JP6507090B2 - 光学フィルム、偏光板、および画像表示装置 - Google Patents

光学フィルム、偏光板、および画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、光学フィルム、これを用いた偏光板、および画像表示装置に関する。
エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や液晶表示装置(LCD)などを代表とする画像表示装置は、近年、画像表示装置自体の薄型化や画像品質の向上が求められている。
このような薄型化を達成するためには、画像表示装置を構成する部材自体の厚みを薄くすることが必要である。また、近年、屋外用途をはじめとして画像表示装置の用途が多様化し、従来に比べて過酷な環境下での使用する機会が増えている。
一方、画像品質については、部材を透過して画像表示装置内部に進入した水分の影響を受けて、画像品質が劣化する場合があることが一般的に知られている。近年の画像表示装置の使用環境下において、従来に比べて画像品質の劣化を生じやすいため、画像表示装置の耐久性を高めることが求められている。
ところで、画像表示装置の部材である光学フィルムとしては、汎用性や加工性の観点からセルロース系樹脂が好適に用いられている。上述した耐久性を高める必要性から、光学フィルム自体の改質も求められており、このような光学フィルムとして、例えば、特許文献1〜4が挙げられる。
特開平9−197128号公報 特開2012−172062号公報 特開2015−11059号公報 WO2014/119487公報
本発明者らが上記のような画像表示装置の耐久性を高める観点で特許文献1〜4を検討したところ、高温高湿条件下で長時間使用した場合の耐久性に問題があることが明らかとなった。
例えば、特許文献2に記載の方法では水分の透過を抑制する性能、すなわち、低透湿性が不十分なことにより高温高湿条件下で長時間使用すると偏光板性能が悪化し、画像品質の低下が生じることが判明した。一方、低透湿性とするために特許文献1および4に記載の透明基材層と、防湿層とを含む偏光板保護フィルムを用いた場合では、従来よりも過酷な剥離試験において透明基材と防湿層とが剥離してしまうことが分かった。また、特許文献3に記載の塩化ビニル樹脂を含む偏光板保護フィルムを組み込んだ液晶表示装置は、そのまま廃棄された場合、環境に対する影響について懸念がもたれる。 したがって、本発明の目的は、偏光板耐久性、並びに密着性に優れる光学フィルム、偏光板、並びに画像表示装置を提供することにある。
本発明の光学フィルムは、基材フィルム上に、第1の硬化性組成物を硬化した第1の硬化層と、第2の硬化性組成物を硬化した第2の硬化層をこの順に有する光学フィルムであって、第1の硬化性組成物が、少なくとも脂肪族環状炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物を含み、第2の硬化性組成物が、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物と1分子中に1個以上のエポキシ基を有する化合物とをそれぞれ含むか、または1分子中に1個以上のエポキシ基と1個以上のエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物を含むか、のいずれかであることを特徴とする。
本発明の一態様は、脂肪族環状炭化水素基が下記一般式(I)で表される基である光学フィルムである。
一般式(I)中、L、及びL’は各々独立に二価以上の連結基を表し、nは1〜3の整数を表す。
本発明の一態様は、1分子中に1個以上のエポキシ基と1個以上のエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物が、下記一般式(A)で表される化合物または下記一般式(A−n)で表される繰り返し単位を有する化合物である光学フィルムである。
一般式(A)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Lは炭素数1〜3の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
一般式(A−n)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Xは単結合または以下の連結基:酸素原子、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、エステル結合、エーテル結合、カルボニル結合、−NH−、若しくは上記連結基の2つ以上を組み合わせてなる連結基を表し、Aは、単結合、または、アルキレン基、アリーレン基、置換基を有してもよいアラルキレン基、エステル結合、エーテル結合、カルボニル結合、−NH−、若しくはこれらの連結基の2つ以上を組み合わせてなる連結基を表す
本発明の更なる態様は、基材フィルムがセルロースアシレートフィルムである。
本発明の一態様は、偏光子と、少なくとも1枚の光学フィルムとを含む偏光板に関する。
本発明の一態様は、光学フィルムの第2の硬化層が偏光子側に配置されてなる偏光板である。
本発明の一態様は、第2の硬化層が、エポキシ系材料を含む接着剤層を介して偏光子と接している偏光板である。
本発明のさらなる態様は、液晶セルと、液晶セルの少なくとも一方の面に配置された偏光板とを含む画像表示装置に関する。
本発明によれば、偏光板耐久性、並びに密着性に優れる光学フィルム、偏光板、並びに画像表示装置を提供することができる。
本発明の光学フィルムの層構成の1態様を示す図である。 本発明の偏光板の層構成の1態様を示す図である。
以下、本発明の光学フィルム、偏光板、画像表示装置について詳細に説明する。なお、本発明において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。また、本発明において、“(メタ)アクリレート”は“アクリレート”および“メタクリレート”を表す。
<<1.光学フィルム>>
本発明の一態様にかかる光学フィルムは、基材フィルム上に、第1の硬化性組成物を硬化した第1の硬化層と、第2の硬化性組成物を硬化した第2の硬化層を有する光学フィルムであって、
第1の硬化性組成物が、少なくとも脂肪族環状炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物を含み、第2の硬化性組成物が、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物と1分子中に1個以上のエポキシ基を有する化合物とをそれぞれ含むか、または1分子中に1個以上のエポキシ基と1個以上のエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物を含むか、のいずれかである光学フィルムである。
従来の光学フィルムと比べて薄型化した光学フィルムでは、液晶表示装置の外部から内部への水分の浸入が生じやすく、特に高温高湿条件下などの従来よりも過酷な使用条件下においては、上記水分の浸入がさらに促進されると考えられる。広く用いられているヨウ素染色されたポリビニルアルコール系樹脂を含む偏光子においては、このようにして偏光子中に浸入した水分により、時間とともにホウ酸架橋の加水分解反応や、上記ポリヨウ化物イオンや上記錯体の分解が進行すると考えられる。さらに、偏光子外部へのヨウ素類の拡散が進行することで、偏光子内部に含まれるヨウ素類の量が減少して偏光性能の低下が生じ、画像品質が劣化すると推定している。
しかしながら、本発明者らの検討では、偏光子との貼合のしやすさの観点からセルロースアシレートを含む層に対し、上記水分の浸入を抑制することを目的として特許文献1に記載のポリマー層を積層した場合、セルロースアシレートを含む層とポリマー層との剥離が生じてしまうことが判明した。
ここで本発明者らは、少なくとも脂肪族環状炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物を含む硬化性組成物を硬化した第1の硬化層と、少なくとも1分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物と1分子中に1個以上のエポキシ基を有する化合物とをそれぞれ含むか、または1分子中に1個以上のエポキシ基と1個以上のエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物を硬化した第2の硬化層を用いることで、光学フィルムと偏光子の密着性を高めることが判明した。
さらに、本発明の光学フィルムを用いた偏光板は、高温高湿条件下で長時間使用した場合であっても、偏光板耐久性に優れ、画像品質の劣化を抑制できることが分かった。
