JP6510429B2 - スライド摩擦式ナノ発電機および発電方法 - Google Patents

スライド摩擦式ナノ発電機および発電方法 Download PDF

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Description

本発明は、発電機及び発電方法に関し、特に、外力を加える時の力学的エネルギーを電気的エネルギーに変換するスライド摩擦式ナノ発電機及び該発電機の発電方法に関する。
近年、マイクロ電子技術及び材料技術が高速に発展し、複数の機能を有するとともに高度に集積化された新しいマイクロ電子機器が、多く開発され、人間の生活の各分野で広く使用されている。しかし、これらのマイクロ電子機器に合う電源システムの研究は、相対的に遅れている。一般的に、これらのマイクロ電子機器は、電池から直接又は間接に給電されている。電池は、体積が大きくて重いだけでなく、含有する有毒の化学物質は、環境及び人体に対する潜在的な危害である。そのため、動きや振動などの自然に存在する力学的エネルギーを電気的エネルギーに変換する技術の開発は、非常に重要である。
しかしながら、今、上記のように力学的エネルギーを電気的エネルギーに効果的に変換する発電機の全ては、電磁誘導によるもので、水車や蒸気タービン、ディーゼルエンジン又は他の機械的エネルギーによって駆動され、水流や気流、燃料の燃焼又は原子核分裂によるエネルギーを力学的エネルギーに変換して発電機へ伝送し、発電機はそれを電気的エネルギーに変換して使用する。これらの発電機は、相対的に集中した、高強度のエネルギーの入力を必要とし、人間の活動によって発生する運動エネルギー及び自然に存在する強度の小さい運動エネルギーについては、効果的に電気的エネルギーに変換することができない。そして、伝統的な発電機は、体積が大きく、構造が複雑であるため、マイクロ電子機器の給電素子として使用することが不可能である。
従来技術における上記問題に鑑み、本発明は、摩擦式ナノ発電機に加えられる接線方向の外力の力学的エネルギーを電気的エネルギーに変換することができるスライド摩擦式ナノ発電機を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は、摩擦式ナノ発電機であって、
摩擦層と、
前記摩擦層の下方に接触するように配置される導電素子と、
導電層と、を備え、
前記摩擦層の上面は、前記導電層の下面に対向するように配置され、
前記摩擦層の上面と前記導電層の下面は、外力が作用するとき、相対的なスライドを発生し、接触面に接するスライド摩擦を発生するとともに、摩擦する面積がスライド過程で変化し、前記導電素子及び導電層によって電気信号を外部回路に出力する。
好ましくは、前記摩擦層の上面の材料と前記導電層の下面の材料は、帯電列において差異がある。
好ましくは、前記摩擦層の上面と前記導電層の下面は、接触するように配置される。
好ましくは、外力が作用しない場合、前記摩擦層の上面と前記導電層の下面は離間されており、外力が作用する場合、前記摩擦層の上面と前記導電層の下面は接触して、接触面に接する相対的なスライド摩擦を発生する。
好ましくは、前記摩擦層は、絶縁材料又は半導体材料からなる。
好ましくは、前記絶縁材料は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリイミド、ポリジフェニルプロパンカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アニリンホルムアルデヒド樹脂、ポリホルムアルデヒド、エチルセルロース、ポリアミド、メラミンホルムアルデヒド、ポリエチレングリコールスクシナート、セルロース、セルロースアセテート、ポリエチレングリコールアジペート、ポリフタル酸ジアリル、再生繊維スポンジ、ポリウレタンエラストマー、スチレンプロピレンコーポリマー、スチレンブタジエンコーポリマー、人造繊維、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリイソプチレン、ポリウレタンフレキシブルスポンジ、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂、クロロプレンゴム、ブタジエンプロピレンコーポリマー、天然ゴム、ポリアクリロニトリル、ポリ(塩化ビニリデン−co−アクリルニトリル)、ポリエチレンビスフェノールカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、液晶高分子ポリマー、ポリクロロプレン、ポリアクリロニトリル、ポリジフェノールカーボネート、塩化ポリエーテル、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル及びパリレンから選択される。
好ましくは、前記絶縁材料は、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリジフェニルプロパンカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリジメチルシロキサン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン及びパリレンから選択される。
好ましくは、前記半導体材料は、ケイ素、ゲルマニウム、第III及び第V族化合物、第II及び第VI族化合物、III−V族化合物とII−VI族化合物からなる固溶体、非晶質のガラス半導体及び有機半導体という非ドープ材料から選択される。
