(第1の実施形態)
第1の実施形態は、OLT(Optical Line Terminal:光加入者線終端局装置)が、ONU(Optical Network Unit:光加入者線終端装置)へのループバック試験開始通知(以下、単に「試験開始通知」という)の送信に先立ってONUのユーザ通信を監視し、ユーザ通信におけるフレーム数が所定数以下となったときに、ONUに試験開始通知を送信する、というものである。端的に言えば、第1の実施形態は、OLTで通信状況を監視するものである。
図1は、第1の実施形態の光ネットワークシステム1のシステム構成を表すシステム構成図等である。光ネットワークシステム1は、図1(A)に示すように、OLT20と、ONU30とを含む。OLT20とONU30とは光ファイバーにて接続され、双方向に通信可能である。なお、図示は省略したが、OLT20は複数台のONU30を収容可能である。また、OLT20とONU30の間には、他の機器(例えば、光スプリッタ等)を設けるようにしてもよい。
(OLT20の概要、ONU30の概要)
OLT20及びONU30の概要を説明する。ONU30は、ユーザ端末50との間でユーザ通信(ユーザ端末50を送信元又は送信先としデータを送受信する通信)を実行する。具体的には、ONU30は、ユーザ端末50とリンクが確立された状態(リンクアップされている状態)において、ユーザ端末50から送信されたデータを受信してOLT20に送信し、OLT20から送信されたデータを受信してユーザ端末50に送信する。OLT20は、ONU30を収容し、例えば、ONU30から送信されたデータを受信して網側(具体的には例えばインターネット上のサーバ等)に送信し、また、網側(具体的には例えばインターネット上のサーバ等)から送信されたデータを受信してONU30に送信する。
OLT20は、ONU30に対してループバック試験を実行可能である。具体的には、ONU30の端末側IF部33(後述)において測定フレーム(「試験用フレーム」と称する場合もある)を折り返す方式のループバック試験を実行可能である。ONU30は、ループバック試験が行われるときにユーザ通信を実行している場合には実行中のユーザ通信を切断する。より詳細には、ONU30は、OLT20から送信されたループバック試験の開始を制御する通知(試験開始通知)を受信した場合に、ユーザ端末50とリンクを切断する(リンクダウンする)。
従って、試験開始通知の受信タイミングにおいてユーザ通信が行われていれば、リンクダウンに伴ってデータの送受信が中断(又は中止)されるため、ユーザの不利益(例えばリトライ等による速度低下)となる。なお、試験開始通知の受信タイミングにおいてユーザ通信が行われていなければ、元々送受信データが存在していないため、送受信が中断(又は中止)されることはなく、少なくとも送受信が中断(又は中止)される場合に比べて不利益は少なくなる。
以上、第1の実施形態の光ネットワークシステム1に含まれるOLT20及びONU30の概要を説明したが、第2の実施形態の光ネットワークシステム2に含まれるOLT10(後述)及びONU40(後述)や、第3の実施形態の光ネットワークシステム3に含まれるOLT20(後述)及びONU40(後述)についても同様である。
(OLT20の詳細、ONU30の詳細)
続いてOLT20及びONU30の詳細を説明する。図1(A)に示すように、OLT20は、端末側IF部21と通信制御部22と網側IF部23とループバック試験実行部24とフレーム監視部25とフレーム監視用記憶部29とを備える。ONU30は、局側IF部31と通信制御部32と端末側IF部33とループバック処理部34とを備える。ONU30側の通信制御部32とループバック処理部34は、例えばPONチップとして提供されるものであってもよい。
ONU30側において、局側IF部31は、OLT20側のインターフェース部である。端末側IF部33は、ユーザ端末50側のインターフェース部である。端末側IF部33は、OLT20が実行するループバック試験の折り返しポイントである。
通信制御部32は、ONU30全体を制御する。例えば、通信制御部32は、ユーザ通信におけるフレームを処理する。具体的には、通信制御部32は、端末側IF部33がユーザ端末50から受信したユーザ通信におけるフレーム(アウトバウンドのフレーム)を局側IF部31に供給し、局側IF部31がOLT20側から受信したユーザ通信におけるフレーム(アウトバウンドのフレーム)を端末側IF部33に供給する。
ループバック処理部34は、OLT20が実行するループバック試験に係る処理を実行する。例えば、ループバック処理部34は、被試験装置側としてループバック試験の開始を制御する。具体的には、ループバック処理部34は、OLT20が送信する試験開始通知の応答としてループバック試験開始応答(以下、単に「試験開始応答」という)の送信を制御する。また、ループバック処理部34は、OLT20が送信する測定フレーム(以下、「実験用フレーム」と称する場合もある)の端末側IF部33における折り返しを制御する。また、ループバック処理部34は、被試験装置側としてループバック試験の終了を制御する。具体的には、ループバック処理部34は、OLT20が送信するループバック試験終了通知(ループバック試験の終了を制御する通知。以下、単に「試験終了通知」という)の応答としてループバック試験終了応答(以下、単に「試験終了応答」という)の送信を制御する。
また、ループバック処理部34は、試験開始通知の受信時には、端末側IF部33におけるユーザ端末50とリンクを切断する(リンクダウンする)。また、ループバック処理部34は、試験終了通知の受信時には、端末側IF部33におけるユーザ端末50とリンクを接続(確立)する(リンクアップする)。
OLT20側において、端末側IF部21は、ONU30側のインターフェース部である。網側IF部23は、網側のインターフェース部である。
通信制御部22は、OLT20全体を制御する。例えば、通信制御部22は、ユーザ通信におけるフレームを処理する。具体的には、通信制御部22は、端末側IF部21がONU30から受信したユーザ通信におけるフレーム(アウトバウンドのフレーム)を網側IF部23に供給し、網側IF部23が網側から受信したユーザ通信におけるフレーム(アウトバウンドのフレーム)を網側IF部23に供給する。
