以下に、本発明の実施の形態に係る電力変換システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る電力変換システム200の構成例を示す図である。電力変換システム200は、EV−PCS1と、PV−PCS2と、定置型蓄電PCS3と、ブレーカ8a,8b,8c,8dと、DC連携制御装置9と、を備える。
EV−PCS1は、EV4が備える蓄電池40との間で直流電力の充放電を行う。EV−PCS1は、DC/DC変換部11と、DCリンク部12と、DC/AC変換部13と、制御部14と、を備える。
DC/DC変換部11は、蓄電池40に蓄えられた直流電力の電圧を変換し、電圧変換後の直流電力をDCリンク部12に出力する変換部である。また、DC/DC変換部11は、DCリンク部12に蓄えられた直流電力の電圧を変換し、電圧変換後の直流電力で蓄電池40を充電する。DC/DC変換部11は、例えば、DC/DCコンバータ回路である。なお、図1では、DC/DC変換部を「DC/DC」と表記している。以降においても同様とする。
DCリンク部12は、DC/DC変換部11によって電圧変換された直流電力、およびDC/AC変換部13によって交流電力から変換された直流電力を蓄える直流リンク部である。DCリンク部12は、例えば、直流電力を蓄えるコンデンサを備える。
DC/AC変換部13は、DCリンク部12に蓄えられた直流電力を商用の交流電力に変換する変換部である。また、DC/AC変換部13は、系統電源6から供給された商用の交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力をDCリンク部12に出力する。DC/AC変換部13は、例えば、DC/ACインバータ回路である。なお、図1では、DC/AC変換部を「DC/AC」と表記している。以降においても同様とする。
制御部14は、DC連携制御装置9と通信を行い、EV−PCS1の動作を制御する。具体的には、制御部14は、DC/DC変換部11、DCリンク部12、およびDC/AC変換部13を制御して、系統電源6から供給された商用の交流電力を直流電力に変換し、蓄電池40を充電する。また、制御部14は、DC/DC変換部11、DCリンク部12、およびDC/AC変換部13を制御して、蓄電池40に蓄えられている直流電力を放電して交流電力に変換し、宅内80の家庭内機器7、宅内80を介して系統電源6などに給電する。また、制御部14は、DC/DC変換部11、DCリンク部12、およびDC/AC変換部13を制御して、DC連携制御装置9を介してPV−PCS2から給電された直流電力の電圧を変換し、蓄電池40を充電する。
PV−PCS2は、太陽光パネル5で発電された直流電力を交流電力に変換する。PV−PCS2は、DC/DC変換部21と、DCリンク部22と、DC/AC変換部23と、制御部24と、を備える。
DC/DC変換部21は、太陽光パネル5で発電された直流電力の電圧を変換し、電圧変換後の直流電力をDCリンク部22に出力する変換部である。DC/DC変換部21は、例えば、DC/DCコンバータ回路である。
DCリンク部22は、DC/DC変換部21によって電圧変換された直流電力を蓄える直流リンク部である。DCリンク部22は、例えば、直流電力を蓄えるコンデンサを備える。
DC/AC変換部23は、DCリンク部22に蓄えられた直流電力を商用の交流電力に変換する変換部である。DC/AC変換部23は、例えば、DC/ACインバータ回路である。
制御部24は、DC連携制御装置9と通信を行い、PV−PCS2の動作を制御する。具体的には、制御部24は、DC/DC変換部21、DCリンク部22、およびDC/AC変換部23を制御して、太陽光パネル5で発電された直流電力を交流電力に変換し、宅内80の家庭内機器7、宅内80を介して系統電源6などに給電する。また、制御部24は、DC/DC変換部21、およびDCリンク部22を制御して、DCリンク部22に蓄えられた直流電力をDC連携制御装置9に給電する。
定置型蓄電PCS3は、内包する蓄電池30との間で直流電力の充放電を行う。定置型蓄電PCS3は、蓄電池30と、DC/DC変換部31と、DCリンク部32と、DC/AC変換部33と、を備える。
蓄電池30は、DC/DC変換部31によって電圧変換された直流電力を蓄える。蓄電池30は、宅内80に設置されていてもよいし、宅内80の外部に設置されていてもよい。
DC/DC変換部31は、蓄電池30に蓄えられた直流電力の電圧を変換し、電圧変換後の直流電力をDCリンク部32に出力する変換部である。また、DC/DC変換部31は、DCリンク部32に蓄えられた直流電力の電圧を変換し、電圧変換後の直流電力で蓄電池30を充電する。DC/DC変換部31は、例えば、DC/DCコンバータ回路である。
DCリンク部32は、DC/DC変換部31によって電圧変換された直流電力、およびDC/AC変換部33によって交流電力から変換された直流電力を蓄える直流リンク部である。DCリンク部32は、例えば、直流電力を蓄えるコンデンサを備える。
DC/AC変換部33は、DCリンク部32に蓄えられた直流電力を商用の交流電力に変換する変換部である。また、DC/AC変換部33は、系統電源6から供給された商用の交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力をDCリンク部32に出力する。DC/AC変換部33は、例えば、DC/ACインバータ回路である。
ブレーカ8aは、宅内80に設置され、EV−PCS1と、家庭内機器7などが接続された系統電源ライン81との接続を制御する。ブレーカ8bは、宅内80に設置され、PV−PCS2と、系統電源ライン81との接続を制御する。ブレーカ8cは、宅内80に設置され、定置型蓄電PCS3と、系統電源ライン81との接続を制御する。ブレーカ8dは、宅内80に設置され、系統電源6と、系統電源ライン81との接続を制御する。ここで、系統電源6は、商用の交流電力を供給する電源である。家庭内機器7は、宅内80に設置された、空気調和機、冷蔵庫などの電気機器である。宅内80において、ブレーカ8a〜8dおよび家庭内機器7は、系統電源ライン81を介して接続されている。
DC連携制御装置9は、PV−PCS2のDCリンク部22とEV−PCS1のDCリンク部12とを電気的に接続する制御を行う連携制御装置である。また、DC連携制御装置9は、PV−PCS2からEV−PCS1への直流電力の給電を制御する。DC連携制御装置9は、インターフェイス部91と、電源部92と、制御部93と、突入防止抵抗94と、突入防止リレー95と、DCリレー96,97と、インターフェイス部98と、電流検出部100と、電圧検出部101と、電流検出部102と、電圧検出部103と、を備える。
インターフェイス部91は、PV−PCS2と接続する受電側の接続部である。インターフェイス部91は、PV−PCS2から直流電力の給電を受け、さらに、PV−PCS2の制御部24とDC連携制御装置9の制御部93との間の通信を中継する。
電源部92は、主電力ラインP,Nを介してPV−PCS2から直流電力の給電を受け、制御部93を動作させるための制御電源を生成する。電源部92は、生成した制御電源を制御部93に供給する。
制御部93は、PV−PCS2からEV−PCS1への直流電力の給電を制御する。制御部93は、受電側のインターフェイス部91を介してPV−PCS2と通信を行い、PV−PCS2からPV−PCS2の運転状態の情報を受信する。PV−PCS2の運転状態は、例えば、PV−PCS2の定格電圧、定格電流、運転モード、接続状態などの情報を含む。なお、運転状態の情報に含まれるものは、これらに限定されない。また、制御部93は、送電側のインターフェイス部98を介してEV−PCS1と通信を行い、EV−PCS1からEV−PCS1の運転状態の情報を受信する。EV−PCS1の運転状態は、例えば、EV−PCS1の定格電圧、定格電流、運転モード、接続状態などの情報を含む。なお、運転状態の情報に含まれるものは、これらに限定されない。また、制御部93は、電流検出部100,102で検出された電流の情報、および電圧検出部101,103で検出された電圧の情報を、EV−PCS1およびPV−PCS2に送信する。制御部93は、PV−PCS2の運転状態と、EV−PCS1の運転状態と、DCリレー96,97とPV−PCS2のDCリンク部22との間で検出される電圧および電流と、DCリレー96,97とEV−PCS1のDCリンク部12との間で検出される電圧および電流とを用いて、DCリレー96,97を制御する。また、制御部93は、EV−PCS1およびPV−PCS2の運転状態を確認し、EV−PCS1およびPV−PCS2のうち少なくとも一方の状態が異常と判断した場合、EV4への充電運転を停止する保護用停止信号を生成し、EV−PCS1およびPV−PCS2に送信する。
