以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
1.パチンコ遊技機の第1の実施形態
<機能フロー>
はじめに、図1を参照して、パチンコ遊技機の第1の実施形態に係る機能について説明する。
図1は、第1の実施形態のパチンコ遊技機における機能フローを示す図である。
図1に示すように、パチンコゲームは、ユーザの操作に応じて遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞することによって、遊技球の払出制御が行われるゲームである。
また、パチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲーム、普通図柄を用いる普通図柄ゲームが含まれている。特別図柄ゲームにおいて大当りとなったときや、普通図柄ゲームにおいて当りとなったときには、相対的に、遊技球が入賞する可能性が増大し、遊技球の払出制御が行われ易くなる。
また、各種入賞には、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示が行われる一つの条件である特別図柄始動入賞や、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の可変表示が行われる一つの条件である普通図柄始動入賞も含まれている。
特別図柄始動入賞があった場合には、大当り判定用カウンタ、図柄決定用カウンタからそれぞれ乱数値が抽出され、抽出された各乱数値が記憶される。
特別図柄ゲームにおいては、最初に、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この判定処理では、特別図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かを参照し、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判定する。
次に、大当り判定用カウンタから抽出された大当り判定用乱数値が参照され、大当りとするか否かの大当り判定が行われる。続いて、停止図柄決定処理が行われる。この処理では、図柄決定用カウンタから抽出された図柄決定用乱数値と、上述した大当り判定結果と、が参照され、停止表示させる特別図柄を決定する。
次に、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、変動パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定結果と、上述した停止図柄と、が参照され、特別図柄の変動パターンを決定する。
続いて、演出パターン決定処理が行われる。この処理では、演出パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定結果と、上述した停止図柄と、上述した変動パターンと、が参照され、特別図柄の可変表示に伴って実行する演出パターンを決定する。
その後、決定された大当り判定の結果、停止表示させる特別図柄、特別図柄の変動パターン、特別図柄に伴う演出パターンが参照され、特別図柄の可変表示の表示制御を行う可変表示制御、所定の演出を行う演出制御が実行される。
そして、可変表示制御、演出表示制御が終了すると、大当りとなるか否かが判定される。この判定処理において、大当りとなったと判定されると、大当り遊技を行う大当り遊技制御が実行される。大当り遊技制御では、上述した各種入賞の可能性が増大する。一方、大当りとならないと判定されると、大当り遊技制御が実行されない。
大当りとならないと判定された場合、または大当り遊技制御が終了した場合は、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御が行われる。この遊技状態移行制御では、大当り遊技状態とは異なる通常時の遊技状態の管理が行われる。通常時の遊技状態としては、例えば、上述した大当り判定において、大当りと判定される確率が増大する確変遊技状態や、特別図柄や普通図柄の可変表示時間を減少させる時短遊技状態などが挙げられる。
その後、再度、特別図柄の可変表示を開始させるか否かが繰り返し判定される。
一方、普通図柄始動入賞があった場合には、当り判定用カウンタから乱数値が抽出され、乱数値が記憶される。
普通図柄ゲームにおいては、最初に、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この判定処理では、普通図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判定する。
次に、当り判定用カウンタから抽出された乱数値が参照され、当りとするか否かの当り判定が行われる。続いて、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、当り判定の結果が参照され、普通図柄の変動パターンを決定する。
その後、決定された当り判定の結果、普通図柄の変動パターンが参照され、普通図柄の可変表示の表示制御を行う可変表示制御、所定の演出を行う演出制御が実行される。
可変表示制御、演出表示制御が終了すると、当りとなるか否かが判定される。この判定処理において、当りとなると判定されると、当り遊技を行う当り遊技制御が実行される。当り遊技制御では、上述した各種入賞の可能性、特に、特別図柄ゲームにおける特別図柄始動入賞の可能性が増大することとなる。一方、当りとならないと判定されると、当り遊技制御が実行されない。
その後、再度、普通図柄の可変表示を開始させるか否かが繰り返し判定される。
このように、パチンコゲームでは、特別図柄ゲームにおいて大当りとなるか否か、遊技状態の移行状況、普通図柄ゲームにおいて当りとなるか否かによって、遊技球の払出制御が行われ易くなる。
なお、本実施形態においては、各種の乱数値の抽出は、プログラムを実行することによって乱数値を生成するソフト乱数方式を用いている。しかし、本発明の遊技機としては、例えば、所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備え、その乱数発生器におけるカウンタ(所謂、リングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を用いるものであってもよい。
なお、ハード乱数方式を用いる場合は、所定周期とは異なるタイミングで、乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
<パチンコ遊技機の構造>
次に、図2及び図3を参照して、第1の実施の形態におけるパチンコ遊技機1の構造について説明する。
図2は、パチンコ遊技機1の外観を示す斜視図である。図3は、パチンコ遊技機1の分解斜視図である。
図2及び図3に示すように、パチンコ遊技機1は、本体2と、本体2に開閉自在に軸着されたベースドア3と、ベースドア3に開閉自在に軸着されたガラスドア4とを備えている。
[本体]
本体2は、開口2aを有する長方形の枠状に形成されている(図3参照)。この本体2の材料としては、例えば、木材を挙げることができる。
[ベースドア]
ベースドア3は、本体2と略等しい外形の長方形に形成されている。このベースドア3は、本体2の前方に配置されており、本体2の開口2aを開閉する。ベースドア3には、開口3aが設けられている。この開口3aは、ベースドア3の略中央部から上側の大部分を占有する大きさの四角形に形成されている。
また、ベースドア3には、スピーカ11と、遊技盤12と、表示装置13と、皿ユニット14と、発射装置15と、払出装置16と、基板ユニット17とが取り付けられている。表示装置13は、本発明の遊技機に係る演出実行手段、表示手段、表示部の一具体例を示す。
スピーカ11は、ベースドア3の上部に配置されている。
遊技盤12は、ベースドア3の前方に配置されており、ベースドア3の開口3aを覆っている。この遊技盤12の全体は、透過性を有する板形状の樹脂(透過性を有する部材)によって形成されている。透過性を有する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂などが挙げられる。
また、遊技盤12の前面には、発射装置15から発射された遊技球が転動する遊技領域12aが形成されている。この遊技領域12aは、ガイドレール31(具体的には後述の図4に示す外レール31a)に囲まれた領域である。遊技領域12aには、複数の遊技釘(不図示)が打ちこまれている。
表示装置13は、遊技盤12の背面側に重なるように配設されている。この表示装置13は、画像を表示する表示領域13aを有している。表示領域13aは、遊技盤12の全部又は一部に重なる大きさに設定されている。この表示装置13の表示領域13aには、演出用の識別図柄、演出画像、装飾用の装飾画像など、各種の画像が表示される。遊技者は、遊技盤12を介して表示装置13の表示領域13aに表示された画像を視認することができる。
なお、表示装置13としては、例えば、液晶表示装置を適用することができる。しかし、本発明に係る表示装置としては、液晶表示装置に限定されず、プラズマディスプレイや、リアプロジェクションディスプレイや、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイであってもよい。
また、遊技盤12の背面側には、スペーサ19が配設されている。このスペーサ19は、遊技盤12の背面と表示装置13の前面との間に、遊技盤12の遊技領域12aを転動した遊技球の流路となる空間を形成している。スペーサ19は、透過性を有した材料で形成されている。なお、本発明に係るスペーサとしては、透過性を有した材料で形成されることに限定されず、例えば、一部が透過性を有する材料で形成されてもよい。また、透過性を有さない材料で形成されてもよい。
皿ユニット14は、遊技盤12の下方に配置されている。図2に示すように、皿ユニット14は、上皿21及び下皿22を有しており、下皿22は、上皿21の下方に位置している。上皿21及び下皿22には、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口21a、22aがそれぞれ形成されている。所定の払出条件が成立した場合には、払出口21a、22aから遊技球が排出されて、上皿21及び下皿22に貯留される。また、上皿21に貯留された遊技球は、発射装置15によって遊技領域12aに発射される。
皿ユニット14には、演出ボタン23が設けられている。この演出ボタン23は、上皿21上に配置されている。また、演出ボタン23の周縁には、ダイヤル操作部(ジョグダイヤル)24が回転可能に嵌合されている。所定の演出を行う場合に、表示装置13の表示領域13aには、演出ボタン23及びダイヤル操作部24の操作を促す画像が表示される。
発射装置15は、ベースドア3の右下部に配置されている。図3に示すように、発射装置15は、遊技者によって操作可能な発射ハンドル25と、皿ユニット14の右下部に係合するパネル体26とを備えている。発射ハンドル25は、パネル体26の表面側に配置され、パネル体26に回動可能に支持されている。また、パネル体26の裏面側には、遊技球を発射する駆動装置の一具体例であるソレノイドアクチュエータ(不図示)が配設されている。
発射ハンドル25の周縁部には、タッチセンサ(不図示)が設けられており、発射ハンドル25の内部には、発射ボリュームが設けられている。発射ボリュームは、発射ハンドル25の回動量に応じて抵抗値を変化させ、ソレノイドアクチュエータに供給する電力を変化させる。
遊技者の手が発射ハンドル25のタッチセンサに接触すると、タッチセンサは検知信号を出力する。これにより、遊技者が発射ハンドル25を握持したことが検知され、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射が可能になる。
遊技者が発射ハンドル25を把持して時計回りの方向へ回動操作すると、発射ハンドル25の回動角度に応じて発射ボリュームの抵抗値が変化し、その抵抗値に対応する電力がソレノイドアクチュエータに供給される。その結果、上皿21に貯留された遊技球が順次発射され、発射された遊技球は、ガイドレール31に案内されて遊技盤12の遊技領域12aへ放出される。
また、発射ハンドル25の側部には、発射停止ボタン(不図示)が設けられている。発射停止ボタンは、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射が停止するために設けられている。遊技者が発射停止ボタンを押下すると、発射ハンドル25を把持して回動させた状態であっても、遊技球の発射が停止される。
払出装置16及び基板ユニット17は、ベースドア3の背面側に配置されている。払出装置16には、貯留ユニット(不図示)から遊技球が供給される。払出装置16は、貯留ユニット供給された遊技球を払出条件の成立に基づいて、上皿21又は下皿22へ所定個数払い出す。基板ユニット17は、各種の制御基板を有している。各種の制御基板には、後述する主制御回路70や副制御回路200が設けられている。
[ガラスドア]
ガラスドア4は、遊技盤12の前方に配置されており、遊技盤12を覆う大きさの略四角形に形成されている。このガラスドア4の上部には、スピーカ11に対向するスピーカカバー29が設けられている。
また、ガラスドア4の中央部には、遊技盤12の少なくとも遊技領域12aを露出させる大きさの開口4aが形成されている。ガラスドア4の開口4aは、透過性を有する保護ガラス28によって塞がれている。したがって、ガラスドア4をベースドア3に対して閉じると、保護ガラス28は、遊技盤12の少なくとも遊技領域12aに対面する。
[遊技盤]
次に、遊技盤12の構成について、図4を参照して説明する。
図4は、遊技盤12の正面図である。
図4に示すように、遊技盤12の前面には、ガイドレール31と、通過ゲート33と、第1始動口34と、第2始動口35と、普通電動役物36が設けられている。また、遊技盤12の前面には、一般入賞口41,42,43と、第1大入賞口44と、第2大入賞口45と、アウト口46が設けられている。さらに、遊技盤12には、演出用7セグカウンタ51と、演出用パネル部材52と、第1の演出用可動ユニット53と、第2の演出用可動ユニット54と、LED(Light Emitting Diode)ユニット61が設けられている。
第2始動口35は、本発明の遊技機に係る始動領域の一具体例を示し、普通電動役物36は、開閉部材の一具体例を示す。
ガイドレール31は、遊技領域12aを区画する外レール31aと、この外レール31aの内側に配設された内レール31bとから構成されている。遊技領域12aは、外レール31aの内側に形成される。外レール31aと内レール31bは、遊技領域12aの左側で互いに対向しており、発射装置15によって発射された遊技球を遊技領域12aの上部へ案内するガイド経路31cを形成している。
内レール31bの先端部は、遊技領域12aの左側上部に位置しており、外レール31aの中間部と共に玉放出口31dを形成している。そして、内レール31bの先端部には、玉戻り防止片32が設けられている。この玉戻り防止片32は、玉放出口31dから放出された遊技球が、再び玉放出口31dを通過してガイド経路31cに進入することを防止する。
玉放出口31dから放出された遊技球は、遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。このとき、遊技球は、複数の遊技釘(不図示)、第1始動口34、第2始動口35等の遊技領域12aに設けられた部材に衝突して、その進行方向を変えながら遊技領域12aの下部に向かって流下する。
遊技領域12aの略中央部には、表示装置13の表示領域13aが露出されている。この表示領域13aの上方には、障害物37が設けられている。障害物37を設けることにより、遊技球は、遊技領域12aにおける表示領域13aに重なる領域を通過しない。
通過ゲート33は、表示領域13aの左側方に配置されている。通過ゲート33には、通過ゲートスイッチ115(図31参照)が設けられている。通過ゲートスイッチ115は、通過ゲート33を通過する遊技球を検出する。
第1始動口34は、表示領域13aの下方に配置されており、第2始動口35は、第1始動口34の下方に配置されている。第1始動口34及び第2始動口35は、遊技球を受け入れ可能に構成されている。以下、遊技球が第1始動口34又は第2始動口35に入ることを「入賞」という。これら第1,第2始動口34,35に遊技球が入賞すると、第1所定数の遊技球(本実施形態では3個)が払い出される。
第1始動口34には、第1始動口スイッチ116(図31参照)が設けられている。第1始動口スイッチ116は、第1始動口34に入賞した遊技球を検出する。また、第2始動口35には、第2始動口スイッチ117(図31参照)が設けられている。第2始動口スイッチ117は、第2始動口35に入賞した遊技球を検出する。
なお、第1始動口34及び第2始動口35に入賞した遊技球は、遊技盤12に設けられた回収口(不図示)を通過して回収部に搬送される。
普通電動役物36は、第2始動口35に設けられている。普通電動役物36は、第2始動口35の両側に回動可能に取り付けられた一対の羽部材と、一対の羽部材を駆動させるソレノイドアクチュエータとを有する。この普通電動役物36は、一対の羽部材を拡げて第2始動口35に遊技球を入賞し易くする開放状態と、一対の羽部材を閉じて第2始動口35に遊技球を入賞不可能にする閉鎖状態になる。
なお、本発明の遊技機としては、普通電動役物36が閉鎖状態になると、遊技球の入賞が困難になる態様であってもよい。
一般入賞口41,42,43は、通過ゲート33の下方に配置されている。これら一般入賞口41,42,43は、遊技球を受け入れ可能に構成されている。以下、遊技球が一般入賞口41,42,43に入ることを「入賞」という。一般入賞口41,42,43に遊技球が入賞すると、第2所定数の遊技球(本実施形態では10個)が払い出される。
一般入賞口41には、一般入賞口スイッチ112(図31参照)が設けられており、一般入賞口42には、一般入賞口スイッチ113(図31参照)が設けられている。また、一般入賞口43には、一般入賞口スイッチ114(図31参照)が設けられている。一般入賞口スイッチ112は、一般入賞口41に入賞した遊技球を検出し、一般入賞口スイッチ113は、一般入賞口42に入賞した遊技球を検出する。そして、一般入賞口スイッチ114は、一般入賞口43に入賞した遊技球を検出する。
第1大入賞口44及び第2大入賞口45は、第1始動口34及び第2始動口35の右側方に配置されており、上下方向に並んでいる。これら第1大入賞口44及び第2大入賞口45は、いわゆるアタッカー式の開閉装置であり、開閉可能なシャッタと、シャッタを駆動させるソレノイドアクチュエータとを有している。
第1大入賞口44及び第2大入賞口45は、シャッタが開いている開放状態のときに遊技球を受け入れ、シャッタが閉じている閉鎖状態のときに遊技球を受け入れない。
以下、遊技球が第1大入賞口44又は第2大入賞口45に入ることを「入賞」という。第1,第2大入賞口44,45に遊技球が入賞すると、第3所定数の遊技球(本実施形態では14個)が払い出される。
第1大入賞口44には、カウントスイッチ104(図31参照)が設けられており、第2大入賞口45には、カウントスイッチ105(図31参照)が設けられている。カウントスイッチ104は、第1大入賞口44に入賞した遊技球を計数し、カウントスイッチ105は、第2大入賞口45に入賞した遊技球を計数する。
アウト口46は、遊技領域12aの最下部に設けられている。このアウト口46は、第1始動口34、第2始動口35、一般入賞口41,42,43、第1大入賞口44、第2大入賞口45の何れにも入賞しなかった遊技球を受け入れる。
演出用7セグカウンタ51は、表示領域13aの右斜め上方に配置されている。この演出用7セグカウンタ51は、二桁の数字や2つの英字を表示可能に構成されており、後述する演出用7セグカウンタ演出を行う場合に用いられる。
演出用パネル部材52は、遊技領域12aの最上部に設けられている。この演出用パネル部材52は、発光することにより、演出用の文字、画像、キャラクタ図柄、記号等を視認が容易になるように構成されている。すなわち、演出用パネル52は、発光することにより、視認される態様が変化する。例えば、演出用の文字、画像、キャラクタ図柄、記号等のうちの少なくとも1つは、演出用パネル部材52が発光した場合に視認が容易になり、演出用パネル部材52が発光していない場合に視認が難しくなる。
第1の演出用可動ユニット53は、上下方向に重ね合わされた上部材381及び下部材382を有し、上部材381及び下部材382がそれぞれ左右方向に延びる軸を中心に回動可能に構成されている。また、第1の演出用可動ユニット53は、上部材381及び下部材382が上下方向に移動可能に構成されている。上部材381及び下部材382は、通常、表示領域13aの上方に配置されている。
第2の演出用可動ユニット54は、表示領域13aの右斜め下方に配置されている。この第2の演出用可動ユニット54は、例えば、サーチライトを模した形状であり、回動可能に構成されている。第2の演出用可動ユニット54は、表示領域13aに表示された演出画像に連動し、演出効果を高める。
LEDユニット61は、遊技盤12における遊技領域12aの外側に配置されており、第2大入賞口45の下方に配置されている。
[LEDユニット]
次に、LEDユニット61について、図5を参照して説明する。
図5は、遊技盤12に設けられたLEDユニット61を示す正面図である。
図5に示すように、LEDユニット61は、特別図柄表示装置62と、普通図柄表示装置63と、第1特別図柄保留表示LED65a,65bと、第2特別図柄保留表示LED65c、65dと、普通図柄保留表示LED67a、67b等を備えている。
特別図柄表示装置62は、16個のLED(Light Emitting Diode)を有している。これら16個のLEDは、2つのグループに分かれている。一方のグループは、8個のLEDを有する第1特別図柄表示装置62a(図31参照)であり、他方のグループは、残りの8個のLEDを有する第2特別図柄表示装置62b(図31参照)である。第1,第2特別図柄表示装置62a、62bは、8個のLEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを特別図柄として表す。
第1特別図柄表示装置62aは、遊技球が第1始動口34に入賞したこと(特別図柄始動入賞)を契機に、8個のLEDの点灯・消灯を繰り返して、特別図柄(識別図柄ともいう)の変動表示を行う。そして、各LEDを点灯又は消灯して、特別図柄の停止表示を行う。以下、第1特別図柄表示装置62aにおいて変動表示される特別図柄を、第1特別図柄という。
また、第2特別図柄表示装置62bは、遊技球が第2始動口35に入賞したこと(特別図柄始動入賞)を契機に、8個のLEDの点灯・消灯を繰り返して、特別図柄の変動表示を行う。そして、各LEDを点灯又は消灯して、特別図柄の停止表示を行う。以下、第2特別図柄表示装置62bにおいて変動表示される特別図柄を、第2特別図柄という。
第1,第2特別図柄表示装置62a、62bにおいて、停止表示された第1,第2特別図柄が特定の態様である場合には、遊技状態が、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行される。言い換えれば、第1特別図柄表示装置62a又は第2特別図柄表示装置62bにおいて、第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り遊技状態に移行する態様で停止表示されることが、大当りである。
大当り遊技状態では、第1大入賞口44及び第2大入賞口45(図4参照)が交互に開放状態になる。第1大入賞口44及び第2大入賞口45の開放状態は、遊技球が所定個数(例えば10個)入賞するまで、又は一定期間(例えば30秒)が経過するまで維持される。そして、上述のいずれかの条件が成立すると、開放状態であった第1大入賞口44又は第2大入賞口45が閉鎖状態になる。
第1,第2大入賞口44,45のいずれかが遊技球を受け入れやすい状態となっている遊技をラウンドゲームという。各ラウンドゲーム間は、第1大入賞口44及び第2大入賞口45が共に閉鎖状態となる。また、ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目のラウンドゲームを第2ラウンドと呼称する。
本実施形態のラウンドゲームは、第1,第2大入賞口44,45のいずれかの開放状態が維持される構成になっている。しかし、本発明に係るラウンドゲームとしては、第1,第2大入賞口44,45のいずれかを複数回開放状態にする構成としてもよい。
一方、第1,第2特別図柄表示装置62a、62bにおいて、停止表示された第1,第2特別図柄が特定の態様以外(ハズレの態様)である場合には、後述する転落抽選によって転落が当選した場合を除き遊技状態が移行されない。以下、第1,第2特別図柄が変動表示されて、その後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
なお、第1,第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口34に入賞した場合は、第1特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。そして、変動表示していた第1,第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第1特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第1特別図柄の変動表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「第1特別図柄に関する保留個数」)を、最大4回(個)に規定する。
また、第1,第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第2始動口35に入賞した場合は、第2特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。そして、変動表示していた第1,第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第2特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第2特別図柄の変動表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「第2特別図柄に関する保留個数」)を、最大4回(個)に規定する。
したがって、第1,第2特別図柄に関する保留個数は、最大8個となる。
第1特別図柄表示装置62aによる第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示装置62bによる第2特別図柄の変動表示は、同時に実行されない。本実施の形態において、第1特別図柄に関する保留と、第2特別図柄に関する保留が混在した場合は、第1,第2特別図柄の変動表示を保留した順番に実行する。しかし、本発明に係る遊技機としては、一方の特別図柄の変動表示を、他方の特別図柄の変動表示よりも優先的に実行するようにしてもよい。
普通図柄表示装置63は、特別図柄表示装置62の下方に設けられている。この普通図柄表示装置63は、普通図柄表示LED63a,63bを有している。普通図柄表示装置63は、普通図柄表示LED63a,63bの点灯・消灯によって構成される表示パターンを普通図柄として表す。
普通図柄表示装置63は、遊技球が通過ゲート33を通過したことを契機に、普通図柄表示LED63a,63bを交互に点灯・消灯して、普通図柄の変動表示を行う。そして、普通図柄表示LED63a,63bを点灯又は消灯して、普通図柄の停止表示を行う。
普通図柄表示装置63において、停止表示された普通図柄が所定の態様である場合には、普通電動役物36が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になる。一方、停止表示された普通図柄が所定の態様以外(ハズレの態様)である場合には、普通電動役物36が閉鎖状態を維持する。以下、普通図柄が変動表示されて、その後、停止表示され、その結果に応じて普通電動役物36が動作するゲームを「普通図柄ゲーム」という。
なお、普通図柄の変動表示中に遊技球が通過ゲート33を通過した場合は、普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。そして、変動表示していた普通図柄が停止表示されると、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される普通図柄の変動表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「普通図柄に関する保留個数」)を、最大4回(個)に規定する。
普通図柄保留表示LED67a,67bは、普通図柄表示LED63a,63bの下方に設けられている。この普通図柄保留表示LED67a,67bは、点灯、消灯又は点滅して、普通図柄の変動表示に関する保留個数を表示する。
具体的には、普通図柄に関する保留個数が1個の場合は、普通図柄保留表示LED67aが点灯し、普通図柄保留表示LED67bが消灯する。普通図柄に関する保留個数が2個の場合は、普通図柄保留表示LED67aが点灯し、普通図柄保留表示LED67bが点灯する。普通図柄に関する保留個数が3個の場合は、普通図柄保留表示LED67aが点滅し、普通図柄保留表示LED67bが点灯する。普通図柄に関する保留個数が4個の場合は、普通図柄保留表示LED67aが点滅し、普通図柄保留表示LED67bが点滅する。
第1特別図柄保留表示LED65a,65bは、普通図柄保留表示LED67a,67bの下方に設けられている。この第1特別図柄保留表示LED65a,65bは、点灯、消灯又は点滅して、第1特別図柄の変動表示に関する保留個数を表示する。第1特別図柄保留表示LED65a,65bによる第1特別図柄に関する保留個数の表示態様は、普通図柄保留表示LED67a,67bの表示態様と同一である。
第2特別図柄保留表示LED65c、65dは、第1特別図柄保留表示LED65a,65bの下方に設けられている。この第2特別図柄保留表示LED65c,65dは、点灯、消灯又は点滅して、第2特別図柄の変動表示に関する保留個数を表示する。第2特別図柄保留表示LED65c,65dによる第2特別図柄に関する保留個数の表示態様は、普通図柄保留表示LED67a,67bの表示態様と同一である。
第1特別図柄表示装置62aの側方には、特別図柄の停止表示の結果が大当りである場合に点灯する報知LEDや、ラウンド数を表示するラウンド数表示LEDが設けられている。
表示装置13の表示領域13a(図4参照)には、特別図柄表示装置62に表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。
例えば、特別図柄表示装置62において特別図柄が変動表示中のとき、表示領域13aには、特定の場合を除いて、例えば、1〜8までの数字からなる複数の演出用識別図柄(識別情報)が変動表示される。そして、特別図柄表示装置62において特別図柄が停止表示されるとき、表示領域13aには、演出用識別図柄が停止表示される。
特別図柄表示装置62において停止表示された特別図柄が特定の態様である(停止表示の結果が大当りである)場合は、大当りであることを遊技者に把握させる演出画像が表示領域13aに表示される。大当りであることを遊技者に把握させる演出画像としては、停止表示された複数の演出用識別図柄が特定の態様(例えば、同一の演出用識別図柄が所定の方向に沿って並ぶ)となり、その後、大当りを報知する画像を表示するものが挙げられる。
また、表示装置13の表示領域13aには、第1特別図柄保留表示LED65a,65b及び第2特別図柄保留表示LED65c、65dの表示と関連する演出画像が表示される。つまり、表示領域13aには、特別図柄に関する保留個数を報知する保留情報(例えば、保留個数と同じ数の保留用図柄)が表示される。
さらに、普通図柄表示装置63において停止表示された普通図柄が所定の態様であった場合に、その情報を遊技者に把握させる演出画像を表示装置13の表示領域13aに表示させてもよい。
[演出用7セグカウンタ]
次に、演出用7セグカウンタ51について、図6〜図8を参照して説明する。
図6は、演出用7セグカウンタ51の斜視図である。図7は、演出用7セグカウンタ51の分解斜視図である。演出用7セグカウンタ51は、本発明の遊技機に係る発光ユニットの一具体例を示す。
図6及び図7に示すように、演出用7セグカウンタ51は、基板取付ベース301と、LED基板302と、光学フィルタ303と、リフレクタ304と、光拡散シート305と、カウンタカバー306と、装飾枠307とを有している。
図7に示すように、基板取付ベース301は、上下方向に長い略長方形の板状に形成されており、LED基板302が配置される基板配置面301aと、基板配置面301aとは反対側の背面301bを有している。また、基板取付ベース301の一方の長辺には、切欠き301cが設けられている。この切欠き301cには、LED基板302の後述する接続端子313が配置される。
基板取付ベース301の材料としては、例えば、ポリカボネート(PC)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂を挙げることができる。また、基板取付ベース301は、光を遮蔽する。したがって、LED基板の後述する複数のLED312から出射される光は、基板取付ベース301の背面301b側へ透過しない。
LED基板302は、基板本体311と、複数のLED312と、接続端子313とを備えている。基板本体311は、略四角形の板状に形成されており、複数のLED312が実装される実装面311aと、基板取付ベース301の基板配置面301aに対向する裏面311bとを有している。
接続端子313は、基板本体311の裏面311bに実装されている。接続端子313には、LED基板302とランプ制御回路207(図31参照)とを電気的に接続する配線(不図示)の一端が接続される。この接続端子313は、基板取付ベース301の切欠き301c内に配置される。
光学フィルタ303は、LED基板302とリフレクタ304との間に介在されている。この光学フィルタ303は、LED基板302の複数のLED312を覆う略円形のフィルム状に形成されている。光学フィルタ303は、LED312から出射された光を反射或いは吸収する光遮蔽部315と、LED312から出射された光を透過させる光透過部316を有している。
光透過部316は、LED基板302のLED312に対向する14個の略長方形からなり、二桁の数字や2つの英字をデジタル表示可能に形成されている。この光透過部316には、透明又は半透明の加工が施されている。また、光透過部316は、リフレクタ304の後述する開口323に対向している。したがって、LED312から出射された光のうち、光学フィルタ303の光透過部316を透過した光は、リフレクタ304の開口323を通過する。
なお、本実施形態では、透明又は半透明の加工を施して光透過部316を形成した。しかし、本発明に係る光学フィルタとしては、切り抜きを施して光透過部を形成してもよい。
光遮蔽部315は、光学フィルタ303における光透過部316以外の全ての領域に設けられている。この光遮蔽部315には、光を反射或いは吸収する加工が施されている。したがって、LED312から出射された光のうち、光遮蔽部315に照射される光は、反射或いは吸収され、光学フィルタ303を透過することは無い。つまり、リフレクタ304の開口323以外の部分には、LED312から出射された光が照射されない。
リフレクタ304は、本発明に係る導光部材の一具体例を示すものであり、光学フィルタ303と略同形状のベース板321と、このベース板321から突出する導光部322と、導光部322及びベース板321に設けられた複数の開口323とを有している。複数の開口323は、光学フィルタ303の光透過部316と同じ形状に形成されており、光学フィルタ303の光透過部316に対向している。
導光部322は、ベース板321の光学フィルタ303に対向する面と反対側の面から突出している。この導光部322は、複数の開口323に進入した光を光拡散シート305に向かうように導く。つまり、リフレクタ304の開口323に入射した光は、導光部322の内面を反射しながら、光拡散シート305に向かって進行する。
光拡散シート305は、リフレクタ304とカウンタカバー306との間に介在されている。この光拡散シート305は、光学フィルタ303と同じ形状に形成されており、光遮蔽部326と、光拡散部327とを有している。
光拡散部327は、リフレクタ304の開口323に対向しており、光学フィルタ303の光透過部316及びリフレクタ304の開口323と同じ形状に形成されている。リフレクタ304の開口323を通過した光は、光拡散部327により拡散され、カウンタカバー306に向かって進行する。
光遮蔽部326は、光拡散部327以外の部分に設けられている。光遮蔽部326には、光を反射或いは吸収する加工が施されている。したがって、遮蔽部325に照射される光は、反射或いは吸収され、光拡散シート305を透過することは無い。これにより、カウンタカバー306の手前で発光する領域(二桁の数字や2つの英字を表示する領域)と発光しない領域を確実に区画することができ、発光した部分の輪郭が暈けないようにすることができる。
カウンタカバー306は、光学フィルタ303、リフレクタ304及び光拡散シート305を覆う大きさに形成されており、光拡散シート305に対向するドーム状の表示部331と、表示部331の周縁に連続する側壁部332とを有している。表示部331は、光拡散シート305と対向する側と反対側に凸となっている。
側壁部332の内周面は、LED基板302に係合し、側壁部332の外周面は、装飾枠307に係合する。側壁部332の外周面には、2つの係合突起333,334が設けられている。2つの係合突起333,334には係合孔が設けられており、この係合孔には、装飾枠307の係止ピン(不図示)が挿通される。
カウンタカバー306は、透明又は半透明の樹脂により形成されており、対向する光拡散部327の光拡散部を通過した光を透過させる。カウンタカバー306の材料としては、例えば、ポリカボネート(PC)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂を挙げることができる。
装飾枠307は、カウンタカバー306の表示部331を露出させる開口部307aを有している。開口部307aは、カウンタカバー306における側壁部332に応じた輪郭に形成されており、カウンタカバー306が嵌合する。そして、装飾枠307は、ねじや接着剤などの固定手段を用いて基板取付ベース301に固定される。装飾枠307の材料としては、例えば、ポリカボネート(PC)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂を挙げることができる。
図8は、演出用7セグカウンタ51におけるLED基板302に光学フィルタ303を重ね合わせた状態を示す説明図である。
図8に示すように、LED基板302の基板本体311に実装された複数のLED312は略正方形に形成されている。各LED312の対角線の距離は、光学フィルタ303における光透過部316の対向する長辺間の距離よりも長い。そのため、各LED312の一部は、光透過部316(リフレクタ304の開口323)に対向していない。
各LED312の光透過部316に対向していない部分から出射された光は、光遮蔽部315に照射されて反射或いは吸収される。その結果、各LED312の一部が光透過部316に対向していなくても、各LED312から出射された光が、リフレクタ304の開口323以外に照射されることを防止することができる。その結果、各LED312から出射された光がリフレクタ304から漏れないようにすることができ、演出用7セグカウンタ51の意図しない部分が発光しないようにすることができる。
また、LEDは小型化することでコストが高くなってしまう。しかし、本実施形態では、LEDを小型化してコストを高くすることなく、演出用7セグカウンタ51の小型を図ることができる。
なお、本実施形態では、複数のLED312と、複数のLED312に対向する複数の光透過部316を設ける構成とした。しかし、本発明に係る発光ユニットとしては、1つの光源(LED)と、1つの光源に対向する1つの光透過部を設ける構成であってもよい。
本実施形態では、各LED312の対角線の距離が光透過部316(リフレクタ304の開口323)の対向する長辺間の距離よりも長いため、各LED312の一部が光透過部316に対向しない。しかし、本発明に係るLED(光源)の大きさは、光透過部316(リフレクタ304の開口323)よりも小さくてもよい。
この場合は、LED基板とリフレクタを重ね合わせた際に、LEDの位置が光学フィルタの光透過部(リフレクタの開口)に対してずれてしまっても、LEDから出射された光がリフレクタの開口以外に照射されることを防止することができる。その結果、LEDから出射された光がリフレクタから漏れないようにすることができ、演出用7セグカウンタの意図しない部分が発光しないようにすることができる。
[演出用パネル部材]
次に、演出用パネル部材52について、図9〜図13を参照して説明する。
図9は、演出用パネル部材52の斜視図である。図10は、演出用パネル部材52の分解斜視図である。図11は、図9に示すA−A線に沿う断面図である。図9及び図10に示すように、演出用パネル部材52は、パネル用LED基板351と、パネル用リフレクタ352と、光拡散シート353と、表示シート354とを有している。
パネル用LED基板351は、適当な幅を有する円弧状に形成された基板本体361と、基板本体361に実装された複数の第1LED362と、複数の第2LED363とを備えている。基板本体361は、複数の第1LED362及び複数の第2LED363が実装される実装面361aと、曲率半径が異なる2つの円弧辺361b,361cとを有している。円弧辺361bは、円弧辺361cよりも曲率半径が大きい。
複数の第1LED362のうちの9個の第1LED362aは、円弧辺361bに沿って適当な間隔をあけて配置されている。これら9個の第1LED362aは、大当り遊技を行う場合に順々に点灯して、遊技球を進行させる方向を(所謂、右打ち)案内する。なお、第1LED362aの個数は、任意に設定できるものであり、8個以下であってもよく、また、10個以上であってもよい。
パネル用リフレクタ352は、パネル用LED基板351と略等しい平面形状であるベース板365と、ベース板365の周縁に設けられた立上り片366と、仕切り片367とを備えている。
ベース板365は、光拡散シート353と対向するシート対向面365aと、パネル用LED基板351が当接する基板当接面365bとを有している。また、ベース板365には、パネル用LED基板351に実装された複数のLED362,363を露出させる複数の貫通孔365cが設けられている。つまり、複数のLED362,363は、それぞれベース板365の貫通孔365cに挿入され、光拡散シート353に対向する。
本実施形態では、複数のLED362,363がベース板365の貫通孔365cに挿入される構成とした。しかし、上述した演出用7セグカウンタ51における光学フィルタ303と同様の光学フィルタを用いることにより、演出用パネル部材の小型化を実現することができる。
立上り片366は、ベース板365のシート対向面365aから突出しており、ベース板365の周縁に沿って連続している。この立上り片366には、光拡散シート353の一方の平面が当接する。したがって、パネル用リフレクタ352と光拡散シート353との間には、閉じられた空間368が形成される(図11参照)。
図10に示すように、仕切り片367は、ベース板365のシート対向面365aから突出している。この仕切り片367の両端は、それぞれ立上り片366に連続している。そして、仕切り片367には、光拡散シート353の一方の平面が当接する。これにより、仕切り片367は、パネル用リフレクタ352と光拡散シート353との間に形成される空間368を第1空間368aと第2空間368bに仕切る。
第1空間368aには、複数の第1LED362が配置され、第2空間368bには、複数の第2LED363が配置されている。
本実施形態では、仕切り片367の両端が立上り片366に連続する構成にした。しかし、本発明に係るパネル用リフレクタの仕切り片は、立上り片366よりも内側で無端状(枠状)に形成されていてもよい。この場合においても、仕切り片は、パネル用リフレクタと光拡散シートとの間に形成される空間を仕切ることができる。
光拡散シート353は、パネル用リフレクタ352と表示シート354との間に介在されている。この光拡散シート353の平面形状は、パネル用LED基板351及びベース板365と略等しい。光拡散シート353は、通過する光を拡散して、面光源を形成する。
表示シート354は、光拡散シート353に重ね合わされ、ねじを用いてパネル用リフレクタ352に固定される。この表示シート354の平面形状は、光拡散シート353と略等しい。表示シート354には、演出用の文字、画像、キャラクタ図柄、記号等の演出用表示が設けられている。表示シート354に対して後方(光拡散シート353側)から光が照射されると、演出用表示が鮮明になる。演出用表示は、例えば、印刷加工によって形成することができる。
