JP6508108B2 - 通行情報報知システム - Google Patents

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Description

本発明は、道路における車両及び/又は歩行者の通行情報を報知する通行情報報知システムに関する。
従来、車両(自動車)の運転者のための運転支援として、交差点等における他の車両の接近を知らせる車両情報表示装置を、カーブミラーに添設する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1のシステムでは、カーブミラー設置場所から一定距離離れた道路に、車両の通過を検知する地磁気センサからなる車両検知手段を埋設し、車両検知手段が検知した車両通過検知情報を無線通信装置によって表示装置に送信し、表示装置は車両通過検知情報を受信すると、車両が近付いている旨の表示を行うように構成されている。
特開2015−184928号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された車両情報表示装置では、次のような問題点がある。即ち、特許文献1では、交差点に設けられた表示装置(カーブミラー)の位置と、磁気センサの埋設位置との間の距離が「一定距離離れた」ことが記載されているのみで、具体的な例示は存在しない。仮に、その距離が比較的長いと、磁気センサで検知した車両が、実際に表示装置が設けられた交差点まで到達するか不明であり、車両の検知精度が低いものとなる。つまり、車両が、途中で右左折して当該交差点を通らなかったり、途中の目的地で停止したりすることが考えられる。
この場合、表示装置(カーブミラー)と磁気センサとの間の距離を比較的近い距離にすれば、車両検知の精度は高くなるが、今度は、距離が短いために、車両の検知、表示から実際に車両が交差点に到達するまでの時間が短くなり、利用者にとって表示の確認のための十分な時間がない状態で、車両が交差点を通過してしまう虞がある。尚、車両検知用の磁気センサに故障が発生した場合でも、その故障が容易に判らない不具合もある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両及び/又は歩行者が実際に報知地点を通過するかを高い精度で予測できながらも、利用者が時間的な余裕をもって報知を確認することができる通行情報報知システムを提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明の通行情報報知システム(1)は、管理サーバ(2)と、道路の要所における複数の観測地点に夫々設けられた複数の情報収集用端末(3)と、道路の要所における複数の報知地点に夫々設けられた複数の報知用端末(3)とを含んで構成され、道路における車両及び/又は歩行者の通行情報を報知するシステムであって、前記各情報収集用端末(3)は、前記各観測地点における前記車両及び/又は歩行者の通行を検知する検知手段(9,10)と、前記検知手段(9,10)の検知した通行記録をリアルタイムで前記管理サーバ(2)に送信する検知情報送信手段(6)とを備え、前記管理サーバ(2)は、前記各情報収集用端末(3)から送信された通行記録を受信する受信手段(6)と、受信した通行記録を記憶するデータベース(5)と、前記リアルタイムで受信した通行記録及び前記データベース(5)に記憶されている過去の通行記録から前記各報知地点における前記車両及び/又は歩行者の通行を総合的に予測する予測手段(4)と、前記予測手段(4)の予測した通行予測情報を該当する報知地点の報知用端末(3)に送信する予測情報送信手段(6)とを備え、前記各報知用端末(3)は、前記管理サーバ(2)から送信された通行予測情報を受信する受信手段(8)と、前記通行予測情報に基づいて当該報知地点における前記車両及び/又は歩行者の通行を報知する報知手段(11)とを備えるところに特徴を有する(請求項1の発明)。
これによれば、複数の観測地点に夫々設けられた複数の情報収集用端末(3)において、検知手段(9,10)により検知された車両及び/又は歩行者の通行記録が、リアルタイムで管理サーバ(2)に送信される。管理サーバ(2)では、リアルタイムの通行記録及び過去の通行記録の履歴等に基づいて、各報知地点における車両及び/又は歩行者の通行が、予測手段(4)により総合的に予測される。この場合、複数の観測地点における通行記録を用いることによって、予測手段(4)により精度の高い通行予測を行うことができる。