以下において、本発明の光学フィルムの第1の硬化層、第2の硬化層および基材フィルム、について詳細に説明する。
<1−1:第1の硬化層>
本発明における第1の硬化層は、第1の硬化性組成物を硬化することにより形成する。第1の硬化性組成物は、少なくとも脂肪族環状炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物を含む。
〔脂肪族環状炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物〕
脂肪族環状炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物は、バインダーとして機能し得る。
脂肪族環状炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物を用いることによって、偏光板耐久性を向上させることができる。詳細は明らかではないが、分子内に脂肪族環状炭化水素基を有する化合物を用いることで、外部から分子の取り込みを防止し、ヨウ素類拡散防止性を低下させ得る。また、分子内にエチレン性不飽和二重結合を有することで、架橋点密度を上げ、ヨウ素類拡散防止層中の水分子の拡散経路を制限する。架橋点密度を上げることは、脂肪族環状炭化水素基の密度を相対的に上昇させる効果も有り、脂肪族環状炭化水素系モノマー組成物を硬化した層をより疎水的にし、水分子の吸着を防止し、透湿度を低下させると考えられる。
架橋点密度を上げるために分子内に有するエチレン性不飽和二重結合の数は2以上であることがより好ましい。
脂肪族環状炭化水素基としては、好ましくは炭素数7以上の脂環式化合物から誘導される基であり、より好ましくは炭素数10以上の脂環式化合物から誘導される基であり、さらに好ましくは炭素数12以上の脂環式化合物から誘導される基である。脂肪族環状炭化水素基としては、特に好ましくは、二環式、三環式等の、多環式化合物から誘導される基である。より好ましくは、特開2006−215096号公報の特許請求の範囲記載の化合物の中心骨格、特開2001−10999号公報記載の化合物の中心骨格、あるいは、アダマンタン誘導体の骨格等が挙げられる。
脂肪族環状炭化水素基としては具体的には、ノルボルナン基、トリシクロデカン基、テトラシクロドデカン基、ペンタシクロペンタデカン基、アダマンタン基、ジアマンタン基等が挙げられる。
脂肪族環状炭化水素基(連結基含む)としては、下記一般式(I)〜(V)のいずれかで表される基が好ましく、下記一般式(I)、(II)、又は(IV)で表される基がより好ましく、下記一般式(I)で表される基が更に好ましい。
一般式(I)中、L、及びL’は各々独立に単結合又は2価以上の連結基を表す。nは1〜3の整数を表す。
一般式(II)中、L、及びL’は各々独立に単結合又は2価以上の連結基を表す。nは1〜2の整数を表す。
一般式(III)中、L、及びL’は各々独立に単結合又は2価以上の連結基を表す。nは1〜2の整数を表す。
一般式(IV)中、L、及びL’は各々独立に単結合又は2価以上の連結基を表し、L’’は水素原子、単結合又は2価以上の連結基を表す。
一般式(V)中、L、及びL’は各々独立に単結合又は2価以上の連結基を表す。
L、L’及びL’’についての2価以上の連結基としては、炭素数1〜6の置換されていてもよいアルキレン基、N位が置換されていてもよいアミド結合、N位が置換されていてもよいウレタン結合、エステル結合、オキシカルボニル基、エーテル結合等、及びこれらの2以上を組み合わせて得られる基が挙げられる。
エチレン性不飽和二重結合としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の重合性官能基が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基及び−C(O)OCH=CHが好ましい。より好ましくは下記の1分子内に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物を用いることができる。
脂肪族環状炭化水素基を有し、かつ分子内に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、上記の脂肪族環状炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合を有する基が連結基を介して結合することにより構成される。
これらの化合物は、例えば、上記脂肪族環状炭化水素基を有するジオール、トリオール等のポリオールと、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等を有する化合物のカルボン酸、カルボン酸誘導体、エポキシ誘導体、イソシアナート誘導体等との一段あるいは二段階の反応により容易に合成することができる。
好ましくは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルクロリド、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの化合物や、WO2012/00316A号記載の化合物(例、1、1―ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアナート)を用いて、上記環状脂肪族炭化水素基を有するポリオールとの反応させることにより合成することができる。
以下、脂肪族環状炭化水素基を有しエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[脂肪族環状炭化水素基を有さないエチレン性不飽和二重結合を有する化合物]
本発明に用いる脂肪族環状炭化水素系モノマー組成物中、分子内に脂肪族環状炭化水素基を有さないエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を本発明の効果を損なわない範囲において併用できる。
脂肪族環状炭化水素基を有さないエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、脂肪族環状炭化水素基を有さない(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、アルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類、エポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
中でも、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましい。例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート系化合物類は市販されているものを用いることもでき、新中村化学工業(株)社製NKエステル A−TMMT、日本化薬(株)製KAYARAD DPHA等を挙げることができる。多官能モノマーについては、特開2009−98658号公報の段落[0114]〜[0122]に記載されており、本発明においても同様のものを用いることができる。
脂肪族環状炭化水素基を有さないエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、水素結合性の置換基を有する化合物であることが、支持体との密着性、低カール、後述する含フッ素又はシリコーン系化合物の固定性の点から好ましい。水素結合性の置換基とは、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンなどの原子と水素結合とが共有結合で結びついた置換基を指し、具体的には−OH、−SH、−NH−、−CHO、−CONH−、−OCONH−などが挙げられ、ウレタン(メタ)アクリレート類や水酸基を有する(メタ)アクリレート類が好ましい。市販されている(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレートを用いることもでき、新中村化学工業(株)社製NKオリゴ U4HA、同NKエステルA−TMM−3、日本化薬(株)製KAYARAD PET−30等を挙げることができる。
脂肪族環状炭化水素基を有さないエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を含有する場合の含有量は、上記脂肪族環状炭化水素系モノマー組成物の全固形分を100質量%としたときに、1〜30質量%であることが好ましく、2〜20質量%がより好ましく、3〜15質量%が更に好ましい。
[第1の硬化性組成物に含まれる他の素材]
