JP6498826B1 - 被覆電線の被覆剥ぎ取り装置 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、本実施形態においては、第1アーム部4及び第2アーム部6が離間する方向をX方向といい、X方向における第1アーム部4が配置される側をX1側といい、X方向における第2アーム部6が配置される側をX2側という。X方向は、被覆剥ぎ取り装置1にセットされた被覆電線10の径方向に一致する。被覆剥ぎ取り装置1にセットされた場合の被覆電線10の軸方向をY方向という。Y方向は、X方向に直交する。また、X方向及びY方向に直交する鉛直方向をZ方向という。
2つの環状スリット111は、被覆電線10の軸方向に離間して形成され、被覆11における剥ぎ取り部分110の両端に配置された環状の切り込みである。環状スリット111は、被覆電線10の外周面において周方向の全域に亘って形成される。
1つの直線状スリット112は、被覆11における剥ぎ取り部分110に形成された直線状の切り込みである。1つの直線状スリット112は、2つの環状スリット111の間において、被覆電線10の軸方向に延びる直線状に形成される。本実施形態においては、1つの直線状スリット112は、2つの環状スリット111の間に亘って形成される。また、1つの直線状スリット112は、被覆電線10の被覆剥ぎ取り装置1にセットされた状態において、被覆電線10のX1側を向くように配置される。
一対の保持部3は、台座板2のX方向の中央部において、Y方向に離間して配置される。一対の保持部3は、被覆電線10を軸方向がY方向に沿うように配置した状態で、被覆電線10を保持する。保持部3は、一対の保持板31,31と、保持部支持台32と、を有する。一対の保持板31,31は、X方向において、対向して並んで配置される。一対の保持板31,31は、X方向において、互いが近づく方向又は互いが離間する方向に移動され、互いが近づく方向に移動された場合に、被覆電線10を挟み込む。一対の保持板31は、Y方向(被覆電線10の軸方向)に離間した部分の2箇所で、被覆電線10を保持する。
一対の第1アーム部4,4は、互いが、被覆電線10の軸方向(Y方向)に並んで配置される。
また、第1軸方向駆動機構52は、側部に取り付けられた一対の第1アーム部4,4を、被覆電線10の軸方向(Y方向)において、互いが近づく側(閉じる側)又は離れる側(開く側)に移動させることが可能である。
なお、第2駆動機構部7は、前述の第1駆動機構部5が一対の第1アーム部4,4を移動させるのに対して、一対の第2アーム部6,6を移動させる点において異なるのみで、前述の第1駆動機構部5と同様の構成である。
また、第2軸方向駆動機構72は、側部に取り付けられた一対の第2アーム部6,6を、被覆電線10の軸方向(Y方向)において、互いが近づく側(閉じる側)又は離れる側(開く側)に移動させることが可能である。
制御部9は、第1制御として、剥ぎ取り部分110を一対の第1アーム部4,4と一対の第2アーム部6,6とで被覆電線10の径方向に挟んだ状態で、剥ぎ取り部分110を両端部側から中央部側に寄せるように、Y方向(被覆電線10の軸方向)において、一対の第1アーム部4,4を互いが近づく側(閉じる側)に移動させるように第1駆動機構部5の第1軸方向駆動機構52を制御し、かつ、一対の第2アーム部6,6を互いが近づく側(閉じる側)に移動させるように第2駆動機構部7の第2軸方向駆動機構72を制御する。
また、制御部9は、第2制御として、第1制御の実行後に、一対の第2アーム部6,6を互いが近づく側(閉じる側)に位置させた状態で、剥ぎ取り部分110における直線状スリット112が形成された部分を中央部側から両端部側に寄せるように、Y方向(被覆電線10の軸方向)において、一対の第1アーム部4,4を互いが近づく側(閉じる側)に位置した状態から互いが離れる側(開く側)に移動させるように、第1駆動機構部5の第1軸方向駆動機構52を制御する。
また、制御部9は、第3制御として、第2制御の実行後に、Y方向(被覆電線10の軸方向)において一対の第2アーム部6,6を互いが近づく側(閉じる側)に位置させて一対の第2アーム部6,6が剥ぎ取り部分110を挟み込んだ状態で、X方向において、一対の第2アーム部6,6を被覆電線10から離れるように第2駆動機構部7の第2径方向駆動機構71を制御する。
