JP3939940B2 - スタングレネード - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、暴徒の鎮圧、犯罪行為あるいはテロ行為等の制圧に使用されるスタングレネードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スタングレネードは、暴徒の鎮圧、テロ行為、犯罪行為、不審船の警告等の際に、爆発音と閃光を発して、これらの行為を制圧または警告するために用いられている。
例えば、室内に人質等を拘束して立て籠もっている暴徒の制圧にスタングレネードを用いる場合は、スタングレネードを室内に投げ込んだ後、瞬時の時間遅れで室内で爆発させ、その爆発によって発生する強烈な爆発音と閃光で暴徒が一時的に感覚を麻痺している間に暴徒を制圧すると同時に、人質等を開放する。
【0003】
このように、スタングレネードは、爆発によって発生する強烈な爆発音と閃光を発するものであるから、爆発時に爆発薬から発生する爆風、弾殻部(ボディ)からの飛散物あるいはスタングレネード自体が弾け飛ぶこと等によって、人質や暴徒に肉体的な損傷を与えないように安全性の対策が講じられている。
このため、弾殻部はプラスチック製、厚紙製またはラバー製等で構成されているものがある。
【0004】
また、米国特許第5,654,523号明細書において開示されているスタングレネードは、円筒状のボディ(14)と、ベース(24)と、爆破薬を収容したカートリッジ(22)と、このカートリッジに係止するカバー(34)とから構成されており、ベース(24)およびカバー(34)には、放出孔(30,40)が設けられている。
【0005】
このため、爆発薬から発生するエネルギーは、この放出孔(30,40)から放出されるので、ボディ(14)等からの破片の形成、ベース(24)、カバー(34)の飛散等は防止される構造となっている。
ここで、爆発薬とは、音を発する発音薬、閃光を発する発光薬、あるいは発音薬と発光薬との混合薬をいう。また、発音薬は、発音に付随して光も発し、発光薬は、発光に付随して音も発する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したプラスチック製の弾殻部やラバー製の弾殻部では、爆発薬が燃焼した際に、弾殻部が破壊し破片化して周囲に飛翔するため、場合によっては、破片によって人体に肉体的損傷を加わえる可能性がある。
また、厚紙等で構成されている弾殻部の場合、厚紙自体は金属より比較的安全であるが、点火手段を構成している雷管、信管、起爆管等は金属部品であるため、厚紙に組み付けている金属部品が爆発薬の燃焼によって分離破片化する可能性が大きい。
【0007】
一方、米国特許第5,654,523号明細書に記載されたスタングレネードは、爆発薬の燃焼の際に弾殻部が破損しない堅牢な構造となっているので、弾殻部自体は破断(破片化)しないし、また、音(爆発音)・光(閃光)の放出孔の位置が弾殻部頭部側(雷管部側)と弾殻部底部側に形成されているので、爆発薬の燃焼圧力による推力は軽減され弾け飛ぶことは少ない。
【0008】
しかし、このスタングレネードは、あらゆる状況下で使用されるものであり、例えば、用いる場所の状態によっては一側の放出孔が塞がれた状態で爆発薬が燃焼する可能性も考えられ、その場合、推力が発生し弾け飛ぶおそれがある。
また、爆発薬はその性質上瞬時に反応するため、発光のピーク強度はきわめて高いが瞬時に終了してしまい、発光の持続時間が短いという問題点があった。
【0009】
本発明はかかる問題点を解決するためになされたもので、その目的は、爆発薬の燃焼により弾殻部自体が破片化されず、弾殻部が爆発薬の装填されている中筒等の構成部品の破片を外へ飛散させることがなく、かつ弾殻部に組み付ける点火構成品を分離飛散させないスタングレネードを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、爆発薬の燃焼により、スタングレネード構成品自体が、人体へ肉体的損傷を与えるような状態で弾け飛ぶおそれがないスタングレネードを提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、発生する光の放出領域を従来より広い面積に形成するスタングレネードを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、発光(閃光)の持続時間を従来より長くできるスタングレネードを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、従来より軽量化が図れるスタングレネードを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、安全装置と、爆発薬と、この爆発薬を収容する筒体と、前記爆発薬を点火する点火構成部と、前記筒体を収容して前記点火構成部に取り付けられる弾殻部とを備え、前記弾殻部は、無数の光放出孔を有するとともに、前記爆発薬の燃焼により破断しない耐力を有し、かつ、防湿フイルムで覆われていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のスタングレネードにおいて、前記弾殻部は、金網製であり、かつ、側周面が爆発薬の燃焼により外側方向へ変形するように構