JP6505582B2 - 共振器アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、共振器部と励振部とを備えた共振器アンテナ装置に関する。
無線通信の高速化及び大容量化を図るために、使用する周波数帯域の高周波化及び広帯域化が進んでいる。例えば、近接又は近距離通信に適した無線通信規格であるWiGig/IEEE802.11adでは、60GHz帯(57GHz以上66GHz以下)の使用が想定されている。
60GHz帯等のミリ波帯での使用に適したアンテナとしては、例えば、スロットアレイアンテナが挙げられる。特許文献1には、1対の広壁(導体層)に挟まれた誘電体基板を導波路とするスロットアレイアンテナが開示されている。このスロットアレイアンテナでは、一方の広壁に複数の放射用スロットが形成されている。これらの放射用スロットは、間隔が導波路内を進行するTE10モードの電磁波の波長(管内波長)の1/2になるように、導波路管軸と平行に並んでいる。導波路内をTE10モードの電磁波が進行し、その過程で各放射用スロットから電波を放射していくことから、このようなスロットアレイアンテナは、進行波型のアンテナといえる。
特開平10−190349号公報(公開日:1998年7月21日)
しかしながら、このようなスロットアレイアンテナは、種々の問題を抱えている。スロットアレイアンテナでは、導波路管軸と平行に多くの放射用スロットを並べる構造が前提となっている。これは、各放射用スロットからの反射波が、スロットアレイアンテナの入力ポートで互いに打ち消し合うように、最初のスロットから最後のスロットに至るまでに、位相が線形に360度ずれるようにするためである。この構造的な特徴により以下の問題が生じる。
第1に、スロットアレイアンテナを近接又は近距離通信用の無線装置(例えば、無線タグやタグリーダなど)に搭載した場合、無線装置同士の位置関係次第で通信品質の劣化が生じる懸念がある。なぜなら、スロットアレイアンテナは、多数のスロットを備えているために、アンテナ利得の上昇を招き、その結果として指向性が鋭くなるからである。スロットアレイアンテナは指向性が鋭いため、スロットアレイアンテナを備えた自装置と、相手の無線装置との位置ずれの許容度が低下してしまう。つまり、相手の無線装置が自装置の最大利得方向から外れると、相手の無線装置の受信感度が低下するからである。これは、実用上の不便を招く。
第2に、端部給電型のスロットアレイアンテナには、放射波の主ビーム方向が周波数に応じて変化してしまうという問題がある。なぜなら、導波路を進行する電磁波の周波数が変化すると、各放射用スロットから放射される電磁波の位相の関係が変化するので、これらの電磁波を重ね合わせた放射波の主ビーム方向が変化するためである。
第3に、導波路管軸と平行に多くの放射用スロットを並べるので、放射用スロットの配置に製造ばらつきが発生しやすいという問題がある。この問題は、導波路を進行する電磁波が各放射用スロットに到達したときに、放射用スロット間で位相差が発生し、放射波の主ビーム方向または利得に悪影響を及ぼすという問題を招来する。
第4に、導波路管軸と平行に多くの放射用スロットを並べるので、スロットアレイアンテナのさらなる小型化が難しいという問題もある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来技術よりも簡単な構造を備え、かつ広い指向性と放射波の主ビーム方向の高安定性とを得ることができる共振器型アンテナ装置を実現することにある。
本発明に係る共振器アンテナ装置は、
(1)励振用開口が形成された第1広壁、前記第1広壁に対向する第2広壁、及び、前記第1広壁と前記第2広壁とに挟まれた空間を直方体の空間とする側壁となる狭壁を有し、前記空間内で発生する電磁波を放射する放射用開口が、前記第1広壁または前記第2広壁に形成された共振器部と、
(2)前記第2広壁から前記第1広壁に垂直に向かう方向(Y)に沿って、前記第1広壁、前記励振用開口を覆う誘電体層及び給電線路がこの順に積層され、前記給電線路に接続された、前記誘電体層を貫通する励振用電極であって、前記第1広壁に接触することなく、前記励振用開口を介して前記空間内に進入した励振用電極を有し、前記空間内の電磁界を励振することによって前記空間内に特定モードの電磁波を発生させる励振部と、を備え、
(3)前記放射用開口は、第1の放射用開口及び第2の放射用開口を含み、
(4)前記方向(Y)に垂直で前記共振器部の共振器幅に平行な方向(X)、該方向(X)に垂直で前記共振器部の共振器長に平行な方向(Z)を定め、該方向(Z)に垂直な平面によって前記空間を第1半空間と第2半空間とに分割したとき、前記第1の放射用開口は前記第1半空間側にて方向(Z)に沿って細長い形状を有している一方、前記第2の放射用開口は前記第2半空間側にて方向(Z)に沿って細長い形状を有し、
(5)前記第1の放射用開口の前記方向(Z)に沿って対峙する両端部のうち、前記平面に近い方の端部である第1の端部と、前記第2の放射用開口の前記方向(Z)に沿って対峙する両端部のうち、前記平面に近い方の端部である第2の端部とを、前記方向(Y)に沿って平面視した場合の位置関係 は、前記第1広壁または前記第2広壁と前記平面との交差線の中心に対して、実質的に点対称 になっている、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、共振器部内の空間は、第1広壁に形成された励振用開口を除くと、第1広壁と第2広壁と狭壁とで囲まれた直方体状の閉空間になっている。この閉空間に、励振用電極が励振用開口を介して挿入されている。したがって、この閉空間内で、励振部が発生させた電磁波を定在させるのに適した閉空間を形成できるように、共振器アンテナ装置は構成されている。
さらに、第1の放射用開口と第2の放射用開口とは、共振器長に平行な方向(Z)に沿って細長い形状を有している。また、前記平面に近い方の第1の放射用開口の第1の端部及び第2の放射用開口の第2の端部同士を前記方向(Z)に沿って平面視した場合の位置関係が、前記第1広壁または前記第2広壁と前記平面との交差線の中心に対して、実質的に点対称になっている。これにより、上記中心を通って方向(Z)に平行な中心線に対して、第1の放射用開口と第2の放射用開口とは、方向(X)の正方向及び負方向に、実質的に同じ距離離れて配置されている。なお、点対称の中心は、前記直方体の空間の上面及び下面、すなわち方向(Y)に対向する上面及び下面の一方の中心に等しい。
