JP2012204966A - 撮像装置及び撮像システム、その制御方法 - Google Patents

撮像装置及び撮像システム、その制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 装置の特性変動を好適に低減可能で且つ動作制御が簡便な軽量薄型の撮像装置又はそれを用いた撮像システムを提供する。
【解決手段】 変換素子201を有する画素を複数備えた検出部101と、検出部101を駆動する駆動回路102と、を含み、前記電気信号を出力する撮像動作を行う検出器104と、変換素子201を加熱する加熱部116を含み、撮像動作の開始の前に加熱部116が変換素子201を加熱するように、加熱部116を制御して変換素子201の温度を制御する温度制御部115と、を有する撮像装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、撮像装置及び撮像システム、その制御方法に関するものである。より具体的には、医療診断における一般撮影などの静止画撮影や透視撮影などの動画撮影に好適に用いられる、放射線撮像装置及び放射線撮像システム、その制御方法に関する。
近年、X線による医療画像診断や非破壊検査に用いる撮像装置として、半導体材料によって形成された平面検出器(Flat Panel Detector、以下、検出器と略す)を用いた放射線撮像装置が実用化され始めている。このような放射線撮像装置は、例えば医療画像診断においては、一般撮影のような静止画撮影や、透視撮影のような動画撮影のデジタル撮像装置として用いられている。検出器としては、非晶質シリコンを用いた光電変換素子と、放射線を光電変換素子が感知可能な波長帯域の光に変換する波長変換体とを組み合わせた変換素子が用いられた間接変換型の検出器が知られている。また、非晶質セレン等の材料を用いて放射線を直接電荷に変換する変換素子が用いられた直接変換型の検出器が知られている。
このような撮像装置では、非晶質半導体からなる変換素子のダングリングボンドや欠陥がトラップ準位として働くことにより、暗電流が変動したり過去の放射線又は光の照射の影響で残像(ラグ)が発生又は変動したりする可能性がある。それにより、撮像装置の特性や取得される画像信号に変動が生じる可能性があった。それに対して特許文献1では、被写体情報を担う放射線又は光を検出器に照射する前に、別途準備された光源から被写体情報を担わない光を検出器に照射することで、撮像装置の特性や取得される画像信号の変動を抑制することが開示されている。
特開2008−256675号公報
特許文献1に開示の方法では、装置内部に光源及びその光源を駆動するための駆動部を別途具備する必要がある。また、検出器の特性や取得される画像信号の変動に対する効果を均一化するために、光源からの光は均一な面内分布で検出器に照射されなければならない。しかしながら、光源が均一な面内分布の光を放射するためには、高い動作電圧を供給する電源を有するか、複雑な構成を有することが必要であり、光源又はその駆動部の大型化を招き、撮像装置の軽量薄型化を妨げるおそれがあった。また、光源の劣化による光源からの光の面内分布の制御や輝度の制御など、光源の動作制御が複雑となり、撮像装置の簡便な動作制御を妨げるおそれがあった。
そこで本発明は、上記課題を鑑み、撮像装置の特性や取得される画像信号の変動を好適に低減可能で且つ動作制御が簡便な軽量薄型の撮像装置又はそれを用いた撮像システムを提供することを目的とするものである。本発明の撮像装置は、放射線又は光を電荷に変換する変換素子を複数備えた検出部と、前記電荷に応じた電気信号を前記画素から出力するために前記検出部を駆動する駆動回路と、を含み、前記電気信号を出力する撮像動作を行う検出器と、前記変換素子を加熱する加熱部を含み、前記撮像動作の開始の前に前記加熱部が前記変換素子を加熱するように、前記加熱部を制御して前記変換素子の温度を制御する温度制御部と、を有する撮像装置である。
また、本発明の撮像システムは、先に記載の撮像装置と、前記制御部に制御信号を送信する制御コンピュータと、を含む。
また、本発明の撮像装置の制御方法は、放射線又は光を電荷に変換する変換素子を有する画素を複数備えた検出部と、前記電荷に応じた電気信号を前記画素から出力するために前記検出部を駆動する駆動回路と、を含み、前記電気信号を出力する撮像動作を行う検出器を有する撮像装置の制御方法であって、前記電気信号を出力する撮像動作を行う工程と、前記撮像動作の開始の前に、前記変換素子を加熱する工程と、を含む。
本発明により、撮像装置の特性や取得される画像信号の変動を好適に低減可能で且つ動作制御が簡便な軽量薄型の撮像装置又はそれを用いた撮像システムを提供することが可能となる。
本発明に係る撮像システムの概略的ブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の概略的等価回路図である。 本発明の第1の実施形態に係る変換素子の暗電流量と残像量の時間依存性を説明するための特性図である。 本発明の第1の実施形態に係る撮像装置のタイミングチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る撮像システムの動作フローを説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る撮像装置の櫂略的等価回路図である。 本発明の第2の実施形態に係る変換素子の残像量の時間依存性を説明するための特性図である。 本発明の第2の実施形態に係る撮像装置のタイミングチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る撮像システムの概略的ブロック図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本発明において放射線は、放射線崩壊によって放出される粒子(光子を含む)の作るビームであるα線、β線、γ線などの他に、同程度以上のエネルギーを有するビーム、例えばX線や粒子線、宇宙線なども、含まれるものとする。
