JP6509047B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和装置に関し、特に情報通信機器向けの空気調和装置として好適なものである。
情報通信機器向けなどのコンピュータネットワークを構築するには、各コンピュータから要求を受けて処理するために、コミュニケーション用、データベース用、ファイル管理用などのサーバーを必要とする。この種のサーバーは運営や管理の利便性から、サーバー機械室に設置されている。また、複数台のサーバーはサーバーラックに格納され、サーバー機械室には複数のサーバーラックが設置されている。
このようなサーバーは動作時の発熱が大きく、安定動作させるために、空気調和装置を併設して運用している。
上述したようなサーバー機械室を多く持つデータセンターなどでは、近年、サーバー以外の電力消費を抑える要望が高まっており、前記サーバー機械室を空調する前記空気調和装置についても低消費電力化が求められている。
サーバー機械室を空調する前記空気調和装置としては、一般には、圧縮機、室外熱交換器(凝縮器)、膨張弁、室内熱交換器(蒸発器)を順次冷媒配管で接続して冷凍サイクルを構成するものが使用されている。
サーバー機械室は年間を通じて30℃程度で運用される。このため、例えば真冬の場合などでは、外気温度がサーバー機械室よりも低温になっている場合が多い。このように、外気温度がサーバー機械室内の温度よりも低い場合、圧縮機を使用した冷凍サイクル運転をするまでもなく、単に冷媒を、室内と外気との間を循環させ、外気で冷媒を冷却することによっても、室内の冷房運転を行うことが可能となる。
これに関連する公知例としては、例えば、特開平10−82566号公報(特許文献1)に記載されたものがある。この特許文献1のものには、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を配管接続して冷媒を循環させる蒸気圧縮式冷却回路において、凝縮器と膨張弁との間の配管に冷媒ポンプを設け、圧縮機の運転による圧縮サイクルの冷房運転と冷媒ポンプの運転による熱輸送サイクルの冷房運転のいずれかを外気温度に基づいて自動的に選択し実行することが、記載されている。また、この特許文献1のものによれば、室内外機の設置条件(高さ位置)に制約を受けることなく、年間を通じて必要かつ十分な冷房能力を確保しつつ省エネルギ運転を可能にできることなどが記載されている。
特開平10−82566号公報
上記特許文献1のものでは、室内気温より外気温度が低温の場合、冷媒ポンプを使用した冷凍サイクル運転(以下、ポンプサイクルともいう)、即ち冷媒ポンプにより冷媒を循環させて冷凍サイクル運転を行うため、圧縮機を使用した冷凍サイクル運転(以下、圧縮機サイクルともいう)を行う場合に比べて、低消費電力で冷房運転を行うことが可能となる。
しかし、室内機と室外機を接続する冷媒配管が長くなった場合、冷媒配管(液冷媒配管またはガス冷媒配管)の長さが、例えば70mを超えるような場合、ポンプサイクルでは冷媒配管の圧力損失(配管圧損)の影響が大きくなり、これに伴い前記冷媒ポンプの必要揚程も大きくなる。冷媒ポンプは、ポンプの特性上、揚程が大きくなると流量が低下するので、流れる冷媒流量が減少することになり、冷房能力(冷房性能)が低下する。従って、従来のものでは、冷房負荷が大きくなった場合、ポンプサイクルでは必要な冷房能力を出せず、圧縮機を使用した冷凍サイクル運転(圧縮機サイクル)に切り替わる。冷房負荷が小さくなると、再びポンプサイクルとなる。このように従来のものでは、冷房負荷の変化に応じてポンプサイクルと圧縮機サイクルを繰り返す。
しかし、ポンプサイクルと圧縮機サイクルとでは、冷媒圧力や温度が大きく異なるため、前記2つの冷凍サイクル運転の切り替え時、特に圧縮機サイクルからポンプサイクルに切り替わった際、ポンプサイクルが立ち上がり、安定した冷房能力を出せるようになるまでに時間を要し、その間冷房能力が低下した状態が続くという課題がある。しかし、上記特許文献1のものでは、この課題について、何ら考慮されていない。
本発明の目的は、ポンプサイクルで運転中に冷房負荷が変化しても、ポンプサイクルから圧縮機サイクルへの変化を抑制することのできる空気調和装置を得ることにある。
上記課題を解決するために、本発明は、圧縮機と、該圧縮機により圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、該凝縮器により凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、該膨張弁により膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記凝縮器と膨張弁との間に設けられた冷媒ポンプと、前記圧縮機及び前記冷媒ポンプを制御する制御装置を備える空気調和装置であって、前記制御装置は、前記圧縮機を使用して冷凍サイクル運転を行う圧縮機サイクルでの運転制御機能と、前記圧縮機を停止させ、前記冷媒ポンプを使用して冷凍サイクル運転を行うポンプサイクルでの運転制御機能と、前記冷媒ポンプと前記圧縮機を併用して冷凍サイクル運転を行うポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転制御機能を備え、これらを選択して運転できるように構成され、前記ポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転時には、前記凝縮器側の圧力が前記蒸発器側の圧力よりも低圧になるようにして運転され、更に前記圧縮機と前記凝縮器の間に減圧弁を備え、この減圧弁はポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転時に、前記凝縮器側の圧力が前記蒸発器側の圧力よりも低圧になるように制御されることを特徴とする。