図12は、演出用パネル部材52の正面図である。
図12に示すように、表示シート354には、第1の演出表示領域371と、第2の演出表示領域372が形成されている。
第1の演出表示領域371は、表示シート354における第1空間368aに対向する領域である。この第1の演出表示領域371には、ビル群の図柄と、炎(不図示)の図柄が施されている。炎(不図示)の図柄は、赤色のシルクスクリーン印刷や偏光パールインキを用いた印刷により、複数の第1LED362の点灯しているときに鮮明になる。一方、複数の第1LED362が消灯しているときは、炎(不図示)の図柄の視認が困難になる。なお、ビル群の図柄は、複数の第1LED362の点灯・消灯に関わらず視認が容易である。したがって、第1の演出表示領域371は、複数の第1LED362の点灯時と消灯時で表示態様(見た目の表示)が異なる。
本実施形態では、大当り遊技及び後述する第1確変遊技状態において、複数の第1LED362(第1LED362aを含む)を点灯し、第1の演出表示領域371を鮮明に表示する演出を行う。
また、第2の演出表示領域372は、表示シート354における第2空間368bに対向する領域である。この第2の演出表示領域372には、キャラクタ図柄が施されている。第2の演出表示領域372は、複数の第2LED363が点灯することにより鮮明になる。
本実施形態では、特定の演出を実行する場合以外において、第2の演出表示領域372に対向する第2LED363を点灯する。
上述したように、演出用パネル部材52の仕切り片367は、空間368を第1空間368aと第2空間368bに仕切る。これにより、通常遊技において、第2の演出表示領域372に対向する複数の第2LED363を点灯しても、それら複数の第2LED363から出射された光が第1空間368aに導光されない。その結果、意図しない場合(例えば、大当り遊技状態及び第1確変遊技状態以外の遊技状態)に、第1の演出表示領域371の一部が鮮明になることを防止することができる。
また、本実施形態では、第2の演出表示領域372を鮮明にする表示態様と、第1の演出表示領域371及び第2の演出表示領域372を鮮明にする表示態様を設けることができる。したがって、演出用パネル部材52の表示態様の種類を増やすことができ、演出の興趣を高めることができる。
なお、演出用パネル部材52の表示態様としては、第1の演出表示領域371のみを鮮明にする表示態様を採用してもよい。
本実施形態では、大当り遊技を行う場合に、複数の第1LED362を点灯する構成とし、通常遊技を行う場合と大当り遊技を行う場合に、複数の第2LED363を点灯する構成とした。しかし、複数の第1LED362及び複数の第2LED363を点灯する時期や期間は、任意に設定できるものであり、例えば、通常遊技を行う場合のみ複数の第2LED363を点灯する構成にしてもよい。
また、本実施形態では、演出用パネル部材52における空間368を仕切り片367によって2つに仕切る構成とした。しかし、本発明に係る仕切り片367としては、演出用パネル部材における空間を3つ以上に仕切るものであってもよい。演出用パネル部材における空間を3つ以上に仕切ることにより、本実施形態よりも演出用パネル部材の表示態様の種類を増やすことができる。
また、本実施の形態では、パネル用リフレクタ352と表示シート354との間に光拡散シート353を介在させる構成としたが、光拡散シート353を省くこともできる。
また、演出用パネル部材52に係る光拡散シートとしては、仕切り片367に対向する領域に光遮蔽部が設けられているものであってもよい。この光遮蔽部には、光を反射或いは吸収する加工が施されており、光は光遮蔽部を透過できない。これにより、第1空間368aにある光が第2空間368bに漏れること、及び、第2空間368aにある光が第1空間368bに漏れることをより確実に防止することができる。
図13は、遊技盤12の上部を示す説明図である。
図13に示すように、演出用パネル部材52は、遊技盤12の遊技領域12aにおける最上部の左側を形成する。演出用パネル部材52の複数の第1LED362aは、外レール31aに沿って並んでいる。
演出用パネル部材52の右側から遊技領域12aの右端部には、遊技球を転動させるべき道筋(所謂、右打ち)を案内するための複数の案内表示56が設けられている。複数の案内表示56は、外レール31aに沿って並んでおり、LEDと、そのLEDから出射された光を透過させる表示カバーを有している。
本実施形態では、大当り遊技状態において、第1大入賞口44及び第2大入賞口45(図4参照)を交互に開放状態にして、第1,第2大入賞口44,45のいずれかが遊技球を受け入れやすくする。
そこで、本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当り遊技状態の場合に、遊技球が第1大入賞口44及び第2大入賞口45へ向かうように、遊技球を転動させるべき道筋を案内する。すなわち、演出用パネル部材52の複数の第1LED362a及び複数の案内表示56のLEDを左側から順々に点灯して、遊技領域の右端部に沿って遊技球を転動させるとよい旨を報知する。
ここで、複数の第1LED362a及び複数の案内表示56のLEDの点灯について、詳しく説明する。大当り遊技状態が開始されると、まず、複数の第1LED362aのうちの一番左側の第1LED362a1が点灯する。次に、第1LED362a1が消灯すると共に、第1LED362a1の右隣りの第1LED362a2が点灯する。そして、一の第1LED362aの消灯と、その右隣りの第1LED362aの点灯とを繰り返し、複数の第1LED362aのうちの一番右側の第1LED362a9が点灯する。
次に、第1LED362a9が消灯すると共に、複数の案内表示56のうちの一番左側(第1LED362a9の右隣り)の案内表示56aのLEDが点灯する。そして、一の案内表示56のLEDの消灯と、一の案内表示56と第1,第2大入賞口44,45側に隣り合う案内表示56のLEDの点灯とを繰り返し、一番第1,第2大入賞口44,45側に位置する案内表示56のLEDが点灯する。
その後、一番第1,第2大入賞口44,45側に位置する案内表示56のLEDが消灯して、第1LED362a1が点灯する。そして、上述の点灯動作が繰り返される。
このように、本実施形態では、演出用パネル部材52の一部のLED(複数の第1LED362a)が、遊技球を転動させるべき道筋を案内或いは報知する部品を兼ねる。これにより、遊技球を転動させるべき道筋を案内或いは報知する機能を備えつつ、パチンコ遊技機1の部品点数の削減を図ることができる。
また、本実施形態では、大当り遊技状態が開始されると、複数の第1LED362と複数の案内表示56のLEDとを連動させて、玉放出口31dから第1,第2大入賞口44,45付近まで、遊技球を転動させるべき道筋を報知する。これにより、第1,第2大入賞口44,45までの遊技球を転動させるべき道筋を遊技者に認識させることができる。
[第1の演出用可動ユニット]
次に、第1の演出用可動ユニット53について、図14〜図22を参照して説明する。
図14は、第1の演出用可動ユニット53の斜視図である。図15は、第1の演出用可動ユニット53の正面図であり、図16は、第1の演出用可動ユニット53の背面図である。図17は、第1の演出用可動ユニット53の分解斜視図である。図18は、図15に示すB−B線に沿う断面図である。
図14〜図17に示すように、第1の演出用可動ユニット53は、上部材381と、下部材382と、上部材381及び下部材382を回動させる回動機構383と、上部材381及び下部材382を昇降させる昇降機構384とを備えている。上部材381、下部材382及び回動機構382は、本発明に係る可動部材の一具体例を示す。
上部材381及び下部材382は、閉状態(図15,図19参照)から開状態(図21参照)までの範囲(本実施形態では略90度の範囲)で回動可能に構成される。また、上部材381及び下部材382は、一番上方の位置である待機位置から、一番下方の位置である演出位置までの範囲で昇降(上下移動)可能に構成される。
上部材381は、中空の上筐体391と、上筐体391内に配置された上LED基板392(図18参照)と、中空の上筐体391に取り付けられた上回動軸393とを備えている。上筐体391は、左右方向に長い略直方体状に形成されており、第1板部391aと、第2板部391bと、第3板部391cと、第4板部391dとを有している。
第1板部391aの内面は、第2板部391bの内面に対向しており、第3板部391cの内面は、第4板部391dの内面に対向している。上部材381が閉状態である場合に、第1板部391aは、正面(遊技者側)を向いており、第3板部391cは、下部材382と対向している。一方、上部材381が開状態である場合に、第1板部391aは、上方を向いており、第3板部391cは、正面(遊技者側)を向いている。
第1板部391aは、透明又は半透明の樹脂により形成されている。この第1板部391aの表面には、上装飾突起(上第1装飾部)395が設けられている。この上装飾突起395は、第1板部391aと同様に、透明又は半透明の樹脂により形成されている。第1板部391a及び上装飾突起395の材料としては、例えば、ポリカボネート(PC)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂を挙げることができる。
上部材381及び下部材382が閉状態である場合に、上装飾突起395は、下部材382の後述する下装飾突起(下第1装飾部)405と上下方向に隣り合う。そして、上装飾突起395は、下装飾突起405と共に演出用装飾部386(図14及び図15参照)を形成する。すなわち、演出用装飾部386は、上部材381及び下部材382によって形成される1つの装飾部であり、上部材381及び下部材382が閉状態である場合に、正面(遊技者側)を向いている。この演出用装飾部386としては、キャラクタ図柄やキャラクタに関連するマークなどを採用することができる。
第3板部391cは、透明又は半透明の樹脂により形成されている。図18に示すように、第3板部391cの表面には、上文字突起(上第2装飾部)396が形成されている。上文字突起396は、第3板部391cと同様に、透明又は半透明の樹脂により形成されている。第3板部391c及び上文字突起396の材料としては、例えば、ポリカボネート(PC)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂を挙げることができる。
上部材381及び下部材382が開状態である場合に、上文字突起396は、下部材382の後述する下文字突起(下第2装飾部)406と上下方向に隣り合う。そして、上文字突起396は、下文字突起406と共に演出用文字部387(図21参照)を形成する。すなわち、演出用文字部387は、上部材381及び下部材382によって形成される1つの装飾部であり、上部材381及び下部材382が開状態である場合に、正面(遊技者側)を向いている。本実施形態では、演出用文字部387として「BONUS」を採用したが、本発明に係る文字部としては、任意の文字列を採用することができる。また、演出用文字部387(上第2装飾部及び下第2装飾部により形成される1つの装飾部)としては、キャラクタ図柄やキャラクタに関連するマークなどを採用することができる。
上LED基板392は、基板本体398と、この基板本体398に実装される複数のLED399とを有している。基板本体398は、第1板部391aの内面及び第3板部391cの内面に対して傾斜しており、第1板部391aの内面及び第3板部391cの内面に対向する実装面398aを有している。すなわち、第1板部391aの内面に対して垂直に延びる線と、第3板部391cの内面に対して垂直に延びる線が何れも実装面398aに交差する。
複数のLED399は、基板本体398の実装面398aに実装されている。複数のLED399から出射した光は、第1板部391aの内面及び第3板部391cの内面に照射され、第1板部391a、第3板部391c、上装飾突起395及び上文字突起396を透過する。これにより、第1板部391a、第3板部391c、上装飾突起395及び上文字突起396が発光する。
このように、本実施形態では、上LED基板392の実装面398aが第1板部391aの内面及び第3板部391cの内面に対向している。これにより、1つの上LED基板392によって、第1板部391aと第3板部391cに光を照射させることができる。その結果、第1の演出用可動ユニット53の部品点数を削減することができる。
上回動軸393は、上筐体391に固定されており、上筐体391は、上回動軸393と共に回動する。この上回動軸393の軸方向は、第1板部391aの内面及び第3板部391cの内面に平行な方向(左右方向)に延びている。そして、上回動軸393の一端部には、回動機構383の後述する上被動ギヤ434が固定されている。
下部材382は、中空の下筐体401と、下筐体401内に配置された下LED基板402(図18参照)と、中空の下筐体401に取り付けられた下回動軸403とを備えている。下筐体401は、左右方向に長い略直方体状に形成されており、第1板部401aと、第2板部401bと、第3板部401cと、第4板部401dとを有している。
第1板部401aの内面は、第2板部401bの内面に対向しており、第3板部401cの内面は、第4板部401dの内面に対向している。下部材382が閉状態である場合に、第1板部401aは、正面(遊技者側)を向いており、第3板部401cは、上部材381と対向している。一方、下部材382が開状態である場合に、第1板部401aは、上方を向いており、第3板部401cは、正面(遊技者側)を向いている。
第1板部401aは、透明又は半透明の樹脂により形成されている。この第1板部401aの表面には、下装飾突起405が設けられている。上部材381及び下部材382が閉状態である場合に、下装飾突起405は、上部材381の上装飾突起395と上下方向に隣り合う(対向する)。
下装飾突起405は、第1板部401aと同様に、透明又は半透明の樹脂により形成されている。第1板部401a及び下装飾突起405の材料としては、例えば、ポリカボネート(PC)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂を挙げることができる。
第3板部401cは、透明又は半透明の樹脂により形成されている。図18に示すように、第3板部401cの表面には、下文字突起406が形成されている。上部材381及び下部材382が開状態である場合に、下文字突起406は、上部材381の上文字突起396と上下方向に隣り合う。
下文字突起406は、第3板部401cと同様に、透明又は半透明の樹脂により形成されている。第3板部401c及び下文字突起406の材料としては、例えば、ポリカボネート(PC)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂を挙げることができる。
下LED基板402は、基板本体408と、この基板本体408に実装される複数のLED409とを有している。基板本体408は、第1板部401aの内面及び第3板部401cの内面に対して傾斜しており、第1板部401aの内面及び第3板部401cの内面に対向する実装面408aを有している。すなわち、第1板部401aの内面に対して垂直に延びる線と、第3板部401cの内面に対して垂直に延びる線が何れも実装面408aに交差する。
複数のLED409は、基板本体408の実装面408aに実装されている。複数のLED409から出射した光は、第1板部401aの内面及び第3板部401cの内面に照射され、第1板部401a、第3板部401c、下装飾突起405及び下文字突起406を透過する。これにより、第1板部401a、第3板部401c、下装飾突起405及び下文字突起406が発光する。
このように、本実施形態では、下LED基板402の実装面408aが第1板部401aの内面及び第3板部401cの内面に対向している。これにより、1つの下LED基板402によって、第1板部401aと第3板部401cに光を照射させることができる。その結果、第1の演出用可動ユニット53の部品点数を削減することができる。
下回動軸403は、下筐体401に固定されており、下筐体401は、下回動軸403と共に回動する。この下回動軸403の軸方向は、第1板部401aの内面及び第3板部401cの内面に平行な方向(左右方向)に延びている。そして、下回動軸403の一端部には、回動機構383の後述する下被動ギヤ435が固定されている。
図17に示すように、回動機構383は、軸受け部材431と、回動用モータ432と、駆動ギヤ433と、上被動ギヤ434と、下被動ギヤ435とを備えている。軸受け部材431は、軸受け部441と、軸受け部441に連続するモータ固定部442と、モータ固定部442に連続する右取付部443と、軸受け部441に連続する左取付部444とを有している。
軸受け部441は、上方から見た形状がコ字状に形成されており、左右方向に対向する軸受け片441a,441bと、軸受け片441a,441bに連続する接続片441cから構成されている。
軸受け片441a,441bは、上下方向に長い長方形の板体からなり、上回動軸393及び下回動軸403が貫通する軸受け孔を有している。接続片441cは、左右方向に長い長方形の板体からなる。軸受け片441aには、上部材381が閉状態であることを検出する光学センサ451が取り付けられている。
光学センサ451は、所謂、透過型フォトセンサであり、発光素子と受光素子とを有している。この光学センサ451は、発光素子と受光素子との間に上被動ギヤ434の後述する係合突起434bが介在されることにより、上部材381が閉状態であることを検出する。
モータ固定部442は、軸受け部441の軸受け片441aに連続する結合片442aと、結合片442aに連続する固定片442bから構成されている。結合片442aは、軸受け部441の接続片441cと平行な板体からなり、固定片442bは、軸受け片441aに対向する板体からなる。固定片442bの軸受け片441aに対向する面と反対側の面には、回動用モータ432がねじを用いて固定されている。
右取付部443は、上方から見た形状がクランク状に形成されおり、右取付部443は、固定片442bに連続する第1連結片443aと、第1連結片443aに連続する第2連結片443bと、第2連結片443bに連続する取付片443cから構成されている。
第1連結片443aは、軸受け部441の接続片441cと平行な板体からなる。この第1連結片443aには、昇降機構384の後述するコンストーンばね485の先端部と、後述する光学センサ491,492の検出片452が取り付けられている。第2連結片443bは、固定片442bに対向する板体からなる。取付片443cは、第1連結片443aと平行な板体からなる。この取付片443cは、昇降機構384の後述するラック484にねじを用いて固定されている。
左取付部444は、軸受け部441の接続片441cと平行な板体からなる取付片444aを有している。この取付片444aは、昇降機構384の後述するスライダ502にねじを用いて固定されている。
回動用モータ432は、軸受け部材431の固定片442bに固定され、第2連結片443bと固定片442bとの間に配置されている。この回動用モータ432としては、例えば、ステッピングモータを適用することができる。回動用モータ432の回転軸(不図示)は、左右方向に延びており、固定片442b及び軸受け片441aを貫通している。
駆動ギヤ433は、回動用モータ432の回転軸における固定片442b及び軸受け片441aを貫通した先端部に固定されている。この駆動ギヤ433は、歯部433aを有している。
上述したように、上被動ギヤ434は、上回動軸393の一端部に固定されている。この上被動ギヤ434は、歯部434aと、係合突起434bとを有している。係合突起434bは、接続片441cの上端に係合して、上被動ギヤ434(上部材381)の回動を規制する。また、係合突起434bは、上述の光学センサ451の発光素子と受光素子の間に介在される検出片としての役割を有している。
下被動ギヤ435は、下回動軸403の一端部に固定されている。この下被動ギヤ435は、歯部435aと、係合突起435bとを有している。係合突起434bは、接続片441cの下端に係合して、下被動ギヤ435(下部材382)の回動を規制する。
上被動ギヤ434の歯部434aは、下被動ギヤ435の歯部435aに噛み合っている(図19B参照)。また、下被動ギヤ435の歯部435aは、駆動ギヤ433の歯部433aに噛み合っている。
これにより、回動用モータ432の回転軸と共に駆動ギヤ433が回転し、駆動ギヤ433に噛み合う下被動ギヤ435が回転する。下被動ギヤ435が回転することにより、下被動ギヤ435が固定された下部材382が回動する。そして、下被動ギヤ435が回転することにより、上被動ギヤ434が回転して上部材381が回動する。
本実施形態では、駆動ギヤ433の歯部433aが下被動ギヤ435の歯部435aに噛み合っている。これにより、回動用モータ432に電流を流していない場合であっても、下部材382が自重によって開状態になる方向へ回動しないようにすることができる。
なお、上部材381が自重によって回動する方向は閉状態になる方向であり、閉状態になる方向への回動は、下部材382によって防止或いは抑制される。一方、上部材381の開状態になる方向への回動は、自重に抗して行わなければならない。したがって、回動用モータ432に電流を流していない場合であっても、上部材381が開状態になる方向へ回動することは無い。
このように、本実施形態では、下被動ギヤ435と上被動ギヤ434との間に生じるバックラッシュ(回転方向に意図して設けられた隙間)によって、上部材381及び下部材382が回動することを防止することができる。
また、本発明に係る上被動ギヤ及び下被動ギヤとしては、シザースギヤを適用してもよい。この場合は、下被動ギヤ435と上被動ギヤ434との間に生じるバックラッシュを抑制することができる。
昇降機構384は、回動機構383、上部材381及び下部材382を一緒に昇降させる。図17に示すように、昇降機構384は、第1のガイドブロック471と、第2のガイドブロック472とを備えている。
第1のガイドブロック471は、第1ガイドベース481と、昇降用モータ482と、駆動ギヤ(ピニオン)483と、ラック484と、コンストーンばね485とを備えている。昇降用モータ482、駆動ギヤ483及びラック484は、本発明に係る駆動手段の一具体例を示す。第1ガイドベース481は、正面からみた平面形状が略L字状のベース板481aと、ベース板481aの前面から正面側に立ち上がる側壁481bとを有している。
ベース板481aは、遊技盤12にねじを用いて固定されている。ベース板481aの前面には、ラック484を上下方向へ案内するガイド部487が設けられている。また、ベース板481aの上部には、コンストーンばね485を回転可能に支持するばね支持部488が設けられている。
図16に示すように、ベース板481aの後面には、昇降用モータ482と、光学センサ491,492が固定されている。昇降用モータ482としては、例えば、ステッピングモータを適用することができる。昇降用モータ482の回転軸(不図示)は、前後方向(左右方向及び上下方向に直交する方向)に延びており、ベース板481aを貫通している。
光学センサ491,492は、所謂、透過型フォトセンサであり、発光素子と受光素子とを有している。光学センサ491は、ベース板481aの後面において、上下方向の中間部に配置されており、光学センサ492は、ベース板481aの後面において、上下方向の下部に配置されている。
光学センサ491は、発光素子と受光素子との間に検出片452が介在されることにより、上部材381及び下部材382が待機位置に位置していることを検出する。また、光学センサ492は、発光素子と受光素子との間に検出片452が介在されることにより、上部材381及び下部材382が演出位置に位置していることを検出する。
駆動ギヤ483は、昇降用モータ482の回転軸におけるベース板481aを貫通した先端部に固定されている。この駆動ギヤ483は、歯部483aを有している。ラック484は、上下方向に長い略長方形の板体からなり、一方の長辺に歯部484aを有している。このラック484には、軸受け部材431の取付片443cがねじを用いて固定されている。
ラック484の歯部484aは、駆動ギヤ483の歯部483aに噛み合っている(図14及び図15参照)。これにより、昇降用モータ482の回転軸と共に駆動ギヤ483が回転すると、駆動ギヤ483に噛み合うラック484が上下方向に移動する。その結果、ラック484に固定された軸受け部材431及び軸受け部材431に回動可能に支持された上部材381及び下部材382が、上下方向に移動する。
コンストーンばね485は、所謂、定荷重ばねであり、ドラムに巻かれた帯状のばね部485aを有している。コンストーンばね485は、ばね部485aの引き出し長さ(ストローク)に関係なく、ばね部485aが元に戻る力(トルク)が一定である。図16に示すように、コンストーンばね485におけるばね部485aの先端部は、軸受け部441の第1連結片443aに固定されている。
コンストーンばね485は、上部材381及び下部材382(回動機構383)を待機位置へ付勢する。すなわち、コンストーンばね485は、上部材381及び下部材382を待機位置へ付勢する付勢部材の一具体例を示す。
図17に示すように、第2のガイドブロック472は、第2ガイドベース501と、スライダ502と、ガイドカバー503と、コンストーンばね504とを備えている。第2ガイドベース501は、正面からみた平面形状が上下方向に長い略長方形のベース板511と、ベース板501aの前面から正面側に立ち上がる壁板512とを有している。
第2ガイドベース501のベース板511は、遊技盤12にねじを用いて固定されている。ベース板511の前面には、スライダ502を上下方向へ案内するガイド部513が設けられている。このガイド部513は、スライダ502の下方への移動を制限するストッパ突部513aを有している。
また、壁板512は、第2ガイドベース501の上部を形成する上板部512aと、第2ガイドベース501の下部を形成する下板部512bと、第2ガイドベース501の側壁を形成する左側板部512cとを有している。上板部512aには、コンストーンばね504を回転可能に支持するばね支持部514が設けられている。
スライダ502は、略四角形の直方体状に形成されている。このスライダ502は、第2ガイドベース501のガイド部513に係合されている。スライダ502の左側部には、ガイドカバー503に係合する係合片516が設けられている。また、スライダ502の右側部には、軸受け固定部517が設けられている。軸受け固定部517は、軸受け部441の取付片444aにねじを用いて固定される。
ガイドカバー503は、カバー本体503aと、配線押え503bとを有している。カバー本体503aは、第2ガイドベース501の左側板部512cにねじを用いて固定されている。このカバー本体503aは、スライダ502の係合片516に係合して、スライダ502の前後方向への移動を係止する。これにより、スライダ502は、上下方向のみに移動可能になる。
また、配線押え503aは、前後方向に直交する平板状に形成されており、カバー本体503aの左側部から突出している。この配線押え503aは、第1の演出用可動ユニット53の左側方を通る複数の配線250を押える(図22参照)。すなわち、ガイドカバー503は、スライダ502の前後方向への移動を係止すると共に、第1の演出用可動ユニット53の左側方を通る複数の配線250を押える。
コンストーンばね504は、所謂、定荷重ばねであり、ドラムに巻かれた帯状のばね部504aを有している(図14及び図16参照)。コンストーンばね504は、ばね部504aの引き出し長さ(ストローク)に関係なく、ばね部504aが元に戻る力(トルク)が一定である。図16に示すように、コンストーンばね504におけるばね部504aの先端部は、スライダ502の軸受け固定部517に固定されている。
図19Aは上部材381及び下部材382の閉状態を示す正面図、図19Bは図19Aに示すC−C線に沿う断面図である。図20Aは上部材381及び下部材382を閉状態から開状態にする途中の状態を示す正面図、図20Bは図20Aに示すD−D線に沿う断面図である。図21Aは上部材381及び下部材382の開状態を示す正面図、図21Bは図21Aに示すE−E線に沿う断面図である。
第1の演出用可動ユニット53の上部材381及び下部材382は、通常、図19に示す閉状態になっている。本実施形態では、パチンコ遊技機1の電源投入時に回動機構383による上部材381及び下部材382の回動動作の確認と、昇降機構384による上部材381及び下部材382の昇降動作の確認が行われる。そして、上部材381及び下部材382は、光学センサ451及び光学センサ491によって検出される待機位置(初期位置)に配置され、閉状態になっている。すなわち、閉状態の上部材381及び下部材382は、一番上方の位置である待機位置に配置されており、表示領域13aの上方に位置している(図4参照)。
閉状態において、上部材381の第1板部391aと下部材382の第1板部401aは、正面を向いている。上部材381の第1板部391aには、上装飾突起395が設けられており、下部材382の第1板部401aには、下装飾突起405が設けられている。そして、上装飾突起395と下装飾突起405は、演出用装飾部386を形成している。
閉状態の第1の演出用可動ユニット53において、下部材382が自重によって回動する方向は開状態になる方向である。しかし、図19Bに示すように、回動機構383における駆動ギヤ433の歯部433aが下被動ギヤ435の歯部435aに噛み合っているため、下部材382の開状態になる方向への回動は、駆動ギヤ433によって係止されている。これにより、回動用モータ432に電流を流していない場合であっても、下部材382が自重によって開状態になる方向へ回動しないようにすることができる。その結果、下部材382が半開きになることは無い。
例えば、駆動ギヤ433の歯部433aを上被動ギヤ434の歯部435aに噛み合わせた場合は、下部材382の開状態になる方向への回動が駆動ギヤ433によって係止されない。そのため、下部材382が自重によって開状態になる方向へ回動して、半開きになる虞がある。
一方、上部材381の開状態になる方向への回動は、自重に抗して行わなければならないため、回動用モータ432に電流を流していない場合であっても、上部材381が開状態になる方向へ回動することは無い。
図19Bに示すように、上部材381及び下部材382の閉状態において、上被動ギヤ434の係合突起434bは、光学センサ451の発光素子と受光素子との間に介在している。これにより、光学センサ451は、上部材381(及び下部材382)が閉状態であることを検出する。
本実施形態では、大当り図柄が停止表示される場合に、上部材381及び下部材382を待機位置から演出位置に移動させながら、上部材381及び下部材382を閉状態から開状態にする。なお、本発明の遊技機としては、大当り図柄が停止表示される場合に、上部材381及び下部材382を待機位置から演出位置に移動させて、その後、上部材381及び下部材382を閉状態から開状態にしてもよい。
上部材381及び下部材382を待機位置から演出位置に移動させる場合は、昇降機構384の昇降用モータ482を一方向に回転させる。これにより、駆動ギヤ483が正面から見て左回りに回転し、ラック484がコンストーンばね485,504のばね力に抗して下方向に移動する。その結果、ラック484に固定された軸受け部材431及び軸受け部材431に回動可能に支持された上部材381及び下部材382が下方向に移動する。
また、上部材381及び下部材382を閉状態から開状態にする場合は、回動機構383の回動用モータ432を一方向に回転させる。これにより、駆動ギヤ433がR1方向(図20Bにおける左回り)に回転し、下被動ギヤ435がR2方向(図20Bにおける右回り)に回転する。その結果、下部材382が開状態になる方向へ回動する。
一方、下被動ギヤ435がR2方向に回転すると、下被動ギヤ435に噛み合っている上被動ギヤ434がR1方向に回転する。その結果、上部材381が開状態になる方向に回動する。
図20Aに示すように、上部材381及び下部材382を閉状態から開状態にする途中では、上部材381の第1板部391a及び第3板部391cと、下部材382の第1板部401a及び第3板部401cが正面から視認可能となる。
また、図20Bに示すように、上部材381及び下部材382を閉状態から開状態にする途中では、上被動ギヤ434の係合突起434bが、光学センサ451の発光素子と受光素子との間に介在していない。これにより、光学センサ451は、上部材381(及び下部材382)が閉状態ではないことを検出する。
図20A及び図20Bに示す状態から、上部材381及び下部材382をさらに下降させると、上部材381及び下部材382は、演出位置に配置される(図21A及び図21B参照)。また、待機位置において、上部材381及び下部材382は、開状態になる。
開状態において、上部材381の第3板部391cと下部材382の第3板部401cは、正面を向いている。図21Aに示すよう、上部材381の第3板部391cには、上文字突起396が設けられており、下部材382の第3板部401cには、下文字突起406が設けられている。そして、上文字突起396と下文字突起406は、演出用文字部387を形成している。
また、図21Bに示すように、上被動ギヤ434の係合突起434bは、軸受け部441における接続片441cの上端に当接する。これにより、上被動ギヤ434のR1方向(図21Bにおける左回り)への回転が係止される。その結果、上部材381の開状態になる方向への回動が禁止される。
一方、下被動ギヤ435の係合突起435bは、軸受け部441における接続片441cの下端に当接する。これにより、下被動ギヤ435のR2方向(図21Bにおける右回り)への回転が係止される。その結果、下部材382の開状態になる方向への回動が禁止される。
なお、上部材381及び下部材382を演出位置から待機位置に移動させる場合は、昇降機構384の昇降用モータ482を他方向に回転させる。これにより、駆動ギヤ483が正面から見て右回りに回転し、ラック484が上方向に移動し、上部材381及び下部材382がラック484と共に上方向に移動する。
また、上部材381及び下部材382を開状態から閉状態にする場合は、回動機構383の回動用モータ432を他方向に回転させる。これにより、駆動ギヤ433がR2方向に回転し、下被動ギヤ435がR1方向に回転する。その結果、下部材382が閉状態になる方向へ回動する。一方、下被動ギヤ435がR1方向に回転すると、下被動ギヤ435に噛み合っている上被動ギヤ434がR2方向に回転する。その結果、上部材381が閉状態になる方向に回動する。
図22は、第1の演出用可動ユニット53を遊技盤12に取り付けた状態を示す説明図である。
図22に示すように、第1の演出用可動ユニット53を遊技盤12に取り付けた状態において、第2のガイドブロック472の配線押え503aは、第1の演出用可動ユニット53の左側方を通る複数の配線250を押える。この配線押え503aは、スライダ502の前後方向への移動を係止するため、2つの機能を満たす。その結果、部品点数の削減を図ることができ、コストを削減することができる。
また、本実施形態の第1の演出用可動ユニット53では、上部材381、下部材382及び回動機構382からなる可動部材の両側部を第1のガイドブロック471及び第2のガイドブロック472によって移動可能に支持する。したがって、可動部材の昇降動作を安定させることができる。しかも、可動部材を移動させるための駆動手段を第1のガイドブロック471のみに設けることにより、部品点数を削減することができると共に、コストの削減を図ることができる。
また、本実施形態の第1の演出用可動ユニット53では、可動部材を上方向に付勢する付勢部材として、コンストーンばね485,504を適用した。これにより、可動部材を重力に抗して上方へ移動させる場合に必要な力(モータのトルク)を小さくすることができる。しかも、コンストーンばね485,504は、ばね部485a,504aの引き出し長さ(ストローク)に関係なく、可動部材を上方向に付勢する力(トルク)が一定であるため、可動部材の昇降動作を安定させることができる。
なお、本実施形態では、可動部材を上下方向に移動させる駆動手段を、昇降用モータ482、駆動ギヤ483及びラック484により構成した。しかし、本発明に係る駆動手段としては、可動部材を上下方向に移動させる種々の機構を採用することができる。本発明の駆動手段としては、例えば、モータと、モータにおける回転軸の回転力を直線方向の動力に変換するベルト機構やチェーン機構から構成してもよい。
[第2の演出用可動ユニット]
次に、第2の演出用可動ユニット54について、図23〜図30を参照して説明する。
図23は、第2の演出用可動ユニット54の斜視図である。図24は、第2の演出用可動ユニット54の分解斜視図である。
図23及び図24に示すように、第2の演出用可動ユニット54は、模造ライト部材521と、ガイド部材522と、ギヤ列部材523とを備えている。
模造ライト部材521は、サーチライトを模した形状であり、ギヤ列部材523によって回動される。この模造ライト部材521については、後で図25〜図27を参照して詳しく説明する。
図24に示すように、ガイド部材522は、蓋部531と、蓋部531に固定されたライト用モータ532とを有している。蓋部531は、下面が開口された直方体状に形成されている。この蓋部531は、ギヤ列部材523の後述するケース部541の開口を閉じる。
蓋部531には、切欠き534を有している。この切欠き534は、蓋部531の一方の長辺を形成する側面に設けられており、上下方向から見た形状が略半円形に形成されている。また、蓋部531の上面には、ガイド溝535と、係合突条片536が設けられている。
ガイド溝535は、蓋部531の上面における略中央部に設けられている。このガイド溝535には、模造ライト部材521の後述する係合ピン586が係合する。係合突条片536は、切欠き534を囲むように円弧状に形成されている。この係合突条片536の上面には、模造ライト部材521の後述する回動板585が係合する。
ライト用モータ532は、蓋部531の上面にねじを用いて取り付けられている。このライト用モータ532は、ライト用モータ532としては、例えば、ステッピングモータを適用することができる。ライト用モータ532の回転軸(不図示)は、上下方向に延びており、蓋部531を貫通している。
ギヤ列部材523は、ケース部541と、ケース部541に収納されたギヤ列542及び光学センサ543とを有する。ケース部541は、上面が開口された直方体状に形成されている。ギヤ列542と前述のライト用モータ532は、本発明に係る装飾回動機構の一具体例を示す。
ギヤ列542は、ライト用モータ532の回転軸に固定される駆動ギヤ545と、第1被動ギヤ546と、第2被動ギヤ547と、第3被動ギヤ548とを有している。駆動ギヤ545は、歯部545aを有している。第1被動ギヤ546は、駆動ギヤ545の歯部545aに噛み合う歯部546aを有している。
第2被動ギヤ547は、第1被動ギヤ546の歯部546aに噛み合う歯部547aを有している。そして、第3被動ギヤ548は、第2被動ギヤ547の歯部547aに噛み合う歯部548aと、検出片548bを有している。
光学センサ543は、所謂、透過型フォトセンサであり、発光素子と受光素子とを有している。この光学センサ543は、発光素子と受光素子との間に第3被動ギヤ548の検出片548bが介在されることにより、模造ライト部材521が待機位置に配置されていることを検出する。
図25は、模造ライト部材521を一方から見た分解斜視図である。図26は、模造ライト部材521を他方から見た分解斜視図である。
図25及び図26に示すように、模造ライト部材521は、回動ベース551と、ライト外装体552と、LED基板554と、レンズカバー555と、光拡散シート556と、表示シート557とを備えている。この模造ライト部材521は、本発明に係る装飾部材の一具体例を示すものである。
回動ベース551は、ギヤ列部材523の第3被動ギヤ548(図24参照)に固定される。この回動ベース551については、図27を参照して詳しく説明する。ライト外装体552は、略筒状に形成されている。このライト外装体552の軸方向の一方の端面は開口されており、他方の端面は塞がれている(図28参照)。
ライト外装体552は、回動ベース551に回動可能に支持されている。このライト外装体552は、略円筒状に形成されており、第1ライト外装部561と、第2ライト外装部562とを有している。第1ライト外装部561は、断面が円弧状に形成されており、ライト外装体552の左半分を構成している。この第1ライト外装部561の内部には、軸受け564と、係合突起565が設けられている。
軸受け564は、第1ライト外装部561の内周面から突出する円筒状に形成されている。この軸受け564は、回動ベース551の後述する水平方向回動軸587に回転可能に嵌合する。係合突起565は、軸受け564の下方に位置しており、第1ライト外装部561の内周面から突出する円筒状に形成されている。この係合突起565は、回動ベース551の後述する伝達ロッド583に係合する。
第2ライト外装部562は、断面が円弧状に形成されており、ライト外装体552の右半分を構成している。この第2ライト外装部562は、ねじを用いて第1ライト外装部561に固定されている。第2ライト外装部562には、3つの開口部566が設けられている。3つの開口部566は、第2ライト外装部562の軸方向の一方の周縁に沿って適当な間隔をあけて配置されている。これら3つの開口部566には、レンズカバー555の後述する3つのカバー片572が嵌合する。
LED基板554は、第1ライト外装部561及び第2ライト外装部562に挟持されている。このLED基板554は、基板本体567と、複数のLED568と、接続端子569とを備えている。基板本体567は、略円形の板状に形成されており、複数のLED568が実装される実装面567aと、回動ベース551に対向する裏面567bとを有している。この基板本体567は、ライト外装体552の開口を塞ぐ。
複数のLED568は、複数種類の色の光を出射可能に構成されている。接続端子569は、基板本体567の裏面567bに実装されている。接続端子569には、LED基板554とランプ制御回路207(図31参照)とを電気的に接続する配線(不図示)の一端が接続される。この接続端子569は、ライト外装体552の内部に配置される。
レンズカバー555は、レンズ本体571と、3つのカバー片572とを備えている。レンズ本体571は、LED基板554の基板本体567と略等しい平面形状の板体からなり、光拡散シート556に対向する表面571aと、LED基板554の実装面567aに対向する裏面571bとを有している。3つのカバー片572は、レンズ本体571の周縁から突出している。これら3つのカバー片572は、ライト外装体552の3つの開口部566に嵌合する。
レンズ本体571及び3つのカバー片572は、透明又は半透明の樹脂により形成されている。レンズカバー555は、複数のLED568から出射され、レンズ本体571の裏面571bに照射された光を、表面571a及びカバー片572へ導く。そして、表面571a及びカバー片572へ導かれた光は、表面571a及びカバー片572を通過する。
なお、レンズ本体571及び3つのカバー片572の材料としては、例えば、ポリカボネート(PC)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂を挙げることができる。
光拡散シート556は、レンズカバー555と表示シート557との間に介在されている。この光拡散シート556の平面形状は、基板本体567及びレンズ本体571と略等しい。光拡散シート556は、通過する光を拡散して、面光源を形成する。
なお、本発明に係る第2の演出用可動ユニットとしては、第2光拡散シート556を設けなくてもよい。
表示シート557は、ライト外装体552の筒孔から露出され、模造ライト部材521の前面を形成する。すなわち、表示シート557は、本発明に係る前面発光部の一具体例を示す。この表示シート557は、光拡散シート353に重ね合わされており、光拡散シート556と略等しい平面形状に形成されている。表示シート557、光拡散シート556及びレンズカバー555は、重ね合わされた状態で第1ライト外装部561及び第2ライト外装部562に挟持されている。
表示シート557には、演出用の文字、画像、キャラクタ図柄、記号等の演出用表示が設けられている。表示シート557に対して後方(光拡散シート556側)から光が照射されると、演出用表示が鮮明になる。具体的には、表示シート557の前面に第1の印刷(サーチライトのスリットを模した図柄)が施され、後面に第2の印刷(キャラクタ図柄)が施されている。第2の印刷は、例えば、シルクスクリーン印刷や偏光パールインキによる印刷であり、複数のLED568が点灯したときに鮮明になる。
したがって、複数のLED568が消灯しているときは、第1の印刷が視認され、第2の印刷の視認が困難となる。一方、複数のLED568が点灯しているときは、第1の印刷及び第2の印刷が視認される。これにより、複数のLED568の点灯時と消灯時で表示態様(見た目の表示)を異ならせることができ、前面発光部を発光させる演出の興趣を向上させることができる。