(第1の実施形態)
まず、本発明の概念を説明するために、図3(a)を用いて、本発明の第1の実施形態に係る変換素子が有する暗電流の特性を、図3(b)を用いて残像量の特性を、説明する。なお、図3(a)及び(b)の横軸の時間は、変換素子に電圧が供給されてからの時間であり、電圧が供給された直後とは、図3(a)及び(b)の最も左側に相当する。また、図3(a)及び(b)の推奨電圧とは、変換素子に供給される電圧の推奨値であり、推奨動作温度とは、撮像動作における変換素子の温度の推奨値である。
検出部から出力される電気信号及びそれに基づく画像データの質を決定する指標の一つとして、残像量が挙げられる。残像とは、先の撮像動作においてなされた放射線又は光の照射に基づく電気信号が、後の撮像動作で出力される電気信号及び画像データに影響をおよぼすものである。後で説明する、本実施形態における変換素子に用いたPIN型フォトダイオードの残像の原因としては、スイッチ素子との時定数の影響で出力しきれず残留した電気信号や、スイッチ素子による出力に際して発生したkTCノイズや分配ノイズが主に挙げられる。
本願発明者は、誠意検討の結果、残像には変換素子に電圧が供給されてからの時間によって変動する特性(以下、変動特性と称する)があり、またその変動特性は、変換素子の温度と相関することを見出した。ここで、変換素子に与えられる電圧とは、変換素子の2つの電極間の電位差を意味し、PIN型フォトダイオードであれば逆方向の電圧が与えられる。
まず、図3(a)に示すように、暗電流量は変換素子に電圧が供給された直後に大きく現れ、時間が経過するに従って小さくなり所定値に収束し、また、変換素子の温度が高いほど、暗電流量が多いことを見出した。
そして、図3(b)に示すように、残像量も変換素子に電圧が供給された直後に大きく現れ、時間が経過するに従って小さくなり所定値に収束し、また、変換素子の温度が高いほど、残像量が小さくまた所定値に収束するまでに要する時間が短いことを見出した。これは、温度が高ければ暗電流量が増大しそれによって変換素子が有する結晶欠陥に捕獲されるキャリアが増加する。そのため、より早く結晶欠陥が電荷によって埋め込まれて残像量が安定した状態となるものと、本願発明者は推測している。この残像量が安定した状態を以下に安定状態と称する。
そこで本願発明者は、以下のことを見出した。すなわち、検出部の変換素子への電圧の供給が開始されてから撮像動作が開始されるまでの間に、検出部を加熱することにより、変換素子への電圧の供給が開始されてから変換素子が安定状態となる時間が短くなる。それにより、電圧の供給が開始されてから撮像動作が開始されるまでの間の時間に行われる撮像準備動作の期間を短くすることが可能となる。なお、撮像動作と撮像準備動作については、後で詳細に説明する。この検出部の加熱は、変換素子に電圧が供給された際の温度より高くなればよく、推奨動作温度に対して10〜20℃程度上昇させればよく、従来の光源を備えたものに比べれば、少ない消費電力で同様の効果を得ることができる。ここで、推奨動作温度とは、検出器が好適なS/N比の信号を出力するよう推奨される検出器の温度であり、推奨動作温度範囲5〜35℃の間の所望の温度である。また、検出器の温度制御は、装置筐体内の空気や各種支持体として用いられる金属板や絶縁性基板などを利用することにより、容易に温度分布の制御を行うことが可能であり、光源による光の面内分布や輝度の制御に比べると容易に行うことができる。また、同様な理由により、検出器を加熱する手段は、同様の効果を得ようとする光源及びその駆動部に比べて軽量小型な構成を用いることができる。それにより、本発明は、撮像装置の特性の変動を好適に低減可能で且つ動作制御が簡便な軽量薄型の撮像装置又はそれを用いた撮像システムを提供することが可能となる。
次に、図1を用いて第1の実施形態の放射線撮像システムについて説明する。図1に示す本発明の放射線撮像システムは、撮像装置100、制御コンピュータ108、放射線制御装置109、放射線発生装置110、表示装置113、制御卓114を含む。撮像装置100は、放射線又は光を電気信号に変換する画素を複数備えた検出部101と、検出部101を駆動する駆動回路102と、駆動された検出部101からの電気信号を画像データとして出力する読出回路103と、を有する平面検出器104を含む。撮像装置100は更に、平面検出器(検出器)104からの画像データを処理して出力する信号処理部105と、各構成要素に夫々制御信号を供給して検出器104の動作を制御する制御部106と、各構成要素に夫々バイアスを供給する電源部107を含む。信号処理部105は、後述する制御コンピュータ108から制御信号を受けて制御部106に提供する。制御部106は、制御コンピュータ108からの制御信号を受けて、駆動回路102、読出回路103、信号処理部105、及び、電源部107のうちの少なくとも一つを制御する。電源部107は、不図示の外部電源や内蔵バッテリーから電圧を受けて検出部101、駆動回路102、読出回路103で必要な電圧を供給するレギュレータ等の電源回路を内包する。
制御コンピュータ108は、放射線発生装置110と撮像装置100との同期や、撮像装置100の状態を決定する制御信号の送信、撮像装置100からの画像データに対する補正・保存・表示のための画像処理を行う。また、制御コンピュータ108は、制御卓114からの情報に基づき放射線の照射条件を決定する制御信号を放射線制御装置109に送信する。また、制御コンピュータ108は、制御卓114からの情報に基づき、電源部107から検出部101への電圧の供給が開始されてから撮像動作が開始されるまでの時間(以下、撮像開始時間と称する)を得ることができる。制御コンピュータ108は、得られた撮像開始時間に基づいて制御部106に制御信号を与える。
