JP6510862B2 - 被記録材用処理液、被記録材及びそれらの製造方法 - Google Patents

被記録材用処理液、被記録材及びそれらの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6510862B2
JP6510862B2 JP2015076476A JP2015076476A JP6510862B2 JP 6510862 B2 JP6510862 B2 JP 6510862B2 JP 2015076476 A JP2015076476 A JP 2015076476A JP 2015076476 A JP2015076476 A JP 2015076476A JP 6510862 B2 JP6510862 B2 JP 6510862B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording material
processing solution
ink
polyamine
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015076476A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016196117A (ja
Inventor
新井 貴之
貴之 新井
周作 森川
周作 森川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meisei Chemical Works Ltd
Original Assignee
Meisei Chemical Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meisei Chemical Works Ltd filed Critical Meisei Chemical Works Ltd
Priority to JP2015076476A priority Critical patent/JP6510862B2/ja
Publication of JP2016196117A publication Critical patent/JP2016196117A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6510862B2 publication Critical patent/JP6510862B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Description

本発明は、インクジェット印刷に適した被記録材において、被記録材の表面に設けられるインク受容層を形成するために用いられる被記録材用処理液、当該処理液で処理された被記録材及びそれらの製造方法に関する。
インクジェット印刷に用いられるインクは、水、染料等の着色剤、浸透剤、その他添加剤等を含んでいる。インクジェット印刷では、プリンタのノズルから極めて微細な液粒としてインクが排出され、当該液粒が被記録材に付着、浸透及び定着することによって画像が形成される。インクジェット印刷の画質の向上、具体的には高精細化やニジミの低減を図るために、被記録材には様々な工夫が施されている。
インクジェット印刷用の被記録材において、インクのニジミ等を防止するために、被記録材の表面にインクを速やかに吸収するインク受容層を形成することが公知である。特許文献1には、記録画像の耐水性、ドット周辺の鮮明度及びドット濃度を改善させるために、カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーを含有してなる被記録材用処理液、ないし、当該処理液を塗工してなる被記録材が開示されている。カチオン性ポリマーとしては特定の構造を有するポリアミンが特に好ましく、アニオン性ポリマーとしてはスチレン−アクリル酸共重合体が好ましいことが記載されている。
またインク受容層を形成する材料として、多孔質合成シリカ等の高いインク吸収性を有する無機顔料を組み合わせることも公知である。特許文献2は、無機顔料を多く含有するインク受容層形成材料は、その材料自体の隠ぺい力が高いために、原紙(基材)の風合いや色合いを損なってしまうという問題に着目し、インクジェット特性に優れ、かつ、原紙の風合いや色合いを維持したインクジェット記録用紙を提供する。特許文献2は、スチレン−アクリル共重合体であるアニオン性ポリマーとポリアミンであるカチオン性ポリマーとを作用させ、凝集体を形成させた後に、この凝集をほどくことによって得られたエマルジョンタイプのカチオン性樹脂だけを紙の表面に塗工することを開示している。
特許文献3は、プリンタ内で供給される中間記録体に関する。特許文献3の発明は、インクを受容するインク受容性粒子であって、少なくとも前記インクの液体成分をトラップするトラップ構造を有し、かつ、吸液性樹脂を含んで構成したインク受容性粒子に関する。当該インク受容性粒子は、微粒子が集合した複合体粒子の形態を有する。
特開平9−221615号公報 特開2003−320745号公報 特開2006−347085号公報
被記録材として、紙類の他にも、樹脂フィルム、キャンバス、不織布等の様々な材質からなる基材が用いられる。しかしながら、紙類に用いられるインク受容層形成用処理液を樹脂フィルム等の基材に塗工すると、表面にべたつきが生じる、塗膜(インク受容層)の耐剥離性や耐水性が不足する等の課題があり、また、印刷後のインク定着性やインク耐水性が不足するなど十分なインクジェット印刷性能が得られないことがあった。すなわち、紙類に用いるインク受容層形成用処理液を樹脂フィルム等にそのまま転用することはできなかった。
本発明は上記の状況に鑑み、樹脂フィルム等の基材に適用した時にも塗膜(インク受容層)の耐剥離性及び耐水性に優れ、べたつきが無く、かつ、インクジェット印刷性能にも優れたインク受容層を形成することができる被記録材用処理液、及び、当該被記録材用処理液を用いて作成された被記録材を提供することを目的とする。