本発明に用いられる第1の硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、さらに、重合開始剤、エポキシモノマー、光酸発生剤(カチオン重合開始剤)、紫外線吸収剤、界面活性剤、耐候性改良剤、硬度改良剤、防眩性付与剤、滑り性付与剤、マット剤、等の各種添加剤や溶剤を含むことができる。
〔重合開始剤〕
本発明の第1の硬化性組成物には、重合開始剤を含むことが好ましい。重合開始剤としては光ラジカル重合開始剤が好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、オキシム類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、ジスルフィド化合物類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。光重合開始剤の具体例、及び好ましい態様、市販品などは、特開2009−098658号公報の段落[0133]〜[0151]に記載されており、本発明においても同様に好適に用いることができる。
「最新UV硬化技術」{(株)技術情報協会}(1991年)、p.159、及び、「紫外線硬化システム」加藤清視著(平成元年、総合技術センター発行)、p.65〜148にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、BASF社製の「イルガキュア651」、「イルガキュア184」、「イルガキュア819」、「イルガキュア907」、「イルガキュア1870」(CGI−403/イルガキュア184=7/3混合開始剤)、「イルガキュア500」、「イルガキュア369」、「イルガキュア1173」、「イルガキュア2959」、「イルガキュア4265」、「イルガキュア4263」、「イルガキュア127」、“OXE01”等;日本化薬(株)製の「カヤキュアーDETX−S」、「カヤキュアーBP−100」、「カヤキュアーBDMK」、「カヤキュアーCTX」、「カヤキュアーBMS」、「カヤキュアー2−EAQ」、「カヤキュアーABQ」、「カヤキュアーCPTX」、「カヤキュアーEPD」、「カヤキュアーITX」、「カヤキュアーQTX」、「カヤキュアーBTC」、「カヤキュアーMCA」など;サートマー社製の“Esacure(KIP100F,KB1,EB3,BP,X33,KTO46,KT37,KIP150,TZT)”等、及びそれらの組み合わせが好ましい例として挙げられる。
本発明に用いられる硬化性組成物中の光重合開始剤の含有量は、上記組成物に含まれる重合可能な化合物を重合させ、かつ開始点が増えすぎないように設定するという理由から、組成物中の全固形分に対して、0.5〜8質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
〔溶剤〕
本発明に用いられる硬化性組成物は、溶剤を含有することができる。溶剤としては、モノマーの溶解性、塗工時の乾燥性等を考慮し、各種溶剤を用いることができる。係る有機溶剤としては、例えばジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−プチロラクトン、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の溶剤のうち、炭酸ジメチル、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセチルアセトン、アセトンのうち少なくとも1種類を用いることが好ましく、酢酸メチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)の何れかを用いることがより好ましい。
本発明の第1の硬化性組成物の固形分の濃度は20〜80質量%の範囲となるように溶剤を用いるのが好ましく、より好ましくは30〜75質量%であり、更に好ましくは40〜70質量%である。
〔第1の硬化層の膜厚〕
本発明の第1の硬化層の膜厚は、0.5〜25μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましく、1.5〜15μmであることが更に好ましく、2〜10μmであることが特に好ましい。
第1の硬化層の膜厚は、基材フィルムへの脂肪族環状炭化水素系モノマー組成物の硬化層の積層前後の膜厚を測定し、その差から求めることができる。
〔第1の硬化層の構成、製造方法〕
本発明の第1の硬化層は、1層であってもよいし、複数層設けてもよい。上記第1の硬化層の積層方法は特に限定されないが、上記第1の硬化性組成物の硬化層を基材フィルムとの共流延として作製すること、または、上記第1の硬化性組成物を上記基材フィルム上に塗布にて設けることが好ましく、上記第1の硬化性組成物を上記基材フィルム上に塗布にて設けることがより好ましい。
<第1の硬化性組成物を塗布する工程>
第1の硬化性組成物を塗布する工程の具体的な方法については特に制限はないが、スロットダイを用いたダイコート塗工方式を好ましく用いることができる。また、塗布時の搬送速度についても特に制限はないが、搬送速度1〜100m/分の条件で塗布することが好ましい。塗布後の乾燥についても特に制限はなく、乾燥温度は25〜140℃で30〜1000秒乾燥することが好ましい。
また、UV光による硬化を行う場合、照度は10〜5000mW/cmが好ましく、30〜3000mW/cmがより好ましく、50〜1000mW/cmが更に好ましい。また、UV光による硬化は、硬化後のフィルム表面のべたつき等に問題なければ空気下で行うこともできるが、硬化の際の酸素濃度は、10ppm〜20000ppmが好ましく、50ppm〜10000ppmがより好ましく、100ppm〜5000ppmが更に好ましい。
〔第1の硬化層の透湿度〕
上記基材フィルムに第1の硬化層を設けたフィルムの透湿度は、JIS Z−0208をもとに、40℃、相対湿度90%の条件において測定される。複合フィルムの気体透過式より(「包装材料のバリア性の科学(包装学基礎講座5)」p68〜72 仲川勤著 日本包装学会)、定常状態の光学フィルムの透湿度をJ、基材フィルムの透湿度をJ、光学フィルムを基材フィルムと第1の硬化層に分離したときの、第1の硬化層の透湿度をJとしたときに、以下の式が成り立つ。
1/J=1/J+1/J ・・・・・式(1)
基材フィルムに第1の硬化層を設けたフィルムの透湿度Jと基材フィルムの透湿度Jは直接測定することができ、それらの測定値を基に、第1の硬化層の透湿度Jを計算で求めることができる。
本発明において、第1の硬化層の透湿度が30〜400g/m/dayであることが好ましい。
<1−2:第2の硬化層>
本発明における第2の硬化層は、第2の硬化性組成物を硬化することにより形成する。第2の硬化性組成物は、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物と1分子中に1個以上のエポキシ基を有する化合物とをそれぞれ含むか、または1分子中に1個以上のエポキシ基と1個以上のエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物を含む。硬化性組成物中にエポキシ基とエチレン性不飽和二重結合との双方を含むことで、第1の硬化層/第2の硬化層および第2の硬化層/偏光子との密着を高めることができる。
[1分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物]
1分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、分子内に脂肪族環状炭化水素基を有していても、有していなくても良い。具体的には、前述の脂肪族環状炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物、あるいは脂肪族環状炭化水素基を有さないエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を好ましく用いることができる。
[1分子中に1個以上のエポキシ基を有する化合物]
1分子中に1個以上のエポキシ基を有する化合物は、グリシジル型エポキシ基を有する化合物であっても脂環式エポキシ基を有する化合物(以下、脂環エポキシ化合物ともいう)であっても良いが、脂環式エポキシ基を有する化合物であることがより好ましい。脂環式エポキシ基の環状骨格としては、シクロヘキサン環、シクロペンタン環、シクロオクタン環、ビシクロヘプタン環等のシクロアルカン環が好ましく、シクロヘキサン環がより好ましい。
脂環エポキシ化合物の具体例としては、たとえば下記化合物2a〜2cが挙げられる。ただし、上記脂環エポキシ化合物は、下記具体例に限定されるものではない。なお脂環エポキシ化合物に関する「多官能」とは、1分子中に含まれる脂環式エポキシ基の数が2個以上であることをいい、例えば2官能とは1分子中に含まれる脂環エポキシ基が2個であること、3官能とは3個であることをいう。
