JP6510608B2 - 染料、セルロース繊維の染料、および染色方法 - Google Patents

染料、セルロース繊維の染料、および染色方法 Download PDF

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Description

本開示は繊維染色に関し、特に染色用の染料に関する。
天然色素は非常に種類が多く、中でも食用色素の色は種類が最も多い。このうちクチナシ色素にはクチナシ赤色素、クチナシ黄色素、およびクチナシ青色素がある。クチナシ色素は、生物工学技術により得られる安全無毒な天然色素であり、台湾では、クチナシは、南部で大規模に栽培されている。クチナシ青色素は、クチナシ果実に含まれるゲニポシドを加水分解することにより得られるゲニピン(genipin)から作製される。
米国特許第8993325号明細書 台湾特許第I326600号明細書
市販の食用クチナシ青色素として用いられている、アミノ酸とゲニピンとの反応生成物が重合された後の重合生成物は、綿布を染色するために用いることはできない。よって現在、綿布またはその他の繊維を染色するために用いることのできる、ゲニピンを含む新規の染料が求められている。
本開示の一実施形態において、(a)アミノ酸、前記アミノ酸を含むポリペプチド、前記アミノ酸を含むタンパク質、またはこれらの組み合わせと、(b)イリドイド(iridoid)との反応生成物を重合することによって得られる重合生成物を含む染料が提供され、ここで、アミノ酸は、ヒスチジン(histidine)、リジン(lysine)、アルギニン(arginine)、トリプトファン(tryptophan)、アスパラギン(asparagine)、グルタミン(glutamine)、ロイシン(leucine)、グリシン(glycine)、グルタミン酸(glutamic acid)、アスパラギン酸(aspartic acid)、チロシン(tyrosine)、またはこれらの組み合わせから選択される。
本開示のさらなる一実施形態において、(a)アミノ酸、前記アミノ酸を含むポリペプチド、前記アミノ酸を含むタンパク質、またはこれらの組み合わせと、(b)イリドイド(iridoid)との反応生成物を重合することによって得られる重合生成物を含むセルロース繊維のための染料が提供され、ここで、アミノ酸は、ヒスチジン(histidine)、リジン(lysine)、アルギニン(arginine)、トリプトファン(tryptophan)、グルタミン(glutamine)、ロイシン(leucine)、チロシン(tyrosine)、またはこれらの組み合わせから選択される。
本開示のさらなる一実施形態において、上記染料を繊維に固着させる工程を含む染色方法が提供される。
本開示によって提供される天然由来の染料は、イリドイドと特定のアミノ酸との反応生成物を重合することによって得られる重合生成物を含むものであり、一般的な市販のクチナシ青色素とは異なる。特定のアミノ酸を選択することで、染料が綿布に対する染着性をもつようになる。さらに、被染物の有機酸で綿布表面を処理することで、被染物に対する染料の染着率および染色された繊維製品の水に対する染色堅牢度がさらに高まる。
本開示の一実施形態の染料溶液の紫外可視(UV−VIS)吸收スペクトルを示す図である。 本開示の一実施形態の染料溶液の紫外可視(UV−VIS)吸收スペクトルを示す図である。 本開示の一実施形態の染料溶液の紫外可視(UV−VIS)吸收スペクトルを示す図である。 本開示の一実施形態の染料溶液の紫外可視(UV−VIS)吸收スペクトルを示す図である。
本開示の一実施形態により提供される染料は、(a)アミノ酸、アミノ酸を含むポリペプチド、アミノ酸を含むタンパク質、またはこれらの組み合わせと、(b)イリドイド(iridoid)との反応生成物を重合することによって得られる重合生成物を含み、ここで、アミノ酸は、ヒスチジン(histidine)、リジン(lysine)、アルギニン(arginine)、トリプトファン(tryptophan)、アスパラギン(asparagine)、グルタミン(glutamine)、ロイシン(leucine)、グリシン(glycine)、グルタミン酸(glutamic acid)、アスパラギン酸(aspartic acid)、チロシン(tyrosine)、またはこれらの組み合わせから選択される。イリドイドは、下記の構造を有する。
