JP6506670B2 - 露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、露光装置及び該露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
従来、極微細パターンから形成される半導体素子の製造工程において、原版(レチクル)に描かれた回路パターンを、フォトレジストが塗布されたウエハ等の基板上に縮小投影して基板を露光する露光装置が使用されている。露光装置は、基板面のショット領域を移動しながら露光を繰り返す、所謂ステップ・アンド・スキャン方式を採用している。
露光装置では、露光光が投影光学系を介して照射される際に、ウエハ上に塗布されるフォトレジストから発生する揮発性物質等が、投影光学系の光学素子の表面に付着して、光学素子の表面を汚染してしまうことがある。このような光学素子の表面の汚染により、露光光が投影光学系を透過する透過率(照度分布)が低下し、ウエハ上の回路パターンに焼き付け誤差を生じる可能性がある。投影光学系の高い解像力を維持して生産性を保つには、投影光学系の透過率(照度分布)が許容範囲を維持するように、一定の周期で透過率(照度分布)を計測し、許容範囲を超えた場合に光学素子表面の洗浄を行っていた。
特許文献1には、露光装置の基板ステージに搭載している光検出センサを用いて、投影光学系の光学素子の表面反射率を計測して、光学素子表面の汚染状態を示す情報を取得することが開示されている。特許文献2には、照明光学系、投影光学系の光学素子で生じるフレアが許容範囲を超えた場合に、光学素子に付着した汚染物を迅速に除去する方法が開示されている。
特開2009−33048号広報 特開2009−27196号広報
しかしながら、一定のメンテナンス周期で、光学系の光学素子の透過率を計測し光学素子表面を洗浄しても、露光装置の使用環境の違いにより、メンテナンス周期内に光学素子表面が汚染されて高い解像力を維持することができない場合がある。このような場合には、急遽、露光装置の生産稼働を一時停止し、人手により汚染された光学素子の場所を探し、洗浄等のメンテナンスを施して復旧する必要があった。そのため、従来の露光装置では、生産性を著しく低下させることがあった。
本発明は、汚染された光学素子を迅速に特定し得る露光装置を提供することを目的とする。
本発明は、原版のパターンの像を基板の上に形成するための光学系を有する露光装置であって、前記光学系は、瞳面と、該瞳面を挟むように配置された第1光学素子および第2光学素子と、を含み、前記第1光学素子および前記第2光学素子の表面は、中央領域と、該中央領域よりも汚染されにくい周辺領域と、を含み、前記露光装置は、前記瞳面における光強度分布を計測する計測器と、前記光学系の光軸から離れた位置に前記計測器が配置された状態で、前記中央領域の一部と前記周辺領域の一部との双方を含む領域を通過した光束の前記計測器により計測された光強度分布に基づいて、前記第1光学素子および前記第2光学素子それぞれの汚染状態を判定する処理部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、汚染された光学素子を迅速に特定し得る露光装置を提供することができる。
本発明の1つの側面は、原版のパターンの像を基板の上に形成するための光学系を有する露光装置であって、前記光学系は、瞳面と、該瞳面を挟むように配置された第1光学素子および第2光学素子と、を含み、前記第1光学素子および前記第2光学素子の表面は、中央領域と、該中央領域よりも汚染されにくい周辺領域と、を含み、前記露光装置は、前記瞳面における光強度分布を計測する計測器と、前記光学系の光軸から離れた位置に前記計測器が配置された状態で、前記中央領域の一部と前記周辺領域の一部との双方を含む領域を通過した光束の前記計測器により計測された光強度分布に基づいて、前記第1光学素子および前記第2光学素子それぞれの汚染状態を判定する処理部と、を備え、前記処理部は、前記計測器により計測された光強度分布の重心位置をその基準位置と比較することによって、前記第1光学素子および前記第2光学素子の中に汚染された光学素子が有るか否かを判定し、有りと判定した場合に、汚染された光学素子が前記第1光学素子、前記第2光学素子、またはその双方のいずれなのかを判定することを特徴とする。
以下に、本発明の実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係わるステップ・アンド・スキャン型の露光装置の概略構成を示す。露光装置は、スリット形状の光に対して原版および基板を走査し、原版を介して基板上の各ショット領域を露光する。例えば、KrF等のガスが封入され、レーザ光を発光させるレーザ光源101は、遠紫外領域の波長248nmの光を射出する。レーザ光源101は、共振器を構成するフロントミラー、狭帯化モジュール、モニタモジュール及びシャッタ等を含む。狭帯化モジュールは、回折格子やプリズム等からなり、露光波長を狭帯化する。モニタモジュールは、分光器やディテクタ等からなり、スペクトル幅をモニタする。
レーザ光源101のガス交換動作あるいは波長安定化のための制御、放電印加電圧の制御等は、レーザ制御部102により制御される。この実施形態では、レーザ制御部102のみによる単独制御は行わず、インタフェースケーブルで接続した、露光装置全体を制御する主制御部103からの命令で制御できるようにしてある。主制御部103は、後述する各制御部を統括するコンピュータである。主制御部103、レーザ制御部102、後述する照明光学系制御部108、投影光学系制御部129、原版ステージ制御部126、基板ステージ制御部120は、制御部Cを構成する。
レーザ光源101より射出されたレーザ光は、第1照明光学系104の整形光学系(不図示)を介して所定の形状に整形された後、インテグレータレンズ105に入射され2次光源を形成する。コンデンサーレンズ107は、原版(レチクル)113の照度分布を変える。コンデンサーレンズ107は、開口幅を変え得る可変スリット110に2次光源からの光束を指向させ、可変スリット110をケーラー照明する。可変スリット110は、開口幅を変え得る機構を有しており、開口幅を制御することで、スリット形状の光(露光光)203の非走査方向の光強度分布(照度分布)を均一化している。
