JP6502053B2 - 運転技能評価システム及び運転技能評価方法 - Google Patents

運転技能評価システム及び運転技能評価方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6502053B2
JP6502053B2 JP2014211625A JP2014211625A JP6502053B2 JP 6502053 B2 JP6502053 B2 JP 6502053B2 JP 2014211625 A JP2014211625 A JP 2014211625A JP 2014211625 A JP2014211625 A JP 2014211625A JP 6502053 B2 JP6502053 B2 JP 6502053B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
driving
detection device
data
subject
higher brain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014211625A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015099589A (ja
Inventor
朋二 鳥山
朋二 鳥山
智 浦島
智 浦島
中村 正樹
正樹 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyama Prefectural University
Original Assignee
Toyama Prefectural University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyama Prefectural University filed Critical Toyama Prefectural University
Priority to JP2014211625A priority Critical patent/JP6502053B2/ja
Publication of JP2015099589A publication Critical patent/JP2015099589A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6502053B2 publication Critical patent/JP6502053B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)

Description

本発明は、自動車を運転する技能を評価するための運転技能評価システム及び運転技能評価方法に関する。
従来、特許文献1〜3に開示されているように、自動車の位置を検出する位置検出手段と被験者(運転者)の身体に取り付けた複数の動き検出手段とを設け、これらが出力する検出データを分析し、左右確認動作や目視確認動作、及びその他の車速等に関する評価項目について事故予防動作や危険運転予防意識が正しく働いているか否かを評価する運転行動等の自動評価システムがあった。このシステムでは、自動車の車両に自動車の位置データ及び車両の挙動を検出するGPS受信機等である位置検出手段を取り付け、被験者の身体には、頭部の動きデータを検出する角速度センサ等である第1動き検出手段、右足先の動きデータを検出する角速度センサ等である第2動き検出手段を装着する。各検出データは、解析用コンピュータ等の評価手段で分析され評価される。左右確認動作に関する評価項目としては、確認方向、確認回数、確認の深さ、確認時間、確認のタイミング等が挙げられている。
WO2009/148188号公報 特開2009−199583号公報 特開2013−239191号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3の評価システムは、例えば高次脳機能障がい者の運転技能を評価するのには適していないものであった。高次脳機能障害とは、様々な疾患が基となって遂行機能障害や注意障害等を引き起こす状態像のことをいい、これらの症状は治療によって回復が見込まれるが、回復の程度によっては自動車の運転に支障をきたす可能性がある。道路交通法上、運転に問題がある場合には公安委員会によって運転の可否判断が行われるが、今のところ、高次脳機能障がい者の運転の可否判断を的確に行う方法は確立されていない。そこで、発明者らは、高次脳機能障害が自動車の運転に及ぼす影響について検討を行った結果、以下のような特徴を有することを見いだした。