放射線制御装置109は、制御コンピュータ108からの制御信号を受けて、放射線発生装置110に内包される放射線源111から放射線を照射する動作や、照射野絞り機構112の動作の制御を行う。照射野絞り機構112は、検出器104の検出部101に放射線又は放射線に応じた光が照射される領域である所定の照射野を変更することが可能な機能を有している。制御卓114は、制御コンピュータ108の各種制御のためのパラメータとして被検体の情報や撮像条件の入力を行い制御コンピュータ108に伝送する。表示装置113は、制御コンピュータ108で画像処理された画像データを表示する。
本実施形態の撮像装置100は、検出器104、信号処理部105、制御部106、及び電源部107に加えて、更に温度制御部115を筐体119の内部に有する。温度制御部115は、検出部101の変換素子を加熱する加熱部116と、検出部101の変換素子を冷却する冷却部117と、検出部101の変換素子の温度を検知する温度検知部118と、を含む。なお、温度制御部115は冷却部117及び温度検知部118を含まなくてもよいが、検出部101の画素の好適な温度制御のためには温度制御部115が冷却部117及び温度検知部118を含む方がより好ましい。温度制御部115は、検出部101の変換素子への電圧の供給が開始されてから撮像動作が開始されるまでの間に、つまり、撮像動作の開始の前に、検出部101を加熱するように、加熱部116を制御する。それにより、加熱していない場合に比べて、変換素子への電圧の供給が開始されてから変換素子が安定状態となる時間が短くなり、電圧の供給が開始されてから撮像動作が開始されるまでの間の時間に行われる撮像準備動作の期間を短くすることが可能となる。なお、撮像動作においては、推奨動作温度よりも温度が高いと、暗電流が多いためS/N比が良好ではない場合がある。そこで温度制御部115は、撮像動作開始までに変換素子が安定状態となった時点で、推奨動作温度まで冷却することが好ましい。具体的には、温度制御部115は、検出部101の変換素子が安定状態となったか否かを判定し、安定状態となったと判定された場合には、撮像動作における検出部101を推奨動作温度まで冷却するように、冷却部117を制御する。記憶手段119は、制御部106に含まれており、変換素子の温度と安定状態の完了の時間とに関する情報を予め記憶している。
次に、図2を用いて本発明の第1の実施形態に係る撮像装置を説明する。なお、図1を用いて説明した構成と同じものは同じ番号を付与してあり、詳細な説明は割愛する。また、図2では説明の簡便化のためにm行×n列の画素を有する検出器を含む撮像装置を示す。ここでmとnは2以上の整数であり、実際の撮像装置はより多画素であり、例えば17インチの撮像装置では約2800行×約2800列の画素を有している。
検出部101は、行列状に複数配置された画素を有する。画素は、放射線又は光を電荷に変換する変換素子201と、その電荷に応じた電気信号を出力するスイッチ素子202と、を有する。本実施形態では、変換素子に照射された光を電荷に変換する光電変換素子として、ガラス基板等の絶縁性基板上に配置されアモルファスシリコンを主材料とするPIN型フォトダイオードを用いる。変換素子としては、上述の光電変換素子の放射線入射側に放射線を光電変換素子が感知可能な波長帯域の光に変換する波長変換体を備えた間接型の変換素子や、放射線を直接電荷に変換する直接型の変換素子が好適に用いられる。スイッチ素子202としては、制御端子と2つの主端子を有するトランジスタが好適に用いられ、本実施形態では薄膜トランジスタ(TFT)が用いられる。変換素子201の一方の電極はスイッチ素子202の2つの主端子の一方に電気的に接続され、他方の電極は共通のバイアス配線Bsを介してバイアス電源107aと電気的に接続される。行方向の複数のスイッチ素子、例えばT11〜T1nは、それらの制御端子が1行目の駆動配線G1に共通に電気的に接続されており、駆動回路102からスイッチ素子の導通状態を制御する駆動信号が駆動配線を介して行単位で与えられる。このように駆動回路102が行単位でスイッチ素子202の導通状態と非導通状態を制御することにより、駆動回路102は行単位で画素を走査する。列方向の複数のスイッチ素子、例えばT11〜Tm1は、他方の主端子が1列目の信号配線Sig1に電気的に接続されており、スイッチ素子が導通状態である間に、変換素子の電荷に応じた電気信号を、信号配線を介して読出回路103に出力する。列方向に複数配列された信号配線Sig1〜Signは、複数の画素から出力された電気信号を並列に読出回路103に伝送する。
読出回路103は、検出部101から並列に出力された電気信号を増幅する増幅回路207を信号配線毎に対応して設けられている。また、各増幅回路207は、出力された電気信号を増幅する積分増幅器203と、積分増幅器203からの電気信号を増幅する可変増幅器204と、増幅された電気信号をサンプルしホールドするサンプルホールド回路205と、バッファアンプ206とを含む。積分増幅器203は、読み出された電気信号を増幅して出力する演算増幅器と、積分容量と、リセットスイッチと、を有する。積分増幅器203は、積分容量の値を変えることで増幅率を変更することが可能である。演算増幅器の反転入力端子には出力された電気信号が入力され、正転入力端子には基準電源107bから基準電圧Vrefが入力され、出力端子から増幅された電気信号が出力される。また、積分容量が演算増幅器の反転入力端子と出力端子の間に配置される。サンプルホールド回路205は、各増幅回路に対応して設けられ、サンプリングスイッチとサンプリング容量とによって構成される。また読出回路103は、各増幅回路207から並列に読み出された電気信号を順次出力して直列信号の画像信号として出力するマルチプレクサ208と、画像信号をインピーダンス変換して出力するバッファ増幅器209と、を有する。バッファ増幅器209から出力されたアナログ電気信号である画像信号Voutは、A/D変換器210によってデジタルの画像データに変換されて図1に示す信号処理部105へ出力される。そして、図1に示す信号処理部105で処理された画像データが制御コンピュータ108へ出力される。
