JP6509539B2 - 非火薬発煙装置 - Google Patents

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Description

本発明は、火薬類取締法の制限を受けずかつがん具煙火にも属さない非火薬発煙装置に関する。
従来、発煙装置は、点火源からの火炎を受けた着火薬が燃焼し、着火薬の燃焼時の熱及び火炎により加熱薬が燃焼し、加熱薬の燃焼時の熱及び火炎により発煙薬が燃焼するように構成されている。このように、発煙装置は、薬剤に火薬を用いるため、火薬類取締法の規制を受ける。
発煙装置は、例えば、以下の分野で適用されることが知られている。
1.救助信号用:遭難時等に要救助者が自己の位置を連絡する。
2.演出用:舞台等のイベント時の特殊効果を演出する。
3.模擬火災:避難訓練等の疑似煙を生成する。
4.気密試験用:配管やタンク等の気密性や通気性を確認する。
5.防虫用:害虫駆除用の発煙剤を燃焼させ、害虫を忌避する。
6.防霜用:霜が降りる懸念がある際に、煙霧層を形成し地表の冷却を防ぐ。
7.気象観測用:煙により風向や風の乱れを観測する。
8.標識用:災害発生時に避難場所で発煙させ、遠方より避難場所を周知させる。
発煙装置に使用する加熱薬は、酸化剤と還元剤とより成る非火薬剤が一般的である。しかし、非火薬剤であるために感度が火薬より鈍感となる。そこで、点火源からの着火信頼性を向上させるために、少量の着火薬(火薬)を配置している。
なお、発煙装置は、点火源と着火薬のみに火薬を用いた場合は、火薬の薬量が少量になるため、火薬類取締法の規制は緩和されるが、がん具煙火としての規制を受ける。
火薬類取締法施行規則第1条の5の5項では、「気密試験用として用いられる発煙加工品であって、火薬15g以下のもの」はがん具煙火に属すると規定している。また、気密試験用でなくとも、火薬類取締法施行規則第1条の5項1号トでは、「煙を出すことを主とするもの。煙幕その他の筒物、又は、球状であって、火薬15g以下のもの」はがん具煙火に属すると規定している。
火薬類取締法第25条(消費)では、火薬類を爆発させ、又は燃焼させようとする者(火薬類を廃棄するため爆発させ、又は燃焼させようとする者を除く。以下「消費者」という。)は、都道府県知事の許可を受けなければならないと規定している。
しかし、火薬類取締法第51条の4項では、「がん具煙火については、前項に規定するもののほか、第五条、第十八条、第二十五条及び第二十六条の規定は、適用しない。」と規定し、火薬類取締法第25条の規定が適用されない。
つまり、がん具煙火は、都道府県知事の許可を受けずに消費できることになる。なお、その無許可消費数量は、火薬類取締法施行規則第49条(無許可消費数量)に従うことになり、発煙筒は、火薬類取締法施行規則第49条の5項により、「防霜、防虫、消火演習、気象観測、又は、気密検査の用に供するために発煙筒を消費する場合には、無制限で発煙筒を消費できる」ことになる。
このように、火薬類取締法施行規則第49条の5項では、がん具煙火としての発煙筒は、「防霜、防虫、消火演習、気象観測、又は、気密検査の用に供するため場合に無制限で消費できる」と規定されているだけで、救助信号や標識用としての無許可消費は規定されていない。
そのため、がん具煙火に属しても、使用用途により制限を受け、上述の8分野での使用はできない。
また、その他の発煙手段には、「水(又は水とグリコールの混合液)の沸騰による蒸気を大気中で冷却する方法」、「油の不完全燃焼」、「燃焼反応(化学反応)による発煙」が知られている。しかし、これらの発煙手段は、保管性や管理面に問題があり、常設するには適していない。
一方、従来より、通電により点火玉を発火し、近接する着火薬と速火線とを燃焼し、その燃焼時の火により発煙剤を燃焼し煙を発生させる信号筒が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1において、点火玉の点火剤には、ジアゾジニトルフェノール(DDNP)、ロダン化鉛と塩素酸カリウム混合物とが用いられ、着火薬には、黒色火薬が用いられ、速火線には、黒色火薬と硝石とをアラビアゴムバインダーとして綿糸に塗布したものが用いられ、発煙剤には、塩素酸カリウムとミジン粉と澱粉と色剤の混合物や赤リン系発煙薬が用いられている。
また、すり板等により点火星を点火し、速火線を介して着火薬を着火し、着火薬により加熱薬を発火し、加熱薬周囲の発煙薬を加熱して煙を発生させる発煙筒が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2において、点火玉及び速火線の組成は不明であるが、着火薬は、硝酸カリウム、ケイ素及び銅酸化物より成る。加熱薬は、ケイ素及び金属酸化物より成る。発煙薬は、パラフィンを主成分とする発煙薬である。
特開平9−126698号公報 特許第4681282号公報 特許第3329204号公報 特開平9−253871号公報
しかし、特許文献1の信号筒は、赤リン系発煙剤以外は、火薬類により構成されているため、火薬類取締法の規制を受ける。仮に、発煙剤が赤リン系でも、点火玉、着火薬及び速火線は火薬となるため、その量により火薬類取締法の規制を受ける。
しかも、点火玉と着火薬とが接する構造であるため、発火時の火炎噴出方向の制御が難しく、点火玉の位置ずれが生じた場合は、点火玉から着火薬へ不着火が生じるおそれがある。そのため、点火玉を2個配置する等の対策が必要となる。
また、特許文献1の信号筒は、筒体の内部に発煙剤が直接充填されているので、発煙剤燃焼時の熱は、直接筒体に伝わることになり、発煙時の筒体温度は非常に高温となる。
また、特許文献1の信号筒は、発煙装置を常設するために専用の容器に収納し、緊急時に作動させる状況を想定すると、その容器は、作動時の筒体温度を加味した耐熱性を有する構造設計が必要となる。
また、特許文献2では、点火星、速火線及び着火薬は火薬成分であるが、これらの総薬量を15g以下に抑えることでがん具煙火として扱えると記載されている。これにより、通常の火薬製品より規制が緩和される。
しかしながら、特許文献2の発煙筒は、速火線を介し着火薬を着火する構造であるため、複雑な形状となり、速火線が切れた場合は不着火となる。また、加熱薬へ伝火するまでの機構として、着火信頼性を向上させるために火薬を配置している。火薬類は感度が鋭感であるため着火信頼性は向上するが、その信頼性を確保するために火薬類を少量とする必要がある。
このように、特許文献2の発煙筒は、がん具煙火としての使用に特定され、上述した発煙装置の全ての利用分野には提供できない。
なお、特許文献2の発煙筒において、仮に点火星を例えば特許文献3や特許文献4に記載の非火薬のイグナイタに置き換えたとしても、これらのイグナイタは、作動時の火炎噴出方向が制御されていないため、速火線に対し火炎が噴出しない場合は、速火線の不着火が生じるおそれがある。
また、特許文献2の発煙筒は、速火線に非火薬剤を使用したとしても、構造の複雑さは変わらず、速火線が切れた場合には不着火が生じるおそれがある。
更に、特許文献2の発煙筒は、着火薬に非火薬剤を用いた場合は、火薬より感度が低下するため、着火薬の着火性が低下し、速火線により非火薬着火薬が着火できなくなるおそれがある。