第一に、高次脳機能障がい者に、高い確率で出現する危険運転行動が見られるという点である。例を挙げると、高次脳機能障がい者には、注意障害や、遂行機能障害という症状を呈する場合があり、これは2つ以上の事物に同時に注意を払うことが困難になったり、計画的に操作を実行することが困難になるという症状である。従って、高次脳機能障がい者には、車線変更時における後方安全確認動作、ハンドル操作、ウインカ発出操作といった複数の動作を同時に行ったり、順を追って遂行する場合の順序を誤ってしまうケースが多く存在し、後続車両との接触事故につながる可能性がある。
第二に、健常者にとって安全であっても、高次脳機能障がい者にとっては安全とは言えない動作が存在することが分かった。高次脳機能障害には半側空間無視という症状があり、これは、視覚に入っている景色のうち片側半分を無視してしまうという症状である。したがって、半側空間無視の症状を有していると、健常者と同じ左右確認動作を行ったとしても安全とは言えない可能性がある。
このように、被験者が高次脳機能障がい者や同様の障害が残っている可能性がある人の場合、健常者とは異なる危険な動作や、健常者と同様の動作を行っていても危険である場合があり、被験者の運転動作を、障害の種類に応じて様々な観点から分析し評価しなければならない。しかし、特許文献1〜3に開示された自動評価システムの構成ではこのようなケースの評価を行うことはできないものであった。
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、高次脳機能障がい者を含む被験者の運転技能について、的確な分析及び評価を可能にする運転技能評価システム及び運転技能評価方法を提供することを目的とする。
本発明は、高次脳機能障がい者又はその可能性がある者等の自動車運転技能を評価するための運転技能評価システムであって、走行する車両の位置を検出する車両位置検出装置と、運転中の被験者が行う側方確認の動作を検出する側方確認動作検出装置と、運転中の被験者が行うアクセル及びブレーキ操作のうちの少なくとも一方の操作を検出するアクセル・ブレーキ操作検出装置と、前記各検出装置が出力する各検出データを取得し、当該検出データと、健常者が運転した時の典型的なデータと、高次脳機能障がい者等が運転した時の典型的なデータとを比較分析して、被験者の運転技能の低下を評価する分析評価装置とを備える運転技能評価システムである。
前記側方確認動作検出装置は、前記被験者の頭部の左右の振れを検出する頭部センサと、前記被験者の上体の傾きを示す上体センサを備え、前記分析評価装置は、前記側方確認動作検出装置が出力する前記被験者の頭部の左右の振れ及び前記被験者の上体の傾きを示す各検出データを取得し、当該検出データと健常者が運転した時の典型的なデータと高次脳機能障がい者等が運転した時の典型的なデータとを比較分析して、運転中の左右安全確認行動を行う機能の低下を評価するものである。
その他、運転中の被験者が行うハンドル操作を検出するハンドル操作検出装置を備え、前記分析評価装置は、前記ハンドル操作検出装置、前記車両位置検出装置、及び前記側方確認動作検出装置が出力する各検出データを取得し、当該検出データと健常者が運転した時の典型的なデータと高次脳機能障がい者等が運転した時の典型的なデータとを比較分析して、走行中に道路の車線変更を行う技能の低下を評価するものである。または、運転中の被験者が行うウインカレバー操作を検出するウインカレバー操作検出装置を備え、前記分析評価装置は、前記ハンドル操作検出装置、車両位置検出装置、前記側方確認動作検出装置、及び前記ウインカレバー操作検出装置が出力する各検出データを取得し、当該検出データと健常者が運転した時の典型的なデータと高次脳機能障がい者等が運転した時の典型的なデータとを比較分析して、走行中に道路の車線変更を行う技能の低下を評価するものである。あるいは、前記分析評価装置は、前記車両位置検出装置及び前記アクセル・ブレーキ操作検出装置が出力する各検出データを取得し、当該検出データと健常者が運転した時の典型的なデータと高次脳機能障がい者が運転した時の典型的なデータとを比較分析し、例えば一時停止や交差点、幅員減少やカーブ等において、走行中に減速する技能の低下を評価するものである。
