JP6499238B2 - 管理システム、制御装置、及び制御方法 - Google Patents

管理システム、制御装置、及び制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、種類の異なる複数の分散電源を備える需要家における管理システム、制御装置、及び制御方法に関する。
従来、太陽電池装置、燃料電池装置、及び蓄電池装置などの分散電源が知られている(例えば、特許文献1)。
太陽電池装置は、太陽光を利用して発電を行う装置である。燃料電池装置は、ガス等の燃料を利用して発電を行う装置である。蓄電池装置は、電力を蓄積する装置である。太陽電池装置は、例えば、MPPT(Maximum Power Point Tracking)法によって制御される。燃料電池装置及び蓄電池装置は、負荷の消費電力に追従するように制御される(負荷追従制御)。具体的には、負荷追従制御では、負荷よりも系統側に設けられる電流センサによって検出された電流値が目標電流値(例えば、“0”)となるように、分散電源の出力が制御される。
特開2002−152976号公報
ところで、単位時間当りにおいて変化可能な出力電力量(以下、応答速度)は、複数の分散電源の間で異なる。
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、分散電源の出力を適切に制御することを可能とする管理システム、制御装置、及び制御方法を提供することを目的とする。
第1の特徴に係る管理システムは、電力を出力する分散電源を含む複数の機器と、前記複数の機器と所定プロトコルで通信する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記分散電源に対して、出力する電力の単位時間当たりの最大出力電力量を指定する信号を前記所定プロトコルで送信する。
第2の特徴に係る制御装置は、電力を出力する分散電源を含む複数の機器と所定プロトコルで通信する制御装置であって、前記分散電源に対して、出力する電力の単位時間当たりの最大出力電力量を指定する信号を前記所定プロトコルで送信する制御部を備える。
第3の特徴に係る制御方法は、電力を出力する分散電源を含む複数の機器を所定プロトコルで通信して制御する制御装置における制御方法であって、前記制御装置は、前記分散電源に対して、出力する電力の単位時間当たりの最大出力電力量を指定する信号を前記所定プロトコルで送信するステップを備える。
本発明によれば、分散電源の出力を適切に制御することを可能とする管理システム、制御装置、及び制御方法を提供することができる。
図1は、実施形態に係るエネルギー管理システムを示す図である。 図2は、実施形態に係る需要家を示す図である。 図3は、実施形態に係るEMSを示すブロック図である。 図4(a)は、単位時間当りにおいて増大可能な最大出力電力量を説明するための図である。図4(b)は、負荷の消費電力の変化に対する蓄電池装置及び燃料電池装置のそれぞれの出力電力の推移の一例を示す図である。 図5(a)は、単位時間当りにおいて増大可能な出力電力量を制限する一例を説明するための図である。図5(b)は、蓄電池装置における単位時間当りにおいて増大可能な出力電力量を制限した場合において、負荷の消費電力の変化に対する蓄電池装置及び燃料電池装置のそれぞれの出力電力の推移の一例を示す図である。 図6は、実施形態に係る制御方法を示すフロー図である。 図7(a)は、負荷追従制御を行う周期(制御周期)を説明するための図である。図7(b)は、負荷追従制御を行う周期を調整する一例を説明するための図である。 図8は、実施形態の変更例に係る制御方法を示すフロー図である。
以下において、本発明の実施形態に係るエネルギー管理システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[実施形態の概要]
実施形態に係るエネルギー管理システムは、応答速度が異なる複数の分散電源と、前記複数の分散電源を制御する制御装置とを備え、前記複数の分散電源の出力電力を負荷の消費電力に追従させるよう負荷追従制御を行う。エネルギー管理システムは、前記複数の分散電源のうち、少なくともいずれか一の分散電源の応答速度を、他の分散電源の応答速度よりも遅くするよう制御する制御部を備える。
このように、複数の分散電源のうち、少なくともいずれかの分散電源が有する応答速度を制御することにより、応答速度が速い分散電源のみが動作してしまうことを防止できるため、複数の分散電源の出力を適切に制御することができる。また、分散電源が電力を供給すべき負荷を複数の分散電源の間で異ならせる必要がないため、分電盤の規模の拡大を抑制することができる。従って、分電盤の規模の拡大を抑制しながら、複数の分散電源の出力を適切に制御することができる。
[実施形態]
(エネルギー管理システム)
以下において、本実施形態に係るエネルギー管理システムについて説明する。図1は、本実施形態に係るエネルギー管理システム100を示す図である。
図1に示すように、エネルギー管理システム100は、需要家10と、CEMS20と、変電所30と、スマートサーバ40と、発電所50とを有する。なお、需要家10、CEMS20、変電所30及びスマートサーバ40は、ネットワーク60によって接続され
ている。
需要家10は、例えば、発電装置及び蓄電装置を有する。発電装置は、例えば、燃料電池のように、燃料ガスを利用して電力を出力する装置である。蓄電装置は、例えば、二次電池などのように、電力を蓄積する装置である。
需要家10は、一戸建ての住宅であってもよく、マンションなどの集合住宅であってもよい。或いは、需要家10は、コンビニエンスストア又はスーパーマーケットなどの店舗であってもよく、ビルなどの商用施設であってもよく、工場であってもよい。
本実施形態では、複数の需要家10によって、需要家群10A及び需要家群10Bが構成されている。需要家群10A及び需要家群10Bは、例えば、地理的な地域によって分類される。
CEMS20は、複数の需要家10と電力系統との間の連系を制御する。なお、CEMS20は、複数の需要家10を管理するため、CEMS(Cluster/Community Energy Management System)と称されることもある。具体的には、CEMS20は、停電時などにおいて、複数の需要家10と電力系統との間を解列する。一方で、CEMS20は、復電時などにおいて、複数の需要家10と電力系統との間を連系する。
本実施形態では、CEMS20A及びCEMS20Bが設けられている。CEMS20Aは、例えば、需要家群10Aに含まれる需要家10と電力系統との間の連系を制御する。CEMS20Bは、例えば、需要家群10Bに含まれる需要家10と電力系統との間の連系を制御する。
変電所30は、複数の需要家10に対して、配電線31を介して電力を供給する。具体的には、変電所30は、発電所50から供給を受ける電圧を降圧する。
本実施形態では、変電所30A及び変電所30Bが設けられている。変電所30Aは、例えば、需要家群10Aに含まれる需要家10に対して、配電線31Aを介して電力を供給する。変電所30Bは、例えば、需要家群10Bに含まれる需要家10に対して、配電線31Bを介して電力を供給する。
スマートサーバ40は、複数のCEMS20(ここでは、CEMS20A及びCEMS20B)を管理する。また、スマートサーバ40は、複数の変電所30(ここでは、変電所30A及び変電所30B)を管理する。言い換えると、スマートサーバ40は、需要家群10A及び需要家群10Bに含まれる需要家10を統括的に管理する。スマートサーバ40は、例えば、需要家群10Aに供給すべき電力と需要家群10Bに供給すべき電力とのバランスを取る機能を有する。
発電所50は、火力、風力、水力、原子力などによって発電を行う。発電所50は、複数の変電所30(ここでは、変電所30A及び変電所30B)に対して、送電線51を介して電力を供給する。
ネットワーク60は、信号線を介して各装置に接続される。ネットワーク60は、例えば、インターネット、広域回線網、狭域回線網、携帯電話網などである。
(需要家)
以下において、本実施形態に係る需要家について説明する。図2は、本実施形態に係る需要家10の詳細を示す図である。
図2に示すように、需要家10は、分電盤110と、負荷120と、蓄電池装置140と、燃料電池装置150と、貯湯装置160と、EMS200とを有する。本実施形態において、蓄電池装置140及び燃料電池装置150は、複数の分散電源に相当する。EMS200は、制御装置に相当する。
分電盤110は、配電線31(系統)に接続されている。分電盤110は、電力線を介して、負荷120、蓄電池装置140及び燃料電池装置150に接続されている。
分電盤110は、電流計180及び電流計181を有する。本実施形態において、電流計180及び電流計181は、電流センサに相当する。
電流計180は、蓄電池装置140の負荷追従制御に用いられる。電流計180は、電力線上において、蓄電池装置140及び燃料電池装置150のそれぞれと電力線との接続点よりも上流(系統に近い側)に設けられる。
電流計181は、燃料電池装置150の負荷追従制御に用いられる。電流計181は、電力線上において、蓄電池装置140及び燃料電池装置150のそれぞれと電力線との接続点よりも上流(系統に近い側)に設けられる。
このように、電流計180及び電流計181は、電力線のうち蓄電池装置140及び燃料電池装置150に共通する位置に設けられる。従って、電流計180及び電流計181のそれぞれが検出する電流値は等しい。
負荷120は、電力線を介して供給を受ける電力を消費する装置である。例えば、負荷120は、冷蔵庫、冷凍庫、照明、エアコンなどの装置を含む。
蓄電池装置140は、蓄電池141と、PCS142とを有する。蓄電池141は、電力を蓄積する装置である。PCS142は、配電線31(系統)から供給を受けるAC電力をDC電力に変換する装置(Power Conditioning System)である。また、PCS142は、蓄電池141から出力されたDC電力をAC電力に変換する。
蓄電池装置140は、負荷追従制御によって動作する。詳細には、蓄電池装置140は、蓄電池141から出力する電力が負荷追従制御の目標電力となるように蓄電池141を制御する。言い換えると、蓄電池装置140は、電流計180によって検出される電流値とPCS142によって検出される電圧値とから算出される値が目標受電力となるように、蓄電池141から出力する電力を制御する。
燃料電池装置150は、燃料電池151と、PCS152とを有する。燃料電池151は、発電装置の一例であり、燃料(ガス)を用いて電力を発電する装置である。燃料電池151は、例えばSOFCであってもよく、PEFCであってもよい。PCS152は、燃料電池151から出力されたDC電力をAC電力に変換する装置(Power Conditioning System)である。
燃料電池装置150は、負荷追従制御によって動作する。詳細には、燃料電池装置150は、燃料電池151から出力する電力が負荷追従制御の目標電力となるように燃料電池151を制御する。言い換えると、燃料電池装置150は、電流計181によって検出される電流値とPCS152によって検出される電圧値とから算出される値が目標受電力となるように、燃料電池151から出力する電力を制御する。
蓄電池装置140及び燃料電池装置150は、単位時間当りにおいて変化可能な出力電力量を示す応答速度(負荷追従速度)が異なる。本実施形態では、蓄電池装置140及び燃料電池装置150は、単位時間当りにおいて変化可能な最大出力電力量が異なる。詳細には、単位時間当りにおいて変化可能な最大出力電力量は、燃料電池装置150よりも蓄電池装置140の方が大きい。
貯湯装置160は、燃料(ガス)を用いて湯を生成或いは水温を維持する装置である。具体的には、貯湯装置160は、貯湯槽を有しており、燃料(ガス)の燃焼によって生じる熱又は燃料電池151の運転(発電)によって生じる排熱によって、貯湯槽から供給される水を温める。詳細には、貯湯装置160は、貯湯槽から供給される水を温めて、温められた湯を貯湯槽に還流する。
EMS200は、蓄電池装置140、燃料電池装置150及び貯湯装置160を制御する装置(Energy Management System)である。具体的には、EMS200は、蓄電池装置140、燃料電池装置150及び貯湯装置160に信号線を介して接続されており、蓄電池装置140、燃料電池装置150及び貯湯装置160を制御する。また、EMS200は、負荷120の動作モードを制御することによって、負荷120の消費電力を制御する。
また、EMS200は、ネットワーク60を介して各種サーバと接続され、各種情報を取得する。各種サーバは、例えば、系統から供給を受ける電力の購入単価、系統から供給を受ける電力の売却単価、燃料ガスの購入単価などの情報(以下、エネルギー料金情報)を格納する。
EMS200と各機器(負荷120、蓄電池装置140、燃料電池装置150、貯湯装置160)との間の通信は、所定のプロトコルに従って行われる。所定のプロトコルとしては、例えば、“ECHONET Lite”又は“ECHONET”と呼ばれるプロトコルが挙げられる。しかしながら、これに限定されるものではなく、所定のプロトコルは、“ECHONET Lite”及び“ECHONET”以外のプロトコルであってもよい。
(EMS)
以下において、本実施形態に係るEMSについて説明する。図3は、本実施形態に係るEMS200を示すブロック図である。
図3に示すように、EMS200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを有する。
通信部210は、信号線を介して接続された装置から各種信号を受信する。例えば、通信部210は、蓄電池141の蓄電量を示す情報を蓄電池装置140から受信してもよい。通信部210は、燃料電池151の発電量を示す情報を燃料電池装置150から受信してもよい。通信部210は、貯湯装置160の貯湯量を示す情報を貯湯装置160から受信してもよい。
また、通信部210は、信号線を介して接続された装置に各種信号を送信する。例えば、通信部210は、蓄電池装置140、燃料電池装置150及び貯湯装置160を制御するための信号を各装置に送信する。通信部210は、負荷120を制御するための制御信号を負荷120に送信する。通信部210は、信号線を介して接続される電流計180及び電流計181から、電流計180及び電流計181によって検出された電流値を受信する。
記憶部220は、制御部230による制御に使用される各種情報を記憶する。記憶部220は、複数の分散電源のそれぞれに定められた優先度を記憶する。優先度は、ユーザの入力によって設定されてもよい。
或いは、優先度は、複数の分散電源(蓄電池装置140及び燃料電池装置150)のそれぞれが出力する単位電力量のコストに応じて定められてもよい。この場合、単位電力量のコストが低いほど優先度を高くするように、複数の分散電源のそれぞれに優先度を設定することが好ましい。単位電力量のコストは、系統から供給を受ける電力の購入単価、系統から供給を受ける電力の売却単価、燃料ガスの購入単価などに応じて定められる。
制御部230は、負荷120、蓄電池装置140、燃料電池装置150及び貯湯装置160を制御する。また、制御部230は、複数の分散電源(蓄電池装置140及び燃料電池装置150)のうち、少なくともいずれかの分散電源が有する応答速度を制御する。制御部230は、優先度の高い分散電源の応答速度が優先度の低い分散電源の応答速度よりも速くなるように、少なくともいずれかの分散電源が有する応答速度を制御する。
本実施形態では、制御部230は、単位時間当りにおいて変化可能な最大出力電力量よりも小さくなるように、単位時間当りにおいて変化可能な出力電力量を制限することによって、少なくともいずれかの分散電源が有する応答速度を制御する。
例えば、制御部230は、単位時間当りにおいて増大可能な最大出力電力量よりも小さくなるように、単位時間当りにおいて増大可能な出力電力量を制限する。或いは、単位時間当りにおいて減少可能な最大出力電力量よりも小さくなるように、単位時間当りにおいて減少可能な出力電力量を制限する。
図4(a)は、単位時間当りにおいて増大可能な最大出力電力量を説明するための図である。図4(a)において、θ1maxは、蓄電池装置140における単位時間当りにおいて増大可能な最大出力電力量を示す。θ2maxは、燃料電池装置150における単位時間当りにおいて増大可能な最大出力電力量を示す。
図4(a)に示すように、単位時間当りにおいて増大可能な最大出力電力量θmaxは、燃料電池装置150よりも蓄電池装置140の方が大きい。言い換えると、蓄電池装置140は、燃料電池装置150よりも応答速度が速い。従って、負荷120の消費電力の変化に対して、蓄電池装置140は即座に追従するが、燃料電池装置150は即座に追従することができない。
図4(b)は、負荷の消費電力の変化に対する蓄電池装置140及び燃料電池装置150のそれぞれの出力電力の推移の一例を示す図である。図4(b)に示すように、負荷120の消費電力(実線)の変化に伴い、蓄電池装置140及び燃料電池装置150の出力電力が変化する。ここでは、時刻t1において負荷120の消費電力が急激に減少した後に、時刻t2において負荷120の消費電力が増大するケースについて考える。
図4(b)に示すように、負荷120の消費電力が急激に減少する期間においては、蓄電池装置140の出力電力が減少するが、蓄電池装置140の出力電力の減少が負荷120の消費電力の減少に追いつかないため、燃料電池装置150の出力電力も減少する。
一方で、負荷の消費電力が増大する期間においては、蓄電池装置140の出力がまず増大する。そして蓄電池装置140の出力が最大出力電力量に到達する。ここで、負荷120における消費電力のうち、蓄電池装置140の出力で賄いきれない分が燃料電池装置150の出力として維持されることとなる。つまり、蓄電池装置140の出力を最大にし、それでも足りない分が燃料電池装置150から供給される、という形になる。
ここで、蓄電池装置140よりも燃料電池装置150の方が、出力する単位電力量のコストが安いような場合には、十分なコスト削減を図ることができない。つまり、むしろ燃料電池装置150の出力を大きく、蓄電池装置140の出力を小さくするべきである。
そこで、蓄電池装置140よりも燃料電池装置150の方が、出力する単位電力量のコストが安いような場合に、燃料電池装置150の優先度は、蓄電池装置140の優先度よりも高く設定されることができる。このようなケースにおいて、優先度は、ユーザによって設定してもよい。又は、制御部230が、記憶部220に記憶されている各種情報に基づいて、優先度を設定してもよい。さらに、制御部230は、単位時間当りにおいて増大可能な出力電力量を制限することにより、優先度の低い蓄電池装置140の応答速度を遅くする。
図5(a)は、単位時間当りにおいて増大可能な出力電力量を制限する一例を説明するための図である。
図5(a)に示すように、制御部230は、蓄電池装置140について、単位時間当りにおいて増大可能な最大出力電力量θ1max(図4(a)参照)よりも小さくなるように、単位時間当りにおいて増大可能な出力電力量θ1を制限する。例えば、制御部230は、蓄電池装置140における単位時間当りにおいて増大可能な出力電力量θ1を、燃料電池装置150における単位時間当りにおいて増大可能な最大出力電力量θ2max以下に制限する。ここで「制限する」とは、制御部230が、蓄電池装置140などの分散電源に対し、単位時間当りの最大出力電力の上限値を指定するパラメータを有する信号を通信部210から送信し、これを受信した蓄電池装置140などの分散電源が指定された上限内に単位時間当りの出力制限を行うことで実現する。ここで制御部230は、上限値を指定するパラメータを有する信号を、所定のプロトコル(ECHONET Liteなど)に準拠する形式で生成する。
図5(b)は、蓄電池装置140における単位時間当りにおいて増大可能な出力電力量θ1を制限した場合において、負荷の消費電力の変化に対する蓄電池装置140及び燃料電池装置150のそれぞれの出力電力の推移の一例を示す図である。図5(b)に示すように、負荷120の消費電力(実線)の変化に伴い、蓄電池装置140及び燃料電池装置150の出力電力が変化する。ここでは、時刻t1において負荷120の消費電力が急激に減少した後に、時刻t2において負荷120の消費電力が増大するケースについて考える。
図5(b)に示すように、蓄電池装置140における単位時間当りにおいて増大可能な出力電力量θ1を制限することにより、負荷120の消費電力が増大する期間において、燃料電池装置150の出力電力が増大して、燃料電池装置150の出力電力の増大が負荷120の消費電力の増大に追いつく。一方、蓄電池装置140の出力電力は増大せずに維持される。従って、蓄電池装置140よりも燃料電池装置150の方が、出力する単位電力量のコストが安いような場合に、十分なコスト削減を図ることができる。
(制御方法)
図6は、本実施形態に係る制御方法を示すフロー図である。
図6に示すように、ステップS110において、制御部230は、各分散電源の優先度を取得する。例えば、優先度は、単位電力量のコストが低いほど高くなるように設定されている。単位電力量のコストは、系統から供給を受ける電力の購入単価、系統から供給を受ける電力の売却単価、燃料ガスの購入単価などに応じて定められる。
ステップS120において、制御部230は、優先度が2番目以降の分散電源について、単位時間当りにおいて増大可能な出力電力量θを制限する。例えば、制御部230は、優先度が2番目以降の分散電源における単位時間当りにおいて増大可能な出力電力量θを、優先度が最も高い分散電源における単位時間当りにおいて増大可能な最大出力電力量θmax以下に制限する。
このように、本実施形態によれば、応答速度が速い分散電源のみが動作してしまうことを防止できるため、複数の分散電源の出力を適切に制御することができる。また、分散電源が電力を供給すべき負荷を複数の分散電源の間で異ならせる必要がないため、分電盤110の規模の拡大を抑制することができる。
[変更例]
以下において、上述した実施形態の変更例について説明する。
上述した実施形態では、制御部230は、単位時間当りにおいて増大可能な出力電力量θを制限することにより、分散電源の応答速度を制御していた。
これに対し、本変更例では、制御部230は、負荷追従制御を行う周期を調整することによって、分散電源の応答速度を制御する。例えば、制御部230は、電流センサ(電流計180及び電流計181)によって検出される電流値を取得する周期を調整することによって、分散電源の応答速度を制御する。
図7(a)は、負荷追従制御を行う周期(制御周期)を説明するための図である。ここでは、初期状態において、蓄電池装置140及び燃料電池装置150のそれぞれの制御周期が等しいケースを想定する。
図7(a)に示すように、蓄電池装置140は、周期T1で負荷追従制御を行う。詳細には、蓄電池装置140は、周期T1で、電流計180によって検出される電流値を取得するとともに、取得した電流値とPCS142によって検出される電圧値とから算出される値が目標受電力となるように、蓄電池141から出力する電力を制御する。
燃料電池装置150は、周期2で負荷追従制御を行う。例えば、燃料電池装置150は、周期T2で、電流計181によって検出される電流値を取得するとともに、取得した電流値とPCS152によって検出される電圧値とから算出される値が目標受電力となるように、燃料電池151から出力する電力を制御する。
上述したように、単位時間当りにおいて増大可能な最大出力電力量θmaxは、燃料電池装置150よりも蓄電池装置140の方が大きい。言い換えると、蓄電池装置140は、燃料電池装置150よりも応答速度が速い。従って、負荷120の消費電力の変化に対して、蓄電池装置140は即座に追従するが、燃料電池装置150は即座に追従することができない。
そこで、制御部230は、蓄電池装置140よりも燃料電池装置150の方が、出力する単位電力量のコストが安いような場合に、蓄電池装置140の優先度よりも燃料電池装置150の優先度を高く設定する。さらに、制御部230は、負荷追従制御を行う周期を調整することにより、優先度の低い蓄電池装置140の応答速度を遅くする。
図7(b)は、負荷追従制御を行う周期を調整する一例を説明するための図である。
図7(b)に示すように、制御部230は、燃料電池装置150が負荷追従制御を行う周期が、蓄電池装置140が負荷追従制御を行う周期よりも短くなるように、負荷追従制御を行う周期を調整する。図7(b)の例では、制御部230は、蓄電池装置140が負荷追従制御を行う周期を延長する。或いは、制御部230は、燃料電池装置150が負荷追従制御を行う周期が短縮可能であれば、燃料電池装置150が負荷追従制御を行う周期を短縮してもよい。
図8は、本変更例に係る制御方法を示すフロー図である。
図8に示すように、ステップS210において、制御部230は、各分散電源の優先度を取得する。例えば、優先度は、単位電力量のコストが低いほど高くなるように設定されている。単位電力量のコストは、系統から供給を受ける電力の購入単価、系統から供給を受ける電力の売却単価、燃料ガスの購入単価などに応じて定められる。
ステップS220において、制御部230は、優先度が2番目以降の分散電源について、負荷追従制御を行う周期を延長する。例えば、制御部230は、優先度が2番目以降の分散電源が負荷追従制御を行う周期を、優先度が最も高い分散電源が負荷追従制御を行う周期よりも長くする。
このように、蓄電池装置140が負荷追従制御を行う周期を延長することにより、蓄電池装置140の応答速度が遅くなる。従って、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。詳細には、蓄電池装置140よりも燃料電池装置150の方が、出力する単位電力量のコストが安いような場合に、十分なコスト削減を図ることができる。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上述した実施形態では、複数の分散電源の一例として蓄電池装置140及び燃料電池装置150の組み合わせを説明した。しかしながら、蓄電池装置140及び燃料電池装置150の組み合わせに限らず、負荷追従制御によって動作する他の分散電源の組み合わせであってもよい。また、2つの分散電源に限らず、3つ以上の分散電源が設けられてもよい。
上述した実施形態では、分散電源毎に異なる電流計(電流計180及び電流計181)を設けていた。しかしながら、複数の分散電源で1つの電流計を共用してもよい。
上述した実施形態では、EMS200が複数の分散電源の応答速度を制御する。しかしながら、PCS142及びPCS152が、蓄電池装置140及び燃料電池装置150の応答速度を制御してもよい。
EMS200は、HEMS(Home Energy Management System)であってもよく、SEMS(Store Energy Management System)であってもよく、BEMS(Building Energy Management System)であってもよく、FEMS(Factory Energy Management System)であってもよい。
10…需要家、10A,10B…需要家群、20,20A,20B…CEMS、30,30A,30B…変電所、31,31A,31B…配電線、40…スマートサーバ、50…発電所、51…送電線、60…ネットワーク、100…エネルギー管理システム、110…分電盤、120…負荷、140…蓄電池装置、141…蓄電池、142…PCS、150…燃料電池装置、151…燃料電池、152…PCS、160…貯湯装置、180…電流計、181…電流計、200…EMS、210…通信部、220…記憶部、230…制御部

Claims (7)

  1. 電力を出力する分散電源を含む複数の機器と、
    前記複数の機器と所定プロトコルで通信する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記分散電源に対して、出力する電力の単位時間当たりの最大出力電力量を指定する信号を前記所定プロトコルで送信し、
    前記複数の機器には、複数の分散電源を含み、
    前記制御装置は、前記複数の分散電源のそれぞれに対して、互いに異なる前記単位時間当たりの最大出力電力量を送信することを特徴とする管理システム。
  2. 前記制御装置は、前記単位時間当たりの最大出力電力量として、増大可能な単位時間当たりの最大出力電力量の上限値を指定するパラメータを送信することを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
  3. 前記制御装置は、前記複数の分散電源の出力する単位電力量のコストに応じた優先度に基づいて、前記分散電源の前記最大出力電力量を送信することを特徴とする請求項1または2に記載の管理システム。
  4. 前記複数の機器には、電力を消費する負荷、及び貯湯装置の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の管理システム。
  5. 前記分散電源には、蓄電池装置を含み、
    前記制御装置は、前記蓄電池装置から蓄電量を示す情報を受信することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の管理システム。
  6. 電力を出力する分散電源を含む複数の機器と所定プロトコルで通信する制御装置であって、
    前記分散電源に対して、出力する電力の単位時間当たりの最大出力電力量を指定する信号を前記所定プロトコルで送信する制御部を備える制御装置であって、
    前記複数の機器には、複数の分散電源を含み、
    前記制御装置は、前記複数の分散電源のそれぞれに対して、互いに異なる前記単位時間当たりの最大出力電力量を送信することを特徴とする制御装置。
  7. 電力を出力する分散電源を含む複数の機器を所定プロトコルで通信して制御する制御装置における制御方法であって、
    前記制御装置は、前記分散電源に対して、出力する電力の単位時間当たりの最大出力電力量を指定する信号を前記所定プロトコルで送信するステップを備えることを特徴とする制御方法であって、
    前記複数の機器には、複数の分散電源を含み、
    前記制御装置は、前記複数の分散電源のそれぞれに対して、互いに異なる前記単位時間当たりの最大出力電力量を送信することを特徴とする制御方法。
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