開口絞り106の開口部はほぼ円形であり、照明光学系制御部108によってその開口部の直径、ひいては照明光学系ILの開口数(NA)を所望の値に設定できるようになっている。後述する投影光学系114の開口数に対する照明光学系ILの開口数の比がコヒーレンスファクタ(σ値)であるため、照明光学系制御部108は、第1照明光学系104の開口絞り106を制御することで、σ値を設定できることになる。
第1照明光学系104の光路上にはハーフミラー111が配置され、レチクル113を照明する露光光の一部がこのハーフミラー111により反射され取り出される。ハーフミラー111の反射光の光路上にはフォトセンサ109が配置される。フォトセンサ109は、露光光の強度(露光エネルギー)に対応した出力を発生する。フォトセンサ109の出力は、レーザ光源101のパルス発光毎に積分を行う積分回路(不図示)によって1パルスあたりの露光エネルギーに変換され、照明光学系制御部108を介して露光装置本体を制御する主制御部103に入力されている。
投影光学系114の瞳面(レチクル113に対するフーリエ変換面)上には、開口部がほぼ円形である開口絞り(不図示)が配置され、開口部の直径をモータ等の駆動機構によって制御することで所望の値に設定できる。レチクル113には半導体素子の回路パターンに対応したパターン202が形成されており、照明光学系ILより照明される。2次元方向(X−Y方向)の可変ブレード112は、光軸に直交する面内に可動の遮光部材を配置し、レチクル113のパターン面の照射領域を任意に設定可能にしている。図2にレチクル113を照明している状態を示す。可変ブレード112によって遮光されたスリット形状の光203が、斜線で示すレチクルのパターン202の一部を照明する。
図1の投影光学系114によって、フォトレジストが塗布された基板115上にパターン202の一部を縮小倍率β(例えば1/4)で縮小露光する。この時、原版ステージ123及び基板ステージ116をスリット形状の光203に対し、投影光学系114の縮小比率βと同じ速度比率で互いに逆方向(Y:走査方向)にスキャンさせる。そして、レーザ光源101からのパルス発光による多パルス露光を繰り返す。その結果、レチクル113全面のパターン202が、基板115上のショット領域(単にショットともいい、1チップ領域または複数チップ領域に対応)に転写される。なお、図2において、投影光学系114の光軸に平行な軸をZ軸としたとき、それに直交し且つ互いに直交する2軸のうち、基板115または後述の基板ステージ116の走査方向に平行な軸をY軸、残りの軸をX軸としている。主制御部103の制御下にある原版ステージ制御部126は、レーザ干渉計125により原版ステージ123に設置された移動鏡124の位置を検出し、原版ステージ123を所定のX−Y面位置へ移動させる。
可動光学素子127は投影光学系114を構成する光学素子の一部である。可動光学素子127は鏡筒130により保持されており、可動光学素子の駆動機構128は、空気圧や圧電素子などを利用して鏡筒130を光軸上で移動できる。投影光学系制御部129から可動光学素子127の光軸上の位置を制御することで、投影光学系114の諸収差の増加を防止しつつ、投影倍率や歪曲誤差を良好にしている。
基板ステージ116は、基板115を保持して3次元方向に移動可能であり、投影光学系114の光軸方向(Z方向)及び、この方向に直交する面内(X−Y面)を移動できる。基板ステージ116に固定された移動鏡117との間の距離をレーザ干渉計118で計測することで、基板ステージ116のX−Y面位置が検出される。主制御部103の制御下にある基板ステージ制御部120は、レーザ干渉計118により基板ステージ116の位置を検出し、モータ等の駆動機構119を制御することで、基板ステージ116を所定のX−Y面位置へ移動させる。
本発明の課題である照明光学系ILおよび投影光学系114の光学素子の表面の汚染について説明する。図1の基板(ウエハ)115に塗布されるフォトレジストから発生する揮発性物質等が、投影光学系114の下面の光学素子(第1素子)133の表面に付着して光学素子133の表面を汚染してしまうことがある。また、投影光学系114の瞳面より上流側の端部に配置された光学素子(第3素子)132は、空気環境に接している。第1照明光学系104の瞳面の下流側の端部に配置された光学素子(第5素子)137も、空気環境に接している。さらに、第2照明光学系136の瞳面の下流側端部、上流側端部にそれぞれ配置された光学素子(第2素子)131、光学素子(第4素子)138も、空気環境に接している。そのため、短波長の露光光が空気中の有機不純物と光化学反応した生成物が光学素子137、138、131、132付着し、光学素子137、138、131、132の表面を汚染してしまうことがある。このように光学素子の表面汚染が進行すると、露光光は、表面汚染物で散乱されたり吸収されたりして、光学素子を透過する透過光量が減少し、基板115上の回路パターンに焼付け誤差を生じることがある。
ここで、第1照明光学系104および第2照明光学系136は、照明光学系ILを構成している。照明光学系ILおよび投影光学系114は、原版113のパターンの像を基板115の上に形成するための光学系を構成している。光学素子(第1素子)133、光学素子(第2素子)131、光学素子(第5素子)137は、前記光学系の第1光学素子を構成している。一方、光学素子(第3素子)132、光学素子(第4素子)138は、前記光学系の第2光学素子を構成している。
次に、投影光学系114の瞳面における光強度分布を計測する計測器135の構成と計測方法について説明する。図3は、投影光学系114の瞳面の光強度分布を計測する際の露光装置を示している。基板ステージ116の上に設置されている計測器135のピンホール403が投影光学系114の光軸LAの結像面WPに位置するよう、レーザ干渉計118で基板ステージ116の位置を検知しながら、基板ステージ116をXYZ方向に移動する。原版ステージ123に配置したプレート134のピンホールが、照明光の光軸LAに位置するようレーザ干渉計125で原版ステージ123の位置を検知しながら、原版ステージ123をXYZ方向に移動する。