ループバック試験実行部24は、ループバック試験を実行する。例えば、ループバック試験実行部24は、ループバック試験を開始する際には(例えば、保守作業員による実行指示や、予めセットされている定期的な実行指示等があったときには)、フレーム監視部25にフレームの監視を指示する。また、ループバック試験実行部24は、フレーム監視部25からループバック試験の進行を指示された場合には、ループバック試験の主体側としてループバック試験の開始を制御する。具体的には、ループバック試験実行部24は、ONU30に対する試験開始通知の送信を制御する。
また、ループバック試験実行部24は、ONU30から試験開始応答を受信した後にONU30に対する実験用フレーム(測定フレーム)の送信を制御する。また、ループバック試験実行部24は、ループバック試験の主体側としてループバック試験の終了を制御する。具体的には、ループバック試験実行部24は、ONU30に対する試験終了通知の送信を制御する。
フレーム監視部25は、ユーザ通信におけるフレームを監視する。具体的には、フレーム監視部25は、ループバック試験実行部24からフレームの監視を指示された場合に、通信制御部22によって処理された一定時間内のフレームの数(フレーム数)を監視する。例えば、フレーム監視部25は、ループバック試験実行部24による指示以降、定期的に、過去一定時間内のフレーム数を監視する。以下、一例として、フレーム監視部25は、ループバック試験実行部24による指示の1秒間経過以降における0.1秒毎に、過去1秒間のフレーム数を監視するものとする。
なお、フレーム監視部25によるフレーム数の監視方法としては種々の監視方法が考えられるが、一例として下記のような方法であってもよい。ループバック試験実行部24は、ループバック試験を開始する際には、フレーム監視部25にフレームの監視を指示するとともに、通信制御部22にユーザ通信におけるフレームを処理した場合にフレームを処理した旨をフレーム監視部25に通知するように指示する。フレーム監視部25は、通信制御部22からフレームを処理した旨の通知があった場合には、当該通知時刻をフレーム処理時刻としてフレーム監視用記憶部29に記憶する。また、フレーム監視部25は、ループバック試験実行部24による指示の1秒間経過以降における0.1秒毎に、フレーム監視用記憶部29に記憶されているフレーム処理時刻を確認し、過去1秒間のフレーム数を監視する。つまり、フレーム監視部25は、過去1秒間内に該当するフレーム処理時刻がフレーム監視用記憶部29に何件記憶されているかを確認することにより、過去1秒間のフレーム数を監視する。
フレーム監視部25は、監視結果として、過去1秒間のフレーム数が所定数以下となっていた場合には、ループバック試験実行部24にループバック試験の進行を指示する。以下、一例として、フレーム監視部25は、監視結果として、過去1秒間のフレーム数が0となっていた場合に、ループバック試験実行部24にループバック試験の進行を指示するものとする。つまり、フレーム監視部25は、過去1秒間のフレーム数が0となっていた場合に、ループバック試験実行部24に対し、試験開始通知を送信するように制御する。
図1(B)は、監視結果等を説明する説明図である。図1(B)は、識別子LLID(例えば、MACアドレス)によって識別可能な複数のONU30のループバック試験の実行前に行われた、ある時刻における、監視結果(夫々のユーザ通信におけるフレーム数)、及び、夫々の監視結果による判定内容(試験開始通知は送信可能か)を示している。
図2は、光ネットワークシステム1におけるループバック試験の処理の流れを示すフローチャートである。図3は、光ネットワークシステム1におけるループバック試験の流れを示すシーケンス図である。なお、図2のフローチャート(図3のシーケンス図も同様)は、OLT20が、ループバック試験の実行指示(例えば、保守作業員による実行指示や、予めセットされている定期的な実行指示等)を受け付けることにより開始するものとする。
図2において、OLT20(フレーム監視部25)は、フレーム数の監視を開始する(ステップS11)。なお、ステップS13(NO)から戻った場合には開始ではなく継続である。なお、ステップS11の処理は、図3の(A1)に相当する。
続いて、OLT20(フレーム監視部25)は、直前の1秒間のフレーム数が0であるか否かを判定する(ステップS12)。
直前の1秒間のフレーム数が0でないときには(ステップS12;NO)、OLT20(例えばフレーム監視部25)は、最大監視時間T1を経過したか否かを判断する(ステップS13)。ステップS13における最大監視時間T1とは、監視の継続を許容する最大時間であってフレーム数の判定間隔(1秒)以上の時間(例えば10秒、60秒等)である。最大監視時間T1を経過していなければ(ステップS13;NO)、ステップS11に戻る。最大監視時間T1を経過していれば(ステップS13;YES)、図2のフローチャートは終了する。
なお、最大監視時間T1は、例えば、第3の実施形態における、最大監視時間T3(図8参照)と最大監視時間T4(図8参照)の和と同程度であってもよい。
直前の1秒間のフレーム数が0であるときには(ステップS12;YES)、OLT20は、ONU30に試験開始通知を送信する(ステップS19)。例えば、直前の1秒間のフレーム数が0であるときには、フレーム監視部25がループバック試験実行部24にループバック試験の進行を指示し、当該指示に基づいてループバック試験実行部24が試験開始通知の送信を制御することにより、試験開始通知が通信制御部22から端末側IF部21を経由してONU30に送信される。なお、ステップS12(YES)及びステップS19の処理は、図3の(A2)及び(A3)に相当する。
