本願発明に係る一実施形態を、図面を用いて説明する。なお、以下に示す実施形態は一例であり、これに限定するものではない。
<本発明で提供される印刷システムの概要>
まず、図12を用いて、本発明で提供される印刷システムの概要について説明する。
本発明で提供される印刷システムは、一般的な小売店や飲食店の事業主が手軽にプリントサービスの提供者となり、プリントビジネスが開始できるための管理システム(プラットフォーム)を提供する。事業主は、プリントサービスによりこれ自体から収益を上げると共に、本業である飲食店の集客ツールとしても当該サービスを有効活用できる。また、当該管理システムは、一般のユーザがスマートフォンなどの携帯端末を利用して、手軽に、現在地の近くに存在するプリントサービスを利用できるための仕組みも提供する。
図12(a)は、本発明で提供される印刷システムを中心としたビジネスモデルの例を示している。まず、プリントサービスのサービス提供者となる事業主は、購入した画像形成装置や自身の個人情報を管理システムに登録する。システム登録者となったサービス提供者は、管理システムに対して印刷コストに係る情報も登録しておく。
この際に、例えば管理システムの提供者が、本印刷システムに対応している画像形成装置本体や消耗品についても販売することで、小売店や飲食店の事業主は設備投資からサービス開始までが簡単かつ迅速に進むことになる。また、詳細については後述するが、小売店や飲食店の事業主は既存の画像形成装置に対して携帯端末などと通信が可能となるようなアダプタを用意することで、本管理システムに登録して、ビジネスを開始することも可能である。
一方、サービス利用者側では、自身の携帯端末に本印刷システム専用のアプリケーションをインストールする。本アプリケーションは、管理システムと連携することで、サービス利用者のユーザ情報や決済方法などの登録を行う。また、本アプリケーションは、管理システムからシステム登録済みのプリントサービスのロケーションや印刷コストなどの情報を取得し、サービス利用者に提示する。サービス利用者は当該アプリケーションを用いて、手軽に、例えば、現在地の近くに存在するプリントサービスを利用できる。
サービス利用者(ユーザ)がプリントサービスを利用してプリント物を取得するたびに、図12(a)で図示するプリント代金(α)が、事前登録された決済方法に従い、自動で課金処理されることになる。管理システムは、所定の決済システムを利用して上述の課金処理を実現する。クレジット会社などが提供するクレジット処理を行う既存の決済システムは、課金処理を行う際に所定の手数料を取る。また、管理システムは、サービス提供者とサービス利用者を結びつける種々の支援サービスを行うことに関する仲介料を取ることになる。従って、サービス提供者には、図12(a)で図示するプリント代金(α)から、決済システムの手数料と、管理システムの仲介料とを差し引いたプリント代金(β)が売り上げとして決済システムから振り込まれることになる。
次に、図12(b)を用いて、本発明を構成するための各種サービスについて、その概要を説明する。
印刷システムは、管理システム(のプラットフォーム)として、手軽にサービス提供者となるためのプリント管理サービスや、サービス利用者にプリントサービスを仲介するためのプリンタ選択支援サービスを提供する。また、管理システムは、所定の決済システムと連携するための課金管理サービスも提供する。また、管理システムは、サービス利用者やその携帯端末、サービス提供者やその画像形成装置を認証するための認証サービスなども提供する。
サービス利用者が持つ携帯端末にインストールされた本印刷システム専用のアプリケーションは、管理システムのプリンタ選択支援サービスを利用するためのプリント要求モジュールを備える。また、本印刷システム専用のアプリケーションは、印刷先を選択する際のコスト算出のための画像量計算モジュールを備える。
サービス提供者は、自身のPCやタブレットのウェブブラウザを用いて管理システムにアクセスし、画像形成装置の情報を登録、編集、もしくは管理することが可能である。また、画像形成装置においては、サービス利用者が持つ携帯端末からの要求に従って印刷処理を実行するためのプリント制御モジュールを備える。画像形成装置と携帯端末との通信に関しては、所望の近接通信、または無線通信が利用できる。
図12に図示するように、サービス提供者は、汎用的なアプリケーションや画像形成装置を用いてプリントサービスを手軽に開始し、提供できる。従って、小売店や飲食店といった既存の店舗に設置することでの新たなスペースを必要としない。例えば、各種イベント(結婚式、卒業式など)に際して、(自動車などによる)移動式のプリンタをイベント会場に設置し、イベント参加者に対して本願発明に係るプリントサービスを提供することもできる。イベント参加者であるサービス利用者は、イベント中やその帰りに、その会場で、携帯端末やデジタルカメラで撮影した画像を手軽に印刷できるようになる。そのため、利用者は手軽にすぐに印刷を行え、さらには後日プリント物を郵送したりする手間が省ける。
またサービス提供者は、自分のビジネスや私的な用途として所有(使用)しているプリンタを、本プリントサービスに併用することも可能である。具体的には、自分のビジネスや私的な用途の場合には、本印刷システムを介さず印刷を実行することで、通常のプリントが行える。一方、本サービスの利用者は、本印刷システムのアプリケーションから印刷を行うので、適切な決済がなされる。
以上が、本発明で提供される印刷システムに係る概要である。以降、印刷システムを構成するための仕組みなど、詳細に説明する。
<第一の実施形態>
[システム構成]
図1は、本実施形態に係る印刷システムの全体構成の例を示す図である。本実施形態において、印刷システム1は、管理サーバ101、課金サーバ102、携帯端末104、複数の画像形成装置105がネットワーク103を介して接続可能に構成されている。なお、図1においては、2台の画像形成装置が示されているが、より多くの画像形成装置が含まれているものとする。なお、本実施形態において、画像形成装置は、MFP(Multi Function Printer)を想定した例を説明するが、これに限定するものではなく、単機能のネットワークプリンタなどでもよい。また電子写真方式の画像形成装置でも、インクジェットプリンタでも、本願発明を適用可能であればどのような方式の画像形成装置でもよい。ネットワーク103は、例えばインターネットが該当する。また、印刷システム1に決済機能を持たせても良いが、本実施形態では既存の決済システム2を利用する。従って、本実施形態における印刷システム1は、ネットワーク103を介して決済システム2に接続されているものとする。
管理システムとして機能する管理サーバ101は、印刷システム1において、印刷ジョブの情報やユーザ情報など、本実施形態に係る印刷サービスの処理および情報を集中的に管理するサーバである。課金システムとして機能する課金サーバ102は、印刷システム1において、印刷ジョブの実行によって生じた料金の請求等を行うサーバである。なお、図1において、管理サーバ101および課金サーバ102はそれぞれ1つのコンピュータとして示されているが、物理的には複数台に分けて処理を分散して行うようにしてもよい。また、本実施形態では印刷システムの種々の処理機能を管理サーバ101、課金サーバ102、携帯端末104や画像形成装置105に分担して行わせているが、クラウドシステムに適宜集約しても良いし、クラウドシステムの中で適宜分散させても良い。
携帯端末104は、ネットワーク103を介して管理サーバ101や画像形成装置105と通信を行う。更に携帯端末104は、本実施形態において、周知技術であるNFC(Near Field Communication)等の無線通信技術を用いて、画像形成装置105と直接通信を行うことも可能である。
画像形成装置105は、ネットワーク103を介して管理サーバ101や携帯端末104と通信を行う。更に画像形成装置105は、本実施形態において、周知のNFC等の無線通信技術を用いて、携帯端末104と直接通信を行うことも可能である。また、画像形成装置105は、管理サーバ101から受信した印刷ジョブに基づいて、印刷処理を行い、印刷物を出力する。しかし、画像形成装置105の印刷処理そのものは、携帯端末104からのジョブ実行指示に基づいて行い、他システム上必要となる情報の通信には管理サーバ101を用いる形態をとってもかまわない。なお、画像形成装置105は本印刷システム専用に設置しても良い。更に、PC等の情報処理装置にローカル接続しておくことで、サービス提供者自身も出力端末としても利用できるようにしてもよい。
決済システム2については、他のシステムからの要求に応じて周知の課金処理が可能であるものとし、ここでは詳細な説明は省略する。決済システム2は、図12を用いて上述したように、例えば、クレジット会社などが提供する既存の決済システムを利用することが考えられる。