Figure 0006510608
(式中、R1、R2、およびR’はそれぞれ独立して、H、アルキル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、または他の任意の官能基である。)本実施形態におけるイリドイドの例としては、例えば、これらに限定される訳ではないが、ゲニポシド(geniposide)、ロガニンアグルコン(loganin aglucon)、オレウロペインアグルコン(oleuropein aglucon)、ペデロシド(Paederoside)、または、これらの加水分解物が挙げられる。ゲニピンを例にとると、加水分解後にゲニピン(genipin,R’=CH3)またはゲニピン酸(genipin acid,R’=H)になり、ゲニピンやゲニピン酸などのイリドイドとアミノ酸との反応は以下の式1に示すとおりである。
Figure 0006510608
式1中、R’がCH3である場合、反応生成物は青色を呈し、すなわち一般に称されるクチナシ青色素である。R’がHである場合、反応生成物は赤色を呈し、すなわち一般に称されるクチナシ赤色素である。反応生成物におけるR基は、上記反応に用いられるアミノ酸の種類によって決まる。例えば、ヒスチジン(histidine)は下記の構造を有し、
Figure 0006510608
したがって、式1のRは、
Figure 0006510608
である。
リジン(lysine)は下記の構造を有し、
Figure 0006510608
したがって、式1のRは、
Figure 0006510608
である。
アルギニン(arginine)は下記の構造を有し、
Figure 0006510608
したがって、式1のRは、
Figure 0006510608
である。
トリプトファン(tryptophan)は下記の構造を有し、
Figure 0006510608
したがって、式1のRは、
Figure 0006510608
である。
アスパラギン(asparagine)は下記の構造を有し、
Figure 0006510608
したがって、式1のRは、
Figure 0006510608
である。
グルタミン(glutamine)は下記の構造を有し、
Figure 0006510608
したがって、式1のRは、
Figure 0006510608
である。
ロイシン(leucine)は下記の構造を有し、
Figure 0006510608
したがって、式1のRは、
Figure 0006510608
である。
グリシン(glycine)は下記の構造を有し、
Figure 0006510608
したがって、式1のRは、Hである。
グルタミン酸(glutamic acid)は下記の構造を有し、
Figure 0006510608
したがって、式1のRは、
Figure 0006510608
である。
アスパラギン酸(aspartic acid)は下記の構造を有し、
Figure 0006510608
したがって、式1のRは、
Figure 0006510608
である。
式1で示される反応の反応生成物が重合することにより、重合体として、以下の式2において示される構造を有するダイマー、トリマー、またはテトラマーなどが得られる。ただし本実施形態の重合体はこれらに限定されるものではない。式1で得られる反応生成物は、重合反応によって、より大きい分子量をもつ重合体、または他の構造を有する重合体にも変換され得る。すなわち、本実施形態の重合体の構造は式2に示される構造に限定される訳ではないという点に留意されたい。
Figure 0006510608
別の一実施形態において、(a)アミノ酸、アミノ酸を含むポリペプチド、アミノ酸を含むタンパク質、またはこれらの組み合わせと、(b)イリドイド(iridoid)との、出発物質としてのモル比は、0.5:1〜30:1のあいだ、好ましくは、1:1〜15:1のあいだである。(a)アミノ酸、アミノ酸を含むポリペプチド、アミノ酸を含むタンパク質、またはこれらの組み合わせ、に対する(b)イリドイド(iridoid)の比率が、小さすぎる場合、あるいは大きすぎる場合、被染物における染料の色濃度(color depth)が薄くなってしまうなどの好ましくない影響が出てしまう。