本発明は、斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、非火薬のイグナイタを用いて非火薬の発煙部へ点火することにより、火薬類取締法の制限を受けずかつがん具煙火にも属さない非火薬発煙装置を提供することにある。
請求項1に係る発明の非火薬発煙装置は、非火薬のイグナイタを内部に支持固定する煙噴射部と、前記煙噴射部に接続される非火薬の発煙部とを備え、前記非火薬のイグナイタは、電源に接続される電橋線付塞栓と、前記電橋線付塞栓に固定されるキャップ内に充填され、電橋線により点火される非火薬の点火剤と、前記電橋線付塞栓に前記キャップと共に固定される管体内に充填され、前記非火薬の点火剤の点火により着火される非火薬の着火剤と、前記非火薬の点火剤と前記非火薬の着火剤との外周を囲繞し、前記非火薬の着火剤の火炎を前記非火薬の発煙部方向へ誘導する略筒形状の火炎案内部と、を含み、前記非火薬の発煙部は、非火薬の発煙薬の前記非火薬のイグナイタ側に火炎受部を設けた非火薬の加熱薬を配置して成ることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の非火薬発煙装置において、前記非火薬のイグナイタは、前記非火薬の発煙部の火炎受部と対向配置されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2記載の非火薬発煙装置において、前記煙噴射部は、前記非火薬のイグナイタと、前記非火薬のイグナイタを内部に支持固定するホルダーとを備え、前記ホルダーは、複数の煙噴射孔と、前記複数の煙噴射孔に装着される封板と、前記非火薬のイグナイタを内部に支持固定する固定部と、前記非火薬の発煙部の固定部とを設けていることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1乃至請求項3の何れか記載の非火薬発煙装置において、前記火炎案内部は、前記管体の底部と前記火炎案内部の端面との間に火炎噴出部を形成するように、前記管体の底部を支持する段部を有することを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項記載の非火薬発煙装置において、前記管体の底部は、前記非火薬の着火剤の火炎を噴出し易くするために前記管体の肉厚より薄い薄肉部を有することを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1乃至請求項の何れか記載の非火薬発煙装置において、前記非火薬の発煙部は、前記非火薬のイグナイタからの熱エネルギーを受けて酸化還元反応を開始する前記非火薬の加熱薬と、前記非火薬の加熱薬の酸化還元反応による発熱により、反応を開始する前記非火薬の発煙薬とで構成されていることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1乃至請求項の何れか記載の非火薬発煙装置において、前記非火薬の加熱薬は、酸化剤と還元剤と結合剤とで構成される組成物をプレスで圧填成型して略筒形状に成型されていることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1乃至請求項の何れか記載の非火薬発煙装置において、前記非火薬の加熱薬は、酸化剤と還元剤と結合剤とで構成される組成物をプレスで圧填成型して中央の軸線方向に煙道を有する略円筒形状に成型されていることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1乃至請求項8の何れか記載の非火薬発煙装置において、前記火炎受部は、前記非火薬の加熱薬の圧填成型後に前記非火薬の加熱薬の上部を円環状に削り、略円環状の突起を形成することで形成されていることを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項記載の非火薬発煙装置において、前記略円環状の突起は、多段に形成されていることを特徴とする。
請求項11に係る発明は、請求項記載の非火薬発煙装置において、前記火炎受部は、
前記非火薬の加熱薬の圧填成型後に前記煙道の上部を円環状に削り、略円環状の突起を形
成することで形成されていることを特徴とする。
請求項12に係る発明は、請求項11記載の非火薬発煙装置において、前記略円環状の
突起は、多段に形成されていることを特徴とする。
請求項13に係る発明は、請求項1乃至請求項12の何れか記載の非火薬発煙装置において、前記非火薬の発煙部は、前記非火薬のイグナイタからの熱エネルギーを受けて酸化還元反応を開始する前記非火薬の加熱薬と、前記非火薬の加熱薬の酸化還元反応による発熱により、反応を開始する前記非火薬の発煙薬と、前記非火薬の加熱薬と前記非火薬の発煙薬とを内部に填薬する薬筒と、前記非火薬の発煙薬に接して配置される非火薬の清掃薬と、前記非火薬の発煙薬と前記非火薬の清掃薬との間に巻層される断熱材と、前記断熱材に接して配置される断熱間座と、前記断熱間座に接して配置される底フタと、前記非火薬の加熱薬の上部側から前記底フタまでを囲繞し、端部を前記底フタにカシメ付ける筒体とで構成されていることを特徴とする。
請求項14に係る発明は、請求項1乃至請求項12の何れか記載の非火薬発煙装置において、前記非火薬の発煙部は、前記非火薬のイグナイタからの熱エネルギーを受けて酸化還元反応を開始する前記非火薬の加熱薬と、前記非火薬の加熱薬の酸化還元反応による発熱により、反応を開始する前記非火薬の発煙薬と、前記非火薬の加熱薬と前記非火薬の発煙薬とを内部に填薬する薬筒と、前記筒体の下部側に巻層される断熱材と、前記断熱材に接して配置される断熱間座と、前記断熱間座に接して配置される底フタと、前記非火薬の加熱薬と前記非火薬の発煙薬とを内部に填薬する薬筒と、前記非火薬の加熱薬の上部側から前記底フタまでを囲繞し、端部を前記底フタにカシメ付ける筒体とで構成されていることを特徴とする。
請求項15に係る発明は、請求項1乃至請求項14の何れか記載の非火薬発煙装置において、前記非火薬のイグナイタの下端面と前記非火薬の加熱薬の火炎受部との距離は、0mm〜12mmであることを特徴とする。
請求項16に係る発明は、請求項乃至請求項の何れか記載の非火薬発煙装置において、前記非火薬の点火剤と前記非火薬の着火剤との外周を囲繞する略筒形状の火炎案内部は、前記下端面の先端部が先細りになるテーパー形状に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、煙噴射部に備えた非火薬のイグナイタの火炎を煙噴射部に接続する非火薬の発煙部へ点火する構造としたので、火薬類取締法の制限を受けずがん具煙火にも属さない非火薬発煙装置を提供できる。
本発明によれば、非火薬のイグナイタから非火薬の加熱薬へ確実に着火し、非火薬の加熱薬側の着火性を向上させるために、非火薬の加熱薬に火炎受部を設けているので、火薬を用いなくとも、非火薬の加熱薬の着火が可能となる。更に、火薬を用いていないことで、完全な非火薬発煙装置が提供できることにもなる。
本発明によれば、煙噴射部は、非火薬のイグナイタをシール剤を用いてホルダーに接着するのみといった単純な固定方法で配置できるので、構造が簡単である。
