JP6501718B2 - 既設の鋼橋の予防保全方法 - Google Patents

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Description

本発明は、既設の鋼橋の予防保全方法に関するものである。
現在、新設する鋼橋については、現法規(社団法人日本道路協会:道路橋示方書)に則り、各部材が工場内に据え置かれた環境下で、各部材の溶接部へのピーニング処理が行われて疲労亀裂への予防が実施されている。例えば具体的なピーニング処理としては、超音波ピーニング又はハンマーピーニングが通常採用されている(例えば、特許文献1参照)。特に、前記のピーニング処理が採用される理由は、比較的作業内容が簡便であり、大規模に粉塵が飛散するような問題も生じないためである。これにより、新設する鋼橋の疲労亀裂について予防がなされ、鋼橋の長寿命化が図られている。
特開2011−106181号公報
しかしながら、現法規が施行される以前(平成14年3月以前)に建造された鋼橋については、当時の法規に沿って建造されているとしても、そもそも当時の法規に疲労亀裂に関する確認事項が盛り込まれておらず、疲労亀裂に対する予防策がなされないまま鋼橋として現在使用されている。したがって、このような旧法規下で建造された既設の鋼橋については、長年の使用により疲労亀裂が生じることを予想しなければならない。現状では、疲労亀裂が発生した箇所について、事後的に、超音波ピーニング又はハンマーピーニングで処理されている。
そこで本発明者は、社会的要請に応えるべく、旧法規下で建造された、疲労亀裂に対する予防策がとられていない既設の鋼橋の全体についても、疲労亀裂発生前にピーニング処理を施すことによって、新設の鋼橋と同等レベルの予防保全を確保したいとの着想に至った。
しかし、例えば特許文献1には疲労亀裂に対して有効な処理は提案されているものの、既設された鋼橋全体に対して具体的にどのような態様で施工していくかについては一切開示されていない。ここで、単純に既設の鋼橋全体に対して特許文献1に開示されている作業を適用しようとすれば、莫大な作業量と莫大な施工コストが予想される。したがって、当業者間において既設の鋼橋に対してピーニング処理を行おうとする着想については、未だ具体的な構成を提案するものがなく、そのため、上述のような法規改正以前に建造された鋼橋全体に対して、疲労亀裂に対する予防保全は未だ措置されていない。
また、参考として、ピーニング処理に含まれるショットピーニング処理は公知であるが、かかる処理は、微粒子が大量に飛散する特性上、工場以外の環境下では適用が難しく、ましてや大型の既設の鋼橋全体に対してはとても適用できないとの考えが当業者間に強く根付いている。
そこで本発明は、旧法規下において疲労亀裂に対して対策が施されていない既設の鋼橋に対して、作業効率を向上させ、かつ、低コストで現場にて予防保全することができ、もって長寿命化を図って重大事故を未然に防止することができる既設の鋼橋の予防保全方法を提供することを目的とする。
本発明は、既設の鋼橋の予防保全方法であって、既設の鋼橋に対して、塗装作業における1種ケレンの要件を満たす仮設養生設備を新たに構築する第1工程と、第1工程の後に、前記仮設養生設備内に作業者が配置され、該作業者によって既設の鋼橋の表面に対して、疲労強度を向上させるための無数の投射材を所定速度で打ち当てる第2工程と、を含むことを特徴とする既設の鋼橋の予防保全方法である。
かかる構成にあって、前記第2工程では無数の投射材が大量に飛散することになるが、当該第2工程は1種ケレンで使用する仮設養生設備のなかで実行されるため、鋼橋周辺の外部環境に影響を及ぼさない。さらに、仮設養生設備のなかで作業するため、打ち当てた投射材の回収作業も簡便となる。なお、投射材を打ち当てる表面は、鋼橋の溶接継手全体の溶接部、溶接止端部若しくは溶接熱影響部でもよいし、又は断面形状が変化する部位や腐食部等であってもよく、内部引っ張り応力が発生するおそれがある部分はすべて含まれる。したがって、かかる構成とすることにより、既設の鋼橋全体に対して疲労強度を向上させて、例えば疲労亀裂が発生する前に疲労亀裂に対する予防保全を行い、長寿命化を図ることが可能となる。また、超音波ピーニング又はハンマーピーニングに比べて、鋼橋の細部への処理も可能となる。特に腐食環境の厳しい沿岸部や寒冷地における既設の鋼橋については、残留水素や塩害に起因する応力腐食割れ現象を抑制することができる。
