JP6503185B2 - 冷蔵庫用自動製氷装置の給水装置 - Google Patents

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Description

本発明は、製氷用水が凍結しない冷却温度領域に貯水容器が配置され、氷結温度に保たれた冷凍温度領域に自動製氷機の製氷皿が配置され、前記貯水容器から供給された製氷用水を前記製氷皿内で凍結させる冷蔵庫用自動製氷装置に関し、特に、前記貯水容器を含む給水装置に関する。
冷蔵庫内に設置した貯水容器から自動製氷機の製氷皿へ製氷用水を供給する自動製氷機を備えた冷蔵庫の貯水装置として、貯水容器の製氷用水を冷蔵室と冷凍室を区画する断熱仕切り壁を垂直状に貫通する給水管を通して製氷皿へ供給するものがある(特許文献1参照)。
この貯水容器内は上下二重構造になっていて、上部が複数回の製氷に要する量の製氷用水を貯留する容積の主タンク部であり、その下部が1回の製氷に要する製氷用水を貯留する計量タンク部であり、主タンク部の底に製氷用水を計量タンク部へ供給する供給孔を設け、計量タンク部の底には前記給水管の真上の位置に給水口を備え、この給水口には開閉する開閉弁を備える。前記給水管の周囲にはソレノイドが配置され、このソレノイドの動作によってこの開閉弁が開閉し、開いた状態で計量タンク部の製氷用水が前記給水管へ自然流下し、製氷皿へ供給される。
特許文献1には、実施例3として、前記給水管内にソレノイドの動作によって上下動し、前記開閉弁を開閉する作動部材が収容された構成が示されている。この作動部材は下端が円錐状に尖った形状を成すとともに複数のリブを有し、前記給水管内を流れる製氷用水が旋回しつつ流下し、その直下の製氷皿の所定の製氷セルへ流入するため、飛散しない構成である。
一方、上記特許文献1に開示されたような複雑な機構を採用しない一般的な手段では、貯水容器に貯留している製氷用水を給水管へ導き、製氷用水を製氷皿の所定の製氷セルに注入し、全ての製氷セルに製氷用水が充填されるようにしている(特許文献2、3参照)。
特許文献1,2,3による場合は、製氷皿の複数の製氷セルで氷塊を生成する毎に、製氷皿を反転してブロックアイスを製氷皿下の貯氷容器に排出する。このようにしてブロックアイスを排出すると、製氷皿を再び反転して各製氷セルに所定量の製氷用水を供給し、新たな製氷が可能となるようにする。
特開2005−127686号公報 特開平8−296933号公報 特開平9−264645号公報
特許文献1に開示された機構は、前記給水管の下端開口は水平状の切り口をなしており、このままの状態では製氷用水が前記給水管の下端開口の下端から周囲に飛散するが、実施例3の場合は、それを作動部材によって防止することができる。
この場合、作動部材の中心の先端から直下へ流下し、その直下の製氷皿の所定の製氷セルへ製氷用水が流入するため、製氷セルの製氷用水のレベルが上昇して来るに従って、作動部材の先端から流下する製氷用水が、製氷セルの製氷用水面を直射して飛散が生じることが懸念される。
また、特許文献1のものは、計量タンク部の製氷用水を前記給水管へ自然流下させるための機構が複雑化し、コストアップになるとともに、貯水容器内に開閉弁が存在するため、この部分を洗浄する際の分解と組み立て作業が複雑になり、メンテナンス作業が容易でなくなる。
一方、特許文献2、3に開示された構成は、図25に示すように製氷皿Tの製氷セルTCに臨む給水管Pの先端の開口部POを斜状に形成している。これにより、製氷用水Wの注入方向に向けて幅狭となることから、この部分で製氷用水Wの流速が増加して流下方向が一定となるようにしている。このように給水管Pの先端を形成することにより、給水管Pの端面を水平に形成した場合に比較して開口部POから流出する製氷用水Wの乱雑な飛散を防ぐことができ、整流された製氷用水Wを製氷セルTCに注入することができる。
ところが、整流された製氷用水Wは付勢されて製氷セルTC内に滞留している製氷用水Wを直射するため、製氷用水Wの飛沫が製氷セルTCの壁面あるいは製氷皿Tの外部へ飛散することになる。このような状態に至ると、所望するブロックアイス以外の不要な結氷残滓が発生し、これが貯氷容器に堆積することから、その除去作業などのメンテナンスが必要となる。
このような不具合の発生を防止するためには、製氷用水Wの注水量を少なくすることにより一応の解決が可能となる。しかしながら、製氷用水Wの注水量を少なくして所定量を満たすことは注水時間が長くなるとともに、流速が低下することから上述した整流作用が得られなくなり、所期の目的を達成することができなくなる。
ところで、従来から前記給水管Pで製氷皿Tへ給水を行った場合、給水管Pの平坦に開口した開口部に製氷用水Wが僅かに残留し、これが表面張力により膜状に拡がり開口部を塞ぐことが知られている。このような状態に至り、給水管Pからの注水が完了して製氷が開始されると、製氷皿T上に位置する給水管Pの開口部も同時に冷却されることから、開口部に残留した製氷用水Wが結氷して遮蔽壁となり、給水管Pの流通が完全に塞がれ、次回の製氷セルTCへの注水が不能となる。
このような不具合の発生は、特許文献2、3のように給水管Pの開口部POを斜状に形成することにより、給水管Pの開口部POを平坦に形成した場合より低くすることが可能であるが、この場合においても開口部POに製氷用水Wが膜状に残ることが知られており、図26に示すように開口部POに残留した膜状の製氷用水Wが結氷して遮蔽壁Wdが形成されてしまうことになる。
本発明は、上記の点に鑑み、前記給水管から製氷皿の所定の製氷セルへ製氷用水を供給する際、前記給水管から流下する製氷用水の飛散を防止するため、製氷セルの製氷用水面を直射しない位置へ製氷用水を導くことができる給水技術を提供するものである。
