JP6507589B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃焼排ガスを筺体の外部に排気する燃料電池システムに関する。
上記燃料電池システムに係る発明の一例として、特許文献1および特許文献2に記載の発明が挙げられる。特許文献1に記載の排気装置は、本体の開口部にフランジが形成されている。そして、特許文献1に記載の排気装置は、排気装置内で結露した結露水をフランジによって堰き止め、排気装置の外部へ結露水が流出することを抑制しようとしている。
特許文献2に記載の排気装置は、排気装置の下面部にバーリングが設けられた水抜き穴が形成されており、バーリングの上端は、排気装置の給気口の下端よりも上方に配設されている。そして、特許文献2に記載の排気装置は、多量の雨水が排気装置内に流入した際に、雨水を水抜き穴から排出することにより、排気性能を確保しようとしている。
特開2012−209225号公報 特開2012−207899号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の排気装置は、いずれも燃料電池システムの筺体外部に設けられており、筺体の排気口から排出される燃焼排ガスに含まれる水蒸気量を低減しようとするものではない。また、特許文献1および特許文献2に記載の排気装置は、いずれも燃料電池システムの筺体外部に突出して設けられているので、燃料電池システムの外形寸法が増加し、燃料電池システムを設置するための占有スペースが増大する。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、筺体の排気口から排出される燃焼排ガスに含まれる水蒸気量を低減するとともに、燃料電池システムの外形寸法の増加を抑制可能な燃料電池システムを提供することを課題とする。
本発明に係る燃料電池システムは、燃料と酸化剤ガスとにより発電する燃料電池と、改質用原料および改質水から前記燃料を生成して前記燃料電池に導出する改質部と、前記燃料のオフガスである燃料オフガスと前記酸化剤ガスとが燃焼して前記改質部を加熱する燃焼部と、前記燃料電池の排熱を含む前記燃焼部からの燃焼排ガスと液状の熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器と、一端側が前記熱交換器に接続され、前記熱交換器から排気された前記燃焼排ガスを導出する排気ダクトと、を収容する筺体を備え、前記筺体は、前記燃焼排ガスを外部に排出する排気口を備え、前記筺体内には、一端側が前記排気ダクトの他端側に接続され他端側が前記筺体の前記排気口に接続されて、前記排気ダクトから導出された前記燃焼排ガスに含まれる水蒸気を凝縮して凝縮水を生成する凝縮ダクトを備え、前記排気ダクトは、前記燃焼排ガスの流路断面積が前記凝縮ダクトに向かって増加する部位を含む
本発明に係る燃料電池システムによれば、筺体内に、排気ダクトから導出された燃焼排ガスに含まれる水蒸気を凝縮して凝縮水を生成する凝縮ダクトが設けられている。そのため、筺体の排気口から排出される燃焼排ガスに含まれる水蒸気量が低減される。その結果、筺体に付着する凝縮水量が低減され、筺体の耐食性が向上する。さらに、本発明に係る燃料電池システムは、筺体外部に突出する排気機構を必要としないので、燃料電池システムの外形寸法の増加および設置面積の増加を抑制することができる。
燃料電池システム1の一例を示す構成図である。 筺体11の奥行き方向(矢印X方向)および高さ方向(矢印Z方向)によって形成されるXZ平面で、筺体11および排気装置80を切断して排気装置80の一例を示す切断部端面図である。 排水管84の一部を含む排気ダクト81の一例を示す斜視図である。 第二排気ダクト81bの吐出口81b2側から視た凝縮ダクト82の突出部82cの一例を示す図である。 燃料電池システム1の外観の一例を示す図である。 筺体11の奥行き方向(矢印X方向)および高さ方向(矢印Z方向)によって形成されるXZ平面で、筺体11およびカバー部材85を切断してカバー部材85の一例を示す切断部端面図である。 変形形態に係り、筺体11の幅方向(矢印Y方向)視のカバー部材85の取り付け例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面は、概念図であり、細部構造の寸法まで規定するものではない。
<燃料電池システム1の構成>
図1に示すように、本実施形態の燃料電池システム1は、筐体11、燃料電池モジュール20、排熱回収システム30、電力変換器50、制御装置60、排水装置70および排気装置80を備えている。
(筐体11)
筺体11は、燃料電池モジュール20、排熱回収システム30、電力変換器50、制御装置60、排水装置70および排気装置80を収容している。筺体11は、上記機器および装置を収容することができれば良く、その形状、材質等は限定されない。本実施形態では、筺体11は、例えば、ステンレス鋼板などの金属材料で、箱状に形成されている。また、筐体11は、筐体11内を区画して第一室R1および第二室R2を形成する仕切部材12を備えている。第一室R1は第一空間を形成し、第二室R2は第二空間を形成する。仕切部材12は、筐体11を上下に区画する部材であり、第一室R1および第二室R2は、連通可能になっている。
(燃料電池モジュール20)
燃料電池モジュール20は、第一室R1内において、第一室R1の内壁面から離間して収納されている。燃料電池モジュール20は、ケーシング21、燃料電池24を少なくとも含んでいる。本実施形態では、燃料電池モジュール20は、ケーシング21、蒸発部22、改質部23および燃料電池24を備えている。