突入防止抵抗94は、PV−PCS2のDCリンク部22とEV−PCS1のDCリンク部12とをDCリレー96,97で接続した際に発生する突入電流を減少させるための抵抗である。突入防止リレー95は、DCリレー96,97が接続された際に発生する突入電流を防止するためのリレーである。
DCリレー96は、主電力ラインPにおいて、PV−PCS2のDCリンク部22とEV−PCS1のDCリンク部12との間を接続または遮断するリレーである。DCリレー97は、主電力ラインNにおいて、PV−PCS2のDCリンク部22とEV−PCS1のDCリンク部12との間を接続または遮断するリレーである。
インターフェイス部98は、EV−PCS1と接続する送電側の接続部である。インターフェイス部98は、EV−PCS1に直流電力を給電し、さらに、EV−PCS1の制御部14とDC連携制御装置9の制御部93との間の通信を中継する。
電流検出部100は、DCリレー96よりもPV−PCS2側において、主電力ラインPに流れる直流電力の電流の値すなわち電流値を検出する。電圧検出部101は、DCリレー96,97よりもPV−PCS2側において、主電力ラインP,N間の電圧の値すなわち電圧値を検出する。電流検出部102は、DCリレー96よりもEV−PCS1側において、主電力ラインPに流れる直流電力の電流の値すなわち電流値を検出する。電圧検出部103は、DCリレー96,97よりもEV−PCS1側において、主電力ラインP,N間の電圧の値すなわち電圧値を検出する。
DC連携制御装置9は、EV−PCS1およびPV−PCS2と通信を行い、PV−PCS2から受信したPV−PCS2の運転状態の情報を確認するとともにEV−PCS1に送信し、EV−PCS1から受信したEV−PCS1の運転状態の情報を確認するとともにPV−PCS2に送信する。DC連携制御装置9は、EV−PCS1およびPV−PCS2の運転状態の情報を相互に伝達することで、PV−PCS2からEV−PCS1への直流電力の電力供給の制御を円滑に行うことが可能になる。
以降の説明において、PV−PCS2を第1の電力変換装置と称し、EV−PCS1を第2の電力変換装置と称し、定置型蓄電PCS3を第3の電力変換装置と称することがある。また、PV−PCS2のDCリンク部22を第1の直流リンク部と称し、EV−PCS1のDCリンク部12を第2の直流リンク部と称し、定置型蓄電PCS3のDCリンク部32を第3の直流リンク部と称することがある。また、EV4の蓄電池40を第1の蓄電池と称し、定置型蓄電PCS3の蓄電池30を第2の蓄電池と称することがある。なお、定置型蓄電PCS3を第2の電力変換装置と称し、EV−PCS1を第3の電力変換装置と称してもよい。この場合、定置型蓄電PCS3のDCリンク部32を第2の直流リンク部と称し、EV−PCS1のDCリンク部12を第3の直流リンク部と称する。また、定置型蓄電PCS3の蓄電池30を第1の蓄電池と称し、EV4の蓄電池40を第2の蓄電池と称する。
電力変換システム200は、同種のPCSを備えることも可能である。すなわち、電力変換システム200は、2つ以上のEV−PCS1を備えてもよいし、2つ以上の定置型蓄電PCS3を備えてもよい。
DC連携制御装置9を備えない電力変換システムは、太陽光パネルで発電された直流電力をEVに給電したい場合、PV−PCSとEV−PCSとを接続する宅内の系統電源ラインを介して交流電力で給電する。DC連携制御装置9を備えない電力変換システムは、PV−PCSで直流電力を一度交流電力に変換した後、さらにEV−PCSで交流電力を直流電力に電力変換する必要があった。具体的には、DC連携制御装置9を備えない電力変換システムは、直流電力の電圧を変換するDC/DC変換、直流電力から交流電力に変換するDC/AC変換、交流電力から直流電力に変換するAC/DC変換、およびDC/DC変換の順に電力変換を4回行う。一般的に、電力変換は、パワー素子のスイッチングによるPWM(Pulse Width Modulation)制御によって行われ、電力の供給量が調整される。しかしながら、電力変換は、スイッチングに起因する電力変換損失を伴う。すなわち、電力変換の回数が多いほど、電力変換損失も大きくなる。
本実施の形態では、電力変換システム200は、DC連携制御装置9を用いることで、DC連携制御装置9を備えない電力変換システムと比較して、電力変換の回数を減らし、電力変換損失を低減する。電力変換システム200において、PV−PCS2のDC/DC変換部21は、太陽光パネル5で発電される直流電力の電圧は太陽の状況によって大きく変化するため、ある一定の電圧の直流電力に電圧変換する。EV−PCS1のDC/DC変換部11は、ある一定の電圧の直流電力の電圧を、EV4の蓄電池40の電圧に合わせるため、電圧変換する。すなわち、電力変換システム200は、2回の電力変換によって、太陽光パネル5で発電された直流電力をEV4へ給電することができる。図2は、実施の形態1に係る電力変換システム200において太陽光パネル5からEV4への直流電力の給電経路を示す図である。図2では、給電経路を簡潔に示すため、EV−PCS1、PV−PCS2、およびDC連携制御装置9の記載は簡略化している。図2に示すように、電力変換システム200は、宅内80の系統電源ライン81を経由することなく、太陽光パネル5で発電された直流電力をEV4に給電することができる。
ここで、EV−PCS1のDCリンク部12に蓄えられている直流電力の電圧は、EV−PCS1の運転状態によって変化する。また、PV−PCS2のDCリンク部22に蓄えられている直流電力の電圧は、PV−PCS2の運転状態によって変化する。また、EV−PCS1のDCリンク部12に蓄えられている直流電力の電圧、およびPV−PCS2のDCリンク部22に蓄えられている直流電力の電圧は、そもそも異なることがある。そのため、PV−PCS2のDCリンク部22とEV−PCS1のDCリンク部12とを接続した場合、両者に蓄えられている直流電力の電圧差によって、大きな突入電流が発生することが考えられる。
そのため、電力変換システム200では、PV−PCS2が、DC連携制御装置9を介してEV−PCS1へ、運転状態の情報を送信する。運転状態の情報には、前述の情報の他に、PV−PCS2のDCリンク部22の電圧、PV−PCS2からの定格出力電力などの情報を含んでいてもよい。また、EV−PCS1が、DC連携制御装置9を介してPV−PCS2へ、運転状態の情報を送信する。運転状態の情報には、前述の情報の他に、EV−PCS1のDCリンク部12の電圧、EV−PCS1からの定格出力電力などの情報を含んでいてもよい。電力変換システム200では、EV−PCS1、PV−PCS2、およびDC連携制御装置9が、これらの運転状態の情報を共有することで、DC連携運転の可否、運転条件、制御内容などを決定し、大きな突入電流が発生しないよう、すなわち突入電流を低減する。
具体的に、DC連携制御装置9が、太陽光パネル5で発電された直流電力をEV4に給電する場合について説明する。図3は、実施の形態1に係る電力変換システム200においてDC連携制御装置9がPV−PCS2からEV−PCS1に直流電力を給電する処理を示す第1のフローチャートである。また、図4は、実施の形態1に係る電力変換システム200においてDC連携制御装置9がPV−PCS2からEV−PCS1に直流電力を給電する処理を示す第2のフローチャートである。なお、図3および図4に示すフローチャートの説明において、特に断らない限り、PV−PCS2の動作については実際には制御部24が行い、DC連携制御装置9の動作については実際には制御部93が行い、EV−PCS1の動作については実際には制御部14が行うものとする。
電力変換システム200において、PV−PCS2は、太陽光パネル5での直流電力の発電を確認すると、家庭内機器7へ交流電力の給電を開始するとともに、DC連携制御装置9へ直流電力の給電を開始する(ステップS101)。DC連携制御装置9は、PV−PCS2から直流電力が給電されると、電源部92が制御電源を生成し、制御部93が電源部92から制御電源の供給を受けてDC連携制御装置9の制御を開始する(ステップS201)。
