JP6506136B2 - 給湯装置 - Google Patents

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Description

本発明は、給湯装置に関する。
給水路から供給される水を、バーナ等の熱源から付与される熱により加熱して給湯路に出湯する熱交換器と、給水路から熱交換器をバイパスして給湯路に通水させるように該給水路及び給湯路を接続するバイパス路とを備え、給湯路からの給湯を行う給湯運転時に、給湯路へのバイパス路の接続箇所から該給湯路の下流側に流れる湯の温度(給湯温度)の温調制御を行う給湯装置が従来より知られている(例えば特許文献1、2を参照)。
この種の給湯装置では、基本的には、給水路の通水温度の検出値と、給水路から熱交換器及びバイパス路に流入する水の総流量の検出値と、温調制御における目標給湯温度(給湯温度の目標温度)とから決定される基準加熱量(水の加熱量のフィードフォワード成分)に応じて熱源を制御し、あるいは、該基準加熱量を、目標給湯温度と給湯温度の検出値との偏差に応じて決定される補正量(フィードバック成分)により補正してなる加熱量に応じて熱源を制御することで、給湯温度の温調制御を行うことが可能である。
また、例えば特許文献3に見られるように、バーナの燃焼熱により通水を加熱する燃焼式の給湯装置に加えて、ヒートポンプ等の熱源機により加熱された湯を蓄える貯湯タンクを備え、燃焼式の給湯装置による給湯だけでなく、貯湯タンクから給湯路への給湯を行うことが可能なシステムも従来より知られている。
この種のシステムでは、貯湯タンクから目標給湯温度での給湯を行い得る状況では、該貯湯タンクからの給湯を行い、該貯湯タンクから目標給湯温度での給湯を行うことができない状況(貯湯タンクの湯切れ状態等)では、燃焼式の給湯装置による給湯が行われる。
特許第4173883号公報 特許第3748464号公報 特開2014−70846号公報
ところで、例えば、バイパス路を備える給湯装置に対して、貯湯タンクを介して給水を行うシステムでは、給湯装置の給水路への給水温度が比較的急激に変化する場合がある。
例えば、貯湯タンク内の湯が残り少ない状況で、給湯装置に貯湯タンクを介して給水を開始した場合、当初は、給湯装置に貯湯タンク内の暖かい湯が供給されるものの、該貯湯タンク内の湯が無くなると、貯湯タンクに供給される冷水がそのまま給湯装置に供給されることとなる。このため、給湯装置への給水温度が急激に低下する状況が発生する。
また、例えば給湯装置の給湯運転中に、貯湯タンク内の湯水を加熱する熱源機の運転が開始されると、貯湯タンクから給湯装置に供給される水の温度が急激に上昇することもある。
一方、バイパス路の流路長は、一般に、バイパス路の上流端(給水路へのバイパス路の接続箇所)から下流端(給湯路へのバイパス路の接続箇所)までの熱交換器を経由する流路長よりも短いため、バイパス路の上流端から該バイパス路に流入する水は、該上流端から熱交換器を経由する水よりも、早期に、バイパス路の下流端の位置(給湯路へのバイパス路の接続箇所)に達する。
このため、給湯装置への給水温度が上記の如く急激に変化した場合には、熱交換器に流入する水の温度(流入直前の水の温度)と、該水が熱交換器を通過した後、バイパス路の下流端にて該水にバイパス路側から合流することとなる水の温度との温度差が比較的大きなものとなる状況が一時的に発生する。そして、このような場合には、前記基準加熱量の過不足が発生し、ひいては、実際の給湯温度が目標給湯温度に対して変動し易いという不都合がある。
なお、前記特許文献1〜3のものでは、給湯装置への給水温度が急激に変化した場合に、熱交換器に流入する水の温度と、該水が熱交換器を通過した後、該水にバイパス路側から合流することとなる水の温度との温度差が比較的大きなものとなる状況が考慮されていない。このため、前記特許文献1〜3のものでは、上記の不都合を解消し得るものではない。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、熱交換器で加熱された湯に、熱交換器をバイパスするバイパス路から水を合流させてなる湯の給湯を行う給湯装置において、該給湯装置への給水温度が急激に変化しても、給湯温度の温調制御を安定に行うことができる給湯装置を提供することを目的とする。
本発明の給湯装置は、かかる目的を達成するために、給水路から供給される水を、熱源から付与される熱により加熱して給湯路に出湯する熱交換器と、前記給水路から前記熱交換器をバイパスして前記給湯路に通水させるように該給水路及び給湯路を接続するバイパス路と、前記給湯路へのバイパス路の接続箇所から該給湯路の下流側に流れる湯の温度である給湯温度の温調制御を行う制御手段とを備える給湯装置であって、
前記制御手段は、
前記給水路から前記熱交換器に流入する水の温度である熱交換器流入水温の観測値と、前記給水路から前記給湯路に供給される水の総流量である全給水流量の観測値と、前記温調制御における前記給湯温度の目標温度とを用い、前記全給水流量の観測値により示される流量の水を、前記熱交換器流入水温の観測値により示される温度から前記目標温度に昇温させるための基準加熱量を逐次算出する基準加熱量算出手段と、
前記熱交換器に流入する直前の水である被加熱水と、該被加熱水が前記熱交換器を通過した後に、前記給湯路への前記バイパス路の接続箇所にて該被加熱水に前記バイパス路から合流する水であるバイパス側合流水との温度差の発生に起因する前記給湯温度の変動を抑制するように、前記基準加熱量を補正するための加熱補正量を、前記熱交換器流入水温の観測値と、前記バイパス路の通水温度の観測値と、該バイパス路の通水流量の観測値とを用いて算出する加熱補正量算出手段と、
前記基準加熱量を前記加熱補正量により補正してなる加熱量に応じて前記熱源を制御する熱源制御手段とを有するように構成されていることを特徴とする(第1発明)。
なお、本明細書においては、温度、流量等の任意の状態量の「観測値」は、適宜のセンサによる該状態量の検出値、あるいは、該状態量と一定の相関関係を有する他の1つ以上の状態量の検出値から該相関関係に基づいて推定してなる推定値を意味する。