なお、第1の放射用開口及び第2の放射用開口が、共に、第1広壁または第2広壁に形成されていてもよいし、第1の放射用開口及び第2の放射用開口の一方が第1広壁に形成され、他方が第2広壁に形成されていてもよい。
上記の構成により、放射用開口の必要最小数は2なので、従来のスロットアレイアンテナより簡単な構造と小型化とを実現できる。また、放射用開口の数を従来より減らせるので、従来のスロットアレイアンテナよりアンテナ利得を下げ、指向性を広げることができる。さらに、放射用開口の数を従来より減らせるので、放射用開口で反射される反射波同士の位相合わせが容易になる。このため、反射損失を従来よりも低減することができる。さらに、放射用開口から放射される電磁波の位相合わせも容易になる。したがって、放射される電磁波の位相のずれが、放射波の主ビーム方向に悪影響を与えることを軽減できる。以上のように、上記の構成によれば、従来より広い指向性と放射波の主ビーム方向の高安定性とを得ることができる。
なお、「実質的に」とは、本願明細書において、製造誤差程度の範囲内で相違することを許容することを意味する。
本発明に係る上記共振器アンテナ装置において、前記第1の放射用開口と前記第2の放射用開口とは互いに実質的に合同の形状を有し、前記交差線の中心に対して、前記第1の放射用開口と前記第2の放射用開口とは実質的に点対称に配置されていることが好ましい。
上記の構成によれば、放射用開口から放射される電磁波の位相合わせの精度が向上するので、従来よりさらに広い指向性と放射波の主ビーム方向のさらなる高安定性とを得ることができる。
本発明に係る上記共振器アンテナ装置において、前記中心は、前記第1広壁と前記平面との交差線の中心であり、前記励振用電極は、前記中心を通って前記方向(Z)に平行な中心線上に配置されていることが好ましい。
上記の構成によれば、共振器部の記空間内に生じる電界ベクトルの成分であって、放射用開口の長手方向である方向(Z)の成分を大きくすることができるため、放射用開口から放射される電磁波の強度を高めることができる。
本発明に係る上記共振器アンテナ装置において、前記特定モードは、TE102モードであってよい。
上記の構成によれば、特定モードがTE102モードなので、前記第1の放射用開口及び第2の放射用開口から効率良く電磁波を放射することができる。また、上記の構成によれば、放射用開口の必要最小数が2つであることから、共振器内に定在する電磁波の周波数が変化しても、放射波の主ビーム方向を一定の方向に保ちやすくなる。すなわち、放射波の主ビーム方向の周波数依存性を緩和することができる。
本発明に係る上記共振器アンテナ装置において、前記第1の放射用開口及び前記第2の放射用開口の方向(Z)に平行なそれぞれの長さは、前記空間内で発生して定在する電磁波の波長の1/2に実質的に等しいことが好ましい。
上記の構成によれば、2つ以上の偶数個の放射用開口のうち、少なくとも第1の放射用開口及び第2の放射用開口の各長さを、共振器長の1/2、言い換えると共振器と同じ断面寸法を持つ矩形導波管内を進行波が伝搬すると仮定した場合における管内波長の1/2に実質的に等しくする。これにより、管内波長に対応した共振周波数を中心周波数とする電磁波を、その2つの放射用開口から一層効率良く放射することができる。
本発明に係る上記共振器アンテナ装置において、前記第1の放射用開口は、前記第1半空間のみに設けられ、前記第2の放射用開口は、前記第2半空間のみに設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、第1半空間に設けられた第1の放射用開口は、第2半空間にはみ出すことがない。同様に、第2半空間に設けられた第2の放射用開口は、第1半空間にはみ出すことがない。これにより、第1の放射用開口及び第2の放射用開口が、それぞれ相手の半空間にはみ出す場合に発生する、放射特性への悪影響を回避することができる。
本発明に係る上記共振器アンテナ装置において、前記第1広壁および前記第2広壁は、前記直方体の前記側壁としての前記狭壁を挟む頂壁および底壁として設けられ、前記側壁は、第1側壁、第2側壁、第3側壁及び第4側壁から成り、前記第1側壁から前記第4側壁のうち、少なくとも隣り合う3つの側壁に対応した外側は、前記空間を埋める誘電体と同じ材料の誘電体によって囲まれていてもよい。
上記の構成によれば、前記狭壁の外側に誘電体を設けない形態と比較して、より広い帯域を確保することができる。
本発明に係る上記共振器アンテナ装置において、前記放射用開口は、全て前記第2広壁に形成されていてもよい。
上記の構成によれば、給電線路が設けられていない第2広壁に放射用開口を形成しているので、放射用開口から放射された電磁波が給電線路に接続される素子及び回路等の構造によって反射されたり、帯域が変化したりする等の影響を受けずに済む。また、上記電磁波が、上記素子及び回路等に影響を与えることもない。
本発明に係る上記共振器アンテナ装置において、前記第1広壁側に配置され、前記給電線路に接続された集積回路を更に備えていてもよい。
上記の構成によれば、既に説明したように、放射用開口から放射された電磁波が集積回路に影響を与えない。
本発明に係る上記共振器アンテナ装置において、前記給電線路には、オープンスタブが付加されていてもよい。
上記の構成によれば、給電線路にオープンスタブを設けることによって、共振器アンテナ装置の入力インピーダンスを所望の値に調整することができる。
本発明に係る上記共振器アンテナ装置において、前記共振器部は、誘電体基板を更に有し、前記第1広壁は、前記誘電体基板の一方の主面に形成された導体層であり、前記第2広壁は、前記誘電体基板の他方の主面に形成された導体層であり、前記狭壁は、前記誘電体基板を貫通する複数の導電性ビアからなるポスト壁であり、前記励振用電極は、前記誘電体層を貫通すると共に、前記誘電体基板内に進入したブラインドビアであることが好ましい。
上記の構成によれば、ポスト壁導波路を製造するのと同等のプロセスで、共振器アンテナ装置を簡単に製造することができる。また、狭壁を導体壁により構成する場合と比べて、共振器アンテナ装置を軽量に実現することができる。
本発明に係る上記共振器アンテナ装置において、前記放射用開口の少なくとも一部に、誘電体が充填されていてもよい。
上記の構成によれば、放射用開口に誘電体を充填していない共振器アンテナ装置に比べて、放射用開口のサイズを変えることなく、使用可能な周波数帯域の中心周波数を低くすることができる。