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、安全装置と、爆発薬と、この爆発薬を収容する筒体と、前記爆発薬を点火する点火構成部と、前記筒体を収容して前記点火構成部に取り付けられる金網製の弾殻部とを備え、前記弾殻部は、無数の光放出孔を有するとともに、前記爆発薬の燃焼により破断しない耐力を有し、その側周面が爆発薬の燃焼により外側方向へ変形するように構成され、かつ防湿フイルムで覆われていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項の何れか記載のスタングレネードにおいて、前記爆発薬とは、発音薬と発光薬とを有することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項記載のスタングレネードにおいて、前記発音薬と前記発光薬は、隣接して配置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項1ないし請求項3の何れか記載のスタングレネードにおいて、前記爆発薬は、発音薬であることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし請求項の何れか記載のスタングレネードにおいて、前記爆発薬は、紛状の発音薬と錠剤状の発光薬との混合物であることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項1ないし請求項の何れか記載のスタングレネードにおいて、前記点火構成部は、雷管部と、延期薬を収容して前記雷管部に隣接して配置される延期薬部と、前記爆発薬を着火させる着火薬を収容する一端が開口する有底の筒状体から成る着火薬筒と、この着火薬筒を収容する一端が開口する有底の筒状体から成る中筒とで構成され、前記着火薬筒は、前記着火薬の燃焼炎を噴出し前記爆発薬へ伝火させる着火孔を外周側面に設け、前記中筒は、前記着火薬の火炎を通過させ爆発薬に伝火させる着火孔を外周側面に設けていることを特徴とする。
【0014】
請求項9に係る発明は、請求項記載のスタングレネードにおいて、前記着火薬筒の着火孔と前記中筒の着火孔は、着火孔覆い部材で封止されていることを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項1ないし請求項3の何れか記載のスタングレネードにおいて、前記筒体の底部には、外周が筒体の内周側面に当接し、中央部に前記中筒の底部側外周を挿入することのできる領域を有するスペーサが配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項11に係る発明は、請求項1ないし請求項の何れか記載のスタングレネードにおいて、前記点火構成部は、雷管部と、延期薬を収容して雷管部に隣接して配置されるとともに着火薬筒側の外側壁に凹部を形成して成る延期薬部と、この延期薬部に組み付けられるとともに前記爆発薬を着火させる着火薬を収容する着火薬筒とで構成され、前記着火薬筒は、一端部内に前記延期薬部の凹部側を挿入するとともに、該凹部との重合部が固定されていることを特徴とする。
【0016】
(作用)
安全装置を取り除いて、安全装置に連動して撃針が点火構成部の雷管(点火部)に激突すると、雷管が発火(作動)し、雷管と隣接する延期薬に着火し、この延期薬の一定延期秒時後に、延期薬と隣接する着火薬に点火する。
次に、この着火薬の燃焼で爆発薬(発音薬または発音薬と発光薬)に着火し爆発薬が燃焼する。
また、着火薬から爆発薬への燃焼伝搬においては、着火薬が燃焼すると、発生した高温ガスと熱粒子は着火薬筒の着火孔から中筒内に噴出し中筒に充満する。この発生した高温ガスの充満により、中筒内の圧力が高くなると中筒の着火孔から高温ガスと熱粒子が爆発薬室内に噴出する。
【0017】
そして、この爆発薬の燃焼で急激的に圧力が発生し爆発薬を収容する筒体を破断し、弾殻部から強烈な音(爆発音)・光(閃光)が放出される。
また、爆発薬の燃焼により、弾殻部内部に収容される筒体等の構成部品が破片化するが、この破片化したものは、弾殻部の無数の光放出孔によって捕捉され外(大気中)へ放出されない。
【0018】
これは、弾殻部に形成された無数の光放出孔の目の大きさによって、破片物(破断物)の捕捉が規制されるためである。
この放出されない方法の一例として、弾殻部のほとんどを金網で成形して、さらに点火構成部にしっかり組み付ける方法がある。
そして、この弾殻部は、例えば、図1に示すように縦長の筒状体に構成されているが、弾殻部側周面は弾殻部底面より、光放出孔の領域(面積)が格段に広い。
【0019】
これにより、爆発薬が燃焼して生じた燃焼ガスや弾殻部内部に収容される筒体等の構成部品の飛散物は、弾殻部側周面に大半は集中するため側周面に応力が働き、図3に示すように弾殻部底面部と点火構成部との距離が縮まり、弾殻部が変形する。
また、弾殻部の金網は破壊(破断)されることがないので、弾殻部内部に収容される筒体等の構成部品の破片のほとんどを内部に捕捉することが可能となる。
【0020】
また、弾殻部の側周面部は底面部より、光放出孔の領域(面積)が格段に広く、光放出孔が側周面部全周に等しく形成されるので、燃焼圧力の多くが、この側周面全周から放出されるので弾け飛ぶことがほとんどない。