本発明の他の特徴は、圧縮機と、該圧縮機により圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、該凝縮器により凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、該膨張弁により膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記凝縮器と膨張弁との間に設けられた冷媒ポンプと、前記圧縮機及び前記冷媒ポンプを制御する制御装置を備える空気調和装置であって、前記制御装置は、前記圧縮機を使用して冷凍サイクル運転を行う圧縮機サイクルでの運転制御機能と、前記冷媒ポンプを使用して冷凍サイクル運転を行うポンプサイクルでの運転制御機能と、前記冷媒ポンプと前記圧縮機を併用して運転するポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転制御機能を備え、これらを選択して運転できるように構成され、前記ポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転時には、前記凝縮器側の圧力が前記蒸発器側の圧力よりも低圧になるようにして運転され、更に前記圧縮機と前記凝縮器の間に減圧弁を備え、この減圧弁はポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転時に、前記凝縮器側の圧力が前記蒸発器側の圧力よりも低圧になるように制御されることにある。
本発明によれば、ポンプサイクルで運転中に冷房負荷が変化しても、ポンプサイクルから圧縮機サイクルへの変化を抑制することのできる空気調和装置を得ることができる効果が得られる。
圧縮機を使用した冷凍サイクル運転(圧縮機サイクル)を説明するモリエル線図(p−h線図)である。 冷媒ポンプを使用した冷凍サイクル運転(ポンプサイクル)を説明するモリエル線図である。 ポンプサイクルにおける冷媒配管長の影響を説明するためのモリエル線図で、配管長が10m程度の場合の例を示す図である。 ポンプサイクルにおける冷媒配管長の影響を説明するためのモリエル線図で、配管長が70m程度の場合の例を示す図である。 ポンプサイクルにおけるポンプ動作点の変化を説明する線図である。 本発明の実施例1の空気調和装置における冷凍サイクルを説明するモリエル線図である。 本発明の空気調和装置の実施例1を示す冷凍サイクル系統図である。
以下、本発明の空気調和装置の具体的実施例を、図面を用いて説明する。
本発明の空気調和装置の実施例1について図1〜図7を用いて説明する。本実施例1における空気調和装置は、上述したサーバー機械室などの冷房運転に特に有利なものであり、真冬のような外気温度が低い場合であっても冷房対象であるサーバー機械室は30℃程度で運用される。このように、外気温度がサーバー機械室内の温度よりも低い場合、圧縮機を使用した冷凍サイクル運転(圧縮機サイクル)をするまでもなく、単に冷媒を、室内と外気との間を循環させ、外気で冷媒を冷却することによっても、室内の冷房運転を行うことが可能となる。このようにすれば、必要な冷房能力を確保しつつ省エネルギ運転が可能になり、圧縮機を使用した冷凍サイクル運転を行う場合に比べて、低消費電力で冷房運転を行うことができる。
サーバー機械室を空調する空気調和装置は、従来の一般的なものでは、圧縮機、室外熱交換器(凝縮器)、膨張弁、室内熱交換器(蒸発器)を順次冷媒配管で接続して冷凍サイクルを構成する圧縮機サイクルのみを有し、年間を通じて圧縮機サイクルで運転されている。
この圧縮機サイクルのみ持つ従来の空気調和装置における冷凍サイクルを、モリエル線図(p−h線図)上に表したものを図1に示す。図1において、横軸はエンタルピー、縦軸は圧力である。図1の矢印aで示すように、ガス冷媒は圧縮機により圧縮されて高圧となり、その後矢印bで示すように、凝縮器(室外熱交換器)で室外空気(外気)と熱交換して凝縮し液冷媒となる。この高圧の液冷媒は膨張弁により矢印cに示すように減圧された後、蒸発器(室内熱交換器)に入り、矢印dで示すように、室内空気と熱交換して室内空気を冷却すると共に自らは蒸発してガス冷媒になるという冷凍サイクルを繰り返す。
このような圧縮機サイクルでは、蒸発器と凝縮器間の圧力差は大きくなり、高圧側圧力を用いることで、前記凝縮器で液冷媒の生成し、その液冷媒の蒸発潜熱により前記蒸発器において室内空気から熱を奪って冷房を行っている。このように、圧縮機サイクルでは、ガス冷媒を高圧に圧縮するため、圧縮機では大きな動力を用いることになり、消費電力は多くなる。
しかし、外気温度がサーバー機械室内の温度より低い場合、単に冷媒を、室内と外気との間を循環させ、蒸発器通過後のガス冷媒を、凝縮器において外気で冷却することによっても液冷媒を得ることができ、室内の冷房運転を行うことが可能となる。この場合には、液冷媒を循環する為に冷媒ポンプを用い、配管損失に勝る程度の圧力に昇圧すれば良い。このように、冷媒ポンプにより冷媒を循環させて冷凍サイクル運転(ポンプサイクル)を行う場合、図1に示した圧縮機を使用した冷凍サイクル運転(圧縮機サイクル)を行う場合に比べて、低消費電力で冷房運転を行うことができる。