そして、管理サーバ(2)から通行予測情報が送信されることに基づき、複数の報知地点に夫々設けられた各報知用端末(3)においては、報知手段(11)により車両及び/又は歩行者の通行が報知される。報知地点に至る前の複数の観測地点における通行記録から予測できるので、報知地点を車両又は歩行者が通過するタイミングに対し、十分に早い時点で予測情報を報知用端末(3)に送信できる。従って、請求項1の発明によれば、車両及び/又は歩行者が実際に報知地点を通過するかを高い精度で予測できながらも、利用者が時間的な余裕をもって報知を確認することができる。
本発明の一実施形態を示すもので、システムの要部の構成を概略的に示すブロック図 市街地における道路に対する報知装置の設置状態を模式的に示す図 交差点における表示装置の設置の様子の一例を示す図 車両の運転者向けの表示例を示す図(その1) 歩行者向けの表示例を示す図(その2) 報知装置が実行する車両の通行検知の処理手順を示すフローチャート 歩行者が安全に通行できるかを通知するまでの通信処理の流れを示すシーケンス図 故障が発生した場合を説明するための図 誤検出が発生した場合を説明するための図
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態では、便宜上、例えば図2(及び図8、図9)に示すような、ある特定の区域(市街地)に本実施形態に係る通行情報報知システム1を設けた場合を例としながら説明する。この市街地においては、車両(自動車)V及び歩行者Pの双方が通行する複数本の道路S(生活道路)が、東西方向(図で右左方向)、及び、南北方向(図で下上方向)に格子状に延びている。
またこの場合、図2等における複数の道路Sを区別する必要がある場合には、東西(図で左右)方向に延びる道路Sについては、北側(図で上側)から順に、道路S(a)、道路S(b)、道路S(c)、道路S(d)と添え字を付して表現する。一方、南北(図で上下)方向に延びる道路Sについては、西側(図で左側)から順に、道路S(1)、道路S(2)、道路S(3)、道路S(4)と添え字を付して表現する。
これにより、複数本の道路Sによって、信号のない交差点(十字路)Cが全部で16個存在している。後述するように、これら交差点C部分が観測地点及び報知地点となる。このとき、複数の交差点Cのいずれかを特定する必要がある場合には、例えば道路S(b)と道路S(1)とがなす交差点Cを、交差点C(b1)とし、道路S(c)と道路S(4)とがなす交差点Cでは、交差点C(c4)とするというように、二つの道路を表すような添え字を、符号Cの後に括弧書きで付すこととする。
図1は、本実施形態に係る通行情報報知システム1の、ハードウエア的構成を概略的に示している。この通行情報報知システム1は、管理サーバ2と、道路Sの要所に設けられた複数個の報知装置3とを含んで構成されている。本実施形態では、報知装置3は、観測地点に設けられる情報収集用端末及び報知地点に設けられる報知用端末の双方の機能を有し、情報収集用端末と報知用端末とが一体化されたものとされている。しかも、観測地点と報知地点とが共通していると共に、複数の報知地点は、上記した道路Sの各交差点部分に設定されている。つまり、図2に示す16個の交差点部分に夫々報知装置3が設けられている。
前記管理サーバ2は、コンピュータを主体として構成される演算部4を備えると共に、この演算部4に夫々接続された通行記録を蓄積記憶するデータベース5、前記各報知装置3(後述する通信装置8)との間で無線通信を行うための通信装置6を備えている。詳しくは後述するように、管理サーバ2においては、前記通信装置6により、各報知装置3から、車両V及び歩行者Pのリアルタイムの通行記録を受信する。このとき、通行記録には、交差点C(観測地点)の位置、個々の車両V又は歩行者Pが通過した時刻、当該交差点Cにどの方向から進入し、どの方向に退出した(向かった)か、車両Vの場合ナンバープレート情報及び速度情報、等が含まれる。受信した通行記録はデータベース5に蓄積記憶される。
また、データベース5には、道路地図データ等も記憶されている。管理サーバ2には、通行禁止区分、優先道路か否か、工事の有無、渋滞状況、路上駐車の有無、事故多発地点かどうか等の、リアルタイムの交通情報を含んだ各種の道路状況のデータも入力されるようになっている。