本発明の実施形態に係る非火薬発煙装置を示す断面図である。 図1のホルダーの平面図である。 図1のホルダーの断面図である。 図1の非火薬のイグナイタを示す断面図である。 図1の底フタを示す側面図である。 略筒形状の火炎案内部無しの縁部が破断した時の火炎噴出方向を示す図である。 略筒形状の火炎案内部装着時の縁部が破断した時の火炎噴出方向を示す図である。 非火薬のイグナイタの着火薬量及び非火薬の加熱薬の上部に設ける火炎受部と略筒形状の火炎案内部の下端面との距離を示す図である。 非火薬のイグナイタの着火薬量及び非火薬の加熱薬の上部に設ける火炎受部と略筒形状の火炎案内部の下端面との距離を5mmにした例を示す図である。 非火薬のイグナイタの着火薬量及び非火薬の加熱薬の上部に設ける火炎受部と略筒形状の火炎案内部の内部の管体底部との距離を6mmにした例を示す図である。 複数の火炎受部を設けた例を示す図である。 火炎受部を外周からテーパー状に形成した例を示す図である。 火炎受部を中央からテーパー状に形成した例を示す図である。 火炎受部を煙道内に形成した例を示す図である。 火炎受部を煙道内に複数形成した例を示す図である。 図15の加熱薬の煙道に非火薬のイグナイタを配置した例を示す図である。 火炎受部に非火薬の着火薬を配置した例を示す図である。 非火薬のイグナイタの別の例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る非火薬発煙装置1を示す。
本実施形態に係る非火薬発煙装置1は、非火薬のイグナイタ20を内部に支持固定する煙噴射部10と、この煙噴射部10に接続される非火薬の発煙部50とで構成されている。
先ず、煙噴射部10について説明する。
煙噴射部10は、図1乃至図3に示すように、例えばアルミニウム等の金属から成る略円筒形状のホルダー11を備えている。ホルダー11の煙噴射側(図1の上側)には、ホルダー11の軸線方向に沿って貫通する複数の煙噴射孔12が設けられている。
複数の煙噴射孔12の形状は、非火薬の発煙部50側から噴出される煙を案内する形状であれば特に制限はない。複数の煙噴射孔12の先端部側のホルダー11の先端面には、凹面形状に形成された封板接着面13が設けられている。封板接着面13には、複数の煙噴射孔12を塞ぐように、例えばポリプロピレン等の樹脂で構成される封板14が例えばアクリル系粘着剤等により接着されている。封板14は、複数の煙噴射孔12を塞ぐことで、非火薬発煙装置1の作動前は装置内部への水分や異物混入を防ぎ、非火薬発煙装置1の作動時には非火薬の発煙部50の非火薬の加熱薬の燃焼時の熱により溶融して複数の煙噴射孔12を開放することができる。そのため、封板14の厚みは1.0mm以下が好ましい。
また、ホルダー11の煙噴射側(図1の下側)には、非火薬のイグナイタ20の電橋線付塞栓21を固定する固定穴15が複数の煙噴射孔12と平行に設けられている。固定穴15には、非火薬のイグナイタ20の電橋線付塞栓21が例えばエポキシ系接着剤等より成るシール剤17を介して固定されている。シール剤17は、非発煙装置1の作動前は固定穴15から装置内部への水分や異物混入を防ぐ機能も有する。図1、図3において、固定穴15の上部側には、非火薬のイグナイタ20の電橋線付塞栓21に接続されるリード線22をホルダー11の側部から外部へ取り出せるように、開口部16が設けられている。固定穴15の位置は、複数の煙噴射孔12が設けられている領域であれば特に制限はなく、図1に示す位置に限定する必要はない。
ホルダー11の煙噴射側の反対側の端部側(図1の下側)には、非火薬の発煙部50の一部を挿入して固定するための略円筒形状の筒体挿入部18が形成されている。筒体挿入部18には、挿入された非火薬の発煙部50の先端面を受け止める段部18aが設けられている。非火薬の発煙部50と筒体挿入部18との固定は、例えばエポキシ樹脂等の接着剤による固定や、筒体挿入部18に設けた雌ネジ部(又は雄ネジ部)に非火薬の発煙部50に設けた雄ネジ部(又は雌ネジ部)を螺着する方法等が適用される。
複数の煙噴射孔12及び筒体挿入部18の段部18aとの間には、固定穴15に電橋線付塞栓21が支持固定される非火薬のイグナイタ20を配置する空間部19が形成されている。この空間部19は、非火薬の発煙部50で生成された煙を複数の煙噴射孔12へ分配する拡散供給する部屋としても機能する。
非火薬のイグナイタ20は、図4に示すように、図示しない電源にリード線22を介して接続される電橋線付塞栓21を有する。リード線22には電橋線23が取り付けられ、電橋線23の周囲に非火薬の点火剤24が充填されている。非火薬の点火剤24は、非火薬組成であれば特にその組成に制限はなく、電橋線23の熱により点火し、非火薬の着火剤27を確実に着火できるものであれば良い。非火薬の点火剤24の組成としては、例えば、従来の非火薬点火剤である金属ボロンと酸化第二銅との混合物等が挙げられる。非火薬の着火剤27は、非火薬組成であれば特に組成に制限はなく、非火薬の点火剤24により着火し、また、非火薬の発煙部50の非火薬の加熱薬51を燃焼開始できるものであれば良い。組成としては、例えば、酸化還元剤を点火できるアルミニウム粉とクロム酸バリウム及び四酸化三鉄とから成る混合物等が挙げられる。
非火薬の点火剤24の周囲には、例えばナイロン等の樹脂より成る点火剤ホルダー25が配置されている。電橋線23及び非火薬の点火剤24は有底のキャップ26で囲繞され、キャップ26を介して電橋線付塞栓21にカシメ付けで固定されている。キャップ26は、静電気による非火薬の点火剤24への放電経路を遮断するため、例えばポリプロピレンやポリエチレン等の樹脂で形成されている。キャップ26は、点火剤ホルダー25に装着されている。キャップ26の底部26aの肉厚は、非火薬の点火剤24の燃焼時の熱及びガス圧で容易に破壊されやすいよう0.5mm以下が望ましい。
キャップ26の底部26a側には、内部に非火薬の着火剤27を充填した有底の管体28が配置されている。管体28は、例えばアルミニウム等の軟質金属で形成されている。管体28は、キャップ26を囲繞する形で電橋線付塞栓21にカシメ付けで固定されている。
管体28の底部28aの肉厚は、非火薬の着火剤27の燃焼時の熱及びガス圧で容易に管体28の底部28a側から破断しやすくなるよう0.5mm以下が望ましい。なお、底部28aの中央部領域に、非火薬の着火剤27の燃焼時には破断しやくなるように底部28aより肉厚が薄い薄肉部28a’を設けても良い。その場合には、管体28の破断時の火炎噴出方向制御を補助する効果が得られる。
なお、管体28とキャップ26と電橋線付塞栓21とのカシメは、電橋線付塞栓21の電橋線23側を非火薬の点火剤24内に挿入後、外側から2箇所のカシメ部29a,29bを形成することによって行われる。なお、本実施形態では、カシメ部29a,29bを設けた場合について説明したが、カシメ部29a,29bの何れか一方にするか、更に1段追加して3段にする場合もある。
非火薬のイグナイタ20には、例えばアルミニウム等の金属から成る略円筒形状の火炎案内部30が管体28の周囲を覆うように配置されている。この際、管体28の先端側外周に例えばエポキシ系接着剤等の接着剤を塗布した後、略筒形状の火炎案内部30に挿入し、接着剤を均一に伸ばして管体28と略筒形状の火炎案内部30とを固定するように処理している。
