JP6509713B2 - 放射性物質吸着剤の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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本発明の実施形態は、放射性物質吸着剤の処理方法及び処理装置に関する。
放射能汚染水などからの放射性物質の分離に放射性物質吸着剤が使用されている。放射性物質吸着剤として、放射性物質の吸着能力が高く、かつ量産性に優れることから、フェロシアン化物が使用されている。
現在、使用済みの放射性物質吸着剤を地中に埋設して処理することが検討されている。しかし、フェロシアン化物を地中に埋設した場合、雨水、地下水などとの接触により、有害なシアン化物が発生するおそれがある。
なお、一般的なシアン対策としては、酸化分解、生物分解及び光分解によってシアン化物を分解することが知られている。しかしながら、これらの方法では、放射性物質が吸着した放射性物質吸着剤について効率的に処理することが困難である。
一方、放射性物質吸着剤として、ゼオライトにフェロシアン化物を担持させたものが知られている。このような放射性物質吸着剤によれば、焼成によりフェロシアン化物が分解されることからシアン化物の発生が抑制される。また、フェロシアン化物の分解に伴って放出される放射性物質はゼオライトに吸着されることから、放射性物質が外部の環境中に放出されることも抑制される。しかし、このような放射性物質吸着剤については、多量のゼオライトを使用することから製造コストが増加しやすい。また、焼成後に多量のゼオライトが残留することから、処理効率が低下しやすく、ゼオライトの処理コストが増加しやすい。
特開2013−234964号公報 特開2014−16311号公報
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであって、フェロシアン化物を含む放射性物質吸着剤を、シアンの溶出を抑えつつ、効率的に処理することができる放射性物質吸着剤の処理方法及び処理装置を提供することを目的とする。
本発明の放射性物質吸着剤の処理方法の一態様は、放射性物質を吸着したフェロシアン化物を含む放射性物質吸着剤を処理する方法であって、前記放射性物質吸着剤と粘土鉱物と土壌とを混合して混合物を得る工程と、前記混合物をプレス成形する工程と、プレス成形した前記混合物を熱処理する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の放射性物質吸着剤の処理装置の一態様は、放射性物質を吸着したフェロシアン化物を含む放射性物質吸着剤を処理する装置であって、前記放射性物質吸着剤と粘土鉱物と土壌とを混合して混合物を得る混合部と、前記混合物をプレス成形するプレス成形部と、前記プレス成形された前記混合物を熱処理する熱処理部とを備えることを特徴とする。
本発明の放射性物質吸着剤の処理方法及び処理装置によれば、フェロシアン化物を含む放射性物質吸着剤を、シアンの溶出を抑えつつ、効率的に処理することができる。
実施形態の処理方法を示すフロー図である。 実施形態の処理装置を示すブロック図である。 粘土鉱物の種類及び混合割合と放射性物質の固定化率の関係を示すグラフである。 粘土鉱物を用いない場合の、土壌の粒径と放射性物質の固定化率の関係を示すグラフである。 プレス成形圧力と放射性物質の固定化率の関係を示すグラフである。 放射性物質吸着剤の混合割合と放射性物質の固定化率の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る放射性物質吸着剤の処理方法を示すフロー図である。
本実施形態の放射性物質吸着剤の処理方法は、混合工程S1、プレス成形工程S2、および熱処理工程S3を有する。混合工程S1では、フェロシアン化物を含む放射性物質吸着剤1と、粘土鉱物2と、土壌3とを混合してこれらの混合物を得る。プレス成形工程S2では、混合工程S1で得られた混合物をプレス成形して成形体を得る。熱処理工程S3では、成形体を熱処理して固化体4を得る。
混合工程S1に使用される放射性物質吸着剤1は、少なくともフェロシアン化物を含む。フェロシアン化物としては、例えば、下記化学式(1)で示されるプルシアンブルー(紺青(フェロシアン化第二鉄))が挙げられる。
4+[Fe(II)(CN)4− …(1)
(但し、式(1)中、Mは、Fe、Co、Ni、K、Na、NHなどを表す。)
なお、放射性物質吸着剤1は、既に放射性物質を吸着した使用済みのものである。放射性物質を吸着した放射性物質吸着剤1としては、例えば、放射能汚染水などから放射性物質を分離するために使用されたものが挙げられる。