好ましくは、前記第III及び第V族化合物は、ヒ化ガリウム及びリン化ガリウムから選択され、前記第II及び第VI族化合物は、硫化クロム及び硫化亜鉛から選択され、前記III−V族化合物及びII−VI族化合物からなる固溶体は、ガリウム−アルミニウム−ヒ素及びガリウム−ヒ素−リンから選択される。
好ましくは、前記摩擦層は、非導電酸化物、半導体酸化物又は複雑な酸化物であり、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マンガン、酸化クロム、酸化鉄、酸化チタン、酸化銅、酸化亜鉛、BiO及びYを含む。
好ましくは、前記摩擦層の上面及び/又は前記導電層の下面には、ミクロン又はサブミクロンレベルの微小構造が配列される。
好ましくは、前記微小構造は、ナノワイヤ、ナノチューブ、ナノ粒子、ナノ溝、ミクロン溝、ナノコーン、ミクロンコーン、ナノボール及びミクロンボールの構造から選択される。
好ましくは、前記摩擦層の上面及び/又は前記導電層の下面に、ナノ材料の修飾又は塗布層がある。
好ましくは、前記摩擦層の上面及び/又は前記導電層の下面は、化学的変性によって、前記摩擦層の上面の材料に、電子を取り込みやすい官能基を導入し、及び/又は、前記導電層の下面の材料に、電子が奪われやすい官能基を導入する。
好ましくは、前記電子が奪われやすい官能基は、アミノ基、ハイドロキシ、アルコキシル基を含む。
好ましくは、前記電子を取り込みやすい官能基は、アシル基、カルボキシル基、ニトロ基、スルホン酸基を含む。
好ましくは、前記摩擦層の上面及び/又は前記導電層の下面は、化学的変性によって、前記摩擦層の上面の材料に負の電荷を導入し、及び/又は、前記導電層の下面の材料に正の電荷を導入する。
好ましくは、前記化学的変性は、化学結合で荷電基を導入することによって実現される。
好ましくは、前記導電層は、金属及び導電酸化物から選択される導電材料で構成される。
好ましくは、前記金属は、金、銀、白金、アルミニウム、ニッケル、銅、チタン、クロム又はセレン、及びこれらの金属からなる合金から選択される。
好ましくは、前記導電素子は、金属及び導電酸化物から選択される。
好ましくは、前記導電素子は、金、銀、白金、アルミニウム、ニッケル、銅、チタン、クロム又はセレン、及びこれらの金属からなる合金から選択される。
好ましくは、前記導電素子、摩擦層及び/又は導電層は、薄膜である。
好ましくは、前記摩擦層、導電層及び/又は導電素子は、硬質のものである。
好ましくは、前記摩擦層、導電層及び/又は導電素子は、軟質のものである。
好ましくは、前記導電素子は、摩擦層の下面に固定される。
好ましくは、前記導電素子は、堆積によって、前記摩擦層の下面に形成される。
好ましくは、前記導電素子と摩擦層のサイズ及び形状は、同じである。
好ましくは、前記導電素子、摩擦層及び導電層は、平面構造である。
好ましくは、前記導電素子及び摩擦層は、曲面構造であり、及び/又は、前記導電層は、曲面構造である。
本発明は、上記のいずれかの発電機を使用する発電方法であって、
(1)前記摩擦層を準備するステップと、
(2)前記摩擦層の下方に接触するように配置される前記導電素子を形成するステップと、
(3)前記導電層を準備するステップと、
(4)前記摩擦層の上面と前記導電層の下面とを接触させるステップと、
(5)前記導電素子及び前記導電層と外部回路を電気的に接続するステップと、
(6)外力を加えることで、前記摩擦層と前記導電層との間に相対的なスライドを発生させて、接触面に接する相対的なスライド摩擦を発生させ、スライド過程において、相対的なスライドの距離を制御することで、前記摩擦層と前記導電層とを接触面の方向に沿って位置ずれさせて、スライド摩擦する面積を変化させるステップと、
(7)前記導電素子及び前記導電層によって、電気信号を外部回路に出力するステップと、を含む。
好ましくは、ステップ(4)において、前記摩擦層の上面と前記導電層の下面は、完全に接触する。
好ましくは、ステップ(6)において、方向が周期的に反転又は大きさが周期的に変換する持続的外力を加える。
本発明のスライド摩擦式ナノ発電機は、周期的な接線方向の外力が作用されると、導電素子と導電層との間に交流パルス信号が形成されその信号を出力することができる。従来技術に比べて、本発明のスライド摩擦式ナノ発電機及び当該発電機によって発電する方法は、以下の利点を有する。
1、原理及び適用で、新たな突破である。本発明の発電機は、動作過程で、2つの摩擦層間にある隙間を必要せず、2つの摩擦層を完全に接触させたり離間させたりする装置に比べて、その発電原理が異なるため、新しい設計構想を提供することができる。そして、隙間なしの設計は、弾性距離を保持するための部品の実装を省略することができるため、パッケージ技術にも便利を持たせ、より広い分野に適用することができる。
2、エネルギーを効率的に利用する。本発明の発電機は、大規模で高強度のエネルギーを入力する必要がなく、摩擦層と導電層間の相対的なスライドを駆動可能な力学的エネルギーを入力すればよい。そのため、自然や人間の日常生活によって発生された多様な強度を有する力学的エネルギーを収集して電気的エネルギーに変換することで、エネルギーの効率的な利用を実現することができる。
3、構造が簡単で、携帯が便利になり、互換性が高い。本発明の発電機は、磁石やコイル、回転子などの部品を必要しないため、構造が簡単で、体積が小さくて、製作が便利で、コストも低い。そのため、摩擦層と導電層とを相対的にスライドさせる各種の機器に実装することができる。そして、特定の動作環境を必要しないため、互換性が高い。なお、本発明の発電機は、電子が奪われやすい摩擦層と導電層の協同で、発電機の動作要求を満たすと共に、構造を簡単化し、コストを低減することができるため、実際の生産での普及および適応に非常に有利である。