本発明によれば、従来技術よりも簡単な構造を備え、かつ広い指向性と放射波の主ビーム方向の高安定性とを得ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る共振器アンテナ装置の構成を示す分解斜視図である。 図1に示すA−B−C−D線に沿う矢視断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る共振器アンテナ装置の構成を示す分解斜視図である。 図3に示す共振器アンテナ装置を備えたアンテナモジュールの構成を示す断面図であり、共振器アンテナ装置を図3に示すE−F−G−H線に沿う矢視断面図として描いている。 本発明の第3の実施形態に係る共振器アンテナ装置の構成を示す分解斜視図である。 図5に示すJ−K−L−M線に沿う矢視断面図である。 実施例に係る共振器アンテナ装置の平面図である。 図7に示す共振器アンテナ装置の反射損失特性の変化を示すグラフである。 (a)(b)は、共振器アンテナ装置の反射損失特性と、2つのスロットによる各反射波がブラインドビアに到達したときの各反射波の位相との関係を示すグラフである。である。
〔第1の実施形態〕
(アンテナ装置の構成)
本発明の第1の実施形態に係る共振器アンテナ装置1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る共振器アンテナ装置1の構成を示す分解斜視図である。図2は、図1に示すA−B−C−D線に沿う矢視断面図である。A−B−C−D線と共振器アンテナ装置1との位置関係については後述する。
まず、以下の説明において、三次元直交軸としてのXYZ軸を次のように定義する。X軸は、図1に示すように、共振器アンテナ装置1の共振器幅Wに平行な軸とする。Z軸は、共振器アンテナ装置1の共振器長Lに平行な軸とする。Y軸は、X軸およびZ軸に対して垂直な軸であり、共振器アンテナ装置1の高さHに平行な軸とする。また、XYZ軸の正方向を次のように定義する。X軸の正方向は、共振器幅Wが増加する方向とする。Y軸の正方向は、高さHが増加する方向とする。Z軸の正方向は、共振器長Lが増加する方向とする。
図1に示すように、共振器アンテナ装置1は、大きく分けて、共振器部10と、励振部20とを備えている。
(共振器部の構成)
共振器部10は、複数の導体層によって構成されており、その複数の導体層として、X−Z面に平行をなす第1広壁11、第1広壁11に対向する第2広壁12、及び第1広壁11と第2広壁12とに挟まれた空間を四方から取り囲む狭壁13を備えている。第1広壁11、第2広壁12及び狭壁13によって、その内部に直方体の空間が形成されており、狭壁13は、その直方体におけるY軸に平行な4つの側壁131〜134(第1側壁〜第4側壁)によって構成されている。
なお、一態様として、第1広壁11及び第2広壁12の形状は、互いに同サイズの長方形であり、その長方形の短辺の長さは、共振器幅Wに略等しい。ただし、共振器幅Wは、X軸に平行な方向に対向する側壁132及び側壁133における各内面同士の距離に等しい。また、共振器長Lは、Z軸に平行な方向に対向する側壁131及び側壁134における各内面同士の距離に等しい。さらに、高さHは、狭壁13のY軸に平行な高さに等しい。
第1広壁11には、丸穴形状をした励振用開口14が形成されており、後述する励振用電極としてのブラインドビア23がY軸に沿って励振用開口14から前記直方体の空間内に挿入される。また、第1広壁11には、前記直方体の空間内で発生した電磁波を放射する開口(放射用開口)として、細長い開口であるスロット15、16が形成されている。スロット15、16の長手方向は、Z軸に平行である。
なお、共振器部10の内部(前記直方体の空間)は、空気で満たされていてもよいし、空気以外の誘電体で満たされていてもよい。
(スロットの形成位置)
ここで、スロット15及びスロット16の形成位置について説明する。まず、図1に示すように、前記空間をX−Y面に平行な平面Pで二等分し、側壁134を含む第1半空間S1と、側壁131を含む第2半空間S2とに分ける。励振用開口14は、第1半空間S1に臨む第1広壁11の領域の中央付近に設けられているので、スロット15は、第1半空間S1に対して開口するように、かつ励振用開口14からX軸の負方向に離間するように設けられている。なお、スロット15を、励振用開口14からX軸の正方向に離間するように設けることもできる。一方、スロット16は、第2半空間S2に対して開口するように設けられている。
スロット15、16相互の位置関係は次のとおりである。スロット15及びスロット16のZ軸に平行な方向に対向するそれぞれの両端部のうち、平面Pに近い方のスロット15の第1の端部及びスロット16の第2の端部同士の位置関係は、第1広壁11と平面Pとの交差線の中心Rに対して、実質的に点対称になっている。言い換えると、中心Rを通り、Z軸に平行な中心線Nを考えると、スロット15、16の中心線Nに対する各オフセット量は、同じになっている。さらに具体的に説明すると、スロット15においてZ軸に平行をなす中心線n1と中心線Nとの距離をM1とし、スロット16においてZ軸に平行をなす中心線n2と中心線Nとの距離をM2とすると、M1=M2という関係を満足する。
また、スロット15の前記第1の端部と前記交差線との距離をM3とし、スロット16の前記第2の端部と前記交差線との距離をM4とすると、M3=M4≧0という関係を満足する。この関係における「≧0」とは、スロット15の前記第1の端部及びスロット16の前記第2の端部同士が、X軸に平行な方向から見て重なりを持たないことを意味する。言い換えると、スロット15は第2半空間S2にははみ出さないように、第1半空間S1のみに設けられており、スロット16は第1半空間S1にははみ出さないように、第2半空間S2のみに設けられている。
スロット15、16のZ軸に平行な長さ(スロット長)は、L/2に近い方が好ましい。言い換えると、共振器部10内に形成された前記直方体の空間と同じ断面寸法を持つ矩形導波管内を進行波が伝搬すると仮定した場合における管内波長の1/2に実質的に等しくすることが好ましい。
スロット15における平面Pから遠い方の端部を第3の端部とし、スロット16における平面Pから遠い方の端部を第4の端部とし、矩形状をした第1広壁11の2つの短辺のうちZ軸の負方向側に位置する短辺を第1短辺11aとし、Z軸の正方向側に位置する他の短辺を第2短辺11bとする。そうすると、前記第4の端部と第2短辺11bとの距離αは、0に近い方が良く、第4の端部を第2短辺11bに近づけてスロット16を形成するための製造限界によって定まる。スロット16の長さをこのようにして定めることによって、スロット16の長さと同じ長さになるようにスロット15の長さも決めることができる。