ケーシング21は、断熱性材料で箱状に形成されている。ケーシング21は、図示略の支持構造により、第一室R1内において、第一室R1の内壁面から離間して仕切部材12に設置されている。ケーシング21内には、蒸発部22、改質部23、燃料電池24および燃焼部26である燃焼空間R3が配設されている。蒸発部22および改質部23は、燃料電池24の上方に配設されている。
蒸発部22は、後述する燃焼ガスにより加熱されて、供給された改質水を蒸発させて水蒸気を生成するとともに、供給された改質用原料を予熱する。蒸発部22は、生成された水蒸気と予熱された改質用原料とを混合して改質部23に供給する。改質用原料は、天然ガス、LPガスなどの改質用気体燃料を用いることができる。また、改質用原料は、灯油、ガソリン、メタノールなどの改質用液体燃料を用いることもできる。
給水管41の一端側(下端)は、水タンク13に接続されており、給水管41の他端側は、蒸発部22に接続されている。給水管41には、改質水ポンプ41aが設けられている。改質水ポンプ41aは、蒸発部22に改質水を供給するとともに、改質水供給量(供給流量(単位時間あたりの流量))を調整する。改質水ポンプ41aは、貯水器である水タンク13に貯蔵されている凝縮水を改質水として改質部23に供給する。
また、蒸発部22には、改質用原料が改質用原料供給管42を介して供給されている。同図では、改質用原料の供給源(以下、単に、供給源という。)を供給源Gsで示している。供給源Gsとして、例えば、都市ガスのガス供給管、LPガスのガスボンベなどが挙げられる。改質用原料供給管42には、原料ポンプ42aが設けられている。原料ポンプ42aは、筺体11内に収納されている。原料ポンプ42aは、燃料電池24に燃料(改質用原料)を供給する供給装置であり、後述する制御装置60からの制御指令値にしたがって、供給源Gsからの燃料供給量(供給流量(単位時間あたりの流量))を調整する。原料ポンプ42aは、改質用原料を吸入し、改質部23に圧送する。
改質部23は、改質用原料および改質水から燃料を生成して燃料電池24に導出する。具体的には、改質部23は、後述する燃焼ガスにより加熱されて水蒸気改質反応に必要な熱が供給されることで、蒸発部22から供給された混合ガス(改質用原料、水蒸気)から改質ガスを生成して導出する。改質部23内には、触媒(例えば、ルテニウム(Ru)またはニッケル(Ni)系の触媒)が充填されており、混合ガスが触媒によって反応し改質されて水素ガスと一酸化炭素ガスが生成される(いわゆる水蒸気改質反応)。これと同時に、水蒸気改質反応にて生成された一酸化炭素と水蒸気が反応して水素ガスと二酸化炭素とに変成するいわゆる一酸化炭素シフト反応が生じている。
生成されたガス(いわゆる改質ガス)は、燃料電池24の燃料極に導出される。改質ガスは、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、未改質の天然ガス(メタンガス)、改質に使用されなかった改質水(水蒸気)を含んでいる。このように、改質部23は改質用原料(原燃料)と改質水とから燃料である改質ガスを生成して燃料電池24に供給する。なお、水蒸気改質反応は、吸熱反応であり、一酸化炭素シフト反応は、発熱反応である。
燃料電池24は、複数のセル24aが積層されている。各セル24aは、燃料極と、空気極(酸化剤極)と、両極の間に介装された電解質とを備える。燃料電池24は、種々の燃料電池(例えば、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)など)を用いることができる。固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、電解質として固体酸化物の一種である酸化ジルコニウム(ZrO)を使用する。燃料電池24の燃料極には、燃料として水素、一酸化炭素、メタンガスなどが供給される。セル24aの燃料極側には、燃料である改質ガスが流通する燃料流路24bが形成されている。セル24aの空気極側には、酸化剤ガスである空気(カソードエア)が流通する空気流路24cが形成されている。
燃料電池24は、マニホールド25上に設けられている。マニホールド25には、改質部23から導出された改質ガスが、改質ガス供給管43を介して供給される。燃料流路24bの一端側(下端)は、マニホールド25の燃料導出口に接続されており、燃料導出口から導出される改質ガスが、下端から導入され上端から導出される。カソードエアブロワ44aによって送出されたカソードエアは、カソードエア供給管44を介して供給され、空気流路24cの下端から導入され上端から導出される。
カソードエアブロワ44aは、第二室R2内に配設されている。カソードエアブロワ44aは、第二室R2内の空気を吸入し、燃料電池24の空気極に吐出する。カソードエアブロワ44aから吐出される空気の吐出量は、後述する制御装置60によって、調整制御(例えば、燃料電池24の負荷電力量(消費電力量)に応じて制御)される。
燃料電池24は、燃料と酸化剤ガスとにより発電する。具体的には、各セル24aの燃料極に供給された燃料と空気極に供給された酸化剤ガスとにより発電が行われる。すなわち、燃料極では、下記化1および化2に示す反応が生じ、空気極では、下記化3に示す反応が生じている。つまり、空気極で生成した酸化物イオン(O2−)が電解質を透過し、燃料極で水素と反応することにより、電気エネルギーが発生する。なお、発電に使用されなかった改質ガスは、燃料流路24bから導出し、発電に使用されなかった酸化剤ガス(空気)は、空気流路24cから導出する。
(化1)
+O2−→HO+2e