図27は、回動ベース551の分解斜視図である。
図27に示すように、回動ベース551は、スタンド581と、上下方向回動軸582と、伝達ロッド583と、リンク584と、回動板585と、係合ピン586と、水平方向回動軸587とを備えている。伝達ロッド583及びリンク584は、本発明に係るリンク機構の一具体例を示す。
スタンド581は、スタンド本体591と、軸固定部592と、ロッド取付け部593とを有している。スタンド本体591は、対向する2つの側面が開口された直方体状に形成されている。このスタンド本体591は、ねじを用いて回動板585に固定される。
軸固定部592は、スタンド本体591の上部に設けられている。この軸固定部592は、筒孔を有する円筒状に形成されている。ロッド取付け部593は、スタンド本体591の開口された側面から突出している。ロッド取付け部593は、軸固定部592における筒孔と平行な方向に延びる円筒状に形成されており、伝達ロッド583の後述する嵌合突起602に嵌合する。
上下方向回動軸582は、円柱状に形成されており、スタンド581の軸固定部592に固定されている。すなわち、上下方向回動軸582は、軸固定部592の筒孔を貫通しており、抜け止めリング595(図25参照)を用いて軸固定部592に固定されている。軸固定部592に固定された上下方向回動軸582の軸方向は、上下方向に直交している。
伝達ロッド583は、ロッド本体601と、嵌合突起602と、外装体係合部603と、リンク係合部604とを有している。ロッド本体601は、略長方形の板状に形成されている。
嵌合突起602は、ロッド本体601の一方の平面において、長手方向の中央部に設けられている。この嵌合突起602は、筒孔を有する略円筒状に形成されている。嵌合突起602の内径は、スタンド581におけるロッド取付け部593の外径と略等しい。嵌合突起602の内周部には、ロッド取付け部593が回転可能に嵌合される。
そして、伝達ロッド583は、嵌合突起602を貫通してロッド取付け部593に螺合されるねじによってスタンド581に回転可能に取り付けられている。
外装体係合部603は、ロッド本体601の他方の平面において、長手方向の一端部に設けられている。この外装体係合部603は、垂直方向の断面形状が略楕円形の筒状に形成されている。外装体係合部603の短径は、ライト外装体552における係合突起565(図25参照)の外径と略等しい。外装体係合部603の内周部には、係合突起565が回転可能に係合する。
リンク係合部604は、ロッド本体601の他方の平面において、長手方向の他端部に設けられている。このリンク係合部604は、ロッド本体601に略楕円形の貫通孔を形成することで設けられている。リンク係合部604の内周部には、リンク584の後述する連結軸部612が回転可能に係合する。
リンク584は、略直方体状に形成されている。このリンク584は、上下方向に延びる軸貫通孔611を有している。この軸貫通孔611には、係合ピン586が貫通する。また、リンク584には、連結軸部612と、係合突部613が設けられている。
連結軸部612は、リンク584の側面から突出しており、略円筒状に形成されている。この連結軸部612の外径は、伝達ロッド583におけるリンク係合部604の短径と略等しい。連結軸部612は、リンク係合部604に回転可能に係合する。係合突部613は、リンク584の側面から突出しており、水平方向の断面形状が略十字状に形成されている。この係合突部613は、回動板585の後述する第2ガイド溝617に係合する。
回動板585は、適当な厚みを有する板状に形成されており、軸貫通孔615と、第1ガイド溝616と、第2ガイド溝617とを有している。軸貫通孔615は、円形に形成されている。この軸貫通孔615には、水平方向回動軸587が取り付けられている。すなわち、水平方向回動軸587は、軸貫通孔615を貫通しており、抜け止めリング(不図示)を用いて回動板585に固定されている。そして、回動板585及び水平方向回動軸587は、ギヤ列部材523の第3被動ギヤ548(図24参照)に固定される。
第1ガイド溝616は、略楕円形に形成されている。この第1ガイド溝616の短径は、係合ピン586の直径よりも大きい。第1ガイド溝616には、係合ピン586が係合する。すなわち、係合ピン586は、回動板585の第1ガイド溝616及びリンク584の軸貫通孔611を貫通し、抜け止めリング621を用いて第1ガイド溝616及び軸貫通孔611からの離脱を防止している。
係合ピン586は、第1ブッシュ622と第2ブッシュ623を貫通する。第1ブッシュ622は、リンク584と回動板585との間に介在され、第2ブッシュ623は、回動板585の下方に配置される。第1ブッシュ622及び第2ブッシュ623は、同一の形状であり、第1ガイド溝616に係合する係合筒部625と、係合筒部625よりも外径が大きい大径筒部626とを有している。
係合筒部625の内径は、係合ピン586の直径と略等しく、係合筒部625の外径は、第1ガイド溝616の短径と略等しい。第1ブッシュ622の係合筒部625は、回動板585の第1ガイド溝616に係合する。また、第2ブッシュ623は、ガイド部材522のガイド溝535に係合する。その結果、係合ピン586のガタツキを抑制することができる。
第2ガイド溝617は、第1ガイド溝616よりも小さい略楕円形に形成されている。この第2ガイド溝617の短径は、リンク584の係合突部613における対向する端面間の距離と略等しい。また、第2ガイド溝617の長径は、第1ガイド溝616の長径と平行であり、第2ガイド溝617の短径は、第1ガイド溝616の短径と平行である。第2ガイド溝617には、係合突部613が係合する。すなわち、係合突部613は、第2ガイド溝617に挿入される。
次に、第2の演出用可動ユニット54の動作について、図28〜図30を参照して説明する。
図28は、第2の演出用可動ユニット54の待機状態を示す斜視図である。図29は、第2の演出用可動ユニット54の駆動状態を示す斜視図である。図30は、第2の演出用可動ユニット54の駆動状態を遊技盤12の前方からみた説明図である。
第2の演出用可動ユニット54は、通常、図28に示す待機状態になっている。この待機状態では、模造ライト部材521の表示シート557(前面発光部)が、遊技者側(正面)を向いている(図4参照)。したがって、通常時に表示シート557を発光させる場合は、その表示シート557の発光を遊技者が容易に視認することができる。なお、本実施形態では、大当り図柄が停止表示される期待値に応じて、表示シート557の発光する色を変化させる。そのため、表示シート557の発光を遊技者が視認可能であることが重要である。
一方、第2の演出用可動ユニット54は、表示領域13aに表示された演出画像に連動して駆動状態になる。この駆動状態では、模造ライト部材521の表示シート557(前面発光部)が、表示領域13aを向く(図30参照)。この場合に、例えば、夜の街にいるキャラクタがサーチライトに照らされる映像を表示領域13aに表示することにより、模造ライト部材521の光によって表示領域13a上の夜の街が照らされているような演出を行うことができ。演出効果を高めることができる。
第2の演出用可動ユニット54を待機状態から駆動状態にする場合は、まず、ライト用モータ532を一方向に回転させる。これにより、駆動ギヤ545(図24参照)が回転し、その回転が第1被動ギヤ546、第2被動ギヤ547及び第3被動ギヤ548が回転する。第3被動ギヤ548には、模造ライト部材521の回動板585が固定されている。したがって、第3被動ギヤ548が回転すると、模造ライト部材521は、水平方向回動軸587を中心にR3方向(図28における右回り)に回動する。
模造ライト部材521がR3方向に回転すると、係合ピン586は、ガイド部材522のガイド溝535に沿って移動する。係合ピン586は、回動板585の第1ガイド溝616に係合している。したがって、ガイド部材522のガイド溝535に沿って移動する係合ピン586が、第1ガイド溝616の長径に沿ってリンク584を引っ張る。
その結果、リンク584は、第1ガイド溝616の長径に沿ってX1方向(図28参照)へ移動する。このとき、リンク584の係合突部613は、第2ガイド溝617に沿ってX1方向へ移動する。このように、リンク584のX1方向への移動を2つのガイド溝616,617で案内するため、リンク584がX1方向へ移動するときのガタツキを防止或いは抑制することができる。
リンク584の連結軸部612は、伝達ロッド583のリンク係合部604に回転可能に係合している。これにより、X1方向へ移動するリンク584は、伝達ロッド583のリンク係合部604をX1方向へ引っ張る。その結果、伝達ロッド583は、嵌合突起602を中心にR4方向(図28における右回り)へ回動する。
伝達ロッド583が嵌合突起602を中心にR4方向へ回動すると、伝達ロッド583の外装体係合部603(図27参照)の位置がR4方向へ変位する。この外装体係合部603は、ライト外装体552の係合突起565(図25参照)に回転可能に係合している。
これにより、伝達ロッド583が嵌合突起602を中心にR4方向へ回動すると、外装体係合部603が係合突起565を押圧し、ライト外装体552は、上下方向回動軸582を中心にR5方向(図28における左回り)へ回動する。その結果、模造ライト部材521の表示シート557(前面発光部)が表示装置13の表示領域13aを向く。
このように、ライト用モータ532を回転させると、模造ライト部材521の回動ベース551が水平方向回動軸587を中心にR3方向に回動すると共に、模造ライト部材521のライト外装体552が上下方向回動軸582を中心にR5方向に回動する。その結果、待機状態で正面を向いていた表示シート557(前面発光部)を、表示装置13の表示領域13aに向けることができる。すなわち、表示シート557(前面発光部)が向く方向を変化させることができる。これにより、模造ライト部材521(第2の演出用可動ユニット54)を用いた演出の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、回動ベース551の回動に伴ってリンク584及び伝達ロッド583が動作して、ライト外装体552を回動させる。これにより、1つの駆動源(ライト用モータ532)で2つの部材(回動ベース551とライト外装体552)を回動させることができる。その結果、部品点数を削減することができると共に、第2の演出用可動ユニット54を軽量化することができる。
第2の演出用可動ユニット54を駆動状態から待機状態にする場合は、ライト用モータ532を他方向に回転させる。これにより、駆動ギヤ545(図24参照)が回転し、その回転が第1被動ギヤ546、第2被動ギヤ547及び第3被動ギヤ548が回転する。第3被動ギヤ548が回転すると、模造ライト部材521は、水平方向回動軸587を中心にR3方向と反対の方向に回動する。
模造ライト部材521がR3方向と反対の方向に回動すると、リンク584が第1ガイド溝616の長径に沿ってX1方向と反対の方向に移動し、伝達ロッド583が嵌合突起602を中心にR4方向と反対の方向へ回動する。そして、伝達ロッド583がR4方向と反対の方向へ回動すると、ライト外装体552は、上下方向回動軸582を中心にR5方向と反対の方向へ回動する。
これにより、模造ライト部材521が水平方向回動軸587を中心にR3方向と反対の方向に回動すると共に、模造ライト部材521のライト外装体552が上下方向回動軸582を中心にR5方向と反対の方向に回動する。その結果、第2の演出用可動ユニット54が待機状態になり、表示シート557(前面発光部)正面を向く。
図30に示すように、第2の演出用可動ユニット54を駆動状態にすると、表示シート557(前面発光部)が表示装置13の表示領域13aに向いている。そのため、遊技者が遊技盤12を正面から見ていると、表示シート557(前面発光部)を視認することが難しい。
しかし、第2の演出用可動ユニット54を駆動状態にすると、模造ライト部材521の開口部566から露出する3つのカバー片572が正面を向く。これにより、遊技者が遊技盤12を正面から見ていても、模造ライト部材521の発光(光源から出射される光)の有無及び色を視認することができる。
<パチンコ遊技機が備える回路の構成>
次に、本実施の形態のパチンコ遊技機1が備える制御回路の構成について、図31を参照して説明する。
図31は、パチンコ遊技機1の制御回路を示すブロック図である。
図31に示すように、パチンコ遊技機1は、主に遊技の制御を行う主制御回路70と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路200とを有している。
[主制御回路]
主制御回路70は、メインCPU(Central Processing Unit)71と、メインROM(Read Only Memory)72と、メインRAM(Random Access Memory)73とを備えている。また、主制御回路70は、初期リセット回路75と、I/O(Input/Output)ポート76と、コマンド出力ポート77と、バックアップコンデンサ78とを備えている。
メインCPU71には、メインROM72、メインRAM73、初期リセット回路75、I/Oポート76、コマンド出力ポート77等が接続されている。メインROM72には、メインCPU71によりパチンコ遊技機1の動作を制御するためのプログラム(図45〜図62参照)や、各種のデータテーブル(図34〜図38参照)等が記憶されている。
メインCPU71は、メインROM72に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する。メインRAM73には、メインCPU71の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値が記憶される。なお、本実施形態においては、メインCPU71の一時記憶領域としてメインRAM73を用いているが、本発明に係る一時記憶領域としては、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路75は、電源投入時にリセット信号を生成する。I/Oポート76は、各種のデバイスから送られた入力信号を受信して、メインCPU71に送信する。また、メインCPU71から送られた出力信号を受信して、各種のデバイスに送信する。コマンド出力ポート77は、メインCPU71から送られたコマンドを副制御回路200に送信する。
バックアップコンデンサ78は、電断時において、例えば、メインRAM73に対して速やかに電源を供給する。これにより、電断時に、メインRAM73に記憶されている各種データを保持することができる。
図31に示すように、主制御回路70には、主制御回路70から送られた出力信号に応じて動作する各種の装置が接続されている。各種の装置としては、第1特別図柄表示装置62a及び第2特別図柄表示装置62b、普通図柄表示装置63、第1特別図柄保留表示LED65a,65b及び第2特別図柄保留表示LED65c,65d、普通図柄保留表示LED67a,67bがある。また、各種の装置としては、普通電動役物36、第1大入賞口44、第2大入賞口45がある。
上述したように、第1特別図柄表示装置62a及び第2特別図柄表示装置62bは、特別図柄ゲームにおける特別図柄の変動表示を行う。普通図柄表示装置63は、普通図柄ゲームにおける識別図柄としての普通図柄の変動表示を行う。第1特別図柄保留表示LED65a,65b及び第2特別図柄保留表示LED65c,65dは、特別図柄ゲームにおける特別図柄の変動表示に関する保留個数を表示する。普通図柄保留表示LED67a,67bは、普通図柄ゲームにおける普通図柄の変動表示に関する保留個数を表示する。
主制御回路70には、普通電動役物36のソレノイドアクチュエータ(不図示)が接続されている。主制御回路70は、普通電動役物36におけるソレノイドアクチュエータの駆動を制御し、普通電動役物36の一対の羽部材を開放状態と閉鎖状態にする。主制御回路70は、本発明の遊技機に係る開閉部材制御手段や変動時間決定手段の一具体例を示す。
また、主制御回路70には、第1大入賞口44及び第2大入賞口45のソレノイドアクチュエータ(不図示)が接続されている。主制御回路70は、第1大入賞口44及び第2大入賞口45のソレノイドアクチュエータ駆動を制御し、第1,第2大入賞口44,45を開放状態と閉鎖状態にする。すなわち、主制御回路70は、本発明に係る可変部材制御手段の一具体例を示す。
また、主制御回路70には、カウントスイッチ104,105と、一般入賞口スイッチ112、113と、通過ゲートスイッチ115と、第1始動口スイッチ116と、第2始動口スイッチ117と、バックアップクリアスイッチ121が接続されている。
カウントスイッチ104は、第1大入賞口44に入賞した遊技球を計数し、その結果を主制御回路70に供給する。カウントスイッチ105は、第2大入賞口45に入賞した遊技球を計数し、その結果を主制御回路70に供給する。一般入賞口スイッチ112は、一般入賞口41に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に供給し、一般入賞口スイッチ113は、一般入賞口42に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に供給する。
通過ゲートスイッチ115は、遊技球が通過ゲート33を通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に供給する。第1始動口スイッチ116は、遊技球が第1始動口34に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に供給する。第2始動口スイッチ117は、遊技球が第2始動口35に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に供給する。バックアップクリアスイッチ121は、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする。
また、主制御回路70には、外部端子板122や呼出装置(不図示)が接続されている。外部端子板122は、ホール(パチンコ店)全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いる。呼出装置は、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示する機能を有する。
また、主制御回路70には、払出・発射制御回路123が接続されている。この払出・発射制御回路123には、遊技球の払出を行う払出装置16と、遊技球の発射を行う発射装置15と、カードユニット150が接続されている。カードユニット150は、球貸し操作パネル151との間で信号を送受信可能である。
球貸し操作パネル151は、遊技者に操作されると、カードユニット150に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する。カードユニット150は、球貸し操作パネル151から遊技球の貸し出しを要求する信号を受信すると、貸し球制御信号を払出・発射制御回路123に送信する。
払出・発射制御回路123は、主制御回路70から送信される賞球制御コマンド、カードユニット150から送信される貸し球制御信号を受信し、払出装置16に対して所定の信号を送信する。これにより、払出装置16は、遊技球を払い出す。また、払出・発射制御回路123は、発射ハンドル25が遊技者によって把持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて発射装置15のソレノイドアクチュエータに電力を供給する。これにより、発射装置15は、遊技球を発射させる。
[副制御回路]
副制御回路200は、主制御回路70のコマンド出力ポート77に接続されている。副制御回路200は、主制御回路70から送信される各種のコマンドに応じて、表示装置13における表示制御、スピーカ11から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ等を含むランプの制御等を行う。つまり、副制御回路200は、主制御回路70からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。この副制御回路200は、本発明の遊技機に係る保留表示制御手段の一具体例を示す。
本実施形態では、副制御回路200から主制御回路70に対して信号を供給できない構成とした。しかし、本発明のパチンコ遊技機としては、副制御回路から主制御回路に対して信号を送信可能な構成にしてもよい。
副制御回路200は、サブCPU201と、プログラムROM202と、ワークRAM203と、表示制御回路205と、音声制御回路206と、ランプ制御回路207と、コマンド入力ポート208とを備えている。
サブCPU201には、プログラムROM202、ワークRAM203、表示制御回路205、音声制御回路206、ランプ制御回路207及びコマンド入力ポート208が接続されている。コマンド入力ポート208は、主制御回路70のコマンド出力ポート77から送られたコマンドを受信して、サブCPU201に供給する。
プログラムROM202には、サブCPU201によりパチンコ遊技機1の演出を制御するためのプログラム(図63〜図71参照)や、各種のデータテーブル(図39〜図43参照)が記憶されている。
サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する。特に、サブCPU201は、主制御回路70から送信される各種のコマンドに従って、副制御回路200全体の制御を行う。
なお、本実施形態では、プログラムや各種テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM72及びプログラムROM202を適用した。しかし、本発明に係る記憶手段としては、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体を適用してもよい。また、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。さらに、本発明に係るプログラムとしては、電源投入後にダウンロードされ、メインRAM及びワークRAM203等に記録されるものでもよい。
ワークRAM203は、サブCPU201の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する。なお、本実施形態においては、サブCPU201の一時記憶領域としてワークRAM203を用いているが、本発明に係る一時記憶領域としては、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示制御回路205は、演出に関する画像を表示装置13に表示させる制御を行う。この表示制御回路205は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)と、画像データROMと、フレームバッファと、D/Aコンバータ等を有している。画像データROMには、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている。フレームバッファは、画像データを一時的に保存しておく。D/Aコンバータは、画像データ(デジタル電気信号)を画像信号(アナログ電気信号)に変換する。
表示制御回路205は、サブCPU201から供給されるデータに応じて、表示装置13の表示領域13aに画像を表示させるための種々の処理を行う。表示制御回路205は、サブCPU201から供給される画像表示命令に応じて、識別図柄を示す識別図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の画像データを一時的にフレームバッファに格納する。
そして、表示制御回路205は、フレームバッファに格納した画像データを所定のタイミングでD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、その画像信号を所定のタイミングで表示装置13に供給する。これにより、表示装置13の表示領域13aに画像が表示される。
音声制御回路206は、音声に関する制御を行う音源ICと、各種の音声データを記憶する音声データROMと、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)等を有している。
音源ICは、スピーカ11から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU201から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。そして、音源ICは、選択した音声データを音声データROMから読み出し、読み出した音声データを所定の音声信号に変換して、AMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ11から音声を発生させる。
ランプ制御回路207は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路と、複数種類のランプ点灯パターンが記憶されているランプデータROM等を有している。
ドライブ回路は、サブCPU201から供給されるランプ点灯命令に応じて、ランプデータROMに記憶されている複数のランプ点灯パターンから一つのランプ点灯パターンを選択する。そして、選択したランプ点灯パターンをランプデータROMから読み出し、読み出した音声データを所定のランプ制御信号に変換して、装飾ランプ等を含むランプ群18の点灯及び消灯を行う。
また、副制御回路200には、演出ボタン23の操作によってオン、オフされる演出ボタンスイッチ118が接続されている。
<遊技状態の遷移>
次に、パチンコ遊技機1における遊技状態の遷移について、図32を参照して説明する。
図32は、パチンコ遊技機1における遊技状態の遷移フローを示す図である。
パチンコ遊技機1の遊技は、通常遊技状態と、大当り遊技状態と、第1確変遊技状態と、第2確変遊技状態と、時短遊技状態のうちのいずれかで行われる。
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、パチンコ遊技機1は、バックアップが正常であれば電源切断前の遊技状態を引き継ぎ、通常遊技状態になる。また、初期電源投入時又は後述のバックアップクリアスイッチ121を操作しつつ電源を投入したときに実行されるバックアップクリア時は、メインRAM73の全領域がクリアされ、通常遊技状態になる。
通常遊技状態では、第1,第2特別図柄が特定の態様で停止表示される(大当り図柄が停止表示される)確率が第1の大当り確率に設定される。また、通常遊技状態では、普通図柄が所定の態様で停止表示される(当り図柄が停止表示される)確率が第1の当り確率に設定される。
以下、第1,第2特別図柄が特定の態様で停止表示される(大当り図柄が停止表示される)確率を特図確率という。また、普通図柄が所定の態様で停止表示される(当り図柄が停止表示される)確率を普図確率という。
大当り遊技状態では、特図確率が第1の大当り確率(低)に設定され、普図確率が第1の当り確率(低)に設定される。また、大当り遊技状態では、上述したように、第1,第2大入賞口44,45のいずれかが遊技球を受け入れやすい状態となるラウンドゲームが開始される。
本実施形態では、ラウンドゲームが16回(16ラウンド)行われる大当り図柄と、ラウンドゲームが4回(4ラウンド)行われる大当り図柄が設定されている。
以下、ラウンドゲームが16回行われる大当り図柄を、特別の大当り図柄という。また、ラウンドゲームが4回行われる大当り図柄を、通常の大当り図柄という。
第1確変遊技状態では、特図確率が第1の大当り確率(低)よりも高い第2の大当り確率(高)に設定され、普図確率が第1の当り確率(低)よりも高い第2の当り確率(高)に設定される。したがって、第1確変遊技状態中は、通常遊技状態中よりも大当り図柄及び当り図柄が停止表示される確率が高くなる。
第2確変遊技状態では、第1確変遊技状態と同様に、特図確率が第2の大当り確率(高)に設定され、普図確率が第2の当り確率(高)に設定される。したがって、第2確変遊技状態中は、通常遊技状態中よりも大当り図柄及び当り図柄が停止表示される確率が高くなる。
本実施形態における第1確変遊技状態中及び第2確変遊技状態中は、特別図柄の変動表示毎に転落抽選を行う。転落抽選は、転落判定用カウンタから乱数値を抽出して、転落の当選又は非当選を決定する抽選である。転落抽選の結果、転落の当選が決定すると、確変遊技状態が終了(転落)する。つまり、第1確変遊技状態中又は第2確変遊技状態中に転落の当選が決定すると、その確変遊技状態が終了する。
時短遊技状態では、特図確率が第1の大当り確率(低)に設定され、普図確率が第2の当り確率(高)に設定される。また、特別図柄の変動時間が短くなり、単位時間当りの特別図柄の変動回数が多くなる。したがって、時短遊技状態中は、通常遊技状態中よりも当り図柄が停止表示される確率が高くなる。
通常遊技状態中、第1確変遊技状態中、第2確変遊技状態中又は時短遊技状態中に大当り図柄が停止表示されると、遊技状態は、通常遊技状態から大当り遊技状態に移行する(図32に示すA)。
特別の大当り図柄が停止表示され、その後開始された大当り遊技状態が終了すると、遊技状態は、大当り遊技状態から第1確変遊技状態に移行する(図32に示すB)。また、普図確率が第2の当り確率(高)に設定されている遊技状態中に大当り図柄が停止表示され、その後、開始された大当り遊技状態が終了すると、遊技状態は、大当り遊技状態から第1確変遊技状態に移行する(図32に示すB)。
つまり、第1確変遊技状態中、第2確変遊技状態中又は時短遊技状態中に大当り図柄が停止表示され、その後、開始された大当り遊技状態が終了すると、遊技状態は、大当り遊技状態から第1確変遊技状態に移行する。
普図確率が第1の当り確率(低い)に設定されている遊技状態中に通常の大当り図柄が停止表示され、その後開始された大当り遊技状態が終了すると、遊技状態は、大当り遊技状態から第2確変遊技状態に移行する(図32に示すC)。
第1確変遊技状態中であって特別図柄の変動表示が所定の回数(本実施形態では99回)実行(消化)される前に転落抽選に当選すると、遊技状態は、第1確変遊技状態から時短遊技状態に移行する(図32に示すD)。
第1確変遊技状態中において、特別図柄の変動表示が所定の回数だけ実行(消化)された後に転落抽選に当選すると、遊技状態は、第1確変遊技状態から通常遊技状態に移行する(図32に示すE)。つまり、第1確変遊技状態は、転落抽選に当選するまで継続される。
時短遊技状態中において、第1確変遊技状態中も含めて特別図柄の変動表示が所定の回数(本実施形態では99回)実行(消化)された後に、遊技状態は、時短遊技状態から通常遊技状態に移行する(図32に示すF)。
第2確変遊技状態中において、転落抽選に当選すると、遊技状態は、第2確変遊技状態から通常遊技状態に移行する(図32に示すG)。
<パチンコ遊技の仕様>
次に、パチンコ遊技機1の仕様について、図33を参照して説明する。
図33Aは、パチンコ遊技機1における基本仕様を示す図である。図33Bは、パチンコ遊技機1における大当後の遊技状態の移行を示す図である。図33Cは、普通図柄ゲームの仕様を示す図である。なお、図33A〜図33Cに示す表のデータは、メインROM72にテーブルとして記憶されている。
図33Aに示すように、特別図柄ゲームにおける第1の大当り確率(低確率)は、1/280.07に設定され、第2の大当り確率(高確率)は、1/46.81に設定されている。なお、第1の大当り確率及び第2の大当り確率は、第1始動口34及び第2始動口35のいずれの特別図柄始動入賞の場合であっても共通の値である。
パチンコ遊技機1では、大当り判定用カウンタから大当り判定用乱数値を抽出し、その乱数値が大当りの当選に対応する乱数値である場合に、特別図柄表示装置62(図5参照)によって大当り図柄が停止表示される(大当りになる)。本実施形態では、大当り判定用カウンタから抽出される可能性のある全ての大当り判定用乱数値の個数を65536個に設定している。そして、特図確率が第1の大当り確率に設定されている遊技中は、大当りの当選に対応する抽選値の個数が234個となる。一方、特図確率が第2の大当り確率に設定されている遊技中は、大当りの当選に対応する抽選値の個数が1400個となる。
第1確変遊技状態中及び第2確変遊技状態中の転落抽選において、転落が当選する確率は、1/77.10に設定されている。パチンコ遊技機1では、転落判定用カウンタから乱数値を抽出し、その乱数値が転落の当選を決定する乱数値である場合に、転落の当選が決定される。本実施形態では、転落判定用カウンタから抽出される可能性のある全ての乱数値の個数を65536個に設定し、転落の当選に対応する乱数値の個数を850個に設定している。
また、第1始動口34及び第2始動口35への入賞に対する賞球数は、3球に設定され、一般入賞口41,42,43への入賞に対する賞球数は、10球に設定されている。さらに、第1大入賞口44及び第2大入賞口45への入賞に対する賞球数は、14球に設定されている。そして、大当り遊技状態中における第1大入賞口44及び第2大入賞口45の1回の開放あたりの最大入賞カウント数は、10カウントに設定されている。
図33Bに示すように、普通図柄ゲームにおける第1の当り確率は、1/256に設定され、第2の当り確率は、255/256に設定されている。パチンコ遊技機1では、当り判定用カウンタから乱数値を抽出し、その乱数値が大当りの当選に対応する乱数値である場合に、普通図柄表示装置63によって当り図柄が停止表示される(当りになる)。
本実施形態では、当り判定用カウンタから抽出される可能性のある全ての乱数値の個数を256個に設定している。そして、普図確率が第1の当り確率に設定されている遊技中は、当りの当選に対応する抽選値の個数が1個となる。普図確率が第1の当り確率に設定されている遊技中に当りが当選すると、普通電動役物36は、0.3秒間の開放状態を1回行う。
一方、普図確率が第2の当り確率に設定されている遊技中は、当りの当選に対応する抽選値の個数が255個となる。普図確率が第2の当り確率に設定されている遊技中に当りが当選すると、普通電動役物36は、1.5秒間の開放状態を3回行う。
すなわち、普図確率が第2の当り確率に設定されている遊技中は、普図確率が第1の当り確率に設定されている遊技中よりも、普通電動役物36が開放状態になり易く、且つ、その開放状態を維持する時間が長い。その結果、遊技球が第2始動口35に入賞し易くなり、特別図柄ゲームが連続して実行されるため、短い時間で多くの特別図柄ゲームを行うことができる。
したがって、普図確率が第2の当り確率に設定されている遊技中を時短中と呼称し、普図確率が第1の当り確率に設定されている遊技中を非時短中と呼称する。本実施形態では、第1確変遊技状態、第2確変遊技状態及び時短遊技状態が時短中であり、通常遊技状態及び大当り遊技状態が非時短中である。
なお、時短は、本発明の遊技機に係る有利状態を示し、非時短は、非有利状態を示す。また、本発明に係る時短とは、非時短よりも普図確率が高い状態とした。しかし、本発明の遊技機に係る時短とは、非時短よりも普通電動役物36の開放時間が長い状態や、非時短よりも普通電動役物36の変動時間(駆動時間)が長い状態としてもよい。
図33Cに示すように、第1始動口34及び第2始動口35への入賞に基づいて決定される大当りの種別は、16R(ラウンド)と、4R(ラウンド)の2通りである。16Rの大当りが決定されると、大当り遊技状態中に16回のラウンドゲームが実行される。一方、4Rの大当りが決定されると、大当り遊技状態中に4回のラウンドゲームが実行される。
非時短中に16Rの大当りが当選する確率は、50%に設定され、4Rの大当りが当選する確率は、50%に設定されている。非時短中に16Rの大当りが当選し、その後、開始された大当り遊技状態が終了すると、遊技状態は、第1確変遊技状態に移行する。また、非時短中に4Rの大当りが決定され、その後、開始された大当り遊技状態が終了すると、遊技状態は、第2確変遊技状態に移行する。つまり、非時短中に大当りが当選し、その後、開始された大当り遊技状態が終了すると、遊技状態は、大当りの種別に応じて第1確変遊技状態又は第2確変遊技状態に移行する。
時短中に16Rの大当りが当選する確率は、50%に設定され、4Rの大当りが当選する確率は、50%に設定されている。時短中に16Rの大当りが当選し、その後、開始された大当り遊技状態が終了すると、遊技状態は、第1確変遊技状態に移行する。また、時短中に4Rの大当りが当選し、その後、開始された大当り遊技状態が終了すると、遊技状態は、第1確変遊技状態に移行する。つまり、非時短中に大当りが当選し、その後、開始された大当り遊技状態が終了すると、遊技状態は、大当りの種別に関わらず第1確変遊技状態に移行する。
<メインROMに記憶されているデータテーブルの構成>
次に、メインROM72に記憶されている各種データテーブルの構成について、図34〜図38を参照して説明する。
[特別図柄変動パターン決定テーブル(ハズレ用)]
まず、特別図柄変動パターン決定テーブル(ハズレ用)について、図34を参照して説明する。
特別図柄変動パターン決定テーブル(ハズレ用)は、特別図柄ゲームにおいてハズレが当選した場合に参照される。この特別図柄変動パターン決定テーブル(ハズレ用)は、遊技状態と、リーチ判定用乱数値と、演出選択用乱数値と、変動パターンと、変動パターンコマンドと、変動時間との関係を規定する。
メイン変動時間決定テーブル(ハズレ用)において、遊技状態は、通常遊技状態と、第1確変遊技状態(時短遊技状態を含む)と、第2確変遊技状態とに識別される。さらに、第1確変遊技状態は、遊技回数及び転落当選の有無に応じて5つに分割され、第2確変遊技状態は、転落当選時以外と転落当選時との2つに分割される。
リーチ判定用乱数範囲は、リーチ用の変動時間を決定するリーチ用の変動時間を決定と、リーチ用の変動時間を決定しないリーチ判定用乱数の範囲を規定する。リーチ判定用乱数値は、それぞれの遊技状態において遊技球が第1,第2始動口34,35に入賞したときに、リーチ判定用カウンタから抽出され、メインRAM73に格納される。本実施形態のリーチ判定用カウンタから抽出されるリーチ判定用乱数値は、0〜250に設定されている。
例えば、通常遊技状態中にリーチ用の変動時間を決定するリーチ判定用乱数範囲は、0〜25に規定されている。したがって、遊技状態が通常遊技状態であり、リーチ判定用乱数値として「1」が抽出された場合は、リーチ用の変動時間(20000msec,30000msec,40000msecのいずれか)が決定される。
なお、遊技状態が第1確変遊技状態であって遊技回数が33G(ゲーム),66G,99Gである場合は、抽出されたリーチ判定用乱数値が参照されず、専用の変動時間が決定される。また、遊技状態が第1確変遊技状態であって遊技回数が100G以降の転落当選時、又は、遊技状態が第2確変遊技状態であって転落当選時は、抽出されたリーチ判定用乱数値が参照されずに変動時間が決定される。
メイン側演出選択用乱数範囲は、リーチ判定用乱数範囲、変動時間及び演出内容に対応するメイン側演出選択用乱数の範囲を規定する。メイン側演出選択用乱数値は、それぞれの遊技状態において遊技球が第1,第2始動口34,35に入賞したときに、メイン側演出選択用カウンタから抽出される。本実施形態のメイン側演出選択用カウンタから抽出されるメイン側演出選択用乱数値は、0〜99に設定されている。
例えば、通常遊技状態中に変動時間として20000msec(演出内容としてノーマルリーチ)を決定するメイン側演出選択用乱数範囲は、0〜59に規定されている。したがって、遊技状態が通常遊技状態であり、リーチ判定用乱数値として「1」が抽出され、メイン側演出選択用乱数値として「1」が抽出された場合は、変動時間として20000msec(演出内容としてノーマルリーチ)が決定される。
変動パターンは、演出内容を表すデータである。例えば、変動パターン02Hは、ノーマルリーチを表す。変動パターンコマンドは、当落、変動時間及び演出内容を表すデータであり、主制御回路70から副制御回路200へ送信される。なお、変動パターンコマンドが主制御回路70から副制御回路200へ送信されるとき、遊技状態を特定するパラメータも副制御回路200へ送信される。
[特別図柄変動パターン決定テーブル(大当り用)]
次に、特別図柄変動パターン決定テーブル(大当り用)について、図35を参照して説明する。
特別図柄変動パターン決定テーブル(大当り用)は、特別図柄ゲームにおいて大当りが当選した場合に参照される。この特別図柄変動パターン決定テーブル(大当り用)は、遊技状態と、大当り種別と、演出選択用乱数値と、変動パターンと、変動パターンコマンドと、変動時間との関係を規定する。
特別図柄変動パターン決定テーブル(大当り用)における遊技状態の識別は、特別図柄変動パターン決定テーブル(ハズレ用)と同様である。大当り種別は、上述したように、16Rと、4Rの2通りである。大当り種別が参照される場合は、第1確変遊技状態の遊技回数が100G(ゲーム)であって転落当選時、又は、第2確変遊技状態の転落当選時である。
メイン側演出選択用乱数範囲、変動パターン、変動パターンコマンド、変動時間については、特別図柄変動パターン決定テーブル(ハズレ用)と同様である。
例えば、第1確変遊技状態中の100G以上であって転落当選時、且つ、大当りの種別が4Rであった場合は、メイン側演出選択用乱数値が0〜99のいずれであっても、変動時間として65010msec(演出内容として一旦転落再変動大当り)が決定される。この一旦転落再変動大当りの演出内容については、後で図81を参照して説明する。
[大当り乱数取得時保留演出選択テーブル]
次に、大当り乱数取得時保留演出選択テーブルについて、図36を参照して説明する。
大当り乱数取得時保留演出選択テーブルは、大当り判定用カウンタから抽出した大当り判定用乱数値が大当りの当選に対応する乱数値である場合に参照される。この大当り乱数取得時保留演出選択テーブルは、保留演出選択用乱数範囲と、演出内容との関係を規定する。
保留演出選択用乱数範囲は、演出内容に対応する保留演出選択用乱数の範囲を規定する。保留演出選択用乱数値は、遊技球が第1,第2始動口34,35に入賞したときに、保留演出選択用カウンタから抽出される。本実施形態の保留演出選択用カウンタから抽出される保留演出選択用乱数値は、0〜99に設定されている。
例えば、大当りの当選に対応する大当り判定用乱数値が抽出され、保留演出選択用乱数値として、「51」が抽出された場合は、保留演出の内容として、大当り確定時大当り予告演出が決定される。保留演出とは、特別図柄ゲームに関する保留個数を表示装置13の表示領域13aに表示し、その表示態様を変化させて行う演出である。
大当り確定時大当り予告演出は、大当り予告を行う演出であり、大当り確定時転落予告演出は、偽の転落予告を行う演出である。
なお、大当り確定時転落予告演出は、第1確変遊技状態中の100G以上と、第2確変遊技状態中に決定され、それ以外の状態では当選しても無効になる。
[ハズレ乱数取得時保留演出選択テーブル]
次に、ハズレ乱数取得時保留演出選択テーブルについて、図37を参照して説明する。
ハズレ乱数取得時保留演出選択テーブルは、大当り判定用カウンタから抽出した大当り判定用乱数値が大当りの当選に対応する乱数値ではない(ハズレの当選に対応する乱数値である)場合に参照される。このハズレ乱数取得時保留演出選択テーブルは、保留演出選択用乱数範囲と、演出内容との関係を規定する。
保留演出選択用乱数範囲は、演出内容に対応する保留演出選択用乱数の範囲を規定する。
例えば、ハズレの当選に対応する大当り判定用乱数値が抽出され、保留演出選択用乱数値として、「76」が抽出された場合は、保留演出の内容として、ハズレ確定時大当り予告演出が決定される。ハズレ確定時大当り予告演出は、偽の大当り予告を行う演出であり、ハズレ確定時転落予告演出は、偽の転落予告を行う演出である。
なお、ハズレ確定時転落予告演出は、第1確変遊技状態中の100G以上と、第2確変遊技状態中に決定され、それ以外の状態では当選しても無効になる。
[転落乱数取得時保留演出選択テーブル]
次に、転落乱数取得時保留演出選択テーブルについて、図38を参照して説明する。
転落乱数取得時保留演出選択テーブルは、転落判定用カウンタから抽出した乱数値が転落の当選に対応する乱数値である場合に参照される。この転落乱数取得時保留演出選択テーブルは、保留演出選択用乱数範囲と、演出内容との関係を規定する。
保留演出選択用乱数範囲は、演出内容に対応する保留演出選択用乱数の範囲を規定する。
例えば、転落の当選に対応する乱数値が転落判定用カウンタから抽出された場合は、保留演出選択用乱数値がいずれであっても、保留演出の内容として、転落確定時転落予告演出が決定される。転落確定時転落予告演出は、転落を予告する演出である。この転落確定時転落予告演出は、第1確変遊技状態中の100G以上と、第2確変遊技状態中に決定され、それ以外の状態では当選しても無効になる。
なお、大当り判定用カウンタと転落判定用カウンタは、独立して設けられている。そのため、大当り判定用カウンタから大当りの当選に対応する大当り判定用乱数値が抽出され、転落判定用カウンタから転落の当選に対応する転落判定用乱数値が抽出されることがある。この場合は、転落乱数取得時保留演出選択テーブルにより決定する保留演出を優先する。