図4(a)は、輪帯形状の露光光(照明光)を計測器135で計測する際の結像状態を示した図である。輪帯形状の照明光401は、投影光学系114の結像面WPに配置した直径数十μmの極小ピンホール403を通過し、輪帯形状の照明光401と等価な瞳面の光強度分布で受光部405に入射する。受光部405として例えば2次元CCDイメージセンサを用いて、照明光の強度分布の明暗に応じて光電変換された瞳面の光強度分布404を計測することができる。本実施形態では、受光部405として、図4(b)で示すような格子状に配置された512×512の2次元CCDイメージセンサを用いる。なお、本実施形態では、投影光学系114の瞳面の光強度分布を計測するときに使用する照明光として、輪帯形状の照明光を使用した。しかし、多重極形状、円形状の照明光も、瞳面の光強度分布を計測するときの照明光として使用可能である。
図4(b)のXY方向は、図3で述べた計測器135が搭載されている基板ステージ116のXY方向と同一方向である。瞳面の光強度分布404は、計測器135に格子状に配置されたイメージセンサ分割領域(x,y)ごとに光量が計測され、A(x,y)で表わされている。A(x,y)の計測値が0の場合、露光光(照明光)が無いことを意味する。
図3に戻り、レーザ光源101からパルス発光を繰り返し射出すると、所定の有効光源分布を形成した露光光(照明光)は、原版ステージ123のプレート134のピンホールで光束を絞る。その後、露光光(照明光)は、投影光学系114を通過し、計測器135のピンホール403の結像面WPで集光され、広がった瞳面の光強度分布404が受光部405の2次元CCDセンサに照射される。主制御部103は、計測器135の計測結果を図4(b)で説明した分割領域における瞳面の光強度分布A(x,y)の形式で記録する。
次に、瞳面の光強度分布を計測し、光学素子の表面状態を主制御部(処理部)103により判定する方法について図5を用いて説明する。図5のXYZ方向は、基板ステージ116のXYZ方向と同一方向であり、X方向が非走査方向を示している。図5(a)は、図3と同様に、計測器135で投影光学系114の光軸LAの瞳面の光強度分布を計測する際の露光装置を示している。図5(b)は、輪帯形状の露光光(照明光)を計測器135で計測した際の結像状態と、X方向断面の瞳面の光強度分布を光強度Eで表した図である。最初に投影光学系114の端部の光学素子132,133の表面が洗浄された初期状態で、露光装置の瞳面の光強度分布を計測する。光学素子132及び133を透過した光線502及び503は、透過光量が低下することなく、計測器135の受光部に照射される。光線502の光強度E502と光線503の光強度E503は共に、解像性能を維持できる許容範囲(規定光強度)Ethに対して十分の光強度であることを示している。この時の初期状態の瞳面の光強度分布をAO(x,y)として主制御部103に記憶しておく。
図5(c)は、図5(a)と同様に、計測器135で投影光学系114の光軸LAの瞳面の光強度分布を計測する際の露光装置である。露光装置により露光処理は、露光処理の対象とするショットが投影光学系の直下に位置するときになされる。また、照明光学系IL、投影光学系114の光軸近傍を通過する軸上光のパワーは、光軸から離れた領域を通過する軸外光のパワーより大きい。したがって、光学素子133の瞳面とは反対側の表面を、光軸LA近傍の中央領域と周辺領域とに分けたとき、図5(c)にように、光学素子133の光軸LA近傍の中央領域に汚染物501が付着する。光学素子133の汚染物501を透過する光線504及び505は、透過光量が汚染物501により散乱や吸収されて減少して(破線で図示)、計測器135の受光部に入射する。図5(d)は、汚染物501で汚染された光学素子133を透過した輪帯形状の露光光(照明光)を計測器135で計測した際の瞳面の光強度分布を光強度Eで表した図である。光学素子133を透過した光線504及び505は、図5(b)に示した初期状態に対して光強度が低下し、光線504の光強度E504と光線505の光強度E505は、解像性能を維持できる許容範囲(規定光強度)Ethを下回る。図5(b)に示す初期状態の瞳面の光強度分布から、図5(d)に示す汚染状態の瞳面の光強度分布へ変化した際に、解像性能を維持できる規定光強度Ethを下回ったか否かで、表面が汚染しているか否を判定することができる。
次に、表面が汚染した光学素子を推定する方法について説明する。図6は、投影光学系114の像面WP側の端部(像面WPと瞳面との間)に配置された光学素子133の表面汚染を検知する方法を示している。図6(a)は、図5(c)と同様に、光学素子133の表面の中央領域に汚染物601が付着した状態を示している。計測器135を光軸LAから非走査方向(X方向)に−Xだけ移動した位置で、投影光学系114の瞳面の光強度分布を計測している。投影光学系114の像面WPと瞳面との間に位置する光学素子133に着目する。光学素子133の表面の周辺領域を通過して汚染物601を透過しない光線602と、光学素子133の表面の中央領域を通過して汚染物601を透過する光線603(破線で図示)では透過光量に差が生じる。図6(a)の状態で輪帯形状の露光光(照明光)を計測器135で計測した際の瞳面の光強度分布Eを図6(b)に示す。この場合、計測器135は、光学素子133の表面の周辺領域の一部と中央領域の一部との双方を含む領域を通過した光束の光強度分布を計測する。光学素子133の表面の周辺領域を通過して汚染物601を透過しない光線602の光強度E602は、解像性能を維持できる許容範囲(規定光強度)Ethに対して十分である。一方、光学素子133の表面の中央領域を通過して汚染物601を透過する光線603の光強度E603は、解像性能を維持できる許容範囲(規定光強度)Ethを下回る。図5(b)に示した初期状態の瞳面の光強度分布A0(x、y)から、光軸LAに向かう方向の光強度E602に対して、光軸LAを離れる方向(−X方向)の光強度E603が減少する(E602>E603)。このとき、瞳面の光強度分布の重心位置は、初期状態の瞳面の光強度分布A0(x、y)の重心位置(基準位置)POから重心位置P606へ変化する。そのため、光強度分布の重心位置をその基準位置と比較して、重心位置の変化量で汚染が許容範囲を超えたか否かを判定することができる。