なお、後述する図7に設計値の一例を示したように、例えば共振器長Lが3700μmの場合にスロット長をL/2から小さくしていくと、スロット長が1650μmから1600μmに変化する過程で、アンテナの反射損失が−10dBより小さい好ましい帯域が大幅に狭くなることが計算結果として得られている。図7に示す例において、上記1650μmをスロット長の下限と考え、L/2=1850μmを基準にすると、上記1650μmは、L/2の約89%に相当する。
なお、スロット15の中心線Nに対するオフセット量(距離M1)、スロット15のX軸に平行な幅、及びZ軸に平行な長さは、スロット16の中心線Nに対するオフセット量(距離M2)、スロット16のX軸に平行な幅、及びZ軸に平行な長さとそれぞれ同一ではなくても、実質的に同一であればよい。言い換えると、製造誤差程度の範囲内で相違していても、本発明の目的を達成することができる。また、距離M3も、製造誤差程度の範囲内で距離M4と相違していてもよい。このことは、後述する他の形態にもあてはまる。
(励振部の構成)
初めに、図2の断面図を得るのに用いた図1のA−B−C−D線について説明する。A−B線は、Z軸に平行であり、共振器アンテナ装置1の幅(X軸に平行)を二等分する二等分線を含む平面に含まれており、BのXZ座標は、中心RのXZ座標と一致する。B−C線は、前記交差線を含む平面に含まれている。C−D線は、Z軸に平行であり、スロット16の幅(X軸に平行)を二等分する二等分線を含む平面に含まれている。B−C−D線は、図2に、スロット16の断面を描くために設定されている。
励振部20は、誘電体層21、マイクロストリップ線路22(給電線路)及びブラインドビア23によって構成されている。誘電体層21及びマイクロストリップ線路22は、第2広壁12から第1広壁11に垂直に向かう方向、すなわちY軸の正方向に沿って、第1広壁11の上に順次積層されている。図2にも示すように、誘電体層21は第1広壁11の第1短辺11aから、励振用開口14を覆う位置まで、第1広壁11と同じ幅で形成されている。したがって、励振用開口14は、誘電体層21によって覆われており、スロット15の一部領域、つまりスロット15におけるZ軸の負方向側の領域も誘電体層21によって覆われている。
次に、ブラインドビア23に高周波電流を給電する構成について説明する。マイクロストリップ線路22は、一態様として、誘電体層21上でZ軸の正方向に延びている。マイクロストリップ線路22のZ軸に沿って対峙する両端部のうち、Z軸の負方向側に位置する一端部は、パッド状の信号電極22aとして形成されている。また、Z軸の正方向側に位置する他端部には、ブラインドビア23が接続されている。
信号電極22aに対してX軸に沿った両側には、信号電極22aからやや離れて、パッド状の接地電極24,25が誘電体層21上に形成されている。接地電極24,25は、導電性のビアを介して第1広壁11と電気的に接続されている。このような給電部の構成は、GSG(Ground-Signal-Ground)構造と呼ばれている。一方、ブラインドビア23は例えば円柱形状または円筒形状をしており、円柱形状または円筒形状の中心軸はY軸に平行であり、かつブラインドビア23はY軸の負方向に長く延びている。ブラインドビア23の長さは、ブラインドビア23が励振用開口14から前記直方体の空間内に挿入された状態で、その空間の途中まで延び第2広壁12には届かない長さに設定されている。
なお、ブラインドビア23と励振用開口14とは接触しないように、言い換えると、ブラインドビア23と第1広壁11とが短絡しないように、ブラインドビア23と励振用開口14との間にリング状の空隙がアンチパッドとして設けられている。また、マイクロストリップ線路22の中ほどには、インピーダンス整合回路として機能するオープンスタブ22bが、Z軸方向に延びるマイクロストリップ線路22からX軸の正負両方向に突き出すように設けられている。なお、前記アンチパッドは空隙でもよいが、空隙を空気以外の絶縁材料で埋めてもよい。
(スロットに対する誘電体の充填)
第1の実施形態、及び後述する第3での実施形態では、スロット15の開口部分の少なくとも一部が誘電体層21によって覆われている。しかし、スロット15の開口部分に誘電体層21がかからないように、誘電体層21を形成する領域をパターニングすることもできる。あるいは、スロット15の開口部分の一部を誘電体層21によって覆うと共に、スロット16の開口部分の一部を同様に、誘電体層21と同じ材料によって覆ってもよい。さらに、スロット15、16の各開口部分の全部に、誘電体を充填してもよい。これにより、該開口部分に誘電体を充填していない共振器アンテナ装置に比べて、長方形状のスロットの長辺の長さ(スロット長)を変えることなく、使用可能な周波数帯域の中心周波数を低くするなど、使用可能な周波数帯域を用途に合わせて変化させることができる。なお、フォトリソグラフィによって、誘電体層21を形成する領域をパターニングすることができる。
(励振動作)
上記の構成において、高周波電流が、給電部24からマイクロストリップ線路22及びブラインドビア23に供給される。その結果、ブラインドビア23の周りに磁界が発生する。その磁界は主にXZ面に平行な面内で、ブラインドビア23を中心とする時計回りおよび反時計回りの向きを持つように、1周期内で変動する。こうして、共振器部10内の電磁界が励振部20によって励振され、共振器部10内の前記空間において電磁波が発生する。
なお、共振器部10内に定在するTEmnpモード(特定モード)の電磁波の共振波長λmnpは、以下の式により与えられる。
λmnp={(m/2W)+(n/2H)+(p/2L)−1/2
(ただし、W:共振器幅、H:共振器の高さ、L:共振器長)
本実施形態では、共振器部10内にTE102モードの電磁波を定在させる。
なお、前記直方体の空間は、矩形導波路の両端を終端したものと捉えることもできる。一方の終端は導電性の側壁131になっているので、側壁131では矩形導波路内に分布する電界の強度が0になる。終端からn×λg/2(nは正の整数、λgは管内波長)の位置では、終端と同様に電界の強度が0になる。このため、n=2の位置に側壁134を短絡板として設けると、側壁134から側壁131までの領域における電界の分布は影響を受けず変化しない。この構成によって、TE102モードの共振を発生させることができ、共振器部10はTE102共振器として動作する。
