにより、図16に示される調光基板11が完成する。
図16Aに示されるように、取っ手部12を調光基板11の調光面に取り付ける場合、テープや接着剤等の接着層12cによって取っ手部12を調光基板11の調光面に貼合して固定する。透明なガラスや樹脂で取っ手部12を作製する場合、例えば、透明な接着層12cを介して取っ手部12を調光基板11の調光面に貼合するのが好ましい。取っ手部12及び接着層12cが透明であるため、筐体の開口部に位置する調光基板11の調光機能を妨げる程度が低いからである。なお、取っ手部12は、テープや接着剤により後付けするようにしても良いが、調光基板11の一部として一体成形で構成しても良い。
図16Bに示されるように、取っ手部12を調光基板11のサッシ枠に取り付ける場合、必ずしも透明材料で取っ手部12を構成する必要はなく、木、プラスチック、金属等の透明ではない材料を用いたとしても調光基板11の調光面における調光機能を妨げることはない。ただし、取っ手部12をサッシ枠に取り付ける場合には調光基板11の調光面の面積は、調光基板11の大きさが同一であるという条件下では、調光基板11の調光面に直接取っ手部12を設けたときの調光面の面積よりも小さい。取っ手部12をサッシ枠に取り付ける場合、接着剤やテープを用いても良いし、ネジ止めしても良い。なお、取っ手部12は、テープや接着剤によりサッシ枠に後付けするようにしても良いが、調光基板11のサッシ枠の一部として一体成形で構成しても良い。また、取っ手部12のサイズは、指等の引っ掛け易さ、取っ手部12の取り付け強度、及び安全性を考慮すると、例えば、調光装置1の窓面の縦の長さの10%〜50%程度の長さであることが好ましい。
取っ手部12を形成する材料としては、例えば、ガラス、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、金属、木、プラスチック、ゴムなどを採用することができる。ただし、光の透過率を高くすることを重視する場合には、ガラス、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。この場合、調光装置1の調光機能を高めるため、例えば、取っ手部12はそのものの透過率を80%以上とすることが好ましい。また、取っ手部12を含む調光基板の透過率を、20%以上とすることが好ましい。このような構成にすることにより、明状態における外観美が維持される。耐熱性が要求される場所に調光装置1を設置する場合に、樹脂製の取っ手部12を用いる場合には、材料としてアクリル系樹脂やポリカーボネート樹脂を採用することができる。
さらに、取っ手部12に蓄光機能を持たせたい場合には、蓄光材料を取っ手部12に塗布したり、取っ手部12を形成する際に取っ手部12の材料に蓄光材料を混ぜたりすればよい。蓄光材料としては、例えば、硫化亜鉛、アルミン酸ストロンチウム等を用いることができる。取っ手部12が蓄光機能を持つことにより、暗い環境においても取っ手部12の位置をユーザが容易に認識することができる。
以上のように、少なくとも第1の調光基板11−1(可動)の窓面に取っ手部12を設けることにより、ユーザは窓面に直接手を触れる必要性がなくなり、窓面が汚れることを防止することが可能となる。また、取っ手部12が設けられていない場合には、窓面を指で押圧しながら第1の調光基板11−1(可動)をスライドさせることになるが、この場合、第1の調光基板11−1(可動)と第2の調光基板11−2(固定)とが接触して擦れることにより調光基板面にキズが形成される可能性がある。しかし、取っ手部12を設けることにより、このような危険性を回避することができる。
さらに、窓面を指で直接触れて第1の調光基板11−1をスライドさせる場合、第1の調光基板11−1(可動)と第2の調光基板11−2(固定)のそれぞれに形成された調光領域のピッチを精度よく合わせることは非常に困難である。しかし、第1の調光基板11−1(可動)が調光領域のハーフピッチW分だけスライド移動できるように取っ手部12を第1の調光基板11−1(可動)の窓面に設けているので、調光領域のピッチを精度よく合わせることができ、良好な調光機能を提供することできるようになる。
<調光基板の筐体への収容について>
図17は、筺体10の案内レールに第1の調光基板11−1(可動)及び第2の調光基板11−2(固定)を収容する様子を示す図である。
