JP2011069913A - 防眩フィルム、偏光板、及び画像表示装置 - Google Patents

防眩フィルム、偏光板、及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、耐擦傷性に優れ、面状が良好で、かつ白化が発生しない防眩フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】透明プラスチックフィルム基材上に、表面に微細な凹凸を有する防眩層を有し、かつ基材に対して防眩層側の最表面に耐擦傷性層を有し、該耐擦傷性層の平均膜厚が0.03〜0.50μmであり、該耐擦傷性層が少なくとも下記成分(A)〜(D)を含有し、かつ重合性含フッ素バインダーを実質的に含有しない硬化性組成物より形成されることを特徴とする防眩フィルム。
(A)平均粒径が40nm以上100nm以下の無機微粒子
(B)平均粒径が1nm以上〜40nm未満の無機微粒子
(C)電離放射線硬化性多官能モノマー
(D)有機高分子増粘剤
【選択図】なし

Description

本発明は、防眩フィルム、偏光板、及び画像表示装置に関し、より詳細には耐擦傷性層を有する防眩フィルム、該防眩フィルムを有する偏光板、及び画像表示装置に関する。
透明プラスチックフィルム基材に防眩層を積層した防眩フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような様々な液晶表示装置において、表面散乱により、外光の反射や像の映り込みによるコントラスト低下を防止するために、ディスプレイの表面に配置される。
近年、液晶テレビ等の低価格化に伴い、このような防眩フィルムを搭載した画像表示装置が広く普及してきた。これに伴い、搭載された防眩フィルムは、画像表示装置と伴に、様々な環境下に晒される場面が増えてきている。特に表面がガラスであるブラウン管テレビのように扱われ、液晶表示装置の表面に傷が付く危険性が増えてきている。そのため、液晶表示装置の最表面に配置される防眩フィルムには、従来から求められていた高い視認性改良効果に加えて、高い物理強度(耐擦傷性など)が要求されて来ている。
高い物理強度を得るために、セルロースアシレートフィルム上に光硬化性樹脂と有機溶剤を含有した硬化性組成物を塗布、乾燥、光硬化させることで、膜厚が10μm以上のハードコート層を積層した反射防止フィルムが提案されている(例えば特許文献1)。
また、特許文献2にはセルロースアシレートフィルム上に平均粒径が6〜15μmの樹脂粒子、硬化性樹脂、有機溶剤を含有した硬化性組成物を、塗布、乾燥、光硬化させることで、膜厚が15〜35μmの防眩層を積層した高表面硬度を有する防眩フィルムが提案されている。
このような防眩層の膜厚を厚くした防眩フィルムは表示画面の表面に垂直に加わる力によって発生する傷防止効果はあるが、表面に平行な力によって発生する引っ掻き傷に対する傷防止効果(耐擦傷性)はなかった。
特許文献3には、表面に微細な凹凸を有する層の上に、シリカ粒子を含有する薄膜を塗設する方法が開示されている。しかしながら、この方法は薄膜層に1μm以上のシリカ粒子を含有するために、表面散乱が強く、明室化で観察すると、白っぽさが強く見えると言う問題を有している。
特許文献4には、プラスチックフィルム基材上に無機若しくは有機微粒子を含有する微粒子含有硬化樹脂層と微粒子を含有しないクリア硬化樹脂層をこの順で積層した防眩フィルムが開示されている。しかしながら、表面の耐擦傷性効果は充分ではなかった。
また、プラスチックフィルム基材上に防眩層、フッ素バインダーを含む低屈折率層をこの順で積層した防眩フィルムが一般に知られている(例えば特許文献5)。しかしながら、一般にフッ素バインダーは凝集力が弱く、このようなフッ素バインダー層を最表面に積層した防眩フィルムでは耐擦傷性改良に限界がある。
凹凸を有する防眩層上にシリカ粒子などを含有する層を積層する場合において、該層のバインダーとして重合性モノマーを使用した場合は、塗布液の粘度が低くなるため、塗布液のレベリングが発生し、凸部周辺の膜厚が薄くなり、凸部周辺でシリカ粒子の表面露出が発生し、これが白化の発生や耐擦傷性の悪化につながっていた。
特開2003−227902号公報 特開2007−041533号公報 特開平7−290652号公報 特開平10−325901号公報 特開平11−305010号公報
凹凸を有する防眩層上にシリカ粒子などを含有する層を積層する場合において、該層のバインダーとして重合性モノマーを使用した場合は、塗布液の粘度が低くなるため、塗布液のレベリングが発生し、凸部周辺の膜厚が薄くなり、凸部周辺でシリカ粒子の表面露出が発生し、これが白化の発生や耐擦傷性の悪化につながっていた。
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の課題を達成することを目的とする。即ち、本発明は、耐擦傷性に優れ、面状が良好で、かつ白化が発生しない防眩フィルムを提供することであり、更に、そのような防眩フィルムを用いた偏光板、及び画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記防眩フィルムを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の手段により達成された。
1.
透明プラスチックフィルム基材上に、表面に微細な凹凸を有する防眩層を有し、かつ基材に対して防眩層側の最表面に耐擦傷性層を有し、該耐擦傷性層の平均膜厚が0.03〜0.50μmであり、該耐擦傷性層が少なくとも下記成分(A)〜(D)を含有し、かつ重合性含フッ素バインダーを実質的に含有しない硬化性組成物より形成されることを特徴とする防眩フィルム。
(A)平均粒径が40nm以上100nm以下の無機微粒子
(B)平均粒径が1nm以上40nm未満の無機微粒子
(C)電離放射線硬化性多官能モノマー
(D)有機高分子増粘剤
2.
前記(A)及び(B)の少なくともいずれかの無機微粒子の表面が下記一般式(I)で表される化合物を用いて表面処理されている無機微粒子であることを特徴とする上記1に記載の防眩フィルム。
一般式(I): (R10−Si(X114−m
(式中、R10は置換若しくは無置換のアルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。X11は水酸基又は加水分解可能な基を表す。mは1〜3の整数を表す。)
3.