<プログラムROMに記憶されているデータテーブルの構成>
次に、副制御回路200のプログラムROM202に記憶されている各種データテーブルの構成について、図39〜図43を参照して説明する。
[サブ演出内容決定テーブル(ハズレ用)]
次に、サブ演出内容決定テーブル(ハズレ用)について、図39を参照して説明する。
サブ演出内容決定テーブル(ハズレ用)は、主制御回路70から副制御回路200へ送信される変動パターンコマンドにおける当落の内容がハズレの場合に参照される。
サブ演出内容決定テーブル(ハズレ用)は、主制御回路70から副制御回路200へ送信される変動パターンコマンドと、サブ側演出選択用乱数範囲と、演出ステージと、サブ演出内容との関係を規定する。
サブ側演出選択用乱数範囲は、変動パターンコマンド(変動パターン、メイン変動時間及びメイン演出内容を含む)及びサブ演出内容に対応するサブ側演出選択用乱数の範囲を規定する。サブ側演出選択用乱数値は、遊技球が第1,第2始動口34,35に入賞したときに、サブ側演出選択用カウンタから抽出される。本実施形態のサブ側演出選択用カウンタから抽出されるサブ側演出選択用乱数値は、0〜99に設定されている。
演出ステージは、各遊技状態に応じて設けられており、演出の構成を異ならせるために用いられている。例えば、各ステージは、例えば、表示装置13の表示領域13aに表示される背景が異なる。通常遊技状態では、通常ステージ1又は通常ステージ2が実行される。
また、第1確変遊技状態に移行後において、特別図柄ゲームの遊技回数が1G〜99Gでは、第1確変専用ステージが実行され、特別図柄ゲームの遊技回数が100G以上では、第1確変専用特殊ステージが実行される。
例えば、通常遊技状態における変動パターンコマンドが「83H02H」であって、サブ側演出選択用乱数値として「1」が抽出された場合は、サブ演出内容としてノーマルリーチ1(ハズレ)が決定される。具体的には、通常ステージ1の場合に通常ステージ1用ノーマルリーチ1(ハズレ)が決定され、通常ステージ2の場合に通常ステージ2用ノーマルリーチ1(ハズレ)が決定される。
また、第1確変遊技状態に移行後の30G目の変動パターンコマンドが「83H06H」の場合は、抽出されたサブ側演出選択用乱数値が0〜99のいずれであっても、第1確変専用ステージ用短縮変動演出Bが決定される。
保留されている特別図柄ゲームに対応する演出として、第1確変専用ステージ用短縮変動演出Bが2回以上連続で決定され、且つ、連続する第1確変専用ステージ用短縮変動演出Bの後にリーチに関する演出が決定されることがある。この場合には、第1確変専用ステージ用短縮変動演出Bの演出がカウント演出に変更される。カウント演出については、後で図82を参照して説明する。
[サブ演出内容決定テーブル(大当り用)]
次に、サブ演出内容決定テーブル(大当り用)について、図40を参照して説明する。
サブ演出内容決定テーブル(大当り用)は、主制御回路70から副制御回路200へ送信される変動パターンコマンドにおける当落の内容が当りの場合に参照される。
サブ演出内容決定テーブル(大当り用)は、主制御回路70から副制御回路200へ送信される変動パターンコマンドと、サブ側演出選択用乱数範囲と、演出ステージと、サブ演出内容との関係を規定する。
例えば、通常遊技状態における変動パターンコマンドが「83H12H」であって、サブ側演出選択用乱数値として「1」が抽出された場合は、サブ演出内容としてノーマルリーチ1(当り)が決定される。具体的には、通常ステージ1の場合に通常ステージ1用ノーマルリーチ1(当り)が決定され、通常ステージ2の場合に通常ステージ2用ノーマルリーチ1(当り)が決定される。
[サブ保留演出選択テーブル]
次に、サブ保留演出選択テーブルについて、図41を参照して説明する。
サブ保留演出選択テーブルは、演出ステージと、メイン決定内容と、サブ演出内容決定乱数範囲と、サブ演出内容との関係を規定する。
メイン決定内容は、大当り乱数取得時保留演出選択テーブル(図36参照)、ハズレ乱数取得時保留演出選択テーブル(図37参照)及び転落乱数取得時保留演出選択テーブル(図38参照)を参照して決定された演出内容である。
サブ演出内容決定乱数範囲は、サブ演出内容に対応するサブ演出内容決定乱数の範囲を規定する。サブ演出内容決定乱数値は、例えば、大当り乱数取得時保留演出選択テーブル等を参照して演出内容が決定されたときに、サブ演出内容決定用カウンタから抽出され、ワークRAM203に格納される。本実施形態のサブ演出内容決定用カウンタから抽出されるサブ演出内容決定乱数値は、0〜99に設定されている。
例えば、演出ステージが通常ステージ1,2であってメイン決定内容が大当り確定時大当り予告演出の場合に、サブ演出内容決定乱数値として「1」が抽出されると、サブ演出内容として「青保留」が決定される。本実施形態では、特別図柄ゲームに係る保留がある場合に、保留を表す図柄(保留図柄)を保留の個数分だけ表示領域13aに表示する。そして、サブ演出内容(保留演出)として保留図柄の色を変化させ、大当り図柄が停止表示される期待値を、保留図柄の色の種類によって表現する。
保留図柄は、本発明の遊技機に係る保留表示情報の一具体例を示す。
演出ステージが第1確変専用特殊ステージ又は第2確変専用ステージであってメイン決定内容が転落確定時転落予告演出の場合は、サブ演出内容決定乱数値が0〜99のいずれであっても、サブ演出内容として「デンジャー保留」が決定される。本実施形態のデンジャー保留とは、保留図柄を変化させて、転落を示唆する演出である。
本実施形態では、第1確変専用特殊ステージ又は第2確変専用ステージにおいて転落が当選すると、転落を示唆する保留演出を必ず行う。しかし、本発明に係るパチンコ遊技機としは、転落を示唆する保留演出を行わないで転落(第1,第2確変遊技状態を終了)する構成であってもよい。
演出ステージが第1確変専用特殊ステージ又は第2確変専用ステージであってメイン決定内容が大当り確定時転落予告演出の場合は、サブ演出内容決定乱数値が0〜99のいずれであっても、サブ演出内容として「デンジャー保留」が決定される。この場合は、転落を示唆する保留演出を行うが、その転落を示唆した保留に対応する特別図柄ゲームでは、大当りを報知する演出(逆転する演出)が行われる。そのため、転落を示唆する保留演出を行っても、遊技者にその後の逆転を期待させることができる。
第1確変専用ステージは、第1確変遊技状態の1G〜99G、又は時短遊技状態中に実行される。すなわち、第1確変専用ステージは、第1確変遊技状態に移行後の1G〜99Gにおいて実行される。そして、第1確変専用ステージの33G,66Gの演出では、第1確変遊技状態の継続又は転落を示唆し、99Gでは、第1確変遊技状態の継続又は転落を報知する演出を行う。これにより、遊技者は、第1確変専用ステージの99Gが終了するまで、第1確変遊技状態が継続していることを期待しながら遊技を行うことができる。そのため、第1確変専用ステージでは、サブ演出内容(保留演出)として転落予告の保留図柄(デンジャー保留)を表示しない。
[第1確変遊技状態33G目継続抽選テーブル]
次に、第1確変遊技状態33G目継続抽選テーブルについて、図42を参照して説明する。
第1確変遊技状態33G目継続抽選テーブルは、第1確変遊技状態に移行後の33Gに対応する特別図柄始動入賞(遊技球が第1,第2始動口34,35に入賞)があった場合に参照される。
第1確変遊技状態33G目継続抽選テーブルは、33G目開始時の遊技状態と、33G目開始前の演出ステージと、ステージ抽選用乱数範囲と、演出内容と、34G目からの演出ステージとの関係を規定する。
ステージ抽選用乱数範囲は、演出内容及び34G目からの演出ステージに対応するステージ抽選用乱数の範囲を規定する。ステージ抽選用乱数値は、例えば、第1確変遊技状態の33Gに対応する特別図柄始動入賞があった場合に、ステージ抽選用カウンタから抽出され、ワークRAM203に格納される。本実施形態のステージ抽選用カウンタから抽出されるステージ抽選用乱数値は、0〜99に設定されている。
演出内容は、表示装置13を用いた演出として、継続及び終了を規定している。演出内容として継続が決定されると、33G目開始前の演出ステージの継続を示唆する画像が表示装置13の表示領域13aに表示される。そして、33G目開始前の演出ステージである第1確変状態専用ステージAが、34G目以降も継続される。
演出内容として終了が決定されると、33G目開始前の演出ステージの終了を示唆する画像が表示装置13の表示領域13aに表示される。そして、33G目開始前の演出ステージである第1確変状態専用ステージAが終了し、34G目以降は、第1確変専用ステージBが実行される。
第1確変専用ステージは、第1確変専用ステージAと、第1確変専用ステージBから構成されている。第1確変専用ステージAは、第1確変遊技状態の継続を示唆し、第1確変専用ステージBは、第1確変遊技状態の転落を示唆する。
第1確変遊技状態に移行後の33G目開始時の遊技状態が時短遊技状態である場合は、1G〜33Gの開始までの間に行われた転落抽選において、転落が当選している。したがって、33G目開始時の遊技状態が時短遊技状態である場合は、ステージ抽選用乱数値が0〜99のいずれでも、演出内容として「終了」が決定される。
また、第1確変遊技状態に移行後の33G目開始時の遊技状態が第1確変遊技状態である場合は、1G〜33Gの開始までの間に行われた転落抽選において、転落が当選していない。しかし、33G目開始時の遊技状態が第1確変遊技状態であっても、例えば、ステージ抽選用乱数値として「91」が抽出された場合は、演出内容として「終了」が決定される。
これにより、実際は転落していなくても(第1確変遊技状態が継続されていても)、34G目以降の演出ステージは、転落を示唆する第1確変専用ステージBに変更される。その結果、実際は転落(第1確変遊技状態が終了)していないのに転落したように見せかけることができる。
[第1確変遊技状態66G目継続抽選テーブル]
次に、第1確変遊技状態66G目継続抽選テーブルについて、図43を参照して説明する。
第1確変遊技状態66G目継続抽選テーブルは、第1確変遊技状態に移行後の66Gに対応する特別図柄始動入賞(遊技球が第1,第2始動口34,35に入賞)があった場合に参照される。
第1確変遊技状態66G目継続抽選テーブルは、66G目開始時の遊技状態と、66G目開始前の演出ステージと、ステージ抽選用乱数範囲と、演出内容と、67G目からの演出ステージとの関係を規定する。
演出内容は、表示装置13を用いた演出として、継続、終了及び復活を規定している。演出内容として継続が決定されると、66G目開始前の演出ステージの継続を示唆する画像が表示装置13の表示領域13aに表示される。そして、66G目開始前の演出ステージが67G目以降も継続される。
演出内容として復活が決定されると、33G目開始前の演出ステージが復活することを示唆する画像が表示装置13の表示領域13aに表示される。そして、66G目開始前の演出ステージである第2確変状態専用ステージBが終了し、67G目以降は、第1確変専用ステージAが実行される。
また、演出内容として終了が決定されると、66G目開始前の演出ステージの終了を示唆する画像が表示装置13の表示領域13aに表示される。そして、66G目開始前の演出ステージである第1確変状態専用ステージAが終了し、67G目以降は、第1確変専用ステージBが実行される。
第1確変遊技状態に移行後の66G目開始時の遊技状態が第1確変遊技状態であって、66G目開始前の演出ステージが第1確変専用ステージAであった場合に、ステージ抽選用乱数値として「96」が抽出されると、演出内容として「終了」が決定される。これにより、実際は転落していなくても(第1確変遊技状態が継続されていても)、67G目以降の演出ステージは、転落を示唆する第1確変専用ステージBに変更される。
なお、実際は転落していなくても67G目以降の演出ステージが第1確変専用ステージBに変更される確率(1/20)は、実際は転落していなくても34G目以降の演出ステージが第1確変専用ステージBに変更される確率(1/10)よりも低い。
第1確変遊技状態に移行後の66G目開始時の遊技状態が第1確変遊技状態であって、66G目開始前の演出ステージが第1確変専用ステージBであった場合は、ステージ抽選用乱数値が0〜99のいずれであっても、演出内容として「復活」が決定される。これにより、67G目以降の演出ステージは、第1確変専用ステージBから第1確変専用ステージAに変更される。
すなわち、実際は転落していなくても34G目以降の演出ステージが第1確変専用ステージBに変更され、その後、66G開始時まで転落していない場合は、転落していないことを示唆する第1確変専用ステージAに必ず復帰する。これにより、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に復活したような演出効果を実現することができ、遊技の興趣を高めることができる。
[第1確変遊技状態に移行後の演出遷移]
次に、第1確変遊技状態に移行後の表示装置13を用いた演出の遷移について、図44を参照して説明する。
図44に示すように、第1確変遊技状態に移行後の1G目〜32G目までは、第1確変専用ステージAにおいて特定の演出が実行される。
33G目は、確変状態が転落しているか否かを示唆するジャッジメント演出が実行される。33G目のジャッジメント演出において成功が表現されると、34G目〜65G目までは、第1確変専用ステージAにおいて特定の演出が実行される。この場合は、第1確変遊技状態から転落していない。
一方、33G目のジャッジメント演出において失敗が表現されると、34G目〜65G目までは、第1確変専用ステージBにおいて時短中演出が実行される。時短中演出の実行中は、第1確変遊技状態から転落していない場合と、第1確変遊技状態から転落している場合がある。
66G目は、確変状態が転落しているか否かを示唆するジャッジメント演出が実行される。66G目のジャッジメント演出において成功が表現されると、67G目〜98G目までは、第1確変専用ステージAにおいて特定の演出が実行される。この場合は、第1確変遊技状態から転落していない。
一方、66G目のジャッジメント演出において失敗が表現されると、67G目〜98G目までは、第1確変専用ステージBにおいて時短中演出が実行される。時短中演出の実行中は、第1確変遊技状態から転落していない場合と、第1確変遊技状態から転落している場合がある。
99G目は、確変状態が転落しているか否かを示唆するジャッジメント演出が実行される。99G目のジャッジメント演出において成功が表現されると、100G目以降の特別図柄ゲームは、第1確変専用特殊ステージにおいて特別演出が実行される。つまり、99G目までに第1確変遊技状態から転落していなければ、99G目のジャッジメント演出において必ず成功が表現される。
一方、99G目のジャッジメント演出において失敗が表現されると、100G目以降の特別図柄ゲームでは、通常遊技状態(通常ステージ1,2)における演出が実行される。つまり、99G目までに第1確変遊技状態から転落していれば、99G目のジャッジメント演出において必ず失敗が表現される。
なお、100G目以降の特別図柄ゲームにおいて、転落が当選した場合は、その転落が当選した特別図柄ゲームに対応する特別演出において転落を報知する。そして、転落が当選した特別図柄ゲームの次の特別図柄ゲームでは、通常遊技状態(通常ステージ1,2)における演出が実行される。
本実施形態では、33G目と、66G目と、99G目に確変状態が転落しているか否かを示唆するジャッジメント演出を実行するため、第1確変遊技状態に移行後の99Gの遊技が単調にならないようにすることができる。また、ジャッジメント演出において、確変転落の非当選を示唆する成功が表現されると、それまでのゲームにおいて転落が当選していないことを遊技者に認識させることができるため、遊技者の期待感を継続させることができる。
また、本実施形態では、33G目と66G目のジャッジメント演出において成功が表現されると、その後、第1確変専用ステージAにおいて特定の演出が実行される。したがって、第1確変専用ステージAにおいて特定の演出が行われる間は、確変遊技状態が継続されている可能性が高いことを遊技者に認識させることができる。
また、本実施形態における99G目のジャッジメント演出において成功が表現されると、100G目以降の特別図柄ゲームは、第1確変専用特殊ステージにおいて特別演出が実行される。これにより、転落が当選した場合に確変遊技状態(時短)が終了する状態になったことを、遊技者に認識させることができる。
<主制御回路の動作説明>
次に、図45〜図62を参照して、主制御回路70のメインCPU71により実行されるプログラムの内容について説明する。
[メイン処理]
まず、メインCPU71の制御によるメイン処理について、図45及び図46を参照して説明する。
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、はじめに、メインCPU71は、ウォッチドッグタイマのディセーブル処理を行う(S1)。この処理では、ウォッチドッグタイマの値をリセットする。
次に、メインCPU71は、入出力ポートの設定処理を行う(S2)。続いて、メインCPU71は、電断検知状態であるか否かを判別する(S3)。この処理において、メインCPU71は、電断検知信号がHI(高レベル)であるか否かを判別する。そして、電断検知信号がHIである場合には電断検知状態であると判別し、電断検知信号がHIでない場合には電断検知状態でないと判別する。
S3の処理において電断検知状態である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、S3の処理を繰り返す。一方、S3の処理において電断検知状態ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、サブ制御受信受付ウェイト処理を行う(S4)。この処理において、メインCPU71は、副制御回路200が信号を受け付けるようになるまで待機する処理を行う。
次に、メインCPU71は、RAMの書き込み許可を行う(S5)。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73への書き込みを許可する処理を行う。続いて、メインCPU71は、バックアップクリアスイッチ121(図31参照)がオンであるか否かを判別する(S6)。
S6の処理において、バックアップクリアスイッチ121がオンではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、電断検知フラグがあるか否かを判別する(S7)。電断検知フラグがある(YES)と判別したとき、メインCPU71は、作業損傷チェック値を算出する(S8)。この処理において、メインCPU71は、作業領域の損傷チェックを行い、作業損傷チェック値を算出する。
次に、メインCPU71は、作業損傷チェック値が正常値か否かを判別する(S9)。そして、作業損傷チェック値が正常値である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、スタックポインタに7FFEHを設定する(S10)。続いて、メインCPU71は、復電時の作業領域の初期設定を行う(S11)。
次に、メインCPU71は、復電時の高確率遊技状態表示報知処理を行う(S12)。この処理において、メインCPU71は、復電時の遊技状態が特別図柄ゲームの大当り確率が高確率の遊技状態(第1,第2確変遊技状態)である場合に、復電時に高確率状態であることを報知する表示を表示装置13の表示領域13aに表示させるようにする。なお、報知する表示は、電源投入(復電)後の最初の変動開始又は変動終了時に終了する構成としてもよい。
続いて、メインCPU71は、復電時のコマンドをセットする(S13)。この処理において、メインCPU71は、電断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドをメインRAM73に格納する。メインRAM73に格納された電断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドは、その後、副制御回路200に送信される。
次に、メインCPU71は、CPU周辺デバイスの初期設定を行う(S14)。この処理が終了すると、プログラムアドレスが電断前のアドレスに復帰する。つまり、すなわちスタックエリアより復帰されたプログラムカウンタが示すプログラムアドレスへ復帰する。
S6の処理でバックアップクリアスイッチ121がオンである(YES)と判別したとき、S7の処理で電断検知フラグが無い(NO)と判別したとき、又はS9の処理で作業損傷チェック値が正常値ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、スタックポインタに8000Hを設定する(S15)。
次に、メインCPU71は、大当り判定関連の乱数の初期値を取得する(S16)。続いて、メインCPU71は、全作業領域をクリアする(S17)。そして、メインCPU71は、大当り判定関連の乱数の初期値を設定する(S18)。
その後、メインCPU71は、RAMの初期化時の作業領域の初期設定を行う(S19)。続いて、メインCPU71は、RAMの初期化時のコマンドをセットする(S20)。すなわち、RAMの初期化時のコマンドをメインRAM73に格納する。メインRAM73に格納されたRAMの初期化時のコマンドは、その後、副制御回路200に送信される。
次に、メインCPU71は、CPU周辺デバイスの初期設定を行う(S21)。そして、システムタイマ割込処理を禁止する(S22)。システムタイマ割込処理については、後で図58を参照して説明する。
続いて、メインCPU71は、初期値乱数を更新する(S23)。すなわち、初期乱数カウンタ値を更新する。その後、メインCPU71は、システムタイマ割込処理を許可する(S24)。次に、メインCPU71は、演出用乱数を更新する(S25)。すなわち、演出用乱数カウンタ値を更新する。
次に、メインCPU71は、メインRAM73に記憶されるシステムタイマ監視タイマ値を参照し、システムタイマ監視タイマ値が3以上であるか否かを判別する(S26)。システムタイマ監視タイマ値が3以上である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、システムタイマ監視タイマの値を3減算する(S27)。
その後、メインCPU71は、特別図柄制御処理を行う(S28)。この処理において、メインCPU71は、第1始動口スイッチ116、第2始動口スイッチ117からの検知信号に応じて、大当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値を抽出する。そして、メインROM72に記憶された当り判定テーブルを参照して特別図柄抽選を行う。続いて、特別図柄抽選において大当りに当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM73に格納する。
次に、メインCPU71は、普通図柄制御処理を行う(S29)。この処理において、メインCPU71は、通過ゲートスイッチ115からの検知信号に応じて、乱数値を抽出する。そして、メインROM72に記憶された普通図柄当選テーブルを参照し、普通図柄抽選を行う。続いて、普通図柄抽選において当りに当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM73に格納する。なお、普通図柄抽選において当りに当選した場合は、普通電動役物36が開放状態となり、第2始動口35に遊技球が入賞(入球)し易くなる。
次に、メインCPU71は、図柄表示装置制御処理を行う(S30)。この処理において、メインCPU71は、第1特別図柄表示装置62a又は第2特別図柄表示装置62bと、普通図柄表示装置63とを駆動するための制御信号をメインRAM73に格納する。この制御信号は、S28,S29の処理でメインRAM73に記憶した特別図柄制御処理の結果と、普通図柄制御処理の結果に基づいて生成される。
その後、メインCPU71は、メインRAM73に記憶した制御信号を特別図柄表示装置62及び普通図柄表示装置63に送信する。第1特別図柄表示装置62a又は第2特別図柄表示装置62bは、受信した制御信号に基づいて特別図柄を変動表示させ、その後、停止表示させる。普通図柄表示装置63は、受信した制御信号に基づいて普通図柄を変動表示させ、その後、停止表示させる。
次に、メインCPU71は、遊技情報データ生成処理を行う(S31)。この処理において、メインCPU71は、台コンピュータ又はホールコンピュータに送信するための遊技情報信号に関するデータを生成し、メインRAM73に格納する。
続いて、メインCPU71は、図柄保留個数データ生成処理を行う(S32)。この処理において、メインCPU71は、第1特別図柄保留表示LED65a,65b、第2特別図柄保留表示LED65c,65d及び普通図柄保留表示LED67a,67bを駆動するための制御信号をメインRAM73に格納する。この制御信号は、第1始動口スイッチ116、第2始動口スイッチ117及び通過ゲートスイッチ115からの検知信号や、特別図柄及び普通図柄の変動表示の実行に応じて更新される保留個数データの更新結果に基づいて生成される。
次に、メインCPU71は、ポート出力処理を行う(S33)。この処理において、メインCPU71は、上記のS30,S31,S32の処理などでメインRAM73に格納された制御信号を各ポートより出力する。具体的には、LED点灯のためのLED電源(コモン信号)や第1,第2大入賞口44,45の開閉や普通電動役物36の開閉を行うソレノイドアクチュエータに電源を供給する。
その後、メインCPU71は、入賞口関連コマンド制御処理を行う(S34)。続いて、メインCPU71は、払出処理を行う(S35)。この処理において、メインCPU71は、第1大入賞口44、第2大入賞口45、第1始動口34、第2始動口35、一般入賞口41,42,43に遊技球が入賞したか否かのチェックを行う。そして、入賞があった場合、それぞれに対応する払出要求コマンドを払出・発射制御回路123に送信する。
[特別図柄制御処理]
次に、メイン処理(図46参照)のS28において行われる特別図柄制御処理について、図47を参照して説明する。
はじめに、メインCPU71は、メインRAM73に記憶された制御状態フラグをロードする(S41)。すなわち、メインCPU71は、メインRAM73から制御状態フラグを読み出す。
図47において、S42からS49の下方に示した数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを表している。この制御状態フラグは、メインRAM73における制御状態フラグとして機能する記憶領域に記憶されている。メインCPU71は、制御状態フラグの数値に対応する各ステップを実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
メインCPU71は、制御状態フラグの値に基づいて、S42〜S49の各種の処理を実行するか否かを判定する。制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS42からステップS49の処理のいずれかを実行可能にするものである。
また、メインCPU71は、S42〜S49の各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで、各ステップの処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各ステップの処理を実行せずに、他のサブルーチンを実行する。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
S41の処理が終了すると、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を行う(S42)。この処理において、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理を示す値「01H」を制御状態フラグにセットする。そして、転落判定、当り判定、特別図柄の決定、特別図柄の変動パターンの決定、特別図柄の変動時間の決定等を行う。
次に、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を行う(S43)。この処理において、メインCPU71は、特別図柄の変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値「02H」を制御状態フラグにセットする。
次に、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を行う(S44)。この処理において、メインCPU71は、当り判定の結果が大当りである場合に、当り開始インターバル管理を示す値「03H」を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU71は、当り判定の結果が大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値「07H」を制御状態フラグにセットする。
次に、メインCPU71は、当り開始インターバル管理処理を行う(S45)。この処理において、メインCPU71は、当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放中を示す値「04H」を制御状態フラグにセットする。
次に、メインCPU71は、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う(S46)。この処理において、メインCPU71は、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放中を示す値「04H」を制御状態フラグにセットする。
次に、メインCPU71は、大入賞口開放処理を行う(S47)。この処理において、メインCPU71は、大入賞口開放回数が上限値に達していない場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値「05H」を制御状態フラグにセットする。また、大入賞口開放回数が上限値に達すると、当り終了インターバルを示す値「06H」を制御状態フラグにセットする。
次に、メインCPU71は、当り終了インターバル処理を行う(S48)。この処理において、メインCPU71は、当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値「07H」を制御状態フラグにセットする。
次に、メインCPU71は、特別図柄ゲーム終了処理を行う(S49)。この処理において、メインCPU71は、特別図柄記憶チェックを示す値「00H」を制御状態フラグにセットする。
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行される。具体的には、大当り遊技状態ではない場合であって当り判定の結果がハズレであるときに、メインCPU71は、制御状態フラグを「00H」、「01H」、「02H」、「07H」の順にセットする。これにより、メインCPU71は、S42、S43、S44、S49の処理を所定のタイミングで実行する。
また、大当り遊技状態ではない場合であって当り判定の結果が大当りであるときに、メインCPU71は、制御状態フラグを「00H」、「01H」、「02H」、「03H」の順にセットする。これにより、メインCPU71は、S42、S43、S44、S45の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技状態への制御を実行する。
そして、大当り遊技状態への制御を実行する場合に、メインCPU71は、制御状態フラグを「04H」、「05H」の順にセットする。これにより、メインCPU71は、S47、S46の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技を実行する。
また、大当り遊技の終了条件が成立した場合に、メインCPU71は、「04H」、「06H」、「07H」の順にセットする。これにより、メインCPU71は、ステップS46、ステップS48、ステップS49の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技を終了する。
上述したように、特別図柄制御処理は、ステータスに応じて処理を分岐させている。また、詳述しないが、普通図柄制御処理(図46のS29)についても、特別図柄制御処理と同様に、ステータスに応じて処理を分岐させている。
本実施形態のプログラムは、ステータスに応じて処理を分岐させて行う場合のコール命令で、小モジュールから親モジュールへの純粋な戻り処理が可能なように、プログラミングされている。その結果、ジャンプテーブルを配置する場合と比較して、プログラムの容量を削減することができる。
[特別図柄記憶チェック処理]
次に、特別図柄制御処理(図47参照)のS42において行われる特別図柄記憶チェック処理について、図48を参照して説明する。
はじめに、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値である「00H」であるか否かを判別する(S61)。制御状態フラグが「00H」ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了し、処理を特別図柄制御処理に移す。
S61の処理において制御状態フラグが「00H」であると判別したとき、メインCPU71は、特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する(S62)。
S62の処理において、メインCPU71は、メインRAM73に設けられた第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別する。各第1特別図柄始動記憶領域又は各第2特別図柄始動記憶領域にデータが記憶されていれば、メインCPU71は、特別図柄ゲームの始動記憶があると判別する。一方、いずれの特別図柄始動記憶領域にもデータが記憶されていなければ、メインCPU71は、特別図柄ゲームの始動記憶が無いと判別する。
第1特別図柄始動記憶領域(0)には、変動中の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。そして、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。
第2特別図柄始動記憶領域(0)には、変動中の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。そして、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。
第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)及び第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)は、本発明の遊技機に係る保留情報記憶手段の一具体例を示すものである。また、第1特別図柄始動記憶領域(0)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)に特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶されることは、本発明の遊技機における抽選開始条件が成立したことの一具体例を示す。
S62の処理において、特別図柄ゲームの始動記憶が無い(NO)と判別したとき、メインCPU71は、デモ表示処理を行う(S63)。その後、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了し、処理を特別図柄制御処理に移す。
デモ表示処理において、メインCPU71は、メインRAM73にデモ表示許可値をセットする。つまり、メインCPU71は、特別図柄ゲームの始動記憶(大当り判定用乱数値が記憶されている特別図柄始動記憶領域)が0になった状態が所定時間(例えば、30秒)維持されると、デモ表示許可値として所定値をセットする。
また、メインCPU71は、デモ表示許可値が所定値であった場合に、デモ表示コマンドデータをメインRAM73にセットする。デモ表示コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。副制御回路200は、デモ表示コマンドデータを受信すると、表示装置13の表示領域13aにデモ画面を表示させる。
S62の処理において、特別図柄ゲームの始動記憶がある(YES)と判別したとき、メインCPU71は、最先の保留が第2特別図柄に対応する始動記憶であるか否かを判別する(S64)。最先の保留が第2特別図柄に対応する始動記憶である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、変動状態番号として「02H」をメインRAM73の所定領域にセットする(S65)。「02H」は、現在、第2特別図柄が変動していることを示す値である。
S62の処理において、特別図柄ゲームの始動記憶が無い(NO)と判別したとき、メインCPU71は、変動状態番号として「01H」をメインRAM73の所定領域にセットする(S66)。「01H」は、現在、第1特別図柄が変動していることを示す値である。
S65の処理の後、又はS66の処理の後に、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理を示す値「01H」を制御状態フラグにセットする(S67)。次に、メインCPU71は、特別図柄記憶転送処理を行う(S68)。
特別図柄記憶転送処理において、メインCPU71は、変動表示させる特別図柄が第1特別図柄の場合に、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータのそれぞれを、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフト(記憶)する。また、変動表示させる特別図柄が第2特別図柄の場合に、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータのそれぞれを、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフト(記憶)する。
次に、メインCPU71は、転落判定処理を行う(S69)。この処理において、メインCPU71は、転落抽選を行う。転落抽選は、転落判定用カウンタから乱数値を抽出して、転落の当選又は非当選を決定する抽選である。
次に、メインCPU71は、大当り判定処理を行う(S70)。この大当り判定処理は、本発明の遊技機に係る大当り抽選手段に相当する。この処理において、メインCPU71は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、複数の当り判定テーブルから1つの当り判定テーブルを選択する。複数の当り判定テーブルは、大当りとなる判定値(大当り判定値)の個数が異なる。
メインCPU71は、高確率フラグが所定の値である場合に、大当り判定値の数が多い高確率用の当り判定テーブルを選択し、高確率フラグが所定の値でない場合に、大当り判定値の数が少ない通常用の当り判定テーブルを選択する。これにより、遊技状態フラグが所定の値である場合、つまり遊技状態が高確率状態(確変遊技状態)である場合は、低確率状態(通常遊技状態、時短遊技状態)である場合よりも、大当り遊技状態に移行する確率が高くなる。
その後、メインCPU71は、特別図柄始動入賞時に抽出され、且つ、第1特別図柄始動記憶領域(0)と第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた大当り判定用乱数値と、選択した当り判定テーブルとを参照する。そして、メインCPU71は、大当り判定用乱数値と大当り判定値が一致している場合に、大当りであると判定する。
次に、メインCPU71は、特別図柄決定処理を行う(S71)。この処理において、メインCPU71は、当り判定の結果が大当りの場合に、特別図柄として大当り図柄を決定する。一方、メインCPU71は、当り判定の結果が大当りではない場合(ハズレの場合)に、特別図柄としてハズレ図柄を決定する。
次に、メインCPU71は、特別図柄変動パターン決定処理を行う(S72)。この処理において、メインCPU71は、ステップS70の処理において決定された大当り判定の結果に基づいて、特別図柄変動パターン決定テーブル(図34及び図35参照)を選択する。そして、メインCPU71は、選択した特別図柄変動パターン決定テーブルを参照し、遊技状態、メイン側演出選択用乱数値(リーチ判定用乱数値)に基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM73の所定領域に格納する。
メインRAM73に格納された変動パターンを示すデータは、第1特別図柄表示装置62a又は第2特別図柄表示装置62bに供給される。これにより、第1特別図柄表示装置62a又は第2特別図柄表示装置62bは、決定された変動パターンで特別図柄を変動表示して、その後、S71の処理において決定された特別図柄を停止表示する。
また、メインRAM73に格納された変動パターンを示すデータは、変動パターンコマンドとして、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。副制御回路200のサブCPU201は、受信した変動パターンコマンドに基づいて演出表示の内容を決定し、その演出表示を実行する。
次に、メインCPU71は、特別図柄変動時間設定処理を行う(S73)。この処理において、メインCPU71は、決定した特別図柄の変動パターンに対応する変動時間を第1タイマにセットし、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする。本実施形態に係る第1タイマには、上述した特別図柄の変動パターンに対応する変動時間、変動開始待ち時間、当り開始インターバル時間、大入賞口開放時間、ラウンド間インターバル時間、当り終了インターバル時間等が適宜のタイミングでセットされる。
次に、メインCPU71は、特別図柄演出開始コマンドをメインRAM73にセットする(S74)。特別図柄演出開始コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。副制御回路200のサブCPU201は、受信した特別図柄演出開始コマンドに基づいて演出を開始する制御を行う。
次に、メインCPU71は、今回の変動表示に用いられた特別図柄始動記憶領域(0)の値をクリアする(S75)。S75の処理を終えると、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了し、処理を特別図柄制御処理に移す。
[転落判定処理]
次に、特別図柄記憶チェック処理(図48参照)のS69において行われる転落判定処理について、図49を参照して説明する。
なお、転落判定処理は、本発明の遊技機に係る転落抽選手段及び遊技状態移行手段に相当する。
はじめに、メインCPU71は、遊技状態はいずれかの確変遊技状態であるか否かを判別する(S81)。遊技状態はいずれかの確変遊技状態ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、転落判定処理を終了し、処理を特別図柄記憶チェック処理に移す。
S81の処理において、遊技状態はいずれかの確変遊技状態である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、転落抽選を行い、その結果が転落に当選したか否かを判別する(S82)。転落に当選していない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、転落判定処理を終了し、処理を特別図柄記憶チェック処理に移す。
S82の処理において、転落に当選した(YES)と判別したとき、メインCPU71は、遊技状態が第1確変遊技状態であるか否かを判別する(S83)。遊技状態が第1確変遊技状態である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、時短回数カウンタの値は「0」であるか否かを判別する(S84)。
S84の処理において時短回数カウンタの値は「0」であると判別したとき、又はS83の処理において遊技状態が第1確変遊技状態ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、確変遊技状態フラグをクリアし、通常遊技状態フラグをセットする(S85)。
第1確変遊技状態において時短回数カウンタの値が「0」のときは、第1確変遊技状態で99回目の特別図柄ゲームを開始したことになる。そして、1回目の特別図柄ゲーム〜99回目の特別図柄ゲームまでに転落に当選していれば、99回目の特別図柄ゲームを終了後、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に移行する。
また、遊技状態が第2確変遊技状態の場合は、転落に当選した特別図柄ゲーム終了後、遊技状態が第2確変遊技状態から通常遊技状態に移行する。
S84の処理において時短回数カウンタの値は「0」ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、第1確変遊技状態フラグをクリアし、時短遊技状態フラグをセットする(S86)。第1確変遊技状態において1回目の特別図柄ゲーム〜98回目の特別図柄ゲームまでに転落に当選していれば、遊技状態が第1確変遊技状態から時短遊技状態に移行する。