[ハードウェア構成]
図2は、本実施形態に係る各種装置のハードウェア構成の例を示す図である。
図2(a)は、管理サーバ101および課金サーバ102のハードウェア構成の例を示す。なお、管理サーバ101および課金サーバ102は、情報処理装置であり、ここでは汎用的な情報処理装置と同様の構成であるものとして説明を行う。CPU201は、情報処理装置の全体を制御する。CPU201は、ROM202やHDD204等に格納された各種プログラムを読み出して、実行することにより、例えば本願発明に係る処理を実現する。
ROM202は、不揮発性の記憶部であり、各種プログラムを格納している。RAM203は、揮発性の記憶部であり、例えばCPU201の処理におけるワークメモリとして用いられる。HDD204は、不揮発性の記憶部であり、各種プログラムを格納し、その処理結果などを保持している。NW I/F205は、ネットワーク103等を介して外部装置との通信を行う。表示部206は、ユーザインタフェースとして機能し、各種情報をユーザに対して表示する。UI207は、ユーザからの操作を受け付けるための、マウスやキーボード等のユーザインタフェースである。また、情報処理装置内の各構成要素はバス208により互いに通信可能に接続されている。
図2(b)は、携帯端末104のハードウェア構成の例を示す。なお、本実施形態において、携帯端末104は、スマートフォンを想定した例を述べるが、これに限定するものではなく、モバイルPCやタブレット端末、デジタルカメラなどユーザが持ち運び可能な機器を用いてもよい。CPU211は、携帯端末104の全体を制御する。CPU211は、ROM212やRAM213等に格納された各種プログラムを読み出して、実行することにより、例えば本願発明に係る処理を実現する。
ROM212は、不揮発性の記憶部であり、各種プログラムを格納している。RAM213は、揮発性の記憶部であり、例えばCPU211の処理におけるワークメモリとして用いられる。SD214は、フラッシュメモリ(例えば、SDカード)などの不揮発性の記憶部であり、各種プログラムを格納し、その処理結果などを保持している。GPS(Global Positioning System)215は、人工衛星を利用して自分の位置情報を割り出すためのシステムである。GPS215における機能は、周知の技術を用いるものとして、ここでの詳細な説明は省略する。表示部216は、ユーザインタフェースとして機能し、各種情報をユーザに対して表示する。また、表示部216は、タッチパネル等のインタフェースとしても機能し、ユーザからの操作も受け付ける。カメラ217は、撮像装置であり、ユーザの指示等に基づいて、撮影を行う。
近距離通信制御部218は、携帯端末104がネットワーク103等を介さずに各種外部機器と直接、近距離通信を行う際に用いられる。本実施形態では、携帯端末104と画像形成装置105とが近距離通信が可能である例を説明する。なお、近距離通信の規格は特に限定するものではなく、本願発明を適用できればいずれの規格・方式を用いても構わないが、無線による近距離無線通信が望ましい。WiFi制御部219は、無線LANの規格のひとつであるWi−Fi(Wireless Fidelity,登録商標)による通信を制御するための構成である。WiFi制御部219は、所定のWi−Fiスポット(公衆無線通信網)を利用することもできる。モバイル通信制御部220は、特定の通信業者によって提供される通信サービスを利用した通信を制御する構成である。モバイル通信制御部220は、上記通信サービスを介してネットワーク103など公衆回線網に接続する。また、携帯端末104内のCPU211は各構成要素と制御可能に接続されている。
図2(c)は、画像形成装置105のハードウェア構成の例を示す図である。CPU221は、画像形成装置105の全体を制御する。CPU221は、ROM222やRAM223等に格納された各種プログラムを読み出して、実行することにより、例えば本願発明に係る処理を実現する。
ROM222は、不揮発性の記憶部であり、各種プログラムを格納している。RAM223は、揮発性の記憶部であり、例えばCPU221の処理におけるワークメモリとして用いられる。HDD224は、不揮発性の記憶部であり、各種プログラムを格納し、その処理結果などを保持している。NW I/F225は、(主に有線接続で)ネットワーク103等を介して外部装置との通信を行う。表示部226は、ユーザインタフェースとして機能し、各種情報をユーザに対して表示する。また、表示部226は、タッチパネル等のインタフェースとしても機能し、ユーザからの操作も受け付ける。スキャナ部227は、読取装置であり、ユーザの指示等に基づいて、原稿等の読取を行う。プリンタ部228は、印刷装置であり、印刷ジョブに基づいて、画像の印刷を行い、印刷物の出力を行う。近距離通信制御部229は、画像形成装置105がネットワーク103等を介さずに各種外部機器と直接通信を行う際に用いられる。本実施形態では、画像形成装置105は、携帯端末104と直接、近距離通信が可能であるものとする。WiFi制御部230は、Wi−Fi(登録商標)による通信を制御するための構成である。また、画像形成装置105内のCPU221は、各構成要素と制御可能に接続されている。
なお、上記に示す各部は、本実施形態に係る処理を行うために要する部位を例示的に示したものであり、他の構成要素を含んでいてもよい。
[ソフトウェア構成]
図3は、本実施形態に係る各種装置のソフトウェア構成の例を示す図である。なお、以下に示す各情報は、物理的に1つの記憶部にて異なるテーブルとして保持されるようにしてもよいし、複数のテーブルに分散させて管理していてもよい。また、サーバ上のデータについては、外部装置にて管理してもよい。なお、各装置の各種DBに保持されている情報の詳細については、図5A〜図5Cを用いて後述する。
図3(A)は、管理サーバ101のソフトウェア構成の例を示す図である。管理サーバ101は、デバイス検索部301、デバイス情報DB(データベース)302、ジョブ管理部303、およびジョブ情報DB304を備える。更に、管理サーバ101は、認証部305、ユーザ情報DB306、課金管理部307、料金情報DB308、通知部309、料金算出部310、機種情報DB311、およびコスト情報DB312を備える。
デバイス検索部301は、携帯端末104からの印刷要求、位置情報、および画像形成装置105から取得した情報(デバイス情報)に基づいて、印刷処理が可能な画像形成装置を検索する。料金算出部310は、携帯端末104からの印刷要求情報、画像量(詳細は後述)情報、およびデバイス情報DB302の情報に基づいて課金サーバ102に送信する印刷料金(支払い料金)の算出を行う。ジョブ管理部303は、携帯端末104からの要求に応じて、印刷ジョブを生成、管理し、指定された画像形成装置に印刷ジョブを送信する。認証部305は、携帯端末104からの情報および登録されている情報に基づいて、印刷要求を行ったユーザの認証を行う。つまり、認証部305は、印刷要求を行ったユーザが登録ユーザか否かを認証する。課金管理部307は、携帯端末104から印刷要求に基づいて印刷処理の実行に伴って発生する料金の支払い可否の問い合わせや、支払いの要求を課金サーバ102に行う。通知部309は、印刷要求に基づく料金が正常に課金され、支払われた旨をユーザやサービス提供者など各種宛先に通知する。
図3(b)は、課金サーバ102のソフトウェア構成の例を示す図である。課金サーバ102は、支払情報DB313、ユーザ情報DB314、課金処理部315、および通知部316を備える。課金処理部315は、管理サーバ101からの要求に応じて、支払情報DB313、ユーザ情報DB314を参照し、印刷要求を行ったユーザに対する課金処理を統括的に行う。通知部316は、管理サーバ101との間で、処理結果やデータの送受信を行う。
図3(c)は、携帯端末104のソフトウェア構成の例を示す図である。携帯端末104は、OS321、アプリケーション322、および画像情報DB325を備える。OS321は、携帯端末104の内部の基本的な処理を統括的に実行する。OS321としては、Apple社のIOS(登録商標)やGoogle社のAndroid(登録商標)などが挙げられる。アプリケーション322は、OS321の制御の下、動作する。本実施形態において、アプリケーション322は、画像処理部323、及び画像量算出部324を備える。画像量算出部324は、ユーザから指定された画像を印刷する際に生じるコスト(料金)を計算するために、画像量を印刷データ(ファイル)に基づいて算出する。この画像量とは、画像形成装置で画像を印刷する際、用紙に形成される画素(ドット)の数の総量を指すが、印刷データがテキストの場合は印刷比率(印刷デューティ)を例えば5%として概算値を算出してもよく、算出の仕方は公知の技術が適用可能である。精密に計算することはコスト(料金)を正確に算出する上で望ましいが、印刷の際に使用されるトナーやインクの量(重量)の概算値であってもよい。印刷内容に拘わらず一律の課金にするよりも従量制のコストにすることによって、ユーザには適正課金、サービス提供者には適正費用となるため、両者にメリットがあるからである。画像処理部323は、カメラ217にて撮影された画像やその他、OS321にて管理されている画像をユーザの指示等に基づいて処理する。