前記(D)有機高分子増粘剤がセルロースエステルであることを特徴とする上記1又は上記2に記載の防眩フィルム。
4.
前記耐擦傷性層の屈折率が前記防眩層の屈折率より低いことを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の防眩フィルム。
5.
前記(A)及び(B)の少なくともいずれかの無機微粒子が、内部に空孔を有することを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の防眩フィルム。
6.
前記耐擦傷性層中に防汚剤を含有することを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の防眩フィルム。
7.
前記防眩層が少なくとも1種の透光性樹脂と少なくとも1種の光拡散性粒子を含有することを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の防眩フィルム。
8.
前記光拡散性粒子の平均粒子径が5.5〜15μmであり、前記防眩層の平均膜厚が8〜40μmであることを特徴とする上記7に記載の防眩フィルム。
9.
偏光膜と該偏光膜の両側に保護フィルムを有する偏光板であって、少なくとも一方の保護フィルムが上記1〜8のいずれかに記載の防眩フィルムであることを特徴とする偏光板。
10.
偏光膜と該偏光膜の両側に保護フィルムを有する偏光板であって、一方の保護フィルムが上記1〜8のいずれかに記載の防眩フィルムであり、もう一方の保護フィルムが光学異方性のある光学補償フィルムであることを特徴とする偏光板。
11.
上記1〜8のいずれかに記載の防眩フィルム、上記9及び10に記載の偏光板のうちいずれかを画像表示面に有することを特徴とする画像表示装置。
本発明によれば、耐擦傷性に優れ、面状が良好で、かつ白化が発生しない防眩フィルムを提供することができる。更に、そのような防眩フィルムを用いた偏光板、及び画像表示装置を提供することができる。
本発明の防眩フィルムによれば、高い耐擦傷性と良好な面状を達成することができる。本発明における耐擦傷性層は、バインダーとしてモノマーを使用することで、ポリマーを使用した場合よりも高い耐擦傷性が得られ、更に40nm未満の無機微粒子に加えて40nm以上の無機微粒子も用いることで、より高い耐擦傷性が得られる。一方でモノマー系バインダーでは液粘度が低いため、40nm以上の無機微粒子を含むような場合では通常、防眩粒子による凸部において液のレベリングが発生するため無機微粒子が表面に露出し、膜面の白化が発生してしまう。加えて、露出した無機微粒子がある分、露出がない場合と比べ、耐擦傷性が低下してしまう。
本発明では耐擦傷性層を形成するための硬化性組成物に有機高分子増粘剤を加えることで無機微粒子の露出、及び白化を抑制できる。更に、通常は有機高分子増粘剤を加えると耐擦傷性の低下が起きてしまうが、本発明では有機高分子増粘剤を加えることで、40nm以上の無機微粒子が膜表面に露出せず、膜に取り込まれることによる耐擦傷性向上効果が得られるため、実質耐擦傷性の低下を起こさない。
以下、本発明の構成について以下に詳細に述べる。
本発明の防眩フィルムは、透明プラスチックフィルム基材上に、表面に微細な凹凸を有する防眩層を有し、かつ防眩層の最表面に耐擦傷性層を有し、該耐擦傷性層の平均膜厚が0.03〜0.50μmであり、該耐擦傷性層が少なくとも下記成分(A)〜(D)を含有し、かつ重合性含フッ素バインダーを実質的に含有しない硬化性組成物より形成されることを特徴とする。
(A)平均粒径が40nm以上100nm以下の無機微粒子
(B)平均粒径が1nm以上40nm未満の無機微粒子
(C)電離放射線硬化性多官能モノマー
(D)有機高分子増粘剤
(1)無機微粒子
本発明の防眩フィルムの耐擦傷性層には耐擦傷性改良と面状改良の観点からサイズの異なる2種類の無機微粒子((A)平均粒径が40nm以上100nm以下の無機微粒子、及び(B)平均粒径が1nm以上40nm未満の無機微粒子)を用いる。
(A)の無機微粒子は、好ましくは平均粒径40〜80nmであり、より好ましくは平均粒径40nm〜60nmである。
(B)の無機微粒子は、好ましくは平均粒径5nm〜25nm、より好ましくは平均粒径10nm〜20nmである。
無機微粒子の平均粒径は透過型電子顕微鏡により観察し、100個の粒子の平均として算出することができる。
無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化セリウム、フッ化マグネシウム等が挙げられる。特に、屈折率、分散安定性、コストの点でシリカ微粒子が好ましい。
シリカ微粒子を単一の粒子径のもののみ用いた際は、その粒径が小さすぎると、耐擦傷性の改良効果が少なくなり、また大きすぎると耐擦傷性層表面にシリカ微粒子が露出してしまい、フィルムの白化が発生してしまう。シリカ微粒子は、結晶質でも、アモルファスのいずれでも良く、また単分散粒子でも、所定の粒径を満たすならば凝集粒子でも構わない。形状は、球形が最も好ましいが、不定形であっても問題無い。以上シリカ微粒子について述べたことは、他の無機粒子についても適用される。
耐擦傷性層の低屈折率化を図るためには、無機微粒子のうち少なくとも1種が、中空構造の微粒子(中空微粒子)が好ましい。中空微粒子の空隙率は、好ましくは10〜80%、更に好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜60%である。中空微粒子の空隙率を上述の範囲にすることが、低屈折率化と粒子の耐久性維持の観点で好ましい。
中空粒子がシリカの場合には、微粒子の屈折率は、1.10〜1.40が好ましく、更に好ましくは1.15〜1.35、最も好ましくは1.15〜1.30である。ここでの屈折率は粒子全体としての屈折率を表し、シリカ粒子を形成している外殻のシリカのみの屈折率を表すものではない。
〔無機微粒子の表面処理〕
無機微粒子の表面の処理方法について述べる。耐擦傷性層形成用バインダーへの分散性と耐擦傷性を改良するために、無機微粒子の表面はオルガノシラン化合物の加水分解物及び/又はその部分縮合物により処理がされているのが好ましく、処理の際に、酸触媒及び金属キレート化合物のいずれか、あるいは両者が使用されることが更に好ましい。
(2)オルガノシラン化合物
本発明に用いることができるオルガノシラン化合物について詳細に説明する。オルガノシラン化合物としては下記一般式(I)で表されるものが好ましい。
一般式(I): (R10−Si(X114−m
(式中、R10は置換若しくは無置換のアルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。X11は水酸基又は加水分解可能な基を表す。mは1〜3の整数を表す。)
一般式(I)において、R10は、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ヘキシル基、t−ブチル基、s−ブチル基、ヘキシル基、デシル基、ヘキサデシル基等が挙げられる。アルキル基として好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは1〜6のものである。アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
