JP6498852B1 - 植物生育促進剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、リグノセルロース系バイオマス(A)と、下記(B1)〜(B3)から選ばれる少なくとも1つの基剤(B)とを含有し、水に対する接触角が80°以下である、植物生育促進剤である。<基剤(B)>(B1)樹脂酸(B2)式(1)で表される化合物R1−Z1−Z2(1)〔式中、R1:炭素数9以上の炭化水素基Z1:単結合、又は(OR2)pR2:炭素数2以上3以下のアルカンジイル基p:平均で0超30以下の数Z2:カルボキシ基、水酸基、硫酸基、及びNR3R4から選ばれる基R3、R4:各々独立に水素原子、メチル基、エチル基、又は(R5O)qHR5:炭素数2以上3以下のアルカンジイル基q:平均で0超15以下の数を示す。〕(B3)分子量が3万以下の、多価アルコール又は多価カルボン酸

Description

本発明は、植物生育促進剤、植物生育促進剤の製造方法、及び植物の育成方法に関する。
背景技術
植物が生長するには種々の栄養要素が必要であるが、そのいくつかの要素が不足すると植物の生育に支障を来すことが知られている。例えば、肥料三大要素として窒素は蛋白質の成分元素であり、リンは核酸やリン脂質の構成元素だけでなくエネルギー代謝や物質の合成・分解反応にも重要な役割を果たしており、また、カリウムは物質代謝や物質移動の生理作用がある。これら主要成分の不足により全般的に植物の生育は貧弱になる。カルシウムは、植物体及び細胞を構成する重要な成分であり、また代謝系のバランスを維持する為にも重要な働きをしているため、カルシウムが欠乏すると生理障害をおこす。その他にもMg、Fe、S、B、Mn、Cu、Zn、Mo、Cl、Si、Na等、植物には種々の栄養素が必要である。
これら窒素、リン、カリウム等の栄養成分は元肥や追肥の形で施肥されたり、液体肥料を希釈して土壌灌注したり葉面散布で与えられたりしている。これらの肥料は、植物の生長に必要な不可欠のものであるが、ある程度の濃度以上に与えても、植物の生長性及び収量の向上には貢献できない。
しかし、農作物の生長を促進し、単位面積当たりの収穫量を増やして増収をはかることは農業生産上重要な課題であり、そのために必要な種々の植物生長調節剤が開発利用されている。ジベレリンやオーキシン等に代表される植物生長調節剤は、発芽、発根、伸長、花成り、着果等生育、形態形成反応の調節のために用いられているが、これらの物質の作用は多面的かつ複雑であり、用途が限定されている。
従来、農作物の生長促進につながると考えられる技術が種々提案されている。農作物を栽培する圃場では、土壌の性質は生産性などの観点で重要な因子であり、土壌の性質を改良して生産性を高める検討がなされている。
特開2012−52129号公報には、土質安定材を土壌に適用するための方法であって、前記土質安定材を固体担体に加える工程と、前記固体担体を前記土壌に適用する工程と、前記固体担体に水を適用する工程と、前記固体担体から前記土壌に、前記土質安定材を放出する工程と、を含む適用方法が記載されている。
特開2004−236530号公報には、土壌100重量部に対して水溶性セルロース誘導体0.0001〜0.5重量部を混合した培養土に、播種又は植物を栽培し、種子の発芽又は植物の生育を改善する方法が記載されている。この方法では、土壌と水溶性セルロース誘導体とを混合して団粒を生成させ、種子の発芽又は植物の生育を改善することも記載されている。
特開2012−157299号公報には、バイオマスからなる基質を糖化酵素により糖化処理し糖化溶液を得る工程と、該糖化溶液を発酵処理して発酵溶液を得る工程と、該発酵溶液を蒸留してエタノールを得る工程とによりエタノールを製造するときに、該糖化溶液に含まれる糖化残渣を分離すると共に、該発酵溶液の蒸留後に残された蒸留残液を回収し、該糖化残渣又は該蒸留残液を土壌改良材として土壌に施用する土壌改良材の施用方法において、該糖化残渣又は該蒸留残液を土壌改良材として土壌に施用した後、20〜1500℃日の範囲の有効積算温度の間、該土壌を酸化状態に維持することを特徴とする土壌改良材の施用方法が記載されている。
特開2000−229311号公報には、籾殻を主成分とする植物原料の植物原料粉末と、バインダーを含む生分解性物質とを混合した混合材から構成されていることから成る生分解性材料組成物が記載されている。
発明の概要
本発明は、植物に薬害等をもたらさず、農作物等の植物に対して優れた生育促進効果を示す植物生育促進剤を提供する。
本発明は、リグノセルロース系バイオマス(A)と、(B1)〜(B3)から選ばれる少なくとも1つの基剤(B)とを含有し、水に対する接触角が80°以下である、植物生育促進剤に関する。
<基剤(B)>
(B1)樹脂酸
(B2)式(1)で表される化合物
−Z−Z (1)
〔式中、
:炭素数9以上の炭化水素基
:単結合、又は(OR
:炭素数2以上3以下のアルカンジイル基
p:平均で0超30以下の数
:カルボキシ基、水酸基、硫酸基、及びNRから選ばれる基
、R:各々独立に水素原子、メチル基、エチル基、又は(RO)
:炭素数2以上3以下のアルカンジイル基
q:平均で0超15以下の数
を示す。〕
(B3)分子量が3万以下の、多価アルコール又は多価カルボン酸
また、本発明は、下記工程1及び工程2を有する植物生育促進剤の製造方法に関する。工程1:リグノセルロース系バイオマス(A)を親水化処理して親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)を得る工程
工程2:工程1で得られた親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)と、下記(B1)〜(B3)から選ばれる少なくとも1つの基剤(B)とを含有し、水に対する接触角が80°以下である、混合物を得る工程
<基剤(B)>
(B1)樹脂酸
(B2)式(1)で表される化合物
−Z−Z (1)
〔式中、
:炭素数9以上の炭化水素基
:単結合、又は(OR
:炭素数2以上3以下のアルカンジイル基
p:平均で0超30以下の数
:カルボキシ基、水酸基、硫酸基、及びNRから選ばれる基
、R:各々独立に水素原子、メチル基、エチル基、又は(RO)
:炭素数2以上3以下のアルカンジイル基
q:平均で0超15以下の数
を示す。〕
(B3)分子量が3万以下の、多価アルコール又は多価カルボン酸
また、本発明は、前記本発明の植物生育促進剤を含有する土壌で植物を栽培する、植物の育成方法に関する。
本発明によれば、植物に薬害等をもたらさず、農作物等の植物に対して優れた生育促進効果を示す植物生育促進剤及びその製造方法、並びに植物の育成方法が提供される。本発明の植物生育促進剤を、例えば農作物に適用することで、収量を向上できる。
発明を実施するための形態
<植物生育促進剤>
本発明の植物生育促進剤は、リグノセルロース系バイオマス(A)と、前記(B1)〜(B3)から選ばれる少なくとも1つの基剤(B)とを含有し、水に対する接触角が80°以下である。
〔リグノセルロース系バイオマス(A)〕
リグノセルロース系バイオマス(A)は、セルロース、ヘミセルロース、及びリグニンを主成分として含むバイオマスである。リグノセルロース系バイオマス(A)は、植物系バイオマスから選択されることが好ましい。植物系バイオマスとしては、草本系バイオマス、木質系バイオマスが挙げられる。これらの中でも、好ましくは草本系バイオマスである。
草本系バイオマスとは、草地に生育する樹木以外の植物原料、或いは非木質の植物部位を意味する。具体的には、イネ科、アオイ科、マメ科の植物原料、ヤシ科の植物の非木質原料が挙げられる。
イネ科の植物原料としては、例えばサトウキビバガス、ソルガムバガス等のバガス、スイッチグラス、エレファントグラス、コーンストーバー、コーンコブ、イナワラ、ムギワラ、オオムギ、ススキ、芝、ジョンソングラス、エリアンサス、ネピアグラスが挙げられる。アオイ科の植物原料としては、例えばケナフ、ワタが挙げられる。マメ科の植物原料としては、例えばアルファルファが挙げられる。ヤシ科の植物の非木質原料としては、例えばパームヤシ空果房が挙げられる。
これらの中でも、生産性及び取扱い性の観点から、好ましくはイネ科の植物原料であり、より好ましくはサトウキビバガス、コーンコブ、又はイナワラであり、更に好ましくはサトウキビバガスである。
木質系バイオマスとしては、カラマツやヌクスギなどの針葉樹、アブラヤシ、ヒノキなどの広葉樹から得られる木材チップなどの各種木材;これら木材から製造されるウッドパルプなどが挙げられる。
これらの植物系バイオマスは、1種単独でも、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リグノセルロース系バイオマス(A)は、親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)が好ましい。親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)は、好ましくはリグノセルロース系バイオマス(A)を後述する親水化処理して得られる。親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)は、水に対する接触角が90°以下、更に80°以下、更に75°以下であることが好ましい。