PV−PCS2は、給電開始の情報をDC連携制御装置9に送信する(ステップS102)。DC連携制御装置9は、PV−PCS2から給電開始の情報を受信すると、PV−PCS2において給電が開始されたという情報を確認するとともに(ステップS202)、給電開始の情報をEV−PCS1に送信する。EV−PCS1は、DC連携制御装置9から給電開始の情報を受信すると、PV−PCS2において給電が開始されたという情報を確認する(ステップS301)。
EV−PCS1は、現在のEV−PCS1の運転モード、EV−PCS1の定格出力電力などの情報を含む運転状態の情報をDC連携制御装置9に送信する(ステップS302)。DC連携制御装置9は、EV−PCS1から運転状態の情報を受信すると、EV−PCS1の運転状態の情報を確認するとともに(ステップS203)、EV−PCS1の運転状態の情報をPV−PCS2に送信する。PV−PCS2は、DC連携制御装置9からEV−PCS1の運転状態の情報を受信すると、EV−PCS1の運転状態の情報を確認する(ステップS103)。
EV−PCS1は、現在のEV−PCS1の運転モードを確認する(ステップS303)。EV−PCS1の運転モードには、例えば、EV4の蓄電池40に直流電力を充電する充電モード、EV4の蓄電池40から直流電力を放電する放電モードなどがある。EV−PCS1の運転モードについては、ユーザが選択する。EV−PCS1は、現在のEV−PCS1の運転モードが充電モードではない場合(ステップS303:No)、DC連携制御装置9を介してPV−PCS2から直流電力の給電を受けるDC連携運転の処理を終了する(ステップS304)。EV−PCS1は、現在のEV−PCS1の運転モードが充電モードの場合(ステップS303:Yes)、ステップS305の処理に進む。
PV−PCS2は、現在のPV−PCS2のDCリンク部22に蓄えられている直流電力の電圧、PV−PCS2の定格出力電力などの情報を含む運転状態の情報をDC連携制御装置9に送信する(ステップS104)。DC連携制御装置9は、PV−PCS2から運転状態の情報を受信すると、PV−PCS2の運転状態の情報を確認するとともに(ステップS204)、PV−PCS2の運転状態の情報をEV−PCS1に送信する。EV−PCS1は、DC連携制御装置9からPV−PCS2の運転状態の情報を受信すると、PV−PCS2の運転状態の情報を確認する(ステップS305)。
EV−PCS1は、PV−PCS2とのDC連携運転が可能か否かを判断する(ステップS306)。EV−PCS1は、例えば、PV−PCS2の定格出力電力がEV−PCS1の定格出力電力を超えておらず、現在のPV−PCS2のDCリンク部22に蓄えられている直流電力の電圧から、太陽光パネル5での発電電圧が規定された電圧以上であって、PV−PCS2のDCリンク部22の電圧に対してEV−PCS1のDCリンク部12の電圧が制御可能な範囲内の場合、PV−PCS2とのDC連携運転が可能と判断する。EV−PCS1は、PV−PCS2とのDC連携運転が可能ではないと判断した場合(ステップS306:No)、DC連携運転の処理を終了する(ステップS304)。EV−PCS1は、PV−PCS2とのDC連携運転が可能と判断した場合(ステップS306:Yes)、DCリンク部12の電圧とPV−PCS2のDCリンク部22の電圧との差分が規定された範囲内になるように、DCリンク部12の電圧を調整する(ステップS307)。この調整は、EV−PCS1のDCリンク部12とPV−PCS2のDCリンク部22とを接続した際に発生する突入電流をできるだけ小さくするためのものである。例えば、EV−PCS1は、EV−PCS1のDCリンク部12の電圧を大きくしたい場合、DC/AC変換部13を制御して、系統電源6から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力をDCリンク部12に蓄える。
EV−PCS1は、DCリンク部12の電圧調整が完了すると、EV−PCS1で受電可能な電力、電圧調整後のEV−PCS1のDCリンク部12に蓄えられている直流電力の電圧などの情報を含む運転状態の情報をDC連携制御装置9に送信する(ステップS308)。EV−PCS1で受電可能な電力とは、現在の蓄電池40に蓄えられている直流電力に応じて、EV−PCS1が蓄電池40に充電可能な上限の電力である。充電可能な上限の電力については、電圧および電流の形式で表してもよい。DC連携制御装置9は、EV−PCS1から運転状態の情報を受信すると、EV−PCS1の運転状態の情報を確認するとともに(ステップS205)、EV−PCS1の運転状態の情報をPV−PCS2に送信する。PV−PCS2は、DC連携制御装置9からEV−PCS1の運転状態の情報を受信すると、EV−PCS1の運転状態の情報を確認する(ステップS105)。
EV−PCS1は、EV−PCS1のDCリンク部12の電圧を維持するため運転を停止する(ステップS309)。PV−PCS2は、PV−PCS2のDCリンク部22の電圧を維持するため運転を停止し(ステップS106)、運転を停止したという情報をDC連携制御装置9に送信する。DC連携制御装置9は、PV−PCS2から運転停止の情報を受信するとDCリレー96,97を接続する(ステップS206)。このとき、DC連携制御装置9において、突入防止リレー95は、電気的に開放されている。すなわち、DC連携制御装置9では、主電力ラインPに突入防止抵抗94がある状態でEV−PCS1のDCリンク部12とPV−PCS2のDCリンク部22とが接続されることになるため、相互のDCリンク部間の電圧差と突入防止抵抗94の抵抗値とで決定される突入電流しか流れない。なお、DC連携制御装置9は、EV−PCS1から取得したEV−PCS1に流れる電流の情報、PV−PCS2から取得したPV−PCS2に流れる電流の情報、および電流検出部100,102で検出される電流に基づいて、突入電流がいずれかの装置で使用されている部品の定格電流を超える場合、運転を停止する制御を行う。
DC連携制御装置9は、電流検出部100,102で検出された電流、および電圧検出部101,103で検出された電圧の情報を確認する(ステップS207)。DC連携制御装置9は、検出した電流および電圧の情報をPV−PCS2およびEV−PCS1に送信し、情報を共有する。PV−PCS2は、PV−PCS2のDCリンク部22の電圧を検出し、DCリンク部22の電圧の情報を確認する(ステップS107)。PV−PCS2は、検出した電圧の情報をDC連携制御装置9に送信し、情報を共有する。なお、DC連携制御装置9は、PV−PCS2から電圧の情報を受信すると、PV−PCS2の電圧の情報を確認するとともに、PV−PCS2の電圧の情報をEV−PCS1に送信する。以降においても同様とする。EV−PCS1は、EV−PCS1のDCリンク部12の電圧を検出し、DCリンク部12の電圧の情報を確認する(ステップS310)。EV−PCS1は、検出した電圧の情報をDC連携制御装置9に送信し、情報を共有する。なお、DC連携制御装置9は、EV−PCS1から電圧の情報を受信すると、EV−PCS1の電圧の情報を確認するとともに、EV−PCS1の電圧の情報をPV−PCS2に送信する。以降においても同様とする。
DC連携制御装置9は、PV−PCS2およびEV−PCS1で検出された電圧、電流検出部100,102で検出された電流、および電圧検出部101,103で検出された電圧に基づいて異常を検知しなかった場合、突入防止リレー95を電気的に接続させ(ステップS208)、突入防止抵抗94を接続させる。異常を検知した場合とは、検出された電圧がいずれかの装置で使用されている部品の定格電圧を超えた場合、または、検出された電流がいずれかの装置で使用されている部品の定格電流を超えた場合である。
DC連携制御装置9は、電流検出部100,102で検出された電流、および電圧検出部101,103で検出された電圧の情報を確認する(ステップS209)。DC連携制御装置9は、検出した電流および電圧の情報をPV−PCS2およびEV−PCS1に送信し、情報を共有する。PV−PCS2は、PV−PCS2のDCリンク部22の電圧を検出し、DCリンク部22の電圧の情報を確認する(ステップS108)。PV−PCS2は、検出した電圧の情報をDC連携制御装置9に送信し、情報を共有する。EV−PCS1は、EV−PCS1のDCリンク部12の電圧を検出し、DCリンク部12の電圧の情報を確認する(ステップS311)。EV−PCS1は、検出した電圧の情報をDC連携制御装置9に送信し、情報を共有する。