10に含まれる置換基としては特に制限はないが、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(メチル基、エチ基、i−プロピル基、プロピル基、t−ブチル基等)、アリール基(フェニル基、ナフチル基等)、芳香族ヘテロ環基(フリル基、ピラゾリル基、ピリジル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、ヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(フェニルチオ基等)、アルケニル基(ビニル基、1−プロペニル基等)、アシルオキシ基(アセトキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル基等)、カルバモイル基(カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−メチル−N−オクチルカルバモイル基等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アクリルアミノ基、メタクリルアミノ基等)等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていてもよい。なお、本明細書においては、水素原子を置換するものが単一の原子であっても、便宜上置換基として取り扱う。
一般式(I)において、X11は、水酸基又は加水分解可能な基を表す。加水分解可能な基としては、例えばアルコキシ基(炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる)、ハロゲン原子(例えばCl、Br、I等)、及びR12COO(R12は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えばCHCOO、CCOO等が挙げられる)で表される基が挙げられ、好ましくはアルコキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。
mは1〜3の整数を表す。好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。R10及びX11は、複数存在する場合は、複数のR10及びX11はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
10が複数ある場合は、少なくとも1つが置換アルキル基又は置換アリール基であることが好ましい。中でも該置換アルキル基又は置換アリール基が更にビニル重合性基を有することが好ましく、この場合、一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(I)−1で表されるビニル重合性の置換基を有するオルガノシラン化合物として表すことができる。
Figure 2011069913
一般式(I)−1において、R11は、水素原子、メチル基、メトキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子を表す。上記アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。R11としては、水素原子、メチル基、メトキシ基、メトキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子及び塩素原子が好ましく、水素原子、メチル基、メトキシカルボニル基、フッ素原子及び塩素原子が更に好ましく、水素原子及びメチル基が更に好ましい。
11は、単結合、エステル基、アミド基、エーテル基又はウレア基を表す。単結合、エステル基及びアミド基が好ましく、単結合及びエステル基が更に好ましく、エステル基が更に好ましい。
11は、2価の連結鎖であり、具体的には、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基、内部に連結基(例えば、エーテル基、エステル基、アミド基)を有する置換若しくは無置換のアルキレン基、又は内部に連結基を有する置換若しくは無置換のアリーレン基であり、中でも、置換若しくは無置換の炭素数2〜10のアルキレン基、置換若しくは無置換の炭素数6〜20のアリーレン基、内部に連結基を有する炭素数3〜10のアルキレン基が好ましく、無置換のアルキレン基、無置換のアリーレン基、内部にエーテル連結基又はエステル連結基を有するアルキレン基が更に好ましく、無置換のアルキレン基、内部にエーテル連結基又はエステル連結基を有するアルキレン基が更に好ましい。置換基は、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アリール基等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていてもよい。
a2は0又は1を表す。X11が複数存在するとき、複数のX11はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。a2として好ましくは0である。
10は、前記一般式(I)のR10と同義であり、置換若しくは無置換のアルキル基、無置換のアリール基が好ましく、無置換のアルキル基、無置換のアリール基が更に好ましい。X11も一般式(I)のX11と同義であり、ハロゲン、水酸基、無置換のアルコキシ基が好ましく、塩素、水酸基、無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基が更に好ましく、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基が更に好ましく、メトキシ基が更に好ましい。
本発明に用いるオルガノシラン化合物として、下記一般式(II)で表されるものも好ましい。
一般式(II):(Rf−L21b1−Si(X214−b1
上記一般式(II)中、Rfは炭素数1〜20の直鎖、分岐、環状の含フッ素アルキル基、又は炭素数6〜14の含フッ素芳香族基を表す。Rfは、炭素数3〜10の直鎖、分岐、環状のフルオロアルキル基が好ましく、炭素数4〜8の直鎖のフルオロアルキル基が更に好ましい。
21は炭素数10以下の2価の連結基を表し、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基、更に好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基を表す。アルキレン基は、直鎖若しくは分岐の、置換若しくは無置換の、内部に連結基(例えば、エーテル、エステル、アミド)を有していてもよいアルキレン基である。アルキレン基は置換基を有していてもよく、その場合の好ましい置換基は、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アリール基等が挙げられる。
21は、一般式(I)のX11と同義であり、ハロゲン、水酸基、無置換のアルコキシ基が好ましく、塩素、水酸基、無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基が更に好ましく、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基が更に好ましく、メトキシ基が更に好ましい。