(電磁波の放射)
前記空間に定在する電磁波は、スロット15及びスロット16から共振器アンテナ装置1の外部へ放射される。スロット15、16から放射される電磁波の強度を高めるためには、XZ面内でブラインドビア23の周りに発生した磁界の向きと、スロット15、16の各長手方向とを一致させるとよい。前記磁界の向きは、上述したように、ブラインドビア23を中心とする時計回りおよび反時計回りの向きとなるがゆえに、前記磁界は、X軸方向またはZ軸方向に平行な成分を強く持つことになる。したがって、スロット15、16を、図1に示すように、Z軸方向を長手方向とするように形成することによって、スロット15、16から効率的に電磁波を放射させることができる。
(効果)
共振器アンテナ装置1の上記構成によれば、共振器部10内の空間は、第1広壁11に形成された励振用開口14を除くと、第1広壁11と第2広壁12と狭壁13とで囲まれた閉空間になっている。この閉空間に、励振用電極としてのブラインドビア23が励振用開口14を介して挿入されている。したがって、この閉空間内で、ブラインドビア23の周りに発生した電磁波を定在させるのに適した閉空間を形成することができる。この結果、共振器アンテナ装置1の使用可能な帯域を広げやすくなるという効果が得られる。この効果については、後述する実施例において、反射損失特性のグラフに基づいて具体的に説明する。
また、共振器アンテナ装置1の上記構成によれば、スロットの数を従来のスロットアレイアンテナより大幅に減らせるので、従来よりも簡単な構造を実現でき、小型化を図ることもできる。また、スロットの数を従来より減らせるので、従来のスロットアレイアンテナよりアンテナ利得を下げ、ビーム指向性を広げることができる。
さらに、スロットの数を従来より減らせるので、スロットで反射される反射波同士の位相合わせが容易になる。このため、反射損失を従来よりも低減することができる。この点を図1に基づいて具体的に説明する。共振器アンテナ装置1では、共振器部10内の空間に、TE102モードの共振を発生させる。これに対して、スロット15、16は、長手方向がZ軸に平行となるように、かつ、Z軸に直交する平面Pで前記空間を等分割した場合の第1半空間S1と第2半空間S2とに対応させて点対称に設けられている。この場合、スロット15の中心とスロット16の中心とは、Z軸に関して(1/2)Lの距離を持っている。また、スロット15とスロット16とは、上記のように点対称に配置されているゆえに、同様な電磁場の環境にあると仮定して反射損失を考察することができる。実際には、スロット15付近の電磁場はブラインドビア23から影響を受けるので、同様な電磁場の環境にあると仮定することは、実際の反射損失をシンプルなモデルに置き換えて、その本質を考察するということである。
このようなシンプルなモデルにおいて、スロット15からの反射波の位相とスロット16からの反射波の位相とを比べると、60GHz帯における使用可能な帯域の幅の中心周波数付近(例えば62GHz付近)で、位相差が180°または180°付近になる。この点の具体例については、後述する実施例において改めて説明する。
そこで、スロット15、16による各反射波の振幅が同じだと仮定すると、ブラインドビア23に到達するまでの各反射波の位相差はほぼ180°なので、ブラインドビア23付近ではスロット15からの反射波とスロット16からの反射波との打ち消し合いの程度が大きくなる。すなわち、共振器アンテナ装置1では、複数の反射波同士の打ち消し合いの程度が、従来のスロットアレイアンテナにおける打ち消し合いの程度より高いといえる。その結果、良好な入力反射特性(低反射損失)が実現されると考えられる。
さらに、スロットの数が従来より少ないので、スロット15、16の形成位置の誤差が、放射される各電磁波の位相ずれを誘発する不具合、あるいは、共振器部10内で発生する電界の波が各スロットに到達するまでに位相差が発生する不具合を抑制し易くなる。したがって、各スロットから放射される電磁波の位相ずれが、放射波の主ビーム方向に悪影響を与えることを軽減できる。
(変形例1)
共振器アンテナ装置1では、第1広壁11の第2短辺11bのZ座標と、側壁131の外面のZ座標とが同じになっている。しかし、図1に示すように、第2短辺11bのZ座標を、Z軸の正方向にβだけ増やしてもよい。第2広壁12も第1広壁11と同じサイズにする。すなわち、第1広壁11及び第2広壁12のZ軸に平行な長さをβだけ延ばしてもよい。なお、スロット15の形成には、スロット16を第2短辺11bにできるだけ近づけて形成するときの製造限界の問題が伴わないので、スロット16を(1/2)Lの長さで形成できない場合でも、スロット15は(1/2)Lの長さで形成してもよい。
≪第2の実施形態≫
〔アンテナ装置の構成〕
本発明の第2の実施形態に係る共振器アンテナ装置1Aの構成について、図3及び図4を参照して説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図3は、共振器アンテナ装置1Aの構成を示す分解斜視図であり、図4は、図3に示す共振器アンテナ装置1Aを備えたアンテナモジュール3の構成を示す断面図であり、共振器アンテナ装置1Aを図3に示すE−F−G−H線に沿う矢視断面図として描いている。なお、E−F−G−H線と共振器アンテナ装置1Aとの位置関係は、前記A−B−C−D線と共振器アンテナ装置1との位置関係と同一である。F−G−H線は、図4に、スロット16Aの断面を描くために設定されている。
前記共振器アンテナ装置1と共振器アンテナ装置1Aとの相違点は、図3に示すように、前記スロット15に対応したスロット15Aと、前記スロット16に対応したスロット16Aとが、第1広壁11ではなく第2広壁12に設けられている点である。なお、前記第1半空間S1、第2半空間S2及び中心線N、n1、n2を用いて説明したスロット15とスロット16との位置関係、並びに、第1広壁11におけるスロット15、16の設け方は、スロット15Aとスロット16Aとの位置関係、及び第2広壁12におけるスロット15A、16Aの設け方にもそのままあてはまる。
〔アンテナモジュール〕
共振器アンテナ装置1Aは、図4に示すように、アンテナモジュール3に組み込んだ際に、共振器アンテナ装置1では得られない特有の効果を生む。この点について説明する。