調光装置1の筐体10は、第1の調光基板11−1(可動)及び第2の調光基板11−2(固定)を保持し、これらをX方向に沿った移動を可能にする案内レール150を備えている。図17は、筺体10の下枠における案内レールのみを示しているが、筺体10の上枠、左枠、右枠等にも略同様の案内レールが設けられていることに留意すべきである。
案内レール150は、断面U字状である。第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の移動手段としては、公知の移動手段を採用することができる。例えば、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2が案内レール150に直接接触しながらスライドする構成でもよい。また、図16Bに示されるように、第1の調光基板11−1(可動)及び第2の調光基板11−2(固定)がサッシ構造を有する場合、そのサッシ枠にスライド動作によって適宜回転するローラを設け、当該ローラが案内レール150上を滑走するような構成でもよい。
本実施形態では、少なくとも第1の調光基板11−1(可動)がスライド移動可能となっているため、第1の調光基板11−1(可動)及び第2の調光基板11−2(固定)の表面がスライド移動によって擦れてキズが付かないように、それぞれの間に所定の間隔があることが望ましい。そこで、本開示では、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との間にギャップ構成手段を設けている。図18は、図17に示す調光装置1のA−A断面であって、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との間にギャップ構成手段の例を示す図である。
図18Aは、当該ギャップ構成手段を、図1Dにも示したように、テープ20で構成した場合の例を示している。図18Aの例では、第1の調光基板11−1及び第2の調光基板11−2の上下端部に、両基板のすべりを良くするためのテープ20が貼られている。テープ20は、所定の厚さを有するため、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2との間のスペーサとしても機能する。
図18Bは、当該ギャップ構成手段を、スペーサ160で構成した場合の例を示している。図18Bの例では、当該スペーサ160は、第1の調光基板11−1に取り付けられているが、第2の調光基板11−2に取り付けても良い。スペーサ160は、例えば、板状の部材を用いることができる。また、スペーサ160は、その板状の部材の長手方向がX方向に沿うように配置されてもよい。さらに、スペーサ160は、複数の部材で構成されてもよく、例えば、複数のスペーサが、所定の間隔でX方向に沿って配置されてもよい。また、スペーサ160の表面は摩擦性が小さい材料で構成されるのが好ましい。このため、スペーサ160の表面にテープ20を貼付しても良い。
<凹部(ざくり)を設けた調光基板の構成>
取っ手部12の代わりに、第1の調光基板11−1(可動)に凹部(ざぐり)を設けてスライド移動可能にしてもよい。
図19は、凹部(ざくり)を設けた第1の調光基板11−1(可動)の構成を説明するための図である。図19Aは凹部(ざくり)を備える第1の調光基板11−1(可動)の外観構成を示し、図19Bは図19AのB−B断面を示す図である。図19Cは、サッシ枠を有する第1の調光基板11−1(可動)のB−B断面を示す図である。以上のように、凹部170は調光基板11の調光に貢献する領域、及びそれ以外の領域の何れに設けられていてもよい。なお、第1の調光基板11−1(可動)と第2の調光基板11−2(固定)の内部構造や、第1の調光基板11−1(可動)と第2の調光基板11−2(固定)の位置関係によって調光状態が変化するのは上述と同様であり、ここではそれらの説明については省略する。
凹部170の側面は、所定の移動方向に平行な線分と非平行な傾斜面部170a、170bを有する。図19Bでは凹部170が第1の調光基板11−1(可動)にある形態が開示されている。凹部170は、例えば、第1の調光基板11−1(可動)をざぐり加工して形成したり、凹部170を有する第1の調光基板11−1(可動)を一体成形したりすることにより形成することができる。図19Bでは凹部170が第1の調光基板11−1(可動)外にある形態が開示されている。凹部170は、例えば、サッシ枠をざぐり加工して形成することができる。また、凹部170は、調光装置1の窓面であればどこでも形成することが可能であるが、ユーザの使い勝手を考慮すると、調光装置1の窓面の上下左右端部の何れかの箇所であって、第1の調光基板11−1(可動)を調光装置1の筐体10に収容したときに内枠近傍に位置するように形成することが望ましい。