上記第1発明において、前記給水路の通水温度が比較的急激に変化した場合には、前記被加熱水とバイパス側合流水との温度差が発生する。そして、このような温度差が発生すると、前記基準加熱量算出手段により算出される基準加熱量に過不足が生じる。この場合、基準加熱量の過不足分の熱量は、上記温度差とバイパス路の通水流量とに応じたものとなる。また、上記温度差は、前記熱交換器流入水温及びバイパス路の通水温度に応じたものとなる。
従って、前記加熱補正量算出手段により、前記熱交換器流入水温の観測値と、前記バイパス路の通水温度の観測値と、該バイパス路の通水流量の観測値とを用いて前記加熱補正量を算出することで、基準加熱量の過不足分の熱量を補い、ひいては前記給湯温度の変動を抑制し得るように、前記加熱補正量を適切に算出することができる。
そして、前記熱源制御手段によって、前記基準加熱量を前記加熱補正量により補正してなる加熱量に応じて前記熱源を制御する。このため、前記温度差に起因する給湯温度の変動を抑制し得るように、前記熱源の発生熱量を制御できることとなる。
よって、第1発明の給湯装置(熱交換器で加熱された湯に、熱交換器をバイパスするバイパス路から水を合流させてなる湯の給湯を行う給湯装置)によれば、給湯装置への給水温度が急激に変化しても、給湯温度の温調制御を安定に行うことができる。
かかる第1発明では、例えば前記熱交換器の流入口で該熱交換器に流入する水の温度を検出する温度センサが備えられている場合には、前記基準加熱量算出手段及び前記加熱補正量算出手段のそれぞれの処理で用いる前記熱交換器流入水温の観測値として、該温度センサの検出温度をそのまま使用できる。
ただし、前記熱交換器の流入口から前記給水路の上流側に離れた位置で該給水路の通水温度を検出する温度センサが備えれている場合であっても、該温度センサの検出温度を用いて、前記熱交換器流入水温の観測値(推定値)を取得することが可能である。
具体的には、前記熱交換器の流入口から前記給水路の上流側に離れた位置で該給水路の通水温度を検出する温度センサが備えられている場合には、さらに、該温度センサの検出温度の現在時刻以前の複数のサンプリング値の時系列を逐次記憶保持する記憶手段とを備える。そして、前記制御手段は、所定の制御処理周期毎に、前記記憶手段に記憶保持された前記検出温度のサンプリング値の時系列のうち、現在時刻から所定時間前の時刻でのサンプリング値を、前記基準加熱量算出手段及び前記加熱補正量算出手段のそれぞれの処理で用いる前記熱交換器流入水温の観測値として取得するように構成される(第2発明)。
すなわち、現在時刻において熱交換器に流入しようとしている水の温度は、現在時刻より前の過去の時点で、前記温度センサにより検出された通水温度に一致もしくはほぼ一致する。従って、前記記憶手段に記憶保持された前記検出温度のサンプリング値の時系列のうち、現在時刻から、ある所定時間前の時刻でのサンプリング値は、現在時刻において熱交換器に流入しようとしている水の温度に相当するものとなる。このため、所定時間前の時刻でのサンプリング値を、前記熱交換器流入水温の観測値として用いることができる。
従って、第2発明によれば、前記熱交換器の流入口に温度センサを備えずとも、前記熱交換器流入水温の観測値(推定値)を取得することができる。この場合、第2発明における温度センサとして、従来構成の給湯装置の既存の温度センサを利用することもできる。
かかる第2発明において、前記温度センサの位置から熱交換器の流入口まで通水が到達するのに要する時間は、前記熱交換器に流入する水の流量と前記全給水流量とのうちの少なくともいずれか一方に応じたものとなる。すなわち、当該時間は、前記熱交換器に流入する水の流量、あるいは、前記全給水流量が大きいほど、短くなる。
そこで、第2発明では、前記制御手段は、前記熱交換器に流入する水の流量と前記全給水流量とのうちの少なくともいずれか一方の観測値に応じて前記所定時間を可変的に設定するように構成されていることが好ましい(第3発明)。
これによれば、前記記憶手段に記憶保持された前記検出温度のサンプリング値の時系列から取得される前記熱交換器流入水温の信頼性を高めることができる。
上記第2発明又は第3発明において、前記温度センサは、例えば、前記熱交換器の流入口よりも、前記給水路への前記バイパス路の接続箇所により近い位置で前記給水路の通水温度を検出するように設けられ得る。この場合、現在時刻において、前記熱交換器に流入する直前の被加熱水が前記熱交換器を通過した後の将来において、前記給湯路への前記バイパス路の接続箇所にて該被加熱水に前記バイパス路から合流するバイパス側合流水の温度は、概ね、現在時刻での上記温度センサの検出温度に一致もしくは近似するとみなし得る。
そこで、前記第2発明又は第3発明において、前記温度センサが上記の如く設けられている場合には、前記制御手段は、所定の制御処理周期毎に、前記記憶手段に記憶保持された前記検出温度のサンプリング値の時系列のうち、現在時刻でのサンプリング値を、前記加熱補正量算出手段の処理で用いる前記バイパス路の通水温度の観測値として取得するように構成され、前記加熱補正量算出手段は、少なくとも現在時刻での前記熱交換器流入水温の観測値と、前記バイパス路の通水温度の観測値との差の大きさが所定値以上である場合に、該差の値と、前記バイパス路の通水流量の観測値とから、前記加熱補正量を算出するように構成されていることが好ましい(第4発明)。
これによれば、前記基準加熱量の過不足分を適切に補い得る前記加熱補正量を簡易な演算処理で算出することができる。
また、第4発明と同様の態様は、前記第2発明又は第3発明以外の態様でも採用し得る。すなわち、前記第1発明において、前記制御手段は、所定の制御処理周期毎に、前記熱交換器の流入口での水温の観測値を、前記基準加熱量算出手段及び前記加熱補正量算出手段のそれぞれの処理で用いる前記熱交換器流入水温の観測値として取得すると共に、前記熱交換器の流入口よりも、前記給水路への前記バイパス路の接続箇所により近い位置での前記給水路の通水温度の観測値を前記加熱補正量算出手段の処理で用いる前記バイパス路の通水温度の観測値として取得するように構成され、前記加熱補正量算出手段は、少なくとも現在時刻での前記熱交換器流入水温の観測値と、前記バイパス路の通水温度の観測値との差の大きさが所定値以上である場合に、該差の値と、前記バイパス路の通水流量の観測値とから、前記加熱補正量を算出するように構成されているという態様を採用できる(第5発明)。