冷媒ポンプにより冷媒を循環させて冷凍サイクル運転を行う場合のモリエル線図を図2に示す。図2において、矢印Aは、凝縮器(室外熱交換器)で凝縮した冷媒を蒸発器(室内熱交換器)に送るために冷媒ポンプで昇圧している状態を示す。冷媒ポンプで昇圧された液冷媒は前記蒸発器に送られると、矢印Dで示すように、その液冷媒の蒸発潜熱により前記蒸発器において室内空気から熱を奪って冷房を行い、自らは蒸発してガス冷媒となる。このガス冷媒は蒸発器と凝縮器を接続する冷媒配管を流れる際の圧力損失で、矢印Cに示すように圧力が低下して前記凝縮器に流入し、この凝縮器では室外空気(外気)と熱交換して矢印Bに示すように凝縮して液冷媒となる。この凝縮した液冷媒は前記冷媒ポンプに吸引されて昇圧され再び前記蒸発器に送られるという冷凍サイクルを繰り返す。
この図2に示すポンプサイクルの場合、図1に示す圧縮機サイクルに比較して、凝縮器側と蒸発器側の圧力差が小さくなり、その分冷媒に与える動力を減らすことができるから、低消費電力化を図ることができる。なお、このような低温外気の冷熱を積極的に利用するシステムをフリークーリングと呼ぶ。
前述した特許文献1に記載されているもののように、上記二つの冷凍サイクルモード、即ち圧縮機サイクルとポンプサイクルを持ち、両方のメリットを享受できるようにした製品が実用化されつつある。しかし、室内機と室外機を接続する配管が、液冷媒配管またはガス冷媒配管でそれぞれ70m程度以上の長配管となるような場合、ポンプサイクルでの運転時には、冷媒配管の圧力損失(配管圧損)の影響が大きくなり、これに伴いポンプ冷媒循環量の低下も大きくなる。
これを図3、図4に示す冷凍サイクルのモリエル線図により説明する。図3はポンプサイクルにおける冷媒配管長の影響を説明するためのモリエル線図で、配管長が10m程度の場合の例を示す図、図4は同じくポンプサイクルにおける冷媒配管長の影響を説明するためのモリエル線図で、配管長が70m程度の場合の例を示す図である。これら図3及び図4は、配管長を除き、前述した図2と同様の図であり、図中に示す符号A〜Dは図2と同様であるから、それらの説明については省略する。
これらの図を比較して明らかなように、配管長が70m程度の長配管を使用しているポンプサイクルでは、配管長が10m程度の短配管を使用しているポンプサイクルに比べて、A〜Dで示すモリエル線図が縦に広がっており、圧力変化が大きいことが分かる。即ち、図3及び図4において、矢印Cで示す冷媒配管を流れる際の圧力損失による圧力低下が、冷媒配管の長さが長くなるほど大きくなり、これに伴い冷媒配管の長さが長くなるほど、冷媒ポンプの動作点も揚程の大きな範囲を使う必要がある。
図5は、ポンプサイクルにおけるポンプ動作点の変化を説明する線図であり、横軸にポンプの流量、縦軸にポンプの揚程をとったポンプの揚程−流量特性線図である。また、この図5において、実線で示す曲線(イ)は冷媒ポンプが高回転数で運転されている場合の揚程−流量特性線図、長い破線で示す曲線(ロ)は冷媒ポンプが中回転数で運転されている場合の揚程−流量特性線図、短い破線で示す曲線(ハ)は冷媒ポンプが低回転数で運転されている場合の揚程−流量特性線図を示している。
この図5に示すように、ポンプサイクルにおける冷媒ポンプの動作点は、同一のポンプ回転数では、必要な揚程が大きくなるに伴い、流量が減少する特性がある。例えば、図5に曲線(ロ)で示す冷媒ポンプが中回転数で運転されている場合、冷媒配管が短い(例えば10m)場合には動作点L1で示すように、必要な揚程が小さく、より大きな流量を流すことができるが、冷媒配管が長く(例えば70m)なると動作点L2で示すように、必要な揚程が大きくなり、これに伴い冷媒流量は減少する。
曲線(イ)で示すように、冷媒ポンプの回転数を上げて高回転数にすることにより、揚程を確保しながら、流量を確保することもできるが、ポンプの回転数には限度がある。また、容量の大きなポンプを採用すれば、必要な揚程に対する流量を増大し、必要性能を得ることもできるが、冷媒ポンプの製品寸法が大きくなり、コストが上昇する課題がある。また、冷媒ポンプを室外機の内部に設ける場合には室外機の寸法も大きくなる。
そこで、本実施例の空気調和装置では、図6に示すような冷凍サイクルで動作するように構成することで、上記課題を回避するようにしたものである。図6は本実施例1の空気調和装置における冷凍サイクルを説明するモリエル線図である。この図6は上述した図2に相当する図であり、図中に示す符号A〜Dは図2と同様であるから、それらの説明については省略する。
本実施例における冷凍サイクルでは、蒸発器で蒸発して過熱状態で出たガス冷媒を、圧縮機サイクルで使用する圧縮機を利用して、図6の矢印Eで示すように僅かに圧縮し、その後長い冷媒配管による圧力損失などにより、矢印Cで示すように減圧して凝縮器に流入させるようにしている点が、従来のポンプサイクルとは異なっている。即ち、本実施例の空気調和装置は、冷媒ポンプで運転される従来のポンプサイクルに加えて、冷媒ポンプと圧縮機を併用した冷凍サイクル運転(以下、ポンプ・圧縮機併用サイクルともいう)も行えるように構成しているものである。
この本実施例におけるポンプ・圧縮機併用サイクルを図6により具体的に説明する。
図6に示すモリエル線図において、矢印Aは、凝縮器(室外熱交換器)で凝縮した液冷媒を蒸発器(室内熱交換器)に送るために、冷媒ポンプで昇圧している状態を示す。冷媒ポンプで昇圧された液冷媒は前記蒸発器に送られると、矢印Dで示すように、その液冷媒の蒸発潜熱により前記蒸発器において室内空気から熱を奪って冷房を行い、自らは蒸発してガス冷媒となる。この蒸発器で蒸発して過熱状態で出たガス冷媒を、矢印Eで示すように、圧縮機サイクルで使用する圧縮機を利用して僅かに圧縮する。この圧縮機による圧縮では、室内機と室外機を接続している冷媒配管の圧力損失に勝る程度の圧力まで昇圧する。