発明者らは上記課題に対して、水溶性のアニオン性ポリマーと水溶性のカチオン性ポリマーとを混合しながら分散させて得られる、アニオン性ポリマーとカチオン性ポリマーとが一体となった非水溶性の有機複合粒子に着目した。さらに、カチオン性ポリマーとして、架橋性を有するカチオン性ポリマーを少なくとも含むことによって、べたつきがなく、耐剥離性及び耐水性に優れた塗膜を形成可能な被記録材用処理液を得られることを見出し、さらに、当該被記録材用処理液を塗工して得たインク受容層は、インクジェット印刷性能も優れたものとなることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、架橋性を有するカチオン性ポリマーを少なくとも含むカチオン性ポリマーと、アニオン性ポリマーとを含有してなる有機複合粒子が分散された、被記録材用処理液に関する。また、架橋性を有するカチオン性ポリマーと、架橋性を有さないカチオン性ポリマーと、アニオン性ポリマーとを含有してなる有機複合粒子であることが好ましい。当該有機複合粒子の平均粒径は、0.1〜10μmであることが好ましい。
また、前記架橋性を有するカチオン性ポリマーは、ポリアミドアミン−エピハロヒドリン樹脂であることが好ましく、アニオン性ポリマーは、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体であることが好ましい。
また、全カチオン性ポリマーに対する、架橋性を有するカチオン性ポリマーの割合は、1%〜100%(質量比)であることが好ましい。なお全カチオン性ポリマーとは前記架橋性を有するカチオン性ポリマーと、架橋性を有さないカチオン性ポリマーの合計を表す。
また、全ポリマーに対する、全カチオン性ポリマーの割合が、10%〜90%(質量比)であることが好ましい。なお全ポリマーとは全カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの合計を表す。
また本発明は、前記のいずれかに記載の被記録材用処理液に含まれる、有機複合粒子に関する。
また本発明は、前記のいずれかに記載の被記録材用処理液を基材に塗工してなる、被記録材に関する。前記基材は、紙、樹脂フィルム又は布帛であることが好ましい。
さらに本発明は、前記の被記録材に、インクジェット印刷を行うインクジェット記録方法に関する。
本発明によれば、樹脂フィルム等の基材に対して適用した場合でも塗膜のべたつきが無く、かつ、塗膜の密着性(耐剥離性、耐水性)に優れたインク受容層を形成することが可能な被記録材用処理液を得ることができる。また当該形成されたインク受容層はインクジェット印刷性能にも優れる。本発明によれば、インクジェット印刷性能及び画像の耐久性に優れた被記録材を得ることができる。
本発明の被記録材用処理液は、水系溶媒中に非水溶性の有機複合粒子が分散された水系分散液である。有機複合粒子とは、複数種類の有機成分がポリマーコンプレックス、イオンコンプレックス、化学結合等の任意の態様で互いに一体となって粒子を形成しているものを意味している。有機複合粒子は、有機成分のみからなるものに限定されず、有機成分と無機成分とを含んでもよい。分散液の溶媒は、主に水を含むものであれば限定されず、分散剤、酸、塩、有機溶媒等の任意の物質を含んでいてもよい。
有機複合粒子は、少なくとも架橋性を有するカチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとを含むが、架橋性を有するカチオン性ポリマーと、架橋性を有さないカチオン性ポリマーと、アニオン性ポリマーとを含むことが好ましい。
架橋性を有するカチオン性ポリマーは、架橋性の官能基を有するカチオン性のポリマーで水溶性を有するものが用いられる。このようなポリマーとしては、特開2009−108433号公報に記載のポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン樹脂や、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ジシアンジアミド−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。中でもポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン樹脂、具体的には、ポリアミドポリアミン−エピクロロヒドリン樹脂であることが好ましい。
ポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン樹脂としては、例えば、ポリ(N−アルキルジアリルアミン)酸付加塩とエピハロヒドリンを反応させ、ついで無機酸を反応させ、ついでエポキシ基をハロヒドリン基に転化させて得られるものが挙げられ、一般に湿潤紙力向上剤として使用されるカチオン性ポリマーを好適に用いることができる。具体的には、星光PMC社製湿潤紙力剤「WSシリーズ」、荒川化学工業社製湿潤紙力増強剤「アラフィックスシリーズ」等が挙げられる。これらの架橋性カチオン性ポリマーは湿潤紙力向上剤として公知であったが、インク受容層を形成するための処理剤において、これらの架橋性カチオン性ポリマーをアニオン性ポリマーと併用することによって優れたインク受容層形成用処理剤となることは、本発明において初めて見出された。より好ましくは、架橋性カチオン性ポリマーを非架橋性カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーと併用することである。
架橋性を有さないカチオン性ポリマーとしては、架橋性の官能基を有さない、水溶性のカチオン性ポリマーが用いられる。このようなポリマーとしては、架橋性の無いポリアミン樹脂が挙げられる。例えば、ポリアミンとして、グアニジン系縮合ポリアミン、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物、第2級アミノ基、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、5員環アミジン類、ジシアンジアミド−ホルマリン共重合体に代表されるジシアン系カチオン樹脂、ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類又はその誘導体、ジアリルジメチルアンモニウム−SO共重合物、ジアリルアミン塩−SO共重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物、ビニルベンジルトリアリルアンモニウム塩の単独重合体又は共重合体、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合物等が挙げられる。なかでも、ジシアンジアミド・ポリアルキレンポリアミン縮合物、アルキルアミン・エピクロロヒドリン縮合物、ポリエチレンイミン−エピクロロヒドリン縮合物等が挙げられる。