S86の処理の後、又はS85の処理の後、メインCPU71は、遊技状態移行コマンドをメインRAM73にセットする(S87)。遊技状態移行コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。副制御回路200のサブCPU201は、受信した遊技状態移行コマンドに基づいて、遊技状態を認識し、その遊技状態に応じた演出を実行させる。
S87の処理の後、メインCPU71は、転落判定処理を終了し、処理を特別図柄記憶チェック処理に移す。
[特別図柄決定処理]
次に、特別図柄記憶チェック処理(図48参照)のS71において行われる特別図柄決定処理について、図50を参照して説明する。
はじめに、メインCPU71は、大当り判定処理(図48のS70)の結果が大当りであるか否かを判別する(S91)。大当り判定処理の結果が大当りである(YES)と判別したとき、メインCPU71は、変動状態番号が「01H」であるか否かを判別する(S92)。
S92の処理において、変動状態番号が「01H」である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、図柄決定用カウンタから抽出した図柄決定用乱数値に基づいて、第1特別図柄における大当り図柄を決定する(S93)。その後、メインCPU71は、決定した第1特別図柄における大当り図柄のデータをセットし、大当り図柄のコマンドをセットする(S94)。
S94の処理において、メインCPU71は、第1特別図柄における大当り図柄のデータを、メインRAM73の所定領域にセットし、第1特別図柄表示装置62aに供給する。第1特別図柄表示装置62aは、第1特別図柄を変動表示させて、第1特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で第1特別図柄を停止表示させる。
また、メインRAM73の所定領域にセットされた第1特別図柄における大当り図柄のコマンドは、特別図柄指定コマンドとして、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。これにより、副制御回路200は、識別図柄の大当り態様を表示装置13の表示領域13aに導出表示させる。
S92の処理において、メインCPU71は、図柄決定用カウンタから抽出した図柄決定用乱数値に基づいて、第2特別図柄における大当り図柄を決定する(S95)。その後、メインCPU71は、決定した第2特別図柄における大当り図柄のデータをセットし、大当り図柄のコマンドをセットする(S96)。
S96の処理において、メインCPU71は、第2特別図柄における大当り図柄のデータを、メインRAM73の所定領域にセットし、第2特別図柄表示装置62bに供給する。第2特別図柄表示装置62bは、第2特別図柄を変動表示させて、第2特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で第2特別図柄を停止表示させる。
また、メインRAM73の所定領域にセットされた第2特別図柄における大当り図柄のコマンドは、特別図柄指定コマンドとして、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。これにより、副制御回路200は、識別図柄の大当り態様を表示装置13の表示領域13aに導出表示させる。
S96の処理の後、又はS94の処理の後、メインCPU71は、当り図柄(大当り図柄)に対応する当り開始インターバル表示時間データをメインRAM73にセットする(S97)。
続いて、メインCPU71は、大入賞口開放回数関連データをメインRAM73にセットする(S98)。本実施形態に係る大当りの種別は、4Rの大当りと、16Rの大当りの2通りである。メインCPU71は、大当りの種別が4Rの大当りである場合に、大入賞口開放回数関連データとして「4」をセットする。また、大当りの種別が16Rの大当りである場合に、大入賞口開放回数関連データとして「16」をセットする。
S98の処理を終えると、メインCPU71は、特別図柄決定処理を終了し、処理を特別図柄記憶チェック処理(図48参照)に移す。
S91の処理において、大当り判定処理の結果が大当りではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、ハズレ図柄のデータをセットし、ハズレ図柄のコマンドをメインRAM73にセットする(S99)。
S99の処理において、メインCPU71は、ハズレ図柄のデータを、メインRAM73の所定領域にセットする。そして、変動している特別図柄が第1特別図柄か第2特別図柄かに応じて、ハズレ図柄のデータを第1特別図柄表示装置62a又は第2特別図柄表示装置62bに供給する。
ハズレ図柄のデータが第1特別図柄表示装置62aに供給されると、第1特別図柄表示装置62aは、第1特別図柄を変動表示させて、ハズレ図柄のデータに基づく態様で第1特別図柄を停止表示させる。また、ハズレ図柄のデータが第2特別図柄表示装置62bに供給されると、第2特別図柄表示装置62bは、第2特別図柄を変動表示させて、ハズレ図柄のデータに基づく態様で第2特別図柄を停止表示させる。
また、メインRAM73の所定領域にセットされたハズレ図柄のコマンドは、特別図柄指定コマンドとして、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。これにより、副制御回路200は、識別図柄のハズレ態様を表示装置13の表示領域13aに導出表示させる。
S99の処理を終えると、メインCPU71は、特別図柄決定処理を終了し、処理を特別図柄記憶チェック処理(図48参照)に移す。
[特別図柄変動時間管理処理]
次に、特別図柄制御処理(図47参照)のS43において行われる特別図柄変動時間管理処理について、図51を参照して説明する。
はじめに、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値である「01H」であるか否かを判別する(S111)。制御状態フラグが「01H」ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
S111の処理において、制御状態フラグが「01H」である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、第1タイマの値が「0」であるか否かを判別する(S112)。つまり、メインCPU71は、第1タイマにセットされた変動時間を消化したか否かを判別する。
S112の処理において、第1タイマの値が「0」ではない(NO)、つまり、第1タイマにセットされた変動時間を消化していないと判別したとき、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
一方、第1タイマの値が「0」である(YES)、つまり、第1タイマにセットされた変動時間を消化したと判別したとき、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理を示す値「02H」を制御状態フラグにセットする(S113)。
次に、メインCPU71は、図柄停止コマンドをメインRAM73にセットする(S114)。メインRAM73にセットされた図柄停止コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。副制御回路200は、図柄停止コマンドを受信すると、特別図柄が停止されることを認識する。
次に、メインCPU71は、変動開始待ち時間(例えば、10msec)を第1タイマにセットする(S115)。変動開始待ち時間は、特別図柄の変動表示を終了してから次の特別図柄の変動表示を開始するまでの待ち時間である。
[特別図柄表示時間管理処理]
次に、特別図柄制御処理(図47参照)のS44において行われる特別図柄表示時間管理処理について、図52を参照して説明する。
はじめに、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値である「02H」であるか否かを判別する(S121)。制御状態フラグが「02H」ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
S121の処理において、制御状態フラグが「02H」であると判別したとき、メインCPU71は、第1タイマの値が「0」であるか否かを判別する(S122)。つまり、メインCPU71は、第1タイマにセットされた変動開始待ち時間を消化したか否かを判別する。
S122の処理において、第1タイマの値が「0」ではない(NO)、つまり、第1タイマにセットされた変動開始待ち時間を消化していないと判別したとき、メインCPU71は、特別ゲームが大当りであるか否かを判別する(S123)。特別ゲームが大当りではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
S123の処理において、特別ゲームが大当りである(YES)と判別したとき、メインCPU71は、遊技状態フラグをクリアする(S124)。大当り遊技状態では、普図確率及び特図確率が低い状態にする。そのため、第1確変遊技状態フラグ、第2確変遊技状態フラグ、時短遊技状態フラグをオフする。なお、大当り遊技状態フラグを設けて、大当り遊技状態フラグをオンするようにしてもよい。
S124の処理を終えると、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
S122の処理において、第1タイマの値が「0」である(YES)、つまり、第1タイマにセットされた変動開始待ち時間を消化したと判別したとき、メインCPU71は、特別ゲームが大当りであるか否かを判別する(S125)。特別ゲームが大当りではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、時短回数カウンタの値は「0」であるか否かを判別する(S126)。
S126の処理において、時短回数カウンタの値は「0」ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、時短回数カウンタの値を1減算する(S127)。続いて、メインCPU71は、時短回数カウンタの値は「0」であるか否かを判別する(S128)。
S128の処理において、時短回数カウンタの値は「0」である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、時短回数フラグをクリアする(S129)。そして、メインCPU71は、時短カウンタ終了コマンドをメインRAM73にセットする(S130)。メインRAM73にセットされた時短カウンタ終了コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。時短カウンタ終了コマンドを受信した副制御回路200は、転落が当選したときに通常遊技状態に移行することを認識する。
S125の処理において、特別ゲームが大当りである(YES)と判別したとき、メインCPU71は、当り開始インターバル管理処理を示す値である「03H」を制御状態フラグにセットする(S131)。
次に、メインCPU71は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する当り開始インターバル時間(例えば、300msec)を第1タイマにセットする(S132)。続いて、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタの値として、「FFH」をメインRAM73にセットする(S133)。
次に、メインCPU71は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM73にセットする(S134)。メインRAM73にセットされた特別図柄演出停止コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。特別図柄演出停止コマンドを受信した副制御回路200は、特別図柄演出の停止を認識する。
続いて、メインCPU71は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する大当り開始コマンドをメインRAM73にセットする(S135)。メインRAM73にセットされた大当り開始コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。大当り開始コマンドを受信した副制御回路200は、大当り遊技の開始を認識する。
S135の処理を終えると、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
S126の処理で時短回数カウンタの値は「0」である(YES)と判別したとき、S128の処理で時短回数カウンタの値は「0」ではない(NO)と判別したとき、S130の処理の後、メインCPU71は、特別図柄ゲーム終了処理を示す値である「07H」を制御状態フラグにセットする(S136)。
次に、メインCPU71は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM73にセットする(S137)。S137の処理を終えると、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
[当り開始インターバル管理処理]
次に、特別図柄制御処理(図47参照)のS45において行われる当り開始インターバル管理処理について、図53を参照して説明する。
はじめに、メインCPU71は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値である「03H」であるか否かを判別する(S151)。制御状態フラグが「03H」ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、当り開始インターバル管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
S151の処理において、制御状態フラグが「03H」である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、第1タイマの値が「0」であるか否かを判別する(S152)。つまり、メインCPU71は、第1タイマにセットされた当り開始インターバル時間を消化したか否かを判別する。
S152の処理において、第1タイマの値が「0」ではない(NO)、つまり、当り開始インターバル時間を消化していないと判別したとき、メインCPU71は、当り開始インターバル管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
一方、S152の処理において、第1タイマの値が「0」である(YES)、つまり、当り開始インターバル時間を消化したと判別したとき、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタ上限値をメインRAM73にセットする(S153)。
S153の処理における上限値は、特別図柄決定処理(図50参照)のS98の処理においてメインRAM73にセットした大入賞口開放回数関連データである。すなわち、S153処理において、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタ上限値として「4」又は「16」をセットする。
なお、大入賞口開放回数カウンタの値は、ラウンド数と同義である。
本実施形態によれば、図柄停止表示後(図51のS114)に大入賞口開放回数カウンタ上限値をセットする(図53のS153)処理順になっている。しかし、本発明に係る大入賞口開放回数カウンタ上限値のセットは、特別図柄決定処理(図48のS71)において抽選の結果が大当りの場合に、その次の処理で行ってもよい。
次に、メインCPU71は、メインRAM73の大入賞口開放回数カウンタの値に1加算する(S154)。上述したように、特別図柄表示時間管理処理(図52参照)のS133の処理において、大入賞口開放回数カウンタの値に「FFH(すなわち−1)」が設定されている。そのため、S153の処理を行うと、大入賞口開放回数カウンタの値は、「0」になる。本実施形態では、大当りの最初のラウンド(1ラウンド目)には、大入賞口開放回数カウンタの値として「0」を対応させて、ラウンド数の管理を行う。
仮に、最初から大入賞口開放回数カウンタの値に「0」がセットされている場合は、1ラウンド目の開放処理の後に、ラウンド数が最終ラウンド(N−1)か否かを判定する。そして、最終ラウンド数がN−1ではない場合に、ラウンド間インターバル処理を行い、大入賞口開放回数カウンタに1を加算して、2ラウンド目以降の開放処理を行う。このような処理を、最終ラウンド数がN−1になるまで繰り返す。すなわち、1ラウンド目の開放処理だけ別に行う必要がある。
これに対し、大入賞口開放回数カウンタの値に「FFH(すなわち−1)」を設定している場合は、当り開始インターバル管理処理まで大入賞口開放回数カウンタの値に「FFH(すなわち−1)」が設定されている。したがって、実際のラウンド数の管理には初期値(FFH)が関与しないようになる。その結果、大当りの種別に関わらず1ラウンド目からNラウンド目までの開放処理を1つの処理に集約させることが可能となり、メインROM72の使用領域を削減することができる。
S154の処理の後、メインCPU71は、大当り図柄の種類に応じたラウンド毎の第1,第2大入賞口44,45の開閉パターンをセットする(S155)。続いて、メインCPU71は、大入賞口開放中表示コマンドデータをメインRAM73にセットする(S156)。メインRAM73にセットされた大入賞口開放中表示コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に大入賞口開放中表示コマンドとして送信される。
次に、メインCPU71は、大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値「04H」を制御状態フラグにセットする(S157)。続いて、メインCPU71は、メインRAM73の大入賞口入賞カウンタをクリアする(S158)。そして、メインCPU71は、大入賞口開放時間(例えば、300000msec)を第1タイマにセットする(S159)。
次に、メインCPU71は、第1大入賞口作動中信号をセットする(S160)。第1大入賞口作動中信号は、第1大入賞口44が開放中であることを示すデータである。この処理において、メインCPU71は、第1大入賞口44を開放させるために、メインROM72から読み出されたデータに基づいて、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。このように更新された変数は、ポート出力処理(図46のS33)により、第1大入賞口44に係るソレノイドアクチュエータを駆動して第1大入賞口44を開放状態にする。
S160の処理を終えると、メインCPU71は、当り開始インターバル管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
[大入賞口再開放前待ち時間管理処理]
次に、特別図柄制御処理(図47参照)のS46において行われる大入賞口再開放前待ち時間管理処理について、図54を参照して説明する。
はじめに、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値である「05H」であるか否かを判別する(S171)。制御状態フラグが「05H」ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
S171の処理において、制御状態フラグが「05H」である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、第1タイマの値が「0」であるか否かを判別する(S172)。つまり、メインCPU71は、第1タイマにセットされたラウンド間インターバル時間を消化したか否かを判別する。
S172の処理において、第1タイマの値が「0」ではない(NO)、つまり、ラウンド間インターバル時間を消化していないと判別したとき、メインCPU71は、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
一方、S172の処理において、第1タイマの値が「0」である(YES)、つまり、ラウンド間インターバル時間を消化したと判別したとき、メインCPU71は、メインRAM73の大入賞口開放回数カウンタの値に1加算する(S173)。
次に、メインCPU71は、大入賞口開放中表示コマンドデータをメインRAM73にセットする(S174)。この場合の大入賞口開放中表示コマンドデータは、2ラウンド目以降を示すデータとなる。大入賞口開放中表示コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に大入賞口開放中表示コマンドとして送信される。この大入賞口開放中表示コマンドには、サブCPU201に対してラウンドカウンタに1加算する旨の指示が含まれている。
続いて、メインCPU71は、大入賞口開放処理を示す値である「04H」を制御状態フラグにセットする(S175)。そして、メインCPU71は、メインRAM73の大入賞口入賞カウンタをクリアする(S176)。
次に、メインCPU71は、大入賞口開放時間(例えば、300000msec)を第1タイマにセットする(S177)。その後、メインCPU71は、監視対象の大入賞口作動中信号(第1大入賞口作動中信号又は第2大入賞口作動中信号)をメインRAM73にセットする(S178)。本実施形態では、奇数ラウンドにおける開放対象の大入賞口が第1大入賞口44であり、偶数ラウンドにおける開放対象の大入賞口が第2大入賞口45である。
S178の処理を終えると、メインCPU71は、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
[大入賞口開放処理]
次に、特別図柄制御処理(図47参照)のS47において行われる大入賞口開放処理について、図55を参照して説明する。
はじめに、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値である「04H」であるか否かを判別する(S191)。制御状態フラグが「04H」ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、大入賞口開放処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
S191の処理において、制御状態フラグが「04H」である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、大入賞口カウンタが「10」以上であるか否かを判別する(S192)。大入賞口カウンタが「10」以上ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、セットしたラウンド毎の開閉パターンに応じて大入賞口開閉処理を行う(S193)。
S193の処理において、メインCPU71は、当り開始インターバル管理処理(図53参照)のS155でセットしたラウンド毎の開閉パターンに応じて第1大入賞口44及び第2大入賞口45を開閉させる。具体的には、ラウンド毎の開閉パターンに応じて、ラウンド間インターバル時間を待って第1大入賞口44及び第2大入賞口45を交互に閉じて開けるという処理を繰り返す。この第1大入賞口44及び第2大入賞口45の動作については、後で図72を参照して説明する。
次に、メインCPU71は、第1タイマの値が「0」であるか否かを判別する(S194)。つまり、メインCPU71は、第1タイマにセットされた大入賞口開放時間を消化したか否かを判別する。
S194の処理において、第1タイマの値が「0」ではない(NO)、つまり、大入賞口開放時間を消化していないと判別したとき、メインCPU71は、大入賞口開放処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
S194の処理で第1タイマの値が「0」である(YES)、つまり、大入賞口開放時間を消化したと判別したとき、又はS192の処理で大入賞口カウンタが「10」以上である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、第1タイマをクリアする(S195)。そして、メインCPU71は、大入賞口閉鎖データをセットする(S196)。
S196の処理において、メインCPU71は、開放中の大入賞口を閉鎖させるために、メインROM72から読み出されたデータに基づいて、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。このように更新された変数は、ポート出力処理(図46のS33)により、開放中の大入賞口に係るソレノイドアクチュエータを駆動して、開放中の大入賞口を閉鎖状態にする。
次に、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数上限値以上であるか否かを判別する(S197)。大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数上限値以上ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、ラウンド間インターバル時間(例えば、50msec)を第1タイマにセットする(S198)。
続いて、メインCPU71は、閉鎖した大入賞口に対する残留監視時間(例えば、1000msec)を第2タイマにセットする(S199)。この処理においてセットした第2タイマの値は、システムタイマ割込処理(図58参照)において減算される。
次に、メインCPU71は、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値である「05H」を制御状態フラグにセットする(S200)。
その後、メインCPU71は、ラウンド間表示コマンドデータをメインRAM73にセットする(S201)。メインRAM73にセットしたラウンド間表示コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201にラウンド間表示コマンドとして送信される。
S201の処理を終えると、メインCPU71は、大入賞口開放処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
S197の処理で大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数上限値以上である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、閉鎖した大入賞口に対する残留監視時間(例えば、1000msec)を第2タイマにセットする(S202)。大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数上限値以上である場合は、大当り遊技の最終ラウンド(4ラウンド又は16ラウンド)である。したがって、S202の処理において、閉鎖した大入賞口は、第2大入賞口45である。
次に、メインCPU71は、当り終了インターバル時間(例えば、800msec)を第1タイマにセットする(S203)。続いて、メインCPU71は、当り終了インターバル処理を示す値である「06H」を制御状態フラグにセットする(S204)。
その後、メインCPU71は、特別図柄当りインターバル終了表示コマンドデータをメインRAM73にセットする(S205)。特別図柄当りインターバル終了表示コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に特別図柄当りインターバル終了表示コマンドとして送信される。
S205の処理を終えると、メインCPU71は、大入賞口開放処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
[当り終了インターバル処理]
次に、特別図柄制御処理(図47参照)のS48において行われる当り終了インターバル処理について、図56を参照して説明する。
はじめに、メインCPU71は、制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値である「06H」であるか否かを判別する(S211)。制御状態フラグが「06H」ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
S211の処理において、制御状態フラグが「06H」である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、第1タイマの値が「0」であるか否かを判別する(S212)。つまり、メインCPU71は、第1タイマにセットされた当り終了インターバル時間を消化したか否かを判別する。
S212の処理において、第1タイマの値が「0」ではない(NO)、つまり、当り終了インターバル時間を消化していないと判別したとき、メインCPU71は、当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
一方、S212の処理において、第1タイマの値が「0」である(YES)、つまり、当り終了インターバル時間を消化したと判別したとき、メインCPU71は、特別図柄ゲーム終了処理を示す値である「07H」を制御状態フラグにセットする(S213)。
S213の処理の後、メインCPU71は、当り図柄及び当選時の遊技状態に応じた制御データをメインRAM73にセットする(S214)。この処理において、メインCPU71は、第1確変遊技状態フラグ又は第2確変遊技状態フラグを制御データとしてセットする。また、第1確変遊技状態フラグを制御データとしてセットした場合は、時短回数カウンタに「99」をセットする。
具体的には、大当りの種別が16Rの大当りであった場合に、メインCPU71は、第1確変遊技状態フラグを制御データとしてセットする。また、大当りの種別が4Rの大当りであって当選時の遊技状態が第1確変遊技状態、第2確変遊技状態、時短遊技状態のいずれかであった場合に、メインCPU71は、第1確変遊技状態フラグを制御データとしてセットする。第1確変遊技状態フラグを制御データとしてセットすると、遊技状態は、大当り遊技状態から第1確変遊技状態に移行される。
一方、大当りの種別が4Rの大当りであって当選時の遊技状態が通常遊技状態であった場合に、メインCPU71は、第2確変遊技状態フラグを制御データとしてセットする。第2確変遊技状態フラグを制御データとしてセットすると、遊技状態は、大当り遊技状態から第2確変遊技状態に移行される。
S214の処理の後、メインCPU71は、当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
[特別図柄ゲーム終了処理]
次に、特別図柄制御処理(図47参照)のS49において行われる特別図柄ゲーム終了処理について、図57を参照して説明する。
はじめに、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値である「07H」であるか否かを判別する(S221)。制御状態フラグが「07H」ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、特別図柄ゲーム終了処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
S211の処理において、制御状態フラグが「07H」である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を示す値である「00H」を制御状態フラグにセットする(S221)。
S214の処理の後、メインCPU71は、特別図柄ゲーム終了処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
[システムタイマ割込処理]
次に、システムタイマ割込処理について、図58を参照して説明する。
メインCPU71は、実行中のメイン処理を中断して、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。
はじめに、メインCPU71は、レジスタの退避を行う(S231)。次に、メインCPU71は、タイマ更新処理を行う(S232)。この処理において、メインCPU71は、第1タイマや第2タイマ等の各種のタイマを更新する。
次に、メインCPU71は、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットする(S233)。この処理において、メインCPU71は、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットする。さらに、メインCPU71は、ウォッチドッグ出力データに基づく制御信号を主制御回路70の初期リセット回路75に送信する。
初期リセット回路75は、受信した制御信号に基づいてコンデンサの電圧を開放する。その後、所定時間(例えば、3100msec)が経過すると、初期リセット回路75は、メインCPU71にシステムリセット信号を送信する。メインCPU71は、この初期リセット回路64からシステムリセット信号を受信すると、システムリセット状態となる。
なお、所定時間は、初期リセット回路75に設けられたウォッチドッグタイマがクリアされてから初期リセット回路75に接続されたコンデンサの容量で決定される。
S233の処理の後、メインCPU71は、乱数更新処理を行う(S234)。この処理において、メインCPU71は、大当り判定用カウンタ、図柄決定用カウンタ、当り判定用カウンタ、転落判定用カウンタ、変動パターン決定用カウンタ、演出パターン決定用カウンタなどの乱数を更新する。なお、大当り判定用カウンタ及び図柄決定用カウンタは、カウンタ値の更新タイミングが不定であると、公正さに欠ける。そのため、大当り判定用カウンタ及び図柄決定用カウンタは、公正さを担保するために2msec毎の決まったタイミングで更新を行う。
S234の処理の後、メインCPU71は、スイッチ入力処理を行う(S235)。この処理において、メインCPU71は、スイッチに入力があったか否か判定する。メインCPU71は、カウントスイッチ104,105、一般入賞口スイッチ112,113等の各種のスイッチから送信された検知信号を受信して、各種のスイッチが遊技球を検知した場合に、スイッチに入力があったと判定する。
S235の処理の後、メインCPU71は、レジスタの復帰を行う(S236)。この処理において、メインCPU71は、割込処理前のアドレスにレジスタを復帰させる。
S236の処理の後、メインCPU71は、システムタイマ割込処理を終了する。
[タイマ更新処理]
次に、システムタイマ割込処理(図58参照)のS232において行われるタイマ更新処理について、図59を参照して説明する。
はじめに、メインCPU71は、システムタイマ監視タイマの値を1加算する(S241)。システムタイマ監視タイマは、システムタイマ割込処理の実行(起動)回数を計数するためのタイマである。本実施の形態では、システムタイマ割込処理の実行(起動)回数が所定の条件(3回)に達すると、所定の処理(特別図柄制御処理等)を実行させる。
次に、メインCPU71は、第1タイマの値を1減算する(S242)。この処理において、メインCPU71は、第1タイマにいずれかの値がセットされている場合に、その値を1減算する。続いて、メインCPU71は、第2タイマの値を1減算する(S243)。この処理において、メインCPU71は、第2タイマにいずれかの値がセットされている場合に、その値を1減算する。
次に、メインCPU71は、第2タイマの値は「0」であるか否かを判別する(S244)。つまり、メインCPU71は、残留監視時間を消化したか否かを判別する。S244の処理において、第2タイマの値は「0」ではない(NO)、つまり、残留監視時間を消化していないと判別したとき、メインCPU71は、タイマ更新処理を終了し、処理をシステムタイマ割込処理(図58参照)に移す。
S244の処理において、第2タイマの値は「0」である(YES)、つまり、残留監視時間を消化したと判別したとき、メインCPU71は、残留球監視処理を終了し、監視対象の大入賞口作動中信号をオフする(S245)。ここで、第2タイマは00H〜07Hのどこでも「0」になる可能性がある。そのため、タイマ割込処理にて一括で処理することで00H〜07Hの各処理において判定する必要が無くなり、制御負担を少なくすることが可能となる。
S245の処理の後、メインCPU71は、タイマ更新処理を終了し、処理をシステムタイマ割込処理(図58参照)に移す。
[スイッチ入力処理]
次に、システムタイマ割込処理(図58参照)のS235において行われるスイッチ入力処理について、図60を参照して説明する。
はじめに、メインCPU71は、賞球関連スイッチチェック処理を行う(S251)。この処理において、メインCPU71は、カウントスイッチ104,105、一般入賞口スイッチ112,113、第1始動口スイッチ116、第2始動口スイッチ117の入力があったか否かを判別する。言い換えれば、カウントスイッチ104,105、一般入賞口スイッチ112,113、第1始動口スイッチ116、第2始動口スイッチ117が遊技球を検知したか否かを判別する。
そして、メインCPU71は、カウントスイッチ104,105の入力があったと判定した場合に、大入賞口カウンタの値に1加算する。また、一般入賞口スイッチ112,113の入力があったと判定した場合に、一般入賞口カウンタの値に1加算する。また、第1始動口スイッチ116、第2始動口スイッチ117の入力があったと判定した場合に、始動口カウンタの値に1加算する。
S251の処理の後、メインCPU71は、特別図柄関連スイッチチェック処理を行う(S252)。この特別図柄関連スイッチチェック処理については後述する。続いて、メインCPU71は、普通図柄関連スイッチチェック処理を行う(S253)。
S253の処理において、メインCPU71は、通過ゲートスイッチ115の入力があったか否か、言い換えれば通過ゲートスイッチ115が遊技球を検知したか否かを判別する。この処理で通過ゲートスイッチ115の入力があったと判別したとき、メインCPU71は、保留個数が上限(例えば、4個)である否かを判別し、上限であると判定した場合に普通図柄関連スイッチチェック処理を終了する。
一方、保留個数が上限ではないと判別したとき、メインCPU71は、普通図柄ゲームの当り判定用カウンタから当り判定用乱数値を抽出し、さらに当り図柄決定用カウンタから当り図柄決定用乱数値を抽出する。そして、抽出した当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値をメインRAM73の普通図柄記憶領域に格納する。
S253の処理の後、メインCPU71は、異常関連スイッチチェック処理を行う(S254)。この処理において、メインCPU71は、異常関連スイッチの入力結果が異常状態を示しているか否かを判別する。
異常関連スイッチとしては、例えば、ガラスドア4の開閉スイッチを挙げることができる。メインCPU71は、ガラスドア4の開閉スイッチによってガラスドア4が開放されていることが検知された場合に、異常関連スイッチの入力結果が異常状態を示していると判別する。
また、異常関連スイッチの別の例としては、カウントスイッチ104,105を挙げることができる。メインCPU71は、第1大入賞口作動中信号がOFFのときにカウントスイッチ104の入力があった場合に、異常関連スイッチの入力結果が異常状態を示していると判別する。また、第2大入賞口作動中信号がOFFのときにカウントスイッチ105の入力があった場合に、異常関連スイッチの入力結果が異常状態を示していると判別する。
異常関連スイッチの入力結果が異常状態を示していると判別したとき、メインCPU71は、異常を報知するための処理を行う。一方、異常関連スイッチの入力結果が異常状態を示していないと判別したとき、メインCPU71は、異常関連スイッチチェック処理を終了する。
S254の処理の後、メインCPU71は、スイッチ入力処理を終了し、処理をシステムタイマ割込処理(図58参照)に移す。
[特別図柄関連スイッチチェック処理]
次に、スイッチ入力処理(図60参照)のS252において行われる特別図柄関連スイッチチェック処理について、図61を参照して説明する。
はじめに、メインCPU71は、第1始動口34への特別図柄始動入賞が検出されたか否かを判別する(S261)。つまり、メインCPU71は、第1始動口スイッチ116の入力があったか否かを判別する。
S261の処理において、第1始動口34への特別図柄始動入賞が検出された、つまり、第1始動口スイッチ116の入力があったと判別したとき、メインCPU71は、第1特別図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判別する(S262)。第1特別図柄の始動記憶が4以上である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、特別図柄関連スイッチチェック処理を終了し、処理をスイッチ入力処理(図60参照)に移す。
S262の処理において、第1特別図柄の始動記憶が4以上ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、第1特別図柄の始動記憶に1加算する(S263)。続いて、メインCPU71は、各種乱数値取得処理を行う(S264)。
S264の処理において、メインCPU71は、大当り判定用乱数値、当り図柄決定用乱数値、転落判定用乱数値、リーチ判定用乱数値、メイン側演出選択用乱数値、保留演出選択用乱数値をそれぞれのカウンタから抽出する。そして、抽出した各種乱数値群をメインRAM73の第1特別図柄始動記憶領域に格納する。
本実施形態の第1特別図柄始動記憶領域は、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜(4)を有している。第1特別図柄始動記憶領域(0)に格納された大当り判定用乱数値及び当り図柄決定用乱数値に基づく判定結果は、第1特別図柄表示装置62aによって導出表示される。また、第1,第2特別図柄表示装置62a,62bによる特別図柄の変動中に特別図柄始動入賞が検出されることで抽出された各種乱数値群は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)に順に格納される。
S264の処理の後、メインCPU71は、第1特別図柄変動状態データをメインRAM73にセットする(S265)。続いて、メインCPU71は、入賞演出判定処理を行う(S266)。この処理において、メインCPU71は、乱数抽選に基づいて保留演出(先読み演出)を行うか否かを決定する。
次に、メインCPU71は、始動口入賞コマンドをメインRAM73にセットする(S267)。メインRAM73にセットされた始動口入賞コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。始動口入賞コマンドを受信した副制御回路200は、始動口入賞があったことや大当り抽選結果の当否を認識する。ここでの処理は、取得乱数に基づいて大当りか否かを予測判断するものであり、この処理により、始動入賞した遊技球について実際の変動開始よりも前に事前に判定することが可能となっている。なお、実施の大当り判定は、前述のS70の処理で実行する。
始動口入賞コマンドには、S266の処理において入賞演出を行うことを決定した場合の入賞演出の内容(例えば、演出表示される保留球の表示態様を変更する演出)を示すデータが含まれている。これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、所謂「先読演出(保留演出)」が可能となる。
S267の処理の後、メインCPU71は、特別図柄関連スイッチチェック処理を終了し、処理をスイッチ入力処理(図60参照)に移す。
S261の処理において、第1始動口34への特別図柄始動入賞が検出されていない(NO)、つまり、第1始動口スイッチ116の入力が無かったと判別したとき、メインCPU71は、第2始動口35への特別図柄始動入賞が検出されたか否かを判別する(S268)。すなわち、メインCPU71は、第2始動口スイッチ117の入力があったか否かを判別する。
S268の処理において、第2始動口35への特別図柄始動入賞が検出されていない(NO)、つまり、第2始動口スイッチ117の入力が無かったと判別したとき、メインCPU71は、第2特別図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判別する(S269)。第2特別図柄の始動記憶が4以上である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、特別図柄関連スイッチチェック処理を終了し、処理をスイッチ入力処理(図60参照)に移す。
S269の処理において、第2特別図柄の始動記憶が4以上ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、第2特別図柄の始動記憶に1加算する(S270)。続いて、メインCPU71は、各種乱数値取得処理を行う(S271)。