また本発明は、計量タンク部から前記給水管へ製氷用水を供給するための開閉弁を備えない全く異なる形態の給水装置を提供する。そのため、空気ポンプ部を冷蔵庫本体側に配置し、空気ポンプ部の空気出口へ貯水容器を着脱自在に接続する構成とし、貯水容器は、主タンク部の製氷用水が自然流下にて計量タンク部へ流入する方式であって、計量タンク部に貯留された製氷用水を空気ポンプ部の吐出空気によって製氷皿へ押し出す方式の冷蔵庫用自動製氷装置の給水装置を提供する。
本発明は、製氷用水を貯留する貯水容器と、前記貯水容器に連通し、前記貯水容器から供給された製氷用水を自動製氷機の製氷部に配置された製氷皿へ誘導する給水管とを備え、前記給水管の先端部は、略鉛直下向きに配設されるとともに、下方に向けて漸次縮径する縮径部が形成され、かつ、前記給水管の管軸に対して斜めに交差する開口を前記縮径部に形成し、前記給水管の先端部から流出する製氷用水が、前記製氷皿の所定の製氷セルの製氷用水の貯留基準よりも上位の壁面に向けて斜め下向きに当接するように前記給水管と製氷皿の配置関係を定めたことを特徴とする。
前記給水管の前記縮径部は、前記管軸に対して10度±5度の角度をなし、前記開口面は前記管軸に対して30度±10度の角度であることを特徴とする。
前記貯水容器に圧縮空気を供給するポンプ装置を備え、前記貯水容器は、上方に開口する開口部を有する容器本体と、前記容器本体の内部空間を、製氷用水を貯留する主タンク部と、自動製氷装置の製氷皿に供給すべき予め定める容器の製氷用水を貯留する計量タンク部とに区画し、前記主タンク部と前記計量タンク部とに連通する供給孔が形成される仕切り体と、前記容器本体の開口部に取り付けられ前記容器本体の開口部を塞ぐ蓋体と、前記計量タンク部の製氷用水の水位に応じて前記供給孔を開閉可能に設けられるフロート体と、前記計量タンク部に連通する圧縮空気導入部と、を有し、前記給水管は、前記計量タンク部に連通することを特徴とする。
前記貯水容器を取り出し自在に収容する貯水容器する貯水容器収容部が冷蔵室に形成され、前記貯水容器が、前記貯水容器収容部に収容されポンプ装置に連結されたことを特徴とする。
本発明に係る給水管は、略鉛直下向きに配設され、給水管の先端部は、下方に向けて漸次縮径する縮径部が形成されるとともに、給水管の管軸に対して斜めに交差する開口を縮径部に形成している。これにより給水管内を流下した製氷用水に対して縮径部の傾斜した内壁が水流抵抗体となり、飛散することなく縮径部の開口の向きと反対側の斜め下方に流出する。このため、製氷用水を目的の位置に導くことができる。
本発明に係る給水管に形成される縮径部は、管軸に対して10度±5度をなし、斜め端面は管軸に対して30度±10度の角度である。これによって、給水管内を流下する製氷用水の量や流下速度などに応じて飛散なく好ましい方向へ流下させることができる。
本発明に係る給水管の先端部から流出する製氷用水が、前記製氷皿の所定の製氷セルの製氷用水の貯留基準よりも上位の壁面に向けて斜め下向きに当接するように前記給水管と製氷皿の配置関係を定めている。このため、製氷皿に供給される際の製氷用水の飛散を防止し、適切に製氷皿に製氷用水を導くことができる。
本発明に係る自動製氷装置の給水装置を備えた第1実施形態の冷蔵庫1の正面図である。 冷蔵庫1の内部構成を説明するための正面図である。 冷蔵庫1の縦断側面図である。 本発明に係る給水装置と自動製氷機との関係を説明するための断面斜視図である。 本発明に係る給水装置の貯水容器のスライド構成を説明するための断面斜視図である。 本発明に係る貯水容器の外観斜視図である。 本発明に係る貯水容器の内部構成を説明するための縦断側面図である。 本発明に係る貯水容器の内部構成を説明するため供給孔部分を断面で示す縦断側面斜視図である。 本発明に係る貯水容器の内部構成を説明するため供給孔部分を断面で示す縦断側面図である。 本発明に係る貯水容器の分解図斜視図である。 本発明に係る貯水容器の容器本体の上面斜視図である。 本発明に係る貯水容器の容器本体の平面図である。 本発明に係る貯水容器の仕切り体の一方向からの斜視図である。 本発明に係る貯水容器の仕切り体の他の方向からの斜視図である。 本発明に係る貯水容器の仕切り体の下方からの斜視図である。 本発明に係る貯水容器の容器本体内に仕切り体を挿入した状態の上面斜視図である。 (A)は本発明に係る貯水容器の容器本体内に仕切り体を挿入した状態の平面図であり、(B)は(A)のC円の拡大図である。 本発明に係る貯水容器のフロート体の斜視図である。 本発明に係る給水装置のフロート体と障壁の関係を説明する供給孔部分の縦断側面図である。 本発明に係る自動製氷機の給水管の斜視図である。 本発明に係る自動製氷機の給水管の断面図である。 本発明に係る自動製氷機の給水管の作用を模式的に説明するための断面図である。 本発明に係る自動製氷機の給水管の作用を模式的に説明するための正面図である。 本発明に係る自動製氷機の給水管による注水状態を説明するための断面斜視図である。 従来の給水管の作用を模式的に説明するための断面図である。 従来の給水管の不具合の状態を説明するための断面図である。
本発明は、製氷用水を貯留する貯水容器と、前記貯水容器に連通し、前記貯水容器から供給された製氷用水を自動製氷機の製氷部に配置された製氷皿へ誘導する給水管とを備え、前記給水管から製氷皿の所定の製氷セルへ製氷用水を供給する際、前記給水管から流下する製氷用水の飛散を防止するため、製氷セルの製氷用水面を直射しない位置へ製氷用水を導くようにする。
以下、本発明に係る自動製氷装置の給水装置の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明に係る自動製氷装置の給水装置を備えた第1実施形態の冷蔵庫1を示す正面図であり、図2は冷蔵庫1の内部構成を説明するための正面図であり、図3は冷蔵庫1の縦断側面図である。
以下、図1を基準として、図1の紙面に平行な方向のうち、図1の上下方向を「上下方向」といい、図1の左右方向を「左右方向」という。また図1の紙面に垂直な方向を「前後方向」として説明する。また説明において、上下方向の一方を「上方」といい、他方を「下方」という。左右方向の一方を「左方」といい、他方を「右方」という。前後方向のうち手前方向を「前方」といい、他方を「後方」という。
