JP2020025260A - 導波路装置およびアンテナ装置 - Google Patents

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    • H01Q13/02Waveguide horns
    • H01Q13/0233Horns fed by a slotted waveguide array

Abstract

【課題】伝搬損失の小さい導波路装置を実現する。【解決手段】導波路装置は、第1導電性表面を有する第1導電部材と、前記第1導電性表面に対向する第2導電性表面を有する第2導電部材と、前記第2導電性表面から突出する導電性のリッジと、前記リッジの両側に配置された導電性の複数のロッドとを備える。前記複数のロッドは、前記リッジに隣接する1つ以上の第1ロッドを含む。各第1ロッドは、前記リッジの側面に対向する第1側面と、前記リッジの側面に対向しない第2側面とを有する。前記第1側面は、平坦で、かつ前記第2導電性表面に実質的に直交する。前記第2側面は、前記第1ロッドの前記先端部から前記基部に向かうにつれて前記第1ロッドの軸心から外側に離れる形状を有する。【選択図】図9

Description

本開示は、導波路装置およびアンテナ装置に関する。
特許文献1から4、および非特許文献1は、導波路装置を開示する。これらの文献に開示された導波路装置のそれぞれは、全体として、対向する一対の導電プレートを備える。一方の導電プレートは、他方の導電プレートの側に突出するリッジと、リッジの両側において、行および列方向に配列された複数の導電性ロッドとを有する。複数の導電性ロッドによって人工磁気導体が実現されている。リッジの導電性を有する上面は、ギャップを介して、他方の導電プレートの導電性表面に対向する。人工磁気導体の伝搬阻止帯域に含まれる波長を有する電磁波は、この導電性表面とリッジの上面との間の空間をリッジに沿って伝搬する。本明細書において、このような導波路をWRG(Waffle−iron Ridge waveGuide)またはWRG導波路と称する。WRG導波路は、例えば1つ以上のスロットを放射素子として備えるアンテナ装置において、スロットに給電するための導波路として使用され得る。
複数の導電性ロッドは、例えば特許文献4に開示されているように、角柱状、角柱の角が面取りされた形状、円筒状、上端から基部に向けて幅が拡大した形状(先細り形状)などの種々の形状を有し得る。特に、リッジの屈曲部または分岐部に隣接するロッドの形状を先細り形状にすることにより、屈曲部または分岐部での信号波の反射を抑制できることが特許文献4に記載されている。
米国特許第8779995号明細書 米国特許第8803638号明細書 欧州特許出願公開第1331688号明細書 米国特許第10027032号明細書
Kirino et al., "A 76 GHz Multi-Layered Phased Array Antenna Using a Non-Metal Contact Metamaterial Waveguide", IEEE Transaction on Antennas and Propagation, Vol. 60, No. 2, February 2012, pp 840-853
本開示は、導波路を伝搬する電磁波の伝搬損失を低減することが可能な新規な導波路装置およびアンテナ装置を提供する。
本開示の一態様に係る導波路装置は、第1導電性表面を有する第1導電部材と、前記第1導電性表面に対向する第2導電性表面を有する第2導電部材と、前記第2導電性表面から突出する導電性のリッジと、前記リッジの両側に配置された導電性の複数のロッドとを備える。前記リッジは、前記第1導電性表面に対向して延びる導波面を有する。各ロッドは、前記第2導電性表面に接続された基部と、前記第1導電性表面に対向する先端部を有する。前記導波面と前記第1導電性表面との間には導波路が規定される。前記複数のロッドは、前記リッジに隣接する1つ以上の第1ロッドを含む。各第1ロッドは、前記リッジの側面に対向する第1側面と、前記リッジの側面に対向しない第2側面とを有する。前記第1側面は、平坦で、かつ前記第2導電性表面に実質的に直交する。前記第2側面は、前記第1ロッドの前記先端部から前記基部に向かうにつれて前記第1ロッドの軸心から外側に離れる形状を有する。前記基部における前記軸心から前記第1側面までの距離は、前記基部における前記軸心から前記第2側面までの距離よりも小さい。
本開示の他の態様に係る導波路装置は、第1導電性表面を有する第1導電部材と、前記第1導電性表面に対向する第2導電性表面、および導波路として機能する貫通孔を有する第2導電部材と、導電性の複数のロッドとを備える。各ロッドは、前記第2導電性表面に接続された基部と、前記第1導電性表面に対向する先端部を有する。前記複数のロッドは、前記貫通孔に隣接する1つ以上のロッドを含む。前記1つ以上のロッドの各々は、前記貫通孔の側に位置する第1側面と、前記第1側面とは異なる第2側面とを有する。前記第1側面は、平坦で、かつ前記第2導電性表面に実質的に直交する。前記第2側面は、前記ロッドの前記先端部から前記基部に向かうにつれて前記ロッドの軸心から外側に離れる形状を有する。
本開示の実施形態によれば、導波路を伝搬する電磁波の伝搬損失を低減することができる。
導波路装置の例を模式的に示す斜視図である。 導波路装置のXZ面に平行な断面の構成の例を模式的に示す図である。 導波路装置のXZ面に平行な断面の構成の他の例を模式的に示す図である。 第1導電部材と第2導電部材との間隔を極端に離した状態にある導波路装置を模式的に示す斜視図である。 図2Aに示す構造における各部材の寸法の範囲の例を示す図である。 導波路装置の他の例を示す断面図である。 導波路装置のさらに他の例を示す断面図である。 導波路装置のさらに他の例を示す断面図である。 導波路装置のさらに他の例を示す断面図である。 導波路装置のさらに他の例を示す断面図である。 導波路装置のさらに他の例を示す断面図である。 導波路装置のさらに他の例を示す断面図である。 導波路装置のさらに他の例を示す断面図である。 導波路装置のさらに他の例を示す断面図である。 導波部材の導波面と導電部材の導電性表面との間を伝搬する電磁波を模式的に示す図である。 中空導波管の断面を模式的に示す図である。 導電部材上に2個の導波部材が設けられている形態を示す断面図である。 2つの中空導波管を並べて配置した導波路装置の断面を模式的に示す図である。 アンテナ装置の構成の一部を模式的に示す斜視図である。 アンテナ装置の断面を模式的に示す図である。 第1の実施形態による導波路装置の一部を示す斜視図である。 第1の実施形態による導波路装置の一部を示す平面図である。 第1の実施形態による導波路装置の一部を示す断面図である。 第1の実施形態による導波路装置の一部を拡大して示す図である。 ロッドの断面形状の第1の例を示す図である。 ロッドの断面形状の第2の例を示す図である。 ロッドの断面形状の第3の例を示す図である。 第1の実施形態の変形例による導波路装置の一部を示す断面図である。 第1の実施形態の他の変形例による導波路装置の一部を示す図である。 第2の実施形態による導波路装置の一部を示す図である。 第2の実施形態の変形例による導波路装置の一部を示す図である。 第3の実施形態における導波路装置の一部を模式的に示す斜視図である。 第3の実施形態における第1導電部材を模式的に示す斜視図である。 第3の実施形態における第2導電部材を模式的に示す斜視図である。 第3の実施形態における導波路装置の一部を模式的に示す断面図である。 第3の実施形態の変形例における導波路装置の一部を模式的に示す断面図である。 第3の実施形態の他の変形例における導波路装置の一部を模式的に示す断面図である。 第3の実施形態の変形例における第1導電部材を模式的に示す斜視図である。 第3の実施形態の変形例における第2導電部材を模式的に示す斜視図である。 第3の実施形態の変形例における導波路装置の一部を模式的に示す断面図である。 第3の実施形態の他の変形例における導波路装置の一部を模式的に示す断面図である。 第3の実施形態のさらに他の変形例における導波路装置の一部を模式的に示す断面図である。 第4の実施形態によるアンテナ装置を模式的に示す平面図である。 図22AにおけるB−B線断面図である。 第4の実施形態における第1導電部材上の構造を示す図である。 第4の実施形態における第2導電部材上の構造を示す図である。 第4の実施形態における第3導電部材上の構造を示す図である。 さらに他の変形例に係るスロットアンテナ装置における1つの放射素子を示す斜視図である。 図24Aに示す放射素子における導電部材110と他の導電部材160との間隔を離した状態を示す図である。 貫通孔のバリエーションを示す図である。
本開示の一実施形態における導波路装置は、第1導電性表面を有する第1導電部材と、前記第1導電性表面に対向する第2導電性表面を有する第2導電部材と、前記第2導電性表面から突出する導電性のリッジと、前記リッジの両側に配置された導電性の複数のロッドとを備える。前記リッジは、前記第1導電性表面に対向して延びる導波面を有する。各ロッドは、前記第2導電性表面に接続された基部と、前記第1導電性表面に対向する先端部を有する。前記導波面と前記第1導電性表面との間には導波路が規定される。前記複数のロッドは、前記リッジに隣接する1つ以上の第1ロッドを含む。各第1ロッドは、前記リッジの側面に対向する第1側面と、前記リッジの側面に対向しない第2側面とを有する。前記第1側面は、平坦で、かつ前記第2導電性表面に実質的に直交する。前記第2側面は、前記第1ロッドの前記先端部から前記基部に向かうにつれて前記第1ロッドの軸心から外側に離れる形状を有する。前記基部における前記軸心から前記第1側面までの距離は、前記基部における前記軸心から前記第2側面までの距離よりも小さい。
上記の構成によれば、リッジに沿って伝搬する電磁波のエネルギーの損失を抑えることができる。さらに、後述するように、導波路装置の設計時に行われるシミュレーションの作業量を低減することもできる。その結果、所望の性能を有する導波路装置およびアンテナ装置の設計を迅速に行うことができる。
本明細書において「実質的に直交する」とは、必ずしも厳密に直交することを意味せず、90度または90度に近い角度で交差することを意味する。80度以上100度以下(即ち90°±10°)の範囲内の角度で交差していれば、「実質的に直交する」ことに該当する。交差角度が90度に近いほど、導波路装置の設計時に行われる、CADシステム(Computer-aided design system)上でのモデル生成等の作業量が低減され得る。ある実施形態では、ロッドの第1側面と第2導電性表面との交差角度は、85度以上95度以下に設定され得る。同様に、「実質的に垂直」という表現も、必ずしも厳密に垂直であることを意味しない。「実質的に垂直」とは、垂直、または垂直に近い方位関係であることを意味する。垂直に対して±10°の範囲に入る方位関係であれば、「実質的に垂直」に該当する。なお、「実質的に」との形容を付さずに、単に「直交する」あるいは「垂直である」と表現する場合は、厳密に「直交する」あるいは「垂直である」ことを意味する。
ロッドの「軸心」とは、ロッドの重心を通り、第2導電性表面の法線方向に延びる軸を指す。各ロッドは、軸心に対して対称的な形状を有していてもよいし、軸心に対して非対称な形状を有していてもよい。