PV−PCS2は、PV−PCS2で検出された電圧、DC連携制御装置9の電流検出部100,102で検出された電流および電圧検出部101,103で検出された電圧に基づいて異常を検知しなかった場合、DC連携制御装置9を介してEV−PCS1へ直流電力を給電するDC連携運転による給電運転を開始する(ステップS109)。また、EV−PCS1は、EV−PCS1で検出された電圧、DC連携制御装置9の電流検出部100,102で検出された電流および電圧検出部101,103で検出された電圧に基づいて異常を検知しなかった場合、DC連携制御装置9を介してPV−PCS2から直流電力の給電を受け、蓄電池40を充電するDC連携運転による充電運転を開始する(ステップS312)。
DC連携制御装置9は、電流検出部100,102で検出された電流、および電圧検出部101,103で検出された電圧の情報を確認する(ステップS210)。DC連携制御装置9は、検出した電流および電圧の情報をPV−PCS2およびEV−PCS1に送信し、情報を共有する。PV−PCS2は、PV−PCS2のDCリンク部22の電圧を検出し、DCリンク部22の電圧の情報を確認する(ステップS110)。PV−PCS2は、検出した電圧の情報をDC連携制御装置9に送信し、情報を共有する。EV−PCS1は、EV−PCS1のDCリンク部12の電圧を検出し、DCリンク部12の電圧の情報を確認するとともに、EV4の蓄電池40の充電率を確認する(ステップS313)。EV−PCS1は、検出した電圧および充電率の情報をDC連携制御装置9に送信し、情報を共有する。
その後、EV−PCS1は、EV4の蓄電池40の充電率が100%になると、EV4の蓄電池40の充電率100%の情報をDC連携制御装置9に送信する(ステップS314)。DC連携制御装置9は、EV−PCS1からEV4の蓄電池40の充電率100%の情報を受信すると、EV4の蓄電池40の充電率100%の情報を確認するとともに(ステップS211)、EV4の蓄電池40の充電率100%の情報をPV−PCS2に送信する。PV−PCS2は、DC連携制御装置9からEV4の蓄電池40の充電率100%の情報を受信すると、EV4の蓄電池40の充電率100%の情報を確認する(ステップS111)。
DC連携制御装置9は、電流検出部100,102で検出された電流、および電圧検出部101,103で検出された電圧の情報を確認する(ステップS212)。DC連携制御装置9は、検出した電流および電圧の情報をPV−PCS2およびEV−PCS1に送信し、情報を共有する。PV−PCS2は、PV−PCS2で検出された電圧、DC連携制御装置9の電流検出部100,102で検出された電流および電圧検出部101,103で検出された電圧に基づいて異常を検知しなかった場合、DC連携制御装置9を介してEV−PCS1へ直流電力を給電するDC連携運転による給電運転を停止する(ステップS112)。PV−PCS2は、給電運転を停止したという情報をDC連携制御装置9に送信する。また、EV−PCS1は、EV−PCS1で検出された電圧、DC連携制御装置9の電流検出部100,102で検出された電流および電圧検出部101,103で検出された電圧に基づいて異常を検知しなかった場合、蓄電池40を充電するDC連携運転による充電運転を停止する(ステップS315)。EV−PCS1は、充電運転を停止したという情報をDC連携制御装置9に送信する。
DC連携制御装置9は、PV−PCS2から給電運転停止の情報を受信し、EV−PCS1から充電運転停止の情報を受信すると、DCリレー96,97を開放し(ステップS213)、突入防止リレー95を開放する(ステップS214)。
DC連携制御装置9は、電流検出部100,102で検出された電流、および電圧検出部101,103で検出された電圧の情報を確認する(ステップS215)。DC連携制御装置9は、検出した電流および電圧の情報をPV−PCS2およびEV−PCS1に送信し、情報を共有する。DC連携制御装置9は、電流検出部100,102で検出された電流および電圧検出部101,103で検出された電圧に基づいて異常を検知しなかった場合、DC連携運転の処理を終了する。PV−PCS2は、DC連携制御装置9の電流検出部100,102で検出された電流および電圧検出部101,103で検出された電圧の情報を確認する(ステップS113)。PV−PCS2は、異常を検知しなかった場合、DC連携運転の処理を終了する。EV−PCS1は、DC連携制御装置9の電流検出部100,102で検出された電流および電圧検出部101,103で検出された電圧の情報を確認する(ステップS316)。EV−PCS1は、異常を検知しなかった場合、DC連携運転の処理を終了する。
EV−PCS1は、PV−PCS2から給電される直流電力だけでは蓄電池40を充電させるために必要な電力が不足している場合、不足分を系統電源6から供給される交流電力を直流電力に変換して使用することも可能である。例えば、EV−PCS1は、蓄電池40を6KW充電させたいときにPV−PCS2から給電された直流電力が5KWの場合、不足分の1KWを系統電源6から供給される交流電力を直流電力に変換して蓄電池40を充電する。
なお、DC連携制御装置9は、PV−PCS2から大きな直流電力が給電されるため、リアルタイムに動作を監視し、異常を検知したときは安全に運転を停止する必要がある。DC連携制御装置9は、主電力ラインP,NにおいてDCリレー96,97の前後に電流検出部100,102、および電圧検出部101,103を備えている。そのため、DC連携制御装置9は、検出した電流および電圧の情報をPV−PCS2およびEV−PCS1に送信することで、電力変換システム200内で検出された電流および電圧の情報を共有することができる。
DC連携制御装置9の制御部93は、電流検出部100,102を用いてDC連携制御装置9の主電力ラインP,Nに流れる電流を監視し、電圧検出部101,103を用いてDC連携制御装置9の主電力ラインP,Nにかかる電圧を監視する。制御部93は、EV4の蓄電池40に対する充電運転開始まで、EV4の蓄電池40に対する充電運転時、および、EV4の蓄電池40に対する充電運転停止時の全シーケンスにおいて、常時監視を行う。例えば、制御部93は、正常動作と異なってDC連携制御装置9の主電力ラインP,Nにおいて大きな電圧または電流が印加された場合、また、太陽光パネル5の発電電力量、DC連携制御装置9のインターフェイス部91の電力量、インターフェイス部98の電力量、およびEV4の蓄電池40への充電電力に差異がある場合、これらの異常を検知し、EV4の蓄電池40への充電運転を停止させて事故の発生を防止する。以下に、電力変換システム200で想定される異常の例を挙げるが、DC連携制御装置9は、電流検出部100,102および電圧検出部101,103の検出結果を用いることで、異常を検知することができる。
<DC連携運転の運転開始まで>
(1−1)EV−PCS1にてDCリンク部12の電圧調整時、調整制御不具合により電圧の定格オーバーが発生。
⇒DC連携制御装置9は、電圧検出部103で検出された電圧によって異常を検知可能。
(1−2)PV−PCS2にて一旦DC連携運転を停止するとき、突入電流による電圧定格オーバーが発生。
⇒DC連携制御装置9は、電圧検出部101で検出された電圧によって異常を検知可能。
<DC連携運転の運転時>
(2−1)DCリレー96,97の接続時、EV−PCS1のDCリンク部12において突入電流による電圧および電流の定格オーバーが発生。
⇒DC連携制御装置9は、電流検出部102で検出された電流および電圧検出部103で検出された電圧によって異常を検知可能。
(2−2)DCリレー96,97の接続時、PV−PCS2のDCリンク部22において突入電流による電圧および電流の定格オーバーが発生。
⇒DC連携制御装置9は、電流検出部100で検出された電流および電圧検出部101で検出された電圧によって異常を検知可能。
(2−3)突入防止リレー95の接続時、EV−PCS1のDCリンク部12において突入電流による電流の定格オーバーが発生。