この第5発明によれば、前記第4発明と同様に、前記基準加熱量の過不足分を適切に補い得る前記加熱補正量を簡易な演算処理で算出することができる。なお、この第5発明では、前記熱交換器流入水温の観測値と、前記給水路への前記バイパス路の接続箇所により近い位置での前記給水路の通水温度の観測値とは、それぞれ、検出値及び推定値のいずれであってもよい。
本発明の一実施形態の給湯装置を備える給湯システムの構成を示す図。 実施形態の給湯システムに制御に係る構成を示すブロック図。 実施例における入水温度Tin、熱交換器流入水温TinB、全給水流量W、バイパス比B、基準加熱量Qff、加熱補正量J、及び給湯温度Toutの経時変化の例を示すグラフ。 比較例における入水温度Tin、熱交換器流入水温TinB、全給水流量W、バイパス比B、基準加熱量Qff、及び給湯温度Toutの経時変化の例を示すグラフ。
本発明の一実施形態を図1〜図4を参照して以下に説明する。図1を参照して、本実施形態の給湯装置1は、貯湯タンク2と、貯湯タンク2内の湯水を加熱する熱源機3とを有する給湯システムAに組み込まれた装置である。
熱源機3は、任意の構成のものでよく、例えばヒートポンプ装置、太陽光式熱源機、燃焼式熱源機、電熱式熱源機、あるいは、これらの複合機等により構成され得る。
この熱源機3は、貯湯タンク2との間で湯水を循環させ得るように循環流路4を介して貯湯タンク2に接続されている。該循環流路4には、循環ポンプ5が介装されている。この循環ポンプ5を作動させることで、貯湯タンク2と熱源機3との間で循環流路4を通って湯水が循環するようになっている。そして、このように湯水を循環させた状態で、熱源機3を作動させることで、貯湯タンク2内の湯水が熱源機3を通過する過程で該熱源機3により加熱される。
この場合、循環ポンプ5及び熱源機3の作動による貯湯タンク2内の湯水の加熱運転は、貯湯タンク2が湯切れ状態になる(詳しくは、貯湯タンク2内に存在する所定温度以上の湯水が所定量以下になる)等のあらかじめ定められた条件が成立した場合に、該貯湯タンク2内の湯水が所定の沸き上げ温度に昇温するまで行われる。
貯湯タンク2には、図示しない給水源から貯湯タンク2に給水を行う給水路11(以降、タンク流入給水路11という)と、貯湯タンク2から給湯装置1への給水を行う給水路12(以降、タンク流出給水路12という)とがそれぞれ該貯湯タンク2の下部、上部に接続されている。
そして、タンク流入給水路11からタンク側バイパス路13が分岐されている。このタンク側バイパス路13は、タンク流入給水路11から貯湯タンク2をバイパスさせてタンク流出給水路12に給水する流路であり、その下流端が、タンク流出給水路12の途中部に介装された混合弁14を介してタンク流出給水路12に接続されている。
上記混合弁14は、貯湯タンク2からタンク流出給水路12を介して供給される水(湯水)と、タンク流入給水路11からタンク側バイパス路13を介して供給される水とを混合してなる水(湯水)をタンク流出給水路12の下流側に供給可能であると共に、その混合割合を制御可能な弁である。該混合弁14は、例えば2つの入口ポートと1つの出口ポートとを有する電動式の三方弁により構成される。
この場合、混合弁14の2つの入口ポートの一方の入口ポートがタンク流出給水路12の上流側に接続され、他方の入口ポートがタンク側バイパス路13に接続される。また、混合弁14の出口ポートがタンク流出給水路12の下流側に接続される。
なお、混合弁14の代わりに、例えばタンク流出給水路12の上流部(タンク側バイパス路13との接続箇所よりも上流側の部分)と、タンク側バイパス路13とにそれぞれ流量制御弁を介装し、これらの流量制御弁により上記混合割合を可変的に制御し得るようにしてもよい。
タンク流出給水路12は、本発明における給水路に相当するものであり、混合弁14の下流側のタンク流出給水路12(混合弁14の出口ポートに接続されたタンク流出給水路12)が給湯装置1への給水路として該給湯装置1に導入されている。
そして、該タンク流出給水路12は、給湯装置1に備えられた熱交換器側流路21及びバイパス路22を介して給湯路15に接続されている。給湯路15は、台所、あるいは洗面所等の給湯対象場所に給湯を行う流路であり、該給湯対象場所にて図示しないカラン等の給湯口に接続されている。
給湯装置1は、本実施形態では、顕熱吸収型の主熱交換器23及び潜熱吸収型の副熱交換器24と、主熱交換器23を加熱する熱源としてのバーナ25(燃焼式熱源)を備えている。バーナ25は、例えば燃料ガスを燃焼させるガスバーナである。該バーナ25への燃料ガスの供給量(ひいてはバーナ25の燃焼量)は、図示を省略するガス比例弁等の流量制御弁を介して制御可能である。
そして、前記熱交換器側流路21は、タンク流出給水路12から供給される水(湯水)を、副熱交換器24及び主熱交換器23を順に経由させて給湯路15に通水させるように配設されている。
従って、タンク流出給水路12から熱交換器側流路21への通水を行いつつ、バーナ25の燃焼運転を行うことで、熱交換器側流路21を流れる水が、主熱交換器23及び副熱交換器24で加熱されるようになっている。
なお、本実施形態の給湯装置1では、タンク流出給水路12から熱交換器側流路21に供給される水の加熱・昇温は、主に、バーナ25の燃焼熱が直接的に付与される主熱交換器23にて行われ、副熱交換器24での加熱は補助的なものである。そして、主熱交換器23が本発明における熱交換器に相当するものである。
補足すると、給湯装置1の熱交換器は、副熱交換器24を備えないもの(主熱交換器23だけで構成されるもの)であってもよい。また、バーナ25は、ガスバーナに限らず、灯油等の液体燃料を燃焼させるバーナであってもよい。
給湯装置1のバイパス路22は、タンク流出給水路12から主熱交換器23及び副熱交換器24をバイパスさせて給湯路15に通水させる流路であり、タンク流出給水路12と給湯路15との間で熱交換器側流路21と並列に接続されている。