上記の構成によれば、前記第1ロッドの前記第2側面の少なくとも一部の、前記第2導電性表面の法線に対する傾斜角度は、前記第1ロッドの前記第1側面の、前記第2導電性表面の法線に対する傾斜角度よりも大きい。前記第1ロッドの前記第1側面以外の全ての側面が、前記第2側面と同様に、前記第1ロッドの前記先端部から前記基部に向かうにつれて前記第1ロッドの軸心から外側に離れる形状を有していてもよい。そのような構造によれば、伝搬損失を低減すると共に、ダイキャスティング法など、型を用いた量産手法の適用が容易になる。ダイキャスティング法によって本開示に係るアンテナ装置を構成する部材を製造する場合、先に言及した第1側面などの、第2導電性表面に実質的に直交する面は、例えば0.5度、第2導電性表面に対して傾斜させることがより好ましい。この場合、第1側面も、ロッドの基部に近づくに従って軸心から離れる形状となる。しかし、その場合でも、基部における軸心から第1側面までの距離は、基部における軸心から第2側面までの距離よりも小さい。
前記リッジは、屈曲部および分岐部の少なくとも一方を有していてもよい。前記1つ以上の第1ロッドの少なくとも1つの前記第1側面は、前記リッジの前記屈曲部または前記分岐部における側面に対向していてもよい。
屈曲部および分岐部では、リッジの延びる方向が変化する。このようにリッジの延びる方向が変化する部分では、そのままではインピーダンスの不整合が生じるため、伝搬する電磁波の不要な反射が生じる。屈曲部または分岐部に隣接する第1ロッドの側面を上記の形状にすることにより、屈曲部または分岐部での不要な反射を抑制することができる。さらに、特許文献4におけるロッドの構造と比較して、装置の設計をより迅速に行うことができる。
前記第2導電部材は、前記導波面と前記第1導電性表面との間の導波路に繋がる貫通孔を有していてもよい。前記複数のロッドは、前記貫通孔に隣接する1つ以上の第2ロッドを含んでいてもよい。この場合、各第2ロッドは、前記貫通孔の側に位置する第1側面と、前記第1側面とは異なる第2側面とを有する。前記第1側面は、平坦で、かつ前記第2導電性表面に実質的に直交する。前記第2側面は、前記第2ロッドの前記先端部から前記基部に向かうにつれて前記第2ロッドの軸心から外側に離れる形状を有する。各第2ロッドにおいて、前記基部における前記軸心から前記第1側面までの距離は、前記基部における前記軸心から前記第2側面までの距離よりも小さい。
貫通孔は、中空導波管として機能し得る。この中空導波管は、導波面と第1導電性表面との間のWRG導波路に接続される。上記の構造によれば、前述の効果に加え、貫通孔とWRG導波路との間を伝搬する電磁波のエネルギの損失を低減できる。
前記第2ロッドの前記第2側面の少なくとも一部の、前記第2導電性表面の法線に対する傾斜角度は、前記第2ロッドの前記第1側面の、前記第2導電性表面の法線に対する傾斜角度よりも大きい。前記第2ロッドの前記第1側面以外の全ての側面が、前記第2側面と同様に、前記第2ロッドの前記先端部から前記基部に向かうにつれて前記第2ロッドの軸心から外側に離れる形状を有していてもよい。そのような構造によれば、伝搬損失を低減すると共に、ダイキャスティング法など、型を用いた量産手法の適用が容易になる。
前記複数のロッドは、前記リッジおよび前記貫通孔の両方に隣接する1つ以上の第3ロッドを含んでいてもよい。この場合、各第3ロッドは、前記リッジの側面に対向する第1側面と、前記貫通孔の側に位置する第2側面と、前記第1側面および前記第2側面とは異なる第3側面とを有する。前記第1側面および前記第2側面の各々は、平坦で、かつ前記第2導電性表面に実質的に直交する。前記第3側面は、前記第3ロッドの前記先端部から前記基部に向かうにつれて前記第3ロッドの軸心から外側に離れる形状を有する。各第3ロッドにおいて、前記基部における前記軸心から前記第1側面までの距離は、前記基部における前記軸心から前記第3側面までの距離よりも小さい。
前記第3ロッドの前記第3側面の少なくとも一部の、前記第2導電性表面の法線に対する傾斜角度は、前記第3ロッドの前記第1側面および前記第2側面の各々の、前記第2導電性表面の法線に対する傾斜角度よりも大きい。前記第3ロッドの前記第1側面および前記第2側面以外の全ての側面が、前記第3側面と同様に、前記第3ロッドの前記先端部から前記基部に向かうにつれて前記第3ロッドの軸心から外側に離れる形状を有していてもよい。
前記リッジを第1リッジとするとき、前記導波路装置は、前記第1リッジから間隙を空けて位置する導電性の第2リッジを有していてもよい。前記第2リッジは、前記第2導電性表面から突出し、前記第1導電性表面に対向して延びる導波面を有する。前記導波面と前記第1導電性表面との間には導波路が規定される。前記複数のロッドは、前記第1リッジと前記第2リッジとの間に位置する1列以上のロッド列を含み得る。この場合、前記ロッド列に含まれる少なくとも1つのロッドは、前記第1リッジまたは前記第2リッジの側面に対向する第1側面と、前記第1リッジおよび前記第2リッジのいずれの側面にも対向しない第2側面とを有する。前記第1側面は、平坦で、かつ前記第2導電性表面に実質的に直交する。前記第2側面は、前記ロッドの前記先端部から前記基部に向かうにつれて前記ロッドの軸心から外側に離れる形状を有する。
前記第1リッジと前記第2リッジとの間に位置する前記1列以上のロッド列は、1列のロッド列であってもよい。この場合、前記ロッド列に含まれる各ロッドの側面のうち、前記第1リッジの前記側面に対向する側面、および前記第2リッジの前記側面に対向する側面の各々は、平坦で、かつ前記第2導電性表面に実質的に直交する。他の側面は、前記ロッドの前記先端部から前記基部に向かうにつれて前記ロッドの軸心から外側に離れる形状を有する。
本開示の他の実施形態における導波路装置は、第1導電性表面を有する第1導電部材と、前記第1導電性表面に対向する第2導電性表面、および導波路として機能する貫通孔を有する第2導電部材と、導電性の複数のロッドとを備える。各ロッドは、前記第2導電性表面に接続された基部と、前記第1導電性表面に対向する先端部を有する。前記複数のロッドは、前記貫通孔に隣接する1つ以上のロッドを含む。前記1つ以上のロッドの各々は、前記貫通孔の側に位置する第1側面と、前記第1側面とは異なる第2側面とを有する。前記第1側面は、平坦で、かつ前記第2導電性表面に実質的に直交する。前記第2側面は、前記ロッドの前記先端部から前記基部に向かうにつれて前記ロッドの軸心から外側に離れる形状を有する。
貫通孔は、中空導波管として機能し得る。上記の構造によれば、貫通孔内を伝搬する電磁波のエネルギの損失を低減できる。また、貫通孔に面する第1側面を第2導電性表面に実質的に直交するように構成することにより、設計を迅速化することができる。
前記1つ以上のロッドの各々の前記第2側面の少なくとも一部の、前記第2導電性表面の法線に対する傾斜角度は、前記ロッドの前記第1側面の、前記第2導電性表面の法線に対する傾斜角度よりも大きい。前記ロッドの前記第1側面以外の全ての側面が、前記第2側面と同様に、前記ロッドの前記先端部から前記基部に向かうにつれて前記ロッドの軸心から外側に離れる形状を有していてもよい。
上記の各態様において、第2導電部材、リッジ、および複数のロッドの少なくとも一部分は、当該少なくとも一部分の形状を規定する誘電体製の部材と、当該部材の表面を覆う導電材料の層とを含んでいてもよい。前記複数のロッドは、前記複数のロッドの表面に導電性のメッキ層を有していてもよい。前記リッジも同様に、前記リッジの表面に導電性のメッキ層を有していてもよい。この場合、第2導電部材、リッジ、およびロッドの形状を規定する誘電体部材の表面にメッキ層が形成される。第2導電部材、リッジ、およびロッドの全体が、誘電体部材で形状を規定されている必要はない。第2導電部材、リッジ、およびロッドのうちの一部分が、例えば金属部材で直接的に形状が規定されていてもよい。さらに、メッキ層に代えて、蒸着等により導電体の層が形成されていてもよい。第2導電部材、リッジ、およびロッドは、鋳造または鍛造などの金属加工によって作製されてもよい。第2導電部材、リッジ、およびロッドの各々は、単一構造体の一部であってもよい。
上記の導波路装置は、例えばアンテナ装置に使用され得る。アンテナ装置は、本開示の実施形態による導波路装置と、前記導波路装置に接続された1つ以上のアンテナ素子と、を備える。
第1導電部材は、リッジの導波面または貫通孔に対向する少なくとも1つのスロットを有していてもよい。そのようなスロットは、前記アンテナ素子として機能し得る。本開示において、第1導電部材に設けられたスロットも、「導波路装置に接続されたアンテナ素子」であるものと解釈する。
アンテナ装置は、複数のアンテナ素子を備えるアンテナアレイであってもよい。複数のアンテナ素子は、1次元的または2次元的に配列され得る。
<WRG構造の概要>
本開示の具体的な実施形態を説明する前に、本開示の実施形態において用いられるWRG構造を説明する。
図1は、WRG構造を有する導波路装置の構成例を模式的に示す斜視図である。図1には、互いに直交するX、Y、Z方向を示すXYZ座標が示されている。図1に示されている導波路装置100は、対向して平行に配置されたプレート状(板形状)の第1導電部材110および第2導電部材120を備えている。第2導電部材120には複数の導電性ロッド124が配列されている。
なお、本願の図面に示される構造物の向きは、説明のわかりやすさを考慮して設定されており、本開示の実施形態が現実に実施されるときの向きをなんら制限するものではない。また、図面に示されている構造物の全体または一部分の形状および大きさも、現実の形状および大きさを制限するものではない。
図2Aに示されるように、第1導電部材110は、第2導電部材120に対向する側に導電性表面110aを有している。導電性表面110aは、導電性ロッド124の軸方向(Z方向)に直交する平面(XY面に平行な平面)に沿って二次元的に拡がっている。この例における導電性表面110aは平滑な平面であるが、後述するように、導電性表面110aは平面である必要はない。
図3は、わかりやすさのため、第1導電部材110と第2導電部材120との間隔を極端に離した状態にある導波路装置100を模式的に示す斜視図である。現実の導波路装置100では、図1および図2Aに示すように、第1導電部材110と第2導電部材120との間隔は狭く、第1導電部材110は、第2導電部材120の全ての導電性ロッド124を覆うように配置されている。
図1から図3は、導波路装置100の一部分のみを示している。導電部材110、120、導波部材122、および複数の導電性ロッド124は、実際には、図示されている部分の外側にも拡がって存在する。導波部材122の端部には、後述するように、電磁波が外部空間に漏洩することを防止するチョーク構造が設けられる。チョーク構造は、例えば、導波部材122の端部に隣接して配置された導電性ロッドの列を含む。
再び図2Aを参照する。第2導電部材120上に配列された複数の導電性ロッド124は、それぞれ、導電性表面110aに対向する先端部124aを有している。図示されている例において、複数の導電性ロッド124の先端部124aは同一平面上にある。この平面は人工磁気導体の表面125を形成している。導電性ロッド124は、その全体が導電性を有している必要はなく、ロッド状構造物の少なくとも表面(上面および側面)が導電性を有していればよい。また、第2導電部材120は、複数の導電性ロッド124を支持して人工磁気導体を実現できれば、その全体が導電性を有している必要はない。第2導電部材120の表面のうち、複数の導電性ロッド124が配列されている側の面120aが導電性を有し、隣接する複数の導電性ロッド124の表面が導体で接続されていればよい。言い換えると、第2導電部材120および複数の導電性ロッド124の組み合わせの全体は、第1導電部材110の導電性表面110aに対向する凹凸状の導電性表面を有していればよい。