まず、アンテナモジュール3の構成は以下のとおりである。アンテナモジュール3は、一構成例として、プリント基板31、RFIC(高周波集積回路)32、半田バンプ33、モジュール実装用電極パッド34及び半田バンプ35を備えている。RFIC32は、半田バンプ33を介してマイクロストリップ線路22に接続され、マイクロストリップ線路22に前記高周波電流を供給する。また、半田バンプ35が、共振器アンテナ装置1Aの第1広壁11とプリント基板31のモジュール実装用電極パッド34とを電気的に接続することによって、共振器アンテナ装置1Aはプリント基板31に実装される。
アンテナモジュール3の上記の構成によれば、マイクロストリップ線路22が設けられていない第2広壁12にスロット15A、16Aを設けているので、共振器部10で発生した電磁波は、スロット15A、16AからRFIC32及びプリント基板31が存在していない方向に放射される。このため、前記電磁波がRFIC32及びプリント基板31の構造によって反射されたり、そのことに起因してアンテナの動作帯域または入力インピーダンスが変化する等の影響を受けずに済む。また、前記電磁波が、RFIC32及びプリント基板31の動作に影響を与えることもない。
このように、スロット15、16をマイクロストリップ線路22を備えた第1広壁11に設けるより、スロット15A、16Aを第2広壁12に設けた方が、アンテナモジュール3の設計の自由度を広げることができる。
(変形例2)
ここまで説明した例では、2つのスロットの両方を、第1広壁11または第2広壁12に形成した。しかし、この例に限られず、2つのスロットの一方を第1広壁11に設け、他方を第2広壁12に設けてもよい。ただし、共振器アンテナ装置をY軸の正方向から負方向へ平面視した場合に、中心線Nに対する2つのスロットのオフセット量は同一であり、中心Rに対して点対称に配置される条件は満たされている。
また、例えば共振器アンテナ装置1では、スロット15をX軸の負方向側に配置し、スロット16をX軸の正方向側に配置しているが、これらの配置を逆にしてもよく、この逆に配置する構成は、本変形例2についても適用できる。例えば、第1半空間S1において、スロット15を第1広壁11のX軸の正方向側に配置し、第2半空間S2において、スロット16をスロット16Aに置き換えて、第2広壁12のX軸の負方向側に配置してもよい。
この変形例2の構成では、電波の放射方向が、一方向ではなく、XZ面に対して対称的な二方向になる。
≪第3の実施形態≫
本発明の第3の実施形態に係る共振器アンテナ装置1Bの構成について、図5及び図6を参照して説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図5は、共振器アンテナ装置1Bの構成を示す分解斜視図であり、図6は、図5に示すJ−K−L−M線に沿う矢視断面図である。なお、J−K−L−M線と共振器アンテナ装置1Bとの位置関係は、前記A−B−C−D線と共振器アンテナ装置1との位置関係と同一である。K−L−M線は、図6に、スロット16の断面を描くために設定されている。
〔アンテナ装置の構成の相違点〕
前記共振器アンテナ装置1、1Aと共振器アンテナ装置1Bとの主要な相違点は、次の2点である。
(相違点1)
第1広壁11と第2広壁12とに挟まれた空間を四方から取り囲む狭壁13Bが、狭壁13のように連続した導体壁ではなく、Y方向に細長い円筒形状または円柱状の導体柱の配列によって形成されている。この導体柱のことをポスト(導電性ビア)と呼び、図5では、ポスト13bとして図示している。また、狭壁13Bのことを以下ではポスト壁13Bと言い換えることにする。
より具体的には、図5に示すように、XZ面に平行な平面内に長方形を考えた場合、複数のポスト13bの各中心軸がY軸と平行をなし、前記長方形の短辺及び長辺に沿って、複数のポスト13bが等間隔に配列されている。隣り合う2つのポスト13bの間隔は、ポスト壁13B内で発生した周波数帯域に含まれる電磁波がポスト壁13Bの外側に漏れ出すことを防げる間隔であり、〔ポスト間隔<ポスト直径の2倍〕を満たすように設定される。
(相違点2)
共振器アンテナ装置1、1Aでは、共振器部10内の空間は、空気または固体の誘電体で満たされていれば良いが、共振器アンテナ装置1Bでは、ポスト壁13Bを形成するために、前記空間を固体の誘電体で満たしている。その誘電体を図5では誘電体基板としての誘電体層17として示している。
〔アンテナ装置の構成〕
共振器アンテナ装置1Bの構成についてさらに説明する。共振器アンテナ装置1Bは、共振器部10Bと励振部20Bとを備えている。
(共振器部の構成)
共振器部10Bと共振器部10との相違点は、ポスト壁13Bが形成された誘電体層17を共振器部10Bが新たに備えている点である。第1広壁11は、誘電体層17のY軸の方向に対向する2つの主面のうち、Y軸の正方向側の主面上に積層され、第2広壁12は、Y軸の負方向側の主面上に積層されている。また、図5では、直方体形状をした誘電体層17のZX軸にそれぞれ平行な縦横の長さが、長方形状の第1広壁11及び第2広壁12の長辺及び短辺より長く設定されている。しかし、誘電体層17のサイズは、この形態に限定されない。例えば、誘電体層17の前記縦横の長さが、第1広壁11及び第2広壁12の長辺及び短辺の長さと一致していてもよい。
ただし、図5に示す前者のサイズを採用すると、後者のサイズを採用するよりも、広い帯域を確保できるというメリットが生まれる。前者のサイズを採用した場合、図1及び図2に示す側壁131〜134のうち、少なくとも隣り合う3つの側壁に対応した外側が、前記空間を埋める誘電体と同じ材料の誘電体によって囲まれていることになる。
ポスト13bは、上記したように、円柱状の導体でもよいが、作製の容易さの観点では、図6に示すように中空の円筒状の導体とすることが好ましい。ポスト13bを円筒状の導体とする場合には、例えば、誘電体層17に、複数のポスト13bを形成する各位置に、誘電体層17をY軸方向に貫通する複数の貫通孔を形成する。そして、その貫通孔の内壁面にメッキまたは蒸着等による導体膜を形成することにより、複数のポスト13b、つまりポスト壁13Bを作製することができる。
なお、図6に示すように、ポスト13bの上端部は第1広壁11と電気的に接続され、ポスト13bの下端部は第2広壁12と電気的に接続されている。
(励振部の構成)
励振部20Bは、円柱状のブラインドビア23を円筒状のブラインドビア23Bに代えた点において、励振部20と異なっている。ブラインドビア23Bも、ポスト13bと同様に、図6に示すように中空の円筒状の導体とすることが作製の容易さの観点で好ましい。