そして、バイパス路22と熱交換器側流路21との上流側端部(タンク流出給水路12へのバイパス路22の接続箇所)には、タンク流出給水路12から給湯路15に流れる全給水流量のうちの熱交換器側流路21の通水流量とバイパス路22の通水流量との比率であるバイパス比を可変的に制御するためのバイパス制御弁26が介装されている。
このバイパス制御弁26は、例えば、1つの入口ポートと2つの出口ポートとを有する電動式の三方弁により構成される。この場合、バイパス制御弁26の入口ポートがタンク流出給水路12に接続され、2つの出口ポートのそれぞれが、熱交換器側流路21及びバイパス路22のそれぞれに接続される。
なお、バイパス制御弁26の代わりに、例えば、熱交換器側流路21及びバイパス路22の一方又は両方に流量制御弁を介装し、該流量制御弁により上記バイパス比を可変的に制御し得るようにしてもよい。
また、本実施形態では、上記バイパス比を可変的に制御可能であるが、該バイパス比は、一定値であってもよい。
給湯装置1には、さらに、タンク流出給水路12から給湯路15に流れる湯水の総流量W(=熱交換器側流路21の通水流量とバイパス路22の通水流量との総和の流量)を検出する流量センサ31と、タンク流出給水路12から給湯装置1への入水温度Tin(=バイパス制御弁26に流入する水の温度)を検出する温度センサ32と、給湯路15を下流側に流れる水の温度たる給湯温度Toutを検出する温度センサ33とが備えられている。
本実施形態では、流量センサ31および温度センサ32は、バイパス制御弁26の入口ポートに近接した位置でタンク流出給水路12に装着され、温度センサ33は、熱交換器側流路21とバイパス路22の下流端の合流箇所(給湯路15へのバイパス路22の接続箇所)に近接した位置で給湯路15に装着されている。
次に、図2を参照して、給湯システムAは、給湯装置1を含めた給湯システムAの運転制御を行う制御装置41を備えている。該制御装置41は、CPU、RAM、ROM、インターフェース回路等を含む電子回路ユニットにより構成される。なお、制御装置41は、相互に通信可能な複数の電子回路ユニットにより構成されていてもよい。
この制御装置41には、前記流量センサ31及び温度センサ32,33等、給湯システムAに備えられた各種センサの検出信号が入力される共に、給湯装置1の運転操作等を行うためのリモコン(図示省略)から、目標給湯温度Tset(給湯温度の目標値)等の指示データが入力される。
そして、制御装置41は、実装されるハードウェア構成又はプログラム(ソフトウェア構成)により実現される機能として、実際の給湯温度Toutを目標給湯温度Tsetに制御する温調制御を行う給湯運転制御部42を有する。
該給湯運転制御部42は、タンク流出給水路12から給湯装置1に供給される水(湯水)を、目標給湯温度Tsetに昇温させるために必要な基準加熱量を算出する基準加熱量算出部51と、該基準加熱量を補正する加熱補正量を算出する加熱補正量算出部52と、該加熱補正量で基準加熱量を補正してなる加熱量に応じてバーナ25の燃焼運転を制御するバーナ燃焼制御部53と、温度センサ32の検出温度(温度センサ32の検出信号により示される入水温度Tinの検出値)を時系列的に記憶保持する検出温度記憶部54と、前記バイパス比をバイパス制御弁26を介して制御するバイパス比制御部55とを含む。
なお、本実施形態では、給湯運転制御部42は前記混合弁14の制御(前記混合割合の制御)も行う。
補足すると、給湯運転制御部42、基準加熱量算出部51、加熱補正量算出部52、バーナ燃焼制御部53、検出温度記憶部54は、それぞれ、本発明における制御手段、基準加熱量算出手段、加熱補正量算出手段、熱源制御手段、記憶手段に相当する。また、温度センサ32が本発明における温度センサに相当する。
次に、給湯運転制御部42の処理及び給湯装置1の作動を中心に、本実施形態の給湯システムAの作動を説明する。なお、以降の説明では、流量センサ31が検出する流量を給湯装置1の全給水流量W、温度センサ32が検出する温度を給湯装置1の入水温度Tinと称する。また、熱交換器側流路21で主熱交換器23に流入する湯水の温度TinB(図1を参照)を熱交換器流入水温TinBと称する。
給湯運転制御部42は、流量センサ31の検出信号に基づいて、タンク流出給水路12での通水の有無を逐次監視する。そして、給湯運転制御部42は、タンク流出給水路12での通水を検知すると、バーナ25の燃焼運転を行うか否かを判断する。
ここで、本実施形態では、貯湯タンク2からタンク流出給水路12に供給される湯水の温度(=タンク流出給水路12で混合弁14に流入する湯水の温度。以降、タンク出湯温度という)が図示しない温度センサにより検出される。そして、給湯運転制御部42は、このタンク出湯温度の検出値が目標給湯温度Tset以上である場合には、バーナ25の燃焼運転が不要であると判断する。
この場合には、給湯運転制御部42は、バーナ25の燃焼運転を行うことなく、温度センサ32の検出温度(給湯装置1の入水温度Tinの検出値)又は温度センサ33の検出温度(給湯温度Toutの検出値)が目標給湯温度Tsetとなるように、前記混合弁14をフィードバック制御する(前記混合割合を調整する)。これにより実際の給湯温度Toutが目標給湯温度Tsetに一致もしくはほぼ一致するように制御される。
一方、前記タンク出湯温度の検出値が目標給湯温度Tsetよりも低い場合には、給湯運転制御部42は、バーナ25の燃焼運転が必要であると判断する。
この場合には、給湯運転制御部42は、図示しない点火装置によりバーナ25を点火して該バーナ25の燃焼運転を開始させ、さらに、該バーナ25の燃焼量を制御することで、実際の給湯温度Toutを目標給湯温度Tsetに一致もしくはほぼ一致させるように温調制御を行う。
この温調制御は、次のように実行される。すなわち、給湯運転制御部42は、温度センサ32の検出温度(給湯装置1の入水温度Tinの検出値)を、所定の制御処理周期でサンプリングし、そのサンプリング値の時系列を検出温度記憶部54に記憶保持する。この場合、検出温度記憶部54には、現在時刻から、あらかじめ定められた一定時間前までの期間における入水温度Tinの検出値のサンプリング値の時系列が、所定の制御処理周期で逐次、更新されつつ記憶保持される。