図4では、略筒形状の火炎案内部30は、カシメ部29bの下端部側から管体28の底部28aの先端部側に向かって装着されている。略筒形状の火炎案内部30は、下端面30aからlmmの位置で管体28の底部28aを支持固定する段部30bが設けられている。段部30bは、略筒形状の火炎案内部30の内径より小径になるにように形成されている。段部30bと下端面30aとの距離1mmは、非火薬のイグナイタ20が発煙部50と接触しないようにするための間隔部材として機能する。
次に、非火薬の発煙部50について説明する。
非火薬の発煙部50は、図1に示すように、非火薬のイグナイタ20からの熱エネルギーを受けて酸化還元反応を開始する非火薬の加熱薬51と、この非火薬の加熱薬51の酸化還元反応による発熱により、反応を開始する非火薬の発煙薬54とを備えている。
非火薬の加熱薬51は、酸化剤と還元剤と結合剤とで構成される組成物をプレスで圧填成型して略円筒形状に成型されている。
酸化剤は、例えば酸化第二銅や二酸化マンガン等の火薬組成とはならない金属酸化物である。還元剤は、例えばマグネシウム粉やアルミニウム粉等の金属粉である。結合剤は、ひまし油等の不乾性油、フッ素ゴム等の合成ゴム、塩化ビニル等の合成樹脂等である。結合剤は、プレスによる圧填成型後でも非火薬の加熱薬51の形状を維持させることができる。
非火薬の加熱薬51の中央の軸線方向には煙道52が設けられている。この煙道52は、非火薬の発煙薬54として有色発煙薬を燃焼させ色付きの煙を発生させる場合に、色素の蒸気が残渣層を通過することで冷却され煙色が白くなることを防ぐために設けられている。
なお、非火薬の発煙薬54として、塩化亜鉛を生成し発煙を生じさせる発煙薬や赤リンを反応させ発煙を生じさせる発煙薬を用いる場合は、特に煙道52を設けなくても良い。
非火薬の加熱薬51の上部には、非火薬のイグナイタ20の作動時の火炎暴露部に火炎受部53を設けている。この火炎受部53は、非火薬の加熱薬51の表面積を大きくし熱伝導率を小さくすることで着火性を向上させるために設けられる。火炎受部53は、例えば非火薬の加熱薬51の圧填成型後にこの非火薬の加熱薬51の上部を円環状に削り、略円環状の突起53aを形成することで形成されている。火炎受部53は、非火薬の発煙部50を煙噴出部10のホルダー11の筒体挿入部18を筒体63に固定する際は、火炎受部53の上部が非火薬のイグナイタ20と確実に対向するように配置される。
火炎受部53を削り加工により略円環状の突起53aとして形成すると、面が荒れた略円環状の突起53aとなるため、熱伝導率が小さくなり、非火薬のイグナイタ20の火炎を受けた際に分散する熱が少なくなり、燃焼が容易に開始し、着火性が向上する。なお、略円環状の突起53aの数は加工可能な範囲であれば段状に複数個設けても良い。
非火薬の発煙薬54は、非火薬の加熱薬51に接しており、この非火薬の加熱薬51の熱により、反応を開始し発煙する。なお、非火薬の発煙薬54は、非火薬組成による発煙薬で構成すれば特に制限はなく、プレスで圧填成型により略円筒形状に成型されている。
非火薬の発煙薬54の燃焼は、非火薬の加熱薬51に接する上層から生じ、発煙量は非火薬の発煙薬54の断面径を増加すれば燃焼面積が増えることで増加し、発煙時間は薬長を増加すれば増える。この非火薬の発煙薬54の断面径及び薬長は、製造可能な範囲で所望の性能が得られる値に設定できる。
非火薬の発煙薬54は、例えば、6塩化エタン、亜鉛、酸化亜鉛の混合物から成り、反応により塩化亜鉛を生成し、その塩化亜鉛蒸気が空中水分と反応することで白煙を生じる従来の非火薬の発煙薬や、例えば特許第3987638号公報に記載の通り、金属粉末とフッ素樹脂と酸化亜鉛と塩化ビニル樹脂とから成り、反応により塩化亜鉛を生成し、その塩化亜鉛が空中水分と反応することで白煙を生じる非火薬の発煙薬等を使用できる。
また、非火薬の発煙薬54は、従来より既知である酸化剤と還元剤と赤リンと不乾性油とより成る非火薬の赤リン系発煙薬が使用できる。非火薬の赤リン系発煙薬は、酸化還元反応により赤リンがリン蒸気へ変化し、リン蒸気が大気中の酸素と反応し五酸化リンになり、五酸化リンが大気中の水分と反応しリン酸となることで白煙が生じる。
また、非火薬の発煙薬54は、有色煙を発生させる場合は、既知である非火薬の有色煙薬が使用できる。例えば、アジ化ソーダと煙担持剤と染料と結合剤とから成り、アジ化ソーダの反応により染料を気化させ所望の有色煙を発生させる発煙薬等がある。
なお、非火薬の発煙薬54は、非火薬の加熱薬51と同様に中央の軸線方向に煙道54aが設けられているが、この煙道54aは、非火薬の有色発煙薬を燃焼させ色付きの煙を発生させる場合に、色素の蒸気が残渣層を通過することで冷却され煙色が白くなることを防ぐために設けているので、塩化亜鉛を生成し発煙を生じさせる非火薬の発煙薬や赤リンを反応させ発煙を生じさせる非火薬の発煙薬の場合は、特に設けなくても良い。
非火薬の加熱薬51と非火薬の発煙薬54とは、例えばクラフト等から成る紙管で構成される薬筒55の内部に填薬され、プレスにて薬筒55内に圧填されている。また、薬筒55は、薬剤燃焼時の断熱機能も有している。薬筒55は、内部に非火薬の加熱薬51及び非火薬の発煙薬54を填薬した後、プレスにて両薬剤を圧填するため、巻層数及び厚みは圧填時に変形が生じない寸法に設定すれば良いが、断熱機能を有することも考慮すると、厚さは2.0mm以上が好ましい。
また、非火薬の発煙薬54の下部側には、基本的には略円柱状の非火薬の清掃薬56が配置されている。非火薬の清掃薬56は、非火薬の発煙薬54の下部側に嵌入できるように、先端側に削り加工によりテーパー部56bを形成している。そのため、非火薬の発煙薬54の下部側にも、テーパー部56bと合致するテーパー部54bが形成されている。これにより、非火薬の発煙薬54と非火薬の清掃薬56との接触面積が増加し、非火薬の清掃薬56の着火性が向上する。
テーパー部54b,56bを有する形状とすることで、非火薬の発煙薬54と非火薬の清掃薬56との接触面積が増加し、非火薬の清掃薬56への伝火性が向上する。但し、非火薬の清掃薬56は非火薬の発煙薬54に赤リン系発煙剤を用いるときのみ配置するため、それ以外の非火薬の発煙薬54を使用する場合は、非火薬の清掃薬56が存在しないので、テーパー部54bを設けなくとも良い。
非火薬の清掃薬56は、酸化剤と還元剤と結合剤とより成り、非火薬の発煙薬54の熱により反応を開始し燃焼する。組成は非火薬の加熱薬51と同様である。
非火薬の発煙薬54が赤リン系発煙薬の場合、反応後のリン蒸気が後述する筒体63内にタール状に堆積することがあるため、作動数時間後に再発煙が生じるおそれがある。そのため、最後に非火薬の清掃薬56を燃焼させることで、後述する筒体63内のリン蒸気を完全に反応させる。
また、非火薬の清掃薬56は、筒体63の内径と合致するよう断熱材57が巻き付けられ、燃焼前は非火薬の清掃薬56の傾きが防がれ、かつ、非火薬の清掃薬56の燃焼時は筒体63への伝熱が防止される。
断熱材57は、筒体63への伝熱を防ぐために例えばガラスクロス等の耐熱布が用いられる。断熱材57の巻き数及び厚みは、筒体63の内径と合致するよう設定すれば良く、特に制限はない。