本印刷サービスを利用するために、本印刷サービス用のアプリケーションプログラムの携帯端末104へのダウンロード、インストール、およびアプリケーションの利用条件への同意など、必要な初期設定を予め行う必要がある。初期設定された情報は、例えばネットワーク103を介して管理サーバ101や課金サーバ102へ通知され、ユーザ情報DB306、314に格納される。本実施形態では、アプリケーション322は、携帯端末104に自由にインストール/アンインストールが可能なアプリケーションとして実装されている例を示す。
また、本印刷サービスを提供するために、画像形成装置105の所有者(サービス提供者)は、画像形成装置105に接続されたPCあるいはその他の情報処理装置を用いて、必要な初期設定を予め行っておく必要がある。初期設定された情報は、例えばネットワーク103を介して管理サーバ101へ通知され、デバイス情報DB302、料金情報DB308に格納される。
なお、上記に示す各処理部は、本実施形態に係る処理を行うために要する部位を例示的に示したものであり、他の構成要素を含んでいてもよい。また、本実施形態では、印刷対象のデータを画像データとして説明するが、これに限定するものではなく、写真画像やテキストなどのファイルの他、プリンタなどの画像形成装置で出力可能なデータやファイルを含む意味である。
[処理シーケンス]
図4は、本実施形態に係る印刷サービスを利用する際の各種装置間における処理シーケンスの全体概要を示す図である。各処理は、例えば、処理主体が有するCPUが記憶部に格納されたプログラムを読み出して実行することで実現される。
S401において、携帯端末104は、印刷サービスを利用する旨の指示をユーザから受け付ける。
S402において、携帯端末104は、ユーザからユーザ情報、印刷処理に係る各種印刷設定情報(印刷対象の印刷データ(ファイル)、両面か片面、紙種など)と印刷を希望する場所の情報を受け付ける。そして、携帯端末104は、この受け付けた情報に基づいて、印刷処理により発生するコスト(印刷料金)の算出を行うために、画像量の算出を行う。この工程では、携帯端末104は、管理サーバ101と連携を行い、管理サーバ101側にて行われる、印刷設定に対応可能な画像形成装置の検索、および画像量に基づく色材料金の算出などして料金算出の結果も併せて取得する。印刷設定に対応可能な画像形成装置の検索は、印刷可能な用紙サイズや紙種だけでなく、用紙や色材(トナーやインク)の有無も併せて判断してもよい。ここでの処理の詳細については、後述する。
S403において、携帯端末104は、印刷をする画像形成装置の情報、印刷対象の印刷データ(ファイル)名などの特定情報、およびユーザ情報を含めた印刷指示を管理サーバ101へ送信する。
S404において、管理サーバ101は、携帯端末104から送信された印刷指示に含まれるユーザ情報に基づき認証処理を行う。ここでの認証処理は、受信したユーザ情報(例えば、ユーザ識別子)と、ユーザ情報DB306にて管理しているユーザ情報との比較により行われる。なお、認証処理はこの段階で行うことに限られず、例えば、S401とS402の間に行っても良い。
S405において、管理サーバ101は、認証が成功したユーザについて、課金サーバ102に、決済処理が可能か否かを問い合わせる。このとき、管理サーバ101は、ユーザ情報を併せて送信する。
S406において、課金サーバ102は、管理サーバ101から受信した情報に基づいて、決済処理が可能か否かを判定する。ここでの確認処理は、管理サーバ101から受信した情報とユーザ情報DB314に登録された情報との比較により行われる。例えば、課金サーバ102は、ユーザ情報DB314に問い合わせを受けたユーザのクレジット情報が登録されている場合には、支払い可能であると判定する。本実施形態では課金サーバ102は決済機能を有していないので、登録されているクレジット情報によって実際に決済可能か否かを判定する場合は、決済システム2に問い合わせることとなる。そして、決済システム2からの応答に応じて、決済可否を判定する。
S407において、課金サーバ102は、問い合わせを受けたユーザの決済処理の可否の確認結果を管理サーバ101へ通知する。
S408において、管理サーバ101は、S403にて携帯端末104から受信した印刷指示に含まれる印刷データ(ファイル)名などの特定情報及び印刷設定に基づいて、印刷ジョブを生成し、ジョブ情報DB304に登録する。
S409において、管理サーバ101は、印刷指示の中で指定されている画像形成装置105に対して、発行した印刷ジョブを送信する。このとき、画像形成装置105は、携帯端末104から印刷ジョブの実行指示を受け付けるまで、その印刷ジョブの実行を保留する。画像形成装置105に送信される印刷ジョブには印刷枚数の情報が含まれている。そのため、用紙や色材の残量がそれよりも少ないと判断される場合は、画像形成装置105の管理者(サービス提供者)が画像形成装置105に用紙や色材などの消耗品を予め補給しておくことが可能となる。
S410において、管理サーバ101は、印刷ジョブのジョブ情報を含む印刷ジョブ発行通知を携帯端末104に通知する。本実施形態においては、印刷物に対する印刷保証と受取保証を担保するために、ユーザが印刷物を確認し正常な印刷物が出力されたこと確認した後に、課金処理、決済処理が行われるものであり、キャンセル処理や返金処理の手間を軽減できる。しかしながら、印刷ジョブの発行後速やかに印刷物を印刷し、課金処理、決済処理を行うことも可能である。また、画像形成装置105の排紙トレイが本体に複数内蔵され、ユーザ認証によって個別に解放されるインナーバッファタイプであれば、印刷ジョブの発行後すぐに印刷物を印刷しても、印刷物の受取保証を担保することが出来る。
S411において、携帯端末104は、ユーザが指定した画像形成装置105の場所まで移動し、その画像形成装置105との近距離通信が開始可能となったことを検知するまで待機する。
S412において、携帯端末104は、画像形成装置105との近距離通信が可能となった場合に、近距離通信を開始する。そして、携帯端末104は、この通信を用いて、携帯端末104のユーザ情報、印刷データ及びS410で受信したジョブ情報を送信する。このとき、S409にて発行され画像形成装置105が保持している印刷ジョブの実行指示が行われる。
なお、携帯端末104と画像形成装置105により高速な無線LAN機能を持たせることで、無線LAN通信に必要な認証と通信パラメータの設定だけを近距離通信で行い、それ以外の通信は無線LANで行うハンドオーバーを使うことも可能である。印刷データの容量が大きい場合の通信時間を短縮できるとともに、近距離通信の距離的制限を緩和することができる。また、携帯端末104に保存されている印刷データ(ファイル)ではなく、クラウドやサーバに保存されている印刷データ(ファイル)を直接、印刷を行う画像形成装置に送るしくみを設けてもよい。
S413において、画像形成装置105は、携帯端末104から印刷ジョブの実行指示を受信したことに起因して、ユーザ情報とジョブ情報を基に管理サーバ101へジョブの問い合わせを行う。
S414において、管理サーバ101は、受信したジョブ情報とS408にて発行・登録済みのジョブ情報DB304のジョブ情報とを照合する。
S415において、管理サーバ101は、S414の確認結果を画像形成装置105へ送信する。この時、管理サーバ101は、確認の結果、ジョブ情報に問題がなければ所定の印刷ジョブを対象とする旨の応答を画像形成装置105へと送信する。
S416において、画像形成装置105は、S409にて管理サーバ101から受信された印刷ジョブを実行する。これにより、画像形成装置105から印刷物が出力される。なお、印刷ジョブの実行のトリガは携帯端末104と画像形成装置105の近距離通信でなくてもよい。例えば、携帯端末104に搭載されている入力手段を用いて画像形成装置105を特定する(例えば、QRコード(登録商標)をカメラで撮るなど)構成としてもよいし、画像形成装置105の入力手段を用いてユーザIDを入力する構成としてもよい。すなわち、サービス利用者と画像形成装置105のペアリングができる構成ならば特に限定はされない。
S417において、画像形成装置105は、印刷物が出力された旨の通知を携帯端末104に行う。携帯端末104への通知には、近距離通信制御部218、229間の近距離通信、あるいは無線LAN通信を用いて直接行うことが可能であるが、管理サーバ101を介して通知するようにしても構わない。