凹部170の深さは、特に制限はなく、凹部170が第1の調光基板11−1(可動)を厚み方向に貫通するように設けられていてもよい。スライド方向に沿う凹部170の幅は、特に制限はないが、例えば、5mm以上50mm以下とするとよい。凹部170の幅を5mm以上にすると、ユーザの指等が凹部170の側面に接触しやすくなりスライドをさせやすくなる。凹部170の幅を50mm以下とすると凹部170により、凹部170が調光面にある場合に調光装置1の美観が低下してしまうのを抑制でき、また、凹部170が調光面外にある場合にサッシ枠の領域の大型化を回避できるからである。なお、凹部170の平面視形状は、矩形に限定されることはなく、例えば、多角形、円形等の任意の形状を採用することができる。
以上のように、調光装置1の窓面に凹部170を設けることにより、ユーザはその凹部170に指を引っ掛けて第1の調光基板11−1(可動)をスライド移動させることができる。よって、ユーザは窓面の凹部170以外の他の部分に直接手を触れる必要性がなくなり、窓面が汚れることを防止することが可能となる。また、凹部170が設けられていない場合には、窓面を指で押圧しながら第1の調光基板11−1をスライドさせることになるが、この場合、第1の調光基板11−1(可動)と第2の調光基板11−2(固定)とが擦れることにより調光基板面にキズが形成される可能性がある。しかし、凹部170を窓面の端部付近に設けることにより、このような危険性を回避することができる。
<まとめ>
(i)本開示の実施形態による調光装置1は、例えば、住宅用窓、パーティション、間仕切り、住宅用天窓、自動車のサンルーフ等に用いることができる。調光装置1が住宅用窓、パーティション、間仕切り等に適用される場合、第1の調光基板11−1(可動)及び第2の調光基板11−2(固定)は、地面に対し垂直ないし斜めに配置されるように構成されてもよい。また、調光装置1が住宅用天窓や自動車のサンルーフ等に適用される場合、第1の調光基板11−1(可動)及び第2の調光基板11−2(固定)は、地面に対し斜めないし平行に配置されるように構成されてもよい。したがって、上述の説明の「上」と「下」の関係は、「天」と「地」の関係に限らない。さらに、調光装置1は、第1の調光基板11−1(可動)及び第2の調光基板11−2(固定)という2つの調光基板を有する形態に限らない。なお、第1の調光基板11−1(可動)を地面に対し垂直方向ないし斜め方向にスライド移動させる形態の場合、透過状態あるいは遮光状態を構成するポジションを維持するために、保持第1の調光基板11−1(可動)を保持する機構を設けるようにしてもよい。
(ii)本実施形態による調光装置1では、第1の調光基板11−1の第1左端部と、当該第1左端部に最も近接する第1調光領域の第1領域34と第2領域35の境界と、の距離をL1、第2の調光基板11−2の第2左端部と、当該第2左端部に最も近接する第2調光領域の第3領域44と第4領域45との境界と、の距離をL2、としたとき、第1の調光基板11−1と第2の調光基板11−2とは、L1≦L2の関係を満たすように構成される。なお、ここでは「左」端部としているが、「右」「上」「下」端部等、どの方向であってもよい。このようにすることにより、調光領域を構成するフィルム状(一例)の位相差層シートの裁断精度の差異や各基板に対する貼合精度の差異から生じる、調光装置1における窓面における明暗パターンのずれを解消することが可能となる。例えば、L1≦L2となるように位相差層シートを裁断および各基板へ貼合し、明暗パターンのずれを解消できる第1の調光基板11−1(可動)のスライド開始位置および終了位置や第2の調光基板11−2(固定)の筐体10内における収容位置を調整する。スライド移動範囲の調整は、例えば、調光装置1の窓面を形成する第1の調光基板11−1の表面にストッパや取っ手部などを取り付けることにより実現することができる。これにより、明暗パターンのずれを修正することができる。