JP6507357B2 - 会計処理システム、方法およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、会計事務所の顧問先企業などで、記帳ソフトを利用して、仕訳入力を行なう場合に用いられる会計処理システムにおいて、金融機関から提供される取引明細に関するデータ(以下明細データとする)を会計処理可能なデータへ取り込む技術に関する。
従来、公認会計士事務所や税理士事務所(以下単に「会計事務所」または「事務所」と称す。)では、顧問先から種々の形式で会計処理の元となるデータや原始証憑類を受け取って当該顧問先の会計処理を行っている。近年、パソコンの普及により、顧問先から会計事務所へ提出される基礎資料は電子媒体である場合が多くなっている。
顧問先から、会計事務所へ電子媒体(データ)として、基礎資料を提出する場合、一般的に顧問先側で出納帳形式のソフトウェアを使用して取引を入力し、データのままネットワークを介して会計事務所に送信するか、メモリカードなどの記憶媒体に格納して会計事務所に渡す方法がある。
このような出納帳形式のソフトウェアを使用する時、顧問先側では取引のある金融機関から提供される明細データを取り込んで、会計処理可能なデータ形式に変換してから、会計事務所へ渡すことが、オンラインバンキングの普及に伴い多くなっている。
金融機関から提供される明細データを取り込んで、会計処理可能なデータ形式に変換するため、例えば、ウィザード形式により取り込むデータの指定や定義を行なう技術がある。(例えば、特許文献1)
また、オンラインバンキングと会計処理システムを組合せて、ネットワーク経由で金融機関からのデータを取込み、会計処理システムへ反映する技術がある。(例えば、特許文献2)
また、銀行口座の取引データを一定のフォーマットに変換して、さらに仕訳データに変換する会計データベースの技術がある。(例えば、特許文献3)

特開2003−162437号公報 特開2001−306993号公報 特開2009−104565号公報 特開平8−30704号公報
これまで、顧問先側で出納帳形式のソフトウェアを使用して、取引のある金融機関から提供される明細データを、会計処理可能なデータとして取り込むとき、金融機関から提供される明細データの形式はCSV形式である場合が多く、以下のような手順を踏む必要があった。

手順(1)金融機関から明細データ(CSVファイル)を入手する
手順(2)出納帳形式のソフトウェアで、明細データ(CSVファイル)を読み込む
手順(3)出納帳形式のソフトウェアで、処理できるように、明細データ(CSVファイル)の項目毎に、取り込むデータの指定と定義をする
手順(4)指定したデータを、定義に基づいて出納帳形式のソフトウェアに変換して取り込む
金融機関から提供される明細データ(CSVファイル)、については金融機関毎にデータの項目、(例えば、日付、摘要、預入、引出など)の並び方や項目の種類が異なるため、金融機関毎に、出納帳形式のソフトウェアにデータを取り込むときに、毎回ユーザーが必要な項目の指定と定義を行うといった、多くの操作が発生するという問題がある。
特に、CSV形式のファイルの場合、各項目のデータの意味づけが曖昧で、カンマで区切られているだけのデータ形式なので、きちんと項目の定義や設定をしないと、システムにうまく取り込めない性質がある。
金融機関毎にデータの項目、(例えば、日付、摘要、預入、引出など)の並び方や項目の種類をフォーマット化して、変換用に事前に出納帳形式のソフトウェアに準備することも可能ではあるが、日本国内にある、全ての金融機関(都市銀行、地方銀行、信用金庫、農協など)のフォーマットを調査して準備することは、メーカー側の作業負担が多くなることや、金融機関のフォーマット変更に随時対応しなければならない等の問題がある。 また、昨今では中小企業でもグローバル化が進んでいるため、海外からの物品購入やライセンス料の支払など、海外企業と取引のある企業においては、海外の銀行に口座を有して、送金や為替取引など円以外の通貨単位にて、やり取りすることもあるので、外国の銀行も含めると上述した金融機関毎のデータ項目をフォーマット化することは相当数となり現実的ではない。
また、顧問先側では、毎月などの単位で、前記手順(1)〜(4)を繰り返して、金融機関毎に異なるデータの並び方に注意しながら、取り込むデータの指定と定義をすることになるため、出納帳形式のソフトウェアの使用経験が浅い者や、簿記の知識などが不十分な者にとっては、取り込むデータを間違えてしまうという問題も発生する。
例えば、特許文献1のように、ウィザード形式により取り込むデータの指定や定義を行なうことも可能であるが、取込もうとするデータを一覧表示で確認しながら項目の定義や取込む項目の指定を行なうことができず、取込もうとするデータとは別枠のウィザード表示の中で、データの指定や定義を行なう関係で、間違いが生じやすいという問題がある。
また、前記手順(1)〜手順(4)の操作が減るわけではなく、逆に、操作に慣れている者にとっては操作の手間が増えるのみであり、多くの操作が発生するという問題がある。
また、金融機関からのデータ取込みに関しては、既に取込み済みとなったデータを、再度ユーザーが指定すれば重複して取り込みができてしまうため、二重処理の発生などの問題がある。
例えば、特許文献2のように、オンラインバンキングと会計処理システムを組合せて、ネットワーク経由で金融機関からのデータを取込み、会計処理システムへ反映する仕組みついては、システム全体が複雑化し、各種の設定作業が煩雑となるため、高価なシステムになる、そのため小規模の企業などにおける経理用途には不向きであるという問題がある。
例えば、特許文献3のように、一定のフォーマットに変換する方法は、事前に日本国内にある、全ての金融機関(都市銀行、地方銀行、信用金庫、農協など)のフォーマットが統一されていないため、ソフトウェアを開発提供するメーカーが、事前に調査して準備しておかなくては対応ができないし、金融機関のフォーマットに変更があった場合は、逐次対応しなくてはならないという問題がある。
銀行口座の取引データと他のデータを連動して仕訳を作成することに主眼があり、銀行口座の取引データがどのような形式で、取り込みをどのように行なうかについては課題としてあげられておらず、手動で、金融機関からの明細データ(CSVファイル等)を取込む場合には利用できない技術であった。
例えば、特許文献4のように、ファームバンキングデータを利用して、取引データに自動割付して、実仕訳伝票データを作成する方法は、自動割付によって、間違った科目などが割り付けられた場合に間違いに気付きにくく、最終的に会計処理を行う会計事務所にとっては、逆に確認作業が複雑化するという問題がある。
また、入力は伝票で行ない、入力したデータがファームバンキングの実データと照合されて、仕訳伝票の発行や資金繰管理などが行える、高度に自動化されたシステムを提供するものであり、特許文献2と同様に、システム全体が複雑化し、各種の設定作業が煩雑となるため、高価なシステムになる、そのため小規模の企業などにおける経理用途には不向きであるという問題がある。
上記のような問題に鑑み、本発明は、会計事務所の顧問先企業などで、会計ソフトを利用して、記帳入力を行なう場合に、出納帳形式等のソフトウェアの一部を構成する機能として、あるいは出納帳形式等のソフトウェアに対するアドオン機能ないし独立のソフトウェア機能を構成する技術として、取引のある金融機関から提供される明細データを会計処理可能なデータ形式に取り込む時、バックグラウンドのデータ管理と、画面表示や入力補助などのユーザーインターフェースとの連携により、取り込むデータの指定や定義にかかる操作を簡略化し、更にデータの重複を低減する技術を提供することを目的とする。
すなわち、銀行毎にフォーマットが異なり、各項目のデータの意味づけが曖昧で、 きちんと項目の設定をしないとうまく取り込めない性質がある金融機関からの明細データ(限定はされないが、特にCSV形式のファイル等)の取込みのための工夫であって、そのために、過去の入力済みデータや設定情報を管理して行なうデータ管理と連携した、簡単に間違いなく設定して取込むためのユーザーインターフェースを用意して、各金融機関毎に変わる(動的な)設定内容を登録して利用できるようにすることを目的とする。
また、手動で、金融機関からの明細データ(CSVファイル等)を取込む際には、過去に取込み済みのデータと重複して取込むおそれがあるので、過去の入力済みデータや設定情報を管理して行なうデータ管理と連携したユーザーインターフェース(GUI)を工夫することで、一取引単位や月単位の重複取込みや、意図しない金融機関の明細データの取込みや、項目の設定の間違いが無いか等、を簡単に確認できるようにして注意を促し、手動で、銀行の取引データを取込む際に想定される間違い(誤設定、誤操作を含む)を効果的に排除し、簡単に間違いなく取り込めるようなシステムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決すべく、本発明に係る会計処理システムは、
制御部に、ユーザーの入力を受付ける入力受付部と、取込むファイルやデータを管理するファイル管理部と、重複して取込むことを防止する重複取込み防止処理と、
外部との通信を行なう通信部を備え、