S271の処理において、メインCPU71は、大当り判定用乱数値、当り図柄決定用乱数値、転落判定用乱数値、リーチ判定用乱数値、メイン側演出選択用乱数値、保留演出選択用乱数値をそれぞれのカウンタから抽出する。そして、抽出した各種乱数値群をメインRAM73の第2特別図柄始動記憶領域に格納する。
本実施形態の第2特別図柄始動記憶領域は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜(4)まで設けられている。第2特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された大当り判定用乱数値及び当り図柄決定用乱数値に基づく判定結果は、第2特別図柄表示装置62bによって導出表示される。また、第1,第2特別図柄表示装置62a,62bによる特別図柄の変動中に第2始動口35への特別図柄始動入賞が検出されることで抽出された各種乱数値群は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)に順に格納される。
S271の処理の後、メインCPU71は、第2特別図柄変動状態データをメインRAM73にセットする(S272)。続いて、メインCPU71は、入賞演出判定処理を行う(S273)。この処理において、メインCPU71は、乱数抽選に基づいて保留演出(先読み演出)を行うか否かを決定する。
次に、メインCPU71は、始動口入賞コマンドをメインRAM73にセットする(S274)。メインRAM73にセットされた始動口入賞コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。始動口入賞コマンドを受信した副制御回路200は、始動口入賞があったことや大当り抽選結果の当否を認識する。
始動口入賞コマンドには、S273の処理において入賞演出を行うことを決定した場合の入賞演出の内容(例えば、演出表示される保留球の表示態様を変更する演出)を示すデータが含まれている。これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、所謂「先読演出(保留演出)」が可能となる。
S274の処理の後、メインCPU71は、特別図柄関連スイッチチェック処理を終了し、処理をスイッチ入力処理(図60参照)に移す。
[入賞演出判定処理]
次に、特別図柄関連スイッチチェック処理(図61参照)のS266,S273において行われる入賞演出判定処理について、図62を参照して説明する。
はじめに、メインCPU71は、取得した大当り判定用乱数値が大当りの当選に対応する乱数値であるか否かを判別する(S281)。つまり、メインCPU71は、取得した大当り判定用乱数値が当り判定テーブルで規定された大当り判定値と一致したか否かを判別する。
S281の処理において、大当り判定用乱数値が大当りの当選に対応する乱数値である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、大当り乱数取得時保留演出選択テーブル(図36参照)を参照して、保留演出を決定する(S282)。この処理において、メインCPU71は、特別図柄関連スイッチチェック処理(図61参照)のS264又はS271で抽出した保留演出選択用乱数値と大当り乱数取得時保留演出選択テーブルを用いて乱数抽選を行うことにより、保留演出を決定する。
S281の処理において、大当り判定用乱数値が大当りの当選に対応する乱数値ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、ハズレ乱数取得時保留演出選択テーブル(図37参照)を参照して、保留演出を決定する(S283)。この処理において、メインCPU71は、保留演出選択用乱数値とハズレ乱数取得時保留演出選択テーブルを用いて乱数抽選を行うことにより、保留演出を決定する。
S283の処理の後、又はS282の処理の後、メインCPU71は、取得した転落判定用乱数値が転落の当選に対応する乱数値であるか否かを判別する(S284)。つまり、メインCPU71は、取得した転落判定用乱数値が転落判定テーブルで規定された転落判定値と一致したか否かを判別する。
S284の処理において、転落判定用乱数値が転落の当選に対応する乱数値である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、転落乱数取得時保留演出選択テーブル(図38参照)を参照して、保留演出を決定する(S285)。この処理において、メインCPU71は、保留演出選択用乱数値と転落乱数取得時保留演出選択テーブルを用いて乱数抽選を行うことにより、保留演出を決定する。
次に、メインCPU71は、複数の保留演出が決定されたか否かを判別する(S286)。複数の保留演出が決定された(YES)と判別したとき、メインCPU71は、転落乱数取得時保留演出選択テーブルを参照して決定した保留演出をメインRAM73にセットし、その他に決定された保留演出を破棄する(S287)。すなわち、転落に関わる保留演出は、その他の保留演出よりも優先される。
S287の処理の後、メインCPU71は、入賞演出判定処理を終了し、処理を特別図柄関連スイッチチェック処理(図61参照)に移す。
S284の処理で転落判定用乱数値が転落の当選に対応する乱数値ではない(NO)と判別したとき、又はS286の処理で複数の保留演出が決定されていない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、決定した保留演出をメインRAM73にセットする(S288)。
S288の処理の後、メインCPU71は、入賞演出判定処理を終了し、処理を特別図柄関連スイッチチェック処理(図61参照)に移す。
<副制御回路の動作説明>
次に、図63〜図71を参照して、副制御回路200のサブCPU201により実行されるプログラムの内容について説明する。副制御回路200は、主制御回路70から送信された各種コマンドを受信して、表示処理などの様々な処理を行う。
[サブ制御メイン処理]
まず、サブCPU201の制御によるサブ制御メイン処理について、図63を参照して説明する。
はじめに、サブCPU201は、初期化処理を行う(S301)。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203のアクセスを許可し、ワークRAM203の作業領域を初期化する。続いて、サブCPU201は、乱数更新処理を行う(S302)。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶される乱数を更新する。
次に、サブCPU201は、コマンド解析処理を行う(S303)。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203の受信バッファに格納されたコマンドを解析する。その後、サブCPU201は、演出制御処理を行う(S304)。この処理において、サブCPU201は、演出ボタン23を用いた演出の制御を行う。
続いて、サブCPU201は、表示制御処理を行う(S305)。この処理において、サブCPU201は、表示装置13の表示領域13aに表示を行うためのデータを表示制御回路205に送信する。
表示制御回路205におけるVDP(Video Display Processor)は、サブCPU201から供給されたデータに基づいて、識別情報(図柄)のデータ、背景画像データ、演出用画像データなど、各種の画像データを画像データROMから読み出す。そして、読み出した各種の画像データを重ね合わせて、表示装置13の表示領域13aに表示させる。
S305の処理の後、サブCPU201は、音・ランプ等制御処理を行う(S306)。この処理において、サブCPU201は、スピーカ11から発生させる音の制御を行う音声制御処理や、ランプ群18の発光制御を行うランプ制御処理を実行する。
S306の処理の後、サブCPU201は、処理をS302の乱数更新処理に移す。
[コマンド解析処理]
次に、サブ制御メイン処理(図63参照)のS303において行われるコマンド解析処理について、図64を参照して説明する。
はじめに、サブCPU201は、コマンドを受信したか否かを判別する(S321)。この処理において、サブCPU201は、受信したコマンドがワークRAM203の受信バッファに記憶されているか否かを判別する。コマンドを受信していない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理をサブ制御メイン処理(図63参照)に移す。
S321の処理において、コマンドを受信したと判別したとき、サブCPU201は、受信したコマンドが特別図柄演出開始コマンドであるか否かを判別する(S322)。特別図柄演出開始コマンドには、遊技状態、変動パターン、特別図柄、残り時短回数のデータが含まれる。
S322の処理において、受信したコマンドが特別図柄演出開始コマンドである(YES)と判別したとき、サブCPU201は、特別図柄演出開始コマンド受信時処理を行う(S323)。特別図柄演出開始コマンド受信時処理については後述する。
S323の処理の後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理をサブ制御メイン処理(図63参照)に移す。
S322の処理において、受信したコマンドが特別図柄演出開始コマンドではない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、受信したコマンドが特別図柄演出停止コマンドであるか否かを判別する(S324)。特別図柄演出停止コマンドには、遊技状態、特別図柄、1減算された残り時短回数のデータが含まれる。
S324の処理において、受信したコマンドが特別図柄演出停止コマンドである(YES)と判別したとき、サブCPU201は、特別図柄演出停止コマンド受信時処理を行う(S325)。特別図柄演出停止コマンド受信時処理については後述する。
S325の処理の後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理をサブ制御メイン処理(図63参照)に移す。
S324の処理において、受信したコマンドが特別図柄演出開始コマンドではない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、受信したコマンドが特別図柄当り終了インターバル表示コマンドであるか否かを判別する(S326)。特別図柄当り終了インターバル表示コマンドには、遊技状態、大当りの種別のデータが含まれる。
S326の処理において、受信したコマンドが特別図柄当り終了インターバル表示コマンドである(YES)と判別したとき、サブCPU201は、特別図柄当り終了インターバル表示コマンド受信時処理を行う(S327)。特別図柄当り終了インターバル表示コマンド受信時処理については後述する。
S327の処理の後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理をサブ制御メイン処理(図63参照)に移す。
S326の処理において、受信したコマンドが特別図柄当り終了インターバル表示コマンドではない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、受信したコマンドが始動口入賞コマンドであるか否かを判別する(S328)。始動口入賞コマンドには、遊技状態、当りの内容(変動パターンは含まない)、保留個数、大当り乱数取得時保留演出選択テーブル(図36参照)を参照して決定した保留演出の内容のデータが含まれる。
S328の処理において、受信したコマンドが始動口入賞コマンドである(YES)と判別したとき、サブCPU201は、始動口入賞コマンド受信時処理を行う(S329)。始動口入賞コマンド受信時処理については後述する。
S329の処理の後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理をサブ制御メイン処理(図63参照)に移す。
S328の処理において、受信したコマンドが始動口入賞コマンドではない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、その他受信したコマンドに対応する受信時処理を行う(S330)。
S330の処理の後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理をサブ制御メイン処理(図63参照)に移す。
[特別図柄演出開始コマンド受信時処理]
次に、コマンド解析処理(図64参照)のS323において行われる特別図柄演出開始コマンド受信時処理について、図65を参照して説明する。
はじめに、サブCPU201は、サブ演出内容決定テーブル(図39及び図40参照)を参照し、当落、遊技状態、変動回数、変動パターン、サブ側演出選択用乱数値、演出ステージに基づいて、演出内容を決定する(S341)。
次に、サブCPU201は、カウント演出フラグがオンであるか否かを判別する(S342)。カウント演出フラグがオンである(YES)と判別したとき、サブCPU201は、大当り予告保留からの保留個数に応じて演出内容を決定し、S341の処理で決定した演出内容を変更する(S343)。
カウント演出フラグがオンである場合には、保留演出として大当りの予告(示唆)が行われている。そして、大当りの予告をしている保留よりも前の保留が2個以上ある。S343の処理において決定される演出内容は、大当りの予告をしている保留と、その保留よりも前の2つ以上の保留に係る特別図柄ゲームを行う際に、表示装置13と演出用7セグカウンタ51を用いてカウントアップ(又はカウントダウン)を模した表示を行うカウント演出である。
このカウント演出については、後で図82を参照して説明する。
S342の処理において、カウント演出フラグがオンではない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、遊技状態が第1確変遊技状態であるか否かを判別する(S344)。遊技状態が第1確変遊技状態である(YES)と判別したとき、サブCPU201は、遊技(変動)回数が33回目であるか否かを判別する(S345)。
S345の処理において、遊技回数が33回目である(YES)と判別したとき、サブCPU201は、第1確変遊技状態33G目継続抽選テーブルを参照して34G目からの演出状態を決定する(S346)。
S345の処理において、遊技回数が33回目ではない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、遊技回数が66回目であるか否かを判別する(S347)。遊技回数が66回目である(YES)と判別したとき、サブCPU201は、第1確変遊技状態66G目継続抽選テーブルを参照して67G目からの演出状態を決定する(S348)。
S348の処理において、遊技回数が66回目ではない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、遊技回数が99回目であるか否かを判別する(S349)。遊技回数が99回目である(YES)と判別したとき、サブCPU201は、現在の遊技状態に応じて100G目からの演出状態を決定する(S350)。
S350の処理を行う際の遊技状態が第1確変遊技状態(転落していない)である場合には、サブCPU201は、演出状態として特別演出状態を決定する。特別演出状態は、第1確変遊技状態が継続していることを示唆或いは報知する演出状態である。
一方、S350の処理を行う際の遊技状態が時短遊技状態(転落している)である場合には、サブCPU201は、演出状態として通常演出状態を決定する。通常演出状態は、通常遊技状態中に行われる演出状態である。
S343の処理の後、S344の処理で遊技状態が第1確変遊技状態ではない(NO)と判別したとき、S346の処理の後、S348の処理の後、S349の処理で遊技回数が99回目ではない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、その他の演出を決定する(S351)。その他の演出としては、例えば、スピーカ11から発生させる音の演出や、ランプ群18を発光させる演出等が挙げられる。
S351の処理の後、サブCPU201は、特別図柄演出開始コマンド受信時処理を終了し、処理をコマンド解析処理(図64参照)に移す。
[特別図柄演出停止コマンド受信時処理]
次に、コマンド解析処理(図64参照)のS325において行われる特別図柄演出停止コマンド受信時処理について、図66を参照して説明する。
はじめに、サブCPU201は、遊技状態が第1確変遊技状態であるか否かを判別する(S361)遊技状態が第1確変遊技状態である(YES)と判別したとき、サブCPU201は、遊技回数が33回、66回、99回のいずれかであるか否かを判別する(S362)。
S362の処理において、遊技回数が33回、66回、99回のいずれかである(YES)と判別したとき、サブCPU201は、特別図柄演出開始コマンド受信時処理(図65参照)で決定した移行先の演出ステージをセットする(S363)。
S361の処理で遊技状態が第1確変遊技状態ではない(NO)と判別したとき、S362の処理で遊技回数が33回、66回、99回のいずれでもない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、カウント演出フラグがオンであるか否かを判別する(S364)。
S364の処理において、カウント演出フラグがオンである(YES)と判別したとき、サブCPU201は、今回の変動がカウント演出における結果表示を行う変動であったか否かを判別する(S365)。今回の変動がカウント演出における結果表示を行う変動であった(YES)と判別したとき、サブCPU201は、カウント演出フラグをオフにする(S366)。すなわち、サブCPU201は、カウント演出が終了した場合に、カウント演出フラグをオフにする。
S363の処理の後、S364の処理でカウント演出フラグがオンではない(NO)と判別したとき、S365の処理で今回の変動がカウント演出における結果表示を行う変動ではなかった(NO)と判別したとき、S366の処理の後、サブCPU201は、その他の演出を決定する(S367)。その他の演出としては、例えば、スピーカ11から発生させる音の演出や、ランプ群18を発光させる演出等が挙げられる。
S367の処理の後、サブCPU201は、特別図柄演出停止コマンド受信時処理を終了し、処理をコマンド解析処理(図64参照)に移す。
[特別図柄当り終了インターバル表示コマンド受信時処理]
次に、コマンド解析処理(図64参照)のS327において行われる特別図柄当り終了インターバル表示コマンド受信時処理について、図67を参照して説明する。
はじめに、サブCPU201は、大当りの種別及び大当り図柄に基づいて、演出状態の移行先を決定し、演出モード移行フラグをオンする(S381)。続いて、サブCPU201は、遊技状態が第1確変遊技状態であるか否かを判別する(S382)。遊技状態が第1確変遊技状態ではない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、特別図柄当り終了インターバル表示コマンド受信時処理を終了し、処理をコマンド解析処理(図64参照)に移す。
S382の処理において、遊技状態が第1確変遊技状態である(YES)と判別したとき、サブCPU201は、遊技回数カウントフラグをオンする(S383)。これにより、サブCPU201は、第1確変遊技状態中の遊技回数を把握することができる。
S383の処理の後、サブCPU201は、特別図柄当り終了インターバル表示コマンド受信時処理を終了し、処理をコマンド解析処理(図64参照)に移す。
[始動口入賞コマンド受信時処理]
次に、コマンド解析処理(図64参照)のS329において行われる始動口入賞コマンド受信時処理について、図68を参照して説明する。
はじめに、サブCPU201は、サブ保留演出選択テーブルを参照し、演出ステージ、メイン決定演出内容及びサブ演出内容決定乱数値に基づいて、サブ演出内容を決定する(S401)。メイン決定演出内容は、入賞演出判定処理(図62参照)において決定した演出である。
次に、サブCPU201は、演出ステージが第1確変専用ステージ、第1確変専用特殊ステージ又は第2確変専用ステージであるか否かを判別する(S402)。本実施形態では、第1確変専用ステージ、第1確変専用特殊ステージ又は第2確変専用ステージが実行されている場合にカウント演出を行う。そのため、サブCPU201は、演出ステージが第1確変専用ステージ、第1確変専用特殊ステージ又は第2確変専用ステージであるか否かを判別する。
S402の処理において、演出ステージが第1確変専用ステージ、第1確変専用特殊ステージ又は第2確変専用ステージである(YES)と判別したとき、サブCPU201は、メイン決定演出内容として大当り予告演出が決定されているか否かを判別する(S403)。本実施形態では、メイン決定演出内容として大当り予告演出が決定されている、すなわち、保留表示の色を変更する演出が決定されている場合に、カウント演出を行う。そのため、サブCPU201は、メイン決定演出内容として大当り予告演出が決定されているか否かを判別する。
S403の処理において、メイン決定演出内容として大当り予告演出が決定されている(YES)と判別したとき、サブCPU201は、大当り予告演出の対象となる保留(大当り予告保留)よりも先に実行される保留が2つ以上あるか否かを判別する(S404)。本実施形態では、大当り予告保留よりも先に実行される2つ以上の保留に基づく特別図柄ゲームに対応させてカウント演出を行う。そのため、サブCPU201は、大当り予告保留よりも先に実行される保留が2つ以上あるか否かを判別する。
S404の処理において、大当り予告保留よりも先に実行される保留が2つ以上ある(YES)と判別したとき、サブCPU201は、大当り予告保留よりも先に実行される少なくとも2つの保留に基づく特別図柄ゲームの変動パターンが短縮変動Bを示すものであるか否かを判別する(S405)。
本実施形態では、大当り予告保留よりも先に実行される2つ以上の保留に基づく特別図柄ゲームの変動パターンが短縮変動Bを示すものである場合にカウント演出を行う。そのため、サブCPU201は、大当り予告保留よりも先に実行される2つ以上の保留に基づく特別図柄ゲームの変動パターンが短縮変動Bを示すものであるか否かを判別する。
S405の処理において、大当り予告保留よりも先に実行される少なくとも2つの保留に基づく特別図柄ゲームの変動パターンが短縮変動Bを示すものである(YES)と判別したとき、サブCPU201は、カウント演出フラグをオンする(S406)。カウント演出フラグがオンである場合は、特別図柄演出開始コマンド受信時処理(図65参照)のS343の処理において、演出内容がカウント演出に変更される。
S402の処理で演出ステージが第1確変専用ステージ又は第2確変専用ステージではない(NO)と判別したとき、S403の処理でメイン決定演出内容として大当り予告演出が決定されていない(NO)と判別したとき、S404の処理で大当り予告保留よりも先に実行される保留が2つ以上無い(NO)と判別したとき、S405の処理で大当り予告保留よりも先に実行される少なくとも2つの保留に基づく特別図柄ゲームの変動パターンが短縮変動Bを示すものではない(NO)と判別したとき、又はS406の処理の後、サブCPU201は、その他の演出処理を行う(S407)。
S407の処理の後、サブCPU201は、始動口入賞コマンド受信時処理を終了し、処理をコマンド解析処理(図64参照)に移す。
[演出制御処理]
次に、サブ制御メイン処理(図63参照)のS304において行われる演出制御処理について、図69を参照して説明する。
はじめに、サブCPU201は、現在の演出がミニゲーム実行時のサブ演出内容であるか否かを判別する(S421)。本実施形態では、少なくとも第1確変遊技状態中の33G目、66G目、99G目にミニゲームを実行する。したがって、ミニゲーム実行時サブ演出内容は、第1確変遊技状態中の33G目、66G目、99G目に対応するサブ演出内容を含む。
また、サブCPU201は、第1確変遊技状態中の33G、66G、99G中の所定期間にスイッチ検出有効期間フラグをオンする。所定期間としては、例えば、第1確変遊技状態中の33G、66G、99Gの変動開始から30000msec経過してから50000msecまでの20000msecとする。
S421の処理において、現在の演出がミニゲーム実行時のサブ演出内容ではない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、演出制御処理を終了し、処理をサブ制御メイン処理(図63参照)に移す。
一方、S421の処理において、現在の演出がミニゲーム実行時のサブ演出内容である(YES)と判別したとき、サブCPU201は、演出ボタンスイッチ118の検出があったか否かを判別する(S422)。
S422の処理において、演出ボタンスイッチ118の検出があった(YES)と判別したとき、サブCPU201は、スイッチ検出有効期間フラグがオンであるか否かを判別する(S423)。スイッチ検出有効期間フラグがオンではない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、演出制御処理を終了し、処理をサブ制御メイン処理(図63参照)に移す。
S423の処理において、スイッチ検出有効期間フラグがオンである(YES)と判別したとき、サブCPU201は、演出ボタン押下時演出実行処理を行う(S424)。本実施形態の演出ボタン押下時演出は、演出用7セグカウンタ51が点灯する演出である。この演出ボタン押下時演出については、後で図73及び図74を参照して説明する。
次に、サブCPU201は、すべての操作が終了したか否かを判別する(S425)。この処理において、サブCPU201は、演出(ジャッジメント)の結果が演出用7セグカウンタ51に表示された場合に、すべての操作が終了したと判別する。
S425の処理において、すべての操作が終了した(YES)と判別したとき、サブCPU201は、スイッチ検出有効期間フラグをオフする(S426)。この処理の後、サブCPU201は、演出制御処理を終了し、処理をサブ制御メイン処理(図63参照)に移す。
S422の処理で演出ボタンスイッチ118の検出が無かった(NO)と判別したとき、又はS425の処理ですべての操作が終了していない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、スイッチ検出有効期間が終了であるか否かを判別する(S427)。スイッチ検出有効期間が終了ではない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、演出制御処理を終了し、処理をサブ制御メイン処理(図63参照)に移す。
S425の処理において、スイッチ検出有効期間が終了である(YES)と判別したとき、サブCPU201は、スイッチ検出有効期間フラグをオフする(S428)。続いて、サブCPU201は、第1確変状態専用ステージBをワークRAM203にセットする(S429)。
本実施形態では、遊技者が演出ボタン23を用いた演出(ミニゲーム)を無視したときに、演出ステージを強制的に第1確変状態専用ステージBに変更する。第1確変状態専用ステージBは、確変遊技状態からの転落を示唆している。したがって、遊技者が演出ボタン23を用いた演出(ミニゲーム)を無視すると、不利な遊技状態になったように見せることができる。なお、実際の確変状態の転落は、転落抽選によって決定する。
本実施形態では、遊技者が演出ボタン23を用いた演出を無視したときに、演出ステージを強制的に第1確変状態専用ステージBに変更したが、実際に転落を決定する処理を行ってもよい。また、本発明の遊技機としては、遊技者が演出ボタン23を用いた演出を無視したときに、遊技状態を、通常遊技状態よりも特図確率を低くした遊技状態に移行する構成としてもよい。
S429の処理の後、サブCPU201は、始動口入賞コマンド受信時処理を終了し、処理をコマンド解析処理(図64参照)に移す。
[タイマ割込処理]
次に、タイマ割込処理について、図70を参照して説明する。
サブCPU201は、実行中のサブメイン処理を中断して、タイマ割込処理を実行する場合がある。
はじめに、サブCPU201は、レジスタを退避させる(S441)。この処理において、サブCPU201は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる。次に、サブCPU201は、タイマ更新処理を行う(S442)。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶されるラウンド演出等のタイマを更新する。
次に、サブCPU201は、演出ボタンスイッチ入力検出処理を行う。この処理において、サブCPU201は、演出ボタン23の操作による演出ボタンスイッチ118への入力の有無を検出する。なお、この演出ボタンスイッチ入力検出処理は、タイマ割込処理において実行しているが、他の割込処理で実行してよい。
次に、サブCPU201は、レジスタを復帰させる(S444)。この処理において、サブCPU201は、ステップS411の処理で退避した値を各レジスタに復帰させる。この処理の後、サブCPU201は、タイマ割込処理を終了する。
[コマンド割込処理]
次に、コマンド割込処理について、図71を参照して説明する。
サブCPU201は、実行中のサブメイン処理を中断して、コマンド割込処理を実行する場合がある。
はじめに、サブCPU201は、レジスタを退避させる(S451)。この処理において、サブCPU201は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる。次に、サブCPU201は、受信コマンドをバッファに格納する(S452)。
次に、サブCPU201は、レジスタを復帰させる(S453)。この処理において、サブCPU201は、ステップS451の処理で退避した値を各レジスタに復帰させる(S453)。この処理の後、サブCPU201は、コマンド割込処理を終了する。
<大入賞口の動作>
次に、第1大入賞口44及び第2大入賞口45の動作について、図72を参照して説明する。
図72は、第1大入賞口44及び第2大入賞口45の動作に係るタイムチャートである。
特別図柄表示装置62(図5参照)によって大当り図柄が停止表示されると、図72に示すように、当り開始インターバル時間(300msec)を経過してから第1大入賞口44が開放状態になる。当り開始インターバル時間と、第1大入賞口44の開放時間(大入賞口開放時間)は、第1タイマによって管理される。
第1大入賞口44が開放状態になると、第1大入賞口作動中信号がセット(オン)される。第1大入賞口作動中信号は、第1大入賞口44が開放中であることを示すデータであり、カウントスイッチ104による遊技球の計数は、第1大入賞口作動中信号がONであるときに有効になる。
その後、第1大入賞口44が閉鎖状態になると、ラウンド間インターバル時間(50msec)を経過してから第2大入賞口45が開放状態になる。ラウンド間インターバル時間は、第1タイマによって管理される。
また、第1大入賞口44が閉鎖状態になっても、第1大入賞口作動中信号のオンは、残留球監視時間(1000msec)が経過するまで維持される。これは、第1大入賞口44が閉鎖状態になってから所定の時間が経過するまで、カウントスイッチ104による遊技球の計数を有効にするためである。
これにより、第1大入賞口44が閉鎖状態になったときに計数されていない遊技球を、第1大入賞口44が閉鎖状態になってから計数することができ、第1大入賞口44に入賞した遊技球を正確に計数することができる。残留球監視時間は、第2タイマによって管理される。
本実施形態では、ラウンド間インターバル時間を第1タイマによって管理し、残留球監視時間を第2タイマによって管理する。そのため、残留球監視時間を経過していなくても、ラウンド間インターバル時間が経過していれば、第2大入賞口45を開放状態にすることができる。
したがって、第1大入賞口44が閉鎖状態になってから第2大入賞口45を開放状態にするまでの時間と、第2大入賞口45が閉鎖状態になってから第1大入賞口44を開放状態にするまでの時間を短くすることができる。すなわち、第1大入賞口44及び第2大入賞口45が閉鎖状態になっている時間を、ラウンド間インターバル時間(50msec)のみにすることができる。
ラウンド間インターバル時間は、第1大入賞口44が閉鎖状態になるときに第1大入賞口44の直上にある遊技球が自由落下によって移動しても、次に開放されることとなる開放状態の第2大入賞口45の上方に位置するような時間が望ましい。
大当り遊技の最終Rが終了して第2大入賞口45に係る残留球監視時間を経過する前に、次の大当り遊技が開始されると、残留球監視時間の経過中に第1大入賞口44が開放状態になってしまう。その結果、第1大入賞口作動中信号がONされ、大当り遊技が継続していることになってしまう。
そのため、残留球監視時間は、大当り遊技が終了してから(第2大入賞口45が閉鎖状態になってから)、次の大当り遊技が開始される(第1大入賞口44が開放状態になる)までの最短時間よりも短くすることが望ましい。
ところで、1R目の第1大入賞口44に係る残留球監視時間が経過する前に、第2大入賞口45のカウントスイッチで10個の遊技球をカウントする場合がある。この場合に、第1タイマによってラウンド間インターバル時間を管理するため、第2タイマは、1R目の第1大入賞口44に係る残留球監視時間が経過する前に、2R目の第2大入賞口45に係る残留球監視時間を管理しなければならなくなる。そのため、1R目の第1大入賞口44に係る第1大入賞口作動中信号の出力時間が短くなり、1R目の第1大入賞口44に入賞した遊技球が全てカウントされない可能性がある。
このような現象を緩和するには、例えば、タイマを3つ設け、第1大入賞口44に係る残留球監視時間を管理するタイマ(例えば第2タイマ)と、第2大入賞口45に係る残留球監視時間を管理するタイマ(例えば第3タイマ)を別にするとよい。これにより、一方の大入賞口に係る残留球監視時間が経過する前に他方の大入賞口が開放して閉鎖しても、第1タイマで管理されるラウンド間インターバル時間が経過して一方の大入賞口が開放する直前まで、一方の大入賞口に係る大入賞口作動中信号を出力することができる。その結果、一方の大入賞口に入賞した遊技球をカウントするための時間をラウンド間インターバル時間分だけ延ばすことができる。
このとき、第1タイマでラウンド間インターバル時間が管理され、第2タイマで第1大入賞口44に係る残留監視時間が管理され、第3タイマで第2大入賞口45に係る残留監視時間が管理される。そして、大入賞口作動中信号は、第1大入賞口44及び第2大入賞口45の両方が作動中であると出力される。
なお、通常の遊技機では、大入賞口作動中信号を出力していないときに対象となる大入賞口のカウントスイッチにて遊技球が検出されると、エラーが検出されることになる。しかし、このようなエラーを回避するために、大入賞口作動中信号の出力が終了してから所定時間(例えば、3000msec)は、エラーを検出しないようにすることが望ましい。
なお、上述のような現象は、頻繁に起こる現象ではない。例えば、本実施形態を含む通常のパチンコ遊技機における発射装置は、1分間に約100個の遊技球を発射する性能を有しており、1個の遊技球を発射するために必要な時間は約600msecである。遊技者が遊技球を発射し続けた状態において、遊技領域12a上には通常5個程度の遊技球が自重により落下しながら位置している。仮に、その5個の遊技球が全て開放状態の大入賞口に入賞するとしても、入賞可能な残り5個の遊技球を発射するには、約3000msecを要することになる。したがって、残留球監視時間を1000msecに設定した場合は、一方の大入賞口に係る残留球監視時間が経過する前に他方の大入賞口が開放して閉鎖することは極めて少ないと考えられる。
<演出ボタン押下時演出>
次に、演出ボタン押下時演出について、図73及び図74を参照して説明する。
図73は、第1確変遊技状態中の33G,66G目に行われる演出ボタン押下時演出例を示す説明図である。図74は、第1確変遊技状態中の99G目に行われる演出ボタン押下時演出例を示す説明図である。
[33G,66G目の演出ボタン押下時演出例]
第1確変遊技状態中の33G,66G目は、表示装置13の表示領域13aにジャッジメント画像を表示して、34G,67G目以降の演出ステージについて報知する演出を行う。また、この演出と同時に演出ボタン押下時演出が行われる。
演出ボタン押下時演出は、遊技者が演出ボタン23を押下(連打)することにより演出用7セグカウンタ51の一部が順々に点灯していく演出である。この演出用7セグカウンタ51の一部を点灯させるタイミングは、演出ボタン23の押下を所定回数行ったときとする。つまり、演出ボタン23を所定回数押下する毎に、演出用7セグカウンタ51の表示態様が変化する。
34G,67G目以降の演出ステージが第1確変専用ステージAになる場合は、最終的に演出用7セグカウンタ51に「32」が表示される。第1確変専用ステージAは、第1確変遊技状態が継続していることを示唆するステージである。
一方、34G,67G目以降の演出ステージが第1確変専用ステージBになる場合は、最終的に演出用7セグカウンタ51が消灯する。第1確変専用ステージBは、第1確変遊技状態が転落していることを示唆するステージである。さらに、第1確変遊技状態中の33G,66G目で大当りに当選した場合は、最終的に演出用7セグカウンタ51に「77」が表示される。
図73に示すように、演出ボタン押下時演出が開始されたとき、演出用7セグカウンタ51は消灯されている。そして、演出ボタン23を押下(連打)すると、まずは、演出用7セグカウンタ51における「32」と「77」に共通する点灯箇所が順々に点灯される。これにより、演出ボタン押下時演出の途中まで、演出用7セグカウンタ51に「32」又は「77」が表示されることを遊技者に期待させることができる。
そして、「77」の表示まで点灯箇所が残り1つになり、次の点灯で「77」が表示されれば、特別図柄ゲームが大当りになる。一方、「77」の表示とは関係無い点灯箇所であって、「32」を表示するための点灯箇所が点灯されると、特別図柄ゲームがハズレになることが確定する。
その後、演出用7セグカウンタ51における「32」を表示するための点灯箇所が順々に点灯される。そして、「32」の表示まで点灯箇所が残り1つになり、次の点灯で「32」が表示されれば、34G,67G目以降の演出ステージが第1確変専用ステージAになることが確定する。一方、演出用7セグカウンタ51が消灯されると、34G,67G目以降の演出ステージが第1確変専用ステージBになることが確定する。
[99G目の演出ボタン押下時演出例]
第1確変遊技状態中の99G目は、表示装置13の表示領域13aにジャッジメント画像を表示して、100G目以降の演出ステージについて報知する演出を行う。また、この演出と同時に演出ボタン押下時演出が行われる。
100G目以降の演出ステージが第1確変専用特殊ステージになる場合は、最終的に演出用7セグカウンタ51に「SP」が表示される。第1確変専用特殊ステージは、第1確変遊技状態が継続していることを示唆する(認識させる)ステージである。
一方、100G目以降の演出ステージが通常ステージになる場合は、最終的に演出用7セグカウンタ51が消灯する。通常ステージは、通常遊技状態中に実行されるステージである。さらに、第1確変遊技状態中の99G目で大当りに当選した場合は、最終的に演出用7セグカウンタ51に「77」が表示される。
図74に示すように、演出ボタン押下時演出が開始されたとき、演出用7セグカウンタ51は消灯されている。そして、演出ボタン23を押下(連打)すると、まずは、演出用7セグカウンタ51における「SP」と「77」に共通する点灯箇所が順々に点灯される。これにより、演出ボタン押下時演出の途中まで、演出用7セグカウンタ51に「SP」又は「77」が表示されることを遊技者に期待させることができる。
そして、「77」の表示まで点灯箇所が残り1つになり、次の点灯で「77」が表示されれば、特別図柄ゲームが大当りになる。一方、「77」の表示とは関係無い点灯箇所であって、「32」を表示するための点灯箇所が点灯されると、特別図柄ゲームがハズレになることが確定する。
その後、演出用7セグカウンタ51における「SP」を表示するための点灯箇所が順々に点灯される。そして、「SP」の表示まで点灯箇所が残り1つになり、次の点灯で「SP」が表示されれば、100目以降の演出ステージが第1確変専用特殊ステージになることが確定する。一方、演出用7セグカウンタ51が消灯されると、100G目以降の演出ステージが通常ステージになることが確定する。
<保留演出>
次に、保留演出について、図75〜図77を参照して説明する。
図75〜図77は、保留演出の表示例を示す説明図である。
本実施形態では、第1確変遊技状態の100G以降(第1確変専用特殊ステージ)又は第2確変遊技状態(第2確変専用ステージ)において、表示装置13の表示領域13aに表示される保留図柄を用いて保留演出を行う。保留図柄は、第1,第2始動口34,35の遊技球が入賞(特別図柄始動入賞)した場合に追加され、最大8個まで表示される。
図75に示す状態は、5つの保留図柄が表示され、そのうちの2番目の保留図柄が大当り予告の保留図柄(青色)であり、最後の保留図柄が転落予告の保留図柄(デンジャー保留)である場合を示している。図75の点線は、保留図柄が表示されていない部分を示しており、「第1確変モード」は、遊技状態が第1確変遊技状態であることを報知する表示である。
図75に示すように、転落予告の保留図柄は、導火線を有する爆弾を表している。この転落予告の保留図柄における導火線は、対応する特別図柄ゲームが近づく度(図75で左に移動する度に)に短くなる。
図76に示す状態は、図75に示す状態から4つの保留に対応する特別図柄ゲームが消化され、転落予告の保留に対応する特別図柄ゲームが行われている場合を示している。また、特別図柄の変動パターンは、転落変動Bを示す「0BH」に決定されている。
なお、大当り予告の保留図柄は、ハズレ確定時大当り予告演出(ガセ保留変化演出)であり、この保留に対応する特別図柄ゲームの結果がハズレであったこととする。
図76に示すように、転落予告の保留に対応する特別図柄ゲームが行われている場合は、転落予告の保留図柄が表示領域13aの背景になり、導火線が短くなっている。
図77に示す状態は、図76に示す状態から複数の識別図柄の変動が停止された場合を示している。このとき、表示領域13aの背景となっていた爆弾が爆発した場合は、第1確変遊技状態が転落し、「第1確変モード終了」が表示される。この「第1確変モード終了」は、第1確変遊技状態が転落したことを報知する表示である。
図76に示す状態から複数の識別図柄の変動が停止されたとき、表示領域13aの背景となっていた爆弾が不発であった場合は、第1確変遊技状態が維持される。すなわち、図75に示す転落予告をした保留演出は、ガセ転落保留演出(偽物の転落予告)であったことになる。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1は、転落が当選した場合に必ず転落予告の保留演出(転落予告の保留図柄を表示)を行う構成とした。しかし、本発明の遊技機としては、転落予告の保留演出(転落予告の保留図柄を表示)を行わずに、第1確変遊技状態を連絡させる構成であってもよい。
[転落及び大当り時演出の説明]
まず、転落及び大当り時演出について、図78〜図80を参照して説明する。
図78〜図80は、転落及び大当り時演出の表示例を示す説明図である。
本実施の形態では、特別図柄ゲーム毎に転落判定処理(転落抽選)を行う。したがって、第1確変遊技状態及びは第2確変遊技状態の一の特別図柄ゲームにおいて、転落の当選と大当りの当選との両方を決定することがある。
転落判定処理(図48のS69)は、大当り判定処理(図48のS70)よりも前に実行される。転落判定処理において転落が当選したときは、遊技状態が通常遊技状態又は時短遊技状態に移行する。その後、大当り判定処理において大当りが当選する場合は、通常遊技状態中における大当りの当選、又は時短遊技状態中における大当りの当選となる。
大当りの種別は、16Rと、4Rの2通りである。通常遊技状態中(非時短中)に、4Rの大当りが決定され、その後、開始された大当り遊技状態が終了すると、遊技状態は、第2確変遊技状態に移行する。また、時短遊技状態中(時短中)に、4Rの大当りが決定され、その後、開始された大当り遊技状態が終了すると、遊技状態は、第1確変遊技状態に移行する。
一方、転落の当選と大当りの当選が決定した特別図柄ゲームに対応する演出ステージは、第1確変専用ステージ、第1確変専用特殊ステージ、又は第2確変専用ステージである。つまり、一の特別図柄ゲームにおいて、転落の当選と大当りの当選が決定すると、遊技者は、第1又は第2確変遊技状態中(時短中)に大当りが当選したと認識する。しかし、パチンコ遊技機1の主制御回路70による制御処理としては、上述したように、通常遊技状態中(非時短中)に大当りが当選することがある。
そこで、本実施の形態では、一の特別図柄ゲームにおいて、転落の当選と大当りの当選が決定し、大当り遊技状態から第2確変遊技状態に移行する4Rの大当りが決定された場合に、通常遊技状態中の大当りであることを遊技者に認識させる演出を行う。
