JP6499905B2 - 溶融炉の酸素洗浄装置及び溶融炉の酸素洗浄方法 - Google Patents

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Description

本開示は、溶融炉の酸素洗浄装置及び溶融炉の酸素洗浄方法に関する。
廃棄物を溶融させ、溶融スラグを回収するための廃棄物溶融炉が知られている。廃棄物溶融炉の操業においては、炉底部内の酸素洗浄作業が行われる。この作業は、溶融スラグの出湯口から酸素供給パイプを挿入して炉底部内に酸素を供給し、パイプ自体の燃焼熱等によって不完全な溶融部を流動化させるものである。
炉底部内は高温であるため、酸素供給パイプは先端部側から徐々に消耗する。このような条件下にて酸素洗浄を確実に遂行するには、酸素供給パイプの先端部の位置をリアルタイムに検出することが望まれる。これに対し、例えば特許文献1には、マイクロ波を利用して酸素ランスパイプ(酸素供給パイプ)の長さを測定し、これにより当該パイプの先端位置を求めるように構成された酸素洗浄装置が開示されている。
特開2004−61104号公報
上述した酸素洗浄装置によれば、酸素ランスパイプの先端部の位置を求めることができるものの、その位置がどのような状況下にあるのかを検出できない。このため、炉内状況に応じて酸素洗浄を効率的に遂行するのは難しい。
そこで本開示は、炉内状況に応じて酸素洗浄を効率的に遂行できる酸素洗浄装置及び酸素洗浄方法を提供することを目的とする。
本開示に係る酸素洗浄装置は、溶融炉の炉底部内に酸素を供給するための酸素供給パイプと、酸素供給パイプを保持し、炉底部内に対して進退させるためのパイプ保持部と、酸素供給パイプからパイプ保持部への反力を検出する力センサと、パイプ保持部の位置を検出する位置センサと、酸素供給パイプの長さを検出する長さセンサと、反力に基づいて、酸素供給パイプの先端部の周囲における溶融の程度が十分であるかを判定し、当該溶融の程度が不十分であると判定した場合に、パイプ保持部の位置と酸素供給パイプの長さとに基づいて酸素供給パイプの先端部の位置を求め、当該先端部の位置に対応するように酸素洗浄の対象位置を特定する演算部と、を備える。
この酸素洗浄装置によれば、酸素供給パイプの先端部の周囲における溶融の程度が十分であるかを判定した結果と、酸素供給パイプの先端部の位置を求めた結果とに基づいて、溶融の程度が不十分な位置に対応するように酸素洗浄の対象位置が特定される。従って、炉内状況に応じて酸素洗浄を効率的に遂行できる。
演算部は、酸素供給パイプが炉底部内から後退するときの反力に基づいて、酸素供給パイプの先端部の周囲における溶融の程度が十分であるかを判定してもよい。酸素供給パイプが炉底部内に前進するときには、酸素供給パイプが炉底部内から後退するときに比べて、溶融の程度以外に起因する反力上昇が生じ易い。例えば、酸素供給パイプが炉底部内に前進するときには、酸素供給パイプの先端部が炉内加熱用の固形燃料に衝突することによっても反力上昇が生じ得る。これに対し、酸素供給パイプが炉底部内から後退するときには、溶融の程度以外に起因する反力上昇が生じ難い。従って、酸素供給パイプが炉底部内から後退するときの反力に基づいて、酸素供給パイプの先端部の周囲における溶融の程度が十分であるかを判定することで、酸素洗浄の対象位置をより的確に特定できる。
パイプ保持部を介して酸素供給パイプを炉底部内に対して進退させるアクチュエータと、演算部により酸素洗浄の対象位置が特定される前に、酸素供給パイプを炉底部内に前進させるようにアクチュエータを制御し、反力が大きくなるのに応じて、酸素供給パイプを炉底部内から後退させるようにアクチュエータを制御する進退制御部と、を更に備えてもよい。この場合、酸素供給パイプが炉底部内から後退するときの反力に基づいて溶融の程度を判定する構成において、当該判定を行うための酸素供給パイプの進退操作を自動化できる。従って、酸素洗浄をより効率的に遂行できる。
酸素供給パイプから炉底部内への酸素の供給量を調節する供給調節機構と、演算部により酸素洗浄の対象位置が特定された後に、酸素洗浄の対象位置が特定される前に比べて酸素の供給量を多くするように供給調節機構を制御する供給制御部と、を更に備えてもよい。この場合、特定された対象位置に対する酸素洗浄を自動化できる。従って、酸素洗浄をより効率的に遂行できる。
進退制御部は、演算部により酸素洗浄の対象位置が特定された後に、酸素洗浄の対象位置を含む範囲で酸素供給パイプの先端部を往復させるようにアクチュエータを制御し、供給制御部は、酸素洗浄の対象位置を含む範囲で酸素供給パイプの先端部が往復しているときに、酸素洗浄の対象位置が特定される前に比べて酸素の供給量を多くするように供給調節機構を制御してもよい。この場合、特定された対象位置及びその周辺に対する酸素洗浄を自動化できる。従って、酸素洗浄をより確実に遂行できる。
炉底部内の溶融の程度に関する情報を表示するように構成された表示部を更に備え、演算部は、反力に基づいて炉底部内の溶融の程度を導出し、当該溶融の程度に関する情報を表示部に表示させてもよい。この場合、炉底部内の溶融の程度に関する情報を表示することで、炉底部内の溶融の程度を適正化するための処理を作業者に促すことができる。
炉底部から取り出される溶融物の温度を検出する温度センサを更に備え、演算部は、炉底部内の溶融の程度と、溶融物の温度とに応じて、炉底部内の溶融の程度を高めるための処理内容を導出し、当該処理内容を前記表示部に表示させてもよい。この場合、炉底部内の溶融の程度を高めるのに適切な処理を作業者に促すことができる。