ステップS19に続いて、ONU30は、ユーザ端末とのリンクをリンクダウンする(ステップS20)。例えば、通信制御部32が試験開始通知を受信した旨をループバック処理部34に通知し、当該通知に基づいてループバック処理部34がユーザ端末とのリンクをリンクダウンする。なお、ステップS20の処理は、図3の(A4)に相当する。なお、リンクダウンしたとしても、直前の1秒間のフレーム数が0であったため、ユーザ通信が中断(又は中止)される可能性は低い。
続いて、ONU30は、OLT20に試験開始応答を送信する(ステップS21)。例えば、ループバック処理部34が試験開始応答の送信を制御することにより、試験開始応答が通信制御部32から局側IF部31を経由してOLT20に送信される。なお、ステップS21の処理は、図3の(A5)に相当する。
ステップS21に続いて、OLT20は、ONU30に測定フレーム(試験用フレーム)を送信する(ステップS22)。例えば、通信制御部22が試験開始応答を受信した旨をループバック試験実行部24に通知し、当該通知に基づいてループバック試験実行部24が測定フレームの送信を制御することにより、測定フレームが通信制御部22から端末側IF部21を経由してONU30に送信される。なお、ステップS22の処理は、図3の(A6)に相当する。
ステップS22に続いて、ONU30は、OLT20に測定フレーム(試験用フレーム)を送信する(ステップS23)。例えば、ループバック処理部34が端末側IF部33における測定フレームの折り返しを制御することにより、局側IF部31→通信制御部32→端末側IF部33→通信制御部32→局側IF部31というように、OLT20側から受信した測定フレームが端末側IF部33にて折り返されてOLT20側に送信される。なお、ステップS23の処理は、図3の(A7)に相当する。
ステップS23に続いて、OLT20は、ONU30に試験終了通知を送信する(ステップS24)。例えば、通信制御部22が測定フレームを受信した旨(又は測定フレーム自体)をループバック試験実行部24に通知し、当該通知に基づいてループバック試験実行部24が試験終了通知の送信を制御することにより、試験終了通知が通信制御部22から端末側IF部21を経由してONU30に送信される。なお、ステップS24の処理は、図3の(A8)に相当する。
ステップS24に続いて、ONU30は、ユーザ端末とのリンクをリンクアップする(ステップS25)。例えば、通信制御部32が試験終了通知を受信した旨をループバック処理部34に通知し、当該通知に基づいてループバック処理部34がユーザ端末とのリンクをリンクアップする。なお、ステップS25の処理は、図3の(A9)に相当する。
続いて、ONU30は、OLT20に試験終了応答を送信する(ステップS26)。例えば、ループバック処理部34が試験終了応答の送信を制御することにより、試験終了応答が通信制御部32から局側IF部31を経由してOLT20に送信される。そして図2のフローチャートは終了する。なお、ステップS26の処理は、図3の(A10)に相当する。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、OLTが、ONUへの試験開始通知の送信に先立ってループバック試験開始事前通知(以下、単に「試験開始事前通知」という)をONUに送信し、試験開始事前通知を受信したONUが、ONU内のバッファ量を監視し、バッファ量が所定量以下となったときに、試験開始事前通知に対する応答であるループバック試験開始事前応答(以下、単に「試験開始事前応答」という)をOLTに送信(応答)し、試験開始事前応答を受信したOLTがONUに試験開始通知を送信する、というものである。端的に言えば、第2の実施形態は、ONUで通信状況を監視するものである。
図4は、第2の実施形態の光ネットワークシステム2のシステム構成を表すシステム構成図等である。光ネットワークシステム2は、図4(A)に示すように、OLT(Optical Line Terminal:光加入者線終端局装置)10と、ONU(Optical Network Unit:光加入者線終端装置)40とを含む。OLT10とONU40とは光ファイバーにて接続され、双方向に通信可能である。なお、図示は省略したが、OLT10は複数台のONU40を収容可能である。また、OLT10とONU40の間には、他の機器(例えば、光スプリッタ等)を設けるようにしてもよい。
(OLT10の概要、ONU40の概要)
上述したように、光ネットワークシステム2に含まれるOLT10及びONU40の概要は第1の実施形態の光ネットワークシステム1に含まれるOLT20及びONU30の概要と同様であるため、OLT10の概要及びONU40の概要については説明を省略する。
(OLT10の詳細、ONU40の詳細)
続いてOLT10及びONU40の詳細を説明する。図4(A)に示すように、OLT10は、端末側IF部11と通信制御部12と網側IF部13とループバック試験実行部14とを備える。ONU40は、局側IF部41と通信制御部42と端末側IF部43とループバック処理部44とバッファ監視部45とバッファ用記憶部49とを備える。ONU40側の通信制御部42とループバック処理部44とバッファ監視部45は、例えばPONチップとして提供されるものであってもよい。
ONU40側において、局側IF部41は、OLT10側のインターフェース部である。端末側IF部43は、ユーザ端末50側のインターフェース部である。端末側IF部43は、OLT10が実行するループバック試験の折り返しポイントである。
通信制御部42は、ONU40全体を制御する。例えば、通信制御部42は、ユーザ通信におけるフレームを処理する。具体的には、通信制御部42は、端末側IF部43がユーザ端末50から受信したユーザ通信におけるフレーム(アウトバウンドのフレーム)を局側IF部41に供給し、局側IF部41がOLT10側から受信したユーザ通信におけるフレーム(アウトバウンドのフレーム)を端末側IF部43に供給する。
ループバック処理部44は、OLT10が実行するループバック試験に係る処理を実行する。例えば、ループバック処理部44は、ループバック試験を開始する際には(例えば、OLT10から試験開始事前通知があったときには)、バッファ監視部45にバッファの監視を指示する。また、ループバック処理部44は、バッファ監視部45からループバック試験の進行を指示された場合には、被試験装置側としてループバック試験の開始を制御する。具体的には、ループバック処理部44は、試験開始事前通知の応答として試験開始事前応答の送信を制御する。