また、本開示におけるさらに別の一実施形態において、染料を繊維に固着させる工程を含む染色方法が提供される。本実施形態において、染色に付される繊維は、例えば、セルロース繊維(例えば綿もしくは麻)などの植物繊維またはタンパク質高分子である動物繊維(例えば羊毛もしくは絹)であり得る。ある実施形態において、繊維はセルロース繊維(例えば綿)であり得、かつ、アミノ酸は、ヒスチジン(histidine)、リジン(lysine)、アルギニン(arginine)、トリプトファン(tryptophan)、グルタミン(glutamine)、ロイシン(leucine)、チロシン(tyrosine)、またはこれらの組み合わせから選択され得る。別の実施形態では、繊維はタンパク質高分子(例えば羊毛)であり得、かつ、アミノ酸はヒスチジン(histidine)、リジン(lysine)、アルギニン(arginine)、トリプトファン(tryptophan)、アスパラギン(asparagine)、グルタミン(glutamine)、ロイシン(leucine)、グリシン(glycine)、グルタミン酸(glutamic acid)、アスパラギン酸(aspartic acid)、チロシン(tyrosine)、またはこれらの組み合わせから選択され得る。
一実施形態において、染料を製造するための反応は緩衝液中で行なわれる。染料を繊維に固着させるために、染料が分散されている緩衝液中に繊維が直接浸漬され、所定の時間(例えば30分〜2時間のあいだ)、所定の温度(例えば70℃〜90℃のあいだの温度となるように)で、加熱される。加熱の温度が低すぎる、および/または、加熱時間が短すぎると、染料が繊維に有効に固着し得ないおそれがある。一方、加熱の温度が高すぎる、および/または、加熱時間が長すぎると、製造コストが上昇する上、染色効果のさらなる向上が得られないことがある。染料を含む緩衝液のpH値は、3〜12のあいだが好ましく、さらに好ましくは、4〜9のあいだである。緩衝液のpH値が高すぎると、染色の濃さ(dyeing depth)が不足する。一方、緩衝液のpH値が低すぎると、繊維によっては組織が傷つきやすくなるおそれがある。
一実施形態において、繊維は、綿布のようなセルロース繊維である。本実施形態では、綿布の染色に先立ち、有機酸を用いた綿布の酸化処理が行われ得る。例えば、酸化処理の温度は100℃〜200℃までのあいだであってよく、処理時間は1分〜15分のあいだであってよい。酸化処理の温度が低すぎる、および/または、時間が短すぎると、酸化処理の効果が充分に得られないことがある。一方、酸化処理の温度が高すぎる、および/または、酸化時間が長すぎると、製造コストが上昇する上、酸化処理の効果のさらなる向上が得られない可能性がある。一実施形態において、有機酸は、多塩基酸、例えば二塩基酸(例えばマレイン酸など)、三塩基酸(例えばクエン酸など)、四塩基酸(例えばブタンテトラカルボン酸など)、またはこれらの組み合わせである。多塩基酸を用いることにより、多塩基酸に含まれるカルボン酸の一部が綿布上に存在する大量のヒドロキシ基と反応し、他のカルボン酸が染料に含まれるヒドロキシ基と反応し得る。これにより染料と綿布との間の堅牢度が高まる。一実施形態において、酸化処理に使用される酸化処理溶液に含まれる有機酸の濃度は、例えば0.1wt%〜30wt%のあいだである。有機酸の濃度が低すぎると、綿布を酸化処理する効果が充分に得られない。有機酸の濃度が高すぎると、綿布の繊維が破壊されるおそれがある。
一実施形態において、酸化処理プロセスにおいて、さらに触媒を加えて有機酸と組み合わせて使用することができる。例えば、触媒としては、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、またはこれらの組み合わせなどが挙げられる。触媒を用いることによって酸化処理の処理時間が短縮され得る。
本開示によって提供される天然由来の染料は、イリドイドと特定のアミノ酸とを反応させて得られた反応生成物を重合した重合生成物を含むものであり、一般的な市販のクチナシ青色素とは異なる。本開示の特定のアミノ酸を選択することで、染料が綿布に対する染着性をもつようになる。さらに、被染物の綿布表面を有機酸で処理することにより、染料の染着率および染色された綿布の水に対する染色堅牢度がさらに高められる。