以下、リグノセルロース系バイオマス(A)という場合、親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)も含む。
リグノセルロース系バイオマス(A)は、粒子状であることが好ましい。粒子は、粉末、ペレットなど天然系バイオマスから形成しやすい形態であればいずれでもよい。
リグノセルロース系バイオマス(A)は、平均粒径が、好ましくは1,000μm以下、より好ましくは500μm以下、更に好ましくは300μm以下、より更に好ましくは200μm以下、そして、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは10μm以上である。なお、リグノセルロース系バイオマス(A)の平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「LA−950」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定する。
〔基剤(B)〕
基剤(B)は、下記(B1)〜(B3)から選ばれる少なくとも1つの基剤である。基剤(B)は2種以上を用いることができる。また、基剤(B)は、(B1)〜(B3)から選ばれる異なる群の2種以上の基剤を組み合わせて用いてもよい。これは、例示した以下の各基剤の具体例についても同様である。
(B1)樹脂酸
(B2)式(1)で表される化合物
−Z−Z (1)
〔式中、
:炭素数9以上の炭化水素基
:単結合、又は(OR
:炭素数2以上3以下のアルカンジイル基
p:平均で0超30以下の数
:カルボキシ基、水酸基、硫酸基、及びNRから選ばれる基
、R:各々独立に水素原子、メチル基、エチル基、又は(RO)
:炭素数2以上3以下のアルカンジイル基
q:平均で0超15以下の数
を示す。〕
(B3)分子量が3万以下の、多価アルコール又は多価カルボン酸
基剤(B)は、リグノセルロース系バイオマス(A)の表面を部分的に疎水化して、土壌複合物の表層を改質する事で、土壌複合物の耐雨性の向上に貢献する成分であると考えられる。
〔基剤(B1)〕
基剤(B1)は、天然樹脂由来の成分として入手できる。天然樹脂としては、松脂(ロジン)、漆、ダンマル樹脂、コパール樹脂、琥珀、アカシア樹脂、シェラック、ゼラチンが知られている。基剤(B1)は2種以上を用いることができる。
基剤(B1)は塩であってもよい。塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
基剤(B1)としては、下記の基剤(B1−1)が好ましい。
基剤(B1−1)ロジン、ダンマル樹脂、及びトール油脂肪酸から選ばれる、樹脂酸又はその塩
ロジンは、パルプを製造する工程で副産物として得られるトール油から得られるトールロジン、生松ヤニから得られるガムロジン、松の切株から得られるウッドロジン等が知られており、本発明ではこれらのいずれを用いてもよい。また、不均化ロジンや水素化ロジンなどの変性ロジンの精製物を用いることもできる。添加時の形態としては、塩基性溶液や有機溶媒に溶解させたものを用いても良い。
ダンマル樹脂(ダンマルガム、ダマール、ダンマー、ダマル樹脂などとも称される)は、東南アジアに生育するフタバガキ科(Dipterocarpaceae)の常緑樹から採取される樹液を有機溶剤で希釈・溶解したものが挙げられる。ダンマル樹脂は、一般的にダンマル酸、α−ダンマロレセン、β−ダンマロセンなどを主成分として含んでいる。
トール油脂肪酸は、パルプ製造中の廃液から得られるため、廃棄物を有効に利用できる。トール油脂肪酸は、例えば、北欧、北米等の寒冷地で成長した松から得ることができる。トール油脂肪酸は、粗トール油を蒸留すること、及び分画することによって得ることができる。前記蒸留としては、水蒸気蒸留等が挙げられる。前記水蒸気蒸留により、粗トール油から、トール油脂肪酸、樹脂酸、ピッチ等に分画することができる。トール油脂肪酸の市販品としては、例えば、ハリマ化成グループ株式会社製のハートールFA−1(商品名)、ハートールFA−1P(商品名)、ハートールFA−3(商品名)、ハートールR−30(商品名)、ハートールSR−30(商品名)などが挙げられる。
基剤(B1)は、土壌の団粒構造を維持して植物の収量を向上させる観点から、好ましくは酸価が25mg/g以上である。ここで、基剤(B1)についての酸価は、酸化度測定法(AV)法で測定されたものである。基剤(B1)の酸価は、より好ましくは30mg/g以上、更に好ましくは100mg/g以上、そして、好ましくは300mg/g以下である。
〔基剤(B2)〕
基剤(B2)は、前記一般式(1)で表される化合物である。基剤(B2)は2種以上を用いることができる。基剤(B2)は、なり得る場合、塩であってもよい。塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
基剤(B2)としては、例えば、炭素数10以上の脂肪酸又はその塩、炭素数9以上の炭化水素基を有するアルコール、炭素数9以上の炭化水素基を有する硫酸エステル又はその塩、炭素数9以上の炭化水素基を有するアミンが挙げられる。これらの化合物は、(OR)を含んでいてもよい。
一般式(1)中、Rは、炭素数9以上の鎖式炭化水素基、例えば直鎖又は分岐鎖のアルキル基、直鎖又は分岐鎖のアルケニル基、直鎖アルキル基又は直鎖アルケニル基が挙げられる。Rの炭素数は、好ましくは30以下である。Rは、炭素数2のアルカンジイル基が好ましい。また、pは、平均で0超30以下の数である。また、qは、平均で0超15以下の数である。
基剤(B)のうち、式(1)中のZが単結合であり、Zがカルボキシ基である化合物は、炭素数10以上の脂肪酸である。該脂肪酸は塩であってもよい。該脂肪酸の塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。該脂肪酸の炭素数は、30以下が好ましい。なお、この炭素数は、塩の部分を除いた酸型化合物についての炭素数である。該脂肪酸又はその塩としては、炭素数10以上の飽和脂肪酸、炭素数10以上の不飽和脂肪酸及びこれらの塩から選ばれる炭素数10以上の脂肪酸又はその塩が挙げられる。炭素数10以上の脂肪酸又はその塩として、下記の基剤(B2−1)が挙げられる。
基剤(B2−1)カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、及びリグノセリン酸から選ばれる、脂肪酸又はその塩
基剤(B)のうち、式(1)中のZが単結合であり、Zが水酸基である化合物は、炭素数9以上の炭化水素基を有するアルコールである。該アルコールの炭化水素基は、アルキル基又はアルケニル基が好ましい。該アルコールの炭化水素基の炭素数は、10以上、そして、30以下が好ましい。該アルコールは、1価のアルコールが好ましい。該アルコールは、炭素数10以上の炭化水素基を有する1価の飽和アルコール及び炭素数10以上の炭化水素基を有する1価の不飽和アルコールから選ばれる、炭素数10以上の炭化水素基を有するアルコールが好ましい。炭素数9以上の炭化水素基を有するアルコールとして、下記の基剤(B2−2)が挙げられる。
基剤(B2−2)デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、及びステアリルアルコールから選ばれる、アルコール
基剤(B)のうち、式(1)中のZが単結合であり、Zが硫酸基である化合物は、炭素数9以上の炭化水素基を有する硫酸エステルである。該硫酸エステルは塩であってもよい。該硫酸エステルの塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。該硫酸エステルの炭化水素基は、アルキル基又はアルケニル基が好ましい。該硫酸エステルの炭化水素基の炭素数は、10以上、そして、30以下が好ましい。該硫酸エステル又はその塩としては、炭素数10以上30以下のアルキル基を有する硫酸エステル又はその塩が挙げられる。炭素数10以上の炭化水素基を有する硫酸エステル又はその塩として、下記の基剤(B2−3)が挙げられる。
基剤(B2−3)ラウリル硫酸、テトラデシル硫酸、及びヘキサデシル硫酸から選ばれる、硫酸エステル又はその塩
基剤(B)のうち、式(1)中のZが単結合であり、ZがNRであり、R、Rが各々水素原子である化合物は、炭素数9以上の炭化水素基を有するアミンである。該アミンは、塩(酸塩)であってもよい。該アミンの炭化水素基は、アルキル基又はアルケニル基が好ましい。該アミンの炭化水素基の炭素数は、10以上、そして、30以下が好ましい。該アミンは、1級アミンが好ましい。炭素数9以上の炭化水素基を有するアミンとして、下記の基剤(B2−4)が挙げられる。
基剤(B2−4)ドデシルアミン、テトラデシルアミン、及びステアリルアミンから選ばれる、アミン
〔基剤(B3)〕
基剤(B3)は、分子量が3万以下の、多価アルコール又は多価カルボン酸である。水酸基とカルボキシ基の両方をそれぞれ複数ずつ有する化合物も、基剤(B3)として分類してよい。基剤(B2)以外の、複数の水酸基及び/又は複数のカルボキシ基を有する分子量3万以下の化合物は、基剤(B3)として分類してよい。基剤(B3)は2種以上を用いることができる。基剤(B3)の多価アルコールは、3価以上の多価アルコールが好ましい。