上記構成にあっては、前記第2工程の後に、該第2工程で使用した仮設養生設備を継続して使用して、該仮設養生設備内で前記鋼橋の表面に対して1種ケレンに基づき塗装作業を実行する第3工程を含むことが望ましい。
かかる構成とすることにより、第2工程で使用した仮設養生設備をそのまま継続して用いて第3工程で塗装作業を行うことができる。このため、個別の作業毎に足場等の設備を準備する必要がなくなり、施工作業全体として飛躍的にコストを低減することができると共に、防食性能の向上を図ることができ、かつ、工期全体も飛躍的に短縮することができる。
また、前記投射材の直径Dは、50μm≦D≦2mmであることが望ましい。
かかる構成とすることにより、既設の鋼橋の表面に対して効果的に圧縮残留応力を導入することができる。
また、前記仮設養生設備内において、前記第2工程で飛散した投射材を、飛散した塗膜と共に第3の工程の後で回収する第4工程を含むことが望ましい。
かかる構成とすることにより、第2工程直後に投射材を回収する必要がない。したがって、第2工程直後にそのまますぐ第3工程を実行することができ、全体として工期を大幅に短縮することができる。
また、前記第4工程の後に、回収した塗膜と回収した投射材とを分別する第5工程を含むことが望ましい。
かかる構成とすることにより、第4工程において投射材と剥離塗膜を含む異物とが混在した状態で同時に回収した場合にも、例えば回収した投射材を再利用することが可能となり、コストを低減できる利点がある。
本発明は、旧法規下において疲労亀裂に対して対策が施されていない既設の鋼橋に対して、作業効率を向上させ、かつ、低コストで現場にて予防保全することができ、もって長寿命化を図って重大事故を未然に防止することができる。
第一実施例にかかる鋼橋の予防保全の手順を示すフロー図である。 第一実施例にかかる循環式ブラスト装置を説明する概要説明図である。 第一実施例にかかる分別室を切断して示す説明図である。 第二実施例にかかる循環式ブラスト装置を説明する概要説明図である。
以下、本発明にかかる既設の鋼橋の予防保全方法を具体化した実施例を詳細に説明する。なお、本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜設計変更が可能である。例えば本実施例では、本発明の第2工程をいわゆるショットピーニング処理で構成している。
〔第一実施例〕
図1に示すように、既存の鋼橋の予防保全手順としては、まず予防保全の対象となる鋼橋に対して、塗装作業における1種ケレンの要件を満たす足場等や外部に粉塵が漏出しないようにする防塵シート等の仮設養生設備を仮設する。また、ブラスト処理を行うための装置を設置する事前準備を行う。このような工程(S101)により、本発明にかかる第1工程が構成される。
その後、前記鋼橋に塗布されている旧塗料の種類や厚さ、あるいは該鋼橋の状況等を調査(S102)する。そして、調査結果に基づき、使用予定のグリット及びショットの種類や噴射速度等を決定する。ここで、選定するグリット(非球形)及びショット(球形)は、共にJIS Z 0310:2004に規定されている。
そして前記S102において決定したグリットを用いて、まずブラスト処理を行う(S103)。具体的には、前記仮設養生設備内において、作業者は、前記鋼橋における剥離対象の塗膜等の剥離と素地調整対象の部分の素地調整を行う。なお、該ブラスト処理によって剥離した塗膜やサビ等、及び使用済みグリットが粉塵として発生するが、前記S101において防塵シートを張設しているため、外部に粉塵が漏出することはなく、該粉塵が作業現場に堆積していく。
続いて、グリットを噴射したブラスト装置に対して、グリットに代えて前記S102によって決定したショットを装填して該ショットを噴射可能に入れ替える。ここで、仮設した足場や防塵シートの仮設養生設備は撤去することなく継続して使用する。
そして、前記ブラスト処理によって形成された素地面からなるブラスト処理済部分(すなわち素地調整部分)に対して、前記ショットに入れ替えたブラスト装置を用いて無数のショット(投射材)を所定速度で打ち当てる(S104)。かかるショットピーニング処理により、素地面の疲労強度及び耐応力腐食割れ性が向上する。かかる工程により、本発明にかかる第2工程が構成される。なお、該ショットピーニング処理によって発生した使用済みショットは、そのまま作業現場に、S103における使用済みグリットと混在しつつ粉塵として堆積していく。ところで、該ショットピーニング処理は前記ブラスト処理を行った全ての素地面に対して行ってもよいし、溶接箇所周辺や強度に不安のある箇所等に対して適宜部分的に行ってもよい。