1分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物と1分子中に1個以上のエポキシ基を有する化合物とをそれぞれ含む場合、1分子中に1個以上のエポキシ基を有する化合物の含有量は、第2の硬化性組成物の全固形分を100質量%としたときに、1〜90質量%であることが好ましく、5〜80質量%がより好ましく、10〜50質量%が更に好ましい。
[1分子中に1個以上のエポキシ基と1個以上のエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物]
1分子中に1個以上のエポキシ基と1個以上のエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物は、グリシジル型エポキシ基を有する化合物であっても脂環式エポキシ基を有する化合物であっても良いが、脂環式エポキシ基を有する化合物であることがより好ましい。また、エチレン性不飽和二重結合は、(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。
1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基は、1〜3個が好ましく、1個であることがより好ましい。
上記脂環エポキシ化合物の好ましい一態様としては、1分子中に1個の脂環式エポキシ基(3,4−エポキシシクロヘキシル基)と1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基((メタ)アクリロイルオキシ基)とを有する下記一般式(A)で表される化合物を挙げることができる。一般式(A)で表される化合物は、好ましくは下記一般式(a)で表される化合物である。
一般式(A)および一般式(a)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Lは炭素数1〜3の2価の脂肪族炭化水素基を表し、炭素数1〜3のアルキレン基を表すことが好ましく、メチレン基を表すことがより好ましい。一般式(A)で表される化合物は、好ましくは一般式(a)で表される化合物であり、より好ましくは、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートであり、これらはサイクロマーM100あるいはサイクロマーA400(いずれもダイセル製)として入手可能である。更に好ましくは3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートであり、サイクロマーM100(ダイセル製)として入手可能である。
また、上記脂環エポキシ化合物が重合体の場合、重合体の繰り返し単位の好ましい態様としては、下記一般式(A−n)で表される繰り返し単位を挙げることができる。なお脂環エポキシ化合物は、含まれる繰り返し単位が一種のみの重合体、即ちホモポリマーでもよく、含まれる繰り返し単位が二種以上の重合体、即ちコポリマー(共重合体)でもよい。
一般式(A−n)中、Xは、単結合、または、以下の連結基:酸素原子、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、エステル結合、エーテル結合、カルボニル結合、−NH−、若しくは上記連結基の2つ以上を組み合わせてなる連結基を表す。
Xがアルキレン基を表す場合、アルキレン基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれのアルキレン基でもよい。アルキレン基としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基がより好ましい。アルキレン基としては、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、シクロヘキシレン基が好ましい。
Xがアリーレン基を表す場合、アリーレン基は、炭素数6〜18のアリーレン基が好ましく、炭素数6〜12のアリーレン基がより好ましい。アリーレン基としては、具体的には、フェニレン基、ナフチレン基が好ましい。
Xがアラルキレン基を表す場合、アラルキレン基は、炭素数7〜19のアラルキレン基が好ましく、炭素数7〜13のアラルキレン基がより好ましい。また、Xは、上記連結基を組み合わせてなる連結基であってもよく、組み合わせてなる連結基としては、エステル結合とアルキレン基とを組み合わせてなる連結基、アリーレン基とエステル結合とアルキレン基とを組み合わせてなる連結基、アルキレン基とエーテル結合とを組み合わせてなる連結基、カルボニル結合と−NH−とアルキレン基とエーテル結合とを組み合わせてなる連結基などが挙げられる。
Xとしては、単結合が最も好ましい。
一般式(A−n)において、Aは、単結合、または、アルキレン基、アリーレン基、置換基を有してもよいアラルキレン基、エステル結合、エーテル結合、カルボニル結合、−NH−、若しくはこれらの連結基の2つ以上を組み合わせてなる連結基を表す。
Aがアルキレン基を表す場合、アルキレン基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれのアルキレン基でもよい。アルキレン基としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基がより好ましい。アルキレン基としては、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、シクロヘキシレン基が好ましい。
Aがアリーレン基を表す場合、アリーレン基は、炭素数6〜18のアリーレン基が好ましく、炭素数6〜12のアリーレン基がより好ましい。アリーレン基としては、具体的には、フェニレン基、ナフチレン基が好ましい。
Aがアラルキレン基を表す場合、アラルキレン基は、炭素数7〜19のアラルキレン基が好ましく、炭素数7〜13のアラルキレン基がより好ましい。また、Aは、上記連結基を組み合わせてなる連結基であってもよく、組み合わせてなる連結基としては、エステル結合とアルキレン基とを組み合わせてなる連結基、アリーレン基とエステル結合とアルキレン基とを組み合わせてなる連結基、アルキレン基とエーテル結合とを組み合わせてなる連結基、カルボニル結合と−NH−とアルキレン基とエーテル結合とを組み合わせてなる連結基などが挙げられる。
Aとしては、エステル結合、エーテル結合、−CONH−、アルキレン基、アリーレン基、またはこれらを組み合わせてなる連結基が好ましい。
Rは水素原子またはメチル基を表す。
一般式(A−n)で表される繰り返し単位の具体例を以下に示すが、上記脂環エポキシ化合物は、これらを有する化合物に限定されるものではない。
[重合開始剤]
本発明の第2の硬化性組成物には、重合開始剤を含むことが好ましい。重合開始剤の具体的な種類としては、第1の硬化性組成物と同様であり、好ましい範囲も同様である。
[第2の硬化層用組成物に含まれる他の素材]
さらに、第2の硬化層用組成物は、光酸発生剤(光カチオン重合開始剤)、紫外線吸収剤、界面活性剤、耐候性改良剤、硬度改良剤、防眩性付与剤、滑り性付与剤、マット剤、等の各種添加剤や溶剤を含むことができる。
〔第2の硬化層の膜厚〕
本発明の第2の硬化層の膜厚は、0.05〜2.5μmであることが好ましく、0.1〜1.0μmであることがより好ましい。
<第2の硬化性組成物を塗布する工程>
第2の硬化性組成物を塗布する工程の具体的な方法は、第1の硬化性組成物を塗布する工程と同様であり、好ましい範囲も同様である。
<ヨウ素類拡散防止層>
本発明の光学フィルムにおいて、第1の硬化層と第2の硬化層とを合わせ、ヨウ素類拡散防止層と称することもある。
脂肪族環状炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物として、一般式(I)で表される化合物を用いた場合、その効果をより発揮できる。
<1−3.基材フィルム>
[基材フィルムの材質]
基材フィルムを形成する材料としては、光学性能透明性、機械的強度、熱安定性、等方性などに優れるポリマーが好ましい。本発明でいう透明とは、可視光の透過率が60%以上であることを示し、好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、又は上記ポリマーを混合したポリマーも例としてあげられる。また本発明の高分子フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の紫外線硬化型、熱硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