駆動回路102は、図1に示す制御部106から入力された制御信号(D−CLK、OE、DIO)に応じて、スイッチ素子を導通状態にする導通電圧Vcomと非道通状態とする非導通電圧Vssを有する駆動信号を、各駆動配線に出力する。これにより、駆動回路102はスイッチ素子の導通状態及び非導通状態を制御し、検出部101を駆動する。
図1における電源部107は、図2に示すバイアス電源107a、増幅回路の基準電源107bを含む。バイアス電源107aは、バイアス配線Bsを介して各変換素子の他方の電極に共通に電圧Vsを供給する。基準電源107bは、各演算増幅器の正転入力端子に基準電圧Vrefを供給する。
図1に示す制御部106は、信号処理部105を介して装置外部の制御コンピュータ108等からの制御信号を受けて、駆動回路102、電源部107、読出回路103に各種の制御信号を与えて検出器104の動作を制御する。制御部106は、駆動回路102に制御信号D−CLKと制御信号OE、制御信号DIOを与えることによって、駆動回路102の動作を制御する。ここで、制御信号D−CLKは駆動回路として用いられるシフトレジスタのシフトクロックであり、制御信号DIOはシフトレジスタが転送するパルス、OEはシフトレジスタの出力端を制御するものである。また、制御部106は、読出回路103に制御信号RC、制御信号SH、及び制御信号CLKを与えることによって、読出回路103の各構成要素の動作を制御する。ここで、制御信号RCは積分増幅器のリセットスイッチの動作を、制御信号SHはサンプルホールド回路205の動作を、制御信号CLKはマルチプレクサ208の動作を制御するものである。
次に、図4(a)〜(c)を用いて、本実施形態の撮像装置の動作を説明する。ここで、図4(a)は撮像装置全体の駆動タイミングを概略的に示したものであり、図4(b)は図4(a)のA−A’箇所を詳細に示したもの、図4(c)は図4(a)のB−B’箇所を詳細に示したものである。
図4(a)及び(b)において、時刻t1において変換素子201に電圧Vsが供給されると、撮像装置100は撮像準備期間に撮像準備動作を行う。ここで、撮像準備動作とは、電圧Vsの印加開始に起因する検出器104の特性変動を安定化させるために、初期化動作Kを少なくとも1回行う動作であり、本実施形態では初期化動作Kを複数回繰り返し行っている。また、初期化動作Kとは、変換素子に蓄積動作前の初期のバイアスを与え、変換素子を初期化するための動作である。なお、図4(a)では、撮像準備動作として初期化動作K及び蓄積動作Wの一組を複数回繰り返し行う動作を行っている。次に、検出器104の特性変動が安定した時刻t3において、撮像装置100は、撮像動作を開始する。時刻t3から時刻t5の間の撮像期間のうちの時刻t3から時刻t4の間では、撮像装置100は、初期化動作Kと、蓄積動作Wと、画像出力動作Xと、を行う。撮像動作において、蓄積動作Wは変換素子が電荷を生成するために放射線の照射に応じた期間で行われる動作であり、画像出力動作Xは蓄積動作Wで生成された電荷に応じた電気信号に基づいて画像データを出力する動作である。ここで本実施形態において撮像動作の蓄積動作Wは、撮像準備動作の蓄積動作Wと同じ時間の長さで行っているが、本発明はそれに限定されるものではない。撮像準備動作の短縮化のためには撮像準備動作の蓄積動作Wの時間の長さが、撮像動作の蓄積動作Wの時間の長さより短い方が好ましい。また本実施形態では、放射線の照射が行われない暗状態で変換素子が電荷を生成するために、画像出力動作Xの前の蓄積動作Wと同じ時間の長さで行われる蓄積動作Wと、その蓄積動作Wで生成された電荷に基づいて暗画像データを出力する暗画像出力動作Fと、を行う。暗画像出力動作Fでは、画像出力動作Xと同様の動作が撮像装置100で行われる。時刻t5に撮像動作が終了すると、撮像装置100は撮像準備動作を再度開始し、次の撮像動作が開始される時刻t6まで撮像準備動作を継続する。
次に、図4(b)を用いて、撮像準備動作を詳細に説明する。図4(b)に示すように、初期化動作Kでは、まず制御部106からリセットスイッチに制御信号RCが与えられて積分増幅器203の積分容量及び信号配線がリセットされる。次に、変換素子201に電圧Vsが与えられた状態で、駆動回路102から駆動配線G1に導通電圧Vcomが与えられ、1行目の画素のスイッチ素子T11〜T13が導通状態とされる。このスイッチ素子の導通状態により、変換素子が初期化される。その際に変換素子の電荷がスイッチ素子により電気信号として出力されるが、本実施形態では制御信号SH及び制御信号CLKが出力されずサンプルホールド回路以降の回路を動作させていないため、読出回路103からその電気信号に応じたデータは出力されない。その後に再び制御部106から制御信号RCが出力されて積分容量及び信号配線がリセットされることにより、出力された電気信号は処理される。ただし、そのデータを補正などに使用したい場合には、制御信号SH及び制御信号CLKが出力されてサンプルホールド回路以降の回路を後述する画像出力動作や暗画像出力動作と同様に動作させてもよい。