b1は前記一般式(I)のa1と同義であり、1〜3の整数を表す。好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。
一般式(II)で表される含フッ素シランカップリング剤の中でも、下記一般式(II)−1で表される含フッ素シランカップリング剤が好ましい。
一般式(II)−1:C2n+1−(CH−Si(X22
上記一般式(II)−1中、nは1〜10の整数、mは1〜5の整数を表す。nは4〜10が好ましく、mは1〜3が好ましく、X22はメトキシ基、エトキシ基、及び塩素原子を表す。
一般式(I)、一般式(I)−1、一般式(II)、及び一般式(II)−1で表される化合物は2種類以上を併用してもよい。
また、ジシロキサン系の化合物も表面処理剤として用いることができ、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジブチルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、3−グリシドキシプロピルペンタメチルジシロキサンなどが挙げられる。
(3)電離放射線硬化性多官能モノマー
本発明の耐擦傷性層は、耐擦傷性を高めるため、バインダーである電離放射線硬化性多官能モノマーの架橋反応、又は重合反応により形成する。電離放射線硬化性の多官能モノマーが有する官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。特に好ましくは下記の1分子内に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物を用いることができる。
光重合性官能基を有する光重合性多官能モノマーの具体例としては、ネオペンチルグリコールアクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;2,2−ビス{4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル}プロパン、2−2−ビス{4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル}プロパン等のエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類;等を挙げることができる。
更にはエポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類も、光重合性多官能モノマーとして、好ましく用いられる。
中でも、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましい。更に好ましくは、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーが好ましい。具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールトリアクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールペンタアクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリアクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサトリアクリレート等が挙げられる。本明細書において、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリロイル」は、それぞれ「アクリレート又はメタクリレート」、「アクリル酸又はメタクリル酸」、「アクリロイル又はメタクリロイル」を表す。
電離放射線硬化性多官能モノマーとしては、各層の屈折率を制御するために、屈折率の異なるモノマーを用いることができる。
電離放射線硬化性多官能モノマーの重合は、光ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射により行うことができる。光重合性多官能モノマーの重合反応には、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤が好ましく、更に好ましいのは光ラジカル重合開始剤である。
(4)有機高分子増粘剤
本発明の耐擦傷性層形成用組成物は、有機高分子増粘剤を含む。
ここでいう増粘剤とは、それを添加することにより液の粘度が増大するものを意味し、添加することにより塗布液の粘度が上昇する大きさとして好ましくは0.05〜50cPであり、更に好ましくは0.10〜20cPであり、最も好ましくは0.10〜10cPである。
本発明では有機高分子増粘剤としてセルロースエステルが好ましい。セルロースエステルのうち、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレートは塗布液の増粘効果に加えて、無機微粒子(特にシリカ微粒子)の凝集を防止する効果を有していることが分かり、好ましい。中でも、セルロースアセテートブチレートは特に好ましい。有機高分子増粘剤の例として以下のものが挙げられる。
ポリ−ε−カプロラクトン
ポリ−ε−カプロラクトンジオール
ポリ−ε−カプロラクトントリオール
ポリビニルアセテート
ポリ(エチレンアジペート)
ポリ(1,4−ブチレンアジペート)
ポリ(1,4−ブチレングルタレート)
ポリ(1,4−ブチレンスクシネート)
ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)
ポリ(エチレンテレフタレート)
ポリ(2−メチル−1,3−プロピレンアジペート)
ポリ(2−メチル−1,3−プロピレングルタレート)
ポリ(ネオペンチルグリコールアジペート)
ポリ(ネオペンチルグリコールセバケート)
ポリ(1,3−プロピレンアジペート)
ポリ(1,3−プロピレングルタレート)
ポリビニルブチラール
ポリビニルホルマール
ポリビニルアセタール
ポリビニルプロパナール
ポリビニルヘキサナール
ポリビニルピロリドン
ポリアクリル酸エステル
ポリメタクリル酸エステル
セルロースアセテート
セルロースプロピオネート
セルロースアセテートブチレート
有機高分子増粘剤の分子量は数平均分子量で0.3万〜40万が好ましく、0.4万〜30万がより好ましく、0.5万〜20万が特に好ましい。
有機高分子増粘剤の添加量は耐擦傷性層の全固形分に対して0.5〜10質量%が好ましく、1.0〜7.0質量%がより好ましく、2.0〜5.0質量%が特に好ましい。
(5)重合開始剤
本発明における耐擦傷性層用組成物には、重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤としては種々のものを用いることができるが、光重合開始剤が好ましい。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。
光重合開始剤の具体例及び好ましい範囲、好ましい態様、市販品などは、特開2009−098658号公報の段落[0133]〜[0151]に記載されており、本発明においても同様である。
(6)防汚剤
本発明における耐擦傷性層用組成物は、防汚性、耐水性、耐薬品性、滑り性等の特性を付与する目的で防汚剤を含有してもよい。防汚剤としてはフッ素含有防汚剤又はシリコーン系防汚剤が好ましい。