記憶部に、管理テーブル格納部、ファイル格納部、取込みデータテーブル格納部、を備え、

前記の入力受付部は、
取り込みの対象となる行単位の取引を選択する行選択処理と、
取り込みファイルを構成する各項目(列)を定義すると共に、取り込み対象の項目(列)を選択し、
前記取り込み対象の項目(列)の列毎に、項目名を一覧表示する手段と、一覧表示された項目名から一意の項目名の選択指示を受け付ける取込項目選択処理を行ない、

前記のファイル管理部は、
取込み対象として指定された取り込みファイルを、ファイル格納部から読み出して、
前記行選択処理で選択された行単位の取引について、前記取込項目選択処理で選択した各項目のデータファイルのデータを、システムに適合するようにデータ取り込みを行い、記憶部のファイル格納部に取込むと共に、

各列の項目定義と取込項目を選択した情報を、当該金融機関情報と紐づけて取込指定情報列定義テーブルとして登録し、

ファイルのデータ取り込みの際に、各金融機関のデータフォーマットを登録した金融機関取引情報定義テーブルを読み出し、

取込指定情報列定義テーブルを参照して、登録済みの各列の項目定義と取込項目を選択した情報であるかどうかを判定し、登録済みの場合には、当該金融機関について登録された各列の項目定義と取込項目の選択の情報を取得して、前記の取込項目選択処理に代えて、取込み項目を自動設定し、

前記の重複取込み防止処理部は、
取込み対象として選択した行について、当該行に含まれる年月日情報および金額情報があるかを判定し、
ない場合はヘッダー情報と判定し、ヘッダー情報に銀行名がある場合は金融機関取引情報定義テーブルを検索し、一致する金融機関のデータがある場合は、銀行名とデータフォーマットを選択表示し、一致するデータがない場合はデータフォーマットを表示し、銀行名の入力を受付表示した上で、入力又は選択した銀行名とデータフォーマットへ登録又は更新した上で、ヘッダー情報を取り込むことを防止し、
ある場合には年月日情報に基づいて、処理対象年月と一致しているか判定し、一致してしない場合は取込むことを防止し、
一致する場合は更に金額情報に基づいて、取込指定情報列定義テーブルを参照して、すでに取込み済みであるかどうかを判定して、取込み済みの場合には重複して取込むことを防止する重複取込み防止処理を行なうこと、を特徴とする。