S418において、画像形成装置105は、印刷物が出力された旨の完了通知を管理サーバ101に行う。ここでの完了通知は、例えば、ネットワーク103を介して行われることとなる。
S419において、ユーザが画像形成装置105にて出力された印刷物の確認を行う。この間、携帯端末104は、印刷ジョブの実行指示を画像形成装置105に送信した後、印刷物が正常に出力されたか否かを入力するための画面を表示して待機している。
S420において、携帯端末104は、ユーザから印刷物が正常に出力されたか否かの結果の入力を受け付ける。この入力は、ユーザによる決済の承認あるいは不承認の指示と言い替えることもできる。
S421において、携帯端末104は、ユーザに入力された出力物の確認結果(確認通知)を管理サーバ101に送信する。このとき、実行された印刷ジョブを一意に識別し特定可能なジョブ識別子などが併せて送信される。
S422において、管理サーバ101は、印刷ジョブが正常に実行されたか否かの確認あるいは判定を行う。この処理は、S418にて画像形成装置105から受信した出力の完了通知、S421にて携帯端末104から受信した出力結果に対する情報(確認通知)の受信後に、それらの情報およびジョブ情報DB304にて管理しているジョブ情報に基づき行われる。
S423において、管理サーバ101は、正常に印刷ジョブの実行がなされていた場合、課金サーバ102に対し、この印刷ジョブの実行に伴う料金(S402で算出された料金)の決済を行うように指示する。ここでは、例えばジョブ識別子やユーザ情報が送信される。なお、印刷物に異常が発生した旨の通知を受け付けた場合、管理サーバ101は、再度印刷ジョブを発行するように制御してもよいし、異常が発生した印刷物を出力した画像形成装置105の管理者(サービス提供者)に通知するようにしてもよい。なお、管理者に通知する場合には、例えば、図5A(a)のデバイス情報500における管理者情報505を用いて通知することが可能である。本実施形態において、課金処理はユーザが印刷物を確認した後になされるため、異常が発生した印刷物に対する課金がなされることがなく、返金処理が不要となるという利点がある。
S424において、課金サーバ102は、決済システム2と連携し、管理サーバ101からの指示に基づき、正常に実行された印刷ジョブに対する決済処理を行う。本実施形態では、課金サーバ102が決済システム2に指示をし、課金情報をユーザのアカウントの借方に記入する。また、印刷システム1の運営者に所定のインフラ利用料(あるいは印刷の仲介料)を貸方に記入し、決済システム2自身に所定の手数料を貸方に記入し、その残りをサービス提供者のアカウントの貸方に売上として記入する。サービス提供者の売上には、後述するとおり、消耗材費用、減価償却費と料金(利益)が含まれることとなる。
S425において、課金サーバ102は、決済処理が完了した後、管理サーバ101にその旨を通知する。
S426において、管理サーバ101は、課金サーバ102からの通知に基づいて、携帯端末104に決済処理が正常に完了したことを通知する。
S427において、管理サーバ101は、予め登録された宛先に印刷処理および決済処理が完了したことを通知する。図4の例では画像形成装置105を宛先として通知している。
以上のように、本実施形態に係る印刷サービスにおけるシーケンスが行われる。なお、上記に示すフローの順番は、これに固定されたものではなく、必要な情報のやりとりが行われるように構成すれば良い。
[データ構成]
以下に、本実施形態に係る各装置にて管理されるデータ構成の例を説明する。なお、以下に示す構成は一例であって、他の情報を含んでいてもよいし、異なる構成であってもよい。
(管理サーバ)
図5Aは、管理サーバ101におけるデバイス情報DB302、ジョブ情報DB304、ユーザ情報DB306、料金情報DB308、機種情報DB311、およびコスト情報DB312にて管理されるデータの構成例を示している。
図5A(a)において、デバイス情報500は、デバイス識別子501、デバイス名502、機種名503、位置情報504、管理者情報505、機能情報506、機能ステータス507、およびコスト情報508を含む。デバイス情報500の各レコードはサービス提供者が本印刷システムに画像形成装置105を登録する際に作成される。デバイス識別子501は、本印刷システムにおいて、画像形成装置105を一意に識別するための識別情報である。デバイス名502は、画像形成装置105の所有者(サービス提供者)によって設定登録されるデバイスの名称である。機種名503は、画像形成装置105のメーカーなどによって割り当てられた型番あるいは機種情報である。本情報により、例えば、その画像形成装置105が備える機能を特定するようにしても良い。
位置情報504は、画像形成装置105の位置を示す情報である。位置情報504は、所有者によって登録される固定値(住所、あるいは座標)であっても良いし、定期的に位置情報を取得し、更新できるようにしてもよい。管理者情報505は、画像形成装置105の所有者(管理者)の情報を示す。機能情報506は、画像形成装置105が備える機能を示す。機能ステータス507は、画像形成装置105の現在の状態もしくは画像形成装置105が備える機能それぞれの状態を示す。画像形成装置105は、トナー切れや部品の消耗などにより、利用できる機能が制限される場合があり、これらの情報を画像形成装置105から定期的に取得することで情報を更新する。コスト情報508は、詳細は後述するコスト情報542がデフォルトとして設定されているが、サービス提供者が修正、変更してもよい。
図5A(b)において、ジョブ情報510は、ジョブ識別子511、ユーザ識別子512、デバイス識別子513、画像識別子514、ステータス515、発行日516、および完了日517を含み、印刷要求がなされるごとにレコードが作成される。ジョブ情報510の各レコードは、ジョブの印刷及び課金が完了した時点で削除しても良いし、所定期間(例えば、1ヶ月)保持した後に削除しても良い。ジョブ識別子511は、本印刷システムにおいて、印刷ジョブを一意に識別するための識別情報である。ユーザ識別子512は、本印刷ジョブに係る印刷指示を行ったユーザの識別情報である。デバイス識別子513は、本印刷ジョブを実行する画像形成装置としてユーザに指定された画像形成装置の識別情報である。画像識別子514は、ユーザが指定した印刷対象となるデータ(ファイル)を識別するための情報である。画像識別子514は、携帯端末上で管理されるデータのデータ(ファイル)名を代用してもよい。また、ユーザが同時に複数のデータを印刷対象として指定した場合には、図5A(b)のジョブ識別子(JI0001)のレコードで示すように、1つのジョブ識別子に対して複数の画像識別子が管理されることになる。また、図5A(b)に示す例において、ジョブ識別子「JI0001」、「JI0003」の2つのレコードで示す印刷対象のデータは、同じ携帯端末を利用する異なるユーザから要求されたジョブを示している。
ステータス515は、本印刷ジョブの現在の状態を示す情報である。例えば、ステータスとしては、「未実行」、「印刷処理中」、「実行済み(支払待ち)」、「支払完了」などが挙げられる。発行日516は、本印刷ジョブが管理サーバ101によって発行された日時を示す。完了日517は、本印刷ジョブに対する印刷処理および決済処理が完了した日時を示す。
図5A(c)において、ユーザ情報520は、ユーザ識別子521、ユーザ名522、パスワード523、携帯端末識別子524、携帯端末位置情報525、クレジット情報526、および通知先情報527を含む。ユーザ情報520の各レコードは、ユーザが本印刷システムを利用するために登録する際に作成される。ユーザ識別子521は、本印刷システムにおいて、印刷サービスのサービス利用者として登録されたユーザを一意に識別するための識別情報である。ジョブ情報510のユーザ識別子512に対応する。ユーザ名522は、ユーザ登録の際にユーザによって登録されるユーザの名称である。パスワード523は、ユーザ登録の際にユーザによって登録されるパスワードである。ユーザ名522やパスワード523は認証処理などに用いられる。
携帯端末識別子524は、ユーザが使用している携帯端末104を一意に識別するための識別情報である。携帯端末位置情報525は、現在の携帯端末の104の位置を示す情報であり、GPS215などの情報を用いることができる。クレジット情報526は、本印刷サービスを利用する際に発生する料金の支払いを行うために必要な支払情報である。クレジット情報とは、例えば、料金を引き落とす際に用いられるクレジットカードの情報や銀行の口座情報などが該当する。通知先情報527は、印刷サービスの処理結果や決済結果などを通知する通知先の情報である。