ポリアミンとして、具体的には例えば、PAP−1、PAP−2、PAL−1、KZ−125K、ユニセンスCP−101(以上センカ社製)、モーリンフィックスコンク#300B(以上モーリン化学工業社製)等が挙げられる。
本発明の特徴は、有機複合粒子を形成するカチオン性ポリマーとして、架橋性のカチオン性ポリマーを用いることである。特に好ましくは架橋性のカチオン性ポリマーと非架橋性のカチオン性ポリマーとを組み合わせて用いることであり、全カチオン性ポリマー対する、架橋性を有するカチオン性ポリマーの割合は、1%〜100%(質量比)とすることが好ましい。更に好ましくは10%〜50%(質量比)である。この範囲であれば、フィルム等の基材に塗工した際、基材の表面上で架橋が生じて密着性と耐久性に優れ、かつ、べたつきの無い塗膜が得られるものと考えられている。
アニオン性ポリマーとは、負の電荷を有するポリマーであり、例えば、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基等のアニオン性基を有する不飽和結合含有モノマーの重合体又は共重合体である。本発明においては、水溶性のアニオン性ポリマーが用いられ、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−スチレンスルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−クロトン酸共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−イタコン酸共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−フマル酸共重合体、それらの塩等が挙げられ、特に、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体であることが好ましい。アニオン性ポリマーは、1種でも2種以上を混合して用いてもよい。
アニオン性ポリマーとして具体的には、BASF社製Joncryl690、Joncryl678等のJoncrylシリーズ、荒川化学工業社製「ポリマロン385」、「ポリマロン1333」、「WR−300D」、モンサント社製「スクリプセット520」、星光PMC社製「SS2560」等が挙げられる。
また、全ポリマー(架橋性カチオン性ポリマーと非架橋性カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの合計)に対する、全カチオン性ポリマー(架橋性カチオン性ポリマーと非架橋性カチオン性ポリマーの合計)の割合が、10%〜90%(質量比)好ましくは50%〜80%(質量比)とすることができる。カチオン性ポリマーの割合を50%〜80%(質量比)の範囲とすれば、十分なインク吸液性および耐水性が得られるため好ましい。
本発明の被記録材用処理液は、任意の割合で水と混合可能であり、濃度は特に制限されるものではないが、例えば処理液全体に対する、アニオン性ポリマーとカチオン性ポリマー成分の合計(有機複合粒子の含有量)を1%〜50%(質量比)とすることができる。この範囲であれば、分散安定性および塗布性の点で好ましい。
また、本発明の処理液には、上記のポリマー成分以外に任意の成分を含むことができる。例えば、分散剤を、処理液全体に対して0.1%〜10%(質量比)含むことができる。分散剤は公知の分散剤、例えば、高分子分散剤、界面活性剤あるいはカップリング剤などを使用することができる。高分子分散剤の好ましい例としては天然高分子が挙げられ、その具体例としては、にかわ、ゼラチン、カゼイン、若しくはアルブミンなどのたんぱく質類、アラビアゴム、若しくはトラガントゴムなどの天然ゴム類、サポニンなどのグルコシド類、アルギン酸及びアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、若しくはアルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、若しくはエチルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。これらは、単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
さらに、高分子分散剤の他の好ましい例として合成高分子が挙げられる。その具体的な例として、ポリアミン系樹脂、ポリカルボン酸系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸系樹脂、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のアクリル酸系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリル酸系樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等の酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。
また、界面活性剤の好ましい例としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノードアミド、ノニルフェノール、アルキルノニルフェノール、ポリオキシアルキレングリコール、アルキルアミンオキサイド、アセチレンジオール、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル変性シリコーンなどのシリコーン系界面活性剤、炭化水素系界面活性剤の疎水基にある水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換されたフッ素系界面活性剤等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。