また、給湯運転制御部42は、制御処理周期毎に、前記バイパス比制御部55によりバイパス比の目標値を設定し、その目標値に従って、前記バイパス制御弁26を制御する。この場合、バイパス比の目標値は、本実施形態では、バーナ25の燃焼運転中に、主熱交換器23でドレンが発生するのを防止するために、該主熱交換器23の温度を所定温度(例えば50°C)以上の温度に保ち得るように、温度センサ32の現在の検出温度(入水温度Tinの検出値)、及び流量センサ31の現在の検出流量(全給水流量Wの検出値)等に応じて設定される。
そして、給湯運転制御部42は、制御処理周期毎に、基準加熱量算出部51、加熱補正量算出部52、及びバーナ燃焼制御部53の処理を実行することで、バーナ25の燃焼量を制御する。
さらに詳細には、給湯運転制御部42は、まず、検出温度記憶部54に記憶保持された温度センサ32の検出温度(入水温度Tinの検出値)のサンプリング値の時系列から、現在時刻における熱交換器流入水温TinB(詳しくは、現在時刻において主熱交換器23に流入する直前の水の温度)を推定する。
ここで、任意の時刻にて温度センサ32の配置位置で温度が検出された水が、熱交換器側流路21を通って主熱交換器23の流入口に達するまでに要する時間(温度センサ32の位置から主熱交換器23の流入口まで水が流れるのに要する時間)を通水所要時間ΔTと表記すると、現在時刻での熱交換器流入水温TinBは、現在時刻から通水所要時間ΔTだけ遡った時刻での温度センサ32の検出温度にほぼ一致するとみなすことができる。
そして、上記通水所要時間ΔTは、熱交換器側流路21の通水流量に応じたものとなり、該通水流量が大きいほど、通水所要時間ΔTは短くなる。
そこで、本実施形態では、給湯運転制御部42は、例えば、流量センサ31の現在の検出流量(全給水流量Wの検出値)とバイパス比Bの現在の目標値とにより規定される熱交換器側流路21の通水流量(観測値)から、あらかじめ作成されたデータテーブルあるいは演算式により、上記通水所要時間ΔTを推定する。
そして、給湯運転制御部42は、検出温度記憶部54に記憶保持された温度センサ32の検出温度(入水温度Tinの検出値)のサンプリング値の時系列のうち、現在時刻から通水所要時間ΔTの推定値だけ遡った時刻に一致する時刻、又は該時刻に最も近い時刻でのサンプリング値を、現在時刻での熱交換器流入水温TinBの推定値(観測値)として取得する。
補足すると、例えば熱交換器側流路21に流量センサを備えた場合には、該流量センサの検出流量(熱交換器側流路21の通水流量の検出値)に基づいて上記通水所要時間ΔTを推定するようにしてもよい。
また、熱交換器側流路21の通水流量の経時的な変動を考慮して、上記通水所要時間ΔTをより精度よく推定することも可能である。例えば、温度センサ32の検出温度(入水温度Tinの検出値)と同様に、熱交換器側流路21の通水流量の観測値(検出値又は推定値)を時系列的に記憶保持する。そして、熱交換器側流路21の通水流量の観測値を現在時刻から過去に遡って時間軸上で積分してなる値(体積)が、温度センサ32の位置から主熱交換器23の流入口までの通水路の容積(これはあらかじめ特定し得る)に一致又はほぼ一致することとなる積分時間を、上記通水所要時間ΔTとして推定してもよい。
また、例えば、温度センサ32が、熱交換器側流路21及びバイパス路22の上流端の位置(バイパス制御弁26の位置)からタンク流出給水路12の上流側に比較的離れた位置に配置されている場合には、温度センサ32の位置から熱交換器側流路21の上流端に至る通水時間をタンク流出給水路12の通水流量の観測値に基づいて推定すると共に、該熱交換器側流路21の上流端から主熱交換器23の流入口に至る通水時間を熱交換器側流路21の通水流量の観測値に基づいて推定し、これらの両方の通水時間の推定値の総和の時間を上記通水所要時間ΔTとして推定してもよい。
また、本実施形態では、副熱交換器24での通水の加熱量(ひいては、昇温)は十分に小さいものとみなして、熱交換器流入水温TinBを推定するようにした。ただし、例えば、主熱交換器23での通水の加熱量(あるいは、バーナ25の燃焼量)の現在時刻以前の過去履歴を用いて、温度センサ32の位置から主熱交換器23の流入口まで水が流れる過程での副熱交換器24による該水の温度上昇量を推定することも可能である。
そして、検出温度記憶部54に記憶保持された温度センサ32の検出温度(入水温度Tinの検出値)のサンプリング値の時系列のうち、現在時刻から上記通水所要時間ΔTの推定値だけ遡った時刻に一致する時刻、又は該時刻に最も近い時刻でのサンプリング値に、上記温度上昇量の推定値を加算した温度を、現在時刻での熱交換器流入水温TinBとして推定するようにしてもよい。
さらに、例えば、主熱交換器23の流入口近辺で熱交換器流入水温TinBを直接的に検出する温度センサを熱交換器側流路21に備えてもよい。この場合には、熱交換器流入水温TinBを、上記の如く推定する処理は不要である。
給湯運転制御部42は、上記の如く取得した熱交換器流入水温TinBの推定値(現在時刻での推定値)と、現在時刻での流量センサ31の検出流量(全給水流量Wの検出値)と、目標給湯温度Tsetとから、前記基準加熱量算出部51の処理により、水温がTinBの推定値に一致し、且つ、流量がWの検出値に一致する水を、目標給湯温度Tsetに昇温させるのに必要な加熱量(単位時間当たりの必要熱量)を基準加熱量Qffとして算出する。
この場合、基準加熱量算出部51は、次式(1)により、基準加熱量Qffを算出する。

Qff=(Tset−TinB)×W ……(1)

なお、式(1)により算出される基準加熱量Qffは、単位体積の水を1°Cだけ上昇させるのに必要な熱量を“1”と見なした相対熱量である。
ここで、給湯装置1では、全給水流量Wの水は、タンク流出給水路12から熱交換器側流路21と、バイパス路22とに分配される。このため、主熱交換器23に流入する水は、該主熱交換器23を通って加熱された後にバイパス路22の下流端の位置(給湯路15へのバイパス路22の接続箇所)に達したときに、バイパス路22を通って該バイパス路22の下流端から給湯路15に流入する水が合流されることとなる。