冷蔵庫1は、前面に開口部が形成される冷蔵庫本体2内を仕切り壁によって区画して複数の貯蔵室を形成し、これら各貯蔵室の前面は扉で開閉できる構成である。冷蔵庫本体2は外箱2Aと内箱2Bとを有し、外箱2Aと内箱2Bとの間に発泡断熱材2Cを充填した断熱構造である。冷蔵庫本体2内には、上から冷蔵室3、冷凍室4、野菜室5の順で各貯蔵室が区画されて設けられる。
冷蔵室3の開口部は、冷蔵庫本体2の一側部に、ヒンジを介して回動自在に取り付けられる冷蔵室扉10によって開閉される。冷凍室4の開口部は、冷蔵庫本体2の一側部にヒンジを介して回動自在に設けられる扉12によって開閉可能に形成される。野菜室5の開口部は、野菜室5内に設けられる左右のレールと左右のローラから成る支持装置18によって前後方向へ引き出し可能に支持される野菜容器15と、野菜容器15の前方に設けられる引き出し式扉11にて閉塞されている。
なお、冷凍室4の開口部は、野菜室5と同様に、冷凍容器、支持装置18、及び引き出し式扉によって前後方向へ引き出し可能に構成してもよい。
冷蔵庫1は、冷凍サイクルを行う冷媒の圧縮機20と、冷凍サイクルの冷媒の凝縮器21と、凝縮器21の熱によって後述する除霜水を蒸発させる蒸発皿22とを含む。圧縮機20、凝縮器21、蒸発皿22は、冷蔵庫本体2の下部に設けられる機械室23に設置される。蒸発皿22は、凝縮器21上に載置され冷蔵庫本体2の前面下部から前方に移動自在に設けられる。
冷蔵庫1は、冷凍室4の背面部に形成される冷却器室26内に設置される冷凍サイクルの冷却器24と、冷却器24で冷却された冷気を冷蔵室3、冷凍室4、野菜室5へ循環する送風機25と、冷却器24の除霜用ガラス管ヒータ27とをさらに含む。冷却器24の除霜水は、排水管を通って蒸発皿22へ導かれ、蒸発皿22にて蒸発される。
冷蔵室3と冷凍室4とは断熱仕切り壁28にて区画される。断熱仕切り壁28は、図4に示すように、インジェクション成形された合成樹脂製の冷蔵室3の底板29と、インジェクション成形された合成樹脂製の冷凍室4の天井板30と、底板29と天井板30との間に挟持される断熱材とによって構成される。断熱材は、予め所定形状に成形された発泡スチロールなどで実現される。断熱仕切り壁28は、冷蔵庫本体2の内箱2Bの左右側壁に前後方向に伸びて形成される溝と、内箱2Bの後壁に形成される溝とに、冷蔵庫本体2の開口部から挿入して取り付けられる。
冷蔵庫1は、背壁部材32を含む。背壁部材32は、冷蔵庫本体2の後方の背壁の前面側に配設される冷蔵室3の背壁部材であり、合成樹脂製背面板とその裏側に取り付けられる発泡スチロール等の断熱材との組み合わせで構成される。背壁部材32は、冷蔵室3の背面側に上下方向の冷気供給通路35と、冷気供給通路35の左右方向にそれぞれ設けられる冷気通路35Aとを形成する。
断熱仕切り壁28の後部には、断熱仕切り壁28を上下に貫通した冷気供給通路36が形成される。冷気供給通路36は、その下部が送風機25から供給される冷気の導入部であり、上部が冷気供給通路35に連通する。冷気供給通路36にはダンパ装置50が取り付けられる。ダンパ装置50は、冷蔵室3の温度を感知するセンサの検知結果に基づく制御回路部からの指令によって冷気供給通路36を開閉動作する。ダンパ装置50の開閉動作によって、冷気の流量が制御され、冷蔵室3は所定の温度に保たれる。
冷凍室4内は区画板47によって、製氷室を構成する製氷部6と冷凍庫室4Aとに区分される。製氷部6には、自動製氷機7と貯氷箱8が設けられる。自動製氷機7は、電動機構7Aと、電動機構7Aによって前後方向に延びる略水平な軸線上で正転及び逆転する製氷皿7Bを備える。製氷皿7Bの下方には上面が開口する貯氷箱8が配置される。製氷部6は、後述する貯水容器9から供給される製氷用水を凍結させて氷を製造する領域である。製氷部6は、冷凍室4内と略同等の温度、例えば、氷点下20℃前後の冷凍温度領域である。
製氷皿7Bは、前後方向に長く延びる長手方向を列として、一列に4個、5個、又は6個の製氷小室に区分され、左右2列配置され、8乃至12個の角型氷を作る合成樹脂製である。また、貯氷箱8は、白色、透明、半透明又はその他の色の合成樹脂製であり、左右幅に比して奥行きが長い上面開口の箱状である。
製氷部6の左右側壁には、一対のレール6Aが設けられる。貯氷箱8は、レール6Aに前後方向へ引き出し自在に支持される。製氷皿7Bは、電動機構7Aによって回転駆動され、製氷した氷を貯氷箱8に供給する。
貯氷箱8は、扉12を開くことによって前方へ引き出し可能である。製氷部6と冷凍庫室4Aの開口部は、それぞれ別個の扉にて開閉可能に閉じる構成でもよい。
図3に示すように、本発明に係る自動製氷装置Aは、自動製氷機7と給水装置Bとを有する。給水装置Bは、貯水容器9と、貯水容器9から製氷用水を送り出すための圧縮空気を貯水容器9へ供給するポンプ装置60とを備える。給水装置Bは、冷蔵室3の一部に設けた貯水容器収容部46に配置する。
製氷皿7Bへ供給する製氷用水を貯める貯水容器9は、冷蔵室3内を区画壁45で仕切った小室の貯水容器収容部46に配置する。貯水容器収容部46は冷蔵室3の一部領域であり、冷蔵室3は凍結しない例えば2〜4℃の冷却温度に冷却される。このため、貯水容器収容部46も略同等の温度に冷却される。貯水容器9は、冷蔵室3の前面扉10を開いた状態で、底板29の上面をスライド面として、前面の取っ手9Tによって前方へ取り出すことができる。
貯水容器収容部46と製氷部6は、断熱仕切り壁28にて区画される。断熱仕切り壁28には、給水装置Bから供給する製氷用水が自然流下するように製氷用水供給路51を上下方向に貫通形成する。製氷用水供給路51は、給水管51Pによって、製氷用水供給路51の入り口部を形成する。製氷用水は貯水容器9から製氷用水供給路51を介して自動製氷機7の製氷皿7Bへ供給される。
先ず、貯水容器9について説明する。