あるいは、例えば塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、または、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩類、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤が挙げられる。
あるいは、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチルアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチルアルキルアリル硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、メチルタウリン酸塩、エーテルカルボン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等のアニオン系界面活性剤が挙げられる。
あるいは、アラニン系、イミダゾリウムベタイン系、アミドプロピルベタイン系、アミノジプロピオン酸塩等の両性界面活性剤が挙げられる。さらに、シラン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等のカップリング剤が挙げられる。
さらに処理液には本発明の効果を妨げない限りにおいて、各種の添加剤、例えば、バインダー、粘度調整剤、安定化剤、顔料分散剤、流動性変性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、架橋剤、耐水化剤、保湿剤、防腐剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、着色染料、顔料などの任意の成分を含むことができる。
バインダーとしては一般にインクジェット受容層に用いられる公知のものが使用でき、例えば水溶性ポリマーとしてはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリウレタン、ポリエチレンオキサイド、ポリエステル、澱粉、ポリアクリル酸エステルやそれらの誘導体等が挙げられる。
粘度調整剤としては公知のものが使用でき、例えば、デキストリン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースなどの多糖類およびその誘導体等が挙げられる。
架橋剤としては本発明の処理液の含有成分を架橋しうるものであれば特に制限はないが、例えばホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタルアルデヒド、サクシンアルデヒド等のアルデヒド類、ジメチロール尿素等のN−メチロール類、ビニルスルホン基やアクリルアミド基等を有する活性エチレン類、エチレンイミン類、エポキシ類、カルボジイミド類等が挙げられる。
顔料としては公知のものが使用でき、シリカ、クレー、雲母、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム等の無機顔料や、アクリル、ポリスチレン等の有機顔料が挙げられる。
本発明の処理液の溶媒は水であるが、粘度や塗工性等の改善の目的で本発明の効果を妨げないかぎりにおいて、各種水溶性溶媒を含むことができる。
水溶性溶媒としてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、アセトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等が挙げられる。
本発明の処理液に含有される有機複合粒子の粒径は、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜5μmであれば十分なインク吸液性および塗工時の平滑性が得られるためより好ましい。なお、本明細書での粒径は、粒子の平均メディアン径であり、例えば、日機装社製の商品名:「マイクロトラックMT3000II」を用いて水分散性微粒子の平均粒子径(メディアン径:d50)を測定することができる。
本発明の処理液は公知の製造方法に準じて作成することができる。例えば、前記の架橋性カチオン性ポリマー、(非架橋性カチオン性ポリマー)及びアニオン性ポリマー及び水、必要に応じて添加剤等を配合し、混合、撹拌することによって、有機複合粒子が分散された処理液を得ることができる。混合、撹拌の方法は特に制限されず、従来公知の手法を用いればよいが、例えば、ホモジナイザー、ビーズミル、ボールミル、ジェットミル、ディスパー等を用いることができる。
前記の製造方法によって得られた被記録材用処理液を、基材の表面に塗工する。基材としては、木質紙、非木質紙、合成紙等の紙類の他、樹脂フィルム(PETフィルム、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、塩ビフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ(メタ)アクリレートフィルム、酢酸セルロースフィルム等)、天然繊維及び/又は合成繊維からなる織布及び/又は不織布等の布帛、ターポリン、ガラス、金属、皮革等を用いることができる。特に、本発明の処理液は樹脂フィルムに対して好適に用いられる。
基材の表面には、インク受容層の下地として、アンカー層(バインダー層)が設けられていてもよい。アンカー層は特に制限されないが、例えば、オキサゾリン基含有ポリマー(例えば、エポクロスK−2010E、エポクロスK−2020E、エポクロスK−2030E、エポクロスWS−300、エポクロスWS−500、エポクロスWS−700等のエポクロスシリーズ、日本触媒社製)、ポリビニルアルコール、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂等のうち接着性を有するものを用いることができる。なお、本発明の処理液によって形成される塗膜の基材への密着性が特に優れるときには、アンカー層が不要となる場合もある。