混合工程S1における放射性物質吸着剤1の混合割合は、混合物の全量に対して60質量%以下であることが好ましい。放射性物質吸着剤1の混合割合が60質量%以下であると、固化体4中への放射性物質の固定化率を向上させることができる。一方、放射性物質吸着剤1の混合割合は、少なすぎると、廃棄物量が増えてしまうため、40質量%以上であることが好ましい。ここで、放射性物質の固定化率とは、放射性物質吸着剤に含まれる放射性物質のうち固化体に固定されるものの割合である。放射性物質の固定化率が高いほど、固化体に放射性物質が固定されるために好ましい。
粘土鉱物2は、例えば、層状構造を有している。そのため、層間に放射性物質を取り込むことができる。粘土鉱物2は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。粘土鉱物2としては、ケイ酸塩鉱物であり、Si(ケイ素)とO(酸素)からなる、四面体シートと八面体シートの2:1(四面体−八面体−四面体の積層)構造を有するバーミキュライト若しくはイライト、又は1:1(四面体−八面体の積層)構造を有するカオリンを用いることが好ましい。これらは、1:1構造又は2:1構造を有することで、層間に取り込まれた放射性物質を固定化し易いと考えられる。
粘土鉱物2の混合割合は、放射性物質の固定化率を向上させる点で、混合物の全量に対して1質量%以上であることが好ましく、5質%以上であることがより好ましい。一方、粘土鉱物2の混合割合は、多すぎると、廃棄物量が増えてしまうため、15質量%以下が好ましい。
混合工程S1に使用される土壌3としては、特に制限されるものではなく、一般に存在する土壌を使用できる。このような土壌3としては、例えば、土壌群における区分で、褐色低地土、褐色森林土、グライ土、黒ボク土、多湿黒ボク土などが挙げられるが、これらに制限されない。
土壌3は、粘土を含むことが好ましい。粘土を含むことにより、放射性物質の固定化率が高くなる。粘土の含有割合は、土壌3中、15質量%以上が好ましい。粘土を15質量%以上含有する土壌として、例えば、土性における区分で、砂質埴壌土、埴壌土、シルト質埴壌土、砂質埴土、軽埴土、シルト質埴土、重埴土が挙げられる。
また、土壌3は、既に放射性物質が吸着した放射能汚染土壌が好ましい。土壌3として放射性物質が吸着していない清浄な土壌を使用した場合、新たに放射能汚染土壌が発生することになる。土壌3として放射能汚染土壌を使用することにより、新たな放射能汚染土壌の発生が抑制され、放射能汚染土壌の容量の増加が抑制される。放射能汚染土壌としては、放射性物質が付着したものを広く使用できる。例えば、放射能汚染土壌として、民家、道路、里山、運動場、公園などの土壌を使用できる。
土壌3は、混合前に分級されて、細砂や粗砂など、粒径の大きな土壌が除去されることが好ましい。また、通常、土壌3を構成する粒子の粒径が小さくなるにつれて、放射性物質の固定化率が高くなる。例えば、分級後さらに粒径を調整して、好ましくは45μm以下、より好ましくは20μm以下の粒径の土壌を用いることで、放射性物質の固定化率を高めることができる。これに対し、本実施形態の処理方法では、粘土鉱物2を用いることで、土壌3の粒径を調整しなくても、高い固定化率を得ることができる。なお、分級及び粒径の調整は、分級機を使用して行うことができる。分級機としては、振動篩、気流式分級機などを使用できる。
土壌3の混合割合は、放射性物質の固定化率を向上させる点で、混合物の全量に対して、35質量%以上が好ましく、40質量%以上が好ましい。一方、土壌3の混合割合は、多すぎると、廃棄物量が増えてしまうため、60質量%以下が好ましい。
混合には、公知の混合機を使用できる。混合機としては、円筒型混合機、スクリュー型混合機、スクリュー型押出機、タービュライザー、ナウター型混合機、V型混合機、双腕型ニーダー、流動式混合機、気流型混合機、回転円盤型混合機、ロールミキサー、転動式混合機、レディゲミキサー、パドルブレンダー、リボンミキサー、ロータリーブレンダー、ジャータンブラー、プラウジャーミキサー、モルタルミキサーなどが挙げられる。混合方法としては、バッチ式、連続式、これらを併用する方式のいずれも採用できる。
なお、混合工程S1においては、放射性物質吸着剤1、粘土鉱物2および土壌3に加えて、必要に応じて、かつ本発明の趣旨に反しない限度において、他の成分を添加できる。このような成分としては、混合、成形などを容易にする成分、放射性物質の固定化率を高める成分などが挙げられる。