図4は本発明に係る給水装置と自動製氷機との関係を説明するための断面斜視図である。図5は本発明に係る給水装置の貯水容器のスライド構成を説明するための断面斜視図である。図6は本発明に係る貯水容器の外観斜視図である。図7は本発明に係る貯水容器の内部構成を説明するための縦断側面図である。図8は本発明に係る貯水容器の内部構成を説明するため供給孔部分を断面で示す縦断側面斜視図である。図9は本発明に係る貯水容器の内部構成を説明するため供給孔部分を断面で示す縦断側面図である。図10は本発明に係る貯水容器の分解図斜視図である。図11は本発明に係る貯水容器の容器本体の上面斜視図である。図12は本発明に係る貯水容器の容器本体の平面図である。図13は本発明に係る貯水容器の仕切り体の一方向からの斜視図である。図14は本発明に係る貯水容器の仕切り体の他の方向からの斜視図である。図15は本発明に係る貯水容器の仕切り体の下方からの斜視図である。図16は本発明に係る貯水容器の容器本体内に仕切り体を挿入した状態の上面斜視図である。図17(A)は本発明に係る貯水容器の容器本体内に仕切り体を挿入した状態の平面図であり、図17(B)は図17(A)のC円の拡大図である。
本発明の貯水容器9は、上方に開口する開口部9A2を有する容器本体9Aと、容器本体9Aの開口部9A2に取り付けられ容器本体9Aの開口部9A2を塞ぐ蓋体9Cと、を有する。
貯水容器9は、更に、容器本体9A内に収容され容器本体9Aの内部空間を、製氷用水を貯留する主タンク部90と、製氷皿7Bに供給すべき予め定める容量の製氷用水を貯留する計量タンク部91とに区画し、主タンク部90と計量タンク部91とに連通する供給孔92が形成される仕切り壁を有する。実施形態は、この仕切り壁を容器本体9Aに着脱自在に収容される仕切り体9Bで構成し、仕切り体9Bに主タンク部90と計量タンク部91とに連通する供給孔92が形成される。
貯水容器9は、更に、計量タンク部91に連通する圧縮空気導入部91Aと、計量タンク部91に連通し計量タンク部91内の製氷用水を製氷皿7Bに導く製氷用水導出部91Bと、を有する。圧縮空気導入部91Aへ供給される圧縮空気は、後述のポンプ装置60によって供給される。
このような構成において、本発明の目的を達成する技術として、貯水容器9は、圧縮空気導入部91Aを計量タンク部91の一側部に配置し、供給孔92と製氷用水導出部91Bを計量タンク部91の他側部に配置する。
また、本発明の目的を達成する技術として、供給孔92は、製氷用水導出部91Bよりも圧縮空気導入部91Aから離間して設けられる。
また、本発明の目的を達成する技術として、計量タンク部91は、四辺形状の形態をなし、いずれか
のコーナ部に圧縮空気導入部91Aを配置し、その対角のコーナ部に供給孔92を配置する。
更に、本発明の目的を達成する技術として、仕切り体9Bは、供給孔92と、圧縮空気導入部91A
と、製氷用水導出部91Bを有し、容器本体9A内に着脱自在である。
以下、本発明の貯水容器9の具体的な構成について説明する。
貯水容器9の形態は、円形状、楕円形状、長円形状、四辺形状、多角形状等の種々の形状、構造のものが適用できる。また、ポンプ装置60の圧縮空気によって製氷皿7Bへ押し出される製氷用水を溜める計量タンク部91の形態も、円形状、楕円形状、長円形状、四辺形状、多角形状等の種々の形態が適用できる。
本発明は、貯水容器9の形態及び計量タンク部91の形態が上記のいずれの形態であっても、貯水容器9は、供給孔92と、計量タンク部91に連通する圧縮空気導入部91Aと、計量タンク部91に連通し計量タンク部91内の製氷用水を製氷皿7Bに導く製氷用水導出部91Bと、を有する。その一つの技術として、圧縮空気導入部91Aを計量タンク部91の一側部に配置し、供給孔92と製氷用水導出部91Bを計量タンク部91の他側部に配置する。
好ましくは、供給孔92は、製氷用水導出部91Bよりも圧縮空気導入部91Aから離間して設けられる。図17(A)に示すように、圧縮空気導入部91Aの中心に対して、供給孔92の中心までの距離L2が、製氷用水導出部91Bの中心までの距離L1よりも長く遠い位置である。
図12等に示すように、計量タンク部91が、上面視で4個のコーナ部K1〜K4を形成する四辺形状の場合は、いずれかのコーナ部に圧縮空気導入部91Aを配置し、その対角のコーナ部に供給孔92を配置する。
好ましい配置として、4個のコーナ部K1〜K4のうち、一方の辺HRの二つのコーナ部K1、K4のうちの一つのコーナ部K1に、計量タンク部91への圧縮空気導入部91Aを配置する。また、前記一方の辺HRと対向する他方の辺HF側の二つのコーナ部K2、K3のうち、圧縮空気導入部91Aに近い側のコーナ部K2に製氷用水導出部91Bを配置し、圧縮空気導入部91Aから遠い側のコーナ部K3に供給孔92を配置する。
図示のように、計量タンク部91が、上面視で4個のコーナ部K1〜K4を形成する矩形状の場合、上面視で一対の短辺HF、HRと一対の長辺HS、HTを有する矩形状をなし、一対の短辺HF、HRと一対の長辺HS、HTが交差するコーナ部のうち、一方の短辺HR側のコーナ部K1、K4のうちの一つのコーナ部K1に計量タンク部91への圧縮空気導入部91Aを配置する。また、他方の短辺HF側のコーナ部K2、K3のうち、圧縮空気導入部91Aに近い側のコーナ部K2に製氷用水導出部91Bを配置し、圧縮空気導入部91Aから遠い側のコーナ部K3に供給孔92を配置する。後述の環状パッキン117も、計量タンク部91の周縁形状と同様に、上面視で一対の短辺と一対の長辺を備える矩形状をなす。
本発明の貯水容器9は、計量タンク部91から製氷皿7Bへ製氷用水を供給する際、主タンク部90の製氷用水が計量タンク部91へ余分に流下することを低減するために、計量タンク部91の製氷用水の水位に応じて供給孔92を開閉可能に設けられるフロート体93を有する。これによって、計量タンク部91の製氷用水の水位が所定の低水位になるまでは、フロート体93が供給孔92を閉じた状態である。このため、供給孔92を通って主タンク部90から計量タンク部91へ流下することを、フロート体93によって防止できる。更に、供給孔92を通って計量タンク部91に貯留された製氷用水の一部が主タンク部90へ逆流することを、フロート体93によって防止できる。