また、ループバック処理部44は、OLT10が送信する試験開始通知の応答として試験開始応答の送信を制御する。また、ループバック処理部44は、OLT10が送信する測定フレーム(実験用フレーム)の端末側IF部43における折り返しを制御する。また、ループバック処理部44は、被試験装置側としてループバック試験の終了を制御する。具体的には、ループバック処理部44は、OLT10が送信する試験終了通知の応答として試験終了応答(ループバック試験終了応答)の送信を制御する。
また、ループバック処理部44は、試験開始通知の受信時には、端末側IF部43におけるユーザ端末50とリンクを切断する(リンクダウンする)。また、ループバック処理部44は、試験終了通知の受信時には、端末側IF部43におけるユーザ端末50とリンクを接続(確立)する(リンクアップする)。
バッファ監視部45は、当該ONU40のバッファを監視する。具体的には、バッファ監視部45は、ループバック処理部44からバッファの監視を指示された場合に、バッファに記憶されているフレームの記憶量(バッファ量)を監視する。例えば、バッファ監視部45は、ループバック処理部44による指示以降、定期的に、ユーザ通信におけるフレームのバッファ量を監視する。以下、一例として、バッファ監視部45は、ループバック処理部45による指示後1秒毎に、上記バッファ量を監視するものとする。
なお、バッファ監視部45によるバッファ量の監視方法としては種々の監視方法が考えられるが、一例として下記のような方法であってもよい。ループバック処理部44は、OLT10から試験開始事前通知があったときには、バッファ監視部45にバッファの監視を指示するとともに、通信制御部42に定期的(1秒以下毎。例えば0.1秒毎)にバッファ量をバッファ監視部45に通知するように指示する。バッファ監視部45は、通信制御部42からバッファ量の通知があった場合には、当該バッファ量をバッファ監視用記憶部49に記憶する。また、バッファ監視部45は、ループバック処理部44による指示後1秒毎に、バッファ監視用記憶部49に記憶されているバッファ量を確認(監視)する。なお、バッファ監視用記憶部49に最新のバッファ量のみを記憶する場合(0.1秒毎に上書きする場合には)、バッファ監視部45はバッファ監視用記憶部49に記憶されている唯一のバッファ量を確認(監視)し、バッファ監視用記憶部49にバッファ量を蓄積する場合(ある時点において消去する迄、0.1秒毎のバッファ量を別個に夫々に記憶する場合には)、バッファ監視部45はバッファ監視用記憶部49に記憶されている最新のバッファ量を確認する。
バッファ監視部45は、監視結果として、バッファ量が所定量以下となっていた場合には、ループバック処理部44にループバック試験の進行を指示する。以下、一例として、バッファ監視部45は、監視結果として、バッファ量が0となっていた場合に、ループバック処理部44にループバック試験の進行を指示するものとする。つまり、バッファ監視部45は、バッファ量が0となっていた場合に、ループバック処理部44に対し、試験開始事前応答を送信するように制御する。
OLT10側において、端末側IF部11は、ONU40側のインターフェース部である。網側IF部13は、網側のインターフェース部である。
通信制御部12は、OLT10全体を制御する。例えば、通信制御部12は、ユーザ通信におけるフレームを処理する。具体的には、通信制御部12は、端末側IF部11がONU40から受信したユーザ通信におけるフレーム(アウトバウンドのフレーム)を網側IF部13に供給し、網側IF部13が網側から受信したユーザ通信におけるフレーム(アウトバウンドのフレーム)を網側IF部13に供給する。
ループバック試験実行部14は、ループバック試験を実行する。例えば、ループバック試験実行部14は、ループバック試験を開始する際には(例えば、保守作業員による実行指示や、予めセットされている定期的な実行指示等があったときには)、ループバック試験の主体側としてループバック試験の開始を制御する。具体的には、ループバック試験実行部14は、ONU40に対する試験開始事前通知の送信を制御する。
また、ループバック試験実行部14は、ONU40から試験開始事前応答を受信した後にONU40に対する試験開始通知の送信を制御する。また、ループバック試験実行部14は、ONU40から試験開始応答を受信した後にONU40に対する実験用フレーム(測定フレーム)の送信を制御する。また、ループバック試験実行部14は、ループバック試験の主体側としてループバック試験の終了を制御する。具体的には、ループバック試験実行部14は、ONU40に対する試験終了通知の送信を制御する。
図4(B)は、監視結果等を説明する説明図である。図4(B)は、ONU40のループバック試験の実行前に行われた、ある時刻における、監視結果(バッファ量)、及び、監視結果による判定内容(試験開始事前応答は送信可能か)を示している。
図5は、光ネットワークシステム2におけるループバック試験の処理の流れを示すフローチャートである。図6は、光ネットワークシステム2におけるループバック試験の流れを示すシーケンス図である。なお、図5のフローチャート(図6のシーケンス図も同様)は、OLT10が、ループバック試験の実行指示(例えば、保守作業員による実行指示や、予めセットされている定期的な実行指示等)を受け付けることにより開始するものとする。
図5において、OLT10は、ONU40に試験開始事前通知を送信する(ステップS34)。例えば、ループバック試験実行部14が試験開始事前通知の送信を制御することにより、試験開始事前通知が通信制御部12から端末側IF部11を経由してONU40に送信される。なお、ステップS34の処理は、図6の(B1)に相当する。