また、発音薬と発光薬とを隣接して配置しているので、着火薬からの着火の順は発音薬が先に着火し次に発光薬が着火されるようになる。このため、先ず発音薬が燃焼して音と光を発生するが、発光薬は発音薬より僅かな時間遅れで燃焼を開始する。その際、発音薬の燃焼ガスは発光薬を吹き飛ばすため、発光薬は弾殻内の空間を飛び散りながら燃焼し続け発光するので、従来の発光時間より長い発光を持続できるようになる。
【0021】
また、粉状の発音薬と錠剤状の発光薬とを混合しているので、着火薬からの火炎によりほぼ同時に発音薬と発光薬が燃焼するようになる。このため、同時に音と光を発するが、発音薬は粉状であり、表面積が錠剤状の発光薬に比べ小さいので発音薬が先に燃焼し完了するが、錠剤状の発光薬は、発音薬の燃焼完了後も、発光薬の燃焼バラツキや未燃焼薬が無く、弾殻内の空間を飛び散りながら燃焼し続け発光を持続する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
図1〜図3は、本発明の第一実施形態に係るスタングレネードAを示す(請求項1〜請求項に対応する)。
本実施形態に係るスタングレネードAは、安全ピン2、安全リング3および安全レバー4を有する安全装置1と、雷管部11、延期薬部12および着火薬13aを有する金属製の点火構成部(信管組立体)10と、着火薬13aを装填し点火構成部10に組み付ける着火薬筒13と、着火薬筒13を挿入する中筒14と、音(爆発音)と光(閃光)を発生させる爆発薬(発音薬21、発光薬22)20と、この爆発薬20を収容する筒体23と、この筒体23を固定するホルダー部24と、このホルダー部24に組み付けるフランジ部25と、このフランジ部25に組み付け筒体23を収容する弾殻部30と、この弾殻部30の全てを覆う防湿フイルム31とで構成されている。
【0023】
安全装置1は、図2に示すように、従来のスタングレネードと同様の構成を取っている。
安全ピン2は、図1に示すように、安全リング3に取り付けてある。安全ピン2は、安全レバー4を点火構成部10に組み付けることによって、後述するように、撃針5を雷管11aに激突させるためのコイルばね6を押し付けた状態に保持するものである。コイルばね6は、点火構成部10に軸10a3を介して取り付けられている。コイルばね6の一端6aは点火構成部10の壁部に当接し、他端6bは撃針5を取り付けた保持部材7に当接している。
【0024】
安全レバー4は、ほぼL字状に折り曲げられた金属製の板材から成り、円弧状に折り曲げられた二股形状の先端側4aと、安全ピン2を挿入するための孔4cを有する舌片4bを備えている。
安全レバー4は、円弧状に折り曲げられた二股形状の先端側4aを点火構成部10に設けたピン10a1に回動自在に組み付けるとともに、舌片4bに設けた孔4cと点火構成部10に設けた孔10a2との孔位置を一致させた状態で安全ピン2を挿入することによって、点火構成部10に組み付けられる。従って、安全ピン2を安全リング3を介して引っ張ると、安全レバー4がコイルばね6の戻り力により回動し、同時に撃針5が雷管11aに激突する。
【0025】
点火構成部(信管組立体)10は、撃針5によって発火する雷管11aを収容した雷管部11と、この雷管部11に隣接して配置した延期薬部12と、この延期薬部12の下方に配置した着火薬筒13とで一体的に構成されている。
延期薬部12に圧填される延期薬12aとしては、クロム酸バリウム/過塩素酸カリウム/ジルコニウム/ニッケル等の組成物がある。
【0026】
着火薬筒13に装薬される着火薬13aとしては、ボロン/硝酸カリウム等の組成物の粉体がある。
発音薬21としては、過塩素酸カリウムあるいは塩素酸カリウムと、金属粉(例えば、チタン、アルミニウム、マグネシウム)との混合薬がある。本実施形態では、アルミニウム/過塩素酸カリウム等の組成物の粉体を装薬している。発音薬としては、従来、発光発音組成物として上述の2成分に、硫化アンチモンを混合あるいは硫化アンチモンと硫黄とを混合したものが用いられているが、近年、上述の2成分と、硫化アンチモンあるいは硫化アンモンと硫黄との混合薬は危険性が高く使用が控えられている。
【0027】
発光薬22としては、マグネシウム/硝酸ナトリウム、マグネシウム/硝酸カリウム等の組成物の粉体がある。
筒体23は、板厚1mmのチップボード紙を用いた両端側が開口する円筒体23aと、この円筒体23aの一方の開口を閉塞する底部23bで構成されている。
底部23bは、板厚2mmのチップボード紙を用いた円盤23cと、この円盤23cの中央部平面上に接着された板厚3mmのチップボード紙を用いた小径円盤23dとで構成されている。
【0028】
筒体23の開口部側は、外周面をホルダー部24の開口部24aの内周面に嵌挿し、ホルダー部24側に塗布されているエポキシ樹脂系の接着剤によって固定される。
筒体23は、内部に収容する爆発薬20の吸湿を防止するため、筒体23の外周表面をパラフィンでコーティングの処理を施している。
筒体23は、その内部に下から順に発音薬21と発光薬22が収容される。筒体23内の中央部には着火薬筒13を収容して発音薬21および発光薬22との隔壁となる中筒14が配置されており、この中筒14の上方には延期薬12aを有する点火構成部10の一部が収容されている。
【0029】
発光薬22の上部には、1mmのチップボード紙を用いて円盤型の蓋27を被せるように配置している。