この場合、主熱交換器23に流入する直前の水(以降、被加熱水ということがある)の温度(熱交換器流入水温TinB)と、該被加熱水が、主熱交換器23を通過してバイパス路22の下流端の位置に達した時点で、該被加熱水にバイパス路22側から合流することとなる加熱されていない水(以降、バイパス側合流水ということがある)の温度とが同一である場合には、上記式(1)により算出される基準加熱量Qffの熱量で上記被加熱水を加熱すれば、バイパス路22の下流端の位置での被加熱水とバイパス側合流水との合流(混合)により得られる湯水の温度は、原理的には、目標給湯温度Tsetに一致もしくはほぼ一致するものとなる。
しかるに、給湯運転時にタンク流出給水路12で給湯装置1に供給される水の温度(入水温度Tin)は、貯湯タンク2の湯切れ、あるいは、熱源機3の作動による貯湯タンク2内の湯水の加熱運転等に起因して、比較的急激に上昇又は下降する場合がある。
そして、バイパス路22は、熱交換器側流路21よりも流路長が短いため、タンク流出給水路12からバイパス路22及び熱交換器側流路21に同時に流入する水のうち、バイパス路22に流入した水は、熱交換器側流路21に流入する水よりも、早期にバイパス路22の下流端の位置(給湯路15へのバイパス路22の接続箇所)に達する。
このため、主熱交換器23に流入する直前の被加熱水の温度(熱交換器流入水温TinB)と、該被加熱水が、主熱交換器23を通過してバイパス路22の下流端の位置に達した時点で、該被加熱水にバイパス路22側から合流することとなるバイパス側合流水の温度との比較的大きな温度差が一時的に発生する場合がある。
例えば、給湯装置1の入水温度Tinが25°Cから5°Cに比較的急激に下降した場合を想定する。この場合、下降後の5°Cの水が主熱交換器23の流入口に達するまでの期間において、25°C又はこれに近い温度の被加熱水が主熱交換器23に流入する。そして、この温度下降前の被加熱水(25°C又はこれに近い温度の被加熱水)が主熱交換器23で加熱された後に、バイパス路22の下流端の位置に達した時点で該被加熱水に合流するバイパス側合流水の温度が5°C(<25°C)となる状況が一時的に発生する。
逆に、例えば給湯装置1の入水温度Tinが5°Cから25°Cに比較的急激に上昇した場合を想定する。この場合、上昇後の25°Cの湯水が主熱交換器23の流入口に達するまでの期間において、5°C又はこれに近い温度の被加熱水が主熱交換器23に流入する。そして、この温度上昇前の被加熱水(5°C又はこれに近い温度の被加熱水)が主熱交換器23で加熱された後に、バイパス路22の下流端の位置に達した時点で該被加熱水に合流するバイパス側合流水の温度が25°C(>5°C)となる状況が一時的に発生する。
このように入水温度Tinの比較的急激な変化に起因して、主熱交換器23に流入する直前の被加熱水の温度(熱交換器流入水温TinB)と、該被加熱水が、主熱交換器23を通過してバイパス路22の下流端の位置に達した時点で、該被加熱水にバイパス路22側から合流することとなるバイパス側合流水の温度との比較的大きな温度差(以降、この温度差を単に温度差DTということがある)が生じる状況では、前記式(1)により算出される基準加熱量Qffは、バイパス路22の下流端の位置での被加熱水とバイパス側合流水との合流(混合)により得られる湯水の温度を目標給湯温度Tsetにする上で実際に必要な加熱量に対して過不足を生じる。
すなわち、入水温度Tinの下降に起因して、主熱交換器23に流入する直前の被加熱水の温度(熱交換器流入水温TinB)が、該被加熱水が、主熱交換器23を通過してバイパス路22の下流端の位置に達した時点で、該被加熱水にバイパス路22側から合流することとなるバイパス側合流水の温度よりも高いものとなる状況では、基準加熱量Qffが実際に必要な加熱量に対して不足する。
また、入水温度Tinの上昇に起因して、主熱交換器23に流入する直前における被加熱水の温度(熱交換器流入水温TinB)が、該被加熱水が、主熱交換器23を通過してバイパス路22の下流端の位置に達した時点で、該被加熱水にバイパス路22側から合流することとなるバイパス側合流水の温度よりも低いものとなる状況では、基準加熱量Qffが実際に必要な加熱量に対して過剰となる。
そこで、本実施形態では、給湯運転制御部42は、入水温度Tinの比較的急激な下降又は上昇に起因して生じる前記温度差DTによる基準加熱量Qffの過不足を補うように該基準加熱量Qffを補正するための加熱補正量Jを前記加熱補正量算出部52により算出する。
この加熱補正量算出部52の処理は、具体的には、次のように実行される。すなわち、加熱補正量算出部52には、各制御処理周期において、現在時刻における前記熱交換器流入水温TinBの推定値(観測値)と、現在時刻における温度センサ32の検出温度(入水温度Tinの検出値)と、現在時刻における流量センサ31の検出流量(全給水流量Wの検出値)と、現在時刻におけるバイパス比Bの目標値とが入力される。
ここで、現在時刻における入水温度Tinの検出値は、現在時刻で主熱交換器23に流入する直前の被加熱水が、主熱交換器23を通過してバイパス路22の下流端の位置に達した時点で、該被加熱水にバイパス路22側から合流することとなるバイパス側合流水の温度に近似的に一致するとみなし得る。
そこで、本実施形態では、加熱補正量算出部52は、前記温度差DTの予測値として、現在時刻における熱交換器流入水温TinBの推定値(観測値)と、現在時刻における温度センサ32の検出温度(入水温度Tinの検出値)との偏差(TinB−Tin)を用いる。
そして、加熱補正量算出部52は、この偏差(TinB−Tin)の絶対値が、あらかじめ定められた所定値α(例えば0.5°C)以上である否か(上記温度差DTの大きさが比較的大きいか否か)を判断し、|TinB−Tin|≧αである場合には、偏差(TinB−Tin)と、現在時刻における流量センサ31の検出流量(全給水流量Wの検出値)と、現在時刻におけるバイパス比Bの目標値とから、次式(2)により加熱補正量Jを算出する。

J=(TinB−Tin)×W×(B/(1+B)) ……(2)

なお、式(2)により算出される加熱補正量Jは、前記基準加熱量Qffと同様に、単位体積の水を1°Cだけ上昇させるのに必要な熱量を“1”と見なした相対熱量である。