図6(c)は計測器135を光軸LAから非走査方向Xに+Xだけ移動した位置で、投影光学系114の瞳面の光強度分布を計測している。図6(a)と同様に、汚染物601を透過しない光線604と、汚染物601を透過する光線605(破線で図示)では透過光量に差が生じる。図6(c)の状態で輪帯形状の露光光(照明光)を計測器135で計測した際の瞳面の光強度分布Eを図6(d)に示す。汚染物601を透過しない光線604の光強度E604は許容範囲(規定光強度)Ethに対して十分であるが、汚染物601を透過する光線605の光強度E605は、解像性能を維持できる許容範囲(規定強度)Ethを下回る。図5(b)に示した初期状態の瞳面の光強度分布A0(x,y)から、光軸LAに向かう方向の光強度E604に対して、光軸LAを離れる方向(+X方向)の光強度E605が減少する(E604>E605)。この時の瞳面の光強度分布の重心位置は、初期状態の瞳面の光強度分布A0(x,y)の重心位置POから重心位置P607へ変化するため、重心位置の変化量で許容範囲を超えたか否かを判定することができる。
図9は、第2照明光学系136の投影光学系114側の端部に配置された光学素子131の表面汚染を検知する方法を示している。光学素子131は、投影光学系114の瞳面と共役な面と投影光学系114の物体面RPとの間に位置している。図9(a)は、図6(a)と同様に、光学素子131の光軸LA付近に汚染物901が付着した状態を示している。計測器135を光軸LAから非走査方向Xに−Xだけ移動した位置で、投影光学系114の瞳面の光強度分布を計測している。第2照明光学系136の下端部に位置する光学素子131の場合、汚染物901を透過しない光線902と、汚染物901を透過する光線903(破線で図示)では透過光量に差が生じる。図9(a)の状態でポール状の露光光(照明光)908を、計測器135で計測した際の瞳面の光強度分布Eを図9(b)に示す。汚染物901を透過しない光線902の光強度E902は、解像性能を維持できる許容範囲(規定光強度)Ethに対して十分である。一方、汚染物901を透過する光線903の光強度E903は、解像性能を維持できる許容範囲(規定光強度)Ethを下回る。図6(b)と同様に、光強度E902に対して光強度E903が減少し(E902>E903)、この時の瞳面の光強度分布の重心位置は、初期状態の瞳面の光強度分布AO(x,y)の重心位置POから重心位置P906へ変化する。そのため、重心位置の変化量で許容範囲を超えたか否かを判定することができる。
図9(c)は、計測器135を光軸LAから非走査方向Xに+Xだけ移動した位置で、投影光学系114の瞳面の光強度分布を計測している。図9(a)と同様に、汚染物901を透過しない光線904と、汚染物901を透過する光線905(破線で図示)では透過光量に差が生じる。図9(c)の状態でポール状の露光光(照明光)908を、計測器135で計測した際の瞳面の光強度分布Eを図9(d)に示す。汚染物901を透過しない光線904の光強度E904は許容範囲(規定光強度)Ethに対して十分である。一方、汚染物901を透過する光線905の光強度E905は、解像性能を維持できる許容範囲(規定強度)Ethを下回る。光強度E904に対して光強度E905が減少し(E904>E905)、この時の瞳面の光強度分布の重心位置は、初期状態の瞳面の光強度分布AO(x,y)の重心位置POから重心位置P907へ変化する。そのため、重心位置の変化量で許容範囲を超えたか否かを判定することができる。
図10は、第1照明光学系104、第2照明光学系136や投影光学系114の下流側端部に配置された光学素子137、131、133の表面汚染を検知する方法を示している。光学素子137、131、133は、像面WP及びその共役面から選ばれた第1の面と、投影光学系114の瞳面及びその共役面から選ばれ第1の面と隣接しかつ第1の面より光源側の第2の面との間に位置している。図10(a)は、光学素子137の光軸LA付近に汚染物1001、光学素子131の光軸LA付近に汚染物1002、光学素子133の光軸LA付近に汚染物1003が付着した状態を示している。計測器135を光軸LAから非走査方向Xに−Xだけ移動した位置で、投影光学系114の瞳面の光強度分布を計測している。第1の面の上流(上側)に位置する光学素子137、133、131の場合、汚染物を透過しない光線1004と、汚染物1001、1002、1003を透過する光線1005(破線で図示)では透過光量に差が生じる。図10(b)にポール状の露光光(照明光)を、計測器135で計測した際の瞳面の光強度分布Eを示している。汚染物を透過しない光線1004の光強度E1004は、解像性能を維持できる許容範囲(規定光強度)Ethに対して十分である。一方、汚染物を透過する光線1004の光強度E1005は、解像性能を維持できる許容範囲(規定光強度)Ethを下回る。図6、図9と同様に、光強度E1004に対して光強度E1005が減少し(E1004>E1005)、この時の瞳面の光強度分布の重心位置は、初期状態の瞳面の光強度分布AO(x,y)の重心位置POから重心位置P1008へ変化する。そのため、重心位置の変化量で許容範囲を超えたか否かを判定することができる。
図10(c)は計測器135を光軸LAから非走査方向Xに+Xだけ移動した位置で、投影光学系114の瞳面の光強度分布を計測している。図10(a)と同様に、汚染物を透過しない光線1006と、汚染物を透過する光線1007(破線で図示)では透過光量に差が生じ、汚染物を透過しない光線1006の光強度E1006は許容範囲(規定光強度)Ethに対して十分である。一方、汚染物を透過する光線1007の光強度E1007は、解像性能を維持できる許容範囲(規定強度)Ethを下回る。光強度E1006に対して光強度E1007が減少し(E1006>E1007)、この時の瞳面の光強度分布の重心位置は、初期状態の瞳面の光強度分布AO(x,y)の重心位置POから重心位置P1009へ変化する。そのため、重心位置の変化量で許容範囲を超えたか否かを判定することができる。