演算部は、予め設定された第一の閾値に比べて炉底部内の溶融の程度が低く、且つ予め設定された第二の閾値に比べて溶融物の温度が高い場合には、廃棄物の融点調節剤の量を調整することを処理内容として導出し、第一の閾値に比べて炉底部内の溶融の程度が低く、且つ第二の閾値に比べて溶融物の温度が低い場合には、炉底部内の温度を高めることを処理内容として導出してもよい。この場合、炉底部内の溶融の程度を高めるのに適切な処理の一例として、溶融物の温度が高い場合には融点調整剤の量を調整することを促し、溶融物の温度が低い場合には炉底部内の温度を高めることを促すことができる。
演算部は、酸素供給パイプの先端部が炉底部内に入り、炉底部外に出るまでの間に検出される反力の平均値を炉底部内の溶融の程度として導出してもよい。この場合、炉底部内の様々な位置において取得された反力の値を用いることで、炉底部内の溶融の程度をより的確に導出できる。
演算部は、酸素供給パイプの先端部が炉底部内に入り、炉底部外に出るまでの間において、酸素供給パイプが炉底部内から後退するときに検出される反力の平均値を炉底部内の溶融の程度として導出してもよい。上述したように、酸素供給パイプが炉底部内から後退するときには、溶融の程度以外に起因する反力上昇が生じ難い。このため、炉底部内の溶融の程度をより的確に導出できる。
本開示に係る酸素洗浄方法は、溶融炉の炉底部内に酸素を供給するための酸素供給パイプと、酸素供給パイプを保持し、炉底部内に対して進退させるためのパイプ保持部と、を用い、酸素供給パイプからパイプ保持部への反力を検出すること、パイプ保持部の位置を検出すること、酸素供給パイプの長さを検出すること、反力に基づいて、酸素供給パイプの先端部の周囲における溶融の程度が十分であるかを判定し、当該溶融の程度が不十分であると判定した場合に、パイプ保持部の位置と酸素供給パイプの長さとに基づいて酸素供給パイプの先端部の位置を求め、当該先端部の位置に対応するように酸素洗浄の対象位置を特定すること、を含む。
酸素供給パイプが炉底部内から後退するときの反力に基づいて、酸素供給パイプの先端部の周囲における溶融の程度が十分であるかを判定してもよい。
パイプ保持部を介して酸素供給パイプを炉底部内に対して進退させるアクチュエータを更に用い、酸素洗浄の対象位置を特定する前に、酸素供給パイプを炉底部内に前進させるようにアクチュエータを制御し、反力が大きくなるのに応じて、酸素供給パイプを炉底部内から後退させるようにアクチュエータを制御することを更に含んでもよい。
酸素供給パイプから炉底部内への酸素の供給量を調節する供給調節機構を更に用い、酸素洗浄の対象位置を特定した後に、酸素洗浄の対象位置を特定する前に比べて酸素の供給量を増やすように供給調節機構を制御することを更に含んでもよい。
酸素洗浄の対象位置を特定した後に、酸素洗浄の対象位置を含む範囲で酸素供給パイプの先端部を往復させるようにアクチュエータを制御することを更に含み、酸素洗浄の対象位置を含む範囲で酸素供給パイプの先端部が往復しているときに、酸素洗浄の対象位置を特定する前に比べて酸素の供給量を多くするように供給調節機構を制御してもよい。
反力に基づいて炉底部内の溶融の程度を導出し、当該溶融の程度を調整する処理を実行することを更に含んでもよい。
炉底部から取り出される溶融物の温度を検出することを更に含み、炉底部内の溶融の程度と、前記溶融物の温度とに応じて、前記炉底部内の溶融の程度を高めるための処理を実行してもよい。
予め設定された第一の閾値に比べて炉底部内の溶融の程度が低く、且つ予め設定された第二の閾値に比べて溶融物の温度が高い場合には、廃棄物の融点調節剤の量を調整することを実行し、第一の閾値に比べて炉底部内の溶融の程度が低く、且つ第二の閾値に比べて溶融物の温度が低い場合には、炉底部内の温度を高めることを実行してもよい。
酸素供給パイプの先端部が炉底部内に入り、炉底部外に出るまでの間に検出される反力の平均値を炉底部内の溶融の程度として導出してもよい。
酸素供給パイプの先端部が炉底部内に入り、炉底部外に出るまでの間において、酸素供給パイプが炉底部内から後退するときに検出される反力の平均値を炉底部内の溶融の程度として導出してもよい。
本開示によれば、炉内状況に応じて酸素洗浄を効率的に遂行できる。
酸素洗浄装置の概略構成を示す模式図である。 コントローラのハードウェア構成図である。 酸素洗浄装置の運転手順を示すフローチャートである。 自動制御の実行手順を示すフローチャートである。 洗浄中における酸素供給パイプの動きを示す模式図である。 洗浄中における酸素供給パイプの動きを示す模式図である。 洗浄中における酸素供給パイプの動きを示す模式図である。 洗浄中における酸素供給パイプの動きを示す模式図である。 炉内状況の表示手順を示すフローチャートである。 炉内状況の導出結果を例示するグラフである。
以下、実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
〔酸素洗浄装置〕
図1に示す酸素洗浄装置1は、廃棄物溶融炉の炉底部8の酸素洗浄を行うための装置である。炉底部8は、廃棄物溶融炉の最下部に位置し、廃棄物の溶融により生成された溶融スラグ(溶融物)81を蓄積する。炉底部8の周壁には、溶融スラグ81を取り出すための出湯口8aが設けられている。
溶融スラグ81は、溶融の程度の低い部分(以下、「不完全な溶融部分」という。)を含む場合がある。酸素洗浄装置1は、酸素供給パイプ2を通して炉底部8内に酸素を供給することにより、酸素供給パイプ2自体の燃焼熱等によって不完全な溶融部分83を十分に溶融させるための装置である。
酸素洗浄装置1は、酸素供給パイプ2と、酸素供給源3と、パイプ保持部4と、アクチュエータ5と、表示部6と、温度センサ9と、コントローラ100とを備える。
酸素供給パイプ2は、炉底部8内に酸素を供給するためのものである。酸素供給パイプ2は、その基端部2bの周壁に酸素受入口2cを有している。