また、第1の調光基板11−1のスライド移動範囲あるいは第2の調光基板11−2の収容位置を調整する手段として、筐体10に調整具301および302を設けてもよい。そして、第1の調光基板11−1および第2の調光基板11−2を筐体10に収容した後に、調整具301および302を用いて、スライド移動範囲や収容位置を調整するようにしてもよい。このようにすることにより、各調光基板を筐体10に収容した後であっても、容易に調光基板のスライド移動範囲を調整したり、収容位置を調整したりすることが可能となる。従って、調光装置1の製造工程を簡略化することができるし、ユーザがスライド移動範囲や収容位置の調整を実施する余地を残すことができる。
1 調光装置
10 筐体
11 調光基板
11−1 第1の調光基板
11−2 第2の調光基板
12 取っ手部
20 テープ
30 第1調光フィルム
31 第1基板
32 第1偏光層
33 第1位相差層
34 第1領域
35 第2領域
40 第2調光フィルム
41 第2基板
42 第2偏光層
43 第2位相差層
44 第3領域
45 第4領域
111 第1調光領域
112 第2調光領域
301および302 調整具
303 θ調整用調整具
170 凹部
170a,170b 傾斜面部

Claims (14)

  1. 第1軸に沿って相対的に移動可能に構成された、第1の調光板及び第2の調光板を備え、
    前記第1の調光板は、前記第2の調光板に少なくとも部分的に対面し、
    前記第1軸の第1側に位置する第1端部と、
    前記第1軸または前記第1軸と交差する第2軸に沿って交互に配置され、互いに光学特性が異なる第1領域および第2領域と、を有し、
    前記第2の調光板は、
    前記第1軸の前記第1側に位置する第2端部と、
    前記第1軸または前記第2軸に沿って交互に配置され、互いに光学特性が異なる第3領域および第4領域と、を有し、
    前記第1端部と、前記第1端部に最も近接する前記第1領域と前記第2領域の境界と、の距離をL1、前記第2端部と、前記第2端部に最も近接する前記第3領域と前記第4領域との境界と、の距離をL2、としたとき、L1≦L2を満たす、調光装置。
  2. 前記第1の調光板は、前記第1軸に沿って移動可能に構成されており、
    前記第2の調光板は、前記第1の調光板よりも前記第1軸の方向の幅が大きい、請求項1記載の調光装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記第1軸または前記第2軸の方向における、前記第1領域から前記第4領域の幅をWとすると、L2−L1<W/2を満たす、調光装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、
    L2−L1≦2.0mmである、調光装置。
  5. 請求項1又は2において、
    前記第1の調光板は、前記第1軸の第1側に位置する第1辺部を有する第1基板と、第1光学フィルムと、を含み、
    前記第2の調光板は、前記第1軸の第1側に位置する第2辺部を有する第2基板と、第2光学フィルムと、を含み、
    前記第1光学フィルムは、前記第1基板に配置された前記第1領域および第2領域を含み、
    前記第2光学フィルムは、前記第2基板に配置された前記第3領域および第4領域を含み、
    前記第2基板は、前記第1基板よりも、前記第1軸の方向の幅が大きく、
    前記第1辺部と、前記第1辺部に最も近接する前記第1領域と前記第2領域の境界との距離をM1、前記第2辺部と、前記第2辺部に最も近接する前記第3領域と前記第4領域との境界をM2、としたとき、M1≦M2を満たす、調光装置。
  6. 請求項1又は2において、
    前記第1軸または前記第2軸に沿った、前記第1領域から前記第4領域の幅をWとすると、M2−M1<W/2を満たす、調光装置。
  7. 第1軸に沿って相対的に移動可能に構成された、第1の調光板及び第2の調光板と、
    前記第1の調光板と、前記第2の調光板と、を収容する筐体と、を備え、
    前記第1の調光板は、前記第2の調光板に少なくとも部分的に対面し、
    前記筐体の内部端面は、前記第1軸の第1側において、前記第1の調光板および前記第2の調光板と接触するように構成され、
    前記第1の調光板は、
    前記第1軸または前記第1軸と交差する第2軸に沿って交互に配置され、互いに光学特性が異なる第1領域および第2領域、を有し、