その後、長い冷媒配管による圧力損失などにより、矢印Cで示すように、蒸発圧力よりも低い圧力まで減圧される。なお、冷媒配管の圧力損失のみでは十分に減圧されない場合、減圧弁を使用して必要な圧力(蒸発圧力より低い圧力)になるように減圧する。その後、このガス冷媒は前記凝縮器に流入し、この凝縮器では低温の室外空気(外気)と熱交換して矢印Bに示すように、十分に凝縮液化されて液冷媒となる。この液冷媒は前記冷媒ポンプに吸引されて僅かに昇圧され、再び前記蒸発器に送られるという冷凍サイクルを繰り返す。
このポンプ・圧縮機併用サイクルでは、前記圧縮機により、室内機と室外機を接続している冷媒配管の圧力損失に勝る程度に昇圧して前記凝縮器に流すようにすれば良いが、前記圧縮機の仕様範囲(容量制御範囲)の最小容量で運転しても、圧縮機の容量制御範囲が狭い場合や配管長が比較的短い場合には、凝縮器へ流れる際の圧力が前記蒸発器の圧力よりも高くなってしまう場合もある。凝縮器へ流れる際の圧力が前記蒸発器の圧力よりも高くなってしまうと、凝縮器の圧力、凝縮温度が高くなる通常の圧縮機サイクルとほぼ同様の冷凍サイクルとなってしまう。そこで、このような場合には、上述したように、前記凝縮器の直前(上流側)に減圧弁を設けることにより、凝縮時の圧力を蒸発圧力よりも低い適切な圧力まで下げるようにする。
次に、本発明の実施例1における空気調和装置の具体的構成例を図7により説明する。図7は本実施例1の空気調和装置を示す冷凍サイクル系統図であり、この図7に示す空気調和装置は、データセンターのサーバー機械室などの空調を行う情報通信向け空気調和装置の例を示している。
図7において、19はサーバー機械室などに設置される室内機、33は建物の屋上や建物の外に設置される室外機である。
前記室内機19には、開度制御が可能な膨張弁4、蒸発器(室内熱交換器)5、アキュームレータ1、回転数制御が可能な圧縮機2などが順次冷媒配管で接続されて設けられている。12は前記蒸発器5に室内空気を流すための室内送風機、13はこの室内送風機12を駆動し回転数制御が可能なモータ、14は阻止弁、6は前記圧縮機2の吐出側に設けたサイレンサ、11は前記サイレンサ6の下流側に設けた逆止弁である。また、前記蒸発器5と前記アキュームレータ1の間の冷媒配管と、前記逆止弁11下流側の冷媒配管とを接続し、前記圧縮機2をバイパスするバイパス配管10が設けられており、このバイパス配管10にも逆止弁10aが設けられている。
7は前記逆止弁11下流側の冷媒圧力を検知する圧力センサ、8は前記蒸発器5と前記アキュームレータ1との間の冷媒圧力を検知する圧力センサ、9は前記蒸発器5と前記アキュームレータ1との間の冷媒温度を検知するための配管温度センサである。40は前記蒸発器5へ吸入される室内空気の温度(室内温度)を検知するための吸込温度センサ、15は室内機19に設けられた制御装置で、この制御装置15には前記圧力センサ7,8、前記配管温度センサ9及び前記吸込温度センサ40で検知された情報が入力され、またこれらの情報などに基づいて前記制御装置15は前記圧縮機2、前記膨張弁4及び前記モータ13などを制御するように構成されている。
前記室外機33には、開度制御が可能な減圧弁22、凝縮器(室外熱交換器)3、レシーバ27、回転数制御が可能な冷媒ポンプ32などが順次冷媒配管で接続されて設けられている。前記減圧弁22は前記圧縮機2と前記凝縮器3の間における前記凝縮器3の近くに設置されている。25は前記凝縮器3に室外空気(外気)を流すための室外送風機、26はこの室外送風機25を駆動し回転数制御が可能なモータ、20,21は阻止弁、31a,31bは前記冷媒ポンプ32の吸込側と吐出側にそれぞれ設けられたサイレンサで、このサイレンサ31aの上流側には阻止弁30aが、前記サイレンサ31bの下流側には阻止弁30bが設けられている。また、前記レシーバ27と前記阻止弁30aとの間の冷媒配管と、前記阻止弁30bの下流側の冷媒配管とを接続し、前記冷媒ポンプ32をバイパスするバイパス配管24が設けられており、このバイパス配管24には逆止弁24aが設けられている。
28は前記レシーバ27と前記阻止弁30aと間の冷媒圧力を検知する圧力センサ、29は前記レシーバ27と前記阻止弁30aと間の冷媒温度を検知するための配管温度センサ、41は前記凝縮器3へ吸入される室外空気の温度(外気温度)を検知するための外気温度センサ、23は室外機33に設けられた制御装置で、この制御装置23には前記圧力センサ28、前記配管温度センサ29及び前記外気温度センサ41で検知された情報が入力され、またこれらの情報などに基づいて前記制御装置23は前記減圧弁22、前記モータ26及び前記冷媒ポンプ32などを制御するように構成されている。
前記室内機19と室外機33は冷媒配管(ガス側接続配管17及び液側接続配管18)により接続されており、また前記室内機19の制御装置15と前記室外機33の制御装置23も信号伝送路16で接続され、お互いに情報を共有して制御できるように構成されている。
上述した図7に示す空気調和装置は、アキュームレータ1、圧縮機2、凝縮器3、膨張弁4、蒸発器5が順次冷媒配管で接続されるようにして冷房運転を行う圧縮機サイクルでの運転を基本的な動作として行う。この圧縮機サイクルで運転する場合には、前記阻止弁30a,30bを閉じ、前記冷媒ポンプ32は運転しない。
また、外気温度が室内の設定温度よりも低くなり、ポンプサイクルで運転しても冷房負荷より大きな冷房能力を得られる場合には、低消費電力で運転を行うために、前記ポンプサイクルでの運転に切り替える。このポンプサイクルでの運転を行う場合には、前記圧縮機2を停止させ、前記阻止弁30a,30bを開き、前記冷媒ポンプ32を運転する。このポンプサイクルでは、凝縮器4、冷媒ポンプ32、膨張弁5、蒸発器6が順次冷媒配管で接続されるようにして冷房運転がなされる。