前記演算部4は、主としてそのソフトウエア的構成により、リアルタイムで受信した通行記録及びデータベース5に記憶されている過去の通行記録、更には道路状況データから、各報知地点つまり報知装置3が設置された交差点Cにおける車両V及び歩行者Pの通行を総合的に予測する予測処理を行う。この場合、任意の交差点Cに、任意の車両V及び歩行者Pが、いつ通過するかを判断(予測)するようになっている。従って、演算部4が予測手段としての機能を備えている。
そして、演算部4が、任意の交差点Cにおける車両V及び歩行者Pの通行を予測した場合には、通信装置6により、その通行予測情報を該当する交差点Cに設置された報知装置3(後述する通信装置8)に対し送信する。このとき、通行予測情報には、該当する交差点Cに対し、車両V又は歩行者Pが、いつ(何秒後に)、どの方向から進入するかの情報を含むものとなっている。従って、通信装置6が、受信手段及び予測情報送信手段として機能する。また、演算部4は、交差点C近傍に歩行者Pが存在する場合に、その歩行者Pが当該交差点Cを安全に通行できるかどうかを判断した判断情報を、報知装置3に対して送信するようになっている。
前記各報知装置3は、コンピュータを主体として構成される演算部7を備えると共に、この演算部7に接続された、通信装置8、歩行者検知装置9、車両検知装置10、表示装置11を備えている。そのうち通信装置8は、前記通信装置6との間の無線通信により、各交差点Cにおけるリアルタイムの通行記録を、前記管理サーバ2に送信すると共に、管理サーバ2から送信された通行予測情報を受信するようになっている。従って、通信装置8が、検知情報送信手段及び受信手段として機能する。
前記歩行者検知装置9は、観測地点としての報知装置3が設置された交差点Cにおける歩行者Pの通行を検知するものであり、前記車両検知装置10は、当該交差点Cにおける車両Vの通行を検知するものであり、これらが検知手段としての機能を備える。詳しい図示は省略するが、これら歩行者検知装置9及び車両検知装置10は、例えば、カメラ及び画像処理装置、レーザレーダ等の移動体検出用の各種センサなどから構成されている。
これにて、歩行者検知装置9により、当該交差点Cに対する歩行者Pの進入退出時刻、進入退出方向といった通行記録が検知される。また、車両検知装置10により、当該交差点Cに対する車両Vの進入退出時刻、進入退出方向、カメラにより撮影された車両特定情報としてのナンバープレート情報、速度情報といった通行記録が検知される。このように、検知された車両V及び歩行者Pのリアルタイムの通行記録が、各報知装置3から前記管理サーバ2に送信される。
前記表示装置11は、車両Vの運転者或いは歩行者Pに対して、管理サーバ2から受信した通行予測情報つまり他の車両V又は歩行者Pの接近情報を表示によって報知する。従って、表示装置11が報知手段として機能する。図3にも示すように、この表示装置11は、例えば1か所の交差点Cの報知装置3において、複数が異なる方向を向く、つまり別々の方向から視認することができるように設けられ、夫々の表示画面に通行情報としての接近情報を表示できるように構成されている。尚、図3の例では、表示装置11更に報知装置3全体は、例えば、交通標識用のポール12に設置できる構成となっている。電柱やカーブミラーなどに取付ける構成としても良い。
図4及び図5は、表示装置11の画面における接近情報の表示例を示している。図4は、交差点Cに差し掛かった車両Vの運転者に対し、当該交差点Cに歩行者が近付いていることを報知するものである。図4(a)の例は、歩行者が何秒後かに右方から交差点Cに差し掛かる旨を注意喚起するものであり、図4(b)の例では、歩行者が何秒後かに、左方から近付いてくる様子を示している。
図5は、交差点Cに差し掛かった車両Vの運転者(及び歩行者P)に対し、当該交差点Cに自車両以外の他の車両Vが近付いていることを報知する場合の例を示すものである。図5(a)の例は、他の車両Vが何秒後かに右方から交差点Cに進入してくる旨を注意喚起するものであり、図5(b)の例では、他の車両Vが何秒後かに、左方から交差点Cに進入してくる旨を注意喚起するものである。