図6、図9及び図10では、投影光学系114の光軸外の瞳面の光強度分布を計測すると、光軸LAを離れる方向の光強度が減少する、つまり、瞳面の光強度分布の重心位置が光軸LAに向かう方向へ変化する。重心位置の光軸LA方向への変化量が許容範囲を超えた場合、第1照明光学系104、第2照明光学系136、投影光学系114の下流側端部の光学素子の表面が汚染していると推定することができる。
図7は、投影光学系114の上流側端部(物体面と瞳面との間)に配置された光学素子132の表面汚染を検知する方法を示している。図7(a)は、光学素子132の光軸LA付近に汚染物701が付着した状態を示している。計測器135を光軸LAから非走査方向Xに−Xだけ移動した位置で、投影光学系114の瞳面の光強度分布を計測している。物体面RPの下流(下側)に位置する光学素子132の場合、汚染物701を透過しない光線703と、汚染物701を透過する光線702(破線で図示)では透過光量に差が生じる。図7(a)の状態で輪帯形状の露光光(照明光)を計測器135で計測した際の瞳面の光強度分布Eを図7(b)に示す。汚染物701を透過しない光線703の光強度E703は、解像性能を維持できる許容範囲(規定光強度)Ethに対して十分である。一方、汚染物701を透過する光線702の光強度E702は、解像性能を維持できる許容範囲(規定光強度)Ethを下回る。光軸LAに向かう方向の光強度E702に対して、光軸LAを離れる方向(−X方向)の光強度E703が増加する(E702<E703)。この時の瞳面の光強度分布の重心位置は、初期状態の瞳面の光強度分布AO(x,y)の重心位置POから重心位置P706へ変化する。そのため、重心位置の変化量で許容範囲を超えたか否かを判定することができる。
図7(c)では、計測器135を光軸LAから非走査方向Xに+Xだけ移動した位置で、投影光学系114の瞳面の光強度分布を計測している。図7(a)と同様に、汚染物701を透過しない光線705と、汚染物701を透過する光線704(破線で図示)では透過光量に差が生じる。図7(c)の状態で輪帯形状の露光光(照明光)を計測器135で計測した際の瞳面の光強度分布Eを図7(d)に示す。汚染物701を透過しない光線705の光強度E705は許容範囲(規定光量)Ethに対して十分である。一方、汚染物701を透過する光線704の光強度E704は、解像性能を維持できる許容範囲(規定光強度)Ethを下回る。光軸LAに向かう方向の光強度704に対して、光軸LAを離れる方向(+X方向)の光強度E705が増加する(E704<E705)。この時の瞳面の光強度分布の重心位置は、初期状態の瞳面の光強度分布AO(x,y)の重心位置POから重心位置P707へ変化する。そのため、重心位置の変化量で許容範囲を超えたか否かを判定することができる。
図11は、第2照明光学系136や投影光学系114の上流側端部に配置された光学素子138、132の表面汚染を検知する方法を示している。光学素子138、132は、像面WP及びその共役面から選ばれた第1の面と、投影光学系114の瞳面及びその共役面から選ばれ第1の面と隣接しかつ第1の面より基板ステージ側の第3の面との間に位置している。図11(a)は、光学素子138の光軸LA付近に汚染物1101、光学素子132の光軸LA付近に汚染物1002、光学素子133の光軸LA付近に汚染物1003が付着した状態を示している。計測器135を光軸LAから非走査方向Xに−Xだけ移動した位置で、投影光学系114の瞳面の光強度分布を計測している。第2照明光学系136や投影光学系114の上流側端部に配置された光学素子138、132の場合、汚染物を透過しない光線1103と、汚染物1101、1102を透過する光線1104(破線で図示)では透過光量に差が生じる。図11(b)は、ポール状の露光光(照明光)を計測器135で計測した際の瞳面の光強度分布Eを示しており、汚染物を透過しない光線1103の光強度E1103は、解像性能を維持できる許容範囲(規定光強度)Ethに対して十分である。しかし、汚染物を透過する光線1104の光強度E1104は、解像性能を維持できる許容範囲(規定光強度)Ethを下回る。図7と同様に、光軸LAに向かう方向の光強度E1104に対して、光軸LAを離れる方向(−X方向)の光強度E1103が増加する(E1103<E1104)。この時の瞳面の光強度分布の重心位置は、初期状態の瞳面の光強度分布AO(x,y)の重心位置POから重心位置P1107へ変化する。そのため、重心位置の変化量で許容範囲を超えたか否かを判定することができる。
図11(c)では、計測器135を光軸LAから非走査方向Xに+Xだけ移動した位置で、投影光学系114の瞳面の光強度分布を計測している。図11(a)と同様に、汚染物を透過しない光線1105と、汚染物を透過する光線1106(破線で図示)では透過光量に差が生じ、汚染物を透過しない光線1105の光強度E1105は許容範囲(規定光強度)Ethに対して十分である。しかし、汚染物を透過する光線1106の光強度E1106は、解像性能を維持できる許容範囲(規定強度)Ethを下回る。光強度E1105に対して光強度E1106が減少し(E1105>E1106)、この時の瞳面の光強度分布の重心位置は、初期状態の瞳面の光強度分布AO(x,y)の重心位置POから重心位置P1108へ変化する。そのため、重心位置の変化量で許容範囲を超えたか否かを判定することができる。
図7及び図11では、投影光学系の光軸外の瞳面の光強度分布を計測すると、光軸LAを離れる方向へ光強度が増加する、つまり、瞳面の光強度分布の重心位置が光軸LAを離れる方向へ変化する。重心位置の光軸LAを離れる方向への変化量が許容範囲を超えた場合、第2照明光学系136、投影光学系114の上流側端部の光学素子の表面が汚染していると推定することができる。