酸素供給源3は、供給管31を介して酸素供給パイプ2の酸素受入口2cに接続されており、酸素受入口2cに酸素を供給する。酸素供給源3から酸素受入口2cに供給された酸素は、酸素供給パイプ2内を通って酸素供給パイプ2の先端部2aから吐出される。供給管31には、供給調節バルブ32が設けられている。すなわち、酸素洗浄装置1は供給調節バルブ32を更に備える。供給調節バルブ32は例えば電磁弁であり、供給管31内の開度を調節する。これにより、酸素供給源3から酸素受入口2cへの酸素の供給量が調節されるので、供給調節バルブ32は、酸素供給パイプ2から炉底部8内への酸素の供給量を調節する供給調節機構として機能する。
パイプ保持部4は、酸素供給パイプ2を保持し、炉底部8内に対して進退させるためのものである。パイプ保持部4は、第一ブロック41と、第二ブロック42と、連結部材43と、力センサ44と、長さセンサ45とを有する。
第一ブロック41の中心部には、直状の軸線L1に沿う挿通孔41aが形成されている。第二ブロック42は、軸線L1に沿って第一ブロック41に並ぶように配置されており、複数の連結部材43を介して第一ブロック41に連結されている。複数の連結部材43は、軸線L1を囲むように配置され、それぞれ軸線L1に沿った棒状を呈する。力センサ44は、例えばひずみゲージ式のロードセルであり、一本の連結部材43の途中に設けられている。
第一ブロック41の挿通孔41aには、第二ブロック42の逆側から酸素供給パイプ2の基端部2bが挿通される。挿通孔41aに通された基端部2bは第二ブロック42に取り付けられる。すなわち酸素供給パイプ2は、その長手方向が軸線L1に沿った状態でパイプ保持部4に取り付けられる。酸素供給パイプ2からパイプ保持部4への反力が作用すると、連結部材43に軸力が生じ、この軸力が力センサ44により検出される。このため、酸素供給パイプ2からパイプ保持部4への反力を力センサ44によって検出することが可能である。
長さセンサ45は、第二ブロック42に取り付けられた酸素供給パイプ2の基端部2bに対向するように配置され、第二ブロック42に固定されている。長さセンサ45は、酸素供給パイプ2の長さを検出する。長さセンサ45は、例えばマイクロ波距離計であり、マイクロ波を出力して酸素供給パイプ2の基端部2bに伝播させ、酸素供給パイプ2の先端部2aから反射して戻ってくるマイクロ波に基づいて酸素供給パイプ2の全長を検出する。
アクチュエータ5は、回転アクチュエータ51と、駆動ホイール52と、チェーン53とを有する。
回転アクチュエータ51は、例えば電動モータ等の動力源と、減速機とにより構成されている。駆動ホイール52は、回転アクチュエータ51の出力軸に固定されている。チェーン53は、一対の従動ホイール54A,54Bに架け渡されている。従動ホイール54A,54Bは、駆動ホイール52の下方に配置され、上記軸線L1に沿って並んでいる。チェーン53のうち、従動ホイール54A,54Bの上側に位置する部分は、軸線L1に沿って並ぶ従動ホイール55A,55Bを介して上側に引き出され、駆動ホイール52に掛けられている。
チェーン53のうち、従動ホイール54A,54Bの下側に位置する部分には、パイプ保持部4の第一ブロック41が固定されている。このため、回転アクチュエータ51が駆動ホイール52を回転させると、チェーン53に固定された第一ブロック41が軸線L1に沿って進退する。
位置センサ56は、パイプ保持部4の位置の一例として、軸線L1に沿う方向における第一ブロック41の位置を検出する。例えば、位置センサ56は、回転アクチュエータ51の出力軸に取り付けられたロータリーエンコーダであり、回転アクチュエータ51の出力軸の回転角度に基づいて第一ブロック41の位置を検出する。
アクチュエータ5は、酸素供給パイプ2の先端部2aが炉底部8の出湯口8aに対向するように配置される。このため、軸線L1に沿ってパイプ保持部4が進退すると、炉底部8内に対して酸素供給パイプ2が進退する。すなわち、アクチュエータ5は、パイプ保持部4を介して酸素供給パイプ2を炉底部8内に対して進退させる。
なお、以上に例示したアクチュエータ5の構成では、回転アクチュエータ51の回転をパイプ保持部4の進退に変換するのにチェーン式の機構を用いているが、これに限られない。例えば、チェーン式の機構をボールねじ式の機構に置き換えてもよい。
表示部6は、例えば液晶モニタ等であり、入力に応じて各種情報を表示するように構成されている。
温度センサ9は、例えば熱電対等により構成され、炉底部8の周壁に埋設されている。
温度センサ9は、炉底部8から取り出される溶融スラグ81の温度を検出する。
コントローラ100は、各種演算を実行する演算部111と、アクチュエータ5を制御する進退制御部112と、供給調節バルブ32を制御する供給制御部113とを有する。なお、演算部111、進退制御部112及び供給制御部113は、コントローラ100の機能的な構成を示すブロックなので、コントローラ100のハードウェアが必ずしもこれらのブロックに分離している必要はない。
コントローラ100は、ハードウェア構成として、例えば図2に示す回路120を有する。回路120は、プロセッサ121と、メモリ122と、ストレージ123と、入出力ポート124と、ドライバ125とを有する。ドライバ125は、アクチュエータ5を駆動するための回路である。入出力ポート124は、力センサ44、長さセンサ45、位置センサ56、供給調節バルブ32、及び表示部6等との間でデータの入出力を行う。入出力ポート124は、ドライバ125との間でもデータの入出力を行い、例えばアクチュエータ5に対する駆動指令をドライバ125に出力する。プロセッサ121は、メモリ122及びストレージ123の少なくとも一方と協働してプログラムを実行することで、演算部111、進退制御部112及び供給制御部113としての機能を構成する。