(1)被覆電線10の剥ぎ取り装置1は、被覆電線10から被覆11を剥ぎ取る被覆電線10の被覆剥ぎ取り装置1であって、被覆電線10には、2つの環状スリット111と1つの直線状スリット112と、が予め形成され、剥ぎ取り部分110を一対の第1アーム部4,4と一対の第2アーム部6,6とで被覆電線10の径方向に挟んだ状態で、被覆電線10の軸方向において、一対の第1アーム部4,4を互いが近づく側に移動させ、かつ、一対の第2アーム部6,6を互いが近づく側に移動させるように制御する第1制御を実行し、第1制御の実行後に、被覆電線10の軸方向において一対の第2アーム部6,6を互いが近づく側に位置させた状態で、一対の第1アーム部4,4を互いが近づく側(閉じる側)に位置した状態から互いが離れる側(開く側)に移動させるように制御する第2制御を実行する制御部9と、を備える。そのため、剥ぎ取り部分110が直線状スリット112において中央部側に寄せられた後に、両端部側に引き延ばされることで、直線状スリット112の切り込みの隙間が広がって、剥ぎ取り部分110を直線状スリット112の反対側から引っ張って引き剥がす際に、直線状スリット112の切り込みが開きやすくなる。これにより、切り込みの隙間が広がった直線状スリット112を介して、被覆11の剥ぎ取り部分110を、容易に剥ぎ取ることができる。よって、芯線12の解れや損傷を抑制できると共に、被覆11が芯線12に残存することを抑制でき、被覆電線10から被覆11を容易に剥ぎ取ることができる。
一対の第1アーム部4,4及び一対の第2アーム部6,6は、被覆電線10の被覆剥ぎ取り装置1を上方(Z軸方向)から視た場合の形状が、L字形状に限定されず、かつ、一対の第1アーム部4,4と第2アーム部6,6は、それぞれ非対称の形状でもよい。例えば、第2アーム部の形状を直線形状で構成してもよい。これにより、アーム形状を簡略化することができ、製造コストを低減することができる。なお、第1アーム部4,4と第2アーム部6,6の形状を逆に構成してもよい。
第1爪部41と第2爪部61は、被覆電線10を径方向に挟み込んだ場合に、互いに接触しない長さ、かつ、対向円弧面411,611の半径が被覆電線10の半径よりも短く構成されていてもよい。これにより、爪部同士の接触による衝突破損を防止し、かつ、被覆電線10を径方向に挟み込んだ場合に、第1爪部41と第2爪部61とが互いに接触しない程度の大きさの半径を有する被覆電線10に対する剥ぎ取り動作を行うことが可能である。よって、第1アーム部4,4と第2アーム部6,6とを、それぞれの被覆電線10の半径に応じて個別に製造する必要がなくなるため、第1アーム部4,4と第2アーム部6,6の製造コストや交換作業工数を削減することができる。
また、第1爪部41と第2爪部61は、対向円弧面411,611を有して構成されているが、被覆電線10の外周面に接する部分を有するように多角形状に構成してもよい。例えば、爪部同士が接した時に、Y方向(被覆電線10の軸方向)に視た場合の断面(X方向に切断した場合の断面)の形状が六角形となるように構成してもよい。これにより、爪部に円弧面を形成する場合と比較して、六角形の辺同士が鈍角で当接する角部に被覆電線を挟み込む際に、被覆電線10の被覆11が押し出される隙間が生じるため、第1爪部41は、被覆電線10を変形させることが抑制された状態で、即ち、芯線12への負荷を低減した状態で、X1側から被覆電線10を挟み込むことができる。
また、第1爪部41、第2爪部61の対向円弧面411,611に設けられる溝411a,611aは、被覆電線10の外周面に沿った円弧状の溝状に延びて形成されるが、円弧方向に対して角度を有して、例えば、ローレット形状のように斜め状に形成されてもよい。更に、一対の第1アーム部4,4と第2アーム部6,6は、それぞれ移動方向または撚り線のねじれ方向に応じて非対称に形成されてもよい。これにより、第1アーム部4,4と第2アーム部6,6とをそれぞれY方向の中央部側に寄せる制御を行なう場合に、被覆11を容易に剥ぎ取ることができる。