防汚剤は耐擦傷性層用組成物の全固形分に対して0.01〜20質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%であり、特に好ましくは0.1〜5質量%である。
フッ素含有防汚剤は、重合性不飽和基を有することが好ましい。これによって塗布物のロール状態での保存時のフッ素化合物の裏面転写抑制及び塗膜の耐擦傷性改良、また、汚れの繰り返しの拭取りに対する耐久性を向上させることができる。
フッ素含有防汚剤の好ましい態様及び具体例等については、特開2007−301970号公報の段落[0218]及び[0219]に記載されており、本発明においても同様である。
シリコーン系防汚剤は、滑り性付与による耐擦傷性向上、及び防汚性の付与を目的として添加することができ、ポリシロキサン構造を有する化合物が好ましい。フッ素含有防汚剤の好ましい態様及び具体例等については、特開2007−301970号公報の段落[0212]〜[0217]に記載されており、本発明においても同様である。
(7)耐擦傷性層
本発明における耐擦傷性層は平均膜厚が0.03〜0.50μmである。この範囲にすることで良好な耐擦傷性が得られる。
本発明の防眩フィルムにおいて、耐擦傷性層は最表面に形成されることが好ましい。耐擦傷性層が最表面にあることで耐擦傷性効果を十分に発揮することができる。また、耐擦傷性層に用いる無機微粒子として、屈折率の低いシリカ、若しくは更に屈折率の低い中空シリカ等を用いることで耐擦傷性層の屈折率を後述する防眩層、若しくはハードコート層よりも低くした場合は、耐擦傷性層に低屈折率層の機能も持たせることができるため好ましい。この場合、耐擦傷性層の膜厚を0.08μm〜0.12μmにすることが好ましく、この膜厚にすることで光の干渉効果を利用でき、防眩フィルムに反射防止性を持たせることができる。
(8)防眩層
本発明における防眩層は表面に微細凹凸形状を有するものであればいかなるものでも構わないが、少なくとも1種の透光性樹脂と少なくとも1種の光拡散粒子を含有することが好ましい。
本発明の防眩層は、平均粒径が5.5μm〜15μmの透光性粒子を含有し、平均膜厚が8〜40μmであることが、好ましい。加えて、JIS−B0601に準じた中心線平均粗さ(Ra)は0.05〜0.40μmの範囲が好ましく、これら条件領域に制御することにより高い視認性(黒締り)とフィルムに垂直に加わる力に対する傷防止性を達成できる。
好ましい透光性樹脂には、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂、及びゴム又はエラストマーなどが含まれる。複数の樹脂としては、通常、非結晶性であり、かつ有機溶媒(特に複数の樹脂を溶解可能な共通溶媒)に可溶な樹脂が使用される。特に、成形性又は製膜性、透明性や耐候性の高い樹脂、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類など)などが挙げられる。
光拡散粒子の具体例としては、例えばシリカ粒子、TiO粒子等の無機化合物の粒子;アクリル粒子、架橋アクリル粒子、ポリスチレン粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。なかでも架橋スチレン粒子、架橋アクリル粒子、シリカ粒子が好ましい。粒子の形状は、球形あるいは不定形のいずれも使用できる。
より具体的には本発明の防眩層は、平均粒径が5.5μm〜15μmの透光性粒子、マトリックス形成成分(バインダー用モノマー類等)及び有機溶媒を含有する塗布液を塗布・乾燥し硬化してなる層であることが好ましい。
防眩層を形成する塗布液は、例えば、電離放射線等で硬化されて形成する透光性ポリマーの原料となる主たるマトリックス形成バインダー用モノマー類、前記特定粒径の透光性粒子、重合開始剤、好ましくは、塗布液の粘度を調整するための高分子化合物、カール低減や屈折率調節等のための無機微粒フィラー、塗布助剤等を含む。
防眩層の厚さは8μm〜40μmであることが好ましく、更に好ましくは10μm〜35μmであり、最も好ましくは11μm〜25μmである。8μm未満の場合には、下記に述べる透光性粒子を用いた場合に表面凹凸が大きくなりすぎ黒締まりが悪化し、40μmを超えると表面凹凸が小さくなり防眩性が不十分である。
(9)ハードコート層
本発明の防眩フィルムには、フィルムの物理的強度を付与するために、防眩層に加えてハードコート層を設けることができる。ハードコート層は、二層以上の積層から構成されてもよい。
本発明におけるハードコート層の屈折率は、耐擦傷性層に反射防止の機能も兼ね備えるための光学設計から、屈折率が1.48〜2.00の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.52〜1.90であり、更に好ましくは1.55〜1.80である。本発明では、ハードコート層の上に耐擦傷性層が少なくとも1層あるので、屈折率がこの範囲より小さ過ぎると反射防止性が低下し、大き過ぎると反射光の色味が強くなる傾向がある。
防眩フィルムに充分な耐久性、耐衝撃性を付与する観点から、ハードコート層の厚さは通常0.5μm〜50μm程度とし、好ましくは1μm〜20μm、更に好ましくは2μm〜10μm、最も好ましくは3μm〜7μmである。また、ハードコート層の強度は、鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることが更に好ましく、3H以上であることが最も好ましい。更に、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
ハードコート層は、電離放射線硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。例えば、電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーを含む塗布組成物を透明プラスチックフィルム基材上に塗布し、多官能モノマーや多官能オリゴマーを架橋反応、又は、重合反応させることにより形成することができる。電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
ハードコート層には、内部散乱性付与の目的で、平均粒径が1.0〜10.0μm、好ましくは1.5〜7.0μmのマット粒子、例えば無機化合物の粒子又は樹脂粒子を含有してもよい。
ハードコート層のバインダーには、ハードコート層の屈折率を制御する目的で、高屈折率モノマー又は無機粒子、或いは両者を加えることができる。無機粒子には屈折率を制御する効果に加えて、架橋反応による硬化収縮を抑える効果もある。
(10)透明プラスチックフィルム基材
本発明のフィルムの支持体としては、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートやなど、特に限定は無い。透明樹脂フィルムとしては、セルロースアシレートフィルム(例えば、セルローストリアセテートフィルム(屈折率1.48)、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム)、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム等が使用できる。