前記車両位置検出装置は、前記車両の加速度を検知可能に設けられ、前記ハンドル操作検出装置は、前記自動車のハンドルに取り付けた加速度センサを有し、前記加速度センサが出力する検出データから前記車両位置検出装置が検出した前記車両の加速度をキャンセルし、前記ハンドル操作の検出データとするものである。または、前記側方確認動作検出装置は、被験者の頭部に取り付けた加速度センサを有し、前記加速度センサが出力する検出データから、前記車両位置検出装置が検出した前記車両の加速度をキャンセルし、前記側方確認の動作の検出データとするものである。
前記アクセル・ブレーキ操作検出装置は、被験者の足先に取り付けた加速度センサを有し、前記加速度センサが出力する検出データから前記車両位置検出装置が検出した前記車両の加速度をキャンセルし、前記アクセル及びブレーキ操作の検出データとするものである。または、前記ウインカレバー操作検出装置は、前記自動車のウインカレバーに取り付けた加速度センサを有し、前記加速度センサが出力する検出データから前記車両位置検出装置が検出した前記車両の加速度をキャンセルし、前記ウインカレバー操作の検出データとするものである。
またこの発明は、高次脳機能障がい者又はその可能性がある者等の自動車運転の技能を評価する運転技能評価方法であって、走行中の車両の位置と時間、運転中の被験者が行うハンドル操作と、運転中の被験者が行う側方確認の動作と、運転中の被験者が行うアクセル・ブレーキ操作とを検出し、これらの各検出データと健常者が運転した時の典型的なデータと高次脳機能障がい者等が運転した時の典型的なデータとを比較分析することによって、被験者の運転技能の低下を評価する運転技能評価方法である。
さらに、前記被験者の頭部の左右の振れ及び前記被験者の上体の傾きを検出し、各検出データと健常者が運転した時の典型的なデータと高次脳機能障がい者等が運転した時の典型的なデータとを比較分析することによって、運転中の左右安全確認行動を行う技能の低下を評価するものである。また、運転中の被験者が行うハンドル操作を検出し、各検出データと健常者が運転した時の典型的なデータと高次脳機能障がい者等が運転した時の典型的なデータとを比較分析することによって、走行中に道路の車線変更を行う技能の低下を評価するものである。
または、運転中の被験者が行うウインカレバー操作を検出し、各検出データと健常者が運転した時の典型的なデータと高次脳機能障がい者等が運転した時の典型的なデータとを比較分析することによって、走行中に道路の車線変更を行う技能の低下を評価するものでもよい。さらに、前記走行中の車両の位置と時間、及び前記アクセル・ブレーキ操作を検出し、各検出データと健常者が運転した時の典型的なデータと高次脳機能障がい者等が運転した時の典型的なデータとを比較分析し、例えば一時停止や交差点、幅員減少やカーブ等において、走行中に減速する技能の低下を評価するものでもよい。
本発明の運転技能評価システム及び運転技能評価方法によれば、走行中の車両の位置、運転中の被験者の姿勢や頭の動き等の側方確認動作、及びアクセルとブレーキの操作のうちの少なくとも一方の操作を検出し、これらの検出データを適宜組み合わせて比較分析することにより、高次脳機能障害の様々な症状が運転に及ぼす影響(運転技能の低下)について、的確に評価することができる。さらに、運転中の被験者のハンドル操作やウインカレバー操作も検出する構成を加えることにより、より実践的で複雑な運転技能の評価も行うことができる。
本発明の運転技能評価システム及び運転技能評価方法の一実施形態に使用される自動車の装備を説明する図である。 この実施形態に使用する被験者の装備を説明する図である。 この実施形態を使用して行う運転技能評価方法の一例(評価例1)を説明するタイムチャートである。 この実施形態を使用して行う運転技能評価方法の他の例(評価例2)を説明するタイムチャートである。
以下、本発明の運転技能評価システム及び運転技能評価方法の一実施形態について、図面に基づいて説明する。運転技能評価システム10は、高次脳機能障がい者(例えば遂行機能障害の症状を有する人)の運転技能を評価するのに適したシステムであり、所定の車両位置検出装置14、ハンドル操作検出装置16、ウインカレバー操作検出装置18、アクセル・ブレーキ操作検出装置20、側方確認動作検出装置21、及び分析評価装置22を備えている。