4、用途が広い。発電機における摩擦層の上面と導電層の下面に対して物理的変化又は化学的変性を行うことで、ナノ構造のパターンの導入又はナノ材料の塗布などを実現している。そのため、摩擦式ナノ発電機が接線方向の外力の作用で2つの摩擦層を接触させて相対的にスライドさせる時に発生する接触電荷密度を更に向上させ、発電機の出力能力を向上させることができる。このため、本発明の発電機は、小型の電力源になるとともに、高出力の発電に適用されることができる。
添付される図面によって、本発明の上述の目的及びその他の目的、特徴並びに利点は、より明らかになろう。図面において、同じ符号は、同じ部分を示す。実際のサイズに基づいて等比例的に拡大または縮小したものではなく、本発明の主旨を示すのにその目的がある。
図1は、本発明の摩擦式ナノ発電機の典型的な構造を示す模式図である。 図2は、本発明の摩擦式ナノ発電機の発電原理を示す断面模式図である。 図3は、本発明の摩擦式ナノ発電機の他の典型的な構造を示す模式図である。 図4は、本発明の摩擦式ナノ発電機のまた他の典型的な構造を示す模式図である。 図5は、本発明の実施例による摩擦式ナノ発電機において、相対平均スライド速度が0.6m/秒である場合における短絡電流を示す出力図である。 図6は、本発明の実施例による摩擦式ナノ発電機において、相対平均スライド速度が0.6m/秒である場合におけるフルブリッジ整流器を通る電流の出力図である。
以下、本発明の図面を参照しながら、本発明の実施例を明らかに説明する。もちろん、説明する実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、進歩性に値する労働なしに取得した全ての実施例も、本発明の保護範囲に含まれる。
なお、本発明に関して、模式図を参照しながら詳細に説明するが、本発明の実施例を詳細に説明するとき、前記模式図は説明の便宜上の例示に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。
本発明は、動きや振動などの自然に存在する力学的エネルギーを電気的エネルギーに変換する、構造が簡単な摩擦式ナノ発電機を提供し、マイクロ電子機器へ適合する電源を供給することができる。本発明の摩擦式ナノ発電機は、帯電列において極性に大きな差異のある材料同士が接触するときに発生する表面電荷の移動を利用して、外力の力学的エネルギーを電気エネルギーに変換する。
本発明に記載の「帯電列」とは、材料の電荷に対する吸引の程度に応じて並べた序列であり、2種類の材料が互いに摩擦する瞬間、摩擦する面において、負電荷が、帯電列における極性が比較的に正になる材料の表面から、帯電列における極性が比較的に負になる材料の表面に移動することを意味する。今まで、まだ電荷の移動の仕組みを完全に解釈できる統一の理論がなかった。一般的に、このような電荷の移動は、材料の表面の仕事関数に係り、電子またはイオンの接触面での移動により電荷の移動を実現する。帯電列は、経験に基づいて統計した結果で、2種類の材料がこの列において遠く離れるほど、接触するときに発生する電荷の正負性が当該列と一致する確率が大きくなる。そして、実際の結果は、材料表面の粗さ、環境の湿度及び相対摩擦の有無などの複数の要因に影響される。なお、電荷の移動は、2種類の材料間の相対摩擦を必要せず、互いに接触すればよい。
本発明に記載の「接触電荷」とは、帯電列において極性に差異がある2種類の材料が接触摩擦して離間した後その表面が有する電荷を意味する。一般的に、このような電荷は、材料の表面のみに分布され、分布の最大の深さは、約10nmである。接触電荷の符号は、正味電荷(net charge)の符号である。即ち、正の接触電荷を持つ材料の表面の一部の領域には、負電荷の集まり領域がある可能性があるが、表面の正味電荷全体の符号は、正である。
図1は、本発明の摩擦式ナノ発電機の典型な構造を示すが、摩擦層10と、摩擦層10の下面に接触するように配置されている導電素子11と、導電層20と、を含む。摩擦層10の上面は、導電層20の下面と接触する。外力の作用で、摩擦層10と導電層20との接触面が相対的に滑ると共に、接触する面積が変化することで、電気信号は、導電素子11及び導電層20によって外部回路に出力される。
説明の便宜上、以下、図1の典型的な構造を参照しながら本発明の原理、各部品を選択するルール及び材料の範囲を説明するが、これらの内容は、図1に示す実施例に限定されることではなく、本発明に開示される全ての技術案に適用されることができる。
図2を参照しながら、本発明の摩擦式ナノ発電機の動作原理及び発電方法を説明する。外力の作用で、摩擦層10の上面と導電層20の下面が相対的にスライドされて摩擦が発生された場合、摩擦層10の上面の材料と導電層20の下面の材料が帯電列において差異があるため、電子は、導電層20から、接触面である摩擦層10の上面へ直接に移動し、摩擦層10の表面に属される(図2(a)を参照)。位置ずれにより摩擦層10及び導電層20に残された表面電荷の形成する電界を防ぐために、導電素子11の自由電子を、外部回路を介して導電層20に流させる。これにより、外部電流が発生する(図2(b)を参照)。外力を逆方向に沿って加える場合、摩擦層10または導電層20の相対的なスライドの位置ずれが消失し、2つの導電素子は、元の状態に戻ることになる。すると、導電層20における電子が、導電元件10に流れ、逆方向の外部電流が発生する。このような動作を繰り返して、交流パルス電流を形成する。