なお、コントローラ100のハードウェア構成は、必ずしもプログラムの実行により各種機能を構成するものに限られない。例えばコントローラ100は、専用の論理回路により又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)によりこれらの機能を構成するものであってもよい。
〔酸素洗浄手順〕
以下、酸素洗浄方法の一例として、酸素洗浄装置1を用いた酸素洗浄手順について説明する。
(酸素洗浄手順の概要)
この酸素洗浄手順は、図3に示すステップS01〜S04により構成される。ステップS01では、コントローラ100による制御に必要なパラメータを作業者が設定する。パラメータとしては、アクチュエータ5による酸素供給パイプ2の送り速度等が挙げられる。ステップS02では、作業者からの指令入力に応じ、コントローラ100が酸素洗浄装置1の自動運転を実行する。後述するように、コントローラ100は、ステップS02において、炉底部8内の溶融の程度を導出し、これに関する情報を表示部6に表示させる。ステップS03では、表示部6の表示内容を作業者が確認する。ステップS04では、ステップS03にて確認した内容に基づいて、炉底部8内の溶融の程度を調整する処理を作業者が実行する。
(自動運転の手順)
続いて、ステップS02における酸素洗浄装置1の自動運転手順について詳述する。図4に示すように、コントローラ100は、まずステップS11〜S13を実行する。ステップS11では、進退制御部112が、酸素供給パイプ2を炉底部8内に前進させるようにアクチュエータ5を制御する。
ステップS12では、進退制御部112が、酸素供給パイプ2からパイプ保持部4への反力を検出するように力センサ44を制御し、その検出結果を取得する。以下、ステップS12において取得される反力を「前進時反力」という。また、前進時反力の大きさは、その絶対値の大きさを意味する。
ステップS13では、前進時反力が、予め設定された基準反力T1に比べて大きいか否かを進退制御部112が判定する。基準反力T1は、例えば実験により設定可能である。基準反力T1は、上記ステップS01において設定されてもよい。
図5及び図6は、前進時反力が基準反力T1を上回り得る状況を例示している。図5では、炉底部8内においてコークスの塊82Aに酸素供給パイプ2の先端部2aが衝突することで、前進時反力が基準反力T1を上回る。図6では、炉底部8内において先端部2aが不完全な溶融部分83に進入することで、前進時反力が基準反力T1を上回る。
ステップS13において、前進時反力が基準反力T1に比べて小さいと判定した場合、コントローラ100は処理を後述のステップS22に進める。
ステップS13において、前進時反力が基準反力T1に比べて大きいと判定した場合、コントローラ100はステップS14〜S16を実行する。ステップS14では、進退制御部112が、酸素供給パイプ2を炉底部8内から後退させるようにアクチュエータ5を制御する。すなわち、この自動運転手順は、酸素供給パイプ2からパイプ保持部4への反力が大きくなるのに応じて(例えば基準反力T1を超えるのに応じて)、酸素供給パイプ2を炉底部8内から後退させるようにアクチュエータを制御することを含む。
ステップS15では、演算部111が、酸素供給パイプ2からパイプ保持部4への反力を検出するように力センサ44を制御し、その検出結果を取得する。以下、ステップS15において取得される反力を「後退時反力」という。また、後退時反力の大きさは、その絶対値の大きさを意味する。
ステップS16では、後退時反力が、予め設定された基準反力T2に比べて大きいか否かを演算部111が判定する。基準反力T2は、例えば実験により設定可能である。基準反力T2は、上記ステップS01において設定されてもよい。
図5は、後退時反力が基準反力T2を下回り得る状況を例示しており、図6は、後退時反力が基準反力T2を上回り得る状況を例示している。図5では、酸素供給パイプ2の先端部2aの周囲に不完全な溶融部分83が存在していないので、先端部2aに作用する粘性抵抗が小さい。このため、後退時反力が基準反力T2を下回る。図6では、先端部2aの周囲に不完全な溶融部分83が存在しているので、先端部2aに作用する粘性抵抗が大きい。このため、後退時反力が基準反力T2を上回る。
このように、後退時反力の大きさは、先端部2aの周囲における溶融の程度に相関する。このため、後退時反力が基準反力T2に比べて大きいか否かを判定することは、先端部2aの周囲における溶融の程度が十分であるか否かを判定することの一例に相当する。
ステップS16において、後退時反力が基準反力T2に比べて小さいと判定した場合、コントローラ100は処理をステップS21に進める。後述するように、ステップS21では、炉底部8内への酸素供給パイプ2の前進が再開される。このため、図5に例示した状況においては、酸素供給パイプ2がコークスの塊82Aよりも深部に前進する(図7参照)。
ステップS16において、後退時反力が基準反力T2に比べて大きいと判定した場合、コントローラ100はステップS17〜S20を実行する。ステップS17では、演算部111が、酸素洗浄の対象位置を特定する。演算部111は、第一ブロック41の位置を検出するように位置センサ56を制御し、酸素供給パイプ2の長さを検出するように長さセンサ45を制御し、これらの検出結果に基づいて酸素供給パイプ2の先端部2aの位置を求める。例えば演算部111は、第一ブロック41の位置から酸素供給パイプ2の基端部2bまでの距離を酸素供給パイプ2から減算した値を第一ブロック41の位置に加算して先端部2aの位置を算出する。その後演算部111は、算出した先端部2aの位置に対応するように酸素洗浄の対象位置を特定する。例えば演算部111は、算出した先端部2aの位置自体を酸素洗浄の対象位置として特定してもよいし、算出した先端部2aの位置の近傍を酸素洗浄の対象位置として特定してもよい。