プレス成形工程S2における成形体の形状としては、円柱状、円錐状、多角柱状、多角錐状、球状、立方体状、直方体状、円板状、多角板状などが挙げられ、特に制限されない。成形体の大きさは、固化体を保管するときの利便性などの観点から、錠剤程度の大きさから煉瓦程度の大きさが好ましい。例えば、5mm×5mm×2mm(50mm)程度の大きさから210mm×100mm×60mm(1260cm)程度の大きさが好ましい。
プレス成形は、例えば、臼と、これに挿入される上杵および下杵とからなる金型を使用して行われる。具体的には、臼内に放射性物質吸着剤と土壌との混合物を充填した後、この充填された混合物に上下方向から上杵および下杵で圧力を印加することにより、成形体を得ることができる。
プレス圧力は、放射性物質の固定化率の点で、300kg/cm以上が好ましく、600kg/cm以上がより好ましい。プレス圧力が600kg/cm以上になると、放射性物質の固定化率が特に高くなる。
なお、プレス圧力が高くなると、金型の隙間、例えば、上杵と臼との間、または下杵と臼との間に混合物が漏れるおそれがある。このような混合物の漏れを抑制する観点から、プレス圧力は、1100kg/cm以下が好ましく、1000kg/cm以下がより好ましい。
熱処理工程S3は、公知の熱処理装置を使用して行うことができる。熱処理装置としては、電気炉、石油ボイラー、成形体を台車に載せて炉内を移動させながら熱処理を行うトンネルキルンなどが挙げられるが、必ずしもこれらに制限されない。
熱処理は、フェロシアン化物を効果的に分解できることから、大気中などの酸化雰囲気中で行われることが好ましい。また、熱処理は、350℃以上であることが好ましく、850℃以上であることがより好ましく、1000℃程度であることがさらに好ましい。350℃以上であることで、フェロシアン化物が効果的に分解される。
粘土鉱物2としてのバーミキュライト、イライト及びカオリンは700℃程度以上で、その結晶構造がポルサイトの結晶構造に変化すると考えられる。この際、粘土鉱物2に放射性セシウムが混合されていると、ポルサイトの結晶構造内にセシウムが取り込まれて固定化される。このように、粘土鉱物2を700℃以上で熱処理することで、セシウムを結晶構造内に閉じ込めることができる。そのため、例えば、粘土鉱物2としてのバーミキュライト、イライト及びカオリンを用いる場合、熱処理の温度は好ましくは700℃以上、より好ましくは850℃以上であると、セシウムの固定化率を極めて高くすることができる。
なお、熱処理の温度は高すぎると、混合物の粘土鉱物2の結晶構造が変化すること等により、固定化率が下がるおそれがあるため、1500℃以下で行われることが好ましく、1300℃以下で行われることがより好ましい。
熱処理の時間は、フェロシアン化物が十分に分解されるとともにセシウムを固定化できる時間であれば特に限定されない。熱処理の時間は、混合物の量にもよるが、好ましくは1分以上、より好ましくは10分以上である。また、熱処理の時間は、長すぎても、固定化率が下がるおそれがあるため、20時間以下で行われることが好ましく、15時間以下で行われることがより好ましい。
なお、熱処理においては、フェロシアン化物が分解して有毒な窒素酸化物が発生する。
このため、窒素酸化物を無害化する処理を行うことが好ましい。処理方法としては、窒素酸化物を触媒によりアンモニアと反応させて無害な窒素に還元するアンモニア接触還元法、アンモニアを吹き込み無触媒で窒素酸化物を窒素に還元する無触媒還元法、活性炭の触媒作用により窒素酸化物を窒素に還元する活性炭法などが挙げられるが、必ずしもこれらに制限されない。
上記放射性物質吸着剤の処理方法によれば、放射性物質吸着剤の処理に広範囲に分布するとともに多量に分布する土壌3を使用することから、放射性物質吸着剤の処理コストが抑制される。また、熱処理によりフェロシアン化物が分解されることから、固化体からのシアン化物の溶出も抑制される。また、フェロシアン化物の分解に伴って放出される放射性物質が固化体を構成する粘土鉱物2あるいは土壌3に吸着されることから、放射性物質が外部に放出されることも抑制される。また、土壌3の粒径を調整しなくても高い放射性物質の固定化率を得ることができる。
次に、本実施形態の放射性物質吸着剤の処理方法に用いられる放射性物質吸着剤の処理装置について説明する。図2は、本実施形態の処理方法に使用される処理装置を示すブロック図である。
放射性物質吸着剤の処理装置10は、土壌添加部11、分級部12、不要土壌回収部13、放射性物質吸着剤添加部14、混合部15、成形部16、熱処理部17、排ガス処理部18及び粘土鉱物添加部19を有する。