(化2)
CO+O2−→CO+2e
(化3)
1/2O+2e→O2−
燃焼部26は、燃料のオフガスである燃料オフガスと酸化剤ガスとが燃焼して改質部23を加熱する。具体的には、燃焼部26では、燃料流路24bから導出され、発電に使用されなかった改質ガス(燃料オフガス)と、空気流路24cから導出され、発電に使用されなかった酸化剤ガスとが燃焼する。図1に示すように、燃焼部26は、蒸発部22および改質部23と、燃料電池24との間の燃焼空間R3である。燃焼部26では、燃焼ガス(火炎27)によって蒸発部22および改質部23が加熱される。さらには、燃料電池モジュール20内を動作温度に加熱する。その後、燃焼ガスは、導出口21aから燃料電池モジュール20の外部に排気される。
このように、燃焼部26は、燃料電池24から導出された燃料オフガスと酸化剤ガスとが燃焼して、改質部23を加熱する燃焼空間R3である。すなわち、燃焼部26は、燃料電池24から未使用の燃料を含む可燃性ガスを導入し、可燃性ガスと酸化剤ガスとが燃焼して燃焼ガスを導出する。燃焼部26(燃焼空間R3)では、燃料オフガスが燃焼されて火炎27が発生している。燃焼部26には、燃料オフガスを着火させる一対の着火ヒータ26a1,26a2が設けられている。
(排熱回収システム30)
排熱回収システム30は、燃料電池24の排熱と貯湯水との間で熱交換することで、燃料電池24の排熱を貯湯水に回収して蓄える。排熱回収システム30は、貯湯水を貯湯する貯湯槽31と、貯湯水が循環する貯湯水循環ライン32と、燃料電池モジュール20から導出された燃焼排ガスと貯湯水との間で熱交換が行われる熱交換器33と、を備えている。
貯湯槽31は、柱状容器を備えており、その内部に温水が層状に、すなわち上部の温度が最も高温であり下部にいくにしたがって低温となり下部の温度が最も低温であるように貯留される。貯湯槽31の柱状容器の下部には水供給源Ws(例えば、水道管)が接続されており、水供給源Wsからの水(低温の水。例えば、水道水)が補給可能になっている。また、貯湯槽31に貯留された高温の温水は、貯湯槽31の柱状容器の上部から導出可能になっている。
貯湯水循環ライン32の一端側は、貯湯槽31の下部に接続され、貯湯水循環ライン32の他端側は、貯湯槽31の上部に接続されている。貯湯水循環ライン32上には、一端側から他端側に向かって順に、貯湯水循環ポンプ32a、第一温度センサ32b、熱交換器33および第二温度センサ32cが配設されている。貯湯水循環ポンプ32aは、貯湯槽31の下部の貯湯水を吸引し、貯湯水循環ライン32を図示矢印方向へ通水させて貯湯槽31の上部に吐出する。貯湯水循環ライン32を流通する貯湯水の流量(送出量)は、後述する制御装置60によって制御される。貯湯水循環ポンプ32aは、例えば、第二温度センサ32cの検出温度(貯湯水の貯湯槽31の入口温度)が所定の温度または温度範囲となるように、送出量が制御される。
第一温度センサ32bは、熱交換器33の貯湯水導入側の貯湯水循環ライン32であって、熱交換器33と貯湯槽31との間に配設されている。第一温度センサ32bは、貯湯水の熱交換器33の入口温度(すなわち、貯湯水の貯湯槽31の出口温度)を検出し、検出結果を制御装置60に送信する。第二温度センサ32cは、熱交換器33の貯湯水導出側の貯湯水循環ライン32に配設されている。第二温度センサ32cは、貯湯水の熱交換器33の出口温度(すなわち、貯湯水の貯湯槽31の入口温度)を検出し、検出結果を制御装置60に送信する。
熱交換器33は、燃料電池24の排熱を含む燃焼部26からの燃焼排ガスと、液状の熱媒体との間で熱交換を行う。本実施形態では、熱媒体は、貯湯槽31の貯湯水を用いる。具体的には、熱交換器33には、燃料電池モジュール20から排気される燃焼排ガスが供給されるとともに、貯湯槽31から貯湯水が供給される。そして、燃焼排ガスと貯湯水とが熱交換する。熱交換器33は、筐体11内に配設されている。本実施形態では、熱交換器33は、燃料電池モジュール20の下部に設けられており、少なくとも熱交換器33の下部は、仕切部材12を貫通して第二室R2に突出している。
熱交換器33は、ケーシング33aを備えている。ケーシング33aの上部は、燃料電池モジュール20のケーシング21の下部に設けられ、燃焼排ガスが導出される導出口21aに連通している。ケーシング33aの下部には、後述する排気ダクト81に接続される燃焼排ガス吐出口33cが設けられている。ケーシング33aの底部には、純水器14に接続される凝縮水供給管45が接続されている。ケーシング33a内には、貯湯水循環ライン32に接続される熱交換部33bが配設されている。
熱交換器33では、燃料電池モジュール20から排出された燃焼排ガスが、導出口21aを通ってケーシング33a内に導入される。燃焼排ガスは、貯湯水が流通する熱交換部33bを通る際に、貯湯水との間で熱交換が行われて、凝縮されるとともに冷却される。凝縮後の燃焼排ガスは、後述するように、排気ダクト81を通って排気口11aから外部に排出される。また、凝縮された凝縮水は、凝縮水供給管45を通って純水器14に供給される(自重で落水する)。一方、熱交換部33bに流入した貯湯水は、加熱されて流出される。
なお、熱媒体は、燃焼部26からの燃焼排ガスとの間で熱交換を行うことができれば良く、貯湯槽31の貯湯水に限定されるものではない。例えば、燃料電池システム1には、熱交換器33と同等の熱交換器(第二熱交換器という。)を設けることができる。この場合、第二熱交換器と貯湯槽31との間に、貯湯水循環ライン32が設けられる。また、熱交換器33と第二熱交換器との間には、他の液状の熱媒体(例えば、公知の冷媒など)を循環させることができる。