このようなスイッチ素子の導通状態の制御とリセットがm行目まで繰り返し行われることにより、検出器101の初期化動作がなされる。ここで、初期化動作においては、少なくともスイッチ素子の導通状態の間もリセットスイッチを導通状態に保ちリセットし続けていてもよい。また、初期化動作におけるスイッチ素子の導通時間は、後述する画像出力動作におけるスイッチ素子の導通時間より短くてもよい。また、初期化動作では複数行のスイッチ素子を同時に導通させてもよい。これらの場合には、初期化動作全体にかかる時間を短くすることが可能となり、より早く検出器の特性の変動を安定化させることが可能となる。なお、本実施形態の初期化動作Kは、撮像準備動作の後に行われる撮像動作に含まれる画像出力動作と同じ期間で行われている。蓄積動作Wでは、変換素子201に電圧Vsが与えられた状態で、スイッチ素子202には非導通電圧Vssが与えられており、全ての画素のスイッチ素子は非導通状態とされる。
次に、図4(c)を用いて、撮像動作を詳細に説明する。なお、先に説明した動作については割愛する。図4(c)に示すように、画像出力動作では、まず制御部106から制御信号RCが出力されて積分容量及び信号配線がリセットされる。そして、駆動回路102から駆動配線G1に導通電圧Vcomが与えられ、1行目のスイッチ素子T11〜T1nが導通状態とされる。これにより1行目の変換素子S11〜S1nで発生された電荷に基づく電気信号が各信号配線Sig1〜Signに出力される。各信号配線Sig1〜Signを介して並列に出力された電気信号は、それぞれ各増幅回路207の積分増幅器203及び可変増幅器204で増幅される。増幅された電気信号はそれぞれ、制御信号SHによりサンプルホールド回路が動作され、各増幅回路207内のサンプルホールド回路205に並列に保持される。保持された後、制御部106から制御信号RCが出力されて積分増幅器203の積分容量及び信号配線がリセットされる。リセットされた後、1行目と同様に2行目の駆動配線G2に導通電圧Vcomが与えられ、2行目のスイッチ素子T21〜T2nが導通状態とされる。2行目のスイッチ素子T21〜T2nが導通状態とされている期間内に、制御信号CLKに応じてマルチプレクサ208がサンプルホールド回路205に保持された電気信号を順次出力する。これにより並列に読み出された1行目の画素からの電気信号は直列の画像信号に変換して出力され、A/D変換器210が1行分の画像データに変換して出力する。以上の動作を1行目からm行目に対して行単位で行うことにより、1フレーム分の画像データが撮像装置から出力される。一方、暗画像出力動作Fでは、放射線の照射が行われない暗状態で画像出力動作Xと同様の動作が撮像装置100で行われる。
本実施形態では、時刻t1において画素の変換素子201に電圧Vsの供給が開始されると、制御部106は、加熱部116が検出部101の画素を加熱して画素の温度がTsからTiに上昇するように、温度制御部115の加熱部116を制御する。この加熱部116による加熱は、時刻t1から時刻t3までの間の少なくとも一部でなされる。加熱部116としては、装置筐体内の空気を加熱して循環させるものや、変換素子が設けられる絶縁性基板を機械的に保持する熱伝導率の高い金属板に熱的に接触して加熱するものが好適に用いられる。なお、制御部106は、撮像動作準備動作が終了して撮像動作が開始される時刻t3までの間に、画素の温度がTiから推奨動作温度Txに下降するように、温度制御部115の冷却部117を制御することが好ましい。本実施形態では、時刻t2において、冷却部117による冷却が開始され、Tiから推奨動作温度Txに下降するよう温度制御部15によって制御されている。冷却部117としては、装置筐体内の空気を装置筐体の外に放出して装置筐体内の空気を循環させるものや、金属板や絶縁性基板に熱的に接触して冷却するものが好適に用いられる。また、検出部101の画素の温度は、温度検知部118によって検知することにより監視され、制御部106は温度検知部118によって検知された画素の温度に応じて加熱部116及び冷却部117の少なくとも一方の制御を行うことが好ましい。更に、検出部101の変換素子の特性が、安定状態となったか否かを監視し、安定状態となったと判定された場合には、制御部106が撮像動作を開始するように、駆動回路102や読出回路103や冷却部117を制御することが好ましい。このような監視及び判定を行う判定手段は、制御部106が有していてもよく、制御コンピュータ108が有していてもよい。安定状態となったか否かを監視及び判定する方法としては、図4(b)に示す撮像準備動作において、図4(c)に示す撮像動作と同様に読出回路103に制御信号SH及びCLKが与えられて、読出回路104から出力される画像データを監視する。そしてその画像データが、所定の閾値と比較することによって判定することが好ましい。この場合、監視の容易性の向上のために、マルチプレクサが複数列の信号を同時に出力したり、積分増幅器203や可変増幅器206の増幅率を高くしたりすることにより、検出器104から得られる信号を大きくすることが望ましい。また、監視の精度の向上のために、撮像準備動作における初期化動作及び蓄積動作の期間が、撮像動作における初期化動作及び蓄積動作の期間に比べて短くすることが望ましい。撮像準備動作における画像データの取得周期を短くすることができ、判定の周期を短くできるためである。一方、予め温度と安定状態の完了の時間を測定して、変換素子の温度と安定状態の完了の時間とに関する情報として、制御部106が有する記憶手段119に記憶しておく。そして、温度制御部115により制御された撮像準備動作における変換素子の温度と、温度制御部115によって温度制御された時間と、記憶手段に記憶された情報と、に基づいて、判定手段が安定状態となったか否かを判定してもよい。具体的には、所定の温度に制御された時間が、記憶手段に記憶された当該温度における安定状態の完了の時間と比較し、完了の時間を超えた場合に、安定状態となったと判定する。ここで、安定状態の完了の時間は、画像データが所定の閾値を下回った時間をタイマーなどで計測してもよく、またその画像データが得られた動作のために与えられた制御信号を基に測定してもよい。また、上記記憶手段は、制御コンピュータ108が有してもよい。これらのことは本実施形態に限定されず、本発明の他の実施形態でも同様である。