    前記第2の調光板は、
    前記第1軸または前記第2軸に沿って交互に配置され、互いに光学特性が異なる第3領域および第4領域を有し、
    前記第1の調光板および前記第2の調光板を前記筐体に接触させた状態において、前記筐体の内部端面と、前記筐体の内部端面に最も近接する前記第1領域と前記第2領域の境界と、の距離とをN1、前記筐体の内部端面と、前記筐体の内部端面に最も近接する前記第3領域と前記第4領域の境界と、の距離とをN2、としたとき、N1≦N2を満たす、調光装置。
  8. 請求項7において、
    前記第1の調光板は、前記第1軸に沿って移動可能に構成されている、請求項7記載の調光装置。
  9. 請求項7又は8において、
    前記第1軸または前記第2軸の方向における、前記第1領域から前記第4領域の幅をWとすると、N2−N1<W/2を満たす、調光装置。
  10. 請求項7〜9のいずれか一項において、
    さらに、前記筐体の内部端面から突出可能なように設けられ、前記第1側に対向する第2側に向かって前記第1の調光板を変位させるように構成された調整具を備え、
    前記調整具の突出端部と、当該突出端部に最も近接する前記第1領域と前記第2領域の境界と、の距離D1と、前記突出端部と、前記突出端部に最も近接する前記第3領域と前記第4領域の境界と、の距離D2とが、D1≦D2となるように、前記調整具が前記筐体の内部端面から突出する、調光装置。
  11. 請求項10において、
    D2−D1≦2.0mmである、調光装置。
  12. 面内遅相軸が周期的に変化する領域を備える第1の調光板及び第2の調光板を少なくとも部分的に対面させながら互いの重なる領域を変化させることにより、光透過率が階調変化する調光装置であって、
    前記第1の調光板及び前記第2の調光板は、第1軸に沿って相対的に移動可能に構成され、
    前記第1の調光板は、前記第1軸の第1側に位置する第1端部を有し、
    前記第2の調光板は、前記第1軸の前記第1側に位置する第2端部を有し、
    前記第1の調光板の前記第1端部と、前記第2調光板の前記第2端部とを基準位置に合わせ、前記第1の調光板又は前記第2の調光板を前記第1軸に沿って移動させたときに前記調光装置の光透過率が増加して最大となるように変化する、又は、前記調光装置の光透過率が減少して最小となるように変化する、調光装置。
  13. 第1の調光フィルムと、
    第2の調光フィルムと、を備え、
    前記第1の調光フィルムは、
    第1軸の第1側に位置する第1端部と、
    前記第1軸または前記第1軸と交差する第2軸に沿って交互に配置され、互いに光学特性が異なる第1領域および第2領域と、を有し、
    前記第2の調光フィルムは、
    前記第1の調光フィルムよりも前記第1軸の方向の幅が大きく、
    前記第1軸の前記第1側に位置する第2端部と、
    前記第1軸または前記第2軸に沿って交互に配置され、互いに光学特性が異なる第3領域および第4領域と、を有し、
    前記第1端部と、前記第1端部に最も近接する前記第1領域と前記第2領域の境界と、の距離をL1、前記第2端部と、前記第2端部に最も近接する前記第3領域と前記第4領域との境界と、の距離をL2、としたとき、L1≦L2を満たす、調光フィルムセット。
  14. 面内遅相軸が周期的に変化する領域を備える第1の調光フィルムと、
    面内遅相軸が周期的に変化する領域を備える第2の調光フィルムと、を備え、
    前記第1の調光フィルムは、第1軸の第1側に位置する第1端部を有し、
    前記第2の調光フィルムは、前記第1軸の前記第1側に位置する第2端部を有し、
    前記第1の調光フィルムの前記第1端部と、前記第2調光フィルムの前記第2端部とを基準位置に合わせ、前記第1の調光フィルム又は前記第2の調光フィルムを前記第1軸に沿って移動させたときに前記第1調光フィルム及び前記第2調光フィルムを透過する光透過率が増加して最大となるように変化する、又は、前記調光装置の光透過率が減少して最小となるように変化する、調光フィルムセット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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