その中でも、透明性が高く、光学的に複屈折が少なく、製造が容易であり、偏光板の保護フィルムとして一般に用いられているセルロースアシレートフィルムが好ましく、セルローストリアセテートフィルムが更に好ましい。又、透明支持体の厚さは通常25μm〜1000μm程度とする。
本発明ではセルロースアシレートフィルムに、酢化度が59.0〜61.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。
酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定及び計算に従う。セルロースアシレートの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることが更に好ましい。
また、本発明に使用するセルロースアシレートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の値が1.0に近いこと、換言すれば分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜1.7であることが好ましく、1.3〜1.65であることが更に好ましく、1.4〜1.6であることが最も好ましい。
一般に、セルロースアシレートの2,3,6の水酸基は全体の置換度の1/3ずつに均等に分配されるわけではなく、6位水酸基の置換度が小さくなる傾向がある。本発明ではセルロースアシレートの6位水酸基の置換度が、2,3位に比べて多いほうが好ましい。全体の置換度に対して6位の水酸基が32%以上アシル基で置換されていることが好ましく、更には33%以上、特に34%以上であることが好ましい。更にセルロースアシレートの6位アシル基の置換度が0.88以上であることが好ましい。6位水酸基は、アセチル基以外に炭素数3以上のアシル基であるプロピオニル基、ブチロイル基、バレロイル基、ベンゾイル基、アクリロイル基などで置換されていてもよい。各位置の置換度の測定は、NMRによって求めることができる。
本発明ではセルロースアシレートとして、特開平11−5851号公報の段落「0043」〜「0044」[実施例][合成例1]、段落「0048」〜「0049」[合成例2]、段落「0051」〜「0052」[合成例3]に記載の方法で得られたセルロースアセテートを用いることができる。
本発明では、ポリエチレンテレフタレートフィルムも、透明性、機械的強度、平面性、耐薬品性及び耐湿性共に優れており、その上安価であり好ましく用いられる。透明プラスチックフィルムとその上に設けられるハードコート層との密着強度をより向上させるため、透明プラスチックフィルムは易接着処理が施されたされたものであることが更に好ましい。市販されている光学用易接着層付きPETフィルムとしては東洋紡績社製コスモシャインA4100、A4300等が挙げられる。
(11)防眩フィルムの層構成
本発明の防眩フィルムは、一般に、最も単純な構成では、透明支持体上に防眩層と耐擦傷性層を塗設した構成である。
本発明の防眩フィルムの好ましい層構成の例を下記に示すが、特にこれらの層構成のみに限定されるわけではない。
・支持体/防眩層/耐擦傷性層
・支持体/ハードコート層/防眩層/耐擦傷性層
(12)耐擦傷性層の硬化条件
本発明における耐擦傷性層の硬化方法に関して、好ましい例を以下に述べる。
本発明では、電離放射線硬化性モノマーを用いることで塗膜の強度向上を図っており、塗膜形成後、電離放射線による照射と、照射の前、照射と同時又は照射後の熱処理とを組み合わせることにより、硬化することが有効である。
以下にいくつかの製造工程のパターンを示すが、これらに限定されるものではない。
照射前→ 照射と同時→ 照射後(−は熱処理を行っていないことを示す。)
(1)熱処理→ 電離放射線硬化→ −
(2)熱処理→ 電離放射線硬化→ 熱処理
(3) − → 電離放射線硬化→ 熱処理
その他、電離放射線硬化時に同時に熱処理を行う工程も好ましい。
(熱処理)
本発明においては、上記のとおり、電離放射線による照射と組み合わせて熱処理を行うことが好ましい。熱処理は、光学フィルムの支持体、耐擦傷性層含めた構成層を損なうものでなければ特に制限はないが、好ましくは60〜200℃、更に好ましくは80〜130℃、最も好ましくは80〜110℃である。
熱処理に要する時間は、使用成分の分子量、その他成分との相互作用、粘度などにより異なるが、30秒〜24時間、好ましくは60秒〜5時間、最も好ましくは3分〜30分である。
(電離放射線照射)
電離放射線の種類については、特に制限はなく、X線、電子線、紫外線、可視光、赤外線などが挙げられるが、紫外線が広く用いられる。例えば塗膜が紫外線硬化性であれば、紫外線ランプにより10mJ/cm〜1000mJ/cmの照射量の紫外線を照射して各層を硬化するのが好ましい。照射の際には、前記エネルギーを一度に当ててもよいし、分割して照射することもできる。特に塗膜の面内での性能ばらつきを少なくする点からは、2〜8回程度に分割して照射することも好ましい。また、耐擦傷性層以外に他の層を形成する場合は、各層ごとに照射を行ってもよいし、積層後に複数層に対して照射してもよい。
熱処理及び電離放射線照射については、特開2008−242314の段落[0148]〜[0155]に記載されており、本発明においても同様である。
(13)鹸化処理
本発明の防眩フィルムは、片面に粘着層を設ける等してディスプレイの最表面に配置したり、そのまま偏光板用保護フィルムとして使用される場合には、十分に接着させるために、透明支持体上に本発明における耐擦傷性層を形成した後、鹸化処理を実施することが好ましい。
(14)偏光板
本発明の防眩フィルムは、偏光膜とその両側に配置された保護フィルムとからなる偏光板の、その保護フィルムの一方又は両方に使用して、防眩性を有する偏光板とすることができる。
一方の保護フィルムとして本発明の防眩フィルムを用い、他方の保護フィルムには、通常のセルロースアセテートフィルムを用いてもよいが、その他方の保護フィルムには、溶液製膜法で製造され、かつ10〜100%の延伸倍率でロールフィルム形態における幅方向に延伸したセルロースアセテートフィルムを用いることが好ましい。
また、偏光膜の2枚の保護フィルムのうち、本発明の防眩フィルム以外のフィルムが、光学異方層を含んでなる光学補償層を有する光学補償フィルムであることも好ましい態様である。光学補償フィルム(位相差フィルム)は、液晶表示画面の視野角特性を改良することができる。光学補償フィルムとしては、公知のものを用いることができるが、視野角を広げるという点では、特開2001−100042号公報に記載されている光学補償フィルムが好ましい。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
また偏光膜としては、公知の偏光膜や、偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜から切り出された偏光膜を用いてもよい。偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜は以下の方法により作製される。