水系分散液である本発明の処理液は、必要に応じて所定の濃度に調整され、また、必要に応じて他の処理剤と混合されて、基材上に塗工される。塗工方法は公知の方法を用いることができ、特に制限されないが、例えば、メーヤーバー、バーコーター、ナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、スプレーコーター、ブラシコーター、サイズプレス等を用いることができる。また、この処理液をインクとして、凸版式印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷などの公知の印刷法により基材に塗工することも可能である。なお、基材上にアンカー層が形成されている場合は当然、アンカー層の上に処理液が塗工されるが、本明細書においてはこれらの場合も「基材上に処理液を塗工する」という。
基材への本発明の処理液の塗工量は基材によって異なるため特に限定されないが、一般的に1〜500g/mとすることができる。所定量の処理液を塗工した後乾燥、定着処理が行われ、本発明の処理液を基材に塗工してなる被記録材が得られる。処理液中の有機複合粒子の濃度は1%〜50%(質量比)であるため、基材表面に塗工される有機複合粒子の量は0.1〜50g/m程度となり、基材が樹脂フィルムの場合は10〜40g/m程度が好ましい。10g/m以下になるとインク吸収性が不十分でインクが乾燥しない恐れがあり、40g/m以上では塗工量を増やしても性能は変わらず、経済面で不利となる。
乾燥方法としては特に限定されないが、熱風乾燥法、赤外乾燥法、ドラム乾燥法などが挙げられる。また公知のキャストコート法を用いて乾燥を行い、光沢面を形成することも可能である。
また光沢度や平滑性の向上を目的にカレンダー処理を行うことができる。カレンダー処理としてはグロスカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどが挙げられる。
前記被記録材は、各種印刷、例えばインクジェット印刷、オフセット印刷、レーザー印刷、昇華転写等に使用できるが、特にインクジェット印刷に好適である。また基材が樹脂フィルムである本発明の被記録材は、インク受容層の密着性と透明性に優れるため、意匠性の高い梱包用フィルム、ラベル、シール、電飾用乳白PETフィルム等として好適に用いられる。
本発明に係る被記録材は、基材の片面もしくは両面に塗工層が形成される。その際、同一面の塗工層を必要に応じて2層以上の多層構造にすることも可能である。なお、両面塗工や多層構造にする場合、各々の塗液が同一または同一塗工量である必要はなく、所望の品質レベルに応じて適宜調整して配合すればよい。多層構造の例としては、本発明の被記録材用処理液を基材に下塗りし、当該塗布層上に感熱層を設けたものや、逆に基材に感熱層塗液を下塗りし、当該塗布層上に本発明の被記録材用処理液の塗布層を設けたものが挙げられる。
また、本発明の被記録材の裏面に、カール防止、印刷適性付与、給排紙適性付与、帯電防止性付与等のための塗工層を設けることができる。さらに、裏面には、粘着、感熱、熱転写、インクジェット、磁性、難燃、耐熱、耐水、耐油、防滑等の性質を付与するための後加工を施すこともできる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例および比較例中の%および部数はそれぞれ質量%、質量部を示す。また、基材上への被記録材用処理液の塗布量は、処理液の質量を示す。
[実施例1]
濃度30%のスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(アニオン性ポリマー、商品名:「Joncryl690」、BASF社製)48.7質量部、水62.7質量部及びポリアクリル酸系分散剤1質量部に、濃度50%のジシアンジアミド・ポリアルキレンポリアミン縮合物(非架橋性カチオン性ポリマー、商品名:「PAP−1」、センカ社製)29.2質量部と濃度25%のポリアミドポリアミン−エピクロロヒドリン樹脂(架橋性カチオン性ポリマー、商品名:「WS4020」、星光PMC社製)58.4質量部を混合し、毎分300回転で撹拌を行った。この時のJoncryl690とカチオン性ポリマーの比率は1:2(固形分)である。得られた水溶液をホモジナイザー(商品名:「TWIN PANDA 600型」、Niro Soavi社製)を用いて圧力400barにて2回分散操作を行って、平均粒子径3μmの本発明の有機複合粒子を含む被記録材用処理液を得た。
被記録材の基材として、厚さ100μmのPETフィルム(商品名:「ルミラーT60」、東レ社製)にアンカーコートとしてオキサゾリン基含有エマルジョン(商品名:「エポクロスK−2020E」、日本触媒社製)を塗工量が2g/mとなるようにバーコーターで塗工・乾燥し、基材シートを得た。
前記の基材シートに実施例1の被記録材用処理液をバーコーターにより100g/m塗工・乾燥し、実施例1の被記録材を得た。
[実施例2]
実施例1においてアニオン性ポリマーとカチオン性ポリマーとの比率を1:3となるように配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の有機複合粒子を含む被記録材用処理液を得た。
実施例1と同様に基材シートを作成し、被記録材用処理液を塗工・乾燥して実施例2の被記録材を得た。
[実施例3]
実施例1においてアニオン性ポリマーとカチオン性ポリマーとの比率を1:6となるように配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の有機複合粒子を含む被記録材用処理液を得た。
実施例1と同様に基材シートを作成し、被記録材用処理液を塗工・乾燥して実施例3の被記録材を得た。
[実施例4]
実施例1においてアニオン性ポリマーとカチオン性ポリマーとの比率を2:1となるように配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の有機複合粒子を含む被記録材用処理液を得た。
実施例1と同様に基材シートを作成し、被記録材用処理液を塗工・乾燥して実施例4の被記録材を得た。
参考例1
実施例1において、ホモジナイザー処理の条件を圧力200barにて1回分散処理に変更して、有機複合粒子の平均粒子径が15μmである被記録材用処理液を得た。
実施例1と同様に基材シートを作成し、被記録材用処理液を塗工・乾燥して参考例1の被記録材を得た。
[実施例6]
実施例1においてホモジナイザーの代わりにビーズミル(商品名:「ラボスター」、アシザワ・ファインテック社製)を用いて撹拌速度300rpmで2時間分散操作を行った以外は実施例1と同様にして、平均粒子径0.5μmの本発明の有機複合粒子を含む被記録材用処理液を得た。