ここで、大当り遊技状態から第2確変遊技状態に移行する4Rの大当りについて、説明する。第1確変遊技状態の1G〜99G(第1確変専用ステージ)において転落が当選した場合は、遊技状態が時短遊技状態に移行する。したがって、第1確変遊技状態の1G〜99Gにおいて当選する4Rの大当りは、第2確変遊技状態に移行する4Rの大当りではない。
一方、第1確変遊技状態の100G以降(第1確変専用特殊ステージ)において転落が当選した場合は、遊技状態が通常遊技状態に移行する。したがって、第1確変遊技状態の100G以降において当選する4Rの大当りは、第2確変遊技状態に移行する4Rの大当りである。また、第2確変遊技状態(第2確変専用ステージ)において転落が当選した場合は、遊技状態が通常遊技状態に移行する。したがって、第2確変遊技状態において当選する4Rの大当りは、第2確変遊技状態に移行する4Rの大当りである。
第2確変遊技状態に移行する4Rの大当りが決定された場合は、サブ演出内容として一旦転落再変動スーパーリーチが決定される(図40参照)。一旦転落再変動スーパーリーチが実行されると、まず、25000msecを使用し、表示領域13aに転落を報知する画像を表示させる演出が行われる。この演出は、転落変動Bを模した演出(図76及び図77参照)であり、表示領域13aの背景となっていた爆弾が爆発して「第1確変モード終了」が表示される。しかし、表示領域13aに表示する識別図柄は、完全に停止しない。
続いて、図78に示すように、10msecを使用して識別図柄を揺れ変動させる演出が行われる。識別図柄を揺れ変動させる演出に使用する時間は、特別図柄ゲームが終了してから、保留に基づく次の特別図柄ゲームが開始されるまでの時間と略同一にすることが好ましい。すなわち、一旦転落再変動スーパーリーチにおいて、識別図柄を揺れ変動させる演出に使用する時間は、表示領域13aにおける識別図柄の変動が停止されてから、保留に基づく次の識別図柄の変動が開始されるまでの時間と略同一にすることが好ましい。
その後、図79に示すように、40000msecを使用して、識別図柄を再び変動させ、図80に示すように、4Rの大当りの当選に対応する識別図柄を停止表示させる演出が行われる。この演出は、スーパーリーチBに模した演出である。また、この演出中は、「通常モード」が表示される。この「通常モード」は、遊技状態が通常遊技状態であることを報知する表示である。
これにより、実際は一の特別図柄ゲームに対応して行われている演出を、2回分の特別図柄ゲームに対応する演出のように見せることができる。そして、確変遊技状態が転落し、その後、通常遊技状態で大当りになったことを遊技者に認識させることができる。つまり、転落変動Bを模した演出で確変遊技状態が転落したことを遊技者に認識させ、その後のスーパーリーチBに模した演出で通常遊技状態中に大当りになったことを遊技者に認識させることができる。その結果、大当り遊技状態の終了後に、第2確変遊技状態(第2確変専用ステージ)に移行されても、遊技者に矛盾及び不満感を与えないようにすることができる。
[転落及び大当り時演出の実行時間]
次に、転落及び大当り時演出の実行時間について、図81を参照して説明する。
図81は、転落及び大当り時演出と、転落時演出及び大当り時演出が連続して行われる場合を対比するタイムチャートである。
図81に示す演出例1は、転落時演出及び大当り時演出が連続して行われた場合のタイムチャートを示している。具体的には、特別図柄ゲームに対応して転落時演出(転落変動B)が実行され、その後、保留に基づく特別図柄ゲームに対応して大当り時演出(スーパーリーチB)が実行される場合のタイムチャートを示している。
転落変動Bの変動時間は25000msecであり、スーパーリーチBの変動時間は40000msecである。また、転落変動Bが終了してからスーパーリーチBが開始されるまでの変動待ち時間は、10msecである。したがって、転落変動Bが開始されてからスーパーリーチBが終了するまでに要する時間は、65010msecとなる。
一方、演出例2は、転落及び大当り時演出(一旦転落再変動大当り)が行われた場合のタイムチャートを示している。一旦転落再変動大当りの変動時間は、65010msecである。上述したように、一旦転落再変動大当りの演出は、25000msecの転落変動Bを模した演出と、10msecの変動待ち時間を模した識別図柄を揺れ変動させる演出と、40000msecのスーパーリーチBに模した演出から構成されている。
これにより、転落及び大当り時演出を、転落時演出及び大当り時演出が連続して行われ場合に似せることができる。その結果、実際は一の特別図柄ゲームに対応して行われている演出を、2回分の特別図柄ゲームに対応する演出のように違和感なく見せることができる。
<カウント演出>
次に、カウント演出について、図82を参照して説明する。
図82は、カウント演出の表示例を示す説明図である。
図82A〜図82Eは、遊技状態が第1確変遊技状態(第1確変専用ステージ)である場合の表示装置13及び演出用7セグカウンタ51を示している。
前述したように、カウント演出は、大当りの予告演出が決定された保留と、その保留よりも前の2つ以上の保留に係る特別図柄ゲームの実行中に、表示装置13と演出用7セグカウンタ51を用いてカウントダウンを模した表示を行う演出である。このカウント演出は、本発明の遊技機に係る連続識別情報表示演出の一具体例を示す。
図82Aは、表示領域13aに4つの保留図柄が表示されており、そのうちの最後(4番目)の特別図柄始動入賞によって表示された保留図柄が緑色である状態を示している。緑色の保留図柄に対応する保留は、大当り確定時大当り予告演出が決定された保留であり、大当り図柄として「777」が決定している。そして、大当り予告保留よりも前の3つの保留に係る変動パターンには、短縮変動Bが決定されている。
したがって、カウント演出フラグがオン(図68参照)され、次の特別図柄ゲームから表示装置13及び演出用7セグカウンタ51を用いたカウント演出が実行される。つまり、次の識別図柄の変動からカウント演出が実行される。
図82Bは、4つの保留のうちの最初(1番目)の保留に対応する特別図柄ゲームが終了したときの表示装置13及び演出用7セグカウンタ51を示しており、カウント演出が実行されている状態を示す。1番目の保留に係る変動パターンは、短縮変動Bであるため、表示領域13aに表示される識別図柄の変動は、2000msecで停止表示される。このとき、識別図柄は、「747」で停止表示され、演出用7セグカウンタ51は「3」を表示する。
「747」の識別図柄は、「777」が停止表示される4つ前の状態を示している。つまり、本実施形態のカウント演出は、3つ並んだ識別図柄のうちの真ん中の識別図柄を1ずつ増やすことにより、徐々に「777」に近づけて、「777」が停止表示されることを遊技者に期待させる。なお、この例では、大当り予告保留よりも前の3つの保留に係る変動パターンが全て短縮変動Bであるため、「777」が停止表示される4つ前の状態からカウントダウンが始まる。
演出用7セグカウンタ51における「3」の表示は、大当りの図柄が停止表示される可能性のある識別図柄の変動が開始されるまでのゲーム数(以下、「カウントダウン数」という)を示している。したがってカウントダウン数は、識別図柄の変動毎に1ずつ減っていく。なお、この例では、大当り予告保留よりも前の3つの保留に係る変動パターンが全て短縮変動Bであるため、「3」からカウントダウンが始まる。
図82Cは、4つの保留のうちの2番目の保留に対応する特別図柄ゲームが終了したときの表示装置13及び演出用7セグカウンタ51を示しており、引き続きカウント演出が実行されている状態を示す。2番目の保留に係る変動パターンは、短縮変動Bであるため、表示領域13aに表示される識別図柄の変動は、2000msecで停止表示される。このとき、識別図柄は、「757」で停止表示され、演出用7セグカウンタ51は「2」を表示する。
図82Dは、4つの保留のうちの3番目の保留に対応する特別図柄ゲームが終了したときの表示装置13及び演出用7セグカウンタ51を示しており、引き続きカウント演出が実行されている状態を示す。3番目の保留に係る変動パターンは、短縮変動Bであるため、表示領域13aに表示される識別図柄の変動は、2000msecで停止表示される。このとき、識別図柄は、「767」で停止表示され、演出用7セグカウンタ51は「1」を表示する。
図82B〜図82Dに示す停止表示の態様は、約2000msec(約2秒)の間隔でテンポ良く行われるため、カウント演出の興趣を高めることができる。また、演出用7セグカウンタ51にカウントダウン数が表示されるため、大当りの図柄が停止表示される可能性のある識別図柄の変動が開始されるまでのゲーム数を遊技者に認識させることができ、遊技者の期待感を高めることができる。
図82Eは、4つの保留のうちの最後(4番目)の保留に対応する特別図柄ゲームが行われているときの表示装置13及び演出用7セグカウンタ51を示しており、引き続きカウント演出が実行されている状態を示す。4番目の保留は、大当りが当選しているため、リーチ演出が行われる。
図82Eに示すように、本実施形態では、「787」と「777」の表示が繰り返される。すなわち、3つ並んだ識別図柄のうちの真ん中の識別図柄の「7」と「8」の表示が行き来する。このとき、演出用7セグカウンタ51に「78」を表示し、表示領域13aに表示される真ん中の識別図柄の「7」と「8」の変動に合わせて、演出用7セグカウンタ51の「78」の表示のうちの「7」又は「8」の輝度を変化させることが好ましい。つまり、真ん中の識別図柄の「7」が表示されるときは、演出用7セグカウンタ51の「7」の輝度を高くして、真ん中の識別図柄の「8」が表示されるときは、演出用7セグカウンタ51の「8」の輝度を高くする。そして、真ん中の識別図柄の「7」が導出され、「777」が停止表示される。このとき、演出用7セグカウンタ51には、「77」が表示される。
このようにカウント演出は、4つの保留に対応する特別図柄ゲームが行われているときの表示装置13における識別図柄の変動表示の停止表示態様が大当りを報知する停止表示態様に1つずつ近づいていく。これにより、複数の遊技に亘って行われる連続演出が実行されていることを遊技者に容易に認識させることができる。
なお、図82に示すカウント演出では、識別図柄の最初の停止表示の態様を、大当りの図柄が停止表示される4つ前の状態とした。しかし、本発明に係るカウント演出としては、識別図柄の最初の停止表示の態様を、大当りの図柄が停止表示される3つ前の状態としてもよく、また、大当りの図柄が停止表示される5つ以上前の状態としてもよい。
また、図82に示すカウント演出では、3つ並んだ識別図柄のうちの真ん中の識別図柄を1ずつ増やす(カウントアップする)ことにより、大当り図柄(「777」)に近づけるようにした。しかし、1ずつ増やす識別図柄は、右端又は左端の識別図柄であってもよい。また、カウント演出において変化させる識別図柄は、1ずつ減らして(カウントダウンして)もよく、ランダムに決定した大当り図柄にならない値であってもよい。さらに、表示領域に13aに表示する識別図柄は、数字に限定されるものではない。
また、本実施形態では、大当り予告演出の決定を、カウント演出を行う条件の1つとした。しかし、本発明のパチンコ遊技機1に係るカウント演出としては、大当り予告演出の決定に関わらす実行されるものであってもよい。
また、本実施形態では、大当り予告演出が決定された保留に係る変動パターンには、短縮変動Bとは異なる変動時間が規定されている。しかし、本発明のパチンコ遊技機1に係るカウント演出としては、大当り予告演出が決定された保留に係る変動パターンを、短縮変動Bと同じ変動時間が規定されているものにしてもよい。
これにより、カウント演出が開始されてから大当りの図柄(又はハズレの図柄)の停止表示までを、約2000msec(約2秒)の間隔でテンポ良く行うことができる。
本実施形態では、大当り遊技状態への移行が決定されるときの普図確率(時短又は非時短)に応じて、大当り遊技状態が終了してから実行される確変遊技状態が異なる。
つまり、非時短中に4Rの大当りが決定されると、大当り遊技状態が開始され、大当り遊技状態が終了すると、第2確変遊技状態に移行する。そして、第2確変遊技状態中に転落が当選すると、第2確変遊技状態が終了し、時短も終了する。
一方、16Rの大当り又は時短中に4Rの大当りが決定されると、大当り遊技状態が開始され、大当り遊技状態が終了すると、第1確変遊技状態に移行する。第1確変遊技状態が開始されると、転落の当選・非当選に関わらず、少なくとも99G(99回の遊技)が終了するまで時短が継続する。これにより、確変遊技状態の転落を備える遊技性を高めることができる。
また、本実施形態では、第2確変遊技状態中に転落に当選すると、転落に当選したことを表示装置13によって確定的に報知する。つまり、予告なし第2確変遊技状態を終了することは無い。したがって、第2確変遊技状態が終了するときに、遊技者に矛盾を感じさせないようにすることができる。
上述したように、第1確変遊技状態が開始されると、少なくとも99回の遊技が終了するまで時短が継続される。つまり、転落の当選により第1確変遊技状態が終了したとしても、時短が継続される。したがって、遊技者は、第1確変遊技状態が開始されてから少なくとも99回の遊技が終了するまで、転落が当選したか否かを把握できない。これにより、遊技者に確変状態が継続しているという期待感を持たせる遊技を行うことができる。
2.パチンコ遊技機の第2の実施形態
第2の実施形態に係るパチンコ遊技機は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1と同様の構成を有している。第2の実施形態に係るパチンコ遊技機がパチンコ遊技機1と異なるところは、各種のデータテーブル及び保留演出である。そのため、ここでは、各種のテーブル及び保留演出について説明する。
<メインROMに記憶されているデータテーブルの構成>
まず、第2の実施形態に係るパチンコ遊技機のメインROM72に記憶されている各種データテーブルの構成について、図83〜図88を参照して説明する。
なお、特別図柄変動パターン決定テーブル(ハズレ用)及び特別図柄変動パターン決定テーブル(当り用)は、第1の実施形態と同様である。
[大当り判定テーブル]
はじめに、大当り判定テーブルについて、図83を参照して説明する。
大当り判定テーブルは、大当り判定処理(図48のS70)を行う場合に参照される。この大当り判定テーブルは、大当り確率と、大当り判定値範囲との関係を規定する。
第1の大当り確率は、遊技状態が通常遊技状態、大当り遊技状態及び時短遊技状態の場合に設定される。すなわち、第1の大当り確率時は、遊技状態が通常遊技状態、大当り遊技状態又は時短遊技状態のときである。第1の大当り確率時の大当り判定値範囲は、0〜233に規定されている。
また、第2の大当り確率は、遊技状態が第1確変遊技状態と第2確変遊技状態の場合に設定される。すなわち、第2の大当り確率時は、第1確変遊技状態又は第2確変遊技状態のときである。第2の大当り確率時の大当り判定値範囲は、100〜1499に規定されている。
大当り判定値の100〜233は、第1の大当り確率時と第2の大当り確率時において重複している。したがって、大当り判定用乱数値として100〜233のいずれかが抽出された場合は、第1の大当り確率時及び第2の大当り確率時のいずれの場合も、大当りに当選する。
一方、大当り判定用乱数値として0〜99のいずれかが抽出された場合は、第1の大当り確率時に大当りに当選し、第2の大当り確率時には大当りに当選しない(ハズレになる)。また、大当り判定用乱数値として234〜1499のいずれかが抽出された場合は、第2の大当り確率時に大当りに当選し、第1の大当り確率時には大当りに当選しない(ハズレになる)。
[大当り乱数(0〜99)取得時保留演出選択テーブル]
次に、大当り乱数取得時(0〜99)保留演出選択テーブルについて、図84を参照して説明する。
大当り乱数取得時(0〜99)保留演出選択テーブルは、第1確変遊技状態中の100G以上と、第2確変遊技状態中に参照される。また、大当り乱数取得時(0〜99)保留演出選択テーブルは、大当り判定用カウンタから抽出した大当り判定用乱数値が0〜99のいずれかであり、図柄決定用カウンタから抽出した図柄決定用乱数値が16Rの大当りに対応する特別の大当り図柄を決定する場合に参照される。なお、他の遊技状態であっても他の演出選択テーブルを用いて保留演出を決定するようにしてもよい。
大当り乱数(0〜99)取得時保留演出選択テーブルは、保留演出選択用乱数範囲と、演出内容との関係を規定する。
例えば、大当り判定用カウンタから抽出した大当り判定用乱数値が「0」であり、保留演出選択用乱数値として、「51」が抽出された場合は、保留演出の内容として、演出有りAが決定される。
なお、本実施形態では、大当り判定用カウンタから抽出した転落判定用乱数値が0〜99のいずれかであれば、現在の遊技状態で大当りに当選するか否かに関わらず、図柄決定用乱数値に基づいて、当選した場合の大当り図柄を予想する。そして、予想結果が16Rの大当りに対応する大当り図柄であれば、大当り乱数取得時(0〜99)保留演出選択テーブルを参照して演出内容(保留演出の有無)を決定する。
[大当り乱数(100〜233)取得時保留演出選択テーブル]
次に、大当り乱数取得時(100〜233)保留演出選択テーブルについて、図85を参照して説明する。
大当り乱数取得時(0〜99)保留演出選択テーブルは、第1確変遊技状態中の100G以上と、第2確変遊技状態中に参照される。また、大当り乱数取得時(100〜233)保留演出選択テーブルは、大当り判定用カウンタから抽出した大当り判定用乱数値が100〜233のいずれかであり、図柄決定用カウンタから抽出した図柄決定用乱数値が16Rの大当りに対応する特別の大当り図柄を決定する場合に参照される。
大当り乱数(100〜233)取得時保留演出選択テーブルは、保留演出選択用乱数範囲と、演出内容との関係を規定する。
例えば、大当り判定用カウンタから抽出した大当り判定用乱数値が「100」であり、保留演出選択用乱数値として、「51」が抽出された場合は、保留演出の内容として、演出有りBが決定される。
なお、本実施形態では、大当り判定用カウンタから抽出した大当り判定用乱数値が100〜233のいずれかであれば、図柄決定用乱数値に基づいて、当選した場合の大当り図柄を予想する。そして、予想結果が16Rの大当りに対応する大当り図柄であれば、大当り乱数取得時(100〜233)保留演出選択テーブルを参照して演出内容(保留演出の有無)を決定する。
[大当り乱数(234〜1499)取得時保留演出選択テーブル]
次に、大当り乱数取得時(234〜1499)保留演出選択テーブルについて、図86を参照して説明する。
大当り乱数取得時(0〜99)保留演出選択テーブルは、第1確変遊技状態中の100G以上と、第2確変遊技状態中に参照される。また、大当り乱数取得時(234〜1499)保留演出選択テーブルは、大当り判定用カウンタから抽出した大当り判定用乱数値が234〜1499のいずれかであり、図柄決定用カウンタから抽出した図柄決定用乱数値が16Rの大当りに対応する特別の大当り図柄を決定する場合に参照される。
大当り乱数(234〜1499)取得時保留演出選択テーブルは、保留演出選択用乱数範囲と、演出内容との関係を規定する。
例えば、大当り判定用カウンタから抽出した大当り判定用乱数値が「234」であり、保留演出選択用乱数値として、「51」が抽出された場合は、保留演出の内容として、演出有りCが決定される。
なお、本実施形態では、大当り判定用カウンタから抽出した大当り判定用乱数値が234〜1499のいずれかであれば、現在の遊技状態で大当りに当選するか否かに関わらず、図柄決定用乱数値に基づいて、当選した場合の大当り図柄を予想する。そして、予想結果が16Rの大当りに対応する大当り図柄であれば、大当り乱数取得時(234〜1499)保留演出選択テーブルを参照して演出内容(保留演出の有無)を決定する。
[ハズレ乱数(1500〜65535)取得時保留演出選択テーブル]
次に、ハズレ乱数(1500〜65535)取得時保留演出選択テーブルについて、図87を参照して説明する。
ハズレ乱数(1500〜65535)取得時保留演出選択テーブルは、大当り判定用カウンタから抽出した大当り判定用乱数値が1500〜65535のいずれかである場合に参照される。このハズレ乱数(1500〜65535)取得時保留演出選択テーブルは、保留演出選択用乱数範囲と、演出内容との関係を規定する。
例えば、ハズレの当選に対応する大当り判定用乱数値(1500〜65535)が抽出され、保留演出選択用乱数値として、「76」が抽出された場合は、保留演出の内容として、ハズレ確定時大当り予告演出が決定される。ハズレ確定時大当り予告演出は、偽の大当り予告を行う演出であり、ハズレ確定時転落予告演出は、偽の転落予告を行う演出である。
なお、ハズレ確定時転落予告演出は、第1確変遊技状態中の100G以上と、第2確変遊技状態中に決定され、それ以外の状態では当選しても無効になる。
[転落乱数取得時保留演出選択テーブル]
次に、転落乱数取得時保留演出選択テーブルについて、図88を参照して説明する。
転落乱数取得時保留演出選択テーブルは、転落判定用カウンタから抽出した転落判定用乱数値が転落の当選に対応する値である場合に参照される。この転落乱数取得時保留演出選択テーブルは、保留演出選択用乱数範囲と、演出内容との関係を規定する。
例えば、転落の当選に対応する乱数値が抽出された場合は、保留演出選択用乱数値がいずれであっても、保留演出の内容として、転落確定時転落予告演出が決定される。転落確定時転落予告演出は、転落を予告する演出である。この転落確定時転落予告演出は、第1確変遊技状態中の100G以上と、第2確変遊技状態中に決定され、それ以外の状態では当選しても無効になる。
なお、大当り判定用カウンタと転落判定用カウンタは、独立して設けられているため、大当り判定用カウンタから大当りの当選に対応する乱数値が抽出され、転落判定用カウンタから転落の当選に対応する乱数値が抽出されることがある。この場合は、転落乱数取得時保留演出選択テーブルにより決定する保留演出を優先する。
<プログラムROMに記憶されているデータテーブルの構成>
次に、副制御回路200のプログラムROM202に記憶されている各種データテーブルの構成について、図89を参照して説明する。
なお、サブ演出内容決定テーブル(ハズレ用)、サブ演出内容決定テーブル(当り用)、第1確変遊技状態33G目継続抽選テーブル及び第1確変遊技状態66G目継続抽選テーブルは、第1の実施形態と同様である。
[サブ保留演出選択テーブル]
サブ保留演出選択テーブルについて、図89を参照して説明する。
サブ保留演出選択テーブルは、演出ステージと、メイン決定内容と、変動時遊技状態と、サブ演出内容決定乱数範囲と、サブ演出内容との関係を規定する。演出ステージ、メイン決定内容、サブ演出内容決定乱数範囲については、第1の実施形態と同様である。
変動時遊技状態は、保留に対応する特別図柄ゲームの変動が行われるときの遊技状態である。演出ステージが第1確変専用特殊ステージ又は第2確変専用ステージの場合は、転落に当選すると、次の特別図柄ゲームから遊技状態が通常遊技状態に移行される。そのため、特別図柄始動入賞時と、その特別図柄始動入賞による保留に対応する特別図柄ゲームの変動時は、遊技状態が異なる場合がある。
演出ステージが第1確変専用特殊ステージ又は第2確変専用ステージ、メイン決定内容が演出有りA、変動時遊技状態が通常遊技状態の場合は、サブ演出内容決定乱数値が0〜99のいずれであっても、サブ演出内容として「転落保留変化演出」が決定される。変動時遊技状態が通常遊技状態になる場合は、この保留よりも前に消化される保留の中に「デンジャー保留」が含まれている。
そして、メイン決定内容として演出有りAが決定される場合は、大当り判定用乱数値が0〜99のいずれかであり、大当り判定用乱数値が0〜99のいずれかであれば、通常遊技状態(第1の大当り確率時)で大当りが当選する。したがって、大当り判定用乱数値として0〜99のいずれかが抽出された場合は、確変状態の転落の後、すなわち通常遊技状態において大当りに当選する。そこで、本実施形態では、確変状態の転落の後に大当りに当選する場合に、転落予告の保留図柄(デンジャー保留)を変化させる転落保留変化演出を行う。
演出ステージが第1確変専用特殊ステージ又は第2確変専用ステージ、メイン決定内容が演出有りA、変動時遊技状態が第1確変遊技状態又は第2確変遊技状態の場合は、サブ演出内容決定乱数値に応じて保留図柄の色を変化させる演出を行う。
変動時遊技状態が第1確変遊技状態又は第2確変遊技状態になる場合は、大当り判定用乱数値が0〜99(演出有りAが決定されるときの大当り判定用乱数値)のいずれであっても大当りに当選しない。したがって、この場合に決定される保留図柄の色を変化させる演出は、偽の大当り予告演出となる。
演出ステージが第1確変専用特殊ステージ又は第2確変専用ステージ、メイン決定内容が演出有りB、変動時遊技状態が通常遊技状態の場合は、決定した保留の前に転落が当選することが確定しているため、それ以前に転落予告の保留図柄が存在することとなり、サブ演出内容としてそれ以前に存在する転落保留を変更するための「転落保留変化演出」が決定される。
メイン決定内容として演出有りBが決定される場合は、大当り判定用乱数値が100〜233のいずれかである。大当り判定用乱数値が100〜233のいずれかであれば、通常遊技状態(第1の大当り確率時)及び第1,第2確変状態(第2の大当り確率時)のいずれの遊技状態であっても大当りが当選する。したがって、大当り判定用乱数値として100〜233のいずれかが抽出された場合は、確変状態の転落の後、すなわち通常遊技状態においても大当りに当選するため、本実施形態では、転落保留変化演出を行う。
演出ステージが第1確変専用特殊ステージ又は第2確変専用ステージ、メイン決定内容が演出有りB、変動時遊技状態が第1確変遊技状態又は第2確変遊技状態の場合は、サブ演出内容決定乱数値に応じて保留図柄の色を変化させる演出を行う。
変動時遊技状態が第1確変遊技状態又は第2確変遊技状態になる場合は、大当り判定用乱数値が100〜233(演出有りBが決定されるときの大当り判定用乱数値)のいずれであっても大当りに当選する。したがって、この場合に決定される保留図柄の色を変化させる演出は、大当りが決定する期待度の高い色(緑、赤、虹色)に変化させる演出が決定され易い。
演出ステージが第1確変専用特殊ステージ又は第2確変専用ステージ、メイン決定内容が演出有りC、変動時遊技状態が通常遊技状態の場合は、サブ演出内容決定乱数値に応じて保留図柄の色を変化させる演出を行う。
変動時遊技状態が通常遊技状態になる場合は、大当り判定用乱数値が234〜1499(演出有りCが決定されるときの大当り判定用乱数値)のいずれであっても大当りに当選しない。したがって、この場合に決定される保留図柄の色を変化させる演出は、偽の大当り予告演出となる。
演出ステージが第1確変専用特殊ステージ又は第2確変専用ステージ、メイン決定内容が演出有りC、変動時遊技状態が第1確変遊技状態又は第2確変遊技状態の場合は、サブ演出内容決定乱数値に応じて保留図柄の色を変化させる演出を行う。
変動時遊技状態が第1確変遊技状態又は第2確変遊技状態になる場合は、大当り判定用乱数値が234〜1499(演出有りCが決定されるときの大当り判定用乱数値)のいずれであっても大当りに当選する。したがって、この場合に決定される保留図柄の色を変化させる演出は、大当りが決定する期待度の高い色(緑、赤、虹色)に変化させる演出が決定され易い。
<転落保留変化演出>
次に、転落保留変化演出について、図90及び図91を参照して説明する。
図90及び図91は、転落保留変化演出の表示例を示す説明図である。
図90に示す状態は、5つの保留図柄が表示され、そのうちの2番目の保留図柄が転落予告の保留図柄(デンジャー保留)であり、最後(5番目)の保留図柄が特殊保留図柄である場合を示している。また、図90の点線は、保留図柄が表示されていない部分を示しており、「第1確変モード」は、遊技状態が第1確変遊技状態であることを報知する表示である。
図90に示すように、転落予告の保留図柄は、導火線を有する爆弾を表している。この転落予告の保留図柄における導火線は、対応する特別図柄ゲームが近づく度(図90で左に移動する度に)に短くなる。また、特殊保留図柄は、3つ重なったバケツを表している。この特殊保留図柄は、例えば、特別図柄始動入賞したときに大当り判定用カウンタから抽出した乱数値が100〜233のいずれかである保留を示している。つまり、特殊保留図柄は、大当りを予告する保留図柄である。
大当り判定用乱数値が100〜233のいずれかであれば、通常遊技状態(第1の大当り確率時)及び第1,第2確変状態(第2の大当り確率時)で大当りが当選する。したがって、図90に示す2番目の保留図柄に対応する特別図柄ゲーム(遊技)が開始され、確変遊技状態が転落しても(その後、通常遊技状態になっても)、特殊保留図柄に対応する特別図柄ゲームにおいて16Rの大当りが決定する。そして、その後開始される大当り遊技状態が終了すると、遊技状態は、第1確変遊技状態(第1確変モード)に移行される。
図91に示す状態は、図90に示す状態から1つ特別図柄ゲームが消化された状態を示している。すなわち、4つの保留図柄が表示され、そのうちの最初(1番目)の保留図柄が転落予告の保留図柄(デンジャー保留)であり、最後(4番目)の保留図柄が特殊保留図柄である場合を示している。
図91に示すように、本実施形態の転落保留変化演出では、転落予告の保留図柄(デンジャー保留)に対応する特別図柄ゲームが終了する前に、特殊保留図柄のバケツが移動して転落予告の保留図柄における導火線を消火する。これにより、確変遊技状態の転落が回避される様子を遊技者に見せることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、確変遊技状態の転落が回避されたことを遊技者に認識させることができる。なお、転落予告の保留図柄における導火線の消火に合わせて、確変遊技状態の転落が回避されたことを報知してもよい。
このように、転落保留変化演出では、確変遊技状態の転落が回避されたように表現するが、実際は、転落予告の保留図柄に対応する特別図柄ゲームが終了すると、遊技状態が確変遊技状態(本例では第1確変遊技状態)から通常遊技状態に移行する。しかし、その後すぐに大当りが決定し、大当り遊技状態の終了後に第1確変遊技状態に移行するため、本実施形態では、確変遊技状態の転落が回避されたように見せることで、遊技の興趣を高めている。
なお、本実施形態では、図91に示すように、転落予告の保留図柄が1番目(対応する特別図柄ゲームが次に実行される)になったときに、特殊保留図柄のバケツが移動して転落予告の保留図柄における導火線を消火している。しかし、特殊保留図柄のバケツが移動して転落予告の保留図柄における導火線を消火するタイミングは、特殊保留図柄が表示されてから転落予告の保留図柄に対応する特別図柄ゲームが開始される前まであれば、任意に設定することができる。
また、特殊保留図柄のバケツによる導火線の消火は、転落予告の保留図柄に対応する特別図柄ゲームが開始された時の背景に表示される爆弾の導火線に対して行ってもよい。この場合は、転落予告の保留図柄に対応する特別図柄ゲームが終了するまでに、導火線が消火される。
また、本実施形態における転落保留変化演出では、確変遊技状態の転落が回避されたように見せるものであるが、例えば、偽の転落保留変化演出を設けてもよい。すなわち、実際は確変遊技状態の転落が回避されない場合に、特殊保留図柄を表示するようにしてもよい。具体的には、転落予告の保留図柄が表示された後の特別図柄始動入賞により大当り判定用乱数値として234〜1499のいずれかが抽出された場合に、特殊保留図柄を表示させる。この偽の転落保留変化演出では、例えば、保留されていた特別図柄ゲームが消化される度に、特殊保留図柄のバケツが減り、転落予告の保留図柄における導火線を消火できないようにしてもよい。
また、本実施の形態における転落保留変化演出では、遊技者に確変遊技状態の転落が回避されたように見せるため、遊技者は、確変遊技状態中(時短中)に大当りが決定されたと認識する。したがって、大当り遊技状態が終了してから移行される遊技状態は、第1確変遊技状態であると認識する可能性が高い。しかし、特殊保留図柄に対応する特別図柄ゲーム(遊技)において4Rの大当りが決定された場合は、大当り遊技状態が終了してから移行される遊技状態が第2確変遊技状態になってしまうため、遊技者に不信感を与えてしまう可能性がある。
そこで、本実施の形態では、大当りの種別として16Rの大当りが決定する場合に、転落保留変化演出を行う構成とした。特殊保留図柄に対応する特別図柄ゲーム(遊技)において16Rの大当りが決定された場合は、大当り遊技状態が終了してから第1確変遊技状態に移行されるため、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
しかし、本発明のパチンコ遊技機としては、大当りの種別に関わらず転落保留変化演出を行う構成としてもよい。この場合は、大当り遊技状態が終了したときに移行する確変遊技状態を1種類にして、大当りが当選するときの遊技状態に応じて大当り遊技状態後の移行する確変状態が変化しないようにすることが好ましい。
また、本発明のパチンコ遊技機における転落保留変化演出としては、転落予告の保留図柄に対応する特別図柄ゲームが近づくにつれて、転落予告の保留図柄が変化することを期待させる(煽る)演出を実行してもよい。この転落予告の保留図柄が変化することを期待させる演出としては、例えば、転落予告の保留図柄に数字を付してカウントダウンを行ったり、演出用7セグカウンタ51を連動させてカウントダウンを模した演出を行ったりしてもよい。
また、本発明のパチンコ遊技機における転落保留変化演出としては、転落予告の保留図柄に対応する特別図柄ゲームが始まるまで中に、表示装置13の表示領域13aに数字を表示して導火線が消火に合わせてカウントダウンを行う演出をしてもよい。
3.パチンコ遊技機の第3の実施形態
第3の実施形態に係るパチンコ遊技機は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1と同様の構成を有している。第3の実施形態に係るパチンコ遊技機がパチンコ遊技機1と異なるところは、各種のデータテーブル及び保留演出である。そのため、ここでは、各種のテーブル及び保留演出について説明する。
<メインROMに記憶されているデータテーブルの構成>
まず、第3の実施形態に係るパチンコ遊技機のメインROM72に記憶されている各種データテーブルの構成について、図92〜図96を参照して説明する。
なお、特別図柄変動パターン決定テーブル(ハズレ用)及び特別図柄変動パターン決定テーブル(当り用)は、第1の実施形態と同様である。
[大当り及び転落判定テーブル]
はじめに、大当り及び転落判定テーブルについて、図92を参照して説明する。
大当り及び転落判定テーブルは、転落判定処理(図48のS69)を行う場合と、大当り判定処理(図48のS70)を行う場合に参照される。この大当り及び転落判定テーブルは、大当り判定値範囲と、転落判定値範囲と、前回大当り図柄との関係を規定する。この大当り及び転落判定テーブルは、本発明の遊技機に係る転落乱数規定手段の一具体例を示す。
大当り判定値の範囲及び転落判定値の範囲は、前回の大当り図柄に応じて規定されている。例えば、第1の大当り確率(低確率)時であって初期設定(初めて電源が投入されたとき又はメインRAM73クリア時)の場合における大当り判定値範囲は、0〜233に規定されている。また、第1の大当り確率(低確率)時であって前回の大当り図柄が1〜50のいずれかであった場合における大当り判定値範囲は、50〜283に規定されている。
このように、大当り判定値範囲は、複数の前回大当り図柄において重複する範囲を含んで構成されている。例えば、第1の大当り確率(低確率)時であって特別図柄始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値が150であった場合は、初期設定の場合、前回の大当り図柄が1〜50の場合及びと前回の大当り図柄が51〜100の場合に大当りに当選する。
また、初期設定の場合における転落判定値範囲は0〜849に規定され、前回の大当り図柄が1〜50の場合における転落判定値範囲は50〜899に規定されている。このように、転落判定値範囲は、複数の前回大当り図柄において重複する範囲を含んで構成されている。
例えば、特別図柄始動入賞時に抽出された転落判定用乱数値が80であった場合は、初期設定の場合及び前回の大当り図柄が1〜50の場合に転落に当選する。また、特別図柄始動入賞時に抽出された転落判定用乱数値が250であった場合は、前回大当り図柄がいずれの場合であっても転落に当選する。
[大当り乱数取得時保留演出選択テーブル(始動入賞時現在)]
次に、大当り乱数取得時保留演出選択テーブル(始動入賞時現在)について、図93を参照して説明する。
大当り乱数取得時保留演出選択テーブル(始動入賞時現在)は、大当りに当選する大当り判定用乱数値を取得した場合に、入賞演出判定処理(図62参照)において参照される。なお、大当りに当選する大当り判定用乱数値を取得した否かは、特別図柄始動入賞時に判断する。
大当り乱数取得時保留演出選択テーブル(始動入賞時現在)は、保留演出選択用乱数範囲と、演出内容との関係を規定する。例えば、大当り判定用カウンタから抽出した大当り判定用乱数値が大当りに当選する値であり、保留演出選択用乱数値として、「51」が抽出された場合は、保留演出の内容として、大当り確定時大当り予告演出が決定される。
[特定大当り乱数取得時保留演出選択テーブル(乱数値200〜233)]
次に、特定大当り乱数取得時保留演出選択テーブル(乱数値200〜233)について、図94を参照して説明する。
特定大当り乱数取得時保留演出選択テーブル(乱数値200〜233)は、大当り判定用乱数値として200〜233のいずれかが抽出された場合に、入賞演出判定処理(図62参照)において参照される。すなわち、図93を参照して説明した大当り乱数取得時保留演出選択テーブル(始動入賞時現在)は、大当り判定用乱数値として200〜233以外の大当りに当選する値が抽出された場合に参照される。
特定大当り乱数取得時保留演出選択テーブル(乱数値200〜233)は、保留演出選択用乱数範囲と、演出内容との関係を規定する。大当り判定用カウンタから抽出した大当り判定用乱数値が200〜233のいずれかであった場合は、保留演出選択用乱数値が0〜99のいずれの値であっても、保留演出の内容として、大当り確定演出が決定される。
大当り判定用乱数値が200〜233のいずれかであった場合は、大当り確率及び前回大当り図柄に関わらず、必ず大当りに当選する(図92参照)。したがって、本実施形態では、大当り判定用乱数値が200〜233のいずれかであった場合に、保留図柄を大当りが決定する期待度の高い色に変化させる保留演出を行う。
[ハズレ乱数取得時保留演出選択テーブル(始動入賞時現在)]
次に、ハズレ乱数取得時保留演出選択テーブル(始動入賞時現在)について、図95を参照して説明する。
ハズレ乱数取得時保留演出選択テーブル(始動入賞時現在)は、ハズレに当選する大当り判定用乱数値を取得した場合に、入賞演出判定処理(図62参照)において参照される。なお、ハズレに当選する大当り判定用乱数値を取得した否かは、特別図柄始動入賞時に判断する。
ハズレ乱数取得時保留演出選択テーブル(始動入賞時現在)は、保留演出選択用乱数範囲と、演出内容との関係を規定する。例えば、ハズレの当選に対応する大当り判定用乱数値が抽出され、保留演出選択用乱数値として、「76」が抽出された場合は、保留演出の内容として、ハズレ確定時大当り予告演出が決定される。ハズレ確定時大当り予告演出は、特別図柄始動入賞時における偽の大当り予告を行う演出である。なお、ハズレ確定時大当り予告演出が決定された保留は、対応する特別図柄が開始されるときに大当りに当選することもある。
[転落見込み乱数取得時保留演出選択テーブル(乱数値0〜1049)]
次に、転落見込み乱数取得時保留演出選択テーブル(乱数値0〜1049)について、図96を参照して説明する。
転落見込み乱数取得時保留演出選択テーブル(乱数値0〜1049)は、転落判定用カウンタから抽出した転落判定用乱数値が0〜1049のいずれかである場合に参照される。この転落見込み乱数取得時保留演出選択テーブル(乱数値0〜1049)は、保留演出選択用乱数範囲と、演出内容との関係を規定する。
転落判定用乱数値が0〜1049のいずれかである場合は、保留演出選択用乱数値が0〜99のいずれであっても、保留演出の内容として、転落確定時転落予告演出が決定される。転落確定時転落予告演出は、転落を予告する演出である。この転落確定時転落予告演出は、第1確変遊技状態中の100G以上と、第2確変遊技状態中に決定され、それ以外の状態では当選しても無効になる。
大当り及び転落判定テーブル(図92参照)に示すように、転落判定値範囲は、前回の大当り図柄に応じて変化する。したがって、特別図柄始動入賞時は転落に当選しない転落判定用乱数値であっても、その後に転落判定値範囲が変化して転落に当選する場合がある。この場合は、保留図柄が転落予告の保留図柄(デンジャー保留)に突然変化したり、転落を予告せずに確変遊技状態が転落したりすることになる
そこで、本実施形態では、転落が当選する見込み(可能性)がある転落判定用乱数値(0〜1049)が抽出された場合に、とりあえず転落予告の保留図柄を表示する。このように構成すると、抽出された転落判定用乱数値が転落判定値範囲以外の値であった場合の転落確定時転落予告演出は、偽の転落予告を行う演出になり、予告なしの保留から遊技者の望まない転落保留に突然変化する場合と比較して、遊技の興趣を高めることができる。
<プログラムROMに記憶されているデータテーブルの構成>
次に、副制御回路200のプログラムROM202に記憶されている各種データテーブルの構成について、図97を参照して説明する。
なお、サブ演出内容決定テーブル(ハズレ用)、サブ演出内容決定テーブル(当り用)、第1確変遊技状態33G目継続抽選テーブル及び第1確変遊技状態66G目継続抽選テーブルは、第1の実施形態と同様である。
[サブ保留演出選択テーブル(始動入賞コマンド受信時)]
サブ保留演出選択テーブル(始動入賞コマンド受信時)について、図97を参照して説明する。
サブ保留演出選択テーブル(始動入賞コマンド受信時)は、演出ステージと、メイン決定内容と、サブ演出内容決定乱数範囲と、サブ演出内容との関係を規定する。演出ステージ、メイン決定内容、サブ演出内容決定乱数範囲については、第1の実施形態と同様である。
図97に示すように、演出ステージが共通であり、メイン決定内容が大当り確定演出である場合は、サブ演出内容決定乱数値が0〜99のいずれであっても、サブ演出内容として「虹保留」が決定される。上述したように、メイン決定内容が大当り確定演出の場合は、必ず大当りに当選する(図92参照)。したがって、本実施形態では、保留図柄の色を大当りが決定する期待度が1番高い虹色に変化させる。
演出ステージが通常ステージ1,2であり、メイン決定内容が大当り確定時大当り予告演出、又はハズレ確定時大当り予告演出である場合は、サブ演出内容決定乱数値に応じて、保留図柄の色を変化させる演出を行う。
メイン決定内容として大当り確定時大当り予告演出が決定された場合であっても、この保留に対応する特別図柄ゲームが開始されるまでに大当りが決定すると、大当り判定値範囲が変化する。これにより、大当り確定時大当り予告演出が実行された保留に対応する特別図柄ゲームにおいて大当りが当選しなくなる(ハズレが当選)場合がある。したがって、メイン決定内容が大当り確定時大当り予告演出であっても、大当りが決定する期待度が1番高い虹色に変化させる保留演出は決定されない。
演出ステージが第1確変専用ステージであり、メイン決定内容が大当り確定時大当り予告演出、又はハズレ確定時大当り予告演出である場合は、サブ演出内容決定乱数値に応じて、保留図柄の色を変化させる演出を行う。この場合は、演出ステージが通常ステージ1,2である場合と同じである。
演出ステージが第1確変専用ステージであり、メイン決定内容が転落確定時転落予告演出である場合は、サブ演出内容決定乱数値が0〜99のいずれであっても、サブ演出内容として「演出無し」が決定される。第1確変専用ステージの33G,66Gの演出では、第1確変遊技状態の継続又は転落を示唆し、99Gでは、第1確変遊技状態の継続又は転落を報知する演出を行う。これにより、遊技者は、第1確変専用ステージの99Gが終了するまで、第1確変遊技状態が継続していることを期待しながら遊技を行うことができる。そのため、第1確変専用ステージでは、サブ演出内容(保留演出)として転落予告の保留図柄(デンジャー保留)を表示しない。
演出ステージが第1確変特殊専用ステージ又は第2確変専用ステージであり、メイン決定内容が大当り確定時大当り予告演出、又はハズレ確定時大当り予告演出である場合は、サブ演出内容決定乱数値に応じて、保留図柄の色を変化させる演出を行う。この場合は、演出ステージが通常ステージ1,2である場合と同じである。
演出ステージが第1確変特殊専用ステージ又は第2確変専用ステージであり、メイン決定内容が転落確定時転落予告演出である場合は、サブ演出内容決定乱数値が0〜99のいずれであっても、サブ演出内容として「デンジャー保留」が決定される。
メイン決定内容として転落確定時転落予告演出が決定された場合であっても、この保留に対応する特別図柄ゲームが開始されるまでに大当りが決定すると、転落判定値範囲が変化する。これにより、転落確定時転落予告演出が実行された保留に対応する特別図柄ゲームにおいて転落が当選しなくなる場合がある。
<主制御回路の動作説明>
次に、図98〜図100を参照して、主制御回路70のメインCPU71により実行されるプログラムの内容について説明する。