弾殻部30は、ステンレス製の平織り金網を成型器で成形した有底筒状体で構成されている。網目は、この場合、1mmの鋼線を用い、25.4mm(6メッシュ)である。この網目が、無数の光放出孔30aを構成する。
【0030】
弾殻部30の開口外周面は、フランジ部25に形成される環状縁溝部25aに嵌挿して固定されている。
この固定方法は、環状縁溝部25aの縁部を円周上にカシメても良いし、また、縁部を円周上にロウ付け等して溶接することでも良い。
フランジ部25は、アルミニウム製または鉄製であり、一側端に弾殻部30を固定する環状縁溝部25aを形成し、また中央開口部25bにはホルダー部24の一側開口部を挿入し互いに螺合することができる貫通穴が形成されている。
【0031】
ホルダー部24は、アルミニウム製または鉄製であり、一側開口部に筒体23を挿入し固定保持する保持部を形成し、さらに、他側開口部に信管組立体の一部である着火薬筒13および延期薬部12を介して点火構成部10と互いに螺合することができる貫通穴24bが形成されている。
防湿フイルム31は、ポリエステル等の材質で熱収縮性を有するフイルムである。防湿フイルム31は、弾殻部30全周からフランジ部25の環状縁溝部25aが形成される側周面にわたって覆うとともに、ドライヤー等の熱風により収縮して、覆い部分と密着固定されている。
【0032】
次に、本実施形態に係るスタングレネードAの作用を説明する。
安全装置1の解除により、撃針5が点火構成部10の雷管11aを発火し、延期薬12aに着火すると、延期薬12aの一定延期秒時後に着火薬筒13内の着火薬13aに点火する。
この点火による燃焼炎で着火薬筒13と中筒14が破断し、爆発薬20である発音薬21と発光薬22に着火し燃焼させる。その際、着火薬筒13の底部から破断して先に発音薬21に着火し、続けて発光薬22に着火し燃焼させる。
【0033】
そして、この着火燃焼で急激的に圧力が発生し、筒体23を全面的に破断し、弾殻部30に形成される光放出孔30aから防湿フイルム31を破り全面的に音(爆発音)と光(閃光)が放出される。
この際、弾殻部30を覆う防湿フイルム31は、爆発薬20から発生する高温高圧のガス圧力により、溶融と破断が生じると考えられる(複合的な作用)。しかし、爆発薬の燃焼は、瞬時であり、仮に、爆発薬の燃焼温度が金網の融点以上であっても、爆発薬の燃焼時間は数msecであるから、ステンレス製の金網が溶ける時間をもつことなく外へ出るので、金網の機能を失うことはない。
【0034】
また、弾殻部30の光放出領域は、弾殻部30の側周面の総面積と弾殻部30の底面の総面積とが、この場合、約7対3の割合で構成されているので、爆発薬20の燃焼圧力は弾殻部30の側周面方向へ多く(大きく)かかる。
これによって、図3に示すように、弾殻部30の側周面は応力で外側方向へ伸び、弾殻部30の底面と点火構成部10との距離が縮み、弾殻部30がつぶれるような形状に変形する。
【0035】
この変形した弾殻部30によって、アルミニウム製の着火薬筒13や中筒14等の金属破片のほとんどが捕捉され弾殻部30の外へ放出されない。
また、たとえこの弾殻部30から放出される破片が生じたとしても、この破片は、その大きさが、弾殻部30の光放出領域の網目によって規制されるので、破片のエネルギーは小さく、人体に肉体的損傷を加えることは非常に少ない。
【0036】
また、金網により構成される弾殻部30は、その全周にわたり光の放出領域を有しているので、爆発薬(発音薬21と発光薬22)20の燃焼による光(閃光)が広範囲に広がる。そして、この場合の発音は180dB(デシベル)で発光は200万cd(カンデラ)であった。
ここで、発音のレベルの範囲は、150dB〜190dB程度、発光のレベルの範囲は、100万cd〜500万cd程度である。
【0037】
また、弾殻部30の光・音の放出領域が、底面よりも側周面がより広い面積で分布しているので、燃焼圧力の多くは弾殻部30の側周面からほぼ均等に放出される。そのため、スタングレネードAが弾け飛ぶことが非常に少ない。
また、発音薬21と発光薬22とを隣接して配置しているので、着火薬13aからの着火の順は発音薬21が先に着火し、次に発光薬22が着火されるようになる。
【0038】
このため、先ず発音薬21が燃焼して音と光を発生するが、発光薬22は発音薬21より僅かな時間遅れで燃焼を開始する。その際、発音薬21の燃焼ガスは発光薬22を吹き飛ばすため、発光薬22は弾殻部30内の空間を飛び散りながら燃焼し続け発光するので、従来よりも長い発光を持続できるようになる。
(第二実施形態)
図4は、本発明の第二実施形態に係るスタングレネードBを示す(請求項1〜請求項に対応する)。
【0039】
本実施形態に係るスタングレネードBは、第一実施形態に係るスタングレネードAと基本的には同じ構成となっているので、第一実施形態と同じ構成部の説明は省略し、異なる構成部の説明を行う。
第一実施形態では、筒体23に収容する発光薬22と発音薬21を弾殻部30の軸長方向へ仕切を介して縦列に配置しているが、本実施形態では、これらは発光薬22と発音薬21を弾殻部30の軸長方向と交差する円周方向へ仕切29を介して並列に配置している。
【0040】
これを具体的に説明する。先ず、筒体23の中央に着火薬筒13を収容する中筒14を配置し、この中筒14の上から被せるようにして板厚1mmのチップボード紙で形成された両端が開口する円筒体の仕切29を挿入する。