⇒DC連携制御装置9は、電流検出部102で検出された電流によって異常を検知可能。
(2−4)突入防止リレー95の接続時、PV−PCS2のDCリンク部22において突入電流による電流の定格オーバーが発生。
⇒DC連携制御装置9は、電流検出部100で検出された電流によって異常を検知可能。
(2−5)EV−PCS1の充電運転開始時、DCリンク部12において突入電流による電圧および電流の定格オーバーが発生。
⇒DC連携制御装置9は、電流検出部102で検出された電流および電圧検出部103で検出された電圧によって異常を検知可能。
(2−6)PV−PCS2の給電運転開始時、DCリンク部22において突入電流による電圧および電流の定格オーバーが発生。
⇒DC連携制御装置9は、電流検出部100で検出された電流および電圧検出部101で検出された電圧によって異常を検知可能。
<DC連携運転の運転停止時>
(3−1)EV−PCS1の充電運転停止時、DCリンク部12において突入電流による電圧および電流の定格オーバーが発生。
⇒DC連携制御装置9は、電流検出部102で検出された電流および電圧検出部103で検出された電圧によって異常を検知可能。
(3−2)PV−PCS2の給電運転停止時、DCリンク部22において突入電流による電圧および電流の定格オーバーが発生。
⇒DC連携制御装置9は、電流検出部100で検出された電流および電圧検出部101で検出された電圧によって異常を検知可能。
具体的には、DC連携制御装置9において、制御部93は、電流検出部100,102で検出された電流および電圧検出部101,103で検出された電圧によって異常を検知すると、異常を検知した旨の情報をEV−PCS1の制御部14およびPV−PCS2の制御部24に送信する。EV−PCS1の制御部14は、DC/DC変換部11の動作を停止し、EV4の蓄電池40に対する充電運転を停止する。PV−PCS2の制御部24は、DC/DC変換部21の動作を停止し、EV−PCS1への給電運転を停止する。DC連携制御装置9の制御部93は、DCリレー96,97を開放する。これにより、電力変換システム200は、DC連携制御装置9を介したEV4の蓄電池40への充電運転を物理的に停止させることができる。
ここで、DC連携制御装置9において、制御部93は、電流検出部100,102で検出された電流および電圧検出部101,103で検出された電圧で異常を検知し、EV4の蓄電池40への充電運転を停止させる制御を行う場合、ソフトウェアの処理によって行ってもよいし、ハードウェア処理によって行ってもよい。
例えば、制御部93は、電流検出部100,102で検出された電流および電圧検出部101,103で検出された電圧を読み込み、設定された過電圧の判定値、不足電圧の判定値、過電流の判定値、および不足電流の判定値を用いて、読み込んだ値と各判定値とを比較する。制御部93は、検出された電流の値が過電流の判定値を超えた場合または不足電流の判定値を下回った場合、検出された電圧の値が過電圧の判定値を超えた場合または不足電圧の判定値を下回った場合、ソフトウェア処理によってEV4の蓄電池40への充電運転を停止させる制御を行う。図3および図4に示すフローチャートの処理は、ソフトウェア処理の例に基づいて記載している。
または、制御部93は、ハードウェア処理によってEV4の蓄電池40への充電運転を停止させる制御を行う場合、読み込んだ値と過電圧の判定値および不足電圧の判定値に相当する基準電圧とを比較するコンパレータ回路を備え、読み込んだ値と過電流の判定値および不足電流の判定値に相当する基準電流とを比較するコンパレータ回路を備える。制御部93は、電流検出部100,102で検出された電流および電圧検出部101,103で検出された電圧を読み込み、コンパレータ回路を用いた比較処理を行う。制御部93は、コンパレータ回路を用いた比較処理を行うことで、異常を検知した場合にフラグを上げる異常電圧検知回路を構成することができる。制御部93は、EV−PCS1のDC/DC変換部11およびPV−PCS2のDC/DC変換部21に対する制御信号として、フラグが上がった状態で出力する信号をイネーブル信号とする。これにより、制御部93は、ソフトウェアに依存しないハードウェアの保護回路によって、EV4の蓄電池40への充電運転を停止させる制御を行うことができる。制御部93は、ハードウェアで保護回路を構成することができれば、ソフトウェア処理と比較して、異常を検知してから時間的により早くEV4の蓄電池40への充電運転の停止を実現することができる。ここで、ソフトウェア処理による保護機能の処理手順、およびハードウェア処理による保護機能の処理手順について説明する。
<ソフトウェアでの保護機能>
(1)DC連携制御装置9において、制御部93は、電流検出部100において異常な電流が流れていることを検知する。
(2)制御部93は、異常を検知したことをEV−PCS1の制御部14へ通知する。
(3)EV−PCS1の制御部14は、DC/DC変換部11へのゲート駆動信号を停止する。
(4)EV−PCS1において、DC/DC変換部11は動作を停止する。
(5)EV−PCS1において、EV4の蓄電池40への充電運転を停止する。
<ハードウェアでの保護機能>
(1)DC連携制御装置9において、制御部93は、電流検出部100で検出された電流値をコンパレータ回路で比較し、異常を検知した場合にコンパレータ回路からL⇒Hへフラグを立てたフラグ信号をEV−PCS1の制御部14に出力する。
(2)EV−PCS1の制御部14は、DC/DC変換部11のゲート駆動信号の出力を制御する出力許可/禁止判別ポートすなわちイネーブルポート機能のあるIC(Integrated Circuit)を備える。制御部14は、ICのイネーブルポートに前述のフラグ信号が入力され、フラグ信号がL⇒HになるとICからゲート駆動信号の出力を禁止、すなわち停止する。
(3)EV−PCS1において、DC/DC変換部11は動作を停止する。
(4)EV−PCS1において、EV4の蓄電池40への充電運転を停止する。
制御部93は、ソフトウェアでの保護機能では、マイコンで判断して信号を出力するため、EV4の蓄電池40への充電運転を停止させるまでに数msの時間を要する。一方、制御部93は、ハードウェアでの保護機能では、異常を検知した信号自体でDC/DC変換部11のゲート駆動信号の出力を停止させるため、数μsの時間でEV4の蓄電池40への充電運転を停止させることができる。
なお、本実施の形態では、突入電流の影響を抑えるため、DC連携制御装置9の主電力ラインP上に突入防止リレー95および突入防止抵抗94を設けたが、一例であり、これに限定されない。DC連携制御装置9は、主電力ライン上で突入電流の影響を抑えることができる箇所であれば、主電力ラインN上に突入防止リレー95および突入防止抵抗94を設けてもよい。
つづいて、DC連携制御装置9の制御部93の構成について説明する。制御部93は、処理回路によって実現される。処理回路は、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサおよびメモリであってもよいし、専用のハードウェアであってもよい。
図5は、実施の形態1に係るDC連携制御装置9が備える処理回路をプロセッサおよびメモリで構成する場合の例を示す図である。処理回路がプロセッサ301およびメモリ302で構成される場合、処理回路の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ302に格納される。処理回路では、メモリ302に記憶されたプログラムをプロセッサ301が読み出して実行することにより、各機能を実現する。これらのプログラムは、制御部93の手順および方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
ここで、プロセッサ301は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、またはDSP(Digital Signal Processor)などであってもよい。また、メモリ302には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、またはDVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