本発明では、金融機関から提供される明細データ(CSVファイル)を出納帳形式のソフトウェアにデータを取り込むときに取り込むデータの指定や定義を、データ管理と連携したGUIを利用して簡略し、さらに過去の処理時に作成したルールに基づいて処理することで、顧問先において出納帳形式のソフトウェアの使用経験が浅い者や、簿記の知識などが不十分な者でも、より少ない操作で、会計処理可能なデータ形式へ取り込むことが可能となり、操作が簡略化され、金融機関毎に異なるデータの並び方の違いを原因とする、取り込むデータの間違いやデータの重複登録を低減することができる。
また、ユーザーが手動で金融機関から提供される明細データ(CSVファイル)を出納帳形式のソフトウェアにデータを取り込むときに取り込むデータの指定や定義を行なうことで、取引先の金融機関のデータ形式(フォーマット)が変更になった場合でも、随時、柔軟な対応が可能となり利便性が向上する。
また、出納帳形式のソフトウェアを開発提供するメーカーにおいては、全国にある金融機関毎のCSVのフォーマットを事前に調べて準備やフォーマット変更の対応などの作業負担が低減されシンプルなソフトウェアとすることで、手ごろな価格でユーザーへの提供が可能となる。
また、ユーザー側では、明細データ(CSVファイル)を出納帳形式のソフトウェアにデータを取り込むときに取り込み、仕訳に必要な摘要情報を補充するのみで、最終的な仕訳作業を会計事務所へ任せることになるので、会計事務所側の判断で的確な仕訳が行なわれることになるので、会計事務所の確認作業が軽減される。
図1は、本発明にかかる会計処理システムの構成を示す図である。 図2は、本発明にかかる会計処理システムにおける顧問先端末のハードウェア構成を示す図である。 図3は、本発明にかかる会計処理システムの全体概要を示す図である。 図4は、CSVデータを説明する図である。 図5は、金融機関取引情報定義テーブルを説明する図である。 図6−1は、本発明にかかるファイル取込み画面を示す図である。 図6−2は、本発明にかかるファイル取込み画面と確認表示画面を示す図である。 図6−3は、本発明に係る重複排除処理後の画面を示す図である。 図7は、取込データテーブルを説明する図である。 図8は、取込指定情報列定義テーブルを説明する図である。 図9−1は、本発明にかかる全体フローを示す図である。 図9−2は全体処理中の項目選択ルーチンのフローを示す図である。 図9−3は全体処理中の重複チェックルーチンのフローを示す図である。 図9−4は全体処理中の取込データ登録・表示ルーチンのフローを示す図である。 図10は、金融機関情報テーブルを説明する図である。
[1]全体概要
最初に図3を参照して、本発明の会計処理装置における情報や処理の流れの全体概要を説明する。 ここでは、既に金融機関から明細データをインターネット等で入手して装置内部の記憶領域または、外部記憶装置に登録済みであることを前提として、説明を進めることとする。なお、明細データは汎用的な形式のファイル(CSVやXML等)を指すが、ここでは、CSVファイルを例として説明を進める。
図3において、左側が顧問先側、右側が会計事務所側のシステムないし処理を示す。 例えばある金融機関からの明細データを処理する場合、顧問先端末において、ユーザーは先ず出納帳形式のソフトウェアを起動して、処理対象となる金融機関が過去に処理された金融機関である場合は、該当金融機関をプルダウンメニューなどから選択する、新規となる場合は銀行情報(銀行名や支店名)を入力する。
ダイアログが表示された状態で、ユーザーは金融機関から取得した明細データ(CSVファイル)を指定して図3の端末の画面中央部分のダイアログボックスへ、ドラッグ&ドロップする。この時、ドラッグ&ドロップしなくても、ファイル名の一覧を表示させて、CSVファイルを選択させてもて良い。(図3の(1)) (図3の中、○数字は(数字)にて表記する、 例) ○1は(1)に対応する。)
ドラッグ&ドロップされたCSVファイルは、列単位で、日付、摘要、預入、引出、管理番号などの項目別に、行単位で画面上に表示される。(図3の(2))
CSVファイルの内容が表示されるので、取り込む項目について、日付、摘要、預入、引出を指定し、項目定義と、取り込む項目の指定を行なう。(図3の(3)、(4))
取り込むデータの範囲を例えば、2行目から16行目までのように範囲を指定する。(図3の(5))