ステップS18では、酸素洗浄の対象位置が特定される前に比べて酸素の供給量を多くするように、供給制御部113が供給調節バルブ32を制御する。
ステップS19では、酸素洗浄の対象位置を含む範囲で酸素供給パイプ2の先端部2aを往復させるように進退制御部112がアクチュエータ5を制御する。このときも、酸素洗浄の対象位置が特定される前に比べて酸素の供給量を多くするように、供給制御部113が供給調節バルブ32を制御する。
ステップS18,S19の実行により、先端部2aの近傍において局所的な燃焼が発生し、その熱によって不完全な溶融部分83が十分に溶融させられる(図8参照)。
ステップS20では、酸素の供給量を酸素洗浄の対象位置が特定される前の量に戻すように、供給制御部113が供給調節バルブ32を制御する。
次に、コントローラ100はステップS21を実行する。ステップS21では、進退制御部112が、炉底部8内への酸素供給パイプ2の前進を再開させるようにアクチュエータ5を制御する。
次に、コントローラ100はステップS22を実行する。ステップS22では、進退制御部112が酸素供給パイプ2の先端部2aの位置を算出する。進退制御部112は、第一ブロック41の位置を検出するように位置センサ56を制御し、酸素供給パイプ2の長さを検出するように長さセンサ45を制御し、これらの検出結果に基づいて先端部2aの位置を求める。例えば進退制御部112は、第一ブロック41の位置から酸素供給パイプ2の基端部2bまでの距離を酸素供給パイプ2の長さから減算した値を第一ブロック41の位置に加算して先端部2aの位置を算出する。
次に、コントローラ100はステップS23を実行する。ステップS23では、ステップS22において算出された先端部2aの位置が、予め設定された目標位置に到達したか否かを進退制御部112が判定する。目標位置は、例えば、炉底部8内において出湯口8aの逆側の位置に設定される。目標位置は、上記ステップS01において設定されてもよい。
ステップS23において、先端部2aが目標位置に到達していないと判定した場合、コントローラ100は処理をステップS02に戻す。これにより、先端部2aが目標位置に到達するまで酸素洗浄が継続される。
ステップS23において、先端部2aが目標位置に到達していると判定した場合、コントローラ100はステップS24,S25を実行する。ステップS24では、酸素供給パイプ2を炉底部8内から引き抜くように、進退制御部112がアクチュエータ5を制御する。ステップS25では、演算部111が炉内状況を導出し、当該情報を表示部6に表示させる。以上で酸素洗浄装置1の自動運転が完了する。
なお、ステップS12,S13においては、一度検出された前進時反力が基準反力T1を超えているか否かを判定しているが、これに限られない。例えば、一定時間ステップS12を繰り返し、その結果得られた複数の前進時反力の平均値が基準反力T1を超えているか否かを判定してもよい。ステップS14,S15においても、一度検出された後退時反力が基準反力T2を超えているか否かを判定しているが、これに限られない。例えば、一定時間ステップS14を繰り返し、その結果得られた複数の後退時反力の平均値が基準反力T2を超えているか否かを判定してもよい。
(炉内状況の表示手順)
続いて、ステップS25における炉内状況の表示手順について詳述する。図9に示すように、コントローラ100は、まずステップS31を実行する。ステップS31では、演算部111が、炉底部8内における溶融スラグ81の溶融の程度を導出する。一例として、演算部111は、酸素供給パイプ2の先端部2aが炉底部8内に入り、炉底部8外に出るまでの間に取得された反力の平均値(以下、「炉内反力平均値」という。)を炉底部8内の溶融の程度として導出する。
演算部111は、先端部2aが炉底部8内に入り、炉底部8外に出るまでの間に取得された全ての後退時反力の平均値を炉内反力平均値として導出してもよい。演算部111は、先端部2aが炉底部8内に入り、炉底部8外に出るまでの間に取得された前進時反力及び後退時反力を含む全ての反力の平均値を炉内反力平均値として導出してもよい。演算部111は、先端部2aが炉底部8内に入り、炉底部8外に出るまでの間に取得された後退時反力のうち、予め設定した基準反力を上回った反力の平均値を炉内反力平均値として導出してもよい。この場合の基準反力は、上記基準反力T2と同じであってもよいし、上記ステップS01において基準反力T2とは別に設定されてもよい。
次に、コントローラ100はステップS32を実行する。ステップS32では、演算部111が、溶融スラグ81の温度を検出するように温度センサ9を制御し、その検出結果を取得する。以下、ステップS32において取得される温度を「出湯温度」という。
次に、コントローラ100はステップS33を実行する。ステップS33では、予め設定された基準反力T3(第一の閾値)に比べて炉内反力平均値が大きいか否かを判定する。なお、炉内反力平均値が大きいことは、炉底部8内の溶融の程度が低いことに相当する。このため、炉内反力平均値が基準反力T3に比べて大きいか否かを判定することは、予め設定された第一の閾値に比べて炉底部8内の溶融の程度が低いか否かを判定することの一例に相当する。基準反力T3は、上記ステップS01において設定されてもよい。
ステップS33において、炉内反力平均値が基準反力T3に比べて大きいと判定した場合(第一の閾値に比べて炉底部8内の溶融の程度が低いと判定した場合)、コントローラ100はステップS34を実行する。
ステップS34では、予め設定された基準温度T4(第二の閾値)に比べて出湯温度が高いか否かを判定する。