実施例1と同様に基材シートを作成し、被記録材用処理液を塗工・乾燥して実施例6の被記録材を得た。
[実施例7]
実施例1において、非架橋性カチオン性ポリマーを、ポリアミンとしてジシアンジアミド・ポリアルキレンポリアミン縮合物からジメチルアミン・エピクロロヒドリン縮合物(商品名:「フィックスオイルR−737」、明成化学工業社製)に変更した以外は実施例1と同様にして平均粒子径3μmの本発明の有機複合粒子を含む被記録材用処理液を得た。
実施例1と同様に基材シートを作成し、被記録材用処理液を塗工・乾燥して実施例7の被記録材を得た。
[実施例8]
実施例1において、アニオン性ポリマーについて、Joncryl690をJoncryl678(BASF社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の有機複合粒子を含む被記録材用処理液を得た。
実施例1と同様に基材シートを作成し、被記録材用処理液を塗工・乾燥して実施例8の被記録材を得た。
[実施例9]
実施例1において、架橋性カチオン性ポリマーについて、WS4020をアラフィックス255(荒川化学工業社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の有機複合粒子を含む被記録材用処理液を得た。
実施例1と同様に基材シートを作成し、被記録材用処理液を塗工・乾燥して実施例9の被記録材を得た。
参考例2
実施例1において、ジシアンジアミド・ポリアルキレンポリアミン縮合物(非架橋性カチオン性ポリマー)を加えず、ポリアミドポリアミン−エピクロロヒドリン樹脂(架橋性カチオン性ポリマー、商品名:「WS4020」、星光PMC社製)を116.8質量部とした以外は、実施例1と同様にして本発明の有機複合粒子を含む被記録材用処理液を得た。
実施例1と同様に基材シートを作成し、被記録材用処理液を塗工・乾燥して参考例2の被記録材を得た。
[実施例11]
実施例1において、被記録材用処理液の塗工量を150g/mに変更した以外は実施例1と同様にして被記録材を作成した。
[実施例12]
実施例1において、被記録材用処理液の塗工量を50g/mに変更した以外は実施例1と同様にして被記録材を作成した。
[比較例1]
ポリアミン樹脂(商品名:「PAP−2」)20質量部、スチレン−アクリル酸共重合体(商品名:「ジョンクリル61J」、BASF社製)67質量部、水150質量部、スチレン−無水マレイン酸エチレンオキサイド付加物5質量部、ポリビニルピロリドン5質量部を混合し、ビーズミル(商品名:「ラボスター」、アシザワ・ファインテック社製)を用いて撹拌速度300rpmで2時間分散操作を行い、被記録材用処理液を得た。
実施例1と同様に基材シートを作成し、被記録材用処理液を塗工・乾燥して比較例1の被記録材を得た。
[比較例2]
スチレン−アクリル酸共重合体であるアニオン性ポリマーとポリアミンであるカチオン性ポリマーとを作用させ、凝集体を形成させた後に、この凝集をほどくことによって得られた被記録材用処理液である、御国色素社製(商品名:「CW−6」)を用いた以外は比較例1と同様にして被記録材を作成した。
[比較例3]
被記録材用処理液として御国色素社製(商品名:「CW−72」)を用いた以外は比較例2と同様にして被記録材を作成した。
<測定・評価方法>
[平均粒子径の測定方法]
上記の実施例及び比較例では、日機装社製の商品名:「マイクロトラックMT3000II」を用いて水分散性微粒子の平均粒子径(メディアン径:d50)を測定した。
上記の実施例、比較例で得られた被記録材について、被記録材のインク受容層の耐剥離性及び耐水性、及び、被記録材の表面のべたつきを下記の通りに評価した。
[耐剥離性]
被記録材に粘着テープを貼り付け、30分後に剥離試験を行い、下記の基準で塗工層の耐剥離性を目視判定した。剥離試験は被記録材にセロファンテープ(登録商標 セロテープ(R)、ニチバン社製)を貼り付け、常温にて180度剥離で約5mm/sの速さでテープを剥がして行った。
○:まったく塗工層の剥離がなく、実用性に極めて優れる
△:若干塗工層の剥離があるが、実用上問題ないレベルである
×:塗工層の剥離がひどく、実用上問題となるレベルである
[耐水性]
被記録材を水道水に60分浸漬後、被記録材表面の塗工層の溶出、剥離を下記の基準で目視判定した。
○:まったく塗工層の溶出、剥離がなく、実用性に極めて優れる
△:若干塗工層の溶出、剥離があるが、実用上問題ないレベルである
×:塗工層の溶出、剥離がひどく、実用上問題となるレベルである
[べたつき]
被記録材の塗工層の表面を触り、べたつきを評価した。
○:まったく粘りを感じない
△:指先に若干粘りを感じる
×:指先に強く粘りを感じる
上記試験の結果を表1にまとめる。
Figure 0006510862
表1に示されるとおり、実施例1〜4、6〜9、11、12の被記録材はいずれも、塗膜の耐剥離性、耐水性及び被記録材表面のべたつきについて極めて優れる、もしくは問題ないレベルであった。
一方、架橋性カチオン性ポリマーを含有しない比較例1は、塗膜の耐水性が不足し、表面のべたつきが生じた。比較例2及び比較例3の被記録材は、耐剥離性及び耐水性が十分ではなかった。
上記の実施例及び比較例の被記録材について、インクジェット印刷適性(発色性、ニジミ、インク乾燥性、インク定着性、インク耐水性)を下記の通りに評価した。
[発色性]
被記録材にインクジェットプリンター(商品名:「PM−760C」及び「PX−1004」、エプソン社製)にてスーパーファイン用紙モードで印刷し、黒・シアン・マゼンタ・イエローのベタ印刷部の色濃度を日本電色社製の商品名「Spectro Color Meter SE 2000」にて測定し、下記の基準で発色性を判定した。
○:色濃度の合計が5以上で、非常に発色性に優れている
△:色濃度の合計が4以上5未満で、実用上問題ない発色レベルである
×:色濃度が4未満で、発色性が悪く色再現性に劣る
[ニジミ]
被記録材にインクジェットプリンター(商品名:「PM−760C」及び「PX−1004」、エプソン社製)にてスーパーファイン用紙モードで印刷し、下記の基準でニジミを目視判定した。
○:まったくニジミがなく、実用性に極めて優れる