制御部9における第1制御において、剥ぎ取り部分110を一対の第1アーム部4,4と一対の第2アーム部6,6とで径方向に挟んだ状態で、図4Bに示すように、剥ぎ取り部分110を両端部側から中央部側に寄せるように、Y方向(被覆電線10の軸方向)において、一対の第1アーム部4,4を互いが近づく側(閉じる側)に移動させ、かつ、一対の第2アーム部6,6を互いが近づく側(閉じる側)に移動させるように制御しているが、これに限定されず、一対の第1アーム部4,4と一対の第2アーム部6,6をそれぞれが閉じる側に移動させる際に、所定の時間差を設けて駆動させる制御を行なってもよい。これにより、被覆電線10に設けられた環状スリット111のうち、一対の第1アーム部4,4側の被覆11を先に剥ぎ取ることができ、被覆電線10が引き延ばされるために、環状スリット111の切り込みと、直線状スリット112の切り込みが開きやすくなる。よって、被覆11に食い込んだ芯線12を取り除きやすくなり、被覆11を容易に剥ぎ取ることができる。
4 第1アーム部
6 第2アーム部
9 制御部
10 被覆電線
11 被覆
110 剥ぎ取り部分
111 環状スリット
112 直線状スリット
411,611 対向円弧面(円弧面)
411a、611a 溝
Claims (4)
- 被覆電線から被覆を剥ぎ取る被覆電線の被覆剥ぎ取り装置であって、
前記被覆電線には、軸方向に離間して形成され前記被覆における剥ぎ取り部分の両端に配置される2つの環状スリットと、前記2つの環状スリットの間に軸方向に延びる1つの直線状スリットと、が予め形成されており、
前記被覆電線に対向して配置され前記被覆電線における前記直線状スリットが形成された部分に近づくように前記被覆電線の軸方向に交差する方向に移動可能な一対の第1アーム部であって、前記被覆電線の軸方向に並んで配置されると共に、前記被覆電線の軸方向において互いが近づく側又は互いが離れる側に移動可能に構成される一対の第1アーム部と、
前記被覆電線を挟んで前記一対の第1アーム部に対向して配置され前記被覆電線における前記直線状スリットが形成された部分と反対側の部分に近づくように前記被覆電線の軸方向に交差する方向に移動可能な一対の第2アーム部であって、前記被覆電線の軸方向に並んで配置されると共に、前記被覆電線の軸方向において互いが近づく側又は互いが離れる側に移動可能に構成される一対の第2アーム部と、
前記剥ぎ取り部分を前記一対の第1アーム部と前記一対の第2アーム部とで前記被覆電線の径方向に挟んだ状態で、前記剥ぎ取り部分を両端部側から中央部側に寄せるように、前記被覆電線の軸方向において、前記一対の第1アーム部を互いが近づく側に移動させ、かつ、前記一対の第2アーム部を互いが近づく側に移動させるように制御する第1制御を実行し、前記第1制御の実行後に、前記被覆電線の軸方向において前記一対の第2アーム部を互いが近づく側に位置させた状態で、前記剥ぎ取り部分における前記直線状スリットが形成された部分を中央部側から両端部側に寄せるように、前記被覆電線の軸方向において前記一対の第1アーム部を互いが近づく側に位置した状態から互いが離れる側に移動させるように制御する第2制御を実行する制御部と、を備える被覆電線の被覆剥ぎ取り装置。 - 前記制御部は、前記第2制御の実行後に、前記被覆電線の軸方向において前記一対の第2アーム部を互いが近づく側に位置させた状態で、前記一対の第2アーム部を前記被覆電線から離れるように制御する第3制御を実行する請求項1に記載の被覆電線の被覆剥ぎ取り装置。
- 前記一対の第1アーム部及び前記一対の第2アーム部は、それぞれ、前記被覆電線の外周面に沿って配置される凹状の円弧面を有し、
前記円弧面の曲率は、前記被覆電線の外周面の曲率よりも曲がりが緩やかな曲率である請求項1又は2に記載の被覆電線の被覆剥ぎ取り装置。 - 前記一対の第1アーム部及び前記一対の第2アーム部は、それぞれ、前記被覆電線の外周面に沿って配置される凹状の円弧面を有し、
前記円弧面には、前記被覆電線の軸方向に交差する方向に延びる溝が形成される請求項1〜3のいずれかに記載の被覆電線の被覆剥ぎ取り装置。
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