第2導電部材120上には、複数の導電性ロッド124の間にリッジ状の導波部材122が配置されている。より詳細には、導波部材122の両側に人工磁気導体が位置しており、導波部材122は両側の人工磁気導体によって挟まれている。図3からわかるように、この例における導波部材122は、第2導電部材120に支持され、Y方向に直線的に延びている。図示されている例において、導波部材122は、導電性ロッド124の高さおよび幅と同一の高さおよび幅を有している。後述するように、導波部材122の高さおよび幅は、それぞれ、導電性ロッド124の高さおよび幅とは異なっていてもよい。導波部材122は、導電性ロッド124とは異なり、導電性表面110aに沿って電磁波を案内する方向(この例ではY方向)に延びている。導波部材122も、全体が導電性を有している必要はなく、第1導電部材110の導電性表面110aに対向する導電性の導波面122aを有していればよい。第2導電部材120、複数の導電性ロッド124、および導波部材122は、連続した単一構造体の一部であってもよい。さらに、第1導電部材110も、この単一構造体の一部であってもよい。
導波部材122の両側において、各人工磁気導体の表面125と第1導電部材110の導電性表面110aとの間の空間は、特定周波数帯域内の周波数を有する電磁波を伝搬させない。そのような周波数帯域は「禁止帯域」と呼ばれる。導波路装置100内を伝搬する信号波の周波数(以下、「動作周波数」と称することがある。)が禁止帯域に含まれるように人工磁気導体は設計される。禁止帯域は、導電性ロッド124の高さ、すなわち、隣接する複数の導電性ロッド124の間に形成される溝の深さ、導電性ロッド124の径、配置間隔、および導電性ロッド124の先端部124aと導電性表面110aとの間の間隙の大きさによって調整され得る。
次に、図4を参照しながら、図2Aに示す構造における各部材の寸法、形状、配置などの例を説明する。導波路装置は、所定の帯域(「動作周波数帯域」と称する。)の電磁波の送信および受信の少なくとも一方に用いられる。本明細書において、第1導電部材110の導電性表面110aと導波部材122の導波面122aとの間の導波路を伝搬する電磁波(信号波)の自由空間における波長の代表値(例えば、動作周波数帯域の中心周波数に対応する中心波長)をλoとする。また、動作周波数帯域における最高周波数の電磁波の自由空間における波長をλmとする。各導電性ロッド124のうち、第2導電部材120に接している方の端の部分を「基部」と称する。図4に示すように、各導電性ロッド124は、先端部124aと基部124bとを有する。各部材の寸法、形状、配置などの例は、以下のとおりである。
(1)導電性ロッドの幅
導電性ロッド124の幅(X方向およびY方向のサイズ)は、λm/2未満に設定され得る。この範囲内であれば、X方向およびY方向における最低次の共振の発生を防ぐことができる。なお、XおよびY方向だけでなくXY断面の対角方向でも共振が起こる可能性があるため、導電性ロッド124のXY断面の対角線の長さもλm/2未満であることが好ましい。ロッドの幅および対角線の長さの下限値は、工法的に作製できる最小の長さであり、特に限定されない。
(2)導電性ロッドの基部から第1導電部材の導電性表面までの距離
導電性ロッド124の基部124bから第1導電部材110の導電性表面110aまでの距離は、導電性ロッド124の高さよりも長く、かつλm/2未満に設定され得る。当該距離がλm/2以上の場合、導電性ロッド124の基部124bと導電性表面110aとの間において共振が生じ、信号波の閉じ込め効果が失われる。
導電性ロッド124の基部124bから第1導電部材110の導電性表面110aまでの距離は、第1導電部材110と第2導電部材120との間隔に相当する。例えば導波路をミリ波帯である76.5±0.5GHzの信号波が伝搬する場合、信号波の波長は、3.8934mmから3.9446mmの範囲内である。したがって、この場合、λmは3.8934mmとなるので、第1導電部材110と第2導電部材120との間隔は、3.8934mmの半分よりも小さく設定される。第1導電部材110と第2導電部材120とが、このような狭い間隔を実現するように対向して配置されていれば、第1導電部材110と第2導電部材120とが厳密に平行である必要はない。また、第1導電部材110と第2導電部材120との間隔がλm/2未満であれば、第1導電部材110および/または第2導電部材120の全体または一部が曲面形状を有していてもよい。他方、第1および第2導電部材110、120の平面形状(XY面に垂直に投影した領域の形状)および平面サイズ(XY面に垂直に投影した領域のサイズ)は、用途に応じて任意に設計され得る。
図2Aに示される例において、導電性表面120aは平面であるが、例えば、図2Bに示すように、導電性表面120aは断面がU字またはV字に近い形状である面の底部であってもよい。導電性ロッド124または導波部材122が、基部に向かって幅が拡大する形状を持つ場合に、導電性表面120aはこのような構造になる。この例において、導波部材122および複数の導電性ロッド124の各々は、傾斜した側面を基部に有する。導波部材122および各導電性ロッド124の側面の頂部における傾斜角度は、基部における傾斜角度よりも小さい。このような構造であっても、導電性表面110aと導電性表面120aとの間の距離が波長λmの半分よりも短ければ、図2Bに示す装置は、導波路装置として機能し得る。
(3)導電性ロッドの先端部から導電性表面までの距離L2
導電性ロッド124の先端部124aから導電性表面110aまでの距離L2は、λm/2未満に設定される。当該距離がλm/2以上の場合、導電性ロッド124の先端部124aと導電性表面110aとの間を電磁波が往復する伝搬モードが生じ、電磁波を閉じ込められなくなるからである。なお、複数の導電性ロッド124のうち、少なくとも導波部材122と隣り合うものについては、先端が導電性表面110aとは電気的には接触していない状態にある。ここで、導電性ロッドの先端が導電性表面に電気的に接触していない状態とは、先端と導電性表面との間に空隙がある状態、あるいは、導電性ロッドの先端と導電性表面とのいずれかに絶縁層が存在し、導電性ロッドの先端と導電性表面が絶縁層を間に介して接触している状態、のいずれかを指す。
(4)導電性ロッドの配列および形状
複数の導電性ロッド124のうちの隣接する2つの導電性ロッド124の間の隙間は、例えばλm/2未満の幅を有する。隣接する2つの導電性ロッド124の間の隙間の幅は、当該2つの導電性ロッド124の一方の表面(側面)から他方の表面(側面)までの最短距離によって定義される。このロッド間の隙間の幅は、ロッド間の領域で最低次の共振が起こらないように決定される。共振が生じる条件は、導電性ロッド124の高さ、隣接する2つの導電性ロッド間の距離、および導電性ロッド124の先端部124aと導電性表面110aとの間の空隙の容量の組み合わせによって決まる。よって、ロッド間の隙間の幅は、他の設計パラメータに依存して適宜決定される。ロッド間の隙間の幅には明確な下限はないが、製造の容易さを確保するために、ミリ波帯の電磁波を伝搬させる場合には、例えばλm/16以上であり得る。なお、隙間の幅は一定である必要はない。λm/2未満であれば、導電性ロッド124の間の隙間は様々な幅を有していてもよい。
複数の導電性ロッド124の配列は、人工磁気導体としての機能を発揮する限り、図示されている例に限定されない。複数の導電性ロッド124は、直交する行および列状に並んでいる必要はなく、行および列は90度以外の角度で交差していてもよい。複数の導電性ロッド124は、行または列に沿って直線上に配列されている必要はなく、単純な規則性を示さずに分散して配置されていてもよい。各導電性ロッド124の形状およびサイズも、第2導電部材120上の位置に応じて変化していてよい。
複数の導電性ロッド124の先端部124aが形成する人工磁気導体の表面125は、厳密に平面である必要はなく、微細な凹凸を有する平面または曲面であってもよい。すなわち、各導電性ロッド124の高さが一様である必要はなく、導電性ロッド124の配列が人工磁気導体として機能し得る範囲内で個々の導電性ロッド124は多様性を持ち得る。
導電性ロッド124は、図示されている角柱形状に限らず、例えば円筒状の形状を有していてもよい。さらに、単純な柱状の形状を有している必要はない。人工磁気導体は、導電性ロッド124の配列以外の構造によっても実現することができ、多様な人工磁気導体を本開示の導波路装置に利用することができる。なお、導電性ロッド124の先端部124aの形状が角柱形状である場合は、その対角線の長さはλm/2未満であることが好ましい。楕円形状であるときは、長軸の長さがλm/2未満であることが好ましい。先端部124aがさらに他の形状をとる場合でも、その差し渡し寸法は一番長い部分でもλm/2未満であることが好ましい。
導電性ロッド124(特に、導波部材122に隣接する導電性ロッド124)の高さ、すなわち、基部124bから先端部124aまでの長さは、導電性表面110aと導電性表面120aとの間の距離(λm/2未満)よりも短い値、例えば、λo/4に設定され得る。
(5)導波面の幅
導波部材122の導波面122aの幅、すなわち、導波部材122が延びる方向に直交する方向における導波面122aのサイズは、λm/2未満(例えばλo/8)に設定され得る。導波面122aの幅がλm/2以上になると、幅方向で共振が起こり、共振が起こるとWRGは単純な伝送線路としては動作しなくなるからである。
(6)導波部材の高さ
導波部材122の高さ(図示される例ではZ方向のサイズ)は、λm/2未満に設定される。当該距離がλm/2以上の場合、導電性ロッド124の基部124bと導電性表面110aとの距離がλm/2以上となるからである。同様に、導電性ロッド124(特に、導波部材122に隣接する導電性ロッド124)の高さについても、λm/2未満に設定される。
(7)導波面と導電性表面との間の距離L1
導波部材122の導波面122aと導電性表面110aとの間の距離L1については、λm/2未満に設定される。当該距離がλm/2以上の場合、導波面122aと導電性表面110aとの間で共振が起こり、導波路として機能しなくなるからである。ある例では、当該距離はλm/4以下である。製造の容易さを確保するために、ミリ波帯の電磁波を伝搬させる場合には、例えばλm/16以上とすることが好ましい。
導電性表面110aと導波面122aとの距離L1の下限、および導電性表面110aとロッド124の先端部124aとの距離L2の下限は、機械工作の精度と、上下の2つの導電部材110、120を一定の距離に保つように組み立てる際の精度とに依存する。プレス工法またはインジェクション工法を用いた場合、上記距離の現実的な下限は50マイクロメートル(μm)程度である。MEMS(Micro−Electro−Mechanical System)を用いて例えばテラヘルツ領域の製品を作る場合には、上記距離の下限は、2〜3μm程度である。
次に、導波部材122、導電部材110、120、および複数の導電性ロッド124を有する導波路構造の変形例を説明する。以下の変形例は、後述する各実施形態におけるいずれの箇所のWRG構造にも適用され得る。
図5Aは、導波部材122の上面である導波面122aのみが導電性を有し、導波部材122の導波面122a以外の部分は導電性を有していない構造の例を示す断面図である。導電部材110、120も同様に、導波部材122が位置する側の表面(導電性表面110a、120a)のみが導電性を有し、他の部分は導電性を有していない。このように、導波部材122、導電部材110、120の各々は、全体が導電性を有していなくてもよい。
図5Bは、導波部材122が導電部材120上に形成されていない変形例を示す図である。この例では、導波部材122は、導電部材110、120を支持する支持部材(例えば、筐体の内壁等)に固定されている。導波部材122と導電部材120との間には間隙が存在する。このように、導波部材122は導電部材120に接続されていなくてもよい。