次に本発明のもう一つの特徴である、フレア光(漏れ光)を検出し、光学素子の表面状態を判定する方法について説明する。図12は、投影光学系114のフレア光(漏れ光)を検出するために物体面RPに配置するフレアレチクル1201を示しており、XYZ方向は、基板ステージ116のXYZ方向と同一方向で、X方向が非走査方向を示している。図12(a)は、フレアレチクル1201の上に印刷した投影光学系フレアを検出する遮光マーク1202を示している。遮光マーク1202は、露光装置の露光光(照明光)を遮光するように印刷されている。図12(b)は、フレアレチクル1201の遮光マーク1202に、スリット形状の光1203を照明する。遮光マーク1202の下方位置POに計測器135を移動して、遮光マーク1202からのフレア光を検出する様子を図示している。
図13は、投影光学系114のフレア光を、計測器135で検出する際の露光装置を示している。本実施形態では、フレア光を検出する検出器として、投影光学系114の瞳面の光強度分布を計測する計測器135を用いた。しかし、フレア光を検出する検出器として、投影光学系114の瞳面の光強度分布を計測する計測器135とは異なる検出器を用いることができる。図13のXYZ方向は、基板ステージ116のXYZ方向と同一方向であり、X方向が非走査方向を示している。図13(a)は、投影光学系114の光学素子132、133の表面が汚染していない状態の露光装置を、フレアレチクル1201を用いて、計測器135でフレア光を検出する様子を示している。フレアレチクル1201の遮光マーク1202の内側を照明した光線1203は、遮光マーク1202によって範囲1301が遮光されるため、計測器135まで透過しない。図13(b)は、図13(a)の装置状態で、遮光マーク1202の下方位置POのフレア光を計測器135で検出した際の光強度Eを示している。投影光学系114の光学素子132、133の表面が汚染していない初期状態では、投影光学系114のフレアを検出する遮光マーク1202の下方位置POにおいて、フレア光(漏れ光)は検出できない。
次に図13(c)は、投影光学系114の光学素子132、133の表面が汚染している状態の露光装置を、フレアレチクル1201を用いて、計測器135でフレア光を検出する様子を示している。光学素子132に汚染物1302がある場合は、照明光線1304は汚染物1302により反射(散乱)され、フレア光(漏れ光)として計測器135へ入射される。フレア光を計測器135で検出した際の光強度Eを図13(d)に示している。図13(b)で前述した通り、正常な装置状態では遮光マーク1202の下方位置POにおいて、フレア光(漏れ光)は検出できないの。しかし、光学素子132に汚染物1302がある場合は、遮光マーク1202の下方位置POで、計測器135を用いてフレア光1307を検出することができる。図示していないが、フレア光1307が許容値を超えたか否かの閾値を設けて汚染状態を判定する。
また、光学素子133に汚染物1303がある場合も同様に、照明光線1305は汚染物1303により反射(散乱)され、フレア光(漏れ光)として計測器135へ入射される。そのため、遮光マーク1202の下方位置POで、計測器135を用いてフレア光1307を検出することができる。遮光マーク1202の下方位置POにおいて、フレア光(漏れ光)が検出できた場合、投影光学系114の光学素子132、133の表面が汚染していると推定することができる。
図14は、第2照明光学系136のフレア光(漏れ光)を検出するためのフレアレチクル1401を示しており、XYZ方向は、基板ステージ116のXYZ方向と同一方向で、X方向が非走査方向を示している。図14(a)は、フレアレチクル1401の上に印刷した第2照明光学系136のフレアを検出する遮光マーク1402を示している。遮光マーク1402は、露光装置の露光光(照明光)を遮光するように印刷されている。図14(b)は、フレアレチクル1401の遮光マーク1402の内側に、スリット形状の光1403を照明する。遮光マーク1402の外側の隣接位置P1、P2に計測器135を移動して、遮光マーク1402からのフレア光を検出する様子を図示している。
図15は、第2照明光学系136のフレア光を計測器135で検出する際の露光装置を示している。図15のXYZ方向は、基板ステージ116のXYZ方向と同一方向であり、X方向が非走査方向を示している。図15(a)は、第2照明光学系136の光学素子138、131の表面が汚染していない状態の露光装置を、フレアレチクル1401を用いて、計測器135でフレア光を検出する様子を示している。フレアレチクル1401の遮光マーク1402の内側を照明した光線1403は、遮光マーク1402によって範囲1501が遮光されるため、計測器135まで透過しない。図15(b)は、図15(a)の装置状態で、遮光マーク1402の外側の隣接位置P1のフレア光を計測器135で検出した際の光強度Eを示している。第2照明光学系136の光学素子138、131の表面が汚染していない初期状態では、遮光マーク1402の内側を照明した光線1403は、下位置P1において、フレア光(漏れ光)は検出できない。
次に図15(c)は、第2照明光学系136の光学素子138、131の表面が汚染している状態の露光装置を、フレアレチクル1401を用いて、計測器135でフレア光を検出する様子を示している。光学素子138に汚染物1502がある場合は、照明光線1504は遮光マーク1402の表面物質と汚染物1502により反射(散乱)され、フレア光(漏れ光)として計測器135へ入射される。フレア光を計測器135で検出した際の光強度Eを図15(d)に示している。図15(b)で前述した通り、正常な装置状態では遮光マーク1402の下位置P1において、フレア光(漏れ光)は検出できない。しかし、光学素子138に汚染物1502がある場合は、遮光マーク1402の外側の隣接位置P1又はP2で、計測器135を用いてフレア光1506又は1507を検出することができる。図示していないが、フレア光1506又は1507が許容値を超えたか否かの閾値を設けて汚染状態を判定することが望ましい。