上記のように、圧縮空気導入部91Aを計量タンク部91の一側部に配置し、供給孔92と製氷用水導出部91Bを計量タンク部91の他側部に配置する。また、計量タンク部91は四辺形状の形態をなし、いずれかのコーナ部に圧縮空気導入部91Aを配置し、その対角のコーナ部に供給孔92を配置する。これによって、供給孔92と製氷用水導出部91Bが、圧縮空気導入部91Aから離間した配置となる。このため、フロート体93に対し、圧縮空気導入部91Aから導入される圧縮空気の影響を低減でき、フロート体93が供給孔92を閉じる動作が安定する。更に、供給孔92を製氷用水導出部91Bよりも圧縮空気導入部91Aから離間して設けることにより、フロート体93の開閉動作を一層安定させることができ、圧縮空気が供給孔92から漏れ出すことを防ぐことができる。
貯水容器9の使用性、製作性、主タンク部90の容積の確保、計量タンク部91の容積の確保、冷蔵庫1への収容性、貯水容器9の収容により冷蔵室3を占める容積の減少割合等を考慮した場合、好ましい形態の一つとして、貯水容器9は、左右幅に比して前後方向の長さが長い矩形状形態となる。
以下、この形態の貯水容器9について詳細を記載する。
図示のように、貯水容器9は、短辺側となる左右方向の長さ(横幅)に比して、長辺側となる前後方向の長さ(奥行き)が十分長く、上面視で前後方向に長い矩形状をなし、全体形状が前後方向に長い直
方形状である。
この形状に合わせて、貯水容器9は、製氷用水を貯留する前後方向に長い主タンク部90を形成する上方に開口する開口部9A2を有する容器本体9Aと、容器本体9A内に挿入され主タンク部90の直下に計量タンク部91を区画形成する仕切り体9Bと、容器本体9Aの開口部9A2を塞ぐように容器本体9Aに着脱自在に取り付ける蓋体9Cとを有する。
図12に示すように、計量タンク部91は、上面視で、前後方向に長い矩形状をなし、四隅のコーナ部K1〜K4は円弧をなす。図17(A)に示すように、計量タンク部91の一側部、即ち前後に位置する短辺HF、HRのうち後部の短辺HR側に、圧縮空気導入部91Aを配置する。また、計量タンク部91の他側部、即ち前後に位置する短辺HF、HRのうち前部の短辺HF側に、供給孔92と製氷用水導出部91Bを離間配置する。
この具体的配置は、図17(A)に示すように、前後に位置する短辺HF、HRのうち、後部の短辺HRの左右コーナ部K1、K4の一方のコーナ部K1に圧縮空気導入部91Aを配置する。また、前部の短辺HFの左右のコーナ部K2、K3のうち、圧縮空気導入部91Aに近い側のコーナ部K2に製氷用水導出部91Bを配置し、圧縮空気導入部91Aから遠い側のコーナ部K3に供給孔92を配置する。製氷用水導出部91Bと供給孔92は、相互に離れた位置にあり、圧縮空気導入部91Aに対して供給孔92が製氷用水導出部91Bよりも遠方配置である。計量タンク部91には、自動製氷機7による1回の製氷に必要な規定量の製氷用水を貯溜する。1回の製氷に要する規定量は、製氷皿7Bが規定水位となる量である。
この形態の貯水容器9の場合も、上記同様に、フロート体93に対し、圧縮空気導入部91Aから導入される圧縮空気の影響を低減できることとなり、フロート体93が供給孔92を閉じる動作が安定する。更に、供給孔92を製氷用水導出部91Bよりも圧縮空気導入部91Aから離間して設けることにより、一層安定した動作が得られる。
図13〜図15、図17(A)に示すように、供給孔92、圧縮空気導入部91A、及び製氷用水導出部91Bが仕切り体9Bに貫通形成される。このため、供給孔92、圧縮空気導入部91A、及び製氷用水導出部91Bの相互配置が定め易くなる。
図4、図5、及び図7に示すように、ポンプ装置60の圧縮空気を計量タンク部91に導入する圧縮空気導入路94は、仕切り体9Bに貫通形成した圧縮空気導入部91Aと、蓋体9Cから後方へ延出しポンプ装置60の前面の空気吐出口63に着脱自在に接続される圧縮空気誘導パイプ96と、上端部が環状パッキン116を介して圧縮空気誘導パイプ96と連通し下端部が圧縮空気導入部91Aと連通するように、仕切り体9Bに立設した圧縮空気導入パイプ97とで構成する。実施例では、圧縮空気導入パイプ97は、圧縮空気導入部91Aとともに仕切り体9Bに一体成形され、円形状の圧縮空気導入部91Aと同径(成型上緩やかな抜き勾配はある)で、円形状の圧縮空気導入パイプ97が立ち上がる。
計量タンク部91から製氷皿7Bへ向けて製氷用水を導出する製氷用水導出路95は、製氷用水導出部91Bと、下端部が製氷用水導出部91Bに連通するように仕切り体9Bに立設した製氷用水導出パイプ99と、下端部が製氷用水供給路51へ臨むように容器本体9Aに立設した製氷用水誘導パイプ98と、製氷用水導出パイプ99の上端部と製氷用水誘導パイプ98の上端部とを連通する連通路100とで構成する。これによって、製氷用水導出路95は、上方に逆U字状または門型に屈曲した通路を構成する。
図7に示すように、一回の製氷に必要な規定量の製氷用水をポンプ装置60の圧縮空気によって製氷皿7Bへ押し出すために、製氷用水導出パイプ99と連通するように、仕切り体9Bから下方へ延出した出口パイプ99Pの下端の開口でもって、製氷用水導出部91Bが形成される。この出口パイプ99Pの下端の開口は、計量タンク部91の内底面に近接した位置に開口する。容器本体9Aの内底面9A1に相当する計量タンク部91の内底面9A1と、出口パイプ99Pの下端との間に、製氷用水が流出する間隔TPを形成する。実施例では、円形状の製氷用水導出パイプ99と円形状の出口パイプ99Pは、内径が同等の一連のパイプを形成する。このため、円形状の製氷用水導出部91Bと同径(成型上緩やかな抜き勾配はある)で、円形状の出口パイプ99Pが立ち上がり、円形状の製氷用水導出パイプ99に連通する。