車両位置検出装置14は、図1に示すように、走行する車両24の位置を検出する装置である。ここでは、GPS衛星から信号を受信し所定の処理を行うGPSモジュール26aが使用され、車内のダッシュボード上面に取り付けられる。さらに、車両位置検出装置14として、車輛24の加速度を検出する加速度センサ26bを備えている。加速度センサ26bは、水平方向の少なくとも2軸(X−Y軸)方向の加速度を検知可能なものである。GPS衛星の信号を受信できない場所で評価を行う場合に、加速度センサ26bの出力と、車輌24に備えられた図示しない走行距離計や車速計からの出力により、車両24の移動距離と移動方向から車両位置を演算により求める。
ハンドル操作検出装置16は、運転中の被験者M1のハンドル操作(ハンドル28の回転速度、回転角度、及びそれらの方向、動作のスムーズさ等)を検出する装置である。ここでは、ハンドル28に取り付けられた加速度・角速度センサや回転角度を検出する回転センサ等であるハンドルセンサ30、フロントガラスの上方に設置され運転席24aの被験者M1の上半身の動きを前方から撮影する後方撮影用カメラ32、後席24bに設置され運転席24aの被験者M1の上半身の動きを背後から撮影する前方撮影用カメラ34、及び助手席24cの窓の上方に設置され被験者M1の上半身の動きを側方から撮影する側方撮影用カメラ36が該当する。ハンドルセンサ30、3つのカメラ32,34,36のどの検出結果を評価に適用するかは、被験者M1が有する障害の種類や運転技能の評価項目に応じて選択される。単純にハンドル28の回転移動を検出するのであれば、ハンドルセンサ30の出力を分析するだけで足りるので、カメラ32,34、36の設置を省略することができる。また、後方撮影用カメラ32はリアウインドウの外に見える光景を記録し、前方撮影用カメラ34はフロントウインドウの外に見える光景を記録し、側方撮影用カメラ36は運転席24aの窓の外に見える光景を記録するという働きもする。
ウインカレバー操作検出装置18は、運転中の被験者M1のウインカレバー操作(ウインカレバー38の指示の切り替わり、指示の方向、動作のスムーズさ等)を検出する装置である。ここでは、ウインカレバー38に取り付けられた加速度・角速度センサや変位検出スイッチ等であるウインカセンサ40、上記の後方撮影用カメラ32、前方撮影用カメラ34が該当する。ウインカセンサ40、2つのカメラ32,34のどの検出結果を評価に適用するかは、上記と同様に、適宜選択される。単純にウインカレバー38の移動を検出するのであればウインカセンサ40だけで足りるので、カメラ32,34の設置を省略することができる。
アクセル・ブレーキ操作検出装置20は、運転中の被験者M1のアクセル・ブレーキ操作(アクセルとブレーキのうちの少なくとも一方の操作を検出し、どちらを操作しているか、ペダルの踏み込み量、動作のスムーズさ等)を検出する装置である。ここでは、図1、図2に示すように、被験者M1の靴の上面に取り付けられた加速度・角速度センサである足センサ42、運転席24aのドアに設置され被験者M1の足先の動きを撮影する足先撮影用カメラ44が該当する。足センサ42、足先撮影用カメラ44のどちらの検出結果を評価に適用するかは、上記と同様に、適宜選択される。単純にアクセルペダル46とブレーキペダルの移動を検出するのであれば足センサ42だけで足りるので、足先撮影用カメラ44の設置を省略することができる。また、足センサ42に代えて、アクセルペダル46及びブレーキペダルに加速度・角速度センサ等を取り付けるペダルセンサの構成にしてもよい。
側方確認動作検出装置21は、運転中の被験者M1が行う側方確認動作(車両24の後方及び左右の側方の状況を認識するため、ドアミラーや直接左右を見たりする動作、及び動作のスムーズさ等)を検出する装置である。ここでは、振り向いたりルームミラーを見て後方確認する動作も含む。検出装置としては、被験者M1の帽子に取り付けられた加速度・角速度センサである頭部センサ48、上記の後方撮影用カメラ32、前方撮影用カメラ34、側方撮影用カメラ36、及び胸部に取り付けられた加速度センサや角速度センサ又は傾斜センサである上体センサ52が該当する。頭部センサ48、上体センサ52、及び3つのカメラ32,34,36のどの検出結果を使用するかは、上記と同様に、適宜選択される。側方確認動作を行ったか否かを検出するのであれば、頭部センサ48、上体センサ52だけで足りるので、カメラ32,34,36の設置を省略することができる。
さらに、被験者M1の左右の手首部には、加速度・角速度センサである腕センサ50が設けられる。腕センサ50は、例えばハンドル操作検出装置16やウインカレバー操作検出装置18等の一部として補助的に使用する。