非火薬の清掃薬56と断熱材57との下部側には、例えばガラスクロス等の耐熱布より成る断熱間座58が配置されている。断熱間座58は、非火薬の清掃薬56の底部に配置され、断熱間座58の底部に配置する底フタ59ヘの伝熱を防ぐ。また、断熱間座58は、筒体63内で、薬剤圧填済みの薬筒55、断熱材57巻き付け済みの非火薬の清掃薬56が上下に動かないよう、各部品の寸法誤差を吸収する機能も有するため、配置数及び厚みは、任意に設定できる。
底フタ59は、図1、図5に示すように、例えばアルミニウム等の金属から成る略円柱形状の蓋体である。底フタ59は、筒体63の内径より小径の外径を有する筒体挿入部60と、この筒体挿入部60の下部側に筒体63の下端面をカシメ付けるための環状凹部61と、この環状凹部61の下部側に筒体63の内径より大径の外径を有する底部62とを一体的に備えている。環状凹部61は、円周状にRを有した切欠き加工が施されている。
筒体63は、例えばステンレス等の金属等で構成されている。筒体63には、内部に薬剤圧填済みの薬筒55、断熱材57巻き付け済みの非火薬の清掃薬56、断熱間座58及び底フタ59の筒体挿入部60及び環状凹部61が収納されている。
筒体63の先端は、薬筒55の飛び出し防止のストッパー64が巻締め加工にて施されている。
各部品収納後、底フタ59の環状凹部61に筒体63の端部をカシメることで、筒体63は、底フタ59に固定される。底フタ59の環状凹部61に筒体63の端部をカシメることで、薬剤圧填済みの薬筒55、断熱材57巻き付け済みの非火薬の清掃薬56、断熱間座58を押さえ込んで一体化させることができる。
なお、筒体63と底フタ59との固定は、カシメに代えて、筒体63と底フタ59との嵌合部に例えばエポキシ樹脂等の接着剤を塗布する方法でも良い。筒体63の厚さは、カシメによる底フタ59の固定を考慮すると、lmm以下が好ましい。
次に、本実施形態に係る非火薬発煙装置1の作用を説明する。
先ず、本実施形態に係る非火薬発煙装置1を例えば所定の場所に配置する。
次に、図示しない電源に非火薬のイグナイタ20のリード線22を接続し、リード線22から電橋線付塞栓21に通電する。電橋線付塞栓21への通電により電橋線23が高温になり、非火薬の点火剤24が点火する。
次に、非火薬の点火剤24の燃焼時の熱及びガス圧により、キャップ26が底部26aより破断する。
次に、キャップ26の破断により、非火薬の点火剤24の燃焼による火炎(熱粒子)が非火薬の着火剤27の方向へ飛散し、非火薬の着火剤27が着火する。
次に、非火薬の着火剤27の燃焼時の熱及びガス圧により、管体28が薄肉部28a’より破断する。
次に、管体28の薄肉部28a’が破断することで、非火薬の着火剤27の燃焼による火炎(熱粒子)が、管体28の底部から噴出する。
なお、管体28が底部28以外の脇部より破断しても、非火薬の着火剤27の燃焼による火炎は略筒形状の火炎案内部30を介して下方向へ案内される。
以上によって、非火薬のイグナイタ20から非火薬の発煙部50に火炎(熱粒子)が噴出される。
次に、非火薬の発煙剤54に赤リン系発煙薬を使用した場合について説明する。
先ず、非火薬のイグナイタ20の火炎により、着火性の良い非火薬の加熱薬51の火炎受部53が着火する。
次に、着火した非火薬の加熱薬51が上層から燃焼していく(端面燃焼)。その際の熱により、ホルダー11に設けた封板14が溶融し、ホルダー11の複数の煙噴出孔12が露出する。
次に、非火薬の加熱薬51の燃焼が進み非火薬の発煙薬54(赤リン系発煙薬)との境界面に燃焼が達した時点で、非火薬の加熱薬51の燃焼の熱により非火薬の発煙薬54(赤リン系発煙薬)の燃焼が開始する。
次に、非火薬の発煙薬54(赤リン系発煙薬)は上層から燃焼していき、ホルダー11の複数の煙噴出孔12より煙が噴出する。非火薬の発煙薬54(赤リン系発煙薬)の燃焼が進み非火薬の清掃薬56との境界面に燃焼が達した時点で、赤リン系発煙薬の燃焼の熱により非火薬の清掃薬56の燃焼が開始する。
次に、非火薬の清掃薬56が燃焼し、筒体63内に残っているリン蒸気を完全に反応させる。
なお、発煙時間は発煙薬薬長による。
次に、薬長分の非火薬の発煙薬54(赤リン系発煙薬)の燃焼が終了することで、煙の発生が終了する。
なお、非火薬の発煙剤54に赤リン系発煙薬を使用しない場合には、図1に示すように、非火薬の清掃薬56を配置する必要がない。
以上のように、本実施形態に係る非火薬発煙装置1によれば、煙噴射部10に備えた非火薬のイグナイタ20から煙噴射部10に接続する非火薬の発煙部50へ点火する構造としたので、火薬類取締法の制限を受けずがん具煙火にも属さない非火薬発煙装置を提供できる。
本実施形態によれば、非火薬のイグナイタ20は、略筒形状の火炎案内部30により管体28の周囲を覆うことで、管体28は非火薬の着火剤27の燃焼時の熱及びガス圧により薄肉部28a’から破断する。しかも、仮に、管体28の底部28a側の薄肉部28a’を設けていない管体28を使用した場合、管体28の底部28aが縁部から破断しても、略筒形状の火炎案内部30の下端面30aと段部30bとの間が火炎案内孔の役割となり、煙噴射部10に接続する非火薬の発煙部50の非火薬の加熱薬51の燃焼のために火炎噴出方向を制御できる。
本実施形態によれば、火炎噴出方向が制御できる構造の非火薬のイグナイタ20を用いるので、火薬を用いなくても非火薬の発煙部50の反応を開始させることができる。
本実施形態によれば、非火薬のイグナイタ20から非火薬の加熱薬51へ確実に着火し、非火薬の加熱薬51側の着火性を向上させるために、非火薬の加熱薬51に火炎受部53を設けているので、火薬を用いなくとも、非火薬の加熱薬51の着火が可能となった。更に、火薬を用いていないことで、完全な非火薬発煙装置が提供できることにもなる。
本実施形態によれば、煙噴射部10が非火薬のイグナイタ20をシール剤を用いてホルダー11に接着するのみといった単純な固定方法で配置できるので、構造が簡単である。
本実施形態によれば、非火薬の発煙部50に、筒体63と非火薬の加熱薬51及び非火薬の発煙薬54の間に薬筒55を設けると共に、非火薬の清掃薬56と筒体63及び底フタ59との間には断熱材57を設けているので、薬剤燃焼時の熱が直接筒体63には伝わらず、安全である。
次に、煙噴射部10に備えた非火薬のイグナイタ20と非火薬の発煙部50との関係について確認試験を行った。
非火薬のイグナイタ20に設ける略筒形状の火炎案内部30の下端面30aと非火薬の加熱薬51の火炎受部53との距離は、着火剤量0.10g時は0mm〜5mmの範囲、着火剤量0.35g時は0mm〜8mmの範囲、着火剤量0.60g時は0mm〜11mmまで、非火薬のイグナイタ20により非火薬の加熱薬51が着火可能であることが着火性試験から確認できた。
よって、装置の小型化を考慮した場合、着火剤量は0.10g〜0.60g、非火薬のイグナイタ20の管体28の底面28aと非火薬の加熱薬51との距離は1mm〜12mm(略筒形状の火炎案内部30の段部30bのlmmを考慮)が適切であると言える。但し、非火薬発煙装置1のサイズとして特に制限がない場合は、上記数値に囚われることはなく、「非火薬の着火剤27の薬量」と「非火薬の加熱薬51までの非火薬のイグナイタ20の管体28との距離(略筒形状の火炎案内部30の段部30bの位置)」を変化させ「非火薬の加熱薬51への着火性」を確認した上で、任意に設定できる。
以下に、本実施形態に係る非火薬のイグナイタ20の検証試験を示す。