図6は、実施の形態1に係るDC連携制御装置9が備える処理回路を専用のハードウェアで構成する場合の例を示す図である。処理回路が専用のハードウェアで構成される場合、図6に示す処理回路303は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。制御部93の各機能を機能別に処理回路303で実現してもよいし、各機能をまとめて処理回路303で実現してもよい。
なお、DC連携制御装置9の制御部93の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路は、専用のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。PV−PCS2の制御部24およびEV−PCS1の制御部14についても、同様のハードウェア構成により実現される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、電力変換システム200において、DC連携制御装置9は、PV−PCS2のDCリンク部22とEV−PCS1のDCリンク部12とを接続する場合、DCリレー96,97よりPV−PCS2側の電流および電圧を検出し、DCリレー96,97よりEV−PCS1側の電流および電圧を検出し、DCリンク部22とDCリンク部12とを接続した際に発生する突入電流を低減するように、PV−PCS2およびEV−PCS1の動作を制御する。すなわち、DC連携制御装置9において、制御部93は、DCリレー96,97とDCリンク部22との間で検出される電圧と、DCリレー96,97とDCリンク部12との間で検出される電圧との差分が規定された範囲内になるように、PV−PCS2の動作を制御してPV−PCS2から出力される直流電力の電圧、およびEV−PCS1の動作を制御してEV−PCS1に入力される直流電力の電圧を制御し、PV−PCS2からEV−PCS1への直流電力の給電を制御する。これにより、電力変換システム200は、複数の分散電源を備える場合に、分散電源間で電力を給電する際の電力変換ロスを低減しつつ、突入電流を低減することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、PV−PCS2からEV−PCS1に直流電力を給電し、EV4の蓄電池40に充電する場合について説明した。実施の形態2では、PV−PCS2から定置型蓄電PCS3に直流電力を給電し、定置型蓄電PCS3の蓄電池30に充電する場合について説明する。
図7は、実施の形態2に係る電力変換システム200aの構成例を示す図である。電力変換システム200aは、EV−PCS1と、PV−PCS2と、定置型蓄電PCS3と、ブレーカ8a,8b,8c,8dと、DC連携制御装置9と、を備える。電力変換システム200aにおいて、EV−PCS1は、図1に示す電力変換システム200と同様、制御部14を備えていてもよい。定置型蓄電PCS3は、蓄電池30と、DC/DC変換部31と、DCリンク部32と、DC/AC変換部33と、制御部34と、を備える。
制御部34は、DC連携制御装置9と通信を行い、定置型蓄電PCS3の動作を制御する。具体的には、制御部34は、DC/DC変換部31、DCリンク部32、およびDC/AC変換部33を制御して、系統電源6から供給された商用の交流電力を直流電力に変換し、蓄電池30を充電する。また、制御部34は、DC/DC変換部31、DCリンク部32、およびDC/AC変換部33を制御して、蓄電池30に蓄えられている直流電力を放電して交流電力に変換し、宅内80の家庭内機器7、宅内80を介して系統電源6などに給電する。また、制御部34は、DC/DC変換部31、DCリンク部32、およびDC/AC変換部33を制御して、DC連携制御装置9を介してPV−PCS2から給電された直流電力の電圧を変換し、蓄電池30を充電する。
DC連携制御装置9は、PV−PCS2のDCリンク部22と定置型蓄電PCS3のDCリンク部32とを電気的に接続する制御を行う。また、DC連携制御装置9は、PV−PCS2から定置型蓄電PCS3への直流電力の給電を制御する。具体的には、制御部93は、PV−PCS2から定置型蓄電PCS3への直流電力の給電を制御する。制御部93は、送電側のインターフェイス部98を介して定置型蓄電PCS3と通信を行い、定置型蓄電PCS3から定置型蓄電PCS3の運転状態の情報を受信する。定置型蓄電PCS3の運転状態は、例えば、定置型蓄電PCS3の定格電圧、定格電流、運転モード、接続状態などの情報を含む。なお、運転状態の情報に含まれるものは、これらに限定されない。実施の形態1では、PV−PCS2およびEV−PCS1が、DC連携制御装置9を介して相互に運転状態の情報を送受信し、運転状態の情報を共有していた。実施の形態2では、PV−PCS2および定置型蓄電PCS3が、DC連携制御装置9を介して相互に運転状態の情報を送受信し、運転状態の情報を共有する。定置型蓄電PCS3が送信する運転状態の情報は、EV−PCS1が送信する運転状態の情報と同様のものである。
定置型蓄電PCS3は、EV4の蓄電池40と比較して大容量の蓄電池30を使って、一般家庭で使用する電気を蓄えておく装置である。これまで、定置型蓄電PCS3は、工場、商業施設などで業務用、産業用として導入され、価格が高くサイズも大型なものが多かった。しかしながら、近年リチウムイオン電池の技術が進化し、定置型蓄電PCS3は、低価格で小型になり、一般家庭でも使用されるようになっている。電力変換システム200aは、EV−PCS1と定置型蓄電PCS3との接続仕様を合わせることで、EV−PCS1の代わりに定置型蓄電PCS3を用いて蓄電池30に充電させることができる。DC連携制御装置9と定置型蓄電PCS3との間の動作については、実施の形態1で説明したDC連携制御装置9とEV−PCS1との間の動作と同様である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、電力変換システム200aにおいて、DC連携制御装置9は、PV−PCS2のDCリンク部22と定置型蓄電PCS3のDCリンク部32とを接続する場合、DCリレー96,97よりPV−PCS2側の電流および電圧を検出し、DCリレー96,97より定置型蓄電PCS3側の電流および電圧を検出し、DCリンク部22とDCリンク部32とを接続した際に発生する突入電流を低減するように、PV−PCS2および定置型蓄電PCS3の動作を制御する。この場合においても、電力変換システム200aは、実施の形態1のときと同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
実施の形態1では、PV−PCS2からEV−PCS1に直流電力を給電し、EV4の蓄電池40に充電する場合について説明した。また、実施の形態2では、PV−PCS2から定置型蓄電PCS3に直流電力を給電し、定置型蓄電PCS3の蓄電池30に充電する場合について説明した。実施の形態3では、PV−PCS2からEV−PCS1および定置型蓄電PCS3に直流電力を給電し、EV4の蓄電池40および定置型蓄電PCS3の蓄電池30に充電する場合について説明する。
図8は、実施の形態3に係る電力変換システム200bの構成例を示す図である。電力変換システム200bは、EV−PCS1と、PV−PCS2と、定置型蓄電PCS3と、ブレーカ8a,8b,8c,8dと、DC連携制御装置9と、を備える。電力変換システム200bにおいて、EV−PCS1は、図1に示す電力変換システム200と同様、制御部14を備えている。また、電力変換システム200bにおいて、定置型蓄電PCS3は、図7に示す電力変換システム200aと同様、制御部34を備えている。電力変換システム200bにおいて、DC連携制御装置9は、図1に示す実施の形態1のDC連携制御装置9に対して、DCリレー104,105、電流検出部106、および電圧検出部107を追加している。
DCリレー104は、主電力ラインPにおいて、PV−PCS2のDCリンク部22と定置型蓄電PCS3のDCリンク部32との間を接続または遮断するリレーである。DCリレー105は、主電力ラインNにおいて、PV−PCS2のDCリンク部22と定置型蓄電PCS3のDCリンク部32との間を接続または遮断するリレーである。なお、DCリレー96,97を第1のリレーと称し、DCリレー104,105を第2のリレーと称することがある。