項目定義と、取り込む項目を、金融機関名と紐付けして記憶する。(図3の(6)、(7))。 この紐付け設定は新規となる場合に行なわれ、次回以降に同じ銀行を処理する時は、この紐付け設定が読み出されて利用される。
指定された範囲のデータ、取り込むべきデータの項目定義と、取り込む項目の指定に基づいて、CSVファイルから必要なデータを取り出す。(図3の(8))
CSVファイルから取り出されたデータはユーザーへ確認用として、通帳形式にて画面上に表示され、「取込」をクリック(図6−2参照)することで、取込が実行される。(図3の(10))
取込まれたデータは、出納帳形式の入力受付画面に反映され、摘要欄などに取引内容などを適宜入力して(図6−3)、記帳データを作成する。(図3の(11))
作成された記帳データは会計事務所へインターネット等を介して、送付されて会計事務所にて会計処理される。(図3の(12))
[2]詳細について
図1は、システム構成を簡略化して示した図であり、ここでは、会計処理装置(顧問先端末)10と会計事務所のサーバー20がインターネットなどのネットワークを介して接続されている例を示すものである。
図2は、会計処理装置(顧問先端末)10のハードウェア構成をブロック単位で、示した図であり、大きな単位で、入力部11、表示部12、制御部13、記憶部14、通信部15から構成される。
入力部11は、ユーザーからの一次的な操作を、制御部へ伝える手段であり、一般的にはキーボード、マウス等が該当し、タッチパネルなどであっても良い。 表示部12はLCDやCRT等である。
制御部13は、CPUと記憶部14にロードされたプログラムによって端末装置内の制御をおこなう機能部であり、各種の制御をユーザーの操作に基づいた操作により、ファイルの読出し、保存、データの取り込みや変換などを行なうファイル管理部131、ユーザーからの入力を受付ける入力受付部132、重複排除処理を行う重複取込み防止処理部133を有する。 各部の働き(機能)ついては後述する。
記憶部14は、ハードディスクやSSDなどの記憶装置が該当し、ファイル管理や変換処理ルールを格納する管理テーブル格納部141、金融機関からの明細データ(CSVファイルから取り込むデータを定義する取り込みデータテーブル格納部143、金融機関からの明細データ(CSVファイル)や、金融機関からの明細データ(CSVファイル)を出納帳形式に変換したファイルを格納するファイル格納部142を有する。なお、ファイル格納部は、変換したデータ以外にも、ユーザー自身が日々の取引を入力したデータも含まれる。 記憶部に格納されるファイル、データやテーブルについては後述する。 ここでは、会計処理装置(顧問先端末)はスタンドアローンPCとしたが、クラウドサービスを利用して、記憶部を外部ストレージ(サーバー)へ設けて、シンクライアントとして、タブレット端末などを利用しても良い。
また、通信部15はLANアダプタなどが該当し、ローカルにてネットワーク接続されたサーバーや、インターネット接続するための機能である。
ここから、図9−1のフローチャートを利用して、処理全体について説明を行うが、処理中に利用されるデータテーブルや操作画面の表示などについても適宜、説明を加えながら進めることとする。
会計処理装置(顧問先端末)にて、ユーザーは出納帳形式のソフトウェアを起動(S9−1−1)して、預金出納帳のメニューを選択する(S9−1−2)。
預金出納帳のメニューを選択した後、入出金明細取込をクリックする。 (S9−1−3)、次に銀行明細取込を選択する(S9−1−4)。
銀行明細取込が選択されると、処理対象となる金融機関の選択(ないし入力)の受付処理が行なわれ、処理対象となる金融機関を決定する。
より具体的には、例えば、S9−1−5では、処理対象となる金融機関が過去に処理された金融機関であるか否かの判断が「設定済みの銀行情報か?」にて行なわれ、Yの場合は、該当金融機関が選択される。Nの場合は、銀行情報入力(S9−1−6)に推移し、ユーザーへ銀行名、支店名などの入力を促すガイドが表示され(図示せず) プルダウンメニューなどから選択する。
次に、取り込むデータを年月単位で指定するためのユーザーインターフェースを介して、処理対象年月を決定する。なお、この対象年月は出納帳形式等(預金出納帳)のソフトウェアの機能として構成されていても良い。
ダイアログボックスへ、金融機関からの明細データ(CSVファイル)をドラッグ&ドロップする(S9−1−7)。CSVファイルは各金融機関のインターネットバンキングから出力して取得したデータであり、図4に示すよう、各データ項目がカンマやタブ等で区切られた形式である。図4は明細データのデータフォーマットであるCSVデータ構造であり、1行目の"S銀行A支店"である銀行名が記載されたヘッダー情報と、2行目の取込データの項目名"項番,取引番号,照会番号,取引日付,摘要,預入,引出,残高"、3行目の"1,2014100000,,20141130,現金入金,500000,,"から7行目までの"5,2014100004,,20141224,ATM現金出金,,30000,30000"である取込対象であるデータ情報で構成される。ヘッダー情報は銀行名のほか、支店名、普通預金又は当座預金等の口座の種類、口座番号や口座名等が記載される。データ情報は日付、摘要、預入、引出、金額等が記載される。ヘッダー情報、データ情報ともに内容は金融機関毎に異なる。例えば、銀行名が記載されたヘッダー情報がない場合もある。

ここで、摘要については、やや長い文字列を格納できるように、数個のデータ項目に分かれているフォーマットを採用することもあるが、この場合において、明細データ(CSVファイル)を画面表示する際に、カンマの区切りをパスして、数個のデータ項目として構成された摘要文字列を1個のデータ項目として、纏めて取り扱う表示をするようにしてもよい。より具体的には、ヘッダー情報が「摘要1,摘要2,摘要3」で個々のデータが「取引先のA経理部長と,B飲食店でX時からY時の間,会議をする中で昼食を取った」という3つに分断された摘要情報について、1個の摘要として纏めて「取引先のA経理部長とB飲食店でX時からY時の間会議をする中で昼食を取った」という態様で1個の摘要としてマージして取り扱うことで、出納帳形式等(預金出納帳)のソフトウェアの画面に表示すると共に、1個の摘要情報として取込むことができる。


また、明細データからのデータ取り込む項目を設定する段階(図9−2 S9−2−2)にて、摘要1、摘要2、摘要3のようの複数の列を摘要として取り込むデータとして選択設定し、それらをデータを「/」等の文字を区切りとして合成して摘要欄へ表示してもよい。 例えば、摘要1が"ABCガス"、摘要2が"光熱費"、摘要3が"現金"であれば、摘要欄は "ABCガス/光熱費/現金"となる。ここで、摘要情報に不足があれば、上述の質問式入力を起動して摘要情報を補充することも可能である。

また、項目(列)の設定の際に、取込む先の会計システムに特化した形で取込むために、設定項目を、登録済みのテーブルから取得して一覧(ドロップダウンリスト等)で表示して、その中から選択させるだけでなく、「その他」の項番を用意して、「その他」を選択すると、ユーザーに文字列入力を求める受付表示を行ない、入力した文字列を項目の定義ないし設定情報としてカスタマイズできるようにしても良い。
CSVファイルのヘッダー情報に銀行名、支店名等がある場合は、各金融機関の明細データのデータフォーマットが登録された図5の金融機関取引情報定義テーブルを検索して一致する場合は、該当する金融機関の明細データのデータフォーマットを読み出し、ユーザーに金融機関名と明細データのデータフォーマットを表示し、現在の金融機関の明細データのデータフォーマットと一致しているかを容易にチェック可能な状態で表示して、処理対象の金融機関と異なる金融機関の明細データ(CSVファイル)のデータフォーマットを使用することや処理対象の金融機関の古いデータフォーマットを使用することを防止する。
一致しない場合は、明細データのデータフォーマットを表示し、銀行名(又は銀行名と支店名)の入力を促して、入力されたデータを金融機関取引情報定義テーブルに登録する。
例えばS銀行の明細データフォーマット形式が更新された場合、明細データが2行目の取込データの項目名"項番,取引番号,照会番号,取引日付,摘要1, 摘要2, 摘要3,預入,引出,残高"、3行目"1,2014100000,,20141130,現金入金,G商店,買掛金支払用,500000,," (図示せず)に変更されている場合には、ヘッダー情報からS銀行A支店がわかり、図5の金融機関取引情報定義テーブルからS銀行A支店の明細データのデータフォーマットが読み込まれ、現在の金融機関の明細データのデータフォーマットと一致するかのチェックがされる。チェックの結果、一致しない為、ユーザーにデータフォーマットが異なっていることを示す警告表示を行い、ユーザーが変更箇所(項目「摘要」を項目「摘要1」、「摘要2」、「摘要3」に変更)の修正や最新のデータフォーマットの登録等の設定変更等により、金融機関取引情報定義テーブルを更新する。