分子量が3万以下の多価アルコールが重合体の場合は、前記分子量は、重量平均分子量である。この重量平均分子量は、標準物質をプルランとするGPC(ゲルクロマトグラフィ)によって測定されたものである。分子量が3万以下の多価アルコールとして、下記の基剤(B3−1)が挙げられる。
基剤(B3−1)グリセリン、ポリグリセリン、及び重量平均分子量が3万以下のポリビニルアルコールから選ばれる、多価アルコール
ポリグリセリンは、平均縮合度が、好ましくは2以上300以下である。
ポリビニルアルコールは、酢酸ビニルモノマーを重合したポリ酢酸ビニルを鹸化(けんか)して得られる高分子である。ポリビニルアルコールは、ケン化度が、好ましくは80モル%以上100モル%以下である。また、ポリビニルアルコールは、重量平均分子量が、好ましくは200以上3万以下である。
分子量が3万以下の多価カルボン酸が重合体の場合は、前記分子量は、重量平均分子量である。この重量平均分子量は、標準物質をプルランとするGPC(ゲルクロマトグラフィ)によって測定されたものである。多価カルボン酸は塩であってもよい。塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。分子量が3万以下の多価カルボン酸として、下記の基剤(B3−2)が挙げられる。
基剤(B3−2)重量平均分子量が3万以下のポリアクリル酸、及び重量平均分子量が3万以下のカルボキシメチルセルロースから選ばれる、多価カルボン酸又はその塩
ポリアクリル酸は、酸型、ナトリウム置換型、カリウム置換型がある。ポリアクリル酸の形状としては粉末、球状、顆粒状などがあるが、いずれを用いても良い。ポリアクリル酸又はその塩の重量平均分子量は、好ましくは200以上3万以下である。
カルボキシメチルセルロースは、セルロースの誘導体でありセルロースの骨格を構成するグルコピラノースモノマーのヒドロキシ基の一部にカルボキシメチル基を結合させたものである。カルボキシメチルセルロースは、置換度(エーテル化度)が、好ましくは0.3以上1.0以下である。カルボキシメチルセルロースの重量平均分子量は、好ましくは200以上3万以下である。
基剤(B3)は、土壌の団粒構造を維持して植物の収量を向上させる観点から、好ましくは水酸基価が100mg/g以上2,000mg/g以下である。ここで、基剤(B3)についての水酸基価は、電位差滴定法で測定されたものである。基剤(B3)の酸価は、より好ましくは200mg/g以上、そして、より好ましくは1600mg/g以下である。
基剤(B3)は、土壌の団粒構造を維持して植物の収量を向上させる観点から、好ましくは酸価が100mg/g以上2,000mg/g以下である。ここで、基剤(B3)についての酸価は、直接滴定法(AV)法で測定されたものである。基剤(B3)の酸価は、より好ましくは200mg/g以上、そして、より好ましくは1000mg/g以下である。
基剤(B)は、植物生育促進の観点から、下記の基剤(B1−1)、基剤(B2−1)〜基剤(B2−4)、基剤(B3−1)、及び基剤(B3−2)から選ばれる少なくとも1つの基剤が好ましい。
基剤(B1−1)ロジン、ダンマル樹脂、及びトール油脂肪酸から選ばれる、樹脂酸又はその塩
基剤(B2−1)カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、及びリグノセリン酸から選ばれる、脂肪酸又はその塩
基剤(B2−2)デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、及びステアリルアルコールから選ばれる、アルコール
基剤(B2−3)ラウリル硫酸、テトラデシル硫酸、及びヘキサデシル硫酸から選ばれる、硫酸エステル又はその塩
基剤(B2−4)ドデシルアミン、テトラデシルアミン、及びステアリルアミンから選ばれる、アミン
基剤(B3−1)グリセリン、ポリグリセリン、及び重量平均分子量が3万以下のポリビニルアルコールから選ばれる、多価アルコール
基剤(B3−2)重量平均分子量が3万以下のポリアクリル酸、及び重量平均分子量が3万以下のカルボキシメチルセルロースから選ばれる、多価カルボン酸又はその塩
基剤(B)は、植物生育促進の観点から、基剤(B1)、及び基剤(B2)から選ばれる少なくとも1つの基剤が好ましい。
基剤(B)は、同様の観点から、基剤(B1−1)、基剤(B2−1)、及び基剤(B2−2)から選ばれる少なくとも1つの基剤がより好ましい。
基剤(B)は、同様の観点から、ロジン又はその塩、カプリン酸又はその塩、ラウリン酸又はその塩、ミリスチン酸又はその塩、パルミチン酸又はその塩、ステアリン酸又はその塩、オレイン酸又はその塩、リノール酸又はその塩、ベヘン酸又はその塩、リグノセリン酸又はその塩、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、及びステアリルアルコールから選ばれる少なくとも1つの基剤が更に好ましい。
本発明の植物生育促進剤として、親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)と、前記(B1)〜(B3)から選ばれる少なくとも1つの基剤(B)とを含有し、水に対する接触角が80°以下である、植物生育促進剤が挙げられる。
〔植物生育促進剤の組成、物性等〕
本発明の植物生育促進剤は、水に対する接触角(以下、水接触角という場合もある)が80°以下である。この水接触角は、土壌親和性、耐雨性の観点から、好ましくは80°以下、より好ましくは75°以下、更に好ましくは70°以下、そして、好ましくは0°以上、より好ましくは5°以上、更に好ましくは10°以上である。
本発明において、植物生育促進剤の水接触角は、以下の条件で測定されたものである。
〔植物生育促進剤の水接触角の測定方法〕
測定対象の植物生育促進剤が粉体等の固体で得られる場合は、その0.1〜0.3gを採取し、密度が1.3〜1.7g/cmになるように圧力をかけて、平面を有する圧縮物、例えば、円柱、立方体、直方体のような形状を有する圧縮物としたものをサンプルとする。なお、測定対象の植物生育促進剤の粒子が大きい場合や形状が不揃いの場合などは、粉砕して粒径や形状を調整した粉体とし、これを前記と同様に圧縮物としてサンプルとしてもよい。また、圧縮により植物生育促進剤の粉体が細粒化されてもよい。
サンプル、例えば植物生育促進剤の圧縮物を、その平面が水平となるように設置し、前記平面に、20℃の純水を粒径5μmで滴下し、1秒後の接触角を測定する。接触角は、液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の固体表面に対する角度を求め、これを2倍することで求める(θ/2法)。測定は1つのサンプルにつき3回行い、その平均値として得た値を水接触角として採用する。測定対象の植物生育促進剤が、液体、特に水を含む液体組成物で得られる場合は、水などの液体成分を除去して得られた固体を用いて前記の方法で測定した接触角を採用する。
本発明の植物生育促進剤の水接触角は、親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)を用いる、リグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)との割合を調整する、などの方法で所望の範囲とすることができる。
本発明の植物生育促進剤は、土壌分散性、耐雨性の観点から、リグノセルロース系バイオマス(A)100質量部に対して、基剤(B)を、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上、更に好ましくは0.01質量部以上、より更に好ましくは0.1質量部以上、そして、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、より更に好ましくは10質量部以下含有する。なお、基剤(B)の塩を用いる場合は、未中和の化合物(酸型又は塩基型の化合物)に換算した量を基剤(B)の量として採用するものとする。以下、基剤(B)の量が関係する他の事項についても同様である。
本発明の植物生育促進剤では、リグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)は複合物を形成していることが好ましい。すなわち、本発明の植物生育促進剤は、リグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)の複合物を含有することが好ましい。この複合物は、化学的及び/又は物理的な結合により、リグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)とが一体化した状態を形成しているものであってよい。かかる複合物としては、例えば、リグノセルロース系バイオマス(A)の表面に基剤(B)が結合した複合物が挙げられる。また、かかる複合物としては、リグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)とを含む粒子、リグノセルロース系バイオマス(A)の表面に基剤(B)が存在する複合物などが挙げられる。