ステップS34に続いて、ONU40は、バッファ量の監視を開始する(ステップS35)。例えば、通信制御部42が試験開始事前通知を受信した旨をループバック処理部44に通知し、ループバック処理部44がバッファ監視部45にバッファの監視を指示し、当該指示に基づいてバッファ監視部45がバッファ量の監視を開始する。なお、ステップS37(NO)から戻った場合には開始ではなく継続である。なお、ステップS35の処理は、図6の(B2)に相当する。
続いて、ONU40(バッファ監視部45)は、バッファ量が0であるか否かを判定する(ステップS36)。
バッファ量が0でないときには(ステップS36;NO)、ONU40(例えばバッファ監視部45)は、最大監視時間T2を経過したか否かを判断する(ステップS37)。ステップS37における最大監視時間T2とは、監視の継続を許容する最大時間であってバッファ量の判定間隔(1秒)以上の時間(例えば10秒、60秒等)である。最大監視時間T2を経過していなければ(ステップS37;NO)、ステップS35に戻る。最大監視時間T2を経過していれば(ステップS37;YES)、図5のフローチャートは終了する。
なお、最大監視時間T2は、例えば、第3の実施形態における、最大監視時間T3(図8参照)と最大監視時間T4(図8参照)の和と同程度であってもよい。
バッファ量が0であるときには(ステップS36;YES)、ONU40は、OLT10に試験開始事前応答を送信する(ステップS38)。例えば、バッファ量が0であるときには、バッファ監視部45がループバック処理部44にループバック試験の進行を指示し、当該指示に基づいてループバック処理部44が試験開始事前応答の送信を制御することにより、試験開始事前応答が通信制御部42から端末側IF部41を経由してOLT10に送信される。なお、ステップS36(YES)及びステップS38の処理は、図6の(B3)及び(B4)に相当する。
ステップS38に続いて、OLT10は、ONU40に試験開始通知を送信する(ステップS39)。例えば、通信制御部12が試験開始事前応答を受信した旨をループバック試験実行部14に通知し、ループバック試験実行部14が試験開始通知の送信を制御することにより、試験開始通知が通信制御部12から端末側IF部11を経由してONU40に送信される。なお、ステップS39の処理は、図6の(B5)に相当する。
ステップS39に続いて、ONU40は、ユーザ端末とのリンクをリンクダウンする(ステップS40)。例えば、通信制御部42が試験開始通知を受信した旨をループバック処理部44に通知し、当該通知に基づいてループバック処理部44がユーザ端末とのリンクをリンクダウンする。なお、ステップS40の処理は、図6の(B6)に相当する。なお、リンクダウンしたとしても、直前にバッファ量が0であったため、ユーザ通信が中断(又は中止)される可能性は低い。
続いて、ONU40は、OLT10に試験開始応答を送信する(ステップS41)。例えば、ループバック処理部44が試験開始応答の送信を制御することにより、試験開始応答が通信制御部42から局側IF部41を経由してOLT10に送信される。なお、ステップS41の処理は、図6の(B7)に相当する。
ステップS41に続いて、OLT10は、ONU40に測定フレーム(試験用フレーム)を送信する(ステップS42)。例えば、通信制御部12が試験開始応答を受信した旨をループバック試験実行部14に通知し、当該通知に基づいてループバック試験実行部14が測定フレームの送信を制御することにより、測定フレームが通信制御部12から端末側IF部11を経由してONU40に送信される。なお、ステップS42の処理は、図6の(B8)に相当する。
ステップS42に続いて、ONU40は、OLT10に測定フレーム(試験用フレーム)を送信する(ステップS43)。例えば、ループバック処理部44が端末側IF部43における測定フレームの折り返しを制御することにより、局側IF部41→通信制御部42→端末側IF部43→通信制御部42→局側IF部41というように、OLT10側から受信した測定フレームが端末側IF部43にて折り返されてOLT10側に送信される。なお、ステップS43の処理は、図6の(B9)に相当する。
ステップS43に続いて、OLT10は、ONU40に試験終了通知を送信する(ステップS44)。例えば、通信制御部12が測定フレームを受信した旨(又は測定フレーム自体)をループバック試験実行部14に通知し、当該通知に基づいてループバック試験実行部14が試験終了通知の送信を制御することにより、試験終了通知が通信制御部12から端末側IF部11を経由してONU40に送信される。なお、ステップS44の処理は、図6の(B10)に相当する。
ステップS44に続いて、ONU40は、ユーザ端末とのリンクをリンクアップする(ステップS45)。例えば、通信制御部42が試験終了通知を受信した旨をループバック処理部44に通知し、当該通知に基づいてループバック処理部44がユーザ端末とのリンクをリンクアップする。なお、ステップS45の処理は、図6の(B11)に相当する。
続いて、ONU40は、OLT10に試験終了応答を送信する(ステップS46)。例えば、ループバック処理部44が試験終了応答の送信を制御することにより、試験終了応答が通信制御部42から局側IF部41を経由してOLT10に送信される。そして図5のフローチャートは終了する。なお、ステップS46の処理は、図6の(B12)に相当する。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、第1の実施形態と第2の実施形態とを合わせたものである。即ち、OLTが、ONUへの試験開始事前通知の送信に先立ってONUのユーザ通信を監視し、ユーザ通信におけるフレーム数が所定数以下となったときに、ONUに試験開始事前通知を送信し、試験開始事前通知を受信したONUが、ONU内のバッファ量を監視し、バッファ量が所定量以下となったときに試験開始事前応答をOLTに送信(応答)し、試験開始事前応答を受信したOLTがONUに試験開始通知を送信する、というものである。端的に言えば、第3の実施形態は、OLT及びONUで通信状況を監視するものである。