先に説明したように、摘要項目のマージ処理については、明細データの取込みの際の不備を防止することにも貢献する。すなわち、必要があればデータ取り込時に複数の摘要の項目がある場合に1つの摘要に結合して出力する(結合設定)等の設定を行うことで、金融機関毎に異なるデータフォーマットの違いを吸収でき、摘要等の取引に関する情報を取得漏れによる情報欠落を防止できる。
今回の例だと、摘要結合設定をしていない場合、取込設定で項目「摘要1」、「摘要2」、「摘要3」を設定していても、取込データテーブルに登録する際に、処理によって項目「摘要1」、「摘要2」、「摘要3」のどれか1つしか取得できず、データの取得漏れが起きる可能性があるが、結合設定をしておけば、取込データテーブルに登録する前に項目「摘要1」、「摘要2」、「摘要3」のデータを結合した形で取得できるので、現在の取込設定を流用でき、 データフォーマット変更のたびに取り込み設定の変更をする必要も防止でき、データの取得漏れも防止できる。今回の例では摘要で説明しているが、データフォーマットが項目「日付」が項目「年」、「月」、「日」や項目「年」、「月日」等のように年月日が分離されている構成の場合には結合設定することで対応するようにしてもよい。
重複取込みの判定処理としては、上述した方法に限られず、
例えば、明細データのファイル名に、金融機関名や年月の情報を含むように構成した上で、ファイルを指定(ドラッグ&ドロップ等)する際に、処理対象として選択した金融機関名や年月と、ファイル名との照合チェックをすることで、意図しない金融機関の明細データの取込みや、月単位の重複取込みを防止することができる。

また、金融機関の明細データが格納されているフォルダ名に、金融機関名や年月の情報を含むように構成した上で、ファイルを指定(ドラッグ&ドロップ等)する際に、処理対象として選択した金融機関名や年月と、ファイルを格納しているフォルダ名との照合チェックをすることで、意図しない金融機関の明細データの取込みや、月単位の重複取込みを防止することができる。

あるいは、明細データの項目を定義ないし設定する際に、各金融機関の明細データのデータフォーマットが登録された金融機関取引情報定義テーブル(図5)の情報を元にして、明細データ(CSVデータ等)の中身を、チェックして、処理対象の金融機関として意図しない金融機関を選択(設定)していないか、あるいは逆に、処理対象の金融機関として選択(設定)した金融機関に対し、意図しない金融機関の明細データのファイルを指定(ドラッグ&ドロップ)していないかの判定をするようにしても良い。
より具体的には、明細データ(CSVデータ等)の中身(個々のデータ)を適宜読み出して、摘要の項目として設定されたデータが、全て数字で構成されているかどうかを判定して、年月日(日付)の項目であることを判定する等することで、意図しない金融機関の明細データの取込みを防止することができる。

また、上記の処理をさらに発展させて、明細データのファイル名や、格納先のフォルダに金融機関名や年月の情報を含むように構成した上で、処理対象として選択した金融機関名や年月の情報に基づいて、金融機関の明細データが格納されたフォルダなどの記憶領域を検索し、該当する金融機関名や年月の情報を含む、明細データ(CSVファイル等)を自動的に取込み対象のファイルとして指定するようにしても良い。