次に、中筒14と円筒体の仕切29との間に粉体の発音薬21を装薬する。
次に、筒体23と円筒体の仕切29との間(発音薬に隣接する)に粉体の発光薬22を装薬する。
【0041】
次に、筒体23の一側開口部側から、板厚2mmのチップボード紙を用いた中心部に中筒14を通すことのできる貫通穴を有する円盤型蓋28を挿入し被せる。
次に、本実施形態に係るスタングレネードBの作用を説明する。
安全装置1の解除により、撃針5が点火構成部10の雷管11aを発火し、延期薬12aに着火すると、延期薬12aの一定延期秒時後に着火薬筒13内の着火薬13aに点火する。
【0042】
この点火による燃焼炎で着火薬筒13と中筒14が破断し、爆発薬20である発音薬21と発光薬22が着火燃焼する。
そして、この着火燃焼で急激的に圧力が発生し、筒体23を全面的に破断し弾殻部30に形成される光放出孔30aから防湿フイルム31を破り全面的に音(爆発音)と光(閃光)が放出される。
【0043】
ところで、本実施形態では、第一実施形態の発音薬21と発光薬22が縦列で配置装薬されているものを、発音薬21と発光薬22を並列に配置装薬したものであるから、着火薬13aの燃焼炎により先ず発音薬21が燃焼して音と光を発生するが、発光薬22は発音薬21より僅かな時間遅れで燃焼を開始する。
その際、発音薬21の燃焼ガスは発光薬22を吹き飛ばすため、発光薬22は弾殻30内の空間を飛び散りながら燃焼し続け発光するので、従来の発光時間より長い発光を持続できるようになる。
【0044】
また、これら爆発薬20を弾殻部30の円周方向に並列に配置装薬しているので、燃焼炎は筒体23の側周面の全周から弾殻部30の側周面方向へ放出され、燃焼圧力による推力の発生が非常に少なく、弾け飛ぶことがより少なくなる。
(第三実施形態)
図5は、本発明の第三実施形態に係るスタングレネードCを示す(請求項1〜請求項に対応する)。
【0045】
本実施形態に係るスタングレネードCは、第一実施形態および第二実施形態に係るスタングレネードA,Bのように、爆発薬20を仕切るのではなく、発音薬(粉状)21に発光薬22をφ4mmの錠剤状にして混合したものである。
その他の構成は、両実施形態と同じであるから、その説明は省略する。
次に、本実施形態に係るスタングレネードCの作用を説明する。
【0046】
安全装置1の解除により、撃針5が点火構成部10の雷管11aを発火し、延期薬12aに着火すると、延期薬12aの一定延期秒時後に着火薬筒13内の着火薬13aに点火する。
この点火による燃焼炎で着火薬筒13と中筒14が破断し、爆発薬20である発音薬21と発光薬22が着火燃焼する。
【0047】
そして、この着火燃焼で急激的に圧力が発生し、筒体23を全面的に破断し弾殻部30に形成される光放出孔30aから防湿フイルム31を破り全面的に音(爆発音)と光(閃光)が放出される。
本実施形態によれば、粉状の発光薬22を用いた場合と比較して、発光薬22を錠剤状にすることにより、発光薬22の密度が粉状より高くなるため、燃焼時間が長くなり、発光の持続時間が多少長くなった。
【0048】
また、粉状の発光薬22の場合における発光時間のバラツキが少なくなった。
(第四実施形態)
図6は、本発明の第四実施形態に係るスタングレネードDを示す(請求項1〜請求項、請求項〜請求項11に対応する)。
本実施形態に係るスタングレネードDは、第一実施形態ないし第三実施形態に係るスタングレネードA,B,Cにおける中筒14を有底状の筒体に一体形成し、また、着火薬筒13と中筒14にそれぞれ着火孔16a,16bを設けた点で、第一実施形態ないし第三実施形態に係るスタングレネードA,B,Cとは相違する。
【0049】
その他の構成は、上述の実施形態と同じであるから、その説明は省略し、本実施形態における特徴部分について説明する。
着火薬筒13は、一側が開口し他側に底部を有する有底筒状体のアルミニウム製の金属容器であり、外周側面部には爆発薬20を着火するための着火孔16aが図7に示すように千鳥状に4箇所穿設され、着火孔16aを覆設する紙粘着テープ15aが巻着されている。
【0050】
そして、この着火薬筒13内に、一側開口部から着火薬13aが所定の薬量を填薬される。
延期薬部12は、その下方の外周側面に、円周方向に2箇所の凹状加工17(凹状形成部)が施されている。
そして、前記装薬された着火薬筒13は、この着火薬筒の一側開口部から延期薬部12の凹状形成部17へ挿入され、延期薬部12の凹部形成部17と着火薬筒13とが重なった部位で、着火薬筒の外側周囲から巻締機により巻き締めて固定する。
【0051】
中筒14は、一側が開口し他側に底部を有する有底筒状体のアルミニウム製の金属容器であり、外周側面部には爆発薬20を着火するための着火孔16bが図8に示すように千鳥状に4箇所穿設され、着火孔16bを覆設する紙粘着テープ15bが巻着されている。また、着火薬筒の着火孔16aと、中筒の着火孔16bとは、それぞれの着火孔が同軸上に合うように配置されている。
【0052】
本実施形態では、発音薬(粉状)21に発光薬22をφ4mmの錠剤状にして、これら混合したものを用いた。
筒体23は、板厚1mmのチップボード紙を用いた両端側が開口する円筒体23aと、この円筒体23aの一方の開口を閉塞する底部23bとで構成されている。