尚、本実施形態では、報知装置3は、歩行者P向けの表示を行う場合には、歩行者Pが交差点Cに進入したことを検知すると、管理サーバ2に対して、その歩行者Pが該当交差点Cを安全に通行できるかどうかの予測の依頼を行う。そして、管理サーバ2からの予測結果に基づいた表示装置11に注意などの表示を行う。この場合、図5では図示されていないが、管理サーバ2にて安全と判断された場合には、歩行者Pに対し、表示装置11に安全に通行できる旨を表示することも可能である。
さて、次の作用説明でも述べるように、前記管理サーバ2の演算部4は、各報知地点(交差点C)における車両V又は歩行者Pの通行を予測するにあたり、リアルタイムで受信した通行記録及びデータベース5に記憶されている過去の通行記録から、該当する交差点Cに対し、車両V又は歩行者Pが、いつ(何秒後に)通過するのかを、総合的に判断するようになっている。特に車両Vの走行方向を予測する場合には、車両特定情報(ナンバープレート情報)に基づき、該当車両Vの過去の通行の履歴を参照しながら予測を行う。
また、管理サーバ2の演算部4は、上記したように、報知装置3からの歩行者Pの安全判断の依頼を受けると、当該交差点Cを歩行者Pが安全に通行できるかどうか(通行する車両Vはないか)を判断予測して、当該報知装置3に対しその予測結果を送信する。更に、特に本実施形態では、前記管理サーバ2の演算部4は、各報知装置3から送信される複数の通行記録間で情報に矛盾があった場合に、歩行者検知装置9及び車両検知装置10の誤検知又は機器異常を判定するようになっている。
次に、上記のように構成された通行情報報知システム1の作用について、図6から図9も参照して述べる。まず、図6のフローチャートは、報知装置3の演算部7が実行する、車両Vの通行の検知に関する処理手順を示している。
即ち、まずステップS1では、車両検知装置10により、交差点Cへの車両Vの進入を検知したかどうかが判断される。車両Vを検知した場合には(ステップS1にてYes)、ステップS2にて、(1)交差点Cの進入口(例えば東西南北のいずれの方向から進入したか)が特定され、ステップS3では、(2)進入時刻が記録される。更に、ステップS4では、(3)車両Vのナンバープレート情報が特定される。
次のステップS5では、車両Vが当該交差点Cを退出したかどうかが判断される。車両Vが当該交差点Cを退出したと判断されると(ステップS5にてYes)、ステップS6にて、(4)交差点Cの退出口(例えば東西南北のいずれの方向に退出したか)が特定され、ステップS7にて、(5)退出時刻が記録される。そして、ステップS8にて、上記した(1)〜(5)の情報が、車両Vの通行記録として、管理サーバ2に送信される。
ここで、図2を参照しながら、具体例について述べる。図2に点線の矢印で示すように、特定の車両Vが、道路S(c)に東側から進入し、交差点C(c4)、交差点C(c3)、交差点C(c2)を順に直進(西へ走行)し、交差点C(c1)で右折(北方向に退出)したものとする。このとき、まず交差点C(c4)の報知装置3から、車両Vのナンバープレート情報、交差点C(c4)に東から進入し西に退出した(直進した)情報、その通過(進入、退出)時刻といった通行記録が、管理サーバ2にリアルタイムで送信される。
次いで、交差点C(c3)の報知装置3から、該当車両Vの、その直後の時刻における直進の通行記録が管理サーバ2にリアルタイムで送信され、さらに、交差点C(c2)の報知装置3から、その直後の時刻における該当車両Vの直進の通行記録が管理サーバ2にリアルタイムで送信される。そして、交差点C(c1)の報知装置3から、その直後の時刻において、該当車両Vが、東から進入し北に退出した(右折した)情報等からなる通行記録が、管理サーバ2にリアルタイムで送信される。
管理サーバ2の演算部4は、受信したリアルタイムの通行記録や、データベース5に蓄積された該当車両Vにおける通行記録の履歴情報、その他の交通情報を含む道路状況から、該当車両Vが、どの交差点Cをどのように通行するかを総合的に予測する。この場合、演算部4は、次の交差点C(b1)においては、該当車両Vが右折する確率が最も低いと予測する。また、直進、左折のいずれかについては、例えば該当車両Vの過去の履歴から、習慣的に直進したケースが多い場合には、直進する確率が最も高いと予測する。或いは、道路状況を考慮して、例えば直進の道路が渋滞している場合には、左折する確率が高いと判断する場合もある。