実施例では、出口パイプ99Pは、製氷用水導出パイプ99と同じ内径で製氷用水導出パイプ99と連通し、仕切り体9Bと一体成形である。
図13〜図17(A)及び(B)に示すように、連通路100は、横方向に延びた筒状体の略下半分を残して上面開口の開渠状連通路である。連通路100は、製氷用水誘導パイプ98の上端部に、四角形状の升状に拡大する上面開口の開渠部100Aと、製氷用水導出パイプ99の上端部から前方に延出する上面開口の開渠部100Bとから構成する。開渠部100Aは、その後壁に切欠き状の連結壁100Mを形成する。開渠部100Bは、底壁及び左右壁が拡大する先端部100Pを有し、その先端部100Pの根元側の外周に連結溝100Nを形成する。
図16、図17(A)及び(B)に示すように、容器本体9A内への仕切り体9Bの挿入によって、開渠部100Aに開渠部100Bが載り、連結壁100Mが連結溝100Nに嵌合する。この状態で、開渠部100Bの先端部100Pが開渠部100A内に進入する状態で、両者が連結し、連続した連通路100を形成する。容器本体9Aに取り付けた蓋体9Cによって、連通路100の上面開口が塞がれ、横方向に延びた連通路100となる。連通路100は、製氷用水導出パイプ99側から製氷用水誘導パイプ98側へ向けて低く傾斜する。このため、計量タンク部91から製氷用水供給路51へ向けた製氷用水の流れが良好となり、且つ水切りが良好となる。
容器本体9A、仕切り体9B、蓋体9Cを合成樹脂成形する場合、それに関連する圧縮空気導入路94、製氷用水導出路95等を合成樹脂にて一体成形する。この場合、連通路100を含めて製氷用水導出路95全体を暗渠通路とすることは、成形金型や成形方法等が複雑になり、大きなコストアップとなる。上記のように、製氷用水導出路95が上方に逆U字状または門型に屈曲した通路を構成しており、その連通路100は、製氷用水誘導パイプ98側の上面開口の開渠部100Aと、製氷用水導出パイプ99側の上面開口の開渠部100Bで構成するため、上記のように各部を合成樹脂成形する場合も、成形金型や成形方法等が簡単になり、低コスト化が達成できる。
開渠部100Aと開渠部100Bとの連結部に、シール用パッキンを用いる方法もあるが、その場合は、このシール用パッキン部に残った水が腐敗してカビが発生する虞がある。本発明は、上記のように、容器本体9A内への仕切り体9Bの挿入に伴って、開渠部100Aの先端部に開渠部100Bの先端部が載り、開渠部100Bの先端部100Pが開渠部100A内に進入する状態である。このため、シール用パッキンを用いることなく、製氷用水導出路95を流れる製氷用水の水漏れを防止できる。また、容器本体9A内から仕切り体9Bを取り外せば、開渠部100Aと開渠部100Bを洗浄できるため、カビの発生を防ぐことができる。更に、仕切り体9Bの挿入に伴って、開渠部100Aと開渠部100Bの連結ができるため、両開渠部の連結作業が簡素化される。このため、連通路100の部分の連結と分離がし易く、洗浄もし易くなるため、組み立て、分解がし易く、衛生的な連通路100となる。
また、製氷用水導出路95が上方に逆U字状または門型に屈曲した通路を構成することにより、製氷部6の冷凍冷気が製氷用水供給路51を上昇して計量タンク部91へ逆流することを抑制できる効果がある。更に、圧縮空気導入路94は、圧縮空気導入部91Aから立ち上がり、製氷用水導出路95は、製氷用水導出部91Bから導出する製氷用水が上昇し下降する流れとなる形態である。このため、貯水容器9を貯水容器収容部46へ収容するときや、冷蔵庫扉10を開閉する際などの振動によって、計量タンク部91の製氷用水が、製氷用水供給路51やポンプ装置60の空気吐出口63へ漏出することを防止できる。
この漏出防止効果の向上のために、連通路100内の底面レベル100L、及び圧縮空気誘導パイプ96の底面レベル96Lは、貯水容器9内の製氷用水満杯レベルWLよりも若干上位とする。貯水容器9内の製氷用水満杯レベルWLは、即ち、主タンク部90の製氷用水満杯レベルであり、給水口104の下部に設けた水平辺104Aのレベルに定めている。
次に、供給孔92とフロート体93の関係について説明する。
図15に示すように、供給孔92は矩形状の孔の中央部に拡大部92Aを有する形状である。図17(A)、図18に示すように、フロート体93の上面中央部に、この矩形状の供給孔92を通り抜ける大きさの略T字状の支持部93Aを有する。このため、供給孔92の矩形状に沿って下方から支持部93Aを供給孔92に通した状態で、フロート体93を略90度回すことにより、支持部93Aの上端部の係止辺93Pが、供給孔92の拡大部92Aの上縁部に係止し、フロート体93を落下しない状態に保持する。この状態で、支持部93Aの縦方向軸部93Qが供給孔92の拡大部92Aに遊嵌状態である。このため、フロート体93は、計量タンク部91の水位によって上下動可能である。
この構成によって、計量タンク部91の水位が所定の満杯状態になる前は、フロート体93が下降しており、主タンク部90の製氷用水が、支持部93Aの周囲から供給孔92を通り、フロート体93の周囲を通って計量タンク部91へ自然流下する。計量タンク部91の水位が満杯へ向けて上昇することにより、フロート体93が上昇し、計量タンク部91が所定の満杯になれば、図19に示すように、フロート体93の上面が、供給孔92の周囲で仕切り体9Bの下面に当接し、供給孔92を閉じる。
製氷工程の開始により、ポンプ装置60が稼働し、圧縮空気が圧縮空気導入部91Aから流入し、計量タンク部91の製氷用水を押し出す。この押し出しに伴って計量タンク部91内の水位が徐々に低下するが、計量タンク部91が所定の低水位になるまでは、フロート体93が供給孔92を閉じたままの状態を維持する。このように、フロート体93の浮力を設定する。それによって、計量タンク部91から押し出す規定量を超えた量の製氷用水の押し出しを制限できる。