また前記ポンプサイクルでの運転中に、冷房負荷が増大したり、外気温度が上昇した場合、前記冷媒ポンプ32の回転数を上昇させて冷媒循環量を増加させるが、冷房負荷に対して冷媒ポンプ32の運転だけでは、十分な冷房能力を得ることができない場合、圧縮機・ポンプ併用サイクルでの運転を行う。この圧縮機・ポンプ併用サイクルでは、前記圧縮機2を最低回転数、或いは低回転数で駆動し、アキュームレータ1、圧縮機2、減圧弁22、凝縮器3、冷媒ポンプ32、膨張弁4、蒸発器5が順次冷媒配管で接続されるようにして冷房運転が行なわれる。
上記何れのサイクルでの運転においても、前記凝縮器4、前記膨張弁5、前記蒸発器6は共有である。なお、図7に示す本実施例において、前記圧縮機2はインバータで回転数制御が可能なものを用い、好ましくは圧力比1.2以下(例えば1.1〜1.2)の低圧力比で運転可能なものを使用すると良い。また、前記冷媒ポンプ32としては、インバータで回転数制御が可能な渦流ポンプを使用することがこのましい。渦流ポンプは、高揚程が得られると共に高圧力で使用でき且つ冷媒に使用してもキャビテーションが発生し難いので、冷媒ポンプ32として好適である。
更に、本実施例においては、前記制御装置15または前記制御装置23の少なくとも何れかには、上述した圧縮機サイクル、ポンプサイクル及びポンプ・圧縮機併用サイクルを選択して運転できるように、圧縮機を使用して冷凍サイクル運転を行う圧縮機サイクルでの運転制御機能と、冷媒ポンプを使用して冷凍サイクル運転を行うポンプサイクルでの運転制御機能と、前記ポンプサイクルでの運転時に前記圧縮機も併用して運転するポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転制御機能を備え、これらを選択して運転できるように構成されている。
また、前記制御装置15または23の少なくとも何れかには、前記ポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転時に、前記圧力センサ8,28で検知された圧力情報から、前記凝縮器3側の圧力が前記蒸発器5側の圧力よりも低圧になっている否か監視し、低圧になっていない場合には前記減圧弁22を制御して前記凝縮器3側の圧力が前記蒸発器5側の圧力よりも低圧になるように制御する制御機能も備えている。
なお、室内機19と室外機33を接続している冷媒配管17,28の配管長が非常に長い場合など、前記ポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転時には常に凝縮器3側の圧力が蒸発器5側の圧力よりも低圧になることがわかっている場合には、前記減圧弁22の制御が不要になる場合もある。
また、上記ポンプ・圧縮機併用サイクルは、前記ポンプサイクルで運転した後、冷房能力が不足する状態になった場合に、圧縮機も併用したポンプ・圧縮機併用サイクルへ移行することが好ましい。しかし、ポンプサイクルでの運転では冷房能力が不足することが初めからわかっている場合などには、初めから冷媒ポンプと圧縮機を併用してポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転とすることも可能である。
本実施例の空気調和装置は、通常、上記圧縮機サイクルでの冷房運転を基本的な動作として行なわれるが、この圧縮機サイクルでは、図1に示すモリエル線図に示すように、凝縮器3を高圧側、蒸発器5を低圧側として冷凍サイクル運転を行う。この圧縮機サイクルでは、圧縮機での仕事が大きくなり、消費電力も多くなる。このため、外気温度が室内の設定温度よりも低くなった場合には、現在の冷房負荷を推定し、またポンプサイクルに切り替えた場合の期待能力(期待できる冷房能力)を推定し、前記冷房負荷と前記期待能力とを比較する。この比較の結果、「冷房負荷<ポンプサイクルでの期待能力」となった場合には、ポンプサイクルへと切り替えて運転する。
上記冷房負荷は、
「(室内空気吸込温度−室内空気吹出温度)×推定風量×空気比熱C」
で推定できる。ここで、室内空気吸込温度は、前記吸込温度センサ40により検知でき、室内空気吹出温度は、前記蒸発器5の空気吹出側にも温度センサを設けることにより検知可能である。
上記ポンプサイクルでの期待能力は、
「(室内空気吸込温度−外気温度)×実験係数」
などで推定できる。ここで、室内空気吸込温度は前記吸込温度センサ40により、外気温度は外気温度センサ41により検知できる。なお、前記実験係数とは、前記凝縮器3の能力と、空気調和装置毎の個別仕様などによる調整係数で、製品毎の実験などにより求めることができる。
上記式から、ポンプサイクルでの期待能力は、「室内空気吸込温度−外気温度」が大きいほど、ポンプサイクルでの期待能力は大きくなる。
ポンプサイクルでの運転に切り替えた後、前記吸込温度センサ40で検知される室内空気吸込温度(室内温度)が設定温度(予め定めた室内空間の設定温度)以下に収まれば、ポンプサイクルでの運転により冷房能力を十分発揮できていることになる。
しかし、外気温度の変化によりポンプサイクルでの冷房能力が変動する場合や、負荷変動などにより、前記吸込温度センサ40で検知された室内空気の温度(室内温度)が徐々に上昇し、前記設定温度を超えるような場合には、上述したポンプ・圧縮機併用サイクルへと移行する。これは、室内機19と室外機33を接続しているガス側接続配管17及び液側接続配管18の配管長が長い場合、冷媒が配管を流れる際の圧力損失が大きくなるため、冷媒ポンプの揚程が大きくなり、図5で説明したように、冷媒循環量が減少して冷凍能力が低下している虞があるためである。