また、光学素子131に汚染物1503がある場合も同様に、照明光線1505は遮光マーク1402の表面物質と汚染物1503により反射(散乱)され、フレア光(漏れ光)として計測器135へ入射される。そのため、遮光マーク1402の外側の隣接位置P1又はP2で、計測器135を用いてフレア光1506又は1507を検出することができる。遮光マーク1402の外側の隣接位置P1又はP2において、フレア光(漏れ光)が検出できた場合、第2照明光学系136の光学素子138、131の表面が汚染していると推定することができる。
本発明のフローチャートを図8に示している。主制御部103は、S81で、露光装置の基板の露光処理(ロット処理)を開始すると、S2で、図5に示した投影光学系114の光軸の瞳面の光強度分布を計測する。主制御部103は、S3で、光学素子の表面が洗浄された初期状態から、S2で計測した瞳面の光強度分布の変化(透過率)が、解像性能を維持できる許容範囲(規定光強度)Ethを下回ったか否かを判定する。S3で瞳面の光強度分布の変化が許容範囲内である場合には、主制御部103は、表面状態は正常と判定しS8へ進む。一方、S3で瞳面の光強度分布の変化が許容範囲を下回った場合は、主制御部103は、表面は汚染したと判定してS4へ進む。
主制御部103は、S4で、図6、図7、図9〜図11を用いて説明した、投影光学系114の光軸外の瞳面の光強度分布を計測して瞳面の光強度分布の重心位置を判定する。光強度が光軸LAを離れる方向に減少する場合、つまり瞳面の光強度分布の重心変化量が、光軸LAに向かう方向へ許容範囲を超えた場合、主制御部103は、照明光学系、投影光学系の下流側端部の光学素子の表面が汚染していると推定する。一方、光強度が光軸LAに向かう方向に減少する場合、つまり瞳面の光強度分布の重心変化量が、光軸LAを離れる方向へ許容範囲を超えた場合、主制御部103は、照明光学系、投影光学系の上流側端部の光学素子の表面が汚染していると推定する。
S5は、図12〜図15を用いて説明した、照明光学系及び投影光学系のフレア光(漏れ光)を検出して判定するステップである。S6で、主制御部103は、表面が汚染した物質による反射(散乱)する光学素子が、照明光学系側か投影光学系側かを推定する。
S6は、表面が汚染した光学素子の場所を特定するステップであり、図16に判定フローの詳細を示す。図16のS62で、主制御部103は、S4で計測した光軸外の瞳面の光強度分布の計測結果に基づき、照明光学系及び投影光学系の下流側端部の光学素子133、131、137の場合はS63へ、上流側端部の光学素子138、132の場合はS64へと進む。S63とS64で、主制御部103は、はS5で検出したフレア光の検出結果に基づいて判定する。主制御部103は、S63で、照明光学系側のフレア光を検出した場合は光学素子131が汚染したと推定し、投影光学系側のフレア光を検出した場合は光学素子133が汚染したと推定する。主制御部103は、S63で、フレア光を検出できなかった場合は光学素子137が汚染したと推定する。同様に、主制御部103は、S64で、照明光学系側のフレア光を検出した場合は光学素子138が汚染したと推定し、投影光学系側のフレア光を検出した場合は光学素子132が汚染したと推定する。
図8に戻り、主制御部103は、S7で、汚染された光学素子が存在する場合に、汚染された光学素子を特定する情報を表示すると共に、洗浄等を促す警告を出力する。本実施形態では、1ロットの基板に対する露光処理が終了した後、S7で出力された警告に基づいて汚染された光学素子の洗浄、交換を行う。しかし、S7で警告が出力された場合、露光処理を中断し、汚染された光学素子の洗浄、交換を直ちに行うようにしてもよい。
主制御部103は、S8で、基板(ウエハ)を露光装置内へ搬入してウエハライメントを実施する。主制御部103は、次にS9とS10を繰り返して、基板115全面に対して走査露光処理を実施する。主制御部103は、S11で、基板115を露光装置外へ搬出し、S12では次に露光処理する基板が有る場合はS13へ進み、次に露光処理する基板が無い場合は、基板の露光処理(ロット処理)を終了する。
S13は、生産ロット処理中に投影光学系の光学素子の表面が汚染され、基板上の回路パターンに焼き付け誤差が生じる不良を防止するためのステップである。S2で計測した瞳面の光強度分布の値が、解像性能を維持できる許容範囲(規定光強度)Eth以内であっても、例えば許容範囲の90%を超えていた場合には、主制御部103は、表面が汚染する危険があると判断する。そして、次のショットの露光前に、再度S2で投影光学系の光軸の瞳面の光強度分布を計測し光学素子の表面状態を再度判定する。なお、本実施形態では、瞳面の光強度分布の計測を行った後で、投影光学系、照明光学系のフレア光の検出を行った。しかし、まず、投影光学系、照明光学系のフレア光の検出を行って、その後に瞳面の光強度分布の計測を行うようにしてもよい。
以上説明したように、基板を露光する露光処理中に、投影光学系の瞳面の光強度分布を計測し、光軸外の瞳面の光強度分布とフレアとの計測結果に基づいて、光学素子の汚染の有無を判定し、汚染が有る場合には汚染された光学素子を特定する。
[デバイス製造方法]
本発明の好適な実施形態のデバイス(半導体デバイス、液晶表示デバイス等)の製造方法について説明する。半導体デバイスは、ウエハに集積回路を作る前工程と、前工程で作られたウエハ上の集積回路チップを製品として完成させる後工程を経ることにより製造される。前工程は、前述の露光装置を使用して感光剤が塗布されたウエハを露光する工程と、ウエハを現像する工程を含む。後工程は、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)と、パッケージング工程(封入)を含む。液晶表示デバイスは、透明電極を形成する工程を経ることにより製造される。透明電極を形成する工程は、透明導電膜が蒸着されたガラス基板に感光剤を塗布する工程と、前述の露光装置を使用して感光剤が塗布されたガラス基板を露光する工程と、ガラス基板を現像する工程を含む。本実施形態のデバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