図7は、第3の実施形態の光ネットワークシステム3のシステム構成を表すシステム構成図等である。光ネットワークシステム3は、図7に示すように、第1の実施形態の光ネットワークシステム1におけるOLT20(図1(A)参照)と同様のOLT20と、第2の実施形態の光ネットワークシステム2におけるONU40(図4(A)参照)と同様のONU40とを含む。OLT20とONU40とは光ファイバーにて接続され、双方向に通信可能である。なお、図示は省略したが、OLT20は複数台のONU40を収容可能である。また、OLT20とONU40の間には、他の機器(例えば、光スプリッタ等)を設けるようにしてもよい。
(OLT20の概要、ONU40の概要)
上述したように、光ネットワークシステム3に含まれるOLT20及びONU40の概要は、第1の実施形態の光ネットワークシステム1に含まれるOLT20及びONU30の概要と同様であり、また、図1(A)及び図7に示すように、第3の実施形態の光ネットワークシステム3におけるOLT20は第1の実施形態の光ネットワークシステム1におけるOLT20と同様であり、また、図4(A)及び図7に示すように、第3の実施形態の光ネットワークシステム3におけるONU40は第2の実施形態の光ネットワークシステム2におけるONU40と同様であるため、OLT20の概要及びONU40の概要については説明を省略する。
(OLT20の詳細、ONU40の詳細)
上述したように、第3の実施形態の光ネットワークシステム3におけるOLT20は第1の実施形態の光ネットワークシステム1におけるOLT20と同様であり、第3の実施形態の光ネットワークシステム3におけるONU40は第2の実施形態の光ネットワークシステム2におけるONU40と同様であるため、OLT10の詳細及びONU40の詳細についても説明を省略する。
図8は、光ネットワークシステム3におけるループバック試験の処理の流れを示すフローチャートである。図9は、光ネットワークシステム3におけるループバック試験の流れを示すシーケンス図である。なお、図8のフローチャート(図9のシーケンス図も同様)は、OLT20が、ループバック試験の実行指示(例えば、保守作業員による実行指示や、予めセットされている定期的な実行指示等)を受け付けることにより開始するものとする。
図8において、OLT20(フレーム監視部25)は、フレーム数の監視を開始する(ステップS51)。なお、ステップS53(NO)から戻った場合には開始ではなく継続である。なお、ステップS51の処理は、図9の(C1)に相当する。
続いて、OLT20(フレーム監視部25)は、直前の1秒間のフレーム数が0であるか否かを判定する(ステップS52)。
直前の1秒間のフレーム数が0でないときには(ステップS52;NO)、OLT20(例えばフレーム監視部25)は、最大監視時間T3を経過したか否かを判断する(ステップS53)。ステップS53における最大監視時間T3とは、監視の継続を許容する最大時間であってフレーム数の判定間隔(1秒)以上の時間(例えば5秒、30秒等)である。最大監視時間T3を経過していなければ(ステップS53;NO)、ステップS11に戻る。最大監視時間T3を経過していれば(ステップS53;YES)、図8のフローチャートは終了する。
直前の1秒間のフレーム数が0であるときには(ステップS52;YES)、OLT20は、ONU40に試験開始事前通知を送信する(ステップS54)。例えば、ループバック試験実行部24が試験開始事前通知の送信を制御することにより、試験開始事前通知が通信制御部22から端末側IF部21を経由してONU40に送信される。なお、ステップS52(YES)及びステップS54の処理は、図9の(C2)及び(C3)に相当する。
ステップS54に続いて、ONU40は、バッファ量の監視を開始する(ステップS55)。例えば、通信制御部42が試験開始事前通知を受信した旨をループバック処理部44に通知し、ループバック処理部44がバッファ監視部45にバッファの監視を指示し、当該指示に基づいてバッファ監視部45がバッファ量の監視を開始する。なお、ステップS57(NO)から戻った場合には開始ではなく継続である。なお、ステップS55の処理は、図9の(C4)に相当する。
続いて、ONU40(バッファ監視部45)は、バッファ量が0であるか否かを判定する(ステップS56)。
バッファ量が0でないときには(ステップS56;NO)、ONU40(例えばバッファ監視部45)は、最大監視時間T4を経過したか否かを判断する(ステップS57)。ステップS57における最大監視時間T4とは、監視の継続を許容する最大時間であってバッファ量の判定間隔(1秒)以上の時間(例えば5秒、30秒等)である。最大監視時間T4を経過していなければ(ステップS57;NO)、ステップS55に戻る。最大監視時間T4を経過していれば(ステップS57;YES)、図8のフローチャートは終了する。
なお、ステップS53の最大監視時間T3とステップS57の最大監視時間T4との和が、第1の実施形態における最大監視時間T1(図2参照)と同程度になるようにしてもよい。また、最大監視時間T3と最大監視時間T4との和が、第2の実施形態における最大監視時間T2(図5参照)と同程度になるようにしてもよい。
バッファ量が0であるときには(ステップS56;YES)、ONU40は、OLT20に試験開始事前応答を送信する(ステップS58)。例えば、バッファ量が0であるときには、バッファ監視部45がループバック処理部44にループバック試験の進行を指示し、当該指示に基づいてループバック処理部44が試験開始事前応答の送信を制御することにより、試験開始事前応答が通信制御部42から端末側IF部41を経由してOLT20に送信される。なお、ステップS56(YES)及びステップS58の処理は、図9の(C5)及び(C6)に相当する。
ステップS58に続いて、OLT20は、ONU40に試験開始通知を送信する(ステップS59)。例えば、通信制御部22が試験開始事前応答を受信した旨をループバック試験実行部24に通知し、ループバック試験実行部24が試験開始通知の送信を制御することにより、試験開始通知が通信制御部22から端末側IF部21を経由してONU40に送信される。なお、ステップS59の処理は、図9の(C7)に相当する。
ステップS59に続いて、ONU40は、ユーザ端末とのリンクをリンクダウンする(ステップS60)。例えば、通信制御部42が試験開始通知を受信した旨をループバック処理部44に通知し、当該通知に基づいてループバック処理部44がユーザ端末とのリンクをリンクダウンする。なお、ステップS60の処理は、図9の(C8)に相当する。なお、リンクダウンしたとしても、直前の1秒間のフレーム数が0であったため、また、直前にバッファ量が0であったため、ユーザ通信が中断(又は中止)される可能性は低い。
続いて、ONU40は、OLT20に試験開始応答を送信する(ステップS61)。例えば、ループバック処理部44が試験開始応答の送信を制御することにより、試験開始応答が通信制御部42から局側IF部41を経由してOLT20に送信される。なお、ステップS61の処理は、図9の(C9)に相当する。
ステップS61に続いて、OLT20は、ONU40に測定フレーム(試験用フレーム)を送信する(ステップS62)。例えば、通信制御部22が試験開始応答を受信した旨をループバック試験実行部24に通知し、当該通知に基づいてループバック試験実行部24が測定フレームの送信を制御することにより、測定フレームが通信制御部22から端末側IF部21を経由してONU40に送信される。なお、ステップS62の処理は、図9の(C10)に相当する。
ステップS62に続いて、ONU40は、OLT20に測定フレーム(試験用フレーム)を送信する(ステップS63)。例えば、ループバック処理部44が端末側IF部43における測定フレームの折り返しを制御することにより、局側IF部41→通信制御部42→端末側IF部43→通信制御部42→局側IF部41というように、OLT20側から受信した測定フレームが端末側IF部43にて折り返されてOLT20側に送信される。なお、ステップS63の処理は、図9の(C11)に相当する。
ステップS63に続いて、OLT20は、ONU40に試験終了通知を送信する(ステップS64)。例えば、通信制御部22が測定フレームを受信した旨(又は測定フレーム自体)をループバック試験実行部24に通知し、当該通知に基づいてループバック試験実行部24が試験終了通知の送信を制御することにより、試験終了通知が通信制御部22から端末側IF部21を経由してONU40に送信される。なお、ステップS64の処理は、図9の(C12)に相当する。
ステップS64に続いて、ONU40は、ユーザ端末とのリンクをリンクアップする(ステップS65)。例えば、通信制御部42が試験終了通知を受信した旨をループバック処理部44に通知し、当該通知に基づいてループバック処理部44がユーザ端末とのリンクをリンクアップする。なお、ステップS65の処理は、図9の(C13)に相当する。
続いて、ONU40は、OLT20に試験終了応答を送信する(ステップS66)。例えば、ループバック処理部44が試験終了応答の送信を制御することにより、試験終了応答が通信制御部42から局側IF部41を経由してOLT20に送信される。そして図8のフローチャートは終了する。なお、ステップS66の処理は、図9の(C14)に相当する。
以上、第1の実施形態の光ネットワークシステム1、第2の実施形態の光ネットワークシステム2、第3の実施形態の光ネットワークシステム3について説明したが、第1の実施形態の光ネットワークシステム1のONU30は、ループバック試験が行われるときに(具体的には試験開始通知を受信したときに)、ユーザ端末50との間でユーザ通信を実行している場合には実行中のユーザ通信を切断する(図3の(A3)(A4))。また、第2の実施形態の光ネットワークシステム2のONU40も、ループバック試験が行われるときに(具体的には試験開始通知を受信したときに)、ユーザ端末50との間でユーザ通信を実行している場合には実行中のユーザ通信を切断する(図6の(B5)(B6))。また、第3の実施形態の光ネットワークシステム3のONU40も、ループバック試験が行われるときに(具体的には試験開始通知を受信したときに)、ユーザ端末50との間でユーザ通信を実行している場合には実行中のユーザ通信を切断する(図9の(C7)(C8))。より詳細には、ONU30(ONU40も同様)は、試験開始通知の受信後に、当該試験開始通知に対する試験開始応答を送信するとともにユーザ通信を実行している場合には実行中のユーザ通信を切断する機能を有している(図3の(A3)(A4)(A5)、図6の(B5)(B6)(B7)、図9の(C7)(C8)(C9))。
また、第1の実施形態の光ネットワークシステム1のOLT20(第3の実施形態の光ネットワークシステム3のOLT20も同様)は、ONU30(又はONU40)を光ネットワークにより収容する。OLT20は、ユーザ通信におけるフレームを監視するフレーム監視部25と、ONU30(又はONU40)に対するループバック試験を実行するループバック試験実行部24とを備え、ループバック試験実行部24は、フレーム監視部25によるフレームの監視結果に基づいてループバック試験の開始を制御(試験開始通知を送信)する。
具体的には、OLT20のループバック試験実行部24は、フレーム監視部25によるフレームの監視結果としてフレーム数が所定数以下(一例としてフレーム数が0)となったときに試験開始通知を送信し、試験開始応答の受信後に測定フレーム(試験用フレーム)を送信する。
また、第2の実施形態の光ネットワークシステム2のOLT10(第3の実施形態の光ネットワークシステム3のOLT20も同様)は、ループバック試験の開始を制御する第1通知(試験開始事前通知)を送信し、第1通知に対する応答である第1応答(試験開始事前応答)の受信後にループバック試験の開始を制御する第2通知(試験開始通知)を送信し、第2通知に対する応答である第2応答(試験開始応答)の受信後に試験用フレームを送信する機能を有している(図6の(B1)(B4)(B5)(C7)(C8)。
また、第2の実施形態の光ネットワークシステム2のONU40(第3の実施形態の光ネットワークシステム3のONU40も同様)は、バッファを監視するバッファ監視部45と、ループバック試験に係る処理を実行するループバック処理部44とを備え、ループバック処理部44は、バッファ監視部45によるバッファの監視結果に基づいてループバック試験の開始を制御する(試験開始事前応答を送信)する。