電流検出部106は、DCリレー104よりも定置型蓄電PCS3側において、主電力ラインPに流れる直流電力の電流の値すなわち電流値を検出する。電圧検出部107は、DCリレー104,105よりも定置型蓄電PCS3側において、主電力ラインP,N間の電圧の値すなわち電圧値を検出する。
突入防止抵抗94は、実施の形態1で説明した機能に加えて、PV−PCS2のDCリンク部22と定置型蓄電PCS3のDCリンク部32とをDCリレー104,105で接続した際に発生する突入電流を減少させる。突入防止リレー95は、実施の形態1で説明した機能に加えて、DCリレー104,105が接続された際に発生する突入電流を防止する。
制御部93は、実施の形態1で説明した機能に加えて、PV−PCS2の運転状態と、定置型蓄電PCS3の運転状態と、DCリレー104,105とDCリンク部22との間で検出される電圧および電流と、DCリレー104,105とDCリンク部32との間で検出される電圧および電流とを用いて、DCリレー104,105を制御する。
電力変換システム200bは、電力変換システム200,200aと異なり、4つのDCリレーを用いることで、PV−PCS2から給電される直流電力を、EV−PCS1および定置型蓄電PCS3、すなわち2系統に切り替えて出力する。電力変換システム200bは、PV−PCS2から給電される直流電力を、複数の分散電源に出力することができる。具体的には、DC連携制御装置9は、太陽光パネル5で発電された直流電力に対して、DCリレー96,97を接続し、DCリレー104,105を開放すれば、実施の形態1と同様の構成となる。また、DC連携制御装置9は、太陽光パネル5で発電された直流電力に対して、DCリレー104,105を接続し、DCリレー96,97を開放すれば、実施の形態2と同様の構成となる。これにより、DC連携制御装置9は、EV4の蓄電池40の充電レベルおよび定置型蓄電PCS3の蓄電池30の充電レベルを通信で確認し、一方の蓄電池への充電運転を先に行い、満充電が完了または規定された電力の充電が完了した場合、他方の蓄電池への充電運転へ自動で移行する制御を行う。
電力変換システム200bにおいて、DC連携制御装置9は、例えば、日中にPV−PCS2からEV4の蓄電池40に充電を行い、次にPV−PCS2から定置型蓄電PCS3の蓄電池30に充電を行う順番で制御する場合を想定する。この場合、DC連携制御装置9は、電力変換システム200bを構成する全てのシステムが接続された状態でユーザから充電が選択されると、ソフトウェアのプログラムに従って、EV−PCS1を用いて先にEV4の蓄電池40の充電を行い、次に定置型蓄電PCS3の蓄電池30の充電を行う。
図9は、実施の形態3に係る電力変換システム200bにおいてDC連携制御装置9がPV−PCS2からEV−PCS1および定置型蓄電PCS3に直流電力を給電する処理を示す第1のフローチャートである。また、図10は、実施の形態3に係る電力変換システム200bにおいてDC連携制御装置9がPV−PCS2からEV−PCS1および定置型蓄電PCS3に直流電力を給電する処理を示す第2のフローチャートである。また、図11は、実施の形態3に係る電力変換システム200bにおいてDC連携制御装置9がPV−PCS2からEV−PCS1および定置型蓄電PCS3に直流電力を給電する処理を示す第3のフローチャートである。また、図12は、実施の形態3に係る電力変換システム200bにおいてDC連携制御装置9がPV−PCS2からEV−PCS1および定置型蓄電PCS3に直流電力を給電する処理を示す第4のフローチャートである。また、図13は、実施の形態3に係る電力変換システム200bにおいてDC連携制御装置9がPV−PCS2からEV−PCS1および定置型蓄電PCS3に直流電力を給電する処理を示す第5のフローチャートである。また、図14は、実施の形態3に係る電力変換システム200bにおいてDC連携制御装置9がPV−PCS2からEV−PCS1および定置型蓄電PCS3に直流電力を給電する処理を示す第6のフローチャートである。なお、図9から図14に示すフローチャートの説明において、特に断らない限り、PV−PCS2の動作については実際には制御部24が行い、DC連携制御装置9の動作については実際には制御部93が行い、EV−PCS1の動作については実際には制御部14が行い、定置型蓄電PCS3の動作については実際には制御部34が行うものとする。
電力変換システム200bにおいて、PV−PCS2は、太陽光パネル5での直流電力の発電を確認すると、家庭内機器7へ交流電力の給電を開始するとともに、DC連携制御装置9へ直流電力の給電を開始する(ステップS101)。DC連携制御装置9は、PV−PCS2から直流電力が給電されると、電源部92が制御電源を生成し、制御部93が電源部92から制御電源の供給を受けてDC連携制御装置9の制御を開始する(ステップS201)。
PV−PCS2は、給電開始の情報をDC連携制御装置9に送信する(ステップS102)。DC連携制御装置9は、PV−PCS2から給電開始の情報を受信すると、PV−PCS2において給電が開始されたという情報を確認するとともに(ステップS202)、給電開始の情報をEV−PCS1および定置型蓄電PCS3に送信する。EV−PCS1は、DC連携制御装置9から給電開始の情報を受信すると、PV−PCS2において給電が開始されたという情報を確認する(ステップS301)。定置型蓄電PCS3は、DC連携制御装置9から給電開始の情報を受信すると、PV−PCS2において給電が開始されたという情報を確認する(ステップS401)。
EV−PCS1は、現在のEV−PCS1の運転モード、EV−PCS1の定格出力電力などの情報を含む運転状態の情報をDC連携制御装置9に送信する(ステップS302)。DC連携制御装置9は、EV−PCS1から運転状態の情報を受信すると、EV−PCS1の運転状態の情報を確認するとともに(ステップS203)、EV−PCS1の運転状態の情報をPV−PCS2および定置型蓄電PCS3に送信する。PV−PCS2は、DC連携制御装置9からEV−PCS1の運転状態の情報を受信すると、EV−PCS1の運転状態の情報を確認する(ステップS103)。定置型蓄電PCS3は、DC連携制御装置9からEV−PCS1の運転状態の情報を受信すると、EV−PCS1の運転状態の情報を確認する(ステップS402)。実施の形態3では、PV−PCS2、EV−PCS1、および定置型蓄電PCS3が、DC連携制御装置9を介して相互に運転状態の情報を送受信し、運転状態の情報を共有する。
定置型蓄電PCS3は、現在の定置型蓄電PCS3の運転モード、定置型蓄電PCS3の定格出力電力などの情報を含む運転状態の情報をDC連携制御装置9に送信する(ステップS403)。DC連携制御装置9は、定置型蓄電PCS3から運転状態の情報を受信すると、定置型蓄電PCS3の運転状態の情報を確認するとともに(ステップS251)、定置型蓄電PCS3の運転状態の情報をPV−PCS2およびEV−PCS1に送信する。PV−PCS2は、DC連携制御装置9から定置型蓄電PCS3の運転状態の情報を受信すると、定置型蓄電PCS3の運転状態の情報を確認する(ステップS151)。EV−PCS1は、DC連携制御装置9から定置型蓄電PCS3の運転状態の情報を受信すると、定置型蓄電PCS3の運転状態の情報を確認する(ステップS351)。
EV−PCS1は、現在のEV−PCS1の運転モードおよび現在の定置型蓄電PCS3の運転モードを確認する(ステップS352)。定置型蓄電PCS3の運転モードには、例えば、蓄電池30に直流電力を充電する充電モード、蓄電池30から直流電力を放電する放電モードなどがある。定置型蓄電PCS3の運転モードについては、ユーザが選択する。DC連携制御装置9は、図示していないが、前述のように先にEV4の蓄電池40の充電を行う場合、EV−PCS1に対してEV4の蓄電池40の充電を行うことを指示する。EV−PCS1は、現在のEV−PCS1の運転モードおよび現在の定置型蓄電PCS3の運転モードが充電モードではない場合(ステップS352:No)、DC連携制御装置9を介してPV−PCS2から直流電力の給電を受けるDC連携運転の処理を終了する(ステップS304)。EV−PCS1は、現在のEV−PCS1の運転モードおよび現在の定置型蓄電PCS3の運転モードが充電モードの場合(ステップS352:Yes)、ステップS305の処理に進む。