また、底部23bは、板厚2mmのチップボード紙を用いた円盤状であり、この円盤状底部23bを円筒体23aの内周壁面に緊合し接着剤により接着して開口を閉塞している。
【0053】
また、筒体23の内部に収容する爆発薬20の吸湿を防止するため、筒体23の外周表面をパラフィンでコーティングの処理を施している。
そして、筒体23の開口部側は、外周面をホルダー部24の開口部24aの内周面に嵌挿し、ホルダー部24側に塗布されているエポキシ樹脂系の接着剤によって固定される。
【0054】
筒体23は、その内部に発音薬21と発光薬22が混合して収容される。筒体23内の中央部には着火薬筒13を収容して発音薬21および発光薬22との隔壁となる中筒14が配置されており、この中筒14の上方には延期薬12aを有する点火構成部10の一部が収容されている。
また、筒体23の内側底部には、中央部に中筒14が挿入される領域を有すると共に略環状に形成されるスペーサ18と、このスペーサ18の上に配置され中央貫通孔を有すると共に環状に形成される隔壁板19とが、前記中筒14を、前記筒体23の中心位置に配するように配置されている。そして、これらスペーサ18と隔壁板19は、外径が筒体の内周に、内径が中筒の外周に、それぞれが嵌合している。その際、スペーサ18と隔壁板19とは接着剤により固定される。
【0055】
また、スペーサ18の材質は、特に限定はしないが軽量のものが望ましく、特には、ダンボール紙に使用されている波板状のクッション材を環状に成形したものが好ましい。隔壁板の材質は、1mmのチップボード紙を用いて円盤状に形成した。
そして、爆発薬20の上部には、1mmのチップボード紙を用いて円盤型の隔壁板27を被せるように配置し、外形が筒体23の内周に内径が中筒14の外周に嵌合する。
【0056】
これらにより、スペーサ18は、爆発薬を収容する筒体内部の空隙を調節することが可能となる。
防湿フイルム31は、ポリエステル等の材質で熱収縮性を有するフイルムである。この防湿フイルム31は、弾殻部30全周からフランジ部25の環状縁溝部25aが形成される側周面及び上端面まで覆っており、ドライヤー等の熱風により収縮させる。そして、防湿フイルムの、フランジ部上端面へ覆った部分が、ホルダーと挟着し固定される。
【0057】
次に、本実施形態に係るスタングレネードDの作用を説明する。
安全装置1の解除により、撃針5が点火構成部10の雷管11aを発火し、延期薬12aに着火すると、延期薬12aの一定延期秒時後に着火薬筒13内の着火薬13aに点火する。
この点火による燃焼炎で着火薬13aが燃焼すると、発生した高温ガスと熱粒子は着火孔16a(図7)に巻着されているテープ15aを突き破り着火孔から中筒内に噴出し中筒14に充満する。
【0058】
そして、中筒内の圧力が高くなると、この高温ガスと熱粒子は中筒14の着火孔16b(図8)に巻着されているテープ15bを破断して爆発薬室内に噴出する。
この爆発薬室内には、粉状の発音薬21と錠剤状の発光薬22とが混合して配置されており、着火孔16からの集中した燃焼炎により、これら発音薬21と発光薬22は同時に燃焼を開始する。
【0059】
そして、この爆発薬の燃焼で急激的に圧力が発生し、筒体23を全面的に破断し弾殻部30に形成される光放出孔30aから防湿フイルム31を破り全面的に音(爆発音)と光(閃光)が放出される。
本実施形態によれば、発音薬は粒状であり表面積が錠剤状の発光薬に比べ小さいので、発音薬が先に燃焼を完了するが、発光薬は表面積が発音薬に比べ大きいので発音薬の燃焼終了後も燃焼が持続し発光を持続する。
【0060】
また、粉状の発音薬21と錠剤状の発光薬22とを混合しているので、着火薬からの火炎によりほぼ同時に発音薬と発光薬が燃焼して音と光を発する。
このため、錠剤状の発光薬の燃焼バラツキや未燃焼薬は無くなると共に所定の光度を得ることができる。
そして、発音薬は粉状であり、表面積が錠剤状の発光薬に比べ小さいので発音薬が先に燃焼し完了するが、錠剤状の発光薬は、発音薬の燃焼完了後も、弾殻内の空間を飛び散りながら燃焼し続け発光する。
【0061】
図9は、本発明の第五実施形態に係るスタングレネードEを示す(請求項1〜請求項に対応する)。
本実施形態に係るスタングレネードEは、演習用(練習用)に使用できるように構成したものである。なお、第一実施形態〜第四実施形態に係るスタングレネードA〜Dは、実戦に用いる構成とした。
【0062】
なお、本実施形態に係るスタングレネードEは、前述のスタングレネードA〜Dと基本的には同じ構成となっているので、これらと同じ構成部の説明は省略し、異なる構成部の説明を行う。
実戦用との基本的な考え方の違いは、演習用(訓練用)に用いるので、制圧するような大きなダメージを与える燃焼圧力の必要性はなく、同じ作用効果(音、光等)を体験できることで良い。
【0063】
そのためには、発音薬と発光薬の薬量を調整することで可能となる。
第一実施形態〜第四実施形態に係るスタングレネードA〜Dでは、筒体23に発光薬22と発音薬21を所定量装薬しているが、本実施形態では、筒体23を取り除き、点火構成部10の一部である着火薬筒13の中に、着火薬13a、発音薬21および発光薬22を装薬する。
【0064】
この場合、着火薬筒13の底部から順に、発音薬21と発光薬22との混合薬を、その上に着火薬13aを配置する。
次に、本実施形態に係るスタングレネードEの作用を説明する。