分析評価装置22は、例えばパーソナルコンピュータ22aを用いて構成し、複数の検出装置14,16,18,20,21の検出結果を比較分析し、被験者M1の運転技能の評価を行う装置である。各検出装置14,16,18,20,21との間の通信は、例えば近距離無線規格Bluetooth(登録商標)等を使用するとよい。分析評価装置22は、受信した検出データを記録すると共に、運転技能の評価項目ごとに設定されたプログラムを実行して分析及び評価を行い、その結果を表示する。ここでは、分析評価装置22が車内の後席24bに設置されているが、車外の評価施設等に設置しても構わない。
なお、上記の加速度・角速度センサであるハンドルセンサ30、ウインカセンサ40、足センサ42、腕センサ50、上体センサ52の各検出データは、個々の検出対象部分(ハンドル28等)の動きと車両24の動きとを合わせたものになるので、車両位置検出装置14が出力する車両24の動きをキャンセルして、各検出装置16,18,20等の検出データとする。このキャンセルする処理は、パーソナルコンピュータ22aで容易に行うことができる。
次に、運転技能評価システム10を使用して行う運転技能評価方法について説明する。ここでは、被験者M1が、高次脳機能障害の1つである遂行機能障害の症状を有しており、治療を行ってほぼ回復したとみられる人である場合を考える。遂行機能障害とは、仕事を達成するための効率化ができない、計画が立てられない、優先順位がつけられない、計画的に仕事を実行できないという症状であり、この症状が強く現れると、運転中に周辺状況が変化したときに動的な計画変更を円滑に行うことができない。以下、遂行機能障害に着目した評価例1,2を紹介する。
評価例1は、評価項目が「走行中に道路の車線変更を行う技能」である。この評価は、道路のカーブの先に障害物が現れ、右側に車線変更が必要になる運転コースを設定し、被験者M1がこの運転コースを試験走行することによって行う。合格の基準は、例えば、後方確認、ウインカ操作、ハンドル操作を順番に行うことと、これらの作業を一定時間内に行うことである。
分析評価装置22は、試験走行の開始と共に「走行中に道路の車線変更を行う技能」の評価用プログラムを実行して、検出データを収集し記録する。分析及び評価は、試験走行中に逐次行ってもよいし、試験走行の終了後にまとめて行ってもよい。後方確認の有無やタイミングについては、側方動作検出装置21の中の頭部センサ48の検出データを用いて判定する。ウインカ操作の有無やタイミングについては、ウインカレバー操作検出装置18の中のウインカセンサ40の検出データを用いて判定する。ハンドル操作の適否については、ハンドルセンサ30の検出データを用いて判定する。さらに、車両位置検出装置14のGPSモジュール26aと加速度センサ26bのうちの少なくとも一方の検出データを用いて、車線が正確に変更されたか否かを判定する。
分析評価装置22は、例えば図3に示す評価結果を表示する。図3のタイムチャートの場合、後方確認、1回目のウインカレバー操作、ハンドル操作が順番に行われていること、これらの作業の開始から終了までが一定時間内(例えば15秒以下)で行われ、車両位置検出装置14により車線が正確に変更されていることを確認して、合格と判定さする。これに対して、遂行機能障害の症状が残っている場合、上記の作業を適正に行えず不合格となる可能性がある。
なお、2回目のウインカ操作は、ウインカレバー38がハンドルの動き連動して自動復帰したものなので、評価の際は考慮する必要はない。また、「走行中に道路の車線変更を行う技能」の評価を簡易的に行う場合、ウインカレバー操作検出装置18の設置を省略し、その他の検出データのみを分析して判定する方法で評価しても良い。
評価例2は、評価項目が「走行中に減速する技能」である。この減速時の評価は、例えば直線道路の先にカーブが現れ、減速しながら右側にハンドルを切って通過する運転コースを設定し、被験者M1がこの運転コースを試験走行することによって行う。評価は、車両24の速度変化の検出データが基準データ(模範的なデータ)から一定以上ずれているか否かを分析し、ずれが小さければ合格とする。
分析評価装置22は、試験走行の開始と共に「走行中にカーブを通過するため減速する技能」の評価用プログラムを実行して、検出データを収集し記録する。車両24の位置と速度は、車両位置検出装置14であるGPSモジュール26aの検出データを使用する。なお、速度は車速計から取っても良い。また、車両24の減速が被験者M1のブレーキ操作によるものであることを確認するため、アクセル・ブレーキ操作検出装置20である足センサ42の検出データもチェックする。検出データと基準データのずれの大小は、所定の統計手法を用いて判定する。