熱交換器33の燃焼排ガス導入部、すなわちケーシング21の導出口21aには、第二燃焼部28が設けられている。第二燃焼部28は、燃焼部26から排気される未使用の可燃性ガス(例えば、水素、メタンガス、一酸化炭素など)を導入し、燃焼して導出する。第二燃焼部28は、可燃性ガスを燃焼する触媒である燃焼触媒を備えている。燃焼触媒は、例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd)などの貴金属をセラミックの単体などに担持させて生成することができる。燃焼触媒は、ペレット状のものを充填しても良く、セラミック・メタルのハニカムや発泡金属の上に担持させることもできる。第二燃焼部28には、燃焼触媒を触媒の活性温度まで加熱して可燃性ガスを燃焼させる燃焼触媒ヒータ28aが設けられている。燃焼触媒ヒータ28aは、後述する制御装置60の指示によって加熱される。
燃料電池システム1は、水タンク13および純水器14を備えている。水タンク13および純水器14は、第二室R2内に配設されている。純水器14は、例えば、イオン交換樹脂(例えば、粒状など)を内蔵している。純水器14は、熱交換器33から排出された凝縮水をイオン交換樹脂によって純水化する。なお、熱交換器33から供給される凝縮水の状態によっては、中空糸フィルタを設置しても良い。純水器14は、配管46を介して水タンク13に連通しており、純水器14内の純水は、配管46を通って水タンク13に導出される。このようにして、純水器14は、熱交換器33から排出された凝縮水を純水化して水タンク13に供給する。水タンク13は、純水器14から導出された純水を貯蔵する。
また、燃料電池システム1は、第二室R2を形成する筐体11に形成された空気導入口11bと、第一室R1を形成する筐体11に形成された空気導出口11cと、空気導入口11bに設けられた換気用空気ブロワ15と、を備えている。換気用空気ブロワ15は、筐体11内を換気する。換気用空気ブロワ15が作動すると、外気が空気導入口11bを介して換気用空気ブロワ15に吸入され、第二室R2に送出される。さらに、第二室R2内の気体(主として空気)は、仕切部材12を通って第一室R1に流れ、第一室R1内の気体は、空気導出口11cを介して外部に排出される。
(電力変換器50)
燃料電池24は、電力変換器50を介して電源ライン52に接続されている。電力変換器50は、公知の昇圧型のDC/DCコンバータおよびインバータを備えている。電力変換器50には、燃料電池24から出力された直流電力が入力される。電力変換器50は、入力された直流電力を交流電力に変換して、電源ライン52に出力する。電源ライン52は、系統電源51および外部電力負荷53に接続されている。電力変換器50は、電源ライン52を介して、外部電力負荷53に電力を供給する。
また、電力変換器50は、公知のAC/DCコンバータを備えている。電力変換器50は、系統電源51から供給された交流電力を直流電力に変換して、補機や制御装置60に出力する。補機として、例えば、改質水を供給する改質水ポンプ41a、改質用原料を供給する原料ポンプ42aおよびカソードエア(空気)を供給するカソードエアブロワ44aなどが挙げられる。また、補機として、例えば、貯湯水循環ポンプ32aおよび換気用空気ブロワ15などが挙げられる。さらに、補機として、例えば、第一温度センサ32bおよび第二温度センサ32cなどの各種センサや着火ヒータ26a1,26a2および燃焼触媒ヒータ28aなどの各種ヒータなどが挙げられる。
系統電源51は、交流の系統電源であり、電気事業者(例えば、電力会社など)が保有する商用の配電線網から供給される電源をいう。系統電源51は、単相であっても、多相(例えば、三相)であっても良い。系統電源51は、外部電力負荷53に電力を供給する。外部電力負荷53は、電気を駆動源とする負荷であり、例えば、家庭用電気機器(電化製品など)や産業用電気機器(ロボットなど)が挙げられる。外部電力負荷53は、一つであっても複数であっても良い。
(制御装置60)
制御装置60には、上述した貯湯水循環ポンプ32a、改質水ポンプ41aおよび原料ポンプ42aなどの各種ポンプが接続されている。また、制御装置60には、上述した換気用空気ブロワ15およびカソードエアブロワ44aなどの各種ブロワが接続されている。さらに、制御装置60には、上述した第一温度センサ32bおよび第二温度センサ32cなどの各種センサが接続されている。また、制御装置60には、上述した着火ヒータ26a1,26a2および燃焼触媒ヒータ28aなどの各種ヒータが接続されている。制御装置60は、公知の演算装置、記憶装置、入出力インターフェースを備えており、これらは、バスを介して接続されている(いずれも図示略)。制御装置60は、これらを用いて、種々の演算処理を行うことができ、外部機器との間で、入出力信号(駆動信号を含む)の授受を行うことができる。
演算装置は、中央演算装置(CPU:Central Processing Unit)であり、種々の演算処理を行うことができる。記憶装置は、第一記憶装置および第二記憶装置を備えている。第一記憶装置は、読み出しおよび書き込み可能な揮発性の記憶装置(RAM:Random Access Memory)であり、第二記憶装置は、読み出し専用の不揮発性の記憶装置(ROM:Read Only Memory)である。入出力インターフェースは、外部機器との間で、入出力信号(駆動信号を含む)の授受を行う。