図5A(d)において、料金情報530は、デバイス識別子531、機能532、および料金533を含む。料金情報530の各レコードは、サービス提供者が本印刷システムに画像形成装置105を登録する際に作成される。デバイス識別子531は、デバイス情報500のデバイス識別子501に対応する。機能532は、画像形成装置105が備える機能を示す。料金533は、機能532にて示された各機能を携帯端末104のユーザが利用する際に、画像形成装置105の管理者(サービス)が利益として得るための情報である。携帯端末104のユーザは、この料金情報530に加えて用紙とインクあるいはトナーの消耗材の費用や画像形成装置105の減価償却費が課金されることになる。ここでは、画像形成装置105の管理者(サービス提供者)が、画像形成装置毎に、かつ各画像形成装置の機能毎に異なる料金が設定可能となっている。
図5A(e)において、機種情報540は、機種名541とコスト情報542を含み、画像形成装置の機種名毎にその機種が1枚印刷するのに要する消耗材(トナーやインク、用紙など)の費用や減価償却費を示す。詳細は後述するが、画像形成装置のメーカーがデフォルトで純正品の費用を登録しているものとする。
図5A(f)において、コスト情報550は、図5A(a)のコスト情報508に対応し、料金項目551、分類552、および単価/係数553を含む。料金項目551は、印刷データにおける料金を算出するための項目の大分類を示す。ここでは、トナー消費量、用紙種別、両面印刷の有無、償却費単価、メディア種類係数、メディアサイズ係数、モード係数、連続プリント枚数係数を例に挙げて示している。
ここで、償却費として画像形成装置全体に対する単価を示しているが、より詳細には償却費には、エンジン償却費や定着器償却費など、画像形成装置105を構成する部位に対応した償却費が含まれる。エンジン償却費とは、両面印刷か否かで変動する1枚あたりの画像形成装置本体(例えば、紙送り部)の償却費や、1ジョブあたりのプリント枚数による画像形成装置本体の償却費等を表す。また、定着器償却費とは、用紙種別で変動する1枚あたりの定着器の償却費や、1ジョブあたりのプリント枚数による定着器の償却費等を表す。
また、不図示ではあるが、本発明においては、ユーザの個別の要望によるプリント前のクリーニングや色味キャリブレーション等の制御を行う際にも、その費用も償却費として計上することも可能である。
モード係数とは、カラー印刷かモノクロ印刷かで使用するエンジン部分が異なるための償却の補正係数を表す。同様に、メディア種類係数やメディアサイズ係数についても、使用する用紙やそのサイズ等に応じた償却の補正係数を表す。
分類552は、料金項目551の更に詳細な分類を示している。例えば、トナー消費量についてはRGBの印字率に応じた設定、用紙種別については用紙のサイズごとに示している。単価/係数553は、各項目に対して発生する料金の基準単価もしくは印刷設定に応じた料金に対する係数の値を示している。
(課金サーバ)
図5Bは、課金サーバ102における支払情報DB313、およびユーザ情報DB314にて管理されるデータの構成例を示している。
図5B(a)において、支払情報560は、ユーザ識別子561、ジョブ識別子562、料金563、および支払ステータス564を含み、印刷要求がなされるごとにレコードが作成される。支払情報560の各レコードは、ジョブの印刷及び課金が完了した時点で削除しても良いし、所定期間(例えば、1ヶ月)保持した後に削除しても良い。ユーザ識別子561は、管理サーバ101にて管理されるユーザ情報520のユーザ識別子521に対応し、支払いを行うユーザを示す。ジョブ識別子562は、管理サーバ101にて管理されるジョブ情報510のジョブ識別子511に対応し、支払い対象の印刷ジョブを示す。料金563は、印刷ジョブの実行に伴う課金料金を示す。支払ステータス564は、支払いの状況を示す。支払ステータス564の値としては、「未完」、「済み」などが挙げられる。
図5B(b)において、ユーザ情報570は、ユーザ識別子571、ユーザ名572、パスワード573、およびクレジット情報574が含まれる。ユーザ情報570の各レコードは、ユーザが本印刷システムを利用するために登録する際に作成される。これらは、管理サーバ101にて管理されるユーザ情報520のユーザ識別子521、ユーザ名522、パスワード523、およびクレジット情報526にそれぞれ対応する。
(携帯端末)
図5Cは、携帯端末104における画像情報DB325にて管理されるデータの構成例を示している。
図5Cにおいて、画像情報580は、画像識別子581、データ名582、ファイル種別583、およびサイズ584を含む。画像情報580の各レコードは、ユーザが本印刷システムを利用するために画像を選択する際に作成される。画像識別子581は、画像データを一意に識別するための識別情報である。これは、管理サーバ101にて管理されるジョブ情報510の画像識別子514に対応する。データ名582は、画像データの名称を示す。なお、データ名582は、画像データが格納されたパスを示すようにしてもよい。ファイル種別583は、画像データのファイル形式(拡張子)を示す。サイズ584は、画像データのサイズを示す。
[登録処理]
次に、本印刷システムが提供する印刷サービスを利用する上で、サービス利用者およびサービス提供者のそれぞれによって予め要するデータの登録処理について説明する。
(サービス利用者)
本実施形態において、サービス利用者は、携帯端末104等を介して、予め自身の情報(ユーザ情報)の登録を行う。ここでは、管理サーバ101にユーザ情報520を登録し、課金サーバ102にユーザ情報570を登録する。この登録処理は、図4に示した印刷サービスの利用に先立って行われ、必要な情報が登録されている。いったん登録された後には、データの無矛盾性が失われない範囲で、図4の手順とは非同期に登録事項の保守および更新を行うことができる。
図6(a)は、管理サーバ101に対するユーザ情報の登録時の処理フローを示す。本処理フローは、携帯端末104が備えるCPU211がSD214等に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。なお、本処理に係るプログラムは、アプリケーション322として携帯端末104にインストールされているものとする。
S601において、携帯端末104は、ユーザ指示に基づいて、アプリケーション322を起動する。
S602において、携帯端末104は、アプリケーション322によって提供されるユーザ情報登録画面(不図示)を表示し、ユーザからユーザ情報を受け付ける。ここで受け付けるユーザ情報としては、図5A(c)のユーザ情報520のうち、ユーザ名、パスワード、クレジット情報、通知先情報などが該当する。
S603において、携帯端末104は、ユーザから受け付けたユーザ情報を、管理サーバ101に送信し、登録を指示する。このとき、管理サーバ101は、同じ情報を課金サーバ102にも送信し、ユーザ情報について同期を行う。そして、本処理フローを終了する。
(サービス提供者)
図6(b)は、デバイス情報の登録時の処理フローを示す。本処理フローは、画像形成装置105、あるいは、画像形成装置105と接続されている情報処理装置(PC)が備えるCPUが、記憶部等に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。ここでは、画像形成装置105に接続された情報処理装置(不図示)が備えるWEBブラウザ(不図示)を介して処理が行われるものとする。
S611において、情報処理装置は、サービス提供者の指示に基づいて、管理サーバ101にアクセスし、デバイス登録要求を行う。
S612において、情報処理装置は、デバイス登録要求に応じて管理サーバ101から提供されるデバイス登録画面(不図示)をWEBブラウザ(不図示)に表示する。
S613において、情報処理装置は、デバイス登録画面(不図示)を介してデバイス情報と料金情報をサービス提供者から受け付ける。ここで受け付けるデバイス情報としては、図5A(a)のデバイス情報500のうち、デバイス名、識別情報、位置情報、管理者情報などが該当する。なお、機種名は情報処理装置が画像形成装置105のIDを読み取ることで、自動的に取得しても良い。また、サービス提供者が画像形成装置105の消耗品として純正品を使用している場合は、コスト情報508はメーカーあるいは本印刷システムの提供者が事前に登録しているコスト情報542をデフォルトとして用いる。そうでない場合は、サービス提供者が登録画面(不図示)を介して修正入力することも可能である。
S614において、情報処理装置は、デバイス登録画面(不図示)にて入力されたデバイス情報および料金情報を、管理サーバ101に送信し、登録を指示する。そして、本処理フローを終了する。
[料金算出処理]
続いて、本実施形態に係る印刷サービスの利用に伴う料金算出の処理を説明する。ここで、印刷の料金の算出は、印刷にて消費する消耗材(トナーやインク、用紙)の費用、印刷にかかる画像形成装置の償却費と、サービス提供者の利益(印刷サービス料金)に基づいて行われる。例えば、以下のような要素が料金を算出するために用いられる。なお、ここで示す要素は一例であり、これに限定するものではない。