ブラインドビア23Bを形成するには、誘電体層17上に第1広壁11を積層した後、ブラインドビア23Bが通るリング状導体14aを形成するための円板状導体を残すように、かつ円板状導体の周囲にアンチパッドとなるリング状の空隙を形成することによって励振用開口14を形成するように、第1広壁11をエッチングする。マイクロストリップ線路22、誘電体層21、前記円板状導体を貫通し、誘電体層17の高さの途中位置まで届く貫通孔をエッチングによって形成し、その貫通孔の内壁面にメッキまたは蒸着等による導体膜を形成することにより、ブラインドビア23Bを作製することができる。なお、狭壁を導体壁により構成する場合と比べて、誘電体層17中にポスト13bを並べる構成は、共振器アンテナ装置1Bを共振器アンテナ装置1及び共振器アンテナ装置1Aよりも軽量に実現することができる。
そのほかの構成及び動作については前記2つの実施形態において説明した内容が、本実施形態にもそのままあてはまる。
<実施例>
前記第1の実施形態に属する実施例に係る共振器アンテナ装置1aについて、図7及び図8を参照して説明する。図7は、共振器アンテナ装置1aの平面図であり、図8は、共振器アンテナ装置1aの反射損失特性を示すグラフである。
本実施例では、共振器アンテナ装置1aの反射損失特性を具体的に求めるために、共振器アンテナ装置1aの各部の設計値を具体的に特定している。
(共振器部の設計値)
図7に示すように、共振器アンテナ装置1aの共振器長Lを3700μm、共振器幅Wを1900μmに設定した。また、第1広壁11、第2広壁12及び狭壁13によって囲まれた前記直方体形状の空間に、誘電体の一例であるシリカガラス(比誘電率ε=3.823)を充填した。そのシリカガラスの厚み、すなわち高さHを520μmに設定した。共振器部10で発生した電磁波が共振する前記空間のサイズが、これら3つの値により定まる。特に、TE102モードの共振を発生させた場合、前述した共振波長λ102=[{1/(2W)}+(1/L)]−1/2に基づいて求めると、共振波長λ102は約2.65mmとなり、共振周波数fは、f=光速/(λ・ε1/2)に基づいて求めると、約57.9GHzとなる。したがって、共振器アンテナ装置1aは、近接又は近距離通信に適した無線通信規格であるWiGig/IEEE802.11adにおいて想定されている、60GHz帯(57GHz以上66GHz以下)への使用に適している。
スロット15、16のサイズ及び形成位置は次のように設定した。共振器長L(Z軸)に平行な辺は、スロット15、16を平面視した形状である長方形の長辺であり、共振器幅W(X軸)に平行な辺は、当該長方形の短辺であり、これら長辺及び短辺の長さをそれぞれ1750μm及び200μmに設定した。また、中心線Nに対するスロット15、16の各オフセット量は、同じであり、290μmに設定した。
なお、第1広壁11、第2広壁12及び狭壁13の各厚みを10μmに設定した。
(励振部の設計値)
次に、マイクロストリップ線路22を共振器幅Wの中央(第1広壁11の長辺から950μmの位置)においてZ軸に平行に配置した。マイクロストリップ線路22の幅(X軸に平行)を35μmに設定するとともに、オープンスタブ22bの長さ(マイクロストリップ線路22からの突出長さ)について、X軸の正方向に突出したオープンスタブ22bの長さQ1を292.5μm、X軸の負方向に突出したオープンスタブ22bの長さQ2を142.5μmに設定した。マイクロストリップ線路22の厚み(Y軸に平行)を10μmに設定した。誘電体層21の厚み(Y軸に平行)を16μmに設定し、誘電体層21の比誘電率εをε=3.4に設定した。
なお、マイクロストリップ線路22の幅を35μmに設定することによって、電磁界解析において特性インピーダンスを50Ωにすることができる。ただし、35μm及び50Ωは一例に過ぎず、所望の入力インピーダンスが得られるようにマイクロストリップ線路22及びオープンスタブ22bの設計値を決めればよい。
一方、円柱形状をしたブラインドビア23の中心の位置を、給電部24に最も近い狭壁13の側壁134から、Z軸の正方向に535μm隔たった位置に設定した。また、ブラインドビア23の直径を100μm、ブラインドビア23に電気的に接続され、誘電体層21上に形成した円形状のランド23aの直径を200μmに設定した。
なお、励振用開口14の直径を320μmに設定した。これにより、励振用開口14とブラインドビア23とを絶縁するアンチパッドの幅は60μmとなる。また、誘電体層21におけるZ軸の正方向側の端面が、側壁134からZ軸の正方向に925μm隔たった位置に達するように、誘電体層21を第1広壁11上に積層した。
ブラインドビア23の中心の位置と側壁134との距離を535μmより短くすると、マイクロストリップ線路端において共振器との入力インピーダンス整合がなされる周波数帯域において、スロット15、16から放射される電磁波の中心周波数は高くなる。例えば、前記距離を410μmに設定すると、中心周波数は約80GHzになる。
(反射損失特性)
以上のように設計した共振器アンテナ装置1aの反射損失特性を図8のグラフにて示す。無線通信に使用可能な帯域として、例えば反射損失が−10dBより小さい帯域が好ましいとされている。そこで、グラフから−10dBより小さい帯域を読み取ると、約58.7GHz〜65.7GHzが使用可能な帯域となっていることがわかる。また、比帯域幅(使用可能な帯域の幅の中心周波数に対する、その帯域の幅のパーセンテージ)は、約11.3%と求まるので、60GHz帯における広い帯域を共振器アンテナ装置1aがカバーできているといえる。
図9の(a)(b)は、共振器アンテナ装置1aの反射損失特性と、スロット15、16による各反射波がブラインドビア23に到達したときの各反射波の位相との関係を示すグラフである。図9の(a)に示す破線の楕円枠は、反射損失が−10dBより小さい帯域を示している。図9の(b)はスロット15、16からブラインドビア23に到達する各反射波の位相の周波数依存性を示している。例えば、反射損失が−10dBより小さい帯域の中心周波数付近では、各反射波の位相差が180°に近い。より具体的には、例えば周波数が62.5GHzでは、スロット15からの反射波の位相が約90°であり、スロット16からの反射波の位相が約−135°なので、位相差は225°である。このくらいに大きな位相差であれば、反射損失は−10dBを下回っているので、スロット15、16からの各反射波同士の打ち消し合いの程度は、アンテナ設計において妥当な程度に大きいといえる。なお、反射損失が−15dBを下回ると、スロット15、16からの各反射波同士の打ち消し合いの程度は十分に大きいといえる。
したがって、矩形導波路の共振器長Lを2分割し、2分割する分割線の中心に対して、共振器長に沿って細長い2つのスロットを実質的に点対称に配置した共振器アンテナ装置では、反射の小さくなる周波数帯域と、2つのスロットからの各反射波の位相差が大きい周波数帯域とが、概略一致するといえる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1、1A、1B、1a 共振器アンテナ装置
10、10B 共振器部
11 第1広壁
12 第2広壁
13 狭壁
13b ポスト(導電性ビア)
13B ポスト壁(狭壁)
14 励振用開口
15、15A スロット(放射用開口)
17 誘電体層(誘電体基板)
20、20B 励振部
21 誘電体層
22 マイクロストリップ線路(給電線路)
22b オープンスタブ
23、23B ブラインドビア(励振用電極)
131 側壁(第1側壁)
132 側壁(第2側壁)
133 側壁(第3側壁)
134 側壁(第4側壁)
H 高さ
L 共振器長
S1 第1半空間
S2 第2半空間
W 共振器幅

Claims (12)

  1. 励振用開口が形成された第1広壁、前記第1広壁に対向する第2広壁、及び、前記第1広壁と前記第2広壁とに挟まれた空間を直方体の空間とする側壁となる狭壁を有し、前記空間内で発生する電磁波を放射する放射用開口が、前記第1広壁または前記第2広壁に形成された共振器部と、
    前記第2広壁から前記第1広壁に垂直に向かう方向(Y)に沿って、前記第1広壁、前記励振用開口を覆う誘電体層及び給電線路がこの順に積層され、前記給電線路に接続された、前記誘電体層を貫通する励振用電極であって、前記第1広壁に接触することなく、前記励振用開口を介して前記空間内に進入した励振用電極を有し、前記空間内の電磁界を励振することによって前記空間内に特定モードの電磁波を発生させる励振部と、を備え、
    前記放射用開口は、第1の放射用開口及び第2の放射用開口を含み、
    前記方向(Y)に垂直で前記共振器部の共振器幅に平行な方向(X)、該方向(X)に垂直で前記共振器部の共振器長に平行な方向(Z)を定め、該方向(Z)に垂直な平面によって前記空間を第1半空間と第2半空間とに分割したとき、前記第1の放射用開口は前記第1半空間側にて方向(Z)に沿って細長い形状を有している一方、前記第2の放射用開口は前記第2半空間側にて方向(Z)に沿って細長い形状を有し、
    前記第1の放射用開口の前記方向(Z)に沿って対峙する両端部のうち、前記平面に近い方の端部である第1の端部と、前記第2の放射用開口の前記方向(Z)に沿って対峙する両端部のうち、前記平面に近い方の端部である第2の端部とを、前記方向(Y)に沿って平面視した場合の位置関係は、前記第1広壁または前記第2広壁と前記平面との交差線の中心に対して、実質的に点対称になっている、
    ことを特徴とする共振器アンテナ装置。
  2. 前記第1の放射用開口と前記第2の放射用開口とは互いに実質的に合同の形状を有し、
    前記交差線の中心に対して、前記第1の放射用開口と前記第2の放射用開口とは実質的に点対称に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の共振器アンテナ装置。
  3. 前記中心は、前記第1広壁と前記平面との交差線の中心であり、
    前記励振用電極は、前記中心を通って前記方向(Z)に平行な中心線上に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の共振器アンテナ装置。
  4. 前記特定モードは、TE102モードである、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の共振器アンテナ装置。
  5. 前記第1の放射用開口及び前記第2の放射用開口の方向(Z)に平行なそれぞれの長さは、前記空間内で発生して定在する電磁波の波長の1/2に実質的に等しい、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の共振器アンテナ装置。
  6. 前記第1の放射用開口は、前記第1半空間のみに設けられ、前記第2の放射用開口は、前記第2半空間のみに設けられている、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の共振器アンテナ装置。
  7. 前記第1広壁および前記第2広壁は、前記直方体の前記側壁としての前記狭壁を挟む頂壁および底壁として設けられ、
    前記側壁は、第1側壁、第2側壁、第3側壁及び第4側壁から成り、前記第1側壁から前記第4側壁のうち、少なくとも隣り合う3つの側壁に対応した外側は、前記空間を埋める誘電体と同じ材料の誘電体によって囲まれている、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の共振器アンテナ装置。
  8. 前記放射用開口は、全て前記第2広壁に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の共振器アンテナ装置。
  9. 前記第1広壁側に配置され、前記給電線路に接続された集積回路を更に備えている、
    ことを特徴とする請求項8に記載の共振器アンテナ装置。
  10. 前記給電線路には、オープンスタブが付加されている、
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の共振器アンテナ装置。
  11. 前記共振器部は、誘電体基板を更に有し、
    前記第1広壁は、前記誘電体基板の一方の主面に形成された導体層であり、
    前記第2広壁は、前記誘電体基板の他方の主面に形成された導体層であり、
    前記狭壁は、前記誘電体基板を貫通する複数の導電性ビアからなるポスト壁であり、
    前記励振用電極は、前記誘電体層を貫通すると共に、前記誘電体基板内に進入したブラインドビアである、
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の共振器アンテナ装置。
  12. 前記放射用開口の少なくとも一部に、誘電体が充填されている、
    ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の共振器アンテナ装置。
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