ここで、式(2)におけるバイパス比Bは、より詳しくは、熱交換器側流路21の通水流量に対するバイパス路22の通水流量の比率である。従って、式(2)の右辺におけるW×(B/(1+B))は、現在時刻でのバイパス路22の通水流量の観測値に相当するものである。
この式(2)により、入水温度Tinの比較的急激な下降又は上昇に起因して前記温度差DTが発生した場合に、該温度差DTによる基準加熱量Qffの過不足分を補う加熱補正量Jが算出される。
この場合、TinB>Tinである場合には、J>0となり、該加熱補正量Jは基準加熱量Qffの不足分を意味する。また、TinB<Tinである場合には、J<0となり、該加熱補正量Jの絶対値が基準加熱量Qffの過剰分を意味する。
なお、本実施形態では、加熱補正量算出部52は、|TinB−Tin|<αである場合には、加熱補正量Jをゼロとする。ただし、|TinB−Tin|<αであるか否かによらずに、加熱補正量Jを式(2)により算出するようにしてもよい。
補足すると、例えばバイパス路22の通水流量を直接的に検出する流量センサをバイパス路22に備えた場合には、該流量センサの検出流量(バイパス路22の通水流量の検出値)を式(2)の右辺のW×(B/(1+B))の値の代わりに用いてもよい。
また、例えば、温度センサ32よりもさらに上流側でタンク流出給水路12の通水温度を検出し得る温度センサを備える場合には、現在時刻で主熱交換器23に流入する直前の被加熱水が、主熱交換器23を通過してバイパス路22の下流端の位置に達した時点で、該被加熱水にバイパス路22側から合流することとなるバイパス側合流水の温度の予測値として、温度センサ32の上流側の温度の検出値を用いることも可能である。
給湯運転制御部42は、上記の如く算出した基準加熱量Qff及び加熱補正量Jとを用いて、バーナ燃焼制御部53の処理を実行する。
この場合、バーナ燃焼制御部53には、基準加熱量Qff及び加熱補正量Jに加えて、目標給湯温度Tsetと、現在時刻での温度センサ33の検出温度(給湯温度Toutの検出値)とが入力される。そして、バーナ燃焼制御部53は、これらの入力値から、次式(3)により主熱交換器23での湯水の目標加熱量Qcmdを算出する。

Qcmd=Qff+J+K×(Tset−Tout) ……(3)

なお、式(3)により算出される目標加熱量Qcmdは、前記基準加熱量Qffと同様に、単位体積の水を1°Cだけ上昇させるのに必要な熱量を“1”と見なした相対熱量である。
この式(3)におけるK×(Tset−Tout)は、給湯温度Toutのフィードバック制御用の補正量であり、Kはあらかじめ定められたゲイン値である。
従って、本実施形態では、目標加熱量Qcmdは、基準加熱量Qffを、前記温度差DTの影響を補償するための加熱補正量Jと、フィードバック制御用の補正量(=K×(Tset−Tout))とにより補正してなる加熱量として決定される。
そして、バーナ燃焼制御部53は、各制御処理周期において、上記の如く算出した目標加熱量Qcmdに応じてバーナ25の燃焼量を制御する。この場合、目標加熱量Qcmdに比例した燃焼量でバーナ25の燃焼運転を行うように、バーナ25への燃料ガスの供給量が制御される。
給湯運転制御部42は、以上説明した処理を所定の制御処理周期で逐次実行する。これにより、実際の給湯温度Toutを目標給湯温度Tsetに一致もしくはほぼ一致させるように該給湯温度Toutの温調制御が行われる。
以上説明した本実施形態によれば、給湯装置1の入水温度Tinが急激に下降又は上昇することに起因して、前記温度差DTの大きさが一時的に比較的大きなものとなる状況(|TinB−Tin|≧αとなる状況)が発生すると、基準加熱量Qffが、フィードバック制御用の補正量(=K×(Tset−Tout))に加えて、前記式(2)により算出される加熱補正量Jで補正される。
この場合、加熱補正量Jによる基準加熱量Qffの補正は、温度差DTに起因する基準加熱量Qffの過不足を補うように行われる。そして、この補正後の目標加熱量Qcmdに応じてバーナ25の燃焼量、ひいては、熱交換器側流路21を流れる湯水が加熱される。
このため、給湯装置1の入水温度Tinが急激に下降又は上昇した直後に、給湯温度Toutが目標給湯温度Tsetに対して低温側又は高温側に乖離するような現象が生じるのを効果的に防止することができる。ひいては、給湯装置1の入水温度Tinが急激に下降又は上昇しても、給湯温度Toutを目標給湯温度Tsetの近辺の温度に安定に温調制御することができる。
次に、本実施形態の給湯装置1による上記効果の検証試験について図3及び図4を参照して説明する。
図3のグラフは、実施例における入水温度Tin、熱交換器流入水温TinB、全給水流量W、バイパス比B、基準加熱量Qff、加熱補正量J、及び給湯温度Toutの経時変化を示し、図4のグラフは比較例における入水温度Tin、熱交換器流入水温TinB、全給水流量W、バイパス比B、基準加熱量Qff、及び給湯温度Toutの経時変化を示している。
図3の実施例のグラフは、前記実施形態の給湯装置1において、目標給湯温度Tsetを40°C、全給水流量Wを一定(≒12リットル/min)として、給湯温度Toutの温調制御を行った場合のグラフである。この場合、給湯装置1の入水温度Tinを、時刻taにて、5°Cから約25°Cまで急激に上昇させ、その後、時刻tbにて、25°Cから5°Cまで急激に下降させるようにした。
また、図4の比較例のグラフは、目標給湯温度Tset及び全給水流量Wを実施例と同じにすると共に、入水温度Tinを、実施例と同様に時刻ta,tbにてそれぞれ上昇、下降させる一方、加熱補正量Jをゼロに維持したままで、給湯温度Toutの温調制御を行った場合のグラフである。
図4のグラフに見られるように、加熱補正量Jをゼロに維持する比較例では、入水温度Tinが急激に上昇した直後(時刻taの直後)において、給湯温度Toutが、目標給湯温度Tsetから一時的に、高温側に比較的大きく乖離する(図示例では、5°C程度乖離する)現象が発生した。また、入水温度Tinが急激に下降した直後(時刻tbの直後)においては、給湯温度Toutが、目標給湯温度Tsetから一時的に、低温側に比較的大きく乖離する(図示例では、8°C程度乖離する)現象が発生した。