具体的には、ONU40のバッファ監視部45は、第1通知(試験開始事前通知)を受信した後にバッファの監視を開始し、ループバック処理部44は、バッファ監視部45によるバッファの監視結果としてバッファ量が所定量以下(一例としてバッファ量が0)となったときに第1応答(試験開始事前応答)を送信し、第2通知(試験開始通知)の受信後に第2応答(試験開始応答)を送信するとともにユーザ通信を実行している場合には実行中のユーザ通信を切断する。
また、第3の実施形態の光ネットワークシステム3において、OLT20は、ユーザ通信におけるフレームを監視するフレーム監視部25と、ONU40に対するループバック試験を実行するループバック試験実行部24とを備え、ONU40は、当該ONU40のバッファを監視するバッファ監視部45と、ループバック試験に係る処理を実行するループバック処理部44とを備える。OLT20のループバック試験実行部24は、フレーム監視部25によるフレームの監視結果としてフレーム数が所定数以下(一例としてフレーム数が0)となったときにループバック試験の開始を制御する第1通知(試験開始事前通知)を送信する。また、ONU40のバッファ監視部45は、第1通知を受信した後にバッファの監視を開始し、ループバック処理部44は、バッファ監視部45によるバッファの監視結果としてバッファ量が所定量以下(一例としてバッファ量が0)となったときに第1通知に対する応答である第1応答(試験開始事前応答)を送信する。また、OLT20のループバック試験実行部24は、第1応答の受信後にループバック試験の開始を制御する第2通知(試験開始通知)を送信する。また、ONU40のループバック処理部44は、第2通知の受信後に第2通知に対する応答である第2応答(試験開始応答)を送信するとともにユーザ通信を実行している場合には実行中のユーザ通信を切断する。また、OLT20のループバック試験実行部24は、第2応答の受信後に試験用フレームを送信する。
以上、各実施形態によれば、フレームの監視結果やバッファの監視結果に基づいて、ループバック試験の開始を制御することにより、ユーザ通信の発生していないタイミング(0ではなく所定数(所定量)以下の場合にはユーザ通信が略発生していないタイミング)でループバック試験を実施しているため、実行中のユーザ通信を切断する確率を減少させることができる。これにより、ユーザへの影響を低減させることができる。
また、第2の実施形態では宅内の個々のONU側にバッファの監視に係る機能を追加するのに対し、第1の実施形態ではOLT側にフレームの監視に係る機能を追加するため、第2の実施形態と比較すると、第1の実施形態の方が導入コストを抑えることができる。なお、PONシステムの特性上、OLTは複数のユーザでバッファを共用するため、OLTにおいてバッファを監視した場合、ユーザ単位の通信状況の監視は不可能又は困難である。そこで、通信状況をOLT側で監視する場合には、ユーザ単位で管理可能なフレームを監視することとしている。
また、第2の実施形態ではユーザ端末により近いONU側で通信状況を監視するため、第1の実施形態と比較すると、第2の実施形態の方がユーザ通信を切断する確率をより減少させることができる。なお、ONUの場合は、1ユーザがONUのバッファを占有できるため、最大限既存機能を流用し、装置開発、改コストを最小減に抑えるため、フレームの監視ではなくバッファを監視することとしている。
また、第3の実施形態ではOLT側とONU側の両方で通信状況を監視するため、OLT側のみで監視する第1の実施形態と比較すると、ユーザ通信を切断する確率をより減少させることができる。また、ONU側のみで通信状況を監視する第2の実施形態と比較すると、ループバック試験を実施不可と判断する迄の時間を短縮させることができる。例えば、第2の実施形態では実施不可と最初に判断する迄の間に試験開始事前通知の送受信が行われるが(図5のステップS35、ステップS37(NO)参照)、第3の実施形態では実施不可と最初の判断する迄の間に何らの送受信も行われない(図8のステップS53(NO)参照)。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
例えば、PPPoE(Point-to-Point Protocol over Ethernet)セッションが確立されていないことや、UNI(User Network Interface)のリンク断を確認することによって、ループバック試験によるユーザ通信断の発生確率を更に減少させるようにしてもよい。
例えば、第1の実施形態の光ネットワークシステム1におけるOLU20によるフレーム数の監視に加え、或いは、第2の実施形態の光ネットワークシステム2におけるONU40によるバッファ量の監視に加え、或いは、第3の実施形態の光ネットワークシステム3におけるOLU20によるフレーム数の監視及びONU40によるバッファ量の監視に加え、下記の(A)(B)の一方又は両方の監視を行うようにしてもよい。
(A)PPPoEセッションの状態(切断、確立)
例えば監視結果が切断であった場合には、直ちにユーザ通信は発生し難いと想定できる。従って、切断されていることを条件に加えることにより、ユーザ通信に影響を与える可能性をより低減させることができる。
(B)ONUのUNIリンク(非接続(ユーザ端末の電源OFFを含む)、接続)
例えば監視結果が非接続(リンク断)であった場合には、現在ONU配下にユーザ端末が接続されていないため、直ちにユーザ通信は発生しないと想定できる。従って、非接続となっていることを条件に加えることにより、ユーザ通信に影響を与える可能性をより低減させることができる。
なお、本実施形態において、OLT、ONUは、ループバック試験を実行するため、ループバック試験装置と称してもよい。
なお、上記の各システム(光ネットワークシステム1、2、3)、各システムに含まれる装置(OLT20、ONU40)を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。