・印刷部数
・用紙種類
・用紙サイズ
・印刷設定(両面/片面等)
・デバイス情報
・画像データの種類
・画像サイズ
・1ジョブあたりの印刷ページ数
・サービス提供者側の利益率(印刷サービス料金の算出用)
本実施形態においては、上記の各要素を用いて、料金算出を、携帯端末104のアプリケーション322(画像量算出部324)と、管理サーバ101の料金算出部310(償却費を含めた詳細な料金算出)との二段階で行う。本実施形態では、この料金算出に用いられる情報は、管理サーバ101にて管理される図5A(a)のデバイス情報500のコスト情報508(デフォルトの場合は図5A(e)のコスト情報542と同じ値)である。
本実施形態においては、料金情報530は、サービス提供者が任意にその金額(利益額)を設定可能な項目とする。また、コスト情報550は、機種毎に各印刷設定や印刷対象の画像データの属性に対応した料金がデフォルトで割り当てられているものとする。なお、サービス提供者が任意に金額を設定する項目はここでは特に限定するものではない。
具体的には、コスト料金の算出式としては、例えば、電子写真方式の場合、
印刷コストC1=トナー料金+用紙料金+償却費
で求められる。
トナー料金の算出式としては、例えば、
トナー料金=(印刷枚数)×Σ{(色ごとのトナー使用量)×(色ごとのトナー単価)}
で求められる。色ごとのトナー使用量は例えば、印刷用紙のサイズや画像データの種別、画像データに基づく印字率などから求めることが可能である。本実施形態では、携帯端末104に印刷データが格納されているため、携帯端末104にてトナー使用量を求めている。この処理は、画像量算出部324にて実行される。トナー使用量の算出の方法は、ピクセルカウント等の従来の技術を用いることも可能であるし、新たなアルゴリズムを用意してもよい。従って、ここでの詳細な説明は省略する。また、印刷データのファイル種別から簡易的に求めても良いし、印刷データを色毎のビットマップに展開して色材毎にドット数をカウントしても良い。
また、償却費の算出式としては、例えば、
償却費=(償却費単価)×(印刷枚数)×(両面/片面印刷の係数)×(メディア種類係数)×(メディアサイズ係数)×(モード係数)×(1ジョブのページ数係数)
で求められる。例えば、両面印刷か片面印刷かに応じて用紙の搬送経路が変化する。一般的に両面印刷の場合、片面印刷の場合よりも画像形成中の連続する用紙と用紙の間隔が広がることが多い。用紙と用紙の間隔が広がると、その間も画像形成装置は稼働しているので償却が進むことになる。これを償却費に反映させるべく計算式を設定している。また、その他にも用紙のサイズによって定着器の使用領域が変化する、カラーかモノクロかで使用するエンジンの部位が異なる、連続プリント枚数が増えるほど1枚プリント当たりに按分される前後回転時間が減ってくる等、画像形成装置の償却は様々なパラメータが関わる。これらの理由により、本体の償却状況が変化するため、印刷設定等に応じて、償却費は変動することとなる。尚、上記計算は全体を包含する償却単価に各償却係数をかけているが、実際の機器構成や各ユニットの特徴により計算式は異なりこれに限定するものではない。
本実施形態では、携帯端末104側で画像量を算出したが、管理サーバ101側で算出しても良い。この場合、画像データを管理サーバ101に送る必要がある。そのため、携帯端末104もしくは管理サーバ101の処理負荷や、通信上の負荷を鑑み、いずれの側でどの部分の料金の算出を行うかを適宜設定できるようにしてもよい。また、携帯端末104以外の装置が印刷対象の画像データを保持している場合には、管理サーバ101は、その保持している装置から画像データを取得し、画像量を算出することとなる。用紙料金や償却費は印刷設定情報から求めることができる。このような料金算出の構成をとることにより、サービス提供者は、トナーの消費量や用紙料金などの印刷コストを適切に料金に上乗せできるため、確実に利益を確保することができる。
管理サーバ101側での料金の算出は、携帯端末104より受信した画像量データ及び印刷設定、画像形成装置105の情報と料金情報530、機種情報540(もしくはコスト情報508)を基に行われる。なお、インフラ利用料(あるいは印刷の仲介料)、決済システム2の手数料も含めることとする。
具体的な算出方法としては、例えば、
印刷コストC2=(トナー料金+用紙料金+償却費+料金+利用料)×(1+手数料(率))×(1+税率)
により求められる。
[印刷サービス利用時の処理]
本実施形態に係る印刷サービスを利用する際の処理およびユーザインタフェース(UI)について説明する。
なお、本実施形態において、サービス利用者(携帯端末104)やサービス提供者(画像形成装置105)は、その位置が状況に応じて変化できることを想定している。そのため、画像形成装置105は、管理サーバ101に自らの位置を定期的に提供し、携帯端末104はその位置情報を参照することができる。なお、以下に説明する地図の画像上に現在の位置情報を重畳表示する技術は、従来技術を利用するものとしてその詳細は省略する。
図7は、サービス利用者が携帯端末104を介して印刷サービスを利用する際の流れを示したものである。この処理の流れは、図4にて示した携帯端末104(サービス利用者)側の処理を切り出したものである。また、図8A〜図8Cは、印刷サービスの利用に伴って携帯端末104の表示部216上に表示されるUIの構成例を示している。
S701において、携帯端末104は、ユーザ指示に基づいて、アプリケーション322を起動し、印刷サービスを利用するためのUI画面800(図8A(a))を表示する。
S702において、携帯端末104は、ボタン801が押下されると、印刷可能な画像の選択画面810(図8A(b))を表示し、その中から印刷対象となる画像の選択をユーザから受け付ける。
S703において、携帯端末104は、印刷対象の画像の選択を受け付けた後、印刷設定画面820(図8A(c))を表示し、選択された各画像に対する印刷設定をユーザから受け付ける。
S704において、携帯端末104は、画像形成装置の候補(印刷対象となり得る画像形成装置)の検索を指示する。ここでの検索は、例えば、管理サーバ101に対し印刷設定に基づいて問い合わせを行い、デバイス検索部301を介してデバイス情報DB302の情報を用いる方法などが考えられる。
S705において、携帯端末104は、選択された画像の画像量を算出する。更に、携帯端末104は、算出した画像の画像量を用いて、管理サーバ101と連携し、印刷料金の算出を行う。ここでの処理の詳細については、図9を用いて後述する。
S706において、携帯端末104は、選択画面830(図8A(d))を表示し、画像形成装置105の選択方法の指定を受け付ける。選択画面830を介して地図上から画像形成装置105を選択する旨の指示を受け付けた場合(S706にてYES)、S707にて、携帯端末104は、選択画面840(図8B(a))を表示する。選択画面830を介して一覧から画像形成装置105を選択する旨の指示を受け付けた場合(S706にてNO)、S708にて、携帯端末104は、指定された指示に基づき選択画面850(図8B(b))もしくは選択画面860(図8B(c))を表示する。
S709において、携帯端末104は、S707もしくはS708にて表示した選択画面を介して画像形成装置105の選択を受け付ける。本実施形態によれば、候補となる場所にある画像形成装置と共に、その装置による印刷料金がユーザに容易に認識可能となるので、出力(利用)する画像形成装置の選択が容易となる。
S710において、携帯端末104は、S703にて受け付けた印刷設定およびS709にて選択された画像形成装置の情報に基づいて、詳細画面870(図8B(d))を表示する。
S711において、携帯端末104は、詳細画面870を介してユーザから印刷内容の確定が指示された場合、その印刷内容を印刷指示として管理サーバ101へ送信する。このとき、携帯端末104は、印刷指示の応答として管理サーバ101から印刷ジョブが発行された旨の通知を受信する。ここでの通知には、例えばジョブ識別子や画像識別子が含まれる。
S712において、携帯端末104は、指示画面880(図8C(a))を表示し、S709にて選択された画像形成装置105との近距離通信が可能となったことを検知するまで待機する。ここでの検知は、例えばユーザが選択された画像形成装置105の近くまで移動し、携帯端末104をかざすことで近距離通信制御部218、229との間で近距離通信が可能となることを検知できる。