なお、主制御回路70のメインCPU71により実行されるメイン処理当り終了インターバル処理以外の処理については、第1の実施形態と同様である。
[メイン処理]
まず、メインCPU71の制御によるメイン処理について、図98及び図99を参照して説明する。図98及び図99に示すメイン処理は、第1の実施形態に係るメイン処理(図45及び図46参照)と同様である。本実施形態のメイン処理が第1の実施形態に係るメイン処理と異なる点は、S519において大当り及び転落判定テーブルの初期設定を行うことである。
つまり、本実施形態のメイン処理におけるS501〜S518は、第1の実施形態に係るメイン処理におけるS1〜S18と同じであり、本実施形態のメイン処理におけるS520〜S536は、第1の実施形態に係るメイン処理におけるS19〜S35と同じである。
図99に示すように、S518の処理の後、メインCPU71は、大当り及び転落判定テーブルの初期設定を行う(S519)。この処理において、メインCPU71は、大当り判定値範囲及び転落判定値範囲を初期設定に対応する値に変更する。
[当り終了インターバル処理]
次に、当り終了インターバル処理について、図100を参照して説明する。
はじめに、メインCPU71は、制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値である「06H」であるか否かを判別する(S551)。制御状態フラグが「06H」ではない(NO)と判別したとき、メインCPU71は、当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
S551の処理において、制御状態フラグが「06H」である(YES)と判別したとき、メインCPU71は、第1タイマの値が「0」であるか否かを判別する(S552)。つまり、メインCPU71は、第1タイマにセットされた当り終了インターバル時間を消化したか否かを判別する。
S552の処理において、第1タイマの値が「0」ではない(NO)、つまり、当り終了インターバル時間を消化していないと判別したとき、メインCPU71は、当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
一方、S552の処理において、第1タイマの値が「0」である(YES)、つまり、当り終了インターバル時間を消化したと判別したとき、メインCPU71は、特別図柄ゲーム終了処理を示す値である「07H」を制御状態フラグにセットする(S553)。
S553の処理の後、メインCPU71は、当り図柄及び当選時の遊技状態に応じた制御データをメインRAM73にセットする(S554)。この処理において、メインCPU71は、第1確変遊技状態フラグ又は第2確変遊技状態フラグを制御データとしてセットする。また、第1確変遊技状態フラグを制御データとしてセットした場合は、時短回数カウンタに「99」をセットする。
具体的には、大当りの種別が16Rの大当りであった場合に、メインCPU71は、第1確変遊技状態フラグを制御データとしてセットする。また、大当りの種別が4Rの大当りであって当選時の遊技状態が第1確変遊技状態、第2確変遊技状態、時短遊技状態のいずれかであった場合に、メインCPU71は、第1確変遊技状態フラグを制御データとしてセットする。第1確変遊技状態フラグを制御データとしてセットすると、遊技状態は、大当り遊技状態から第1確変遊技状態に移行される。
一方、大当りの種別が4Rの大当りであって当選時の遊技状態が通常遊技状態であった場合に、メインCPU71は、第2確変遊技状態フラグを制御データとしてセットする。第2確変遊技状態フラグを制御データとしてセットすると、遊技状態は、大当り遊技状態から第2確変遊技状態に移行される。
S554の処理の後、メインCPU71は、当り図柄に応じて大当り及び転落判定テーブルの判定値範囲を変更する(S554)。例えば、前回の大当り図柄が「特別図柄1」であった場合に、メインCPU71は、第1の大当り確率(低確率)時大当り判定値範囲を「50〜283」に設定し、第2の大当り確率(高確率)時大当り判定値範囲を「50〜1449」に設定する。また、メインCPU71は、転落判定値範囲を「50〜899」に設定する。
S555の処理の後、メインCPU71は、当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図47参照)に移す。
<副制御回路の動作説明>
次に、図101及び図102を参照して、副制御回路200のサブCPU201により実行されるプログラムの内容について説明する。副制御回路200は、主制御回路70から送信された各種コマンドを受信して、表示処理などの様々な処理を行う。
なお、副制御回路200のサブCPU201により実行される特別図柄演出開始コマンド受信時処理及び再判定処理以外の処理については、第1の実施形態と同様である。
[特別図柄演出開始コマンド受信時処理]
次に、第3の実施形態に係るパチンコ遊技機において行われる特別図柄演出開始コマンド受信時処理について、図101を参照して説明する。
はじめに、サブCPU201は、サブ演出内容決定テーブル(図39及び図40参照)を参照し、当落、遊技状態、変動回数、変動パターン、サブ側演出選択用乱数値、演出ステージに基づいて、演出内容を決定する(S561)。
次に、サブCPU201は、カウント演出フラグがオンであるか否かを判別する(S562)。カウント演出フラグがオンである(YES)と判別したとき、サブCPU201は、大当り予告保留からの保留個数に応じて演出内容を決定し、S561の処理で決定した演出内容を変更する(S563)。
カウント演出フラグがオンである場合には、保留演出として大当りの予告(示唆)が行われている。そして、大当りの予告をしている保留よりも前の保留が2個以上ある。S563の処理において決定される演出内容は、前述のカウント演出である。
S562の処理において、カウント演出フラグがオンではない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、遊技状態が第1確変遊技状態であるか否かを判別する(S564)。遊技状態が第1確変遊技状態である(YES)と判別したとき、サブCPU201は、遊技(変動)回数が33回目であるか否かを判別する(S565)。
S565の処理において、遊技回数が33回目である(YES)と判別したとき、サブCPU201は、第1確変遊技状態33G目継続抽選テーブルを参照して34G目からの演出状態を決定する(S566)。
S565の処理において、遊技回数が33回目ではない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、遊技回数が66回目であるか否かを判別する(S567)。遊技回数が66回目である(YES)と判別したとき、サブCPU201は、第1確変遊技状態66G目継続抽選テーブルを参照して67G目からの演出状態を決定する(S568)。
S568の処理において、遊技回数が66回目ではない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、遊技回数が99回目であるか否かを判別する(S569)。遊技回数が99回目である(YES)と判別したとき、サブCPU201は、現在の遊技状態に応じて100G目からの演出状態を決定する(S570)。
S570の処理を行う際の遊技状態が第1確変遊技状態(転落していない)である場合には、サブCPU201は、演出状態として特別演出状態を決定する。特別演出状態は、第1確変遊技状態が継続していることを示唆或いは報知する演出状態である。
一方、S570の処理を行う際の遊技状態が時短遊技状態(転落している)である場合には、サブCPU201は、演出状態として通常演出状態を決定する。通常演出状態は、通常遊技状態中に行われる演出状態である。
S563の処理の後、S564の処理で遊技状態が第1確変遊技状態ではない(NO)と判別したとき、S566の処理の後、S568の処理の後、S569の処理で遊技回数が99回目ではない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、遊技状態が第2確変遊技状態又は第1確変遊技状態であって遊技回数が100G目以降であるか否かを判別する(S571)。
S571の処理において、遊技状態が第2確変遊技状態又は第1確変遊技状態であって遊技回数が100G目以降であると判別したとき、サブCPU201は、再判定処理を行う(S572)。この処理において、サブCPU201は、転落予告の保留や大当り予告の保留に変更が必要な場合に、保留演出の内容を変更する。
S572の処理の後、S571の処理で遊技状態が第2確変遊技状態又は第1確変遊技状態であって遊技回数が100G目以降ではないと判別したとき、サブCPU201は、その他の演出を決定する(S573)。その他の演出としては、例えば、スピーカ11から発生させる音の演出や、ランプ群18を発光させる演出等が挙げられる。
S573の処理の後、サブCPU201は、特別図柄演出開始コマンド受信時処理を終了し、処理をコマンド解析処理(図64参照)に移す。
[再判定処理]
次に、特別図柄演出開始コマンド受信時処理(図101参照)のS572において行われる再判定処理について、図102を参照して説明する。
はじめに、サブCPU201は、現在表示中の保留図柄のなかに転落予告の保留図柄(デンジャー保留)があるか否かを判別する(S581)。現在表示中の保留図柄のなかに転落予告の保留図柄がある(YES)と判別したとき、サブCPU201は、転落予告の保留の前に大当りに当選する予定の保留があるか否かを判別する(S582)。
本実施形態では、大当りの決定を契機に転落判定値範囲が変更される。そのため、転落予告の保留の前に大当りに当選する予定の保留があるか否かを判別する。なお、転落判定値範囲が変更される契機がその他の条件である場合は、本処理が省略される。
S582の処理において、転落予告の保留図柄の前に大当りに当選する予定の保留がある(YES)と判別したとき、サブCPU201は、転落予告の保留に対応する特別図柄ゲームが開始されるときの転落判定値範囲を推測し、その結果、転落に当選するか否かを判別する(S583)。
なお、S582の処理において、サブCPU201は、大当り予告の保留図柄が表示されていなくても、大当りに当選する予定の保留があれば、YESと判別する。
本実施形態では、特別図柄演出停止コマンドの受信時に、転落予告の保留に対応する特別図柄ゲームが開始されるときの転落判定値範囲を推測し、その結果、転落に当選するか否かを判別している。しかし、この判別は、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時等に実行してもよい。
S583の処理において、転落予告の保留に対応する特別図柄ゲームが開始されるときの転落判定値範囲を推測し、その結果、転落に当選しない(NO)と判別したとき、サブCPU201は、演出内容変更処理を行う(S584)。この処理において、サブCPU201は、転落予告の保留図柄を変更する演出(転落保留変化演出)の内容をワークRAM203(図31参照)にセットする。
S581の処理で現在表示中の保留図柄のなかに転落予告の保留図柄が無い(NO)と判別したとき、S582の処理で転落予告の保留の前に大当りに当選する予定の保留が無い(NO)と判別したとき、S583の処理で転落予告の保留に対応する特別図柄ゲームが開始されるときの転落判定値範囲を推測し、その結果、転落に当選する(YES)と判別したとき、又はS584の処理の後、サブCPU201は、現在表示中の各保留に対応する特別図柄ゲームが開始されるときの大当り判定値範囲を推測し、その結果、大当りが決定される保留があるか否かを判別する(S585)。
S585の処理では、現在はハズレが当選する大当り判定用乱数値であるが、その前に大当りが決定して大当り判定値範囲が変更されることにより、大当りに当選する大当り判定用乱数値が抽出されているか否かを判別する。
S585の処理において、各保留に対応する特別図柄ゲームが開始されるときの大当り判定値範囲を推測し、その結果、大当りが決定される保留がある(YES)と判別したとき、サブCPU201は、演出内容変更処理を行う(S586)。この処理において、サブCPU201は、大当りが決定される保留図柄を大当り予告の保留図柄を変更する演出内容をワークRAM203(図31参照)にセットする。
大当りが決定される保留図柄を大当り予告の保留図柄を変更する演出内容としては、例えば、大当りが決定される保留図柄(通常の保留図柄や、青や黄などの虹色以外の保留図柄)を虹保留に変化させることを挙げることができる。
また、大当りが決定される保留図柄を特別図柄ゲーム毎に変化させるようにしてもよい。例えば、大当りが決定される保留図柄が4番目の保留であって青色の保留図柄である場合は、現在実行されている特別図柄ゲームが終了したときに青色の保留図柄を緑色の保留図柄に変化させる。次に、1番目の保留に対応する特別図柄ゲームが終了したときに緑色の保留図柄を黄色の保留図柄に変化させる。そして、2番目の保留に対応する特別図柄ゲームが終了したときに黄色の保留図柄を赤色の保留図柄に変化させ、3番目の保留に対応する特別図柄ゲームが終了したときに赤色の保留図柄を虹色の保留図柄に変化させる。
S585の処理において、各保留に対応する特別図柄ゲームが開始されるときの大当り判定値範囲を推測し、その結果、大当りが決定される保留が無い(NO)と判別したとき、又はS586の処理の後、サブCPU201は、再判定処理を終了し、処理を特別図柄演出開始コマンド受信時処理(図101参照)に移す。
本実施形態では、メイン決定内容として大当り確定時大当り予告演出が決定された場合であっても、大当りが決定する期待度が1番高い虹色に変化させる保留演出は決定されない。そのため、各保留に対応する特別図柄ゲームが開始されるときの大当り判定値範囲を推測し、その結果、大当りが決定される保留が無い(NO)と判別したときに、虹色の保有図柄をその他の色の保留図柄に変更する処理は必要ない。このように、遊技者にとって有利な情報の報知が不利な情報に入れ替わることが無いため、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
<転落保留変化演出>
次に、転落保留変化演出について、図103〜図105を参照して説明する。
図103〜図105は、転落保留変化演出の表示例を示す説明図である。
図103に示す状態は、5つの保留図柄が表示され、そのうちの2番目の保留図柄が大当り当選に対応する大当り判定用乱数値が抽出された保留の保留図柄であり、最後(5番目)の保留図柄が転落予告の保留図柄(デンジャー保留)である場合を示している。また、図103の点線は、保留図柄が表示されていない部分を示しており、「第1確変モード」は、遊技状態が第1確変遊技状態であることを報知する表示である。
例えば、図103に示す状態は、前回大当り図柄が特別図柄1であったとする。この場合の転落判定値範囲は50〜899であり、大当り判定値範囲は50〜1499である。そして、最後(5番目)の保留に係る転落判定用乱数値が50であったとする。
図104に示す状態は、図103に示す2番目の保留(大当り当選に対応する大当り判定用乱数値が抽出された保留)に対応する特別図柄ゲームが終了し、表示装置13の表示領域13aに大当りに対応する識別図柄が停止された状態を示している。このとき、特別図柄ゲームにおいて決定された大当り図柄が特別図柄51であったとする。
この場合に、転落判定値範囲は、100〜949に変更され、転落予告の保留図柄に係る転落判定用乱数値50は、転落の当選に対応する値ではなくなる。つまり、図104における3番目の保留に対応する特別図柄ゲームにおいて、転落は当選しない。なお、本例では、当りインターバル処理で転落判定値範囲を変更するため、大当り遊技状態が終了するまで、当選転落予告の保留図柄は変化しない。
図105に示す状態は、図104に示す状態から大当り遊技状態が開始され、その後、大当り遊技状態が終了して、遊技状態が大当り遊技状態から第1確変遊技状態に移行された状態を示している。また、図105に示す状態は、図104に示す1番目の保留に対応する特別図柄ゲームが開始された状態である。
図105に示す状態は、当りインターバル処理が実行された後であるため、転落判定値範囲が100〜949に変更されている。そのため、図105に示す2番目の保留(転落判定用乱数値50)に対応する特別図柄ゲームにおいて、転落は当選しない。そのため、本実施形態では、転落保留変化演出を行う。
転落保留変化演出は、表示装置13の表示領域13aに演出用キャラクタを表示させ、この演出用キャラクタがバケツを持ってデンジャー保留(爆弾)の導火線を消火する。これにより、確変遊技状態の転落が回避されたことを遊技者に認識させることができる。すなわち、大当りによって転落が回避されたように遊技者に認識させることができる。その結果、転落を予告しても、遊技者に期待感を持たせることができる。
本実施形態では、前回の大当り図柄の種別に応じて転落判定値範囲(転落に当選する転落判定用乱数値の範囲)を変更する構成とした(図92参照)。しかし、本発明に係る遊技機としては、大当りが決定されるときの所定の条件に応じて転落判定値範囲を変更する構成であればよい。大当りが決定されるときの所定の条件としては、例えば、大当りが決定されたときの大当り判定用抽選値であってもよく、また、大当り遊技状態の種別(本実施形態では16R又は4R)であってもよい。
また、特別図柄決定処理(図50参照)による転落判定値範囲の変更は、図104に示すように、大当り遊技状態が終了して確変遊技状態に移行されたときの遊技中や、大当り遊技状態中に行ってもよい。
また、転落保留変化演出は、転落を予告する保留図柄以外の保留図柄を用いて、デンジャー保留(爆弾)の導火線を消火するようにしてもよい。すなわち、転落を予告する保留図柄をそれ以外の保留図柄を用いて変化させてもよい。この場合の転落を予告する保留図柄以外の保留図柄としては、例えば、第2の実施形態と同様に、バケツを模した保留図柄としてもよい。
4.パチンコ遊技機の第4の実施形態
第4の実施形態に係るパチンコ遊技機は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1と同様の構成を有している。第4の実施形態に係るパチンコ遊技機がパチンコ遊技機1と異なるところは、第1大入賞口及び第2大入賞口である。そのため、ここでは、第4の実施形態に係るパチンコ遊技機の第1大入賞口753及び第2大入賞口754について説明する。
[遊技盤]
まず、第4の実施形態のパチンコ遊技機701における遊技盤712の構成について、図106を参照して説明する。
図106は、第4の実施形態のパチンコ遊技機701における遊技盤712を模式的に示す説明図である。
図106に示すように、遊技盤712の前面には、ガイドレール31と、通過ゲート33と、第1始動口34と、第2始動口35と、普通電動役物36が設けられている。また、遊技盤712の前面には、一般入賞口41,42,43と、大入賞口ブロック750と、アウト口46と、演出用7セグカウンタ51と、第2の演出用可動ユニット748と、LEDユニット61が設けられている。
第2の演出用可動ユニット748は、表示領域13aの右斜め下方に配置されている。この第2の演出用可動ユニット748は、第1実施形態に係る第2の演出用可動ユニット54と同じサーチライトを模した形状であり、回動可能に構成されている。第2の演出用可動ユニット748は、表示領域13aに表示された演出画像に連動し、演出効果を高める。
第2の演出用可動ユニット748は、第1実施形態に係る第2の演出用可動ユニット54よりもの大きく形成されている。そのため、第2の演出用可動ユニット748の下方に確保できるスペースが狭い。したがって、第1実施形態のように、上下方向に並ぶ第1大入賞口44及び第2大入賞口45を、第2の演出用可動ユニット748の下方に配置することが難しい。そこで、本実施の形態では、左右方向に並ぶ第1大入賞口753及び第2大入賞口754を有する大入賞口ブロック750を、第2の演出用可動ユニット748の下方に配置している。
[大入賞口ブロック]
次に、大入賞口ブロック750の構成について、図107〜図109を参照して説明する。
図107は、大入賞口ブロック750の斜視図である。図108は、大入賞口ブロック750の第1大入賞口753を開放した状態の斜視図である。図109は、図108に示すA−A線に沿う断面図である。
図107及び図108に示すように、大入賞口ブロック750は、横長の直方体状に形成されたブロック本体751を有している。このブロック本体751は、短手方向に直交する上面751a及び下面751bと、長手方向に直交する左側面751c及び右側面751dと、正面751e及び背面751fとを有している。
なお、ブロック本体751は、本発明の遊技機に係るガイド部材の一具体例を示し、大入賞口ブロック750の上面751aは、本発明の遊技機に係る通過部の一具体例を示す。
大入賞口ブロック750は、ブロック本体751の左側面751cが右側面751dよりも下方に位置するように傾斜されている。ブロック本体751の左側面751cは、アウト口46に適当な距離をあけて対向している。また、ブロック本体751の背面751fは、遊技盤712の前面に当接している。
ブロック本体751には、上面751aに開口された第1大入賞口753及び第2大入賞口754が設けられている。第1大入賞口753及び第2大入賞口754は、ブロック本体751の長手方向に適当な距離をあけて並んでおり、第1大入賞口753は、第2大入賞口754よりも上方に位置している。
なお、第1大入賞口753及び第2大入賞口754は、本発明の遊技機に係る入球部の一具体例を示す。
図109に示すように、第1大入賞口753は、底部753aと、底部753aに遊技球を導くガイド部753bを有している。第1大入賞口753の底部753aには、貫通孔753cが形成されている。また、第1大入賞口753の下方には、貫通孔753cを介して第1大入賞口753に連通する玉排出部757が設けられている。
第1大入賞口753に入賞した遊技球Bは、底部753aの貫通孔753cを通って玉排出部757に進入する。そして、玉排出部757に進入した遊技球Bは、ブロック本体751の背面751fに設けられた排出孔757aと、遊技盤712に設けられた回収口(不図示)を通過して回収部に搬送される。
また、第2大入賞口754は、底部754aと、底部754aに遊技球を導くガイド部754bを有している。第2大入賞口754の底部754aには、貫通孔754cが形成されている。また、第2大入賞口754の下方には、貫通孔754cを介して第2大入賞口754に連通する玉排出部758が設けられている。
第2大入賞口754に入賞した遊技球Bは、底部754aの貫通孔754cを通って玉排出部758に進入する。そして、玉排出部758に進入した遊技球Bは、ブロック本体751の背面751fに設けられた排出孔758aと、遊技盤712に設けられた回収口(不図示)を通過して回収部に搬送される。
また、ブロック本体751は、第1大入賞口753を開閉する第1シャッタ761と、第2大入賞口754を開閉する第2シャッタ762とを有している。第1シャッタ761及び第2シャッタ762は、遊技盤712に形成された貫通孔(不図示)を貫通しており、ブロック本体751の上面751aに沿って、遊技盤712に直交する方向に移動する。
第1シャッタ761及び第2シャッタ762は、第1大入賞口753及び第2大入賞口754を閉じた状態において、ブロック本体751の上面751aと同一平面を形成する。これにより、第1大入賞口753及び第2大入賞口754を閉じた第1シャッタ761及び第2シャッタ762が上面751a上における遊技球の転動を妨げないようにすることができる。
第1大入賞口753及び第1シャッタ761は、本発明の遊技機に係る第1可変部材の一具体例を示す。また、第2大入賞口754及び第2シャッタ762は、本発明の遊技機に係る第2可変部材の一具体例を示す。
[シャッタ駆動機構]
次に、第1シャッタ761を駆動させる第1シャッタ駆動機構770と、第2シャッタ762を駆動させる第2シャッタ駆動機構780について、図110及び図111を参照して説明する。
図110は、大入賞口ブロック750の第1シャッタ駆動機構770及び第2シャッタ駆動機構780を示す説明図である。図111は、大入賞口ブロック750の第1シャッタ駆動機構770により第1大入賞口753を開放した状態を示す説明図である。
図110及び図111に示すように、第1シャッタ駆動機構770は、ソレノイドアクチュエータ771と、回転アーム772と、接続アーム773とを有している。ソレノイドアクチュエータ771は、中空コイル(不図示)を有するケース771aと、このケース771aに突き出し可能に収納されたプランジャ771bとを備えている。
回転アーム772は、長方形の板状に形成されており、長手方向の中間部が軸791に軸支されている。この回転アーム772の長手方向の一端部は、接続アーム773に回転可能に連結されている。また、回転アーム772の長手方向の他端部には、押え片775が設けられている。この押え片775は、第2シャッタ駆動機構780の後述する回転アーム782に係合する。なお、押え片775は、本発明の遊技に係る第2可変部材の開放状態への駆動を抑止する係止部の一具体例を示す。
さらに、回転アーム772には、ソレノイドアクチュエータ771のプランジャ771bが回転可能に連結されている。
接続アーム773は、長方形の棒状に形成されている。接続アーム773の長手方向の一端部は、回転アーム772の長手方向の一端部に回転可能に連結されており、他端部は、第1シャッタ761に固定されている。この接続アーム773は、ガイド部(不図示)によって遊技盤712の前面及び背面に直交する方向へ案内される。
第2シャッタ駆動機構780は、第1シャッタ駆動機構770と同様の構成を有しており、ソレノイドアクチュエータ781と、回転アーム782と、接続アーム783とを有している。ソレノイドアクチュエータ781は、ケース781aと、プランジャ781bとを備えている。
回転アーム782は、長方形の板状に形成されており、長手方向の中間部が軸791に軸支されている。回転アーム772の長手方向の一端部は、接続アーム783に回転可能に連結されており、他端部には、第1シャッタ駆動機構770の回転アーム772に係合する押え片785が設けられている。なお、押え片785は、本発明の遊技に係る第1可変部材の開放状態への駆動を抑止する係止部の一具体例を示す。
さらに、回転アーム782には、ソレノイドアクチュエータ781のプランジャ781bが回転可能に連結されている。
接続アーム783は、長方形の棒状に形成されている。接続アーム783の長手方向の、他端部は、第2シャッタ762に固定されている。この接続アーム783は、ガイド部(不図示)によって遊技盤712の前面及び背面に直交する方向へ案内される。
図110に示すように、第1シャッタ761によって第1大入賞口753を閉鎖する場合は、ソレノイドアクチュエータ771を駆動させて、プランジャ771bの一端部をケース771aから突出させる。これにより、回転アーム772が軸791を中心に回転して、回転アーム772の一端部が遊技盤712に接近する。
その結果、接続アーム773は、遊技盤712に接近する方向に移動して第1シャッタ761を押圧する。そして、接続アーム773に押圧された第1シャッタ761は、遊技盤712の前面から突出して、第1大入賞口753を閉鎖する。
この際、回転アーム772の押え片775は、第2シャッタ駆動機構780の回転アーム782から離れている。そのため、第2シャッタ駆動機構780の回転アーム782は、一端部が遊技盤712から離れる方向に回転可能である。したがって、第2シャッタ駆動機構780によって第2シャッタ762を移動させて、第2大入賞口754を開放することができる。
一方、第2シャッタ762によって第2大入賞口754を閉鎖する場合は、ソレノイドアクチュエータ781を駆動させて、プランジャ781bの一端部をケース781aから突出させる。これにより、回転アーム782が軸791を中心に回転して、回転アーム782の一端部が遊技盤712に接近する。
その結果、接続アーム783は、遊技盤712に接近する方向に移動して第2シャッタ762を押圧する。そして、接続アーム783に押圧された第2シャッタ762は、遊技盤712の前面から突出して、第2大入賞口754を閉鎖する。
この際、回転アーム782の押え片785は、第1シャッタ駆動機構770の回転アーム772から離れている。そのため、第1シャッタ駆動機構770の回転アーム772は、一端部が遊技盤712から離れる方向に回転可能である。したがって、第1シャッタ駆動機構770によって第1シャッタ761を移動させて、第1大入賞口753を開放することができる。
図111に示すように、第1大入賞口753を開放する場合は、ソレノイドアクチュエータ771を駆動させて、プランジャ771bの略全体をケース771a内に収容させる。これにより、回転アーム772が軸791を中心に回転して、回転アーム772の一端部が遊技盤712から離れる。
その結果、接続アーム773は、遊技盤712から離れる方向に移動して、第1シャッタ761を引っ張る。そして、接続アーム773に引っ張られた第1シャッタ761は、遊技盤712の背面側に入り込んで、第1大入賞口753を開放する。
この際、回転アーム772の押え片775は、第2シャッタ駆動機構780の回転アーム782に当接し、第2シャッタ駆動機構780における回転アーム782の回転を係止する。したがって、第2シャッタ762を移動させることができなくなり、第2大入賞口754の開放が不可能になる。
なお、第2シャッタ駆動機構780によって第2シャッタ762を移動させて、第2大入賞口754を開放した場合は、回転アーム782の押え片785が第1シャッタ駆動機構770の回転アーム772に当接する。これにより、回転アーム782の押え片785は、第1シャッタ駆動機構770における回転アーム772の回転を係止する。したがって、第1シャッタ761を移動させることができなくなり、第1大入賞口753の開放が不可能になる。
本実施形態では、第1大入賞口753を開放しているときに、第1シャッタ駆動機構770により第2シャッタ762の移動を物理的に不可能にして、第2大入賞口754が開放されないようにした。また、第2大入賞口754を開放しているときに、第2シャッタ駆動機構780により第1シャッタ761の移動を物理的に不可能にして、第1大入賞口753が開放されないようにした。したがって、第1大入賞口753と第2大入賞口754が同時に開放されない。
これにより、第1大入賞口753と第2大入賞口754を同時に開放させる不正を防止することができる。また、一方のシャッタを開放すれば、他方のシャッタの開放が不可能になる構造であるため、一方のシャッタの閉鎖から他方のシャッタを開放して一方のシャッタの開放を不可能にするまでに要する時間を短縮することができる。その結果、大入賞口753,754に遊技球を効率良く入賞させることができ、大当り遊技状態において、より多くの遊技球を得ることができるパチンコ遊技機を実現できる。
本実施形態では、大入賞口ブロック750が第1大入賞口753及び第2大入賞口754を有する構成とした。しかし、本発明の遊技機に係る大入賞ブロックとしては、第1大入賞口及び第2大入賞口の他に、始動口及び普通電動役物を有する構成であってもよい。
[変形例]
次に、大入賞口ブロックの変形例について、図112〜図118を参照して説明する。
まず、大入賞口ブロックの第1の変形例について、図112を参照して説明する。
図112は、大入賞口ブロックの第1の変形例を示す説明図である。
大入賞口ブロックの第1の変形例は、上述の大入賞口ブロック750と同様な構成を有している。大入賞口ブロックの第1の変形例が大入賞口ブロック750と異なるところは、第1シャッタ及び第2シャッタである。
図112に示すように、大入賞口ブロックの第1の変形例における第1シャッタ813及び第2シャッタ814の端部には、先端に向かうにつれて細くなるテーパ面816が形成されている。これにより、ブロック本体(不図示)と第1シャッタ813との間と、ブロック本体(不図示)と第2シャッタ814との間に遊技球が挟まらないようにすることができる。したがって、第1大入賞口と第2大入賞口が同時に開放されることを防止することができる。
次に、大入賞口ブロックの第2の変形例について、図113を参照して説明する。
図113A及び図113Bは、大入賞口ブロックの第2の変形例を示す説明図である。
図113A及び図113Bに示すように、大入賞口ブロックの第2の変形例である大入賞口ブロック850は、ブロック本体751と、このブロック本体751を回動可能に支持する回動支持部852と、ブロック本体751を回動させる回動駆動部(不図示)を有している。
回動駆動部(不図示)は、第2大入賞口754が開放されるときに、左側面751cが右側面751dよりも下方に位置するように、ブロック本体751を傾斜させる(図113A参照)。一方、回動駆動部(不図示)は、第1大入賞口753が開放されるときに、右側面751dが左側面751cよりも下方に位置するように、ブロック本体751を傾斜させる(図113B参照)。
これにより、第2シャッタ762によって第2大入賞口754が閉鎖されるときに、第2大入賞口754の直前にあった遊技球を、開放された第1大入賞口753へ導くことができる。その結果、遊技球を第1大入賞口753に効率良く入賞させることができる。
次に、大入賞口ブロックの第3の変形例について、図114を参照して説明する。
図114は、大入賞口ブロックの第3の変形例を示す説明図である。
図114に示すように、大入賞口ブロックの第2の変形例である大入賞口ブロック870は、ブロック本体871を有する。ブロック本体871の上方には、演出用部材878が配設されている。ブロック本体871の上部には、演出用部材878の下部に対応する段部が設けられており、第1上面871aと、第1上面871aよりも低い第2上面871bと、第1上面871aと第2上面871bに連続する傾斜面871cとが形成されている。
ブロック本体871の第1上面871a、第2上面871b及び傾斜面871cと、演出用部材878の下部との間には、遊技球Bの直径よりも大きい間隙が形成されている。したがって、遊技球Bは、第1上面871a、第2上面871b及び傾斜面871cと、演出用部材878の下部との間を流下可能である。
ブロック本体871の第1上面871aは、傾斜面871cに向かうにつれて低くなるように傾斜されている。また、第2上面871bは、傾斜面871cに向かうにつれて高くなるように傾斜されている。
ブロック本体871には、第1上面871aに開口された第1大入賞口873と、第2上面871bに開口された第2大入賞口874とを有している。また、ブロック本体871は、第1大入賞口873を開閉する第1シャッタ761と、第2大入賞口874を開閉する第2シャッタ762とを有している。
第1シャッタ761は、遊技盤712に形成された貫通孔(不図示)を貫通しており、ブロック本体871の第1上面871aに沿って、遊技盤712に直交する方向に移動する。また、第2シャッタ762は、遊技盤712に形成された貫通孔(不図示)を貫通しており、ブロック本体871の第2上面871bに沿って、遊技盤712に直交する方向に移動する。
なお、第1シャッタ761を駆動させる第1シャッタ駆動機構(不図示)と、第2シャッタ762を駆動させる第2シャッタ駆動機構(不図示)は、第4の実施の形態に係る第1シャッタ駆動機構770及び第2シャッタ駆動機構780(図110参照)と同様である。
第2の変形例である大入賞口ブロック870は、ブロック本体871の上部に、演出用部材878の下部に対応する段部を設けるため、演出用部材878の下方のスペースを有効に活用することができる。また、第1シャッタ761によって第1大入賞口873が閉鎖されるときに、第1大入賞口873の直前にあった遊技球を、開放された第2大入賞口874へ入賞させることができる。その結果、遊技球を第2大入賞口874に効率良く入賞させることができる。
なお、本例では、ブロック本体871の上部に段部を設ける構成としたが、本発明に係るブロック本体としては、上方に配設された演出部材の形状に応じて適宜変更可能である。ただし、ブロック本体871の上部は、第1大入賞口873及び第2大入賞口874に入賞しなかった遊技球がアウト口46に向かって流下させる形状にすることが好ましい。
5.パチンコ遊技機の第5の実施形態
第5の実施形態に係るパチンコ遊技機は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1と同様の構成を有している。第5の実施形態に係るパチンコ遊技機がパチンコ遊技機1と異なるところは、第1大入賞口及び第2大入賞口である。そのため、ここでは、第5の実施形態に係るパチンコ遊技機の第1大入賞口953及び第2大入賞口954について説明する。
[遊技盤]
まず、第5の実施形態のパチンコ遊技機701における遊技盤712の構成について、図115を参照して説明する。
図115は、第5の実施形態のパチンコ遊技機901における遊技盤912を模式的に示す説明図である。
図115に示すように、遊技盤912の前面には、ガイドレール31と、通過ゲート33と、第1始動口34と、第2始動口35と、普通電動役物36が設けられている。また、遊技盤712の前面には、一般入賞口41,42,43と、第1大入賞口953と、第2大入賞口954と、アウト口46と、演出用7セグカウンタ51と、第2の演出用可動ユニット54と、LEDユニット61が設けられている。
第1大入賞口953及び第2大入賞口954は、第2の演出用可動ユニット54の下方に配置されており、左右方向に適当な距離をあけて並んでいる。第1大入賞口953及び第2大入賞口954は、遊技盤912に回動可能に取り付けられている。
これら第1大入賞口953及び第2大入賞口954は、遊技盤912の背面側に突出し、遊技盤912の前面と略同一平面になると、遊技球を受け入れない閉鎖状態となる。一方、第1大入賞口953及び第2大入賞口954は、遊技盤912の前面から突出すると、遊技球を受け入れる開放状態となる。
[大入賞口回動機構]
次に、第1大入賞口953を回動させる第1大入賞口回動機構970と、第2大入賞口954を回動させる第2大入賞口回動機構980について、図116〜図118を参照して説明する。
図116は、第1大入賞口回動機構970及び第2大入賞口回動機構980を上方から見た状態を示す説明図である。図117は、第1大入賞口回動機構970及び第2大入賞口回動機構980を後方から見た状態を示す説明図である。図118は、第1大入賞口回動機構970により第1大入賞口953を開放した状態を示す説明図である。
図116及び図117に示すように、第1大入賞口回動機構970は、ソレノイドアクチュエータ971と、回転アーム972と、接続アーム973とを有している。ソレノイドアクチュエータ971は、中空コイル(不図示)を有するケース971aと、このケース971aに突出可能に収納されたプランジャ971bとを備えている。
回転アーム972は、長方形の板状に形成されており、長手方向の中間部が軸991に軸支されている。この回転アーム972の長手方向の一端部は、接続アーム973に回転可能に連結されている。また、回転アーム972の長手方向の他端部には、押え片975が設けられている。この押え片975は、第2大入賞口回動機構980の後述する回転アーム982に係合する。さらに、回転アーム972には、ソレノイドアクチュエータ971のプランジャ971bが回転可能に連結されている。
接続アーム973は、長方形の棒状に形成されている。接続アーム973の長手方向の一端部は、回転アーム972の長手方向の一端部に回転可能に連結されており、他端部は、第1大入賞口953に係合されている。この接続アーム973は、ガイド部(不図示)によって遊技盤912の前面及び背面に直交する方向へ案内される。
第2大入賞口回動機構980は、第1大入賞口回動機構970と同様の構成を有しており、ソレノイドアクチュエータ981と、回転アーム982と、接続アーム983とを有している。ソレノイドアクチュエータ981は、ケース981aと、プランジャ981bとを備えている。
回転アーム982は、長方形の板状に形成されており、長手方向の中間部が軸991に軸支されている。回転アーム982の長手方向の一端部は、接続アーム983に回転可能に連結されており、他端部には、第1大入賞口回動機構970の回転アーム972に係合する押え片985が設けられている。さらに、回転アーム982には、ソレノイドアクチュエータ981のプランジャ981bが回転可能に連結されている。
接続アーム983は、長方形の棒状に形成されている。接続アーム983の長手方向の他端部は、第2大入賞口954に係合されている。この接続アーム983は、ガイド部(不図示)によって遊技盤912の前面及び背面に直交する方向へ案内される。
図116に示すように、第1大入賞口953を閉鎖状態にする場合は、ソレノイドアクチュエータ971を駆動させて、プランジャ971bの略全体をケース971a内に収容させる。これにより、回転アーム972が軸991を中心に回転して、回転アーム972の一端部が遊技盤912から離れる。
その結果、接続アーム973は、ソレノイドアクチュエータ971に接近する方向に移動して第1大入賞口953を引っ張る。そして、接続アーム973に引っ張られた第1大入賞口953は、遊技盤912に対して回動し、遊技盤912の背面側に突出する。これにより、第1大入賞口953は閉鎖状態になる。
この際、回転アーム972の押え片975は、第2大入賞口回動機構980の回転アーム982から離れている。そのため、第2大入賞口回動機構980の回転アーム982は、一端部が遊技盤912に接近する方向に回転可能である。したがって、第2大入賞口回動機構980によって第2大入賞口954を回動させて、第2大入賞口954を開放状態にすることができる。
一方、第2大入賞口954を閉鎖状態する場合は、ソレノイドアクチュエータ981を駆動させて、プランジャ981bの略全体をケース981a内に収容させる。これにより、回転アーム982が軸991を中心に回転し、回転アーム982の一端部が遊技盤912から離れる。
その結果、接続アーム983は、ソレノイドアクチュエータ981に接近する方向に移動して第2大入賞口954を引っ張る。そして、接続アーム983に引っ張られた第2大入賞口954は、遊技盤912に対して回動し、遊技盤912の背面から突出して閉鎖状態になる。
この際、回転アーム982の押え片985は、第1大入賞口回動機構970の回転アーム972から離れている。そのため、第1大入賞口回動機構970の回転アーム972は、一端部が遊技盤912に接近する方向に回転可能である。したがって、第1大入賞口回動機構970によって第1大入賞口953を回動させて、第1大入賞口953を開放状態にすることができる。
図118に示すように、第1大入賞口953を開放状態にする場合は、ソレノイドアクチュエータ971を駆動させて、プランジャ971bの一端部をケース971aから突出させる。これにより、回転アーム972が軸991を中心に回転して、回転アーム972の一端部が遊技盤912に接近する。
その結果、接続アーム973は、ソレノイドアクチュエータ971から離れる方向に移動して、第1大入賞口953を押圧する。そして、接続アーム973に押圧された第1大入賞口953は、遊技盤912に対して回動し、遊技盤912の前面から突出して開放状態になる。
この際、回転アーム972の押え片975は、第2大入賞口回動機構980の回転アーム982に当接し、第2大入賞口回動機構980における回転アーム982の回転を係止する。したがって、第2大入賞口954を回動させることができなくなり、第2大入賞口954が開放状態になることを防止する。
なお、第2大入賞口回動機構980によって第2大入賞口954を回動させて、第2大入賞口954を開放状態にする場合は、回転アーム982の押え片985が第1大入賞口回動機構970の回転アーム972に当接する。これにより、回転アーム982の押え片985は、第1大入賞口回動機構970における回転アーム972の回転を係止する。したがって、第1大入賞口953を回動させることができなくなり、第1大入賞口953が開放状態になることを防止する。
本実施形態では、第4の実施形態と同様に、第1大入賞口953と第2大入賞口954が同時に開放されない。これにより、第1大入賞口953と第2大入賞口954を同時に開放させる不正を防止することができる。また、一方のシャッタを開放すれば、他方のシャッタの開放が不可能になる構造であるため、一方のシャッタの閉鎖から他方のシャッタを開放して一方のシャッタの開放を不可能にするまでに要する時間を短縮することができる。その結果、大入賞口753,754に遊技球を効率良く入賞させることができ、大当り遊技状態において、より多くの遊技球を得ることができるパチンコ遊技機を実現できる。
以上、本発明の第1〜第5の実施形態に係る遊技機について、その作用効果も含めて説明した。しかし、本発明は、ここで説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の実施形態を含むことは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、演出用7セグカウンタ51、演出用パネル部材52、第1の演出用可動ユニット53及び第2の演出用可動ユニット54をパチンコ遊技機に適用した。しかし、演出用7セグカウンタ51、演出用パネル部材52、第1の演出用可動ユニット53及び第2の演出用可動ユニット54は、パチスロ遊技機にも適用することができる。