即ち、冷媒ポンプを最大回転数で運転しても、冷房負荷が大きくなると冷房能力不足になり、室内温度が設定温度を超えることがあり、冷媒ポンプ32のみによるポンプサイクルでの運転では冷房能力が不足する場合がある。このような場合、本実施例では、圧縮機サイクルでの運転時に使用する前記圧縮機2を、前記冷媒ポンプ32の運転に加えて併用運転する。これにより、ポンプ・圧縮機併用サイクルとなり、図6に示す冷凍サイクルとなる。従って、冷媒ポンプ32で昇圧すべき圧力差(必要な揚程)が小さくなるから、冷媒循環量を、図3、図5で説明した配管長が短い場合と同等の冷媒循環量に増加させることができ、冷房能力を増大することができる。
なお、前記ポンプ・圧縮機併用サイクルで運転する場合には、前記圧縮機2では室内機と室外機を接続している冷媒配管の圧力損失に勝る程度に昇圧して前記凝縮器に流すようにすれば良いから、通常は、前記圧縮機2の仕様範囲(容量制御範囲)の最小容量で運転して僅かに昇圧するだけで良い。しかし、前述したように、圧縮機の容量制御範囲が狭い場合や配管長が比較的短い場合には、凝縮器へ流れる際の圧力が前記蒸発器の圧力よりも高くなることもあるので、そのような場合には、前記凝縮器3の直前(上流側)に設けている前記減圧弁22により、凝縮圧力を蒸発圧力よりも低い適切な圧力になるように減圧する。
この減圧弁22の制御は、前記ポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転時に、室内機19の圧力センサ8で検知された圧力(蒸発圧力)と、室外機33の圧力センサ28で検知された圧力(凝縮圧力)とを制御装置23で比較し、検知された前記凝縮圧力が前記蒸発圧力よりも低くなっていない場合、好ましくは予め定めた値以上低くなっていない場合には、制御装置23は前記減圧弁22を制御して、前記凝縮圧力が前記蒸発圧力よりも低くする(好ましくは予め定めた圧力差の範囲になるようにする)。
このように制御することにより、図3に示す配管長が短い場合のポンプサイクルのモリエル線図(p−h線図)に近い冷凍サイクルになるため、配管長が長い場合であっても、配管長が短い場合と同等の冷媒循環量を確保して冷房能力を確保できる。従って、冷房負荷が増大しても、ポンプサイクルから圧縮機サイクルへの切り替えを抑制することができ、ポンプサイクルと圧縮機サイクル間のサイクル切り替えによる大きなサイクル変動が発生するのを低減することができる。
ポンプサイクルと圧縮機サイクルとでは、冷媒圧力や温度が大きく異なるため、前記2つの冷凍サイクル運転の切り替え時(特に、圧縮機サイクルからポンプサイクルへの切り替わりの際)、安定した冷房能力を出せるようになるまでに長い時間を要し、その間冷房能力が低下した状態が続いてしまう。これに対し、本実施例によれば、ポンプサイクルで運転中に冷房負荷が変化しても、前記ポンプ・圧縮機併用サイクルを有することから、ポンプサイクルから圧縮機サイクルへの変化を抑制することができる。
従って、ポンプサイクルと圧縮機サイクルの切り替えによる空気調和装置の冷房能力の一時的な低下を抑制することが可能となり、低消費電力化を実現しつつ空気調和装置の冷房能力の信頼性を向上させることのできる空気調和装置が得られる。
なお、前記圧縮機2が、圧力比1.2以下の低圧力比での運転ができるように構成されている場合には、前記減圧弁22を不要にすることもできる。
次に、図7に示す空気調和装置の動作を説明する。
夏期や中間期のように外気温度が比較的高く、上述したポンプサイクルやポンプ・圧縮機併用サイクルでは必要な冷房能力を出せない場合には、通常の圧縮機サイクルで運転を行う。この圧縮機サイクルでは、冷媒ポンプ32を使用しないので、阻止弁30a,30bを閉じ、圧縮機2を運転する。即ち、室内機19に設けた吸込温度センサ40により室内空気の温度を検知し、この温度が設定温度となるように、制御装置15により前記圧縮機2の回転数、膨張弁4の開度、室内送風機12を駆動するモータの回転数などを制御する。なお、前記制御装置15は圧力センサ7,8、配管温度センサ9などの検知情報も得て、適切な圧縮機サイクルとなるように前記圧縮機2などを制御する。
また、室外機33の制御装置23は、前記室内機19の制御装置15からの情報、及び圧力センサ28、配管温度センサ29、外気温度センサ41からの検知情報に基づいて、室外送風機25のモータ26を制御する。
次に、外気温度が室内の設定温度よりも低くなり、冷房負荷よりも、ポンプサイクルに切り替えた場合の期待能力が大きくなった場合には、ポンプサイクルへと切り替えて運転する。このポンプサイクルでの運転では、前記圧縮機2を停止させ、前記阻止弁30a,30bを開き、前記冷媒ポンプ32を運転する。このポンプサイクルでは、室外機33の制御装置23により前記冷媒ポンプ32の回転数が制御されるが、この回転数制御は、室内機19に設けた吸込温度センサ40の検知情報など室内機の制御装置15からの情報と、室外機に設けた外気温度センサ41などからの情報に基づいて行われる。
このポンプサイクルでは、前記吸込温度センサ40で検知される室内温度が設定温度の範囲になるように、前記冷媒ポンプ32の回転数を制御して冷媒循環量を変化させて冷房能力を調整する。
前記ポンプサイクルでの運転中に、冷房負荷が増大したり、外気温度が上昇した場合には、前記冷媒ポンプ32の回転数を上昇させて冷媒循環量を増加させるが、冷媒ポンプ32の回転数を最大にしても、前記吸込温度センサ40で検知される室内温度が前記設定温度よりも高い場合には、前記圧縮機・ポンプ併用サイクルでの運転に移行する。この圧縮機・ポンプ併用サイクルでは、前記圧縮機2を最低回転数、或いは低回転数で運転する。これにより、上記図6のモリエル線図で説明した冷凍サイクルでの冷房運転が行なわれ、冷媒ポンプ32で昇圧すべき圧力差(必要な揚程)が小さくなるから、冷媒循環量を配管長が短い場合と同等の冷媒循環量に増加させることができ、冷房能力を増大させることができる。