本発明の植物生育促進剤は、リグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)を合計で、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下含有する。本発明の植物生育促進剤は、リグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)からなるものであってもよい。また、本発明の植物生育促進剤は、リグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)の複合物からなるものであってもよい。また、本発明の植物生育促進剤は、リグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)以外の任意の成分を含有することができる。
本発明の植物生育促進剤は、任意の成分として、例えば、
(1)肥料成分、
(2)ゼオライト、バーミキュライト、ベントナイト、ソフトシリカ(珪酸塩白土)、パーライト、ピートモス、バーク堆肥等の鉱物粉末又は粘土成分又は他の土壌改良成分、
(3)ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸等の高分子物質〔基剤(B3)を除く〕、
(4)キトオリゴ糖、キチン性化合物、フラボノイド、例えばイソフラボン、ルチン等のシグナル分子、
(5)アーバスキュラー菌根菌(arbuscular mycorrhizalfungus)等の真菌、
(6)バチルス(Bacillus)属細菌、シュードモナス(Pseudomonas)属細菌、アゾスピリラム(Azospirillum)属細菌、パエニバチルス(Paenibacillus)属細菌、バークホルデリア(Burkholderia)属細菌、セラチア(Seratia)属細菌、エンテロバクター(Enterobacter)属細菌、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属細菌、クルトバクテリウム(Curtobacterium)属細菌、マメ科共生根粒菌等の細菌、
(7)ソヤサポニン
などを含有することができる。
上記成分のうち、(5)のアーバスキュラー菌根菌(arbuscularmycorrhizal fungus)の例としては、ギガスポラ(Giga-spora)属やグロムス(Glomus)属に属する真菌を挙げることが出来る。このうち、グロムス(Glomus)属真菌の例としては、グロムス・イントララジカス(Glomus intraradices)を挙げることができる。
上記成分のうち、(6)のバチルス(Bacillus)属細菌の例としては、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillusamyloliquefaciens)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、或いはバチルス・チューリンゲンシス(Bacillusthuringiensis)を挙げることができる。シュードモナス(Pseudomonas)属細菌の例としては、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)或いはシュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonasfluorescen)を挙げることができる。アゾスピリラム属細菌の例としては、アゾスピリラム・ブラジレンス(Azospirillumbrasilense)、アゾスピリラム・リポフェラム(Azospirillum lipoferum)、アゾスピリラム・ハロプレファランス(Azospirillum halopraeferans)、或いはアゾスピリラム・アマゾネンセ(Azospirillum amazonense)を挙げることができる。パエニバチルス(Paenibacillus)属細菌の例としては、パエニバチルス・ポリミキサ(Paenibacillus polymyxa)或いはパエニバチルス・マセランス(Paenibacillusmacerans)を挙げることができる。バークホルデリア(Burkholderia)属細菌の例としては、バークホルデリア・グラディオリ(Burkholderia gladioli)を挙げることができる。セラチア(Seratia)属細菌の例としては、セラチア・マルセセンス(Seratia marcescens)を挙げることができる。エンテロバクター(Enterobacter)属細菌の例としは、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)を挙げることができる。ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属細菌の例としては、ブレビバクテリウム・ヨーディナム(Brevibacterium iodinum)或いはブレビバクテリウム・ブレビス(Brevibacteriumbrevis)を挙げることができる。クルトバクテリウム(Curtobacterium)属細菌の例としては、クルトバクテリウム・フラカムファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens)を挙げることができる。マメ科共生根粒菌の例としては、リゾビウム(Rhizobium)属、ブラジリゾビウム(Bradyrhizobiu)属、或いはアゾリゾビウム(Azorhizobium)属に属する細菌が挙げることができる。ブラジリゾビウム(Bradyrhizobiu)属細菌の例としては、ブラジリゾビウム・ジアゾエフィシエンス(Bradyrhizobium diazoefficiens)、ブラジリゾビウム・ジャポニクム(Bradyrhizobium japonicum)、ブラジリゾビウム・エルカニ(Bradyrhizobiumelkanii)、或いはエンシファ・フレディ(Ensifer fredii)を挙げることができる。
上記成分のうち、(7)のソヤサポニンの例としては、国際公開第2018/159393号の[0028]記載のものが挙げられる。
本発明の植物生育促進剤は、(1)の肥料成分を、1質量%以上50質量%以下含有することができる。
本発明の植物生育促進剤は、(2)の鉱物粉末もしくは粘土成分もしくは他の土壌改良成分、又は(3)の高分子物質を、それぞれ、1質量%以上50質量%以下含有することができる。
本発明の植物生育促進剤は、(4)のシグナル分子を2.5×10−13質量%以上2.5×10−11質量%以下含有することができる。
本発明の植物生育促進剤は、(5)の真菌及び/又は(6)の細菌を、それぞれ、リグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)の合計1gあたり10cfu(コロニー形成単位)以上10cfu以下含有することができる。ここで真菌の場合には、コロニー形成単位は胞子の個数を意味する。
本発明の植物生育促進剤は、(7)のソヤサポニンを、例えば、国際公開第2018/159393号の[0040]に記載の量で使用されるように含有する事が出来る。
本発明の植物生育促進剤を土壌に添加する事によって、土壌中に存在する有用微生物、例えば、アーバスキュラー菌根真菌(arbuscular mycorrhizal fungus)、バチルス(Bacillus)属細菌やシュードモナス(Pseudomonas)属細菌、アゾスピリラム(Azospirillum)属細菌、パエニバチルス(Paenibacillus)属細菌、バークホルデリア(Burkholderia)属細菌、セラチア(Seratia)属細菌、エンテロバクター(Enterobacter)属細菌、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属細菌、クルトバクテリウム(Curtobacterium)属細菌等の植物生育促進細菌、及びマメ科共生根粒菌の活動性及び植物への着生量を向上させる事が出来ると期待される。また同様に、本発明の植物生育促進剤が含有するアーバスキュラー菌根真菌(arbuscularmycorrhizal fungus)、バチルス(Bacillus)属細菌やシュードモナス(Pseudomonas)属細菌、アゾスピリラム(Azospirillum)属細菌、パエニバチルス(Paenibacillus)属細菌、バークホルデリア(Burkholderia)属細菌、セラチア(Seratia)属細菌、エンテロバクター(Enterobacter)属細菌、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属細菌、クルトバクテリウム(Curtobacterium)属細菌等の植物生育促進細菌、又はマメ科共生根粒菌の活動性及び植物への着生量を向上させる事が出来ると期待される。
本発明の植物生育促進剤は、作用部位へのリグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)の付着及び浸透量増加の観点から、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、非イオン界面活性剤が好ましい。
本発明の植物生育促進剤が界面活性剤(基剤(B)に該当するものを除く)を含有する場合、リグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)の合計100質量部に対し、界面活性剤(基剤(B)に該当するものを除く)を好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは1質量部以上、そして、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは50質量部以下含有する。なお、界面活性剤が基剤(B)に該当する場合は、その量は、基剤(B)に算入するものとする。界面活性剤以外の成分についても同様に、基剤(B)に該当する成分の量は、何れも基剤(B)に算入するものとする。
本発明の植物生育促進剤は、作用部位へのリグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)の付着量増加の観点から、水溶性ポリマーを含有することができる。ここで、水溶性ポリマーについての「水溶性」とは、20℃の水100gに1g以上溶解することをいう。水溶性ポリマーとしては、天然、半合成及び合成ポリマーが何れも使用でき、その中でも多糖類系水溶性ポリマーが好ましい。多糖類系水溶性ポリマーの具体例としては、グアーガム、キサンタンガム、でんぷん、セルロース、タラガム、ローストビーンガム、カラギーナン、及びこれらの誘導体が挙げられる。本発明の植物生育促進剤組成物が水溶性ポリマー(基剤(B)に該当するものを除く)を含有する場合、リグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)の合計100質量部に対し、水溶性ポリマー(基剤(B)に該当するものを除く)を好ましくは1質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは50質量部以上、そして、好ましくは1,900質量部以下、より好ましくは600質量部以下、更に好ましくは300質量部以下含有する。
これらの他にも、例えば、本発明の植物生育促進剤中に肥料成分などを含有することができる。具体的には、ハイポニカ(協和株式会社)やハイポネックスなどの商品名で入手可能な肥料成分を、リグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)の合計100質量部に対し、1質量部以上1,900質量部以下含有することができる。
本発明の植物生育促進剤の形態は、固体が好ましく、粒子状がより好ましい。本発明の植物生育促進剤は、リグノセルロース系バイオマス(A)及び基剤(B)を含む固体、更に粒子を含有することができる。粒子は、粉末、ペレットなど、リグノセルロース系バイオマス(A)及び基剤(B)を含む混合物から形成しやすい形態であればいずれでもよい。また、リグノセルロース系バイオマス(A)及び基剤(B)を含む混合物の成形物、例えばリグノセルロース系バイオマス(A)及び基剤(B)を含む複合物の成形物や、リグノセルロース系バイオマス(A)及び/又は基剤(B)と他の物品との複合物品などの形態とすることもできる。本発明の植物生育促進剤は、平均粒径が、好ましくは1,000μm以下、より好ましくは500μm以下、更に好ましくは300μm以下、より更に好ましくは200μm以下、そして、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは10μm以上である。なお、本発明の植物生育促進剤の平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「LA−950」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定する。
本発明の植物生育促進剤は、土壌に添加して用いられるものが好ましい。すなわち、本発明の植物生育促進剤は、土壌添加型植物生育促進剤が好ましい。本発明の植物生育促進剤の植物、例えば農作物への適用は、本発明の植物生育促進剤を含有する土壌で、植物、例えば農作物を栽培することで行うことができる。
本発明の対象とする植物は、好ましくは農作物として利用される植物である。本発明の植物生育促進剤は、植物収量向上剤、更に農作物用収量向上剤として用いることができる。本発明の植物生育促進剤を適用できる植物としては、ウリ科、ナス科、バラ科、アオイ科、マメ科、イネ科、アブラナ科、ネギ科、ヒガンバナ科、キク科、ヒユ科、セリ科、ショウガ科、シソ科、サトイモ科、ヒルガオ科、ヤマノイモ科、ハス科等が挙げられる。具体的には、果菜類では、キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、トマト、ナス、ピーマン、イチゴ、オクラ、サヤインゲン、ソラマメ、エンドウ、エダマメ、トウモロコシ等が挙げられる。葉菜類では、ハクサイ、ツケナ類、チンゲンサイ、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、メキャベツ、タマネギ、ネギ、ニンニク、ラッキョウ、ニラ、アスパラガス、レタス、サラダナ、セルリー、ホウレンソウ、シュンギク、パセリ、ミツバ、セリ、ウド、ミョウガ、フキ、シソ等が挙げられる。根菜類としては、ダイコン、カブ、ゴボウ、ニンジン、ジャガイモ、サトイモ、サツマイモ、ヤマイモ、ショウガ、レンコン等が挙げられる。その他に、稲、麦類、花卉類等にも使用が可能であり、大規模で栽培される傾向にあるダイズ、エダマメ等の豆類等の穀物がより好ましい。
<植物生育促進剤の製造方法>
本発明は、下記工程1及び工程2を有する植物生育促進剤の製造方法を提供する。この方法は、親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)と基剤(B)とを含有する本発明の植物生育促進剤の製造方法である。
工程1:リグノセルロース系バイオマス(A)を親水化処理して親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)を得る工程
工程2:工程1で得られた親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)と、下記(B1)〜(B3)から選ばれる少なくとも1つの基剤(B)とを含有し、水に対する接触角が80°以下である、混合物を得る工程
<基剤(B)>
(B1)樹脂酸
(B2)式(1)で表される化合物
−Z−Z (1)
〔式中、
:炭素数9以上の炭化水素基
:単結合、又は(OR
:炭素数2以上3以下のアルカンジイル基
p:平均で0超30以下の数
:カルボキシ基、水酸基、硫酸基、及びNRから選ばれる基
、R:各々独立に水素原子、メチル基、エチル基、又は(RO)
:炭素数2以上3以下のアルカンジイル基
q:平均で0超15以下の数
を示す。〕
(B3)分子量が3万以下の、多価アルコール又は多価カルボン酸
工程1で得られる親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)は、水に対する接触角が90°以下、更に80°以下、更に75°以下であることが好ましい。この接触角となるようにリグノセルロース系バイオマス(A)の親水化を行うことが好ましい。なお、親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)の接触角は、本発明の植物生育促進剤と同様に測定できる。
基剤(B)の具体例及び好ましい態様は、本発明の植物生育促進剤と同じである。
工程1の親水化処理は、アルカリ処理、熱水処理、酸処理、又はこれらを組み合わせた処理が好ましく、アルカリ処理、熱水処理、又はこれらを組み合わせた処理がより好ましく、アルカリ処理及び熱水処理を組み合わせた処理(以下、アルカリ熱水処理という場合もある)が更に好ましい。親水化処理は、必要に応じて、中和処理、乾燥処理などを含んでいてもよい。
工程1の親水化処理は、水を含む媒体中で行うことが好ましい。
アルカリ処理について説明する。
アルカリ処理は、リグノセルロース系バイオマス(A)に、アルカリ性媒体を、所定温度で、一定時間接触させて行う。アルカリ性媒体は、水を含むものが好ましい。具体的には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液、水酸化マグネシウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、アンモニア水、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液が挙げられる。アルカリ性媒体のpHは、好ましくは10以上14以下である。アルカリ性媒体の温度は、好ましくは25℃以上50℃以下である。アルカリ性媒体の接触時間は、好ましくは0.1時間以上7日以下である。
アルカリ処理の一例として、次の方法が挙げられる。
リグノセルロース系バイオマス(A)100質量部と、任意の濃度にしたアルカリ性媒体、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液、水酸化マグネシウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、アンモニア水、及び水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液から選ばれるアルカリ性媒体200質量部以上2,000質量部以下とを混合してスラリーとする。該スラリーを、25℃以上50℃以下、例えば室温にて、1時間以上1週間以下、静置もしくは撹拌下に放置してアルカリ処理を行う。
アルカリ処理の後は、中和を行うことが好ましい。中和は、処理後のリグノセルロース系バイオマス(A)を含むスラリーのpHが6〜7になるように、中和剤、例えば任意の濃度にした塩酸又は硫酸を加えて行う。アルカリ処理の後に、好ましくは中和の後、乾燥を行うこともできる。
熱水処理について説明する。
熱水処理は、リグノセルロース系バイオマス(A)に、熱水を一定時間接触させて行う。熱水の温度は、好ましくは80℃以上200℃以下である。熱水の接触時間は、好ましくは0.1時間以上24時間以下である。
熱水処理の一例として、次の方法が挙げられる。
リグノセルロース系バイオマス(A)100質量部と、熱水、例えば加熱したイオン交換水200質量部以上2,000質量部以下とを混合してスラリーとする。例えば、処理温度は120℃〜200℃から選択でき、また、処理時間は1時間〜24時間から選択できる。このような条件で、前記スラリーを静置もしくは撹拌下に放置して熱水処理を行う。熱水処理の後に、乾燥を行うこともできる。
酸処理について説明する。
リグノセルロース系バイオマス(A)に、酸性媒体を、所定温度で、一定時間接触させて行う。酸性媒体は、水を含むものが好ましい。具体的には、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、過酢酸、亜硫酸、亜硝酸、シュウ酸、炭酸、ホウ酸、次亜塩素酸などの水溶液が挙げられる。酸性媒体のpHは好ましくは1以上5以下である。酸性媒体の温度は、好ましくは25度以上200℃以下である。酸性媒体の接触時間は、好ましくは0.1時間以上7日以下である。
酸処理の一例として、次の方法が挙げられる。
リグノセルロース系バイオマス(A)100質量部と、任意の濃度にした酸性媒体、好ましくは塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、過酢酸、亜硫酸、亜硝酸、シュウ酸、炭酸、ホウ酸及び次亜塩素酸から選ばれる酸並びに水を含む酸性媒体200質量部以上2,000質量部以下とを混合してスラリーとする。例えば、処理温度は80℃〜200℃から選択でき、また、処理時間は1時間〜24時間から選択できる。このような条件で、前記スラリーを静置もしくは撹拌下に放置して酸処理を行う。
酸処理の後は、中和を行うことが好ましい。中和は、処理後のリグノセルロース系バイオマス(A)を含むスラリーのpHが6〜7になるように、中和剤、例えば任意の濃度にした水酸化ナトリウム水溶液を加えて行う。酸処理の後に、好ましくは中和の後、乾燥を行うこともできる。
アルカリ熱水処理について説明する。
アルカリ熱水処理は、前記アルカリ処理を、水を含む高温のアルカリ性媒体で行うものである。アルカリ性媒体の具体例はアルカリ処理と同じである。アルカリ熱水処理で用いるアルカリ性媒体のpHは、好ましくは9.0以上、より好ましくは10.0以上、そして、好ましくは14.0以下、より好ましくは13.5以下である。アルカリ熱水処理で用いるアルカリ性媒体の温度は、好ましくは25℃以上、より好ましくは50℃以上、そして、好ましくは180℃以下、より好ましくは150℃以下である。アルカリ熱水処理で用いるアルカリ性媒体の接触時間は、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは0.8時間以上、そして、好ましくは24時間以下、より好ましくは12時間以下である。
アルカリ熱水処理の一例として、次の方法が挙げられる。
リグノセルロース系バイオマス(A)100質量部と、任意の濃度にしたアルカリ性媒体、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液、水酸化マグネシウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、アンモニア水、及び水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液から選ばれるアルカリ性媒体200質量部以上2,000質量部以下とを混合してスラリーとする。例えば、処理温度は25℃〜180℃から選択でき、また、処理時間は0.5時間〜24時間から選択できる。このような条件で、前記スラリーを静置もしくは撹拌下に放置してアルカリ熱水処理を行う。
アルカリ熱水処理の後は、アルカリ処理と同様の中和を行うことが好ましい。アルカリ熱水処理の後に、好ましくは中和の後、乾燥を行うこともできる。
工程1では、親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)と水とを含有するスラリーを得ることが好ましい。
工程2では、工程1で得られた親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)と基剤(B)とを含有し、水に対する接触角が80°以下である、混合物を得る。当該混合物は、親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)と基剤(B)とを混合することで得られるが、水に対する接触角が80°以下になるように、親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)と基剤(B)の割合を調整する。工程2では、リグノセルロース系バイオマス(A’)100質量部に対する基剤(B)の混合量は、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、そして、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは20質量部以下から選択できる。
本発明では、工程1で、親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)と水とを含有すスラリーを得て、工程2で、当該スラリーに基剤(B)を添加した後、当該スラリーを乾燥させて、前記混合物を得ることが好ましい。この方法は、親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)と基剤(B)の複合物、例えば、親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)の表面に基剤(B)が結合した複合物を容易に製造できる。
また、この方法では、基剤(B)と水とを含有するアルカリ性媒体、または基剤(B)と溶媒とを含有する中性媒体をスラリーに添加することが好ましい。溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジクロロメタン、クロロホルム、及びテトラヒドロフラン(THF)から選ばれる1つ以上の溶媒が挙げられる。溶媒は、基剤(B)の溶解性などを考慮して選択される。
工程2で、前記スラリーを用いる場合、基剤(B)を添加した後に、中和を行うことが好ましい。中和は、処理後のリグノセルロース系バイオマス(A)及び基剤(B)を含むスラリーのpHが6〜7になるように、中和剤、例えば任意の濃度にした、塩酸もしくは硫酸又は水酸化ナトリウム水溶液を加えて行う。
また、工程2で、前記スラリーを用いる場合、基剤(B)を添加した後に、好ましくは中和の後、乾燥を行うことが好ましい。乾燥は、例えば、減圧乾燥器にて、所定温度、例えば50℃中で含水率が5質量部以下になるまで行うことができる。
工程2で得られた、親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)と基剤(B)とを含有する、水に対する接触角が80°以下の混合物は、そのまま、あるいは適当な形状、大きさに加工して、本発明の植物生育促進剤とすることができる。
<植物の育成方法>
本発明は、本発明の植物生育促進剤を含有する土壌で植物を栽培する、植物の育成方法を提供する。本発明の植物の育成方法に用いる、リグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)の好ましい態様は、それぞれ、本発明の植物生育促進剤と同じである。本発明の植物の育成方法を適用できる植物は、本発明の植物生育促進剤と同じである。また、本発明の植物の育成方法は、農作物の育成方法又は農作物の栽培方法であることが好ましい。
本発明の植物の育成方法において、本発明の植物生育促進剤の適用時期、適用回数は、特に制限されない。本発明の植物生育促進剤は、播種前の土壌等へ添加して適用してもよい。本発明の植物生育促進剤は、播種、植え付け等の栽培開始から、収穫等の栽培終了までの何れかの期間で、植物の生長の度合いに応じて適宜適用してもよい。