ドラッグ&ドロップされたCSVファイルは、列単位で、日付、摘要、預入、引出、管理番号などの項目別に、行単位で画面上にドロップダウンリストで表示されるので、取り込む項目を選択する(S9−1−8)。この時に取り込めない項目は画面上で赤色にて表示するなどして、ユーザーへ知らせる。
上記で選択した項目をもとに行単位で読みこみ、日付のうち、年月データが、予め指定した処理対象年月と一致しているかどうかを判定し、一致していない場合はデータを取り込まないための取込み防止処理(所定の差別表示やデータの取込み禁止処理)を行なう。
一致している場合には日付と金額をもとに既に取り込み済みのデータと重複するかのチェックを行う。重複する場合はデータを取り込まないための取込み防止処理(所定の差別表示やデータの取込み禁止処理)を行なう。
例えば、処理対象年月を2014年12月とした場合は、処理期間は2014年12月1日から12月31日となり、取り込み対象データである図4の3行目から7行目のデータから処理期間と一致するデータを取り込み対象として判定し、一致しないデータは処理対象年月でない対象として判定する。
またさらに処理対象月と一致しない場合や取り込み済みのデータの場合は、取込めない項目であることをユーザーに通知しても良い。
処理対象年月以外のデータを自動的に取り込まないようにすることで、ユーザーが処理期間を間違えていることに気づかず処理することを防止できる。
差別表示やユーザーへの通知の具体例を図6−1に例示する。
図6−1は、S9−1−2〜S9−1−8までを実行した状態の操作画面を示す図であり、この例では、12月分を処理対象として、東陽銀行東陽支店のCSVファイルがダイアログボックスへドラッグ&ドロップされた時の状態である。ここで、処理対象月は12月であるので、2014年11月30日のデータは、取込めない項目であることを画面上に赤などの目立つ色にて、ユーザーへ通知する。
次に項目選択ルーチンS9−1−9に推移する、選択項目ルーチンについては、図9−2の項目選択ルーチンのフローを利用して説明する。
項目選択ルーチンでは、先ず処理対象となる金融機関(銀行)の取込設定が既に登録済みであるかの判断が図8、図10のテーブルを参照して行なわれる。(S9−2−1)、登録済みである場合(Y)は、登録済みの情報を図8のテーブルから読み出して画面に表示する。(S9−2−3)、登録済みではない場合(N)は、取り込む項目を列名に未設定で表示して、取り込む項目を選択し保存する。(S9−2−2)
ここで、図5、図7、図8、図10の各テーブルについて説明する。
図10の金融機関情報テーブルは、一度でも処理対象となった金融機関について、その金融機関名と金融機関IDが紐付けされて、記憶部14の管理テーブル141に登録される。図10のB−ID001(S銀行A支店のようテーブルにて管理されることになり、金融機関IDをキーとして、図7、図8のテーブルなどが関連性を持つことになるので、
過去に一度でも処理対象となった金融機関については、2回目以降の明細データ取り込み時に、取り込む項目を設定する必要が無くなるので、操作が大幅に簡略化されることになる。
図5の金融機関取引情報定義テーブルは、各金融機関のファームバンギング(又はネットバンキング)の出力用の明細データ(CSVファイル)のデータフォーマットを記憶部14の管理テーブル格納部141に登録する。図5のB-ID001(S銀行A支店)の場合、項目名称が「取引番号、照会番号、日付、摘要、預け入れ、引き出し、残高」となっているのに対し、B-ID101(P信用金庫E支店)の項目名称が「取引番号、照会番号、取引日付、預入摘要、引出摘要、預入、引出、残高」となっていることから金融機関毎に明細データ(CSVファイル)のデータフォーマットが異なっていることがわかる。データ取り込み時に金融機関取引情報定義テーブルから処理対象の金融機関の明細データ(CSVファイル)のデータフォーマットと取り込むデータの明細データ(CSVファイル)のデータフォーマットが一致しているかをチェックすることで、別の金融機関の明細データを間違って取り込むことを防止できる。
図7の取引データテーブルは、CSVファイル等の金融機関のファームバンギング(又はネットバンキング)の明細データを取り込んだデータを記憶部14の取引データテーブル格納部143に登録する。後述する図8の取込指定情報列定義テーブルで設定した選択項目(列名)と重複データのチェックで使用する取込済フラグからなる。取込済フラグは0と1の設定からなり、初期値が0に設定され、データが取り込まれ、取引データテーブルに登録される際に取込済フラグを1に設定される。新しくデータを取り込む場合に取り込んだ行データが既に取り込んだデータがないかの重複チェックを行う。重複チェックは取込済フラグが1に設定されているデータの中から(図7だと項番2と3が該当)、取り込んだ行データ(図7だと取込済フラグが0である項番4と5が該当)の日付と金額が一致するデータがないかを検索し、一致するデータがある場合には重複データと判断する。重複データと判断した場合はデータ取り込みを行わない。重複データを取り込まないことをユーザーに通知または確認表示してもよい。
重複データを自動で取り込まないようにすることで、毎日、3日毎、週毎、2週間毎、
入金や出金等の銀行取引毎のように使うユーザーによってデータ取り込みのタイミングがことなるので、ユーザーの多種多様な運用形態にも対応できる。 さらに、ワンクリック(ボタン1つを押下する)で、重複チェックにより、重複入力を防止することができる。
図8の取引情報列定義テーブルはCSVファイル等の金融機関のファームバンギング(又はネットバンキング)の明細データから取り込むのに必要な日付、摘要、預入、引出、管理番号などの項目(列名)を選択した項目を記憶部14の管理テーブル格納部141に登録する。図8のB-ID001(S銀行A支店)の場合は、明細データとしてのフォーマット上は図5の項目名称の「取引番号、照会番号、日付、摘要、預け入れ、引き出し、残高」の中から「日付、摘要、預け入れ、引き出し、残高」を選択して、B-ID001(S銀行A支店)と関連付けした上で取引情報列定義テーブルに登録される。取引情報列定義テーブルは明細データの項目を全て選択する必要はなく、記帳に必要な項目のみを選択して登録することができる。
図6−1では、図面中央の吹き出し部分「1.取り込む項目をクリックしてドロップダウンリスト項目を選択する」が、取り込む項目を選択する。(S9−2−2)に該当する。列単位で、日付、摘要、預入、引出、管理番号などの項目別に、行単位で画面上に表示されるので、適切な項目を選択して設定を行なう。
日付、摘要、預入、引出、管理番号などの最低限必要な項目が選択されたかの判断がS9−2−4にて実行される。
次に、図6−1では、図面中央下の吹き出し部分「2.取込行を指定」にて図示されている、取り込む行の指定、例えば1行目から11行目のように、取り込む項行を指定する。(S9−2−5)
項目の選択/表示を実行後、S9−1−10重複チェックルーチンに推移し、過去に取り込み済みのデータ取込もうとするデータを比較して、データの重複登録を防止する。詳細については、図9−3重複チェックルーチンを利用して説明する。
重複チェックルーチンでは、先ず預金出納帳で処理対象となる年月とCSVファイルの日付データの照合を行なう。(S9−3−1)
S9−3−2では、対象年月に一致について判断を行い、Nの場合はワーニング表示(S9−3−6)してユーザーへ知らせる。 Y の場合はS9−3−3へ推移する。
S9−3−3では、既に取り込み済みのデータとの重複取込防止のため、処理対象となるCSVファイルの行毎に、月日と金額を読み出して、記帳データ内のデータと突合せ処理を行う。
重複するデータがない場合、(S9−3−3 N)の時は、該当行の文字列を黒色にて表示(S9−3−4)し、重複する場合(S9−3−3 Y)は、該当行の文字列を赤色で表示する。(S9−3−5) ここでは、該当行の文字列を赤色で表示するとしたが、ユーザーへ重複した箇所を差別表示するのであれば、背景色を灰色にしたり、文字列を網掛け表示にしても良い。
図6−2はS9−3−5が終了、図面右側の画面表示部分へ、取り込むデータを項目を列、行単位で表示した状態を示している。 そして、図6−2図面右下部分の取込ボタンを押すことで。図9−1フロー中の取込S9−1−11が開始される。
S9−1−11「取込」ボタン押下後に、取込データ登録・表示ルーチンS9−1−12に推移する、取込データ登録・表示ルーチンについては、図9−4の取込データ登録・表示ルーチンのフローを利用して説明する。
S9−2−5にて指定された、データをCSVファイルから取込む(S9−4−1)、取り込まれたデータは、設定された項目は、図8の取引情報列定義テーブルに基づいて画面上に表示される。(S9−4−2)
図6−3は、S9−4−2までが実行された直後の画面状態を示す図である。 取り込まれたデータは出納帳形式に成形され、月日、預入、引出、残高などの項目単位で、表示され、取り込まれたデータは、取り込み済みのアイコンを付して、ユーザーへ分かりやすくする。
ユーザーは取り込まれたデータを確認後、データ登録を確定して、データ登録を行なう。 (S9−4−3)
ここまで、金融機関から提供される明細データを、出納帳形式のソフトウェアのデータとして取り込むまでを説明したが、出納帳形式のソフトウェアの取り込まれた明細データは日付、摘要、預入、引出などの項目があるが、金融機関から提供される明細データの摘要は、例えば、振込み先の会社名などがデータとしてあるだけなので、何の取引について発生した明細データであるかの詳細情報が不足している。
そこで、明細データの詳細情報の不足を補うべく、図6−3の取り込み画面の図の中央部付近摘要(質問式)となっている列のセルをダブルクリックすると、質問式入力が起動する。(図示せず)、
ここで、質問式入力とは摘要や勘定科目を決定するのに必要なすべての情報を、発生した取引事象に関して、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、どうする、なぜ)の大枠様式をベースとする取引毎に会計処理特有の個別質問と、各質問に対応する複数の選択肢あるいは入力欄を提示し、複数の選択肢から回答を数字で指定するか、人数や金額の数字、簡単な説明文のテキスト等を直接入力してもらうことで取引事象の詳細情報が取得される形式である。
例として、既に図6−3取引画面の2行目に月日 12/5、引出 99,250が、金融機関から提供される明細データを取込んだ段階で入力済みとなっているので、摘要のセルをダブルクリックすると、質問式入力が起動されて、「何の取引」であったかの質問がされるので、ユーザーは「ローン返済」を入力して、摘要情報の補充を行ない、データを更新する。