この圧縮機・ポンプ併用サイクルでも、前記吸込温度センサ40で検知される室内温度が設定温度の範囲になるように、前記冷媒ポンプ32の回転数を制御して冷媒循環量を変化させ冷房能力を調整するが、前記冷媒ポンプ32の回転数が最大の場合には、前記圧縮機2の回転数も制御して冷房能力を調整するようにすると良い。また、このポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転では、前記冷媒ポンプ32の回転数と前記圧縮機2の回転数を適宜制御して冷房能力を調整するようにしても良い。
なお、この圧縮機・ポンプ併用サイクルでは、凝縮時の圧力を蒸発圧力よりも低い適切な圧力になるように、前記減圧弁22により減圧する。即ち、前記圧力センサ8で検知された蒸発圧力と、前記圧力センサ28で検知された凝縮圧力とを制御装置23で比較し、前記凝縮圧力が前記蒸発圧力よりも低くなるように(好ましくは、予め定めた圧力差の範囲内になるように)、前記制御装置23は前記減圧弁22を制御する。
上記ポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転中に、室内側の冷房負荷が再び小さくなった場合には、前記圧縮機2の運転を停止し、再びポンプサイクルでの運転に移行する。圧縮機2を停止することにより、消費電力を低減させてより高効率な冷房運転を行うことができる。
また、ポンプ・圧縮機併用サイクルからポンプサイクルへの移行、或いはポンプサイクルからポンプ・圧縮機併用サイクルへの移行による冷凍サイクルの運転状態の変動は小さい。即ち、前記両サイクルにおける蒸発器5の圧力、温度及び凝縮器3の圧力、温度はほぼ同等であるので、圧縮機サイクルからポンプサイクルに移行する際に見られるような、冷凍サイクルの運転状態の大きな変動による冷房能力の立ち上がり遅れをほぼ解消できる。
更に、外気温度の変動や冷房負荷の変動により、頻繁に、圧縮機サイクルとポンプサイクルが交互に繰り返されるのも抑制できる。従って、冷凍サイクルの運転状態の大きな変動による冷房能力の立ち上がり遅れの発生を抑制して、冷房能力の低下を最小限に抑えることのできる空気調和装置を得ることができる。
また、ポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転中に、室内側の負荷が上昇したり、外気温度が上昇して、前記吸込温度センサ40で検知される室内空気吸込温度(室内温度)が徐々に上昇し、前記設定温度を超える状態が、一定時間以上続く場合には、ポンプ・圧縮機併用サイクルより安定的に冷房能力が確保できる上述した圧縮機サイクルでの運転に切り替えて、冷房運転を行う。上述した各動作は前記制御装置15または23の少なくとも何れかで行われる。
以上説明したように、本実施例によれば、ポンプサイクルでの運転中に冷房能力が不足する場合には、圧縮機サイクルで使用する圧縮機を利用し、ポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転としつつ、凝縮機を低圧側、蒸発器を高圧側として運転をするので、冷凍サイクルの運転状態の大きな変動の発生を抑制して冷房負荷の上昇に対応することが可能となる。従って、冷凍サイクルの変化に伴い一時的に冷房能力が低下する時間を短縮することができるから、特に情報通信向け空気調和装置としての信頼性を向上させることができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記実施例では圧縮機を1台としているが、複数台としても良い。また、室内機と室外機にそれぞれ制御装置を有する例で説明したが、何れか一方の制御装置のみとして、室内機及び室外機の全体を一つの制御装置で制御するようにしても良い。また、室内温度を蒸発器の吸込側に設けた吸込温度センサ40で、外気温度を凝縮器の吸込側に設けた外気温度センサ41で検知するようにしているが、これらの温度センサ40,41に限定されるものではなく、室内温度及び外気温度を検知できる温度センサであれば良い。
更に、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1…アキュームレータ、2…圧縮機、3…凝縮器、4…膨張弁、5…蒸発器、
6,31a,31b…サイレンサ、7,8,28…圧力センサ、
9,29…配管温度センサ、
10…バイパス回路、10a…逆止弁、11…逆止弁、
12…室内送風機、13…モータ、
14,20,21,30a,30b…阻止弁、
15,23…制御装置、16…信号伝送路、
17,18…冷媒配管(17…ガス側接続配管、18…液側接続配管)、
19…室内機、
22…減圧弁、
24…バイパス回路、24a…逆止弁、
25…室外送風機、26…モータ、
27…レシーバタンク、
32…冷媒ポンプ、33…室外機、
40…吸込温度センサ、41…外気温度センサ。

Claims (12)

  1. 圧縮機と、該圧縮機により圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、該凝縮器により凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、該膨張弁により膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記凝縮器と膨張弁との間に設けられた冷媒ポンプと、前記圧縮機及び前記冷媒ポンプを制御する制御装置を備える空気調和装置であって
    前記制御装置は、前記圧縮機を使用して冷凍サイクル運転を行う圧縮機サイクルでの運転制御機能と、前記圧縮機を停止させ、前記冷媒ポンプを使用して冷凍サイクル運転を行うポンプサイクルでの運転制御機能と、前記冷媒ポンプと前記圧縮機を併用して冷凍サイクル運転を行うポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転制御機能を備え、これらを選択して運転できるように構成され、