ステップS34において、基準温度T4に比べて出湯温度が高いと判定した場合、コントローラ100はステップS35を実行する。ステップS35では、演算部111が、廃棄物の融点調節剤の量を調整することを行うべき処理内容として導出する。廃棄物の融点調節剤としては、例えば消石灰が挙げられる。
ステップS34において、基準温度T4に比べて出湯温度が低いと判定された場合、コントローラ100はステップS36を実行する。ステップS36では、演算部111が、炉底部8内の温度を高めることを行うべき処理内容として導出する。炉底部8内の温度を高めるための具体的な処理内容としては、廃棄物溶融炉の羽口に吹き込まれる酸素量を増やすこと、コークス82の装入量を増やすこと等が挙げられる。
ステップS33において、基準反力T3に比べて炉内反力平均値が小さいと判定した場合(第一の閾値に比べて炉底部8内の溶融の程度が高いと判定した場合)、コントローラ100はステップS37を実行する。ステップS37では、演算部111が、行うべき処理内容を「なし」に設定する。
次に、コントローラ100はステップS38を実行する。ステップS38では、演算部111が、炉底部8内の溶融の程度に関する情報を表示部6に表示させる。一例として、演算部111は、ステップS31において導出された炉内反力平均値と、ステップS35,S36にて導出された処理内容とを表示部6に表示させる。
図10は、上述した自動運転を12回実行して得られた炉内反力平均値及び出湯温度を示すグラフである。横軸は、自動運転の実行回数を示している。実線で示す折れ線は、炉内反力平均値の導出結果を示している。破線で示す折れ線は、出湯温度の検出結果を示している。横軸に平行な一点鎖線は、基準反力T3及び基準温度T4を示している。このグラフにおいて、炉内反力平均値は、2回目、6回目、8回目、9回目、10回目及び11回目において基準反力T3を上回っている。このうち、2回目、8回目、9回目、10回目及び11回目においては、出湯温度も基準温度T4を上回っているので、廃棄物の融点調節剤の量を調整することが行うべき処理内容として表示される。一方6回目においては、出湯温度は基準温度T4を下回っているので、炉底部8内の温度を高めることが行うべき処理内容として表示される。1回目、3回目、4回目、5回目、7回目及び12回目においては、炉内反力平均値が基準反力T3を下回っているので、行うべき処理内容は表示されない。
以上で炉内状況の表示手順が完了する。ステップS38における表示内容に基づくことで、上記ステップS04では、炉底部8内の溶融の程度と、出湯温度とに応じて、炉底部8内の溶融の程度を高めるための処理が実行される。例えば演算部111によりステップS35が実行される場合には、上記ステップS04において廃棄物の融点調節剤の量を調整することが行われる。演算部111によりステップS36が実行される場合には、上記ステップS04において炉底部8内の温度を高めることが行われる。
〔本実施形態の効果〕
以上に説明したように、酸素洗浄装置1は、炉底部8内に酸素を供給するための酸素供給パイプ2と、酸素供給パイプ2を保持し、炉底部8内に対して進退させるためのパイプ保持部4と、酸素供給パイプ2からパイプ保持部4への反力を検出する力センサ44と、パイプ保持部4の位置を検出する位置センサ56と、酸素供給パイプ2の長さを検出する長さセンサ45と、演算部111とを備える。演算部111は、反力に基づいて、酸素供給パイプ2の先端部2aの周囲における溶融の程度が十分であるかを判定し、当該溶融の程度が不十分であると判定した場合に、パイプ保持部4の位置と酸素供給パイプ2の長さとに基づいて酸素供給パイプ2の先端部2aの位置を求め、当該先端部2aの位置に対応するように酸素洗浄の対象位置を特定する。
酸素洗浄装置1によれば、先端部2aの周囲における溶融の程度が十分であるかを判定した結果と、先端部2aの位置を求めた結果とに基づいて、溶融の程度が不十分な位置に対応するように酸素洗浄の対象位置が特定される。従って、炉内状況に応じて酸素洗浄を効率的に遂行できる。
演算部111は、酸素供給パイプ2が炉底部8内から後退するときの反力に基づいて、先端部2aの周囲における溶融の程度が十分であるかを判定してもよい。酸素供給パイプ2が炉底部内に前進するときには、酸素供給パイプ2が炉底部内から後退するときに比べて、溶融の程度以外に起因する反力上昇が生じ易い。例えば図5にて例示したように、酸素供給パイプ2が炉底部8内に前進するときには、先端部2aが炉内加熱用の固形燃料に衝突することによっても反力上昇が生じ得る。これに対し、酸素供給パイプ2が炉底部内から後退するときには、溶融の程度以外に起因する反力上昇が生じ難い。従って、酸素供給パイプ2が炉底部8内から後退するときの反力に基づいて、先端部2aの周囲における溶融の程度が十分であるかを判定することで、酸素洗浄の対象位置をより的確に設定できる。
酸素洗浄装置1は、パイプ保持部4を介して酸素供給パイプ2を炉底部8内に対して進退させるアクチュエータ5と、演算部111により酸素洗浄の対象位置が特定される前に、酸素供給パイプ2を炉底部8内に前進させるようにアクチュエータ5を制御し、反力が大きくなるのに応じて、酸素供給パイプ2を炉底部8内から後退させるようにアクチュエータ5を制御する進退制御部112と、を更に備えてもよい。この場合、酸素供給パイプ2が炉底部8内から後退するときの反力に基づいて溶融の程度を判定する構成において、当該判定を行うための酸素供給パイプ2の進退操作を自動化できる。従って、酸素洗浄をより効率的に遂行できる。