計量タンク部91内の水位が低下して所定の低水位になると、フロート体93が供給孔92を開く状態となるが、そのとき、フロート体93が直ちに下降するのではなく、若干遅れて下降する。それは、フロート体93の上面と仕切り体9Bの下面との間に存在する水の付着作用によって、フロート体93が供給孔92を閉じたままの状態を維持する。フロート体93の重量とこの付着作用とのバランスが崩れたとき、この維持作用が無くなり、遂にフロート体93が降下して供給孔92を開く。供給孔92を開くことにより僅かな量が供給孔92から流下しても、その時は既に、計量タンク部91から規定量の略全量の製氷用水が製氷皿7Bへ押し出された状態であるため、この僅かな量が供給孔92から流下しても、規定量の製氷用水の押し出しには殆んど影響しない。
実施例では、一回の製氷に必要な規定量は80ccであり、計量タンク部91はこの規定量を確保する容積である。一回の製氷に必要な規定量の80ccの押し出しは、空気ポンプ61の稼働時間によって定めている。実施例では、15秒間の稼働によって得ている。
以上のように構成した自動製氷機7において本発明は、断熱仕切り壁28を垂直状に貫通する製氷用水供給路51を形成する給水管51Pを改良するようにした。即ち、給水管51Pから製氷皿7Bの特定の製氷セル7B1へ製氷用水Wを供給する際、給水管51Pから流下する製氷用水の飛散を防止するとともに、製氷セル7B1の製氷用水面を直射しない位置へ製氷用水Wを導くことができ、この製氷水Wの注水を終了した後に給水管51P内に製氷用水Wが残存しないようにする。以下、その詳細を図20は給水管51Pの斜視図、図21は給水管51Pの断面図、図22は給水管51Pの作用を模式的に説明するための断面図に基づいて説明する。
給水管51Pは、給水管51Pの管軸PLに対する横断面が円形状のパイプであり、上方へ向けて拡大する漏斗状の製氷用水入口部51P−1と、製氷用水入り口51P−1の下端に連通する略直管状の中間部51P−2と、この中間部51P−2の下端に連通する製氷用水出口部51P−3とを有する。製氷用水出口部51P−3は、断熱仕切り壁28への取り付けによって断熱仕切り壁28から下方へ突出し、製氷部6へ露出した状態となる。
給水管51Pの製氷用水出口部51P−3は、下方に向けて徐々に直径を狭める縮径部51P−3aと、給水管51Pの管軸に対して斜めに交差する開口端面51P−3bを有する。このため、給水管51Pの先端は、製氷用水の流下方向に対して上り勾配の尖鋭形状となる。即ち、給水管51Pの先端は、縮径しつつ先細りする形態となる。なお、前記斜状の開口端面51P−3bは平面または曲面に形成する。
前記縮径部51P−3aは、管軸PLに対して10度±5度の角度αでもって、徐々に下方向けて直径が縮小された形状である。また、給水管P1の開口端面51P−3bは、管軸PLに対して30度±10度の角度βが好適である。なお、管軸PLに対して斜めに交差する面が曲面の場合は、この平面の場合の角度βに準ずる角度に形成すればよい。この角度α、βは、給水管51P内を流下する製氷用水の量や流下速度などをパラメータとして設定することになる。
即ち、前記給水管51Pによれば、給水管51P内を流下した製氷用水Wに対して縮径部51P−3aの傾斜した内壁が水流抵抗体となり、製氷用水は縮径部51P−3aで斜め左右方向へ分流する。このようにして分流した製氷用水は縮径部51P−3aの稜線に導かれて流出する。したがって、製氷用水Wは飛散することなく縮径部51P−3aの背面の空間の斜め下方に流出する。これにより、図22、23に示すように縮径部51P−3aの背面に流出した製氷用水Wを特定の製氷セル7B11内に滞留する製氷用水Wの表面より上方の製氷セル7B11の立壁FPの位置SPに向けて斜め下向きに当接するように導くことができるとともに、注水を停止した後においても、製氷用水Wは誘引作用により全て流出し、給水管51Pの内部に残存することはない。
実施例の製氷皿7Bは、上面視で、前後方向に長い矩形状をなし、左右2列配置で以って複数の製氷セル7B1が前後方向に配列形成される。図4、5には、その左右2列配置のうちの左1列の部分を示している。製氷皿7Bの各製氷セル7B1間の隔壁には、製氷用水が流れる連通路Kが形成されている。製氷皿7Bの上面周縁部には、これらの製氷セル7B1を取り囲むように、製氷用水が零れないための周囲壁7BFが高く巡らされている。このため、給水管51Pから特定の製氷セル7B11へ供給される製氷用水は、オーバーフローによって連通路Kを通って隣接する製氷セル7B1へ流入し、順次下流側の製氷セル7B1へ流入する。給水管51Pから供給される製氷用水Wの供給が終了した状態で、製氷セル7B11、7B1に滞留した製氷用水Wの水位は所定水位HLに保たれる。
給水管51Pの製氷用水出口部51P−3から流下する製氷用水Wは、上記のように、給水管51Pの先端から斜め下方向へ流出するため、この方向の先に所定の製氷セル7B11が位置するように、給水管51Pの製氷用水出口部51P−3と製氷皿7Bとの配置関係とする。
給水管51Pから製氷用水が供給される所定の製氷セル7B11は、製氷皿7Bの奥側となる一つの製氷セルであり、後側と側面に周囲壁7BFが存在する。このため、製氷セル7B11の後壁と側壁が周囲壁7BFの一部分によって形成される。好ましい形態として、製氷セル7B11の壁のうち、後壁に対して所定水位HLよりも上位の立壁FPに、製氷用水が斜め下向きに直射する状態に構成している。この立壁FPの部分は、製氷セル7B11の中央を通る前後方向線上を中心とした、所定水位HLよりも上位の範囲である。