次に、図5を用いて、本実施形態において撮像システムの動作フローを説明する。撮像システムの主電源を投入した後、制御用コンピュータ108からの要求に応じた制御部106が、電圧Vsを検出部101に供給するように電源部107を制御する。そして、検出器104が撮像準備動作を行うように、制御部106は検出器104を制御する。次に、温度制御部115の加熱部116が検出部101を加熱し、検出部101が所望の温度になるように温度制御部115により温度制御される。そして、検出部101の変換素子が安定状態となったか否かを判定し、安定状態ではないと判定された場合には、温度制御が継続される。一方、安定状態となったと判定された場合には、制御部106が温度制御部115を制御し、検出部101が推奨動作温度となるよう冷却部117を用いて検出部101を冷却し検出部101が所望の温度になるように温度制御部115により温度制御される。温度検知部118によって検出部101の温度は監視されており、検出部101が推奨動作温度となっていない場合には冷却が未完了と制御部106は判定し、温度制御部115による温度制御を継続する。検出部101が推奨動作温度となった場合には冷却が完了したと制御部106は判定し、放射線の曝射要求に備えて撮像準備動作を継続する。
放射線の曝射要求がない場合(NO)は、検出器104が撮像準備動作を継続して行うように、曝射要求がある場合(YES)は、検出器104が撮像動作を行うように、制御部106は検出器104を制御する。撮像動作が終了した後、終了要求がある場合(YES)は一連の動作を終了するように、制御部106が各要素を制御する。終了要求がない場合(NO)は、検出器104が再度撮像準備動作を行うように、制御部106は検出器104を制御する。
(第2の実施形態)
次に、図6(a)、(b)を用いて本発明の第2の実施形態に係る撮像装置を説明する。なお、図3に示す第1の実施形態の構成と同じものは同じ番号を付与してあり、詳細な説明は割愛する。また、図6(a)では図3と同様に説明の簡便化のために3行×3列の画素を有する検出器を含む撮像装置を示すが、実際の撮像装置はより多画素である。また、図6(b)は1画素の概略的等価回路を示すものである。
第1の実施形態の検出部101では、変換素子201にPIN型フォトダイオードを用いていたが、本実施形態の検出部101’では、変換素子601にMIS型変換素子としてMIS型光電変換素子を用いている。また、第1の実施形態では、変換素子201の他方の電極は共通のバイアス配線Bsを介してバイアス電源107aと電気的に接続されている。一方、本実施形態では、変換素子601の他方の電極は共通のバイアス配線Bsを介してバイアス電源107a’と電気的に接続されている。このバイアス電源107a’は、変換素子601の他方の電極に、電圧Vsとは別に変換素子601をリフレッシュするための電圧Vrを供給することが可能な構成となっている。
また、図6(b)に示すように、変換素子601は、第1の電極602と第2の電極606の間に半導体層604が、第1の電極602と半導体層604との間に絶縁層603が、それぞれ設けられている。また、半導体層604と第2の電極606との間に不純物半導体層605が設けられている。第2の電極606は、バイアス配線Bsを介してバイアス電源107a’と電気的に接続される。変換素子601は、変換素子201と同様に、第2の電極606にバイアス電源107a’から電圧Vsが供給され、第1の電極602にスイッチ素子602を介して基準電圧Vrefが供給されて、蓄積動作がなされる。また、第2の電極606にバイアス電源107a’を介してリフレッシュ用の電圧Vrが供給され、変換素子601はそのバイアス|Vr−Vref|によりリフレッシュがなされる。なお、このリフレッシュは、MIS型変換素子の半導体層604で発生し、不純物半導体層605を通過できずに半導体層604と絶縁層603との間に蓄積された電子−正孔対の一方を、第2電極606に向けて移動させて消滅させることである。なお、リフレッシュに関しては、後で詳細に説明する。
次に、図7を用いて、本発明の第2の実施形態に係る変換素子が有する残像量の時間依存性を説明する。なお、第2の実施形態に係る変換素子が有する暗電流量の時間依存性に関しては、図4(a)で説明したものと概略等しいため、詳細な説明は割愛する。
図7に示すように、残像量は変換素子に電圧が供給された直後に大きく現れ、時間が経過するに従って小さくなり所定値に収束する。これは、第1の実施形態で説明した原因に加えて、MIS型変換素子では以下の原因があることを、本願発明者は、誠意検討の結果、見出した。MIS型変換素子では、暗電流などにより発生した電子−正孔対の一方が半導体層604と絶縁層603との間に蓄積され、それにより変換素子に電圧が供給されてからの時間に応じて半導体層604と絶縁層603の界面の電位Vaが変動する。この電位Vaが変動するため、半導体層604にかかる電圧が変動することにより、MIS型変換素子では変換素子に電圧が供給されてからの時間に応じて感度が変動する。以下にこのことを感度変動と称する。この感度変動が起こっている状況で撮像動作が行われた場合、放射線又は光が照射された画素のMIS型変換素子では、照射された放射線又は光により発生した電子−正孔対の一方が半導体層604と絶縁層603との間に蓄積されて、電位Vaが大きく変動する。一方、放射線又は光が照射されない画素のMIS型変換素子では、放射線又は光によって発生する電子−正孔対に起因する電位Vaの変動は起こらない。そのため、放射線又は光が照射された画素と放射線又は光が照射されなかった画素とでは、MIS型変換素子の感度に差が生じる。この感度の差が、次の撮像動作間で得られる画像データに残像として現れる。このことは、半導体層604と絶縁層603との間に蓄積された電子−正孔対の一方のうち、消滅される量が少ないリフレッシュ動作が行われる場合には、特に顕著となる。