酸素供給パイプ2から炉底部8内への酸素の供給量を調節する供給調節バルブ32と、演算部111により酸素洗浄の対象位置が特定された後に、酸素洗浄の対象位置が特定される前に比べて酸素の供給量を多くするように供給調節バルブ32を制御する供給制御部113と、を更に備えてもよい。この場合、特定された対象位置に対する酸素洗浄を自動化できる。従って、酸素洗浄をより効率的に遂行できる。
進退制御部112は、演算部111により酸素洗浄の対象位置が特定された後に、酸素洗浄の対象位置を含む範囲で酸素供給パイプ2の先端部2aを往復させるようにアクチュエータ5を制御し、供給制御部113は、酸素洗浄の対象位置を含む範囲で先端部2aが往復しているときに、酸素洗浄の対象位置が特定される前に比べて酸素の供給量を多くするように供給制御部113を制御してもよい。この場合、特定された対象位置及びその周辺に対する酸素洗浄を自動化できる。従って、酸素洗浄をより確実に遂行できる。
酸素洗浄装置1は、炉底部8内の溶融の程度に関する情報を表示するように構成された表示部6を更に備えてもよく、演算部111は、反力に基づいて炉底部8内の溶融の程度を導出し、当該溶融の程度に関する情報を表示部6に表示させてもよい。この場合、炉底部8内の溶融の程度に関する情報を表示することで、炉底部8内の溶融の程度を適正化するための処理を作業者に促すことができる。
酸素洗浄装置1は、炉底部8から取り出される溶融物の温度を検出する温度センサ9を更に備えてもよく、演算部111は、炉底部8内の溶融の程度と、溶融物の温度とに応じて、炉底部8内の溶融の程度を高めるための処理内容を導出し、当該処理内容を表示部6に表示させてもよい。この場合、炉底部8内の溶融の程度を高めるのに適切な処理を作業者に促すことができる。
演算部111は、予め設定された第一の閾値に比べて炉底部8内の溶融の程度が低く、且つ予め設定された第二の閾値に比べて溶融物の温度が高い場合には、廃棄物の融点調節剤の量を調整することを処理内容として導出し、第一の閾値に比べて炉底部8内の溶融の程度が低く、且つ第二の閾値に比べて溶融物の温度が低い場合には、炉底部8内の温度を高めることを処理内容として導出してもよい。この場合、炉底部8内の溶融の程度を高めるのに適切な処理の一例として、溶融物の温度が高い場合には融点調整剤の量を調整することを促し、溶融物の温度が低い場合には炉底部8内の温度を高めることを促すことができる。
演算部111は、酸素供給パイプ2の先端部2aが炉底部8内に入り、炉底部8外に出るまでの間に検出される反力の平均値を炉底部8内の溶融の程度として導出してもよい。この場合、炉底部8内の様々な位置において取得された反力の値を用いることで、炉底部8内の溶融の程度をより的確に導出できる。
演算部111は、先端部2aが炉底部8内に入り、炉底部8外に出るまでの間において、酸素供給パイプ2が炉底部8内から後退するときに検出される反力の平均値を炉底部8内の溶融の程度として導出してもよい。上述したように、酸素供給パイプ2が炉底部8内から後退するときには、溶融の程度以外に起因する反力上昇が生じ難い。このため、炉底部8内の溶融の程度をより的確に導出できる。
演算部111は、先端部2aが炉底部8内に入り、炉底部8外に出るまでの間において、酸素供給パイプ2が炉底部8内から後退するときに検出される反力のうち、予め設定した基準反力(第三の閾値)を上回った反力の平均値を炉底部8内の溶融の程度として導出してもよい。この場合、不完全な溶融部分83の多さよりも、当該部分における不完全さの程度に重きをおいて、溶融部内の溶融の程度を導出できる。
以上、実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、炉底部8内の溶融の程度を調整する処理(ステップS04)を自動化してもよい。
1…酸素洗浄装置、2…酸素供給パイプ、2a…先端部、4…パイプ保持部、5…アクチュエータ、6…表示部、8…炉底部、9…温度センサ、32…供給調節バルブ(供給調節機構)、44…力センサ、45…長さセンサ、56…位置センサ、81…溶融スラグ(溶融物)、111…演算部、112…進退制御部、113…供給制御部。

Claims (18)

  1. 溶融炉の炉底部内に酸素を供給するための酸素供給パイプと、
    前記酸素供給パイプを保持し、前記炉底部内に対して進退させるためのパイプ保持部と、
    前記酸素供給パイプから前記パイプ保持部への反力を検出する力センサと、
    前記パイプ保持部の位置を検出する位置センサと、
    前記酸素供給パイプの長さを検出する長さセンサと、
    前記酸素供給パイプが前記炉底部内から後退するときの前記反力に基づいて、前記酸素供給パイプの先端部の周囲における溶融の程度が十分であるかを判定し、当該溶融の程度が不十分であると判定した場合に、前記パイプ保持部の位置と前記酸素供給パイプの長さとに基づいて前記酸素供給パイプの先端部の位置を求め、当該先端部の位置に対応するように酸素洗浄の対象位置を特定する演算部と、を備える溶融炉の酸素洗浄装置。
  2. 前記パイプ保持部を介して前記酸素供給パイプを前記炉底部内に対して進退させるアクチュエータと、
    前記演算部により前記酸素洗浄の対象位置が特定される前に、前記酸素供給パイプを前記炉底部内に前進させるように前記アクチュエータを制御し、前記反力が大きくなるのに応じて、前記酸素供給パイプを前記炉底部内から後退させるように前記アクチュエータを制御する進退制御部と、を更に備える請求項記載の溶融炉の酸素洗浄装置。
  3. 前記酸素供給パイプから前記炉底部内への酸素の供給量を調節する供給調節機構と、
    前記演算部により前記酸素洗浄の対象位置が特定された後に、前記酸素洗浄の対象位置が特定される前に比べて酸素の供給量を多くするように供給調節機構を制御する供給制御部と、を更に備える請求項記載の溶融炉の酸素洗浄装置。