演算部4が例えば直進する確率が最も高いと判断(予測)した場合には、管理サーバ2から次の交差点C(a1)の報知装置3に対し、該当車両Vがいつ(何秒後に)、どの方向からその交差点C(a1)に進入するかといった通行予測情報が送信される。通行予測情報を受信した交差点C(a1)の報知装置3は、図5に示すように、表示装置11に、車両Vが何秒後かに、どの方向から交差点Cに進入するかを表示する。これにより、交差点C(a1)付近の他の車両Vの運転者又は歩行者は、表示装置11の表示を見て、どのタイミングでどの方向から車両Vが近付いて来るかを知ることができる。
次に、図7を参照して、報知装置3から歩行者Pの安全判断の依頼を管理サーバ2に送信した場合の処理について述べる。図7は、歩行者Pを検知した報知装置3及びその周辺のn個(1番目とn番目との2個を代表させて図示)の報知装置3と、管理サーバ2との間の通信シーケンスを示している。
ここで、上記したように、周辺のn個の報知装置3は、車両Vを検知すると、その車両Vの通行記録を管理サーバ2に対しリアルタイムで送信する。図7では、1番目の報知装置3から通行記録が管理サーバ2に送信され(通信処理T1)、これと共に、n番目の報知装置3から通行記録が管理サーバ2に送信されている(通信処理T2)。車両Vの通行記録を受信した管理サーバ2は、その通行記録をデータベース5に保存する。
一方、歩行者検知装置9により歩行者Pを検知した報知装置3は、管理サーバ2に対し、当該歩行者Pが、当該交差点Cを安全に通行できるかの予測(判断)の依頼を行う(通信処理T3)。すると、管理サーバ2の演算部4は、次のI〜IIIの情報から総合的に、安全に通行できるかどうかを予測する。Iの情報は、n個の周辺の報知装置3からのリアルタイムの車両Vの通行情報であり、IIの情報は、蓄積された過去の通行情報であり、IIIの情報は、交差点C周辺の道路状況の情報である。
報知装置3は、当該交差点Cを歩行者Pが安全に通行できるかどうかを判断予測して、当該交差点Cの報知装置3に対しその予測結果を送信する(通知処理T4)。報知装置3は、管理サーバ2から送信された予測結果に基づいた表示装置11に注意などの表示を行う。この場合、車両Vが近付いてくる場合には、表示装置11の画面には、図5に示すような注意喚起を促す表示がなされる。
尚、このとき、報知装置3(歩行者検知装置9)が歩行者Pの接近を検知した場合、図4に示すように、表示装置11には、歩行者Pが接近している旨の表示がなされる。車両Vの運転者は、それを見て、例えば交差する道路側が死角になっているような交差点Cであっても、歩行者Pが近付いていることを容易に知ることができる。
ところで、この通行情報報知システム1にあっては、管理サーバ2の演算部4は、複数の交差点Cを夫々観測地点として車両Vなどを検知しているので、複数の通行記録間で情報に矛盾があった場合には、どこかで誤検知或いは機器異常があったと判定することができる。
図8は、機器に故障があると判断できるケースを例示している。即ち、ある車両Vが、道路S(c)を東から西に向かって走行している場合、交差点C(c4)の報知装置3、交差点C(c3)の報知装置3、交差点C(c2)の報知装置3の順に車両を検知するはずである。ところが、交差点C(c4)の報知装置3が車両Vを検知した後、次に交差点C(c2)の報知装置3当該車両Vを検知した場合には、交差点C(c3)の報知装置3に故障、例えば車両検知装置10の故障があると判断することができる。
また、図9は、誤検知があった場合を例示している。ここで、仮に図9(a)に示すように、交差点C(c4)の報知装置3が車両Vの直進(西行)を検知した後、交差点C(c3)の報知装置3が、当該車両Vの右折(北行)を検知し、且つ、交差点C(c2)の報知装置3が、当該車両Vの直進(西行)を検知したとする。この場合、車両Vの検知に矛盾が生じているので、交差点C(c3)の報知装置3か、又は、交差点C(c2)の報知装置3のどちらかに誤検知が発生したと判断できる。
このような場合には、別の交差点Cにおける走行記録から、どちらの報知装置3に誤検知が発生したかを判断することができる。図9(b)では、交差点C(c3)の報知装置3が当該車両Vの右折(北行)を検知した後に、順に、交差点C(b3)の報知装置3が当該車両Vの直進(北行)を検知し、交差点C(a3)の報知装置3が当該車両Vの左折(西行)を検知し、交差点C(a2)の報知装置3が当該車両Vの直進(西行)を検知し、交差点C(a1)の報知装置3が当該車両Vの直進(西行)を検知したものとする。更に、残りの報知装置3においては、車両Vを検知していないものとする。