このように、周囲壁7BFの一部へ製氷用水Wを鋭角で直射すれば、製氷用水Wは飛散することなく給水できることとなる。なお、給水管51Pの製氷用水出口部51P−3の向きによって、製氷セル7B11の側壁や前壁などに対し製氷用水Wを直射するようにしてもよい。このため、製氷用水出口部51P−3の開口端面51P−3bの向きが製氷皿7Bの所望の位置へ向くようにするため、給水管51Pの取り付け位置を定める位置決め突起51Zを給水管51Pの上端の鍔部51Yに形成している。これによって、断熱仕切り壁28を貫通するように給水管51Pを嵌め込み、断熱仕切り壁28を構成する冷蔵室3の底板29に鍔部51Yが載置された状態で、位置決め突起51Zが冷蔵室3の底板29に形成した窪みまたは孔(図示せず)に嵌るようにし、製氷用水出口部51P−3が断熱仕切り壁28から下方へ突出した状態で、給水管51Pを所定の向きに取り付けることができる。
本発明は、上記実施携帯の貯水容器及び給水装置の形態に限らず、種々の形態の貯水容器及び給水装置において適用可能である。また、本発明は、上記実施例に記載した形態に限らず、本発明の趣旨の範囲内において、種々の形態の冷蔵庫に適用可能である。
A・・・・・・・自動製氷装置
B・・・・・・・給水装置
1・・・・・・・・冷蔵庫
2・・・・・・・・冷蔵庫本体
3・・・・・・・・冷蔵室
4・・・・・・・・冷凍室
6・・・・・・・・製氷部
7・・・・・・・・自動製氷機
7B・・・・・・・製氷皿
8・・・・・・・・貯氷箱
9・・・・・・・・貯水容器
9A・・・・・・・容器本体
9A3・・・・・・係止部
9A1・・・・・・容器本体の内底面
9B・・・・・・・仕切り体
9BF・・・・・・押圧フランジ
9BT・・・・・・支え突起
9C・・・・・・・蓋体
9T・・・・・・・取っ手
28・・・・・・・断熱仕切り壁
32・・・・・・・冷蔵室の背壁部材
46・・・・・・・貯水容器収容部
46A・・・・・・係止段部
51・・・・・・・製氷用水供給路
51P・・・・・・給水管
51P−1・・・・製氷用水入口部
51P−2・・・・中間部
51P−3・・・・製氷用水出口部
51P−3a・・・縮径部
51P−3b・・・開口端面
60・・・・・・・ポンプ装置
60U・・・・・・空気ポンプユニット
61・・・・・・・空気ポンプ
63・・・・・・・空気吐出口
63A・・・・・・空気導出パイプ
63B・・・・・・ガスケット
63C・・・・・・空気吐出路
63D・・・・・・防塵フィルタ
65・・・・・・・外装ケース
90・・・・・・・主タンク部
90P・・・・・・パッキン保持部
90P1・・・・・環状突起
90P2・・・・・環状溝
90P3・・・・・当接部
90P4・・・・・保持突起
91・・・・・・・計量タンク部
91A・・・・・・圧縮空気導入部
91B・・・・・・製氷用水吐出部
92・・・・・・・供給孔
93・・・・・・・フロート体
94・・・・・・・圧縮空気導入路
95・・・・・・・製氷用水吐出路
96・・・・・・・圧縮空気誘導パイプ
97・・・・・・・圧縮空気導入パイプ
98・・・・・・・製氷用水誘導パイプ
99・・・・・・・製氷用水導出パイプ
99P・・・・・・出口パイプ
100・・・・・・連通路
100A・・・・・開渠部
100B・・・・・開渠部
104・・・・・・給水口
105・・・・・・キャップ
110・・・・・・係合突起
111・・・・・・係合溝
111A・・・・・係合溝の内側壁
111B・・・・・係合溝の外側壁
112・・・・・・傾斜面
115・・・・・・環状パッキン
116・・・・・・環状パッキン
117・・・・・・環状パッキン
117D・・・・・取り付け溝
117Q・・・・・肩部
117R1・・・・外側環状リブ
117R2・・・・内側環状リブ
117T・・・・・ヒレ部
121・・・・・・障壁
122・・・・・・製氷用水流出部
125・・・・・・空気排出溝
125A・・・・・膨出溝

Claims (4)

  1. 製氷用水を貯留する貯水容器と、
    前記貯水容器に連通し、前記貯水容器から供給された製氷用水を自動製氷機の製氷部に配置された製氷皿へ誘導する給水管を備え、
    前記給水管の先端部は、略鉛直下向きに配設されるとともに、下方に向けて漸次縮径する縮径部が形成され、かつ、前記給水管の管軸に対して斜めに交差する開口を前記縮径部に形成し
    前記給水管の先端部から流出する製氷用水が、前記製氷皿の所定の製氷セルの製氷用水の貯留基準よりも上位の壁面に向けて斜め下向きに当接するように前記給水管と製氷皿の配置関係を定めたことを特徴とする冷蔵庫用自動製氷装置の水装置。
  2. 前記給水管の前記縮径部は、前記管軸に対して10度±5度の角度をなし、前記開口面は前記管軸に対して30度±10度の角度であることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫用自動製氷装置の給水装置。
  3. 前記貯水容器に圧縮空気を供給するポンプ装置を備え、
    前記貯水容器は、
    上方に開口する開口部を有する容器本体と、
    前記容器本体の内部空間を、製氷用水を貯留する主タンク部と、自動製氷装置の製氷皿に供給すべき予め定める容器の製氷用水を貯留する計量タンク部とに区画し、前記主タンク部と前記計量タンク部とに連通する供給孔が形成される仕切り体と、
    前記容器本体の開口部に取り付けられ前記容器本体の開口部を塞ぐ蓋体と、
    前記計量タンク部の製氷用水の水位に応じて前記供給孔を開閉可能に設けられるフロート体と、
    前記計量タンク部に連通する圧縮空気導入部と、
    を有し、
    前記給水管は、前記計量タンク部に連通することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷蔵用自動製氷装置の給水装置。
  4. 前記貯水容器を取り出し自在に収容する貯水容器収容部が冷蔵室に形成され、前記貯水容器が、前記貯水容器収容部に収容されポンプ装置に連結されたことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の冷蔵庫用自動製氷装置の給水装置を備えた冷蔵庫。
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