また、基材フィルムを形成する材料としては、従来偏光板の透明保護フィルムとして用いられてきた、トリアセチルセルロースに代表される、セルロース系ポリマー(特に好ましくは、セルロースアシレート)も好ましく用いることができる。
[セルロースアシレート]
セルロースアシレートフィルムとしては、例えば特開2013−228720号公報の段落番号[0072]〜[0075]に記載のものを用いることができる。
[その他の添加剤]
上記基材フィルムには、紫外線吸収剤、マット剤、レターデーション発現剤、可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、剥離剤、赤外線吸収剤、波長分散調整剤などの添加剤を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、光学フィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。
また上記基材フィルムには、ゴム状粒子を含有しても良い。たとえば、軟質アクリル系樹脂、アクリルゴム、および、ゴム−アクリル系グラフト型コアシェルポリマーなどアクリル粒子、またはスチレン−エラストマー共重合体があげられる。さらに、特公昭60−17406、特公平3−39095号公報等に記載の、耐衝撃性、耐応力白化性が改善する添加剤も好ましく用いられる。
上記基材フィルムにおいては、これらの添加剤を添加する場合、添加剤の総量は、基材フィルムに対して50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
これらの添加剤により、フィルムの脆性が改良され、フィルムの耐折試験(180度折り曲げ時の割れ評価など)が大幅に改善する。
また、低ヘイズを達成するためには、上記添加物の屈折率は基材フィルムと略同一の屈折率を持つ事が好ましく、屈折率差は0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。
[基材フィルムの特性]
(基材フィルムの厚さ)
上記基材フィルムの膜厚は、5〜100μmが好ましく、10〜80μmがより好ましく、15〜70μmが特に好ましく、20〜60μmがより特に好ましい。
(表面処理)
基材フィルムは、場合により表面処理を行うことによって、基材フィルムと硬化性組成物の硬化層やそれ以外の層(例えば、偏光子、下塗層及びバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸又はアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10−3〜20Torrの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
同様にして、第1の硬化層、あるいは第2の硬化層を表面処理することで、各層の接着の向上を達成することもできる。
<1−4.機能層>
本発明の光学フィルムには、所望により目的に応じた機能層を設けることができる。機能層としては、ハードコート層、反射防止層、光散乱層、防汚層、帯電防止層、等が挙げられ、これらは一層で複数の機能を兼ねていていてもよい。
これらの層は、本発明の効果を高める観点で、基材フィルムの脂肪族環状炭化水素系モノマー組成物の硬化層と反対側の面に設けることが好ましい。
<<2.偏光板>>
本発明の偏光板は、偏光子、および少なくとも1枚の本発明の光学フィルムを含む。
本発明の偏光板は、偏光子と、偏光子の片側に少なくとも1枚の本発明の光学フィルムが配置されてなる。一般的には、偏光子の両面に偏光板保護フィルムで挟み両面を保護した偏光板が広く用いられている。
なお、偏光子の両側に偏光板保護フィルムを有する場合、本発明の光学フィルムを有する面とは反対の面には、本発明の光学フィルムとは異なった偏光板保護フィルムを有してもよく、公知の偏光板保護フィルムを有してもよい。
例えば、本発明の光学フィルムとは異なった偏光板保護フィルムとしては、含有する添加剤もしくはその種類、含有量が異なるもの、特性の異なるもの、機能層の有無もしくは機能層の異なるものなどである。
<2−1:偏光子>
偏光子は、少なくとも二色性色素と樹脂からなる。
[樹脂]
本発明の偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂が好ましく用いられる。本発明における偏光子は、ポリビニルアルコール樹脂を主成分とするものであり、通常は、偏光子の80質量%以上を占める。ポリビニルアルコールは通常、ポリ酢酸ビニルをケン化したものであるが、例えば不飽和カルボン酸、不飽和スルホン酸、オレフィン類、ビニルエーテル類のように酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有しても構わない。また、アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等を含有する変性ポリビニルアルコール系樹脂も用いることができる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は特に限定されないが、溶解性等の観点から80〜100mol%が好ましく、90〜100mol%が特に好ましい。また、ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は特に限定されないが、1,000〜10,000が好ましく、1,500〜5,000が特に好ましい。
延伸前のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの弾性率は、好ましくは、ヤング率で表すと0.1MPa以上500MPa以下で、さらに好ましくは1MPa以上100MPa以下である。
このような範囲とすることで、延伸後のシワ発生抑制効果に優れ、十分な強度を有するポリビニルアルコール系樹脂フィルムを製造することができる。
延伸前のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの厚みは、特に限定されないが、フィルム保持の安定性、延伸の均質性の観点から、1μm〜1mmが好ましく、20〜200μmが特に好ましい。また、延伸後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの膜厚は2〜100μmが好ましく、光モレ改良のためには7〜25μmが好ましい。この厚さによって、偏光子のフィルムの厚さが定められる。
[二色性色素]
本発明の偏光子は、二色性色素を含む。ここで、二色性色素とは、方向により吸光度の異なる色素のことを言い、ヨウ素イオン、ジアゾ系色素、キノン系色素、その他公知の二色性染料などが含まれる。二色性色素としては、I やI などの高次のヨウ素イオンもしくは二色性染料を好ましく使用することができる。
本発明では高次のヨウ素イオンが特に好ましく使用される。高次のヨウ素イオンは、「偏光板の応用」永田良編,CMC出版や工業材料,第28巻,第7号,p.39〜p.45に記載されているようにヨウ素をヨウ化カリウム水溶液に溶解した液および/またはホウ酸水溶液にポリビニルアルコールを浸漬し、ポリビニルアルコールに吸着・配向した状態で生成することができる。
二色性色素の含有量としては、ポリビニルアルコール系樹脂に対して0.1〜50質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましく、1.0〜5.0質量部がさらに好ましい。
本発明の偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂、二色性色素の他に、必要に応じて、可塑剤、界面活性剤を添加してもよい。
<2−2:偏光子の製造方法>
本発明の偏光子の製造方法としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂をフィルム化した後、ヨウ素を導入して偏光子を構成することが好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの製造は、特開2007−86748号公報の段落番号0213〜0237に記載の方法、特許第3342516号公報、特開平09−328593号公報、特開2001−302817号公報、特開2002−144401号公報等を参考にして行うことができる。
本発明では、特に、ポリビニルアルコール系樹脂を有するポリビニルアルコール系樹脂溶液をフィルム状に製膜する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを延伸する工程と、二色性色素により延伸後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを染色する工程およびホウ酸により染色後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを架橋する工程を含むことが好ましい。
<2−3:形状・構成>
本発明の偏光板の形状は、表示装置にそのまま組み込むことが可能な大きさに切断されたフィルム片の態様の偏光板のみならず、連続生産により、長尺状に作製され、ロール状に巻き上げられた態様(例えば、ロール長2500m以上や3900m以上の態様)の偏光板も含まれる。大画面液晶表示装置用とするためには、偏光板の幅は1470mm以上とすることが好ましい。
本発明の偏光板は、偏光子および少なくとも1枚の本発明の光学フィルムで構成されているが、さらに偏光板の一方の面にプロテクトフィルム(本発明の光学フィルムではない)を、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成されることも好ましい。
プロテクトフィルムおよびセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
<2−4:偏光子と光学フィルムの積層方法>
本発明の偏光板は、上記にて得られた偏光子の少なくとも一方の面に、少なくとも1枚の本発明の光学フィルムを積層して製造することができる。
本発明の偏光板は、光学フィルムの表面にコロナ処理をおこなった後に活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を塗布、偏光子と貼り合わせて、紫外線を照射し、樹脂を硬化させる方法により作製することが好ましい。
光学フィルムの処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、特開2012−140610号公報、特開2012−208250号公報、特開2015−203733号公報、等に記載の公知の接着剤が挙げられる。
これらの中でも、エポキシ系材料を含む接着剤が好ましく、特に、エポキシ系材料が脂環型エポキシ基を有するエポキシ化合物、またはグリシジル化合物、であることが好ましい。具体例としては、以下が挙げられる。
セロキサイド8000、セロキサイド2021P、サイクロマーM100、EHPE3150(以上(株)ダイセル製)、TTA20、TTA22、TTA27(Tetrachem社製)、リカレジンDME−100、リカレジンHBE−100、(新日本理化(株)製)などが挙げられ、セロキサイド8000、セロキサイド2021P、TTA22、リカレジンDME−100が好ましい。
その他の材料
エポキシ系材料を含む接着剤は、光カチオン重合開始剤を含むことが好ましい。光カチオン重合開始剤の好ましい例としては、活性エネルギー線の照射によりカチオン種やルイス酸を生じる化合物として、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩のようなオニウム塩、鉄−アレン錯体などを挙げることができる。
さらに、エポキシ系材料を含む接着剤は、その他の添加剤を含んでいてもよく、オキセタン化合物、アクリルモノマー、光ラジカル重合開始剤、増感剤、界面活性剤、溶剤などを挙げることができる。
本発明の光学フィルムはヨウ素類拡散防止層が偏光子に近い側となるように貼り合わせられることが好ましい。上記構成にすることより、ヨウ素類の偏光子外部への拡散を効果的に抑制することができ、高温高湿環境下に長期間保存された際の偏光性能劣化が起こりにくくなり、好ましい。
<2−5:偏光板の機能化>
本発明の偏光板は、ディスプレイの視認性向上のための反射防止フィルム、輝度向上フィルムや、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層等の機能層を有する偏光板保護フィルムと複合した機能化偏光板としても好ましく使用される。機能化のための反射防止フィルム、輝度向上フィルム、他の機能性光学フィルム、前方散乱層、アンチグレア層については、特開2007−86748号公報の段落番号0257〜0276に記載され、これらの記載を基に機能化した偏光板を作製することができる。
<2−6:偏光板の性能>
〔偏光度〕
本発明の偏光板は、偏光度95%以上が好ましく、98%以上がより好ましく、最も好ましくは99.5%以上である。
本発明において、偏光板の偏光度は、日本分光(株)製自動偏光フィルム測定装置VAP−7070を用いて波長380nm〜700nmで測定した直交透過率および平行透過率から以下の式により偏光度スペクトルを算出し、さらに光源(補助イルミナントC)とCIE視感度(Y)の重み付け平均を計算することにより求めることができる。
偏光度(%)
={(平行透過率−直交透過率)/(平行透過率+直交透過率)}1/2×100
〔偏光板耐久性〕
本発明の偏光板は、湿熱経時条件下における偏光板耐久性に優れる。このため、偏光板耐久性試験前後での偏光度の変化量は小さい。
本発明の偏光板は、日本分光(株)製自動偏光フィルム測定装置VAP−7070を用いて直交透過率および平行透過率を測定し、上記式により偏光度を算出し、特に、85℃、相対湿度85%の環境下で720時間保存した場合の偏光度変化量が1%未満であるのが好ましい。
本発明の偏光板を、粘着剤を介してガラスの上に貼り付けたサンプル(5cm×5cm)を2つ作成する。この際、本発明の偏光板保護フィルムが、ガラス側になるように貼り付ける。直交透過率測定は、このサンプルのガラス側を光源に向けてセットして測定する。2つのサンプルをそれぞれ測定し、その平均値を直交透過率、および平行透過率とする。具体的には、実施例で記載した通りである。
〔その他の特性〕
本発明の偏光板のその他の好ましい光学特性等については特開2007−086748号公報の段落番号0238〜0255に記載されており、これらの特性を満たすことが好ましい。
<<3.画像表示装置>>
本発明の一態様にかかる画像表示装置として液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置の反射防止用途等が挙げられる。
液晶表示装置を例として説明すると、本発明の液晶表示装置は、液晶セルと本発明の偏光板とを少なくとも有する。液晶表示装置では、第一偏光板および第二偏光板の様に2枚の偏光板の間に液晶セルを配置した構成を取る。液晶セルの駆動モードは特に限定されないが、TN、OCB、VA、IPS等の各駆動モードが一般的に用いられている。さらに、液晶セルの駆動モードに応じて光学補償を行う光学異方性層を用いることが好ましく、液晶セルと偏光板の間に配置される。なお、光学異方性層の機能を偏光板保護フィルムが有していてもよい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[参考例101の作製]
<セルロースアシレートの調製>
アセチル置換度2.87のセルロースアシレートを調製した。これは、触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、アシル置換基の原料となるカルボン酸を添加し40℃でアシル化反応を行った。またアシル化後に40℃で熟成を行った。さらにこのセルロースアシレートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
<エア側表層用ドープ101液の調製>
(セルロースアシレート溶液1の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液101を調製した。
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セルロースアシレート溶液1の組成
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アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
スクロースベンゾエート(ベンゾイル置換度5.5)
6.0質量部
(株)シグマ−アルドリッチ社製スクロースアセテートイソブチレート
4.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 353.9質量部
メタノール(第2溶媒) 89.6質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 4.5質量部
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(マット剤溶液2の調製)
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液2を調製した。
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マット剤溶液2の組成
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平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、
日本アエロジル(株)製) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 69.3質量部
メタノール(第2溶媒) 17.5質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 0.9質量部
上記セルロースアシレート溶液1 0.9質量部
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上記マット剤溶液2の1.3質量部と、セルロースアシレート溶液1を98.7質量部加えて、インラインミキサーを用いて混合し、エア側表層用ドープ101液を調製した。
<基層用ドープ102の調製>
(セルロースアシレート3溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、基層用ドープ102を調製した。
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基層用ドープ102(セルロースアシレート溶液3)の組成
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アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
スクロースベンゾエート(ベンゾイル置換度5.5)
6.0質量部
(株)シグマ−アルドリッチ社製スクロースアセテートイソブチレート
4.0質量部
下記紫外線吸収剤C 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 297.7質量部
メタノール(第2溶媒) 75.4質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 3.8質量部
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紫外線吸収剤C
<支持体側表層用ドープ103液の調製>
エア層側表層用ドープ101液において作製した、マット剤溶液2の1.3質量部と、セルロースアシレート溶液1を99.3質量部をインラインミキサーを用いて混合し、支持体側表層用ドープ103液を調製した。
<基材フィルムの製膜>
(流延)
ドラム流延装置を用い、上記調製したドープ(基層用ドープ)と、その両側に表層用ドープとを3層同時にステンレス製の流延支持体(支持体温度−9℃)に流延口から均一に流延した。各層のドープ中の残留溶媒量が略70質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をピンテンターで固定し、残留溶媒量が3〜5質量%の状態で、横方向に1.28倍延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、参考例101のセルロースアシレートフィルムを得た。得られた基材フィルムであるセルロースアシレートフィルムの厚みは60μm(エア側表層3μm、基層54μm、支持体側表層3μm)、幅は1480mmであった。
〔実施例101の作製〕
(1)第1の硬化層と第2の硬化層を有する光学フィルム
<第1の硬化性組成物(P−1)の調製>
第1の硬化性組成物P−1を下記に示す組成で作製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過し、調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
第1の硬化性組成物P−1の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
脂肪族環状炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物
:A−DCP[新中村化学工業(株)製] 100.7 質量部
イルガキュア127[BASF製] 2.1 質量部
界面活性剤A 0.02質量部
メチルエチルケトン 29.2 質量部
メチルイソブチルケトン 19.4 質量部
酢酸メチル 48.6 質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
なお、界面活性剤Aは以下の化合物である(比率は、モル比率である)。

<第2の硬化性組成物(B−1)の調製>
第2の硬化性組成物(B−1)を下記に示す組成で作製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過し、調整した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
第2の硬化性組成物B−1の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
サイクロマーM100[(株)ダイセル製] 3.5 質量部
イルガキュア127[BASF製] 0.1 質量部
メチルエチルケトン 29.0 質量部
メチルイソブチルケトン 67.5 質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
<第1の硬化層の形成>
参考例101にて作製した基材フィルムの流延支持体側の面上に、第1の硬化性組成物(P−1)を、マイクログラビア塗布方式で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で120秒乾燥した後、更に窒素パージ下、酸素濃度を約100ppm、基材フィルムの温度を25℃として160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量100mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚み5μmの第1の硬化層を形成した。
(酸素濃度)
酸素濃度は、露光機内の濃度を酸素濃度計OX−102(横河電気(株)製)により測定した。
<第2の硬化層の形成>
得られた第1の硬化層を設けたフィルムに、第1の硬化層に接して第2の硬化性組成物(B−1)を、マイクログラビア塗布方式で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で120秒乾燥した後、更に窒素パージ下、酸素濃度を約100ppm、基材フィルムの温度を25℃として160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量300mJ/cmの紫外線を照射して、第2の硬化性組成物を硬化させ、厚み0.1μmの第2の硬化層を形成した。得られた光学フィルムを、実施例101の光学フィルムとした。
(2)偏光板の作製
<接着剤層用組成物C−1の調製>
各成分を下記に示す組成で各成分を混合して50℃で1時間撹拌して、接着剤層用組成物C−1を得た。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
接着剤層用組成物C−1の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セロキサイド2021P[(株)ダイセル製] 25.0 質量部
アロンオキセタンOXT−221[東亞合成(株)製] 50.0 質量部
リカレジンDME−100[新日本理化(株)製] 25.0 質量部
光カチオン重合開始剤 :CPI−100P[サンアプロ社製]
5.0 質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
<偏光子の作製>
平均重合度2400、ケン化度99.9モル%、厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の温水中に60秒間浸漬して膨潤させた。次いで、0.3重量%(重量比:ヨウ素/ヨウ化カリウム=0.5/8)の30℃のヨウ素溶液中で1分間染色しながら、3.5倍まで延伸した。その後、65℃の4重量%のホウ酸水溶液中に0.5分間浸漬しながら総合延伸倍率が6倍まで延伸した。延伸後、70℃のオーブンで3分間乾燥を行い、厚さ26μmの偏光子を得た。偏光子の水分率は13.5重量%であった。
<貼り合わせ>
実施例101で作製した光学フィルムの第2の硬化層側にコロナ処理を施した(9.4kJ/m)。コロナ処理を施した第2の硬化層の表面に、上記で調製した接着剤層用組成物C−1をMCDコーター(富士機械社製)(セル形状:ハニカム、グラビアロール線数:1000本/INCH、回転速度140%/対ライン速)を用いて、厚み0.5μmになるように塗布した。