前記ショットは、球形の粒子で構成されており、その直径Dは、50μm≦D≦2mmであることが望ましい。直径Dが50μm未満であると、鋼橋に対して十分な圧縮残留応力を与えることができない。一方、直径Dが2mmを超えると、鋼橋表面の塑性変形量が過剰となって疲労や応力腐食割れ等に対する抵抗力の向上が不十分となる。
その後、前記ブラスト処理、及びショットピーニング処理を行った素地面の確認を行う(S105)。かかる確認は目視確認のみならず、例えばISO8501ブラスト写真帳による比較、あるいは表面粗さ測定器による粗さ確認等も含まれる。これによって未剥離の塗膜が残っていないか、あるいは素地面の粗さが規格内であるか、等の確認がなされ、不十分な箇所に対して的確な処理がなされることとなる。例えばブラスト処理を行うことのできない箇所は手工具等を用いて素地調整がなされる。
こうして素地面の確認が済んだ部分に対して最終塗膜を形成するための最終仕上げ塗装を行う(S106)。かかる工程により、本発明にかかる第3工程が構成される。なお、かかる塗装は、例えば防錆塗装として下塗り塗装、該防錆塗装を保護する中塗り塗装、及び最終仕上げ塗装となる上塗り塗装のように複数回にわたって層状に塗装されることが一般的である。
前記塗装が済むと、その確認(S107)が行われる。かかる確認は塗装が乾燥した後の膜厚確認だけでなく、例えば塗装作業中にウェットネスゲージを用いてウェット膜厚の確認等も含まれる。また、このような確認は前記最終仕上げ塗装となる上塗り塗装後のみならず、前記下塗り塗装、及び中塗り塗装時にも行われる。
前記確認によって塗装作業が完了すると、現場の片付けを行う(S108)。具体的には、足場や防塵シート等の回収、及びブラスト−ショットピーニング噴射装置の撤収を行って予防保全の完了となる。
また、上記手順と共に、粉塵の回収工程を実行する(S110)。具体的には、前記ブラスト処理(S103)で発生した使用済みグリット、前記ショットピーニング処理(S104)で発生した使用済みショット、及び、各工程で生じた剥離物やサビ等を含む粉塵を分別しつつ回収していく。
なお、回収した使用済みグリット、及び使用済みショットは共にJIS Z 0310:2004に規定する鉄製(金属系)研削材であるため、使用時に鋼橋と衝突してもアルマンダイトガーネットや製鉄スラグのように破砕することがなく、再利用可能である。中でも高炭素鋳鋼のものは600回程度再利用することができ、非常に経済的であると共に、剥離した塗膜やその他を含む異物と分別することで廃棄物の量を大幅に減少させることができる。
以下、グリットとショットとを共通の装置で噴射することが可能であり、しかも使用済みグリット、使用済みショット、及び剥離した塗膜等を回収してそれぞれ分別することができる循環式ブラスト装置1を一例として説明する。
図2に示すように、前記循環式ブラスト装置1は、作業対象となる鋼橋Kの作業現場αに隣接して設置される装置本体部2を備えている。さらに該装置本体部2は、圧送ホース4を具備し、該圧送ホース4の先端に噴射器3が接続されている。該噴射器3からはグリットgやショットsが噴射される。また、前記装置本体部2は、吸引ホース5を具備し、該吸引ホース5の先端が作業現場αに配置されている。これにより、該吸引ホース5を介して、作業現場αで発生した使用済みグリットg’、使用済みショットs’、及び剥離した塗膜やサビ等を含む異物Dからなる粉塵Xを吸引することができる。なお、粉塵Xが外部に漏出しないように、図示しない防塵シートが作業現場αには張設され、送風機や集塵装置等も適宜設置される。
また、図2に示すように、前記循環式ブラスト装置1の装置本体部2には、グリットホッパータンク10とショットホッパータンク20とが互いに隣接して配設されている。さらに詳述すると、該グリットホッパータンク10は、グリットg及び使用済みグリットg’(以下、これらの混合物をグリットGという)を貯留しておく機能を有している。また、前記ショットホッパータンク20は、ショットs及び使用済みショットs’(以下、これらの混合物をショットSという)を貯留しておく機能を有している。さらに、前記グリットホッパータンク10には、該グリットホッパータンク10内に貯留されたグリットGを作業現場αまで圧送するためのグリット加圧タンク11が接続されている。また、同様に、前記ショットホッパータンク20には、該ショットホッパータンク20内に貯留されたショットSを作業現場αまで圧送するためのショット加圧タンク21が接続されている。