このように金融機関から提供される明細データの取引内容(摘要)が、分かりやすい質問式入力で行なえるものである。また、この入力を行なえば、金融機関から提供される明細データの取引内容は質問式で入力した摘要として学習され、次回取り込み時に、分かりやすい摘要として、個々の明細データに対して、その明細データに対応する取引内容が、出納帳形式の会計ソフト(預金出納帳など)の画面に表示される。
このようにして生成されたデータは顧問先側端末のファイル格納部に保存されるとともに、インターネット等を介して会計事務所側に送られる。ここで、顧問先側では、データだけを生成し、データを会計事務所サーバー20に送信して、会計事務所側システムでデータから勘定科目及びその貸借や税区分を選択するのに必要な情報であって取引内容を構成する情報(複式簿記の仕訳を作成するに必要な情報)を全て含む取引情報データを作成する。なお、取引情報データは顧問先側で作成してから会計事務所側に送付してもよい。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態ないし実施例に限定されるものではなく、本発明は添付の特許請求の範囲を逸脱することなく様々な変形例、変更例として実現することができる。このような変形例、変更例はすべて本発明の技術的範囲に属すると解されるべきである。
本発明は、会計事務所とその顧問先との間で執り行われる会計処理に利用することができる。
10 会計処理装置(顧問先端末)
20 サーバー(会計事務所側)
11 入力部
12 表示部
13 制御部
14 記憶部
15 通信部

Claims (5)