PV−PCS2は、現在のPV−PCS2のDCリンク部22に蓄えられている直流電力の電圧、PV−PCS2の定格出力電力などの情報を含む運転状態の情報をDC連携制御装置9に送信する(ステップS104)。DC連携制御装置9は、PV−PCS2から運転状態の情報を受信すると、PV−PCS2の運転状態の情報を確認するとともに(ステップS204)、PV−PCS2の運転状態の情報をEV−PCS1に送信する。EV−PCS1は、DC連携制御装置9からPV−PCS2の運転状態の情報を受信すると、PV−PCS2の運転状態の情報を確認する(ステップS305)。
DC連携制御装置9は、定置型蓄電PCS3に対して待機指示を送信する(ステップS252)。定置型蓄電PCS3は、DC連携制御装置9から待機指示を受信すると、動作を停止して待機状態になる(ステップS404)。このとき、定置型蓄電PCS3の運転モードは停止となる。
以降、PV−PCS2のステップS105からステップS113までの処理、DC連携制御装置9のステップS205からステップS215までの処理、およびEV−PCS1のステップS306からステップS316までの処理は、前述の実施の形態1のときの処理と同様である。
DC連携制御装置9は、定置型蓄電PCS3に対して待機解除指示を送信する(ステップS253)。定置型蓄電PCS3は、DC連携制御装置9から待機解除指示を受信すると、待機状態を解除する(ステップS405)。
定置型蓄電PCS3は、現在の定置型蓄電PCS3の運転モード、定置型蓄電PCS3の定格出力電力などの情報を含む運転状態の情報をDC連携制御装置9に送信する(ステップS406)。DC連携制御装置9は、定置型蓄電PCS3から運転状態の情報を受信すると、定置型蓄電PCS3の運転状態の情報を確認するとともに(ステップS254)、定置型蓄電PCS3の運転状態の情報をPV−PCS2に送信する。PV−PCS2は、DC連携制御装置9から定置型蓄電PCS3の運転状態の情報を受信すると、定置型蓄電PCS3の運転状態の情報を確認する(ステップS152)。
定置型蓄電PCS3は、現在の定置型蓄電PCS3の運転モードを確認する(ステップS407)。DC連携制御装置9は、図示していないが、前述のように蓄電池を充電する順番に従って、定置型蓄電PCS3に対して蓄電池30の充電を行うことを指示する。定置型蓄電PCS3は、現在の定置型蓄電PCS3の運転モードが充電モードではない場合(ステップS407:No)、DC連携制御装置9を介してPV−PCS2から直流電力の給電を受けるDC連携運転の処理を終了する(ステップS408)。定置型蓄電PCS3は、現在の定置型蓄電PCS3の運転モードが充電モードの場合(ステップS407:Yes)、ステップS409の処理に進む。
PV−PCS2は、現在のPV−PCS2のDCリンク部22に蓄えられている直流電力の電圧、PV−PCS2の定格出力電力などの情報を含む運転状態の情報をDC連携制御装置9に送信する(ステップS153)。DC連携制御装置9は、PV−PCS2から運転状態の情報を受信すると、PV−PCS2の運転状態の情報を確認するとともに(ステップS255)、PV−PCS2の運転状態の情報を定置型蓄電PCS3に送信する。定置型蓄電PCS3は、DC連携制御装置9からPV−PCS2の運転状態の情報を受信すると、PV−PCS2の運転状態の情報を確認する(ステップS409)。
DC連携制御装置9は、EV−PCS1に対して待機指示を送信する(ステップS256)。EV−PCS1は、DC連携制御装置9から待機指示を受信すると、動作を停止して待機状態になる(ステップS353)。このとき、EV−PCS1の運転モードは停止となる。
以降、PV−PCS2のステップS154からステップS162までの処理は、前述の実施の形態1のときのステップS105からステップS113までの処理と同様である。なお、EV−PCS1の部分を定置型蓄電PCS3に読み替え、EV4の部分を定置型蓄電PCS3に読み替え、蓄電池40の部分を蓄電池30に読み替えることとする。
また、DC連携制御装置9のステップS257からステップS267までの処理は、前述の実施の形態1のときのステップS205からステップS215までの処理と同様である。なお、EV−PCS1の部分を定置型蓄電PCS3に読み替え、EV4の部分を定置型蓄電PCS3に読み替え、蓄電池40の部分を蓄電池30に読み替えることとする。なお、DC連携制御装置9において、電流を検出するのは電流検出部100,106となり、電圧を検出するのは電圧検出部101,107となる。また、DC連携制御装置9が接続および開放するDCリレーは、DCリレー104,105となる。
また、定置型蓄電PCS3のステップS410からステップS420までの処理は、前述の実施の形態1のときのEV−PCS1のステップS306からステップS316までの処理と同様である。なお、EV−PCS1の部分を定置型蓄電PCS3に読み替え、EV4の部分を定置型蓄電PCS3に読み替え、蓄電池40の部分を蓄電池30に読み替えることとする。
DC連携制御装置9は、EV−PCS1に対して待機解除指示を送信する(ステップS268)。EV−PCS1は、DC連携制御装置9から待機解除指示を受信すると、待機状態を解除する(ステップS354)。以上の処理の後、DC連携制御装置9、PV−PCS2、EV−PCS1、および定置型蓄電PCS3は、DC連携運転の処理を終了する。
図9から図14に示すように、図9から図11は電力変換システム200bにおけるPV−PCS2からEV−PCS1への充電シーケンスを示し、図12から図14は電力変換システム200bにおけるPV−PCS2から定置型蓄電PCS3への充電シーケンスを示す。電力変換システム200bは、これらの充電シーケンスを一連の制御で自動的に行うことができる。また、電力変換システム200bは、実施の形態1のときと同様、主電力ラインP,Nの電流および電圧を監視する保護回路を備えているため、何らかの問題が発生して正しい制御ができなくなった場合でも、直ちに運転を停止することができる。
なお、本実施の形態では、突入電流の影響を抑えるため、DC連携制御装置9の主電力ラインP上に突入防止リレー95および突入防止抵抗94を設けたが、一例であり、これに限定されない。DC連携制御装置9は、主電力ライン上で突入電流の影響を抑えることができる箇所であれば、主電力ラインN上に突入防止リレー95および突入防止抵抗94を設けてもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、電力変換システム200bにおいて、DC連携制御装置9は、実施の形態1の機能に加えて、PV−PCS2のDCリンク部22と定置型蓄電PCS3のDCリンク部32とを接続する場合、DCリレー104,105よりPV−PCS2側の電流および電圧を検出し、DCリレー104,105よりEV−PCS1側の電流および電圧を検出し、DCリンク部22とDCリンク部32とを接続した際に発生する突入電流を低減するように、PV−PCS2および定置型蓄電PCS3の動作を制御する。すなわち、DC連携制御装置9において、制御部93は、DCリレー104,105とDCリンク部22との間で検出される電圧と、DCリレー104,105とDCリンク部32との間で検出される電圧との差分が規定された範囲内になるように、PV−PCS2の動作を制御してPV−PCS2から出力される直流電力の電圧、および定置型蓄電PCS3の動作を制御して定置型蓄電PCS3に入力される直流電力の電圧を制御し、PV−PCS2から定置型蓄電PCS3への直流電力の給電を制御する。これにより、電力変換システム200bは、PV−PCS2から複数の分散電源に電力を給電する場合についても、分散電源間で電力を給電する際の電力変換ロスを低減しつつ、突入電流を低減することができる。
また、DC連携制御装置9において、制御部93は、EV−PCS1を用いてEV4の蓄電池40を充電中に蓄電池40が規定された充電容量になった場合、蓄電池40の充電を停止し、定置型蓄電PCS3を用いて定置型蓄電PCS3の蓄電池30の充電を開始する。これにより、電力変換システム200bは、複数の蓄電池に対して充電を行う処理を一連の制御で自動的に行うことができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。