さらに、前記グリット加圧タンク11及び前記ショット加圧タンク21には、乾燥圧縮空気配管31を介して乾燥圧縮空気供給手段30が接続されている。かかる乾燥圧縮空気供給手段30は、乾燥した圧縮空気を供給するためのエアコンプレッサーとエアドライヤーとで構成されている。また、前記乾燥圧縮空気配管31には切換弁32が備えられており、乾燥圧縮空気を前記グリット加圧タンク11又はショット加圧タンク21に選択的に送給可能とされ、グリットに代えてショットを噴射可能に装填自在としている。
また、前記グリット加圧タンク11及び前記ショット加圧タンク21には、前記圧送ホース4が接続されている。そして、かかる構成により、前記乾燥圧縮空気供給手段30から供給された乾燥圧縮空気による空気圧よってグリットG又はショットSが該圧送ホース4を介して噴射器3から噴射され、作業対象となる鋼橋Kにブラスト処理、あるいはショットピーニング処理が実行可能となっている。なお、これまでの機能を備えた循環式ブラスト装置1により、本発明にかかる噴射装置(ブラスト−ショットピーニング噴射装置)が構成されている。
前記作業現場αに堆積した使用済みグリットg’、使用済みショットs’、及び剥離した塗膜等の異物Dを含む粉塵Xは、前記吸引ホース5の一端からまとめて吸引される。そして、該吸引ホース5によって吸引された粉塵Xは、グリットホッパータンク10とショットホッパータンク20との上方に配された分別室40内に到達する。
また、前記分別室40には、ダストホース51が取り付けられており、該ダストホース51には、剥離塗膜回収部としてのダスト回収部50が接続されている。さらに、該ダスト回収部50には、粉塵吸引手段としての空気吸引装置60が接続されている。したがって、該空気吸引装置60の空気吸引力によって、前記粉塵Xが吸引可能となっている。
ここで、図3に示すように、前記分別室40は、横長で気密性が保たれた流路41を有しており、該流路41の上流側(図3中左側)に吸入口42が設けられている。また、下流側には当該流路41の流路方向に対して傾斜して配置された反射板43が取り付けられている。さらに、該反射板43の下側には排出部44が設けられている。加えて、排出部44を基準にして上流側に使用済みグリット回収部45が配設され、該使用済みグリット回収部45の上流側に使用済みショット回収部46が配設されている。該排出部44は前記ダストホース51に接続されていると共に、前記ダスト回収部50を介して前記空気吸引装置60に接続されており、該分別室40における空気流動は該吸入口42を上流として該排出部44を下流としている。
ここで、前記吸引ホース5から前記吸入口42を介して前記流路41に導入された前記粉塵Xは、それぞれ前記空気吸引装置60の空気吸引力によって所定速度を保って該流路41内を進む。そして、比重の軽い剥離した塗膜やサビ等の異物Dは、該流路41内の空気流動に沿ってそのまま前記排出部44へ排出される。排出された異物Dは、前記ダストホース51を介してダスト回収部50に導入されてダスト回収部50内で堆積され、所望のタイミングで廃棄物袋52に排出されて産業廃棄物として処理される。
また、前記使用済みグリットg’及び使用済みショットs’は鉄製(金属系)研削材であるため比重が重く、所定速度を与えられた状態では該流路41内を空気流動に沿うのではなく慣性に従って直進し前記反射板43に衝突する。このとき、該使用済みショットs’は上記したように球形状であるため最も効率良く跳ね返る。これに対して該使用済みグリットg’は角張った形状をしているため、該使用済みショットs’に比べると跳ね返りは小さくなる。こうした跳ね返る距離の相違に基づき、該流路41下部の該反射板43近くで該排出部44よりも前記吸入口42に近い方に前記使用済みグリット回収部45が設けられ、該流路41下部の該使用済みグリット回収部45よりもさらに該反射板43から遠い(該吸入口42に近い)方に前記使用済みショット回収部46が設けられている。かかる構成により、振動篩等の機械的操作を用いずに前記空気吸引装置60の空気吸引力のみによって前記粉塵Xを使用済みグリットg’、使用済みショットs’、及び剥離した塗膜を含む異物Dをそれぞれ分別することが可能となる。こうして分別された使用済みグリットg’は前記分別室40下側にある前記グリットホッパータンク10に戻され、再利用される。また同様にして、使用済みショットs’も該分別室40下側にある前記ショットホッパータンク20に戻されて再利用される。こうしてグリットG及びショットSを循環して使用し続けることができる。
上記した構成以外にも、本発明は、適宜設計変更可能である。例えば、前記切換弁32は作業現場αにおける作業者Hが切り換え操作できるように作業現場α内に設けられていてもよいし、あるいは遠隔操作可能にしてもよい。また、噴射器3と吸引ホース5は別体でもよいし、一体型(バキュームブラストタイプ)でもよい。また、乾燥圧縮空気供給手段30をグリット加圧タンク11とショット加圧タンク21とにそれぞれ個別に設けるようにしてもよい。また、圧送ホース4はグリット用とショット用とに分けて設けてもよい。また、噴射器3も、同様にグリット用とショット用とに分けても構わない。また、分別室40は、グリットホッパータンク10及びショットホッパータンク20の直上に配置する必要はなく、位置は特に限定されない。また、流路41内にあって、気密空間を実現する手法は特に限定されない。例えば、グリットホッパータンク10とショットホッパータンク20内に連通しつつ各ホッパータンク10,20を気密状態としてもよいし、グリットG又はショットSを一時貯留するための専用タンクを配置し、所望のタイミングで各ホッパータンク10,20にグリットG及びショットSを供給するようにしてもよい。また、循環式ブラスト装置1内でのグリット量あるいはショット量が規定値よりも少なくなった場合には新品を供給することができるようにしておくことが望ましい。また、装置本体部2は例えば車両上に載置して移動可能としてもよい。また、分別手段としては他の構造であってもよく、遠心分離装置を利用して分別してもよい。また、本発明にかかる予防保全方法にあって、仮設養生設備を共用するのであれば、ショットを投射する装置としてショットのみを投射する専用装置と、グリットを投射する装置としてグリットのみを投射する専用装置とを各々使用しても構わない。
〔第二実施例〕
一方、上記と別の実施例の循環式ブラスト装置81について以下説明する。該循環式ブラスト装置81は、ステンレス鋼製のグリットとステンレス鋼製のショットとを使用するものであり、橋梁等に対して噴射されたときに塩分が付着する環境で使用される。なお、この別例の実施例は、ステンレス鋼のグリットgとショットsとを使用し、洗浄装置85,86および乾燥装置87,88とを配設した以外は上述の実施例と同様であることから、同じ構成要素には同じ符号を記し、その説明を省略している。
図4に示すように、循環式ブラスト装置81の装置本体部82には、塩分洗浄装置85,86と乾燥装置87,88とがそれぞれ上下に配列されて設けられている。具体的には、グリットホッパータンク10の直下にグリット用の塩分洗浄装置85と乾燥装置87が配設され、ショットホッパータンク20の直下にショット用の塩分洗浄装置86と乾燥装置88が配設されている。なお、塩分洗浄装置85,86により、塩分洗浄手段が構成される。また、乾燥装置87,88により、乾燥手段が構成される。
塩分洗浄装置85,86は、真水による水洗を行うものであり、それぞれ使用済みグリットg’と使用済みショットs’とを所定タンク内に所定量貯留して、真水を噴出してタンク内で洗浄し、表面に付着した塩分を除去する。その後、貯留した使用済みグリットg’と使用済みショットs’とを、それぞれ乾燥装置87,88に流下させて移送する。乾燥装置87,88は、熱風乾燥するものであり、塩分洗浄装置85,86から流下した使用済みグリットg’と使用済みショットs’とを貯留して、熱風に所定時間さらすことにより乾燥させる。これにより、前記塩分洗浄装置55,56で付着した水分を飛ばす。その後、貯留した使用済みグリットg’と使用済みショットs’とを、それぞれグリット加圧タンク11とショット加圧タンク21に流下させて移送する。
こうした別例の循環式ブラスト装置81を使用する場合には、塩分洗浄装置85,86により水洗することから、グリットgとショットsとには、耐食性に優れたステンレス鋼を用いる。これらステンレス鋼のグリットgとショットsとにあっても、その形状は、上述した実施例の金属製研削材と同様であり、材料以外はJIS Z 0310:2004に準じたものが好適である。
上述した別例の循環式ブラスト装置81は、凍結防止や錆防止等のために塩分を含む塗料が用いられる寒冷地での利用に好適である。すなわち、寒冷地で、鋼橋に対して循環式ブラスト装置81を使用した場合に、ブラスト処理で発生した使用済みグリットg’には、前記塗料に含まれる塩分が付着し、さらに、ショットピーニング処理で発生した使用済みショットs’にも、該塩分の付着が懸念される。これら使用済みグリットg’と使用済みショットs’とは、異物Dと共に吸引されて、分別室40で分別される。そして、使用済みグリットg’は、洗浄装置85により、表面に付着した塩分が除去され、次に乾燥装置87により、該洗浄装置85で付着した水分が飛ばされる。その後、再度使用可能となる。同様に、使用済みショットs’は、洗浄装置85により塩分が除去され、次に乾燥装置87により水分が飛ばされる。その後、再度使用可能となる。このように別例の循環式ブラスト装置81によれば、使用済みグリットg’および使用済みショットs’に付着した塩分を除去して、再度使用可能とすることから、寒冷地で好適に利用できる。
なお、この別例の実施例にあって、塩分洗浄装置や乾燥装置は、上述した構成に限定されず、適宜変更可能である。例えば、塩分洗浄処理と乾燥処理とを一台で実行できる装置を適用することも可能である。この装置では、塩分洗浄処理を行う部位と乾燥処理を行う部位との間に移送用のベルトコンベアを備えた構成が好適である。この構成では、ベルトコンベアにより移送していく過程で、塩分洗浄処理と乾燥処理とを順次行うことができる。また、上記の別例にあっても、塩分洗浄装置から乾燥装置までの移送手段としてベルトコンベアを用いる構成とすることも可能である。さらにまた、上記別例にあって、塩分洗浄装置と乾燥装置とを、分別室の使用済みグリット回収部にかかる経路にのみ配設することも可能である。この場合には、塩分の付着が多い使用済みグリットのみを洗浄乾燥して、塩分を除去できる。
なお、本発明における投射材としては、JIS Z 03120:2004「素地調整用ブラスト処理方法通則」において定義されたショットが好適であるが、他の構成であってもよい。具体的には、ショットとは「使用前の状態で、りょう角(稜角)、破砕面又は他の鋭い表面欠陥がなく、長径が短径の2倍以内の球形状の粒子。」である。また、JIS B 2711:2013「ばねのショットピーニング」において、ショットピーニングとは「ばねの表面層に球形に近い硬質粒子を高速度で打ち当てることによって、疲労強度及び耐応力腐食割れ性の向上を図る冷間加工法。表面に圧縮残留応力を与え、その表面を加工硬化させる。」ことである。
S ショット(投射材)
K 鋼橋

Claims (5)

  1. 既設の鋼橋の予防保全方法であって、
    既設の鋼橋に対して、塗装作業における1種ケレンの要件を満たす仮設養生設備を新たに構築する第1工程と、
    第1工程の後に、前記仮設養生設備内に作業者が配置され、該作業者によって既設の鋼橋の表面に対して、疲労強度を向上させるための無数の投射材を所定速度で打ち当てる第2工程と、
    を含む
    ことを特徴とする既設の鋼橋の予防保全方法。
  2. 前記第2工程の後に、該第2工程で使用した仮設養生設備を継続して使用して、該仮設養生設備内で前記鋼橋の表面に対して1種ケレンに基づき塗装作業を実行する第3工程
    を含む
    請求項1に記載の既設の鋼橋の予防保全方法。
  3. 前記投射材は球形であってその直径Dは、50μm≦D≦2mmである
    請求項1又は請求項2に記載の既設の鋼橋の予防保全方法。
  4. 前記仮設養生設備内において、前記第2工程で飛散した投射材を、飛散した塗膜と共に第3工程の後で回収する第4工程を含む請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の既設の鋼橋の予防保全方法。
  5. 前記第4工程の後に、回収した塗膜と回収した投射材とを分別する第5工程を含む請求項4に記載の既設の鋼橋の予防保全方法。
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