△:若干ニジミがあるが、実用上問題ないレベルである
×:ニジミがひどく、実用上問題となるレベルである
[インク乾燥性]
被記録材にインクジェットプリンター(商品名:「PM−760C」及び「PX−1004」、エプソン社製)にてスーパーファイン用紙モードで印刷し、一定時間後にベタ印刷部に紙をあててインクが転写するか否かを観察し、下記の基準でインク乾燥性を目視判定した。
○:10分以内でインクの転写がなくなったもの
△:30分以内でインクの転写がなくなったもの
×:30分以上経過してもインクが転写したもの
[インク定着性]
被記録材にインクジェットプリンター(商品名:「PM−760C」及び「PX−1004」、エプソン社製)にてスーパーファイン用紙モードで印刷し、ベタ印刷部に粘着テープを貼り付け、30分後に剥離試験を行い、下記の基準でインク定着性を目視判定した。剥離試験は被記録材にセロファンテープ(登録商標 セロテープ(R)、ニチバン社製)を貼り付け、常温にて180度剥離で約5mm/sの速さでテープを剥がして行なった。
○:まったくインク剥離がなく、実用性に極めて優れる
△:若干インク剥離があるが、実用上問題ないレベルである
×:インク剥離がひどく、実用上問題となるレベルである
[インク耐水性]
被記録材にインクジェットプリンター(商品名:「PM−760C」及び「PX−1004」、エプソン社製)にてスーパーファイン用紙モードで印刷し、該印刷した試料を水道水に60分浸漬後のインクの溶出、ニジミを下記の基準で目視判定した。
○:まったくインク溶出、ニジミがなく、実用性に極めて優れる
△:若干インク溶出、ニジミがあるが、実用上問題ないレベルである
×:インク溶出、ニジミがひどく、実用上問題となるレベルである
上記試験の結果を表2にまとめる。
Figure 0006510862
表2に示されるとおり、実施例1〜4、6〜9、11、12の被記録材はいずれも、発色性、ニジミ、インク乾燥性、インク定着性、インク耐水性に極めて優れるか、問題のないレベルであった。
一方、架橋性カチオン性ポリマーを含まない比較例1はすべての評価項目が不十分であった。また、比較例2及び比較例3は、インク乾燥性、インク定着性、インク耐水性の点で不十分であった。

Claims (10)

  1. ポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン樹脂と、ジシアンジアミド・ポリアルキレンポリアミン縮合物又はジメチルアミン・エピクロルヒドリン縮合物であるポリアミンと、アニオン性ポリマーと、分散剤と、を含有し、かつ、平均粒径が0.1〜10μmである有機複合粒子が分散され、水系溶媒を含む、被記録材用処理液。
  2. 前記ポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン樹脂が、ポリアミドポリアミン−エピクロロヒドリン樹脂である、請求項1に記載の被記録材用処理液。
  3. 前記アニオン性ポリマーが、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体である、請求項1又は2に記載の被記録材用処理液。
  4. 前記ポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン樹脂の、前記ポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン樹脂と前記ポリアミンの合計に対する割合が、1%〜100%(質量比)である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の被記録材用処理液。
  5. 前記ポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン樹脂及び前記ポリアミンの合計の、全ポリマーに対する割合が、10%〜90%(質量比)である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の被記録材用処理液。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の被記録材用処理液に含まれる、有機複合粒子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の被記録材用処理液を基材に塗工してなる、被記録材。
  8. 前記基材が、紙、樹脂フィルム又は布帛である、請求項7に記載の被記録材。
  9. 請求項7又は8に記載の被記録材に、インクジェット印刷を行うインクジェット記録方法。
  10. ポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン樹脂、ジシアンジアミド・ポリアルキレンポリアミン縮合物又はジメチルアミン・エピクロルヒドリン縮合物であるポリアミン、アニオン性ポリマー、分散剤及び水系溶媒を混合し、ホモジナイザー、ビーズミル、ボールミル、ジェットミル、ディスパーから選択される少なくとも1種の微粉砕機で分散処理する工程を含む、平均粒径が0.1〜10μmである有機複合粒子が分散された、被記録材用処理液の製造方法。
JP2015076476A 2015-04-03 2015-04-03 被記録材用処理液、被記録材及びそれらの製造方法 Expired - Fee Related JP6510862B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015076476A JP6510862B2 (ja) 2015-04-03 2015-04-03 被記録材用処理液、被記録材及びそれらの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015076476A JP6510862B2 (ja) 2015-04-03 2015-04-03 被記録材用処理液、被記録材及びそれらの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016196117A JP2016196117A (ja) 2016-11-24
JP6510862B2 true JP6510862B2 (ja) 2019-05-08

Family