近距離通信が可能となったことを検知した場合(S712にてYES)、携帯端末104は、S713において、画像形成装置105に、管理サーバ101から受信したジョブ識別子を含む実行指示および印刷ジョブにて用いられる画像データを送信する。1つのジョブ識別子に対して複数のデータ(ファイル)が関連付けられているような場合には、当該複数のデータ(ファイル)を連続して送信することになる。上述の通り、画像データの送信には近距離通信を用いることもできるし、画像データの送信は無線LANで行うハンドオーバーを使うことも可能である。
S714において、携帯端末104は、S713における各種情報の送信が完了した後、確認画面890(図8C(b))を表示し、画像形成装置105にて出力された印刷物が正常なものであったか否かの確認結果をユーザから受け付ける。ユーザが確認した上で出力物が正常であった旨の確認結果を受け付けた場合(S714にてYES)、S715にて、携帯端末104は、印刷物は正常である旨を管理サーバ101に通知する。出力物に印刷ミス等の異常が発生した旨の確認結果を受け付けた場合(S714にてNO)、S716にて、携帯端末104は、印刷物に異常が発生した旨を管理サーバ101に通知する。以上により本処理フローを終了する。
(ユーザインタフェース)
本実施形態に係る印刷サービスを利用する際に、図7の説明において示したタイミングで携帯端末104に表示されるUIの構成例について、図8A〜図8Cを用いて説明する。
図8A(a)は、印刷サービスを利用するために携帯端末104のアプリケーション322を起動した際に表示されるUI画面800である。UI画面800は、画像を選択するためのボタン801、画像をカメラ217で新たに撮影するためのボタン802、画像を外部装置からダウンロードするためのボタン803、および画像を編集するためのボタン804を備える。なお、ボタン802〜804による機能については、OS321に備わる機能を利用して実現するものとし、ここでの詳細な説明は省略する。ボタン801が押下された場合、図8A(b)に示す選択画面810へ遷移する。
図8A(b)は、印刷対象の画像を選択するための選択画面810である。ここで表示される画面は、携帯端末104の内部に保持された画像に加え、管理サーバ101等の外部装置にて保持された画像データを表示するようにしても構わない。図8A(b)に示す例では、画像811、812が選択されている。
図8A(c)は、画像を印刷する際の印刷設定を指定するための設定領域を有する印刷設定画面820である。領域821は、選択画面810にて選択された印刷対象の画像が表示される。領域822は、選択された画像の総枚数と、領域821に表示されている画像(現在印刷設定を行っている画像)が何枚目の画像かを示している。ボタン823は、印刷設定を行う画像の切り替えを行うためのボタンである。ボタン825、826は、カラー印刷/モノクロ印刷を指定するためのボタンである。ボタン827は、印刷設定を確定し、印刷を行う画像形成装置を選択するための選択画面830に遷移するためのボタンである。
図8A(d)は、印刷を行う画像形成装置を選択するための選択画面830である。領域831は、印刷対象の画像が表示される。ボタン832は、周囲の画像形成装置を検索し、地図上に検出された画像形成装置の情報を重畳して表示する選択画面840(図8B(a))に遷移するためのボタンである。ボタン833は、印刷設定等に基づいて、携帯端末104が画像形成装置を検索し、一覧表示する選択画面850(図8B(b))に遷移するためのボタンである。ボタン834は、ユーザが過去に利用した画像形成装置もしくは直接画像形成装置を指定するための選択画面860(図8B(c))に遷移するためのボタンである。なお、選択画面830は、これらのボタンの他にも画像形成装置を検索するための検索条件を指定するための検索領域を備えてもよい。
図8B(a)は、印刷設定等に基づいて検出された画像形成装置の位置及び関連する情報を地図上に重畳して、ユーザが選択可能に選択領域に表示する。領域841には、例えば携帯端末104の位置情報に基づいて、周囲の地図情報が表示される。アイコン842は、指定した印刷設定に対応可能な画像形成装置の位置を示す。ユーザは、アイコン842を押下することで、画像形成装置を選択することができる。アイコン843は、画像形成装置に関する情報が表示される。アイコン843には、印刷に要する料金情報が含まれる。また、選択画面840において、指定された印刷設定に対応した印刷が実施できない画像形成装置は、表示しないようにしても良いし、画像形成装置の表示はしてもその印刷設定では印刷できない旨を併せて表示するようにしてもよい。また、現在の携帯端末104の位置から画像形成装置までの距離や移動に要する所要時間、もしくは印刷に要する処理時間なども併せて表示するようにしてもよい。また、アイコン843を押下した際に更に詳細な情報を表示するようにしてもよい。また、アイコン843は、表示内容に応じて、表示を切り替えてもよく、例えば、最安値の箇所を点滅させたり、色を変えて表示するようにしてもよい。
図8B(b)は、指定した印刷設定に対応可能な画像形成装置の一覧を表示する選択画面850である。ボタン851は、画像形成装置を示しており、押下することにより、画像形成装置を選択できる。領域852は、画像形成装置の情報を示す。
図8B(c)は、ユーザが過去に利用した画像形成装置の一覧および画像形成装置を直接指定するための選択画面860である。ボタン861は過去に使用した画像形成装置を示しており、押下することにより、画像形成装置を選択できる。領域862は、画像形成装置の情報を示す。また、選択したい画像形成装置の情報が予めわかっている場合にその情報を領域864に入力し、ボタン863を押下することで任意の画像形成装置を指定することができる。また図8B(b)(c)の選択画面850、860において、画像形成装置を選択した場合に、その選択した画像形成装置の位置がわかるように、図8B(a)の画面に遷移するようにしてもよい。
図8B(d)は、画像形成装置が選択された後に、印刷内容の詳細を表示する詳細画面870である。設定内容871〜875は、ここまでに指定された印刷設定が表示される。ボタン876が押下された場合、印刷設定の内容が確定し、図8C(a)の指示画面880に遷移する。
図8C(a)は、携帯端末104と選択された画像形成装置105とが近距離通信するまで携帯端末104が待機しており、選択した画像形成装置に近接することを指示する指示画面880である。
図8C(b)は、印刷ジョブが実行された後、出力された印刷物が正常なものであるか否かの指示をユーザから受けつけるための確認画面890である。ボタン891は印刷物が正常である場合に押下されるボタンである。ボタン892は、印刷不良等の異常が発生した場合に押下されるボタンである。
(料金算出処理の処理フロー)
図7のS705における料金算出処理の詳細フローについて、図9を用いて説明する。本処理フローは、携帯端末104および管理サーバ101のCPUが記憶部に記憶された、本実施形態に係るプログラムを読み出して実行することにより実現される。
S901において、携帯端末104は、ユーザから受け付けた印刷設定を取得する。
S902において、携帯端末104は、印刷設定、および印刷対象の印刷データに基づいて、画像量を算出する。
S903において、携帯端末104は、S902にて算出した画像量の情報と、印刷設定とを管理サーバ101へ送信する。
S904において、管理サーバ101は、携帯端末104から画像量の情報と印刷設定とを受信する。
S905において、管理サーバ101は、取得した印刷設定に基づき、料金情報を料金情報DB308から取得する。このとき、管理サーバ101は、図7のS704にて携帯端末104により検索指示された印刷設定の印刷が可能な画像形成装置の候補に対する料金情報が取得される。
S906において、管理サーバ101は、取得した印刷設定、抽出された画像形成装置それぞれの料金情報、および取得した画像量の情報に基づき、検出された画像形成装置ごとの印刷料金を算出する。
S907において、管理サーバ101は、S907にて画像形成装置毎の算出した印刷料金を携帯端末104へ送信する。
S908において、携帯端末104は、管理サーバ101にて算出された印刷料金を受信する。携帯端末104はここで受信した印刷料金を図8B(a)(b)の選択画面に表示することとなる。以上により、本処理フローを終了する。
以上により、サービス提供者は容易に印刷サービスの導入、課金管理が容易になる。また、サービス利用者は、容易に印刷サービスを利用することができるようになり、その利便性が向上する。
なお、本実施形態において、課金サーバ102が決済処理を一括的に行っているが、更に、画像形成装置の所有者であるサービス提供者への料金の支払い処理を行うようにしてもよい。また、課金サーバ102と管理サーバ101との管理者が異なる場合には、課金サーバ102は更に、管理サーバ101への料金の支払い処理を行うようにしてもよい。
<第二の実施形態>