  1. 金融機関から提供されるデータ形式の取引情報から、会計処理に必要な項目(列)と処理対象となる行を選択して、選択した取引情報をシステムに取込むと共に、金融機関毎に一意となる選択した項目(列)と、取込んだ行の情報のうちチェック条件(年月日と金額)に基づいて、データ形式の取引情報の取り込みに掛かる操作と確認作業を軽減する会計処理システムであって、制御部に、ユーザーの入力を受付ける入力受付部と、取込むファイルやデータを管理するファイル管理部と、重複して取込むことを防止する重複取込み防止処理と、外部との通信を行なう通信部を備え、記憶部に、管理テーブル格納部、ファイル格納部、取込みデータテーブル格納部、を備え、前記の入力受付部は、取り込みの対象となる行単位の取引を選択する行選択処理と、取り込みファイルを構成する各項目(列)を定義すると共に、取り込み対象の項目(列)を選択し、前記取り込み対象の項目(列)の列毎に、項目名を一覧表示する手段と、一覧表示された項目名から一意の項目名の選択指示を受け付ける取込項目選択処理を行ない、前記のファイル管理部は、取込み対象として指定された取り込みファイルを、ファイル格納部から読み出して、前記行選択処理で選択された行単位の取引について、前記取込項目選択処理で選択した各項目のデータファイルのデータを、システムに適合するようにデータ取り込みを行い、記憶部のファイル格納部に取込むと共に、各列の項目定義と取込項目を選択した情報を、当該金融機関情報と紐づけて取込指定情報列定義テーブルとして登録し、ファイルのデータ取り込みの際に、各金融機関のデータフォーマットを登録した金融機関取引情報定義テーブルを読み出し、取込指定情報列定義テーブルを参照して、登録済みの各列の項目定義と取込項目を選択した情報であるかどうかを判定し、登録済みの場合には、当該金融機関について登録された各列の項目定義と取込項目の選択の情報を取得して、前記の取込項目選択処理に代えて、取込み項目を自動設定し、前記の重複取込み防止処理部は、取込み対象として選択した行について、当該行に含まれる年月日情報および金額情報があるかを判定し、 ない場合はヘッダー情報と判定し、ヘッダー情報に銀行名がある場合は金融機関取引情報定義テーブルを検索し、一致する金融機関のデータがある場合は、銀行名とデータフォーマットを選択表示し、一致するデータがない場合はデータフォーマットを表示し、銀行名の入力を受付表示した上で、入力又は選択した銀行名とデータフォーマットへ登録又は更新した上で、ヘッダー情報を取り込むことを防止し、 ある場合には年月日情報に基づいて、処理対象年月と一致しているか判定し、一致してしない場合は取込むことを防止し、 一致する場合は更に年月日情報及び金額情報に基づいて、既に取り込み済みの記帳データ内のデータと突合せ処理を行なって、すでに取込み済みであるかどうかを判定して、取込み済みの場合には重複して取込むことを防止する重複取込み防止処理を行なうこと、を特徴とする会計処理システム。
  2. 請求項1に記載の会計処理システムにおいて、前記の重複取込み防止処理部における重複取込み防止処理が、すでに取込み済みの取引について、(1)赤文字で表示ないしその他の文字表示に関する差別表示を行なうこと、又は、(2)背景色を灰色などに変更することないし背景を編みかけ表示することその他の背景の表示に関する差別表示を行なうこと、又は、(3)取込み対象となる取引をチェックマークで表示する方式を採用する場合において、チェックマークを自動で外し、取込み対象から除外する処理を行なうこと、のいずれか一つの処理を行なうことを特徴とする会計処理システム。
  3. 金融機関から提供されるデータ形式の取引情報から、会計処理に必要な項目(列)と処理対象となる行を選択して、選択した取引情報をシステムに取込むと共に、金融機関毎に一意となる選択した項目(列)と、取込んだ行の情報のうちチェック条件(年月日と金額)に基づいて、データ形式の取引情報の取り込みに掛かる操作と確認作業を軽減するコンピュータシステムで実行される会計処理方法であって、 制御部に、ユーザーの入力を受付ける入力受付部と、取込むファイルやデータを管理するファイル管理部と、重複して取込むことを防止する重複取込み防止処理と、外部との通信を行なう通信部を備え、記憶部に、管理テーブル格納部、ファイル格納部、取込みデータテーブル格納部、を備え、本システムにおいて、前記の入力受付部が、取り込みの対象となる行単位の取引を選択する行選択処理と、取り込みファイルを構成する各項目(列)を定義すると共に、取り込み対象の項目(列)を選択し、前記取り込み対象の項目(列)の列毎に、項目名を一覧表示する手段と、一覧表示された項目名から一意の項目名の選択指示を受け付ける取込項目選択処理を行なう手段として、前記のファイル管理部が、取込み対象として指定された取り込みファイルを、ファイル格納部から読み出して、前記行選択処理で選択された行単位の取引について、前記取込項目選択処理で選択した各項目のデータファイルのデータを、システムに適合するようにデータ取り込みを行い、記憶部のファイル格納部に取込むと共に、各列の項目定義と取込項目を選択した情報を、当該金融機関情報と紐づけて取込指定情報列定義テーブルとして登録し、ファイルのデータ取り込みの際に、各金融機関のデータフォーマットを登録した金融機関取引情報定義テーブルを読み出し、取込指定情報列定義テーブルを参照して、登録済みの各列の項目定義と取込項目を選択した情報であるかどうかを判定し、登録済みの場合には、当該金融機関について登録された各列の項目定義と取込項目の選択の情報を取得して、前記の取込項目選択処理に代えて、取込み項目を自動設定する手段として、前記の重複取込み防止処理部が、取込み対象として選択した行について、当該行に含まれる年月日情報および金額情報があるかを判定し、 ない場合はヘッダー情報と判定し、ヘッダー情報に銀行名がある場合は金融機関取引情報定義テーブルを検索し、一致する金融機関のデータがある場合は、銀行名とデータフォーマットを選択表示し、一致するデータがない場合はデータフォーマットを表示し、銀行名の入力を受付表示した上で、入力又は選択した銀行名とデータフォーマットへ登録又は更新した上で、ヘッダー情報を取り込むことを防止し、 ある場合には年月日情報に基づいて、処理対象年月と一致しているか判定し、一致してしない場合は取込むことを防止し、一致する場合は更に年月日情報及び金額情報に基づいて、既に取り込み済みの記帳データ内のデータと突合せ処理を行なって、すでに取込み済みであるかどうかを判定して、取込み済みの場合には重複して取込むことを防止する重複取込み防止処理を行なう手段として、前記コンピュータシステムを機能させるための会計処理方法
  4. コンピュータシステムで実行される会計処理方法であって、前記の重複取込み防止処理部が、重複取込み防止処理として、すでに取込み済みの取引について、(1)赤文字で表示ないしその他の文字表示に関する差別表示を行なうこと、又は、(2)背景色を灰色などに変更することないし背景を編みかけ表示することその他の背景の表示に関する差別表示を行なうこと、又は、(3)取込み対象となる取引をチェックマークで表示する方式を採用する場合において、チェックマークを自動で外し、取込み対象から除外する処理を行なうこと、のいずれか一つの処理を行なう手段として、前記コンピュータシステムを機能させるための請求項3に記載の会計処理方法
  5. 請求項3または4の会計処理方法を、コンピュータに実行させることを特徴とする会計処理プログラム。
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