    記ポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転時には、前記凝縮器側の圧力が前記蒸発器側の圧力よりも低圧になるようにして運転され、更に
    前記圧縮機と前記凝縮器の間に減圧弁を備え、この減圧弁はポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転時に、前記凝縮器側の圧力が前記蒸発器側の圧力よりも低圧になるように制御される
    ことを特徴とする空気調和装置。
  2. 圧縮機と、該圧縮機により圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、該凝縮器により凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、該膨張弁により膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記凝縮器と膨張弁との間に設けられた冷媒ポンプと、前記圧縮機及び前記冷媒ポンプを制御する制御装置を備える空気調和装置であって、
    前記制御装置は、前記圧縮機を使用して冷凍サイクル運転を行う圧縮機サイクルでの運転制御機能と、前記冷媒ポンプを使用して冷凍サイクル運転を行うポンプサイクルでの運転制御機能と、前記冷媒ポンプと前記圧縮機を併用して運転するポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転制御機能を備え、これらを選択して運転できるように構成され、
    前記ポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転時には、前記凝縮器側の圧力が前記蒸発器側の圧力よりも低圧になるようにして運転され、更に
    前記圧縮機と前記凝縮器の間に減圧弁を備え、この減圧弁はポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転時に、前記凝縮器側の圧力が前記蒸発器側の圧力よりも低圧になるように制御される
    ことを特徴とする空気調和装置。
  3. 請求項1または2に記載の空気調和装置において、
    前記圧縮機は、インバータで回転数制御が可能なものを用い、且つ圧力比が1.1〜1.2の低圧力比で運転可能なものであることを特徴とする空気調和装置。
  4. 請求項1または2に記載の空気調和装置において、前記蒸発器を備える室内機と、前記凝縮器を備える室外機と、前記室内機と前記室外機を接続する冷媒配管を有し、前記ポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転時には、前記圧縮機は、前記室内機と前記室外機を接続する冷媒配管の圧力損失に勝る圧力まで昇圧することを特徴とする空気調和装置。
  5. 請求項1または2に記載の空気調和装置において、
    前記冷媒ポンプは、インバータで回転数制御が可能な渦流ポンプであることを特徴とする空気調和装置。
  6. 請求項1または2に記載の空気調和装置において、
    前記制御装置は、前記圧縮機サイクルで運転している場合の冷房負荷よりも、前記ポンプサイクルに切り替えた場合に期待できる冷房能力(期待能力)の方が大きい場合には前記圧縮機サイクルから前記ポンプサイクルへの運転に切り替えることを特徴とする空気調和装置。
  7. 請求項1または2に記載の空気調和装置において、
    前記制御装置は、前記ポンプサイクルで運転している場合に、室内温度が設定温度を超える場合には前記ポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転に切り替えることを特徴とする空気調和装置。
  8. 請求項1または2に記載の空気調和装置において、
    前記冷媒ポンプは回転数制御が可能なものであり、前記制御装置は、前記ポンプサイクルで運転している場合、室内温度が設定温度の範囲になるように、前記冷媒ポンプの回転数を制御して冷媒循環量を変化させることを特徴とする空気調和装置。
  9. 請求項に記載の空気調和装置において、
    前記制御装置は、前記ポンプサイクルで運転している場合に、前記冷媒ポンプの回転数を最大にしても室内温度が設定温度を超える場合、前記ポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転に切り替えることを特徴とする空気調和装置。
  10. 請求項1または2に記載の空気調和装置において、
    前記圧縮機及び前記冷媒ポンプは、インバータで回転数制御が可能なものであり、前記制御装置は、前記ポンプ・圧縮機併用サイクルでの運転においては、前記冷媒ポンプの回転数と前記圧縮機の回転数を制御して冷房能力を調整することを特徴とする空気調和装置。
  11. 請求項1または2に記載の空気調和装置において、
    前記制御装置は、前記ポンプ・圧縮機併用サイクルで運転している場合で、室内温度が設定温度を超える状態が一定時間以上続く場合には、圧縮機サイクルでの運転に切り替えるように制御することを特徴とする空気調和装置。
  12. 請求項1または2に記載の空気調和装置において、
    前記制御装置は、前記ポンプ・圧縮機併用サイクルで運転中に、室内側の冷房負荷が小さくなった場合には、前記圧縮機の運転を停止し、ポンプサイクルでの運転に移行するように制御することを特徴とする空気調和装置。
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