一方、図3のグラフに見られるように、加熱補正量Jによる基準加熱量Qffの補正を行う実施例では、入水温度Tinが急激に上昇した直後(時刻taの直後)と、入水温度Tinが急激に下降した直後(時刻tbの直後)とのいずれにおいても、給湯温度Toutが、目標給湯温度Tsetから高温側又は低温側に大きく乖離する現象は発生せず、目標給湯温度Tsetからの変動は、十分に(図示例では2°C以下)に抑制されている。
このように本実施形態の給湯装置1によれば、基準加熱量Qffに加熱補正量Jによる補正を施してなる目標加熱量Qcmdに応じてバーナ25の燃焼量を制御することで、入水温度Tinが急激に上昇又は下降しても、給湯温度Toutを目標給湯温度Tsetの近辺の温度に安定に制御できる。
なお、以上説明した実施形態では、貯湯タンク2を有する給湯システムAについて説明したが、本発明の給湯装置は、その給水系に貯湯タンクを備えないものであってもよい。その場合であっても、給湯装置の入水温度が急激に変動するような場合には、前記実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、前記実施形態の給湯装置1は、熱源としてバーナ25(燃焼式熱源)を備えるものであるが、給湯装置1の熱源は、燃焼式熱源以外の熱源であってもよい。
1…給湯装置、12…タンク流出給水路(給水路)、15…給湯路、22…バイパス路、23…主熱交換器(熱交換器)、25…バーナ(熱源)、32…温度センサ、42…給湯運転制御部(制御手段)、51…基準加熱量算出部(基準加熱量算出手段)、52…加熱補正量算出部(加熱補正量算出手段)、53…バーナ燃焼制御部(熱源制御手段)、54…検出温度記憶部(記憶手段)。

Claims (5)

  1. 給水路から供給される水を、熱源から付与される熱により加熱して給湯路に出湯する熱交換器と、前記給水路から前記熱交換器をバイパスして前記給湯路に通水させるように該給水路及び給湯路を接続するバイパス路と、前記給湯路へのバイパス路の接続箇所から該給湯路の下流側に流れる湯の温度である給湯温度の温調制御を行う制御手段とを備える給湯装置であって、
    前記制御手段は、
    前記給水路から前記熱交換器に流入する水の温度である熱交換器流入水温の観測値と、前記給水路から前記給湯路に供給される水の総流量である全給水流量の観測値と、前記温調制御における前記給湯温度の目標温度とを用い、前記全給水流量の観測値により示される流量の水を、前記熱交換器流入水温の観測値により示される温度から前記目標温度に昇温させるための基準加熱量を逐次算出する基準加熱量算出手段と、
    前記熱交換器に流入する直前の水である被加熱水と、該被加熱水が前記熱交換器を通過した後に、前記給湯路への前記バイパス路の接続箇所にて該被加熱水に前記バイパス路から合流する水であるバイパス側合流水との温度差の発生に起因する前記給湯温度の変動を抑制するように、前記基準加熱量を補正するための加熱補正量を、前記熱交換器流入水温の観測値と、前記バイパス路の通水温度の観測値と、該バイパス路の通水流量の観測値とを用いて算出する加熱補正量算出手段と、
    前記基準加熱量を前記加熱補正量により補正してなる加熱量に応じて前記熱源を制御する熱源制御手段とを有するように構成されていることを特徴とする給湯装置。
  2. 請求項1記載の給湯装置において、
    前記熱交換器の流入口から前記給水路の上流側に離れた位置で該給水路の通水温度を検出する温度センサと、該温度センサの検出温度の現在時刻以前の複数のサンプリング値の時系列を逐次記憶保持する記憶手段とを備えており、
    前記制御手段は、所定の制御処理周期毎に、前記記憶手段に記憶保持された前記検出温度のサンプリング値の時系列のうち、現在時刻から所定時間前の時刻でのサンプリング値を、前記基準加熱量算出手段及び前記加熱補正量算出手段のそれぞれの処理で用いる前記熱交換器流入水温の観測値として取得するように構成されていることを特徴とする給湯装置。
  3. 請求項2記載の給湯装置において、
    前記制御手段は、前記熱交換器に流入する水の流量と前記全給水流量とのうちの少なくともいずれか一方の観測値に応じて前記所定時間を可変的に設定するように構成されていることを特徴とする給湯装置。
  4. 請求項2又は3記載の給湯装置において、
    前記温度センサは、前記熱交換器の流入口よりも、前記給水路への前記バイパス路の接続箇所により近い位置で前記給水路の通水温度を検出するように設けられており、
    前記制御手段は、所定の制御処理周期毎に、前記記憶手段に記憶保持された前記検出温度のサンプリング値の時系列のうち、現在時刻でのサンプリング値を、前記加熱補正量算出手段の処理で用いる前記バイパス路の通水温度の観測値として取得するように構成され、
    前記加熱補正量算出手段は、少なくとも現在時刻での前記熱交換器流入水温の観測値と、前記バイパス路の通水温度の観測値との差の大きさが所定値以上である場合に、該差の値と、前記バイパス路の通水流量の観測値とから、前記加熱補正量を算出するように構成されていることを特徴とする給湯装置。
  5. 請求項1記載の給湯装置において、
    前記制御手段は、所定の制御処理周期毎に、前記熱交換器の流入口での水温の観測値を、前記基準加熱量算出手段及び前記加熱補正量算出手段のそれぞれの処理で用いる前記熱交換器流入水温の観測値として取得すると共に、前記熱交換器の流入口よりも、前記給水路への前記バイパス路の接続箇所により近い位置での前記給水路の通水温度の観測値を前記加熱補正量算出手段の処理で用いる前記バイパス路の通水温度の観測値として取得するように構成され、
    前記加熱補正量算出手段は、少なくとも現在時刻での前記熱交換器流入水温の観測値と、前記バイパス路の通水温度の観測値との差の大きさが所定値以上である場合に、該差の値と、前記バイパス路の通水流量の観測値とから、前記加熱補正量を算出するように構成されていることを特徴とする給湯装置。
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