  4. 前記進退制御部は、前記演算部により前記酸素洗浄の対象位置が特定された後に、前記酸素洗浄の対象位置を含む範囲で前記酸素供給パイプの先端部を往復させるように前記アクチュエータを制御し、
    前記供給制御部は、前記酸素洗浄の対象位置を含む範囲で前記酸素供給パイプの先端部が往復しているときに、前記酸素洗浄の対象位置が特定される前に比べて酸素の供給量を多くするように前記供給調節機構を制御する、請求項記載の溶融炉の酸素洗浄装置。
  5. 前記炉底部内の溶融の程度に関する情報を表示するように構成された表示部を更に備え、
    前記演算部は、前記反力に基づいて前記炉底部内の溶融の程度を導出し、当該溶融の程度に関する情報を前記表示部に表示させる、請求項1〜のいずれか一項記載の溶融炉の酸素洗浄装置。
  6. 前記炉底部から取り出される溶融物の温度を検出する温度センサを更に備え、
    前記演算部は、前記炉底部内の溶融の程度と、前記溶融物の温度とに応じて、前記炉底部内の溶融の程度を高めるための処理内容を導出し、当該処理内容を前記表示部に表示させる、請求項記載の溶融炉の酸素洗浄装置。
  7. 前記演算部は、予め設定された第一の閾値に比べて前記炉底部内の溶融の程度が低く、且つ予め設定された第二の閾値に比べて前記溶融物の温度が高い場合には、廃棄物の融点調節剤の量を調整することを前記処理内容として導出し、前記第一の閾値に比べて前記炉底部内の溶融の程度が低く、且つ前記第二の閾値に比べて前記溶融物の温度が低い場合には、前記炉底部内の温度を高めることを前記処理内容として導出する、請求項記載の溶融炉の酸素洗浄装置。
  8. 前記演算部は、前記酸素供給パイプの先端部が前記炉底部内に入り、前記炉底部外に出るまでの間に検出される前記反力の平均値を前記炉底部内の溶融の程度として導出する、請求項のいずれか一項記載の溶融炉の酸素洗浄装置。
  9. 前記演算部は、前記酸素供給パイプの先端部が前記炉底部内に入り、前記炉底部外に出るまでの間において、前記酸素供給パイプが前記炉底部内から後退するときに検出される前記反力の平均値を前記炉底部内の溶融の程度として導出する、請求項記載の溶融炉の酸素洗浄装置。
  10. 溶融炉の炉底部内に酸素を供給するための酸素供給パイプと、前記酸素供給パイプを保持し、前記炉底部内に対して進退させるためのパイプ保持部と、を用い、
    前記酸素供給パイプから前記パイプ保持部への反力を検出すること、
    前記パイプ保持部の位置を検出すること、
    前記酸素供給パイプの長さを検出すること、
    前記酸素供給パイプが前記炉底部内から後退するときの前記反力に基づいて、前記酸素供給パイプの先端部の周囲における溶融の程度が十分であるかを判定し、当該溶融の程度が不十分であると判定した場合に、前記パイプ保持部の位置と前記酸素供給パイプの長さとに基づいて前記酸素供給パイプの先端部の位置を求め、当該先端部の位置に対応するように酸素洗浄の対象位置を特定すること、を含む溶融炉の酸素洗浄方法。
  11. 前記パイプ保持部を介して前記酸素供給パイプを前記炉底部内に対して進退させるアクチュエータを更に用い、
    前記酸素洗浄の対象位置を特定する前に、前記酸素供給パイプを前記炉底部内に前進させるように前記アクチュエータを制御し、前記反力が大きくなるのに応じて、前記酸素供給パイプを前記炉底部内から後退させるように前記アクチュエータを制御することを更に含む請求項10記載の溶融炉の酸素洗浄方法。
  12. 前記酸素供給パイプから前記炉底部内への酸素の供給量を調節する供給調節機構を更に用い、
    前記酸素洗浄の対象位置を特定した後に、前記酸素洗浄の対象位置を特定する前に比べて酸素の供給量を増やすように供給調節機構を制御することを更に含む請求項11記載の溶融炉の酸素洗浄方法。
  13. 前記酸素洗浄の対象位置を特定した後に、前記酸素洗浄の対象位置を含む範囲で前記酸素供給パイプの先端部を往復させるように前記アクチュエータを制御することを更に含み、
    前記酸素洗浄の対象位置を含む範囲で前記酸素供給パイプの先端部が往復しているときに、前記酸素洗浄の対象位置を特定する前に比べて酸素の供給量を多くするように前記供給調節機構を制御する、請求項12記載の溶融炉の酸素洗浄方法。
  14. 前記反力に基づいて前記炉底部内の溶融の程度を導出し、当該溶融の程度を調整する処理を実行することを更に含む請求項1013のいずれか一項記載の溶融炉の酸素洗浄方法。
  15. 前記炉底部から取り出される溶融物の温度を検出することを更に含み、
    前記炉底部内の溶融の程度と、前記溶融物の温度とに応じて、前記炉底部内の溶融の程度を高めるための処理を実行する、請求項14記載の溶融炉の酸素洗浄方法。
  16. 予め設定された第一の閾値に比べて前記炉底部内の溶融の程度が低く、且つ予め設定された第二の閾値に比べて前記溶融物の温度が高い場合には、廃棄物の融点調節剤の量を調整することを実行し、前記第一の閾値に比べて前記炉底部内の溶融の程度が低く、且つ前記第二の閾値に比べて前記溶融物の温度が低い場合には、前記炉底部内の温度を高めることを実行する、請求項15記載の溶融炉の酸素洗浄方法。
  17. 前記酸素供給パイプの先端部が前記炉底部内に入り、前記炉底部外に出るまでの間に検出される前記反力の平均値を前記炉底部内の溶融の程度として導出する、請求項1416のいずれか一項記載の溶融炉の酸素洗浄方法。
  18. 前記酸素供給パイプの先端部が前記炉底部内に入り、前記炉底部外に出るまでの間において、前記酸素供給パイプが前記炉底部内から後退するときに検出される前記反力の平均値を前記炉底部内の溶融の程度として導出する、請求項17記載の溶融炉の酸素洗浄方法。
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