IL、104、136:照明光学系。113:原版。114:投影光学系。115:基板、116:基板ステージ。132、133:投影光学系の光学素子。131、137、138:照明光学系の光学素子。135:計測器(検出器)。

Claims (11)

  1. 原版のパターンの像を基板の上に形成するための光学系を有する露光装置であって、前記光学系は、瞳面と、該瞳面を挟むように配置された第1光学素子および第2光学素子と、を含み、前記第1光学素子および前記第2光学素子の表面は、中央領域と、該中央領域よりも汚染されにくい周辺領域と、を含み、
    前記露光装置は、
    前記瞳面における光強度分布を計測する計測器と、
    前記光学系の光軸から離れた位置に前記計測器が配置された状態で、前記中央領域の一部と前記周辺領域の一部との双方を含む領域を通過した光束の前記計測器により計測された光強度分布に基づいて、前記第1光学素子および前記第2光学素子それぞれの汚染状態を判定する処理部と、
    を備え
    前記処理部は、前記計測器により計測された光強度分布の重心位置をその基準位置と比較することによって、前記第1光学素子および前記第2光学素子の中に汚染された光学素子が有るか否かを判定し、有りと判定した場合に、汚染された光学素子が前記第1光学素子、前記第2光学素子、またはその双方のいずれなのかを判定することを特徴とする露光装置。
  2. 前記計測器は、前記基板を保持する基板ステージの上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記光学系は、前記原版を照明する照明光学系と、前記原版のパターンを前記基板の上に投影する投影光学系と、を含み、
    前記第1光学素子は、前記照明光学系に配置された第1素子と前記投影光学系に配置された第2素子とを含み、前記第2光学素子は、前記照明光学系に配置された第3素子と前記投影光学系に配置された第4素子とを含み、
    前記処理部は、前記計測器により計測された光強度分布の重心位置をその基準位置と比較することによって、前記第1素子、前記第2素子、前記第3素子および前記第4素子の中に汚染された光学素子が有るか否かを判定し、有りと判定した場合に汚染された光学素子が、前記第1素子もしくは前記第3素子、および、前記第2素子もしくは前記第4素子、のいずれまたは双方なのかを判定することを特徴とする請求項1または2に記載の露光装置。
  4. 前記照明光学系で生じるフレア光および前記投影光学系で生じるフレア光を検出する検出器をさらに備え
    前記処理部は、前記計測器の計測結果および前記検出器の検出結果に基づいて、前記第1素子、前記第2素子、前記第3素子および前記第4素子それぞれの汚染状態を判定することを特徴とする請求項に記載の露光装置。
  5. 前記検出器は、前記基板を保持する基板ステージの上に配置されることを特徴とする請求項に記載の露光装置。
  6. 前記処理部は、前記基板ステージにより前記投影光学系の光軸上に位置する前記検出器の検出結果に基づいて前記第1素子および前記第3素子の汚染状態を判定し、前記基板ステージにより前記投影光学系の光軸外に位置する前記検出器の検出結果に基づいて前記第2素子および前記第4素子の汚染状態を判定することを特徴とする請求項に記載の露光装置。
  7. 前記処理部は、前記第1素子、前記第2素子、前記第3素子および前記第4素子の中に汚染された光学素子が存在すると判定した場合に、汚染された光学素子を特定する情報を表示することを特徴とする請求項ないしのいずれか1項に記載の露光装置。
  8. 原版のパターンの像を基板の上に形成するための光学系を有する露光装置であって、前記光学系は、瞳面と、該瞳面を挟むように配置された第1光学素子および第2光学素子と、を含み、前記第1光学素子および前記第2光学素子の表面は、中央領域と、該中央領域よりも汚染されにくい周辺領域と、を含み、
    前記露光装置は、
    前記瞳面における光強度分布を計測する計測器と、
    前記光学系の光軸から離れた位置に前記計測器が配置された状態で、前記中央領域の一部と前記周辺領域の一部との双方を含む領域を通過した光束の前記計測器により計測された光強度分布に基づいて、前記第1光学素子および前記第2光学素子それぞれの汚染状態を判定する処理部と、
    を備え、
    前記光学系は、前記原版を照明する照明光学系と、前記原版のパターンを前記基板の上に投影する投影光学系と、を含み、
    前記第1光学素子は、前記照明光学系に配置された第1素子と前記投影光学系に配置された第2素子とを含み、前記第2光学素子は、前記照明光学系に配置された第3素子と前記投影光学系に配置された第4素子とを含み、
    前記処理部は、前記計測器により計測された光強度分布の重心位置をその基準位置と比較することによって、前記第1素子、前記第2素子、前記第3素子および前記第4素子の中に汚染された光学素子が有るか否かを判定し、有りと判定した場合に、汚染された光学素子が、前記第1素子もしくは前記第3素子、および、前記第2素子もしくは前記第4素子、のいずれまたは双方なのかを判定することを特徴とする露光装置。
  9. 前記計測器は、輪帯形状、多重極形状または円形状の照明光を用いて前記光強度分布を計測することを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の露光装置。
  10. 前記計測器は、2次元CCDイメージセンサを含むこと特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の露光装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
    前記工程で露光された基板を現像する工程と、
    を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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