摩擦帯電の現象は、公知であり、摩擦帯電の材料の種類も公知であるが、今まで把握されたことは、摩擦により静電気が発生することである。しかしながら、本発明は、初めて、スライド摩擦によって発電し、それを製品化することを提出した。上記のように、本発明に開示された動作原理によって、当業者は、スライド摩擦式ナノ発電機の動作形態を明らかに認識することができ、各部品に対する材料の選択ルールも把握することができる。以下、本発明の全ての技術案に適する各部品を構成する材料の選択可能な範囲を提供する。これにより、実際の適用において、必要に応じて選択を行い、発電機の出力性能を調整する目的を達成することができる。
本実施例において、摩擦層10と導電層20は、接触するように配置され、外力の有無によらず、常に面接触を保持する。これは、本発明の発電機の一番典型的な構造で、摩擦層10と導電層20のサイズ及び相対変位量を制御することによって、相対的なスライド摩擦の過程における摩擦する面積の変化を容易に実現することができる。
ところで、本発明は、摩擦層10と導電層20が常に面接触を保持することを限定することではなく、外力を作用する場合、両者が接触して接触面に接する相対的なスライド摩擦を発生し、外力を作用しない場合、摩擦層10と導電層20が完全に離間しているように構成されても構わない。このような構成は、断続的な発電を必要する状況を満たすことができる。そして、摩擦過程は、接触摩擦でもよいし、スライド摩擦でもよい。この目的を実現する技術手段は、いろいろあるが、本分野における距離を制御する部品、例えば摩擦層10の下面及び導電層20の上面のそれぞれに接続される絶縁バネ等を使用してもよい。使用されるバネは、摩擦層10と導電層20間の相対的なスライドを制限してはいけないことに注意すべきである。また、本実施例は、他の製品と組み合わせて使用する発電機に有利である。つまり、摩擦層10と導電層20を、他の製品の互いに離間されている2つの部品にそれぞれ接続し、当該2つの部品間の断続接触及び相対スライドによって、発電機を動作させ、断続的な発電を実現することができる。
摩擦層10の上面は、絶縁材料からなり、導電層20の下面は、導電材料からなるが、両者は異なる摩擦帯電の特性を有する。即ち、両者は、帯電列で離れており、摩擦層10の上面と導電層20の下面が摩擦を発生する過程で、表面に接触電荷を発生することができる。普通の絶縁材料は、全て摩擦帯電の特性を有し、導体と摩擦した場合その表面に負の表面電荷が発生される。そのため、このような絶縁材料を本発明の摩擦層10の上面を構成する材料として使用することができる。ここでは、ポリテトラフルオロエチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリイミド、ポリジフェニルプロパンカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アニリンホルムアルデヒド樹脂、ポリホルムアルデヒド、エチルセルロース、ポリアミド、メラミンホルムアルデヒド、ポリエチレングリコールスクシナート、セルロース、セルロースアセテート、ポリエチレングリコールアジペート、ポリフタル酸ジアリル、再生繊維スポンジ、ポリウレタンエラストマー、スチレンプロピレンコーポリマー、スチレンブタジエンコーポリマー、人造繊維、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリイソプチレン、ポリウレタンフレキシブルスポンジ、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂、クロロプレンゴム、ブタジエンプロピレンコーポリマー、天然ゴム、ポリアクリロニトリル、ポリ(塩化ビニリデン−co−アクリルニトリル)又はポリエチレンビスフェノールカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート又は液晶高分子ポリマー、ポリクロロプレン、ポリアクリロニトリル、ポリジフェノールカーボネート、塩化ポリエーテル、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル及びパリレン(パリレンC、パリレンN、パリレンD、パリレンHT又はパリレンAF4を含む)の材料を例示する。紙幅の関係で、使用可能な全ての材料を例示することができないため、ここでは、参照として、いくつかの具体的な物質を例示する。もちろん、これらの具体的な材料は、本発明の保護範囲を限定する要素ではない。当業者は、発明の示唆の下で、これらの材料の摩擦帯電の特性に基づいて、類似する他の材料を容易に選択することができるだろう。
半導体材料も摩擦帯電の特性を有するが、帯電列において絶縁体と導体との間に位置し、導体材料と摩擦した場合表面に負の接触電荷を発生することができる。したがって、半導体を、摩擦層10を形成する原料としてもよい。よく使用される半導体は、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウムやリン化ガリウム等のような第III及び第V族化合物、硫化クロムや硫化亜鉛等のような第II及び第VI族化合物、及び、ガリウム−アルミニウム−ヒ素やガリウム−ヒ素−リン等のようなIII−V族化合物及びII−VI族化合物から構成される固溶体を含む。上記した晶質半導体の以外に、非晶質のガラス半導体、有機半導体などもある。例えば、マンガン、クロム、鉄又は銅の酸化物、酸化ケイ素、酸化マンガン、酸化クロム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、BiO、及び、Yのような、非導電性の酸化物、半導体酸化物及び複雑な酸化物も摩擦帯電の特性を有し、摩擦の過程で表面電荷を形成するため、本発明の摩擦層として使用してもよい。