図5Cは、導電部材120、導波部材122、および複数の導電性ロッド124の各々が、誘電体の表面に金属などの導電性材料がコーティングされた構造の例を示す図である。導電部材120、導波部材122、および複数の導電性ロッド124は、相互に導電体で接続されている。一方、導電部材110は、金属などの導電性材料で構成されている。
図5Dおよび図5Eは、導電部材110、120、導波部材122、および導電性ロッド124の各々の最表面に、誘電体の層110c、120cを有する構造の例を示す図である。図5Dは、導体である金属製の導電部材の表面を誘電体の層で覆った構造の例を示す。図5Eは、導電部材120が、樹脂などの誘電体製の部材の表面を、金属などの導体で覆い、さらにその金属の層を誘電体の層で覆った構造を有する例を示す。金属表面を覆う誘電体の層は樹脂などの塗膜であってもよいし、当該金属が酸化する事で生成された不動態皮膜などの酸化皮膜であってもよい。
最表面の誘電体層は、WRG導波路によって伝播される電磁波の損失を増やす。しかし、導電性を有する導電性表面110a、120aを腐食から守ることができる。また、直流電圧や、WRG導波路によっては伝播されない程度に周波数の低い交流電圧の影響を遮断することができる。
図5Fは、導波部材122の高さが導電性ロッド124の高さよりも低く、導電部材110の導電性表面110aのうち、導波面122aに対向する部分が、導波部材122の側に突出している例を示す図である。このような構造であっても、図4に示す寸法の範囲を満たしていれば、前述の構成と同様に動作する。
図5Gは、図5Fの構造において、さらに、導電性表面110aのうち導電性ロッド124に対向する部分が、導電性ロッド124の側に突出している例を示す図である。このような構造であっても、図4に示す寸法の範囲を満たしていれば、前述の例と同様に動作する。なお、導電性表面110aの一部が突出する構造に代えて、一部が窪む構造であってもよい。
図6Aは、導電部材110の導電性表面110aが曲面形状を有する例を示す図である。図6Bは、さらに、導電部材120の導電性表面120aも曲面形状を有する例を示す図である。これらの例のように、導電性表面110a、120aは、平面形状に限らず、曲面形状を有していてもよい。曲面状の導電性表面を有する導電部材も、「板形状」の導電部材に該当する。
上記の構成を有する導波路装置100によれば、動作周波数の信号波は、人工磁気導体の表面125と導電部材110の導電性表面110aとの間の空間を伝搬することはできず、導波部材122の導波面122aと導電部材110の導電性表面110aとの間の空間を伝搬する。このような導波路構造における導波部材122の幅は、中空導波管とは異なり、伝搬すべき電磁波の半波長以上の幅を有する必要はない。また、導電部材110と導電部材120とを厚さ方向(YZ面に平行)に延びる金属壁によって電気的に接続する必要もない。
図7Aは、導波部材122の導波面122aと導電部材110の導電性表面110aとの間隙における幅の狭い空間を伝搬する電磁波を模式的に示している。図7Aにおける3本の矢印は、伝搬する電磁波の電界の向きを模式的に示している。伝搬する電磁波の電界は、導電部材110の導電性表面110aおよび導波面122aに対して垂直である。
導波部材122の両側には、それぞれ、複数の導電性ロッド124によって形成された人工磁気導体が配置されている。電磁波は導波部材122の導波面122aと導電部材110の導電性表面110aとの間隙を伝搬する。図7Aは、模式的であり、電磁波が現実に作る電磁界の大きさを正確には示していない。導波面122a上の空間を伝搬する電磁波(電磁界)の一部は、導波面122aの幅によって区画される空間から外側(人工磁気導体が存在する側)に横方向に拡がっていてもよい。この例では、電磁波は、図7Aの紙面に垂直な方向(Y方向)に伝搬する。このような導波部材122は、Y方向に直線的に延びている必要は無く、不図示の屈曲部および/または分岐部を有し得る。電磁波は導波部材122の導波面122aに沿って伝搬するため、屈曲部では伝搬方向が変わり、分岐部では伝搬方向が複数の方向に分岐する。
図7Aの導波路構造では、伝搬する電磁波の両側に、中空導波管では不可欠の金属壁(電気壁)が存在していない。このため、この例における導波路構造では、伝搬する電磁波が作る電磁界モードの境界条件に「金属壁(電気壁)による拘束条件」が含まれず、導波面122aの幅(X方向のサイズ)は、電磁波の波長の半分未満である。
図7Bは、参考のため、中空導波管330の断面を模式的に示している。図7Bには、中空導波管330の内部空間332に形成される電磁界モード(TE10)の電界の向きが矢印によって模式的に表されている。矢印の長さは電界の強さに対応している。中空導波管330の内部空間332の幅は、波長の半分よりも広く設定されなければならない。すなわち、中空導波管330の内部空間332の幅は、伝搬する電磁波の波長の半分よりも小さく設定され得ない。
図7Cは、導電部材120上に2個の導波部材122が設けられている形態を示す断面図である。このように隣接する2個の導波部材122の間には、複数の導電性ロッド124によって形成される人工磁気導体が配置されている。より正確には、各導波部材122の両側に複数の導電性ロッド124によって形成される人工磁気導体が配置され、各導波部材122が独立した電磁波の伝搬を実現することが可能である。
図7Dは、参考のため、2つの中空導波管330を並べて配置した導波路装置の断面を模式的に示している。2つの中空導波管330は、相互に電気的に絶縁されている。電磁波が伝搬する空間の周囲が、中空導波管330を構成する金属壁で覆われている必要がある。このため、電磁波が伝搬する内部空間332の間隔を、金属壁の2枚の厚さの合計よりも短縮することはできない。金属壁の2枚の厚さの合計は、通常、伝搬する電磁波の波長の半分よりも長い。したがって、中空導波管330の配列間隔(中心間隔)を、伝搬する電磁波の波長よりも短くすることは困難である。特に、電磁波の波長が10mm以下となるミリ波帯、あるいはそれ以下の波長の電磁波を扱う場合は、波長に比して十分に薄い金属壁を形成することが難しくなる。このため、商業的に現実的なコストで実現することが困難になる。
これに対して、人工磁気導体を備える導波路装置100は、導波部材122を近接させた構造を容易に実現することができる。このため、複数のアンテナ素子が近接して配置されたアレイアンテナへの給電に好適に用いられ得る。
次に、上記のような導波路構造を利用したスロットアンテナの構成例を説明する。「スロットアンテナ」とは、アンテナ素子として1つまたは複数のスロット(「貫通孔」とも称する。)を備えたアンテナ装置を意味する。特に、複数のスロットをアンテナ素子として備えたスロットアンテナを、「スロットアレイアンテナ」または「スロットアンテナアレイ」と称する。
図8Aは、上記のような導波路構造を利用したアンテナ装置300の構成の一部を模式的に示す斜視図である。図8Bは、このアンテナ装置300におけるX方向に並ぶ2つのスロット112の中心を通るXZ面に平行な断面の一部を模式的に示す図である。このアンテナ装置300においては、第1導電部材110が、X方向およびY方向に配列された複数のスロット112を有している。この例では、複数のスロット112は2つのスロット列を含み、各スロット列は、Y方向に等間隔に並ぶ6個のスロット112を含んでいる。第2導電部材120には、Y方向に延びる2つの導波部材122が設けられている。各導波部材122は、1つのスロット列に対向する導電性の導波面122aを有する。2つの導波部材122の間の領域、および2つの導波部材122の外側の領域には、複数の導電性ロッド124が配置されている。これらの導電性ロッド124は、人工磁気導体を形成している。
各導波部材122の導波面122aと、導電部材110の導電性表面110aとの間の導波路には、不図示の電子回路から電磁波が供給される。Y方向に並ぶ複数のスロット112のうちの隣接する2つのスロット112の中心間の距離は、例えば、導波路を伝搬する電磁波の波長と同じ値に設計される。これにより、Y方向に並ぶ6個のスロット112から、位相の揃った電磁波が放射される。
図8Aおよび図8Bに示すアンテナ装置300は、複数のスロット112の各々をアンテナ素子(放射素子)とするアンテナアレイ装置である。このような構成によれば、放射素子間の中心間隔を、例えば導波路を伝搬する電磁波の自由空間における波長λoよりも短くすることができる。複数のスロット112には、ホーンを設けてもよい。ホーンを設けることで、放射特性または受信特性を向上させることができる。
以上の各例では、第2導電部材120上の各ロッド124が、軸心に対して回転対称な形状を有する(例えば図2Aまたは図2B参照)。これに対し、本開示の実施形態では、第2導電部材上の導波部材(以下、「リッジ」と称する。)または第2導電部材における貫通孔に隣接する導電性ロッド(以下、単に「ロッド」と称する。)が、軸心に対して回転対称ではない形状を有する。より具体的には、リッジまたは貫通孔に隣接するロッドの側面のうち、リッジの側面または貫通孔に面した側面は第2導電部材の表面に実質的に垂直であり、他の少なくとも1つの側面は先端部から基部に向かうほど外側に拡がる形状を有する。このような構造により、リッジまたは貫通孔によって規定される導波路を伝搬する電磁波の伝送損失の低下を抑制し、かつ、所望の特性を有する導波路装置の設計を迅速に行うことができる。
以下、本開示の実施形態の具体的な構成例を説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。以下の説明においては、同一または類似する構成要素には、同一の参照符号を付している。
<第1の実施形態>
図9は、本開示の例示的な第1の実施形態による導波路装置が備える第2導電部材120と、その上に配置されたリッジ122および複数のロッド124の構造を示す斜視図である。図10は、図9に示す構造を+Z方向から見た場合の平面図である。本実施形態における導波路装置は、図示される第2導電部材120、リッジ122、および複数のロッド124に加え、第1導電部材も備える。第1導電部材は、図1または図8Aに示す導電部材110と同様の導電性のプレートであり得る。第1導電部材は、第2導電部材120の導電性表面(第2導電性表面)120aに対向する導電性表面(第1導電性表面)を有し、リッジ122およびロッド124を覆う。
導波路装置100は、例えばアンテナ装置の構成要素として用いられ得る。例えば図8Aに示すような、複数のスロット112を有する第1導電部材110と組み合せることにより、スロットアンテナアレイを構成できる。図8Aの例では、2つのリッジ122が設けられているが、本実施形態では1つのリッジ122が設けられている。第1導電部材110における複数のスロット112は、リッジ122の導波面122aに対向する位置、またはその近傍に配置され得る。
各導電部材は、例えば金属板を加工して成型され得る。ダイキャスト法等によって各導電部材を成形してもよい。また、各導電部材は、樹脂などの絶縁材料の表面にメッキ層を形成することによって作製されてもよい。各導電部材、リッジ122、および各ロッド124を構成する導電性材料として、例えばマグネシウムなどの金属を用いることができる。
本実施形態におけるリッジ122は、屈曲部122bを有する。リッジ122は、Y方向に延びる第1の部分とX方向に延びる第2の部分とが屈曲部122bを介して繋がった構造を有する。なお、図示されているリッジ122の構造は一例に過ぎず、リッジ122は、導波路のレイアウトに応じて多様な構造を有し得る。リッジ122は、延びる方向が2つ以上に分かれる分岐部を有していてもよい。リッジ122は、屈曲部や分岐部を有することなく、直線的に延びていてもよい。