(1)管体28の薄肉部28a’の効果確認試験を行った。
試験体は、図4に示す非火薬のイグナイタ20において、略筒形状の火炎案内部30を設けないものとし、底部28aの肉厚0.5mmの管体28を用いたイグナイタ(水準1)と、底部28aの中央に厚さ0.1mmの薄肉部28a’を設けた管体28を用いたいイグナイタ(水準2)を作動させ(各試料の数N=5)、管体28の破断状況を確認した。
試料詳細は、下記の通りである。
管体28・・・材質:アルミニウム、外径:7.35mm
非火薬の点火剤24・・・組成:金属ボロン/酸化第二銅=10/90、填薬量:0.15g
非火薬の着火剤27・・・アルミニウム粉/四酸化三鉄/クロム酸バリウム/フツ素ゴム=36/33/31/1(外割)、填薬量:0.35g
管体28の破断状況を示す確認結果は、表1の通りである。
Figure 0006509539
管体28の底部28aに薄肉部28a’を設けない場合、管体28の底部28aから破断が生じた試料(頂点破断)の割合は1/5であり、管体28の底部28aに薄肉部28a’を設けた場合、管体28の底部28aから破断が生じた試料(頂点破断)の割合は4/5であった。
よって、管体28の底部28aに薄肉部28a’を設けることで、着火剤27の燃焼時に管体28の底部28aから破断する割合が増加することが確認できた。
管体28は、非火薬の着火剤27の燃焼時の熱及びガス圧により、底部28a方向及び円周方向へ圧力を受ける。そのため、管体28の底部28aの縁部が破断する傾向を示し、その際は、その破断箇所から熱粒子及びガスが発生する。
一方で、管体28の底部28aに薄肉部28a’を形成すれば、管体28の底部28aの縁部が破断するより前に肉厚が薄く強度が弱い管体28の底部28aの薄肉部28a’が破断する。
但し、管体28の底部28aに薄肉部28a’を設けても、非火薬の着火剤27の燃焼時のガス圧作用方向次第では管体28の底部28aの縁部から破断することもあると言える。その理由は、薄肉部28a’を設けた管体28でも1/5の割合で管体28の底部28aの縁部に破断が生じたためである。
以上より、あくまで管体28の底部28aに薄肉部28a’を設けると、管体28の底部28aの縁部の破断の割合が低下することから、管体28の底部28aに薄肉部28a’を形成することは、火炎噴出方向の制御として補助的な効果と言える。
(2)次に、図4に示すように、略筒形状の火炎案内部30を設けた非火薬のイグナイタ20の検証試験を行った。
略筒形状の火炎案内部30による管体28の破断状況及び火炎噴出状況の確認を行った。
管体28の底部28aの肉厚0.5mmの管体28を用いた非火薬のイグナイタ20に略筒形状の火炎案内部30を装着した試料(水準1)と、管体28の底部28aに厚さ0.1mmの薄肉部28a’を設けた管体28を用いたい非火薬のイグナイタ20に略筒形状の火炎案内部30を装着した試料(水準2)を作動させ(各試料の数N=5)、管体28の破断状況及び火炎噴出状況を確認した。
試料詳細は、下記の通りである。
管体28・・・材質:アルミニウム、外径:7.35mm
非火薬の点火剤24・・・組成:金属ボロン/酸化第二銅=10/90、填薬量:0.15g
非火薬の着火剤27・・・組成:アルミニウム/四酸化三鉄/クロム酸バリウム/フツ素ゴム=36/33/31/1(外割)、填薬量:0.35g
略筒形状の火炎案内部30・・・材質:アルミニウム、内径:7.4mm、段部:下端面からlmm
管体28の破断状況及び火炎噴出方向を示す確認結果は、表2の通りである。
Figure 0006509539
水準1の結果より、略筒形状の火炎案内部30を装着することで、管体28の底部28aの縁部が破断しても、火炎噴出方向は管体28の底部28a側下方に制御できることが得られた。
略筒形状の火炎案内部30を装着しない非火薬のイグナイタ100は、例えば、図6に示すように、管体28の底部28aの縁部101が破断すると、その破断箇所から先に向かう方向へ火炎が噴出する。この場合、最終的に非火薬の加熱薬51へ火炎は暴露しない。
一方で、略筒形状の火炎案内部30を装着する非火薬のイグナイタ20は、例えば、図7に示すように、略筒形状の火炎案内部30の下端面30aと段部30bの間が火炎案内孔となり、強制的に火炎噴出方向を制御できる。よって、非火薬の加熱薬51側へ確実に火炎が噴出する。
また、水準2の結果より、管体28の底部28aに薄肉部28a’を設けた管体28を使用した非火薬のイグナイタ20は、略筒形状の火炎案内部30を装着することで、非火薬の着火剤27の燃焼時に管体28の底部28aの薄肉部28a’から破断することが確認できた。
非火薬の着火剤27の燃焼時の熱及びガス圧により、管体28は底部28a方向及び円周方向へ圧力を受けるが、管体28の周囲を略筒形状の火炎案内部30により覆うことで、管体28は円周方向へ広がらなくなる。そのため、圧力は管体28の底部28a方向へ集中し、厚さが薄い頂点の薄肉部28a’から破断することになる。
以上より、略筒形状の火炎案内部30により管体28の底部28aの薄肉部28a’での破断性の向上と非火薬の着火剤27の燃焼時の火炎噴出方向の制御が可能であると言える。
(3)次に、非火薬の加熱薬51に火炎受部53を設ける効果確認試験を行った。
非火薬の加熱薬51の上部に火炎受部53を設けない加熱薬(水準1)と、非火薬の加熱薬51の上部の端を深さ及び幅2mmで円周状に削り略円環状の火炎受部53を設けた加熱薬(水準2)に対し、非火薬のイグナイタ20による着火性を確認した(各試料の数N=5)。
試料の詳細は、下記の通りである。
管体28・・・材質:アルミニウム、外径:7.35mm、管体28の底部28aの厚さ0.1mmの薄肉部形成
非火薬の点火剤24・・・組成:金属ボロン/酸化第二銅=10/90、填薬量:0.15g
非火薬の着火剤27・・・組成:アルミニウム/四酸化三鉄/クロム酸バリウム/フツ素ゴム=36/33/31/1(外割)、填薬量:0.35g
略筒形状の火炎案内部30・・・材質:アルミニウム、内径:7.4mm、段部:下端面からlmm
非火薬の加熱薬51・・・組成:二酸化マンガン/珪素鉄/マグネシウム/アルミニウム/ヒマシ油=50/22/18/5/5、薬量:15g
イグナイタ固定位置・・・縦方向:非火薬の加熱薬51の上部端面と略筒形状の火炎案内部30の下端面30aの距離5mm、横方向:非火薬のイグナイタ20の管体28の薄肉部28a’が非火薬の加熱薬51の火炎受部53の上部となる位置
着火状況の確認結果は、表3の通りである。
Figure 0006509539
非火薬の加熱薬51の上部に火炎受部53を設けない水準1では、4/5の割合で非火薬のイグナイタ20から着火できなかった。
一方で、水準2のように、非火薬の加熱薬51の上部に火炎受部53を設ければ、5/5の割合で非火薬のイグナイタ20から着火可能であった。
削り加工により設けられた火炎受部53は、面が荒れた角部となるため、熱伝導率が小さくなる。熱伝導率が小さいため、熱を受けた際に分散する熱が減る。そのため、着火性が向上する結果となった。
(4)次に、非火薬のイグナイタ20の非火薬の着火剤27の量及び非火薬の加熱薬51の上部に設ける火炎受部53と略筒形状の火炎案内部30の下端面30aとの距離について確認した。