例えば、演算装置は、第二記憶装置に記憶されている補機の駆動制御プログラムを第一記憶装置に読み出して、当該駆動制御プログラムを実行する。演算装置は、当該駆動制御プログラムに基づいて、補機の駆動信号を生成する。生成された駆動信号は、入出力インターフェースおよびドライバ回路などの駆動回路(図示略)を介して、補機に付与される。このようにして、補機は、制御装置60によって駆動制御される。以上のことは、電力変換器50などについても同様である。
(排水装置70)
排水装置70は、水受け部材71および排水管72を備えている。水受け部材71は、筐体11内に配設され、水タンク13から溢れ出た水を受ける。また、水受け部材71は、後述する排気装置80の排水管84から排出される凝縮水を受ける。本実施形態では、水受け部材71は、トレー状に形成された容器であり、上方に開口する開口部71aおよび平らな底部71bを備えている。
水受け部材71の開口部71aの直上には、オーバーフローライン47の下端および排水管84の下端が配設されている。これにより、水受け部材71は、オーバーフローライン47を介して、水タンク13から溢れ出た水を確実に受けることができる。また、水受け部材71は、排水管84を介して、後述する水溜め部材83から排水される凝縮水を確実に受けることができる。さらに、本実施形態では、後述するカバー部材85によって、雨水などの流入が低減されているが、仮に、排気口11aから雨水などが流入した場合においても、水受け部材71は、凝縮水と同様に、雨水などを確実に受けることができる。なお、水受け部材71は、少なくとも、水タンク13のオーバーフローライン47の接続位置(水タンク13のオーバーフロー口)、排水管84の上端位置の全ての位置より下方に配設されている。
水受け部材71の底部71bには、排水管72が接続されている。排水管72は、水受け部材71が受けた水を水受け部材71から筐体11の外部に排出する。排水管72の上端が水受け部材71の底部71bの下面に接続され、排水管72の下端が下方に延伸され、筐体11の下部(底板、側板の下部など)を貫通して、筐体11の外部に突設されている。なお、底部71bは、排水管72が接続されている部分に向けて水が流れるように傾斜が設けられていると良い。
(排気装置80)
排気装置80は、排気ダクト81、凝縮ダクト82、水溜め部材83、排水管84およびカバー部材85を備えている。排気ダクト81、凝縮ダクト82、水溜め部材83および排水管84は、筺体11内に設けられている。図1に示すように、排気ダクト81は、一端側が熱交換器33(詳細には、燃焼排ガス吐出口33c)に接続されており、他端側が凝縮ダクト82に接続されている。排気ダクト81は、熱交換器33から排気された燃焼排ガスを図示矢印方向へ導出する。図2および図3に示すように、排気ダクト81は、熱交換器33に接続される第一排気ダクト81aと、凝縮ダクト82に接続される第二排気ダクト81bとを備えている。第一排気ダクト81aおよび第二排気ダクト81bは、連通している。
排気ダクト81は、熱交換器33から燃焼排ガスを導出することができれば良く、その形状、材質等は限定されない。本実施形態では、第一排気ダクト81aは、例えば、ステンレス、亜鉛鋼板などの金属材料で、略L字形状に形成されている。また、第一排気ダクト81aの流路方向に垂直な平面で、第一排気ダクト81aを切断したときの第一排気ダクト81aの断面形状は、円筒状になっている。
第一排気ダクト81aは、例えば、公知のスパイラル型ダクト、シーム型ダクトなどを用いることができる。スパイラル型ダクトは、帯鋼を螺旋状に巻きながら帯鋼の両端をハゼ折りにかしめたスパイラル鋼管であり、第一排気ダクト81aの強度が向上する。シーム型ダクトは、鋼板をロール加工した後に溶接した鋼管であり、スパイラル型ダクトと比べて配管の気密性が向上する。形状、材質等について既述した以上のことは、第二排気ダクト81bについても同様である。
第一排気ダクト81aは、一端側が熱交換器33の燃焼排ガス吐出口33cに接続されている。第一排気ダクト81aと燃焼排ガス吐出口33cとの接続部分は、クランプ81cによって固定されており、例えば、Oリングによって当該接続部分の気密性が確保されている。第一排気ダクト81aの他端側は、第二排気ダクト81bの一端側(吸入口81b1側)に接続されている。第一排気ダクト81aと第二排気ダクト81bとの接続部分は、クランプ81cによって固定されており、例えば、Oリングによって当該接続部分の気密性が確保されている。このような構成により、熱交換器33の燃焼排ガス吐出口33cから排気された燃焼排ガスは、第一排気ダクト81aを介して第二排気ダクト81bに導出される。ここで、第一排気ダクト81aの流路断面積を流路断面積S10とする。
第二排気ダクト81bは、一端側の開口部である吸入口81b1と、他端側の開口部である吐出口81b2と、略L字形状に屈曲した屈曲部81b3と、吐出口81b2近傍に形成されたフランジ81b4と、凝縮ダクト82内に突出する凸部81b5と、フランジ81b4に形成された導水部81b6とを備えている。第一排気ダクト81aから第二排気ダクト81bに導出された燃焼排ガスは、まず、筺体11の高さ方向(矢印Z方向)の下方から上方に向かって流通する。そして、屈曲部81b3において、燃焼排ガスの排気方向が略90°変更されて、燃焼排ガスは、第二排気ダクト81bの突出方向(矢印X1方向)に向かって流れる。
燃焼排ガスが屈曲部81b3通過した直後の第二排気ダクト81bの流路断面積を流路断面積S11とする。流路断面積S11は、流路断面積S10と比べて大きく設定されている。屈曲部81b3とフランジ81b4との間の第二排気ダクト81bの流路断面積S12は、フランジ81b4に向かって流路断面積S11から緩やかに増加している。フランジ81b4における第二排気ダクト81bの流路断面積を流路断面積S13とする。なお、フランジ81b4と吐出口81b2との間の第二排気ダクト81bの流路断面積は、略一定(流路断面積S13)に設定されている。