また、別途、厚み40μmのシクロオレフィン系フィルム(JSR社製アートンRX4500)についても、コロナ処理を施した後、コロナ処理を施したシクロオレフィン系フィルムの表面にも同様の方法で上記で調製した接着剤層用組成物C−1を厚み0.5μmとなるように塗布した。
続いて、接着剤層用組成物C−1を塗布した面を、偏光子の片側表面にそれぞれ貼り合わせた。その後、貼り合わせたフィルム(実施例101の光学フィルム/偏光子/シクロオレフィン系フィルムの構成のフィルム)の両面から、IRヒーターを用いて両方の膜面を50℃に加温し、その両面から下記に示す活性エネルギー線を照射して、接着剤層用組成物C−1をそれぞれ硬化させた。その後、70℃で3分間熱風乾燥して、偏光板101を得た。
(活性エネルギー線)
活性エネルギー線として、紫外線(ガリウム封入メタルハライドランプ) 照射装置:Fusion UV Systems,Inc社製Light HAMMER10 バルブ:Vバルブ ピーク照度:1600mW/cm、積算照射量1000mJ/cm(波長380〜440nm)を使用した。なお、紫外線の照度は、Solatell社製Sola−Checkシステムを使用して測定した。
[実施例102〜113、比較例114、115の作製]
実施例101と同様にして、表1記載の組成の第2の硬化層用組成物B−2〜B−11を用いて、表1に記載の膜厚、照射量、酸素濃度、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物で、実施例102〜113、比較例114、115の光学フィルムを作製した。さらに、実施例101で作製した偏光板101と同様にして、実施例102〜113、比較例114、115の偏光板を得た。
・jER828US:ビスフェノールA型エポキシ[三菱化学(株)製]
・DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート[日本化薬(株)製]
・MEK−AC−4130Y:粒子径;40〜50nmのオルガノシリカゾル(固形分30質量%のメチルエチルケトン分散液)[日産化学(株)製]
・MEK:メチルエチルケトン
・MiBK:メチルイソブチルケトン
・界面活性剤B:以下の化合物(比率は、モル比率である)

<接着剤層用組成物C−2の調整>
各成分を下記に示す組成で各成分を混合して50℃で1時間撹拌して、接着剤層用組成物C−2を得た。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
接着剤層用組成物C−2の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セロキサイド2021P[(株)ダイセル製] 59.0 質量部
アロンオキセタンOXT−221[東亞合成(株)製] 5.0 質量部
ライトアクリレート1,6HX−A[共栄社化学(株)製]
30.0 質量部
光カチオン重合開始剤:CPI−100P[サンアプロ社製]
5.0 質量部
光ラジカル重合開始剤:イルガキュア184[BASF製] 1.0 質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
[評価]
<剥離力評価>
上記で作製した各実施例及び比較例の各偏光板を、粘着剤を介してガラス板上に貼り合わせ、各偏光板の本発明の光学フィルム側がガラス板側に向くようにした。各偏光板のサイズは、幅2.5cm×長さ15cmで、貼り合わせ部分の長さは7cmとした。
ガラスに貼り付けた光学フィルムと偏光子との界面に、界面の方向と平行になるよう剃刀で剥離のきっかけ(幅;25mm、長さ;10mm)を作った。その後、ガラスに張り付けた光学フィルムと偏光子側の部材(例えば、偏光板101であれば、積層された偏光子とシクロオレフィン系フィルム)を剥がすように、偏光子側の部材を90°方向(偏光板を水平な机上に置いた場合の鉛直方向)へ引っ張ることで界面剥離を進行させ、フィルム端部のみ剥離させた。このときの荷重を測定し、この値を層間剥離力(N/25mm)とした。剥離にはテンシロン(RTG−1310、エーアンドデイ株製)を使用し、剥離速度は300mm/分とした。以下の基準により評価し、表2にその結果を記載した。
A:層間剥離力が3.0N/25mmを超える場合
B:層間剥離力が1.5〜3N/25mmの場合
C:層間剥離力が1.5N/25mm未満の場合
(偏光板耐久性)
上記で作製した各実施例及び比較例の偏光板について、偏光度を測定し偏光板耐久性を評価した。
その後、85℃、相対湿度85%の環境下で720時間保存した後についても同様の手法で偏光度を測定した。経時前後の偏光度を求め、以下の基準により評価し、これを偏光板耐久性として下記表2にその結果を記載した。
A:偏光度変化量が0.1%未満
B:偏光度変化量が0.1%以上1%未満
C:偏光度変化量が1以上5%未満
D:偏光度変化量が5%以上
比較例114、115では偏光板耐久性評価中に、偏光板と光学フィルムが一部剥がれ、偏光度変化が大きい部分と、偏光度変化が小さい部分が混在していたため、評価Aの部分と評価Dの部分が混在していた。
表2の結果から、本発明の光学フィルムを用いた実施例101〜113の偏光板は、比較例114および115の偏光板に対して、光学フィルムと偏光子との層間剥離力が大きく、また、耐久性評価中にも剥がれることがなく、密着性に優れる。また、高温高湿環境下に保存しても偏光度変化が小さく、湿熱経時条件下における偏光板耐久性に優れる。
1 基材フィルム
2 第1の硬化層
3 第2の硬化層
4 接着剤層
5 偏光子

Claims (8)

  1. 基材フィルム上に、第1の硬化性組成物を硬化した第1の硬化層と、第2の硬化性組成物を硬化した第2の硬化層をこの順に有する光学フィルムであって、
    前記第1の硬化性組成物が、少なくとも脂肪族環状炭化水素基とエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物を含み、
    前記第2の硬化性組成物が、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物と1分子中に1個以上のエポキシ基を有する化合物とをそれぞれ含むか、または1分子中に1個以上のエポキシ基と1個以上のエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物を含むか、のいずれかである
    ことを特徴とする光学フィルム。
  2. 前記脂肪族環状炭化水素基が下記一般式(I)で表される基である請求項1に記載の光学フィルム。

    一般式(I)中、L、及びL’は各々独立に二価以上の連結基を表し、nは1〜3の整数を表す。
  3. 前記1分子中に1個以上のエポキシ基と1個以上のエチレン性不飽和二重結合とを有する化合物が、下記一般式(A)で表される化合物または下記一般式(A−n)で表される繰り返し単位を有する化合物である請求項1または2に記載の光学フィルム。

    一般式(A)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Lは炭素数1〜3の2価の脂肪族炭化水素基を表す。

    一般式(A−n)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Xは単結合または以下の連結基:酸素原子、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、エステル結合、エーテル結合、カルボニル結合、−NH−、若しくは上記連結基の2つ以上を組み合わせてなる連結基を表し、Aは、単結合、または、アルキレン基、アリーレン基、置換基を有してもよいアラルキレン基、エステル結合、エーテル結合、カルボニル結合、−NH−、若しくはこれらの連結基の2つ以上を組み合わせてなる連結基を表す
  4. 前記基材フィルムがセルロースアシレートフィルムである請求項1から3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  5. 偏光子と、少なくとも1枚の請求項1から4のいずれか1項に記載の光学フィルムとを含む偏光板。
  6. 光学フィルムの第2の硬化層が偏光子側に配置されてなる請求項5に記載の偏光板。
  7. 請求項5または6に記載の偏光板であって、前記第2の硬化層が、エポキシ系材料を含む接着剤層を介して偏光子と接している偏光板。
  8. 液晶セルと、該液晶セルの少なくとも一方の面に配置された請求項5から7のいずれか1項に記載の偏光板とを含む画像表示装置。
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