本実施形態におけるリッジ122は、屈曲部122bの位置に凹部122dを有する。凹部122dは、屈曲部122bでのインピーダンスの整合度を向上させるために設けられている。屈曲部122bから−Y方向に沿って延びる第1の部分には、先端部に近付くほど高さが増加する段差が含まれる。一方、屈曲部122bから+X方向に延びる第2の部分には、先端部に近付くほど高さが減少する段差が含まれる。これらの段差も、インピーダンスの整合度の向上に寄与する。
第2導電部材120は、貫通孔126を有する。貫通孔126は、リッジ122のうち、X方向に延びる第2の部分の先端部に隣接する位置にある。貫通孔126は、中空導波管として機能し、リッジ122と第1導電部材との間の導波路に接続される。貫通孔126は、図示されていない他の導波路を介して、マイクロ波集積回路などの電子回路に接続され得る。電子回路は、例えば第2導電部材120の背面側(図9に示す−Z方向側)の表面に配置され得る。貫通孔126を「ポート」とも称する。第2導電性表面120aに垂直な方向から見た貫通孔126の形状は、Y方向に延びた矩形に近い形状である。本明細書では、このような形状を「I形状」と称することがある。貫通孔126の形状は、図示される形状とは異なっていてもよい。例えば、図18Aから図18Cに示す実施形態のように、H形状の貫通孔を設けてもよい。
本実施形態における導波路装置は、第1導電部材と第2導電部材120との二層構造を備える。導波路装置100は、三層構造または四層以上の構造を備えていてもよい。その場合、導波路装置100は、第1導電部材と、第2導電部材120と、第3導電部材とをこの順に備える。それらの3つの導電部材は、互いに間隙を空けて積層される。第2導電部材120と第3導電部材との間にも、図9に示すリッジ導波路と同様の導波路構造が形成されていてもよい。
図9および図10に示す例において、複数のロッド124は、リッジ122および貫通孔126を囲んでいる。複数のロッド124は、リッジ122にのみ隣接する第1ロッド124Aと、貫通孔126にのみ隣接する第2ロッド124Bと、リッジ122および貫通孔126の両方に隣接する第3ロッド124Cと、リッジ122および貫通孔126のいずれにも隣接しない第4ロッド124Dとを含む。なお、図9および図10において、第1ロッド124A、第2ロッド124B、第3ロッド124C、第4ロッド124Dの一部にのみ、参照符号が付されている。第1ロッド124Aを「リッジ側ロッド」、第2ロッド124Bを「貫通孔側ロッド」、第3ロッド124Cを「リッジ側兼貫通孔側ロッド」と呼ぶこともある。本明細書において、第1ロッド124A、第2ロッド124B、第3ロッド124C、第4ロッド124Dを区別せずに言及するときは、単に「ロッド124」と称する。
第1ロッド124Aは、リッジ122の両側において、リッジ122に沿って配置されており、その個数は第2ロッド124Bおよび第3ロッド124Cよりも多い。第2ロッド124Bは、貫通孔126の周囲に配置されており、本実施形態ではその個数は5個である。第3ロッド124Cは、リッジ122および貫通孔126の近傍に配置され、その個数は2個と最も少ない。第4ロッド124Dは、第1ロッド124A、第2ロッド124B、および第3ロッド124Cの周囲に配置されている。第4ロッド124Dの個数は、他のロッド124A、124B、124Cの個数よりも多い。
図11は、図10におけるA−A線断面の構造の一部を示す断面図である。図11には、リッジ122の両側に位置する2つの第1ロッド124Aと、その外側にある2つの第4ロッド124Dとが例示されている。各第1ロッド124Aは、四角柱に近い形状を有する。しかし、各第1ロッド124Aは、リッジ122の側面に対向する側面124s1(以下、「第1側面」と称する。)を除く側面124s2(以下、「第2側面」と称する。)が、先端部124aから基部124bに向かうにつれて軸心(図11において2点鎖線で表示)から外側に離れる形状を有する。本実施形態において、側面124s2は、先端部124aから基部124bに向かうにつれて軸心に対する傾斜角が増加する傾斜面である。これに対し、第1側面124s1は、平坦で、かつ第2導電性表面120aに実質的に直交している。基部124bにおける軸心から第1側面124s1までの距離は、基部124bにおける軸心から第2側面124s2までの距離よりも小さい。各第1ロッド124Aの幅(X方向およびY方向における寸法を意味する。)は、先端部124aから基部124bに向かうにつれて単調に増加する。本実施形態における各第1ロッド124Aの先端部124aの角は、僅かに面取りされている。面取りは任意であり、なくてもよい。
一方、各第4ロッド124Dについては、いずれの側面も、先端部124aから基部124bに向かうにつれて軸心から離れる傾斜面である。各第4ロッド124Dの幅も、先端部124aから基部124bに向かうにつれて単調に増加する。各第4ロッド124Dの先端部の角は、第1ロッド124Aよりも大きく面取りされている。
通常、ロッドには傾斜面がない方が、設計が容易である。一方、本発明者らの検討によれば、ロッドに傾斜面を設けた方が、インピーダンス整合を実現し易い(特許文献4参照)。本実施形態では、リッジ122の側面に対向する側面124s1には傾斜が設けられておらず、それ以外の側面124s2には傾斜が設けられている。このような構造により、インピーダンス整合と設計容易性とを両立することができる。本実施形態ではさらに、リッジ122に凹部122dが設けられていることにより、インピーダンスの整合度がさらに向上する。
図12は、貫通孔126の周囲の構造を拡大して示す図である。図12に示すように、貫通孔126の周囲に、5個の第2ロッド124Bおよび2個の第3ロッド124Cが配置されている。
各第2ロッド124Bは、第1ロッド124Aと同様、四角柱に近い形状を有する。しかし、各第2ロッド124Bは、貫通孔126に面した側面以外の少なくとも1つの側面が、先端部から基部に向かうにつれて軸心から外側に離れる形状を有する。本実施形態において、当該側面は、先端部から基部に向かうにつれて軸心に対する傾斜角が増加する傾斜面である。これに対し、貫通孔126に面した側面は、平坦で、かつ第2導電性表面120aに実質的に直交している。基部において、軸心から貫通孔126に面した側面までの距離は、軸心から貫通孔126に面していない側面までの距離よりも小さい。各第2ロッド124Bの幅は、先端部から基部に向かうにつれて単調に増加する。本実施形態における各第2ロッド124Bの先端部の角は、僅かに面取りされている。面取りは任意であり、なくてもよい。
各第3ロッド124Cも、第1ロッド124Aおよび第2ロッド124Bと同様、四角柱に近い形状を有する。しかし、各第3ロッド124Cは、リッジ122および貫通孔126にそれぞれ面した2つの側面以外の側面が、先端部から基部に向かうにつれて軸心から外側に離れる形状を有する。本実施形態において、当該側面は、先端部から基部に向かうにつれて軸心に対する傾斜角が増加する傾斜面である。これに対し、リッジ122および貫通孔126にそれぞれ面した2つの側面は、平坦で、かつ第2導電性表面120aに実質的に直交している。基部において、軸心からリッジ122または貫通孔126に面した側面までの距離は、軸心から他の側面までの距離よりも小さい。各第3ロッド124Cの幅は、先端部から基部に向かうにつれて単調に増加する。本実施形態における各第3ロッド124Cの先端部の角は、僅かに面取りされている。面取りは任意であり、なくてもよい。
このように、各ロッド124の側面のうち、リッジ122または貫通孔126に面する側面は、第2導電部材120の導電性表面120aに実質的に垂直であり、他の少なくとも1つの側面は、先端部から基部に向かうにつれて外側に拡がる構造を有する。このような構造により、リッジ122によって規定される導波路と、貫通孔126内の導波路との間を伝搬する電磁波のエネルギの損失を低減でき、かつ設計を迅速に行うことが可能である。
本実施形態における各ロッド124の形状は一例に過ぎない。以下、ロッド124の形状の変形例を説明する。
図13Aは、ロッド124の形状の第1の変形例を示す断面図である。この例におけるロッド124は、ロッド124の先端部から基部にかけて傾斜角度が2段階に変化する2つの側面を有する。これらの側面の傾斜角度は3段階以上に変化していてもよい。この形状は、第1から第4ロッドのいずれにも適用することができる。但し、第1から第3ロッドに適用される場合、リッジ122または貫通孔126に面する側面は、第2導電部材120の導電性表面120aに直交するように構成され得る。
この例のように、導波路装置における複数のロッドの少なくとも1つは、第2導電部材120の第2導電性表面120aの法線に対する傾斜角度が2段階以上に変化する側面を有していてもよい。傾斜角度が2段階以上に変化する側面を有するロッドは、第2導電部材120上のリッジ122または貫通孔126に隣接していてもよい。その場合、傾斜角度が2段階以上に変化する側面は、リッジ122または貫通孔126には面しない。当該側面の、第2導電性表面120aの法線に対する傾斜角度のうち、最大の角度は、そのロッドにおける、リッジ122または貫通孔126に面する側面の、第2導電性表面の法線に対する傾斜角度よりも大きい。
図13Bは、ロッド124の形状の第2の変形例を示す図である。この例におけるロッド124では、先端部から基部にかけて、第2導電性表面120aの法線に対する傾斜角が一定である少なくとも2つの側面を有する。この形状も、第1から第4ロッドのいずれにも適用することができる。但し、第1から第3ロッドに適用される場合、リッジ122または貫通孔126に面する側面は、第2導電部材120の導電性表面120aに直交するように構成され得る。
図13Cは、ロッド124の形状の第3の変形例を示す図である。この例におけるロッド124では、先端部から基部にかけて、第2導電性表面120aの法線に対する傾斜角が連続的に変化する。このように、先端部から基部にかけてゆるやかに拡がる側面形状を採用してもよい。この形状も、第1から第4ロッドのいずれにも適用することができる。但し、第1から第3ロッドに適用される場合、リッジ122または貫通孔126に面する側面は、第2導電部材120の導電性表面120aに直交するように構成され得る。
図14は、ロッド形状の他の変形例を示す断面図である。この例では、リッジ122に隣接する第1ロッド124Aが四角柱状であり、傾斜面が設けられていない。このように、少なくとも1つの第1ロッド124Aが傾斜面を有していなくてもよい。
図15は、第1ロッド124Aの他の変形例を示す平面図である。この例における第1ロッド124Aは、半円弧状の先端面を有する。リッジ122の側面に対向する側面124s1は、第2導電性表面120aに対して実質的に垂直である。リッジ122の側面に対向しない側面124s2は、基部に近付くにつれて外側に拡がる傾斜を有する。複数の第1ロッド124Aの全ての先端面を図15に示すような半円弧状にしてもよいし、一部の第1ロッド124Aのみ、先端面を半円弧状にしてもよい。例えば、四角柱状の第1ロッド124Aと半円弧状の先端面を持つ第1ロッド124Aとをリッジ122に沿って交互に配置してもよい。図15に示すようなロッドの構造は、第2ロッド124Bおよび第3ロッド124Cにも適用可能である。その場合、リッジ122または貫通孔126に面する側面は、第2導電性表面120aに対して実質的に垂直となるように構成され得る。
<第2の実施形態>