また、本発明の植物の育成方法では、本発明の植物生育促進剤を、植物を栽培する土壌に添加して植物に適用する。土壌に添加する時期としては、播種前が好ましい。
本発明では、土壌への本発明の植物生育促進剤の添加は、土壌に本発明の植物生育促進剤を混合する、土壌に本発明の植物生育促進剤を散布する、などの方法で行うことができる。
圃場において本発明の植物生育促進剤を土壌に添加する具体的な方法としては、耕運機などに散布機を併用し、本発明の植物生育促進剤を散布しながら耕す方法が挙げられる。
本発明では、植物を栽培する土壌100質量部あたり、本発明の植物生育促進剤を、更にはリグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)とを合計で、好ましくは0.0001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、更に好ましくは0.05質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以下、より更に好ましくは2.0質量部以下、より更に好ましくは1.0質量部以下、より更に好ましくは0.5質量部以下添加する。すなわち、本発明では、本発明の植物生育促進剤を、更にはリグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)とを合計で、好ましくは0.0001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、更に好ましくは0.05質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以下、より更に好ましくは2.0質量部以下、より更に好ましくは1.0質量部以下、より更に好ましくは0.5質量部以下含有する土壌で植物を栽培する。
本発明の植物の育成方法で本発明の植物生育促進剤を、例えば散布により、土壌に添加する場合、土壌10aあたり、本発明の植物生育促進剤を、更にはリグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)とを合計で、好ましくは0.2kg以上、より好ましくは2kg以上、更に好ましくは20kg以上、そして、好ましくは20,000kg以下、より好ましくは5,000kg以下、更に好ましくは2,000kg以下、より更に好ましくは1,000kg以下、より更に好ましくは500kg以下添加する。本発明の植物生育促進剤を、更にはPKSを散布する場合も、土壌100質量部あたりの添加量が前記範囲となっていてもよい。
<本発明のその他の態様>
本発明は、リグノセルロース系バイオマス(A)と、前記(B1)〜(B3)から選ばれる少なくとも1つの基剤(B)とを含有し、水に対する接触角が80°以下である、土壌団粒化剤に関する。
また、本発明は、リグノセルロース系バイオマス(A)と、前記(B1)〜(B3)から選ばれる少なくとも1つの基剤(B)とを含有し、水に対する接触角が80°以下である土壌団粒化剤を、土壌と混合する、土壌の団粒化方法に関する。
また、本発明は、リグノセルロース系バイオマス(A)と、前記(B1)〜(B3)から選ばれる少なくとも1つの基剤(B)とを含有し、水に対する接触角が80°以下である土壌団粒化剤を、土壌と混合する、土壌造粒物の製造方法に関する。
本発明の土壌団粒化剤、土壌の団粒化方法及び土壌造粒物の製造方法において、リグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)の具体例及び好ましい態様などは、それぞれ、本発明の植物生育促進剤、植物生育促進剤の製造方法及び植物の育成方法と同じである。また、本発明の植物生育促進剤、植物生育促進剤の製造方法及び植物の育成方法で述べた事項は、本発明の土壌団粒化剤、土壌の団粒化方法及び土壌造粒物の製造方法に適用することができる。
本発明は、リグノセルロース系バイオマス(A)と、(B1)〜(B3)から選ばれる少なくとも1つの基剤(B)とを含有し、水に対する接触角が80°以下である混合物の、植物生育促進剤としての使用に関する。
また、本発明は、リグノセルロース系バイオマス(A)と、(B1)〜(B3)から選ばれる少なくとも1つの基剤(B)とを含有し、水に対する接触角が80°以下である混合物の、植物生育促のための使用に関する。
また、本発明は、リグノセルロース系バイオマス(A)と、(B1)〜(B3)から選ばれる少なくとも1つの基剤(B)とを含有し、水に対する接触角が80°以下である混合物の、土壌団粒化剤としての使用に関する。
また、本発明は、リグノセルロース系バイオマス(A)と、(B1)〜(B3)から選ばれる少なくとも1つの基剤(B)とを含有し、水に対する接触角が80°以下である混合物の、土壌の団粒化のための使用に関する。
本発明のこれらの使用において、リグノセルロース系バイオマス(A)と基剤(B)の具体例及び好ましい態様などは、それぞれ、本発明の植物生育促進剤、植物生育促進剤の製造方法及び植物の育成方法と同じである。また、本発明の植物生育促進剤、植物生育促進剤の製造方法及び植物の育成方法で述べた事項は、本発明のこれらの使用に適用することができる。
実施例
本発明品の植物生育促進剤を以下のように製造した。
<製造例1>
下記工程1、2により、植物生育促進剤の本発明品1、2を製造した。
(工程1)
リグノセルロース系バイオマス(A)として、1mm径の金型篩をパスしたサトウキビバガス(表中、バガスと表記する)を、乾燥質量として30gガラス瓶に入れ、固形分含有量が20質量%になるように、1.6質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えた。ガラス瓶をオートクレーブで、100℃、1時間加熱して反応物であるスラリーを得た。本例の工程1では、リグノセルロース系バイオマス(A)であるサトウキビバガス100質量部に対して、1.6質量%水酸化ナトリウム水溶液の添加量が400質量部、NaOHの添加量が6.4質量部であった。
(工程2)
工程1で得られたスラリーに、基剤(B)であるロジンを溶解させた水酸化ナトリウム水溶液(ロジン濃度1.0質量%、pH9)を、ロジンの添加量がリグノセルロース系バイオマス(A)であるサトウキビバガス100質量部に対し、0.1質量部になるように添加し、撹拌を行った。撹拌後、1M硫酸水を用いてpH7になるまで中和を行い、得られたスラリー状物質を80℃で熱乾燥し、植物生育促進剤の本発明品1を得た。ロジンは、和光純薬工業株式会社製の粉末状の部分を使用し、酸価は167mg/gであった。
また、ロジンの添加量を、リグノセルロース系バイオマス(A)であるサトウキビバガス100質量部に対し、1.0質量部として、同様に植物生育促進剤の本発明品2を得た。
上記方法では、リグノセルロース系バイオマス(A)であるサトウキビバガスの表面に、基剤(B)であるロジンが存在する植物生育促進剤が得られる。
<製造例2>
製造例1と同様に、ただし、工程1の条件及び基剤(B)であるロジンの添加量を表1記載のように変更し、植物生育促進剤の本発明品3〜6を製造した。
<製造例3>
製造例1と同様に、ただし、リグノセルロース系バイオマス(A)をイナワラに変更し、植物生育促進剤の本発明品7を製造した。
<製造例4>
製造例1と同様に、ただし、基剤(B)を表1記載のように変更し、植物生育促進剤の本発明品8〜18を製造した。また、必要に応じて工程2で基剤(B)を溶解させる溶媒を水のみとした。
また、植物生育促進剤の比較品1、2は、以下のものである。
比較品1:リグニンスルホン酸Ca塩、リグノスーパーD、河野新素材開発株式会社製、主成分がリグニンスルホン酸Ca塩
比較品2:ロジン、和光純薬工業株式会社製、酸価167mg/g、粉末状の部分を使用。
植物生育促進剤の比較品3〜10は、下記比較製造例1〜6で得た。
<比較製造例1>
製造例1の工程1で得られたスラリーを、1M硫酸水を用いてpH7になるまで中和を行った後、80℃で熱乾燥し、植物生育促進剤の比較品3を得た。比較品3は、本発明品1で基剤(B)を含有しないものに相当する。
<比較製造例2>
1mm径の金型篩をパスしたサトウキビバガスに、基剤(B)であるロジンを溶解させた水酸化ナトリウム水溶液(ロジン濃度1.0質量%、pH9)を、ロジンの添加量がサトウキビバガス100質量部に対して0.1質量部になるように添加し、30℃で120分間撹拌を行った。撹拌後、1M硫酸水を用いてpH7になるまで中和を行い、得られたスラリー状物質を80℃で熱乾燥し、植物生育促進剤の比較品4を得た。
<比較製造例3>
製造例1の工程1で得られたスラリーに対し、ステアリン酸メチルを溶解させたクロロホルム溶液を、ステアリン酸メチルの添加量がサトウキビバガス100質量部に対して1.0質量部になるように添加し、撹拌を行った。撹拌後、得られたスラリー状物質を80℃で熱乾燥し、植物生育促進剤の比較品5を得た。
<比較製造例4>
製造例1と同様に、ただし、基剤(B)を表1記載のように、工程(2)における基剤(B)の溶媒をアセトンに変更し、植物生育促進剤の比較品6、7を製造した。
<比較製造例5>
製造例1と同様に、ただし、基剤(B)を表1記載のように、工程(2)における基剤(B)の溶媒をイオン交換水に変更し、植物生育促進剤の比較品8、9を製造した。
得られた本発明品及び比較品の植物生育促進剤の接触角を前記の方法で測定し、表1に示した。なお、表1では、リグノセルロース系バイオマス(A)や基剤(B)に該当しない成分も、便宜的にそれらの欄に示した。
<評価>
(1)土壌造粒物の耐水性評価
表1の植物生育促進剤と土壌とを混合して出来た、混合造粒物の耐水性について評価した。
土壌として、佐賀県の田土(沖積土)を採取したものを目開き2mmの篩に通し、粗大な粒子や石、礫を除いたものを使用した。
土壌を100mLポリカップに投入し、表1の植物生育促進剤を土壌100質量部に対して表1の添加量となるように投入した。さらに土壌に対して30質量%となるように水を投入し、手動で約3分間撹拌後、得られた土壌造粒物の中から直径1〜3mmのものを土壌造粒物サンプルとした。得られた土壌造粒サンプルを高さ5cmまで水を張ったディスポガラス試験管(13mm×100mm、IWAKI社製)内に投入し、土壌造粒物が崩壊するまでの時間を測定した。測定は各試験、反復数5回とし、その平均値を表1に示した。なお、表中、植物生育促進剤の添加量は、土壌100質量部に対する質量部である(以下同様)。表中、ラウリル硫酸ナトリウムは、ナトリウム塩としての添加量で示している。
(2)ダイズの生育試験
表2の植物生育促進剤を土壌に添加してダイズに適用した場合の、ダイズの生長促進効果について評価した。
土壌として、荒木田土(コーナン商株式会社より購入)を目開き2mmの篩に通し、粗大な粒子や石、礫を除いたものを使用した。
土壌を電動ミキサー〔ドラム容量63L、『SS100−63』(株式会社シンセイ)〕に投入し、表2の植物生育促進剤を土壌100質量部に対して0.1質量部となるように投入した。さらに土壌に対して20質量%となるように水を投入し、約5分間撹拌後、得られた混合物を土壌サンプルとした。土壌サンプルを育苗用ポリエチレン製ポット(直径12cm)に投入し、10aあたりN/P/K=6kg/6kg/6kgとなるように施肥を行い、別途、子葉展開期まで揃えて生育させたダイズ(品種フクユタカ、岩倉種苗)を本ポットに植え替えた。植え替え後、約3週間後にダイズ苗を取出して水洗し、地下部の乾燥質量を測定した。反復数は8個とし、その平均値を求めた。各平均値は、それぞれの対照の値を100とする相対値で表2に示した。なお、対照は、植物生育促進剤を用いずに実施したもの(表2では比較例2−1)である。表2の相対値が大きいことは、収穫までの生育性が良好であることを意味し、作物の収量増加が期待される。
(3)土壌硬化度の測定
土壌として、荒木田土(コーナン商株式会社より購入)を目開き2mmの篩に通し、粗大な粒子や石、礫を除いたものを使用した。
土壌を電動ミキサー〔ドラム容量63L、『SS100−63』(株式会社シンセイ)〕に投入し、表2の植物生育促進剤を土壌100質量部に対して0.1質量部となるように投入した。さらに土壌に対して20質量%となるように水を投入し、約5分間撹拌後、得られた混合物を土壌サンプルとした。
土壌サンプル(900g)を育苗用ポリエチレン製ポット(直径12cm)に投入した。本ポットを屋外に放置し、天水及び2日ごとにガーデンマスター噴霧機(KOSHIN製)を用いて500L/aの水を散布した。3週間後、本土壌サンプルの硬度を測定した。土壌サンプルの硬度測定は、山中式土壌硬度計(株式会社藤原製作所:標準型土壌硬度計No.351)を用いて行った。
前記土壌硬度計の取扱説明書に従い、土壌硬度計の先端コーンを鍔と土壌サンプルの表面が当たるまで差し込み、ゆっくりと引き抜いた。その際の目盛の指数(mm)を読み取り、次式にて支持力強度(kg/cm)に換算した。支持力強度を土壌硬度として反復5回の平均値を表2に示した。
P=〔100X〕/〔0.7952(40−X)
P:支持力強度(kg/cm
X:指数(mm)
Figure 0006498852
表中の一部の成分は以下のものである。
ポリビニルアルコール(Mw108,000):重量平均分子量108,000、和光純薬工業株式会社製
ポリアクリル酸(Mw250,000):重量平均分子量250,000、和光純薬工業株式会社製
ポリビニルアルコール(Mw6,000):重量平均分子量6,000、Polysciences Inc.社製
ポリアクリル酸(Mw5,000):重量平均分子量5,000、和光純薬工業株式会社製
Figure 0006498852
表1、2中、基剤(B)の添加量は、リグノセルロース系バイオマス(A)100質量部に対する質量部である。

Claims (11)

  1. リグノセルロース系バイオマス(A)と、(B1)〜(B3)から選ばれる少なくとも1つの基剤(B)とを含有し、水に対する接触角が80°以下である、植物生育促進剤。<基剤(B)>
    (B1)樹脂酸
    (B2)式(1)で表される化合物
    −Z−Z (1)
    〔式中、
    :炭素数9以上の炭化水素基
    :単結合、又は(OR
    :炭素数2以上3以下のアルカンジイル基
    p:平均で0超30以下の数
    :カルボキシ基、水酸基、硫酸基、及びNRから選ばれる基
    、R:各々独立に水素原子、メチル基、エチル基、又は(RO)
    :炭素数2以上3以下のアルカンジイル基
    q:平均で0超15以下の数
    を示す。〕
    (B3)分子量が3万以下の、多価アルコール又は多価カルボン酸
  2. 前記リグノセルロース系バイオマス(A)が、親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)である、請求項1記載の植物生育促進剤。
  3. 前記リグノセルロース系バイオマス(A)と前記基剤(B)の複合物を含有する、請求項1又は2記載の植物生育促進剤。
  4. 前記リグノセルロース系バイオマス(A)の表面に前記基剤(B)が結合した複合物を含有する、請求項1〜3の何れか1項記載の植物生育促進剤。
  5. 前記リグノセルロース系バイオマス(A)100質量部に対して、前記基剤(B)を0.001質量部以上100質量部以下含有する、請求項1〜4の何れか1項記載の植物生育促進剤。
  6. 固体である、請求項1〜5の何れか1項記載の植物生育促進剤。
  7. 前記基剤(B)が、下記の基剤(B1−1)、基剤(B2−1)〜基剤(B2−4)、基剤(B3−1)、及び基剤(B3−2)から選ばれる少なくとも1つの基剤である、請求項1〜6の何れか1項記載の植物生育促進剤。
    基剤(B1−1)ロジン、ダンマル樹脂、及びトール油脂肪酸から選ばれる、樹脂酸又はその塩
    基剤(B2−1)カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、及びリグノセリン酸から選ばれる、脂肪酸又はその塩
    基剤(B2−2)デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、及びステアリルアルコールから選ばれる、アルコール
    基剤(B2−3)ラウリル硫酸、テトラデシル硫酸、及びヘキサデシル硫酸から選ばれる、硫酸エステル又はその塩
    基剤(B2−4)ドデシルアミン、テトラデシルアミン、及びステアリルアミンから選ばれる、アミン
    基剤(B3−1)グリセリン、ポリグリセリン、及び重量平均分子量が3万以下のポリビニルアルコールから選ばれる、多価アルコール
    基剤(B3−2)重量平均分子量が3万以下のポリアクリル酸、及び重量平均分子量が3万以下のカルボキシメチルセルロースから選ばれる、多価カルボン酸又はその塩
  8. 下記工程1及び工程2を有する植物生育促進剤の製造方法。
    工程1:リグノセルロース系バイオマス(A)を親水化処理して親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)を得る工程
    工程2:工程1で得られた親水性リグノセルロース系バイオマス(A’)と、下記(B1)〜(B3)から選ばれる少なくとも1つの基剤(B)とを含有し、水に対する接触角が80°以下である、混合物を得る工程
    <基剤(B)>
    (B1)樹脂酸
    (B2)式(1)で表される化合物
    −Z−Z (1)
    〔式中、
    :炭素数9以上の炭化水素基
    :単結合、又は(OR
    :炭素数2以上3以下のアルカンジイル基
    p:平均で0超30以下の数
    :カルボキシ基、水酸基、硫酸基、及びNRから選ばれる基
    、R:各々独立に水素原子、メチル基、エチル基、又は(RO)
    :炭素数2以上3以下のアルカンジイル基
    q:平均で0超15以下の数
    を示す。〕
    (B3)分子量が3万以下の、多価アルコール又は多価カルボン酸
  9. 工程1の親水化処理が、アルカリ処理、熱水処理、酸処理、又はこれらを組み合わせた処理である、請求項8記載の植物生育促進剤の製造方法。
  10. 工程1の親水化処理を、水を含む媒体中で行う、請求項8又は9記載の植物生育促進剤の製造方法。
  11. 請求項1〜7の何れか1項記載の植物生育促進剤を含有する土壌で植物を栽培する、植物の育成方法。
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