これにより、交差点C(c2)の報知装置3に誤検知が発生したと判断することができる。このように、管理サーバ2の演算部4は、複数の報知装置3の通行記録間で情報に矛盾があった場合には、どこかで誤検知或いは機器異常があったと判断することができ、誤検知又は異常のある報知装置3の特定を容易に行うことができる。ひいては、誤検知又は異常が判断された報知装置3に対する速やかな対処が可能となる。
このように、本実施形態の通行情報報知システム1によれば、管理サーバ2の演算部4は、複数の観測地点(交差点C)におけるリアルタイムの通行記録及び過去の通行記録の履歴等に基づいて、各報知地点(交差点C)における車両V及び歩行者Pの通行を総合的に予測することができ、より精度の高い通行予測を行うことができる。そして、報知地点に至る前の複数の観測地点における通行記録から予測できるので、報知地点を車両V又は歩行者Pが通過するタイミングに対し、十分に早い時点で予測情報を各報知装置3に送信できる。
この結果、本実施形態によれば、車両V及び/又は歩行者Pが実際に報知地点である交差点Cを通過するかを高い精度で予測できながらも、利用者が時間的な余裕をもって報知を確認することができるという優れた効果を得ることができる。尚、管理サーバ2の演算部4における予測が外れることも考えらえるが、そのような予測が外れた経験を次の予測に生かすことができ、次第に精度を高めながら予測することが可能となる。
特に本実施形態では、報知地点を、道路Sの交差点C部分に設定するようにしたので、交差点Cにおいて、利用者に対し、例えば死角となる側からの他車両Vや歩行者Pなどの通行を報知することができ、効果的となる。また、本実施形態では、観測地点と報知地点とを共通させ、当該地点に情報収集用端末及び報知用端末とを一体化した形態の報知装置3を設ける構成としたので、情報収集用端末及び報知用端末の設置や取扱い、メンテナンス等が容易となる。
本実施形態では、ナンバープレートにより車両Vを特定し、通行記録に、その車両特定情報を含ませる構成としたので、特定された車両Vに関するデータの蓄積が可能となり、当該車両Vが過去にどのような経路を走行したのか、習慣的に走行する経路や時間等が決まっているのか、経路を選ぶにあたって癖があるのか等を求めることができ、どの経路を通るかの予測をより一層精度高く行うことができるようになる。
報知装置3に、車両Vの運転者が視認可能な表示装置11を設け、他の車両V又は歩行者Pが報知地点に接近する接近情報を表示装置11の画面に表示するようにしたので、利用者としての車両Vの運転者に、運転する際の有用な情報を報知することが可能となり、安全性などを高めることができる。これと共に、報知装置3に、歩行者Pが視認可能な表示装置11を設け、任意の車両Vが報知地点に接近する接近情報を表示装置11の画面に表示するようにしたので、歩行者にとって、車両Vの接近という有用な情報を報知することが可能となり、安全性を高めることができる。このとき、管理サーバ2から、歩行者Pが当該報知地点を安全に通行できるかどうかを判断した判断情報を報知装置3に対して送信するようにしたので、歩行者Pの安全性をより高めることができる。
更に、本実施形態では、管理サーバ2の演算部4は、複数の通行記録間で情報に矛盾があった場合に、報知装置3の検知手段における誤検知又は機器異常を判定するように構成した。本実施形態の通行情報報知システム1においては、複数の観測地点を有しているので、複数の通行記録間で情報に矛盾があった場合には、どこかで誤検知或いは機器異常があったと判断することができ、その特定も容易となり、速やかな対処が可能となる。
尚、上記した実施形態では、観測地点と報知地点とを共通させるように構成したが、必ずしも完全一致していなくても良く、情報取集用端末と報知用端末とを別々の装置として、別体に設置するように構成しても良い。また、上記実施形態では、報知装置を交差点C部分に設けるようにしたが、交差点以外でも、道路の分岐地点や急カーブ地点、その他死角が大きくなる場所など、道路の要所に位置して情報取集用端末や報知用端末を設けることができる。