一方、十分な時間経過により、暗電流などにより発生した電子−正孔対の一方が半導体層604と絶縁層603との間に十分に蓄積されると、電位Vaが変換素子に電圧が供給されてからの時間に応じて所望の電位に収束する。電位Vaが収束することにより、撮影動作によって発生する感度の差が小さくなり、感度変動も収束し、変換素子が所望の感度で安定化する。これを安定状態と呼ぶ。安定状態では、光又は放射線の照射による電位Vaの変動も、リフレッシュ動作により抑制される。すなわち、光又は放射線の照射による変換素子の感度変動が抑制され、感度変動に起因する残像量が小さくなる。従って、図7に示すように、残像量は変換素子に電圧が供給された直後に大きく現れ、時間が経過するに従って小さくなり、安定状態における所定値に収束する。
また、本願発明者は更に以下を見出した。図7に示すように、変換素子の温度が高いほど、感度変動に起因する残像量が所定値に収束するまでの時間が短くなる。これは、温度が高いほど暗電流が増加し、それにより発生する電子−正孔対の量が多くなる。そのため、半導体層604と絶縁層603との間に蓄積される電子−正孔対の一方の量が多くなり、電位Vaが早く所望の電位に収束するためである。
次に、図8(a)〜(c)を用いて、本実施形態の撮像装置の動作を説明する。ここで、図8(a)は撮像装置全体の駆動タイミングを概略的に示したものであり、図8(b)は図8(a)のA−A’箇所を詳細に示したもの、図8(c)は図8(a)のB−B’箇所を詳細に示したものである。なお、図4(a)〜(c)に示す第1の実施形態の動作と同じものは同じ番号を付与してあり、詳細な説明は割愛する。
第1の実施形態の撮像準備動作は、初期化動作K及び蓄積動作Wの一組を複数回繰り返し行う動作であったが、本実施形態の撮像準備動作は、リフレッシュ動作Rと初期化動作Kと蓄積動作Wの一組を複数回繰り返し行う動作となっている。ここで、リフレッシュ動作とは、MIS型変換素子の半導体層604で発生し、不純物半導体層605を通過できずに半導体層604と絶縁層603との間に蓄積された電子−正孔対の一方を、第2電極606に向けて移動させて消滅させるための動作である。また、第1の実施形態の撮像動作は、初期化動作Kと蓄積動作Wと画像出力動作Xと初期化動作Kと蓄積動作Wと暗画像出力動作Fとを行う動作であったが、本実施形態の撮像動作は、各初期化動作Kの前にリフレッシュ動作Rを更に行う動作である。このリフレッシュ動作では、まずバイアス配線Bsを介して第2電極604にリフレッシュ用の電圧Vrが供給される。次に、各スイッチ素子を導通して第1電極602に基準電圧Vrefが供給され、変換素子601はそのバイアス|Vr−Vref|によりリフレッシュがなされる。複数の変換素子601は行単位で順次リフレッシュされ、全てのスイッチ素子が非導通にされると全ての変換素子601のリフレッシュが終了する。その後、バイアス配線Bsを介して変換素子601の第2電極606に電圧Vsが供給され、各スイッチ素子を導通して第1電極602に基準電圧Vrefが供給され、変換素子601にはバイアス|Vs−Vref|が供給される。全てのスイッチ素子が非導通にされると全ての変換素子601が撮像可能なバイアス状態となり、リフレッシュ動作が終了する。次に、変換素子601を初期化し暗示出力を安定化させるために初期化動作Kを行い、その後蓄積動作Wに遷移する。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、撮像装置の特性の変動を好適に低減可能で且つ動作制御が簡便な軽量薄型の撮像装置又はそれを用いた撮像システムを提供することが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、図9(a)を用いて本発明の第3の実施形態に係る撮像装置を説明する。なお、図1に示す第1の実施形態の構成と同じものは同じ番号を付与してあり、詳細な説明は割愛する。
第1の実施形態の撮像装置100は、検出器104、信号処理部105、制御部106、及び電源部107に加えて、更に温度制御部115を筐体119の内部に有する構成となっていた。一方、図9(a)に示すように、本実施形態の撮像装置100’は温度制御部115’が筐体119の外部に設けられている。つまり、加熱部116’は筐体119を加熱することにより検出部101の加熱を行い、冷却部117’は筐体119を冷却することにより検出部101の冷却を行い、温度検知部118’は筐体119の温度を検知することにより検出部101の温度検知を行う。ここで、加熱部116’は、筐体119の放射線の入射側で検出部101に相当する部位に対応して設けられることが好ましい。筐体119のこの部位は、放射線の透過性及び熱伝導率の高い炭素基板が用いられており、検出部101に対する均一な熱伝導に好適である。このような構成とすることにより、第1の実施形態に比べて、より薄型軽量化を図ることが可能となる。なお、本実施形態に係る各判定及び制御は、制御コンピュータ108によって制御部106を介してなされるが、撮像装置100’及び温度制御部115’の動作は、第1の実施形態の撮像装置100及び温度制御部115と同様である。温度制御部115’は、例えば臥位システムでは被検体を保持する寝台に備えられており、立位撮影システムでは撮像装置100を保持する機構に備えられている。また、記憶手段119は、制御コンピュータ108に含まれている。