発電機において、導電層20は、摩擦して発電するための表面を提供するとともに、電極としても機能する。導電層20は、表面電荷によって構成された電界がアンバランスになった場合、外部回路を介して電子を伝送することができる。したがって、導電層20は、導電材料からなり、普通の金属から選択すればよい。よく使用される金属としては、金、銀、白金、アルミニウム、ニッケル、銅、チタン、クロム又はセレンがあり、これらの金属の合金も含まれる。もちろん、酸化インジウム・スズITO及びドープ半導体のように導電特性を有する材料を、電子が奪われやすい摩擦層として使用してもよい。
試験を通じて、摩擦層10の材料と導電層20の材料の電子取得能力に差異が大きいほど(即ち、帯電列で遠く離れているほど)、発電機の出力する電気信号が強くなることを発見した。このため、必要に応じて、適合する材料を選択して摩擦層10及び導電層20を形成することで、よりよい出力効果を得ることができる。負の極性を有する帯電列での材料として、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリジフェニルプロパンカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリジメチルシロキサン、ポリクロロトリフルオロエチレン及びポリテトラフルオロエチレン及びパリレン(パリレンC、パリレンN、パリレンD、パリレンHT又はパリレンAF4を含む)から選択することが好ましい。正の極性を有する帯電列での材料として、銅、アルミニウム、金、銀及び鋼から選択することが好ましい。
摩擦層10の上面及び/又は導電層20の下面に対して物理的変化を施して、その表面にミクロン(micron)又はサブミクロン(sub−micron)レベルの微小構造のアレイが配列されるようにして、摩擦層10と導電層20との接触面積を増加させ、接触帯電量を増加させることもできる。具体的な変化方法として、フォトエッチング法、化学エッチング法及びイオンエッチング法などがある。
互いに接触する摩擦層10及び/又は導電層20の表面に対して化学的変性を施して、接触する瞬間の電荷の移動量を更に向上させることもできる。これにより、接触電荷の密度及び発電機の出力パワーを向上させることができる。化学的変性は、以下の2つの方法に分かられる。
1つの方法としては、互いに接触する摩擦層10及び導電層20を構成する材料に対して、極性が正である材料の表面に、電子が奪われやすい官能基(即ち、強い電子供与基)を導入、又は、極性が負である材料の表面に、電子を取り込みやすい官能基(即ち、強い電子求引基)を導入することで、互いにスライドする時の電荷の移動量を向上し、摩擦電荷の密度及び発電機の出力パワーを向上させる方法である。強い電子供与基は、アミノ基、ハイドロキシ、アルコキシル基などを含む。強い電子求引基は、アシル基、カルボキシル基、ニトロ基、スルホン酸基などを含む。官能基の導入は、プラズマの表面変化などの普通の方法を使用することができる。例えば、酸素と窒素の混合ガスを、所定のパワーの下でプラズマを形成させることにより、アミノ基を摩擦層を構成する材料の表面へ導入してもよい。
もう1つの方法としては、極性が正である摩擦層を構成する材料の表面に正の電荷を導入し、極性が負である摩擦層を構成する材料の表面に負の電荷を導入する方法である。具体的には、化学結合によって実現することができる。例えば、PDMS摩擦層の表面に、ゾル・ゲル法(sol−gel)により、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を修飾して負の電荷を帯電させる。金薄膜層上において、金−硫の結合により、表面に臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)が含有される金ナノ粒子を修飾する。臭化セチルトリメチルアンモニウムが陽イオンであるため、摩擦層全体は正に帯電する。当業者は、摩擦層の材料が電子を取り込む性質及び電子が奪われる性質並びに表面化学結合の種類に基づいて、適合する修飾材料を選択し結合させて、本発明の目的を達成することができる。したがって、このような変形も本発明の保護範囲内に属する。
本発明において、摩擦層10及び導電層20が必ず硬質材料で構成されることを限定することではなく、軟質材料で構成されてもよい。材料の硬度は、両者間のスライド摩擦の効果を影響しないからである。当業者は、必要に応じて選択することができる。摩擦層10及び導電層20の厚さは、本発明の実施に対して顕著な影響がない。本発明において、両者が薄膜であることが好ましく、その厚さは、50nm〜5mmで、100nm〜2mmであることが好ましく、1μm〜800μmであることがより好ましい。これらの厚さの範囲は、本発明の全ての技術案に適合する。