安全装置1の解除により、撃針5が点火構成部10の雷管11aを発火し、延期薬12aに着火すると、延期薬12aの一定延期秒時後に着火薬筒13a内の着火薬13aに点火し続いて発音薬21と発光薬22との混合薬が着火燃焼する。
【0065】
この燃焼炎で着火薬筒13が破断し、急激的に圧力が発生して、弾殻部30に形成される光放出孔30aから防湿フイルム31を破り全面的に音と光(閃光)が放出される。
また、弾殻部30の放出領域は、弾殻部30の側周面の総面積と弾殻部30の底面の総面積とが、この場合、約7対3の割合で構成されているので、爆発薬20の燃焼圧力は弾殻部30の側周面方向へ多く(大きく)かかる。
【0066】
これによって、弾殻部30の側周面は応力で外側方向へ伸び、弾殻部30の底面と点火構成部10との距離が縮み、弾殻部30がつぶれるような形状に変形する。
この変形した弾殻部30によって、アルミニウム製の着火薬筒13等の金属破片のほとんどが捕捉され弾殻部30の外へ放出されない。
また、たとえこの弾殻部30から放出される破片が生じたとしても、この破片は、その大きさが、弾殻部30の放出領域の網目によって規制されるので、破片のエネルギーは小さく、人体に肉体的損傷を加えることは非常に少ない。
【0067】
また、金網により構成される弾殻部30は、その全周にわたり光の放出領域を有しているので、爆発薬(発音薬21と発光薬22との混合薬)20の燃焼による光(閃光)が広範囲に広がる。
また、弾殻部30の光・音の放出領域が、底部よりも側周面がより広い面積で分布しているので、燃焼圧力の多くは弾殻部30の側周面からほぼ均等に放出される。
【0068】
そのため、スタングレネードEが弾け飛ぶことが非常に少ない。
なお、第一実施形態〜第四実施形態においては、手投げ弾式の構成で述べたが、スタングレネードの使用状況によっては、小銃等に装着して所定の距離を飛ばして作動させることも想定できるので、雷管部等による点火作動方法(点火構成部)は適宜変更できることは言うまでもない。
【0069】
また、本発明は、従来のスタングレネードの弾殻体を金網などに置き換えることも可能である(請求項に相当)。この場合にも、爆発薬の機能を除き、上述の実施形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。
(実験例1)
発光薬の効果を確認するため、図12に示すように、発音薬のみ有するタイプ1(発光薬無し)の供試品を3個と、発音薬および発光薬を有するタイプ2(発光薬有り)の供試品を3個用意した。
【0070】
これら各供試品は、図1に示すように、筒体内に装薬される爆発薬(発音薬または発音薬および発光薬)を、ホルダー部に嵌合固定して第一実施形態のスタングレネードAを作成した。
また、タイプ1は、タイプ2の発光薬の装薬部にコルクを配置した。ここで、コルクは、発光薬の空間を埋めるために使用された。
【0071】
第一実施形態に係るスタングレネードAを設置場所に固定し安全装置1を遠隔操作で解除し、点火作動させ爆発薬を燃焼させて発光持続時間の変化を測定した。その結果を表1にまとめた。
また、発光持続時間は図10に示すように、供試品から3m程の所に測定器を配置して、照度計の出力波形を記録計に記録紙し、出力波形から図11に示す方法で半減期の時間を算出し、発光薬の効果を比較した。
【0072】
表1の結果から、発光薬を装薬したタイプ2は半減期はいずれも発光薬無しのタイプ1より長く発光持続時間が長くなることが確認できた。
【表1】
Figure 0003939940
(実験例2)
第四実施形態に係るスタングレネードDの音圧と光度を確認するため、このスタングレネードDを5個用意した。
【0073】
これら5個のスタングレネードDを設置場所に固定し安全装置1を遠隔操作で解除し、点火作動させ爆発薬を燃焼させて、照度計及び音圧測定センサーにより、光度と音圧を測定した。
その結果を表2にまとめた。
表2の結果から、光度が表1より高くなることが分かった。
【0074】
【表2】
Figure 0003939940
(実験例3)
スタングレネード作動時、弾殻部および弾殻部を組み付ける点火構成品が飛散しないことと、弾殻部内部の構成品が破片化されても弾殻部の外へ飛散しないことを確認するために、図13に示す破片飛散確認試験方法で第一実施形態に係るスタングレネードAを固定しないで設置し、安全装置1を遠隔操作で解除し、点火作動させ爆発薬を燃焼させて破片の飛散の有無を試験した。
【0075】
また、このスタングレネードAの周囲には、スタングレネードAの中心点から270°、半径3mのところに、高さ2mのチップボードが張り巡らされている。
試験後、前記チップボードの貫通孔、打痕の状況を調べた結果、チップボードに貫通孔や打痕はなく、弾殻部の破片の捕捉効果が優れていることが確認できた。
また、8mmビデオの撮影画像からスタングレネードは作動時に弾け飛ぶこともなく、最初の位置に留まっていることも確認した。
【0076】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、音(爆発音)、光(閃光)を発生するとともに破片化された内部構成品を弾殻部で捕捉し外へ飛散させることがない。
また、弾殻部において、音(爆発音)、光(閃光)の放出領域(面積)を広くすることができる。
また、点火構成部および弾殻部等を含めたスタングレネード構成品が弾け飛ぶことがないので人体に肉体的損傷を加えるおそれがない。