このように、第二排気ダクト81bは、屈曲部81b3によって燃焼排ガスの排気方向が変更されるとともに、吐出口81b2側に向かって流路断面積が緩やかに増加している。また、吸入口81b1と屈曲部81b3との間の流路長と比べて、屈曲部81b3と吐出口81b2との間の流路長は長く設定されている。そのため、吸入口81b1から導入された燃焼排ガスは、吐出口81b2から導出されるときに凝縮ダクト82内において拡散し易くなっている。
フランジ81b4は、凝縮ダクト82の隔壁82a(側壁)に固定されている。隔壁82aには、凸部81b5の外径より若干大径の貫通穴82bが形成されており、第二排気ダクト81bの凸部81b5は、貫通穴82bを貫通して凝縮ダクト82内に配設されている。このような構成により、第二排気ダクト81bと凝縮ダクト82とが連通されている。なお、本実施形態では、排気ダクト81は、第一排気ダクト81aおよび第二排気ダクト81bの両方を備えるが、第一排気ダクト81aを省略することもできる。この場合、第二排気ダクト81bの吸入口81b1は、燃焼排ガス吐出口33cに直接接続される。
凝縮ダクト82は、一端側が排気ダクト81(本実施形態では、第二排気ダクト81b)の他端側(第二排気ダクト81bの吐出口81b2側)に接続されており、他端側が筺体11の排気口11aに接続されている。凝縮ダクト82は、排気ダクト81から導出された燃焼排ガスに含まれる水蒸気を凝縮して、凝縮水を生成する。凝縮ダクト82は、燃焼排ガスに含まれる水蒸気を凝縮して凝縮水を生成することができれば良く、その形状、材質等は限定されない。凝縮ダクト82は、例えば、後述する突出部82cを含めて樹脂などの非金属材料で成形(例えば、射出成形など)することができる。
凝縮ダクト82は、隔壁82aによって箱状に形成されている。隔壁82aの一方の側壁には、既述の貫通穴82bが設けられ、隔壁82aの他方の側壁には、筺体11の排気口11aと同形の貫通穴82dが設けられている。排気口11aおよび貫通穴82dの形状は、限定されない。本実施形態では、排気口11aおよび貫通穴82dは、例えば、長方形に形成されている。凝縮ダクト82内には、隔壁82aによって、燃焼排ガスの流路が形成されている。凝縮ダクト82の隔壁82a、第二排気ダクト81bの凸部81b5および吐出口81b2によって、隔壁82a内に形成される空間を凝縮空間R4とする。また、凝縮ダクト82の流路断面積は、凸部81b5が占有する部位および後述する突出部82cが設けられる部位を除いて略一定であり、流路断面積S20とする。
凝縮ダクト82は、排気ダクト81と比べて燃焼排ガスの流路断面積S20が大きく設定されていると好適である。具体的には、凝縮ダクト82の流路断面積S20は、排気ダクト81の吐出口81b2の流路断面積S13と比べて大きく設定すると良い。これにより、凝縮ダクト82における燃焼排ガスの単位流路長あたりの流路体積は、第二排気ダクト81bと比べて大きくなる。その結果、第二排気ダクト81bの吐出口81b2から導出された燃焼排ガスは、凝縮空間R4内で拡散し流速が低下して、燃焼排ガスに含まれる水蒸気が凝縮し易くなる。
また、凝縮ダクト82は、突出部82cを備えていると好適である。突出部82cは、排気ダクト81(本実施形態では、第二排気ダクト81b)から導出された燃焼排ガスの流路を形成する隔壁82aの内壁面82a1から流路内に突出する。突出部82cの外壁面は、隔壁82aの内壁面82a1の一部を形成する。そのため、突出部82cにより、凝縮ダクト82の内壁面82a1と燃焼排ガスとが接する表面積が増大する。よって、突出部82cにより、燃焼排ガスに含まれる水蒸気が凝縮し易くなる。なお、突出部82cは、一つであっても複数であっても良い。また、突出部82cの突出方向は、限定されない。
図4に示すように、本実施形態では、突出部82cは、格子状突出部82c1および環状突出部82c2を備えている。格子状突出部82c1は、第二排気ダクト81bの吐出口81b2より若干、第二排気ダクト81bの突出方向(矢印X1方向)側に設けられており、内壁面82a1から燃焼排ガスの流路内に突出する複数の突出部82cが格子状に交差して形成されている。
環状突出部82c2は、格子状突出部82c1の一部が環状に変形したものであり、格子状突出部82c1と一体に形成されている。環状突出部82c2は、筺体11の奥行き方向(矢印X方向)視において、第二排気ダクト81bの吐出口81b2と同心(同軸)に、吐出口81b2より若干大径に形成されている。環状突出部82c2は、同心円環状に形成されており、複数(本実施形態では、2つ)の円筒状部位の間が放射状に接続されている。
このように、本実施形態では、排気ダクト81(本実施形態では、第二排気ダクト81b)から導出された直後の燃焼排ガスと、凝縮ダクト82の内壁面82a1とが接する表面積が増大されており、燃焼排ガスに含まれる水蒸気の凝縮が促進される。なお、複数の突出部82cによって形成される形状は、格子状や環状に限定されるものではなく、突出部82cは、種々の形状に形成することができる。
本実施形態の燃料電池システム1によれば、筺体11内には、排気ダクト81から導出された燃焼排ガスに含まれる水蒸気を凝縮して凝縮水を生成する凝縮ダクト82を備える。そのため、筺体11の排気口11aから排出される燃焼排ガスに含まれる水蒸気量が低減される。その結果、筺体11に付着する凝縮水量が低減され、筺体11の耐食性が向上する。さらに、本実施形態の燃料電池システム1は、筺体11外部に突出する排気機構を必要としないので、燃料電池システム1の外形寸法の増加および設置面積の増加を抑制することができる。