第一の実施形態では、画像形成装置と各種装置との通信は、画像形成装置の内部に設置された部位によって行われる構成であった。本実施形態では、上記構成を画像形成装置の内部ではなく外付けの構成として用いる例を説明する。なお、第一の実施形態と重複する箇所については、説明を省略する。
[システム構成]
図10は、本実施形態に係るシステム構成の例である。第一の実施形態との差異は、画像形成装置1001の構成である。画像形成装置1001は、汎用的な画像形成装置であり、それ単体では、本願発明に係る印刷サービスの画像形成装置としては機能できない。本実施形態では、この画像形成装置1001に、本願発明における印刷サービスを提供可能にするためのデバイス1002が接続される。
[ハードウェア構成]
図11は、本実施形態に係る画像形成装置1001およびデバイス1002のハードウェア構成の例を示す図である。CPU1101は、画像形成装置1001の全体を制御する。CPU1101は、ROM1102やRAM1103等に格納された各種プログラムを読み出して、実行することにより、画像形成に係る処理を実行する。
ROM1102は、不揮発性の記憶部であり、各種プログラムを格納している。RAM1103は、揮発性の記憶部であり、例えばCPU1101の処理におけるワークメモリとして用いられる。HDD1104は、不揮発性の記憶部であり、各種プログラムを格納し、その処理結果などを保持している。NW I/F1105は、(主に有線接続で)ネットワーク103等を介して外部装置との通信を行う。表示部1106は、ユーザインタフェースとして機能し、各種情報をユーザに対して表示する。また、表示部1106は、タッチパネル等のインタフェースとしても機能し、ユーザからの操作も受け付ける。スキャナ部1107は、読取装置であり、ユーザの指示等に基づいて、原稿等の読取を行う。プリンタ部1108は、印刷装置であり、印刷ジョブに基づいて、画像の印刷を行い、印刷物の出力を行う。I/F1109は、デバイス1002と接続され、デバイス1002との各種データの送受信を行う。ここでのI/F1109は、デバイス1002と接続できれば、有線/無線や、その接続方式は特に問わない。また、画像形成装置1001内の各構成要素は互いに通信可能に接続されている。
デバイス1002は、処理部1111、I/F1112、近距離通信制御部1113、およびWiFi制御部1114を備える。処理部1111は、第一の実施形態にて述べた画像形成装置の各処理を実行する。具体的には、図4のS410にて受信した印刷ジョブの管理、S413にてジョブ実行指示およびユーザ情報及びジョブ情報の受信、S418、S419における印刷ジョブの実行結果の通知などである。またその内部に、支払情報DB313およびユーザ情報DB314に相当するデータを保持する。なお、各種処理および各種情報については、画像形成装置1001内部のCPU1101やHDD1104と連携して実行、制御を行うようにしてもよい。近距離通信制御部1113は、第一の実施形態の近距離通信制御部218と同等の動作を行う。WiFi制御部1114は、Wi−Fi(登録商標)による通信を制御するための構成であり、第一の実施形態のWiFi制御部230と同等の動作を行う。また、デバイス1002内の各構成要素は互いに通信可能に接続されている。
本体はデバイス1002(アダプタ)が装着されたことを認識し、本体ファームウェア(FW)に予め盛り込んである本システムに関する機能をアクティブにすることで、本システムに必要な情報をやりとりする。本体FWに予め前記機能が盛り込まれていない場合には、本体のFWを書き換える機能を持つ。
各種処理については第一の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
以上、本実施形態により、第一の実施形態の効果に加え、すでに普及している画像形成装置を利用して、本願発明の印刷サービスを提供可能となる。
図13(a)は、本発明が適用される印刷システムにおいて、本発明の特徴的な一部の処理ステップの主体となる構成を示すための概念図である。図13中の“ステップ”で示す列には、12の特徴的な処理ステップが挙げられている。また、“携帯端末”及び“管理システム”で示す列には、各処理ステップの主体である場合に“○”が記載されている。
例えば、図13(a)では、印刷データ分析による画像量算出のステップは、携帯端末により実行されるステップであることを示している。なお、図13では、図1のシステム構成において、携帯端末以外の装置をまとめて「管理システム」と記載している。ここで、図13(a)は、前述の図4で示した処理シーケンスに対応している。
図13(b)は、図13(a)の変形例を示す。具体的には、携帯端末が、印刷対象となる印刷データ分析を行うことなく、管理システムに対して印刷データを転送した上で、本発明の印刷システムを利用する場合の例を示している。ほかにも、管理システム上で予め管理していたデータを、携帯端末が、印刷対象となる印刷データとして選択した場合の例でもある。図13(b)で示すように、このような場合には、処理ステップ2、3が、管理システムにより実行されていることがわかる。システム側が印刷データを送信する場合で、1つのジョブ識別子に対して複数のデータ(ファイル)が関連付けられている場合には、それらデータを1つのファイルにまとめて、印刷データとして送信することも可能である。ここで送信に用いるファイル形式としては、例えばPDFやJPEGなど、出力対象となるプリンタ側で対応可能な所望の形式を利用することが可能である。
<第三の実施形態>
上記第一、第二の実施形態では、画像形成装置をネットワークに接続して印刷ジョブの授受を行って(図4のS409)、ユーザを確認していた(S413〜S415)。しかし、ネットワークを介しなくても同様のサービスは可能である。この場合、図5A(a)のデバイス情報には、サービス提供者がデバイス固有の認証情報(パスワードなど)を設定しておく。また、画像形成装置にも同様の認証情報を設定しておく。第二の実施形態で説明したアダプタとしてのデバイス1002を接続する形態では、デバイス1002に認証情報を設定しておく。
図4のS408においてジョブ発行がなされる。一方、本実施形態では、S409ではなくS410にて、ジョブが画像形成装置の認証情報を含めて携帯端末104に通知される。本実施形態では、S409でジョブは送信しない構成とする。
S411において、携帯端末104と画像形成装置105との近距離通信が開始可能となった際に、S412において、携帯端末104は、画像形成装置105と近距離通信を開始する。そして、携帯端末104は、この通信を用いて、携帯端末104のユーザ情報、印刷データ、及びS410で受信したジョブ情報を送信する。ジョブ情報を受信した画像形成装置は、このジョブ情報に含まれる認証情報が自身の認証情報と一致した場合に、S416にてジョブを実行する。したがって、本実施形態では、S413〜S415の処理は行われない。また、以降の処理は図4と同様であるが、S418、S427は行われない。
本実施形態によれば、画像形成装置をネットワークに接続しておく必要がなく、サービス提供者の自由度が更に広がることになる。なお、管理サーバ101が画像形成装置のステータスを管理するためには、ネットワークに接続しておくことが望ましいが、その場合でもジョブの授受を行うことは必須ではない。また、第二の実施形態であるアダプタ方式を採用する場合、画像形成装置の本体FWを変更することなく実現が可能となる。また、印刷システム内に複数の画像形成装置が含まれる場合には、上記の各実施形態の構成が混在していてもよい。
なお、本印刷システムにおいては、本印刷システムの提供者(インフラ運営者)とサービス提供者、サービス利用者(ユーザ)との間に、下記の契約条件での合意が形成されていることが、取引関係の円滑化を図る上で望ましい。
上記の各実施形態においては、サービス利用者とサービス提供者との間では、プリント物の買い主と売り主の関係にあるプリント売買契約が成立し、サービス利用者はプリントを従量料金で発注し、サービス提供者の店舗でプリント物を受領するものとする。この売買契約は、印刷依頼(ジョブ)を指示する都度成立することになる。しかしながら、契約成立の手順については、規約にこれを明記しておき、本印刷システムのアプリケーションを携帯端末にインストールする際に、サービス利用者から規約への同意を求めておくことが望ましい。
サービス提供者とシステム提供者との間では、本システムのインフラ(システム)利用契約が成立し、サービス提供者はインフラの利用料として従量料金で支払い、システム提供者はシステムやサービス提供者の店舗の広告を行う。この利用契約は、サービス提供者がシステムに画像形成装置などの情報を登録する際に締結することができる。なお、両者間で画像形成装置やその消耗品の売買契約やメインテナンスサービス契約を締結しておくことは、なお望ましい。
<その他の実施形態>
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。