すなわち、連続的に供給されるポリビニルアルコール系フィルムなどのポリマーフィルムの両端を保持手段により保持しつつ張力を付与して延伸して、少なくともフィルム幅方向に1.1〜20.0倍に延伸し、フィルム両端の保持装置の長手方向進行速度差が3%以内で、フィルム両端を保持する工程の出口におけるフィルムの進行方向と、フィルムの実質延伸方向のなす角が、20〜70゜傾斜するように、フィルム進行方向を、フィルム両端を保持させた状態で屈曲させてなる延伸方法によって製造することができる。特に45°傾斜させたものが生産性の観点から好ましく用いられる。
ポリマーフィルムの延伸方法については、特開2002−86554号公報の段落番号0020〜0030に詳しい記載がある。
(15)画像表示装置
本発明の防眩フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に用いられる。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(防眩層用塗布液の調製)
以下の組成で防眩層用塗布液を調製した。
PET−30 50.9g
ビスコート360 30.5g
イルガキュア127 3.2g
8μm架橋アクリル−スチレン粒子分散液(30%) 35.8g
8μm架橋アクリル粒子分散液(30%) 21.5g
SP−13 0.1g
MIBK(メチルイソブチルケトン) 21.8g
MEK(メチルエチルケトン) 34.7g
上記防眩層用塗布を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して塗布液を調製した。上記塗布液において硬化後のマトリックスの屈折率は1.51であった。
粒子の分散液は攪拌しているMIBK溶液中に下記の粒子を分散液の固形分濃度が30質量%になるまで徐々に加え、30分攪拌して作製した。樹脂粒子は積水化成品工業(株)製を用いた。
8μm架橋アクリル−スチレン粒子:屈折率1.56(アクリル/スチレン比:3/7)
8μm架橋アクリル粒子:屈折率1.50
(無機微粒子分散液の調製)
(分散液A−1の調製)
シリカゾル(シリカ、MEK−ST−L、平均粒径45nm、固形分濃度30%、日産化学社製)の500質量部に対してアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン20質量部、及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテート1.5質量部加え混合した後に、イオン交換水を9質量部加えた。60℃で8時間反応させた後に室温まで冷却し、アセチルアセトン1.8質量部を添加した。最終的に固形分が20%になるように調節して分散液A−1を調製した。
(分散液A−2の調製)
前記分散液A−1で用いたシリカゾルの代わりに、シリカゾル(シリカ、MEK−ST、平均粒径15nm、固形分濃度30%、日産化学社製)としたこと以外はA−1と同様にして、分散液A−2を調製した。
(分散液B−3の調製)
特開2002−79616の調製例4から調製時の条件を変更して、内部に空洞を有するシリカ微粒子を作製した。これを水分散液状態からメタノールに溶媒置換し、更に総液量がほぼ一定になるようにMEKを添加しながら減圧蒸留により溶媒を置換した。最終的に固形分が20%になるように調節して、平均粒子径45nm、シェル厚み約7nm、シリカ粒子の屈折率1.30の粒子が得られた。これを分散液B−3とする。
(分散液A−3の調製)
分散液(B−3)の500質量部に対してアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン15質量部、及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテート1.5質量部加え混合した後に、イオン交換水9質量部を加えた。60℃で8時間反応させた後に室温まで冷却し、アセチルアセトン1.8質量部を添加した。最終的に固形分が20%になるように調節して分散液A−3を調製した。
(耐擦傷性層用塗布液の調製)
DPHAを2.0g、分散液A−1を1.4g、分散液A−2を2.4g、重合開始剤(イルガキュア127(商品名)、チバ・ジャパン社製)0.1g、セルロースアセテートブチレート(CAB/分子量5万)0.2g、メチルエチルケトン74.6g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート19.4gを添加、攪拌の後、孔径5μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、耐擦傷性層用塗布液1を調製した。
また、無機微粒子、電離放射線硬化性化合物、及び有機高分子増粘剤を表1に記載したように変更する以外は前記耐擦傷性層用塗布液1と同様に耐擦傷性層用塗布液2〜13を調製した。
表中で、各成分の後にある( )は、塗布液の全固形分に対する、該成分の固形分の比率(質量%)を表す。
(防眩層の塗設)
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士フイルム(株)製)をロール形態で巻き出して、防眩層用塗布液を使用し特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量100mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ巻き取った。防眩層の膜厚は14μmとなるように塗布量を調整した。得られた防眩層の屈折率は1.52であった。
(耐擦傷性層の塗設)
上記防眩層を塗設したトリアセチルセルロースフィルムを再び巻き出して、上記耐擦傷性層用塗布液1〜13を前記のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、90℃で75秒乾燥の後、窒素パージ下酸素濃度0.01〜0.1%で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量240mJ/cmの紫外線を照射し、厚さ100nmの耐擦傷性層を形成し、巻き取り、防眩フィルム試料1を作製した。耐擦傷性層用塗布液1を使用して得られた耐擦傷性層の屈折率は1.49であった。
それぞれ使用した化合物を以下に示す。
PET−30:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
ビスコート360:トリメチロールプロパンEO付加トリアクリレート [大阪有機化学工業(株)製]
DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
アクリルポリマー:[三菱レイヨン製、分子量75,000]
P−12:含フッ素共重合体、特開2007−293325号公報の例示化合物(P−12)、主鎖にシリコーンを含み、側鎖に水酸基と重合性官能基としてアクリロイル基を有する含フッ素共重合体、数平均分子量3万、Mw/Mn=1.6
イルガキュア127:重合開始剤[チバ・ジャパン製]
SP−13:フッ素系の界面活性剤(MEK溶媒に固形分濃度40質量%で溶解しているものを用いた。)
MEK−ST−L:シリカ(平均粒径45nm、固形分濃度30%)[日産化学工業
(株)製]
MEK−ST:シリカ(平均粒径15nm、固形分濃度30%)[日産化学工業(株)製]
X−22−164C:ポリシロキサン系防汚剤[信越化学工業(株)製]
Figure 2011069913
(防眩フィルムの鹸化処理)