また、本実施形態の燃料電池システム1によれば、凝縮ダクト82は、排気ダクト81(本実施形態では、第二排気ダクト81b)と比べて燃焼排ガスの流路断面積S20が大きく設定されている。そのため、排気ダクト81(本実施形態では、第二排気ダクト81b)から導出された燃焼排ガスの流速が低下して、燃焼排ガスに含まれる水蒸気が凝縮し易くなる。
さらに、本実施形態の燃料電池システム1によれば、凝縮ダクト82は、排気ダクト81(本実施形態では、第二排気ダクト81b)から導出された燃焼排ガスの流路を形成する隔壁82aの内壁面82a1から流路内に突出する突出部82cを備える。そのため、凝縮ダクト82の内壁面82a1と燃焼排ガスとが接する表面積が増大し、燃焼排ガスに含まれる水蒸気が凝縮し易くなる。
排気装置80は、水溜め部材83および排水管84を備えると好適である。水溜め部材83は、凝縮ダクト82の下方に設けられ、凝縮ダクト82によって生成された凝縮水を一時的に溜める。水溜め部材83は、トレー状に形成された容器であり、上方に開口する開口部83aと、側壁に設けられる排水口83bとを備えている。排水管84は、水溜め部材83の排水口83bに接続されており、水溜め部材83に溜められた凝縮水を排水する。
具体的には、水溜め部材83の排水口83bと、フランジ81b4に形成された導水部81b6とが連通している。導水部81b6は、フランジ81b4と一体に形成された略L字形状の導水管であり、排水管84の一端側(上端)は、導水部81b6を介して、水溜め部材83の排水口83bに接続されている。排水管84の他端側(下端)は、既述のとおり、排水装置70の水受け部材71の上方に配設されている。このような構成により、水溜め部材83に溜められた凝縮水は、排水管84を介して、排水装置70の水受け部材71に排出される。
図2に示すように、水溜め部材83は、凝縮ダクト82の下方に設けられている。そのため、水溜め部材83は、凝縮ダクト82によって生成された凝縮水を確実に受けることができる。また、排気ダクト81の燃焼排ガスの吐出口81b2の下端および排気口11aの下端(図2において、第一位置Lv1で示す。)は、水溜め部材83の排水口83bの上端(図2において、第二位置Lv2で示す。)より高く配設されている。そのため、水溜め部材83に溜められた凝縮水が排気ダクト81(本実施形態では、第二排気ダクト81b)内に流入することが抑制されている。また、水溜め部材83に溜められた凝縮水が排気口11aから筺体11の外部へ流出することが抑制されている。
本実施形態の燃料電池システム1によれば、凝縮ダクト82の下方に設けられ、凝縮ダクト82によって生成された凝縮水を一時的に溜める水溜め部材83と、水溜め部材83の排水口83bに接続され、水溜め部材83に溜められた凝縮水を排水する排水管84とを備えている。そのため、凝縮ダクト82によって生成された凝縮水は、水溜め部材83および排水管84を介して確実に排水することができる。また、水溜め部材83は、凝縮ダクト82の下方に設けられており、水溜め部材83および排水管84は、筺体11内に設けることができる。よって、本実施形態の燃料電池システム1は、水溜め部材83への雨水等の流入を低減することができる。つまり、本実施形態の燃料電池システム1は、凝縮水を排水する排水装置を筺体11の外部に設ける場合と比べて、排水装置70(特に水受け部材71)を小型化することができる。
また、本実施形態の燃料電池システム1によれば、排気ダクト81の燃焼排ガスの吐出口81b2の下端および排気口11aの下端は、水溜め部材83の排水口83bの上端より高く配設されている。そのため、本実施形態の燃料電池システム1は、凝縮ダクト82によって生成された凝縮水が、排気ダクト81を介して純水器14に排水されることを抑制することができる。つまり、本実施形態の燃料電池システム1は、純水器14が純水化する水量の低減により、純水器14の寿命を長くすることができる。また、本実施形態の燃料電池システム1は、水溜め部材83に溜められた凝縮水が排気口11aから筺体11外部へ流出することを抑制できるので、筺体11の耐食性が向上する。
凝縮ダクト82の他端側は、既述の排気口11aに接続されている。排気口11aは、凝縮ダクト82を通過した燃焼排ガスを外部に排出する。排気口11aは、凝縮ダクト82の貫通穴82dと同心(同軸)に、筺体11を貫通して形成されている。また、図5に示すように、排気口11aには、排気口11aの全体を筺体11の外部から覆うようにカバー部材85が設けられていると好適である。
カバー部材85は、排気口11aの全体を筺体11の外部から覆うことができれば良く、その形状、材質等は限定されない。本実施形態では、図6に示すように、カバー部材85は、例えば、樹脂などの非金属材料で、断面略コ字形状に形成されている。カバー部材85は、天井部85a、正面部85bおよび底部85cを備えている。天井部85aは、カバー部材85が筺体11に取り付けられたときに上方に配される部位をいう。正面部85bは、天井部85aと一体に形成され排気口11aから排出された燃焼排ガスを直接受ける部位をいう。底部85cは、カバー部材85が筺体11に取り付けられたときに下方に配される部位をいう。なお、底部85cは、省略することができる。