図8に示すように、非火薬の加熱薬51の上部の端を深さ及び幅2mmで円周状に削り火炎受部53を設けた非火薬の加熱薬51に対し、非火薬のイグナイタ20の非火薬の着火剤27の量及び非火薬の加熱薬51の上部端面と略筒形状の火炎案内部30の下端面30aとの距離ymmを変化させ、着火性を確認した(各試料の数N=5)。
試料の詳細は、下記の通りである。
管体28・・・材質:アルミニウム、外径:7.35mm、管体28の底部28aの薄肉部28a’厚さ;0.1mm
非火薬の点火剤24・・・組成:金属ボロン/酸化第二銅=10/90、填薬量:0.15g
非火薬の着火剤27・・・組成:アルミニウム/四酸化三鉄/クロム酸バリウム/フツ素ゴム=36/33/31/1(外割)、着火剤量:0.1、0.35、0.6g
略筒形状の火炎案内部30・・・アルミニウム、内径:7、4mm、段部30b:下端面30aからlmm
非火薬の加熱薬51・・・組成:二酸化マンガン/珪素鉄/マグネシウム/アルミニウム/ヒマシ油=50/22/18/5/5、薬量:15g
イグナイタ固定位置…縦方向:非火薬の加熱薬51の火炎受部53の上部端面と略筒形状の火炎案内部30の下端面30aの距離yは、0mm、2mm、5mm、8mm、11mm、14mm、横方向:管体28の薄肉部28a’が非火薬の加熱薬51の火炎受部53上部となる位置
着火状況の確認結果は、表4の通りである。
Figure 0006509539
非火薬の着火剤27の量が0.10gの場合、図9に示すように、非火薬の加熱薬51の火炎受部53の上部端面と略筒形状の火炎案内部30の下端面30aの距離yは5mmまでであれば、非火薬の加熱薬51は着火する。
また、非火薬の着火剤27の量を増加させるほど、非火薬の着火剤27の燃焼時に飛散する熱粒子の量が増加する(火炎が大きくなる)ため、非火薬の加熱薬51の火炎受部53の上部端面と略筒形状の火炎案内部30の下端面30aの距離yが離れても非火薬の加熱薬51は着火する結果が得られた。
試験としては、非火薬の着火剤27の量が0.60gであれば、非火薬の加熱薬51の火炎受部53の上部端面と略筒形状の火炎案内部30の下端面30aの距離yは11mmまでが許容できる。
よって、装置の小型化を考慮した場合、非火薬の着火剤27の量は0.10g〜0.60g、非火薬の加熱薬51の火炎受部53の上部端面と略筒形状の火炎案内部30の下端面30aの距離yは1mm〜12mmの範囲内(略筒形状の火炎案内部30の段部30bをlmm考慮)が最適であると言える。
上記の試験で、縦方向のイグナイタ固定位置を「非火薬の加熱薬51の火炎受部53の上部端面と略筒形状の火炎案内部30の下端面30aの距離yが5mm」とした場合に対し、非火薬の加熱薬51の火炎受部53と略筒形状の火炎案内部30の下端面30aとを接触させ、略筒形状の火炎案内部30内の「管体28の底部28aを固定できるように設ける段部30bの位置」を、図10に示すように、「略筒形状の火炎案内部30の下端面30aから6mmの位置」としても結果は同じである。
そのため、試験結果より、管体28の底面28aと非火薬の加熱薬51の火炎受部53の上部端面との距離yは1mm〜12mmの範囲としている。
なお、発煙装置のサイズとして特に制限がない場合は、上記数値に囚われることはなく、「非火薬の着火剤27の薬量」と「非火薬の加熱薬51までの管体28の距離(略筒形状の火炎案内部30の段部30bの位置)」を変化させ「非火薬の加熱薬51への着火性」を確認した上で、任意に設定できる。
次に、非火薬の加熱薬51の火炎受部53について説明する。
本実施形態では、非火薬の加熱薬51を圧填成型後に非火薬の加熱薬51を削り、円周状に環状体を形成することで、面が荒れた形状とした。
なお、火炎受部53の数は加工可能な範囲であれば、図11に示すように、段状に複数個設けて良い。
また、図12に示すように、外周からテーパー状に非火薬の加熱薬51を削ることでも面が荒れた火炎受部53を形成しても良い。さらに、図13に示すように、中央からテーパー状に非火薬の加熱薬51を削ることでも面が荒れた火炎受部53を形成しても良い。
以上のように、火炎受部53は、非火薬の加熱薬51の上面に削り加工により面が荒れた角部が形成されれば、特に形状に制限はない。
また、本実施形態では、火炎受部53は、非火薬の加熱薬51の上面の外側の円周に削り加工により面を荒して形成した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、図14、図15、図16に示すように、非火薬の加熱薬51の上面の中心側に火炎受部53を設けても良い。
図14によれば、煙道52の内径を大きくすることによって火炎受部53を形成している。この場合、非火薬系のイグナイタ20の下端部が火炎受部53内まで移動できるので、非火薬の着火剤27の火炎が確実に火炎受部53の内周壁面に伝化できるので、着火性能が向上する。
しかも、図14に示すように、非火薬のイグナイタ20の位置が、煙道52内であれば時に固定する位置を限定することが無いので、ホルダー11に対する非火薬のイグナイタ20の位置の制限が解消される。
図15に示す火炎受部53は、図14に示す火炎受部53を複数の階段状に形成した例を示す。図15に示す火炎受部53は、図14に示す火炎受部53に比べて非火薬の着火剤27からの火炎を受けやすくなるため、さらに着火性能が向上する。
勿論、図15に示す火炎受部53の場合も、図14と同様に、非火薬のイグナイタ20の位置が、煙道52内であれば時に固定する位置を限定することが無いので、ホルダー11に対する非火薬のイグナイタ20の位置の制限が解消される。例えば、図16に示すように、非火薬のイグナイタ20の中心を煙道52の中心に配置することも可能となる。
また、非火薬の加熱薬51を削ることで火炎受部53を設け着火性を向上させることに加え、更なる着火信頼性を向上させる手段として、図17に示すように、火炎受部53に非火薬の着火薬51aを塗布することも可能である。
この非火薬の着火薬51aは、例えば、非火薬の加熱薬51より活性化エネルギーが小さくなる酸化剤と還元剤と結合剤からなる混合物とし、溶剤により泥薬化した後に火炎受部53へ塗布することで配置が可能である。泥薬は風乾等により溶剤を気化させることで、非火薬の加熱薬51と密着される。
非火薬の着火薬51aは、非火薬の加熱薬より活性化エネルギーが小さいため反応速度も非火薬の加熱薬より速くなり、非火薬のイグナイタ20の火炎を受けた際に非火薬の加熱薬51より先に燃焼が開始する。そのため、非火薬の加熱薬51は、非火薬のイグナイタ20の火炎と非火薬の着火薬51aの燃焼時の熱を受けるため、着火性がより向上することになる。
また、本実施形態では、非火薬のイグナイタ20の火炎案内部30が略円筒形状の場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、図18に示すように、下端面30aの先端部が先細りになるテーパー形状としても良い。この場合は、非火薬の着火剤27からの火炎が加熱薬51の煙道52に向かうため、例えば、図14〜図16に示すように、煙道52内に配置することが望ましい。
1 非火薬発煙装置
10 煙噴射部
11 ホルダー
12 複数の煙噴射孔
13 封板接着面
14 封板
15 固定穴
16 開口部
17 シール剤
18 筒体挿入部
19 空間部
20 非火薬のイグナイタ
21 電橋線付塞栓