ID=57357945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015076476A Expired - Fee Related JP6510862B2 (ja) 2015-04-03 2015-04-03 被記録材用処理液、被記録材及びそれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6510862B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023120631A (ja) * 2022-02-18 2023-08-30 セイコーエプソン株式会社 処理液組成物、インクジェットインク組成物と処理液組成物のセット及び処理方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3015739B2 (ja) * 1995-12-13 2000-03-06 御国色素株式会社 被記録材用処理液、それで処理した被記録材およびその被記録材の記録方法
JP2002326450A (ja) * 2001-05-01 2002-11-12 Mikuni Color Ltd 被記録材及び被記録材形成用処理液
JP2003191401A (ja) * 2001-09-25 2003-07-08 Oji Paper Co Ltd 耐水・耐溶剤性記録用シート
JP4108361B2 (ja) * 2002-04-30 2008-06-25 北越製紙株式会社 インクジェット記録用紙
JP4457814B2 (ja) * 2004-09-02 2010-04-28 日本製紙株式会社 感熱記録体
JP5141786B2 (ja) * 2011-03-31 2013-02-13 Dic株式会社 インクジェット記録媒体の製造方法及びインクジェット記録媒体
JP6139966B2 (ja) * 2012-05-11 2017-05-31 株式会社ユポ・コーポレーション 記録用紙および感熱記録用紙
JP5966612B2 (ja) * 2012-05-23 2016-08-10 株式会社リコー 処理液及びその製造方法、並びに画像形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016196117A (ja) 2016-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3328659B1 (en) Printing on water-impermeable substrates with water-based inks
EP3328660B1 (en) Multilayered structure with water impermeable substrate
JP3939922B2 (ja) インクジェット受容媒体
JP4328091B2 (ja) 剥離可能フィルム及び架橋コーティングを有する熱転写紙
JP2015517413A (ja) インクジェット印刷のためのインクジェット受容媒体及び前処理組成物
MXPA03003643A (es) Papel de transferencia con calor con pelicula pelable y recubrimientos discontinuos.
EP1013466A2 (en) Intermediate ink-receiver sheet for transfer printing
WO2015191305A1 (en) Improving aqueous ink durability deposited on substrate
EP3551470B1 (en) Tacky dye sublimation coating and method of makings and using the same
CN109863032B (zh) 耐溶剂的光泽可印刷基材及其制造和使用方法
EP2015939B1 (en) Ink-jet printable transfer papers having a cationic layer underneath the image layer
EP1171311B1 (en) Heat transfer material having a fusible coating containing cyclohexane dimethanol dibenzoate thereon
JP2007111867A (ja) インクジェット転写印刷法、転写シート及びその製造方法
JP2005506915A (ja) 転写印刷方法及び転写印刷シート
CA2197992A1 (en) Ink jet printing sheet
JP6510862B2 (ja) 被記録材用処理液、被記録材及びそれらの製造方法
JP3958379B2 (ja) 記録体
EP1338432B1 (en) Opaque image transfer material
JPH11157203A (ja) 熱画像転写用画像支持体材料
US20020012774A1 (en) Water-based, water resistant ink jet media
JP4022834B2 (ja) インクジェット用記録体およびインクジェット用記録体の製造方法
JPH11301099A (ja) インクジェット記録シート
JPH11321077A (ja) インクジェット記録シート
JP2001253165A (ja) インクジェット被記録材
JPH11263086A (ja) 親展ハガキ用紙

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190306

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190320

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190405

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6510862

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees