JP6497344B2 - 太陽光励起レーザー装置 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽光をエネルギー源としてレーザー光を発生する装置に係り、より詳細には、太陽光の集光のためのレンズ系が不要な太陽光励起レーザー装置に係る。
地球の温暖化問題又はその他の環境問題の対策の一つとして、太陽光エネルギーを利用する技術が種々提案されており、太陽光をエネルギー源又は励起光源としてレーザー光を発生するための太陽光励起レーザー技術も種々提案されている。一般に、太陽光励起レーザーの場合、屋外に設置された際の耐久性や利便性の観点から、レーザー材料としてネオジウムイオン(Nd3+)を添加したYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)結晶などの固体材料が用いられる一方、地上での太陽光のエネルギー密度は、そのままでは、最良の条件下でも約1kw/m程度であり、太陽光を用いて、YAG結晶等のレーザー材料に於いてレーザー発振を達成するためには、地上に到達する太陽光の強度を数千から1万倍程度に集光する必要がある。そこで、例えば、特許文献1、2、非特許文献1などに於いては、大型のレンズやフレネルレンズ等を用いて、太陽光を集光して、それらのレンズ系の焦点にレーザー材料を配置する構成が提案されている。かかる構成に於いては、太陽光の向き(地上への入射角)が時々刻々と変化するので、その太陽光の向きに合わせて集光レンズ系の向きを変更する構成(太陽光の追尾システム)が用いられる。また、非特許文献2に於いては、太陽光のそのままの強度の波長分布に於いては、YAG結晶の励起に利用できる波長帯域の強度が低いことに鑑み、吸収波長帯域が広く且つ発光波長の狭い蛍光材料により太陽光を吸収し、蛍光材料からの蛍光によりレーザー材料のポンピングを実行し、これにより集光倍率を300倍程度まで低減する構成が提案されている。
特開2011−23377 特開2013−235930 特開2015−201464
アプライド・フィジックス・レター(Applied Physics Letters) 90,261120,2007年 ネイチャー・インサイト・サイエンティフィック・レポーツ(Nature Insight Scientific Reports)5,14758,2015年
上記の如く、従前の太陽光励起レーザー装置の構成に於いては、太陽光を追尾するためにレンズとその向きを変更するための機構(太陽光追尾機構)が用いられているので、太陽光励起レーザー装置を設置する際には、太陽光追尾機構のための空間を確保する必要があり、従って、レーザー本体よりも大掛かりな設備と場所が要求される。また、集光用レンズの大型化には限界があり、大規模太陽光発電設備の如く、数km以上に及ぶ広い面積に照射される太陽光をレーザー光に変換しようとすることを考えると、数m〜数十mのサイズの集光レンズとその追尾機構を多数配備することが必要となり、更に、多数のレーザー装置を配列する場合には、太陽光追尾機構に於ける太陽光の追尾の際に変位する部位が互いに干渉しないように、隣接する装置の間に十分なスペースを確保することも必要となる(太陽光の受光面を密に配列することが困難となる。)。そして、上記の如く、太陽光の追尾のために変位する集光用レンズの焦点が常にレーザー材料に当たるようにするべく、光学系が調整されるところ、風やその他の要因(近隣の車両の通過など)による振動が在っても、集光用レンズの焦点がレーザー材料に当たっている状態を維持するための構成が必要となる(焦点がレーザー材料から外れると、レーザー発振が停止してしまう。)。総じて、太陽光励起レーザー装置に太陽光追尾機構が用いられる場合には、太陽光追尾のために、大掛かりな設備、場所、調整のための労力、コストがかかることとなる。従って、太陽光追尾機構を必要とせずに、太陽光によるレーザー発振を達成できる構成があれば、非常に有用である。
かくして、本発明の一つの課題は、太陽光追尾機構を必要としない太陽光励起レーザー装置を提供することである。
本発明によれば、上記の課題は、太陽光励起レーザー装置であって、
第一の面と、第二の面と、第一及び第二の面の周縁を接続する縁面とから成り、その内部又は第一若しくは第二の面上に太陽光を吸収してレーザー媒質の感度の高い波長帯域の蛍光を放出する蛍光物質が分散され且つ外部よりも屈折率が高い材料から形成された板状構造を有し、第一の面から太陽光が入射すると、蛍光物質から放出される蛍光が実質的に縁面に集光されて出射する蛍光導光板と、
蛍光導光板の縁面上にて第一及び第二の面の周縁方向に沿って巻装された1条の光ファイバーにして、レーザー媒質が分散されたコア部と、表面及び内部が蛍光を透過する材料にて形成されコア部の屈折率よりも低い屈折率を有するクラッド部と、光ファイバーの一方の端面にてレーザー媒質が放出した光の実質的に全てを反射する第一の反射手段と、光ファイバーの他方の端面にてレーザー媒質が放出した光の一部を透過させ、その残りを反射する第二の反射手段とを含み、蛍光導光板の縁面から出射された蛍光がクラッド部の表面を透過してコア部まで達し、蛍光によりレーザー媒質が励起されてレーザー発振が達成可能であり、レーザー光が光ファイバーの他方の端面から出射する光ファイバーとを含む装置によって達成される。
かかる構成に於いて、「蛍光導光板」とは、端的に述べれば、板状構造の広い面(第一の面)から光が入射すると、内部に又は第一若しくは第二の面上に分散された蛍光物質が進入光により励起されて蛍光を発し、その蛍光が板状構造の縁面へ導かれて集光されて出射するよう構成された板状部材である(例えば、特許文献3参照)。蛍光物質から放出される蛍光は、放射方向に発せられるところ、板状構造を成す蛍光導光板の屈折率がその外部(通常、空気)の屈折率よりも高いため、板状構造の広い面(第一の面、第二の面)と外部との界面に於いて、蛍光の一部は透過してしまうが、蛍光の殆どが反射され、結果的に、板状構造の縁面へ集光し、そこから出射されることとなる。上記の構成に於いて、「蛍光が実質的に縁面に集光され」とは、本発明の目的に於いて、許容可能な範囲の量(レーザー発振が生ずるのに十分な量又は所望のレーザー出力を達成する量)の蛍光が縁面に集光されることを意味している(具体的な許容可能な範囲の量は、採用される材料や寸法に応じて適合により決定される。)。蛍光導光板を形成する材料に於いて分散される「蛍光物質」は、励起光が照射されると、その光を吸収して、蛍光を発する蛍光色素、量子ドットなどの任意の物質であってよく、特に、本発明の場合には、太陽光を吸収して励起され、下記の「レーザー媒質」の感度の高い、即ち、その吸収量の大きい(吸光係数が大きい)波長帯域の蛍光を発する物質が選択される。また、第一の面上又は第二の面上に蛍光物質を分散させる構成は、実施の態様に於いて、例えば、蛍光物質が分散された薄膜を第一の面上又は第二の面上に貼着又は形成することにより達成されてよい。
また、上記の構成に於いて、1条の「光ファイバー」は、所謂、ファイバーレーザーに使用される光ファイバーであってよく、特に、本発明に於いて使用される光ファイバーに於いては、クラッド部の表面及び内部が、上記の「蛍光物質」の発する蛍光を透過する材料にて形成され、従って、蛍光が、コア部を(その延在方向(軸方向)に対して垂直な)放射方向の周囲にて囲繞するクラッド部の放射方向の外表面(外周面)から入射し、コア部へ到達するよう構成される。なお、1条の光ファイバーは、複数の光ファイバーが直列に1条に連結されたものであってもよい。「光ファイバー」のコア部に分散される「レーザー媒質」は、この分野に於いて通常使用される、ファイバーレーザーのレーザー発振が達成可能なネオジニウムイオン、イッテリビウムイオン等の物質であってよく、コア部はこれらのイオンがドープされたガラス(典型的には、石英ガラス)から構成されてよい。更に、「光ファイバー」の両端に設けられる第一及び第二の反射手段は、ファイバーレーザーに於いて通常用いられるFBG(ファイバーブラッググレーティング)等の光を反射する機構であってよい。反射率は、例えば、第一の反射手段に於いては、99.999%(上記の構成に於いて、「光の実質的に全てを反射する」とは、本発明の目的に於いて許容可能な範囲な量の光を反射するという意味である。)、出射端でもある第二の反射手段に於いては、98%などに設定されていてよい。そして、上記の如く、端的に述べれば、本発明の太陽光励起レーザー装置は、上記の「蛍光導光板」の縁面上に於いて、ファイバーレーザーとして動作可能な一条の光ファイバーが巻装されて構成される。
上記の構成によれば、まず、蛍光導光板の第一の面から太陽光が入射されると、蛍光導光板内部(又は表面)の蛍光物質が励起され蛍光を発し、ここに於いて、太陽光の広範囲の波長帯域の光成分がレーザー媒質の感度の高い帯域の光成分へ“変換”され、更に、蛍光導光板の作用によって、殆どの光(蛍光)が蛍光導光板の縁面へ集光され出射されることとなる。そうすると、縁面上にて集光された蛍光が、そこに於いて巻装された一条の光ファイバーの外周面から入射し、コア部へ到達することとなる。光ファイバーのコア部に於いては、蛍光がコア部の分散されたレーザー媒質を励起し、これにより、レーザー媒質が、自然放出及び誘導放出により、光を発することとなり、また、光は、コア部の軸方向に伝播するところ(コア部の屈折率がクラッド部よりも高いため)、光ファイバーの両端がファブリペロー型共振器を構成しているので、レーザー発振条件が成立している場合には、レーザー発振が達成されることとなる。
かくして、上記の構成に於いては、太陽光のうちの比較的広い範囲の波長帯域の成分のエネルギーが蛍光導光板内の蛍光物質によってレーザー媒質の感度の高い波長帯域内に圧縮されつつ変換され、更に、蛍光導光板の略全域照射された太陽光によって生ずる蛍光(太陽光を上記の如く帯域を圧縮して変換されたエネルギー)が蛍光導光板と外部との屈折率の差による作用により、集光するという原理によって、そのままでは、レーザー発振を達成するには薄過ぎる密度の太陽光エネルギーの圧縮が図られることとなる。即ち、上記の構成に於いては、太陽光の集光、即ち、エネルギー密度の増大を、太陽光の追尾のために変位する集光用レンズを有する太陽光追尾機構を要せずに達成できることとなる。
なお、上記の本発明の装置の構成に於いて、蛍光導光板の縁面からの蛍光ができるだけ多く光ファイバーへ進入できるようにすべく、1条の光ファイバーが蛍光導光板の縁面上にて複数回巻き付けられ、これにより、光ファイバーの外周面に於いて、できるだけ広い面積にて蛍光を受容できるようになっていてよい。また、蛍光導光板の縁面からの蛍光をできるだけ漏らさずに光ファイバーへ進入できるようにすべく、1条の光ファイバーが蛍光導光板の縁面の実質的に全域を亘って囲繞するように、光ファイバーが蛍光導光板の縁面上に巻装されていることが好ましい。更に、蛍光導光板の内部から第二の面を透過した光(太陽光、蛍光)、蛍光導光板の縁面上に巻装された光ファイバーを透過して外部へ漏れた光(蛍光)を装置の内側へ戻し、それらの光がより有効にレーザー発振に寄与できるようにすべく、第一の面を除く外表面の全域が内向きに光(特に、レーザー発振波長よりも短い波長の光)を反射する反射ミラー体で囲繞されていてよい。
上記の本発明の装置に於いて、装置の小信号利得γoが1条の光ファイバーのレーザー発振波長に於ける内部損失Lよりも大きいとき、レーザー発振が達成されることとなる。装置の小信号利得γoは、太陽光を受容する第一の面の面積Srと蛍光を出射する縁面の面積Stとの比Sr/Stの関数となり、下記の条件式:
<(ηση/I)ηaαpηDηT(Sr/St)I・Rw …(1)
[ここで、Lは、光ファイバーのレーザー発振波長に於ける内部損失、ησ、η、I、ηa、αpは、それぞれ、レーザー媒質の量子効率、ストークス効率、飽和強度、蛍光の吸収される割合、吸光係数であり、ηD、ηTは、蛍光導光板に於ける蛍光物質の量子効率、蛍光の縁面までの伝搬効率であり、Iは、太陽光の単位面積当たりの光強度であり、Rwは、太陽光の強度のうち蛍光物質に吸収される強度の比である。]
を満たすとき、レーザー発振が生ずる。従って、好ましくは、第一の面と縁面との比Sr/Stが上記の式(1)を満たすように、蛍光導光板が成形される。
かくして、上記の本発明によれば、既に触れた如く、太陽光の集光のために、太陽光追尾機構を用いていないので、太陽光追尾機構のための空間を確保する必要がなくなり、また、従前のように、集光レンズの焦点をレーザー材料に合わせるといった調整と、焦点の位置ずれのための対策も不要となる。また、エネルギー密度が希薄な太陽光を利用する場合、大規模太陽光発電所(メガソーラー)のように大面積(数km)の利用が一般的であるところ、太陽光追尾機構のための空間が不要となるので、多数のレーザー装置を配列する場合、太陽光の受光面を密に配列することが容易となり、発電所に於ける単位体積当たりに到達する太陽光をより有効に利用することが可能となることが期待される。更に、蛍光導光板はフィルムのようにフレキシブルな材料で作製することが可能であり、大面積に設置する上で、装置の配列に於ける融通性が高く成る点で有利である。更にまた、蛍光導光板の直径大型化や薄型化により導光板側面での光強度を有利に高くすることも可能である。そして、光ファイバーを利用しているので、個別のレーザー装置の結合が容易であり、得られたレーザー光をファイバーで導光するなどして長距離に伝送することも容易となる点で有利である。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
図1(A)は、本発明による太陽光励起レーザー装置の実施形態の模式的な斜視図であり、図1(B)は、その模式的な平面図であり、図1(C)は、模式的な断面図である。図1(D)は、本発明による装置の実施形態に於ける光ファイバーの模式的な断面図である。 図2(A)は、本発明による太陽光励起レーザー装置の実施形態に於けるエネルギーの流れを説明する図である。図2(B)は、太陽光の正規化されたエネルギースペクトル(波長特性)であり、図2(C)は、本発明による太陽光励起レーザー装置の実施形態の蛍光導光板内に分散される蛍光物質の蛍光スペクトル(波長特性)である。図2(D)は、本発明による太陽光励起レーザー装置の実施形態の光ファイバーのコア部のレーザー材料内にドープされたレーザー媒質(Nd3+)の吸収スペクトル(波長特性)である。図2(E)は、蛍光導光板(又は光ファイバー)内に於いて、内部からの光が外部との界面に於いて、屈折率差に起因して、内側へ戻される原理を説明する図である。 図3(A)、(B)は、本発明による太陽光励起レーザー装置の別の実施形態の模式的な平面図である。図3(C)、(D)は、本発明による太陽光励起レーザー装置の別の実施形態の模式的な断面図である。
1…太陽光励起レーザー装置
2…蛍光導光板
2a…太陽光受容面(第一の表面)
2b…蛍光導光板内部
2c…蛍光導光板縁面
2d…蛍光物質薄膜
3…光ファイバー部
3a…光ファイバー
3b…クラッド部
3c…コア部
4…出射端
5…反射端
6…反射ミラー枠
SL…太陽光
LL…レーザー光
LM…レーザー媒質(Nd3+
FL…蛍光
FM…蛍光物質(量子ドット)
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。図中、同一の符号は、同一の部位を示す。
装置の構成
図1を参照して、本発明による一つの実施形態の太陽光励起レーザー装置1は、略円盤形状の蛍光導光板2と、その周囲の縁面上に於いて巻装された一条の光ファイバー3aから成る光ファイバー部3とから構成される(なお、説明の目的で、同図の各部の構造は、模式的に描かれており、実際の装置の寸法の割合は大幅に異なり得る。)。
まず、蛍光導光板2は、図1(A)〜(C)に描かれている如く、太陽光SLを受容する太陽光受容面2a(表面)、その裏面、太陽光受容面2aと裏面とを接続する縁面2cとにより画定され、内部に蛍光物質FMが分散された、外部の空間よりも光の屈折率が高い材料にて形成される。蛍光導光板2の材料に於いて、典型的には、母材は、例えば、典型的には、石英ガラスであってよく(透明なポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂であってもよい)、蛍光物質FMは、蛍光色素、量子ドットなどの物質であって、太陽光を吸収して、後に説明する光ファイバー3aのコア部内にドープされたレーザー媒質の吸収波長帯域(吸光係数のピーク波長及び/又はそれを含むその近傍の波長帯域)の蛍光を発する物質であってよい。なお、蛍光導光板2の寸法、太陽光受容面2aと縁面2cとの面積比は、後述の如き、レーザー発振の条件が充足されるように設計される。
一方、光ファイバー部3に於いて、光ファイバー3aは、ファイバーレーザーに利用可能な光ファイバーであり、好適には、図示の如く、一条の光ファイバー3aが蛍光導光板2の縁面2c上にて、蛍光導光板2の周方向に沿って、好適には、複数回、より好適には、密に(隣接する表面が互いに接するように)巻き付けられる(巻装される)。光ファイバー3aは、図1(D)に模式的に描かれている断面図にて示されている如く、レーザー媒質LMがドープされたガラス材料にて形成されコア部3cがその外周にてコア部3cよりも屈折率の低いガラス材料にて形成されたクラッド部により囲繞された構成を有し、光ファイバー3aの両端4、5に於いて、光ファイバー内を伝播する光(少なくともレーザー媒質が放出する光の波長帯域の成分)を反射する反射手段が設けられて、ファブリペロー共振器が構成されるようになっていてよい。反射手段には、ファイバーレーザーに於いて、通常使用されている方式、例えば、FBG(ファイバーブラッググレーティング)が採用されてよい。また、これらの反射手段の反射率について、レーザー光の出射端となる端部4に於いては、光ファイバー内を伝播する光の一部が透過するように調整される。具体的には、反射率は、全ての光を反射させるための端部5に於いては、99.999%(端部から励起光を入射させる必要がないので、励起光が透過するようになっている必要はない。)、レーザー光を取り出す側の端部4に於いては、98%などとなるように調整されてよい。更に、特に、本実施形態の太陽光励起レーザー装置1に於いては、後に詳細に説明される如く、蛍光導光板2の縁面2cから出射される蛍光を巻装された光ファイバー3aの外周の表面から進入させることとなるので、クラッド部の表面は、被覆がない状態とするか、被覆がされたとしても、その材料として蛍光導光板2内に分散された蛍光物質の蛍光の波長の光を透過させるものが採用される。クラッド部は、複数の層にて構成されていてもよい。
上記の太陽光励起レーザー装置1の具体的な実施例に於いては、例えば、蛍光導光板2は、石英ガラスの直径500mm以上、厚さ1mmの円盤部材2bであって、蛍光物質FMとしては、直径2−3mmの硫化鉛ドット(吸収波長300−750nm、発光波長ピーク805nm)が内部に実質的に一様に分散された部材が採用されてよい。また、蛍光物質FMは、色素ローダミン6G(発光波長:590nm)、量子ドットCdSe(発光波長:740nm)などであってもよい。光ファイバー3aとしては、100m以上の連続した1本のファイバーであって、石英ガラスにて形成された直径Dco:10−20μmのコア部3cと直径Dcl:125μmのクラッド部から成り、コア部の材料が、レーザー媒質として、Nd3+が0.5%にてドープされたものであり、コア/クラッド屈折率差が1%程度、レーザー光波長(レーザー媒質の放出光波長)付近に於ける内部損失が10dB/km(1×10−6cm−1)未満のものが採用されてよい。そして、上記の100mの光ファイバー3aが蛍光導光板2の縁面2cに巻装される場合には、光ファイバー3aは、概ね63周回巻き付けられることとなる。
なお、上記の構成に於いて、蛍光導光板2に進入した太陽光の一部及び蛍光物質から発せられた蛍光の一部が、太陽光受容面2aとは反対側の裏面から外部へそのまま透過し、また、縁面2cから出射して光ファイバー3aの束へ進入した蛍光の一部が、光ファイバー3aの束の外側へそのまま透過してしまうと、それらの光は、レーザー発振に寄与しないこととなる。そこで、蛍光導光板2の裏面から透過した光と光ファイバー3aの束の外側へ透過した光をそれぞれ内側に戻し、より多くの光がレーザー発振に寄与できるようにするために、図2(C)に模式的に描かれている如く、蛍光導光板2の裏面と光ファイバー3aの束の外周を覆う反射ミラー枠6が設けられていてよい。反射ミラー枠6は、筐体の内側が全反射ミラーとなっており、蛍光導光板2の裏面から透過した光と光ファイバー3aの束の外側へ透過した光は、反射されて、それぞれ、蛍光導光板2の内部、光ファイバー3aの束へ戻されることとなる。反射ミラーは、例えば、誘電体多層膜にて形成されてよい。
また、図3(A)、(B)に模式的に例示されている如く、蛍光導光板2の外周形は、多角形であってもよく、光ファイバー3aの束は、屈曲可能な程度に於いて、蛍光導光板2の外周に近接するよう巻装されてよい。蛍光導光板2の多角形の場合、複数の装置を或る面内に配列する際に、装置間の隙間を低減でき、互いに密に配置できる点で有利である。更に、図3(C)、(D)に模式的に描かれている如く、蛍光導光板2に於いて、蛍光物質は、太陽光受容面2a上に或いは裏面上に、例えば、蛍光物質を含む薄膜2dを貼着又は形成することにより、分散されてもよい。図3(C)の構成の場合、蛍光物質薄膜2dから図中上向きに放出される光の成分(全蛍光の約半分)は、外部へ逃げてしまうが、残りの光の成分が直接に又は下方の板状部材2bへ放出された後に反射して縁面2cから出射することとなる。図3(D)の構成の場合、太陽光が板状部材2bを透過して、蛍光物質薄膜2dに到達し、そこから、蛍光の一部は、板状部材2b内を伝播して縁面2cから出射することとなる。
装置の作動
(1)作動原理
図1(C)及び図2(A)を参照して、本発明による太陽光励起レーザー装置1の動作に於いて、「発明の概要」の欄に於いて述べた如く、まず、太陽光SLが蛍光導光板2内へ入射し、蛍光物質FMが励起され、これにより、蛍光物質FMから蛍光FLが放出されることとなる。そして、蛍光FLが光ファイバー3aのコア部3cにドープされたレーザー媒質LMを励起し(ポンピングし)、これにより、レーザー媒質LMからの放出光LLがレーザー発振に利用されることとなる。
上記の一連の光エネルギーの流れについて、まず、図2(B)のスペクトルに描かれている如く、太陽光の波長帯域は、広範囲に亘るところ、吸収可能な波長帯域が広く、蛍光の波長帯域が狭い蛍光物質を用いると、太陽光エネルギーの波長帯域の圧縮が為されることとなる(スペクトル圧縮)。例えば、上記の実施例に於いて挙げた硫化鉛ドットの如き蛍光物質の場合、広い帯域(例えば、300−750nm、図中、「FM吸収波長帯域」)の光成分を吸収し、図2(B)、(C)の如く、狭い帯域の蛍光(発光波長ピーク805nm、FM蛍光波長帯域)を発することとなる。即ち、太陽光を一旦、蛍光物質へ吸収させることにより、光エネルギーの波長帯域が圧縮され、これにより、太陽光のエネルギー密度の増大が図られることとなる。また、蛍光物質の蛍光がレーザー媒質の吸収のピークとなる波長となるように、蛍光物質とレーザー媒質とを選択することにより、レーザー媒質に吸収させる太陽光エネルギーの量を大幅に(太陽光をそのままレーザー媒質へ照射する場合に比して)増大させることが可能となる。例えば、上記の実施例に於いて挙げたレーザー媒質として用いられるNd3+の場合、図2(D)に模式的に示されている吸収スペクトルの如き吸収波長特性を有しているところ、硫化鉛ドットの発光波長ピーク805nmは、Nd3+の吸収のピークの一つと合致するので、レーザー媒質へ与えられる光子密度が、太陽光そのままの場合に比して、5倍程度に増大されることが見出されている。
更に、蛍光導光板2内に於いて、太陽光SLにより励起された蛍光物質から放出される蛍光は、個々の蛍光物質に於いて等方的に放出されるところ、蛍光導光板2と外部との界面に於いては、図2(E)に描かれている如く、蛍光導光板2の屈折率が外界(通常、空気)の屈折率よりも高いため、界面への入射角θが臨界角θeよりも大きい光は、界面で全反射されることとなる。そうすると、蛍光導光板2内全体に於いては、図1(C)に模式的に描かれている如く、蛍光物質から発せられた蛍光は、一部は、蛍光導光板2の太陽光受光面2aから透過してしまうが、殆どは、蛍光導光板2内で反射を繰り返し、最終的に、蛍光導光板2の縁面2cへ集光され、そこに於いて蛍光導光板2から出射して、隣接する光ファイバー3aへ入射されることとなる。そして、光ファイバー3aに於いては、外周面から、レーザー発振のためのポンピングエネルギーとなる蛍光が入射されることとなる。なお、図1(C)の如く、一条の光ファイバー3aが複数回に亘って即ち多重に蛍光導光板2の縁面2cに巻きつけられている構成によれば、蛍光導光板2に巻装された部分の略全長に亘って蛍光が、光ファイバー3aの軸方向からではなく、半径方向から直にコア部内の個々のレーザー媒質へ到達することとなり、蛍光がレーザー媒質へ到達するまでの損失も低減されることが期待される。
かくして、上記の本発明による太陽光励起レーザー装置1に於いては、太陽光SLのエネルギーは、蛍光物質による波長の変換及びスペクトル圧縮の作用と、蛍光導光板2内に於ける縁面2cへの集光作用との二つの段階で、エネルギー密度が濃縮されてファイバーレーザーとして機能する光ファイバー3aへ与えられることとなる。かかる本発明の構成に於いては、太陽光を光学的に集光するレンズ系、レンズ系の焦点をレーザー材料へ当てるための光学系及び太陽光の向きを追尾するようにレンズ系を含む光学系を変位又は偏向させるための機構を用いることなく、広い面積に降り注ぐ太陽光のエネルギーをより効率よく細いファイバー状のレーザー材料へレーザー発振を達成するように導くことが可能となる。
(2)作動条件
上記の太陽光励起レーザー装置1に於いては、光ファイバー3aの略全長にポンピングのための蛍光が入射すると仮定できるので、レーザー発振を達成するためには、ファイバーレーザーの小信号利得γoが光ファイバー3aのレーザー発振波長に於ける内部損失Lより大きいこと、即ち、
<γo …(2)
を満たすことが要求される。小信号利得γoは、
γo=(ηση/I)Pab …(3)
により与えられる。ここで、ησ、η、I、Pabは、それぞれ、レーザー媒質の量子効率、ストークス効率、飽和強度、光ファイバーの単位体積当たりの吸収パワー(W/m3)であり、Iは、
=hν/στ …(3) …(4)
にて与えられる。ここで、hνは、レーザー光波長の光子エネルギーであり、σは誘導放出断面積であり、τは、レーザー媒質の蛍光寿命である。そして、光ファイバーの単位体積当たりの吸収パワーPabは、
Pab=ηaαpIi …(5)
により与えられる。ここで、ηa、αpは、それぞれ、蛍光のうち、レーザー媒質の吸収される割合、吸光係数であり、Iiは、光ファイバーへ与えられる単位面積当たりの光強度である。
光ファイバーへ与えられる単位面積当たりの光強度Ii、即ち、本発明の構成に於いて蛍光導光板2の縁面2cから放出される蛍光は、太陽光受容面(第一の面)の面積Srと蛍光を出射する縁面の面積Stとの比Sr/Stの関数であり、
Ii=ηDηT(Sr/St)I・Rw …(6)
により与えられる。ここで、ηD、ηTは、蛍光導光板に於ける蛍光物質の量子効率、蛍光の縁面までの伝搬効率であり、Iは、太陽光の単位面積当たりの光強度(W/m)であり、Rwは、太陽光の強度のうち蛍光物質に吸収される強度の比である。従って、式(2)〜(6)から、レーザー発振のための条件は、既に述べた如く、
<(ηση/I)ηaαpηDηT(Sr/St)I・Rw …(1)
となる。式(1)に於いては、(Sr/St)を除くパラメータは、物性的なパラメータであるので、選択された材料等により決定される。従って、好ましくは、蛍光導光板は、物性的なパラメータを参照して、太陽光受容面と縁面との比Sr/Stが上記の式(1)を満たすように成形される。
上記に例示した太陽光励起レーザー装置1の具体的な実施例として、Nd3+をレーザー媒質として用いたNd3+ドープ石英光ファイバーに於いて、Nd3+の放出光の波長であるレーザー発振波長1064nmに於ける内部損失Lは、1.4×10−3−1(=6dB/km)であり、808nmで励起した場合、ησ=0.9、ηs=0.8、σ=2×1024、τ=400μsである。ここで、仮に、光ファイバーへ与えられる単位面積当たりの光強度Iiが、太陽光パワー密度(AM1.5G)1×10W/mであったとすると、ηa〜0.1、αp=0.5となるので、式(2)の小信号利得γoは、2.2×10−5−1となり、内部損失Lを上回るようにして、レーザー発振を達成するためには、太陽光強度を62.7倍に濃縮すればよいこととなる。
一方、本発明の太陽光励起レーザー装置1の実施例に於いては、太陽光Iのうち、蛍光導光板2内の蛍光物質である硫化鉛ドットが吸収可能な帯域(300nm〜750nm)の成分の強度は約半分(Rw=1/2)程度であり、蛍光物質の量子効率ηD=0.9、蛍光の縁面までの伝搬効率ηT=0.6である。そうすると、直径D、厚みtの円盤状の蛍光導光板2の場合、太陽光受容面の面積がπD/4となり、縁面の面積がπDtとなることから、蛍光導光板2の縁面で得られる単位面積当たりの蛍光強度Iiは、太陽光密度Iの(27/400)D/t倍となる。ここで、例えば、直径D=1000mm、厚みt=1mmとすると、蛍光強度密度Iiは、太陽光密度Iの67.5倍となり、更に、レーザー媒質Nd3+に於いて吸収される波長の光子密度が太陽光そのままの場合の5倍程度(レーザー媒質へ吸収される割合ηa)となるので、Pabが更に大きくなり、式(1)のレーザー発振のための条件が満たされることとなる。
レーザー出力については、レーザー光の取り出し効率ηextは、
ηext=(1−(Lf/γo)1/2
にて与えられ、レーザー出力Pは、
=γoIsVηext
にて表される(Vは、光ファイバーのコア部の体積)。上記の蛍光導光板(直径D=1000mm)の例の場合に於いて、γoが、7.1×10-3m-1(=30.7dB/km)となり、光ファイバーの損失6dB/kmであることから、レーザーの取り出し効率は約31%と見積もられ、コア部の直径を20μm、光ファイバーの長さを100mとすると、P=16.2mWと見積もられる。
かくして、上記の如く、本発明による太陽光励起レーザー装置1に於いては、広い面積に降り注ぐ太陽光のエネルギーを、その密度を、集光レンズ等の光学系による太陽光追尾機構を用いずに圧縮して、細いファイバー状のレーザー材料へレーザー発振を達成するように導くことが可能となる。本発明の構成に於いては、太陽光の向きが変化すると、受容するエネルギー量は変化するが、レーザー材料のポンピングが太陽光追尾機構なしで継続され、また、蛍光導光板の直径大型化や薄型化により導光板縁面での光強度を更に高くすることが可能である。更に、蛍光導光板はフィルムのようにフレキシブルな材料で作製することも可能であり、大面積に設置する上で、装置の配列に於ける融通性が高く成る点で有利であり、車載利用も可能である。そして、光ファイバーを利用しているので、個別のレーザー装置の結合が容易であり、又、得られたレーザー光をファイバーで導光するなどして長距離に伝送することも容易となる点で有利である。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。

Claims (5)

  1. 太陽光励起レーザー装置であって、
    第一の面と、第二の面と、前記第一及び第二の面の周縁を接続する縁面とから成り、その内部又は前記第一若しくは第二の面上に太陽光を吸収してレーザー媒質の感度の高い波長帯域の蛍光を放出する蛍光物質が分散され且つ外部よりも屈折率が高い材料から形成された板状構造を有し、前記第一の面から太陽光が入射すると、前記蛍光物質から放出される前記蛍光が実質的に前記縁面に集光されて出射する蛍光導光板と、
    前記蛍光導光板の前記縁面上にて前記第一及び第二の面の周縁方向に沿って巻装された1条の光ファイバーにして、前記レーザー媒質が分散されたコア部と、表面及び内部が前記蛍光を透過する材料にて形成され前記コア部の屈折率よりも低い屈折率を有するクラッド部と、前記光ファイバーの一方の端面にて前記レーザー媒質が放出した光の実質的に全てを反射する第一の反射手段と、前記光ファイバーの他方の端面にて前記レーザー媒質が放出した光の一部を透過させ、その残りを反射する第二の反射手段とを含み、前記蛍光導光板の縁面から出射された前記蛍光が前記クラッド部の表面を透過して前記コア部まで達し、前記蛍光により前記レーザー媒質が励起されてレーザー発振が達成可能であり、レーザー光が前記光ファイバーの他方の端面から出射する光ファイバーと
    を含む装置。
  2. 請求項1の装置であって、前記1条の光ファイバーが前記蛍光導光板の前記縁面上にて複数回巻き付けられている装置。
  3. 請求項1又は2の装置であって、前記1条の光ファイバーが前記蛍光導光板の前記縁面の実質的に全域を亘って囲繞している装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかの装置であって、前記第一の面を除く外表面の全域が内向きに光を反射する反射ミラー体で囲繞されている装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかの装置であって、前記蛍光導光板の太陽光を受光する前記第一の面の面積Srと前記蛍光を出射する前記縁面の面積Stとの比Sr/Stが下記の条件式:
    <(ηση/I)ηaαpηDηT(Sr/St)I・Rw
    [ここで、Lは、前記光ファイバーのレーザー発振波長に於ける内部損失、ησ、η、I、ηa、αpは、それぞれ、前記レーザー媒質の量子効率、ストークス効率、飽和強度、前記蛍光の吸収される割合、吸光係数であり、ηD、ηTは、前記蛍光導光板に於ける蛍光物質の量子効率、前記蛍光の前記縁面までの伝搬効率であり、Iは、太陽光の単位面積当たりの光強度である1×10 W/m であり、Rwは、太陽光の強度のうち蛍光物質に吸収される強度の比である。]
    を満たす装置。
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