図16は、第2の実施形態における導波路装置の一部の構成を示す平面図である。第2の実施形態では、第2導電部材120の上に2つ以上のリッジ122が互いに間隔をあけて平行に配置されている。本実施形態における各リッジ122の形状は直線状である。2つのリッジ122の間には、複数の第1ロッド124Aの列が2列配列されている。リッジ122に隣接する第1ロッド124Aの各々は、四角柱に近い形状を有し、先端部の角が小さく面取りされている。この例における各第1ロッド124Aの4つの側面のうち、リッジ122の側面に面した側面124s1は、第2導電性表面120aに対して実質的に垂直である。残りの側面124s2は、基部に向かうにつれて外側に拡がる傾斜面である。
図17は、第2の実施形態の変形例における導波路装置の一部の構成を示す平面図である。この例においても、2つ以上のリッジ122が互いに間隔をあけて平行に配置されている。2つのリッジ122の間には、第1ロッド124Aの列が1列配置されている。この例では、各第1ロッド124Aの4つの側面のうち、リッジ122の側面に面した2つの側面124s1は、第2導電性表面120aに対して実質的に垂直である。残りの側面124s2は、基部に向かうにつれて外側に拡がる傾斜面である。
<第3の実施形態>
図18Aは、第3の実施形態における導波路装置200の一部を模式的に示す斜視図である。この導波路装置200は、第1導電部材210と、第2導電部材220とを備える。第1導電部材210および第2導電部材220は、図示されていない周辺部において互いに固定され、間隙を隔てて互いに対向している。第1導電部材210および第2導電部材220はXY面に沿って拡がっている。
図18Bは、図18Aに示す第1導電部材210の、第2導電部材220に対向する側の構造を示す斜視図である。第1導電部材210は第1貫通孔211を有する。第1導電部材210および貫通孔211の内壁は、いずれも導電性の表面を有する。
図18Cは、図18Aに示す第2導電部材220の、第1導電部材210に対向する側の構造を示す斜視図である。第2導電部材220は、第2貫通孔221と、第2貫通孔221の中央部を間に挟んで位置する一対の導波壁203(凸部)と、一対の導波壁203を囲む複数の導電性のロッド124とを有する。一対の導波壁203は、Y方向に並んでいる。ロッド124は、X方向およびY方向に沿って行列状に配列されている。なお、ロッド124は、行または列に沿って配列されている必要はなく、単純な規則性を示さずに分散して配置されていても良い。貫通孔221の内壁、一対の導波壁203、および複数のロッド124は、いずれも導電性の表面を有している。
導波路装置200は、積層された複数の導電部材を備えるアンテナ装置の一部として使用され得る。貫通孔211および221を通して、図示されていない他の層にある2つの導波路を接続することができる。例えば、貫通孔211および221を通して垂直方向に伝搬した電磁波を、他の層におけるWRG構造(例えば図9に示す構造)によってさらに伝搬させることもできる。
本実施形態における第1貫通孔211および第2貫通孔221のそれぞれの開口は、X方向に延びる横部分と、横部分の両端からY方向に延びる一対の縦部分とを有する。横部分の両端は、一対の縦部分の中央部に接続されている。このような形状は、アルファベットの「H」に類似するため、「H形状」と称することがある。
各貫通孔211、221の内壁面は、内側に向かって突出する2つの突出部を有する。2つの突出部の間の部分が、横部分に該当する。この例では縦部分は横部分に対して垂直に延びているが、必ずしも垂直に延びている必要はない。
H型形状を有する貫通孔221は、横部分の中心点から縦部分のいずれかの端部までの、横部分および縦部分に沿った長さの2倍が、使用される周波数帯域の中心周波数に対応する自由空間波長λoの半分以上になるように設計され得る。これにより、一対の突出部および一対の導波壁203の側面に沿って電磁波を伝搬させることができる。
貫通孔211、221は、H形状とは異なる形状を有していてもよい。例えば、X方向に延びる横部分のみを含むI形状を有していてもよい。第1貫通孔211および第2貫通孔221の形状、大きさ、および配置は、電磁波を相互に伝搬できる範囲において、自由に選択することができる。
本実施形態における第2導電部材220は、例えば、貫通孔および複数のロッドを有する樹脂製の中間部材の表面にメッキ層を形成することによって作製され得る。
複数のロッド124は、Y方向において一対の導波壁203の外側に位置する2つの導波壁側ロッド124E(以下、「第5ロッド124E」と称する。)を含む。第5ロッド124Eは、前述の第1ロッド124Aまたは第2ロッド124Bに類似する形状を有する。
図19Aは、図18Aに示す導波路装置200の、一対の導波壁203を通るYZ面断面を示す図である。第5ロッド124Eの側面のうち、導波壁203の側面に対向する側面は、平坦で、かつ第2導電部材220の導電性表面220aに実質的に直交する。第5ロッド124Eの残りの側面は、先端部から基部に向かうにつれて軸心から外側に離れる形状を有する。第5ロッド124E以外のロッド124Dについては、いずれの側面も、先端部から基部に向かうにつれて軸心から外側に離れる形状を有する。図19Aの例では、傾斜面は各ロッドの基部付近にのみ設けられており、各側面の先端部付近は第2導電性表面220aに対して実質的に垂直である。
図19Bは、本実施形態の変形例を示す断面図である。この例では、第5ロッド124Eの側面のうち、導波壁203の側面に対向する側面以外の側面が、ロッドの軸心に対して一定の傾斜角で傾斜している。他のロッド124Dの各側面も同様の傾斜面である。
図19Cは、本実施形態の他の変形例を示す断面図である。この例では、第5ロッド124Eの側面のうち、導波壁203の側面に対向する側面以外の側面が、先端部から基部に向かうにつれて緩やかに軸心から離れる。他のロッド124Dの各側面も同様の傾斜面である。
次に、図20Aおよび図20Bを参照して、導波壁203の変形例を説明する。
図20Aは、本変形例における第1導電部材210を示す斜視図である。図20Bは、本変形例における第2導電部材220を示す斜視図である。本変形例では、第1導電部材210が第1導波壁213を備え、第2導電部材220が第2導波壁223を備えている。第1導波壁213は第1貫通孔211を囲む。第2導波壁223は第2貫通孔221を囲む。それ以外の点は前述の構成と同様である。この例においても、貫通孔221および導波壁223の外側に複数のロッド124が配置されている。複数のロッド124は、導波壁223に隣接する複数の第5ロッド124Eを含む。
図21Aは、図20Bに示す導波壁223の中央にある一対の突出部を通るYZ面断面を示す図である。第5ロッド124Eの側面のうち、第2導波壁223の側面に対向する側面は、平坦で、かつ第2導電部材220の導電性表面220aに実質的に直交する。第5ロッド124Eの残りの側面は、先端部から基部に向かうにつれて軸心から外側に離れる形状を有する。第5ロッド124E以外のロッド124Dについては、いずれの側面も、先端部から基部に向かうにつれて軸心から外側に離れる形状を有する。図21Aの例では、傾斜面は各ロッドの基部付近にのみ設けられており、各側面の先端部付近は第2導電性表面220aに対して実質的に垂直である。
図21Bは、本実施形態の変形例を示す断面図である。この例では、第5ロッド124Eの側面のうち、第2導波壁223の側面に対向する側面以外の側面が、ロッドの軸心に対して一定の傾斜角で傾斜している。他のロッド124Dの各側面も同様の傾斜面である。
図21Cは、本実施形態の他の変形例を示す断面図である。この例では、第5ロッド124Eの側面のうち、第2導波壁223の側面に対向する側面以外の側面が、先端部から基部に向かうにつれて緩やかに軸心から離れる。他のロッド124Dの各側面も同様の傾斜面である。
<第4の実施形態>
続いて、導波路装置と、当該導波路装置における導波路に接続された少なくとも1つのアンテナ素子(放射素子)とを備えたアンテナ装置の実施形態を説明する。「導波路に接続される」とは、当該導波路に直接的に、または他の導波路を介して間接的に接続されることを意味する。本実施形態におけるアンテナ装置は、信号の送信および受信の少なくとも一方に用いられる。
図22Aは、複数のスロット(開口部)が配列されたアンテナ装置(アンテナアレイ)の例を示す図である。図22Aはアンテナ装置を+Z方向から見た上面図である。図22Bは、図22AのB−B線断面図である。図示されるアンテナ装置においては、放射素子として機能する複数のスロット112に直接的に結合する複数のリッジ122Uを含む第1の導波層10aと、複数のロッド124Mおよび不図示の導波壁を含む第2の導波層10bと、第1の導波層10aのリッジ122Uに導波壁を介して結合する他のリッジ122Lを含む第3の導波層10cとが積層されている。第1の導波層10aにおける複数のリッジ122U、および複数のロッド124Uは、第1導電部材210上に配置されている。第2の導波層10bにおける複数のロッド124Mおよび不図示の導波壁は、第2導電部材220上に配置されている。第3の導波層10cにおけるリッジ122Lおよび複数のロッド124Lは、第3導電部材230上に配置されている。
このアンテナ装置は、第1の導波層10aにおけるリッジ122Uおよびロッド124Uを覆う導電部材110をさらに備えている。導電部材110は、4行4列に配列された16個のスロット(開口部)112を有する。導電部材110には、各スロット112を囲む側壁114が設けられている。側壁114は、スロット112の指向性を調整するホーンを形成している。この例におけるスロット112の個数および配列は、例示的なものに過ぎない。スロット112の向きおよび形状も、図示される例に限定されない。例えば、H型形状のスロットを用いてもよい。ホーンの側壁114の傾斜の有無および角度、ならびにホーンの形状も、図示されている例に限定されない。
図23Aは、第1導電部材210におけるリッジ122Uおよびロッド124Uの平面レイアウトを示す図である。図23Bは、第2導電部材220におけるロッド124M、導波壁203および貫通孔221の平面レイアウトを示す図である。図23Cは、第3導電部材230におけるリッジ122Lおよびロッド124Lの平面レイアウトを示す図である。これらの図に示すように、第1導電部材210におけるリッジ122Uは直線状(ストライプ状)に延びており、分岐部も屈曲部も有していない。一方、第3導電部材230におけるリッジ122Lは延びる方向が2つに分かれる分岐部および延びる方向が変化する屈曲部の両方を有している。第1導電部材210における貫通孔211と第2導電部材220における貫通孔221との間には、図23Bに示すように、一対の導波壁203が配置されている。なお、本実施形態では、図18Cに示すタイプの導波壁203が設けられているが、代わりに図20Aおよび図20Bに示すタイプの導波壁213、223を設けてもよい。
図23Aには示されていないが、複数のロッド124Uのうち、リッジ122Uまたは貫通孔211に隣接するロッドの側面は、実施形態1におけるリッジ122または貫通孔126に隣接するロッドの側面と同様の構造を有する。すなわち、リッジ122Uに隣接するロッドの、リッジ122Uの側面に対向する側面は、導電部材210の表面に実質的に垂直であり、残りの側面は、先端部から基部に向かうにつれて、徐々に外側に拡がる形状を有する。また、貫通孔211に隣接するロッドの、貫通孔211に面する側面は、導電部材210の表面に実質的に垂直であり、残りの側面は、先端部から基部に向かうにつれて、徐々に外側に拡がる形状を有する。