次に、図9(b)を用いて本実施形態の撮像システムへの応用例を示す。図1に示す第1の実施形態の構成と同じものは同じ番号を付与してあり、詳細な説明は割愛する。
図9(b)では、撮像システムとして回診車901を使用したシステムを例示している。回診車901は、図示していないが制御コンピュータ108、放射線制御装置109、及び、表示装置115を有している。また、回診車901は、放射線発生装置110、制御卓114を備えている。また、回診車901は、移動可能な形態とするために、車輪902及び903、ハンドル904を有している。更に回診車901は、撮像装置100’を収容可能な収容部905を更に有しており、撮像装置100’に接するように、収容部905に温度制御部115’及び温度制御部115’に内包された温度検知部118’が設けられている。撮像装置100’は、収容部905に収容可能な構成となっており、また撮像動作を行う際には収容部905から取り出すことが可能な構成となっている。一方、撮像準備動作を行う際には、撮像装置100’は収容部905に収容され、収容部905に設けられた温度制御部115’により、第1及び第2の実施形態で示したような温度制御及び温度検知を行うことができる。
なお、本発明の各実施形態は、例えば制御部106に含まれるコンピュータや制御コンピュータ108がプログラムを実行することによって実現することもできる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。また、第1〜3の実施形態から容易に想像可能な組み合わせによる発明も本発明の範疇に含まれる。
100 撮像装置
101 検出部
102 駆動回路
103 読出回路
104 平面検出器
105 信号処理部
106 制御部
107 電源部
108 制御コンピュータ
109 放射線制御装置
110 放射線発生装置
111 放射線源
112 照射野絞り機構
113 表示装置
114 制御卓
115 温度制御部
116 加熱部
117 冷却部
118 温度検知部
119 記憶手段

Claims (10)

  1. 放射線又は光を電荷に変換する変換素子を複数備えた検出部と、前記電荷に応じた電気信号を前記検出部から出力するために前記検出部を駆動する駆動回路と、を含み、前記電気信号を出力する撮像動作を行う検出器と、
    前記変換素子を加熱する加熱部を含み、前記撮像動作の開始の前に前記加熱部が前記変換素子を加熱するように、前記加熱部を制御して前記変換素子の温度を制御する温度制御部と、
    を有する撮像装置。
  2. 前記変換素子に電圧を供給する電源部と、
    前記撮像動作と、前記電源部による前記電圧の供給の開始から前記撮像動作の開始の間の撮像準備動作と、を前記検出器が行うために、前記駆動回路及び前記電源部を制御する制御部と、
    を更に有し、
    前記温度制御部は、前記撮像準備動作が行われている間の期間において前記加熱部が前記変換素子を加熱するように、前記加熱部を制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置
  3. 前記温度制御部は、前記撮像動作の開始までに前記加熱部により加熱された前記変換素子を冷却する冷却部を更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4. 前記温度制御部は、前記変換素子の温度を検知する温度検知部を更に有し、
    前記制御部は、前記温度検知部で検知された前記変換素子の温度に応じて前記加熱部及び前記冷却部の少なくとも一方の制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記変換素子が安定状態となったか否かを判定する判定手段を更に含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記変換素子の温度と安定状態の完了の時間とに関する情報を記憶した記憶手段を更に含み、
    前記判定手段は、前記温度制御部によって制御された前記変換素子の温度と、前記温度制御部によって温度制御された時間と、前記記憶手段に記憶された前記情報と、に基づいて前記変換素子が安定状態となったか否かを判定することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像装置と、
    前記制御部に制御信号を送信する制御コンピュータと、
    を含む撮像システム。
  8. 前記撮像装置は、少なくとも前記検出器を内部に有する筐体を有し、
    前記温度制御部は前記筐体の外部に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の撮像システム。
  9. 前記撮像装置を収容する収容部を更に有し、
    前記温度制御部は、前記収容部に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の撮像システム。
  10. 放射線又は光を電荷に変換する変換素子を複数備えた検出部と、前記電荷に応じた電気信号を前記検出部から出力するために前記検出部を駆動する駆動回路と、を含む検出器を有する撮像装置の制御方法であって、
    前記電気信号を出力する撮像動作を行う工程と、
    前記撮像動作の開始の前に、前記変換素子を加熱する工程と、
    を含む撮像装置の制御方法。
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