分析評価装置22は、例えば図4に示す評価結果を表示する。図4のタイムチャートに示すように、基準データは、カーブの直前から減速し始め、カーブのほぼ中間点を目標にして車速をほぼ一定の変化で低下させる(加速度をほぼ一定にする)という運転動作を表わしている。カーブのほぼ中間点を目標にするのは、その後加速してスムーズにカーブを出ようという意識が働くからである。被験者M1が一般的な健常者であるAさんの場合、基準データとのずれが小さいので合格と判定される。一方、遂行機能障害の症状が強いと、減速の目標点を適切に定めることができず、車速の変化が不安定になる傾向がある。例えば、遂行機能障害のあるBさんの場合、カーブの入口付近を目標にして急激に減速してしまい、基準データとのずれが所定の図示しない基準より大きくなって、不合格と判定される。この減速時の評価は、上記例の他、例えば一時停止や交差点、幅員減少や歩行者その他の存在等による種々の減速操作の評価にも適用可能である。
次に、評価例3として、運転技能評価システム10を使用して行う運転技能評価方法により、遂行機能障害以外の高次脳機能障害を有する場合の例を説明する。この評価例3のケースでは、健常者にとって安全と判定できても、高次脳機能障がい者にとっては安全とは言えない動作を正確に検知して評価するものである。
評価例3は、評価項目が「左右安全確認行動の有無」である。この評価では、胸に取り付けた上体センサ52を用いて、上体の傾きを測定することにより、左右安全確認行動が確実に行われたか否かを識別する。通常、車輌24のボンネット部分が一定の長さを有する車両使用時に、見通しの悪い交差点で安全確認を行う場合、停止線で一旦停止した車両においては、運転者の位置が交差点よりも相当手前になるため、左右から交差点に接近する車両が見えにくい。従って、健常者であれば、上体を前のめりにして左右確認する行動が自然発生的に生じる。しかし、高次脳機能障害を持つ人は、単に頭を左右に向けるだけ、この左右安全確認の動作が抜けやすくなる。
分析評価装置22は、上記動作の欠落が高次脳機能障がい者の運転に顕著であることを利用して、試験走行の開始と共に「左右安全確認行動の有無」の評価用プログラムを実行して、頭部センサ48により、見通しの悪い交差点等での左右安全確認行動を検知し、さらに、上体センサ52により、運転者の上体の前方への傾きの有無検知し、高次脳機能障がい者の運転を評価する。
この評価例3では、頭部センサ48により、頭の左右への動きが検出されていても、状態を前方へ倒す動作が上体センサ52で検出されていない場合、単に頭を左右に振っただけで、安全確認をしていないことがわかり、不合格と判定される。
以上説明したように、運転技能評価システム10及びこれを用いた運転技能評価方法によれば、走行中の車両24の動き、運転中の被験者M1のハンドル操作、側方・後方確認動作、アクセル及びブレーキ操作、及びウインカレバー操作を検出し、これらの検出データを適宜組み合わせて比較分析することにより、高次脳機能障害の症状(特に、遂行機能障害の症状)が運転に及ぼす影響(運転技能の低下)について、的確に評価することができる。
なお、本発明の運転技能評価システム及び運転技能評価方法は、上記実施形態に限定されるものではない。上記の車両位置検出装置14、ハンドル操作検出装置16、ウインカレバー操作検出装置18、アクセル・ブレーキ操作検出装置20及び側方確認動作検出装置21は、それぞれセンサや撮影用カメラという複数の検出手段を備えているが、上記のように、どの検出データを用いて評価するかは、被験者が患った障害の種類や運転技能の評価項目に応じて決定される。例えば、単純にハンドル28の回転移動を検出するのであれば、ハンドルセンサ30の出力を分析するだけで足りるが、高次脳機能障がい者に特有の挙動であって、ハンドルセンサ30では検出できない微妙な挙動(動作のスムーズさ等)を検出する必要があれば、カメラ32,34,36の画像データを分析する。また、上記の評価例1,2の場合、各センサは加速度・角速度センサが好適であるが、必要に応じて、その他の種類のセンサを使用してもよい。
10 運転技能評価システム
12 自動車
14 車両位置検出装置
16 ハンドル操作検出装置
18 ウインカレバー操作検出装置
20 アクセル・ブレーキ操作検出装置
21 側方確認動作検出装置
22 分析評価装置
24 車輌
28 ハンドル
30 ハンドルセンサ
38 ウインカレバー
40 ウインカセンサ
42 足センサ
48 頭部センサ
52 上体センサ
M1 被験者