図23Bに示す例では、第2導電部材220上に4個の貫通孔221がある。それらの貫通孔221の各々の中央部を間に挟んで位置する一対の導波壁203が4組存在する。第1導電部材210におけるリッジ122Uは、貫通孔211、一対の導波壁203、および貫通孔221を通じて第3導電部材230におけるリッジ122Lに結合する。言い換えると、第3導電部材230上のリッジ122Lに沿って伝搬してきた電磁波は、貫通孔221、一対の導波壁203、および貫通孔211を通って第1導電部材210上のリッジ122Uに達し、リッジ122Uに沿って伝搬することができる。このとき、各スロット112は、導波路を伝搬してきた電磁波を空間に向けて放射するアンテナ素子として機能する。反対に、空間を伝搬してきた電磁波がスロット112に入射すると、その電磁波はスロット112の直下に位置するリッジ122Uに結合し、リッジ122Uに沿って伝搬する。リッジ122Uを伝搬してきた電磁波は、貫通孔211、一対の導波壁203、および貫通孔221を通って第3導電部材230上のリッジ122Lに達し、リッジ122Lに沿って伝搬することも可能である。
リッジ122Lは、第3導電部材230が有するポート(貫通孔)145Lを介して、外部にある導波路装置または高周波回路などの電子回路に結合され得る。図23Cには、一例として、ポート145Lに接続された電子回路290が示されている。電子回路290は、特定の位置に限定されず、任意の位置に配置されていてよい。電子回路290は、例えば、第3導電部材230の背面側(図22Bにおける下側)の回路基板に配置され得る。このような電子回路は、例えば、ミリ波を生成または受信するMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)などのマイクロ波集積回路を含み得る。電子回路290は、マイクロ波集積回路に加えて、他の回路、例えば、信号処理回路をさらに含んでいてもよい。そのような信号処理回路は、例えばアンテナ装置を備えたレーダシステムの動作に必要な各種の処理を実行するように構成され得る。電子回路290は、通信回路を含んでいてもよい。通信回路は、アンテナ装置を備えた通信システムの動作に必要な各種の処理を実行するように構成され得る。
なお、電子回路と導波路とを接続する構造は、例えば、米国特許出願公開第2018/0351261、米国特許出願公開第2019/0006743、米国特許出願公開第2019/0139914、米国特許出願公開第2019/0067780、米国特許出願公開第2019/0140344、および国際特許出願公開第2018/105513に開示されている。これらの文献の開示内容の全体を本願明細書に援用する。
図23Bには示されていないが、複数のロッド124Mのうち、貫通孔221または導波壁203に隣接するロッドの側面は、実施形態3における貫通孔221または導波壁203に隣接するロッドの側面と同様の構造を有する。
図23Aに示される導電部材110を「放射層」と呼ぶことができる。また、図23Aに示される第1導電部材210上のリッジ122Uおよびロッド124Uの全体を含む層を「励振層」と呼び、図23Bに示される第2導電部材220上のロッド124Mおよび導波壁203の全体を含む層を「中間層」と呼び、図23Cに示される第3導電部材230上のリッジ122Lおよびロッド124Lの全体を含む層を「分配層」と呼んでも良い。また、「励振層」、「中間層」、および「分配層」をまとめて「給電層」と呼んでも良い。「放射層」、「励振層」、「中間層」、および「分配層」は、それぞれ、一枚の金属プレートを加工することによって量産され得る。放射層、励振層、分配層、および分配層の背面側に設けられる電子回路は、モジュール化された1つの製品として製造され得る。
この例におけるアンテナアレイでは、図22Bからわかるように、プレート状の複数の導電部材が積層されているため、全体としてフラットかつ低姿勢(low profile)のフラットパネルアンテナが実現している。例えば、図22Bに示す断面構成を持つ積層構造体の高さ(厚さ)を20mm以下にすることができる。
図23Cに示されるリッジ122Lによれば、第3導電部材230のポート145Lから第1導電部材210の各貫通孔211(図23A参照)までの、リッジ122Lに沿って測った距離がすべて等しい。このため、第3導電部材230のポート145Lからリッジ122Lに入力された信号波は、第1導電部材210の4つの貫通孔211のそれぞれに同じ位相で到達する。その結果、第1導電部材210上に配置された4個のリッジ122Uは、同位相で励振され得る。
なお、アンテナ素子として機能する全てのスロット112が同位相で電磁波を放射する必要はない。励振層および分配層におけるリッジ122のネットワークパターンは任意であり、各リッジ122が互いに異なる信号を独立して伝搬するように構成されていても良い。
本実施形態における第1導電部材210上のリッジ122Uは分岐部も屈曲部も有していないが、励振層として機能する部分が分岐部および屈曲部の少なくとも一方を有するリッジを備えていても良い。前述したように、導波路装置内の全てのロッドが同様の形状を有している必要はない。
本実施形態によれば、第1導電部材210における貫通孔211と第2導電部材220における貫通孔221との間で、導電性の一対の導波壁203を介して直接的に電磁波を伝搬させることができる。第2導電部材220上で不要な伝搬が生じないため、第2導電部材220上に他の導波路、回路基板、またはカメラ等の構造物を配置することができる。このため、装置の設計の自由度を向上させることができる。なお、本実施形態では第1導電部材210と第2導電部材220との間に導波壁を配置しているが、導波壁は他の位置に配置してもよい。
励振層、分配層を構成するに当たっては、導波路における様々の回路要素を利用する事ができる。それらの例は、例えば米国特許第10042045、米国特許第10090600、米国特許第10158158、国際特許出願公開第2018/207796、国際特許出願公開第2018/207838、米国特許出願公開第2019/0074569に開示されている。これらの文献の開示内容の全体を本願明細書に援用する。
図24Aは、更に別の変形例に係るスロットアンテナ装置における1つの放射素子を示す斜視図である。図24Aに示す放射素子において、導電部材110と他の導電部材160との間隔を離して示した図である。この例におけるスロットアンテナ装置は、導電部材110の正面側の導電性表面110bに対向する導電性表面を有する他の導電部材160をさらに備える。他の導電部材160は、この例では、4つの他のスロット111を有している。図24Bは、わかり易さのため、導電部材110、160の間隔を広げた状態を示す図である。
図22Aにおける各スロット112は、ホーンに連通しているが、図24Aおよび図24Bの例ではスロット112はキャビティ180に連通している。キャビティ180は、導電性表面110b、導電部材110の正面側に配置された複数のロッド170、および他の導電部材160の背面側の導電性表面によって囲まれた平坦な空洞である。図24Aおよび図24Bの例において、複数のロッド170の先端と他の導電部材160の背面側の導電性表面との間には間隙がある。複数のロッド170の基部は導電部材110における導電性表面110bに接続されている。複数のロッド170が、他の導電部材160に接続される構成を採用してもよい。ただし、その場合、複数のロッド170の先端と導電性表面110bとの間には、間隙が確保される。
導電部材160は、4つのスロット111を有しており、いずれのスロット111もキャビティ180に連通する。スロット112からキャビティ180内に放射された信号波は、4つのスロット111を介して導電部材160の正面側に放射される。なお、導電部材160の正面側にホーンを設置し、スロット111がそのホーンの底部に開口する構造を採用してもよい。この場合、スロット112から放射された信号波は、キャビティ180、スロット111、およびホーンを介して放射される。
次に、本開示の実施形態における各貫通孔(スロットまたはポート)の形状の変形例を説明する。貫通孔の軸に垂直な断面は、例えば以下に説明する形状を有していてもよい。以下の変形例は、本開示のいずれの実施形態においても同様に適用できる。
図25における(a)は、楕円形状の導波管の例を示している。図中において矢印で示す導波管の長半径Laは、高次の共振が起こらず、かつ、インピーダンスが小さくなり過ぎないように設定される。より具体的には、Laは、動作周波数帯域の中心周波数に対応する自由空間中での波長をλoとして、λo/4<La<λo/2に設定され得る。
図25における(b)は、一対の縦部分217Lおよび一対の縦部分217Lを繋ぐ横部分217Tを有するH型形状を有する導波管の例を示している。横部分217Tは、一対の縦部分217Lに実質的に垂直であり、一対の縦部分217Lのほぼ中央部同士を繋いでいる。このようなH型形状の導波管でも、高次の共振が起こらず、かつ、インピーダンスが小さくなり過ぎないように、その形状およびサイズが決定される。横部分217Tの中心線g2と横部分217Tに垂直なH型形状全体の中心線h2との交点と、中心線g2と縦部分217Lの中心線k2との交点との間の距離をLbとする。中心線g2と中心線k2との交点と、縦部分217Lの端部との距離をWbとする。LbとWbとの和は、λo/4<Lb+Wb<λo/2を満たすように設定される。距離Wbを相対的に長くすることにより、距離Lbを相対的に短くすることができる。これによりH型形状のX方向の幅を例えばλo/2未満にでき、横部分217Tの長さ方向の間隔を短縮することができる。
図25における(c)は、横部分217Tおよび横部分217Tの両端から延びる一対の縦部分217Lを有する導波管の例を示している。一対の縦部分217Lの横部分217Tから延びる方向は横部分217Tに実質的に垂直であり、互いに逆である。横部分217Tの中心線g3と横部分217Tに垂直な全体形状の中心線h3との交点と、中心線g3と縦部分217Lの中心線k3との交点との間の距離をLcとする。中心線g3と中心線k3との交点と、縦部分217Lの端部との距離をWcとする。LcとWcとの和は、λo/4<Lc+Wc<λo/2を満たすように設定される。距離Wcを相対的に長くすることにより、距離Lcを相対的に短くすることができる。これにより、図25における(c)の全体形状のX方向の幅を、例えばλo/2未満にでき、横部分217Tの長さ方向の間隔を短縮することができる。
図25における(d)は、横部分217Tおよび横部分217Tの両端から横部分217Tに垂直な同じ方向に延びる一対の縦部分217Lを有する導波管の例を示している。このような形状を、本明細書では「U字形状」と称することがある。なお、図25における(d)に示す形状は、H字形状の上半分の形状と考えることもできる。横部分217Tの中心線g4と横部分217Tに垂直なU字形状全体の中心線h4との交点と、中心線g4と縦部分217Lの中心線k4との交点との間の距離をLdとする。中心線g4と中心線k4との交点と、縦部分217Lの端部との距離をWdとする。LdとWdとの和は、λo/4<Ld+Wd<λo/2を満たすように設定される。距離Wdを相対的に長くすることにより、距離Ldを相対的に短くすることができる。これにより、U形状のX方向の幅を、例えばλo/2未満にでき、横部分217Tの長さ方向の間隔を短縮することができる。
本開示の実施形態におけるアンテナ装置は、例えば車両、船舶、航空機、ロボット等の移動体に搭載されるレーダ装置またはレーダシステムに好適に用いられ得る。レーダ装置は、上述したいずれかの実施形態におけるアンテナ装置と、当該アンテナ装置に接続されたMMICなどのマイクロ波集積回路とを備える。レーダシステムは、当該レーダ装置と、当該レーダ装置のマイクロ波集積回路に接続された信号処理回路とを備える。