導電素子11は、発電機の電極として、導電可能な特性を有すればよい。金属、酸化インジウム・スズ、又は、ドープ半導体から選択することができる。そして、平板、薄片又は薄膜である可能性がある。厚さの選択可能な範囲は10nm〜5mmで、50nm〜1mmであることが好ましく、100nm〜500μmであることがより好ましい。よく使用される金属は、金、銀、白金、アルミニウム、ニッケル、銅、チタン、クロム又はセレン及びこれらの金属からなる合金を含み、金属薄膜が好ましい。例えば、アルミニウム膜、金膜、銅膜などである。電極層は、摩擦層の表面とぴったり接触することで、電荷の伝送効率を保証することが好ましい。導電材料を堆積によって摩擦層の表面に成膜させることが好ましい。具体的な堆積方法としては、電子ビーム蒸着、プラズマスパッタリング、マグネトロンスパッタリング又は蒸着がある。
導電素子11及び導電層20と外部回路との接続は、導線又は金属薄膜によって外部回路との接続を実現することができる。
本発電機の機械的強度を保証するために、導電素子の下面及び/又は導電層の上面に支持層を接触するように設置することができる。例えば、プラスチック板やケイ素シート等のような絶縁材料や半導体材料が好ましい。
本発明は、摩擦層、導電層及び導電素子を硬質材料に限定することではなく、軟質材料を使用してもよい。材料の硬度は、スライド摩擦及び電気信号の出力の効果を影響しないからである。そして、軟質材料で形成される発電機は、柔軟で軽薄な摩擦層が弱い外力に作用されても変形可能である利点を有する。このような変形は、摩擦する2つ層の相対変位を起きることで、スライド摩擦に応じて電気信号を外部に出力する。軟質材料を使用することで、本発明のナノ発電機を、生物及び医学の分野まで広く適用することができる。実際の使用において、柔軟で弾性を有する超薄型の高分子材料、或いは透明でもよい高分子材料を、ベースとして、便利に使用するように封止することで、強度を向上させることもできる。もちろん、本発明に開示された構造全体を、柔軟で弾性を有する材料で構成することで、軟質のナノ発電機を形成することができる。これを基づいて変更した各変更設計が、全て本願の保護範囲に含まれることは言うまでもない。
本発明は、導電素子、摩擦層及び導電層を平面構造に限定することではない。曲面構造も、同様に相対的なスライド摩擦を実現することができる。但し、摩擦層と導電素子は、両者間の緊密な接触を保証するため、共に平面構造又は曲面構造であるべきである。これを前提として、状況に応じて、導電素子及び摩擦層を曲面構造にし、導電層を平面構造又は曲面構造にすることができる。もちろん、逆に、導電層を曲面構造にし、導電素子及び摩擦層を曲面構造又は平面構造にすることもできる。
図3は、本発明の摩擦層と導電層を一部だけ接触させることを示す典型的な実施例である。本実施例の主な部分は、図1に示す実施例と同じである。ここでは、両者の区別のみに対して説明する。図3に示す実施例において、摩擦層10の上面は相対的に小さく、この上面と導電層20の下面はいずれも平坦でない構成を有している。両者が接触すると、相対的に滑る過程において、接触する面積が変化し、これによって電気信号を外部へ出力する目的を実現する。この実施例は、摩擦層10の上面が小さすぎる場合や、摩擦層10と導電層20の位置が相対的に変化可能な程度が小さい場合、外力の大きさ又は摩擦層の移動可能な空間が、発電機の適宜な電気信号の出力に不十分である場合に、平坦でない表面を設置することで、摩擦層10と導電層20の接触面積、及び電気信号の発生に必要な有効な相対変位を効果的に制御することができる。当業者は、導電層20の表面積が小さい場合に本実施例の構成によって本発明の目的を実現し、且つ表面が平坦でないパターンを設置することも実際な状況に応じて選択可能であることを予測することができるだろう。そのため、このような変更も本発明の保護範囲に属する。
図4は、本発明の摩擦層の表面に微小構造を設置したことを示す典型的な実施例である。本実施例の主な部分は、図1に示す実施例と同じである。ここでは、両者の区別のみに対して説明する。図4に示す実施例は、摩擦層10の上面及び導電層20の下面のそれぞれに、ミクロンレベルの線形構造12及び22を設置している。摩擦層10と導電層20の接触において、それらの表面の微小構造が互いに挿入されたり重なったりするため、接触摩擦の面積が大きく増加され、発電機の出力性能を効果的に向上させることができる。微小構造の具体的な形態について、当業者は、製作条件や必要に応じて慣用の棒状、線状又は花状などの形状を選択することができる。微小構造を、摩擦層10と導電層20の表面両方に設置するときの効果が一番良いが、いずれかの表面のみに設置しても類似する効果を奏することができる。
本発明は、発電方法を更に提供し、具体的には、上記したスライド摩擦式ナノ発電機によって発電し、以下のステップを含む。
(1)まず、上記したルールに基づいて材料を選択して、サイズ及び形状の適宜な摩擦層を形成する。
(2)摩擦層10の下面に、それと接触するように配置される導電素子11を形成し、固定配置することが好ましい。例えば、堆積の方法によって、導電素子11を摩擦層10の下面に直接に固定する。
(3)上記したルールに基づいて適宜な材料を選択して、サイズ及び形状の適宜な導電層を形成する。
(4)導電層20の下面と摩擦層10の上面を接触するように配置して、両者間でスライド摩擦を形成するようにする。このステップは、本発明の発電方法が実現する前提であり、接触/離間式のナノ発電機の発電方式と区別されるポイントである。接触/離間式の発電機は、動作過程において、2つのフィルム層間に距離の変化可能な隙間が存在しなければならず、両者は接触−離間という動作を繰り返せばこそ電気信号を発生することができる。これに対し、本発明の発電方法は、導電層20と摩擦層10の間に隙間を形成する必要がなく、電気信号の発生中に、導電層20と摩擦層10は常に接触されている。初期状態で、摩擦層10の上面と導電層20の下面を、形状及びサイズが同じようにして完全に接触させることで、摩擦する面積を最大にすることが好ましい。そして、後段の発電過程において、外力を作用するだけで、摩擦する面積を変化させ、電気信号を発生して外部に出力することができる。
(5)導電素子11及び導電層20を外部回路に電気的に接続する。このステップは、発電機から発生された電気的エネルギーを外部に出力する必要な条件である。電気的な接続を実現する方法は、いろいろあるが、例えば、普通の導線による接続でもよいし、薄層による接続でもよい。具体的には、必要に応じて選択すればよい。
(6)発電機に外力を加え、摩擦層10と導電層20の間に相対的なスライドを形成させ、接触面に接する相対的なスライド摩擦を発生すると共に、スライドしている途中に、摩擦層10及び導電層20を接触面の方向に沿って位置ずれさせてスライド摩擦する面積が変化するように、相対的なスライドの距離を制御する。このステップは、本発明の発電方法で最も重要なステップである。摩擦層10と導電層20の間に、相対的なスライド摩擦があるとともに、摩擦する面積が変化するように確保しなければならない。これにより、電気信号を外部回路へ出力することができる。好ましくは、導電層20の下面及び摩擦層10の上面が接触面の方向に沿って制限なしに自由にスライドするようにする。これにより、外力に対する応答感度を向上する。本発明の発電方法は、方向が周期的に反転又は大きさが周期的に変化する持続的外力を採用することが好ましい。これにより、持続に、交流パルス電気信号を外部回路に出力することができる。
方向が周期的に反転する持続的外力について、その周期は、相対的にスライド摩擦する面積の変化に対応してもよい。即ち、相対的にスライド摩擦する面積が、最大から最小まで又は最小から最大まで変化する時間を1つの周期とすることができる。これにより、外力の作用中にパルス電気信号が常に発生することを保証し、外力の方向が変化しないことにより摩擦層10と導電層20が接触もしなく摩擦もしなくなってしまう状況を防止することができる。
大きさが周期的に変化する持続的外力について、外力がなくなった場合摩擦層10と導電層20が自動に元の状態に戻れる状況に適用することが好ましい。例えば、初期状態で、摩擦層10の上面と導電層20の下面が完全に接触し、導電層20の一端に絶縁バネが接続されて、摩擦層10とその下面の導電素子11との位置が固定されている。すると、導電層20の他端に外力を加えると、絶縁バネが引き伸ばされ、導電層20と摩擦層10間の接触摩擦の面積が小さくなっていく。そして、接触摩擦の面積が最小になると、外力を減少して、導電層20が絶縁バネによって初期位置に戻るようにする。すると、導電層20と摩擦層10はまた完全に接触することになる。このような過程を1つの周期として、この過程を繰り返すと、パルス電気信号を持続に外部回路に伝送することができる。
<実施例1>
導電素子は、厚さ100nmである銅フィルム層を使用し、摩擦層は、厚さ25μmであるテフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン)フィルムを使用し、導電層は、厚さ100nmであるアルミニウムフィルム層を使用するが、これらのフィルム層のマクロサイズは5cm×7cmである。テフロンフィルムとアルミニウムフィルムは、完全に重なって接触するように配置され、上記の摩擦式ナノ発電機のアルミニウムフィルム層及び銅フィルム層によって銅線を引き出した後、平均速度が0.6m/秒である相対的なスライドの下で、摩擦式ナノ発電機から発生される短絡電流の出力は、図5に示されている。摩擦式ナノ発電機の出力端とフルブリッジ整流器を接続し、摩擦式ナノ発電機から発生する交流電流の出力を直流電流の出力に変化して得た電流出力は、図6に示されている。これによれば、本発明の発電機は、周期的な力学的エネルギーの入力を電気信号の出力に変換することができる。
帯電列において、ポリテトラフルオロエチレンは非常に負の極性を有し、アルミニウムは正の極性を有するため、本実施例の材料の組み合わせは、摩擦式ナノ発電機の出力を向上することに有利である。実際には、摩擦する層を構成する材料として、全て絶縁体を使用してもよい。
<実施例2>
本実施例は、実施例1を元に、ポリテトラフルオロエチレンフィルムを変化しただけで、他の構成は実施例1と同様であるため、詳細な説明を省略する。ポリテトラフルオロエチレンフィルムの表面に、インダクタンス結合プラズマエッチング方法によって、ナノワイヤのアレイを形成する。まず、ポリテトラフルオロエチレンの表面に、スパッタリング装置によって約10nm厚さの金を堆積した後、ポリテトラフルオロエチレンフィルムをインダクタンス結合プラズマエッチング装置に入れて、金が堆積された面をエッチングし、流量をそれぞれ10sccm、15sccm及び30sccmに、単位の圧力強さを15mTorrに、動作温度を55°Cに制御したO、Ar及びCFのガスを導入して、400Wのパワーでプラズマを発生し、100Wのパワーでプラズマを加速する。このように、約5分間のエッチングを行った結果、絶縁フィルム層にほぼ垂直し長さが約1.5μmである高分子ポリテトラフルオロエチレンのナノ棒のアレイを取得する。
本発明の摩擦式ナノ発電機は、平行運動の運動エネルギーによって電気的エネルギーを発生することができるため、小型の電子機器に、電池などの給電なしに電源を提供することができ、便利に使用可能な発電機である。なお、本発明の摩擦式ナノ発電機の製造方法は、簡単で、コストが安価であるため、広く適用される摩擦式ナノ発電機及び発電機群を提供することができる。
以上の記載は、本発明の最適な実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記に開示された方法及び技術内容に基づいて、本発明に対していろいろな変更及び改進を行ってもよいし、同等に変化された等価実施例に変更してもよいことを理解できるだろう。したがって、本発明の主旨を逸脱しない限り、本発明の思想に基づいて以上の実施例に施した簡単な修正、等価変更及び改進は、全て本発明の技術案の保護する範囲内に属する。

Claims (10)

  1. 摩擦層と、
    前記摩擦層の下方に接触するように配置される導電素子と、
    導電層と、を備え、
    前記導電素子は前記摩擦層と共に前記導電層に対して移動し、
    前記摩擦層の上面は、前記導電層の下面に対向するように配置され、
    前記摩擦層の上面と前記導電層の下面は、外力が作用するとき、相対的なスライドを発生し、接触面に接するスライド摩擦を発生するとともに、摩擦する面積がスライド過程で変化し、前記導電素子及び導電層によって電気信号を外部回路に出力するように構成され、
    前記摩擦層及び/又は前記導電層は、方向が周期的に反転又は大きさが周期的に変化する持続的外力を受け得るように配置され、
    該外力により前記電気信号としてのパルス電気信号が持続的に外部回路に伝送されることを特徴とするスライド摩擦式ナノ発電機。
  2. 前記摩擦層の上面の材料と前記導電層の下面の材料は、帯電列において差異があることを特徴とする請求項1に記載のスライド摩擦式ナノ発電機。
  3. 前記摩擦層の上面と前記導電層の下面は、接触するように配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライド摩擦式ナノ発電機。
  4. 外力が作用しない場合、前記摩擦層の上面と前記導電層の下面は離間されており、外力が作用する場合、前記摩擦層の上面と前記導電層の下面は接触して、接触面に接する相対的なスライド摩擦を発生することを特徴とする請求項1又は2に記載のスライド摩擦式ナノ発電機。
  5. 前記摩擦層は、絶縁材料又は半導体材料からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスライド摩擦式ナノ発電機。
  6. 前記絶縁材料は、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリジフェニルプロパンカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリジメチルシロキサン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン及びパリレンから選択され、前記半導体材料は、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム、硫化クロム、硫化亜鉛、ガリウム−アルミニウム−ヒ素及びガリウム−ヒ素−リンから選択されることを特徴とする請求項5に記載のスライド摩擦式ナノ発電機。
  7. 前記摩擦層の上面及び/又は前記導電層の下面は、化学的変性によって、前記摩擦層の上面の材料に、電子を取り込みやすい官能基又は負の電荷を導入し、及び/又は、前記導電層の下面の材料に、電子が奪われやすい官能基又は正の電荷を導入することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のスライド摩擦式ナノ発電機。
  8. 前記導電素子、摩擦層及び/又は導電層は、薄膜であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のスライド摩擦式ナノ発電機。
  9. 前記摩擦層、導電層及び/又は導電素子は、軟質のものであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のスライド摩擦式ナノ発電機。
  10. 請求項1乃至のいずれか1項のスライド摩擦式ナノ発電機の発電方法であって、
    (1)前記摩擦層を準備するステップと、
    (2)前記摩擦層の下方に接触するように配置される前記導電素子を形成するステップと、
    (3)前記導電層を準備するステップと、
    (4)前記導電素子を前記摩擦層と共に前記導電層に対して移動させるステップと、
    (5)前記摩擦層の上面と前記導電層の下面とを接触させるステップと、
    (6)前記導電素子及び前記導電層と外部回路を電気的に接続するステップと、
    (7)外力を加えることで、前記摩擦層と前記導電層との間に相対的なスライドを方向が周期的に反転又は大きさが周期的に変化するように持続的に発生させて、接触面に接する相対的なスライド摩擦を発生させ、スライド過程において、相対的なスライドの距離を制御することで、前記摩擦層と前記導電層とを接触面の方向に沿って位置ずれさせて、スライド摩擦する面積を変化させるステップと、
    (8)前記導電素子及び前記導電層によって、電気信号としてのパルス電気信号を持続的に外部回路に出力するステップと、を含むことを特徴とする発電方法。
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