いくつかのアミノ酸(例えばグリシン(glycine)、グルタミン酸(glutamic acid)、アスパラギン(asparagine)、アスパラギン酸(aspartic acid))とイリドイドとの反応生成物が重合された後の重合生成物は、セルロース高分子からなる植物繊維(例えば綿布)を有効に染色することはできないが、タンパク質高分子からなる動物繊維(例えば羊毛)に対しては優れた染色効果を備える。
本開示の上述ならびにその他の目的、特徴および利点がより明瞭、容易に理解されるよう、以下にいくつかの実施例を挙げ、図面と対応させながら、詳細に説明していく。
実施例1
ゲニピン0.12g(0.5mmol)とグルタミン0.077g(0.5mmol)とを秤取し、酢酸塩緩衝液(pH=5.5)120mL中に入れ、室温下で1時間撹拌してから、80℃に加熱し、4時間反応させた後、重合させて、染料が酢酸塩緩衝液中に分散された染料溶液を得た。
実施例2
ゲニピン0.12g(0.5mmol)とリジン0.077g(0.5mmol)とを秤取し、酢酸塩緩衝液(pH=5.5)120mL中に入れ、室温下で1時間撹拌してから、80℃に加熱し、4時間反応させた後、重合させて染料溶液を得た。得られた染料溶液のUV−VIS吸収スペクトルを図1に示す。
実施例3
ゲニピン0.12g(0.5mmol)とアルギニン0.092g(0.5mmol)とを秤取し、酢酸塩緩衝液(pH=5.5)120mL中に入れ、室温下で1時間撹拌してから、80℃に加熱し、4時間反応させた後、重合させて染料溶液を得た。得られた染料溶液のUV−VIS吸収スペクトルを図2に示す。
また、リン酸塩緩衝液(pH=6.5)120mL中に、ゲニピン0.12g(0.5mmol)を入れ、下記の表1に示されるゲニピンに対する種々のモル比でアルギニンを加え、室温下で1時間撹拌してから、80℃に加熱し、4時間反応させた後、重合させて染料がリン酸塩緩衝液中に分散された染料溶液を得た。綿布(綿100%/20番手/1ヤード当たりの重さ(weight per yard)320g、家豐興業有限公司より購入)を得られた染料中に入れた後、80℃に加熱して1時間染色した。次いで、中性ソープ(Neutral soap)で染色後の綿布を洗浄(ソーピング)した後、洗浄後の染色された綿布の色濃度(color depth)を観察した。結果が表1に示されている。
Figure 0006510608
実施例4
ゲニピン0.12g(0.5mmol)とロイシン0.069g(0.5mmol)とを秤取し、酢酸塩緩衝液(pH=5.5)120mL中に入れ、室温下で1時間撹拌してから、80℃に加熱し、4時間反応させた後、重合させて染料溶液を得た。
実施例5
ゲニピン0.12g(0.5mmol)とトリプトファン0.108g(0.5mmol)とを秤取し、酢酸塩緩衝液(pH=5.5)120mL中に入れ、室温下で1時間撹拌してから、80℃に加熱し、4時間反応させた後、重合させて染料溶液を得た。
実施例6
ゲニピン0.12g(0.5mmol)とヒスチジン0.082g(0.5mmol)とを秤取し、酢酸塩緩衝液(pH=5.5)120mL中に入れ、室温下で1時間撹拌してから、80℃に加熱し、4時間反応させた後、重合させて染料溶液を得た。
実施例7
ゲニピン0.12g(0.5mmol)とチロシン0.29g(1.6mmol)とを秤取し、酢酸塩緩衝液(pH=5.5)120mL中に入れ、室温下で1時間撹拌してから、80℃に加熱し、4時間反応させた後、重合させて染料溶液を得た。得られた染料溶液のUV−VIS吸収スペクトルを図3に示す。
実施例8
ゲニピン0.12g(0.5mmol)とグルタミン酸0.078g(0.5mmol)とを秤取し、酢酸塩緩衝液(pH=5.5)120mL中に入れ、室温下で1時間撹拌してから、80℃に加熱し、4時間反応させた後、重合させて染料溶液を得た。得られた染料溶液のUV−VIS吸収スペクトルを図4に示す。
実施例9
ゲニピン0.12g(0.5mmol)とアスパラギン酸0.21g(1.5mmol)とを秤取し、リン酸塩緩衝液(pH=6.5)120mL中に入れ、室温下で1時間撹拌してから、80℃に加熱し、4時間反応させた後、重合させて染料溶液を得た。
綿布(綿100%/20番手/1ヤード当たりの重さ(weight per yard)320g、家豐興業有限公司より購入)を上記実施例1〜9で得られた染料溶液中に入れた後、80℃に加熱して1時間染色した。染色結果が下記の表2に示されている。
Figure 0006510608
表2に示されるように、特定のアミノ酸をゲニピンと反応させて得られる反応生成物を重合して得られた染料は、染色後の綿布の色濃度(color depth)において十分なものであった。図1〜4を参照すれば明らかなように、染料溶液の色が比較的濃い(吸光度がより高い)からといって、染色後の綿布の色がより濃くなるとは限らないことがわかる。染色された綿布の色濃度(color depth)は、主に染料の綿布繊維に対する固着の強度に依存すると考えられる。
実施例10
綿布(綿100%/20番手/1ヤード当たりの重さ(weight per yard)320g、家豐興業有限公司より購入)を、有機酸(任意には触媒が添加されていてもよい)を下記の表3に示される組成で含む水溶液中に入れ、その後取り出して、加圧乾燥した。次いで、処理後の綿布を上記した有機酸を含む水溶液中に再度浸漬し、その後取り出して加圧乾燥した。綿布を90℃で3分予備加熱乾燥してから、150℃での乾燥を5分間行った。最後に水で綿布を洗浄してから加熱乾燥して得られた綿布を酸処理後の綿布とした。
ゲニピン0.12g(0.5mmol)とアルギニン(arginine)0.26g(1.5mmol)とを秤取し、リン酸塩緩衝液(pH=6.5)120mL中に入れ、室温下で1時間撹拌してから、80℃に加熱し、4時間反応させた後、重合させて染料溶液を得た。酸処理後の綿布を得られた染料溶液に入れてから80℃に加熱し、1時間染色した。次いで、中性ソープ(Neutral soap)で染色後の綿布を洗浄(ソーピング)した後、洗浄後の染色された綿布の色濃度(color depth)を観察した。結果が表3に示されている。
Figure 0006510608
表3に示されるように、適量の有機多塩基酸で(触媒と組み合わせて、または、触媒の非存在下で)綿布を処理することによって、染料によって染色された綿布における色濃度(color depth)をさらに高めることができることがわかる。
実施例11
綿布を下記の表4に示される、例えばクエン酸、キトサン、大豆タンパクなどの促染剤を含む水溶液中に入れ、その後取り出して加圧乾燥した(第1回目の処理)。任意には、処理後の綿布が、再度、他の促染剤を含む水溶液に浸漬されて、その後取り出されて加圧乾燥されてもよい(第2回目の処理)。次いで、綿布を90℃で3分予備加熱乾燥してから、150℃での乾燥を5分間行った。最後に、綿布を水で洗浄した後、加熱乾燥して得られた綿布を促染剤処理後の綿布とした。促染剤を含む水溶液の組成が下記の表4に示されている。
ゲニピン0.12g(0.5mmol)とアルギニン(arginine)0.26g(1.5mmol)とを秤取し、リン酸塩緩衝液(pH=6.5)120mL中に入れ、室温下で1時間撹拌してから、80℃に加熱し、4時間反応させた後、重合させて染料溶液を得た。上記の促染剤処理後の綿布をこの染料溶液に入れてから80℃に加熱し、1時間染色した。次いで、中性ソープ(Neutral soap)で染色後の綿布を洗浄(ソーピング)した後、洗浄後の染色された綿布の色濃度(color depth)を観察した。結果が表4に示されている。
Figure 0006510608
表4に示されるように、促染剤として、クエン酸のような有機酸を用いた処理は、処理された綿布の本実施形態の染料による染色において、促染剤として、大豆タンパクまたはキトサンのみを用いた処理よりも優れた効果を示している。
比較例1
ゲニピン0.12g(0.5mmol)とアスパラギン(asparagine)0.198g(1.5mmol)とを秤取し、リン酸塩緩衝液(pH=6.5)120mL中に入れ、室温下で1時間撹拌してから、80℃に加熱し、4時間反応させた後、重合させて染料溶液を得た。綿布をこの染料溶液に入れてから80℃に加熱し、1時間染色した。染色後の綿布の色濃度(color depth)は低かった(0.1k/s)。
ゲニピン0.12g(0.5mmol)とグリシン(Glycine)0.112g(1.5mmol)とを秤取し、リン酸塩緩衝液(pH=6.5)120mL中に入れ、室温下で1時間撹拌してから、80℃に加熱し、4時間反応させた後、重合させて染料溶液を得た。綿布をこの染料溶液に入れてから80℃に加熱し、1時間染色した。染色後の綿布の色濃度(color depth)は低かった(0.23k/s)。
比較例1の結果から、全てのアミノ酸をゲニピンと反応、重合させた後の染料がいずれも綿布を染色するのに適しているわけではない。
比較例2
綿布を市販のクチナシ青染料(嘉品生技公司より購入)溶液中に入れた後、80℃に加熱し、1時間染色した。染色後の綿布の色濃度(color depth)は低かった(0.25k/s)。
綿布を、実施例11と同様に促染剤を用いて処理し、促染剤処理後の綿布を得た。促染剤を含む水溶液の組成は下記の表5に示されている。促染剤処理後の綿布を市販のクチナシ青染料(嘉品生技公司より購入)溶液に入れた後、80℃に加熱して、1時間染色した。次いで、中性ソープ(Neutral soap)で染色後の綿布を洗浄(ソーピング)した後、洗浄後の染色された綿布の色濃度(color depth)を観察した。結果が表5に示されている。
Figure 0006510608
表5に示されるように、促染剤で先ず綿布を処理してから染色を行っても、市販のクチナシ青色素を用いた場合の染色効果は依然として良好ではなかった。
好ましい実施形態により本発明を開示したが、これらは本発明を限定することを意図するものではなく、当業者であれば、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、いくつかの変更および修飾が加えられ得ることを理解するであろう。したがって、本発明の保護範囲は、後述の特許請求の範囲で定められたものを基準とすべきである。

Claims (8)

  1. 二塩基酸、三塩基酸、四塩基酸、またはこれらの組み合わせを含む有機酸でセルロース繊維である繊維を酸化処理する工程と、
    酸化処理した繊維に
    (a)ヒスチジン(histidine)、リジン(lysine)、アルギニン(arginine)、トリプトファン(tryptophan)、グルタミン(glutamine)、ロイシン(leucine)、チロシン(tyrosine)、またはこれらの組み合わせと、
    (b)イリドイド(iridoid)と
    の反応生成物の重合体を含む染料を固着させる工程を含む、繊維の染色方法。
  2. 前記酸化処理の温度が100℃〜200℃のあいだであり、かつ、処理時間が1分〜15分のあいだである、請求項1に記載の繊維の染色方法。
  3. 前記有機酸で前記繊維を酸化処理する前記工程において、触媒が添加され、かつ、前記触媒が、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の繊維の染色方法。
  4. 前記染料が緩衝液中に分散されている、請求項1に記載の繊維の染色方法。
  5. 前記緩衝液のpHが3〜12のあいだである、請求項に記載の繊維の染色方法。
  6. 前記イリドイドが、ゲニピン(genipin)またはゲニピン酸(genipin acid)である、請求項1に記載の繊維の染色方法
  7. (a)ヒスチジン(histidine)、リジン(lysine)、アルギニン(arginine)、トリプトファン(tryptophan)、グルタミン(glutamine)、ロイシン(leucine)、チロシン(tyrosine)、またはこれらの組み合わせと、(b)イリドイド(iridoid)との、出発物質としてのモル比が、0.5:1〜30:1のあいだである、請求項1またはに記載の繊維の染色方法
  8. (a)ヒスチジン(histidine)、リジン(lysine)、アルギニン(arginine)、トリプトファン(tryptophan)、グルタミン(glutamine)、ロイシン(leucine)、チロシン(tyrosine)、またはこれらの組み合わせと、(b)イリドイド(iridoid)との、出発物質としてのモル比が、1:1〜15:1のあいだである、請求項に記載の繊維の染色方法
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