更に、上記実施形態では、車両Vの運転者及び歩行者Pの双方に向けて、他の車両Vや歩行者Pの通行を報知するように構成したが、例えば車両Vのみを対象として、その通行情報を収集し、報知するように構成する等も可能である。車両Vとして、自動車だけでなく二輪車なども、区別して検知するように構成することができる。その他、車両や歩行者を検知する検知手段の構成としても様々な変更が可能である等、本発明は上記し且つ図面に示した実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
図面中、1は通行情報報知システム、2は管理サーバ、3は報知装置(情報収集用端末、報知用端末)、4は演算部(予測手段、判定手段)、5はデータベース、6は通信装置(受信手段、予測情報送信手段)、7は演算部、8は通信装置(検知情報送信手段、受信手段)、9は歩行者検知装置(検知手段)、10は車両検知装置(検知手段、車両特定手段)、11は表示装置(報知手段)、Sは道路、Cは交差点(観測地点、報知地点)、Vは車両、Pは歩行者を示す。

Claims (8)

  1. 管理サーバ(2)と、
    道路の要所における複数の観測地点に夫々設けられた複数の情報収集用端末(3)と、
    道路の要所における複数の報知地点に夫々設けられた複数の報知用端末(3)とを含んで構成され、道路における車両及び/又は歩行者の通行情報を報知するシステム(1)であって、
    前記各情報収集用端末(3)は、前記各観測地点における前記車両及び/又は歩行者の通行を検知する検知手段(9,10)と、前記検知手段(9,10)の検知した通行記録をリアルタイムで前記管理サーバ(2)に送信する検知情報送信手段(6)とを備え、
    前記管理サーバ(2)は、前記各情報収集用端末(3)から送信された通行記録を受信する受信手段(6)と、受信した通行記録を記憶するデータベース(5)と、前記リアルタイムで受信した通行記録及び前記データベース(5)に記憶されている過去の通行記録から前記各報知地点における前記車両及び/又は歩行者の通行を総合的に予測する予測手段(4)と、前記予測手段(4)の予測した通行予測情報を該当する報知地点の報知用端末(3)に送信する予測情報送信手段(6)とを備え、
    前記各報知用端末(3)は、前記管理サーバ(2)から送信された通行予測情報を受信する受信手段(8)と、前記通行予測情報に基づいて当該報知地点における前記車両及び/又は歩行者の通行を報知する報知手段(11)とを備えることを特徴とする通行情報報知システム。
  2. 前記報知地点は、道路の交差点部分に設定されることを特徴とする請求項1記載の通行情報報知システム。
  3. 前記観測地点と報知地点とは共通しており、当該地点に前記情報収集用端末及び報知用端末(3)が、一体化された形態で設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の通行情報報知システム。
  4. 前記検知手段(9,10)は、ナンバープレートにより車両を特定する車両特定手段を備え、前記通行記録には、その車両特定情報が含まれることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の通行情報報知システム。
  5. 前記報知手段(11)は、車両の運転者が視認可能な表示装置を備え、他の車両又は歩行者が当該報知地点に接近する接近情報を前記表示装置の画面に表示することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の通行情報報知システム。
  6. 前記報知手段(11)は、歩行者が視認可能な表示装置を備え、任意の車両が当該報知地点に接近する接近情報を前記表示装置の画面に表示することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の通行情報報知システム。
  7. 前記管理サーバ(2)は、前記報知地点近傍に歩行者が存在する場合に、その歩行者が当該報知地点を安全に通行できるかどうかを判断した判断情報を前記報知用端末(3)に対して送信することを特徴とする請求項6記載の通行情報報知システム。
  8. 前記管理サーバ(2)は、複数の通行記録間で情報に矛盾があった場合に、前記検知手段(9,10)における誤検知又は機器異常を判定する判定手段(4)を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の通行情報報知システム。
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