Claims (11)

  1. 高次脳機能障がい者の自動車運転の技能を評価するための運転技能評価システムであって、
    走行する車両の位置を検出する車両位置検出装置と、運転中の被験者が行う側方確認の動作を検出する側方確認動作検出装置と、運転中の被験者が行うアクセル・ブレーキ操作を検出するアクセル・ブレーキ操作検出装置と、前記各検出装置が出力する各検出データを取得し、当該検出データと、健常者が運転した時の典型的なデータと、高次脳機能障がい者が運転した時の典型的なデータとを比較分析して、高次脳機能障がいによる運転技能の低下を評価する分析評価装置とを備えることを特徴とする運転技能評価システム。
  2. 前記側方確認動作検出装置は、前記被験者の頭部の左右の振れを検出する頭部センサと、前記被験者の上体の傾きを示す上体センサを備え、
    前記分析評価装置は、前記側方確認動作検出装置が出力する前記被験者の頭部の左右の振れ及び前記被験者の上体の傾きを示す各検出データを取得し、当該検出データと、健常者が運転した時の典型的なデータと、高次脳機能障がい者が運転した時の典型的なデータとを比較分析して、高次脳機能障がいによる、運転中の左右安全確認行動を行う技能の低下を評価する請求項1記載の運転技能評価システム。
  3. 運転中の被験者が行うハンドル操作を検出するハンドル操作検出装置を備え、
    前記分析評価装置は、前記ハンドル操作検出装置、前記車両位置検出装置、及び前記側方確認動作検出装置が出力する各検出データを取得し、当該検出データと、健常者が運転した時の典型的なデータと、高次脳機能障がい者が運転した時の典型的なデータとを比較分析して、高次脳機能障がいによる、走行中に道路の車線変更を行う技能の低下を評価する請求項1記載の運転技能評価システム。
  4. 運転中の被験者が行うウインカレバー操作を検出するウインカレバー操作検出装置を備え、
    前記分析評価装置は、前記ハンドル操作検出装置、前記車両位置検出装置、前記側方確認動作検出装置、及び前記ウインカレバー操作検出装置が出力する各検出データを取得し、当該検出データと、健常者が運転した時の典型的なデータと、高次脳機能障がい者が運転した時の典型的なデータとを比較分析して、高次脳機能障がいによる、走行中に道路の車線変更を行う技能の低下を評価する請求項3記載の運転技能評価システム。
  5. 前記分析評価装置は、前記車両位置検出装置及び前記アクセル・ブレーキ操作検出装置が出力する各検出データを取得し、当該検出データと健常者が運転した時の典型的なデータと高次脳機能障がい者が運転した時の典型的なデータとを比較分析して、高次脳機能障がいによる、走行中に減速する技能の低下を評価する請求項1記載の運転技能評価システム。
  6. 前記車両位置検出装置は前記車両の加速度を検知可能に設けられ、前記各検出装置は、前記各検出装置の動きを検出する加速度センサを各々有し、
    前記加速度センサが出力する検出データから前記車両位置検出装置が検出した前記車両の加速度をキャンセルし、前記各検出装置の検出データとする請求項1乃至5のいずれか記載の運転技能評価システム。
  7. 高次脳機能障がい者の自動車運転の技能を評価する運転技能評価方法であって、
    走行する車両の位置を検出する車両位置検出装置と、運転中の被験者の動作を検出する動作検出装置と、前記動作検出装置が出力する検出データを取得し、当該検出データと、健常者が運転した時の典型的なデータと、高次脳機能障がい者が運転した時の典型的なデータとを比較分析して高次脳機能障がいによる運転技能の低下を評価する分析評価装置とを設け、
    前記車両位置検出装置により走行中の車両の位置と時間を検出し、前記動作検出装置により、運転中の被験者が行う側方確認の動作と、運転中の被験者が行うアクセル・ブレーキ操作とを検出し、これらの各検出データと健常者が運転した時の典型的なデータと高次脳機能障がい者が運転した時の典型的なデータとを、前記分析評価装置により比較分析することによって、高次脳機能障がいによる運転技能の低下を評価することを特徴とする運転技能評価方法。
  8. 前記動作検出装置により前記被験者の頭部の左右の振れ及び前記被験者の上体の傾きを検出し、各検出データと健常者が運転した時の典型的なデータと高次脳機能障がい者が運転した時の典型的なデータとを、前記分析評価装置により比較分析することによって、高次脳機能障がいによる、運転中の左右安全確認行動を行う技能の低下を評価する請求項7記載の運転技能評価方法。
  9. 前記動作検出装置により運転中の被験者が行うハンドル操作を検出し、各検出データと健常者が運転した時の典型的なデータと高次脳機能障がい者が運転した時の典型的なデータとを、前記分析評価装置により比較分析することによって、高次脳機能障がいによる、走行中に道路の車線変更を行う技能の低下を評価する請求項7記載の運転技能評価方法。
  10. 前記動作検出装置により運転中の被験者が行うウインカレバー操作を検出し、各検出データと健常者が運転した時の典型的なデータと高次脳機能障がい者が運転した時の典型的なデータとを、前記分析評価装置により比較分析することによって、高次脳機能障がいによる、走行中に道路の車線変更を行う技能の低下を評価する請求項7記載の運転技能評価方法。
  11. 前記車両位置検出装置により前記走行中の車両の位置と時間を検出し、前記動作検出装置により前記アクセル・ブレーキ操作を検出し、各検出データと健常者が運転した時の典型的なデータと高次脳機能障がい者が運転した時の典型的なデータとを、前記分析評価装置により比較分析することによって、高次脳機能障がいによる、走行中に減速する技能の低下を評価する請求項7記載の運転技能評価方法。
JP2014211625A 2013-10-17 2014-10-16 運転技能評価システム及び運転技能評価方法 Expired - Fee Related JP6502053B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014211625A JP6502053B2 (ja) 2013-10-17 2014-10-16 運転技能評価システム及び運転技能評価方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013216497 2013-10-17
JP2013216497 2013-10-17
JP2014211625A JP6502053B2 (ja) 2013-10-17 2014-10-16 運転技能評価システム及び運転技能評価方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015099589A JP2015099589A (ja) 2015-05-28
JP6502053B2 true JP6502053B2 (ja) 2019-04-17