土壌3は、土壌添加部11に導入される。土壌添加部11に導入された土壌は、分級部12に移送されて分級される。分級部12は、例えば、振動篩、気流式分級機などの分級機からなる。分級部12において、細砂、粗砂が除かれて分級された土壌3は、混合部15へと移送される。なお、土壌添加部11に導入された土壌3のうち範囲外の粒径を有する粒子、例えば、所定の粒径よりも粒径が大きい細砂及び粗砂は、不要土壌回収部13へと移送されて回収される。
放射性物質吸着剤1は、放射性物質吸着剤添加部14に導入される。放射性物質吸着剤添加部14に導入された放射性物質吸着剤1は、混合部15へと移送されて、分級部12から移送される土壌3と混合される。
粘土鉱物2は、粘土鉱物添加部19に導入される。粘土鉱物添加部19に導入された粘土鉱物2は、混合部15へと移送されて、放射性物質吸着剤1及び土壌3と混合される。
混合部15は、公知の混合機からなる。例えば、混合部15は、円筒型混合機、スクリュー型混合機、スクリュー型押出機、タービュライザー、ナウター型混合機、V型混合機、双腕型ニーダー、流動式混合機、気流型混合機、回転円盤型混合機、ロールミキサー、転動式混合機、レディゲミキサー、パドルブレンダー、リボンミキサー、ロータリーブレンダー、ジャータンブラー、プラウジャーミキサー、モルタルミキサーなどからなる。
混合部15において得られた混合物は、成形部16に移送されて所定の形状に成形される。成形部16は、例えば、上杵、下杵、及び臼からなる金型を有し、臼内に充填された混合物に上下方向から上杵及び下杵で圧力を印加して成形するプレス成形機からなる。
成形部16において得られた成形体は、熱処理部17に移送されて熱処理が行われる。成形体は熱処理部17において熱処理されて固化体4が作製される。熱処理部17としては、電気炉、石油ボイラー、成形体を台車に載せて炉内を移動させながら熱処理を行うトンネルキルンなどが挙げられるが、必ずしもこれらに制限されない。
熱処理部17には、例えば、フェロシアン化物の分解により発生する有毒な窒素酸化物を含むガスを処理する排ガス処理部18が接続されている。
以下、実施例により、さらに詳細に説明する。
(実施例1)
放射性物質吸着剤として、放射性セシウムを吸着したフェロシアン化物を用意した。フェロシアン化物は、粒径が10〜600μmの範囲内にあり、平均粒径が300μmである。また、土壌として、土壌群における区分が灰色低地土であり、土性における区分が砂質埴壌土であるものを用意した。
放射性物質吸着剤60質量%と、上記土壌39質量%と、粘土鉱物としてバーミキュライト1質量%を混合し、成形して円板状の成形体を得た。なお、成形は、プレス成形により、プレス圧力が600kg/cmで行った。また、成形体の大きさは直径30mm×厚さ3mmとした。その後、50分かけて成形体を1000℃まで昇温し、さらに1000℃で10分間保持することにより、成形体の熱処理を行って固化体を製造した。
(実施例2〜6)
放射性物質吸着剤、土壌、粘土鉱物の量、粘土鉱物の種類を下記のように変更した他は、実施例1と同様にして固化体を作製した。
実施例2:放射性物質吸着剤60質量%、土壌35質量%、粘土鉱物(バーミキュライト)5質量%
実施例3:放射性物質吸着剤60質量%、土壌39質量%、粘土鉱物(カオリン)1質量%
実施例4:放射性物質吸着剤60質量%、土壌35質量%、粘土鉱物(カオリン)5質量%
実施例5:放射性物質吸着剤60質量%、土壌39質量%、粘土鉱物(イライト)1質量%
実施例6:放射性物質吸着剤60質量%、土壌35質量%、粘土鉱物(イライト)5質量%
得られた固化体中の放射性物質の固定化率を下記式によって算出した。固定化率は、熱処理を行う前の放射能と熱処理後の放射能を測定することで、それぞれ放射性セシウムの量を求め、これを用いて算出した。実施例1〜6についての固定化率の測定結果を図3のグラフに示す。
固定化率[%]=(熱処理後の放射性セシウムの量/熱処理前の放射性セシウムの量)×100
(比較例1)
実施例1において、粘土鉱物を使用せず、放射性物質吸着剤60質量%、土壌40質量%を用いた。他は実施例1と同様にして固化体を作製した。得られた固化体中の放射性物質の固定化率を実施例1と同様に上記式によって算出した。結果を図3のグラフに示す。
(参考例)
実施例1において、粘土鉱物を使用せず、放射性物質吸着剤50質量%、土壌50質量%を用いた。土壌は、篩分けすることで分級し、45〜100μm、20〜45μm、20μm未満のそれぞれに粒径を調整したものを用いた。他は実施例1と同様にして固化体を作製した。得られた固化体中の放射性物質の固定化率を実施例1と同様に上記式によって算出した。結果を図4のグラフに示す。
図3より、粒径の調整をしない土壌を用いた場合、粘土鉱物を添加した固化体の放射性物質の固定化率が高いことが分かる。図4より、粒径の小さい土壌を用いる方が放射性物質の固定化率が高いことが分かる。図3、4より、粘土鉱物を5質量%以上混合した例では、粒径20μm未満の土壌を用いた場合と同等の固定化率が得られることが分かる。
(実施例7〜9)
粘土鉱物としてバーミキュライトを用い、実施例2と同様の混合比(放射性物質吸着剤60質量%、土壌35質量%、粘土鉱物5質量%)で混合した。ブレス成形圧を実施例7では300kg/cm、実施例8では600kg/cm、実施例9では900kg/cmにして、その他は実施例1と同様に固化体を作製した。得られた固化体中の放射性物質の固定化率を上記式によって算出した。結果を図5のグラフに示す。
図5より、プレス圧力が300kg/cm以上で、固定化率90%以上を得られていることが分かる。さらに、プレス圧力を600kg/cm以上にすることで、固定化率100%を得られており、さらに固定化率が高められることが分かる。
(実施例10〜12)
粘土鉱物としてバーミキュライトを用い、放射性物質吸着剤、土壌、粘土鉱物の量を、以下のようにした他は実施例1と同様にして固化体を作製した。得られた固化体中の放射性物質の固定化率を上記式によって算出した。結果を図6のグラフに示す。
実施例10:放射性物質吸着剤80質量%、土壌17質量%、粘土鉱物3質量%
実施例11:放射性物質吸着剤60質量%、土壌35質量%、粘土鉱物5質量%
実施例12:放射性物質吸着剤50質量%、土壌43質量%、粘土鉱物7質量%
図6より、放射性物質吸着剤の混合割合を60質量%以下にすることで、固定化率が高められることが分かる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…放射性物質吸着剤、2…粘土鉱物、3…土壌、4…固化体、10…放射性物質吸着剤の処理装置、11…土壌添加部、12…分級部、13…不要土壌回収部、14…放射性物質吸着剤添加部、15…混合部、16…成形部、17…熱処理部、18…排ガス処理部、19…粘土鉱物添加部、S1…混合工程、S2…プレス成形工程、S3…熱処理工程。

Claims (9)

  1. 放射性物質を吸着したフェロシアン化物を含む放射性物質吸着剤を処理する方法であって、
    前記放射性物質吸着剤と粘土鉱物と土壌とを混合して混合物を得る工程と、
    前記混合物をプレス成形する工程と、
    プレス成形した前記混合物を熱処理する工程と
    を備えることを特徴とする放射性物質吸着剤の処理方法。
  2. 前記混合物の全量に対する前記粘土鉱物の量は5質量%以上であることを特徴とする請求項1記載の放射性物質吸着剤の処理方法。
  3. 前記粘土鉱物は、バーミキュライト、カオリナイト及びイライトから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の放射性物質吸着剤の処理方法。
  4. 前記混合物の全量に対する前記放射性物質吸着剤の量は60質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の放射性物質吸着剤の処理方法。
  5. 前記プレス成形の圧力は600kg/cm以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の放射性物質吸着剤の処理方法。
  6. 前記熱処理する工程における温度は、350℃以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の放射性物質吸着剤の処理方法。
  7. さらに、前記混合物を得る工程の前に、前記土壌を分級する工程を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の放射性物質吸着剤の処理方法。
  8. さらに、前記熱処理する工程において発生する、窒素酸化物ガスを処理する工程を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の放射性物質吸着剤の処理方法。
  9. 放射性物質を吸着したフェロシアン化物を含む放射性物質吸着剤を処理する装置であって、
    前記放射性物質吸着剤と粘土鉱物と土壌とを混合して混合物を得る混合部と、
    前記混合物をプレス成形するプレス成形部と、
    前記プレス成形された前記混合物を熱処理する熱処理部と
    を備えることを特徴とする放射性物質吸着剤の処理装置。
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