得られた防眩フィルムを本分記載の鹸化標準条件で処理・乾燥した。
アルカリ浴:1.5mol/dm水酸化ナトリウム水溶液、55℃で120秒。
第1水洗浴:水道水、60秒。
中和浴:0.05mol/dm硫酸、30℃−20秒。
第2水洗浴:水道水、60秒。
乾燥:120℃、60秒。
(防眩フィルムの評価)
上記の鹸化済みの防眩フィルムを用いて以下の評価を行った。
(評価1)消しゴム耐擦傷性評価
ラビングテスターを用いて、以下の条件で擦りテストを行った。
評価環境条件:25℃、60%RH。
擦り材:試料と接触するテスターの擦り先端部(1cm×1cm)にプラスチック消しゴム{(株)トンボ鉛筆製“MONO”(登録商標)}を固定した。
移動距離(片道):4cm、
擦り速度:2cm/秒、
荷重:250g/cm
先端部接触面積:1cm×1cm。
擦り回数:200往復。
擦り終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射光で目視観察して、こすり部分の傷を、以下の基準で評価した。
A:注意深く見ても、全く傷が見えない。
B:弱い傷が見える。
C:一目見ただけで分かる傷がある。
(評価2)白化の評価
試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射光で目視観察して、耐擦傷性層の白化を以下の基準で評価した。
A:注意深く見ても、白化が全く見えない。
B:注意深く見ると、僅かに白化が見える。
C:一目見ただけで白化が視認できる。
(評価3)面状均一性
試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射光で目視観察して、帯電防止層の面状均一性を以下の基準で評価した。
A:注意深く見ても、面状にムラが全く見えない。
B:注意深く見ると、僅かにムラが見える。
C:一目見ただけでムラが視認できる。
(評価4)防汚性
フィルム表面に書いた速乾性油性インキ(ゼブラ製、「マッキー」(登録商標))を東レ(株)製「トレシー」(登録商標)を用いて数回擦ってふき取った状態を以下の基準に従って3段階で評価した。
A:書いた跡が完全にふき取れた。
B:一部がふき取れずに残った。
C:大部分がふき取れずに残った。
Figure 2011069913
表1中、PMMAはポリメタクリル酸メチル(分子量10万)を表す。
表1より、無機微粒子として大サイズシリカのみを用いた系(試料6)では、高い耐擦傷性は有するものの、白化が目立ち、一方で小サイズシリカのみを用いた系(試料7)では、白化は起きないものの、耐擦傷性が低下している。これら2種のシリカを組み合わせる(試料5)ことで、ある程度耐擦傷性と白化は改善され、更にCABを加える(試料1)ことで、耐擦傷性を低下させることなく、白化を完全に抑制することができた。
[液晶表示装置での評価]
(偏光板の作製)
1.5mol/L、55℃のNaOH水溶液中に2分間浸漬したあと中和、水洗した、80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士フイルム(株)製)と、光学積層体の試料1〜21における鹸化処理済みの各々のフィルムに、ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させ、延伸して作製した偏光子の両面を接着、保護して偏光板を作製した。
(液晶表示装置の作製)
VA型液晶表示装置(LC−37GS10、シャープ(株)製)に設けられている偏光板及び位相差膜を剥がし、代わりに上記で作製した偏光板を透過軸が製品に貼られていた偏光板と一致するように貼り付けて、光学積層体を有する液晶表示装置を作製した。なお、光学積層体が視認側になるように貼り付けた。
上記のようにして作製された偏光板及び画像表示装置は、それぞれ貼り付けた光学積層体と同様、実施例は比較例に比べ、白化やスジ、ムラの無い優れた面状、耐傷擦性を示した。また、実施例では表示品位の非常に高く、防汚性にすぐれた表示装置が得られた。

Claims (11)

  1. 透明プラスチックフィルム基材上に、表面に微細な凹凸を有する防眩層を有し、かつ基材に対して防眩層側の最表面に耐擦傷性層を有し、該耐擦傷性層の平均膜厚が0.03〜0.50μmであり、該耐擦傷性層が少なくとも下記成分(A)〜(D)を含有し、かつ重合性含フッ素バインダーを実質的に含有しない硬化性組成物より形成されることを特徴とする防眩フィルム。
    (A)平均粒径が40nm以上100nm以下の無機微粒子
    (B)平均粒径が1nm以上40nm未満の無機微粒子
    (C)電離放射線硬化性多官能モノマー
    (D)有機高分子増粘剤
  2. 前記(A)及び(B)の少なくともいずれかの無機微粒子の表面が下記一般式(I)で表される化合物を用いて表面処理されている無機微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の防眩フィルム。
    一般式(I): (R10−Si(X114−m
    (式中、R10は置換若しくは無置換のアルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。X11は水酸基又は加水分解可能な基を表す。mは1〜3の整数を表す。)
  3. 前記(D)有機高分子増粘剤がセルロースエステルであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の防眩フィルム。
  4. 前記耐擦傷性層の屈折率が前記防眩層の屈折率より低いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防眩フィルム。
  5. 前記(A)及び(B)の少なくともいずれかの無機微粒子が、内部に空孔を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防眩フィルム。
  6. 前記耐擦傷性層中に防汚剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防眩フィルム。
  7. 前記防眩層が少なくとも1種の透光性樹脂と少なくとも1種の光拡散性粒子を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の防眩フィルム。
  8. 前記光拡散性粒子の平均粒子径が5.5〜15μmであり、前記防眩層の平均膜厚が8〜40μmであることを特徴とする請求項7に記載の防眩フィルム。
  9. 偏光膜と該偏光膜の両側に保護フィルムを有する偏光板であって、少なくとも一方の保護フィルムが請求項1〜8のいずれかに記載の防眩フィルムであることを特徴とする偏光板。
  10. 偏光膜と該偏光膜の両側に保護フィルムを有する偏光板であって、一方の保護フィルムが請求項1〜8のいずれかに記載の防眩フィルムであり、もう一方の保護フィルムが光学異方性のある光学補償フィルムであることを特徴とする偏光板。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の防眩フィルム、請求項9及び10に記載の偏光板のうちいずれかを画像表示面に有することを特徴とする画像表示装置。
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