Family

ID=53376120

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014211625A Expired - Fee Related JP6502053B2 (ja) 2013-10-17 2014-10-16 運転技能評価システム及び運転技能評価方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6502053B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021002384A (ja) * 2020-09-23 2021-01-07 株式会社オファサポート 運転技能評価システム、方法及びプログラム

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4444093B2 (ja) * 2004-12-22 2010-03-31 パナソニック株式会社 車載用画像表示装置
JP5246035B2 (ja) * 2009-05-25 2013-07-24 トヨタ自動車株式会社 運転診断装置および運転支援装置
JP2011118601A (ja) * 2009-12-02 2011-06-16 Advanced Telecommunication Research Institute International 交通ハザードマップ生成装置
JP5803274B2 (ja) * 2011-05-25 2015-11-04 富士通株式会社 運転技術判別装置および運転技術判別プログラム
JP5821659B2 (ja) * 2011-12-22 2015-11-24 トヨタ自動車株式会社 車両用操舵装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015099589A (ja) 2015-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11577744B2 (en) Vehicle system and vehicle
US8952799B2 (en) Method and system for warning a driver of a vehicle about potential obstacles behind the vehicle
CN105518761B (zh) 用于对机动车的错误行驶进行可信度检验的方法以及控制和检测装置
WO2014148025A1 (ja) 走行制御装置
CN107444406A (zh) 车辆辅助驾驶系统及方法
US9834221B2 (en) Driver attentiveness detection method and device
JP6651031B2 (ja) 車両ドア衝突防止装置および車両ドア衝突防止方法
EP3215400B1 (en) Method for operating a driver assistance system of a motor vehicle, driver assistance system and motor vehicle
CN101978404A (zh) 交叉口可见度确定设备、带有交叉口可见度确定设备的车辆,和用于确定交叉口可见度的方法
JP2013093013A (ja) 画像処理装置、車両
CN107399290A (zh) 安全驾驶辅助系统及其控制方法
US11238739B2 (en) Method and apparatus to prevent VRU accidents
KR20200040150A (ko) 차량 제어 장치, 차량 제어 방법 및 차량 제어 시스템
JP2017151694A (ja) 安全確認診断システム及び安全確認診断方法
US10343681B2 (en) Apparatus and method for controlling stop of vehicle
JP6502053B2 (ja) 運転技能評価システム及び運転技能評価方法
JP2019125101A (ja) 車両用制御装置、車両用制御方法及び車両用制御プログラム
CN107458337A (zh) 机动车保护装置的控制
JP6398182B2 (ja) 信号情報提示装置
KR20170069645A (ko) 보행자 추돌 방지 시스템 및 이의 실행 방법
JP2016095571A (ja) 車両の運転評価装置、並びに車両の運転評価方法
KR20160089933A (ko) 차량 충돌 방지 장치 및 차량 충돌 방지 방법
US20210271910A1 (en) Vehicle occupant monitoring apparatus
JP2008269399A (ja) 車両の車線逸脱警報装置
JP7344095B2 (ja) 管制装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20171005

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20171005

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171010

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20171005

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180731

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181030

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190320

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6502053

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees