JP6501462B2 - 光電変換装置及び光電変換装置の駆動方法 - Google Patents

光電変換装置及び光電変換装置の駆動方法 Download PDF

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Description

本発明は、光電変換装置とその駆動方法に関する。
特許文献1に記載のMIS(Metal Insulator Semiconductor)型の光電変換部は、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極および第2の電極の間に配された光電変換層を有する。特許文献1には、光電変換層から蓄積した信号電荷を排出するために、第1の電極と第2の電極との電位の大小関係を、信号電荷の蓄積時とは逆にした後、再び信号電荷の蓄積時と同じとすることが記載されている。
特開平8−116044号公報
特許文献1に記載の技術では、信号電荷の蓄積時と排出時とで、第1の電極と第2の電極との電位の大小関係を逆とするため、第1の電極あるいは第2の電極の一方に、信号電荷の蓄積時に供給する電位とは異なる電位を信号電荷の排出時に供給する。複数の画素で一斉に、第1の電極あるいは第2の電極の一方に供給している電位を変化させると、この電位の変化に伴って、第1の電極と第2の電極のうち電位を変化させた方の電極に接続された供給線に大電流が流れ、供給線の電位が変動する。この供給線の電位の変動により信号電荷の排出量が画素によって異なる場合があった。
本発明は上記課題に鑑み、電極間の電圧を変化させた際に生じる、供給線の電圧降下の影響を抑制することを目的とする。
本発明の一の態様は、光電変換部と画素出力部とを各々が有し、行列状に配された複数の画素を有する光電変換装置において、前記光電変換部は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極および前記第2の電極の間に配された、信号電荷を蓄積する光電変換層と、前記光電変換層および前記第2の電極の間に配された絶縁層と、を含み、前記画素出力部は、前記光電変換部が蓄積した前記信号電荷に基づく光信号が前記第2の電極から出力される入力ノードを備え、前記複数の画素の一部の画素の前記第1の電極と前記第2の電極との電位の大小関係が、前記第1の電極の方が前記第2の電極よりも小さい第1の関係から前記第1の関係とは逆の関係である第2の関係に変化するタイミングと、前記複数の画素の他の一部の画素の前記第1の電極と前記第2の電極との電位の大小関係が、前記第2の関係から前記第1の関係に変化するタイミングとを重ねる駆動部をさらに有し、前記一部の画素には、間に少なくとも1つの他の行を挟む複数の行の画素が含まれ、かつ、前記他の一部の画素には、前記少なくとも1つの他の行を含む複数の行の画素が含まれることを特徴とする光電変換装置である。
また、別の態様は、光電変換部と画素出力部とを各々が有し、行列状に配された複数の画素を有し、前記光電変換部は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極および前記第2の電極の間に配された、信号電荷を蓄積する光電変換層と、前記光電変換層および前記第2の電極の間に配された絶縁層と、を含む光電変換装置の駆動方法であって、前記画素出力部の入力ノードに、前記光電変換部が蓄積した前記信号電荷に基づく光信号を前記第2の電極から出力する第1ステップと、前記複数の画素の一部の画素の前記第1の電極と前記第2の電極との電位の大小関係を、前記第1の電極の方が前記第2の電極よりも小さい第1の関係から前記第1の関係とは逆の関係である第2の関係に変化させる第2ステップと、前記複数の画素の他の一部の画素の前記第1の電極と前記第2の電極との電位の大小関係を、前記第2の関係から前記第1の関係に変化させる第3ステップとを有し、前記一部の画素には、間に少なくとも1つの他の行を挟む複数の行の画素が含まれ、かつ、前記他の一部の画素には、前記少なくとも1つの他の行を含む複数の行の画素が含まれ、前記第2ステップを行う期間と前記第3ステップを行う期間とを重ねることを特徴とする光電変換装置の駆動方法である。
本発明によれば、画素から出力される信号のSN比を向上させることができる。
光電変換装置の構成の一例を示した図 画素の構成の一例を示した図と、画素処理部の構成の一例を示した図 光電変換装置の動作の一例を示した図 画素の構成の他の一例を示した図 光電変換部の動作の一例を示した図 光電変換装置の動作の他の一例を示した図 光電変換装置の動作の他の一例を示した図 光電変換装置の動作の他の一例を示した図 画素処理部の構成の他の一例を示した図 光電変換装置の動作の他の一例を示した図 光電変換システムの構成の一例を示した図
以下、実施形態を説明する。各図面において、同様な機能を有する要素には同一の符号を付し、重複した説明を省略することもある。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の光電変換装置の構成を示す図である。
光電変換装置1は、画素10を複数有する画素行2が複数配された構成を有する。画素10は、行列状に配列されているとも言える。さらに光電変換装置1は、垂直走査回路3、駆動信号供給部4、複数の画素行2の各々に各々が対応して設けられた複数のスイッチ部5、タイミングジェネレータ(以下、TGと表記する)6、信号処理部7、複数列の画素10の各列に各々が対応して設けられた複数の垂直信号線17を有する。
駆動信号供給部4は、複数のスイッチ部5の各々に対し、制御信号を出力する。図1では、複数のスイッチ部5の各々は、複数の画素行2の各々に対応して設けられている。また、図1では、信号処理部7を1つのブロックとして示しているが、信号処理部7は、画素10の列に対応して各々が設けられた複数の列信号処理回路を含む。
図1に示した、1行目の画素行V1、4行目の画素行V4、7行目の画素行V7は第1のグループに属する。2行目、5行目、8行目の画素行は第2のグループに属する。3行目、6行目、9行目の画素行は第3のグループに属する。同じグループに属する画素行同士では、駆動信号供給部4から供給される信号が共通となっている。
図2(a)は、図1に示した複数の画素10のうちの、1つの画素10を示した図である。画素10は、フォトダイオードPD、転送トランジスタ13、リセットトランジスタ14、第1画素出力部16、画素電流源18、画素処理部20を有する。第1画素出力部16は、第1増幅トランジスタ16a、第1選択トランジスタ16bを有する。
図2(a)は、図1に示した複数の画素10のうちの、1つの画素10を示した図である。画素10は、フォトダイオードPD、転送トランジスタ13、リセットトランジスタ14、第1増幅トランジスタ16a、第1選択トランジスタ16b、画素電流源18、画素処理部20を有する。第1画素出力部16は、第1増幅トランジスタ16a、第1選択トランジスタ16bを有する。
転送トランジスタ13の制御ノードには、図1に示したスイッチ部5から信号φTが入力される。リセットトランジスタ14の制御ノードには、図1に示したスイッチ部5から信号φResが入力される。リセットトランジスタ14の一方の主ノーには、電圧Vd1が入力される。第1選択トランジスタ16bの制御ノードには、図1に示したスイッチ部5から信号φSelが入力される。
第1増幅トランジスタ16aの一方の主ノードには電圧Vd2が入力される。第1増幅トランジスタ16aと画素電流源18とでソースフォロワ回路が構成される。転送トランジスタ13、リセットトランジスタ14、第1選択トランジスタ16bのそれぞれは、制御ノードに入力される信号の信号レベルに応じて、導通、非導通を制御するスイッチである。
図2(b)は、図2(a)に示した画素処理部20の構成を示した図である。画素処理部20は、トランジスタ21、トランジスタ22、トランジスタ23、トランジスタ24、第2画素出力部25、容量素子CN、容量素子CSを有する。第2画素出力部25は、第2増幅トランジスタ25a、第2選択トランジスタ25bを有する。第2増幅トランジスタ25aの一方の主ノードには、電圧Vd2が入力される。第2増幅トランジスタ25aと、垂直信号線17に電流を供給する電流源30とでソースフォロワ回路が構成される。ノードAは、第1選択トランジスタ16bと、トランジスタ21との間の電気的経路のノードである。
トランジスタ21の制御ノードには、スイッチ部5から信号φTNSが入力される。トランジスタ22の制御ノードには、スイッチ部5から信号φTNが入力される。トランジスタ23の制御ノードには、スイッチ部5から信号φTSが入力される。トランジスタ24の制御ノードには、スイッチ部5から信号φTCが入力される。トランジスタ24の一方の主ノードには電圧Vrf1が入力される。第2選択トランジスタ25bの一方の主ノードには、スイッチ部5から信号φSel2が入力される。
図3は、図1に示した光電変換装置の動作を示したタイミング図である。
図3に示した信号φRES1、信号φT1は、第1のグループに属する画素10に対して供給される、図2(a)に示した信号φRES、信号φTである。図3に示した信号φTN1、信号φTS1は、第1のグループに属する画素10に対して供給される、図2(b)に示した信号φTN、信号φTSである。
図3に示した信号φRES2、信号φT2は、第2のグループに属する画素10に対して供給される、図2(a)に示した信号φRES、信号φTである。図3に示した信号φTN2、信号φTS2は、第2のグループに属する画素10に対して供給される、図2(b)に示した信号φTN、信号φTSである。
信号φSel、φTNSは、図1に示した画素10の全行に対して、共通に供給される信号である。
信号φSel2、φTC、φTN、φTSは、画素10の行ごとに供給される信号である。図3では、n行目の画素10に供給されるそれぞれの信号を、−nを末尾に付して示している。本実施形態では、n=1として説明する。
図3に示した動作では、駆動信号供給部4は信号φRes1、φRes2、φRes3のそれぞれの信号レベルを、画素10が属するグループごとに順次、LoからHiとする。また、駆動信号供給部4は、信号φT1、φT2、φT3のそれぞれの信号レベルもまた、画素10が属するグループごとに順次、LoからHiとする。このように、駆動信号供給部4は、信号φT1、φT2、φT3の信号レベルをグループごとに順次LoからHiとする。従って、画素10の各行を順次走査するローリングシャッタに比して、図3に示した動作は、画素10の行ごとの露光タイミングのずれを小さくしている。従って、図3に示した動作を、疑似的なグローバルシャッタと見なすことができる。
期間TAは、期間TResと期間TTSとを有する。期間TResにおいて、駆動信号供給部4は、信号φRes1、φRes2、φRes3の信号レベルを順次LoからHiにする。これにより、第1のグループ、第2のグループ、第3のグループの各々の画素10のノードFDの電位が電圧Vd1に基づく電位にリセットされる。また、駆動信号供給部4は、信号φTN1、信号φTN2、信号φTN3の信号レベルを順次LoからHiにする。これにより、ノードFDのリセットが解除された後に第1増幅トランジスタ16aが出力する信号を、図1に示した全行の画素10の各々の容量素子CNが保持する。この第1増幅トランジスタ16aが出力した信号、および、容量素子CNが保持した信号をそれぞれノイズ信号と表記する。
期間TResでは、図3に示したように、駆動信号供給部4が信号φRes1の信号レベルをHiとしている期間の一部と、駆動信号供給部4が信号φTN1の信号レベルをHiとしている期間の一部とを重ねている。つまり、本実施形態の光電変換装置は、ノードFDがリセットされている期間に、画素処理部20がノイズ信号のサンプリングを行っている。これにより、ノードFDのリセットが終了した後に、画素処理部20がノイズ信号のサンプリングを開始する構成に比して、ノイズ信号に含まれるノードFDの暗電流成分を低減することができる。
期間TNに、駆動信号供給部4は信号φTN1、φTN2、φTN3の信号レベルをグループごとに順次Hiとする。これにより、3つのグループの画素10は、グループごとに順次、ノイズ信号が容量素子CNに出力される。
尚、本実施形態では信号φRes1の信号レベルがHiからLoに遷移するタイミングと、信号φRes2の信号レベルがLoからHiに遷移するタイミングは、同じタイミングの時刻t2である。また、信号φRes2の信号レベルがHiからLoに遷移するタイミングと、信号φRes3の信号レベルがHiからLoに遷移するタイミングは、同じタイミングの時刻t3である。
期間TTSに、駆動信号供給部4は、信号φT1、φT2、φT3の信号レベルを順次LoからHiにする。これにより、全行の画素10の各々のノードFDの電位はフォトダイオードPDから転送された電荷に基づく電位となる。また、駆動信号供給部4が、信号φTS1、φTS2、φTS3の信号レベルを順次LoからHiにする。これにより、フォトダイオードPDから転送された電荷に基づく電位となったノードFDの電位に基づいて、第1増幅トランジスタ16aが出力する信号を、図1に示した全行の画素10の各々の容量素子CSが保持する。この第1増幅トランジスタ16aが出力した信号、および、容量素子CSが保持した信号をそれぞれ光信号と表記する。
期間TTSでは、図3に示したように、駆動信号供給部4が信号φT1の信号レベルをHiとしている期間の一部と、駆動信号供給部4が信号φTS1の信号レベルをHiとしている期間の一部とが重なっている。つまり、本実施形態の光電変換装置は、フォトダイオードPDの電荷がノードFDに転送されている期間に、画素処理部20が光信号のサンプリングを行っている。これにより、ノードFDにフォトダイオードPDの電荷が転送された後に、画素処理部20が光信号のサンプリングを開始する構成に比して、光信号に含まれるノードFDの暗電流成分を低減することができる。
その後の期間TBにおいて、画素10の行ごとに、ノイズ信号と光信号とがそれぞれ垂直信号線17を介して、信号処理部7の各々の列信号処理回路に出力される。列信号処理回路は、光信号からノイズ信号を差し引いた信号を、光電変換装置の外部に出力する。これにより、本実施形態の光電変換装置は、光信号から、さらにSN比を向上させた信号を出力することができる。
期間TBのうちの、1行目(n=1)の画素10の動作に関わる期間TV1について説明する。
1行目の画素10のそれぞれの容量素子CNはノイズ信号を保持している。1行目の画素10のそれぞれの容量素子CSは光信号を保持している。
時刻t10から時刻t18の期間、垂直走査回路3が信号φSel2−nの信号レベルをHiとすることによって、1行目の画素10の各々のトランジスタ25bがオンする。これにより、1行目の画素10の各々の第2画素出力部25がそれぞれ、対応する垂直信号線17に信号を出力できる状態となる。
時刻t11からt12の期間、垂直走査回路3が、信号φTC―nの信号レベルをHiとすることにより、トランジスタ24がオンとなる。これにより、トランジスタ25aのゲートであるノードBの電位が、電圧Vrf1の電位にリセットされる。
時刻t13からt14の期間TRNに、垂直走査回路3が、信号φTN―nの信号レベルをHiとすることにより、トランジスタ22がオンとなる。これにより、ノイズ信号が第2画素出力部25と、垂直信号線17とを通して、列信号処理回路に出力される。その後、再び垂直走査回路3が信号φTC−nの信号レベルをHiとすることにより、ノードBの電位がリセットされる。その後、垂直走査回路3が信号φTS−nの信号レベルをHiとすることにより、トランジスタ23がオンする。これにより、光信号が第2画素出力部25と垂直信号線17とを通して、列信号処理回路に出力される。
期間TBにおいて、本実施形態の光電変換装置は、この期間TV1の動作を、画素10の行ごとに順次行う。これにより、各行の画素10は、列信号処理回路に、光信号とノイズ信号とを順次出力する。
本実施形態の光電変換装置は、上述したように、ノードFDがリセットされている期間に、画素処理部20がノイズ信号のサンプリングを行っている、これにより、ノイズ信号に含まれるノードFDの暗電流成分を低減することができる。この効果と、上述した光信号に含まれるノードFDの暗電流成分の低減の効果の他に、以下に述べる効果を、本実施形態の光電変換装置は有する。
本実施形態では、画素10を複数のグループに分け、駆動信号の信号レベルを変化させるタイミングを、グループごとに異ならせている。駆動信号の一つである信号φResを全行の画素10に対して共通して供給すると、全行の画素10のノードFDと電源Vd1が同時に電気的に接続される。これにより、全行の画素10のノードFDと電源Vd1との間で一斉に電流が流れる。この全行の画素10のノードFDと電源Vd1との間で一斉に流れる電流は、電源Vd1の電位に変動を生じさせる。この電源Vd1の電位の変動により、リセット後のノードFDの電位に一時的な変動が生じる。このノードFDの電位の一時的な変動は、容量素子CNが保持するノイズ信号の電位を変動させる。一方、ノイズ信号を第1増幅トランジスタ16aが出力する期間に比して、ノードFDの一時的な電位の変動が低減した状態で、第1増幅トランジスタ16aは光信号を出力する。従って、ノイズ信号に含まれるノイズ成分の信号レベルと、光信号に含まれるノイズ成分の信号レベルとが異なる。これにより、列信号処理回路が光信号とノイズ信号とを精度よく差し引くことができない。本実施形態の光電変換装置は、駆動信号の一つである信号φResの信号レベルをLoからHiにするタイミングを、グループごとに異ならせている。このため、全行の画素10のうちの一部の画素10ずつ、ノードFDの電位がリセットされる。よって、一部の画素10ずつ電源Vd1に電気的に接続されるため、電源Vd1の電位の変動を、全行の画素10が同時に電源Vd1に電気的に接続される場合に比して低減することができる。これにより、本実施形態の光電変換装置は、全行の画素10が同時に電源Vd1に電気的に接続される場合に比して、ノイズ信号の電位の変動を低減できる。よって、全行の画素10が同時に電源Vd1に電気的に接続される場合に比して、光信号とノイズ信号とに含まれるノイズ成分の信号レベルを揃えやすくすることができる。これにより、列信号処理回路は、光信号とノイズ信号とを精度よく差し引いた信号を出力することができる。
尚、本実施形態では、画素10を3つのグループに分けていた。本実施形態の光電変換装置はこの例に限定されるものではなく、画素10の数がX個であるとすると、2以上、X以下のグループ数であれば良い。
また、本実施形態の光電変換装置では光信号のノイズ信号との差を得るのは、信号処理部7が有する列信号処理回路であった。本実施形態はこの例に限定されるものではなく、光電変換装置がノイズ信号と光信号とをそれぞれ光電変換装置の外部に出力し、光電変換装置の外部で光信号とノイズ信号との差を得ても良い。また、信号処理部7が、複数の列信号処理回路から順次出力される信号を、光電変換装置の外部に出力する出力部を有する場合には、この出力部が光信号とノイズ信号との差を得るようにしても良い。また、列信号処理回路が、ノイズ信号を保持するクランプ容量を有するようにしても良い。この場合には、光信号が、ノイズ信号を保持したクランプ容量を介して、後段の回路に出力される。これにより、クランプ容量の後段の回路には、光信号とノイズ信号との差の信号が出力される。
尚、本実施形態の画素処理部20は、図2(b)の構成に限定されない。他の画素処理部20の構成について、説明する。
図9(a)、図9(b)の各々は、画素処理部20の構成を示す図である。図9(a)、図9(b)においては、図2(b)に示した部材と同じ機能を有する部材については、図2(b)で付した符号と同じ符号を、図9(a)、図9(b)のそれぞれにおいても付している。
図9(a)に示した画素処理部20を説明する。トランジスタ21Nとトランジスタ22Nとの間の電気的経路に、容量素子CNが電気的に接続されている。また、トランジスタ21Sとトランジスタ22Sとの間の電気的経路に、容量素子CSが電気的に接続されている。また、トランジスタ21Nとトランジスタ21Sとは互いに同じノードAに電気的に接続されている。また、トランジスタ22Nとトランジスタ22Sは、互いに同じノードBに電気的に接続されている。トランジスタ21N、22N、21S、22Sのゲートには、駆動信号供給部4から、それぞれ順に、信号φTNW、φTNR、φTSW、φTSRが供給される。
第1のグループに属する画素10の信号φTNWの波形は、図3で示した信号φTN1と同じ波形である。第2のグループに属する画素10の信号φTNWは、図3で示した信号φTN2と同じ波形である。第3のグループに属する画素10の信号φTNWは、図3で示した信号φTN3と同じ波形である。
第1のグループに属する画素10の信号φTSWの波形は、図3で示した信号φTS1と同じ波形である。第2のグループに属する画素10の信号φTSWは、図3で示した信号φTS2と同じ波形である。第3のグループに属する画素10の信号φTSWは、図3で示した信号φTS3と同じ波形である。
第1のグループに属する画素10の信号φTSWの波形は、図3で示した信号φTS1と同じ波形である。第2のグループに属する画素10の信号φTSWは、図3で示した信号φTS2と同じ波形である。第3のグループに属する画素10の信号φTSWは、図3で示した信号φTS3と同じ波形である。
n行目の画素10の信号φTNRの波形は、図3で示した信号φTN−nと同じ波形である。n+1行目の画素10の信号φTNRは、図3で示した信号φTN−n+1と同じ波形である。
n行目の画素10の信号φTSRの波形は、図3で示した信号φTS−nと同じ波形である。n+1行目の画素10の信号φTSRは、図3で示した信号φTS−n+1と同じ波形である。
このように、図9(a)の画素処理部20は、ノイズ信号と光信号をそれぞれ垂直信号線17に出力することができる。
次に、図9(b)の画素処理部20を説明する。図9(b)は、容量素子CLがノイズ信号をクランプする構成である。
画素処理部20は、第3画素出力部25−1、第4画素出力部25−2を有する。第3画素出力部25−1は、第3増幅トランジスタ250a、第3選択トランジスタ250bを有する。第3増幅トランジスタ250aの入力ノードは、容量素子CSと、トランジスタ21とが電気的に接続されている。第3増幅トランジスタ250bは、トランジスタ26に電気的に接続されている。トランジスタ26は、容量素子CLの一方のノードに電気的に接続されている。容量素子CLの他方のノードは、ノードBを介して、第4画素出力部25−2が有する第4増幅トランジスタ251aに電気的に接続されている。また、容量素子CLの他方のノードは、トランジスタ27に電気的に接続されている。トランジスタ27のゲートは、駆動信号供給部4から信号φClampが入力される。また、トランジスタ27には、電圧Vrf2が入力される。
第4画素出力部25−2は、第4選択トランジスタ251bを有する。
第3選択トランジスタ250bのゲートには、信号φSel3が垂直走査回路3から入力される。また、第4選択トランジスタ251bのゲートには、信号φSel4が垂直走査回路3から入力される。
図10は、図9(b)に示した画素処理部20を備える光電変換装置の動作を示したタイミング図である。複数のスイッチ部5の各々は、垂直走査回路3が出力する信号と、駆動信号供給部4が出力する信号とを受ける複数のAND回路を備える。信号φTNS2、φSel3、φSel4のそれぞれは、スイッチ部5が備える複数のAND回路のそれぞれが出力する信号である。垂直走査回路3は、信号φTNS1、φTNS2、φSel3、φSel4を各々が出力する複数のAND回路の各々に出力する信号の信号レベルを、期間TAの間、Hiとする。従って、信号φTNS1、φTNS2、φSel3、φSel4の信号レベルは、期間TAの間、駆動信号供給部4が出力する信号レベルに基づいて決定される。一方、期間TBにおいては、垂直走査回路3は、信号φTNS2、φSel3、φSel4を各々が出力する複数のAND回路の各々に出力する信号の信号レベルを、画素行2ごとに順次LoからHiとする。一方、駆動信号供給部4は、期間TBにおいては、信号φTNS1、φTNS2、φSel3、φSel4を各々が出力する複数のAND回路の各々に出力する信号の信号レベルをHiのままとする。従って、信号φTNS1、φTNS2、φSel3、φSel4の信号レベルは、期間TBの間、垂直走査回路3が出力する信号レベルに基づいて決定される。
信号φClampの信号レベルがHiからLoに遷移した時に、全行の画素10の各々の容量素子CLは、ノイズ信号をクランプする。その後の期間TBでは、n行目の画素10から順に、容量素子CLによって、光信号からノイズ信号を差し引いた信号に基づく信号を、第4画素出力部25−2が垂直信号線17に出力する。
このように、図9(a)、図9(b)に示した画素処理部20を備える光電変換装置においても、図2(b)に示した画素処理部20を備える光電変換装置と同じ効果を得ることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、光電変換部と画素出力部とを各々が有する複数の画素を有し、光電変換部が、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極および第2の電極の間に配された、信号電荷を蓄積する光電変換層と、光電変換層および前記第2の電極の間に配された絶縁層を有する構成である。そして、第1の電極と第2の電極との間に印加される電圧に応じて、光電変換部に信号電荷を蓄積可能となる蓄積動作と、この信号電荷を光電変換部から排出可能な排出動作とを切り替え可能である。
本実施形態では、第1の実施形態とは異なる点を中心に説明する。本実施形態の光電変換装置の構成は、図1と同じである。
図4(a)に示した画素10は、容量駆動部12、垂直信号線17、電流源18、列信号処理部20を有する。また、第1の電極201は、電源部30aから電位Vsが供給される。
図4(a)では1つの画素10を示しているが、複数行および複数列に渡って配された複数の画素10のうちの1つを示したものである。また、図4(a)では、垂直信号線17、電流源18、画素処理部20を1つずつ示した。 画素10は、光電変換部101aを有する。光電変換部101aは、第1の電極201、ブロッキング層203、光電変換層205、絶縁層207、第2の電極209を有する。ブロッキング層203は第1の電極201と光電変換層205との間に設けられており、光電変換層205はブロッキング層203と絶縁層207との間に設けられている。また、絶縁層207は、光電変換層205と第2の電極209との間に設けられている。
第1の電極201は、光電変換層205が感度を有する波長域の光の透過率の高い導電部材で構成される。例えば、ITO(Indium Tin Oxide)などのインジウム、および/またはスズを含む化合物や、ZnOなどの化合物が、第1の電極201の材料として用いられる。これにより、本実施形態の光電変換層205は、銅などの不透明の電極を第1の電極201として用いる場合に比して、より多くの光を取り込むことができる。他の例として、本実施形態の第1の電極201は、所定の量の光が透過する程度の薄さを有するポリシリコンや金属で形成されていても良い。
ブロッキング層203は、第1の電極201から光電変換層205へ、光電変換層203が蓄積する信号電荷と同じ導電型の電荷が光電変換層203に注入されることを阻止する。光電変換層205は、第1の電極201に印加される電位Vsと、第2の電極209の電位との電位差によって空乏化する。また第1の電極201に印加される電位Vsと第2の電極209の電位との関係に応じて、光電変換層205のポテンシャルの傾きが反転する。このような構成により、光電変換層205は、信号電荷の蓄積、および、蓄積された信号電荷の排出を行うことができる。光電変換部101aの動作については後述する。
尚、本実施形態において、第1の電極201に供給される電源電圧は、電源部30aから供給される電位Vsである。
光電変換層205は、真性のアモルファスシリコン(以下、a−Si)、低濃度のP型のa−Si、低濃度のN型のa−Siなどで形成される。あるいは、光電変換層205は、化合物半導体で形成されてもよい。例えば、BN、GaAs、GaP、AlSb、GaAlAsPなどのIII−V族化合物半導体、CdSe、ZnS、HdTeなどのII−VI族化合物半導体、PbS、PbTe、CuOなどのIV−VI族化合物半導体が挙げられる。あるいは、光電変換層205は、有機材料で形成されてもよい。例えば、フラーレン、クマリン6(C6)、ローダミン6G(R6G)、亜鉛フタロシアニン(ZnPc)、キナクリドン、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物などを用いることができる。さらに、光電変換層205は、上述の化合物半導体を含んで構成された量子ドット膜を用いることができる。
光電変換層205が半導体で構成される場合、当該半導体の不純物濃度が低いか、あるいは、当該半導体は真性であるとよい。このような構成によれば、光電変換層205に空乏層を十分に広げることができるため、高感度化、ノイズ低減などの効果を得ることができる。
ブロッキング層203には、光電変換層205に用いられる半導体と同じ材料であって、光電変換層205に用いられる半導体よりも不純物濃度の高いN型あるいはP型の半導体を用いることができる。例えば、光電変換層205にa−Siが用いられる場合、ブロッキング層203に不純物がドープされたN型のa−Si、あるいは、不純物がドープされたP型のa−Siが用いられる。不純物濃度の違いによりフェルミ準位の位置が異なるため、ブロッキング層203は、電子およびホールのうち一方に対してのみ、ポテンシャルバリアとして機能する。光電変換層205が量子ドット膜を含む場合には、量子ドット膜に用いられる半導体と同じ材料であって、量子ドット膜の導電型とは逆の導電型のブロッキング層203を設ければよい。例えば、量子ドット膜がP型のPbSである場合には、ブロッキング層203はN型のPbSとすれば良い。また、量子ドット膜と同じ材料で、同じ導電型のブロッキング層203であっても、不純物濃度を量子ドット膜とブロッキング層203とで異ならせればよい。
もしくは、光電変換層205とは異なる材料でブロッキング層203を構成することができる。このような構成によれば、ヘテロ接合が形成される。材料の違いによりバンドギャップが異なるため、電子およびホールのうち一方に対してのみ、ポテンシャルバリアを形成することができる。光電変換層205が量子ドット膜を含む場合には、例えば量子ドット膜としてPbSを用い、ブロッキング層203にZnOを用いるようにしても良い。
光電変換層205と第2の電極209との間には、絶縁層207が配される。例えば絶縁層207の材料として、アモルファス酸化シリコン(以下、a−SiO)、アモルファス窒化シリコン(a−SiN)、有機材料が用いられる。絶縁層207の厚さは、トンネル効果により信号電荷が透過しない程度の厚さとするとよい。このような構成にすることで、リーク電流を低減できるため、ノイズを低減することができる。具体的には、絶縁層207の厚さは50nm以上とするとよい。
ブロッキング層203、光電変換層205、および、絶縁層207にアモルファス膜を用いる場合は、水素化処理を行い、水素でダングリングボンドを終端してもよい。このような構成により、ノイズを低減することができる。
第2の電極209は金属などの導電部材で構成される。第2の電極209には、配線を構成する導電部材、あるいは、外部と接続するためのパッド電極を構成する導電部材と同じ材料が用いられる。このような構成によれば、本実施形態の光電変換部101aは、第2の電極209と、配線を構成する導電部材、あるいは、パッド電極とを同時に形成することができる。したがって、本実施形態の光電変換部101aは、第2の電極209を、配線を構成する導電部材あるいはパッド電極と異なる材料とした場合に比して、簡略化した製造プロセスで製造することができる。
光電変換部101aの第1の電極201は電源部30aと電気的に接続されている。電源部30aは、第1の電極201に電位Vsを供給する。リセットトランジスタ14は、ソースとドレインの一方にリセット電位Vresが供給され、ソースとドレインの他方がノードFDに電気的に接続されている。リセット電位Vresは、電位Vsよりも小さい電位である。本実施形態では、電位Vsは5V、リセット電位Vresは2Vとする。
容量駆動部12は、バッファ回路12aと容量素子12bとを有する。容量素子12bの一方のノードである第1のノードは、第3のノードであるノードFDに電気的に接続されている。さらに言えば、容量素子12bの第1のノードは、光電変換部101aの第2の電極209に電気的に接続されている。容量素子12bの他方のノードである第2のノードは、バッファ回路12aに電気的に接続されている。バッファ回路12aには、駆動信号供給部4から信号φVpが入力される。バッファ回路12aは、信号φVpの電位をバッファした電位を、容量素子12bに供給する。駆動信号供給部4は、電位の異なる信号φVpを、バッファ回路12aを介して、容量素子12bに供給する電位供給部である。
ノードFDには容量素子12bが電気的に接続される。容量素子12bは、例えば、互いに対向する2つの電極を含む。2つの電極はポリシリコンや金属などの材料で構成される。あるいは、容量素子12bは、半導体領域と当該半導体領域の上に配されたゲート電極とを含んで構成される。
ノードFDに容量素子12bが接続される構成によれば、光信号を光電変換部101aから読み出すときにノイズを低減することができる。このノイズ低減の効果について説明する。
本実施形態の光電変換装置では、ノードFDの電位の制御を行う。光電変換部101aの第2の電極209の電位は、ノードFDの容量値と、第1の電極201と第2の電極209との間の容量成分の容量値(以下、光電変換部101aの容量値とする)との比に応じて変化する。これは、ノードFDと光電変換部101aとを、直列に接続された2つの容量として見なすことができるからである。
本実施形態の光電変換装置では、ノードFDの容量値が大きいほど、ノードFDの電位を変化させた時の第2の電極209の電位の変化量が大きくなる。
本実施形態によれば、ノードFDに容量素子12bが電気的に接続される。そのため、容量素子12bの容量値の分だけ、ノードFDの容量値を実質的に大きくすることができる。したがって、光電変換部101aから光信号を読み出すために、第2の電極209の電位を制御した際に、第1の電極201と第2の電極209との間に大きな電位差を印加することができる。これにより、本実施形態の光電変換装置は、光電変換層205を容易に空乏化することができるため、光信号に含まれるノイズ成分の信号レベルを低減することができる。
第1増幅トランジスタ16aから、選択トランジスタ16bを介して出力された信号は、画素信号処理部20に入力される。画素信号処理部20の構成は、図2(b)と同じである。
次に、本実施形態における光電変換部101aの動作について説明する。図5(a)〜(d)のそれぞれは、光電変換部101aにおけるエネルギーバンドを模式的に示している。図5(a)〜(d)のそれぞれには、第1の電極201、ブロッキング層203、光電変換層205、絶縁層207、第2の電極209のエネルギーバンドが示されている。図5の縦軸は電子に対するポテンシャルを表している。図5の上に行くほど、電子に対するポテンシャルが高い。したがって、図5の下に行くほど、電位は低くなる。第1の電極201、および、第2の電極209については、フェルミ準位が示されている。ブロッキング層203、および、光電変換層205については、伝導帯のエネルギー準位と価電子帯のエネルギー準位との間のバンドギャップが示されている。
光電変換部101aの動作としては、以下のステップ(1)〜(5)が繰り返し行われる。(1)増幅部の入力ノードのリセット、(2)ノイズ信号の読み出し、(3)光電変換部からの信号電荷の転送、(4)光信号の読み出し、(5)信号電荷の蓄積。以下、それぞれのステップについて説明する。
図5(a)は、ステップ(1)からステップ(2)における光電変換部101aの状態を示している。第1の電極201には、電位Vsが供給されている。第1の電位Vsは、例えば、3Vである。光電変換層205には、露光期間中に生じた信号電荷として、白丸で示されたホールが蓄積されている。蓄積されたホールの量に応じて、光電変換層205の絶縁層207側の表面ポテンシャルは変化する。また、バッファ回路12aは第1の電位Vd1を容量素子12bに供給している。第1の電位Vd1は、例えば、0Vである。
この状態でリセットトランジスタ14aをオンする。これにより、第2の電極209を含むノード、つまり、ノードFDの電位がリセット電位Vresにリセットされる。リセット電位Vresは、例えば、1Vである。ノードFDは、第1増幅トランジスタ16aの入力ノードであるゲートに接続されている。そのため、増幅部の入力ノードのリセットが行われる。
その後、リセットトランジスタ14aをオフする。これにより、ノードFDが電気的にフローティングになる。このときリセットトランジスタ14aによるリセットノイズ(図5のノイズkTC1)が発生しうる。このとき、信号電荷のホールは、光電変換層205に蓄積されたままである。
選択トランジスタ16bがオンすることにより、第1増幅トランジスタ16aがリセットノイズを含むノイズ信号を出力する。
図5(b)および(c)は、ステップ(3)における光電変換部101aの状態を示している。まず、バッファ回路12aは第2の電位Vd2を容量素子12bに供給する。信号電荷としてホールを用いているため、第2の電位Vd2は第1の電位Vd1より高い電位である。第2の電位Vd2は、例えば、5Vである。
このとき、第2の電極209(ノードFD)の電位は、バッファ回路12aが供給する電位の変化と同じ方向に向かって変化する。第2の電極209の電位の変化量dVBは、ノードFDに電気的に接続された容量素子12bの容量値C1と、光電変換部101aの容量値C2との比に応じて決まる。dVBは、
dVB=(Vd2−Vd1)×C1/(C1+C2) ・・・(1)
と表される。以下の説明では、説明を簡単にするため、容量値C1と容量値C2とが等しいとする。従って、変化量dVBは、
dVB=(Vd2−Vd1)×(1/2) ・・・(2)
と表される。
本実施形態では、第2の電極209の電位の変化量dVBが、第1の電極209の電位Vsとリセット電位Vresの差(Vs−Vres)よりも十分に大きい。そのため、第2の電極209のポテンシャルは、第1の電極201のポテンシャルよりも低くなり、光電変換層205のポテンシャルの傾きが反転する。これにより、黒丸で示された電子が第1の電極209から光電変換層205へ注入される。また、信号電荷として光電変換層205に蓄積されたホールの一部または全部が、ブロッキング層203の方へ移動する。移動したホールは、ブロッキング層203の多数キャリアと再結合して消滅する。その結果、光電変換層205のホールが光電変換層205から排出される。光電変換層205の全体が空乏化する場合には、信号電荷として蓄積されたホールの全部が排出される。
次に、図5(c)に示される状態において、バッファ回路12aは、第1の電位Vd1を容量素子12bに供給する。これにより、光電変換層205のポテンシャルの傾きが再び反転する。そのため、図5(b)の状態の時に光電変換層205に注入されていた電子は、光電変換層205から排出される。一方、ブロッキング層203によって、第1の電極201から光電変換層205へのホールの注入が低減されている。したがって、ノードFDの電位は、リセットされた状態から、消滅したホールの量に応じた電位Vsigだけ変化する。つまり、信号電荷として蓄積されたホールの量に応じた電位VsigがノードFDに現れる。蓄積されたホールの量に応じた電位Vsigを、光信号成分と呼ぶ。
ここで、図5(c)に示される状態の時に、選択トランジスタ16bがオンする。これにより、第1増幅トランジスタ16aが光信号を出力する。ステップ(2)で読み出されたノイズ信号と、ステップ(4)で読み出された光信号との差分が、蓄積された信号電荷に応じた電位Vsigに基づく信号である。
図5(d)は、ステップ(5)における光電変換部101aの状態を示している。第1の電極201に電位Vsが供給され、ノードFDにリセット電位Vresが供給される。リセット電位Vresは第1の電極201の電位Vsより低いため、光電変換層205の電子は第1の電極201に排出される。一方、光電変換層205のホールは、光電変換層205と絶縁層207との界面に向かって移動する。しかし、ホールは絶縁層207に移動できないため、光電変換層205に蓄積される。また、前述の通り、ブロッキング層203が、ホールが光電変換層205に注入されることを低減する。したがって、この状態で光電変換層205に光が入射すると、光電変換によって生じた電子ホール対のうち、ホールのみが信号電荷として光電変換層205に蓄積される。電位Vchは、光電変換層205において蓄積されたホールに基づいて、第2の電極209の変化する電位である。
信号電荷が電子の場合、第2の電位Vd2は第1の電位Vd1より低い電位とすればよい。また、ブロッキング層203の導電型を、本実施形態のブロッキング層203とは反対の導電型とすれば良い。そのため、図5(a)〜(d)でのポテンシャルの傾きが反転する。それ以外の動作は同じである。
図6は、図4(a)に示した光電変換装置の動作を示したタイミング図である。図6に示したφVp1、φVp2、φVp3のそれぞれは、駆動信号供給部4が、第1のグループ、第2のグループ、第3のグループのそれぞれの画素10に、図4(a)で示した信号φVpとして供給する信号である。
図6における、期間TResは図3と同じである。つまり、ノードFDがリセットされている期間に、画素処理部20がノイズ信号のサンプリングを行っている。
期間TRfにおける、光電変換装置の動作を説明する。
時刻t41に、駆動信号供給部4が信号φSelの信号レベルをLoにする。これにより、選択トランジスタ16bがオフとなる。時刻t5から時刻t8までの期間TRfに、駆動信号供給部4は、信号φVP1、φVP2、φVP3の信号レベルをHiとする。これにより、光電変換層205が完全空乏化するため、ノードFDは、光電変換層205が蓄積した電荷に基づく電位となる。
時刻t6、時刻t7、時刻t8の順に、駆動信号供給部4は、信号φVp1、信号φVP2、信号φVP3をそれぞれ順に信号レベルをLoとする。
つまり、時刻t6に、駆動信号供給部4は、信号レベルφVp1の信号レベルをHiからLoに遷移させるとともに、信号レベルφVp2の信号レベルをLoからHiに遷移させる。また、時刻t7に、駆動信号供給部4は、信号レベルφVp2の信号レベルをHiからLoに遷移させるとともに、信号レベルφVp3の信号レベルをLoからHiに遷移させる。
このように本実施形態の光電変換装置は、信号φVpの信号レベルをHiとする期間を、画素10のグループごとに分けている。これにより、本実施形態の光電変換装置は、信号φVpを供給する駆動信号供給部4の負荷を、複数の期間に分けることができる。これにより、本実施形態の光電変換装置は、信号φVpの信号レベルを、全ての画素10に共通の信号φVpを供給する構成に比して高速に切り替えることができる。
また、駆動信号供給部4は、複数の画素の一部の画素である第1のグループの、第1の電極と第2の電極との電位の大小関係を、光電変換層205から信号電荷を排出している期間とは逆の関係とするタイミングと、複数の画素の他の画素である第2のグループの、第1の電極と第2の電極との電位の大小関係を、光電変換層205が信号電荷を蓄積している期間とは逆の関係とするタイミングとを時刻t6として重ねている。これにより、信号φVp1の信号レベルがHiからLoに変化することによって生じる第1のグループの画素10のノードFDの電位の変動は、信号φVp2の信号レベルがLoからHiに変化することによって生じる電位の変動によって打ち消される。従って、信号φVp1の信号レベルがHiからLoになる事によって生じる第1のグループの画素10のノードFDの電位は、信号φVp1のHiからLoへの遷移と信号φVp2のLoからHiの遷移とを重ねない構成に比して、より早く収束させることができる。これにより、本実施形態の光電変換装置は、時刻t81以降に読み出される光信号の精度を向上させることができる。
時刻t8の時点で、全行の画素10のノードFDは、各々の画素10の光電変換層205が蓄積した電荷に基づく電位となっている。
時刻t81から時刻t9の期間、駆動信号供給部4は信号φSelの信号レベルをHiとする。時刻t81から時刻t84までの期間TSに、駆動信号供給部4は、信号φTS1、φTS2、φTS3のそれぞれの信号レベルを順次Hiとする。これにより、各画素10の容量素子CSは、第1のグループ、第2のグループ、第3のグループの順で順次、光信号を保持する。時刻t84の時点では、全行の画素10の容量素子CSは、光信号を保持している。期間TBに、垂直走査回路3は、画素10から行単位で、列信号処理回路に光信号とノイズ信号とを出力させる。
本実施形態の光電変換装置においても、ノードFDがリセットされている期間に、画素処理部20がノイズ信号のサンプリングを行っている。これにより、ノイズ信号に含まれるノードFDの暗電流成分を低減することができる。
また、本実施形態の光電変換装置においても、本実施形態の光電変換装置は、駆動信号の一つである信号φResの信号レベルをLoからHiにするタイミングを、グループごとに異ならせている。これにより、第1の実施形態の光電変換装置と同じく、列信号処理回路が、光信号とノイズ信号とを精度よく差し引いた信号を出力することができる効果を有する。
さらに本実施形態の光電変換装置は、駆動信号供給部4が信号φVpの信号レベルをHiとしている期間、駆動信号供給部4は信号φSelの信号レベルをLoとした。つまり、光電変換部101aの第1の電極201と第2の電極209の電位の関係を、期間TResにおける関係とは逆の関係とし、再び期間TResと同じ関係とするまでの期間、第1画素出力部16を非動作とした。これにより、第2増幅トランジスタ25aのゲートに接続されたノードBの電位の変動を抑制できる。一方、信号φSelの信号レベルをHiとした場合には、信号φVpの信号レベルの変化により、ノードBの電位が変動する。これにより信号φVpの信号レベルをHiからLoにしてから、ノードBの電位が静定するまでに時間を要する。従って、ノードBの電位が静定するまでの待機時間を光電変換装置が設ける場合には、光電変換装置の高速化が妨げられる。一方、光電変換装置がこの待機時間を設けない場合には、ノードBの電位が静定しない状態で、第2画素出力部25が容量素子CNの保持したノイズ信号を垂直信号線17に出力する。これにより、垂直信号線17に出力されるノイズ信号の信号レベルが、ノードBの電位が静定していた場合に出力されると想定されるノイズ信号の信号レベルから変動してしまう。これにより、列信号処理回路が光信号からノイズ信号を精度よく差し引くことができなくなる。一方、本実施形態の光電変換装置は、上述したように、信号φVpの信号レベルの変化によるノードBの電位の変動を抑制できるため、ノードBの電位変動の静定を待つ待機時間を設けずに、第2画素出力部25が、容量素子CNが保持したノイズ信号を精度よく出力することができる。これにより、本実施形態の光電変換装置は、信号φSelの信号レベルを信号φVpの信号レベルが変化する期間にHiとする構成に比して、高速化することができる。
尚、本実施形態では、第2の電極209の電位を信号φVpの信号レベルに基づいて変化させる例を説明した。他の例として、図4(b)に示すように、第1の電極201の電位を信号φVp2の信号レベルに基づいて変化させるようにしても良い。この場合においても、第1のグループの画素10に供給する信号φVp2の信号レベルをHiからLoにするタイミングと、第2のグループの画素10に供給する信号φVp2の信号レベルをLoからHiにするタイミングとを重ねればよい。
また、期間TResにおける第1の電極201と第2の電極209との電位の大小関係に対して、期間TRfにおける第1の電極201と第2の電極209との電位の大小関係を、信号φVp2を用いて、逆になるようにすれば良い。
(第3の実施形態)
本実施形態の光電変換装置について、第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態の光電変換装置の構成は、第2の実施形態で説明した図4の構成と同じである。
図7は、本実施形態の光電変換装置の動作を示したタイミング図である。本実施形態の光電変換装置は、信号φSelの信号レベルがHiである期間を、画素10が属するグループごとに分けている。
第1のグループの画素行は、時刻t1〜t3の期間、信号φSel−1の信号レベルがHiとなるため、第1増幅トランジスタ16aが動作状態となる。この期間内の時刻t1〜t2に、駆動信号供給部4は、信号Res1の信号レベルをLoからHiに変化させる。これによって、ノードFDの電位がリセットされる。時刻t1とt2の期間内の時刻t1’に、駆動信号供給部4は信号φTN1の信号レベルをHiに変化させる。これによって、第1のグループに属する画素10の各々の第1画素出力部16は、対応する容量素子CNにノイズ信号を出力する。時刻t2とt3の期間内の時刻t2’に、第1のグループの画素10の各々の容量素子CNは、ノイズ信号を保持する。
期間TRfにおいて、駆動信号供給部4は、信号φVp1、φVp2、φVp3の信号レベルを、順次Hiとする。これにより、時刻t81には、図1に示した全行の画素10の各々のノードFDは、光電変換部101aが入射光に基づいて蓄積した信号電荷に基づく電位となっている。
時刻t6´から時刻t81の期間、信号φSelの信号レベルはLoである。
時刻t81〜t83の期間に、駆動信号供給部4は、信号φSel−1の信号レベルをHiに変化させる。また、この期間内の時刻t81〜t82の期間に、駆動信号供給部4は、信号φTS−1の信号レベルをHiに変化させる。時刻t82に駆動信号供給部4が信号φTS−1の信号レベルをLoに変化させることにより、第1のグループの画素10の各々の容量素子CSは光信号を保持する。
その後、時刻t83に、駆動信号供給部4が信号φSel−2と信号TS2の各々の信号レベルをHiとする。そして、時刻t84に駆動信号供給部4が信号TS2の信号レベルをLoとすることにより、第2のグループの各々の画素10の容量素子CSが光信号を保持する。時刻t85に、駆動信号供給部4が信号φSel−3と信号TS3の各々の信号レベルをHiとする。そして、時刻t86に駆動信号供給部4が信号TS3の信号レベルをLoとすることにより、第3のグループの各々の画素10の容量素子CSが光信号を保持する。
本実施形態の光電変換装置では、第1画素出力部16を、画素10が属するグループごとに動作状態、非動作状態に切り替えている。これにより、図6の動作に比して、所定のグループの信号φTSの信号レベルがHiになっている期間に、他のグループの第1画素出力部16を非動作状態とする分、消費電流を低減することができる。
また、図7に示した動作においても、駆動信号供給部4は、複数の画素の一部の画素である第1のグループの、第1の電極と第2の電極との電位の大小関係を、光電変換層205から信号電荷を排出している期間とは逆の関係とするタイミングと、複数の画素の他の画素である第2のグループの、第1の電極と第2の電極との電位の大小関係を、光電変換層205が信号電荷を蓄積している期間とは逆の関係とするタイミングとを時刻t72として重ねている。これにより、信号φVp1の信号レベルがHiからLoに変化することによって生じる第1のグループの画素10のノードFDの電位の変動は、信号φVp2の信号レベルがLoからHiに変化することによって生じる電位の変動によって打ち消される。従って、信号φVp1の信号レベルがHiからLoになる事によって生じる第1のグループの画素10のノードFDの電位は、信号φVp1のHiからLoへの遷移と信号φVp2のLoからHiの遷移とを重ねない構成に比して、より早く収束させることができる。これにより、本実施形態の光電変換装置は、時刻t81以降に読み出される光信号の精度を向上させることができる。
尚、本実施形態で説明した、グループごとに第1画素出力部16の動作状態と非動作状態とを切り替える動作は、第1の実施形態の光電変換装置にも適用可能である。
次に、本実施形態の光電変換装置の他の動作を説明する。
図8は、本実施形態の光電変換装置の他の動作を示したタイミング図である。
以下、図7に示したタイミング図と異なる点を中心に説明する。図8に示したタイミング図では、信号φRes1の信号レベルがHiからLoに遷移するタイミングと、信号φRes2の信号レベルがLoからHiに遷移するタイミングとを同時にしている。また、信号φRes2の信号レベルがHiからLoに遷移するタイミングと、信号φRes3の信号レベルがLoからHiに遷移するタイミングとを同時にしている。これにより、信号φRes1がHiからLoに遷移することで生じる、リセットトランジスタ14と電圧Vd1の供給線との間に流れる電流と、信号Res2がLoからHiに遷移することで生じる、リセットトランジスタ14と電圧Vd1の供給線との間に流れる電流とが、互いに打ち消し合うことができる。これにより、信号φRes1、信号φRes2の信号レベルの変化によって生じる電圧Vd1の電位変動を低減できる。これにより、電圧Vd1の変動によって生じるノードFDの電位変動を抑制できる。これにより、画素10が出力する光信号のSN比を向上できる。
尚、本実施形態では、信号φSel、信号φResをそれぞれグループごとでHiとする期間を異ならせていた。本実施形態の光電変換装置は、信号φVpの信号レベルをHiとしている期間をグループごとで異ならせればよい。つまり、信号φSelの信号レベルをHiとしている期間が、全てのグループで互いに同じであっても良い。また、信号φResの信号レベルをHiとしている期間が、全てのグループで互いに同じであっても良い。
(第4の実施形態)
上記の第1の実施形態から第3の実施形態で述べた光電変換装置は種々の光電変換システムに適用可能である。光電変換システムの一例としては、デジタルスチルカメラ、デジタルカムコーダー、監視カメラなどがあげられる。図9に、光電変換システムの一例としてデジタルスチルカメラに本発明の第1の実施形態から第3の実施形態のいずれかの光電変換装置を適用した光電変換システムの模式図を示す。
図11に例示した光電変換システムは、光電変換装置154、レンズの保護のためのバリア151、被写体の光学像を光電変換装置154に結像させるレンズ152及びレンズ152を通過する光量を可変にするための絞り153を有する。レンズ152及び絞り153は光電変換装置154に光を集光する光学系である。また、図11に例示した光電変換システムは光電変換装置154より出力される出力信号の処理を行う出力信号処理部155を有する。
出力信号処理部155は、光電変換装置154が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換を行う。また、出力信号処理部155はその他、必要に応じて各種の補正、圧縮を行って画像データを出力する動作を行う。
図11に例示した光電変換システムはさらに、画像データを一時的に記憶するためのバッファメモリ部156、外部コンピュータ等と通信するための外部インターフェース部(外部I/F部)157を有する。さらに光電変換システムは、撮像データの記録又は読み出しを行うための半導体メモリ等の記録媒体159、記録媒体159に記録又は読み出しを行うための記録媒体制御インターフェース部(記録媒体制御I/F部)158を有する。なお、記録媒体159は光電変換システムに内蔵されていてもよく、着脱可能であってもよい。
さらに光電変換システムは、各種演算とデジタルスチルカメラ全体を制御する全体制御・演算部1510、光電変換装置154と出力信号処理部155に各種タイミング信号を出力するタイミング発生部1511を有する。ここで、タイミング信号などは外部から入力されてもよく、光電変換システムは少なくとも光電変換装置154と、光電変換装置154から出力された出力信号を処理する出力信号処理部155とを有すればよい。以上のように、本実施形態の光電変換システムは、光電変換装置154を適用して撮像動作を行うことが可能である。
尚、上記実施形態では、垂直走査回路3、駆動信号供給部4のそれぞれが出力する信号の信号レベルが即時に変化する例を説明した。本発明は、この例に限定されるものではなく、垂直走査回路3、駆動信号供給部4のそれぞれが出力する信号が、LoからHi、あるいはHiからLoに時間をかけて変化するものであっても良い。この場合、第1の信号の信号レベルがHiからLoに変化している期間において、第2の信号の信号レベルがLoからHiに変化している例も、第1の信号の信号レベルが変化するタイミングに第2の信号の信号レベルが変化するという概念の範囲に属する。
なお、上記実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらの例示によって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な態様で実施することができる。また、これまで述べた各実施形態を種々組み合わせて実施することができる。
1 光電変換装置
2 画素行
3 垂直走査回路
4 駆動信号供給部
5 スイッチ部
6 タイミングジェネレータ(TG)
10 画素
17 垂直信号線

Claims (21)

  1. 光電変換部と画素出力部とを各々が有し、行列状に配された複数の画素を有する光電変換装置において、
    前記光電変換部は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極および前記第2の電極の間に配された、信号電荷を蓄積する光電変換層と、前記光電変換層および前記第2の電極の間に配された絶縁層と、を含み、
    前記画素出力部は、前記光電変換部が蓄積した前記信号電荷に基づく光信号が前記第2の電極から出力される入力ノードを備え、
    前記複数の画素の一部の画素の前記第1の電極と前記第2の電極との電位の大小関係が、前記第1の電極の方が前記第2の電極よりも小さい第1の関係から前記第1の関係とは逆の関係である第2の関係に変化するタイミングと、前記複数の画素の他の一部の画素の前記第1の電極と前記第2の電極との電位の大小関係が、前記第2の関係から前記第1の関係に変化するタイミングとを重ねる駆動部をさらに有し、