22 リード線
23 電橋線
24 非火薬の点火剤
25 点火剤ホルダー
26 キャップ
27 非火薬の着火剤
28 管体
28a 管体28の底部
28a’ 管体28の底部28aの薄肉部
29a,29b カシメ部
30 火炎案内部
30a 火炎案内部30の下端面
30b 火炎案内部30の段部
50 非火薬の発煙部
51 非火薬の加熱薬
52 煙道
53 火炎受部
54 非火薬の発煙薬
55 薬筒
56 非火薬の清掃薬
57 断熱材
58 断熱間座
59 底フタ
60 筒体挿入部
61 環状凹部
62 底部
63 筒体
64 ストッパー

Claims (16)

  1. 非火薬のイグナイタを内部に支持固定する煙噴射部と、
    前記煙噴射部に接続される非火薬の発煙部と
    を備え、
    前記非火薬のイグナイタは、
    電源に接続される電橋線付塞栓と、
    前記電橋線付塞栓に固定されるキャップ内に充填され、電橋線により点火される非火薬の点火剤と、
    前記電橋線付塞栓に前記キャップと共に固定される管体内に充填され、前記非火薬の点火剤の点火により着火される非火薬の着火剤と、
    前記非火薬の点火剤と前記非火薬の着火剤との外周を囲繞し、前記非火薬の着火剤の火炎を前記非火薬の発煙部方向へ誘導する略筒形状の火炎案内部と、
    を含み、
    前記非火薬の発煙部は、非火薬の発煙薬の前記非火薬のイグナイタ側に火炎受部を設けた非火薬の加熱薬を配置して成る
    ことを特徴とする非火薬発煙装置。
  2. 請求項1記載の非火薬発煙装置において、
    前記非火薬のイグナイタは、前記非火薬の発煙部の火炎受部と対向配置されている
    ことを特徴とする非火薬発煙装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の非火薬発煙装置において、
    前記煙噴射部は、
    前記非火薬のイグナイタと、
    前記非火薬のイグナイタを内部に支持固定するホルダーと
    を備え、
    前記ホルダーは、複数の煙噴射孔と、前記複数の煙噴射孔に装着される封板と、前記非火薬のイグナイタを内部に支持固定する固定部と、前記非火薬の発煙部の固定部とを設けている
    ことを特徴とする非火薬発煙装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか記載の非火薬発煙装置において、
    前記火炎案内部は、前記管体の底部と前記火炎案内部の端面との間に火炎噴出部を形成するように、前記管体の底部を支持する段部を有する
    ことを特徴とする非火薬発煙装置。
  5. 請求項記載の非火薬発煙装置において、
    前記管体の底部は、前記非火薬の着火剤の火炎を噴出し易くするために前記管体の肉厚より薄い薄肉部を有する
    ことを特徴とする非火薬発煙装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか記載の非火薬発煙装置において、
    前記非火薬の発煙部は、
    前記非火薬のイグナイタからの熱エネルギーを受けて酸化還元反応を開始する前記非火薬の加熱薬と、
    前記非火薬の加熱薬の酸化還元反応による発熱により、反応を開始する前記非火薬の発煙薬とで構成されている
    ことを特徴とする非火薬発煙装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか記載の非火薬発煙装置において、
    前記非火薬の加熱薬は、酸化剤と還元剤と結合剤とで構成される組成物をプレスで圧填成型して略筒形状に成型されている
    ことを特徴とする非火薬発煙装置。
  8. 請求項1乃至請求項の何れか記載の非火薬発煙装置において、
    前記非火薬の加熱薬は、酸化剤と還元剤と結合剤とで構成される組成物をプレスで圧填成型して中央の軸線方向に煙道を有する略円筒形状に成型されている
    ことを特徴とする非火薬発煙装置。
  9. 請求項1乃至請求項の何れか記載の非火薬発煙装置において、
    前記火炎受部は、前記非火薬の加熱薬の圧填成型後に前記非火薬の加熱薬の上部を円環状に削り、略円環状の突起を形成することで形成されている
    ことを特徴とする非火薬発煙装置。
  10. 請求項記載の非火薬発煙装置において、
    前記略円環状の突起は、多段に形成されている
    ことを特徴とする非火薬発煙装置。
  11. 請求項記載の非火薬発煙装置において、
    前記火炎受部は、前記非火薬の加熱薬の圧填成型後に前記煙道の上部を円環状に削り、略円環状の突起を形成することで形成されている
    ことを特徴とする非火薬発煙装置。
  12. 請求項11記載の非火薬発煙装置において、
    前記略円環状の突起は、多段に形成されている
    ことを特徴とする非火薬発煙装置。
  13. 請求項1乃至請求項12の何れか記載の非火薬発煙装置において、
    前記非火薬の発煙部は、
    前記非火薬のイグナイタからの熱エネルギーを受けて酸化還元反応を開始する前記非火薬の加熱薬と、
    前記非火薬の加熱薬の酸化還元反応による発熱により、反応を開始する前記非火薬の発煙薬と、
    前記非火薬の加熱薬と前記非火薬の発煙薬とを内部に填薬する薬筒と、
    前記非火薬の発煙薬に接して配置される非火薬の清掃薬と、
    前記非火薬の発煙薬と前記非火薬の清掃薬との間に巻層される断熱材と、
    前記断熱材に接して配置される断熱間座と、
    前記断熱間座に接して配置される底フタと、
    前記非火薬の加熱薬の上部側から前記底フタまでを囲繞し、端部を前記底フタにカシメ付ける筒体とで構成されている
    ことを特徴とする非火薬発煙装置。
  14. 請求項1乃至請求項12の何れか記載の非火薬発煙装置において、
    前記非火薬の発煙部は、
    前記非火薬のイグナイタからの熱エネルギーを受けて酸化還元反応を開始する前記非火薬の加熱薬と、
    前記非火薬の加熱薬の酸化還元反応による発熱により、反応を開始する前記非火薬の発煙薬と、
    前記非火薬の加熱薬と前記非火薬の発煙薬とを内部に填薬する薬筒と、
    前記薬筒の下部側に巻層される断熱材と、
    前記断熱材に接して配置される断熱間座と、
    前記断熱間座に接して配置される底フタと、
    前記非火薬の加熱薬と前記非火薬の発煙薬とを内部に填薬する薬筒と、
    前記非火薬の加熱薬の上部側から前記底フタまでを囲繞し、端部を前記底フタにカシメ付ける筒体とで構成されている
    ことを特徴とする非火薬発煙装置。
  15. 請求項1乃至請求項14の何れか記載の非火薬発煙装置において、
    前記非火薬のイグナイタの下端面と前記非火薬の加熱薬の火炎受部との距離は、0mm〜12mmである
    ことを特徴とする非火薬発煙装置。
  16. 請求項乃至請求項の何れか記載の非火薬発煙装置において、
    前記非火薬の点火剤と前記非火薬の着火剤との外周を囲繞する略筒形状の火炎案内部は、下端面の先端部が先細りになるテーパー形状に形成されている
    ことを特徴とする非火薬発煙装置。
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