信号処理回路は、例えば、マイクロ波集積回路によって受信された信号に基づき、到来波の方位を推定する処理等を行う。信号処理回路は、例えば、MUSIC法、ESPRIT法、およびSAGE法などのアルゴリズムを実行して、到来波の方位を推定し、推定結果を示す信号を出力するように構成され得る。信号処理回路は、さらに、公知のアルゴリズムにより、到来波の波源である物標までの距離、物標の相対速度、物標の方位を推定し、推定結果を示す信号を出力するように構成されていてもよい。
本開示における「信号処理回路」の用語は、単一の回路に限られず、複数の回路の組み合わせを概念的に1つの機能部品として捉えた態様も含む。信号処理回路は、1個または複数のシステムオンチップ(SoC)によって実現されてもよい。例えば、信号処理回路の一部または全部がプログラマブルロジックデバイス(PLD)であるFPGA(Field−Programmable Gate Array)であってもよい。その場合、信号処理回路は、複数の演算素子(例えば汎用ロジックおよびマルチプライヤ)および複数のメモリ素子(例えばルックアップテーブルまたはメモリブロック)を含む。または、信号処理回路は、汎用プロセッサおよびメインメモリ装置の集合であってもよい。信号処理回路は、プロセッサコアとメモリとを含む回路であってもよい。これらは信号処理回路として機能し得る。
本開示の実施形態のアンテナ装置は、小型化が可能なWRG構造を備えているため、従来の中空導波管を用いた構成と比較して、アンテナ素子が配列される面の面積を著しく小さくすることができる。このため、当該アンテナ装置を搭載したレーダシステムを、例えば車両のリアビューミラーの鏡面の反対側の面のような狭小な場所、またはUAV(Unmanned Aerial Vehicle、所謂ドローン)のような小型の移動体にも容易に搭載することができる。なお、レーダシステムは、車両に搭載される形態の例に限定されず、例えば道路または建物に固定されて使用され得る。
本開示の実施形態におけるアンテナ装置は、無線通信システムにも利用できる。そのような無線通信システムは、上述したいずれかの実施形態におけるアンテナ装置と、通信回路(送信回路または受信回路)とを備える。送信回路は、例えば、送信すべき信号を表す信号波をスロットアレイアンテナ内の導波路に供給するように構成され得る。受信回路は、スロットアレイアンテナを介して受信された信号波を復調してアナログまたはデジタルの信号として出力するように構成され得る。
本開示の実施形態におけるアンテナ装置は、さらに、屋内測位システム(IPS:Indoor Positioning System)におけるアンテナとしても利用することができる。屋内測位システムでは、建物内にいる人、または無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)などの移動体の位置を特定することができる。アンテナ装置はまた、店舗または施設に来場した人が有する情報端末(スマートフォン等)に情報を提供するシステムにおいて用いられる電波発信機(ビーコン)に用いることもできる。そのようなシステムでは、ビーコンは、例えば数秒に1回、IDなどの情報を重畳した電磁波を発する。その電磁波を情報端末が受信すると、情報端末は、通信回線を介して遠隔地のサーバコンピュータに、受け取った情報を送信する。サーバコンピュータは、情報端末から得た情報から、その情報端末の位置を特定し、その位置に応じた情報(例えば、商品案内またはクーポン)を、当該情報端末に提供する。
WRG構造を有するスロットアレイアンテナを備えたレーダシステム、通信システム、および各種監視システムの応用例が、例えば米国特許第9786995号明細書および米国特許第10027032号に開示されている。これらの文献の開示内容の全体を本願明細書に援用する。本開示のスロットアレイアンテナは、これらの文献に開示された各応用例に適用することができる。
本開示の導波路装置およびアンテナ装置は、電磁波を利用するあらゆる技術分野において利用可能である。例えばギガヘルツ帯域またはテラヘルツ帯域の電磁波の送受信を行う各種の用途に利用され得る。特に小型化が求められる車載レーダシステム、各種の監視システム、屋内測位システム、および無線通信システムなどに用いられ得る。
100 導波路装置
110 第1導電部材
110a 第1導電部材の導電性表面
112 スロット
114 ホーンの側壁
120 第2導電部材
120a 第2導電部材の導電性表面
122 リッジ
122a 導波面
122b 屈曲部
122d 凹部
124 ロッド
124A 第1ロッド
124B 第2ロッド
124C 第3ロッド
124D 第4ロッド
124E 第5ロッド
124a 導電性ロッドの先端部
124b 導電性ロッドの基部
125 人工磁気導体の表面
126 貫通孔
130 中空導波管
132 中空導波管の内部空間
200 導波路装置
203 導波壁
210 第1導電部材
211 貫通孔
220 第2導電部材
221 貫通孔
290 電子回路
300 アンテナ装置

Claims (12)

  1. 第1導電性表面を有する第1導電部材と、
    前記第1導電性表面に対向する第2導電性表面を有する第2導電部材と、
    前記第2導電性表面から突出する導電性のリッジであって、前記第1導電性表面に対向して延びる導波面を有するリッジと、
    前記リッジの両側に配置された導電性の複数のロッドであって、各々が前記第2導電性表面に接続された基部と、前記第1導電性表面に対向する先端部を有する複数のロッドと、
    を備え、
    前記導波面と前記第1導電性表面との間には導波路が規定され、
    前記複数のロッドは、前記リッジに隣接する1つ以上の第1ロッドを含み、
    各第1ロッドは、前記リッジの側面に対向する第1側面と、前記リッジの側面に対向しない第2側面とを有し、
    前記第1側面は、平坦で、かつ前記第2導電性表面に実質的に直交し、
    前記第2側面は、前記第1ロッドの前記先端部から前記基部に向かうにつれて前記第1ロッドの軸心から外側に離れる形状を有し、
    前記基部における前記軸心から前記第1側面までの距離は、前記基部における前記軸心から前記第2側面までの距離よりも小さい、
    導波路装置。
  2. 前記リッジは、屈曲部および分岐部の少なくとも一方を有し、
    前記1つ以上の第1ロッドの少なくとも1つの前記第1側面は、前記リッジの前記屈曲部または前記分岐部における側面に対向する、
    請求項1に記載の導波路装置。
  3. 前記第2導電部材は、前記導波面と前記第1導電性表面との間の前記導波路に繋がる貫通孔を有し、
    前記複数のロッドは、前記貫通孔に隣接する1つ以上の第2ロッドを含み、
    各第2ロッドは、前記貫通孔の側に位置する第1側面と、前記第1側面とは異なる第2側面とを有し、
    前記第2ロッドの各々において、
    前記第1側面は、平坦で、かつ前記第2導電性表面に実質的に直交し、
    前記第2側面は、前記第2ロッドの前記先端部から前記基部に向かうにつれて前記第2ロッドの軸心から外側に離れる形状を有し、
    前記基部における前記軸心から前記第1側面までの距離は、前記基部における前記軸心から前記第2側面までの距離よりも小さい、
    請求項1または2に記載の導波路装置。
  4. 前記複数のロッドは、前記リッジおよび前記貫通孔の両方に隣接する1つ以上の第3ロッドを含み、
    各第3ロッドは、
    前記リッジの側面に対向する第1側面と、
    前記貫通孔の側に位置する第2側面と、
    前記第1側面および前記第2側面とは異なる第3側面とを有し、
    前記第3ロッドの各々において、
    前記第1側面および前記第2側面の各々は、平坦で、かつ前記第2導電性表面に実質的に直交し、
    前記第3側面は、前記第3ロッドの前記先端部から前記基部に向かうにつれて前記第3ロッドの軸心から外側に離れる形状を有し、
    前記基部における前記軸心から前記第1側面までの距離は、前記基部における前記軸心から前記第3側面までの距離よりも小さい、
    請求項3に記載の導波路装置。
  5. 前記リッジを第1リッジとするとき、
    前記導波路装置は、前記第1リッジから間隙を空けて位置する導電性の第2リッジをさらに備え、
    前記第2リッジは、前記第2導電性表面から突出し、前記第1導電性表面に対向して延びる導波面を有し、前記導波面と前記第1導電性表面との間には導波路が規定され、
    前記複数のロッドは、前記第1リッジと前記第2リッジとの間に位置する1列以上のロッド列を含み、
    前記ロッド列に含まれる少なくとも1つのロッドは、
    前記第1リッジまたは前記第2リッジの側面に対向する第1側面と、
    前記第1リッジおよび前記第2リッジのいずれの側面にも対向しない第2側面と、
    を有し、
    前記第1側面は、平坦で、かつ前記第2導電性表面に実質的に直交し、
    前記第2側面は、前記ロッドの前記先端部から前記基部に向かうにつれて前記ロッドの軸心から外側に離れる形状を有する、
    請求項1から4のいずれかに記載の導波路装置。
  6. 前記第1リッジと前記第2リッジとの間に位置する前記1列以上のロッド列は、1列のロッド列であり、
    前記ロッド列に含まれる各ロッドの側面のうち、前記第1リッジの前記側面に対向する側面、および前記第2リッジの前記側面に対向する側面の各々は、平坦で、かつ前記第2導電性表面に実質的に直交し、他の側面は、前記ロッドの前記先端部から前記基部に向かうにつれて前記ロッドの軸心から外側に離れる形状を有する、
    請求項5に記載の導波路装置。
  7. 第1導電性表面を有する第1導電部材と、
    前記第1導電性表面に対向する第2導電性表面、および導波路として機能する貫通孔を有する第2導電部材と、
    導電性の複数のロッドであって、各々が前記第2導電性表面に接続された基部と、前記第1導電性表面に対向する先端部を有する複数のロッドと、
    を備え、
    前記複数のロッドは、前記貫通孔に隣接する1つ以上のロッドを含み、
    前記1つ以上のロッドの各々は、前記貫通孔の側に位置する第1側面と、前記第1側面とは異なる第2側面とを有し、
    前記第1側面は、平坦で、かつ前記第2導電性表面に実質的に直交し、
    前記第2側面は、前記ロッドの前記先端部から前記基部に向かうにつれて前記ロッドの軸心から外側に離れる形状を有する、
    導波路装置。
  8. 前記第2導電部材、前記リッジ、および前記複数のロッドの少なくとも一部分は、前記少なくとも一部分の形状を規定する誘電体製の部材と、前記部材の表面を覆う導電材料の層とを含む、請求項1から7のいずれかに記載の導波路装置。
  9. 前記複数のロッドの少なくとも1つは、前記第2導電性表面の法線に対する傾斜角度が2段階以上に変化する側面を有する、請求項1から8のいずれかに記載の導波路装置。
  10. 前記傾斜角度が2段階以上に変化する前記側面を有する前記ロッドは、前記第2導電部材上のリッジまたは貫通孔に隣接し、
    前記側面は、前記リッジまたは前記貫通孔に面しておらず、
    前記側面の、前記第2導電性表面の前記法線に対する傾斜角度のうち、最大の角度は、前記ロッドにおける、前記リッジまたは前記貫通孔に面する側面の、前記第2導電性表面の前記法線に対する傾斜角度よりも大きい、
    請求項9に記載の導波路装置。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の導波路装置と、
    前記導波路装置に接続された1つ以上のアンテナ素子と、
    を備えたアンテナ装置。
  12. 請求項11に記載のアンテナ装置と、
    前記アンテナ装置に接続されたマイクロ波集積回路と、
    を備えるレーダ装置。
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