    前記一部の画素には、間に少なくとも1つの他の行を挟む複数の行の画素が含まれ、かつ、前記他の一部の画素には、前記少なくとも1つの他の行を含む複数の行の画素が含まれることを特徴とする光電変換装置。
  2. 前記駆動部は、前記一部の画素の前記入力ノードのリセットを終了するタイミングと、前記他の一部の画素の前記入力ノードのリセットを開始するタイミングとを重ねることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記駆動部は、前記一部の画素の前記入力ノードのリセットを行っている期間に、前記一部の画素の前記画素出力部を動作状態とするとともに、前記他の一部の画素の前記画素出力部を非動作状態とし、前記他の一部の画素の前記入力ノードのリセットを行っている期間に、前記他の一部の画素の前記画素出力部を動作状態とするとともに、前記一部の画素の前記画素出力部を非動作状態とすることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換装置。
  4. 前記画素は電流源をさらに有し、
    前記画素出力部と前記電流源とでソースフォロワ回路を構成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換装置。
  5. 前記光電変換装置はさらに前記複数の画素が電気的に接続された信号線を有し、
    前記複数の画素の各々は、前記入力ノードの電位に基づいて前記画素出力部が出力する信号を保持する信号保持部と、前記信号保持部が保持した前記信号を前記信号線に出力する第2画素出力部とをさらに有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換装置。
  6. 前記光電変換装置は、前記信号線に電流を供給する第2電流源をさらに有し、
    前記第2画素出力部と、第2電流源とでソースフォロワ回路を構成することを特徴とする請求項5に記載の光電変換装置。
  7. 前記複数の画素の各々は、前記画素出力部が出力するノイズ信号と前記光信号とを保持する信号保持部をさらに有し、
    前記信号保持部はさらに前記ノイズ信号を保持する容量素子を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光電変換装置。
  8. 前記光電変換層が量子ドットを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光電変換装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の光電変換装置と、前記光電変換装置が出力する信号を処理する出力信号処理部とを有することを特徴とする光電変換システム。
  10. 光電変換部と画素出力部とを各々が有し、行列状に配された複数の画素を有し、
    前記光電変換部は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極および前記第2の電極の間に配された、信号電荷を蓄積する光電変換層と、前記光電変換層および前記第2の電極の間に配された絶縁層と、を含む光電変換装置の駆動方法であって、
    前記画素出力部の入力ノードに、前記光電変換部が蓄積した前記信号電荷に基づく光信号を前記第2の電極から出力する第1ステップと、
    前記複数の画素の一部の画素の前記第1の電極と前記第2の電極との電位の大小関係を、前記第1の電極の方が前記第2の電極よりも小さい第1の関係から前記第1の関係とは逆の関係である第2の関係に変化させる第2ステップと、
    前記複数の画素の他の一部の画素の前記第1の電極と前記第2の電極との電位の大小関係を、前記第2の関係から前記第1の関係に変化させる第3ステップとを有し、
    前記一部の画素には、間に少なくとも1つの他の行を挟む複数の行の画素が含まれ、かつ、前記他の一部の画素には、前記少なくとも1つの他の行を含む複数の行の画素が含まれ、
    前記第2ステップを行う期間と前記第3ステップを行う期間とを重ねることを特徴とする光電変換装置の駆動方法。
  11. 前記一部の画素の前記入力ノードのリセットを終了する第4ステップと、
    前記他の一部の画素の前記入力ノードのリセットを開始する第5ステップとを有し、
    前記第4ステップを行う期間と前記第5ステップを行う期間とを重ねることを特徴とする請求項10に記載の光電変換装置の駆動方法。
  12. 前記一部の画素の前記入力ノードのリセットを行っている期間に、前記一部の画素の前記画素出力部を動作状態とするステップと、
    前記他の一部の画素の前記画素出力部を非動作状態とし、前記他の一部の画素の前記入力ノードのリセットを行っている期間に、前記他の一部の画素の前記画素出力部を動作状態とするとともに、前記一部の画素の前記画素出力部を非動作状態とするステップとをさらに有することを特徴とする請求項10または11に記載の光電変換装置の駆動方法。
  13. 前記光電変換層が量子ドットを含むことを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の光電変換装置の駆動方法。
  14. 光電変換部と画素出力部とを各々が有する複数の画素を有する光電変換装置において、
    前記光電変換部は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極および前記第2の電極の間に配された、信号電荷を蓄積する光電変換層と、前記光電変換層および前記第2の電極の間に配された絶縁層と、を含み、
    前記画素出力部は、前記光電変換部が蓄積した前記信号電荷に基づく光信号が前記第2の電極から出力される入力ノードを備え、
    前記複数の画素の一部の画素の前記第1の電極と前記第2の電極との電位の大小関係が、前記第1の電極の方が前記第2の電極よりも小さい第1の関係から前記第1の関係とは逆の関係である第2の関係に変化するタイミングと、前記複数の画素の他の一部の画素の前記第1の電極と前記第2の電極との電位の大小関係が、前記第2の関係から前記第1の関係に変化するタイミングとを重ねる駆動部をさらに有し、
    前記駆動部は、前記一部の画素の前記入力ノードのリセットを行っている期間に、前記一部の画素の前記画素出力部を動作状態とするとともに、前記他の一部の画素の前記画素出力部を非動作状態とし、前記他の一部の画素の前記入力ノードのリセットを行っている期間に、前記他の一部の画素の前記画素出力部を動作状態とするとともに、前記一部の画素の前記画素出力部を非動作状態とすることを特徴とする光電変換装置。
  15. 前記駆動部は、前記一部の画素の前記入力ノードのリセットを終了するタイミングと、前記他の一部の画素の前記入力ノードのリセットを開始するタイミングとを重ねることを特徴とする請求項14に記載の光電変換装置。
  16. 前記画素は電流源をさらに有し、
    前記画素出力部と前記電流源とでソースフォロワ回路を構成することを特徴とする請求項14または15に記載の光電変換装置。
  17. 前記光電変換装置はさらに前記複数の画素が電気的に接続された信号線を有し、
    前記複数の画素の各々は、前記入力ノードの電位に基づいて前記画素出力部が出力する信号を保持する信号保持部と、前記信号保持部が保持した前記信号を前記信号線に出力する第2画素出力部とをさらに有することを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の光電変換装置。
  18. 前記光電変換装置は、前記信号線に電流を供給する第2電流源をさらに有し、
    前記第2画素出力部と、第2電流源とでソースフォロワ回路を構成することを特徴とする請求項17に記載の光電変換装置。
  19. 前記複数の画素の各々は、前記画素出力部が出力するノイズ信号と前記光信号とを保持する信号保持部をさらに有し、
    前記信号保持部はさらに前記ノイズ信号を保持する容量素子を有することを特徴とする請求項14〜18のいずれかに記載の光電変換装置。
  20. 前記光電変換層が量子ドットを含むことを特徴とする請求項14〜19のいずれかに記載の光電変換装置。
  21. 請求項14〜20のいずれかに記載の光電変換装置と、前記光電変換装置が出力する信号を処理する出力信号処理部とを有することを特徴とする光電変換システム。
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