【0077】
また、発音薬と発光薬とを所定領域に配置するので、光(閃光)の持続時間等を調整できる。
また、弾殻部自体を従来より軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係るスタングレネードAを示す全体図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係るスタングレネードAにおける安全装置を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係るスタングレネードAの作動時の状態をを示す全体図である。
【図4】本発明の第二実施形態に係るスタングレネードBを示す全体図である。
【図5】本発明の第三実施形態に係るスタングレネードCを示す全体図である。
【図6】本発明の第四実施形態に係るスタングレネードDを示す全体図である。
【図7】本発明の第四実施形態に係るスタングレネードDの着火薬筒を示す断面図である。
【図8】本発明の第四実施形態に係るスタングレネードDの中筒を示す断面図である。
【図9】本発明の第五実施形態に係るスタングレネードEを示す全体図である。
【図10】実験例に用いた発光持続時間測定試験器の配置図である。
【図11】実験例に用いた半減期時間算出方法を示す説明図である。
【図12】実験例に用いた供試品の構成図である。
【図13】実験例に用いた破片飛散確認試験器材の配置図である。
【符号の説明】
A,B,C,D,E スタングレネード
1 安全装置
2 安全ピン
3 安全リング
10 点火構成部(信管組立体)
11 雷管部
11a 雷管
12 延期薬筒(延期薬部)
12a 延期薬
13 着火薬筒
13a 着火薬
14 中筒
16 着火孔
17 凹部
18 スペーサ
19 隔壁板
20 爆発薬
21 発音薬
22 発光薬
23 筒体
24 ホルダー部
25 フランジ部
30 弾殻部
30a 光放出孔
31 防湿フイルム

Claims (11)

  1. 安全装置と、爆発薬と、この爆発薬を収容する筒体と、前記爆発薬を点火する点火構成部と、前記筒体を収容して前記点火構成部に取り付けられる弾殻部とを備え、前記弾殻部は、無数の光放出孔を有するとともに、前記爆発薬の燃焼により破断しない耐力を有し、かつ、防湿フイルムで覆われていることを特徴とするスタングレネード。
  2. 請求項1記載のスタングレネードにおいて、前記弾殻部は、金網製であり、かつ、側周面が爆発薬の燃焼により外側方向へ変形するように構成されていることを特徴とするスタングレネード。
  3. 安全装置と、爆発薬と、この爆発薬を収容する筒体と、前記爆発薬を点火する点火構成部と、前記筒体を収容して前記点火構成部に取り付けられる金網製の弾殻部とを備え、前記弾殻部は、無数の光放出孔を有するとともに、前記爆発薬の燃焼により破断しない耐力を有し、その側周面が爆発薬の燃焼により外側方向へ変形するように構成され、かつ防湿フイルムで覆われていることを特徴とするスタングレネード。
  4. 請求項1ないし請求項の何れか記載のスタングレネードにおいて、前記爆発薬とは、発音薬と発光薬とを有することを特徴とするスタングレネード。
  5. 請求項記載のスタングレネードにおいて、前記発音薬と前記発光薬は、隣接して配置されていることを特徴とするスタングレネード。
  6. 請求項1ないし請求項3の何れか記載のスタングレネードにおいて、前記爆発薬は、発音薬であることを特徴とするスタングレネード。
  7. 請求項1ないし請求項の何れか記載のスタングレネードにおいて、前記爆発薬は、紛状の発音薬と錠剤状の発光薬との混合物であることを特徴とするスタングレネード。
  8. 請求項1ないし請求項の何れか記載のスタングレネードにおいて、前記点火構成部は、雷管部と、延期薬を収容して前記雷管部に隣接して配置される延期薬部と、前記爆発薬を着火させる着火薬を収容する一端が開口する有底の筒状体から成る着火薬筒と、この着火薬筒を収容する一端が開口する有底の筒状体から成る中筒とで構成され、前記着火薬筒は、前記着火薬の燃焼炎を噴出し前記爆発薬へ伝火させる着火孔を外周側面に設け、前記中筒は、前記着火薬の火炎を通過させ爆発薬に伝火させる着火孔を外周側面に設けていることを特徴とするスタングレネード。
  9. 請求項記載のスタングレネードにおいて、前記着火薬筒の着火孔と前記中筒の着火孔は、着火孔覆い部材で封止されていることを特徴とするスタングレネード。
  10. 請求項1ないし請求項3の何れか記載のスタングレネードにおいて、前記筒体の底部には、外周が筒体の内周側面に当接し、中央部に前記中筒の底部側外周を挿入することのできる領域を有するスペーサが配置されていることを特徴とするスタングレネード。
  11. 請求項1ないし請求項の何れか記載のスタングレネードにおいて、前記点火構成部は、雷管部と、延期薬を収容して雷管部に隣接して配置されるとともに着火薬筒側の外側壁に凹部を形成して成る延期薬部と、この延期薬部に組み付けられるとともに前記爆発薬を着火させる着火薬を収容する着火薬筒とで構成され、前記着火薬筒は、一端部内に前記延期薬部の凹部側を挿入するとともに、該凹部との重合部が固定されていることを特徴とするスタングレネード。
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