燃焼排ガスは、排気口11aから第二排気ダクト81bの突出方向(矢印X1方向)に排出される。排気口11aから排出された燃焼排ガスは、正面部85bの内壁面85b1によって受けられる。その結果、燃焼排ガスは、筺体11の幅方向(矢印Y方向)に排気方向が変更される。本実施形態のカバー部材85は、天井部85a、正面部85bおよび底部85cを備えるので、排気方向が変更された燃焼排ガスは、カバー部材85の側方の放出部86,86からカバー部材85の外部へ放出される。このようにして、カバー部材85は、天井部85aおよび正面部85b以外から燃焼排ガスをカバー部材85の外部へ放出する。
本実施形態の燃料電池システム1によれば、排気口11aの全体を筺体11の外部から覆うカバー部材85を備える。カバー部材85は、筺体11に取り付けられたときに上方に配される天井部85aと、天井部85aと一体に形成され排気口11aから排出された燃焼排ガスを直接受ける正面部85bとを備える。そして、カバー部材85は、天井部85aおよび正面部85b以外から燃焼排ガスをカバー部材85の外部へ放出する。本実施形態の燃料電池システム1は、天井部85aおよび正面部85bを備えるので、排気口11aへの雨水等の異物の流入を低減することができる。また、排気口11aから排出された燃焼排ガスは、正面部85bによって排気方向が変更される。そのため、本実施形態の燃料電池システム1は、排気方向が変更されない場合と比べて、筺体11の奥行き方向(矢印X方向)の設置距離(筺体11と外壁などとの離間距離)を低減することができる。
なお、図7に示すように、カバー部材85は、両側面に側部85d,85dを設けることもできる。この場合、側部85d,85dには、貫通穴をそれぞれ設けると良い。側部85d,85dに設けられる貫通穴は、放出部86,86に相当する。また、カバー部材85は、いずれか一方の側面のみに側部85dを設けることもできる。
<その他>
本発明は、上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。例えば、凝縮ダクト82は、第二排気ダクト81bの突出方向(矢印X1方向)に対して、筺体11の高さ方向(矢印Z方向)に燃焼排ガスの流路が蛇行する折り返し流路を形成することもできる。この場合、燃焼排ガスの流路長は、実施形態の場合と比べて増加する。そのため、第二排気ダクト81bの吐出口81b2から導出された燃焼排ガスは、折り返し流路において流速が低下して、燃焼排ガスに含まれる水蒸気が凝縮し易くなる。
1:燃料電池システム、
11:筺体、11a:排気口、
23:改質部、24:燃料電池、26:燃焼部、33:熱交換器、
81:排気ダクト、81b2:吐出口、
82:凝縮ダクト、82a:隔壁、82a1:内壁、82c:突出部、
83:水溜め部材、83b:排水口、
84:排水管、
85:カバー部材、85a:天井部、85b:正面部。

Claims (6)

  1. 燃料と酸化剤ガスとにより発電する燃料電池と、
    改質用原料および改質水から前記燃料を生成して前記燃料電池に導出する改質部と、
    前記燃料のオフガスである燃料オフガスと前記酸化剤ガスとが燃焼して前記改質部を加熱する燃焼部と、
    前記燃料電池の排熱を含む前記燃焼部からの燃焼排ガスと液状の熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器と、
    一端側が前記熱交換器に接続され、前記熱交換器から排気された前記燃焼排ガスを導出する排気ダクトと、
    を収容する筺体を備え、
    前記筺体は、前記燃焼排ガスを外部に排出する排気口を備え、
    前記筺体内には、一端側が前記排気ダクトの他端側に接続され他端側が前記筺体の前記排気口に接続されて、前記排気ダクトから導出された前記燃焼排ガスに含まれる水蒸気を凝縮して凝縮水を生成する凝縮ダクトを備え
    前記排気ダクトは、前記燃焼排ガスの流路断面積が前記凝縮ダクトに向かって増加する部位を含む燃料電池システム。
  2. 前記凝縮ダクトは、前記排気ダクトと比べて前記燃焼排ガスの流路断面積が大きく設定されている請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記凝縮ダクトは、前記排気ダクトから導出された前記燃焼排ガスの流路を形成する隔壁の内壁面から前記流路内に突出する突出部を備える請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記凝縮ダクトの下方に設けられ、前記凝縮ダクトによって生成された前記凝縮水を一時的に溜める水溜め部材と、
    前記水溜め部材の排水口に接続され、前記水溜め部材に溜められた前記凝縮水を排水する排水管と、
    をさらに備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記排気ダクトの前記燃焼排ガスの吐出口の下端および前記排気口の下端は、前記水溜め部材の前記排水口の上端より高く配設されている請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記排気口の全体を前記筺体の前記外部から覆うカバー部材をさらに備え、
    前記カバー部材は、前記筺体に取り付けられたときに上方に配される天井部と、前記天井部と一体に形成され前記排気口から排出された前記燃焼排ガスを直接受ける正面部とを備え、
    前記カバー部材は、前記天井部および前記正面部以外から前記燃焼排ガスを前記カバー部材の外部へ放出する請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
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